説明

リーダライタユニットおよび駐車料金精算装置

【課題】利用者が、その使用する非接触ICカードに対応するリーダライタ装置を容易に見極めることを可能とする。
【解決手段】非接触ICカード60の形態の種類を認証するために前記非接触ICカード60が接触または近接される略平面状の認証用面部42aを備えた認証用リーダライタ装置42と、その認証用リーダライタ装置42にて認証した前記非接触ICカード60の形態の各種類に対応して非接触無線通信するために、前記非接触ICカード60の形態の種類に対応していることを表示するとともに、前記非接触ICカード60が接触または近接される略平面状の通信面部43aを備えた複数の対応用リーダライタ装置43と、を備えたリーダライタユニット40。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばコンビニエンスストアやデパートメントストアなどの店舗の料金支払い装置、自動販売機、入退室管理装置、および駐車料金の集中精算機や事前料金精算機などに適用して好適なリーダライタユニット等に関する。 特に、異なる非接触無線通信方式の非接触ICカードに対応する対応用リーダライタ装置を容易に見極めることを可能とするリーダライタユニットおよび駐車料金精算装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日においては、いわゆる「近傍型」の非接触ICカードが知られている。その「近傍型」の非接触ICカードは、ISO14443(ISO:International Organization for Standardization)の国際標準規格に準拠して動作する通信距離が10cm程度である。その「近傍型」の非接触ICカードは、マイフェアカード(Mifare:登録商標)に代表されるタイプA(TypeA)、住民基本台帳カードやデジタルチケットに代表されるタイプB(TypeB)に分類されている。
【0003】
我が国で広く普及しているフェリカカード(Felica:登録商標)、スイカカード(Suica:登録商標)、エディカード(Edy:登録商標)は、「近傍型」の非接触ICカードとなっており、便宜上、タイプC(TypeC)に分類されている。
【0004】
タイプA,タイプB,タイプCの各非接触ICカードは、キャリア周波数が13.56MHzで共通であるが、変調方式や符号化方式などが異なる。そのため、全てのタイプの非接触ICカードを料金の精算などに使用可能とするためには、対応用リーダライタ装置側に上記の3種類の非接触ICカード専用の各リーダライタ部を並設する必要がある。各リーダライタ部は、設置スペースの都合などによって近接して設けられることとなる。そのために各リーダライタ部間で通信干渉の問題が生ずる。
【0005】
一例として、タイプA,タイプB,タイプC用の各リーダライタ部を一列に並設したとき、非接触ICカードが、例えばタイプA用のリーダライタ部と、タイプB用のリーダライタ部との中間に近接した場合、タイプA用のリーダライタ部およびタイプB用のリーダライタ部の両方が非接触ICカードと通信するようになり、通信干渉が生ずる。
本発明者は、上述したような通信方式が異なるリーダライタ部を並設した場合に生ずる通信干渉を防止するために、特許文献1に示す技術を提案している。
【0006】
特許文献1におけるリーダライタユニットは、それぞれ異なる非接触無線通信方式にて、そのいずれかの非接触無線通信方式に対応する非接触ICカードとの間で非接触無線通信する複数のリーダライタ装置を備えている。
上記各対応用リーダライタ装置は、上記の非接触ICカードが接触または近接される略平面状の通信面部がそれぞれ、通信面部の上辺部の高さよりも下辺部の高さの方が高くなるように、上辺部から下辺部にかけて所定角度の傾斜を有することで、通信干渉を防止する。
【0007】
ここで、「それぞれ異なる非接触無線通信方式」とは、同一タイプ内の複数種類の電子マネーを分けることができる場合と、異なるタイプの複数種類の電子マネーを分けることができる場合との両方を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−175996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示されている技術においては、簡単かつ安価な構成で、並設された通信方式が異なる対応用リーダライタ装置の間の通信干渉を防止するという点で、優れた効果を奏する。しかし、最近、例えば支払用の電子マネーカードには様々な種類が数多くあるので、並設された通信方式が異なる対応用リーダライタ装置では、利用者がどの対応用リーダライタ装置を使用すればよいかを判断することが簡単ではなくなっている。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、利用者が、その使用する非接触ICカードに対応するリーダライタ装置を容易に見極めることを可能とし、それに加えて、並設された通信方式が異なるリーダライタ装置の間の通信干渉を防止するリーダライタユニットおよび駐車料金精算装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(第一の発明)
本願における第一の発明は、 それぞれ異なる非接触無線通信方式にていずれかの非接触無線通信方式に対応する非接触ICカード(60)との間で非接触無線通信する複数のリーダライタ装置(41, 41,・・・)を備えたリーダライタユニット(40)に係る。
上記の複数のリーダライタ装置(41, 41,・・・)は、上記の非接触ICカード(60)の形態の種類を認証するために前記非接触ICカード(60)が接触または近接される略平面状の認証用面部(42a)を備えた認証用リーダライタ装置(42)と、 その認証用リーダライタ装置(42)にて認証した前記非接触ICカード(60)の形態の各種類に対応して非接触無線通信するために、前記非接触ICカード(60)の形態の種類に対応していることを表示するとともに、前記非接触ICカード(60)が接触または近接される略平面状の通信面部(43a)を備えた複数の対応用リーダライタ装置(43, 43,・・・)と、を備えたリーダライタユニット(40)である。
【0012】
(用語説明)
「それぞれ異なる非接触無線通信方式」とは、同一タイプ内の複数種類の電子マネーを分けることができる場合と、異なるタイプの複数種類の電子マネーを分けることができる場合との両方を含む。
【0013】
(作用)
利用者は、認証用リーダライタ装置(42)に対して非接触ICカード(60)を近接させる。認証用リーダライタ装置(42)は、上記の非接触ICカード(60)の形態の種類の情報に基づいて非接触ICカード(60)の形態の種類を認証する。その認証に基づいて、当該非接触ICカード(60)の形態の種類に対応する対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、前記非接触ICカード(60)の形態の種類に対応していることを表示する。
利用者は、通信面部(43a)が表示している対応用リーダライタ装置(43)を容易に見分けることができるので、その対応用リーダライタ装置(43)に対して非接触ICカード(60)をはやく近接させることができる。
【0014】
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 請求項1に記載のリーダライタユニット(40)であって、 二つ以上の対応用リーダライタ装置(43, 43,・・・)が、前記認証用リーダライタ装置(42)にて認証した非接触ICカード(60)の形態の種類に対応していることを表示することとしてもよい。
【0015】
(作用)
利用者は、通信面部(43a)が表示している二つ以上の対応用リーダライタ装置(43, 43,・・・)を容易に見分けることができるので、そのいずれかを選んで対応用リーダライタ装置(43)に対して非接触ICカード(60)をはやく近接させることができる。
【0016】
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 請求項1または請求項2に記載のリーダライタユニット(40)であって、 上記の各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、その通信面部(43a)の上辺部(43b)の高さよりも下辺部(43c)の高さの方が高くなるように、上辺部(43b)から下辺部(43c)にかけて所定角度の傾斜を有することとしてもよい。
【0017】
(作用)
各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、同じ方向に所定角度の傾斜を有するので、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間で段差が生じる。その結果、隣設された一方の対応用リーダライタ装置(43)と他方の対応用リーダライタ装置(43)との例えば略中間の位置に非接触ICカード(60)が近接した場合でも、一方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離、および他方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離は、互いに差が生じる。それによって、極短い通信距離となる対応用リーダライタ装置(43)との間で、非接触ICカード(60)との通信が優先的に行われることとなる。その結果、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間の通信干渉を防止できる。
