説明

リンゴ様粉末組成物及びその用途

【課題】リンゴ1個に含まれている栄養成分を糖分を減らしてバランスよく摂取できると共に手軽にかつ継続的に摂取できるように構成した機能性食品とその有用な用途の提供。
【解決手段】リンゴ由来の食物繊維、リンゴ由来のポリフェノール、リンゴ酸及びカリウムを主な構成成分とし、含有カロリーを3.3kcal/g以下に調整してあるリンゴ様粉末組成物。このリンゴ様粉末組成物を5〜10gずつ分包してある栄養補助食品。このリンゴ様粉末組成物を構成材料として含む栄養補助食品。このリンゴ様粉末組成物を溶解叉は分散してある飲料。このリンゴ様粉末組成物を加配してある菓子叉はパン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリンゴ様粉末組成物とその用途に関する。詳しくは、リンゴの中の糖分を減らした上で、その主な栄養成分をバランスよく配合してあるリンゴ様粉末組成物とその有用な用途に関する。
【背景技術】
【0002】
古来から「リンゴ1個は医者を遠ざける」と言われ、毎日リンゴを1個ずつ食べ続けると病気にかからないと言われてきた。事実、リンゴには、生活習慣病に効果のある食物繊維、ポリフェノール、リンゴ酸、カリウムなどの栄養成分がバランスよく含まれていることが知られている。
【0003】
疫学調査によれば、リンゴの摂取は心血管病、ガン、喘息などの慢性疾患のリスクを低減させることが判明している。また、イン・ビトロ及び動物実験では、リンゴは高い抗酸化活性と抗ガン活性を有することが解明されている他、脂質酸化の減少、コレステロール値や血糖値の低減、便秘の改善、疲労回復などの機能を有することが知られている。
【0004】
しかし、毎日リンゴ1個を食べ続けることは容易ではない。リンゴは嵩張るので携行しにくいし、一度に1個を食べるとかなりのボリュームとなるので、他の食品を併食するのに支障を来すこともある。しかも、リンゴには糖分が含まれているので、毎日リンゴ1個を食べ続けるとカロリーを過剰に摂取することになりかねない。
【0005】
従来から、リンゴは、果汁、ジャム、リンゴチップスなどに加工され、供されてきた。これらは、いずれもリンゴを食べやすいように工夫した食品であるが、例えば、果汁の場合は、繊維質や皮に含まれるポリフェノール類が搾汁時に除去されているなど、リンゴの有する栄養成分をバランスよく摂取することを考慮した食品ではない。
【0006】
また、リンゴを搾汁した残渣は、主として廃棄物として処理されるか叉は家畜の飼料に供されていたが、最近は、そのパルプ分を加工食品の増量材として用いることも試みられている。また、残渣に含まれる食物繊維の機能性に着目して、アップルファイバーとして製品化されている。しかし、これらリンゴ搾汁残渣は、水分や糖分は除去されているが、同時にリンゴに含まれている微量な栄養成分も除去されているため、リンゴ搾汁残渣だけではリンゴ1個分の栄養機能を望むことはできない。
【0007】
このように、多くのリンゴ加工製品が市場で販売されているが、どの製品もリンゴの有する栄養成分の全体を効率よく摂取するという観点で作られたものではない。なお、リンゴのフリーズドライ製品では皮も一緒に加工したものが見受けられるが、これには糖質も多く含んでおり、エネルギーの過剰摂取を避ける点から連続的な摂取には適さない。
【0008】
上記の状況において、本発明者らは、リンゴの栄養成分を総合的に含む食品を開発することを志向し、まず、特許文献や技術文献を調べた。その結果、以下の公報や報文が検出された。
【特許文献1】特開2002−325547号公報
【特許文献2】特開2006−230280号公報
【特許文献3】特開2006−232794号公報
【特許文献4】特開2005−295831号公報
【非特許文献1】「アップルファイバーの特色と利用」日刊フードケミカル1999年1月号所載
【非特許文献2】「五訂増補食品成分表2007」女子栄養大学出版部発行
【0009】
