説明

リン酸塩結合剤のための1日1回製剤

血清リン酸塩の低下を必要とする患者における血清リン酸塩を低下させるための方法であり、該患者に1日1回リン酸塩結合剤を投与することを含み、該リン酸塩結合剤は少なくとも52ミリモルのリン酸塩結合能力を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2004年11月1日に出願された米国特許仮出願第60/623,985号の利益を主張する。上記出願の全体の教示は、参照により本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
リン酸塩過剰血症は、不充分な腎機能、副甲状腺機能亢進、およびある他の医学状態と関連する疾患を頻繁に伴う。リン酸塩過剰血症はヒトに対し、約4.5mg/dLよりも大きい血清リン酸塩レベルとして典型的に規定される。特に長期間にわたって存在する場合、状態はカルシウムとリン代謝の重篤な異常を導き、関節、肺および眼の異常石灰化によって発現(manifest)され得る。
【0003】
腸管のリン酸塩に結合し吸収を妨げるための、ある種のリン酸塩結合剤の経口投与がまた提案されている。典型的なリン酸塩結合剤としては、カルシウム塩およびアルミニウム塩が挙げられる。より最近では、ランタン塩および鉄塩がリン酸塩結合剤として用いられている。
【0004】
脂肪族アミンポリマー等の陰イオン交換ポリマーは、リン酸塩過剰血症の処置に用いられている。これらのポリマーは、任意の臨床上望ましくない物質の吸収が付随的に増大することなく、リン酸塩の血清レベルを低下させるための効果的な処置を提供する。
【0005】
リン酸塩結合剤は、内因性リン酸塩よりも食事からのリン酸塩に結合することでより効果的である。したがって、リン酸塩結合剤は現在、食事からのリン酸塩が身体に吸収される前にそれに結合するため、食事とともに投与され、かくしてリン酸塩結合効果を最適化する。結合剤を断食の間または食事の2時間より前か2時間より後に投与するとき、リン酸塩結合効果は大いに減少すると考えられる。これは、Schiller et al.(N. Engl. J. Med. 1989: (320)1110-1113)で結合剤を患者に食事の2時間後に投与したとき、リン酸塩結合効果の著しい減少によって実証される。
【0006】
各食事とともにリン酸塩結合剤を服用する必要性は、患者に負担をかけることになり、患者コンプライアンス、したがって治療の有効性の問題を導く。患者にとって1日に少なくとも2回または3回薬剤を服用することは不便であり、患者はかかる厳しい養生法を厳守しない傾向になる。かかる養生法はまた、患者が外食するときに薬剤の補給を所持しなければならない等の、さらなる不便さを導く。減少した投薬頻度を伴う治療は、患者コンプライアンスおよび処置の効果を向上させるために、さらにもっと望ましい。
【0007】
(発明の概要)
ここに、1日につき1回のリン酸塩結合剤製剤は、血清リン酸塩を調節するために1日につき3回の投薬を必要とする標準的な製剤と実質的に等しいことが分かった。実施例1に示されるように、8週の調査後、1日につき1回のセベラマーを受けている患者は、5.0±0.3mg/dLの血清リン酸塩レベルを有したが、それは4.6±0.3mg/dLの血清リン酸塩レベルを有し1日に3回のセベラマーを受けている患者と統計学的に等しい。
【0008】
一態様において、本発明は血清リン酸塩の低下を必要とする患者における血清リン酸塩を低下させるための方法であり、該患者に1日につき1回リン酸塩結合剤を投与することを含み、該リン酸塩結合剤は少なくとも52ミリモルのリン酸塩結合能力を有する。特定の態様において、リン酸塩結合剤は脂肪族アミンポリマー、好ましくはセベラマーである。別の特定の態様において、リン酸塩結合剤は薬学的に許容され得るランタン塩である。
【0009】
他の態様において、本発明は血清リン酸塩の低下を必要とする患者における血清リン酸塩を低下させるための方法であり、1日につき1回、少なくとも2gの脂肪族アミンポリマー、少なくとも2gのセベラマー、または少なくとも0.5gのランタン塩を該患者に投与することを含む。
【0010】
別の態様において、本発明は少なくとも2gの脂肪族アミンポリマー、少なくとも2gのセベラマー、または少なくとも0.5gのランタン塩を含む経口投薬単位であり、該経口投薬単位は錠剤サシェ、スラリー、懸濁液または食物配合物である。
【0011】
本発明の方法は、1日1回に対するリン酸塩結合剤の投与頻度を減少させ、それが患者コンプライアンスおよびリン酸塩結合有効性を向上させる。
【0012】
(発明の詳細な説明)
リン酸塩結合剤は現在、各食事と共に投与され(例えば少なくとも1日に2回または3回)、患者コンプライアンス、したがって治療の有効性の問題を導く。本発明は、血清リン酸塩を調節するために、1日につき3回の投薬を必要とする標準的な製剤に実質的に等しい1日1回のリン酸塩結合剤製剤を開示する。この1日1回の製剤によって、患者コンプライアンスの向上が期待される。
【0013】
一態様において、本発明は血清リン酸塩の低下を必要とする患者における血清リン酸塩を低下させるための方法であり、該患者に1日1回リン酸塩結合剤を投与することを含み、該リン酸塩結合剤は少なくとも52ミリモルのリン酸塩結合能力を有する。好ましくは、リン酸塩結合剤は少なくとも78ミリモル、少なくとも104ミリモル、少なくとも130ミリモル、少なくとも156ミリモル、少なくとも182ミリモル、または少なくとも269ミリモルのリン酸塩結合能力を有する。より好ましくは、リン酸塩結合剤は52ミリモル〜269ミリモル、156ミリモル〜182ミリモルまたは169ミリモル〜174ミリモルの範囲のリン酸塩結合能力を有する。