【0018】
(第一の発明のバリエーション3)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 請求項1または請求項2に記載に記載のリーダライタユニット(40)であって、 上記の各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、その通信面部(43a)の右辺部(43d)の高さよりも左辺部(43e)の高さの方が高くなるように、左辺部(43e)から右辺部(43d)にかけて所定角度の傾斜を有し、あるいは上記の通信面部(43a)の左辺部(43e)の高さよりも右辺部(43d)の高さの方が高くなるように、右辺部(43d)から左辺部(43e)にかけて所定角度の傾斜を有することとしてもよい。
【0019】
(作用)
各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、同じ方向に所定角度の傾斜を有するので、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間で段差が生じる。その結果、隣設された一方の対応用リーダライタ装置(43)と他方の対応用リーダライタ装置(43)との例えば略中間の位置に非接触ICカード(60)が近接した場合でも、一方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離、および他方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離は、互いに差が生じる。それによって、極短い通信距離となる対応用リーダライタ装置(43)との間で、非接触ICカード(60)との通信が優先的に行われることとなる。その結果、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間の通信干渉を防止できる。
【0020】
(第一の発明のバリエーション4)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載のリーダライタユニット(40)であって、 上記の各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、高さの異なる平面上に位置するように配置されていることとしてもよい。
【0021】
(作用)
各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)における高さを、異なる平面上に位置するように配置することによって、隣設された2つの対応用リーダライタ装置(43,43)の例えば略中間の位置に非接触ICカード(60)が近接した場合でも、一方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離、および他方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離は、よりいっそう互いに差が生じる。それによって、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間の通信干渉を防止できる。
【0022】
(第一の発明のバリエーション5)
第一の発明における第4のバリエーションは、以下のようにしても良い。
すなわち、上記の複数の対応用リーダライタ装置(43, 43,・・・)は、最上段に設けられる対応用リーダライタ装置(43)から最下段に設けられる対応用リーダライタ装置(43)にかけて、地面に対して略90度の直線に沿って並設されており、 あるいは左端側に設けられる対応用リーダライタ装置(43)から右端側に設けられる対応用リーダライタ装置(43)にかけて、地面に対して略平行な直線に沿って並設されており、 あるいは最上段に設けられる対応用リーダライタ装置(43)から最下段に設けられる対応用リーダライタ装置(43)にかけて、斜めの直線に沿って並設されており、 あるいは最上段に設けられる対応用リーダライタ装置(43)から最下段に設けられる対応用リーダライタ装置(43)にかけて、斜めの直線に沿って並設されていることとしてもよい。
【0023】
(作用)
隣設する対応用リーダライタ装置(43,43)の間の距離が大きくなる。そのため、隣設された2つの対応用リーダライタ装置(43,43)の例えば略中間の位置に非接触ICカード(60)が近接した場合でも、一方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離、および他方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離は、よりいっそう互いに差が生じる。それによって、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間の通信干渉を防止できる。
【0024】
(第一の発明のバリエーション6)
第一の発明におけるバリエーション1〜3等は、以下のように形成することもできる。
すなわち、上記の複数の対応用リーダライタ装置(43, 43,・・・)は、メアンダ状に配置されていることとしてもよい。
【0025】
(作用)
複数の対応用リーダライタ装置(43, 43,・・・)がメアンダ状に配置されることによって、隣設する対応用リーダライタ装置(43,43)の間の距離が大きくなる。そのため、隣設された2つの対応用リーダライタ装置(43,43)の例えば略中間の位置に非接触ICカード(60)が近接した場合でも、一方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離、および他方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離は、よりいっそう互いに差が生じる。それによって、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間の通信干渉を防止できる。
【0026】
(第二の発明)
本願における第二の発明は、 それぞれ異なる非接触無線通信方式にて、いずれかの非接触無線通信方式に対応する非接触ICカード(60)との間で非接触無線通信する複数のリーダライタ装置の設置方法であって、
上記の複数のリーダライタ装置(41, 41,・・・)としては、上記の非接触ICカード(60)の形態の種類を認証するために前記非接触ICカード(60)が接触または近接される略平面状の認証用面部(42a)を備えた認証用リーダライタ装置(42)を配置し、その認証用リーダライタ装置(42)にて認証した前記非接触ICカード(60)の形態の各種類に対応して非接触無線通信するために、前記非接触ICカード(60)の形態の種類に対応していることを表示する複数の対応用リーダライタ装置(43, 43,・・・)を配置するとともに、前記各対応用リーダライタ装置(43)は、前記非接触ICカード(60)が接触または近接される略平面状の通信面部(43a)を備えるリーダライタ装置の設置方法に係る。
【0027】
(作用)
前述した第一の発明のリーダライタユニット(40)における作用と同様である。すなわち、利用者は、認証用リーダライタ装置(42)に対して非接触ICカード(60)を近接させる。認証用リーダライタ装置(42)は、上記の非接触ICカード(60)の形態の種類の情報に基づいて非接触ICカード(60)の形態の種類を認証する。その認証に基づいて、当該非接触ICカード(60)の形態の種類に対応する対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、前記非接触ICカード(60)の形態の種類に対応していることを表示する。
利用者は、通信面部(43a)が表示している対応用リーダライタ装置(43)を容易に見分けることができるので、その対応用リーダライタ装置(43)に対して非接触ICカード(60)をはやく近接させることができる。
【0028】
(第二の発明のバリエーション1)
第二の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 上記の各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)を、その通信面部(43a)の上辺部(43b)の高さよりも下辺部(43c)の高さの方が高くなるように、上辺部(43b)から下辺部(43c)にかけて所定角度の傾斜を設けて形成し、 上記の所定角度の傾斜を備えた通信面部(43a)を有する各対応用リーダライタ装置(43)を、上記の各通信面部(43a)が高さの異なる平面上に位置するように配置し、あるいはメアンダ状に配置することとしてもよい。
【0029】
(作用)