特許文献1には、リンゴ搾汁残渣と梅酒濾過残渣の混合物からなり、菓子・パン・味噌・ドレッシングなど各種加工食品や料理用素材の分野で流通させることができる再生食品原料について開示されている。また、特許文献2には、生リンゴを搾り、その搾りカスを用いて微細片状のファイバ体を作り、これを打錠叉はカプセルに投入したリンゴサプリメントについて開示されている。また、特許文献3は、天然リンゴの粉末を加えた入浴剤や石鹸について開示されているが、その「天然リンゴの粉末」とは、りんごジュース製造後の絞りカスを乾燥し粉末にしたものである。さらに、特許文献4には、ポリフェノールを200mg/100g以上含有し、水分含量20%以下であるポリフェノール含有乾燥果物とその製法(生果物可食部にポリフェノールを含有する液体成分を含浸させ、次いで凍結乾燥する方法)について開示されている。
【0010】
また、非特許文献1には、アップルファイバーの効能と用途について記載されている。さらに、非特許文献2によれば、リンゴ1個には、85%程度の水分とタンパク質0.2%、脂質0.1%、炭水化物14.6%、灰分0.2%を含んでいてそのカロリー含量は5.4kcal/100g程度であること及び食物繊維1.5g/100g、カリウム110mg/100g、ビタミンC(アスコルビン酸)4mg/100gを含んでいることなどが記載されている。
【0011】
上記特許文献1〜4や非特許文献1に開示された技術は、リンゴ搾汁残渣やリンゴポリフェノールの有効利用を図る点でそれなりに有用であるが、いずれも、リンゴ1個に含まれている栄養成分を総合的にバランスよく摂取するという発想のものではない。よって、本発明者らは、リンゴには糖分が多いという欠点を排し、それでいて、リンゴを丸ごと食べたのと同じ効果のある食品を開発することとし、試作・研究を繰り返した結果、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、リンゴ成分の機能に関しては、例えば、食物繊維の整腸機能、ポリフェノールのコレステロール低減機能や抗酸化機能、リンゴ酸の疲労回復機能、カリウムのナトリウム低減機能や塩分排出機能など近年多くの研究がなされている。そのため、訴求する効果によってリンゴの栄養成分のうちの1種叉は数種を選択し、通常含まれる割合を加減して提供する製品・製剤が散見されている。これに対して、本発明に係るリンゴ様粉末組成物は、単離した1種叉は数種の成分の機能ではなく、栄養成分に富むリンゴの全体を摂取したのと同じ効果を副作用なく得られるように工夫した食品であり、加工食品としては過去に例を見ないものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記の状況に鑑み、本発明は、リンゴ1個に含まれている栄養成分を糖分を減らしてバランスよく摂取できると共に、手軽にかつ継続的に摂取できるように構成した機能性食品とその有用な用途を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための本発明のうち特許請求の範囲の請求項1に記載する発明は、リンゴ由来の食物繊維、リンゴ由来のポリフェノール、リンゴ酸及びカリウムを主構成成分とし、含有カロリーを3.3kcal/g以下に調整してあるリンゴ様粉末組成物である。なお、本発明でいうリンゴ様粉末組成物とは「生のリンゴに含まれている主な栄養成分と同様の成分を含有する粉末状の加工食品」のことである。
【0015】
請求項1に記載する発明において、リンゴ由来の食物繊維、リンゴ由来のポリフェノール(リンゴポリフェノール)、リンゴ酸及びカリウムは、市販品を使用しても差し支えない。また、これらの配合割合は、目標とするリンゴの種類や大きさによっていろんなケースが考えられるので、特に限定するものではない。なお、リンゴは、糖分が多いので、これを丸ごと凍結乾燥させて粉末化することは困難である。本発明に係るリンゴ様粉末組成物は、リンゴ中の糖分を減らし、カロリーを3.3kcal/g以下に減少させたものである。
【0016】
また、同請求項2に記載する発明は、重量比で、リンゴ由来の食物繊維30〜60%、リンゴ由来のポリフェノール1.5〜4%、リンゴ酸2〜6%及びカリウム0.5〜3%に調整してある請求項1に記載のリンゴ様粉末組成物である。なお、本発明に係るリンゴ様粉末組成物には、これら各成分のほか、少量の水分(10%以下)、タンパク質、脂質などが含まれている。
【0017】