【0014】
リン酸塩結合能力は、Rosenbaum et al.(Nephrol. Dial. Transplant. (1997) 12: 961-964、その全体の内容は参照によって本明細書中に援用される)に記載される方法を用いて、リン酸塩、モノヒドロゲンリン酸塩またはジヒドロゲンリン酸塩に結合するリン酸塩結合剤のインビトロ能力の測定として、本明細書中で規定される。
【0015】
別の態様において、本発明は血清リン酸塩の低下を必要とする患者における血清リン酸塩を低下させるための方法であり、該患者に1日1回、少なくとも2g、好ましくは2g〜10gの間、3g〜9gの間、4g〜8gの間、6g〜7gの間、または6.5g〜6.7gの間の脂肪族アミンポリマーを投与することを含む。
【0016】
アミンポリマーは、少なくとも1つのアミノ基を含む繰り返し単位によって特徴付けられる。アミノ基はポリマー主鎖(例えばポリエチレンイミン等のポリアルキレンイミン)の一部であり得、ポリマー主鎖からたれさがるもの(例えばポリアリルアミン)であるか、または両方型のアミノ基が、同一の繰り返し単位および/もしくはポリマーの内側に存在し得る。アミンポリマーとしては、脂肪族アミンポリマーおよび芳香族アミンポリマーが挙げられる。
【0017】
脂肪族アミンポリマーは、脂肪族アミンモノマーを重合することで得られる。脂肪族アミンは、アミノ置換基および任意に1つ以上のさらなる置換基を有する、飽和または不飽和、直鎖、分岐鎖または環式の非芳香族炭化水素である。脂肪族アミンモノマーは、オレフィン等の重合可能な基を含む脂肪族アミンである。好適な脂肪族アミンポリマーの一例は、構造式I:
【化1】


の1つ以上の繰り返し単位によって特徴付けられるか、またはその薬学的に許容され得る塩であり、式中xは0または1〜4の整数、好ましくは1である。構造式Iで表されるポリマーは、多官能性架橋剤によって有利に架橋される。
【0018】
脂肪族アミンポリマーのさらなる例としては、以下:
【化2】








(式中、yは0、または1以上の整数(例えば約1〜10、1〜6、1〜4、または1〜3の間)であり、各R、R1、R2、およびR3は独立して、Hあるいは(例えばアミノエチルまたはポリ(アミノエチル)等、例えば両端を含めて1〜5個の炭素原子を有するアミノアルキル等の、1〜25個の炭素原子、好ましくは1〜5個の炭素原子を有する)置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリール(例えばフェニル)基であり、各X-は独立して、交換可能な負に帯電した対イオンである)
に示される1つ以上の繰り返し単位によって特徴付けられるポリマーが挙げられる。典型的に、R、R1、R2、およびR3は各々が独立して、Hまたは置換もしくは非置換アルキル基である。
【0019】
本発明に用いられる1つの好ましいポリマーにおいて、R、R1、R2、またはR3基の少なくとも1つは、水素原子である。より好ましい態様において、これらの基の各々は水素である。一態様において、R、R1、R2、およびR3は、Hであり、ポリマーは構造式III、IV、V、VI、IXおよび/またはXで特徴付けられる繰り返し単位を含む。
【0020】
アルキルまたはアリール基として、R、R1、R2、またはR3は、1つ以上の置換基を有し得る。好適な置換基としては、カチオン基、例えば第四アンモニウム基、またはアミン基、例えば、第一、第二もしくは第三アルキルもしくはアリールアミンが挙げられる。他の好適な置換基の例としては、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、ハロゲン、アルキル、アリール、ヒドラジン、グアナジン、ウレア、ポリ(エチレンイミン)等のポリ(アルキレンイミン)、およびカルボン酸エステルが挙げられる。
【0021】
本発明に用いるための好ましいポリマーは、ポリアリルアミンであり、それは重合アリルアミンモノマーの繰り返し単位を有するポリマーである。アリルモノマーのアミン基は非置換であるか、または例えば1つか2つのC1〜C10直鎖アルキル基もしくは分岐鎖アルキル基で置換され得る。アルキル基は任意に1つ以上のヒドロキシル基、アミン基、ハロ基、フェニル基、アミド基、またはニトリル基で置換される。好ましくは、本発明のポリアリルアミンポリマーは、構造式II:
【化3】


で表される繰り返し単位を含む。
【0022】
ポリアリルアミンはまた、2つ以上の異なる重合アリルモノマーの繰り返し単位を含むか、または1つ以上の重合アリルモノマーの繰り返し単位、および1つ以上の重合非アリルモノマーの繰り返し単位を有するコポリマーであり得る。好適な非アリルモノマーの例としては、アクリルアミドモノマー、アクリレートモノマー、マレイン酸、マレイミド(malimide)モノマー、ビニルアシレート(acylate)モノマーおよびアルキル置換オレフィンが挙げられる。しかしながら好ましくは、本発明に用いられるポリアリルアミンは、重合アリルアミンモノマーのみの繰り返し単位を含む。より好ましくは、本発明に用いられるポリアリルアミンポリマーはホモポリマーである。さらにより好ましくは、本発明に用いられるポリアリルアミンポリマーは、構造式IIで表される繰り返し単位のホモポリマーであるか、またはその架橋ホモポリマーである。
