説明

リン脂質および中性脂質が強化されたオキアミ油を得る無溶媒の方法

本発明は、DHAおよびEPA多価不飽和脂肪酸およびアスタキサンチンを含むリン脂質および中性脂質が強化されたオキアミ油を得るための、新規な溶媒不要の方法を開示する。本方法は、撹拌および/または粉砕段階無しの、高温での調理;部分的に脱脂および脱水された固体およびデカンタ液体を得るためのデカンティング;圧搾液体および固体画分を得る、得た固体の圧搾;リン脂質が強化されたオキアミ油を得るための遠心分離;中性脂肪が強化されたオキアミ油、および粘性廃液を得るための、デカンタ液体の遠心分離、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン脂質画分に多価不飽和脂肪酸DHAおよびEPAを含み、人の健康素材のために用いられるアスタキサンチン、および食品加工ラインから来る中性脂肪を含み、一方で得られるオキアミ油食品は低脂肪分となる、オキアミ油を得るための加工のレイアウトに関する。本発明はまた、人の健康素材のために用いられる、DHAおよびEPAと結合したリン脂質、タンパク質およびアスタキサンチンと組み合わせられたオキアミ油を含む乾燥複合物を得るための手順も開示する。
【背景技術】
【0002】
オキアミは、原生南氷洋に生息し、全ての南氷洋の生態系の食料源と考えられる、オキアミ目(order Euphasiaceae)の小型で大量の海産甲殻類群に相当する。南氷洋の、特に南極区および亜南極区に生息するオキアミは11のユーファシア種(Euphasia species)、優先的にはナンキョクオキアミ(Euphausia superba Dana)およびコオリオキアミ(Euphausia crystallorophias)、から構成される。
【0003】
近年、オキアミは、タンパク質および他の活性生物学的製品の潜在的な供給源として大いに関心を得ている(Ellingsen, T. AND Mohr, V. 1979. Process Bioch. 14:14; Suzuki, T. 1981. Fish AND krill protein processing technology. London, Applied Science Publishers)。南氷洋オキアミに隠された大きな期待は、1億から5億トンの間に見積もられる、南氷洋での大量のバイオマスの存在に基づく。オキアミの捕獲量は、世界における全漁獲量と同等である、5千万から1トン/年まで達することができると示唆されている(Budzinski, E., Bykowski, P. AND Dutkiewicz, D. 1986. Posibilidades de elaboracion y comercializacion de productos preparados a partir de krill del Antartico, FAO Doc. T,c. Pesca (268):47p)。
【0004】
オキアミの脂質含量および組成に関するいくつかの刊行物がある(Grantham, G.J. 1977. The Southern Ocean. The utilization of Krill. Southern Ocean Fisheries Survey Programme, Rome. FAO GLO/SO/77/3:63p; Budzinski et al. 1986. Loc. cit.; Ellingsen and Mohr. 1979. Loc. cit.)。年間の季節およびその成熟期、さらに体長にもよるが、脂質含量はオキアミ乾燥重量のおよそ10〜26%である。通常、オキアミの脂の乗る時期(fatty period)は毎年3月から6月である。雌のオキアミは、雄よりも2倍近い量の脂質を有する。脂質含量は、加齢と共に増加し、産卵後に急激に減少する。オキアミ脂質分布研究は、脂質の豊富な領域が、消化管に沿って、筋束と外骨格の下の間に位置していることを示した(Saether, O., Ellingsen, T. AND Mohr, V. 1985. Comp. Biochem. Physiol. 81B:609)。
【0005】
主要なオキアミ脂質画分はトリグリセリド、リン脂質、ならびにそれらのステロールおよびエステルを含む(Grantham. 1977. Loc. cit.; Budzinski et al. 1986. Loc. cit.)。リン脂質の平均含量は約69%であり、トリグリセリドは約26%である。特に20:5および22:6の、多価不飽和脂肪酸に富んだ、オキアミリン脂質画分は、全リン脂質の約50%に相当する。
【0006】
オキアミの脂質組成を記載したいくつかの刊行物がある。下記は、それらの中で最も関連のあるものである:
1.Gordeev et al.は、ナンキョクオキアミ(E.superba)はその自然体重(natural weight)の約5%の抽出可能な脂質を含み、それらの半分以上が、リン脂質−ホスファチジルコリン(脂質全量の33−36%)、ホスファチジルエタノールアミン(15−17%)、リゾホスファチジルコリン(3−4%)、その他(2−3%)−である一方、無リンの成分の中では、トリアシルグリセロールが優勢である(32−35%)ことを記載した。最初の2つのリン脂質において、優勢な脂肪酸残基はアラキドン酸残基(アシル残基全量の40%を上回る)であり、エイコサペンタエン酸残基(C20:5w3)の量はそれぞれ13および28%である(Gordeev, K.Y. et al. 1990. Fatty acid composition of The main phospholipids of The Antarctic krill Euphausia superb. Chemistry of Natural Compounds. 26: 143−147)。
2.Fricke et al.は、ナンキョクオキアミ(Euphausia superba Dana)の脂質組成は、ホスファチジルコリン(33−36%)、ホスファチジルエタノールアミン(5−6%)、トリアシルグリセロール(33−40%)、遊離脂肪酸(8−16%)およびステロール(1.4−1.7%)であることを記載した。ろうエステルおよびステロールエステルは痕跡程度だけ存在した。50以上の脂肪酸が検出され、主要なものは14:0、16:0、16:1(n−7)、18:1(n−9)、18:1(n−7)、20:5(n−3)および22:6(n−3)であった。フィタン酸は全脂肪酸の3%の濃度で見出された。短、中鎖およびヒドロキシ脂肪酸(C≦10)は検出されなかった。ステロール画分は、コレステロール、デスモステロールおよび22−デヒドロコレステロールで構成された(Fricke, H. et al. 2006. Lipid, sterol and fatty acid composition of Antarctic krill (Euphausia superba Dana). Lipids, 19:821−827)。
3.Falk−Peterson et al.は、北極および南極のオキアミ類の脂質が季節に依存した高脂質含量を示し、ろうエステルかあるいはトリアシルグリセロールといった中性脂肪は、主として生殖のために蓄積されることを記載した。北極のチサノエッサ・イネルミス(Thysanoessa inermis)および南極のコオリオキアミ(Euphausia crystallorophias)は、中性脂肪において、高レベルのろうエステルと、北極のチサノエッサ・ラスキイ(Thysanoessa raschii)および南極のチサノエッサ・マクルラ(Thysanoessa macrura)およびナンキョクオキアミ(Euphausia superba)よりも高い濃度の18:4(n−3)および20:5(n−3)、および低い比率の18:1(n−9)/(n−7)脂肪酸を含む。冬の間のチサノエッサ・ラスキイ(T.raschii)およびコオリオキアミ(E.crystallorophias)の脂質における多量のフィトールは、海氷においてまたは堆積物起源の腐敗した藻の摂取を示唆する。チサノエッサ・ラスキイ(Thysanoessa raschii)、チサノエッサ・マクルラ(T.macrura)およびナンキョクオキアミ(E.superba)は高い比率の18:1(n−9)/(n−7)脂肪酸を有し、肉食性であることを示す(Falk−Petersen, S. et al. 2000. Lipids, trophic relationships, and biodiversity in Arctic and Antarctic krill. Can. J. Fish. Aquat. Sci. 57: 178−191)。
4.Clarkeは、南極のオキアミ、ナンキョクオキアミ(Euphausia superba)の脂質含量および組成を記載した。雌の総脂質含有量は、卵巣が成熟するに従い、夏の間増加する、そして、雄および未成熟体の脂質含量が冬に近づくときに増加するといういくつかの証拠もある。貯蔵脂質は主にトリアシルグリセロールであり、1%未満のろうエステルである。卵巣の脂質においてはそうでもないが、脂肪酸は適度に不飽和であり、トリアシルグリセロールは4%までのフィタン酸を含む(Clarke A. 1984. Lipid content and composition of Antarctic krill, Euphausia superba Dana. J. Crust. Biol. 4:285−294)。
