ループ状繊維ロープの製造装置及びこの製造装置により製造したループ状繊維ロープ
【課題】 接ぎ手順は理解できても熟練者でなければ円滑に接ぎ作業が行えない欠点を有していると共に従来のクロスロープの接ぎ方では、上記の接ぎ作業の手順において接ぎ部分の強度に不安があり長期間の使用によって劣化損傷が早く接ぎ部解舒生起のおそれがあった。
【解決手段】 機枠に配設したテーブルと、テーブルに載置しロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持すると共に、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの端部を強制的に引っ張るためのストランド撚り機構と、垂下状態のロープ本体の上下部分を把持し撚りを弛緩する方向に捩じることができる上下ロープグリップ部と、上下ロープグリップ部の間隔を短縮して把持したロープの撚りを弛緩するグリップ部昇降機構とよりなるループ状繊維ロープの製造装置を提供する
【解決手段】 機枠に配設したテーブルと、テーブルに載置しロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持すると共に、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの端部を強制的に引っ張るためのストランド撚り機構と、垂下状態のロープ本体の上下部分を把持し撚りを弛緩する方向に捩じることができる上下ロープグリップ部と、上下ロープグリップ部の間隔を短縮して把持したロープの撚りを弛緩するグリップ部昇降機構とよりなるループ状繊維ロープの製造装置を提供する
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、船舶の係留時等に使用するループ状繊維ロープの製造装置及びこの製造装置により製造したループ状繊維ロープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スチールロープに比し軽量で柔軟性に富むなどの利点を有する繊維ロープは船舶、漁業、海洋施設などの分野や荷揚げ用や自動車牽引用などに使用されている。
かかる繊維ロープとしては、編組(組紐)タイプのものが知られており、8打ち、12打ち、24打ちなどがあるが、いずれも原糸を撚合したヤーンを複数本撚合したストランドを2本一組として組んだ構造となっている。
特に、船舶係留で用いられる船用索は、クロスロープとして先端に環状部を形成するために船用索の自由端を船用索の本体部分に接ぎ作業をしなければならない。
接ぎ方としては、通常アイ・スプライス(eye splice)がある。
かかる船用索の接ぎを行うには、熟練した経験が必要とされており、その原因は、船用索の継ぎ方が複雑であり、慣れていないと接ぎ方の手順がわからないことにある。
そこで特許文献1に開示されているように複数本のストランドを2本毎のユニットとして複数組のストランド組を形成し、右撚りと左撚りとで、各ストランド組の色を異にした着色を行い、編成作業は予め決めた色彩の順序で行うようにして船用索の接ぎに熟した人でなくても容易に接ぐことができるようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3035503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、かかる技術は接ぎ方の手順は色彩で理解できるものの、実際の作業は従来のスパイキでストランドの一組に穴を開けて予め順序を決められた色彩のストランド組を通す作業を行わなければならない。
すなわち、作業手順としては8本のストランドから構成される、いわゆるエイト・ロープでは、先ず8本のストランド毎にほぐす加工しろの作成を行い、次いで、ストランド組をエイト・ロープ本体に挿入する口入準備(割り)を行い、次いで、口入準備に基づいて4組のストランド組をエイト・ロープ本体のストランド組の間を通す口入を行い、次いで、口入が終わった後にエイト・ロープ本体にストランド組を挿入する2回目以降の挿入作業としての差込を行う。
これらの作業を行うためには、やはり、接ぎ手順は理解できても熟練者でなければ円滑に接ぎ作業が行えない欠点を有していると共に従来のクロスロープの接ぎ方では、上記の接ぎ作業の手順において接ぎ部分の強度に不安があり長期間の使用によって劣化損傷が早く接ぎ部解舒生起のおそれがあった。
更には、接ぎ部分の劣化損傷の後に新しく接ぎ直しができずアイ・スプライス以外の部分は使用可能にもかかわらず、放棄するしかなく、経済的損失も大きかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、機枠に配設したテーブルと、テーブルに載置しロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持すると共に、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの端部を強制的に引っ張るためのストランド撚り機構と、垂下状態のロープ本体の上下部分を把持し撚りを弛緩する方向に捩じることができる上下ロープグリップ部と、上下ロープグリップ部の間隔を短縮して把持したロープの撚りを弛緩するグリップ部昇降機構とよりなるループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0006】
