説明

リーダライタ用アンテナ及び物品管理システム

【課題】 物品に取り付けたICタグの向きに関わらず、ICタグの情報を読み取ることができるリーダライタ用アンテナと物品管理システムを提供する。
【解決手段】 ICタグ31と、ICタグ31との間で通信を行うリーダライタ100を用いて管理棚11に収納された物品を管理する物品管理システム10において、リーダライタ用アンテナ9を管理棚11の背面板14に組み込むことによりICタグ31との間で無線通信を行うようにした。このとき、リーダライタ用アンテナ9は、ループアンテナを連鎖状に配列して構成されるアンテナ部を複数備え、これら複数のアンテナ部9a、9bを同一平面上で、且つ、連鎖方向にずらして配置するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型のICタグとの間でデータの授受を行うリーダライタに好適なリーダライタ用アンテナと、このリーダライタ用アンテナを備えた物品管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICタグとリーダライタを用い、無線通信により物品の管理を行う物品管理システムは、ICタグとリーダライタとの間を非接触に保ちながらも物品に関する情報を送受することができるため、いわゆるバーコードによる管理に比べて、物品の管理を簡単に行うことができるため、種々の物品管理システムに適用されている。
特許文献1には、図書館などに適用して好適な物品管理棚として、物品に取り付けられたICカードと無線通信を行うリーダライタのアンテナ部が前記物品を収納するための複数の棚に、それぞれ組み込まれた物品管理棚において、アンテナ部は隣接する棚で互いに磁束を相殺するよう異なる形状とされ、例えば3段の棚板を有する場合、一段目の棚板に配置されるループアンテナをワンループアンテナとし、二段目の棚板に配置されるループアンテナをツーループアンテナとし、三段目の棚板に配置されるループアンテナをフォーループアンテナにしたものが開示されている。
【特許文献1】特開2002−02917公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記したような物品管理棚にループアンテナを形成した場合は、物品に取り付けるICタグの向きによっては管理棚に取り付けたループアンテナによりICタグの情報を読み取ることができない場合がある。
これを図7に示すループアンテナの磁界とICタグの配置関係を示した図を用いて説明する。
図7(a)(b)に示すように、ある平面50上にループアンテナ51を形成した場合、ループアンテナ51の電磁界の向きは図示するように平面50と交差する方向となる。このため、図7(a)に示すようにループアンテナ51を形成した平面50に対して水平方向にICタグ60を配置した場合は、ICタグ60がループアンテナ50の磁界と交差するため、ループアンテナ51が接続されているリーダライタにおいてICタグ60の情報を容易に読み取ることができる。これに対して、図7(b)に示すようにループアンテナ51を形成した平面50に対して直交方向にICタグ60を配置した場合は、ICタグ60がループアンテナ50の磁界と平行になるため、ICタグ60の情報を読み取るのが困難になるという欠点があった。
つまり、物品管理システムにおいては、物品に取り付けるICタグの向きによっては管理棚に取り付けたループアンテナによりICタグの情報を読み取ることができなくなる。
このため、例えば管理棚に収容したファイルなどを収納するためホルダの背面にICタグが取り付けられている場合は、ICタグの情報を容易に読み取ることができるようにリーダライタ用ループアンテナを管理棚の背面板(ホルダ背面のICタグと平行)に取り付けていた。しかし、書籍等のように管理棚の背面板に設けたループアンテナと平行な面を有していない物品を収納する場合には、物品に付されたICタグがループアンテナと直交した姿勢となり、ICタグの情報を読み取ることが困難になる。このような場合には、リーダライタ用ループアンテナの取り付け場所を変更する必要があり、管理棚を改造する必要が生じる。
そこで、本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、物品に取り付けたICタグの向きに関わらず、ICタグの情報を読み取ることができるリーダライタ用アンテナと、そのようなリーダライタ用アンテナを用いた物品管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、請求項1記載のリーダライタ用アンテナは、物品に取り付けられるICタグとの間で通信を行うリーダライタに用いるリーダライタ用アンテナであって、複数のループアンテナを連鎖状に配列すると共に、隣接し合う各ループアンテナの対向し合う線状エレメント間に、各線状エレメント同士を立体的且つX字状に絶縁交差させた交差連結部により構成されるアンテナ部を設けたことを特徴とする。
