説明

ルート検索装置、ルート検索方法およびルート検索プログラム

【課題】より正確なエネルギー消費量を算出することにより、適切なルートを検索する。
【解決手段】ルート検索装置202は、候補ルートごとに、候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するための傾斜角演算部16と、傾斜角演算部16によって算出された各候補ルートにおける傾斜角に基づいて、各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するための消費量演算部17と、消費量演算部17によって算出された各エネルギー消費量に基づいて、各候補ルートに優先度を付与する動作、および各候補ルートの中から、エネルギー消費量の少ない1または複数の候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうための推奨ルート検索部15と、傾斜角演算部16は、地表高情報記憶部12によって記憶された各地点の地表高のうち、候補ルートにおける地点の地表高に基づいて傾斜角を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルート検索装置、ルート検索方法およびルート検索プログラムに関し、特に、エネルギー消費の少ないルートを検索することが可能なルート検索装置、ルート検索方法およびルート検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーションシステムのルート検索機能として、目的地までの時間が早いルート、距離が短いルート、および道幅の広いルートなどを条件としてルート案内の優先度を重み付けする検索技術がある。また、現在の道路交通情報を加味し、上記の優先度に基づいて渋滞を迂回するルートを検索する技術がある。
【0003】
一般に、同じ速度で自動車を走行させた場合、平地に比べ、上り傾斜の場合は消費燃料が多くなり、下り傾斜の場合は消費燃料が少なくなる。このような道路の勾配を考慮した経路探索を行い、消費燃料の少ないルートを検索する技術として、たとえば、特開2010−32541号公報(特許文献1)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、経路探索装置は、地図情報と燃費情報とを記憶する手段と、現況の交通情報を配信するセンタから交通情報を入手する情報入手手段と、上記情報入手手段で入手した現況の交通情報と上記地図情報と上記燃費情報とを用いてリンクコストを求めるリンクコスト算出手段と、上記リンクコスト算出手段により算出されたリンクコストを用いて経路を探索する経路探索手段とを有する。
【0004】
そして、上記地図情報は、道路勾配を示す情報を含み、上記燃費情報は、道路勾配および走行速度に対する燃費を示す情報であり、上記リンクコスト算出手段は、上記地図情報から各リンクの道路勾配を求め、上記情報入手手段で入手した現況の交通情報から各リンクの推定走行速度を求め、上記燃費情報を用いて各リンクの上記道路勾配と上記推定走行速度とに対応する消費燃料量を求め、上記消費燃料量が少ない経路が探索されるようにリンクコストを算出する。
【0005】
また、特開2009−193425号公報(特許文献2)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、ナビゲーション装置は、対象道路に関する対象道路情報として、対象道路の各交差点についての交差点情報を取得し、その対象道路情報に基づいて、停止時の消費燃料量の推定値と通過時の消費燃料量の推定値とを重み付けすることにより、上記対象道路の各交差点を上記車両が通る際の消費燃料量をそれぞれ推定する。また、対象道路の交通情報、車両の重量、および勾配情報などを取得し、上記対象道路を走行する場合の走行燃費または消費燃料量を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−32541号公報
【特許文献2】特開2009−193425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の検索技術では、検索されたルートのアップダウンが激しい場合には、多少遠距離となっても平地のルートを選択した方が、消費燃料が少なくなる場合がある。
【0008】
ここで、道路勾配を用いて消費燃料量を算出する場合、市販の標高値を利用して道路の傾斜角度を求める方法が考えられる。しかしながら、標高値を利用する方法では、地球の表面の高さ、すなわち海面等の基準面からの高さを用いるため、実測値と異なる場合がある。
【0009】
たとえば、東西に走る道路と南北に走る道路との立体交差を考えると、交差点の標高値はどちらの道路も同じであるが、南北に走る道路が高架になっていた場合、南北のルートの傾斜を正しく求めることはできない。
【0010】
しかしながら、特許文献1および特許文献2には、このような問題点を解決するための構成は開示されていない。
【0011】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、より正確なエネルギー消費量を算出することにより、適切なルートを検索することが可能なルート検索装置、ルート検索方法およびルート検索プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるルート検索装置は、現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するための候補ルート検索部と、上記候補ルート検索部によって検索された上記候補ルートごとに、上記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するための傾斜角演算部と、上記傾斜角演算部によって算出された各上記候補ルートにおける上記傾斜角に基づいて、上記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するための消費量演算部と、上記消費量演算部によって算出された各上記エネルギー消費量に基づいて、上記各候補ルートに優先度を付与する動作、および上記各候補ルートの中から、上記エネルギー消費量の少ない1または複数の上記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうための推奨ルート検索部と、各地点の地表高を示す情報を記憶するための地表高情報記憶部とを備え、上記傾斜角演算部は、上記地表高情報記憶部によって記憶された各上記地表高のうち、上記候補ルートにおける地点の地表高に基づいて上記傾斜角を算出する。
【0013】
またこの発明の別の局面に係わるルート検索装置は、現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するための候補ルート検索部と、上記候補ルート検索部によって検索された上記候補ルートごとに、上記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するための傾斜角演算部と、上記候補ルート検索部によって検索された各上記候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得するためのアクセル情報取得部と、上記傾斜角演算部によって算出された上記各候補ルートにおける上記傾斜角、および上記アクセル情報取得部によって取得された上記各候補ルートの上記アクセル情報に基づいて、上記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するための消費量演算部と、上記消費量演算部によって算出された各上記エネルギー消費量に基づいて、上記各候補ルートに優先度を付与する動作、および上記各候補ルートの中から、上記エネルギー消費量の少ない1または複数の上記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうための推奨ルート検索部とを備える。
【0014】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるルート検索方法は、現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するステップと、検索した上記候補ルートごとに、上記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するステップと、算出した各上記候補ルートにおける上記傾斜角に基づいて、上記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するステップと、算出した各上記エネルギー消費量に基づいて、上記各候補ルートに優先度を付与する動作、および上記各候補ルートの中から、上記エネルギー消費量の少ない1または複数の上記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうステップとを含み、上記傾斜角を算出するステップにおいては、上記各地点の地表高に基づいて上記傾斜角を算出する。
【0015】
またこの発明の別の局面に係わるルート検索方法は、現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するステップと、検索した上記候補ルートごとに、上記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するステップと、検索した各上記候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得するステップと、算出した上記各候補ルートにおける上記傾斜角、および取得した上記各候補ルートの上記アクセル情報に基づいて、上記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するステップと、算出した各上記エネルギー消費量に基づいて、上記各候補ルートに優先度を付与する動作、および上記各候補ルートの中から、上記エネルギー消費量の少ない1または複数の上記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうステップとを含む。
