説明

リーク量標準器

【課題】リークテスタのガス圧路から一定の流量のリークを発生させるリーク量標準器において、簡易かつ安価に製造可能な微小内径のキャピラリ路を有するキャピラリ部を提供する。
【解決手段】リークテスタ1のガス圧路10にリーク量標準器20の接続部21aを接続する。接続部21aにリーク管30の一端を連ね、リーク管30の他端を開放する。リーク管30のキャピラリ部32を、一の径方向に潰れた扁平形状にする。キャピラリ部32の上記一の径方向と直交する巾方向の両端部にはキャピラリ路32aを形成する。キャピラリ部32の巾方向の中央部の互いに対向する管壁部32bどうしの間をキャピラリ路32aより狭隘にし、又は閉塞する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リークテスタの校正、保守点検、ワークの容積測定等を行う際に一定の流量のリークを発生させるリーク量標準器に関する。
【背景技術】
【0002】
密封性を要求される製品の密封性を検査する装置としてリークテスタが知られている。リークテスタは、ワークにガス圧を導入するガス圧路と、上記ガス圧路に設けられた圧力センサとを備えている。ワークが不良である場合、不良箇所からガスが漏れ、上記ガス圧路の圧力が変動する。この圧力変動を圧力センサにて検出することで、ワークの良否判定を行うことができる。
【0003】
上記圧力センサを診断したり、ワークの容積を測定したりする際は、リークテスタにリーク量標準器を接続する(特許文献1等参照)。リーク量標準器にはリーク管が設けられている。リーク管は、毛細管(キャピラリチューブ)状のキャピラリ部を有している。例えば、特許文献1では、ガラス管の一部を加熱して延伸することで細径化し、上記キャピラリ部としている。上記ガス圧路にガス圧を印加すると、上記リーク管から上記ガス圧に応じた流量の微小なリークが発生し、圧力センサにて圧変化が検出される。この圧変化に基づいて、圧力センサの診断、ワークの容積測定等を行うことができる。
【0004】
リーク管が円形断面である場合、該リーク管を流れる流体が非圧縮性流体であるかまたは非圧縮性流体と看做せるとき、流れを層流とすると、リーク量は次式(1)で表わされる。
【数1】

ここで、
Qw: 流量(リーク量)
ΔP:キャピラリ部の入口と出口間の圧力差
r: キャピラリ部の内半径
μ: 流体の粘性係数
L: キャピラリ部の長さ
リーク管を流れる流体が圧縮性流体であるときは、リーク量は次式(2)で表わされる。
【数2】

ここで、
Qn:圧力Pでの圧縮性流体の体積流量
:一次側圧力
:二次側圧力
通常、リークテストでは圧力を大気圧換算し、リークの単位を[圧力×体積/時間]で表わす。代表的なリーク量の単位は、Pa・m/secである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−072817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
式(1)から分かるように、リーク量はキャピラリ部の内径の4乗に比例し、キャピラリ部の長さの1乗に反比例するから、キャピラリ部の長さを長くするよりキャピラリ部の内径を小さくしたほうが、リーク量をより小さくできる。一般的なリーク量標準器において、例えば10−4Pa・m/sec程度のリーク量を得るためのキャピラリ部の内径は、10μm程度である。これほど細い内径の管は、製造が容易でなく一般に高価である。
本発明は、微小なリーク量を発現できるリーク量標準器を簡易に製造できるようにし、製品コストを安価にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、リークテスタのガス圧路から一定の流量のリークを発生させるリーク量標準器において、前記ガス圧路に接続される接続部と、一端が前記接続部に連なり、他端が開放されたリーク管とを備え、前記リーク管が、一の径方向に潰れた扁平形状のキャピラリ部を含むことを特徴とする。前記キャピラリ部の内部には、前記接続部を介して前記ガス圧路に連なるキャピラリ路が形成されている。前記キャピラリ路は、前記キャピラリ部の前記巾方向の両端部に一対設けられていることが好ましい。前記キャピラリ部の前記巾方向の中央部の互いに対向する管壁部どうしの間が、前記キャピラリ路より狭隘又は閉塞されていることが好ましい。前記キャピラリ路の断面は、短径を前記径方向に向け、長径を前記径方向と直交する巾方向に向けた長円形状(扁平形状)であってもよい。
前記リーク管の素材として、比較的大きな真円形断面の管を用いることができる。この素材管を一の径方向に潰すことでキャピラリ部を容易に形成できる。これによって、リーク量標準器を簡易に製造でき、製造コストを安価にすることができる。更には、キャピラリ路の内径ないしは流路断面積を十分に小さくでき、微小なリーク量を発現できる。
