説明

リーダ・ライタ制御装置

【課題】無線ICタグに対してデータを読み書きするリーダ・ライタの動作を、無線ICタグを利用して、任意のタイミングで制御できるようにする。
【解決手段】無線ICタグによって構成される制御タグ300には、制御項目とこの制御項目に対する制御内容との組み合わせに応じたユニークなタグIDが記憶されており、認証対象物を認証するための認証データは記録されていない。振る舞い対応表160には、制御項目とこの制御項目に対する制御内容とを含んだ複数の制御情報が、それぞれその制御情報中の制御項目と制御内容とに応じたタグIDに関連付けて記録されている。振る舞い切り替え部150は、タグ読み書き処理部120が制御タグ300から読み取ったタグIDに関連付けて記録されている制御情報を振る舞い対応表160から検索し、主処理部130は、振る舞い切り替え部150が検索した制御情報に従ってリーダ・ライタ100を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ICタグに対してデータを読み書きするリーダ・ライタの動作を制御するリーダ・ライタ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)と呼ばれる電波を利用した認証技術が普及し、我々の生活でも様々なところでRFIDを利用したシステムを見かけるようになった。RFIDを利用したシステムでは、無線ICタグをリーダ・ライタのアンテナにかざすだけで、アンテナが発する電波を介して非接触で無線ICタグに対してデータを読み書きすることができるので、これまで行われていたバーコードなどを利用した認証技術に比較して、効率良く認証作業を行うことが可能になる。
【0003】
例えば、図14(A)に示すように、認証対象物にそれぞれ無線ICタグを取り付けておけば、リーダ・ライタ(RW)のアンテナから電波を出力するだけで、各認証対象物に取り付けられている無線ICタグから、その認証対象物に関するデータを読み取ることができるので、バーコードなどを利用した認証技術に比較して、効率良く認証作業を行うことができる。
【0004】
しかし、実際には、システム運用中に認証対象物に取り付けた無線ICタグを読み取ることができなくなる場合がある。例えば、図14(B)に示すように、障害物が置かれたり、認識対象物の材質が金属に変更されるなど、無線ICタグとの通信環境がシステム運用開始時から変化した場合、無線ICタグを読み取ることができなくなる場合がある。つまり、システムの運用開始時にリーダ・ライタにおいて設定した、無線ICタグとの間の通信状態を調整するための各種設定値(例えば、アンテナから出力する電波の強度、ビーム角度など)が、現在の通信環境に合わないものとなった場合、無線ICタグを読み取ることができなくなる。このような場合、設定値を現在の通信環境に合ったものに設定し直すことにより、無線ICタグを読み取ることが可能になるが、設定値の設定は、一般的にはユーザが手作業で行うものであるので、ユーザに負担がかかるという問題がある。
【0005】
一方、無線ICタグの読み取り率を高める技術として、次のような技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1に記載されている技術では、認証対象物に取り付ける無線ICタグに、その種類を示すタグ識別IDと、認証対象物がリーダ・ライタから出力される電波に及ぼす影響の程度を示す電波影響レベルと、認証対象物のIDや種類を示す対象物情報とを記録しておく。尚、タグ識別ID及び電波影響レベルは、無線ICタグに複数個記録されており、対象物情報に比較して読み取られる可能性が高くなっている。リーダ・ライタは、無線ICタグからタグ識別ID及び無線影響レベルを読み取ると、それらと、自身の種類を示すリーダ・ライタ識別IDとを含んだ通信環境情報をサーバへ送信する。
【0007】
サーバは、複数の通信環境それぞれについて、その通信環境を表す通信環境情報に関連付けて、その通信環境において無線ICタグとの間の通信状態を良好なものに調整するための各種設定値(電波の強度やビーム角度などの予め定められた設定値)が記録されたデータベースを備えている。そして、サーバは、リーダ・ライタから通信環境情報が送られてくると、上記通信環境情報に関連付けて記録されている各種設定値をデータベースから検索し、リーダ・ライタへ送信する。
【0008】
リーダ・ライタは、サーバから各種設定値が送られてくると、電波の強度やビーム角度などが設定値となるように各部を制御することにより通信状態を良好なものとし、その後、無線ICタグに対して対象物情報の読み取りを要求する。そして、読み取りに成功した場合は、そのことを示す情報と、現在の各種設定値と、通信環境情報とを含んだ通信結果情報をサーバへ送信する。これに対して、読み取りに失敗した場合は、そのことを示す情報と、通信環境情報とを含んだ通信結果情報をサーバへ送信する。
【0009】
サーバは、リーダ・ライタから送られてきた通信結果情報に基づいて、無線ICタグとの間の通信状態がより良好になるように、データベースに記録されている各種設定値を更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−94934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に記載されている技術によれば、ユーザに負担をかけることなく、リーダ・ライタを制御して無線ICタグの読み取り率を向上させることができる。しかし、特許文献1に記載されている技術は、認証対象物を認証するための対象物情報と、リーダ・ライタの動作を制御するためのタグ識別IDおよび電波影響レベルとが記録された無線ICタグを利用してリーダ・ライタの動作を制御しているため、リーダ・ライタの動作を制御可能なタイミングが、認証対象物の認証時に制限されるという問題がある。
【0012】
[発明の目的]
そこで、本発明の目的は、リーダ・ライタの動作を制御可能なタイミングが制限されるという課題を解決したリーダ・ライタ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明にかかる第1のリーダ・ライタ制御装置は、
無線ICタグに対してデータを読み書きするタグ読み書き処理部と、
制御項目と該制御項目に対する制御内容とを含んだ複数の制御情報が、それぞれその制御情報中の制御項目と制御内容とに応じたユニークなタグIDに関連付けて記録された振る舞い対応表と、
制御項目と該制御項目に対する制御内容とに応じたユニークなタグIDが記録された無線ICタグであって、前記タグ読み書き処理部を含んだリーダ・ライタの動作を制御するための専用の無線ICタグによって構成された制御専用タグから前記タグ読み書き処理部が読み取ったタグIDと関連付けて記録されている制御情報を、前記振る舞い対応表から検索する検索部と、
該検索部が検索した制御情報に従って、前記リーダ・ライタの動作を制御する処理部とを備える。
【0014】
本発明にかかる制御タグは、
制御項目と該制御項目に対する制御内容とに応じたユニークなタグIDが記録された無線ICタグであって、無線ICタグに対してデータを読み書きするリーダ・ライタの動作を制御するための専用の無線ICタグによって構成される。
【0015】
本発明にかかるリーダ・ライタ制御方法は、
制御項目と該制御項目に対する制御内容とを含んだ複数の制御情報が、それぞれその制御情報中の制御項目と制御内容とに応じたユニークなタグIDに関連付けて記録された振る舞い対応表と、無線ICタグに対してデータを読み書きするタグ読み書き処理部と、検索部と、処理部とを備えたコンピュータによって、前記タグ読み書き処理部を含んだリーダ・ライタの動作を制御するリーダ・ライタ制御方法であって、
前記タグ読み書き処理部が、御項目と該制御項目に対する制御内容とに応じたユニークなタグIDが記録された無線ICタグであって、前記タグ読み書き処理部を含むリーダ・ライタの動作を制御するための専用の無線ICタグによって構成された制御専用タグからタグIDを読み取り、
前記検索部が、前記タグ読み書き処理部が制御専用タグから読み取ったタグIDと関連付けて記録されている制御情報を、前記振る舞い対応表から検索し、
前記処理部が、前記検索部が検索した制御情報に従って前記リーダ・ライタの動作を制御する。
【0016】
本発明にかかるプログラムは、
制御項目と該制御項目に対する制御内容とを含んだ複数の制御情報が、それぞれその制御情報中の制御項目と制御内容とに応じたユニークなタグIDに関連付けて記録された振る舞い対応表と、無線ICタグに対してデータを読み書きするタグ読み書き処理部と備えたコンピュータを、前記タグ読み書き処理部を含んだリーダ・ライタの動作を制御するリーダ・ライタ制御装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