前述した第一の発明のバリエーション2のリーダライタユニット(40)における作用と同様である。すなわち、各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、同じ方向に所定角度の傾斜を有するので、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間で段差が生じる。その結果、隣設された一方の対応用リーダライタ装置(43)と他方の対応用リーダライタ装置(43)との例えば略中間の位置に非接触ICカード(60)が近接した場合でも、一方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離、および他方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離は、互いに差が生じる。それによって、極短い通信距離となる対応用リーダライタ装置(43)との間で、非接触ICカード(60)との通信が優先的に行われることとなる。その結果、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間の通信干渉を防止できる。
【0030】
(第二の発明のバリエーション2)
第二の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、上記の各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)を、通信面部(43a)の右辺部(43d)の高さよりも左辺部(43e)の高さの方が高くなるように、左辺部(43e)から右辺部(43d)にかけて所定角度の傾斜を設けて形成し、あるいは上記通信面部(43a)の左辺部(43e)の高さよりも右辺部(43d)の高さの方が高くなるように、右辺部(43d)から左辺部(43e)にかけて所定角度の傾斜を設けて形成し、 上記の所定角度の傾斜を備えた通信面部(43a)を有する各対応用リーダライタ装置(43)を、上記各通信面部(43a)が高さの異なる平面上に位置するように配置し、あるいはメアンダ状に配置することとしてもよい。
【0031】
(作用)
前述した第一の発明のバリエーション3のリーダライタユニット(40)における作用と同様である。すなわち、各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、同じ方向に所定角度の傾斜を有するので、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間で段差が生じる。その結果、隣設された一方の対応用リーダライタ装置(43)と他方の対応用リーダライタ装置(43)との例えば略中間の位置に非接触ICカード(60)が近接した場合でも、一方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離、および他方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離は、互いに差が生じる。それによって、極短い通信距離となる対応用リーダライタ装置(43)との間で、非接触ICカード(60)との通信が優先的に行われることとなる。その結果、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間の通信干渉を防止できる。
【0032】
(第三の発明)
本願における第三の発明は、 駐車料金の精算を行う駐車料金精算装置に係る。
すなわち、それぞれ異なる非接触無線通信方式にていずれかの非接触無線通信方式に対応する非接触ICカード(60)との間で非接触無線通信することで駐車料金の精算を実行する複数のリーダライタ装置(41, 41,・・・)を備え、 上記の複数のリーダライタ装置(41, 41,・・・)は、上記の非接触ICカード(60)の形態の種類を認証するために前記非接触ICカード(60)が接触または近接される略平面状の認証用面部(42a)を備えた認証用リーダライタ装置(42)と、その認証用リーダライタ装置(42)にて認証した前記非接触ICカード(60)の形態の各種類に対応して非接触無線通信するために、前記非接触ICカード(60)の形態の種類に対応していることを表示するとともに、前記非接触ICカード(60)が接触または近接される略平面状の通信面部(43a)を備えた複数の対応用リーダライタ装置(43, 43,・・・)と、を備えた駐車料金精算装置に係る。
【0033】
(作用)
前述した第一の発明のリーダライタユニット(40)における作用と同様である。すなわち、利用者は、認証用リーダライタ装置(42)に対して非接触ICカード(60)を近接させる。認証用リーダライタ装置(42)は、上記の非接触ICカード(60)の形態の種類の情報に基づいて非接触ICカード(60)の形態の種類を認証する。その認証に基づいて、当該非接触ICカード(60)の形態の種類に対応する対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、前記非接触ICカード(60)の形態の種類に対応していることを表示する。
利用者は、通信面部(43a)が表示している対応用リーダライタ装置(43)を容易に見分けることができるので、その対応用リーダライタ装置(43)に対して非接触ICカード(60)をはやく近接させることができる。
【0034】
(第三の発明のバリエーション1)
第三の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、上記の各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、通信面部(43a)の上辺部(43b)の高さよりも下辺部(43c)の高さの方が高くなるように、上辺部(43b)から下辺部(43c)にかけて所定角度の傾斜を有する駐車料金精算装置としてもよい。
【0035】
(作用)
前述した第一の発明のバリエーション2のリーダライタユニット(40)における作用と同様である。すなわち、各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、同じ方向に所定角度の傾斜を有するので、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間で段差が生じる。その結果、隣設された一方の対応用リーダライタ装置(43)と他方の対応用リーダライタ装置(43)との例えば略中間の位置に非接触ICカード(60)が近接した場合でも、一方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離、および他方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離は、互いに差が生じる。それによって、極短い通信距離となる対応用リーダライタ装置(43)との間で、非接触ICカード(60)との通信が優先的に行われることとなる。その結果、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間の通信干渉を防止できる。
【0036】
(第三の発明のバリエーション2)
第三の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 上記の各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、その通信面部(43a)の右辺部(43d)の高さよりも左辺部(43e)の高さの方が高くなるように、左辺部(43e)から右辺部(43d)にかけて所定角度の傾斜を有し、あるいは上記通信面部(43a)の左辺部(43e)の高さよりも右辺部(43d)の高さの方が高くなるように、右辺部(43d)から左辺部(43e)にかけて所定角度の傾斜を有することとしてもよい。
【0037】
(作用)
前述した第一の発明のバリエーション3のリーダライタユニット(40)における作用と同様である。
すなわち、各対応用リーダライタ装置(43)の通信面部(43a)が、同じ方向に所定角度の傾斜を有するので、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間で段差が生じる。その結果、隣設された一方の対応用リーダライタ装置(43)と他方の対応用リーダライタ装置(43)との例えば略中間の位置に非接触ICカード(60)が近接した場合でも、一方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離、および他方の対応用リーダライタ装置(43)と非接触ICカード(60)との間の通信距離は、互いに差が生じる。それによって、極短い通信距離となる対応用リーダライタ装置(43)との間で、非接触ICカード(60)との通信が優先的に行われることとなる。その結果、隣設された各対応用リーダライタ装置(43,43)の間の通信干渉を防止できる。
【発明の効果】
【0038】
第一の発明によれば、利用者が、その使用する非接触ICカードに対応する対応用リーダライタ装置を容易に見極めることを可能とし、それに加えて、並設された通信方式が異なる対応用リーダライタ装置の間の通信干渉を防止するリーダライタユニットを提供することができた。
第二の発明によれば、精算に必要な各装置を合理的に配置したリーダライタ装置の設置方法を提供することができた。
第三の発明によれば、利用者が、その使用する非接触ICカードに対応する対応用リーダライタ装置を容易に見極めることを可能とし、それに加えて、並設された通信方式が異なる対応用リーダライタ装置の間の通信干渉を防止する駐車料金精算装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】(a)および(b)は、本発明の第一の実施形態となる集中精算機を備えた駐車管理システムの概略説明図である。