5.Phleger et al.は、エレファント島近辺で1997年から1998年の間に集められた南極のオキアミ、ナンキョクオキアミ(Euphausia superba)、ユーファシア・トリカンサ(E.tricantha)、ユーファシア・フリジダ(E.frigida)およびチサノエッサ・マクルラ(Thysanoessa macrura)の脂質組成を記載した。全脂質は、ナンキョクオキアミ(E.superba)の小さな若い個体で最も高く(16mg g−1、湿質量)他のオキアミ類は12から15mgの範囲であった。極性脂質(全脂質の56−81%)およびトリアシルグリセロ−ル(12−38%)が主要な脂質であり、ろうエステル(6%)はユーファシア・トリカンサ(E.tricantha)にのみ存在した。コレステロールは主要なステロール(全ステロールの80−100%)であり、デスモステロール(1−18%)が2番目に豊富であった。1997年のチサノエッサ・マクルラ(T.macrura)およびナンキョクオキアミ(E.superba)は、24−ノルデヒドロコレステロール(0.1−1.7%)、トランス−デヒドロコレステロール(1.1−1.5%)、ブラシカステロール(0.5−1.7%)、24−メチレンコレステロール(0.1−0.4%)および2つのスタノール(0.1−0.2%)を含む、より多様なステロールプロフィールを含んだ。一価不飽和脂肪酸は、第一に18:1(n−9)c(7−21%)、18:1(n−7)c(3−13%)および16:1(n−7)c(2−7%)を含んだ。オキアミ中の主な飽和脂肪酸は、16:0(18−29%)、14:0(2−15%)および18:0(1−13%)であった。最も高いエイコサペンタエン酸[EPA、20:5(n−3)]およびドコサヘキサエン酸[DHA、22:6(n−3)]はナンキョクオキアミ(E.superba)であり(EPA、15−21%;DHA、9−14%)、他のオキアミではそれほど豊富ではなかった。ユーファシア・トリカンサ(E.tricantha)、ユーファシア・フリジダ(E.frigida)およびチサノエッサ・マクルラ(T.macrura)のより低いレベルの18:4(n−3)(全脂肪酸の0.4−0.7%)は、草食のナンキョクオキアミ(E.superba)(3.7−9.4%)と比較して、肉食性または雑食性の食と、より一致する。多価不飽和脂肪酸(PUFA)である18:5(n−3)および超長鎖PUFA(VLC−PUFA)であるC(26)およびC(28)は1997年の検体には存在しなかったが、大部分の1998年のオキアミには低レベルで検出された(Phleger, C.F. 2002. Interannual and between species comparison of The lipids, fatty acids and sterols of Antarctic krill from The US AMLR Elephant Island survey area. Comp Biochem Physiol B Biochem Mol Biol. 131:733−747)。
6.Kolakowskaは、7個のオキアミ(Euphausia superba D.)試料の、新鮮な、および251K(絶対温度)での種々の期間の保存後の脂質組成を記載した。保存期間、収穫期および発育段階にもよるが、新鮮なオキアミの脂質組成は冷凍試料で測定されたものと異なっていた。リン脂質は、最も抵抗力があるトリグリセリドと対照的に変化に最も影響されやすいことがわかり、また、ジグリセリドおよびコレステロールエステルは破壊された。冷凍工程そのものは脂質組成にわずかな影響しか与えなかったが、30日の保存の後、遊離脂肪酸量はほぼ2倍となった。251°Kにて6ヶ月保存の後、70%のリン脂質が分解し、有利脂肪酸は6から20の倍数で増加した。新鮮なオキアミにはないモノグリセリドは、数ヶ月の冷凍保存の後に現れた。若いオキアミはより脂質分解の変化に影響されやすかった。成熟卵を持つ雌は、安定したリン脂質を含み、トリグリセリドだけが加水分解された(Kolakowska A. 1986. Lipid composition of fresh and frozen−stored krill. Z Lebensm Unters Forsch. 182:475−478)。
7.Bottinoは、2つの南極のオキアミの脂質組成を記載した。ナンキョクオキアミ(Euphausia superba)では、複合脂質が主要な脂質クラスであり、トリグリセリドがそれに続いた。コオリオキアミ(Euphausia crystallorophias)でも、複合脂質が主要な脂質クラスであるが、第二の主要な抗生物質はろうであった。両方のオキアミの複合脂質は、大部分はホスファチジルコリン、それに少量のホスファチジルエタノールアミンおよびリゾホスファチジルコリンで構成された。コオリオキアミ(E.crystallorophias)のリン脂質は、ナンキョクオキアミ(E.superba)のそれにくらべ、ほとんど不飽和ではなかった。コオリオキアミ(E.crystallorophias)のろうは、ほとんどがオレイン酸(84%)およびパルミチン酸(10%)と、n−テトラデカノール(69%)およびn−ヘキサデカノール(28%)とのエステルであった(Bottino, N.R. 1975. Lipid composition of two species of Antarctic krill: Euphausia superba and E. crystallorophias. Comp Biochem Physiol B. 50:479−484)。
8.ネプチューンテクノロジー&バイオリソース社の所有するEP1997498およびWO02/102394は、アセトン抽出オキアミ脂質に相当するネプチューンオキアミ油に関する。タンパク質およびオキアミ原料はろ過を経て脂質抽出物から除去される。アセトンおよび残余の水は蒸発により除去される。リン脂質含量は38−50%であり、EPAおよびDHAは22−35%であって、多量のオメガ−3がリン脂質に付随する。
9.アーカー・バイオマリンASAの所有するUS2008/0274203およびWO2008/117062は多量のリン脂質、アスタキサンチンエステルおよび/またはオメガ−3によって特徴付けられる新しいオキアミ油組成物を開示する。オキアミ油は約30−60%(w/w)のリン脂質および約20−35%のオメガ−3脂肪酸を含むことを特徴とし、多量のオメガ−3脂質がリン脂質に付随する。
【0007】
リン脂質画分中の高含量の多価不飽和脂肪酸は、南氷洋の低温域での細胞質膜の流動性を維持するために必要かもしれない。高い不飽和レベルは、オキアミのリン脂質の付随物に低温域での動物の屈曲(flectation)および動きのために必要な可塑性を与えるために必要であるかもしれない。
【0008】
オキアミ中に存在する総脂質の増加はリン脂質の減少とトリグリセリドの増加の両方に伴う。多価不飽和脂肪酸含量は、総脂質含量の増加につれて減少する(Saether et al. 1985. Loc. cit.)。オキアミ脂質に起こる死後変化は、0℃でのオキアミの保存の間、脂肪酸(16:0)の含量と比較して多価不飽和脂肪酸(20:5、22:6)が減少しないことを示した。これらのデータは、0℃でのオキアミの保存の間、甲殻類の死後の多価不飽和脂肪酸の大きな酸化が起こらないことを示唆する。
【0009】
オキアミ油を得る工業的工程を記載するいくつかの文献がある。これらの文献は:
1.Budzinski et al. (1986. Loc. cit.) およびSaether et al. (1985. Loc. cit.)は、異なる有機溶媒でのオキアミ脂質抽出の手順を記載した。
2.シャーブルック大学により示されたCA2346979、ES2306527またはUA75029文献はアセトン抽出を用いる、オキアミを含む海産および水産動物からの脂質画分の抽出のための方法を記載した。
3.プロバイオグループASにより示されたWO2006/106325は、オキアミからリン脂質を得るための方法を記載した。この方法はオキアミミールと有機溶媒を接触させて、脂質含有液体を製造することを含む。任意にこの液体は他の有機溶媒で抽出され、中性脂質を抽出する。残りの画分はリン脂質が強化された画分である。
4.ネプチューンテクノロジー&バイオリソース社により示されたEP1997498およびWO02/102394は、オキアミまたはオキアミ関連材料からの、ケトン溶媒、好ましくはアセトンを用いた脂質抽出物を記載する。
5.Johan Olsen Nygaardにより示されたGB407729特許は、油浴での加熱により海産動物、特に鯨および他の海洋哺乳類から油を抽出する方法を記載する。この文献はオキアミに適用されず、また脂質抽出のために加熱した油を利用することから、本発明とは異なる。我々の発明は、リン脂質抽出のために加熱した油を使用しない。
【0010】
これらの5つの文献は、オキアミ脂質画分の抽出のための、有機溶媒、特にアセトンの利用を記載する。本発明において説明する方法は南極のオキアミからの脂質画分の抽出または精製に有機溶媒を使用しないように、本発明の方法とは異なるこれらの方法をここに記載した。
1.JP58008037、日本水産株式会社。この文献は南極オキアミ油からエイコサペンタエン酸または誘導体を得るための方法を記載する。オキアミ油が従来の方法、例えば鹸化またはアルコリシスによって遊離脂肪酸またはそれらのエステルに変換され、得られた製品は連続的に蒸留され、40wt%以上の表題の物質を含む。蒸留物の主要な画分はその後尿素で処理され、低級不飽和脂肪酸が除去される。この文献は脂質の精製のための蒸留工程の使用を経ることが、本発明と異なる。
2.JP2004024060(日本水産株式会社)この文献は南極のオキアミからアスタキサンチンに富んだ脂質画分を得るための手順を記載する。この文献に説明される方法は、本発明で説明される方法の目的がアスタキサンチン製造ではないことから、本発明のものとは異なる。
3.US2008/0274203(アーカー・バイオマリンASA)。この文献は二段階工程での超臨界流体抽出を使用するオキアミミールからオキアミ油を得るための手順を記載する。段階1は純超臨界COまたはCOに約5%の共溶媒を足して抽出することにより中性脂質を除去する。段階2は超臨界COと約20%のエタノールを組み合わせて使用して実際にオキアミ油を抽出する。この文献は、本発明の手順が超臨界流体抽出を使用しないように、本発明と異なる。