制御項目と該制御項目に対する制御内容とに応じたユニークなタグIDが記録された無線ICタグであって、前記タグ読み書き処理部を含むリーダ・ライタの動作を制御するための専用の無線ICタグによって構成された制御専用タグから前記タグ読み書き処理部が読み取ったタグIDと関連付けて記録されている制御情報を、前記振る舞い対応表から検索する検索部、
該検索部が検索した制御情報に従って前記リーダ・ライタの動作を制御する処理部として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、無線ICタグを利用して、任意にタイミングでリーダ・ライタの動作を制御することが可能になるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】振る舞い対応表160の一例を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の処理例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態を説明するための図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を説明するための図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を説明するための図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態を説明するための図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態を説明するための図である。
【図10】本発明の第7の実施の形態を説明するための図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態の処理例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第8の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図13】本発明の第9の実施の形態を説明するための図である。
【図14】背景技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[本発明の第1の実施の形態]
図1を参照すると、本発明にかかるリーダ・ライタ制御装置の第1の実施の形態は、リーダ・ライタ(RW)100と、パーソナルコンピュータ(PC)200と、リーダ・ライタ100の動作を制御するために使用される制御タグ300とから構成されている。
【0020】
制御タグ300は、リーダ・ライタ100の動作(振る舞い)を制御するために使用される特別な無線ICタグであり、タグID領域310と、データが記録されるユーザ領域320とを備えている。タグID領域310には、リーダ・ライタ100の動作を制御する際の制御項目および制御内容に対応したタグIDが記録されている。制御項目とは、電波の強度、データの通知先、電波の偏波方式など、制御の対象になる項目である。制御内容とは、制御対象の状態をどのようにするのかを示す情報であり、制御項目「電波の強度」に対する制御内容は、例えば「0」等の数値となり、制御項目「通知先」に対する制御内容は、例えば「アプリケーションプログラムAP1」等のプログラム名となる。なお、制御タグ300には、認証対象物を認証する際に使用する通常の無線ICタグに記録されているタグIDとは異なるユニークなタグIDが記録されている。
【0021】
リーダ・ライタ100は、アンテナ110と、タグ読み書き処理部120と、主処理部130と、通信部140と、振る舞い切り替え部150と、ディスク等の記憶装置に記録された振る舞い対応表160とを備えている。
【0022】
タグ読み書き処理部120は、アンテナ110を介して無線ICタグ(制御タグ300や、認証対象物に取り付けられている通常の無線ICタグなど)に対してデータを読み書きする。主処理部130は、リーダ・ライタ100の各部を制御する。通信部140は、パーソナルコンピュータ200との間でデータをやり取りする。
【0023】
振る舞い対応表160には、複数のタグIDのそれぞれに関連付けて、制御項目と制御内容とから構成される制御情報であって、リーダ・ライタ100の動作を制御するための制御情報が記録されている。図2は、振る舞い対応表160の一例を示す図であり、例えば、タグID「IDa」に関連付けて記録されている制御情報は、制御項目が「電波の強度」、制御内容が「10秒だけ0にする」であるので、リーダ・ライタ100から出力される電波の強度を10秒だけ0にするときに利用される。また、例えば、タグID「IDf」に関連付けて記録されている制御情報は、制御項目が「偏波方式」、制御内容が「円偏波に変更」であるので、リーダ・ライタ100から出力される電波の偏波方式を円偏波に変更する際に利用される。なお、振る舞い対応表160には、リーダ・ライタ100の動作を制御するための制御タグ300に記録されているタグIDだけが記録され、認証対象物を認証するために使用される通常の無線ICタグに記録されているタグIDは記録されていない。尚、図1では図示を省略したが、リーダ・ライタ100内には、ユーザの指示に従って振る舞い対応表160の内容を表示する表示手段、及び、キーボード等の入力部から入力されるユーザの指示に従って振る舞い対応表160の内容を変更する変更手段を備えている。
【0024】
振る舞い切り替え部150は、制御タグ300から読み取ったタグIDに関連付けて記録されている制御情報を振る舞い対応表160から検索し、検索した制御情報を主処理部130に渡す機能などを有している。
【0025】
なお、タグ読み書き処理部120、主処理部130、通信部140、及び、振る舞い切り替え部150は、CPU(中央処理装置)によって実現可能であり、その場合には、例えば、次のようにする。CPUをタグ読み書き処理部120、主処理部130、通信部140、及び、振る舞い切り替え部150として機能させるためのプログラムが記録されたディスク、半導体メモリを用意し、CPUに上記プログラムを読み取らせる。CPUは、読み取ったプログラムに従って自身の動作を制御することにより、自CPU上にタグ読み書き処理部120、主処理部130、通信部140、及び、振る舞い切り替え部150を実現する。
【0026】
パーソナルコンピュータ200は、通信部210と、図示を省略したCPU上で動作するアプリケーションプログラム220,230とを備えている。
【0027】
通信部210は、リーダ・ライタ100との間でデータをやり取りする。
【0028】
[第1の実施の形態の動作の説明]
次に、図3のフローチャートを参照して本実施の形態の動作について詳細に説明する。
【0029】
ユーザは、リーダ・ライタ100の動作を制御する際、制御項目および制御内容に応じた制御タグ300をリーダ・ライタ100のアンテナ110にかざす。例えば、振る舞い対応表160の内容が図2に示すものであり、リーダ・ライタ100から出力される電波の強度を10秒だけ0にする場合は、タグID領域310にタグID「IDa」が記録されている制御タグをアンテナ110にかざし、また、偏波方式を円偏波に変更する場合にはタグID「IDf」が記録されているタグIDをアンテナ110にかざす。
【0030】
リーダ・ライタ100内の主処理部130は、アンテナ110及びタグ読み書き処理部120を介して制御タグ300に記録されているタグIDを読み取ると、読み取ったタグIDを振る舞い切り替え部150に渡す(図3のステップS31がYES、S32)。
【0031】
これにより、振る舞い切り替え部150は、主処理部130から渡されたタグIDに関連付けて記録されている制御情報を振る舞い対応表160から検索し、検索結果を主処理部130に返す(ステップS33、S34)。より具体的には、該当する制御情報を検索できなかった場合は、検索失敗を示す検索結果を主処理部130に返し、該当する制御情報を検索できた場合は、検索した制御情報を含んだ検索結果を主処理部130に返す。この例では、制御タグ300からタグIDを読み取っているので、該当する制御情報が検索されるが、認証対象物を認証するための通常の無線ICタグからタグIDを読み取った場合には、該当する制御情報を検索することができない。
【0032】