請求項2に記載するリンゴ様粉末組成物の組成は、各種・各産地のリンゴの成分を分析した結果に基づいて人体の生理活性上から好ましいと考えられる成分割合を算出し、その数値を基準にして、リンゴ様粉末組成物を1回に5〜10gを食べたときにリンゴ1個分の栄養成分(糖分を除く)が摂取できるように設定したものである。なお、本発明に係るリンゴ様粉末組成物の最も好ましい成分の組成は、食物繊維40〜50%、ポリフェノール2〜3%、リンゴ酸3.5〜4.5%、カリウム1.5〜2.5%である。
【0018】
また、同請求項3に記載する発明は、さらにビタミンCを0.01〜0.04重量%含むように調整してある請求項2に記載のリンゴ様粉末組成物である。このように調整すると、生のリンゴには微量のビタミンCが含まれているので、生のリンゴと同様の栄養成分をさらにバランスよく摂取できる。
【0019】
また、同請求項4に記載する発明は、5〜10gずつ分包してある請求項2叉は3に記載のリンゴ様粉末組成物である。請求項2又は3に記載のリンゴ様粉末組成物をこのように小分けすると、携行にも便利であり、これを摂取するときはその1包を適量の水などに溶解ないし分散させて手軽に食べることができる。すなわち、請求項2又は3に記載のリンゴ様粉末組成物を用いてリンゴ1個分の栄養成分を1回で摂取するには、1回分の摂取量を5〜10gにすることが好ましい。
【0020】
また、同請求項5に記載する発明は、請求項1から4のいずれかに記載のリンゴ様粉末組成物よりなる栄養補助食品である。
【0021】
また、同請求項6に記載する発明は、請求項1から3のいずれかに記載のリンゴ様粉末組成物を構成材料として含む栄養補助食品である。
【0022】
また、同請求項7に記載する発明は、請求項1から3のいずれかに記載のリンゴ様粉末組成物を溶解叉は分散してある飲料である。
【0023】
また、同請求項8に記載する発明は、請求項1から3のいずれかに記載のリンゴ様粉末組成物を加配してある菓子叉はパンである。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るリンゴ様粉末組成物は、リンゴ1個が有する栄養成分を糖分を減らしてバランスよく配合してある。そのため、本発明に係るリンゴ様粉末組成物の適量を食べると、リンゴ1個が有する栄養成分をカロリー過剰になるおそれなしに効率よく摂取できる。その上、本発明に係るリンゴ様粉末組成物は、粉末状であるため携行や保存にも適しており、手軽にかつ継続的に摂取することが可能である。すなわち、本発明に係るリンゴ様粉末組成物は、リンゴ1個に匹敵する栄養成分を手軽に摂取できるので、栄養補助食品として、人間の健康増進に大いに資することができる。
【0025】
さらに、本発明に係るリンゴ様粉末組成物は、各種の加工食品や加工飲料の構成材料として手軽に使用できる。また、本発明に係るリンゴ様粉末組成物は、カロリーを低く抑えてあるのでこれに糖分を加えて用いてもカロリー過剰になるおそれは少ない。すなわち、本発明に係るリンゴ様粉末組成物は、加工食品や加工飲料の原料としてきわめて使用しやすい。具体的には、クッキーやゼリーなどの菓子やパン類、清水、果実飲料・清涼飲料などに添加して摂取できる。また、栄養補助食品の構成材料の一つとして用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
まず、本発明に係るリンゴ様粉末組成物の製造方法について説明する。本発明に係るリンゴ様粉末組成物の作り方は何ら限定されるものではないが、一般的には、リンゴから果汁を搾った残渣を乾燥して粉末化した食物繊維をベースとして、これに、本来はリンゴに含まれているが果汁と共に除去された成分であるポリフェノール、リンゴ酸、カリウムを粉末化したものを適量加えることによって製造する方法を採ればよい。また、微量のビタミンCを加えるとさらに好ましい。本発明に係るリンゴ様粉末組成物を構成するこれら粉末原料のうち、食物繊維とポリフェノールはリンゴ由来のものを使用する必要があり、リンゴ酸やカリウム(カリウム塩)についてもリンゴ由来のものを用いるのが好ましいが、これらは必ずしも限定するものではない。
【0027】