【0008】
前記キャピラリ部は、コイル状に巻かれていてもよい。或いは、前記キャピラリ部が、前記本体の軸方向に折り返されていてもよい。これによって、本体の長さを大きくすることなく、キャピラリ路の路長を大きくでき、リーク量を一層微量にすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リーク量標準器のキャピラリ部を簡易に製造でき、製造コストを安価にすることができる。更には、キャピラリ路の内径ないしは流路断面積を十分に小さくでき、微小なリーク量を発現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】リークテスタの概略構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るリーク量標準器の断面図である。
【図3(a)】上記リーク量標準器のリーク管の基部の断面図である。
【図3(b)】上記リーク管のキャピラリ部の断面図である。
【図4】(a)は、上記リーク管の製造装置の一例を示す側面図である。(b)は、上記リーク管の製造装置の他の例を示す側面図である。(c)は、上記リーク管の製造装置の他の例を示す正面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るリーク量標準器の断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係るリーク量標準器のキャピラリ部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、リークテスタ1は、ガス圧路10を備えている。ガス圧路10は、共通路10aと、2つの枝路10b,10cとを有している。共通路10aの上流端が、加圧ガス源2に接続されている。共通路10aには、レギュレータ11と電磁開閉弁12が上流側から順次設けられている。共通路10aの下流端から2つの枝路10b,10cが分岐されている。
【0012】
枝路10bには、電磁開閉弁13と手動開閉弁17が上流側から順次設けられている。これら弁13,17どうし間の枝路10bからセンサ路10d及び接続路10eが分岐している。接続路10eには手動開閉弁16が設けられている。枝路10bの下流端に検査対象のワークWが接続される。
【0013】
枝路10cには、電磁開閉弁14と手動開閉弁18が上流側から順次設けられている。これら弁14,18どうし間の枝路10cからセンサ路10fが分岐している。枝路10cの下流端にマスタ容器Mが接続される。
【0014】
枝路10b,10cどうしの間に圧力センサ15が設けられている。圧力センサ15は、ダイヤフラム15aと、2つの室15b,15cを有するダイヤフラム式差圧センサにて構成されている。ダイヤフラム15aによって2つの室15b,15cが仕切られている。室15bにセンサ路10dが連なっている。室15cにセンサ路10fが連なっている。
【0015】
図1に示すように、接続路10eの下流端にリーク量標準器20が接続されている。図2に示すように、リーク量標準器20は、本体21と、リーク管30を備えている。本体21は、両端が開口されたストレートな筒状になっている。本体21の一端側(図2において左)の開口部21a(接続部)にガス圧路10の接続路10eが接続される。他端側(図2において右)の開口部21bは、開放されている。
開口部21bに接続路10eが接続されて、開口部21aが開放されていてもよい。
【0016】
開口部21a,21bの内周にそれぞれ雌ねじ21cが刻設されている。雌ねじ21cと、それより奥側の本体21の内周との間には段差21dが形成されている。本体21の開口部21a側の内部に筒状のホルダ22が収容されている。ホルダ22の一端部に鍔22fが設けられている。鍔22fが段差21dに引っ掛けられている。開口部21a側の雌ねじ21cに環状のナット24がねじ込まれている。ナット24がホルダ22に当たっている。これによって、ホルダ22が抜け止めされている。
【0017】
ホルダ22の外周面と本体21の内周面との間には、Oリング等のシール部材23が設けられている。シール部材23によって、本体21の内周とホルダ22の外周との間がシールされている。
【0018】
