リーダ

【課題】情報コードの読取方向とRFIDタグの読取方向とを略同一方向にしてユーザ使用に適した状態とすると共に、小型化しつつRFIDタグの読取方向について高利得化できるようにしたリーダを提供する。
【解決手段】無給電素子17bが読取口4a周辺に配設されている。このため、ユーザが光学情報読取機構6の読取口4aをRFIDタグ2に向けてRFIDタグ2との間で通信するときには、無給電素子17bが導波器として機能することでアンテナ利得を高利得化できる。無給電素子17bが読取口4a周辺に位置して当該読取口4aを囲うように配設されているため、光学情報読取機構6による読取視野を阻害することなく読取口4a付近に無給電素子17bを配設することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コード、RFIDタグの情報を読取可能なリーダに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のリーダは、バーコード、2次元コードなどの情報コードを光学的に読取可能であると共にRFIDタグの記憶情報について電波信号を通じて読取可能になっている。リーダがRFIDタグの記憶情報を読取るときには、一般にマイクロ波やUHF帯の周波数の電波を用いてRFIDタグと情報を送受信することでRFIDタグの記憶情報を読取る。
【0003】
電磁波の偏波特性を考慮すると、リーダ側のアンテナ及びRFIDタグのアンテナに直線偏波方式のアンテナを採用した場合、RFIDタグに対するリーダの配置(アンテナ相互間の角度)により通信(読取)距離が大きく変化する問題がある。
【0004】
そこで、従来より、リーダ側のアンテナとして円偏波方式のアンテナを採用することにより上記問題を解決するようにしている。他方、リーダが情報コードを光学的に読取るときには、情報コードの情報を正確に読み取るため、読取口を情報コードに向けて読取る必要がある。
【0005】
この種の技術思想が特許文献1〜3に開示されている。特許文献1記載の技術思想によれば、バーコードを読み取るための光学部に近接してアンテナを搭載することによって同一方向の読取りを行っている。しかしながら、特許文献1記載の技術思想が示すように、利得を大きくするためアンテナを大型化してしまうと、バーコードの読取視野が阻害されてしまうため配置位置の制限が多い。
【0006】
また、特許文献2に開示されているパッチアンテナの技術思想では、パッチアンテナを複数組み合わせて互いに指向性を変更することで路上アンテナの設置方向に指向性を良好に保っている。この技術思想をリーダ側のアンテナに適用したとしても、傾斜によりパッチアンテナの放射面を変更している都合上、搭載体積が増加するため好ましくない。
【0007】
また、情報コードの読取方向と、給電素子によるRFIDタグの読取方向とを略同一方向にすることがユーザの使用に適しており、この種の技術が要望されている。
他方、図14〜図17は、従来より公知のアンテナ構造を示している。図14(a)および図14(b)は、一般的なダイポールアンテナとその指向性を示している。このダイポールアンテナ100は、アンテナエレメント102が給電点101の両脇に延伸しており、指向性はアンテナエレメント102の延伸方向と直交する方向に強くなる。
【0008】
図15(a)および図15(b)、図16(a)および図16(b)は、それぞれ、2素子の八木アンテナとその指向性を示している。
図15(a)または図16(a)に示すように、ダイポールアンテナ100のアンテナエレメント102の延伸方向と直交方向に離間して無給電素子103が設けられている。図15(b)および図16(b)に示すように、無給電素子103はアンテナエレメント102との間の距離に応じて導波器として機能したり、反射器として機能したりする。
【0009】
図17(a)および図17(b)は、特許文献3に開示されているアンテナとその指向性を示している。この特許文献3記載の技術思想では、2つのダイポールアンテナに給電し、短いアンテナエレメントを導波器として機能させることによって単指向性を実現するようにしている。例えば、図17(a)に示す構造では、給電を分岐しているため給電構造が複雑になってしまい、また1点給電よりも損失が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−157744号公報
【特許文献2】特開2007−288398号公報