【0016】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるルート検索プログラムは、コンピュータに、現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するステップと、検索した上記候補ルートごとに、上記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するステップと、算出した各上記候補ルートにおける上記傾斜角に基づいて、上記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するステップと、算出した各上記エネルギー消費量に基づいて、上記各候補ルートに優先度を付与する動作、および上記各候補ルートの中から、上記エネルギー消費量の少ない1または複数の上記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうステップとを実行させ、上記傾斜角を算出するステップにおいては、上記各地点の地表高に基づいて上記傾斜角を算出する。
【0017】
またこの発明の別の局面に係わるルート検索プログラムは、コンピュータに、現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するステップと、検索した上記候補ルートごとに、上記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するステップと、検索した各上記候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得するステップと、算出した上記各候補ルートにおける上記傾斜角、および取得した上記各候補ルートの上記アクセル情報に基づいて、上記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するステップと、算出した各上記エネルギー消費量に基づいて、上記各候補ルートに優先度を付与する動作、および上記各候補ルートの中から、上記エネルギー消費量の少ない1または複数の上記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、より正確なエネルギー消費量を算出することにより、適切なルートを検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置が提供する制御構造を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置がルート検索処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置が消費燃料を条件として候補ルートを検索する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るルート検索装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るルート検索装置を用いたルート検索の具体例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るルート検索装置におけるルートの優先度付与の具体例を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るルート検索装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0021】
<第1の実施の形態>
[装置構成]
本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置は、典型的には、汎用的なアーキテクチャを有するコンピュータを基本構造としており、予めインストールされたプログラムを実行することで、後述するような各種機能を提供する。一般的に、このようなプログラムは、フレキシブルディスク(Flexible Disk)およびCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの記録媒体に格納されて、あるいはネットワークなどを介して流通する。
【0022】
本発明の第1の実施の形態に係るプログラムは、他のプログラムの一部に組み込まれて提供されるものであってもよい。この場合でも、本発明の第1の実施の形態に係るプログラム自体は、上記のような組み込み先の他のプログラムが有するモジュールを含んでおらず、当該他のプログラムと協働して処理が実行される。すなわち、本発明の第1の実施の形態に係るプログラムとしては、このような他のプログラムに組み込まれた形態であってもよい。
【0023】
なお、代替的に、プログラムの実行により提供される機能の一部または全部を専用のハードウェア回路として実装してもよい。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置の概略構成図である。図1を参照して、ルート検索装置201は、演算処理部であるCPU(Central Processing Unit)101と、メインメモリ102と、ハードディスク103と、入力インタフェース104と、表示コントローラ105と、データリーダ/ライタ106と、通信インタフェース107と、サウンドコントローラ112とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。バス121は、後述するホストバスおよび/またはPCIバスに対応する。
【0025】
CPU101は、ハードディスク103に格納されたプログラム(コード)をメインメモリ102に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ102は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置であり、ハードディスク103から読み出されたプログラムに加えて、各種の演算処理結果を示すデータなどを保持する。また、ハードディスク103は不揮発性の磁気記憶装置であり、CPU101で実行されるプログラムに加えて、各種設定値などが格納される。このハードディスク103にインストールされるプログラムは、後述するように、記録媒体111に格納された状態で流通する。なお、ハードディスク103に加えて、あるいはハードディスク103に代えて、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を採用してもよい。
【0026】
入力インタフェース104は、CPU101とキーボード108、マウス109および図示しないタッチパネルなどの入力部との間のデータ伝送を仲介する。すなわち、入力インタフェース104は、ユーザが入力部を操作することで与えられる操作指令などの外部からの入力を受け付ける。
【0027】
表示コントローラ105は、表示部の典型例であるディスプレイ110と接続され、ディスプレイ110での表示を制御する。すなわち、表示コントローラ105は、CPU101による画像処理の結果などをユーザに対して表示する。ディスプレイ110は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)またはCRT(Cathode Ray Tube)である。
【0028】
サウンドコントローラ112は、音出力部の典型例であるスピーカ113と接続され、スピーカ113での音出力を制御する。すなわち、サウンドコントローラ112は、CPU101による音声処理の結果などをユーザに対して出力する。
【0029】
データリーダ/ライタ106は、CPU101と記録媒体111の間のデータ伝送を仲介する。すなわち、記録媒体111は、ルート検索装置201で実行されるプログラムなどが格納された状態で流通し、データリーダ/ライタ106は、この記録媒体111からプログラムを読み出す。また、データリーダ/ライタ106は、CPU101の内部指令に応答して、ルート検索装置201における処理結果などを記録媒体111へ書き込む。なお、記録媒体111は、たとえば、CF(Compact Flash)およびSD(Secure Digital)などの汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)などの磁気記憶媒体、またはCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体である。
【0030】
通信インタフェース107は、CPU101と他のパーソナルコンピュータおよびサーバ装置などの間のデータ伝送を仲介する。通信インタフェース107は、典型的には、イーサネット(登録商標)またはUSB(Universal Serial Bus)の通信機能を有する。なお、記録媒体111に格納されたプログラムをルート検索装置201にインストールする形態に代えて、通信インタフェース107を介して配信サーバなどからダウンロードしたプログラムをルート検索装置201にインストールしてもよい。
【0031】
また、ルート検索装置201には、必要に応じてプリンタなどの他の出力装置が接続されてもよい。
【0032】
[制御構造]
次に、ルート検索装置201におけるルート検索機能を提供するための制御構造について説明する。
【0033】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置が提供する制御構造を示すブロック図である。
【0034】
図2に示すルート検索装置201における地理情報蓄積部12以外の各ブロックは、ハードディスク103に格納されたプログラム(コード)などをメインメモリ102に展開して、CPU101に実行させることで提供される。なお、図2に示すルート検索装置201の制御構造の一部または全部を専用ハードウェアおよび/または配線回路によって実現してもよい。また、地理情報蓄積部12は、たとえば図1に示すメインメモリ102またはハードディスク103に相当する。表示出力制御部18は、たとえば図1に示す表示コントローラ105に相当する。音声出力制御部19は、たとえば図1に示すサウンドコントローラ112に相当する。