【図2】(a)および(b)は、図1の駐車管理システムの他の例を示す概略説明図である。
【図3】本発明の第一の実施形態となる集中精算機を備えた駐車管理システムのブロック図である。
【図4】第一の実施形態の集中精算機のブロック図である。
【図5】第一の実施形態の集中精算機における概略的な斜視図である。
【図6】第一の実施形態の集中精算機に設けられているリーダライタユニットの側面図である。
【図7】(a)は、第1の実施形態の集中精算機に設けられている対応用リーダライタ部のブロック図であり、(b)は、対応用リーダライタ部と非接触無線通信を行う非接触ICカードのブロック図である。
【図8】第二の実施形態の集中精算機における概略的な斜視図である。
【図9】第三の実施形態の集中精算機における概略的な斜視図である。
【図10】第四の実施形態の集中精算機における概略的な斜視図である。
【図11】第四の実施形態の変形例となる集中精算機における概略的な斜視図である。
【図12】第五の実施形態の集中精算機における概略的な斜視図である。
【図13】第五の実施形態の集中精算機に設けた対応用リーダライタ部の機能を説明する説明図である。
【図14】第六の実施形態の集中精算機における概略的な斜視図である。
【図15】第七の実施形態の集中精算機における概略的な斜視図である。
【図16】第八の実施形態の集中精算機における概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明は、駐車場へ入出庫する車両の駐車料金を管理したり、駐車場の各駐車区画毎に駐車料金を管理したりする駐車管理システムの集中精算機に適用することができる。
【0041】
[第一の実施形態]
(第一の実施形態のシステム構成)
本発明の第一の実施形態の集中精算機を備えた駐車管理システムは、図1および図3に示すように各駐車車両の駐車料金を精算する集中精算機1と、駐車場2の出入口に備えた出庫用ゲート3とを、通信ラインおよび電源ラインで接続することで構成されている。
なお、図1の駐車管理システムでは、駐車場入口に入庫用ゲートと、駐車場2へ入庫する際に駐車券を発行するための駐車券発行装置を備えているが、図1では図示省略している。
【0042】
また、上記の駐車管理システムの変形例としては、図3に示すように前記の集中精算機1と、各駐車区画4に設けられて駐車車両を鎖錠するための鎖錠装置5が、通信ライン6および電源ライン7で相互に接続することで構成してもよい。
各駐車区画4の鎖錠装置5は、駐車車両の前後のタイヤ間で回動軸によって起立/倒伏して駐車車両を鎖錠/解錠する鎖錠板と、駐車車両の有無に伴う磁束変化によって駐車車両の有無を検知する車両検知センサと、その車両検知センサの検知信号に基づく集中精算機1から発する制御信号によって上記の鎖錠板を起立/倒伏駆動する駆動部とを有している。
【0043】
集中精算機1は、図4に示すように、駐車料金の精算処理制御を行う精算制御部11と、商用電源を直流電源に変換して上記の精算制御部11に供給するAC/DC変換部12と、上記の商用電源を直流電源に変換して電源ライン7を介して各駐車区画4の各鎖錠装置5へ供給するAC/DC変換部13とを有している。
【0044】
精算制御部11は、現在時刻を計時する時計ユニット21と、各駐車区画4に割り当てられた駐車番号を入力するための、例えばテンキーなどの駐車番号入力部23と、投入された紙幣や硬貨などの金銭を計数処理すると共に釣銭の支払い処理を行う金銭処理ユニット24と、投入金額や駐車料金などを表示する表示部25とを有している。また、精算制御部11は、通信ライン6を介して各鎖錠装置5との間で通信を行う通信部27と、上記時計ユニット21、駐車番号入力部23、金銭処理ユニット24、表示部25および通信部27を統括的に制御する制御部26とを有している。
【0045】
(集中精算機の外観構成)
図1は、集中精算機1の外観の正面図を示している。図5は、集中精算機1の外観の斜視図を示している。図1および図5から分かるように、集中精算機1は、箱状の筐体31における前面側のパネル31aがユーザインターフェイスとなっている。そのパネル31aには、駐車番号入力部23、表示部25、および紙幣や硬貨の投入や釣銭の払い出しを行うためのコインメック部32を設けている。また、集中精算機1の筐体31には、電子マネーによる駐車料金の支払いを可能とする非接触ICカード60のリーダライタユニット40が外付けされている。
なお、集中精算機1とリーダライタユニット40は、物理的かつ電気的に相互に接続しており、リーダライタユニット40および上記のコインメック部32によって金銭処理ユニット24を形成している。
【0046】
リーダライタユニット40は、いわゆる「近傍型」の非接触ICカード60に対応する複数のリーダライタ部41(リーダライタ装置)を複合化した外付けユニットとなっている。 図1および図5では、上記の複数のリーダライタ部41としては、一つの認証用リーダライタ部42(認証用リーダライタ装置)と、8つの対応用リーダライタ部43,43,・・・(対応用リーダライタ装置)を備えている。
なお、「近傍型」の非接触ICカード60は、ISO14443(ISO:International Organization for Standardization)の国際標準規格に準拠して動作する通信距離が10cm程度である。
【0047】
本実施形態では、「近傍型」の非接触ICカード60としては、3種類の形態を例として説明する。すなわち、マイフェアカード(Mifare:登録商標)に代表されるタイプA(TypeA)と、住民基本台帳カードやデジタルチケットに代表されるタイプB(TypeB)と、フェリカカード(Felica:登録商標)、スイカカード(Suica:登録商標)、エディカード(Edy:登録商標)などの、便宜上、タイプC(TypeC)に分類される。
【0048】
認証用リーダライタ部42は、上記の非接触ICカード60の形態の種類を認証する認証用リーダライタ装置であり、前記非接触ICカード60が接触または近接される略平面状の認証用面部42aを備えている。
また、各対応用リーダライタ部43は、上記の認証用リーダライタ部42にて認証した非接触ICカード60の形態の各種類に対応して非接触無線通信する対応用リーダライタ装置である。さらに、非接触ICカード60が接触または近接される略平面状の通信面部43aを備えており、その該当する非接触ICカード60の形態の種類に対応していることを表示する機能を備えている。例えば、通信面部43aが点滅あるいは点灯するなどの表示機能を備えることができる。
【0049】
上記の8つの対応用リーダライタ部43は、タイプA,タイプB,タイプCのいずれかの非接触ICカード60に対応する形式となっている。
【0050】
タイプAの非接触ICカード60に対応する対応用リーダライタ部43は、符号化方式がモディファイドミラー方式、変調方式がASK100%(=振幅偏移変調方式、ASK:Amplitude Shift Keying)、搬送波が13.56MHz、通信速度が106kbps以上、通信形が非対称形の通信方式に基づいて、非接触ICカード60との間で通信する構成である。
【0051】
タイプBの非接触ICカード60に対応する対応用リーダライタ部43は、符号化方式がNRZ方式(NRZ:Non Return to Zero)、変調方式がASK10%、搬送波が13.56MHz、通信速度が106kbps以上、通信形が非対称形の通信方式に基づいて、非接触ICカード60との間で通信する構成である。
【0052】
タイプCの非接触ICカード60に対応する対応用リーダライタ部43は、符号化方式がマンチェスター方式、変調方式がASK10%、搬送波が13.56MHz、通信速度が212kbps以上、通信形が対称形の通信方式に基づいて、非接触ICカード60との間で通信する構成である。
【0053】
リーダライタユニット40の各対応用リーダライタ部43は、図5、図6(a)および図6(b)に示すように地面に対して略垂直面に沿って、言わば縦方向と横方向へ並べるかたちで並設されている。図5では、縦方向へ4列、横方向へ2列に並べられている。各対応用リーダライタ部43の通信面部43aは、下辺部43cの高さが上辺部43bの高さよりも高くなるように形成されている。換言すれば、各対応用リーダライタ部43は、各通信面部43aが斜め上向きになるようにリーダライタユニット40に設置されている。
【0054】
(駐車管理システムの動作)
上記のような集中精算機1を有する駐車管理システムでは、図1(a)に示す出庫用ゲート3を有する駐車場2の場合は、入庫用ゲート(図示省略)を備えた駐車場入口から駐車場2へ入庫する際に駐車券が発行される。その駐車券には入庫時刻情報が記録される。
【0055】
上記の駐車管理システムの変形例として、図3に示すように駐車区画4に鎖錠装置5が設置された駐車場2の場合について説明する。