主処理部130は、制御情報を含んだ検索結果が返却された場合は、上記制御情報に従って、リーダ・ライタ100の動作を制御する(ステップS35がNO、S36)。これに対して、検索失敗を示す検索結果が返却された場合は、認証対象物を認証するための通常の無線ICタグからタグIDを読み取ったことになるので、上記タグIDを、通信部140を介してパーソナルコンピュータ200へ送信する(ステップS35がYES、S37)。なお、タグIDをパーソナルコンピュータ200へ送信する場合、主処理部130は、その通知先を示す情報をタグIDに付加する。
【0033】
[第1の実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、無線ICタグを利用して任意にタイミングでリーダ・ライタ100の動作を制御することが可能になる。その理由は、制御項目とその制御項目に対する制御内容とに応じたユニークなタグIDが記録された無線ICタグであって、認証対象物を認証するための認証データは記録されていない無線ICタグによって構成される制御タグ300を利用してリーダ・ライタ100の動作を制御するようにしているからである。
【0034】
また、本実施の形態によれば、リーダ・ライタ100の様々な制御項目を制御することが可能になる。その理由は、その理由は、互いの制御項目が異なる複数の制御情報が、その制御情報中の制御項目と制御内容との組み合わせに応じたタグIDに関連付けて記録された振る舞い対応表160を備えているからである。
【0035】
[本発明の第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について詳細に説明する。
【0036】
RFIDのリーダ・ライタが発する電波が、ペースメーカーへ影響を及ぼすことが確認されており、リーダ・ライタを使用している場所では、ペースメーカーの利用者から見える位置に専用のシールを貼ることが義務付けられている。加えて、ペースメーカーの使用者は、リーダ・ライタのアンテナから22cm(帯域によっては1m)以内に近づかないことや、リーダ・ライタの近くに長時間留まらないように指示されている。
【0037】
しかし、実際には、RFIDのリーダ・ライタが発する電波は、目視で確認することができず、更に、専用のシールが貼られていても気付かない場合もあるため、ペースメーカーの使用者が知らず知らずのうちに、電波の影響が及ぶ範囲内に入ってしまう危険性が考えられる。例えば、入退場管理のためのゲートシステムなど、人間が必ず通過するような箇所で、リーダ・ライタを使用するケースも考えられるため、対策を講じる必要がある。本実施の形態は、本発明にかかるリーダ・ライタ制御装置をゲートシステムに適用することにより、上述した問題を解決したものである。
【0038】
図4(A)を参照すると、本実施の形態は、図1に示した構成を有するリーダ・ライタ100、パーソナルコンピュータ200、及び、制御タグ300と、ゲートシステム400とを備えている。
【0039】
ゲートシステム400は、リーダ・ライタ100が、制御タグ300や認証対象物を認証するための通常の無線ICタグからタグIDを読み取ると、所定時間だけゲートを開くシステムである。本実施の形態では、リーダ・ライタ100内の主処理部130は、アンテナ110及びタグ読み書き処理部120を介して制御タグ300や、図示を省略した認証対象物を認証するための無線ICタグからタグIDを読み取ると、ゲートシステム400に対してゲートを一定時間だけ開けることを指示し、これにより、ゲートシステム400は、一定時間、ゲートを開ける。
【0040】
尚、本実施の形態における認証対象物は、人および物品であり、ゲートを通過する人は、タグIDとして社員番号などが記録された無線ICタグを携帯し、ゲートを通過する物品には、その物品を特定する物品情報がタグIDとして記録された無線ICタグが取り付けられている。また、ペースメーカー500の使用者は、リーダ・ライタ100からの電波の出力を停止させるための特別な制御タグ300を携帯している。具体的には、振る舞い対応表160の内容が図2に示すものであるとすると、ペースメーカー500の使用者は、タグIDとして「IDa」が記録されている制御タグ300を携帯している。
【0041】
[第2の実施の形態の動作の説明]
次に、本実施の形態の動作について説明する。
【0042】
ペースメーカー500の使用者が、図4(B)に示すように、リーダ・ライタ100の電波範囲(無線ICタグからタグIDを読み取り可能な範囲、読み取り範囲と記す場合もある)内に入ると、主処理部130は、アンテナ110及びタグ読み書き処理部120を介して、使用者が身につけた、電波の出力を止めるための制御タグ300のタグID「IDa」を読み取り、読み取ったタグID「IDa」を振る舞い切り替え部150に渡す(図3のステップS31がYES、S32)。また、ステップS32では、ゲートシステム400に対して「ゲート開」を指示する。
【0043】
振る舞い切り替え部150は、主処理部130から渡されたタグID「IDa」に関連付けて記録されている制御情報を振る舞い対応表160から検索し、検索結果を主処理部130に返す(ステップS33、S34)。この例の場合、制御項目、制御内容がそれぞれ「電波の強度」「10秒だけ0にする」である制御情報を含んだ検索結果が主処理部130に返される。
【0044】
主処理部130は、振る舞い切り替え部150から上記検索結果が渡されると、それに従って装置各部を制御し、リーダ・ライタ100からの電波の出力を10秒間停止させ、その後、通常の運用を再開する(ステップS35がNO、S36)。これによって、ペースメーカー500の使用者が、リーダ・ライタ100が設置されていることに気づかずに電波の読み取り範囲に入ってしまった場合、リーダ・ライタ100からの電波出力が自動的に停止するので、リーダ・ライタ100から出力される電波によるペースメーカー500への影響を回避することができる。
【0045】
リーダ・ライタ100が制御タグ300に記録されているタグIDを読み取った場合は上述した処理が行われる。これに対して、認証対象物(人や物品)に取り付けられている認証用の無線ICタグからタグIDを読み取った場合は、次のような処理が行われる。
【0046】
リーダ・ライタ100が認証用の無線ICタグからタグIDを読み取ると、前述したステップS31〜S34の処理が行われる。前述したように、認証用の無線ICタグに記録されているタグIDは、振る舞い対応表160に記録されていないので、振る舞い切り替え部150は、検索失敗を示す検索結果を主処理部130に返すことになる。
【0047】
主処理部130は、検索失敗を示す検索結果を受け取ると、認証用の無線ICタグから読み取ったタグIDをパーソナルコンピュータ200へ送信する(ステップS37)。その際、主処理部130は、人が携帯している無線ICタグから読み取ったタグIDには、通知先としてアプリケーションプログラム220を示す情報(例えば、プログラム名)を付加し、物品に取り付けられている無線ICタグから読み取ったタグIDには、通知先としてアプリケーションプログラム230を示す情報を付加する。尚、タグIDには、それが人が携帯する無線ICタグに記録されているタグIDなのか、物品に取り付けられる無線ICタグに記録されているタグIDなのかを区別するための情報が含まれており、主処理部130は、この情報に基づいて、タグIDの通知先を決定する。
【0048】
パーソナルコンピュータ200内の通信部210は、リーダ・ライタ100からタグIDが送られてくると、それに付加されている通知先を示す情報に従って、アプリケーションプログラム220或いはアプリケーションプログラム230に上記タグIDを渡す。アプリケーションプログラム220、230は、通信部210からタグIDが渡されると、それを記憶装置に記録するなどの処理を行う。
【0049】
尚、上述した説明では、ペースメーカー500の利用者に制御タグ300を携帯させるようにしたが、他の医療機器、精密機器など、電波の影響によって誤動作を引き起こす可能性がある機器を携帯している利用者に制御タグ300を携帯させるようにして良い。
【0050】
[第2の実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、第1の実施の形態で得られる効果に加えて、ペースメーカー500などのように電波の影響によって誤動作を引き起こす可能性がある機器を携帯した利用者がリーダ・ライタ100の電波範囲内に入った場合、リーダ・ライタ100からの電波出力を停止させ、誤動作を防止することができるという効果を得ることができる。その理由は、振る舞い対応表160に、リーダ・ライタ100から出力する電波の強度を0にするための制御情報が記録されているからである。