【特許文献3】特開2007−020093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、情報コードの読取方向とRFIDタグの読取方向とを略同一方向にしてユーザ使用に適した状態とすると共に、小型化しつつRFIDタグの読取方向について高利得化することができるリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、光学情報読取機構により読取口を介して情報コードを光学的に読取ることができ、電波通信機構は、RFIDタグに記憶された情報について電波信号を介して読取ることができる。パッチアンテナによる給電素子が主として電波信号を送受信してRFIDタグとの間で通信する。無給電素子が光学情報読取機構の読取口周辺に配設されているため、ユーザが光学情報読取機構の読取口をRFIDタグに向けてRFIDタグとの間で通信するときには、無給電素子が導波器として機能することでアンテナ利得を高利得化できる。しかも、無給電素子は、コ字型の線状部材により読取口を囲うように配設されているため、光学情報読取機構による読取視野を阻害することなく読取口付近に配設することができる。これにより、情報コードの読取方向とRFIDタグの読取方向とを略同一方向にしてユーザ使用に適した状態とすることができ、小型化しつつRFIDタグの読取方向について高利得化することができる。
【0013】
請求項2に係る発明のように、電波通信機構が波長λの電波信号によりRFIDタグとの間で通信する場合には、パッチアンテナのグランド面の垂直方向に向けてグランド面からλ/60〜λ/10の範囲の距離に無給電素子を配設すると良い。また、請求項3に係る発明のように、パッチアンテナのグランド面の水平方向に向けてグランド面の端部から0〜λ/15の範囲の距離に無給電素子を配設すると良い。このような発明によれば、アンテナをさらに高利得化することができる。
【0014】
請求項4に係る発明のように、無給電素子に整合素子を備えていても良いし、請求項5に係る発明のように、無給電素子が直線状に延伸する線分部と当該線分部の両端に位置して屈曲した屈曲部とを備えたコ字型に形成されている場合に、線分部の両端の屈曲した屈曲部に位置してジグザグに折り曲げられてなる折曲部を備えて無給電素子を構成しても良い。このような場合、送受信周波数に応じたアンテナ整合を容易にできると共に、無給電素子の形状に制約があったとしても当該制約条件に柔軟に対応することができる。
【0015】
請求項6に係る発明のように、無給電素子が線分部と当該線分部の両端に位置して屈曲した屈曲部とを備えたコ字型に形成されている場合に、線分部がパッチアンテナのグランド面側に配設されているため、アンテナの導波器としての特性を良好に保つことができる。請求項7に係る発明のように、屈曲部がパッチアンテナのグランド面側に近接配置されていると共に前記線分部がパッチアンテナのグランド面から離間して配設されていても良い。また、請求項8に係る発明のように、給電素子および無給電素子が内蔵されていると、より小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるアンテナの配置図((a)はリーダ内の構造を概略的に示す縦断面側面図、(b)は読取口付近の無給電素子の配置形態を概略的に示す図)
【図2】リーダの電気的構成を概略的に示すブロック図
【図3】(a)(b)はアンテナ構造とその指向特性図(その1)
【図4】(a)(b)はアンテナ構造とその指向特性図(その2)
【図5】(a)(b)はアンテナ構造とその指向特性図(その3)
【図6】(a)(b)はアンテナ構造とその指向特性図(その4)
【図7】(a)(b)はアンテナ構造とその電流分布を示す図(その1)
【図8】(a)(b)はアンテナ構造とその電流分布を示す図(その2)
【図9】(a)(b)はアンテナ構造とその電流分布を示す図(その3)
【図10】(a)(b)はアンテナ構造とその電流分布を示す図(その4)
【図11】(a)(b)は無給電素子の配置位置に応じたアンテナ利得を示す図(その1)
【図12】(a)(b)は無給電素子の配置位置に応じたアンテナ利得を示す図(その2)
【図13】本発明の第2の実施形態についてアンテナ構造の一例を示す図
【図14】(a)(b)は従来例を示すアンテナ構造とその指向特性図(その1)
【図15】(a)(b)は従来例を示すアンテナ構造図とその指向特性図(その2)
【図16】(a)(b)は従来例を示すアンテナ構造図とその指向特性図(その3)
【図17】(a)(b)は従来例を示すアンテナ構造図とその指向特性図(その4)
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、バーコード/RFIDタグリーダの外観と内部構造を概略的に示している。