また請求項2記載のアンテナは、前記アンテナ部を複数備え、前記複数のアンテナ部の前記交差連結部が互いに重ならないように立体的にずらして配置したことを特徴とする。
また請求項3記載のリーダライタ用アンテナは、連鎖方向に対する前記ループアンテナの長さと前記交差連結部の長さとの比を略2:1に設定することで、前記アンテナ部の電波放射面に対して直交方向に配置されているICタグの読み取り範囲を広くしたことを特徴とする。
また請求項4記載のリーダライタ用アンテナは、前記交差連結部を複数形成することで、前記アンテナ部の電波放射面に対して直交方向に配置されているICタグの読み取り範囲を広くしたことを特徴とする。
また請求項5記載の物品管理システムの発明は、ICタグを取り付けた物品の管理を行う物品管理システムにおいて、請求項1記載のリーダライタ用アンテナが設けられた管理棚と、前記リーダライタ用アンテナにより前記ICタグとの間で通信を行うリーダライタと、前記リーダライタ用アンテナに備えられている複数のアンテナ部を切り替えるアンテナ切替手段と、前記アンテナ切替手段の制御を行う切替制御手段と、を備えることを特徴とする。
また請求項6記載の物品管理システムの発明は、前記切替制御手段は、前記アンテナ切替手段を制御して前記複数のアンテナを交互に切り替えることを特徴とする。
また請求項7記載の物品管理システムの発明は、前記リーダライタ用アンテナは、前記管理棚の背面板または棚板に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明のリーダライタ用アンテナによれば、ループアンテナを連鎖状に配列して構成されるアンテナ部を複数備え、これらのアンテナ部を同一平面上で、且つ、連鎖方向にずらして配置したことで、ICタグの向きに関わらず、情報を読み取ることができるようになる。
本発明の物品管理システムによれば、ICタグとの間で通信を行うリーダライタを用いて管理棚に収納された物品を管理する物品管理システムとして、請求項1記載のリーダライタ用アンテナを管理棚の背面板に組み込むようにしたことで、物品に取り付けられたICタグの向きに関わらず、情報を読み取ることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るリーダライタ用アンテナを適用した物品管理システムの構成を示した図である。
この図1に示す物品管理システム10は、ホルダ30の背面に貼付されたICタグ(図示しない)の管理情報を読み書きするためのリーダライタ用アンテナ9を有する管理棚(什器)11と、ICタグに対して管理情報の読み書きを行うリーダライタ100と、このリーダライタ100を制御するPC(制御手段)50とを備えて構成される。リーダライタ100は、管理棚11内に備えられたリーダライタ用アンテナ9とケーブル12を介して接続されている。
リーダライタ用アンテナ9は2つのアンテナ部9a、9bにより形成されている。なお、リーダライタ用アンテナ9の構成については後述する。
切替回路(アンテナ切替手段)15は、外部から切り替え可能なスイッチにより構成され、例えばPC50又はリーダライタ100によりリーダライタ用アンテナ9に設けられている2つのアンテナ部9a、9bの切り替え制御が行われている。またこの例では複数のホルダ30は管理棚11の上下の収容スペースを区切る棚板13の上部に収納され、ホルダ30の背面に貼付されたICタグ(図示しない)に記録されている情報を管理棚11の上側収容スペースの背面板14に取り付けられたリーダライタ用アンテナ9により読み取る構成となっている。
また管理棚11の下部側収容スペース内についても上記同様、棚板13が設けられ、背面板14にはリーダライタ用アンテナ9が取り付けられている。
なお、図1に示す管理棚11の構成はあくまでも一例であり、棚の段数は任意に設定可能である。
【0007】
次に、図2〜図4を用いて上記した物品管理システム10の管理棚11に備えられる本実施の形態に係るリーダライタ用アンテナの構成を説明する。
図2は本実施の形態に係るリーダライタ用アンテナの基本構成を示した図である。この図2(a)(b)に示すアンテナ部9aは、金属などからなる背面板14の面上に絶縁された状態で4つのループアンテナ18a、18b、18c、18dが連なって形成されている。ループアンテナ18aと18bの交差部19a、ループアンテナ18bと18cの交差部19b、及びループアンテナ18cと18dの交差部19cは、それぞれ立体的に交差するように形成されている。