【0051】
[本発明の第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について詳細に説明する。本実施の形態は、前述した第1の実施の形態と同様に、本発明にかかるリーダ・ライタ制御装置をゲートシステムに適用したものであり、その特徴は、カメラの撮像結果に基づいて、ペースメーカー使用者がリーダ・ライタの電波範囲から出たと判定したとき、リーダ・ライタからの電波出力を再開させるようにした点にある。
【0052】
図5(A)を参照すると、本実施の形態のゲートシステムは、カメラ600を備えている点で、前述した第2の実施の形態のゲートシステムと相違している。カメラ600の撮像範囲は、リーダ・ライタ100の電波範囲とほぼ等しくなっており、電波範囲内に存在する人を撮影できるようになっている。
【0053】
[第3の実施の形態の動作の説明]
次に、本実施の形態の動作を説明する。ペースメーカー500の使用者は、リーダ・ライタ100からの電波の出力を停止させるための制御タグ300を携帯している。本実施の形態では、この制御タグ300にはタグID「IDa」が記録され、振る舞い対応表160には、上記タグID「IDa」に関連付けて、リーダ・ライタ100からの電波出力を停止させるための制御情報として、制御項目および制御内容がそれぞれ「電波の強度」および「0にする」の制御情報が記録されている。
【0054】
ペースメーカー500の使用者が、リーダ・ライタ100の電波範囲内に入ると、前述した図3のステップS31〜S34と同様の処理が行われ、振る舞い切り替え部150から主処理部130へ検索結果が渡される。この例では、検索結果は、制御項目が「電波の強度」、制御内容が「0にする」の制御情報を含むものとなる。
【0055】
これにより、主処理部130は、リーダ・ライタ100の各部を制御し、リーダ・ライタ100から出力される電波の強度を0にする(ステップS35がNO、S36)。更に、主処理部130は、ステップS36において、カメラ600を起動する。これにより、リーダ・ライタ100の電波範囲がカメラ600によって撮影され、画像信号がパーソナルコンピュータ200へ送られる。
【0056】
パーソナルコンピュータ200は、カメラ600から送られてくる画像信号によって表される画像内に人物画像が存在するか否かを判定する人物有無判定部(図示せず)を備えている。ペースメーカー500の使用者がリーダ・ライタ100の電波範囲内に存在する場合は、上記画像内に人物画像が存在するが、電波範囲から出た場合には、上記画像内に人物画像が存在しなくなる。人物有無判定部は、画像内に人物画像が存在しなくなると、リーダ・ライタ100に対して再開指示を出力する。つまり、人物有無判定部は、ペースメーカー500の使用者がリーダ・ライタ100の電波範囲から出ると、リーダ・ライタ100に対して再開指示を出力することになる。
【0057】
リーダ・ライタ100内の主処理部130は、パーソナルコンピュータ200から再開指示が送られてくると、各部を制御して、停止していた電波出力を再開して、通常の運用を再開する。
【0058】
[第3の実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、第2の実施の形態で得られる効果に加え、ペースメーカー500の利用者がリーダ・ライタ100の電波範囲にいる間、確実にリーダ・ライタ100からの電波出力を停止させることができるという効果を得ることができる。その理由は、リーダ・ライタ100の電波範囲内を撮影するカメラ600から出力される画像信号に基づいて、電波範囲内に人物が存在するか否かを判定する人物有無判定部を備えているからである。
【0059】
[本発明の第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について詳細に説明する。本実施の形態は、1つのリーダ・ライタを異なる複数のアプリケーションプログラムで共用できるようにするものである
【0060】
図6を参照すると、本実施の形態にかかるリーダ・ライタ制御装置は、リーダ・ライタ100aと、パーソナルコンピュータ200aと、制御タグ300a、300bとを備えている。
【0061】
本実施の形態のリーダ・ライタ100aは、携帯可能なハンディタイプのリーダ・ライタであり、通信部140の代わりに無線LANによってパーソナルコンピュータ200aとデータをやり取りする無線LAN通信部140aを備えている点で、図1に示した第1の実施の形態のリーダ・ライタ100と相違している。また、パーソナルコンピュータ200は、通信部210の代わりに、無線LANによってリーダ・ライタ100とデータをやり取りする無線LAN通信部210aを備えている点で、図1に示した第1の実施の形態のパーソナルコンピュータ200と相違している。
【0062】
制御タグ300a、300bは、それぞれタグID領域310と、データが記録されるユーザ領域320とを備えている。本実施の形態では、制御タグ300a、300bのタグID領域310には、それぞれタグID「IDb」、「IDc」が記録されている。尚、振る舞い対応表160には、図2に示すように、タグID「IDb」に関連付けて制御項目「通知先」、制御内容「以降のタグIDをAP220へ通知」が記録され、タグID「IDc」に関連付けて制御項目「通知先」、制御内容「以降のタグIDをAP230へ通知」が記録されている。また、制御タグ300a、300bは、それぞれ図7に示すように、倉庫700a、700bの出入り口の上方に取り付けられる。
【0063】
[第4の実施の形態の動作の説明]
ハンディタイプのリーダ・ライタ100aを携帯している作業員は、リーダ・ライタ100aを使って、倉庫700a内に保管されている商品群710aに対しては出庫用の検品作業を行い、倉庫700b内に保管されている商品群710bに対しては入庫用の検品作業を行う。作業員が行う作業は、どちらも商品に貼られている認証用の無線ICタグからリーダ・ライタ100aを使用してタグIDを読み取る作業であるが、通知先のアプリケーションプログラムが異なっている。本実施の形態では、倉庫700a、700b内の商品に貼り付けられている無線ICタグから読み取ったタグIDは、それぞれアプリケーションプログラム220、230へ通知するものとする。
【0064】
このような状況下で、作業員が倉庫700aに入ると、リーダ・ライタ100aの主処理部130が、アンテナ110、タグ読み書き処理部120を介して無線ICタグ300aに記録されているタグID「IDb」を読み取り、それを振る舞い切り替え部150に渡す(図3のステップS31がYES、S32)。これにより、振る舞い切り替え部150は、タグID「IDb」に関連付けて記録されている制御情報を振る舞い対応表160から検索し、検索結果を主処理部130に返す(ステップS33、S34)。この例の場合、検索結果は、制御項目「通知先」、制御内容「以降のタグIDをAP220へ通知」の制御情報を含んだものとなる。
【0065】
主処理部130は、振る舞い切り替え部150から送られてきた検索結果中の制御情報に従って各部を制御し、認証用の無線ICタグから読み取ったタグIDの通知先をアプリケーションプログラム220に設定する(ステップS35がNO、S36)。
【0066】
その後、作業員がリーダ・ライタ100aを用いて倉庫700a内の商品に貼り付けられている認証用の無線ICタグに対する読み取り作業を行う。リーダ・ライタ100a内の主処理部130は、無線ICタグからタグIDを読み取ると、それを振る舞い切り替え部150に渡す(ステップS31がYES、S32)。これにより、振る舞い切り替え部150は、上記タグIDに関連付けて記録されている制御情報を振る舞い対応表160から検索し、検索結果を主処理部130に返す(ステップS33、S34)。前述したように、振る舞い対応表160には、認証用の無線ICタグのタグIDは、記録されていなので、検索結果は検索失敗を示すものになる。
【0067】
主処理部130は、振る舞い切り替え部150から検索失敗を示す検索結果が送られてくると、前述したステップS36において、通知先がアプリケーションプログラム220に設定されているので、無線ICタグから読み取ったタグIDをアプリケーションプログラム220へ通知する(ステップS35がYES、S37)。通知先をアプリケーションプログラム220にする方法は、任意の方法とすることができ、例えば、タグIDに通知先を示す情報として、アプリケーションプログラム220のプログラム名などの識別情報を付加する方法などを採用することができる。
【0068】