車両が前記の駐車区画4へ駐車すると、その駐車区画4の鎖錠装置5は、前記駐車区画4に割り当てられている駐車番号を示す駐車番号情報を、通信ライン6を介して集中精算機1の制御部26へ送信する。制御部26では、その受信した駐車番号情報に対応する駐車区画4の鎖錠装置5に対して、通信部27および通信ライン6を介して鎖錠板の起立駆動制御信号を送信する。鎖錠装置5では、その起立駆動制御信号を受信すると、駆動部を介して鎖錠板を起立駆動する。それによって駐車車両が鎖錠されることとなる。また、制御部26では、鎖錠装置5から上記の駐車番号情報を受信すると、時計ユニット21から現在時刻情報を取得し、その取得した現在時刻情報を入庫時刻情報として上記の駐車番号情報と共に図示しないメモリに記憶する。
【0056】
(駐車料金を支払う場合)
駐車場2が図1(a)に示す出庫用ゲート3を有する場合、利用者は、出庫する際に前記の駐車券を図5の集中精算機1の駐車券挿入部22へ入れる。その駐車券の情報は集中精算機1の制御部26へ供給される。
制御部26は、駐車券の入庫時刻情報を受信すると、時計ユニット21から現在時刻情報を取得し、その取得した現在時刻情報を出庫時刻情報として記憶する。そして、前記の入庫時刻情報で示される入庫時刻と、上記の出庫時刻情報で示される出庫時刻との間の駐車時間を算出する。その駐車時間に対応する駐車料金を表示部25に表示する。
【0057】
一方、図3に示すように駐車区画4に鎖錠装置5が設置された駐車場2の場合、利用者は、自分の車両を駐車した駐車区画4に割り当てられ駐車番号を、図4および図5に示す駐車番号入力部23を介して入力する。その駐車番号が入力されると、制御部26は、時計ユニット21から現在時刻情報を取得し、その取得した現在時刻情報を出庫時刻情報としてメモリへ記憶する。そして、上記の駐車番号に対応する入庫時刻情報を前記メモリから読み出し、その入庫時刻情報の入庫時刻と、上記の出庫時刻情報の出庫時刻との間の駐車時間を算出する。その駐車時間に対応する駐車料金を表示部25に表示する。
【0058】
上記の集中精算機1においては、お札やコインである金銭の他に、タイプA,タイプB,タイプCのいずれかの非接触ICカード60の電子マネーでも、駐車料金を支払うことができる構成である。
利用者が金銭あるいは非接触ICカード60を用いて駐車料金を支払うと、図1(a)に示す駐車場2の場合、制御部26は通信部27および通信ライン6を介して出庫用ゲート3を開き、車両が出庫できる状態となる。
一方、図3に示す駐車場2の場合、制御部26は上記の入力された駐車番号に対応する駐車区画4の鎖錠装置5に対して、通信部27および通信ライン6を介して鎖錠板の倒伏駆動制御信号を送信する。鎖錠装置5は、その倒伏駆動制御信号を受信すると、駆動部を介して鎖錠板を倒伏駆動する。それによって駐車車両が解錠されて出庫できる状態となる。
【0059】
(リーダライタユニットの機能)
上述のように、集中精算機1においては、タイプA,タイプB,タイプCのいずれかの非接触ICカード60の電子マネーでも、駐車料金を支払うことが可能である。非接触ICカード60を用いて駐車料金を支払う場合、利用者は、図1(a)、図2(a)および図5に示すリーダライタユニット40の認証用リーダライタ部42に対して自分が所有している非接触ICカード60を近接させる。
なお、非接触ICカード60としては、図1(a)のようにカード形式であっても、あるいは、図2(a)のように携帯電話63に搭載した非接触ICであってもよい。また、この時、認証用リーダライタ部42を点滅又は点灯させて、認証用リーダライタ部42への近接を促すようにしてもよい。
【0060】
認証用リーダライタ部42は、上記の非接触ICカード60の形態の種類の情報をリーダライタユニット40における制御部26へ送信する。その制御部26では前記情報に基づいて非接触ICカード60の形態の種類を認証し、その非接触ICカード60の形態の種類に対応する少なくとも一つの対応用リーダライタ部43の通信面部43aが点滅して表示する指示を与える。
なお、認証用リーダライタ部42は、通常、利用者が起立した状態で、無理なく片手で非接触ICカード60を近接できる高さ位置に設けられる。
図1(a)では、一つの対応用リーダライタ部43の通信面部43aが、非接触ICカード60に対応して点滅する例を示している。図2(a)では、二つの対応用リーダライタ部43の通信面部43aが、非接触ICカード60に対応する候補として点滅する例を示している。
【0061】
したがって、利用者は、通信面部43aが点滅している対応用リーダライタ部43を容易に見分けることができるので、その対応用リーダライタ部43に対して非接触ICカード60を近接させる。図1(a)では、カード形式の非接触ICカード60を、点滅している一つの対応用リーダライタ部43の通信面部43aへ近接させる。一方、図2(a)では、携帯電話63の非接触ICカード60を、点滅している二つの対応用リーダライタ部43の通信面部43aのいずれかを選んで近接させる。
【0062】
上記の対応用リーダライタ部43は、図7(a)に示す制御部50がアンテナコイル51に対して高周波電流を供給することで、前記アンテナコイル51に高周波磁界を発生させる。そのアンテナコイル51から発生した高周波磁界の磁束は、図7(b)に示す非接触ICカード60のアンテナコイル61と鎖交し、その高周波磁界によってアンテナコイル61に電流が誘起される。非接触ICカード60の制御部62は、その誘起された電流を整流処理して非接触ICカード60の動作電力として用いる。
【0063】
上記の対応用リーダライタ部43から非接触ICカード60に対して所定のコマンドデータを送信する場合、当該対応用リーダライタ部43の制御部50は、所定のコマンドデータを送信部52へ送信する。送信部52は、そのコマンドデータに基づいて、アンテナコイル51に供給する高周波電流を振幅変調することによって、アンテナコイル51を介して非接触ICカード60側へ上記のコマンドデータを送信する。
【0064】
非接触ICカード60の制御部62は、アンテナコイル61を介して上記のコマンドデータを受信すると、その受信したコマンドデータを復調処理し、その復調処理したコマンドデータに基づいて内部処理を実行する。そして、負荷変調を用いて形成したレスポンスデータを、アンテナコイル61を介して対応用リーダライタ部43へ送信する。
【0065】
対応用リーダライタ部43では、受信部53にて、非接触ICカード60から受信したレスポンスデータを復調処理する。さらに制御部50にて、その復調処理されたレスポンスデータを認識処理する。そのように、各対応用リーダライタ部43と非接触ICカード60との間で、アンテナコイル51とアンテナコイル61を介して非接触無線通信することによって電子マネーにて駐車料金を支払うこととなる。
図5などを用いて説明したように、複数の対応用リーダライタ部43は、地面に対して略垂直面に沿って、言わば縦方向と横方向へ並べるかたちで並設されている。さらに、各対応用リーダライタ部43の通信面部43aは、その下辺部43cの高さが上辺部43bの高さよりも高くなるように形成されている。つまり、各通信面部43aは斜め上向きになるように形成されている。また、各対応用リーダライタ部43は、通常、利用者が起立した状態で無理なく片手で非接触ICカード60を近接できる高さ位置に設けられる。
【0066】
そのため、非接触ICカード60を用いて駐車料金を支払う際に、利用者が非接触ICカード60を持った手を、利用者の顔の位置から胸あるいは腰の位置まで20cm〜40cm程度降ろすという極自然な動作で、図6(a)に示すように、非接触ICカード60を対応する対応用リーダライタ部43の通信面部43aへ近接できる。
なお、図6(a)は、例えばタイプAの対応用リーダライタ部43の通信面部43aに対して、非接触ICカード60を正しい位置で近接した状態を示している。図6(a)において前記対応用リーダライタ部43Aの下方に位置する他の対応用リーダライタ部43,43は、例えばタイプBとタイプCに対応している例を示す。
【0067】
換言すれば、各対応用リーダライタ部43の通信面部43aが斜め上向きに形成されているため、利用者が非接触ICカード60を持った手を降ろすと、非接触ICカード60と通信面部43aが自然と正面に向き合う。それによって、非接触ICカード60と対応用リーダライタ部43との間で良好に非接触無線通信することができる。
しかし、場合によっては、図6(b)に示すように非接触ICカード60を、タイプAの対応用リーダライタ部43と隣接する他の対応用リーダライタ部43との略中間位置に近接してしまうことが考えられる。
【0068】
本実施形態の集中精算機1の場合は、各対応用リーダライタ部43の通信面部43aが斜め上向きに形成されているので、非接触ICカード60が、2つの対応用リーダライタ部43,43の略中間位置に近接される不都合を極力防止可能である。
一般的に、非接触ICカード60が2つの対応用リーダライタ部43,43の略中間位置に近接されると、当該2つの対応用リーダライタ部43,43が非接触ICカード60との通信を開始し、通信干渉が発生する恐れがある。
【0069】
しかし、本実施形態の集中精算機1の場合は、各対応用リーダライタ部43の通信面部43aが斜め上向きに形成されているので、図6(b)に示すように各通信面部43aが異なる平面に位置する。そのために隣接する対応用リーダライタ部43,43の間に下辺部43cの高さ分の段差が形成される。
【0070】
その段差があるために、利用者は、非接触ICカード60を2つの対応用リーダライタ部43,43の略中間位置に近接させることを不自然な行為とする。その結果、非接触ICカード60を2つの対応用リーダライタ部43,43の略中間位置に近接させる行為を極力防止できる。