【0035】
図2を参照して、ルート検索装置201は、位置取得部11と、地理情報蓄積部12と、情報入力部13と、交通情報取得部14と、検索部(候補ルート検索部および推奨ルート検索部)15と、傾斜角演算部16と、消費量演算部(停止地点情報取得部)17と、表示出力制御部18と、音声出力制御部19とを備える。地理情報蓄積部12は、住所管理DB(データベース)21と、建物管理DB22と、道路情報DB23と、標高データDB24とを含む。情報入力部13は、たとえば図1に示す入力インタフェース104に相当する。
【0036】
検索部15は、現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索する。
【0037】
傾斜角演算部16は、検索部15によって検索された候補ルートごとに、候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出する。
【0038】
消費量演算部17は、傾斜角演算部16によって算出された各候補ルートにおける傾斜角に基づいて、各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する。
【0039】
検索部15は、消費量演算部17によって算出された各エネルギー消費量に基づいて、各候補ルートに優先度を付与する動作を行なう。
【0040】
より詳細には、傾斜角演算部16は、候補ルートを複数の区間に分割し、各区間の始点および終点間の傾斜角を算出する。たとえば、傾斜角演算部16は、候補ルートを一定間隔で複数の区間に分割する。
【0041】
消費量演算部17は、傾斜角演算部16によって算出された各区間の傾斜角に基づいて各区間の評価値を算出し、算出した各区間の評価値に基づいて候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する。
【0042】
また、消費量演算部17は、検索部15によって検索された各候補ルートにおいて、目的地への進行が一時停止される可能性のある停止地点の情報を取得する。
【0043】
たとえば、消費量演算部17は、停止地点として交差点の情報を取得する。また、消費量演算部17は、現在の交通状況を示す交通情報を取得し、交通情報に基づいて停止地点の情報を取得する。
【0044】
そして、消費量演算部17は、傾斜角演算部16によって算出された各候補ルートにおける傾斜角、および消費量演算部17によって取得された各候補ルートにおける停止地点に基づいて、各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する。
【0045】
表示出力制御部18は、検索部15によって優先度が付与されたかまたは選択された各候補ルートのリストを表示し、各候補ルートのうち、ユーザが選択した候補ルートの詳細内容を表示する。
【0046】
以下、ルート検索装置201の詳細動作の一例を説明する。位置取得部11は、たとえばGPS(global positioning system:全地球測位システム)衛星からの情報を受信することにより、所望の推奨ルートを得るために必要な現在地を特定する。
【0047】
地理情報蓄積部12には、住所管理DB21と、建物管理DB22と、道路情報DB23と、標高データDB24とが登録されている。
【0048】
住所管理DB21は、住所または電話番号などから、所望の推奨ルートを得るために必要な位置を特定するための情報を有する。
【0049】
建物管理DB22は、建物名称および会社名などから、所望の推奨ルートを得るために必要な位置を特定するための情報を有する。
【0050】
道路情報DB23は、国道、県道および市道などの道路管理情報、有料道路か一般道路かの道路種別を検索するための情報、ならびに、車線数、道路幅および交差点の有無などを検索するための情報を有する。
【0051】
標高データDB24には、一定間隔の標高値が登録されており、標高データDB24を参照することにより、各地点の標高値を検索することが可能である。
【0052】
情報入力部13は、ユーザによるボタンおよびリモコン等の操作を受け付け、当該操作内容を各部へ通知する。ユーザは、地理情報蓄積部12の情報を参照して、情報入力部13により、たとえば有料道路、距離および時間などの優先度の条件、ならびに目的地の情報をルート検索装置201に対して入力する。
【0053】
交通情報取得部14は、FM(frequency modulation)放送、VICS(Vehicle Information and Communication System)および交通情報センタなどからの現在の道路状況、たとえば通行止めおよび渋滞などの状況を受信する。
【0054】
検索部15は、位置取得部11によって取得された現在位置と、情報入力部13を介して入力された条件および目的地と、地理情報蓄積部12および交通情報取得部14の情報とに基づいて最適なルートを検索する。
【0055】
傾斜角演算部16は、検索部15によって検索された候補ルートを一定間隔で区切った各地点の標高値を地理情報蓄積部12から取得し、各地点間の傾斜角を求める。
【0056】
消費量演算部17は、傾斜角演算部16によって取得された傾斜角と、地理情報蓄積部12および交通情報取得部14の情報とに基づいて、推定される消費燃料量を求める。
【0057】
検索部15は、各候補ルートのうち、消費燃料量の少ないルートに高い優先度を付与する。
【0058】
表示出力制御部18は、検索部15による優先度の付与結果に基づいて、候補ルートのリストをたとえばディスプレイ110に表示する。
【0059】
音声出力制御部19は、表示出力制御部18によって表示された候補ルートの中からユーザがルートを決定すると、音声により、決定されたルートを表示出力制御部18と協働して案内する。
【0060】
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置がルート検索処理を行なう際の動作について図面を用いて説明する。本発明の第1の実施の形態では、ルート検索装置201を動作させることによって、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索方法が実施される。よって、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索方法の説明は、以下のルート検索装置201の動作説明に代える。なお、以下の説明においては、適宜図1を参照する。
【0061】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置がルート検索処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0062】
図3を参照して、まず、位置取得部11は、現在の位置(座標)を取得する(ステップS201)。
【0063】
次に、ユーザは、目的地を決めるために、目的地設定ボタンを押下する。情報入力部13は、以降も同様に、このようなユーザの操作を受け付ける(ステップS202)。
【0064】
次に、表示出力制御部18は、地理情報蓄積部12に登録されている住所管理DB21と、建物管理DB22とを参照することにより、住所による検索、電話番号による検索、建物名称による検索、ホテルおよびガソリンスタンドなどのジャンルによる検索、ならびに地域からの絞り込み検索などの一覧を表示する(ステップS203)。
【0065】
次に、ユーザは、表示出力制御部18によって表示された一覧から、情報入力部13経由で項目を選択することにより、より詳細な一覧を表示出力制御部18に表示させる(ステップS204)。
【0066】
そして、ユーザは、目的地を絞り込むまで項目の選択を繰り返す(ステップS205)。
【0067】
次に、表示出力制御部18は、地理情報蓄積部12に登録されている道路情報DB23を参照することにより、ルート探索条件を表示する(ステップS206)。
【0068】
このルート探索条件として、ユーザは、距離優先、時間優先および燃費優先などの条件指定を行なうことができる。
【0069】
距離優先では、目的地までの距離が短いルートを優先する。時間優先では、目的地までの到着予想時刻が早いルートを優先する。燃費優先では、目的地まで通常走行した場合の燃料の消費量が少ないルートを優先する。その他、有料道路および一般道路の選択、あるいは、道幅の広い道を優先するか否かの選択など、複数の条件の組み合わせを考慮してもよい。
【0070】
次に、ユーザは、表示出力制御部18によって表示された各項目から、情報入力部13経由で項目を選択することにより、ルート探索条件を決定する(ステップS207)。
【0071】
次に、検索部15は、ユーザによって指定された目的地およびルート探索条件と、交通情報取得部14によって取得された道路状況と、地理情報蓄積部12の情報とに基づいて、推奨ルート候補を求める(ステップS208)。
【0072】
次に、表示出力制御部18は、検索部15によって得られた推奨ルート候補を表示する(ステップS209)。
【0073】
次に、ユーザは、表示出力制御部18によって表示された推奨ルート候補の中から、情報入力部13経由でルートを確定する(ステップS210)。
【0074】
次に、情報表示出力制御部18および音声出力制御部19は、ユーザが確定したルートの案内を開始する(ステップS211)。
【0075】
案内中にユーザがルートから逸れた場合には、検索部15は、逸れた地点から目的地までのルートを再探索する(ステップS212)。
【0076】
次に、情報表示出力制御部18および音声出力制御部19は、ユーザが目的地に到着すれば、ルート案内を終了する(ステップS213)。
【0077】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置が消費燃料を条件として候補ルートを検索する際の動作手順を定めたフローチャートである。図4は、ユーザがルート探索条件として燃費優先を選択した場合における、図3に示すステップS208の動作を詳細に示している。
【0078】
図4を参照して、まず、検索部15は、道路勾配を考慮しない場合の候補ルートを検索する(ステップS301)。
【0079】