リンゴは、生食用・搾汁用・リンゴ酒用などの用途や風土によって多くの種類のものが栽培されており、その品種ごとに栄養成分の含量が異なっている。また、国産と外国産でも大きさや成分の含量が異なる。例えば、フランスのノルマンディー地方でシードル用に栽培されているリンゴ(Juliana種やLocartVert種など)は、1個が90g程度の大きさであるが、食物繊維を2.4%程度、ポリフェノールを0.2%程度、リンゴ酸を0.3〜1.0%、カリウムを0.1〜0.2%含んでいる。これに対して、青森産の生食用のリンゴ(ふじ種やレッドデリシャス種など)は、1個が250g程度の大きさであり、食物繊維を1.6%程度、ポリフェノールを0.05〜0.2%、リンゴ酸を0.45%程度、カリウムを0.1〜0.2%含んでいる。そのため、本発明に係るリンゴ様粉末組成物は、目的とするリンゴの種類や性状に合わせて構成原料を適宜に配合し、調整して差し支えない。
【0028】
本発明に係るリンゴ様粉末組成物の別の作り方として、まず、リンゴを搾汁して果汁と残渣に分け、残渣は可及的に脱糖処理して乾燥・粉末化し、果汁は濃縮してピュレー化した後この両者をブレンドして真空乾燥する方法によって製してもよい。
【0029】
本発明に係るリンゴ様粉末組成物は、カロリー含有量を3.3kcal/g以下に調整してある。また、水分含量10%以下、特に8%以下に乾燥させたものであることが好ましい。リンゴ様粉末組成物の含有カロリーを3.3kcal/g以下に調整するには、その主要成分である食物繊維、ポリフェノール、リンゴ酸の量を算出し、或いは設定した各構成成分の量に基づいて、これら成分にそれぞれのエネルギー変換係数を乗じて合算し、全体のカロリー含量を算出した上で必要であればさらに調整をすればよい。
【0030】
以下、実施例をもって本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例に記載する成分値は以下の方法によって測定したものである。
水分=104℃乾燥重量法、ポリフェノール=Folin−Ciocalteu法、
食物繊維=AOAC991.43(酵素重量法)、カリウム=原子吸光光度法、
リンゴ酸=高速液体クロマトグラフ法
また、本発明の全説明において「%」の表示は、特に断らない限り重量割合を示す。
【実施例1】
【0031】
<リンゴ様粉末組成物の製造例1>
120個のリンゴ(青森産・ふじ)22.20kgを洗浄し、適宜に破砕した後、圧搾して果汁19.40kgと残渣2.80kgを得た。この残渣を水で数回洗浄することで部分的に脱糖してから60℃の温風によって乾燥し、0.62kgの残渣乾燥物を得た。これをさらに粉砕して篩分けし、平均粒度50μm以下の食物繊維(残渣粉末)310gを得た。
【0032】
このリンゴ由来の食物繊維260gに、別途に調製したリンゴポリフェノール粉末(純度90%)14g、リンゴ酸粉末32g及びグルコン酸カリウム粉末90g、さらに果糖粉末104gを加えて混合した。この製法によって、わずかに酸味を有し、風味良好なリンゴ様粉末組成物約500gを作ることができた。なお、リンゴポリフェノール粉末、リンゴ酸粉末、カリウム塩粉末は、それぞれ市販品を用いて差し支えない。
【0033】
実施例1で得られたリンゴ様粉末組成物の組成は、食物繊維39.7%、リンゴポリフェノール2.5%、リンゴ酸5.8%、カリウム2.9%で、カロリーは2.5kcal/gであった。このリンゴ様粉末組成物は、その9gが国産のリンゴ1個分に相当する栄養成分(糖分を除く)を含むものである。よって、得られたリンゴ様粉末組成物を9gずつスティック状の紙袋に充填し、10袋ずつ函に入れて、合計4函の栄養補助食品(リンゴ様粉末組成物製品)とした。この栄養補助食品は毎日1袋ずつ40日間そのまま摂取し続けた。
【実施例2】
【0034】
<リンゴ様粉末組成物の製造例2>
(1)実施例1の製法で作った果汁10.0kgを加熱して濃縮し、濃縮リンゴ果汁2.6kgを得た。
(2)実施例1の製法で得られた食物繊維300gに上記の濃縮リンゴ果汁1kgを加えて混合した後、真空乾燥機にかけて乾燥・粉末化し、さらに篩分けした。
(3)この製法によって、食物繊維36.6%、ポリフェノール1.6%、リンゴ酸2.2%、カリウム1.2%を含み、カロリー3.1kcal/gのリンゴ様粉末組成物を得ることができた。
【実施例3】
【0035】
<リンゴ様粉末組成物を加配した飲料の製造例>
実施例1と同じ製法で作ったリンゴ様粉末組成物9gを200mLの清水に入れて攪拌し、溶解・分散させて飲料を作った。リンゴ風味の栄養飲料が得られた。
【実施例4】
【0036】
<リンゴ様粉末組成物を加配したゼリーの製造例>
(1)配合