4.WO2007/080514(KrillA/SおよびアルファラバルコペンハーゲンA/S)は、オキアミから脂質画分を抽出する方法であって、新鮮な捕獲したオキアミをすりつぶしてスラリーを得て、60℃未満、好ましくは30℃未満で45分間未満緩やかに加熱し、その後、液体を水相とオキアミ油相に分け、そこからオキアミ油抽出物を有機溶媒を使用せずに得る。本発明の手順は捕獲したオキアミを加熱の前にすりつぶさないように、この文献は、本発明で説明される方法と異なる方法を明らかにする。この文献はまた、本発明で説明される工程が90℃より高い温度の加熱であることから、異なるものである。この文献で説明される方法に関する他の主要な違いは、加熱手順前にスラリーを製造するために使用されるすりつぶしたオキアミが乳化を起こし、遠心分離によるリン脂質の分離を妨げることである。本発明において、スラリーは直接的にまたは間接的に製造されない。さらに、本発明はいかなる種類の超音波技術も使用しない一方で、WO2007/080514はオキアミ油の分離のために超音波を使用する。また、本発明が二重抽出原理を基にする一方で、単純な抽出を提案するものである。
5.WO2007080515(アーカー・バイオマリンASA)は、オキアミミールの製造方法を記載する。この手順は、2段階調理工程を用いる。第一の段階で、タンパク質およびリン脂質オキアミから除去され、凝集物として沈殿する。第二の段階で、リン脂質のないオキアミが調理される。これに続き、残余の脂質およびアスタキサンチンが機械的な分離手段を用いてオキアミから除去される。この方法では、オキアミは水の存在下で60−75℃に加熱され、脂質およびタンパク質が、オキアミミルクと呼ばれる水相に溶解または分散する。このオキアミミルクは95−100℃に加熱され、オキアミタンパク質および脂質をオキアミミルクから沈殿として除去する。本発明で説明される方法は、オキアミ油がタンパク質とともに甲殻類から沈殿によって分離されず、>90℃での1段階のみの加熱が使用されるように、この文献で説明される発明と異なる。
【0011】
現在の甲板上での(on board)伝統的なオキアミミール加工からは、いくつかの工場船では、少量のみのオキアミ油が製造される。このオキアミ油はたいてい、豊富なリン脂質と、とても低いまたは検出できない量のリン脂質(<0.5%)である。通常、甲板上での伝統的なオキアミ加工の間、新鮮なオキアミはスクリューコンベアで回転しながら間接加熱調理機を用いて加熱され、ツインスクリュープレスおよび乾燥機が続く。ツインスクリュープレスより得られた圧搾液体はデカンタを経て不溶性固形分を除去される。清澄化されたデカンタ液体はその後遠心分離機に送られ、通常中性脂質が強化されたオキアミ油とアスタキサンチンに分離される。この伝統的な工程では、リン脂質は圧搾ケーキでタンパク質と結合している。それゆえ、リン脂質はたいていオキアミミールに関して見出される。オキアミの脂の乗る時期には、オキアミミールの脂肪分はたいてい16−18%である。同じオキアミの脂の乗る時期において、伝統的なオキアミミールプラントを使用して得られる中性脂質が強化されたオキアミ油の収率は低く、たいてい生のオキアミから0.3−1.0%の範囲である。この中性脂質が強化されたオキアミ油は捕獲する季節および漁場によるが、700−1500mg/kgの間の範囲である。
【0012】
さらに、非伝統的なオキアミミール加工レイアウトを使用すると、上記の説明と似たような状況が得られた。通常、非伝統的なオキアミミールプラントは、コンサーム調理システム、2相デカンタまたは3相デカンタおよび乾燥機と考えられた。これらのデカンタは調理されたオキアミの脱水および脱脂肪のために用いられる。デカンタ液体は遠心分離機に送られ、たいてい低いまたは検出されないレベルのリン脂質(<0.5%)を伴う中性脂質が強化されたオキアミ油を得る。この場合、リン脂質はまた、デカンタ固体においてタンパク質と結合する。上述のとおり、リン脂質はオキアミミールに見出される。
【0013】
この場合、非伝統的なオキアミミールプラントからの中性脂質が強化されたオキアミ油の収率はかなり低く、脂の乗る時期で生のオキアミの0.1から0.4%の範囲である。この工程で、固有の撹拌(agitation)(掻き取りナイフ)を有する従来のコンサーム調理機システムが使用される。したがって、処理されたオキアミは、撹拌(agitated)され、ミンチにされる。この撹拌(agitation)/ミンチ工程はオキアミタンパク質と水に伴う脂質乳化物を製造する。そのうえ、これらの脂質が乳化剤として働くので、オキアミリン脂質は乳化を促進する。この理由から、非伝統的なオキアミ調理の過程の使用で、より高い脂質含量はデカンタ固体に結合する。オキアミの脂の乗る時期に、デカンタ液体は、1.0から2.5%の範囲の脂質含量を有し、そして、得られる粘性廃液(stickwater)は、黄色で乳化されており、脂肪含量が0.7から1.6%の範囲であり、オキアミミールは、20から26%の範囲の脂肪含量を有し、そして、この非伝統的な工程によるオキアミ油回収率は非常に低い。
【0014】
伝統的または非伝統的なオキアミミール工程を使用して得られる、中性脂質が強化されたオキアミ油に関する脂質組成と脂肪酸プロフィールは非常に似ている:トリグリセリド約86−89%、リン脂質検出されず(<0.5%)、DHAおよびEPA約4−6%。
【0015】
いくつかの努力が、オキアミミールプラントに関する工業規模の方法を経て、より低い脂肪含量のオキアミミールおよび、DHAとEPAを含む、リン脂質が強化されたオキアミ油を製造するために行われている。いくつかの異なった調理温度、異なったデカンタトルク、強い圧搾、2つのデカンタ段階、第二のデカンタの前の第一のデカンタ固体および粘性廃液の洗浄、の使用、電気的原形質分離などが試されている。しかしながら、結果はいまだ成功していない。
【0016】
DHAおよびEPAを含む、リン脂質が強化されたオキアミ油を分離するための問題を焦点とする、いくつかの抽出方法が開発され、特許で保護されている。
【0017】
特許出願CL1021 1995(Compania Tepual S.A)は熱分画と遠心分離を使用するオキアミ油を得るための方法を示す。この油を得る工程は、油製造の工程の間のオキアミ調理温度の制御により脂肪酸型および脂質組成を調整できることをクレームする。高い調理温度(95℃)では、調理温度が減少したとき(75℃)と比べて、多価不飽和脂肪酸およびリン脂質画分のより低い収率を得た。また、この油の工程は、画分組成の主な成分が35から96%のトリグリセリド、4から28%のリン脂質に対応するとクレームする。多価不飽和脂肪酸は4から46%の範囲であった。基本的に、このオキアミ油を得るために使用されたこの工程は、オキアミの調理、調理されたオキアミの圧搾および不溶性固形分の分離のための圧搾液体の二相デカンタの通過、遠心分離を使用するデカンタ液体からの油の分離を検討する。この工程の間、ただ1つの型のオキアミ油を得た。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、甲板上での(海での)および/または岸の上での(陸での)、DHAおよびEPA多価不飽和脂肪酸およびアスタキサンチンを含むリン脂質が強化されたオキアミ油および中性脂質が強化されたオキアミ油、の両方を同時に得るための工程を開示する。南極のオキアミはリン脂質を含むDHAおよびEPAが特に豊富である。リン脂質の両親媒性、すなわち、一端の負に帯電したリン酸基および他の端の疎水性脂質、により、この脂質は非常に強力な乳化剤である。オキアミの粉砕(grinding)、および/またはミンチ(mincing)は、可溶性たんぱく、水、中性脂肪、およびリン脂質の乳化を引き起こす。したがって、いったん乳化物を形成すると、オキアミ混合物から単に有機溶媒またはCOの超臨界抽出でリン脂質を得ることができる。例として、WO02/102394およびUS2008/0274203を参照。
【0019】
本発明では、新鮮なオキアミまたは他の同様の甲殻類からのリン脂質抽出のための新しい手順を開示する。この手順はオキアミの粉砕、撹拌(agitation)、および/または、ミンチを行わない方法に基づく。この方法を使用すると、リン脂質で触媒される乳化は全く起こらない。完全なオキアミ全体またはか断片の調理は、甲殻類からの液体の放出を製造する。この液体に含まれた油は、中性脂肪に富む。完全、および全体のオキアミは、新しい液体画分を得るためにさらに絞られた。この第二の画分の遠心分離によって得られた油は、リン脂質に富む。得られた絞られたオキアミは、低脂肪のオキアミミールを得るために使用される。
【0020】
本発明は、生のオキアミまたはその画分を海で捕獲したほとんど直後に生で行われるはるかに効率的な抽出工程を許容する。本発明は、甲板上で行うとして、必要でない積み替え物流、原料、および貨物の扱いの劇的な低下を許容する、はるかに制御された抽出工程を有することを許容する。本発明の他の利点は、捕獲と処理が行われる同じ施設の最終生産物の「完成製品」の性質にある。
【0021】
本特許で適用される他の類似の甲殻類として、養殖あるいは捕獲された甲殻類に関わらず、ホッコクアカエビ(Pandalus borealis)、コシオリエビ(Cervimunida johni)、アマエビ(Heterocarpus reedi)、サクラエビ(Pleuroncodes monodom)、バナメイエビ(Penaeus vannamei)、ウシエビ(Penaeus monodon)、ミナトエビ(Penaeus stylirostris)、コウライエビ(Penaeus chinensis)、タイショウエビ(Penaeus orientalis)、クルマエビ(Penaeus japonicus)、インドエビ(Penaeus indicus)、バナナエビ(Penaeus merguiensis)、ブラウンタイガー(Penaeus esculentus)、ノーザンホワイトシュリンプ(Penaeus setiferus)、テナガエビ属(Macrobrachium spp)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