次に、傾斜角演算部16は、検索部15によって検索されたルートを一定間隔、たとえば100m間隔で分割する(ステップS302)。ここで、傾斜角演算部16は、目的地までの距離が短い場合には分割の間隔を短くする。また、傾斜角演算部16は、距離が長い場合には分割の間隔を長くすることにより計算時間を短縮する。
【0080】
次に、傾斜角演算部16は、地理情報蓄積部12に登録されている標高データDB24を参照することにより、分割した地点の高さを取得する(ステップS303)。
【0081】
次に、傾斜角演算部16は、取得した各地点の高さに基づいて、すなわち各区間における始点および終点の高さに基づいて、傾斜角(勾配)を求める(ステップS304)。
【0082】
次に、消費量演算部17は、傾斜角演算部16によって求められた傾斜角と、道路情報DB23を参照することにより得られた交差点の有無を示す情報等とに基づいて、想定される燃料の消費量を示す燃料消費ポイントを求める(ステップS305)。
【0083】
燃料消費ポイントを求める方法として、具体的には、たとえば道路情報DB23が示す走行可能速度から燃料消費ポイントを求める際に、下り勾配たとえば勾配が−1%より小さい場合には0.8ポイント、逆に上り勾配たとえば+1%より大きい場合には1.2ポイントなどとして、道路勾配による燃料消費量の変化を考慮する。
【0084】
また、交差点がある場合はプラス0.05ポイント加算するなど、車両が停止する可能性がある情報に対しても考慮する。なお、交通情報取得部14によって取得された道路状況を用いてもよい。
【0085】
また、燃料消費ポイントの比率を、ルートの分割間隔の長短で変更してもよい。たとえば、分割間隔が短い場合には、ルートのアップダウンが多く得られることから燃料消費ポイントの加減算単位を小さくし、分割間隔が長い場合には燃料消費ポイントの加減算単位を大きくする。
【0086】
消費量演算部17は、ステップS302〜ステップS305の処理をルートの終点まで行い、当該ルートの燃料消費ポイントを得る(ステップS306)。
【0087】
たとえば、消費量演算部17は、当該ルートにおいて上り勾配が何区間あったかを保持しておき、目的地まで平坦なルートの燃料消費ポイントと、上り下りが同数のルートの燃料消費ポイントとが同じであった場合には、上り勾配が多いルートの方が消費燃料は多くなるため、これらのルートの燃料消費ポイントに差をつける。
【0088】
そして、消費量演算部17は、検索部15によって検索されたたとえば最大10ルートについて、ステップS302〜ステップS306までの処理を行なう(ステップS307)。
【0089】
次に、検索部15は、消費量演算部17によって求められた各ルートの消費量に基づいて、各候補ルートの中で消費燃料の少ないルートの優先度が高くなるように、各候補ルートの優先度を決定する(ステップS308)。
【0090】
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置では、検索部15は、現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索する。
【0091】
傾斜角演算部16は、検索部15によって検索された候補ルートごとに、候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出する。
【0092】
消費量演算部17は、傾斜角演算部16によって算出された各候補ルートにおける傾斜角に基づいて、各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する。
【0093】
検索部15は、消費量演算部17によって算出された各エネルギー消費量に基づいて、各候補ルートに優先度を付与する動作を行なう。
【0094】
すなわち、たとえばカーナビゲーションシステムにおいて、ルート上の一定間隔での高さ情報から傾斜角を求め、傾斜角に基づく燃料消費量を考慮して、傾斜角(高低差)の少ないルートに高い優先度を付与する。すなわち、消費燃料量が少なくなるルートを推奨ルートとし、ルート検索結果一覧表示において、消費燃料量の少ない順に各ルートを表示する。これにより、一定の速度でより長く走行することが可能なルートを選択することができる。
【0095】
また、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置では、傾斜角演算部16は、候補ルートを複数の区間に分割し、各区間の始点および終点間の傾斜角を算出する。そして、消費量演算部17は、傾斜角演算部16によって算出された各区間の傾斜角に基づいて各区間の評価値を算出し、算出した各区間の評価値に基づいて候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する。
【0096】
このように、候補ルートにおける各区間について評価値を算出する構成により、候補ルートのエネルギー消費量を適切に算出することができる。
【0097】
また、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置では、傾斜角演算部16は、候補ルートを一定間隔で複数の区間に分割する。
【0098】
このような構成により、候補ルートにおける各区間の評価値を簡易な処理で適切に算出することができる。
【0099】
また、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置では、消費量演算部17は、検索部15によって検索された各候補ルートにおいて、目的地への進行が一時停止される可能性のある停止地点の情報を取得する。そして、消費量演算部17は、傾斜角演算部16によって算出された各候補ルートにおける傾斜角、および消費量演算部17によって取得された各候補ルートにおける停止地点に基づいて、各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する。
【0100】
このように、ルート検索を行なう際に、道路勾配から判断した消費燃料量の少ないルートの優先度を高くするとともに、さらに、現在の交通状況および交差点などの道路情報を加味する。すなわち、停車および発車による消費燃料量の増加の影響を考慮した上で、消費燃料量が少なくなるルートを推奨ルートとする。これにより、一定の速度でより長く走行することが可能なルートをさらに正確に選択することができる。
【0101】
また、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置では、消費量演算部17は、停止地点として交差点の情報を取得する。
【0102】
このような構成により、停車および発車による消費燃料量の増加の影響を適切に判断することができる。
【0103】
また、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置では、消費量演算部17は、現在の交通状況を示す交通情報を取得し、交通情報に基づいて停止地点の情報を取得する。
【0104】
このような構成により、停車および発車による消費燃料量の増加の影響を適切に判断することができる。
【0105】
また、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置では、表示出力制御部18は、検索部15によって優先度が付与されたかまたは選択された各候補ルートのリストを表示し、各候補ルートのうち、ユーザが選択した候補ルートの詳細内容を表示する。
【0106】
このような構成により、ユーザにエネルギー消費量の少ないルートを表示し、適切なルート検索機能を提供することができる。
【0107】
なお、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置では、検索部15は、消費量演算部17によって算出された各エネルギー消費量に基づいて、各候補ルートに優先度を付与する動作を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではない。検索部15は、各候補ルートの中から、エネルギー消費量の少ない1または複数の候補ルートを推奨ルートとして選択する動作を行なう構成であってもよい。
【0108】
また、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置では、候補ルートの全分割区間の傾斜角を求める構成であるとしたが、これに限定するものではない。各候補ルートの一部、すなわち少なくとも2地点間の傾斜角を求める構成であってもよい。
【0109】
また、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置は、たとえばGPS機能を備えた携帯端末に搭載することにより、自転車および歩行者向けのナビゲーションとしても利用することが可能である。
【0110】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0111】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係るルート検索装置と比べて傾斜角の算出方法を改良したルート検索装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係るルート検索装置と同様である。
【0112】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るルート検索装置の構成を示す図である。
【0113】
図5を参照して、ルート検索装置202では、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置と比べて、地理情報蓄積部(地表高情報記憶部)12が、さらに、地表高データDB25を含む。
【0114】
地表高データDB25は、標高データDB24の代わりにルートの高さ情報として使用される。
【0115】
ルート検索装置202では、地表高情報のある地点においては、標高値からではなく地表高から傾斜角を算出する。
【0116】
すなわち、地理情報蓄積部12は、各地点の地表高を示す情報を記憶する。傾斜角演算部16は、地理情報蓄積部12によって記憶された各地表高のうち、候補ルートにおける地点の地表高に基づいて傾斜角を算出する。