【0023】
本発明に用いられるアミンポリマーは任意にプロトン化し、一態様において、40%未満、30%未満、20%未満、または10%未満のアミン基がプロトン化されたポリマーを含む。別の態様において、Genzyme Corporationから市販で入手可能なRenagel(登録商標)等の、35%〜45%のアミンがプロトン化される(例えばおよそ40%)。
【0024】
アミンポリマーは、1つ以上のアミン含有モノマーのホモポリマーもしくはコポリマー、または1つ以上の非アミン含有モノマーと組み合わされた1つ以上のアミン含有モノマーのコポリマーであり得る。上記の構造式I〜Xで表される1つ以上の繰り返し単位を含むコポリマーは、好ましくは不活性で非毒性であるコモノマーを含む。好適な非アミン含有モノマーの例としては、ビニルアルコール、アクリル酸、アクリルアミド、およびビニルホルムアミドが挙げられる。
【0025】
好ましくは、脂肪族アミンポリマーは、ホモポリアリルアミン、ホモポリビニルアミン、ホモポリジアリルアミンまたはポリエチレンアミン等のホモポリマーである。単語「アミン」は、本明細書中で用いられる場合、第一、第二および第三級アミン、ならびにトリアルキルアンモニウム等のアンモニウム基を含む。
【0026】
芳香族アミンポリマーは、1つ以上の繰り返し単位にアミン含有芳香族部分を含む。芳香族アミンポリマーの例はポリ(アミノスチレン)である。
【0027】
本発明に使用される好ましいポリマーは、水不溶性であり、非吸収性であり、任意に架橋ポリアミンである。好ましいポリマーは脂肪族である。好ましいポリマーの例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、およびポリジアリルアミンポリマーが挙げられる。上記したように、ポリマーはホモポリマーまたはコポリマーであり、置換されるかまたは非置換であり得る。主張された発明に用いられ得るこれらのポリマーおよび他のポリマーは、米国特許第5,487,888号;5,496,545号;5,607,669号;5,618,530号;5,624,963号;5,667,775号;5,679,717号;5,703,188号;5,702,696号;5,693,675号;5,900,475号;5,925,379号;6,083,497号;6,177,478号;6,083,495号;6,203,785号;6,423,754号;6,509,013号;6,556,407号;6,605,270号;および6,733,780号に開示され、その全内容はここに参照によって本明細書中に援用される。本発明に用いるための好適なポリマーはまた、米国出願第08/823,699号(今では放棄);08/835,857号(今では放棄);08/470,940号(今では放棄);08/927,247号(今では放棄);08/964,498号;09/691,429号;10/125,684号;10/158,207号;10/322,904号;10/441,157号;および10/766,638号に開示され、その全内容は参照によって本明細書中に援用される。
【0028】
好ましくは、ポリマーは多官能性架橋剤等による架橋によって水不溶性となる。架橋剤は典型的に、モノマーのアミノ基と反応する官能基によって特徴付けられる。あるいは架橋剤は、アミンモノマーとフリーラジカル重合する2つ以上のビニル基で特徴付けられ得る。架橋ポリマーの重合の度合いは、一般に決定され得ない。
【0029】
好適な多官能性架橋剤の例としては、ジアクリレート類およびジメチルアクリレート類(例えば、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、およびポリエチレングリコールジアクリレート)、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、エチレンビスメタクリルアミド、エチリデンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、ビスフェノールA、ジメタクリレートおよびビスフェノールAジアクリレートが挙げられる。架橋剤としてはまた、塩化アクリロイル、エピクロルヒドリン、ブタンジオールジグリシジルエーテル、エタンジオールジグリシジルエーテル、二塩化スクシニル、ビスフェノールAのジグリシダル(diglycidal)エーテル、ピロメリット酸二無水物、トルエンジイソシアネート、エチレンジアミンおよびジメチルスクシネートが挙げられる。
【0030】
架橋のレベルは、ポリマーを不溶性ならびに実質的に吸収および分解に対して耐性とし、それにより胃腸管に対するポリマーの活性を制限し、患者の潜在的副作用を減少させる。したがって組成物は活性において非全身性の傾向にある。典型的に架橋剤は、モノマーと架橋剤の全重量に基づいて、約0.5〜35重量%、または(約2.5〜20重量%もしくは約1〜10重量%等の)約0.5〜25重量%の量で存在する。
【0031】
いくつかの場合において、ポリマーは重合後に架橋される。かかる架橋を得る1つの方法は、ポリマーとエピクロルヒドリン、二塩化スクシニル、ビスフェノールAのジグリシジル(diglycidyl)エーテル、ピロメリット酸二無水物、トルエンジイソシアネート、およびエチレンジアミン等の二官能性架橋剤の反応を含む。典型的な例は、ポリ(エチレンイミン)とエピクロルヒドリンの反応である。この例において、エピクロルヒドリン(1〜100部)を、ポリエチレンイミン(100部)を含有する溶液に添加し、加熱して反応を促進させる。既に重合した材料に対して架橋を誘導する他の方法としては、限定されないが、電離放射線、赤外放射線、電子ビーム、ラジカルおよび熱分解に対する曝露が挙げられる。