即ち、隣接し合うループアンテナ18aと18bの対向する線状のエレメント16aと17b同士、及びエレメント16bと17a同士は、夫々交差連結部19aによって電気的に接続されている。即ち、平行に対向し合う各エレメント16aと17b及び16bと17aの中間部適所に設けた交差連結部19aは、線状のエレメントをX字状に交差させると共に交差部では互いに電気的に絶縁するように構成されている。
同様に、隣接し合うループアンテナ18bと18cの対向するエレメント同士は交差連結部19bによって電気的に接続され、ループアンテナ18cと18dの対向するエレメント同士は交差連結部19cによって電気的に接続されている。即ち、平行に対向し合う各エレメントの中間部適所に設けた交差連結部は、線状のエレメントをX字状に交差させると共に交差部では互いに電気的に絶縁するように構成されている。
このようにアンテナ部9aを形成した場合は、隣り合うループアンテナ同士により図示するような磁界を形成することになる。したがって、このようなアンテナ部9aをリーダライタ100に適用すれば、例えば図2(a)に示すようにICタグ31がアンテナ部9aと直交するように配置されている場合においてもICタグ31から情報を読み取ることができるようになる。ただし、ICタグ31が、例えば交差連結部19bの上方位置(ICタグ31aと示した位置)に存在する場合はICタグから情報を読み取ることができるものの、ICタグ31がループアンテナ部18bの上方位置(ICタグ31bと示した位置)に存在する場合はICタグから情報を読み取ることができない。
【0008】
もちろん図2(b)に示すように、ICタグ31がアンテナ部9aと平行に配置されている場合においても、ICタグ31から情報を読み取ることができるが、ICタグ31がループアンテナ部18bの上方位置(ICタグ31cと示した位置)に存在する場合はICタグから情報を読み取ることができるものの、ICタグ31が交差連結部19bの上方位置(ICタグ31dと示した位置)に存在する場合はICタグから情報を読み取ることができなくなる。
そこで、本実施の形態のリーダライタ用アンテナ9においては、上記図2に示したようなICタグ31から情報を読み取ることができない領域が発生しないように、上記図2に示したようなアンテナ部9aを複数枚(例えば2枚)用意して、同一平面上に絶縁した状態で重ね、さらに連鎖方向にアンテナ部9aをずらしてアンテナ部9aを互い違いに配置することでICタグ31から情報を読み取ることができない領域が発生しないようにしている。
またこのとき、アンテナ部9bの交差連結部19の幅(長さ)が狭過ぎると、電波放射面(アンテナ面)の直交方向に発生する磁界の幅が狭く、アンテナ部9aの電波放射面に対して直交するように配置されているICタグ31から情報を読み取ることができる範囲が狭くなってしまう。
そこで、本実施の形態のリーダライタ用アンテナ9においては、交差連結部19の幅(長さ)を広くして、アンテナ面に対して直交するように配置されているICタグ31から情報を読み取ることができる範囲を広くするようにしている。例えばアンテナ部9aの連鎖方向に対するループアンテナ部18の長さaと交差連結部19の長さbの比を略2:1に設定することで、アンテナ部9aの電波放射面に対して直交方向に配置されているICタグ31の読み取り範囲を広くするようにしている。
なお、交差連結部19の長さは任意に設定可能であり、例えば2枚のアンテナ部9a、9bをずらして配置したときにアンテナ部9a、9bのアンテナ面に対して水平、垂直方向に配置されているICタグ31から最も情報を読み取ることができる幅(長さ)に設定すればよいものである。
また、このような交差連結部19を複数設けることで、アンテナ面に対して直交方向に配置されているICタグの31の読み取り可能範囲を増やすようにしている。
つまり、本実施の形態のリーダライタ用アンテナ9は、複数の交差連部19を設けたうえで、各交差連結部19の幅(長さ)を適正に設定した2枚のアンテナ部9a、9bの交差連結部19が重ならないように連鎖方向にずらして配置するようにしている。
【0009】
図3は、上記のようにして構成されるリーダライタ用アンテナ9の一構成例を示した図である。この図3に示す例では、アンテナ部9aとアンテナ部9bのアンテナ形状が異なっているが、アンテナ部9bは、アンテナ部9aの交差連結部19が互い違いになるように連鎖方向にずらして配置したのと同等の機能を有するアンテナをアンテナ部9aと同一平面サイズで実現したものである。
そして、このようにして形成したリーダライタ用アンテナ9をリーダライタ100に接続する場合はリーダライタ100とリーダライタ用アンテナ9との間に切替回路15を設け、切替回路15によりリーダライタ用アンテナ9を構成する2つのアンテナ部9a、9bを交互に切り替ることで、リーダライタ用アンテナ9のアンテナ面に対してICタグ31が水平、垂直方向の2方向に配置されている場合でもICタグ31から情報を読み取ることができるようになる。