本体21の内部にリーク管30が収容されている。リーク管30の材質は、塑性に富むことが好ましく、例えばステンレス鋼等の金属であることが好ましく、耐蝕性の観点からはオーステナイト系ステンレス鋼であることがより好ましい。リーク管30は、基部31(ガス圧路連通部)と、キャピラリ部32を含む。図3(a)に示すように、基部31は、断面真円の筒形になっている。図2に示すように、基部31の長さは、ホルダ22の長さとほぼ等しい。基部31がホルダ22の中心穴に嵌め込まれ、半田付け、ろう付け、接着剤等の固着手段により固着されている。これによって、リーク管30がホルダ22を介して本体21に固定されている。基部31の内部通路31aが、ナット24の中心穴に連なり、更に開口部21aを介してガス圧路10の接続路10eに連なっている。また、上記固着手段によって、ホルダ22の内周と基部31の外周との間がシールされている。ホルダ22の内周と基部31の外周との間にOリング等のシール部材を設けてもよい。
【0019】
図2に示すように、リーク管30の基部31を除く部分の略全体がキャピラリ部32を構成している。キャピラリ部32は、基部31より十分に長い。キャピラリ部32は、全体的にコイル状になっている。コイル状のキャピラリ部32が、ホルダ22と開口部21bとの間の本体21内に収容されている。
【0020】
図3(b)に示すように、キャピラリ部32の巻き方向の各位置における断面は、一の径方向(図3(b)において上下)に潰れた扁平形状になっている。図2に示すように、キャピラリ部32の上記径方向(潰し方向、短径方向)と直交する巾方向(長径方向、図3(b)において左右)は、コイル状のキャピラリ部32全体の巻き軸に沿い、ひいてはリーク量標準器20の軸線に沿っている。
【0021】
図3(b)に示すように、キャピラリ部32の巾方向の両端部に一対のキャピラリ路32aが形成されている。キャピラリ部32の巾方向の中央部における互いに対向する管壁部32b,32bどうしが当接している。これによって、キャピラリ部32の巾方向の中央部が閉塞され、閉塞部32cが形成されている。閉塞部32cは、2つのキャピラリ路32aどうしの間に介在されている。2つのキャピラリ路32aが、間に閉塞部32cを挟んで分離されている。
【0022】
図3(b)に示すように、キャピラリ路32aの断面は、閉塞部32cに向かって突出する変形円形状をなしている。キャピラリ路32aの上記潰し方向(図3(b)において上下)の内径は、数μm〜数十μmである。図2に示すように、各キャピラリ路32aの一端(図2において左)が、基部内通路31aに連なり、ひいては開口部21aを介してガス圧路10の接続路10eに連なっている。各キャピラリ路32aの他端(図2において右)は、本体21の内部空間に開口され、ひいては開口部21bを介して大気に開放されている。
なお、接続路10eが開口部21bに接続される場合には、各キャピラリ路32aの上記他端(図2において右)が開口部21bを介してガス圧路10の接続路10eに連なり、
各キャピラリ路32aの上記一端(図2において左)が、基部内通路31a、ナット24の中心穴、開口部21aを順次介して大気に開放される。
【0023】
リーク量標準器20の製造方法を、キャピラリ部32の形成方法を中心に説明する。
図4(a)に示すように、リーク管30となる素管39を用意する。加工前の素管39は、図3(a)に示す基部31と同一の真円形断面になっている。素管39の内部空間39aの内直径は、0.1mm〜0.数mm程度でよい。この程度の大きさの管は低コストで入手可能である。一対のロール3,3の間に素管39を挟む。図4において、素管39の外直径は、ロール3,3に対して誇張されている。また、図4において、素管内空間39aの内直径は、素管39の管壁の肉厚に対し誇張されている。
【0024】
素管39を当該素管39の軸方向に送りながら、基部31以外の部分をロール3,3によって加圧する。これによって、素管39がロール3,3の対向方向(一の径方向)に圧縮され、上記対向方向と直交する巾方向に延展される。そして、対向する管壁部32b,32bの巾方向の中央部分どうしが当接する。これによって、閉塞部32cを形成でき、かつ閉塞部32cの両側にキャピラリ路32aを形成できる。
【0025】
図4(a)において、潰し工程を複数回に分け、次の回に移行するたびにロール3,3どうしの間隙をステップ的に狭めて、徐々に潰し量を増大させることにしてもよい。あるいは、図4(b)に示すように、ロール3を素管39の送り方向に複数段(図では3段)設け、これら複数段のロール3によって素管39を段々と扁平に潰すことにしてもよい。図4(c)に示すように、特に後段のロール3の軸方向の中央部に凸部3aを設け、管壁部32bの巾方向の中央部分を強制的に凹ませることにしてもよい。これによって、閉塞部32cを確実に形成できる。
【0026】
次に、キャピラリ部32をコイル状に成形する。このようにして、リーク管30を容易に製造することができる。このリーク管30を本体21に組み込む。これによって、リーク量標準器20を簡易に製造でき、リーク量標準器20の製品コストを安価にすることができる。
【0027】
リークテスタ1の使用方法を説明する。