【0032】
好ましい架橋剤の例としては、エピクロルヒドリン、1,4ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2エタンジオールジグリシジルエーテル、1,3-ジクロロプロパン、1,2-ジクロロエタン、1,3-ジブロモプロパン、1,2-ジブロモエタン、二塩化スクシニル、ジメチルスクシネート、トルエンジイソシアネート、塩化アクリロイル、およびピロメリット酸二無水物が挙げられる。エピクロルヒドリンは、その高い利用性と安価のために好ましい架橋剤である。エピクロルヒドリンはまた、その低分子量および親水性素質のために有利であり、ポリアミンの水膨張可能性およびゲル特性が増大する。エピクロルヒドリンは、2-ヒドロキシプロピルの架橋基を形成する。好ましい態様において、本発明は、エピクロルヒドリンと架橋したポリアリルアミンポリマーである。
【0033】
典型的に、約9%〜約30%のアリル窒素(allylic nitrogen)原子が架橋基に結合され、好ましくは15%〜約21%である。
【0034】
ポリマーはまた、さらに誘導体化され得る;例としては、例えば米国特許第5,679,717号、5,607,669号および5,618,530号に記載されるようなアルキル化アミンポリマーが挙げられ、その教示は全体において参照によって本明細書中に援用される。好ましいアルキル化剤は、(脂肪族疎水基等の)疎水基、および/または、第四アンモニウム置換アルキル基もしくはアミン置換アルキル基を含む。
【0035】
非架橋および架橋ポリアリルアミンならびにポリビニルアミンは、一般に当該分野で公知であり、市販で入手可能である。ポリアリルアミンおよびポリビニルアミン、ならびにその架橋誘導体の製造方法は、上記の米国特許に記載されている。Harada et al.による特許(米国特許第4,605,701号および4,528,347号)は、その全体が参照によって本明細書中に援用されるが、ポリアリルアミンおよび架橋ポリアリルアミンの製造方法も記載する。Stutts et al.による特許(米国特許第6,180,754号)は、架橋ポリアリルアミンを製造するさらなる方法を記載する。
【0036】
他の態様において、ポリマーはポリブテニルアミン、ポリリシン、またはポリアルギニンのホモポリマーまたはコポリマーであり得る。あるいはポリマーは、アミンまたはアンモニウム置換ポリスチレン(例えばコレスチラミン)等の芳香族ポリマーであり得る。
【0037】
本発明のポリマーの分子量は重要だと思われないが、ただしポリマーが胃腸管に非吸収であるために、分子量は十分に大きいものとする。典型的に、分子量は少なくとも1000である。例えば分子量は、約1000〜約500万、約1000〜約300万、約1000〜約200万または約1000〜約100万であり得る。
【0038】
上記したように、ポリマーは塩の形態で投与される。「塩」によって、繰り返し単位の窒素基はプロトン化され、負に帯電した対イオンと関連する正に帯電した窒素原子を作り出すことを意味する。
【0039】
陰イオン系の対イオンは、より詳しく以下に記載されるように、患者に対する有害効果を最小限にするように選択される。好適な対イオンの例としては、有機イオン、無機イオン、またはその組み合わせ、例えばハロゲン化物イオン(Cl-およびBr-)、CH3OSO3-、HSO4-、SO42-、HCO3-、CO32-、酢酸イオン、乳酸イオン、琥珀酸イオン、プロピオン酸イオン、蓚酸イオン、酪酸イオン、アスコルビン酸イオン、クエン酸イオン、クエン酸二水素イオン(dihydrogen citrate)、酒石酸イオン、タウロコール酸イオン、グリココール酸イオン、コール酸イオン、クエン酸水素イオン(hydrogen citrate)、マレイン酸イオン、安息香酸イオン、葉酸イオン、アミノ酸誘導体、ヌクレオチド、脂質、またはリン脂質が挙げられる。好ましい陰イオンはCl-、HCO3-、およびCO32-である。対イオンはお互いに同一であるか、または異なり得る。例えば、ポリマーは2つ以上の異なる型の対イオンを含有し得る。
【0040】
特に好ましいポリマーは、セベラマー等のエピクロルヒドリン架橋ポリアリルアミンである。好ましい態様において、ポリアリルアミンポリマーはエピクロルヒドリンと架橋され、約9%〜約30%(好ましくは約15%〜約21%)のアリル窒素原子が架橋基に結合され、陰イオンは塩化イオン、炭酸イオンまたは重炭酸イオンである。より好ましくは、ポリアリルアミンポリマーはホモポリマーである。より好ましくは、ポリアリルアミンポリマーは、構造式IIで表される架橋繰り返し単位を含むホモポリマーである。
【0041】
別の好ましい態様において、本発明に用いられるポリアリルアミンポリマーはホモポリアリルアミンであり、約9.0〜9.8% w/w、好ましくは9.3〜9.5%のエピクロルヒドリンと架橋された塩酸ポリアリルアミンであり、商品名RENAGELで販売される、セベラマーHClとして公知である薬物の活性化学成分である。構造は以下:
【化4】


(式中、
aおよびbの合計(第一のアミン基の数)は9である;
c(架橋基の数)は1である;
n(プロトン化アミンの割合(fraction))は0.4である;ならびに
mは(拡大化(extended)ポリマー網目を示すために)大きい数である)