また、作業員が入庫の検品作業を行うために、倉庫700bに入った場合は、リーダ・ライタ100aが、出入り口の上方に取り付けられている制御タグ300bからタグID「IDc」を読み取るため、タグIDの通知先がアプリケーションプログラム230に設定される(ステップS31がYES、S32〜S34、S35がNO、S36)。
【0069】
[第4の実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、第1の実施の形態で得られる効果に加え、1つのリーダ・ライタ100aを複数のアプリケーションプログラム220、230で共用することが可能になるという効果を得ることができる。その理由は、振る舞い対応表160に、無線ICタグから読み取ったタグIDの通知先を変更するための制御情報が記録されているからである。
【0070】
[本発明の第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態も第4の実施の形態と同様に、1つのリーダ・ライタを異なる複数のアプリケーションプログラムで共用できるようにしたものであるが、制御タグの効果をリーダ・ライタが制御タグを読んだ瞬間だけ有効にするようにしている点が第4の実施の形態と相違している。
【0071】
図8を参照すると、ベルトコンベア800によって搬送される段ボール箱810、820には、それぞれ認証用の無線ICタグ811、821と、リーダ・ライタ100の動作を制御するための制御タグ300c、300dが取り付けられている。また、ベルトコンベア800の近傍には、リーダ・ライタ100のアンテナ110が配置されており、段ボール箱810、820に取り付けられている無線ICタグおよび制御タグからタグIDを読み取れるようになっている。段ボール箱810、820に収容されている製品の種類は様々であり、リーダ・ライタ100は、段ボール箱810、820に貼りつけられている無線ICタグ811、812から読み取ったタグIDを、その段ボール箱810、820に収容されている製品の種類に応じたアプリケーションプログラムに通知する。段ボール箱810、820には種類が異なる製品が収容されており、段ボール箱810に取り付けられている無線ICタグ811から読み取ったタグIDはアプリケーションプログラム220へ通知し、段ボール箱820に取り付けられている無線ICタグ821から読み取ったタグIDは、アプリケーションプログラム230へ通知すべきものであるとする。また、制御タグ300c、300dには、それぞれタグID「IDd」、「IDe」が記録されているとする。また、振る舞い対応表160には、図2に示すように、タグID「IDd」に関連付けて、制御項目「通知先」、制御内容「一緒に読んだタグIDをAP220へ通知」の制御情報が記録され、タグID「IDe」に関連付けて、制御項目「通知先」、制御内容「一緒に読んだタグIDをAP230へ通知」が記録されている。
【0072】
[第5の実施の形態の動作の説明]
次に、本実施の形態の動作について詳細に説明する。
【0073】
ベルトコンベア800によって矢印830方向に搬送される段ボール箱810が、リーダ・ライタ100の無線範囲に入ると、リーダ・ライタ100の主処理部130は、アンテナ110及びタグ読み書き処理部120を介して、段ボール箱810にペアで取り付けられている無線ICタグ811と制御タグ300cとの両方からタグIDを読み取り、読み取った2つのタグIDを振る舞い切り替え部150に渡す。尚、段ボール箱に取り付けられている無線ICタグ及び制御タグの読み取りを確実に行えるようにするため、段ボール箱がリーダ・ライタ100の無線範囲に入ったことを検出する赤外線センサなどの検出手段をベルトコンベア800の近傍に設置し、この検出手段で段ボール箱が検出されても、リーダ・ライタ100が無線ICタグ及び制御タグに記録されているタグIDを読み取れなかった場合は、ベルトコンベア800の移動速度を一定時間落としたり、ベルトコンベア800を一定時間停止させるようにしてもよい。
【0074】
振る舞い切り替え部150は、主処理部130から渡された2つのタグIDそれぞれについて、そのタグIDに関連付けて記録されている制御情報を振る舞い対応表160から検索し、検索結果を主処理部130に返す。この場合、無線ICタグ811から読み取ったタグIDについての検索結果は、検索失敗となり、制御タグ300cから読み取ったタグID「IDc」についての検索結果は、制御項目「通知先」、制御内容「一緒に読んだタグIDをAP220」の制御情報を含んだものとなる。この制御情報に従い、リーダ・ライタ100の主処理部130は、無線ICタグ811から読み取ったタグIDをパーソナルコンピュータ200上のアプリケーションプログラム220へ通知する。
【0075】
また、段ボール箱820に取り付けられている無線ICタグ821及び制御タグ300dからタグIDを同時に読み取った場合も、前述した処理と同様の処理が行われ、無線ICタグ821から読み取ったタグIDは、パーソナルコンピュータ200上のアプリケーションプログラム230に通知される。
【0076】
[第5の実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、第1の実施の形態で得られる効果に加えて、1つのリーダ・ライタ100で異なる複数のアプリケーションプログラムを共用することが可能になるという効果を得ることができる。その理由は、振る舞い対応表160に、無線ICタグから読み取ったタグIDの通知先を変更するための制御情報が記録されているからである。
【0077】
[本発明の第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態は、ハンディタイプのリーダ・ライタを用いて、倉庫内にある資産の棚卸作業をする際に、なるべく少ない消費電力で、効率良く、全ての資産に取り付けられている認証用の無線ICタグを読み取れるようにするものである。
【0078】
ハンディタイプのリーダ・ライタを用いて棚卸をする場合、一般的には、リーダ・ライタを持った作業者が、倉庫内を回りながら、局所的に資産に取り付けられている無線ICタグの読み取り、資産の確認を行う。しかし、この方法は、作業者が倉庫内を回らなければならないため、手間がかかるという問題があると共に、読み残しが発生するリスクがある。本実施の形態は、このような課題を解決したものであり、以下、図9を参照して本実施の形態について説明する。
【0079】
図9を参照すると、倉庫内には複数の資産1200、1210、1220が棚に置かれ、各資産にはその資産を一意に区別する資産IDが記録された無線ICタグ1202、1212、1222と、リーダ・ライタ100aを制御するための制御タグ1203、1213、1223とが貼られている。リーダ・ライタ100aは、図6に示す構成を有しており、無線ICタグから読み取った資産IDを、無線LANを介して、離れた場所に設置されている資産管理システム1300へ送信する。資産管理システム1300は、コンピュータによって実現されるものであり、リーダ・ライタ100aから送られてきた資産IDに基づいた棚卸処理を行う。
【0080】
制御タグ1203、1213、1223には、制御項目「電波強度と読み取り間隔」と制御内容「次回だけ、電波強度を5%大きくし、読み取り間隔を1秒長くする」との組み合わせに応じたタグID(タグID「IDh」とする)が記録されている。また、リーダ・ライタ100a内の振る舞い対応表160には、図2に示すように、タグID「IDh」に関連付けて、制御項目「電波強度と読み取り間隔」、制御内容「次回だけ、電波強度を5%大きくし、読み取り間隔を1秒長くする」を含んだ制御情報が記録されている。
【0081】
[第6の実施の形態の動作の説明]
次に、本実施の形態の動作について詳細に説明する。尚、初期状態においては、リーダ・ライタ100aの電波強度は、非常に弱く設定され、作業員から一番近くにある資産(図9の例では、資産1200)に貼り付けられている無線ICタグ、制御タグだけしか読み取れないようになっている。また、無線ICタグを読み取る読み取り時間である読み取り間隔は、非常に短く設定され、作業者から一番近くにある資産に貼り付けられている無線ICタグ、制御タグだけしか検知することができないようになっている。
【0082】