バーコード/RFIDタグリーダ1(以下、リーダ)は、バーコードBを光学的に読取可能に構成されていると共に、例えば商品などの物品に付されるRFIDタグ2との間で電磁波(例えば950MHzのUHF帯周波数の電波)による通信を行い電力の供給、及び、データの読取りを行うようになっている。UHF帯の電波を用いて通信を行うと、例えばHF帯やマイクロ波帯と比べて長距離での通信が可能となる。本実施形態では数十cm程度の通信距離を想定している。本実施形態では、ライタ機能を省いたリーダ1に適用した実施形態を示す。
【0018】
このリーダ1は、ユーザによる携帯が可能なハンディタイプのものである。RFIDタグ2は、例えばプラスチック製の荷札状に構成され、その内部にはリーダ1との間での通信を行うためのタグ側のアンテナ(図示せず)を備えると共に、データの保持及び応答信号を発生しリーダ1に応答するRFIDチップ(図示せず)を備えて構成される。
【0019】
また、RFIDタグ2は、リーダ1の給電用信号から動作電源を得るための整流および平滑回路、通信等の制御を行うCPU、送受信信号の変調、復調を行う変復調回路、動作プログラムやデータ等を記憶するメモリなどをワンチップ化して構成されている。このRFIDタグ2のメモリには添付されるべき商品に関するデータが記憶される。
【0020】
リーダ1は、そのケース(筐体)4内に、RFIDタグ2との間で電波による通信を行う電波通信機構5、バーコードBを光学的に読取る光学情報読取機構6、制御回路7、表示部8、操作部9、電池パック10などを組み込んで構成されている。
【0021】
ケース4は、基端側(図1(a)の右側)が把持部となっており、その先端側(図1(a)の左側)が徐々に幅広な構成となると共に前方に下降傾斜するように折曲がって構成され、その先端部が読取口4aとなっている。図1(b)に読取口4a付近の構造を示すように、読取口4aは横長矩形状になっている。
【0022】
このケース4の基端側の上面部には操作部9が設けられている。この操作部9は、複数のキースイッチ9aからなる。ケース4の先端側の上面部にはLCDからなる表示部8が設けられている。さらにケース4には読取り指示用のトリガキー(図示せず)も設けられている。制御回路7、表示部8、キースイッチ9aは、ケース4内に配設されたプリント配線基板11に実装されている。電池パック10はケース4の基端側の下側に位置して内蔵されている。
【0023】
光学情報読取機構6は、CCDエリアセンサなどの撮像素子12を備えると共に読取口4aの内側近傍に配置されたカメラユニット13等からなっており、撮像素子12の撮像信号がケーブル14、プリント配線基板11を通じて制御回路7に与えられるようになっている。カメラユニット13は、撮像素子12、結像レンズ15、複数個のLED等からなる照明光源16をユニット化して構成されている。
【0024】
したがって、ユーザが、ケース4の読取口4aを読取対象に向けた状態で読取操作を行うことにより、照明光源からの照明光が読取対象に照射され、その反射光が結像レンズ15を通して入射し、撮像素子12に入射する。制御回路7は、撮像素子12に入射された撮像画像データからバーコードBのデコード処理を行うようになっている。
【0025】
図2は、電波通信機構の電気的構成ブロックを概略的に示している。
電波通信機構5は、リーダ側アンテナ17、このリーダ側アンテナ17に接続された送信回路18、受信回路19を備えている。アンテナ17は、給電素子17aとこの給電素子17aの周辺に配置された無給電素子17bからなる。
【0026】
図1(a)に示すように、リーダ1のアンテナ17aはケース4の下面側のほぼ中央に配置されている。給電素子17aは、電池パック10とカメラユニット13との間に配置されている。給電素子17aは、セラミック製の誘電体材料で形成されたアンテナ基板(符号なし)を基材とし、その下面側にパッチアンテナのアンテナ面17aa(アンテナエレメント)を備えると共に、前記アンテナ基板の上面側にパッチアンテナのグランド面17abを備えている。アンテナ面17aaおよびグランド面17abは共に、銅箔等の導電材料によって構成されており、図1(a)の奥行方向および左右方向には例えば矩形状(正方形状)に形成されている。アンテナ面17aaはグランド面17abよりも狭い。
【0027】
この給電素子17aのアンテナ面17aaには、制御回路7からマイクロストリップラインや同軸線路などを通じて変調信号が供給される。アンテナ面17aaは、水平面(図1(a)の左右方向および奥行方向)に沿った導体面として構成され、円偏波の電波を送受信可能となる。この電波信号の高指向性となる主伝播方向は、下方向(垂直方向)D1に比較してやや前方となる前下方向D2とすると良い。これは読取口4aが前方に下降傾斜しているためである。