【0071】
仮に、非接触ICカード60を2つの対応用リーダライタ部43,43の略中間位置に近接させた場合でも、通信干渉の不具合を防止できる。すなわち、上記の段差があるので、図6(b)に実線の矢印で示す一方の対応用リーダライタ部43と非接触ICカード60との間の通信距離と、図6(b)に点線の矢印で示す他方の対応用リーダライタ部43と非接触ICカード60との間の通信距離とでは、互いに差が生じる。
すなわち、図6(b)のように、非接触ICカード60が一方のAタイプの対応用リーダライタ部43と他方の対応用リーダライタ部43との略中間位置に近接した場合、上記の段差によって、Aタイプの対応用リーダライタ部43と非接触ICカード60との間の通信距離が極短くなる。他方の対応用リーダライタ部43と非接触ICカード60との間の通信距離が長くなる。
【0072】
その結果、極短い通信距離となるAタイプの対応用リーダライタ部43と、非接触ICカード60との間で優先的に通信することになるので、通信干渉が発生する不都合を防止できる。
【0073】
(第一の実施形態の効果)
以上の説明から明らかなように、タイプA,タイプB,タイプCの対応用リーダライタ部43を並設する場合、従来では、非接触無線通信する前に、自分が所有する非接触ICカード60に対応するタイプの対応用リーダライタ部43を選択するための選択ボタンが必要となる。
しかし、本実施形態の集中精算機1は、自分が所有している非接触ICカード60を認証用リーダライタ部42に対して近接させることによって、その非接触ICカード60の形態の種類を認証し、当該非接触ICカード60の形態の種類に対応する対応用リーダライタ部43の通信面部43aを、例えば点滅して表示することができる。利用者は、自分が所有している非接触ICカード60に対応する対応用リーダライタ部43を容易に見極めることができる。
特に、携帯電話に複数の非接触IC(電子マネー)を搭載している場合には、利用できる非接触ICを視覚的に認識して選択できるため利便性に優れたものとなる。その結果、利用者の非接触ICカードによる精算処理に混乱を招くことなくスピーディーな出庫につながる(感覚的なタッチ操作で済むので、手間が掛からず誤操作も防止できる)。
【0074】
集中精算機1では、タイプA,タイプB,タイプCの通信方式で非接触無線通信する対応用リーダライタ部43を、縦方向および横方向へ隣接するように並設すると共に、各対応用リーダライタ部43の通信面部43aが斜め上方向を向くように形成する。それによって、利用者の自然な動作で、非接触ICカード60を該当する対応用リーダライタ43の通信面部43aの正面へ近接できるので、良好に非接触無線通信することができる。
【0075】
また、非接触ICカード60が隣接する2つの対応用リーダライタ部43,43の略中間位置に近接された場合でも、一方の対応用リーダライタ部43と他方の対応用リーダライタ部43との間に段差があるので、各対応用リーダライタ部43,43と非接触ICカード60との間に通信距離の差を生じさせる。そのため、極短い通信距離となる対応用リーダライタ部43が優先的に非接触ICカード60と非接触無線通信する。その結果、隣接する2つの対応用リーダライタ部43,43の通信干渉を防止できる。また、そのような通信干渉の防止は、特別な電気回路を必要としないので簡単かつ安価に実現できる。
【0076】
また、以上のように、隣接する対応用リーダライタ部43,43の間の通信干渉を防止できるので、タイプA,タイプB,タイプCの対応用リーダライタ部43を、極短い間隔で隣接することができる。そのため、タイプA,タイプB,タイプCの対応用リーダライタ部43と認証用リーダライタ部42を加えたユニット化(本実施形態の場合、リーダライタユニット40)を容易に実現できる。
【0077】
[第二の実施形態]
次に、本発明を適用した第二の実施形態の集中精算機1について説明する。なお、第二の実施形態は上述の第一の実施形態とほぼ同様であるので、重複した部分の説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
第一の実施形態の集中精算機1は、各対応用リーダライタ部43が縦方向と横方向へ並設されたリーダライタユニット40を、その集中精算機1に外付けした例であるが、この第二の実施形態の集中精算機1は、その集中精算機1の筐体31にリーダライタ部41を設けた例であり、その点のみが異なる。
【0078】
すなわち、この第二の実施形態の集中精算機1は、図8に示すように筐体31の前面側のパネル31aに、リーダライタ部41である、一つの認証用リーダライタ部42と複数(図8では8つ)の対応用リーダライタ部43を縦方向と横方向へ並設して形成している。それによって、複数の各対応用リーダライタ部43,43,・・・の間に段差が生じるので、隣接する対応用リーダライタ部43,43の間の通信干渉を防止することができる。その他に、上述の第一の実施形態の集中精算機1と同様の効果を得ることができる。
【0079】
[第三の実施形態]
次に、本発明を適用した第三の実施形態の集中精算機1について説明する。なお、第三の実施形態は上述の第一の実施形態および第二の実施形態とほぼ同様であるので、重複した部分の説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
第一の実施形態および第二の実施形態の各実施形態の集中精算機1は、リーダライタ部41のうちの複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・を、リーダライタユニット40あるいは筐体1に縦方向と横方向へ並設した例であるが、この第三の実施形態の集中精算機1は、リーダライタ部41のうちの複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・を、筐体31の前面側のパネル31aに斜めに配置した例である。
【0080】
この第三の実施形態の集中精算機1は、図9に示すように筐体31の前面側のパネル31aの左上の位置にタイプAの対応用リーダライタ部43を設ける。そのタイプAの対応用リーダライタ部43から斜め右下の位置にタイプBの対応用リーダライタ部43を設ける。そのタイプBの対応用リーダライタ部43から斜め右下の位置にタイプCの対応用リーダライタ部43を設ける。換言すれば、この集中精算機1は、前面側のパネル31aの左上の位置から右斜め下へ向けて、斜めかつ直線的に各対応用リーダライタ部43を配置して形成されている。その他の複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・も右斜め下に向けて、斜めかつ直線的に配置している。
【0081】
それによって、隣接する対応用リーダライタ部43,43の間の距離を大きくとることができるため、隣接する対応用リーダライタ部43,43の間の通信干渉をよりいっそう効果的に防止することができる。その他に、上述の第一の実施形態および第二の実施形態の集中精算機1と同様の効果を得ることができる。
【0082】
なお、この例では、前面側のパネル31aの左上の位置から右斜め下へ向けて、斜めかつ直線的に各対応用リーダライタ部43を配置することとしたが、前面側のパネル31aの右上の位置から左斜め下へ向けて、斜めかつ直線的に各対応用リーダライタ部43を配置してもよい。その場合でも、上述と同じ効果を得ることができる。
【0083】
[第四の実施形態]
本発明を適用した第四の実施形態の集中精算機1について説明する。なお、第四の実施形態は上述の第一の実施形態〜第三の実施形態とほぼ同様であるので、重複した部分の説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
第一の実施形態〜第三の実施形態の集中精算機1は、リーダライタ部41のうちの複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・を縦方向と横方向あるいは斜め方向へ並設した例であるが、この第四の実施形態の集中精算機1は、リーダライタ部41のうちの複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・を、筐体31の前面側のパネル31aにメアンダ状に配置した例である。
【0084】
この第四の実施形態の集中精算機1は、図10に示すように筐体31の前面側のパネル31aの左下の位置にタイプAの対応用リーダライタ部43を設ける。そのタイプAの対応用リーダライタ部43から右側へ少し離れた位置にタイプCの対応用リーダライタ部43を設ける。上記のタイプAの対応用リーダライタ部43とタイプCの対応用リーダライタ部43の中間の位置から略対応用リーダライタ部の1つ分上の位置にタイプBの対応用リーダライタ部43を設ける。そのように、いわゆるメアンダ状に各対応用リーダライタ部43を配置して形成されている。その他の複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・も同様のメアンダ状に配置している。
【0085】