したがって、本発明で開示された方法は、以下の段階を含む:
a)新鮮なオキアミ全体および/またはそれらの断片をタンパク質変性のために、本段階では、撹拌(agitating)、粉砕および/またはミンチもさらなる段階も無しに、高温で調理する段階。
b)段階a)からの調理されたオキアミを高トルクのデカンタを使用して、部分的に脱脂および脱水された固体およびデカンタ液体を得る、デカンティング段階。
c)段階b)からの部分的に脱脂および脱水された固体を、圧搾を経て圧搾液体および固体画分を得る、搾る段階。
d)段階c)からの圧搾液体を、リン脂質が強化されたオキアミ油を得るために、遠心分離する段階。
e)段階b)からのデカンタ液体を、中性脂肪が強化されたオキアミ油、および粘性廃液を得るために、遠心分離する段階。
f)任意に、リン脂質、DHA、EPA、タンパク質、およびアスタキサンチンを組み合わせて含む、食品グレードのオキアミの乾燥させた複合体を得るために、段階c)からの圧搾液体を乾燥する段階。
【0023】
また、本願の革新の一部として、この発明は特別な機器の使用を開示し、そのような機器は、タンパク質、水およびオキアミリン脂質との油乳化を減少し、最終成分が乳化剤として働くためのすべての処理段階(すなわち、調理、ポンプ輸送など)の間中、撹拌(agitation)、ミンチおよび/または、粉砕を避けるように設計されている。そのような機器はスクリューポンプ、低速のスクリューコンベアを有する連続調理機、ベルトコンベア、スクリューコンベア、脱骨機(de−boner)、切断機(chopper)などを含む。
【0024】
他の特別な機器が使用可能であり、それは、全ての工程を通じて、撹拌(agitation)、および/または粉砕を避けるように設計され、以下を含む:
1. オキアミおよび他の甲殻類の皮むき機(peeling machine)。
2. オキアミおよび他の甲殻類のブラシ皮むき機(brush peeling machine)。
3. オキアミおよび他の甲殻類のディスク皮むき機(disk peeling machine)。
4. オキアミおよび他の甲殻類の低速で動作する凝集沈殿装置(coagulator machine)。
5. 低速で動作する脱水機。
6. オキアミおよび他の甲殻類の脱骨機(debonning machine)。
【0025】
特定の遠心分離機を使用することによって得られたデカンタ液体からの中性脂質が強化されたオキアミ油の分離を考慮して、本発明で明らかにされた手順を用いることでオキアミ油を得た。これらの遠心分離機はデカンタ液体の処理に使用されるのみである。リン脂質が強化されたオキアミ油は、他の特別に設計された遠心分離機を使用することにより、圧搾液体から得られる。次に、デカンタはデカンタ液体の中に重要な中性脂肪を移し、リン脂質はデカンタケーキの中にさらに濃縮される。したがって、それぞれのオキアミ油の型は、遠心分離機、ポンプ、配管、タンク、熱交換器、および包装設備で構成される、それ自身の排他的な処理ラインを有する。
【0026】
本発明はオキアミ、好ましくは南部の南極のオキアミ、から、好ましくは甲板上(海)、工場トロール船、または母船(mother vessel)の上での処理を経て、特定のオキアミ油を得るための方法に関する。さらに、本発明は岸の(陸の)加工プラントでの実施に適している。本発明で開示された処理方法の最終的な処理目標は:a)撹拌(agitation)および/またはミンチのない新鮮な海産種の全体または断片の調理;b)部分的に脱脂または脱水された固体およびデカンタ液体を得るための高トルクの二相デカンタ、および/または、三相デカンタまたは他のあらゆる型のデカンタ手段を使用する、調理された海産種のデカンティング;c)低脂肪の乾燥された海産種ミールを得るためにさらに処理される固体画分および圧搾液体を得るための、簡単な圧搾および/またはツインスクリュープレスおよび/または他のあらゆる圧搾手段を経る部分的に脱脂および脱水されたデカンタ固体の搾り;d)リン脂質が強化された海産種油を得るための圧搾液体の遠心分離;e)中性脂肪が強化された海産種油および粘性廃液を入手するための、段階b)で得られたデカンタ液体の遠心分離、を含む。本工程で使用される設備は、すべての段階(すなわち、調理、ポンプ輸送など)の間中、撹拌(agitation)を避け、タンパク質、水および海産種リン脂質との油乳化を減少し、最終成分が乳化剤として働くことを許容する。
【0027】
本発明はまた、リン脂質、中性脂質、オメガ−3およびタンパク質が強化された乾燥粉、および人に適用されるための健康製品、強力な健康増進剤、成長促進剤、免疫系統促進剤およびウェルネス(wellness)のための最終製品としての製品の使用を開示する。本発明で開示される手順で得られるすべての製品は、非化学物質処理、すなわち、オキアミ油を分離するための有機溶媒および/またはCO超臨界流体のない工程によって製造される。
【0028】
本発明のリン脂質が強化されたオキアミ油は人の健康への応用に有用であり、約30から70% w/w、より具体的に約35から60% w/w、さらにより具体的に約35から55% w/wの全リン脂質含量を有する。DHAおよびEPA含量は、約10から70% w/w、より具体的に約15から60% w/w、さらにより具体的に20から55% w/wである。中性脂質含量は30から70% w/w、より具体的に約40から65% w/w、さらにより具体的に約45から65% w/wである。アスタキサンチン含量は約200から1500mg/kg、より具体的に約300から1200mg/kg、およびさらにより具体的に約400から1000mg/kgである。
【0029】
本発明の中性脂質が強化されたオキアミ油はまた、人の健康への応用に有用であり、50から100% w/w、より具体的に60から100% w/w、およびより具体的に70から100% w/wの中性脂質含量を有する。DHAおよびEPA含量は、2から45% w/w、より具体的に2から40% w/w、およびより具体的に5から35% w/wである。リン脂質含量は10% w/w未満、より具体的には5% w/w未満、およびさらにより具体的には2% w/w未満である。アスタキサンチン含量は200から1500mg/kg、より具体的に300から1200mg/kg、およびさらにより具体的に400から1000mg/kgである。
【0030】
本発明のリン脂質が強化されたオキアミ油は、好ましくは、生のオキアミ全体または断片を冷凍することを避け、新鮮な生のオキアミを用いる直接的な利点を有するように、甲板上で(海で)製造される。また、前述の最終材料の新しさに加えて、甲板上での処理は最終的に、岸の(陸の)加工プラントでのさらなるオキアミ油抽出工程に用いられる新鮮なオキアミミールを製造する。
【0031】
これらの好ましい甲板上での(海での)オキアミ油加工は、海での操作(甲板上)から岸(陸)の港湾設備および岸の(陸上の)処理プラントへのさらなる輸送での生のオキアミの冷凍輸送を避けるといった追加のおよび重要な利点を有し、このようにして、本発明の最終製品は、顕著に低いコスト構造を有する。
【0032】
本発明のリン脂質が強化されたオキアミ油は、該製品が好ましくは甲板上の(海の)工程を経て製造され、このようにして、工程が陸の(岸の)施設で行われる際の凍結工程、冷凍輸送、および冷凍保存の間の、リン脂質分解、および/または、脂質劣化を避けて、非常に新鮮な生のオキアミの全体または断片の使用の保証を意味する。
【0033】
本発明は、その直接的な利益の中に、強力にオキアミ関連の環境を牽引する発展を示し、それは:
a)最終製品の出力トン数あたりのより低い漁獲トン数を許容するより効率的な加工であるように、他の方法と比較して等量の最終製品を確保するために全体的により低い漁獲量の要求;
b)甲板上での加工に起因して、漁獲量および環境的な加工許容量が軽減されるという、他のあらゆる比較できる処理方法との関連での加工基盤設備の顕著な減少;
c)最終製品の、新鮮さおよびその分子の品質に関連する質の向上であり、人の健康または動物の栄養のための、エンドユーザへの利益として、同等な高品質の分子あたりの市場コストを減少させることを意味する。
d)本発明はより低い加工コストを保証し、より低い最終製品価格を通して、エンドユーザの直接的な利益をもたらす。
e)甲板上で(海で)付加価値を付ける概念が守られるとき、さらなる岸での(陸での)加工に原料を輸送する追加のコストを必要としないように、バイオマス保護も保証される。
f)本発明はまた、漁獲の努力が限られた漁獲および加工時期に集中されるのではなく、むしろオキアミを釣る季節全体に広がるように、より良い資源保護を提供する。
【0034】
本発明はさらに、好ましくは甲板上(海)、工場トロール船または母船の上で行われる南部の南極のオキアミ加工に関し、本発明はまた、甲板上の(海の)処理が岸の(陸の)処理よりも優先されるものの、岸の(陸の)加工プラントで行われるオキアミ加工にも冠する。本発明において開示される加工方法の最終的な加工目標は:
a)撹拌(agitation)および/または粉砕のない、全体および生の海産種の調理;
b)部分的に脱脂または脱水された固体およびデカンタ液体を得るための高トルクの二相デカンタ、および/または、三相デカンタまたは他のあらゆる型のデカンタ手段を使用する、調理された海産種のデカンティング;