第1回目の読み取り処理では、リーダ・ライタ100aは、一番近くにある資産1200に貼り付けられている無線ICタグ1202から資産IDを読み取ると共に、制御タグ1203からタグID「IDh」を読み取る。リーダ・ライタ100aは、資産IDを無線LANで資産管理システム1300へ送信する。また、リーダ・ライタ100a内の振る舞い切り替え部150は、タグID「IDh」に関連付けて記録されている制御情報を振る舞い対応表160から検索し、制御項目「電波強度と読み取り間隔」、制御内容「次回だけ、電波強度を5%大きくし、読み取り間隔を1秒長くする」を含んだ検索結果を主処理部130に渡す。これにより、主処理部130は、各部を制御し、次回の読み取り処理における電波強度が初期状態に比較して5%大きくなり、読み取り間隔が初期状態に比較して1秒長くなるようにする。
【0083】
第2回目の読み取り処理では、第1回目の読み取り処理で読み取った制御タグ1203の働きによって、電波強度が初期状態に比較して5%増加し、読み取り間隔が初期状態に比較して1秒長くなっているため、一番近くにある資産1200と、さらにその隣にある資産1210に貼り付けられている無線ICタグ1202、1212及び制御タグ1203、1213を読み取ることができる。
【0084】
リーダ・ライタ100aは、無線ICタグ1202、1212から読み取った資産IDを資産管理システムへ送信する。また、リーダ・ライタ100aは、2枚の制御タグ1203、1213を読み取ったので、この2枚の制御タグ1203、1213を両方とも有効にする。具体的には、リーダ・ライタ100aの主処理部130は、制御タグ1203、1213からタグID「IDh」を読み取る毎に、それを振る舞い切り替え部150に渡し、振る舞い切り替え部150は、タグID「IDh」が渡される毎に、制御項目「電波強度と読み取り間隔」、制御内容「次回だけ、電波強度を5%大きくし、読み取り間隔を1秒長くする」を含んだ検索結果を主処理部130に返す。これにより、主処理部130は、リーダ・ライタ100aの各部を制御し、次回の読み取り処理時には、電波強度が初期状態から5%大きくなった上に更に5%大きくなり、読み取り間隔が初期状態よりも2秒間長くなるようにする。
【0085】
第3回目の読み取り処理では、リーダ・ライタ100aの電波強度が第2回目の読み取り処理時よりも更に大きくなり、読み取り間隔も第2回目の読み取り処理時よりも更に長くなるので、資産1200、1210に加えてその隣にある資産1220に取り付けられている無線ICタグ1202、1212、1222及び制御タグ1203、1213、1223を読み取ることができる。
【0086】
このような処理を、新たな制御タグを読み取れなくなるまで繰り返すことにより、リーダ・ライタ100aの電波出力及び読み取り間隔が、増加していく。その結果、すべての資産に取り付けられている無線ICタグ及び制御タグを読み取るのに必要最低限度の電波強度(必要最小限の消費電力)及び最短の読み取り間隔で、倉庫内のすべての資産を確認することができるようになる。
【0087】
ここで、資産は様々な大きさや形、材質をしていることが考えられるので、その資産に貼る制御タグが変更するリーダ・ライタのパラメータは、5%のところを10%や、1秒のところを2秒にするなど、その形状・材質が電波に与える影響を考えて割合を変えても良い。また、資産の間が広く開いているなど、配置によってもこれらの値を変えて良い。
【0088】
尚、上述した実施の形態では、携帯可能なハンディ型のリーダ・ライタ100aを使用するようにしたが、その代わりに、図1に示すような、据え置き型のリーダ・ライタ100を使用するようにしても良い。また、上述した実施の形態では、新たな制御タグを読み取れなくなるまで、電波強度及び読み取り間隔を増加させながらの読み取り処理を繰り返し行うようにしたが、倉庫内に存在していると把握している資産の数と同数の無線ICタグを読み取るまで、読み取り処理を繰り返し行うようにしても良い。更に、各資産に電波強度及び読み取り間隔を制御するための制御タグに加えて、認証用の無線ICタグから読み取った資産IDの通知先を制御するために制御IDを貼り付けることにより、各資産に取り付けられている無線ICタグから読み取った資産IDを、その資産に応じた通知先(例えば、アプリケーションプログラム)に通知するようにすることもできる。
【0089】
[第6の実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、第1の実施の形態で得られる効果に加えて、倉庫内にある資産の棚卸作業をする際に、なるべく少ない消費電力で、効率良く、全ての資産に取り付けられている認証用の無線ICタグを読み取ることが可能になるという効果を得ることができる。その理由は、振る舞い対応表160に、次回の読み取り処理時に、電波強度および読み取り間隔を増加させるための制御情報が記録されているからである。
【0090】
[本発明の第7の実施の形態]
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。本実施の形態は、制御タグを利用して、リーダ・ライタの偏波方式を制御するものである。
【0091】
リーダ・ライタの無線ICタグの読み取り率は、タグの形状や向き、リーダ・ライタが発する電波の種類(円偏波、直線偏波など)でも変化する。例えば、カード型の無線ICタグでは、カード面に対して垂直に電波が通過するときに最も電波の受信効率が良くなるため、最も読み取り率が高くなる。しかし、無線ICタグの向きは状況によって変化する上、リーダ・ライタのアンテナから出力される電波もその偏波方式によって進み方が異なるため、無線ICタグの向きと偏波方式の組み合わせによっても読み取り率が変わってしまう。
【0092】
無線の偏波方式には、直線偏波と円偏波とがある。直線偏波の場合は、リーダ・ライタのアンテナと無線ICタグとが平行に面したときに最も受信効率が良くなり、最も読み取り率が良くなる一方で、垂直に面したときには、全く読み取れなくなる。また、円偏波の場合は、無線ICタグの向きにかかわらず読み取ることができるが、直線偏波に比べて全体的に読み取り率が悪い。
【0093】
そこで、本実施の形態では、制御タグを利用して、リーダ・ライタから出力する電波の偏波方式を制御することにより、無線ICタグの読み取り率を向上させるようにしている。以下、図10及び図11を参照して、本実施の形態について説明する。
【0094】
図10を参照すると、リーダ・ライタ100のアンテナ110は、直線偏波の電波を出力するための構成及び円偏波の電波を出力するための構成を備えており、出力する電波の偏波方式を切り替えられるようになっている。また、認証対象物1400の互いに直交する面には、それぞれ認証用の無線ICタグ300eおよびリーダ・ライタ100を制御するための制御タグ300fが貼り付けられている。無線ICタグ300eには、認証対象を認証するためのタグIDが記録されている。また、制御タグ300fには、制御項目「偏波方式」、制御内容「円偏波に変更」に対応するタグID(IDfとする)が記録されている。また、リーダ・ライタ100内の振る舞い対応表160には、タグID「IDf」と関連付けて、制御項目「偏波方式」、制御内容「円偏波に変更」が記録されている。ここで、無線ICタグ300e、制御タグ300fは、認証対象物1400の互いに直交する面に貼り付けられているので、アンテナ110から出力する電波の偏波方式が直線偏波である場合、無線ICタグ300eを読み取れるときは制御タグ300fを読み取れず、反対に制御タグ300fを読み取れるときは、無線ICタグ300eを読み取れないという状況が発生する可能性がある。
【0095】
[第7の実施の形態の動作の説明]
次に、本実施の形態の動作について、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0096】
リーダ・ライタ100は、認証対象物1400に貼り付けられている無線ICタグ300eおよび制御タグ300fに記録されているタグIDを読み取るために、アンテナ110から電波を出力する(ステップS111)。尚、本実施の形態では、ステップS111で出力する電波の偏波方式を、最後に出力した電波の偏波方式と同じものにするが、これに限られるものではなく、常時、直線偏波にしても良いし、常時、円偏波にしても良い。
【0097】
その後、リーダ・ライタ100内の主処理部130は、無線ICタグ300eと制御タグ300fとの両方からタグIDを読み取れたのか、何れか一方からしかタグIDを読み取れなかったのか、全くタグIDを読み取れなかったのかを判定する(ステップS112)。
【0098】
無線ICタグ300eと制御タグ300fの両方からタグIDを読み取れた場合は、主処理部130は、無線ICタグ300eから読み取ったタグIDをパーソナルコンピュータ200へ通知する(ステップS117)。このように、両方のタグ300e,300fからタグIDを読み取ることができる場合は、電波の偏波方式が円偏波である場合か、あるいは、電波の偏波方式が直線偏波で、且つ、アンテナ110がタグ300e,300fと垂直に面していない場合である。