それによって、複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・をメアンダ状に配置しても、隣接する対応用リーダライタ部43,43の間の距離を大きくとることができるため、隣接する対応用リーダライタ部43,43の間の通信干渉をよりいっそう効果的に防止することができる。その他に、上述の第一の実施形態〜第三の実施形態の集中精算機1と同様の効果を得ることができる。
【0086】
なお、複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・をメアンダ状に配置する場合、図11に示すように前面側のパネル31aの左上の位置にタイプAの対応用リーダライタ部43を設ける。そのタイプAの対応用リーダライタ部43から右側へ少し離れた位置にタイプCの対応用リーダライタ部43を設ける。上記のタイプAの対応用リーダライタ部43とタイプCの対応用リーダライタ部43の中間の位置から略対応用リーダライタ部の1つ分下の位置にタイプBの対応用リーダライタ部43を設けてもよい。その場合でも上述と同じ効果を得ることができる。
【0087】
[第五の実施形態]
次に、本発明を適用した第五の実施形態の集中精算機1について説明する。なお、第五の実施形態は上述の第一の実施形態〜第四の実施形態とほぼ同様であるので、重複した部分の説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
第一の実施形態〜第四の実施形態の集中精算機1は、リーダライタ部41のうちの複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・の各通信面部43aを、斜め上方向を向くように形成したが、この第五の実施形態の集中精算機1は、リーダライタ部41のうちの複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・の各通信面部43aを、斜め左方向を向くように形成した。
【0088】
この第五の実施形態の集中精算機1は、図12に示すように筐体31の前面側のパネル31aに、タイプA,タイプB,タイプCの各対応用リーダライタ部43を地面に対して水平方向の直線に沿って並設して形成している。図12では前記の水平方向の直線列を上下のほぼ2列に設けている。換言すれば、この集中精算機1は、各対応用リーダライタ部43を横方向へ並べて前面側のパネル31aに配置している。
【0089】
各対応用リーダライタ部43の通信面部43aは、その右辺部43dの高さ位置が左辺部43eの高さ位置よりも高くなるように形成されている。つまり、各右辺部43dから各左辺部43eにかけて所定角度の傾斜を付けて形成されている。そのため、各対応用リーダライタ部43の通信面部43aは、図13に示すように異なる平面に位置する。そのために隣接する対応用リーダライタ部43,43の間に右辺部43dの高さ分の段差が形成される。
【0090】
その段差があるために、図13に示すように、非接触ICカード60が隣接する2つの対応用リーダライタ部43,43の略中間位置に近接された場合でも、通信干渉の不具合を防止できる。すなわち、上記の段差があるので、隣接する対応用リーダライタ部43,43と非接触ICカード60との間の各通信距離は、互いに差が生じる。その結果、隣接する対応用リーダライタ部43,43の通信干渉を防止することができる。その他に、上述の第一の実施形態〜第四の実施形態の集中精算機1と同様の効果を得ることができる。
【0091】
なお、この例では、一つの認証用リーダライタ部42と、複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・を、筐体31の前面側のパネル31aに設けることとしたが、上述の第一の実施形態で説明したリーダライタユニット40のようにユニット化してもよい。その場合のリーダライタユニットは、上記の複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・を横並びに配置したリーダライタユニットとなる。例えば図12に点線の箱で示すように、集中精算機1の上面部などに外付けされることとなる。それによって、上述の第一の実施形態で説明したリーダライタユニット40と同じ効果を得ることができる。
【0092】
[第六の実施形態]
次に、本発明を適用した第六の実施形態の集中精算機1について説明する。なお、第六の実施形態は上述の第五の実施形態とほぼ同様であるので、重複した部分の説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
第五の実施形態の集中精算機1は、リーダライタ部41のうちの複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・の各通信面部43aを、斜め左方向を向くように形成したが、この第六の実施形態の集中精算機1は、リーダライタ部41のうちの複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・の各通信面部43aを、斜め右方向を向くように形成した。
【0093】
この第六の実施形態の集中精算機1は、図14に示すように各対応用リーダライタ部43の通信面部43aは、その左辺部43eの高さ位置が右辺部43dの高さ位置よりも高くなるように形成されている。つまり、各左辺部43eから各右辺部43dにかけて所定角度の傾斜を付けて形成されている。そのため、図13を用いて前述したのと同様に、隣接する対応用リーダライタ部43,43の間に左辺部43eの高さ分の段差が形成される。その段差があるので、隣接する対応用リーダライタ部43,43の通信干渉を防止することができる。その他に、上述の第五の実施形態の集中精算機1と同様の効果を得ることができる。
【0094】
なお、この例においても、一つの認証用リーダライタ部42と、複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・をユニット化し、例えば図14に点線の箱で示すように、集中精算機1の上面部などに外付けしてもよいことは、第五の実施形態で説明した通りである。
【0095】
[第七の実施形態]
次に、本発明を適用した第七の実施形態の集中精算機1について説明する。なお、第七の実施形態は上述の第六の実施形態とほぼ同様であるので、重複した部分の説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
第六の実施形態の集中精算機1は、リーダライタ部41のうちの複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・を、筐体31の前面側のパネル31aに横並びで配置したが、この第七の実施形態の集中精算機1は、リーダライタ部41のうちの複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・を斜めに配置した。
【0096】
この第七の実施形態の集中精算機1は、図15に示すように筐体31の前面側のパネル31aの左上の位置にタイプAの対応用リーダライタ部43を設ける。そのタイプAの対応用リーダライタ部43から斜め右下の位置にタイプBの対応用リーダライタ部43を設ける。そのタイプBの対応用リーダライタ部43から斜め右下の位置にタイプCの対応用リーダライタ部43を設けている。換言すれば、この集中精算機1は、前面側のパネル31aの左上の位置から右斜め下へ向けて、斜めかつ直線的に各対応用リーダライタ部43,43,・・・を配置して形成されている。その他の複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・も右斜め下に向けて、斜めかつ直線的に配置している。
【0097】
それによって、隣接する対応用リーダライタ部43,43の間の距離を大きくとることができるため、隣接する対応用リーダライタ部43,43の間の通信干渉をよりいっそう効果的に防止することができる。その他に、上述の第六の実施形態の集中精算機1と同様の効果を得ることができる。
【0098】
なお、この例では、複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・を、前面側のパネル31aの左上の位置から右斜め下へ向けて、斜めかつ直線的に配置することとしたが、複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・を、前面側のパネル31aの右上の位置から左斜め下へ向けて、斜めかつ直線的に配置してもよい。その場合でも、上述と同じ効果を得ることができる。
【0099】
また、図15では、複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・の各通信面部43aは、その左辺部43eの高さ位置が右辺部43dの高さ位置よりも高くなるように形成されるとともに、各対応用リーダライタ部43を斜めに配置している。
他の例として、複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・の各通信面部43aは、その右辺部43dの高さ位置が左辺部43eの高さ位置よりも高くなるように形成されるとともに、各対応用リーダライタ部43,43,・・・(図12および図13参照)を斜めに配置してもよい。その場合でも、同じ効果を得ることができる。
【0100】
[第八の実施形態]