ここで、図4を用いて本実施の形態に係るリーダライタ用アンテナの基本的な構成についてさらに説明しておく。
本実施の形態のようにアンテナを形成する場合は、各ループアンテナの形状は、図4(a)に示すようにクロス点に対して両側のループ面積が等しくなるとき最も効率がよいアンテナ20を構成することができる。つまり無駄のない磁束の流れや漏洩電界のキャンセル効果などが最も効率よく得られるアンテナ20を構成することができる。したがって、図4(a)に示すアンテナ20を図4(b)に示すように組み合わせることで、図4(c)に示すような本実施の形態のリーダライタ用アンテナを形成することができる。なお、この場合の各ループアンテナの長さxは任意に設定することが可能である。また、リーダライタ用アンテナを形成するにあたって組み合わせるループアンテナの数も任意に設定することが可能である。なお、本実施の形態では、クロス点に対して両側のループ面積が等しくなるようにループアンテナを形成する場合を例に挙げたが、これはあくまでも一例であり、その形状は用途によって任意に変更可能である。
【0010】
図5を用いて本実施の形態の物品管理システムに用いられるリーダライタと被接触型ICタグの基本的な構成及びその動作について説明しておく。
図5は、ICタグ用リーダライタの構成を示すブロック図である。この図5に示すICタグ用リーダライタ100は、外部にあるリーダライタ100に対してデータの授受を行ってシステム全体を制御するコンピュータ(PC)50によって制御される。リーダライタ100は、外部のコンピュータ50とのデータの通信プロトコルを司る送受信装置1と、リーダライタ100全体の動作を制御する制御装置2と、制御装置2を動作させる手順を記録したファームウェアと読み取ったデータを格納するメモリ装置3と、制御装置2からのデータを搬送波に乗せて変調する変調器4と、操作コマンドを入力する入力装置5と、制御装置2により制御された情報を表示する表示装置6と、変調器4からのコマンドを電力増幅する電力増幅器7と、ループアンテナ9から受信した搬送波から2値化データに変換する検波復調器8と、図示しないICタグとの電力用搬送波とデータの授受をするループアンテナ9とを備えて構成されている。
次に本構成によるリーダライタ100の動作を説明する前に、対を成すICタグの構成を説明しておく。図6は、ICタグの構成を示すブロック図である。ICタグ200は、リーダライタ100からの電力用搬送波によりデータの授受をするループアンテナ20と、書き込みコマンド読み出しコマンドを生成する送受信回路21と、ループアンテナ20からの電力用搬送波を受け、それを整流して直流電力に変換する電力生成回路22と、制御用ファームウェアとデータの記憶を司るメモリ装置23と、制御回路26からの送信コマンドに搬送波を乗せて変調する変調器24と、送受信回路21からの搬送波データから2値化データに変換する検波器25と、ICタグ200の全体の動作を制御する制御回路26から構成されている。なお、変調方式としては、ASK(Amplitude Shift Keying)の他にPSK(Phase Shift Keying)方式、FSK(Frequency Shift Keying)方式などがある。
【0011】
次に、図5と図6を併せて参照してそれぞれ単独の動作について説明する。リーダライタ100は、図示しない電源が入れられると制御装置2のイニシャル動作後、メモリ装置3に記憶されたプログラムに従い動作を開始する。まず、初期化が行われる。次に、制御装置2は、ICタグ200に電力を供給するためにコマンド送信時は変調器4で変調を行い、ICタグ20からのレスポンス受信時は無変調とした信号を電力増幅器7から送信する。その信号は、ループアンテナ9から電磁波として外部に放射される。
次に、ICタグ200がリーダライタ100に近接すると、ループアンテナ20が電力供給用信号を受信し、電力生成回路22によりその搬送波を整流して直流電力に変換して、タグ内の全ての回路に供給する。電力を供給されて制御回路26が駆動すると、メモリ装置23に格納されたプログラムに従って制御を開始する。
次に、制御回路26は、まず送受信回路21からコマンドを検波器25で復調して2値化信号に変換し、そのコマンドを解析する。その結果自分が呼び出されていることを認識すると、レスポンスを変調器24により変調して送受信回路21を介してループアンテナ20から送信する。このレスポンスをリーダライタ100がループアンテナ9で受信して、検波復調器8で2値化コードに変換し、制御回路2により解析してICタグ200が規格に合致したタグであると認識する。それにより、以後リーダライタ100とICタグ200との間でデータの授受が行われることになる。
【0012】