で表される。
典型的に、エピクロルヒドリンの量は、ポリマーおよび架橋剤を合わせた重量の百分率として測定される。別の好ましい態様において、ポリアリルアミンポリマーは炭酸セベラマーもしくは重炭酸セベラマー、または炭酸塩および/もしくは重炭酸塩とセベラマーの塩化物塩を混合したものである。炭酸塩の他の例は、米国仮出願第60/624,001号および60/628,752号に記載され、その全内容は参照によって本明細書中に援用される。
【0042】
本発明の方法はまた、酢酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物、クエン酸塩、アルギン酸塩およびケト酸等の薬学的に許容され得るランタン塩、カルシウム塩、アルミニウム塩および鉄塩を含む他のリン酸塩結合剤と共に用いられ得る。炭酸カルシウム、酢酸カルシウム(PhosLo(登録商標)酢酸カルシウム錠剤等)、クエン酸カルシウム、アルギン酸カルシウム、およびケト酸カルシウムを含むカルシウム塩がリン酸塩結合剤として利用されている。摂取されたカルシウムはリン酸塩と結合し、Ca3(PO4)2、CaHPO4、またはCa(H2PO4)2等の不溶性カルシウムリン酸塩を形成する。Amphojel(登録商標)水酸化アルミニウムゲル等の、アルミニウムベースのリン酸塩結合剤もまた、リン酸塩過剰血症を処置するために用いられている。これらの化合物は腸のリン酸とともに複合体となり、非常に不溶性なリン酸アルミニウムを形成する;結合したリン酸は患者による吸収が不可能となる。より最近では、鉄塩およびランタン塩が用いられている。最も一般に用いられるランタン塩、炭酸ランタン(Fosrenol(登録商標))は、炭酸カルシウムと同様な様式である。
【0043】
本明細書中に用いられる場合、薬学的に許容され得る塩という用語は、無機酸類、有機酸類、溶媒和物、水和物またはその包接化合物を含む薬学的に許容され得る非毒性酸から調製された、投与される化合物の塩をいう。かかる無機酸類の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、およびリン酸である。適切な有機酸類は、例えば、有機酸類の脂肪族類(class)、芳香族類、カルボン酸類およびスルホン酸類から選択され得、その例は、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、琥珀酸、カンファースルホン酸、クエン酸、フマル酸、グルコン酸、イセチオン酸、乳酸、リンゴ酸、粘液酸、酒石酸、パラ-トルエンスルホン酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フロ酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモン酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ベンゼンスルホン酸(ベシレート)、ステアリン酸、スルファニル酸、アルギン酸、ガラクツロン酸等である。
【0044】
別の態様において、本発明は血清リン酸塩の低下を必要とする患者における血清リン酸塩を低下させるための方法であり、該患者に1日1回少なくとも0.5g、好ましくは少なくとも0.5g〜10g、少なくとも0.5g〜5g、少なくとも1g〜約3g、または少なくとも1.5g〜2.25gの薬学的に許容し得るランタン塩を投与することを含む。好ましい態様において、ランタン塩は炭酸ランタンである。
【0045】
本発明はまた、1日1回投与に特に適したリン酸塩結合剤の経口投薬単位を提供する。一態様では、本発明は、少なくとも2 g、好ましくは少なくとも2 g〜10 g、少なくとも3 g〜9 g、少なくとも4 g〜8 g、少なくとも6 g〜7 g、もしくは、少なくとも6.5 g〜6.7 gの脂肪族アミンポリマーまたは薬学的に許容され得るその塩を含む経口投薬単位であり、ここで、該経口投薬単位は、錠剤、サシェ、スラリー、懸濁液または食品配合物である。本発明の好ましい態様では、経口投薬単位はサシェである。好ましくは、脂肪族アミンポリマーは、セベラマーなどのポリアリルアミンである。
【0046】
別の態様では、本発明は、少なくとも0.5 g、好ましくは少なくとも0.5 g〜5 g、少なくとも1 g〜3 gまたは少なくとも1.5 g〜2.25 gのランタン塩を含む経口投薬単位であり、該経口投薬単位は、錠剤、カプセル、サシェ、スラリー、懸濁液または食品配合物である。好ましい態様では、経口投薬単位は錠剤である。
【0047】
リン酸塩結合剤は、有利に、粘膜接着剤と組み合わせて投与される。本明細書で用いるように、粘膜接着剤は、長時間、粘膜組織または膜に結合するか、会合したままである能力を有する物質である。粘膜接着剤の例としては、カルボキシメチルおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース、ならびに他のセルロース誘導体; トラガカント、カラヤ(caraya)、イナゴマメならびに他の合成およびアルギン、キトサン、デンプン、ペクチンなどの天然ガム、ならびに天然に存在する樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、およびポリアクリル酸が挙げられる。より好ましくは、粘膜接着剤はポリアクリル酸である。
【0048】