c)低脂肪の乾燥された海産種ミールを得るためにさらに処理される固体画分および圧搾液体を得るための、簡単な圧搾および/またはツインスクリュープレスおよび/または他のあらゆる圧搾手段を経る部分的に脱脂および脱水されたデカンタ固体の搾り;
d)リン脂質が強化された海産種油を得るための圧搾液体の遠心分離;
e)中性脂肪が強化された海産種油および粘性廃液を入手するための、段階b)で得られたデカンタ液体の遠心分離、を含む。
【0035】
本工程で使用される設備は、すべての段階(すなわち、調理、ポンプ輸送など)の間中、撹拌(agitation)を避け、タンパク質、水および海産種リン脂質との油乳化を減少し、最終成分が乳化剤として働くことを許容する。
【0036】
甲板上の(海の)加工は、副産物または最終製品または両方の組合せとして得られた海産油をもたらす、工場トロール船の甲板上、加工者としてのみ働く母船、捕獲および加工または母船としてのあらゆる他の組合せとして働く母船、加工場として使用される不定期船(tramper vessel)の甲板上、および/または、他のあらゆる海上加工船(sea processing factory vessel)および/またはこの特定の目的のための他のあらゆる加工工場レイアウトを考慮する。
【0037】
本発明の方法で得られたオキアミミールは5から15%の範囲の脂肪含量、60%から70%のタンパク質含量、および6から10%の水分含量を有する。
【0038】
本発明で得た両方のオキアミ油組成が他の発明および工程から得られたオキアミ油組成と同様であり、本発明のオキアミ油が工程の間、いかなる毒性の、または、無毒の化学物質の使用に曝されないので、本発明で得られるオキアミ油は、欧州食品安全機関(EFSA)によると、人間の消費のために安全に使用できるであろう(Scientific Opinion of the Panel on Dietetic Products Nutrition and Allergies on a request from The European Commission of The safety of “Lipid extract from Euphausia superba” as food ingredient. The EFSA Journal (2009). 938, 1−16)。
【0039】
本発明で得られたオキアミ油のために開示される人の健康への応用は、月経前の症状の軽減、高血圧の予防、患者の血糖値の制御、関節炎症状の制御、高脂血症の予防、および他の健康への応用、などが挙げられる。また、このような油は、乾燥皮膚、角質増殖症、魚鱗癬、にきび、皮膚潰瘍、乾癬、脂漏性湿疹、アトピーなどの必須脂肪酸の欠乏症に関連する特に皮膚病を治療するための皮膚用製剤、特に外用剤または全身薬(systemic product)を調製する際に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明の方法について表現するフローチャートである。
【0041】
【図2】図2は、伝統的な工程を使用する現在の処理レイアウトを示す。
【0042】
【図3】図3は、非伝統的な工程を使用する現在の処理レイアウトを示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
詳細に本発明について説明する前に、本願において記載される発明がここで詳細に記載される発明へと制限されるものではないことが理解されるべきである。発明それ自体は、適用される他の形態および様々な方法を包含する。ここに使用される表現または用語は、説明の目的のためのものであり、いかなる種類の制限のためにも意図しないことが、理解されるべきである。
【0044】
本発明は海洋バイオマスを処理するための系(system)および工程を提供する。好ましい実施形態として、海洋バイオマスはオキアミ、望ましくは南極のオキアミ、ナンキョクオキアミ(Euphasia superba)である。また、本発明の系および工程を使用することにより他のオキアミ種または甲殻類を処理できる。そのような種の例は、コオリオキアミ(E.crystallorophias)、ユーファシア・フリジダ(E.frigida)、ユーファシア・トリカンサ(E.tricantha)、ユーファシア・ヴェランティーニ(E.vellantini)、ユーファシア・ロンギロストリス(E.lougirostris)、ユーファシア・ルセンス(E.lucens)、ユーファシア・シミリス(E.similis)、ユーファシア・スピニフェラ(E.spinifera)、ユーファシア・レクルバ(E.recurva)、ツノナシオキアミ(E.pacifica)、チサノエッサ・マクルラ(Thysanoessa macrura)、チサノエッサ・ヴィシニア(T.vicinia)、ノコギリテナガオキアミ(T.gregaria)、チサノエッサ・ラスキイ(T.raschii)、チサノエッサ・イネルミス(T.inermis)、ホッコクアカエビ(Pandalus borealis)、コシオリエビ(Cervimunida johni)、アマエビ(Heterocarpus reedi)またはサクラエビ(Pleuroncodes monodom)である。好ましくは、オキアミは、ここに定義されるように、新鮮な状態で処理さる。本発明の方法では、オキアミ冷凍の間、甲殻類の解剖学的構造を混乱させる氷晶が形成されるように、冷凍オキアミを使用することは好ましくない。冷凍による組織の破壊は、現在の技術において定説となっている事象である(Whittaker DK. 1984. Mechanisms of tissue destruction following cryosurgery. Ann R Coll Surg Engl. 66:313−318)。
組織破壊は、加工の間の油乳化およびまた、冷凍保存の間のリン脂質の分解にも有利に働き得る。好ましい実施形態として、オキアミが新鮮なまま漁船の上、工場トロール船、工場母船、または中間加工者、または本発明の方法の実施に適した他の船または類似のものでオキアミ捕獲後、14、12、10、8、6、5、4、3、または好ましくは2時間以内に加工される。いくつかの実施形態において、オキアミの捕獲後、1時間、好ましくは0.5時間、より好ましくは20分間以内に、船の甲板上で処理される。本発明の実施形態の中には、船がオキアミを捕獲するために構成されるトロール網を牽引する、および/または船が漁船または他の工場トロール船からオキアミまたは他の種を受け取ることが含まれる。オキアミは、その後トロール網から船まで移されて、好ましくはオキアミの捕獲直後に加工される。トロール船は、(トロール網および/または巾着網系で構成された通常の釣具、および/または)、オキアミを新鮮な状態で加工することを可能にするための捕獲したオキアミを新鮮にトロールから船にポンプ輸送するポンプシステムを含む。いくつかの実施例における捕獲系は、それは通常のトロール網かポンプシステムであることにかかわらず、トロール網から船までポンプ輸送するまでの間、損傷、(劣化)、粉砕またはミンチがまったくオキアミに起こらないような方法で設計されている。
【0045】
好ましい実施形態において新鮮なオキアミ全体または断片は、オキアミの撹拌(agitation)を避け、タンパク質および水との油乳化を避ける、ベルトコンベア、スクリューコンベア、またはスクリューポンプ輸送、または他の輸送系、を用いて調理機へ輸送される。オキアミ全体は、間接的および/または、直接的な蒸気加熱または他の加熱装置を備える調理機で、しかし約1−100rpm、好ましくは2−20rpm、および、より好ましくは5−10rpmの低回転速度で、撹拌(agitation)なしで油乳化を避けて調理される。調理機出口のオキアミ温度は、約20−100℃、好ましくは50−100℃、およびより好ましくは75−100℃、およびさらに好ましくは93−95℃であるか、またはここで明らかにされなかった、完全なタンパク質の変性に達するために必要な他の温度である。調理機の型は特に制限されないが、好ましい実施形態では、この調理機は乳化状態を避けるため撹拌(agitation)なしで操作されなければならない。
【0046】
いくつかの実施形態において、調理されたオキアミは、スクリューコンベアまたはスクリューポンプ、または油乳化を避けるためにオキアミの撹拌(agitation)がない他の輸送系を用いて、二相デカンタに輸送される。調理されたオキアミは、部分的に脱水および脱脂するため、約1−10kNm、好ましくは1.2−5kNm、より好ましくは1.5−3kNm、さらに好ましくは1.8−2.5kNmの高トルクで、および約100−1000rpm、好ましくは1000−8000rpm、より好ましくは2000−5000rpm、さらに好ましくは3000−4600rpmの速度がある二相デカンタを通り、デカンタ固体相およびデカンタ液体相に分離される。いくつかの実施形態では、デカンタの型は特に制限されない。好ましくは、デカンタ固体の水分量は、約40−80%、好ましくは50−70%、より好ましくは55−67%、およびさらにより好ましくは58−65%である。
【0047】
表1は、脂の乗る時期の捕獲のオキアミを、スクリューコンベアを備えた間接および直接蒸気加熱の先の調理機を使用して低回転速度にて得られた、デカンタ固体およびデカンタ液体の脂質と水分量を示す。デカンタ固体が19.8から22.4%乾量基準の範囲の脂質含量を有するので、この固体から得られる8%の水分のオキアミミールには、約18.2から20.6%の脂質含量を有するであろう。これらの結果は、二相デカンタ単独ではより多いオキアミ油および脂質含量が18%未満のオキアミミールを得るための、調理されたオキアミの良好な脱脂には不十分であることを示す。いずれにしても、低速の先の調理機から得られたこのデカンタ固体は、コンサーム調理機を使用する工程より低い脂質含量および非乳化脂質を有する。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態において、低回転速度に較正された調理機を使用して得られたデカンタ液体は、乳化されず、従来のコンサーム調理機を使用するデカンタ液体と比較してより高い脂質含量を有する。