【0099】
また、タグ300e,300fの内の一方のタグからしかタグIDを読み取ることができなかった場合は、どちらのタグからタグIDを読み取ることができたのかを判定する(ステップS113)。尚、一方のタグからしかタグIDを読み取ることができない場合は、電波の偏波方式が直線偏波である場合である。
【0100】
そして、認証用の無線ICタグ300eからタグIDを読み取った場合(ステップS113がNO)は、無線ICタグ300eから読み取ったタグIDをパーソナルコンピュータ200へ送信する(ステップS117)。これに対して、制御タグ300fからタグID「IDf」を読み取った場合は、このタグID「IDf」に関連付けて振る舞い対応表160に記録されている制御項目「偏波方式」、制御内容「円偏波に変更」の制御情報に従って、リーダ・ライタ100のアンテナ110から出力する電波の偏波方式を円偏波に変更する(ステップS115)。偏波方式を円偏波に変更することにより、無線ICタグ300eに対する読み取り率が改善される。その後、タグ300e,300fからタグIDを読み取り、無線ICタグ300eから読み取ったタグIDをパーソナルコンピュータ200へ通知する(ステップS116)。尚、ステップS116で、無線ICタグのタグIDを読み取ることができなかった場合は、例えば、エラー処理を行い、作業者などにタグに読み取りに失敗したことを知らせる。
【0101】
また、ステップS112で、どちらのタグからもタグIDを読み取ることができなかった場合は、アンテナ110から出力する電波の偏波方式を直線偏波に変更する(ステップS114)。偏波方式を直線偏波に変更するのは、電波強度を高め、読み取り率を向上させるためである。つまり、ステップS112でタグIDを読み取ることができなかった原因が、電波強度の弱い円偏波の電波を利用していたためと考え、上記した処理を行う。その後、タグ300e,300fからタグIDを読み取り、無線ICタグ300eから読み取ったタグIDをパーソナルコンピュータ200へ通知する(ステップS116)。なお、ステップS116で、無線ICタグ300eを読み取ることができなかった場合は、エラー処理を行う。
【0102】
尚、本実施の形態を、図8に示すように、ベルトコンベア800によって搬送される認証対象物に取り付けられている無線ICタグからタグIDを読み取る場合に適用することにより、読み取り率を向上させることができる。
【0103】
[第7の実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、第1の実施の形態で得られる効果に加えて、認証対象物1400に取り付けられている無線ICタグ300eの読み取り率を向上させることができるという効果を得ることができる。その理由は、認証対象物1400に偏波方式を変更するための制御タグ300fも取り付け、両タグ300e,300fの読み取り結果と、振る舞い対応表160に記録されている偏波方式を変更するための制御情報とに基づいて偏波方式を変更するようにしているからである。
【0104】
[本発明の第8の実施の形態]
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。本実施の形態は、振る舞い切り替え部および振る舞い対応表をパーソナルコンピュータ側に設置したことを特徴とする。
【0105】
図12を参照すると、本実施の形態のリーダ・ライタ制御装置は、リーダ・ライタ100bと、パーソナルコンピュータ200bと、制御タグ300とから構成されている。リーダ・ライタ100bは、アンテナ110、タグ読み書き処理部120、主処理部130、及び、通信部140を備え、パーソナルコンピュータ200bは、通信部210、アプリケーションプログラム220,230、振る舞い切り替え部150、及び、振る舞い対応表160を備えている。
【0106】
[第8の実施の形態の動作の説明]
リーダ・ライタ100b内の主処理部130は、アンテナ110及びタグ読み書き処理部120を介して制御タグ300から読み取ったタグIDを、通信部140を介してパーソナルコンピュータ200bへ送信する。パーソナルコンピュータ200b内の通信部210は、リーダ・ライタ100bから送られてきたタグIDを振る舞い切り替え部150に渡し、振る舞い切り替え部150は、上記タグIDに関連付けて記録されている制御情報を振る舞い対応表160から検索する。そして、検索した制御情報を含む検索結果を、通信部210を介してリーダ・ライタ100bに送信する。リーダ・ライタ100b内の主処理部130は、通信部140を介して検索結果を受信すると、それに含まれている制御情報に従って、リーダ・ライタ100b内の各部を制御する。
【0107】
[第8の実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、前述した第1の実施の形態で得られる効果に加え、リーダ・ライタの構成を簡単なものにすることができるという効果を得ることができる。その理由は、パーソナルコンピュータ200bに、振る舞い切り替え部150および振る舞い対応表160を設けるようにしたからである。
【0108】
[本発明の第9の実施の形態]
次に、本発明の第9の実施の形態について詳細に説明する。
【0109】
図13(A)〜(D)を参照すると、制御情報付き制御タグ1500は、タグID領域1510と、ユーザ領域1520とを備えている。この制御情報付き制御タグ1500は、無線ICタグによって実現される。
【0110】
ユーザ領域1520には、制御項目と制御内容とを含む制御情報が記録さている。例えば、同図(A)に示すユーザ領域1520には、制御項目が「電波強度」、制御内容が「10%上げる」である制御情報「電波強度を10%上げる」が記録されている。また、同図(B)に示すユーザ領域1520には、制御項目が「電波強度」、制御内容が「10%上げる」である制御情報「電波強度を10%上げる」と、制御項目が「読み取り間隔」で、制御内容が「3秒にする」である制御情報「読み取り間隔を3秒にする」との2つの制御情報が記録されている。また、同図(C)に示すユーザ領域1520には、電波強度を10%上げる処理と、読み取り間隔を3秒にする処理とを5回繰り返すことを指示する制御情報が記録されている。また、同時(D)に示すユーザ領域1520には、パラメータの値を指定する形式の制御情報であって、電波強度を10%にする制御情報と、読み取り間隔を3秒にする制御情報とが記録されている。
【0111】
タグID領域1510には、ユーザ領域1520に記録されている制御情報に従ってリーダ・ライタ100の動作を制御することを指示する制御情報に対応するタグIDが記録されている。本実施の形態では、タグID「IDg」が記録されているとする。また、リーダ・ライタ100内の振る舞い対応表160には、図2に示すように、タグID「IDg」に関連付けて、制御項目が「ユーザ領域」で、制御内容が「ユーザ領域の内容に従う」である制御情報が記録されている。
【0112】
[第9の実施の形態の動作の説明]
図1に示したリーダ・ライタ100内の主処理部130は、アンテナ110及びタグ読み書き処理部120を介して、例えば、図13(A)に示した制御情報付き制御タグ1500からタグID「IDg」及び制御情報「電波強度を10%上げる」を読み取ると、上記タグID「IDg」を振る舞い切り替え部150に渡す。振る舞い切り替え部150は上記タグID「IDg」に関連付けて記録されている、制御項目「ユーザ領域」、制御内容「ユーザ領域の内容に従う」の制御情報を振る舞い対応表160から検索し、主処理部130に返す。これにより、主処理部130は、既に読み取っている制御情報「電波強度を10%上げる」に従ってリーダ・ライタ100内の各部を制御し、アンテナ110から出力する電波の強度を10%上げる。
【0113】
また、リーダ・ライタ100内の主処理部130は、例えば、図13(B)に示した制御情報付き制御タグ1500からタグID「IDg」及び制御情報「電波強度を10%あげる、読み取り間隔を3秒にする」を読み取ると、上記タグID「IDg」を振る舞い切り替え部150に渡す。これにより、振る舞い対応表160から上記タグID「IDg」に関連付けて記録されている制御情報を検索し、主処理部130に返す。主処理部130は、既に読み取っている制御情報「電波強度を10%あげる、読み取り間隔を3秒にする」に従って、リーダ・ライタ100の各部を制御し、アンテナ110から出力する電波の強度を10%上げると共に、読み取り間隔を3秒にする。