【0117】
また、傾斜角演算部16は、地理情報蓄積部12によって候補ルートにおける地点の地表高が記憶されていない場合には、地理情報蓄積部12によって記憶された各標高のうち、候補ルートにおける地点の標高に基づいて傾斜角を算出する。
【0118】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係るルート検索装置を用いたルート検索の具体例を示す図である。
【0119】
図6を参照して、ここでは、カーナビゲーションシステムを利用する場合において、目的地が大阪駅である場合について説明する。
【0120】
位置取得部11は、GPS機能により、衛星から現在地を取得する(ステップS501)。
【0121】
次に、ユーザは、目的地を求めるために、「目的地」ボタンを押下する(ステップS502)。なお、「目的地」ボタンに限らず、タッチパネルを用いる場合には、ユーザによる表示画面上の操作が可能であってもよい。また、リモコンによって表示画面上の操作が可能であってもよい。
【0122】
次に、目的地を決定するため、表示出力制御部18は、ディスプレイ上に「住所より検索」「電話番号より検索」「地域より絞込み」「名称入力」などの初期メニュー表示を行なう(ステップS503)。なお、過去に求めた目的地の情報を地理情報蓄積部12に登録することにより、「過去に検索した地点」のメニューを追加してもよい。
【0123】
ここで、地理情報蓄積部12は、住所および電話番号と位置(座標)とが対応付けされたデータ、ならびに公共施設および観光スポットなどの建物名称および地名と位置とが対応付けされたデータが登録されているデータベースを有し、このデータベースがハードディスク103内に格納されているものとする。
【0124】
次に、ユーザは、表示された初期メニューから項目を選択する。今回は「地域より絞込み」を選択する(ステップS504)。
【0125】
次に、表示出力制御部18は、ユーザが項目を選択すると、「地域より絞込み」メニューを表示する。ユーザは、近畿→大阪と絞り込む(ステップS505)。
【0126】
次に、表示出力制御部18は、地理情報蓄積部12に登録されている建物管理DB22を参照することにより大阪府内の建物施設を検索し、交通、観光および宿泊などのジャンルによるメニューを表示する(ステップS506)。
【0127】
次に、ユーザは、ジャンルによるメニューから交通→駅と絞り込む(ステップS507)。
【0128】
次に、表示出力制御部18は、大阪府内の駅名一覧を表示する(ステップS508)。そして、ユーザは、駅名一覧から「大阪駅」を選択する(ステップS509)。なお、一覧項目数が多い場合には、「あ行」→「お」のようにさらに絞り込めるようにしてもよい。
【0129】
次に、表示出力制御部18は、探索条件メニューを表示する(ステップS510)。
【0130】
次に、ユーザは、探索条件として燃費優先となる「消費燃料」を選択する(ステップS511)。
【0131】
次に、表示出力制御部18は、探索条件設定が完了すると、大阪駅を中心とした地図を表示する(ステップS512)。ここで、地図の中心にはマーカーを表示する。
【0132】
次に、ユーザは、「決定」ボタンを押下して目的地を確定する(ステップS513)。なお、大阪駅ではなく、大阪駅周辺の場所を目的地とする場合には、ユーザは、地図をスクロールさせて、目的地を変更可能である。
【0133】
次に、検索部15は、目的地が決定されると、地理情報蓄積部12に登録されている情報と、交通情報取得部14によって取得された情報とに基づいて、推奨ルート候補を検索する(ステップS514)。
【0134】
次に、表示出力制御部18は、探索条件である燃費優先に従って消費量演算部17により優先度が付与された推奨ルート候補を、各優先度に基づいて表示する(ステップS515)。
【0135】
次に、ユーザが推奨ルート候補一覧から情報入力部13経由でルートを選択する。そうすると、表示出力制御部18は、現在地から大阪駅までの簡易ルートを表示するとともに、ルート上の距離および時間を表示する(ステップS516)。
【0136】
次に、ユーザがどのルートにするかを情報入力部13経由で決定すると、表示出力制御部18は、案内開始表示を行い、音声出力制御部19とともにルート案内を行なう(ステップS517)。
【0137】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るルート検索装置におけるルートの優先度付与の具体例を示す図である。図7は、地表高データを使用して推奨ルート候補を検索する場合を示している。
【0138】
図7を参照して、まず、検索部15は、高さ情報を使用せずに、すなわち道路勾配を考慮せずにルート検索を行なう(ステップS601)。
【0139】
次に、傾斜角演算部16は、検索部15によって検索されたたとえば3つの候補ルートから、最初のルートを一定間隔、たとえば100m間隔に分割する(ステップS602)。ここでは、現在地から目的地まで100分割する、すなわち現在地から目的地までが10kmであったとする。
【0140】
次に、傾斜角演算部16は、現在地点の高さおよび最初の分割地点1の高さを、地理情報蓄積部12の地表高データDB25を参照することにより取得する(ステップS603)。ここで、傾斜角演算部16は、現在地点または分割地点1の地表高が得られない場合には、ルート検索装置201と同様に、標高データDB24を参照することにより、各地点の高さを取得する。
【0141】
次に、傾斜角演算部16は、取得した各地点の高さに基づいて勾配を算出する(ステップS604)。たとえば、現在地点の高さが34.0mであり、分割地点1の高さが35.0mであった場合には、間隔が100mで高さが+1.0mのため、勾配は1.0%となる。
【0142】
次に、消費量演算部17は、得られた勾配(1.0%)から、ポイント方式により当該区間の燃料消費ポイントを1.2ポイントとする。また、消費量演算部17は、地理情報蓄積部12の道路情報DB23を参照することにより当該区間の交差点の数を取得する。交差点の数がたとえば1箇所である場合には+0.05ポイント加算する。これにより、当該区間は1.25ポイントとなる(ステップS605)。
【0143】
このようにして、消費量演算部17は、目的地までの全100分割区間に対し、ステップS603〜ステップS605の処理を繰り返す。そして、たとえば、燃料消費ポイントとして、当該ルートの合計ポイント=210ポイントが得られたとする(ステップS606)。また、当該ルートにおける上り勾配の回数は51回であったとする。
【0144】
次に、消費量演算部17は、検索部15によって得られた残りの候補ルートについても、同様にステップS602〜ステップS606の処理を行い、燃料消費ポイントおよび上り勾配回数を得る。たとえば、ルート1の燃料消費ポイントが210ポイントであり、上り勾配が51回であり、ルート2の燃料消費ポイントが243ポイントであり、上り勾配が49回であり、ルート3の燃料消費ポイントが224ポイントであり、上り勾配が60回である結果が得られたとする。この場合、消費量演算部17は、燃料消費ポイントの少ない順、すなわちルート1、ルート3、ルート2の順に優先度を付与する(ステップS607)。
【0145】
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係るルート検索装置では、地理情報蓄積部12は、各地点の地表高を示す情報を記憶する。そして、傾斜角演算部16は、地理情報蓄積部12によって記憶された各地表高のうち、候補ルートにおける地点の地表高に基づいて傾斜角を算出する。
【0146】
このように、道路の高低差から傾斜角を求める際、使用する高さ情報として、市販の標高値の代わりに、地表高を利用する。地表高は、たとえば、測量された実測値、および航空写真などから得られる。これにより、立体交差および高速道路などの高架部についても正しい高さ情報を取得し、これに基づいて精度のよい傾斜角を求めることができる。
【0147】
また、本発明の第2の実施の形態に係るルート検索装置では、地理情報蓄積部12は、各地点の標高を示す情報を記憶する。そして、傾斜角演算部16は、地理情報蓄積部12によって候補ルートにおける地点の地表高が記憶されていない場合には、地理情報蓄積部12によって記憶された各標高のうち、候補ルートにおける地点の標高に基づいて傾斜角を算出する。
【0148】
このような構成により、地表高の情報が得られていないルートについても、標高の情報を用いてエネルギー消費量を算出することができる。
【0149】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係るルート検索装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0150】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0151】
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係るルート検索装置と比べて消費量演算に用いる情報を追加したルート検索装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係るルート検索装置と同様である。
【0152】
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るルート検索装置の構成を示す図である。
【0153】
図8を参照して、ルート検索装置203は、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置と比べて、さらに、アクセル情報DB26を備える。
【0154】
ルート検索装置203では、傾斜角、および走行時のアクセルを踏み込む強さを示す情報をECU(Engine Control Unit)から取得し、地理情報蓄積部12におけるアクセル情報DB26に実績値として蓄積する。
【0155】