【0049】
表2は、先のコンサーム調理機を使用した、デカンタ固体およびデカンタ液体の脂質および水分量を示す。この機器は脂質の大部分がデカンタ固体に残り、デカンタ液体に含まれた脂質が乳化されるように、本発明の実施形態の中で好ましくない。この機器を使用するオキアミ油回収率は、非常に低く、得られるオキアミミールは、高い脂肪含量、より具体的にはオキアミの油の乗る時期で20%以上、を有する。
【0050】
本発明の方法における好ましい実施形態として、得られたデカンタ液体を遠心分離機(separator centrifuge)を通して、その後、精製遠心分離機(purifier separator centrifuge)を通し、粘性廃液、およびアスタキサンチンおよび中性脂肪に富み、実質的にリン脂質なし(または検出されない)オキアミ油を得る。得られた粘性廃液は、最大でも約0.3−0.5%の低い脂肪含量、更なる処理(濃縮製品)に適した非乳化形態、および汚泥(sludge)を有する。
【0051】
いくつかの実施形態において、中性脂質が強化された油を得るための工程は以下の排他的(exclusive)で分離されたラインを含む:遠心分離機、精製遠心分離機、ポンプ、配管、熱交換器、タンク、および包装設備。
【0052】
本発明の方法の好ましい実施形態として、デカンタ固体相は、撹拌(agitation)が起こらないスクリューポンプ、スクリューコンベヤまたは他の供給システムを使用するツインスクリュープレスに供給される。デカンタ固体相は、高圧のツインスクリュープレスまたは他の圧搾機を使用して圧搾され、本発明の製品のための製造ラインに沿って、変性タンパク質に結合したリン脂質を伴う油を放出する。好ましい実施形態として、圧搾工程は、2−10rpm速度、より好ましくは2−6rpm、および供給されるデカンタ固体の温度が90−96℃、より好ましくは93−95℃を使用する完全な供給条件での連続圧搾によって実施される。圧搾系は特に制限されない。上記のとおり、デカンタ固体相は、凝集たんぱく内部のすべてのリン脂質を保持し、次いで、デカンタ固体の強い圧搾はリン脂質の重要な割合を圧搾液体に放出する。この圧搾ケーキの水分は約45−55%、好ましくは48−53%、であり、表3はオキアミの脂の乗る時期の異なる供給レベルのツインプレスでの本発明の圧搾ケーキの脂質および水分量を示す。
【0053】
表4はオキアミの脂の乗る時期の圧搾液体の組成を示す。本発明で開示される方法または系によると、オキアミの季節ごとの脂質含量およびそれが乳化形態かどうかに依存するが、この圧搾液体は約3−25%、好ましくは5−20%、より好ましくは8−17%(湿重量基準)の高い脂質含量を有する。ツインスクリュープレスのみ(予備デカンタのない)を使用する伝統的なオキアミミール加工では、オキアミ脂質含量およびそれが乳化形態かどうかに依存するが、この圧搾液体中の脂肪含量は0.5−3%(湿重量基準)より低い。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態では、また、遠心分離なしで「そのままの」圧搾液体を乾燥することによって得られる、DHAおよびEPA、タンパク質およびアスタキサンチンを有するリン脂質を含む油の乾燥複合体が提供される。そのような乾燥した複合体は、多くの人の健康への応用で使用されるための食品グレードのオキアミ関連の製品に対応する。
【0055】
いくつかの実施形態では、二相デカンタおよびツインスクリュープレスまたは他の強力な圧搾系との相乗作用が、アスタキサンチンおよび中性脂質が混合された、DHAおよびEPAとリン脂質を油中に放出するために必要とされる。約25−121℃、好ましくは50−110℃、より好ましくは80−100℃、およびさらに好ましくは90−96℃の温度における圧搾液体は、スクリューポンプまたは他の供給系を使用して、撹拌(agitation)なしに遠心分離機にポンプ輸送され、アスタキサンチンおよび中性脂質が混合された、DHAおよびEPAを伴うリン脂質があるオキアミ油が分離される。遠心分離機の処理速度は4000−8000rpm、より好ましくは4600−6800rpmで、自動で定期的に固体を放出して、操作する。本発明の一の実施形態では、油分離遠心分離機は特に制限されず、すなわち、使用に適した示された条件を満たすどんな遠心分離機も使用される。このオキアミ油は、精製のためにもう一度、5000−10000rpm、より好ましくは6000−8200rpmの処理速度で作動し、後で包装されるための固体を自動で定期的に放出する、精製遠心分離機を通して遠心分離される。本発明の実施形態では、精製遠心分離機は特に制限されず、すなわち、使用に適した示された条件を満たすどんな遠心分離機も使用される。
【0056】
追加の好ましい実施形態として、アスタキサンチンおよび中性脂質が混合されたDHAおよびEPAとリン脂質を有するオキアミ油、本発明の製品は、以下を含む排他的および分離された油工程ライン:デカンタ液体相からの中性脂質を有する他の油ラインから完全に異なり、分離された、遠心分離機、精製分離機、ポンプ、配管、熱交換器、タンクおよび包装設備、を有する。
【0057】
実施例3および4は、本発明で得られたオキアミ油の特性を示す。
【0058】
I)本発明の中性脂質が強化されたオキアミ油はまた、人の健康への応用に有用であり、以下の含量を有する:
− 50から100% w/w、より具体的には60から100% w/w、およびより具体的には70から100% w/wの中性脂質、
− DHAおよびEPA含量は2から45% w/w、より具体的には2から40% w/w、およびより具体的には5から35% w/wであり、
− リン脂質含量は10% w/w未満、より具体的には5% w/w未満、およびさらにより具体的には2% w/w未満であり、
− アスタキサンチン含量は200から1500mg/kg、より具体的には300から1200mg/kg、およびさらにより具体的には400から1000mg/kgである。
【0059】
II)本発明のリン脂質が強化されたオキアミ油はまた、人の健康への応用に有用であり、以下の含量を有する:
− 30から70% w/w、より具体的には35から60% w/w、およびさらにより具体的には35から55% w/wの全リン脂質、
− DHAおよびEPA含量は10から70% w/w、より具体的には15から60% w/w、およびさらにより具体的には20から55% w/wであり、
− 中性脂質含量は30から70% w/w、より具体的には40から65% w/w、およびさらにより具体的には45から65% w/wであり、
− アスタキサンチン含量は200から1500mg/kg、より具体的には300から1200mg/kg、およびさらにより具体的には400から1000mg/kgである。
【0060】
上記で説明された、本発明の方法を経て得られた両方の油製品の組成によると、これらの油は人の健康への応用に有用である。
【0061】
上記より、このオキアミ油に特徴付けられる組成およびそれを得るための方法を考慮すると、本発明の方法はアスタキサンチンと中性脂質をもつリン脂質画分中にDHAおよびEPAを含むオキアミ油製品、それは、溶媒抽出および/または超臨界流体抽出または加熱分画および遠心分離を含む工程を経て得られる全てのオキアミ油から、新規で改良された異なった工程で製造され;さらに、得られるオキアミミールは、いかなる南極のオキアミの季節においても、最大15%の脂質含量が、最小60%のタンパク質含量、最低10%の水分量を有する、を提供すると結論付けられる。
【0062】
いくつかの実施形態では、本発明で開示される手順で得られたオキアミ油は、酸化防止剤、および/または保存料、および/または窒素で封じられた層(nitrogen−barred layer)の使用により安定化できる。さらにそのようなオキアミ油は、必要として食品グレード、医薬品グレードおよび/または化粧品グレードに適したプラスチックまたは金属容器で、特にステンレス容器で、室温にて、光から適当に保護されて保存できる。
【0063】
いくつかの実施形態において、本発明は栄養補助食品、および/または、機能性食品として使用されるためのオキアミ油組成を調製するためのオキアミ油の使用を提供する。この発明はまた、有効量のオキアミ油、および少なくとも一つの薬学的に許容される輸送体、賦形剤、安定剤、希釈剤、および/または、アジュバントを含む医薬組成物を開示する。いくつかの実施形態において、該オキアミ油組成は光保護剤(photoprotector)に好適である。該光保護剤は、日焼けクリーム、および/または、日焼け油に配合できる。いくつかの実施形態において、化粧品を生産するために該オキアミ油を使用できる。該化粧品は、保湿クリーム、化粧粉(powder make up)、粉アイシャドー、クリームアイシャドー、コンパクト用粉(compact powder)および口紅であるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態において、該オキアミ油組成は、患者の血漿コレステロール濃度の減少、血小板粘着の抑制、動脈のプラーク形成の抑制、高血圧の予防、関節炎症状の制御、皮膚癌の予防、経皮的輸送の増強、月経前兆候の症状の減少、または血糖値の制御へ有効に使用できる。さらに、また、いくつかの実施形態では、リン脂質が強化されたオキアミ油を含む機能性食品、医薬品、および化粧品が、本発明に包含される。
【0064】
表1.スクリューコンベヤが低回転速度で作動している間接的および直接的蒸気加熱系がある調理機を使用することで南部の南極のオキアミの脂の乗る時期に捕獲したオキアミから得られたデカンタ固体およびデカンタ液体の脂質と水分量
【0065】
【表1】