一態様において、本発明のリン酸塩結合剤は、食事の前、食事中または食事の後に投与される。好ましい態様において、リン酸塩結合剤は、食事の前または食事の後に投与される。より好ましい態様において、リン酸塩結合剤は、食事の前に投与される。食事は、好ましくは、一日の中で最も大きい(largest)食事である。本明細書で用いるように、食事の「前」または「後」は、それぞれ食事の開始または終了の典型的には2時間以内、好ましくは1時間以内、より好ましくは30分以内、最も好ましくは10分以内である。
【0049】
リン酸塩結合剤は、反復投薬単位として、または好ましくは、単回投薬単位として投与され得る。本明細書で用いるように、投薬単位は、当該技術分野で認識された手順で調製される錠剤、サシェ、スラリー、食品配合物、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、オブラート、チューインガムなどであり得る。好ましくは、投薬単位は、錠剤、カプセル、サシェ、スラリー、懸濁液または食品配合物であり、より好ましくは、投薬単位は、錠剤、スラリー、懸濁液または食品配合物であり、最も好ましくは、投薬単位は錠剤またはサシェである。典型的には、所望の用量の脂肪族アミンポリマーは、多数錠剤もしくはカプセル、または単一用量のサシェ、スラリー、食品配合物、懸濁液もしくはシロップとして投与される。
【0050】
一例では、投薬単位は、無水物基準で800 mgまたは400 mgいずれかの塩酸セベラマーを含有するRenagelの楕円形でフィルムコートされた圧縮錠剤である。不活性成分は、ヒプロメロース、ジアセチル化モノグリセリド、コロイド状二酸化ケイ素、およびステアリン酸である。また別の態様では、投薬単位は、無水物基準で403 mgの塩酸セベラマーを含有するRenagelの硬質ゼラチンカプセルである。不活性成分は、コロイド状二酸化ケイ素およびステアリン酸である。
【0051】
好ましい態様において、投薬単位は、脂肪族アミンポリマー、好ましくはポリアリルアミン、より好ましくは塩酸セベラマーを含むサシェである。
【0052】
別の好ましい態様では、投薬単位は、炭酸ランタンを含む咀嚼可能な錠剤である。
【0053】
本発明のリン酸塩結合剤は、好ましくは、経口投与される。本発明のリン酸塩結合剤は、被験体に単独または医薬組成物で、任意に、1種類以上のさらなる薬物と投与され得る。本発明の医薬組成物は、好ましくは、化合物または混合物を経口投与可能にするのに適した薬学的に許容され得る担体または希釈剤を含有する。活性成分は、従来の薬学的に許容され得る担体または希釈剤と混合または配合され得る。従来より使用され、活性剤に対して不活性である任意の投与様式、ビヒクルまたは担体が、本発明の医薬組成物の調製および投与のために利用され得ることは当業者に理解されよう。かかる方法、ビヒクルおよび担体の例示は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第18版(1990)に記載されているものであり、その開示は、参照により本明細書に援用される。
【0054】
被験体における使用のための本発明の製剤は、薬剤を、1種類以上の許容され得る担体または希釈剤とともに含み、したがって、任意に、他の治療用成分を含む。担体または希釈剤は、製剤の他の成分と適合性であり、そのレシピエントに有害でないという意味で「許容され得」なければならない。製剤は、単位投薬形態で簡便に提供され得、製薬技術分野で周知の任意の方法によって調製され得る。すべての方法は、薬剤を、1種類以上の補助成分を構成する担体または希釈剤と会合させる工程を含む。一般に、製剤は、薬剤を担体と均一に密接に会合させ、次いで、必要であれば、生成物をその単位投薬量に分割することにより調製される。
【0055】
当業者は、本発明の方法に従って被験体に投与される本発明の組成物の種々の成分の量が、上記の要因に依存することを承知している。
【0056】
本発明の組成物は、錠剤、サシェ、スラリー、食品配合物、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、オブラート、チューインガムまたはロゼンジとして製剤化され得る。シロップ製剤は、一般的に、フレーバーまたは着色剤を有する、液体担体、例えば、エタノール、グリセリンまたは水中の化合物または塩の懸濁液または溶液からなる。組成物が錠剤の形態である場合、固体製剤を調製するために通常使用される1種類以上の医薬用担体が使用され得る。かかる担体の例としては、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、ラクトースおよびスクロースが挙げられる。組成物がカプセルの形態である場合、例えば、前記の担体を硬質ゼラチンカプセル殻中で用いる通常のカプセル化の使用が、一般的に適当である。組成物が軟質ゼラチン殻カプセルの形態である場合、分散液または懸濁液を調製するために通常使用される医薬用担体、例えば、水性ガム、セルロース、シリケートまたは油が考慮され得、軟質ゼラチンカプセル殻に組みこまれる。
【0057】
本明細書で用いるように、被験体は、哺乳動物、好ましくはヒトであるが、また、愛玩動物(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマなど)または実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)などの獣医学的処置を必要とする動物であり得る。
【実施例】
【0058】
実施例1
1日1回および1日3回のセベラマー投薬の同等性