ワークWを漏れ検査する際は、開閉弁16を閉じ、開閉弁17,18を開いておく。そして、電磁開閉弁12,13,14を開き、加圧ガス源2の圧縮エア(加圧ガス)をガス圧路10に導入し、ひいてはワークW及びマスタ容器Mに導入する。次に、開閉弁12を閉じる。その後、少し間を置いて開閉弁13,14を閉じる。そして、差圧センサ15の検出差圧を読み取る。ワークWが良品であれば、ワークWからの漏れが無く、差圧が発生しない。ワークWに欠損等があれば、そこから漏れが起き、差圧センサ15によって差圧が検出される。これによって、ワークWの良否判定を行なうことができる。
【0028】
ワークWの内容積を測定する際は、開閉弁16を閉じ、開閉弁17,18を開いておく。ワークWは漏れの無いものを用いる。そして、電磁開閉弁12,13,14を開き、加圧ガス源2の圧縮エア(加圧ガス)をガス圧路10に導入し、ひいてはワークW及びマスタ容器Mに導入する。次に、開閉弁12を閉じる。その後、少し間を置いて開閉弁13,14を閉じる。更に開閉弁16を開く。これによって、枝路10bのガスが、接続路10eを経てリーク量標準器20に導入され、更にキャピラリ路32aを通って大気へ漏れる。キャピラリ路32aの内径ないしは流路断面積が十分に小さいため、上記の漏れ流量(リーク量)を十分に微量にすることができる。この漏れに伴なって、枝路10b,10c間に差圧が発生する。この差圧を差圧センサ15によって検出する。この検出差圧とワークWの内容積との間には、上掲特許文献1に記載の通り、一定の関係がある。これによって、ワークWの内容積を算出できる。そして、ワークの漏れ検査の際にワークWの内容積を加味して大気圧換算漏れ量を算出でき、ワークWの良否判定の精度を高めることができる。
【0029】
リークテスタ1の保守点検の際は、開閉弁16を閉じ、開閉弁17,18を開いておく。ワークWは洩れの無いものを用いる。そして、電磁開閉弁12,13,14を開き、加圧ガス源2の圧縮エア(加圧ガス)をガス圧路10に導入し、ひいてはワークW及びマスタ容器Mに導入する。次に、開閉弁12を閉じる。その後、少し間を置いて開閉弁13,14を閉じる。更に開閉弁16を開く。これによって、枝路10bのガスが、接続路10eを経てリーク量標準器20に導入され、更にキャピラリ路32aを通って大気へ漏れる。上述したように、この漏れ流量(リーク量)は十分に微量である。この漏れに伴なって、枝路10b,10c間に一定の差圧が発生する。差圧センサ15が正常であれば、検出差圧が上記一定の値になる。差圧センサ15が故障しているときは、検出差圧が上記一定の値にならない。これによって、差圧センサ15の故障の有無を判定できる。
【0030】
リーク量標準器20によれば、キャピラリ部32をコイル状に巻くことによって、キャピラリ路32aの路長をキャピラリ部32の軸長より長くでき、更には本体21の軸長より長くできる。これによって、リーク量標準器20の基準リーク量をより小さくできる。或いは、キャピラリ路32aの路長を長くした分だけキャピラリ路32aの流路断面積を大きくすることによって、パーティクルによるキャピラリ路32aの詰まりを防止することができる。
1つのキャピラリ部32にキャピラリ路32aを2つ形成できる。
【0031】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する部分に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
図5は、本発明の第2実施形態に係るリーク量標準器20Aを示したものである。リーク量標準器20Aの本体21Aの内部にリーク管30Aが収容されている。リーク管30Aのキャピラリ部32は、リーク管30Aの管軸方向(図5において左右)に複数回折り返されている。これによって、キャピラリ路32aの路長を本体21Aの長さより長くできる。
【0032】
キャピラリ部32は、折り返し部33において180度折り返され、折り返し部33が半円形状になっている。折り返し部33の折り返し角度は、180度に限られず、180度より小さくてもよく、180度より大きくてもよい。キャピラリ部32は、2箇所で折り返され、2つの折り返し部33が形成されているが、折り返し部33が1つだけでもよく、3つ以上でもよい。
【0033】
第2実施形態におけるキャピラリ部32の断面は、図3(b)に示す第1実施形態のキャピラリ部32の断面と同じである。第2実施形態においても、キャピラリ部32が一の径方向に潰れた扁平形状であり、キャピラリ部32の上記径方向(短径方向)と直交する巾方向(長径方向)の両端部に一対のキャピラリ路32aが形成され、巾方向の中央部の互いに対向する管壁部32bどうしの間が閉塞されて閉塞部32cを形成している。折り返し部33においては、キャピラリ部32の上記短径方向が折り返し部33の半径方向を向き、キャピラリ部32の巾方向が折り返し部33の半径方向と直交していることが好ましい。