【0028】
ユーザは、RFIDタグ2から記憶情報を読み出す場合にも、バーコードBを読取る場合と同様の方向で例えば読取口4aを通じて読み出すと考える場合もある。したがって、ユーザがバーコードBを光学的に読取る状態と同一の読取状態においてユーザがRFIDタグ2の記憶情報を読取る体制を取ることができれば、ユーザが違和感を覚えることがなくなり望ましい体制になると考えられる。したがって、電波信号の主伝播方向D2を、バーコードBの読取方向D3の傾斜とほぼ一致して傾斜するように設定すると良い。
【0029】
このように、電波信号の主伝播方向D2をバーコードBの読取方向D3とほぼ一致するように設定するため、本実施形態では、無給電素子17bが読取口4a周辺に位置して設けられている。
【0030】
図1(b)に示すように、ケース先端4cは、読取口4aの周囲を覆うように設けられている。無給電素子17bは例えば金属製の線状部材により構成され、読取口4a近傍のケース先端4cの内側に位置してコ字型(逆C字状)に形成された状態で配設されている。したがって、無給電素子17bは、読取口4aの周辺(例えば読取口4aの周囲の一部)に位置して当該読取口4aを囲うように配設されている。これにより、読取口4aを通じたカメラユニット13による結像や照明光源16による光照射を阻害しないように構成されている。無給電素子17bは、直線状に延伸する線分部17baと、当該線分部17baの両端に位置して屈曲した屈曲部17bbとからなる。
【0031】
図3(a)〜図6(a)は、給電素子と無給電素子の配置関係を下面側から見て示した平面図であり、図3(b)〜図6(b)は、給電素子と無給電素子の配置関係を側面側から見て示した断面と指向特性を概略的に示している。
図3(a)に示すように、給電素子17aが単体で設けられている場合には、図3(b)に示すように指向性は給電素子17aのパッチアンテナ装着側の下方に向けて強く、パッチアンテナ装着側とは逆側上方には指向性が弱い。尚、図4(b)〜図6(b)には、パッチアンテナ単体での指向性を点線によって比較例として示している。
【0032】
図4(a)に示すように、直線状の無給電素子17cが給電素子17aの左片脇の上下方向に配置されている場合には、図4(b)に示すように前下方向D2の指向性は給電素子17a単体の場合と比較して相対的に弱まる。
【0033】
図5(a)に示すように、給電素子17aの左片脇の上下方向にコ字型(逆C字型)の無給電素子17bが配置されている場合には、図5(b)に示すように前下方向D2の指向性は給電素子17a単体の場合と比較して相対的に強まる。
【0034】
図6(a)に示すように、無給電素子17bの線分部17baが給電素子17aのアンテナ面17aaに平面的に重なるように配置されている場合には、図6(b)に示すように、前下方向D2の指向性は給電素子17a単体の場合と比較して相対的に弱まる。したがって、コ字型の無給電素子17bは給電素子17aと平面的に重ならないように配置されることによって前下方向D2の指向特性を良好にすることができる。
【0035】
図7(a)〜図10(a)と図7(b)〜図10(b)は、給電素子および無給電素子の配置関係を下面側から見て示した平面図と電流分布とを対応付けて示している。図7〜図10は、図3〜図6のそれぞれに対応した電流分布特性を示している。
【0036】
これらの図7〜図10に示すように、給電素子17aのアンテナ面17aaには下端辺部から上端辺部にかけて上方向に電流が流れ、下端辺部から上端辺部にかけての中央付近にはそれぞれ電流分布の腹が存在する。図7(a)に示すように、無給電素子17bが配置されておらず、給電素子17aが単体配置されている場合には、図7(b)に示すように、アンテナ面17aの上端辺部および下端辺部の中央部に位置して電流変極点17azが存在する。
【0037】
図8(a)に示すように、直線状の無給電素子17cが給電素子17aの左片脇の上下方向に配置されている場合、図9(a)に示すように、コ字型(逆C字型)の無給電素子17bが配置されている場合には、電流変極点17azの位置はほぼ変化しないが、図10(a)に示すように、給電素子17aに無給電素子17bが平面的に重なるように配置されている場合には、アンテナ系の共振周波数にずれが生じ電流変極点17azの位置が無給電素子17bの配設方向に移動することが判明している。したがって、アンテナ構造の共振周波数に注目した場合には、無給電素子17bを給電素子17aに近接しすぎた配置にするとアンテナ利得が低下することがわかる。
【0038】