金属無含有の非吸収ポリマーである塩酸セベラマーは、食事とともに1日3回投薬した場合、血液透析中の慢性腎臓疾患(CKD)患者におけるリンの制御に承認されている。
【0059】
この試験の目的は、1日1回および1日3回のセベラマー投薬の同等性を評価することであった。
【0060】
2週間のセベラマーランイン(run-in)期間後、18人の患者を、セベラマーを、最も大きい食事とともに1日1回を4週間投薬後、食事とともに標準的な1日3回投薬をさらに4週間;またはセベラマーを、食事とともに1日3回4週間投薬後、最も大きい食事とともに1日1回投薬さらに4週間のいずれかに無作為化した。血清リン(phosphorous)、アルブミンに関して補正したカルシウム、カルシウムリン生成物(Ca×P)、アルブミン、完全(intact)副甲状腺ホルモン(iPTH)、総コレステロール(総-C)、低密度リポ蛋白コレステロール(LDL-C)、高密度リポ蛋白コレステロール(HDL-C)、およびトリグリセリドを解析した。
【0061】
試験した患者の平均年齢は64歳であり、患者の72%が男性であり、61%がアフリカ系アメリカ人であった。セベラマーの平均一日用量 は6.7 gであった。患者が1日1回投薬から1日3回投薬に切り替えたとき、セベラマーの全1日容量は一定に維持した。
【0062】
1日1回セベラマー投薬は、血清P、Ca、Ca×P、アルブミン、総-C、LDL-C、HDL-Cおよびトリグリセリドの制御において、1日3回投薬と統計学的に等価であった。iPTHでは、おそらく、大きな変動および小さいサンプルサイズにより、生体での同等性(bioequivalence)は示されなかった。
【0063】


1日1回および1日3回のセベラマー投薬は、両方とも、充分容認されるものであった。投薬試験に関連する深刻な有害な事象はなかった。
【0064】
この試験では、セベラマーは、1日1回投薬した場合、有効であった。この代替処方スケジュールは、長期間において、コンプライアンスを改善し、より有効なリン管理をもたらすことが期待される。
【0065】
本発明を、その好ましい態様を参照して具体的に示し、記載したが、形態および詳細における種々の変形が、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱せずになされ得ることは、当業者によって理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも52ミリモルのリン酸塩結合能力を有するリン酸塩結合剤を被験体に1日1回投与することを含む、その必要がある被験体において、血清リン酸塩を低下させるための方法。
【請求項2】
リン酸塩結合剤が最も大きい食事の前または後に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
リン酸塩結合剤が最も大きい食事の前に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
リン酸塩結合剤が反復投薬単位として投与される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
リン酸塩結合剤が単回投薬単位として投与される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
単回投薬単位が、錠剤、カプセル、サシェ、スラリー、懸濁液または食品配合物である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
リン酸塩結合剤が少なくとも104ミリモルのリン酸塩結合能力を有する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
少なくとも2 gの脂肪族アミンポリマーを被験体に1日1回投与することを含む、その必要がある被験体において、血清リン酸塩を低下させるための方法。
【請求項9】
脂肪族アミンポリマーが、
【化1】


(式中、
yは0、または1以上の整数である;
R、R1、R2およびR3は、独立して、H、置換もしくは非置換のアルキル基またはアリール基である;ならびに
X-は、交換可能な負に帯電した対イオンである)
からなる群より選択される式で表される1つ以上の繰り返し単位を含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
脂肪族アミンポリマーが多官能性架橋剤によって架橋されている、請求項9記載の方法。
【請求項11】
脂肪族アミンポリマーがポリアリルアミンである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
脂肪族アミンポリマーが最も大きい食事の前または後に投与される、請求項9記載の方法。
【請求項13】
脂肪族アミンポリマーが最も大きい食事の前に投与される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
脂肪族アミンポリマーが反復投薬単位として投与される、請求項9記載の方法。
【請求項15】
脂肪族アミンポリマーが単回投薬単位として投与される、請求項9記載の方法。
【請求項16】
単回投薬単位が、サシェ、スラリー、懸濁液または食品配合物である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
少なくとも2 g〜10 gの脂肪族アミンポリマーを前記被験体に投与する、請求項9記載の方法。
【請求項18】