【0114】
[第9の実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、第1の実施の形態で得られる効果に加えて、制御情報付き制御タグ1500に記録した制御情報によっても、リーダ・ライタ100の動作を制御することが可能になるという効果を得ることができる。その理由は、振る舞い対応表160に、制御情報付き制御タグ1500に記録されている制御情報に従ってリーダ・ライタ100の動作を制御することを指示する制御情報が記録されているからである。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、無線ICタグに対してデータを読み書きするリーダ・ライタを使用するシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0116】
100、100a、100b・・・リーダ・ライタ(RW)
110・・・アンテナ
120・・・タグ読み書き処理部
130・・・主処理部
140・・・通信部
150・・・振る舞い切り替え部
160・・・振る舞い対応表
200、200a、200b・・・パーソナルコンピュータ(PC)
210・・・通信部
220、230・・・アプリケーションプログラム
300、300a、300b、300c、300d、300e、300f・・・制御タグ
310・・・タグID領域
320・・・ユーザ領域
400・・・ゲートシステム
500・・・ペースメーカー
600・・・カメラ
700a、700b・・・倉庫
710a、710b・・・商品群
800・・・ベルトコンベア
810、820・・・段ボール箱
811、812・・・無線ICタグ
1200、1210、1220・・・資産
1202、1212、1222・・・無線ICタグ
1203、1213、1223・・・無線ICタグ
1300・・・資産管理システム
1400・・・認証対象物
1500・・・制御情報付き制御タグ
1510・・・タグID領域
1520・・・ユーザ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ICタグに対してデータを読み書きするタグ読み書き処理部と、
制御項目と該制御項目に対する制御内容とを含んだ複数の制御情報が、それぞれその制御情報中の制御項目と制御内容とに応じたユニークなタグIDに関連付けて記録された振る舞い対応表と、
制御項目と該制御項目に対する制御内容とに応じたユニークなタグIDが記録された無線ICタグであって、前記タグ読み書き処理部を含んだリーダ・ライタの動作を制御するための専用の無線ICタグによって構成された制御専用タグから前記タグ読み書き処理部が読み取ったタグIDと関連付けて記録されている制御情報を、前記振る舞い対応表から検索する検索部と、
該検索部が検索した制御情報に従って、前記リーダ・ライタの動作を制御する処理部とを備えたことを特徴とするリーダ・ライタ制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のリーダ・ライタ制御装置において、
前記検索部は、制御項目と制御内容とを含む制御情報が記録されると共に該記録されている制御情報に従って前記リーダ・ライタの動作を制御することを指示する制御情報に対応するユニークなタグIDが記録された制御情報付き制御専用タグであって、認証対象物を認証するための認証データは記録されていない制御情報付き制御タグから前記タグ読み書き処理部が読み取ったタグIDと関連付けて記録されている制御情報を、前記振る舞い対応部から検索し、
前記振る舞い対応表には、前記制御情報付き制御専用タグに記録されているタグIDに関連付けて、前記制御情報付き制御専用タグに記録されている制御情報に従って前記リーダ・ライタの動作を制御することを指示する制御情報が記録されていることを特徴とするリーダ・ライタ制御装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のリーダ・ライタ制御装置において、
前記振る舞い対応表に記録されている複数の制御情報の中には、互いの制御項目が異なる制御情報が存在することを特徴とするリーダ・ライタ制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のリーダ・ライタ制御装置において、
前記検索部は、前記タグ読み書き処理部が無線ICタグから読み取ったタグIDが前記振る舞い対応表に記録されていない場合は、前記無線ICタグは、認証対象物を認証するための無線ICタグであると判定することを特徴とするリーダ・ライタ制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載のリーダ・ライタ制御装置において、
前記振る舞い対応表に記録されている制御情報には、前記タグ読み書き処理部が無線ICタグから読み取った認証データの通知先を切り替えるための制御情報が記録されていることを特徴とするリーダ・ライタ制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のリーダ・ライタにおいて、
前記振る舞い対応表に記録されている制御情報には、前記リーダ・ライタから出力される電波の強度を制御するための制御情報、前記リーダ・ライタから出力される電波の偏波方式を制御するための制御情報、前記リーダ・ライタからの電波の出力を禁止するための制御情報、および、前記リーダ・ライタにおける読み取り間隔を制御するための制御情報が含まれることを特徴とするリーダ・ライタ制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のリーダ・ライタ制御装置において、
ユーザからの指示に従って、前記振る舞い対応表の内容を変更する変更手段を備えたことを特徴とするリーダ・ライタ制御装置。
【請求項8】
制御項目と該制御項目に対する制御内容とに応じたユニークなタグIDが記録された無線ICタグであって、無線ICタグに対してデータを読み書きするリーダ・ライタの動作を制御するための専用の無線ICタグによって構成されたことを特徴と制御専用タグ。
【請求項9】
制御項目と該制御項目に対する制御内容とを含んだ複数の制御情報が、それぞれその制御情報中の制御項目と制御内容とに応じたユニークなタグIDに関連付けて記録された振る舞い対応表と、無線ICタグに対してデータを読み書きするタグ読み書き処理部と、検索部と、処理部とを備えたコンピュータによって、前記タグ読み書き処理部を含んだリーダ・ライタの動作を制御するリーダ・ライタ制御方法であって、
前記タグ読み書き処理部が、御項目と該制御項目に対する制御内容とに応じたユニークなタグIDが記録された無線ICタグであって、前記タグ読み書き処理部を含むリーダ・ライタの動作を制御するための専用の無線ICタグによって構成された制御専用タグからタグIDを読み取り、
前記検索部が、前記タグ読み書き処理部が制御専用タグから読み取ったタグIDと関連付けて記録されている制御情報を、前記振る舞い対応表から検索し、
前記処理部が、前記検索部が検索した制御情報に従って前記リーダ・ライタの動作を制御することを特徴とするリーダ・ライタ制御方法。
【請求項10】
制御項目と該制御項目に対する制御内容とを含んだ複数の制御情報が、それぞれその制御情報中の制御項目と制御内容とに応じたユニークなタグIDに関連付けて記録された振る舞い対応表と、無線ICタグに対してデータを読み書きするタグ読み書き処理部と備えたコンピュータを、前記タグ読み書き処理部を含んだリーダ・ライタの動作を制御するリーダ・ライタ制御装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
制御項目と該制御項目に対する制御内容とに応じたユニークなタグIDが記録された無線ICタグであって、前記タグ読み書き処理部を含むリーダ・ライタの動作を制御するための専用の無線ICタグによって構成された制御専用タグから前記タグ読み書き処理部が読み取ったタグIDと関連付けて記録されている制御情報を、前記振る舞い対応表から検索する検索部、
該検索部が検索した制御情報に従って前記リーダ・ライタの動作を制御する処理部として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−69028(P2012−69028A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214749(P2010−214749)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】