【0066】
表2.コンサーム調理機系を使用することで南部の南極のオキアミの脂が乗る時期に捕獲したオキアミから得られたデカンタ固体およびデカンタ液体の脂質と水分量
【0067】
【表2】

【0068】
表3.ツインプレスの異なる供給レベルでの本発明の圧搾ケーキの脂質および水分量
【0069】
【表3】

【0070】
コメント
【0071】
圧搾ケーキ試料1から6は、デカンタ固体を完全に供給してない圧搾で得られた。
【0072】
圧搾ケーキ試料7および8は、デカンタ固体を完全に供給した圧搾で得られた。
【0073】
表4.南部の南極のオキアミの脂の乗る時期に捕獲されたオキアミの圧搾液体の組成
【0074】
【表4】

【0075】
表5.新鮮な生のオキアミ全体の組成
【0076】
【表5】

【0077】
表6.ツインスクリュープレスにより得られた液体および圧搾ケーキ相の組成
【0078】
【表6】

【実施例】
【0079】
実施例
【0080】
本発明は実施例によりより詳細に開示される。本発明が下記の実施例によって限定されるものではないことを理解すべきである。
【0081】
実施例1
【0082】
本発明のオキアミ油および低脂肪オキアミミールを得るための方法
【0083】
記載は本発明の方法の例を表す。図1では、本工程のフローチャートが示される。工程は明確に有機溶媒、および/または、超臨界のCO流体の使用を伴わない。
【0084】
3月から5月の期間、好ましくは5月のオキアミの脂の乗る時期の間に、オークニー諸島漁場でナンキョクオキアミを捕獲し、ポンプ輸送の捕獲系を使用し、工場船の甲板上に生きたままオキアミを送り、すぐに処理された。表5は、使用した新鮮な生のオキアミ全体の組成を示す。
【0085】
オキアミ全体は、貯蔵庫(bunker)に集められて海水を排出し、ベルトコンベアでタンクに輸送され、スクリューポンプを使用して調理機にポンプ輸送された。
【0086】
スクリューコンベアを備えた連続調理機で生蒸気を使用して、オキアミの温度を約0℃から93−95℃へ上昇させた。調理機のスクリューコンベアの速度は7−8rpmに設定した。
【0087】
調理されたオキアミは、スクリューポンプを用いて二相デカンタにポンプ輸送された。スクリューコンベアを備えた連続作動調理機で生蒸気を使用して、オキアミの温度を約0℃から93−95℃へ上昇させた。調理機のスクリューコンベアの速度は7−8rpmに設定した。調理されたオキアミは、二相デカンタにポンプ輸送された。
【0088】
3100rpmおよび2.0kNmトルクで操作された二相デカンタが使用され、デカンタ液相およびデカンタ固相を得た。表1はデカンタ液体およびデカンタ固体の組成を示す。
【0089】
デカンタ液相は93−96℃の温度でタンクの中に集められ、4600rpmに設定された速度の遠心分離機にスクリューポンプでポンプ輸送され、その後すぐに6100rpmに設定された精製遠心分離に送られ、中性脂肪がありリン脂質のないオキアミ油を得た。実施例3はこの中性脂肪油組成および特性を示す。
【0090】
デカンタ固相は、ツインスクリュープレスで圧搾され、圧搾液相および圧搾ケーキ相を得た。表6は、これらの2つの相から得られた組成を示す。
【0091】
圧搾ケーキはロタプレート(rotaplate)乾燥機を使用して、10%より低い水分量に達するまで乾燥された。実施例5は、この試験から得られたオキアミミール組成を示す。
【0092】
93−96℃の温度の圧搾液体は、4600rpmに設定された速度の特定の遠心分離機にスクリューポンプでポンプ輸送され、その後すぐに6100rpmに設定された速度の特定の精製遠心分離に送られ、リン脂肪があるオキアミ油を分離した。実施例4はこの実験で得られた、リン脂質画分と結合したDHAおよびEPAを有するオキアミ油の組成および特性を示す。
【0093】
実施例2
【0094】
本発明のオキアミ油および低脂肪のオキアミミールを得るための工程のフローチャートと物質収支
【0095】
この実施例は、南部の南極のオキアミで見出される最大限の脂肪含量は必要ではないけれども、生のオキアミが脂肪含量の高い(5%と見積もられる)季節内である時の、粘性廃液からの回収または追加のない、本発明の製品のための製造ラインの概算の物質収支を示す。
【0096】
以下の表は、平均して高い脂肪含量(約5% w/w)の生のオキアミを利用し、粘性廃液の回収のない、本発明の方法の概算の物質収支である。
【0097】
【表7】

【0098】
【表8】

【0099】
【表9】

【0100】
【表10】

【0101】
【表11】

【0102】
【表12】

【0103】
【表13】

【0104】
【表14】

【0105】
【表15】

【0106】
【表16】

【0107】
【表17】

【0108】
【表18】

【0109】
【表19】

【0110】
【表20】

【0111】
【表21】

【0112】
【表22】

【0113】
【表23】

【0114】
【表24】

【0115】
DS=乾燥固形分
F=脂肪含量
M=水分含量
MT=メートルトン
【0116】
下表は、南部の南極のオキアミで見出される最大限の脂肪含量は必要ではないけれども、生のオキアミが脂肪含量の高い(5%と見積もられる)季節内である時の、粘性廃液からの回収または追加のある、本発明の製品のための製造ラインの概算の物質収支を示す。
【0117】
【表25】

【0118】
【表26】

【0119】
【表27】

【0120】
【表28】

【0121】
【表29】

【0122】
【表30】

【0123】
【表31】

【0124】
【表32】

【0125】
【表33】

【0126】
【表34】

【0127】
【表35】

【0128】
【表36】

【0129】
【表37】

【0130】
【表38】

【0131】
【表39】

【0132】
【表40】

【0133】
【表41】

【0134】
【表42】

【0135】
実施例3
【0136】
本発明の中性脂質が強化されたオキアミ油の組成
【0137】
【表43】

【0138】
ND=検出されず
【0139】
実施例4
【0140】
本発明のリン脂質が強化されたオキアミ油の組成
【0141】
【表44】

【0142】
値は二重分析の平均である。
*、HPTLC/濃度測定による測定
**、色素を含む
【0143】
全脂質の脂肪酸組成
【0144】
【表45】

【0145】
値は二重分析の平均である。
脂肪酸分析の定量限界(LOQ)=0.06%
【0146】
ホスファチジルコリン/リゾホスファチジルコリンの脂肪酸組成
【0147】
【表46】

【0148】
値は二重分析の平均である。
脂肪酸分析の定量限界(LOQ)=0.06%
【0149】
ホスファチジルエタノールアミンの脂肪酸組成
【0150】
【表47】

【0151】
値は二重分析の平均である。
脂肪酸分析の定量限界(LOQ)=0.06%
【0152】
トリアシルグリセロールの脂肪酸組成
【0153】
【表48】

【0154】
値は二重分析の平均である。
脂肪酸分析の定量限界(LOQ)=0.06%
【0155】
脂質試料の脂質クラス組成および個々の脂質の脂肪酸組成は、HendersonおよびTocherによる高性能薄層クロマトグラフィー(HPTLC)および走査デンシトメトリーを用いる定量により測定した(Henderson, R. J. and Tocher, D. R. (1992) Thin−layer chromatography. In Lipid Analysis: A Practical Approach (Hamilton, R. J., and Hamilton, S., eds.) pp. 65−111, Oxford University Press, Oxford)。
【0156】
実施例5
【0157】
本発明のオキアミ油の他の特性
【0158】
【表49】

【0159】
(*)二重で計算した
(**)Ham et al.(J.A.O.C.S.75, 1445−1446(1998))のAOCS推奨法Cd 1c−85の修正法により計算した
【0160】
実施例6
【0161】
本発明のオキアミ油の重金属含量
【0162】
【表50】

【0163】
実施例7
【0164】
南部の南極のオキアミの脂の乗る時期に捕獲されたオキアミの、本発明の低脂肪オキアミミールの組成
【0165】
【表51】

【0166】
実施例8
【0167】
オキアミ油を基にした栄養補助食品(栄養/食事)
【0168】
必須脂肪酸を補足するための脂肪原料に富む食品を記載する。そのような食品はオキアミ油、オキアミミールまたはオキアミ乾燥複合品を用いて作られクッキー状に形成された。
【0169】
ボールに400gのクエーカー製品(Quaker)、100gの小麦粉、500gの砂糖、1個の卵、150mLの本発明のオキアミ油、および10mLのバニラ・エッセンスを混合した。一旦、完全に均質化して、クッキーを各25gの重さで成形し、160℃にて15分間焼成した。より長い調理時間は、アスタキサンチンを破壊する。
【0170】
食事で使用されるクッキーの量は18:2および18:3などの必要とされる必須脂肪酸の量、および必要なカロリーに依存するであろう。
【0171】
実施例9
【0172】
光保護剤
【0173】
太陽光保護のための日焼けクリームおよび日焼け油の調製のために、実施例3および4で調製されたオキアミ油を使用できる。
【0174】
A)日焼けクリーム
【0175】
本実施例では2個の日焼けクリーム、一つは太陽光線保護指数5(SPF5)および一つは太陽光線保護指数20(SPF20)を記載する。
【0176】
【表52】

【0177】
B)日焼け油
【0178】
下記の記載は、特有の日光保護剤としてのオキアミ油を含む日焼け油に相当する。
【0179】
【表53】

【0180】
実施例10
【0181】
オキアミ油を基にした化粧品
【0182】
オキアミ油には、着色、抗酸化力、EPAおよび必須脂肪酸を含有することなどのいくつかの生物活性があるので、化粧品を設計することは可能である。
【0183】
A)保湿クリーム
【0184】
【表54】

【0185】
B)化粧粉
【0186】
本実施例において、10%(w/w)のオキアミ油を含む化粧粉の調製のための基本配合を記載する。
【0187】
【表55】

【0188】
C)粉アイシャドー
【0189】
本実施例において、10%(w/w)のオキアミ油を含む粉アイシャドーの調製のための基本配合を記載する。
【0190】
【表56】