図11は、給電素子17aとコ字型の無給電素子17bとの間の垂直方向(上下方向)の位置関係およびそのアンテナ利得特性を概略的に示している。
この図11に示すように、無給電素子17bが、給電素子17aのグランド面から垂直方向の距離d1=λ/60〜λ/10の範囲内に配置されている場合、利得が4[dBi]得られており、その他の範囲では利得が低下することがわかる。したがって、無給電素子17cを給電素子17aと近設配置する場合には、給電素子17aのグランド面からの距離d1をλ/60〜λ/10の範囲内にすると良い。
【0039】
図12は、給電素子17aとコ字型の無給電素子17bとの間の水平方向の位置関係およびその利得特性を概略的に示している。
この図12に示すように、無給電素子17bが、給電素子17aの左辺端部から水平方向の距離d2=0[mm]〜λ/15の範囲内に配置されている場合、利得が4[dBi]得られており、その他の範囲では利得が低下することがわかる。したがって、無給電素子17bを給電素子17aと近設配置する場合には、給電素子17aの左辺端部からの距離d2を0[mm]〜λ/15の範囲内にすると良い。このような配置形態とすると、アンテナを更に高利得化することができる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、無給電素子17bが読取口4a周辺に配設されているため、ユーザが光学情報読取機構6の読取口4aをRFIDタグ2に向けて設置してRFIDタグ2との間で通信するときには、無給電素子17bが導波器として機能することでアンテナ利得を高利得化できる。しかも、無給電素子17bが読取口4a周辺に位置して当該読取口4aを囲うように配設されているため、光学情報読取機構6による読取視野を阻害することなく読取口4a付近に無給電素子17bを配設することができる。これにより、バーコードBの読取方向D3とRFIDタグ2の読取方向D2とを略同一方向にしてユーザ使用に適した状態とすることができ、小型化しつつRFIDタグ2の読取方向D2について高利得化することができる。
給電素子17aおよび無給電素子17bは、ケース4内に内蔵されているため小型化できる。
【0041】
(第2の実施形態)
図13は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、無給電素子の形状や配置形態を変更したところにある。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
【0042】
図13(a)に示すように、コ字型の無給電素子17bを左右反対向きに配置した逆コ字型(C字型)の無給電素子17dを設けても良いし、図13(b)に示すように、整合素子17eaを備えた無給電素子17eを配置しても良い。無給電素子17eが整合素子17eaを備えている場合には、当該無給電素子17eがインダクタ性を有するインピーダンス素子を具備していると良い。
【0043】
この場合、インダクタ性を有する整合素子17eaが、電流の多く流れる無給電素子17eの線分部17ebの中央付近に配置されていると、小さなインダクタ値の整合素子17eaであっても実効長を長くできるという効果が得られる。また、近年の小型化の要求に対応するためには、整合素子17eaをコの字型のうちの端部に設けると良い。すなわち、無給電素子17eは直線状に延伸する線分部17ebと、当該線分部17ebの両端に位置して屈曲した屈曲部17ecとを備えているが、屈曲部17ecが直線状に長く形成されていると、ケース4のデザインによっては、屈曲部17ecの短い方がケース4内に収納しやすくなる場合があるためである。
【0044】
したがって、ケース4のデザインの自由度を優先し、当該ケース4内に収納しやすくするためには、屈曲部17ecを短くしながら当該屈曲部17ecに位置して整合素子17eaを配置すると良い。すると、屈曲部17ecを小型化することができ、ほぼ直線形状に構成できる。これにより、ケース4の形状要求に合わせて柔軟に対応できるようになる。
【0045】
図13(c)に示すように、折曲部17faを備えた無給電素子17fを配置しても良い。折曲部17faは、直線状に延伸する線分部17fbの両端の屈曲した部分に位置して設けられている。このようにして、無給電素子17d〜17fがそれぞれ給電素子17aの脇に位置して設けられたとしても前述実施形態とほぼ同様の作用効果が得られる。
【0046】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下に示す変形または拡張が可能である。