消費量演算部(アクセル情報取得部)17は、検索部15によって検索された各候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得する。そして、消費量演算部17は、傾斜角演算部16によって算出された各候補ルートにおける傾斜角、および消費量演算部17によって取得された各候補ルートのアクセル情報に基づいて、各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する。
【0156】
具体的には、消費量演算部17は、検索ルートが過去に走行したルートである場合には、アクセル情報をアクセル情報DB26から取得する。
【0157】
すなわち、消費量演算部17は、アクセル情報DB26を参照することにより、アクセルを踏み込む強さを示すアクセルポイントを、ルート検索装置201と同様にして求めた道路勾配および交通情報による燃料消費ポイントに加算し、全体の燃料消費ポイントが少ないルートに高い優先度を付与する。
【0158】
また、消費量演算部17は、検索ルートが新規ルートである場合には、地理情報蓄積部12から、新規ルートに似た傾斜角および走行速度などの道路情報を取得し、これに基づいてアクセルポイントを算出する。
【0159】
より詳細には、既存のアクセル情報に対して、同じ走行可能速度の条件下で、傾斜角が上り勾配であればアクセルポイントを増加させ、下り勾配であればアクセルポイントを減少させる。また、傾斜角がほぼ同じ条件下で、より高速な走行が可能であればアクセルポイントを増加させる。
【0160】
なお、ルート検索装置203では、ルート検索を行った走行時だけでなく、ルート検索を行なわない通常走行時においても、傾斜角および走行時のアクセルを踏み込む強さの情報をECUから取得し、蓄積しておく。これにより、ルート検索時のアクセルポイントの算出精度を向上させることができる。
【0161】
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係るルート検索装置では、消費量演算部17は、検索部15によって検索された各候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得する。そして、消費量演算部17は、傾斜角演算部16によって算出された各候補ルートにおける傾斜角、および消費量演算部17によって取得された各候補ルートのアクセル情報に基づいて、各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する。
【0162】
このような構成により、本発明の第1の実施の形態に係るルート検索装置と比べて、各候補ルートのエネルギー消費量をさらに適切に算出することができる。
【0163】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係るルート検索装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0164】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0165】
上記実施の形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載されうるが、本発明の範囲は、以下の付記に限定されるものではない。
【0166】
[付記1]
現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するための候補ルート検索部と、
前記候補ルート検索部によって検索された前記候補ルートごとに、前記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するための傾斜角演算部と、
前記傾斜角演算部によって算出された各前記候補ルートにおける前記傾斜角に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するための消費量演算部と、
前記消費量演算部によって算出された各前記エネルギー消費量に基づいて、前記各候補ルートに優先度を付与する動作、および前記各候補ルートの中から、前記エネルギー消費量の少ない1または複数の前記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうための推奨ルート検索部と、
各地点の地表高を示す情報を記憶するための地表高情報記憶部とを備え、
前記傾斜角演算部は、前記地表高情報記憶部によって記憶された各前記地表高のうち、前記候補ルートにおける地点の地表高に基づいて前記傾斜角を算出する、ルート検索装置。
【0167】
[付記2]
前記ルート検索装置は、さらに、
各地点の標高を示す情報を記憶するための標高情報記憶部を備え、
前記傾斜角演算部は、前記地表高情報記憶部によって前記候補ルートにおける地点の地表高が記憶されていない場合には、前記標高情報記憶部によって記憶された各前記標高のうち、前記候補ルートにおける地点の標高に基づいて前記傾斜角を算出する、付記1に記載のルート検索装置。
【0168】
[付記3]
前記傾斜角演算部は、前記候補ルートを複数の区間に分割し、各前記区間の始点および終点間の傾斜角を算出し、
前記消費量演算部は、前記傾斜角演算部によって算出された前記各区間の前記傾斜角に基づいて前記各区間の評価値を算出し、算出した前記各区間の評価値に基づいて前記候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する、付記1または2に記載のルート検索装置。
【0169】
[付記4]
前記傾斜角演算部は、前記候補ルートを一定間隔で複数の区間に分割する、付記2または3に記載のルート検索装置。
【0170】
[付記5]
前記ルート検索装置は、さらに、
前記候補ルート検索部によって検索された各前記候補ルートにおいて、目的地への進行が一時停止される可能性のある停止地点の情報を取得するための停止地点情報取得部を備え、
前記消費量演算部は、前記傾斜角演算部によって算出された前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および前記停止地点情報取得部によって取得された前記各候補ルートにおける前記停止地点に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する、付記1から4のいずれかに記載のルート検索装置。
【0171】
[付記6]
前記停止地点情報取得部は、前記停止地点として交差点の情報を取得する、付記5に記載のルート検索装置。
【0172】
[付記7]
前記停止地点情報取得部は、現在の交通状況を示す交通情報を取得し、前記交通情報に基づいて前記停止地点の情報を取得する、付記5に記載のルート検索装置。
【0173】
[付記8]
前記ルート検索装置は、さらに、
前記推奨ルート検索部によって優先度が付与されたかまたは選択された各前記候補ルートのリストを表示し、前記各候補ルートのうち、ユーザが選択した前記候補ルートの詳細内容を表示するための表示制御部を備える、付記1から7のいずれかに記載のルート検索装置。
【0174】
[付記9]
前記ルート検索装置は、さらに、
前記候補ルート検索部によって検索された各前記候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得するためのアクセル情報取得部を備え、
前記消費量演算部は、前記傾斜角演算部によって算出された前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および前記アクセル情報取得部によって取得された前記各候補ルートの前記アクセル情報に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する、付記1から8のいずれかに記載のルート検索装置。
【0175】
[付記10]
現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するための候補ルート検索部と、
前記候補ルート検索部によって検索された前記候補ルートごとに、前記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するための傾斜角演算部と、
前記候補ルート検索部によって検索された各前記候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得するためのアクセル情報取得部と、
前記傾斜角演算部によって算出された前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および前記アクセル情報取得部によって取得された前記各候補ルートの前記アクセル情報に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するための消費量演算部と、
前記消費量演算部によって算出された各前記エネルギー消費量に基づいて、前記各候補ルートに優先度を付与する動作、および前記各候補ルートの中から、前記エネルギー消費量の少ない1または複数の前記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうための推奨ルート検索部とを備える、ルート検索装置。
【0176】
[付記11]
現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するステップと、
検索した前記候補ルートごとに、前記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するステップと、
算出した各前記候補ルートにおける前記傾斜角に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するステップと、
算出した各前記エネルギー消費量に基づいて、前記各候補ルートに優先度を付与する動作、および前記各候補ルートの中から、前記エネルギー消費量の少ない1または複数の前記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうステップとを含み、
前記傾斜角を算出するステップにおいては、前記各地点の地表高に基づいて前記傾斜角を算出する、ルート検索方法。