【0191】
D)クリームアイシャドー
【0192】
本実施例において、5.7%(w/w)のオキアミ油を含むクリームアイシャドーの調製のための基本配合を記載する。
【0193】
【表57】

【0194】
E)コンパクト用粉
【0195】
本実施例において、10%(w/w)のオキアミ油を含むコンパクト用粉の調製のための基本配合を記載する。
【0196】
【表58】

【0197】
F)口紅
【0198】
本実施例において、3%(w/w)のオキアミ油を含む口紅のための基本配合を記載する。
【0199】
【表59】

【0200】
実施例11
【0201】
オキアミ油を基にした医薬品
【0202】
オキアミ油および/または海産油は、生体内でコレステロールを減少させることが示されている。それはまた、血小板粘着およびプラーク形成を抑制して、患者の血管内皮炎症を減少させる。それは高血圧予防を提供できる。それは低比重リポたんぱくの酸化を防ぐ。それはアポリポタンパクB−100の細胞内分解の増加による、VLDLの分泌を抑制する効果を有し得る。またそれは、そのCIIIアポリポタンパク質Bを減少させて、CIII非アポリポタンパク質Bリポタンパク質を減少させて、アンチトロンビンIIIレベルを増加させる能力により、心筋梗塞後の予防法を提供する。オキアミ油および/または、海産油は、循環器疾患が冠動脈疾患、高脂肪血症、高血圧、虚血性病気(狭心症、心筋梗塞、脳虚血、虚血の臨床または臨床検査結果のないショック症状、不整脈に関連する)に関連するところの、人間の循環器疾患に対する予防のための用法に適している。
【0203】
本発明のオキアミ油の医薬組成物は実施例3および4に記載されたオキアミ油を1mL含むカプセルを含む。本発明のオキアミの乾燥複合物の医薬組成物は、1〜5gのオキアミの乾燥複合物を含むカプセルを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒を使用しないオキアミ油の製造方法であって、以下の段階:
a)新鮮なオキアミ全体および/またはそれらの断片をタンパク質変性のために、本段階では、撹拌(agitating)、粉砕(grinding)および/またはミンチ(mincing)もさらなる段階も無しに、高温で調理する段階、
b)段階a)からの調理されたオキアミを高トルクのデカンタを使用して、部分的に脱脂および脱水された固体およびデカンタ液体を得る、デカンティング段階、
c)段階b)からの部分的に脱脂および脱水された固体を、圧搾を経て圧搾液体および固体画分を得る、搾る段階、
d)段階c)からの圧搾液体を、リン脂質が強化されたオキアミ油を得るために、遠心分離する段階、
e)段階b)からのデカンタ液体を、中性脂肪が強化されたオキアミ油、および粘性廃液を得るために、遠心分離する段階、
f)任意に、リン脂質、DHA、EPA、タンパク質、およびアスタキサンチンを組み合わせて含む、食品グレードのオキアミの乾燥させた複合体を得るために、段階c)からの圧搾液体を乾燥する段階、
を含む、方法。
【請求項2】
方法が、海上にて甲板上(on board)で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
段階a)の調理が間接および/または直接蒸気加熱または他の加熱手段を用いて実施される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
加熱手段が約1−100rpm、好ましくは約2−20rpm、より好ましくは5−10rpmの低回転速度を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
調理機の出口の温度が約20−100℃、好ましくは50−100℃、より好ましくは約75−100℃、さらにより好ましくは93−95℃である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
段階b)のデカンタのトルクが約1−10kNn、好ましくは約1.2−5kNn、より好ましくは約1.5−3kNm、さらにより好ましくは約1.8−2.5kNmである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
段階b)のデカンタが100−1000rpm、好ましくは約1000−8000rpm、より好ましくは約2000−5000rpm、さらにより好ましくは3000−4600rpmの速度を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
段階b)のデカンタが伝統的なデカンタ、より好ましくは二相デカンタおよび/または三相デカンタまたは他の、オキアミの撹拌、粉砕および/またはミンチを最小化するデカンタである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
段階d)およびe)の遠心分離が最初に遠心分離機(separator centrifuge)、続いて、精製遠心分離機(purifier separator centrifuge)で実施され、段階d)でリン脂質が強化されたオキアミ油が得られ、段階e)で中性脂質が強化されたオキアミ油が得られ、それぞれのオキアミ油の型が、排他的な遠心分離機および精製遠心分離機を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
段階c)での部分的に脱脂および脱水された固体を搾ることが、固体をスクリューポンプまたはスクリューコンベヤ、または他の、オキアミの撹拌を避けるあらゆる供給系に供給され、約2−10rpm、より好ましくは3−6rpm、の速度のスクリュープレスを使用して固体を圧搾することにより実施され、固体を供給する温度が約90−96℃、より好ましくは93−95℃である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
スクリュープレスが、簡単なスクリュープレス、より具体的にはツインスクリュープレスおよび/または他のあらゆる圧搾機との組合せである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
段階d)の圧搾液体の遠心分離が、圧搾液体を遠心分離機に25−121℃、好ましくは約50−110℃、より好ましくは約80−100℃、さらに好ましくは約90−96℃でポンプ輸送されて行われる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
段階c)で得られる固体画分が低脂肪オキアミミールを得るために更に加工される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
任意に窒素で封じられた層(nitrogen−barred layer)下で、抗酸化剤および/または保存料がオキアミ油に添加される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
得られたオキアミ油が、食品グレード、医薬品グレードおよび/または化粧品グレードに適したプラスチックまたは金属容器で、特にステンレス容器で、室温にて、光から適当に保護されて保存される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
方法が、特定の目的のために、海上で、工場トロール船の甲板上、加工者としてのみ働く母船、捕獲および加工または母船としてのあらゆる他の組合せとして働く母船、加工場として使用される不定期船(tramper vessel)の甲板上、および/または、他のあらゆる海上加工船(sea processing factory vessel)および/またはこの特定の目的のための他のあらゆる加工工場レイアウトで実施され、副産物または最終製品または両方の組合せとしてオキアミ関連製品が得られる、請求項2−15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
段階a)の新鮮なオキアミ全体および/またはそれらの断片が新鮮な原料である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
方法が、岸の上(陸上)で行われる、請求項1、3−15および17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
請求項1−18のいずれか1項に記載の方法で得られる中性脂質が強化されたオキアミ油であって、オキアミ油は、:
− 50から100% w/w、より具体的に60から100% w/w、およびより具体的に70から100% w/wの中性脂質含量、
− 2から45% w/w、より具体的に2から40% w/w、およびより具体的に5から35% w/wのDHAおよびEPA含量、
− 10% w/w未満、より具体的には5% w/w未満、およびさらにより具体的には2% w/w未満のリン脂質含量、
− 200から1500mg/kg、より具体的に300から1200mg/kg、およびさらにより具体的に400から1000mg/kgのアスタキサンチン含量、
を有する、オキアミ油。
【請求項20】
請求項1−18のいずれか1項に記載の方法で得られるリン脂質が強化されたオキアミ油であって、オキアミ油は、:
− 約30から70% w/w、より具体的に約35から60% w/w、さらにより具体的に約35から55% w/wの全リン脂質含量、
− 約10から70% w/w、より具体的に約15から60% w/w、さらにより具体的に20から55% w/wのDHAおよびEPA含量、
− 30から70% w/w、より具体的に約40から65% w/w、さらにより具体的に約45から65% w/wの中性脂質含量、
− 200から1500mg/kg、より具体的に300から1200mg/kg、およびさらにより具体的に400から1000mg/kgのアスタキサンチン含量、
を有する、オキアミ油。
【請求項21】
請求項1−18のいずれか1項に記載の方法で得られる、リン脂質、DHA、EPA、タンパク質、およびアスタキサンチンを組み合わせて含む、オキアミの乾燥複合体であって、段階c)からの圧搾液体を通常の乾燥機、凍結乾燥機、噴霧乾燥機、または他のあらゆる型の乾燥機を用いて乾燥することにより得られる、乾燥複合体。
【請求項22】
請求項13に記載の方法で得られる低脂肪オキアミミールであって、脂肪含量が約5から15%、タンパク質含量が約60%から70%、水分含量が約6から10%である、低脂肪オキアミミール。
【請求項23】
請求項19−21のいずれか1項に記載のオキアミ油または乾燥複合体の、医薬品、栄養補助食品、化粧品の製造のための使用。
【請求項24】
製品が皮膚用製剤、特に外用剤または全身薬(systemic product)である、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
製品が、必須脂肪酸の欠乏に関する皮膚病の処置に有用である、請求項23または24に記載の使用。
【請求項26】
皮膚病が、乾燥皮膚、角質増殖症、魚鱗癬、にきび、皮膚潰瘍、乾癬、脂漏性湿疹、およびアトピーからなる群から選択される、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
アンチモンが<0.02ppm、砒素が<0.05ppm、ビスマスが<0.02ppm、カドミウムが<0.02ppm、銅が<0.04ppm、鉛が<0.02ppm、水銀が<0.02ppm、モリブデンが<0.02ppm、銀が<0.02ppm、および錫が<0.02ppmの含量を有する、請求項16から19のいずれか1項に記載のオキアミ油、オキアミミールまたはオキアミ乾燥複合品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−509174(P2013−509174A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535941(P2012−535941)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/IB2009/007269
【国際公開番号】WO2011/051743
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512112091)タロス・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】THAROS LTD.
【Fターム(参考)】