前述実施形態では、バーコードBを読み取るリーダ1に適用したが、さらに、他の1次元コード、または、QRコード(登録商標)などの2次元コード、など他の情報コードを読み取るためのリーダに適用しても良い。電波通信機構5がRFIDタグ2との間でUHF帯を用いて通信処理を行う形態を示したが、マイクロ波帯など他の帯域を利用して通信を行う形態に適用しても良い。
【0047】
リーダ1はRFIDタグ2の記憶データの読取りのみに関わらず、RFIDタグ2へのデータ書込みも可能なリーダに適用しても良い。
無給電素子17bの形状がコ字型に形成されていれば、無給電素子17bと給電素子17aとの相対的な配設関係は、前記実施形態で説明した位置関係に限られない。無給電素子17bが給電素子17aの設置位置から読取口4a側の当該読取口4a付近に位置していれば、無給電素子17bは何れの位置に配設されていても良い。
給電素子17a、無給電素子17bは、その何れか一方もしくは双方がケース4の外部に設置されていても良い。
【符号の説明】
【0048】
図面中、1はリーダ、2はRFIDタグ、3はタグ側アンテナ、4はケース、4aは読取口、5は電波通信機構、6は光学情報読取機構、7は制御回路、8は表示部、9は操作部、10は電池パック、11はプリント配線基板、12は撮像素子、13はカメラユニット、14はケーブル、15は結像レンズ、16は照明光源、17はリーダ側アンテナ、17aは給電素子、17aaはアンテナ面、17abはグランド面、17b〜17fは無給電素子、17ebは線分部、17ecは屈曲部、17faは折曲部、17fbは線分部、18は送信回路、19は受信回路を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取口を介して情報コードを光学的に読取るための光学情報読取機構と、
RFIDタグに記憶された情報について電波信号を介して読取るための電波通信機構とを備え、
前記電波通信機構は、グランド面およびアンテナ面を備えたパッチアンテナによる給電素子と、コ字型の線状部材により形成され前記光学情報読取機構の読取口周辺に位置して当該読取口を囲うように配設された無給電素子とを備えたことを特徴とするリーダ。
【請求項2】
前記電波通信機構が波長λの電波信号によりRFIDタグとの間で通信する場合、
前記無給電素子は、前記パッチアンテナのグランド面の垂直方向に向けて前記グランド面からλ/60〜λ/10の範囲の距離に配設されていることを特徴とする請求項1記載のリーダ。
【請求項3】
前記電波通信機構が波長λの電波信号によりRFIDタグとの間で通信する場合、
前記無給電素子は、前記パッチアンテナのグランド面の水平方向に向けて前記グランド面の端部から0〜λ/15の範囲の距離に配設されていることを特徴とする請求項1または2記載のリーダ。
【請求項4】
前記無給電素子は、整合素子を備えたことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のリーダ。
【請求項5】
前記無給電素子は、直線状に延伸する線分部と当該線分部の両端に位置して屈曲した屈曲部とを備えた前記コ字型に形成されると共に、前記屈曲部に位置してジグザグに折曲げられてなる折曲部とを備えていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のリーダ。
【請求項6】
前記無給電素子は、直線状に延伸する線分部と当該線分部の両端に位置して屈曲した屈曲部とを備えた前記コ字型に形成され、前記線分部が前記パッチアンテナのグランド面側に位置して配設されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のリーダ。
【請求項7】
前記無給電素子は、線分部と当該線分部の両端に位置して屈曲されてなる屈曲部とを備えた前記コ字型に成型され、前記屈曲部が前記パッチアンテナのグランド面側に近接配置されていると共に前記線分部が前記パッチアンテナのグランド面から離間して配設されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のリーダ。
【請求項8】
前記給電素子および前記無給電素子は共に、内蔵されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載のリーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−226605(P2010−226605A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73695(P2009−73695)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】