【0034】
リーク管30Aのキャピラリ部32の一端(図5において左)には基部31(ガス圧路連通部)が一体に連なり、キャピラリ部32の他端(図5において右)には開放連通部34が一体に連なっている。第2実施形態における基部31の断面は、図3(a)に示す第1実施形態のキャピラリ部32の断面と同じであり、真円形状になっている。基部31が、接続部25に接続されている。接続部25が、ガス圧路10(図1参照)の接続路10eに接続されている。これによって、各キャピラリ路32aの一端が、基部内通路31a及び接続部25を介して接続路10eに連なっている。
【0035】
開放連通部34は、基部31と同一形状になっている。各キャピラリ路32aの他端が、開放連通部34の内部通路34aを介して大気に開放されている。
【0036】
図6は、本発明の第3実施形態を示したものである。第3実施形態は、キャピラリ部32の断面形状の変形例に係る。このキャピラリ部32の短径方向に対向する管壁部32b,32bどうしは、当接するのに代えて近接している。これら管壁部32b,32bどうし間の間隙32dは、各キャピラリ路32aより狭隘になっている。一対のキャピラリ路32aが間隙32dを介して連なっている。
【0037】
本発明は、上記実施形態に限定されず、発明の要旨を変更しない限りにおいて種々の改変をなすことができる。
キャピラリ部32の全体ではなく一部が、コイル状に巻かれていてもよい。キャピラリ部32がコイル状に巻かれるとともに本体21の軸方向に折り返されていてもよい。
素管39からキャピラリ部32を形成する装置は、プレス機であってもよい。
間隙32dの厚さが、キャピラリ路32aと同程度であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、密封ワークの良否判定を行なうリークテスタに適用できる。
【符号の説明】
【0039】
1 リークテスタ
2 加圧ガス源
3 ロール
10 ガス圧路
10a 共通路
10b ワーク側枝路
10c マスタ側枝路
10d ワーク側センサ路
10e リーク量標準器接続路
10f マスタ側センサ路
11 レギュレータ
12 共通路の開閉弁
13 ワーク側枝路の開閉弁
14 マスタ側枝路の開閉弁
15 圧力センサ
15a ダイヤフラム
15b ワーク側センサ室
15c マスタ側センサ室
16 リーク量標準器接続路の開閉弁
20 リーク量標準器
21 本体
21a 開口部(接続部)
21b 開口部(開放部)
21c 雌ねじ
21d 段差
22 ホルダ
22f 鍔
23 シール部材
24 ナット
25 接続部
30,30A リーク管
31 基部(ガス圧路連通部)
31a 基部内通路
32 キャピラリ部
32a キャピラリ路
32b 管壁部
32c 閉塞部
33 折り返し部
34 開放連通部
39 素管
39a 素管内路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リークテスタのガス圧路から一定の流量のリークを発生させるリーク量標準器において、
前記ガス圧路に接続される接続部と、一端が前記接続部に連なり、他端が開放されたリーク管とを備え、
前記リーク管が、一の径方向に潰れた扁平形状のキャピラリ部を含み、前記キャピラリ部の前記一の径方向と直交する巾方向の両端部には前記接続部を介して前記ガス圧路にそれぞれ連なるキャピラリ路が形成され、前記キャピラリ部の前記巾方向の中央部の互いに対向する管壁部どうしの間が、前記キャピラリ路より狭隘又は閉塞されていることを特徴とするリーク量標準器。
【請求項2】
前記キャピラリ部が、コイル状に巻かれていることを特徴とする請求項1に記載のリーク量標準器。
【請求項3】
前記キャピラリ部が、前記本体の軸方向に折り返されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリーク量標準器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3(a)】
image rotate

【図3(b)】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−112752(P2012−112752A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260990(P2010−260990)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(390019035)株式会社フクダ (23)
【Fターム(参考)】