【0177】
[付記12]
前記ルート検索方法は、さらに、
前記傾斜角を算出するステップにおいては、前記各地点の地表高が得られていない場合には、前記各地点の標高に基づいて前記傾斜角を算出する、付記11に記載のルート検索方法。
【0178】
[付記13]
前記傾斜角を算出するステップにおいては、前記候補ルートを複数の区間に分割し、各前記区間の始点および終点間の傾斜角を算出し、
前記エネルギー消費量を算出するステップにおいては、算出した前記各区間の前記傾斜角に基づいて前記各区間の評価値を算出し、算出した前記各区間の評価値に基づいて前記候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する、付記11または12に記載のルート検索方法。
【0179】
[付記14]
前記傾斜角を算出するステップにおいては、前記候補ルートを一定間隔で複数の区間に分割する、付記12または13に記載のルート検索方法。
【0180】
[付記15]
前記ルート検索方法は、さらに、
検索した各前記候補ルートにおいて、目的地への進行が一時停止される可能性のある停止地点の情報を取得するステップを含み、
前記エネルギー消費量を算出するステップにおいては、算出した前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および取得した前記各候補ルートにおける前記停止地点に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する、付記11から14のいずれかに記載のルート検索方法。
【0181】
[付記16]
前記停止地点の情報を取得するステップにおいては、前記停止地点として交差点の情報を取得する、付記15に記載のルート検索方法。
【0182】
[付記17]
前記停止地点の情報を取得するステップにおいては、現在の交通状況を示す交通情報を取得し、前記交通情報に基づいて前記停止地点の情報を取得する、付記15に記載のルート検索方法。
【0183】
[付記18]
前記ルート検索方法は、さらに、
優先度を付与したかまたは選択した各前記候補ルートのリストを表示し、前記各候補ルートのうち、ユーザが選択した前記候補ルートの詳細内容を表示するステップを含む、付記11から17のいずれかに記載のルート検索方法。
【0184】
[付記19]
前記ルート検索方法は、さらに、
検索した各前記候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得するステップを含み、
前記エネルギー消費量を算出するステップにおいては、算出した前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および取得した前記各候補ルートの前記アクセル情報に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する、付記11から18のいずれかに記載のルート検索方法。
【0185】
[付記20]
現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するステップと、
検索した前記候補ルートごとに、前記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するステップと、
検索した各前記候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得するステップと、
算出した前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および取得した前記各候補ルートの前記アクセル情報に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するステップと、
算出した各前記エネルギー消費量に基づいて、前記各候補ルートに優先度を付与する動作、および前記各候補ルートの中から、前記エネルギー消費量の少ない1または複数の前記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうステップとを含む、ルート検索方法。
【0186】
[付記21]
コンピュータに、
現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するステップと、
検索した前記候補ルートごとに、前記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するステップと、
算出した各前記候補ルートにおける前記傾斜角に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するステップと、
算出した各前記エネルギー消費量に基づいて、前記各候補ルートに優先度を付与する動作、および前記各候補ルートの中から、前記エネルギー消費量の少ない1または複数の前記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうステップとを実行させ、
前記傾斜角を算出するステップにおいては、前記各地点の地表高に基づいて前記傾斜角を算出する、ルート検索プログラム。
【0187】
[付記22]
前記ルート検索プログラムは、さらに、コンピュータに、
前記傾斜角を算出するステップにおいては、前記各地点の地表高が得られていない場合には、前記各地点の標高に基づいて前記傾斜角を算出する、付記21に記載のルート検索プログラム。
【0188】
[付記23]
前記傾斜角を算出するステップにおいては、前記候補ルートを複数の区間に分割し、各前記区間の始点および終点間の傾斜角を算出し、
前記エネルギー消費量を算出するステップにおいては、算出した前記各区間の前記傾斜角に基づいて前記各区間の評価値を算出し、算出した前記各区間の評価値に基づいて前記候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する、付記21または22に記載のルート検索プログラム。
【0189】
[付記24]
前記傾斜角を算出するステップにおいては、前記候補ルートを一定間隔で複数の区間に分割する、付記22または23に記載のルート検索プログラム。
【0190】
[付記25]
前記ルート検索プログラムは、さらに、コンピュータに、
検索した各前記候補ルートにおいて、目的地への進行が一時停止される可能性のある停止地点の情報を取得するステップを実行させ、
前記エネルギー消費量を算出するステップにおいては、算出した前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および取得した前記各候補ルートにおける前記停止地点に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する、付記21から24のいずれかに記載のルート検索プログラム。
【0191】
[付記26]
前記停止地点の情報を取得するステップにおいては、前記停止地点として交差点の情報を取得する、付記25に記載のルート検索プログラム。
【0192】
[付記27]
前記停止地点の情報を取得するステップにおいては、現在の交通状況を示す交通情報を取得し、前記交通情報に基づいて前記停止地点の情報を取得する、付記25に記載のルート検索プログラム。
【0193】
[付記28]
前記ルート検索プログラムは、さらに、コンピュータに、
優先度を付与したかまたは選択した各前記候補ルートのリストを表示し、前記各候補ルートのうち、ユーザが選択した前記候補ルートの詳細内容を表示するステップを実行させる、付記21から27のいずれかに記載のルート検索プログラム。
【0194】
[付記29]
前記ルート検索プログラムは、さらに、コンピュータに、
検索した各前記候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得するステップを実行させ、
前記エネルギー消費量を算出するステップにおいては、算出した前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および取得した前記各候補ルートの前記アクセル情報に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する、付記21から28のいずれかに記載のルート検索プログラム。
【0195】
[付記30]
コンピュータに、
現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するステップと、
検索した前記候補ルートごとに、前記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するステップと、
検索した各前記候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得するステップと、
算出した前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および取得した前記各候補ルートの前記アクセル情報に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するステップと、
算出した各前記エネルギー消費量に基づいて、前記各候補ルートに優先度を付与する動作、および前記各候補ルートの中から、前記エネルギー消費量の少ない1または複数の前記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうステップとを実行させる、ルート検索プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0196】
本発明によれば、たとえばカーナビゲーションシステムにおいて、より正確なエネルギー消費量を算出することにより、適切なルートを検索することが可能である。したがって、本発明は、産業上の利用可能性を有している。
【符号の説明】
【0197】
11 位置取得部
12 地理情報蓄積部(地表高情報記憶部)
13 情報入力部
14 交通情報取得部
15 検索部(候補ルート検索部および推奨ルート検索部)
16 傾斜角演算部
17 消費量演算部(停止地点情報取得部)
18 表示出力制御部