なお、本実施の形態では、リーダライタ用アンテナ9として2つのアンテナ部9a、9bの交差連結部19が重ならないようにをずらして配置するものとして説明したが、3枚以上のアンテナ部をずらして配置することももちろん可能である。その場合にも3枚以上のアンテナ部の交差連結部が重ならないように立体的にずらして配置すればよい。
また、アンテナ部9aは必ずしも複数設ける必要はなく、水平、垂直方向の2方向に配置されているICタグ31から情報を読み取ることができれば、1つのアンテナ部9aによりリーダライタ用アンテナ10を構成することも可能である。
また、各線状エレメント同士を立体的且つX字状に絶縁交差させた交差連結部とは、厳密な意味のX字状であることを意味せず、対向し合う線状エレメント同士の一部が交差している構成を全て含むものである。
また、これまで説明した本実施の形態においては、リーダライタ用アンテナ9を管理棚11の背面板14、15に配置する場合を例に挙げて説明したが、例えば棚板13などに設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係るリーダライタ用アンテナを適用した物品管理システムの構成図である。
【図2】本実施の形態に係るリーダライタ用アンテナの基本構成を示した図である。
【図3】本実施の形態に係るリーダライタ用アンテナの構成を示した図である。
【図4】本実施の形態に係るリーダライタ用アンテナの構造を示した図である。
【図5】ICタグ用リーダライタの構成を示したブロック図である。
【図6】ICタグの構成を示すブロック図である。
【図7】ループアンテナの磁界とICタグの配置関係を示した図である。
【符号の説明】
【0014】
1 送受信装置、2 制御装置、3 メモリ装置、4 変調器、5 入力装置、6 表示装置、7 電力増幅器、8 検波復調器、9 リーダライタ用アンテナ、10 物品管理システム、11 管理棚(什器)、12 ケーブル、13 棚板、14 15 背面板、15 切替回路、17 ベース、21 送受信回路、22 電力生成回路、23 メモリ装置、24 変調器、25 検波器、26 制御回路、30 ホルダ、31 ICタグ、50 PC(制御手段)、100 リーダライタ、200 ICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に取り付けられるICタグとの間で通信を行うリーダライタに用いるリーダライタ用アンテナであって、
複数のループアンテナを連鎖状に配列すると共に、隣接し合う各ループアンテナの対向し合う線状エレメント間に、各線状エレメント同士を立体的且つX字状に絶縁交差させた交差連結部により構成されるアンテナ部を設けたことを特徴とするリーダライタ用アンテナ。
【請求項2】
前記アンテナ部を複数備え、前記複数のアンテナ部の前記交差連結部が互いに重ならないように立体的にずらして配置したことを特徴とする請求項1に記載のリーダライタ用アンテナ。
【請求項3】
連鎖方向に対する前記ループアンテナの長さと前記交差連結部の長さとの比を略2:1に設定することで、前記アンテナ部の電波放射面に対して直交方向に配置されているICタグの読み取り範囲を広くしたことを特徴とする請求項1または2に記載のリーダライタ用アンテナ。
【請求項4】
前記交差連結部を複数形成することで、前記アンテナ部の電波放射面に対して直交方向に配置されているICタグの読み取り範囲を広くしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリーダライタ用アンテナ。
【請求項5】
ICタグを取り付けた物品の管理を行う物品管理システムにおいて、請求項1記載のリーダライタ用アンテナが設けられた管理棚と、前記リーダライタ用アンテナにより前記ICタグとの間で通信を行うリーダライタと、前記リーダライタ用アンテナに備えられている複数のアンテナ部を切り替えるアンテナ切替手段と、前記アンテナ切替手段の制御を行う切替制御手段と、を備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項6】
前記切替制御手段は、前記アンテナ切替手段を制御して前記複数のアンテナを交互に切り替えることを特徴とする請求項5に記載の物品管理システム。
【請求項7】
前記リーダライタ用アンテナは、前記管理棚の背面板または棚板に設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の物品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−25363(P2006−25363A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−203768(P2004−203768)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】