イ.実施例1と同じ製法で作ったリンゴ様粉末組成物 7.0%
ロ.カラギナン 0.4%
ハ.ローカストビーンガム 0.1%
ニ.デキストリン 3.5%
ホ.スクラロース 0.2%
ヘ.香料 0.1%
ト.クエン酸 0.3%
チ.清水 100%とする残余量
(2)製法など
イ.カラギナン、ローカストビーンガム、デキストリン及びスクラロースの所定量に水を 加えて攪拌し、85℃まで加熱して完全に溶解させる。
ロ.この溶液に実施例1と同じ製法で作ったリンゴ様粉末組成物、香料及びクエン酸を加 えて混合し、70℃以上で加熱して完全に溶解させる。
ハ.この溶液を、1個100gとなるように容器に充填して冷却するとリンゴ様粉末組成 物を加配したゼリーが出来上がる。
ニ.得られたゼリー1個には丁度リンゴ1個分の栄養成分(糖分を除く)が含まれている ので、このゼリーを毎日1個ずつ食べると、カロリー過多になることなく、毎日リンゴ を1個食べ続けたのと同じ栄養成分を摂取することができる。
【実施例5】
【0037】
<リンゴ様粉末組成物を加配したクッキーの製造例>
(1)配合
イ.無塩バター 1000g
ロ.砂糖 500g
ハ.鶏卵 5個
ニ.薄力粉 1000g
ホ.実施例1と同じ製法で作ったリンゴ様粉末組成物 400g
ヘ.ベーキングパウダー 5g
(2)製法など
イ.無塩バターと砂糖を混合し、滑らかになるまで練る。
ロ.これに鶏卵を少しずつ加えて均一になるまで混ぜる。
ハ.この混練物に薄力粉と実施例1と同じ製法で作ったリンゴ様粉末組成物及びベーキン グバウダーを混合して篩にかけたものを添加して混ぜる。
ニ.この混練物を、1個10g程度の重量になるように鉄板の上に絞り出す。
ホ.これを180℃で15分間焼くと、適度な酸味を有する、低カロリーのクッキーが出 来上がる。
ヘ.このクッキーは1枚が約9gであり、これを3枚食べることによりリンゴ様粉末組成 物を約3g摂取できる。
【0038】
以上詳しく説明したとおり、本発明に係るリンゴ様粉末組成物には、リンゴ1個に含まれている栄養成分を糖分を減らしてバランスよく配合してあるので、生のリンゴを食べるよりも手軽にリンゴの主な栄養成分を摂取できる。また、生のリンゴより保存も携行も容易である。本発明に係るリンゴ様粉末組成物は、これを連続的ないし日常的に摂取すると人間の生理活性機能の増進に寄与できる機能性食品であり、また栄養補助食品である。本発明に係るリンゴ様粉末組成物は、毎日摂取しても副作用のおそれがなく、そのままで摂取してもよく、また、安心して飲料や食品に加配して用いることもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンゴ由来の食物繊維、リンゴ由来のポリフェノール、リンゴ酸及びカリウムを主構成成分とし、含有カロリーを3.3kcal/g以下に調整してあるリンゴ様粉末組成物。
【請求項2】
重量比で、リンゴ由来の食物繊維30〜60%、リンゴ由来のポリフェノール1.5〜4%、リンゴ酸2〜6%及びカリウム0.5〜3%に調整してある請求項1に記載のリンゴ様粉末組成物。
【請求項3】
さらにビタミンCを0.01〜0.04重量%含むように調整してある請求項2に記載のリンゴ様粉末組成物。
【請求項4】
5〜10gずつ分包してある請求項2叉は3に記載のリンゴ様粉末組成物。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のリンゴ様粉末組成物よりなる栄養補助食品。
【請求項6】
請求項1から3のいずれかに記載のリンゴ様粉末組成物を構成材料として含む栄養補助食品。
【請求項7】
請求項1から3のいずれかに記載のリンゴ様粉末組成物を溶解叉は分散してある飲料。
【請求項8】
請求項1から3のいずれかに記載のリンゴ様粉末組成物を加配してある菓子叉はパン。




























【公開番号】特開2009−273442(P2009−273442A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130486(P2008−130486)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(306007864)ユニテックフーズ株式会社 (23)
【Fターム(参考)】