19 音声出力制御部
21 住所管理DB
22 建物管理DB
23 道路情報DB
24 標高データDB
25 地表高データDB
26 アクセル情報DB
101 CPU
102 メインメモリ
103 ハードディスク
104 入力インタフェース
105 表示コントローラ
106 データリーダ/ライタ
107 通信インタフェース
108 キーボード
109 マウス
110 ディスプレイ
111 記録媒体
112 サウンドコントローラ
113 スピーカ
121 バス
201,202,203 ルート検索装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するための候補ルート検索部と、
前記候補ルート検索部によって検索された前記候補ルートごとに、前記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するための傾斜角演算部と、
前記傾斜角演算部によって算出された各前記候補ルートにおける前記傾斜角に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するための消費量演算部と、
前記消費量演算部によって算出された各前記エネルギー消費量に基づいて、前記各候補ルートに優先度を付与する動作、および前記各候補ルートの中から、前記エネルギー消費量の少ない1または複数の前記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうための推奨ルート検索部と、
各地点の地表高を示す情報を記憶するための地表高情報記憶部とを備え、
前記傾斜角演算部は、前記地表高情報記憶部によって記憶された各前記地表高のうち、前記候補ルートにおける地点の地表高に基づいて前記傾斜角を算出する、ルート検索装置。
【請求項2】
前記ルート検索装置は、さらに、
各地点の標高を示す情報を記憶するための標高情報記憶部を備え、
前記傾斜角演算部は、前記地表高情報記憶部によって前記候補ルートにおける地点の地表高が記憶されていない場合には、前記標高情報記憶部によって記憶された各前記標高のうち、前記候補ルートにおける地点の標高に基づいて前記傾斜角を算出する、請求項1に記載のルート検索装置。
【請求項3】
前記傾斜角演算部は、前記候補ルートを複数の区間に分割し、各前記区間の始点および終点間の傾斜角を算出し、
前記消費量演算部は、前記傾斜角演算部によって算出された前記各区間の前記傾斜角に基づいて前記各区間の評価値を算出し、算出した前記各区間の評価値に基づいて前記候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する、請求項1または2に記載のルート検索装置。
【請求項4】
前記ルート検索装置は、さらに、
前記候補ルート検索部によって検索された各前記候補ルートにおいて、目的地への進行が一時停止される可能性のある停止地点の情報を取得するための停止地点情報取得部を備え、
前記消費量演算部は、前記傾斜角演算部によって算出された前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および前記停止地点情報取得部によって取得された前記各候補ルートにおける前記停止地点に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する、請求項1から3のいずれかに記載のルート検索装置。
【請求項5】
前記ルート検索装置は、さらに、
前記候補ルート検索部によって検索された各前記候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得するためのアクセル情報取得部を備え、
前記消費量演算部は、前記傾斜角演算部によって算出された前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および前記アクセル情報取得部によって取得された前記各候補ルートの前記アクセル情報に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出する、請求項1から4のいずれかに記載のルート検索装置。
【請求項6】
現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するための候補ルート検索部と、
前記候補ルート検索部によって検索された前記候補ルートごとに、前記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するための傾斜角演算部と、
前記候補ルート検索部によって検索された各前記候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得するためのアクセル情報取得部と、
前記傾斜角演算部によって算出された前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および前記アクセル情報取得部によって取得された前記各候補ルートの前記アクセル情報に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するための消費量演算部と、
前記消費量演算部によって算出された各前記エネルギー消費量に基づいて、前記各候補ルートに優先度を付与する動作、および前記各候補ルートの中から、前記エネルギー消費量の少ない1または複数の前記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうための推奨ルート検索部とを備える、ルート検索装置。
【請求項7】
現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するステップと、
検索した前記候補ルートごとに、前記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するステップと、
算出した各前記候補ルートにおける前記傾斜角に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するステップと、
算出した各前記エネルギー消費量に基づいて、前記各候補ルートに優先度を付与する動作、および前記各候補ルートの中から、前記エネルギー消費量の少ない1または複数の前記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうステップとを含み、
前記傾斜角を算出するステップにおいては、前記各地点の地表高に基づいて前記傾斜角を算出する、ルート検索方法。
【請求項8】
現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するステップと、
検索した前記候補ルートごとに、前記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するステップと、
検索した各前記候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得するステップと、
算出した前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および取得した前記各候補ルートの前記アクセル情報に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するステップと、
算出した各前記エネルギー消費量に基づいて、前記各候補ルートに優先度を付与する動作、および前記各候補ルートの中から、前記エネルギー消費量の少ない1または複数の前記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうステップとを含む、ルート検索方法。
【請求項9】
コンピュータに、
現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するステップと、
検索した前記候補ルートごとに、前記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するステップと、
算出した各前記候補ルートにおける前記傾斜角に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するステップと、
算出した各前記エネルギー消費量に基づいて、前記各候補ルートに優先度を付与する動作、および前記各候補ルートの中から、前記エネルギー消費量の少ない1または複数の前記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうステップとを実行させ、
前記傾斜角を算出するステップにおいては、前記各地点の地表高に基づいて前記傾斜角を算出する、ルート検索プログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
現在地から目的地までの複数の候補ルートを検索するステップと、
検索した前記候補ルートごとに、前記候補ルートにおける各地点間の傾斜角を算出するステップと、
検索した各前記候補ルートにおいて、車両のアクセルを踏み込む強さを示すアクセル情報を取得するステップと、
算出した前記各候補ルートにおける前記傾斜角、および取得した前記各候補ルートの前記アクセル情報に基づいて、前記各候補ルートに対応するエネルギー消費量を算出するステップと、
算出した各前記エネルギー消費量に基づいて、前記各候補ルートに優先度を付与する動作、および前記各候補ルートの中から、前記エネルギー消費量の少ない1または複数の前記候補ルートを選択する動作の少なくとも一方を行なうステップとを実行させる、ルート検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−149995(P2012−149995A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8686(P2011−8686)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
2.COMPACTFLASH
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】