前記被験体に粘膜接着剤を投与することをさらにを含む、請求項8記載の方法。
【請求項19】
粘膜接着剤が、セルロース誘導体、トラガカント、カラヤ、合成または天然に存在するガム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、およびポリアクリル酸を含む群から選択される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
粘膜接着剤がポリアクリル酸である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
少なくとも2 gのセベラマーを被験体に1日1回投与することを含む、その必要がある被験体において、血清リン酸塩を低下させるための方法。
【請求項22】
セベラマーが最も大きい食事の前または後に投与される、請求項21記載の方法。
【請求項23】
セベラマーが最も大きい食事の前に投与される、請求項22記載の方法。
【請求項24】
セベラマーが反復投薬単位として投与される、請求項21記載の方法。
【請求項25】
セベラマーが単回投薬単位として投与される、請求項21記載の方法。
【請求項26】
単回投薬単位が、サシェ、スラリー、懸濁液または食品配合物である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
少なくとも2 g〜10 gのセベラマーが前記被験体に投与される、請求項21記載の方法。
【請求項28】
前記被験体に粘膜接着剤を投与することをさらにを含む、請求項21記載の方法。
【請求項29】
粘膜接着剤が、セルロース誘導体、トラガカント、カラヤ、合成または天然に存在するガム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、およびポリアクリル酸を含む群から選択される、請求項28記載の方法。
【請求項30】
粘膜接着剤がポリアクリル酸である、請求項29記載の方法。
【請求項31】
少なくとも0.5 gのランタン塩を被験体に1日1回投与することを含む、その必要がある被験体において、血清リン酸塩を低下させるための方法。
【請求項32】
ランタン塩が最も大きい食事の前または後に投与される、請求項31記載の方法。
【請求項33】
ランタン塩が最も大きい食事の前に投与される、請求項32記載の方法。
【請求項34】
ランタン塩が反復投薬単位として投与される、請求項31記載の方法。
【請求項35】
ランタン塩が単回投薬単位として投与される、請求項31記載の方法。
【請求項36】
単回投薬単位が、錠剤、カプセル、サシェ、スラリー、懸濁液または食品配合物である、請求項35記載の方法。
【請求項37】
ランタン塩が炭酸ランタンである、請求項31記載の方法。
【請求項38】
少なくとも0.5 g〜5 gの炭酸ランタンが前記被験体に投与される、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記被験体に粘膜接着剤を投与することをさらにを含む、請求項31記載の方法。
【請求項40】
少なくとも2 gの脂肪族アミンポリマーまたは薬学的に許容され得るその塩を含み、錠剤、サシェ、スラリー、懸濁液または食品配合物である、経口投薬単位。
【請求項41】
脂肪族アミンポリマーが、
【化2】




(式中、
yは0、または1以上の整数である;
R、R1、R2およびR3は、独立して、H、置換もしくは非置換のアルキル基またはアリール基である;ならびに
X-は、交換可能な負に帯電した対イオンである)
からなる群より選択される式で表される1つ以上の繰り返し単位を含む、請求項40記載の経口投薬単位。
【請求項42】
脂肪族アミンポリマーが多官能性架橋剤によって架橋されている、請求項41記載の経口投薬単位。
【請求項43】
脂肪族アミンポリマーがポリアリルアミンである、請求項42記載の経口投薬単位。
【請求項44】
経口投薬単位がサシェである、請求項41記載の経口投薬単位。
【請求項45】
経口投薬量が少なくとも2 g〜10 gの脂肪族アミンポリマーを含む、請求項41記載の経口投薬単位。
【請求項46】
少なくとも2 gのセベラマーまたは薬学的に許容され得るその塩を含み、錠剤、サシェ、スラリー、懸濁液または食品配合物である、経口投薬単位。
【請求項47】
経口投薬単位がサシェである、請求項46記載の経口投薬単位。
【請求項48】
経口投薬量が少なくとも2 g〜10 gのセベラマーを含む、請求項46記載の経口投薬単位。
【請求項49】
少なくとも0.5 gの薬学的に許容され得るランタン塩を含み、錠剤、サシェ、スラリー、懸濁液または食品配合物である、経口投薬単位。
【請求項50】
経口投薬単位が錠剤である、請求項49記載の経口投薬単位。
【請求項51】
経口投薬単位が少なくとも0.5 g〜5 gのランタン塩を含む、請求項48記載の経口投薬単位。

【公表番号】特表2008−518949(P2008−518949A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539272(P2007−539272)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/039365
【国際公開番号】WO2006/050314
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(591042816)ジェンザイム コーポレーション (20)
【Fターム(参考)】