次に、本発明を適用した第八の実施形態の集中精算機1について説明する。なお、第八の実施形態は上述の第五の実施形態〜第七の実施形態とほぼ同様であるので、重複した部分の説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
第五の実施形態〜第七の実施形態の集中精算機1は、リーダライタ部41のうちの複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・を横方向あるいは斜め方向に並設した例であるが、この第八の実施形態の集中精算機1は、リーダライタ部41のうちの複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・を、筐体31の前面側のパネル31aにメアンダ状に配置した例である。
【0101】
この第八の実施形態の集中精算機1は、図16に示すように筐体31の前面側のパネル31aの左上の位置にタイプAの対応用リーダライタ部43を設ける。そのタイプAの対応用リーダライタ部43から右側へ少し離れた位置にタイプCの対応用リーダライタ部43を設ける。上記のタイプAの対応用リーダライタ部43とタイプCの対応用リーダライタ部43の中間の位置から略対応用リーダライタ部の1つ分下の位置にタイプBの対応用リーダライタ部43を設ける。そのように、いわゆるメアンダ状に各対応用リーダライタ部43を配置して形成されている。
【0102】
複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・をメアンダ状に配置しても、隣接する対応用リーダライタ部43,43の間の距離を大きくとることができるため、隣接する対応用リーダライタ部43,43の間の通信干渉を、よりいっそう効果的に防止することができる。その他に、第五の実施形態〜第七の実施形態の集中精算機1と同様の効果を得ることができる。
【0103】
なお、複数の対応用リーダライタ部43,43,・・・をメアンダ状に配置する場合、図10の場合と同じように配置することができる。すなわち、前面側のパネル31aの左下の位置にタイプAの対応用リーダライタ部43を設ける。そのタイプAの対応用リーダライタ部43から右側へ少し離れた位置にタイプCの対応用リーダライタ部43を設ける。上記のタイプAの対応用リーダライタ部43とタイプCの対応用リーダライタ部43の中間の位置から略対応用リーダライタ部の1つ分上の位置にタイプBの対応用リーダライタ部43を設けてもよい。その場合でも上述と同じ効果を得ることができる。
【0104】
[変形例]
上述の実施形態の説明では、駐車料金の精算を行う駐車管理システムの集中精算機1に本発明を適用することとしたが、その他に、コンビニエンスストアやデパートメントストアなどの店舗の料金支払い装置、自動販売機、入退室管理装置などに適用してもよい。いずれの場合も、上述と同様の効果を得ることができる。
また、駐車料金の精算に伴ってポイントやクーポン等が発生する場合、ポイントやクーポン等を蓄積する非接触ICカードを、駐車料金の精算に使用していない別の非接触ICカードに変更するようにしてもよい。例えば、駐車料金の精算後に、ポイントやクーポン等の蓄積できる1又複数の非接触ICカードに対応した対応用リーダライタ部43が点滅・点灯し、駐車料金の精算と同様にポイントやクーポン等の処理をするものである。
【0105】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、料金の精算機(特に駐車料金精算装置)を製造する製造業、料金の精算機をレンタルするレンタル業、料金の精算機を代行する代行サービス業などにおいて、利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0107】
1 集中精算機 2 駐車場
3 出庫用ゲート 4 駐車区画
5 鎖錠装置 6 通信ライン
7 電源ライン
11 精算制御部 12 AC/DC変換部
13 AC/DC変換部
21 時計ユニット 22 駐車券挿入部
23 駐車番号入力部 24 金銭処理ユニット
25 表示部 26 制御部
27 通信部
31 筐体 31a パネル
32 コインメック部
40 リーダライタユニット 41 リーダライタ部(リーダライタ装置)
42 認証用リーダライタ部(認証用リーダライタ装置)
42a 認証用面部
43 対応用リーダライタ部(対応用リーダライタ装置)
43a 通信面部 43b 上辺部
43c 下辺部 43d 右辺部
43e 左辺部
50 制御部 51 アンテナコイル
52 送信部 53 受信部
60 非接触ICカード 61 アンテナコイル
62 制御部 63 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる非接触無線通信方式にていずれかの非接触無線通信方式に対応する非接触ICカードとの間で非接触無線通信する複数のリーダライタ装置を備えたリーダライタユニットであって、
上記の複数のリーダライタ装置は、上記の非接触ICカードの形態の種類を認証するために前記非接触ICカードが接触または近接される略平面状の認証用面部を備えた認証用リーダライタ装置と、
その認証用リーダライタ装置にて認証した前記非接触ICカードの形態の各種類に対応して非接触無線通信するために、前記非接触ICカードの形態の種類に対応していることを表示するとともに、前記非接触ICカードが接触または近接される略平面状の通信面部を備えた複数の対応用リーダライタ装置と、
を備えたリーダライタユニット。
【請求項2】
二つ以上の対応用リーダライタ装置が、前記認証用リーダライタ装置にて認証した非接触ICカードの形態の種類に対応していることを表示することとした請求項1に記載のリーダライタユニット。
【請求項3】
上記の各対応用リーダライタ装置の通信面部が、その通信面部の上辺部の高さよりも下辺部の高さの方が高くなるように、上辺部から下辺部にかけて所定角度の傾斜を有することとした請求項1または請求項2のいずれかに記載のリーダライタユニット。
【請求項4】
上記の各対応用リーダライタ装置の通信面部が、その通信面部の右辺部の高さよりも左辺部の高さの方が高くなるように、左辺部から右辺部にかけて所定角度の傾斜を有し、あるいは上記通信面部の左辺部の高さよりも右辺部の高さの方が高くなるように、右辺部から左辺部にかけて所定角度の傾斜を有することとした請求項1から請求項3のいずれかに記載のリーダライタユニット。
【請求項5】
上記の各対応用リーダライタ装置の通信面部が、高さの異なる平面上に位置するように配置することとした請求項1から請求項4のいずれかに記載のリーダライタユニット。
【請求項6】
上記の複数の対応用リーダライタ装置は、最上段に設けられる対応用リーダライタ装置から最下段に設けられる対応用リーダライタ装置にかけて、地面に対して略90度の直線に沿って並設されており、 あるいは左端側に設けられる対応用リーダライタ装置から右端側に設けられる対応用リーダライタ装置にかけて、地面に対して略平行な直線に沿って並設されており、あるいは最上段に設けられる対応用リーダライタ装置から最下段に設けられる対応用リーダライタ装置にかけて、斜めの直線に沿って並設されており、 あるいは最上段に設けられる対応用リーダライタ装置から最下段に設けられる対応用リーダライタ装置にかけて、斜めの直線に沿って並設することとした請求項5に記載のリーダライタユニット。
【請求項7】
上記の複数の対応用リーダライタ装置は、メアンダ状に配置することとした請求項1から請求項4のいずれかに記載のリーダライタユニット。
【請求項8】
それぞれ異なる非接触無線通信方式にていずれかの非接触無線通信方式に対応する非接触ICカードとの間で非接触無線通信することで駐車料金の精算を実行する複数のリーダライタ装置を備え、
上記の複数のリーダライタ装置は、上記の非接触ICカードの形態の種類を認証するために前記非接触ICカードが接触または近接される略平面状の認証用面部を備えた認証用リーダライタ装置と、その認証用リーダライタ装置にて認証した前記非接触ICカードの形態の各種類に対応して非接触無線通信するために、前記非接触ICカードの形態の種類に対応していることを表示するとともに、前記非接触ICカードが接触または近接される略平面状の通信面部を備えた複数の対応用リーダライタ装置と、
を備えた駐車料金精算装置。
【請求項9】
上記の各対応用リーダライタ装置の通信面部が、その通信面部の上辺部の高さよりも下辺部の高さの方が高くなるように、上辺部から下辺部にかけて所定角度の傾斜を有することとした請求項8に記載の駐車料金精算装置。
【請求項10】
上記の各対応用リーダライタ装置の通信面部が、その通信面部の右辺部の高さよりも左辺部の高さの方が高くなるように、左辺部から右辺部にかけて所定角度の傾斜を有し、あるいは上記通信面部の左辺部の高さよりも右辺部の高さの方が高くなるように、右辺部から左辺部にかけて所定角度の傾斜を有することとした請求項9に記載の駐車料金精算装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−41346(P2013−41346A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176446(P2011−176446)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(591069086)パーク二四株式会社 (23)
【Fターム(参考)】