この発明は、テーブルは、機枠に回転自在に配設したターンテーブルであり、前記ストランド撚り機構は、ターンテーブルに載置しロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持するためのスパイキサポート部と、ターンテーブルに載置しスパイキサポート部と略対峙する位置に配設し、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの端部を強制的に引っ張るためのストランドテンション部とからなり、上下ロープグリップ部は、スパイキサポート部とストランドテンション部との間に位置して配設したことを特徴とする請求項1に記載のループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0007】
この発明は、スパイキサポート部とストランドテンション部との間に、アイ・スプライスを行う位置を透視可能とするストランド挿貫窓を形成したガイド板を配設したことを特徴とする請求項2に記載のループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0008】
この発明は、ターンテーブルが、一部切欠の馬蹄形状とした請求項2、3のいずれかに記載のループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0009】
この発明は、上下ロープグリップ部の少なくともいずれかはエイト・ロープの撚りと反対方向に回転自在としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0010】
この発明は、上下ロープグリップ部の少なくともいずれかはグリップ部昇降機構により昇降自在としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0011】
この発明は、テーブルは、対向して配設した支持基板であり、各支持基板には、ストランド撚り機構を載置し、ストランド撚り機構は、支持基板上を回転自在とした回転基盤と、回転基盤に立設したシリンダ支柱と、ロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持するためのスパイキサポート部と、回転基盤に立設したテンション支柱と、上下昇降自在で、かつ、回動自在にテンションアームを介してストランドを挟持自在としたストランド挟持機構とからなることを特徴とする請求項1に記載のループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0012】
この発明は、請求項1〜7のいずれかの装置により製造したループ状繊維ロープを提供する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、ループ状繊維ロープの製造装置として、テーブル、ストランド撚り機構、上下ロープグリップ部、及びグリップ部昇降機構等を構成要素としたので、従来のループ状繊維ロープの撚り方を実施するに際し、先ず、上下ロープグリップ部によりロープを上下で把持固定してグリップ部昇降機構によりロープの撚りを弛緩し、かつ該グリップ部で弛緩する方向への撚りも行うことができるため、スパイキを挿入する撚りストランド間の間隙を容易に形成し、その間隙にスパイキに連結したストランドを挿通し、アイ・スプライスの作業手順を簡便に実行し得る効果を有し、更にはスプライス作業と同時にストランド撚り機構において、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの編部を強制的に引っ張って撚りを一層強固に締め付けることができるため、アイ・スプライス作業が熟練者でなくてもスプライスの作業手順に従って容易にかつ確実に行うことができる効果がある。
更には、本装置を使用することにより垂重量のあるロープ本体のアイ・スプライス作業が一人でも充分に実行することができるため省エネの下で確実なループ状繊維ロープを製造することができる効果がある。
【0014】
請求項2の発明によれば、ループ状繊維ロープの製造装置として、ターンテーブル、スパイキサポート部、ストランドテンション部、上下ロープグリップ部、及びグリップ部昇降機構等を構成要素としたので、従来のループ状繊維ロープの撚り方を実施するに際し、先ず、上下ロープグリップ部によりロープを上下で把持固定してグリップ部昇降機構によりロープの撚りを弛緩し、かつ該グリップ部で弛緩する方向への撚りも行うことができるため、スパイキを挿入する撚りストランド間の間隙を容易に形成し、その間隙にスパイキに連結したストランドを挿通し、アイ・スプライスの作業手順を簡便に実行し得る効果を有し、更にはスプライス作業と同時にストランドテンション部において、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの編部を強制的に引っ張って撚りを一層強固に締め付けることができるため、アイ・スプライス作業が熟練者でなくてもスプライスの作業手順に従って容易にかつ確実に行うことができる効果がある。
更には、垂下状態のロープ本体の撚りストランド間にスパイキを介してストランドを挿通するに際しては、ロープ本体の撚りの表側や裏側を反転しながらスプライス手順に従った作業を遂行することになるが、ロープ本体の撚りの表裏反転作業もターンテーブルを回転させることによりロープ本体に対して反転方向からスパイキを入れてストランドの撚り作業が行えることになり、重量のあるロープ本体のアイ・スプライス作業が一人でも充分に実行することができるため省エネの下で確実なループ状繊維ロープを製造することができる効果がある。
【0015】
請求項3の発明によれば、スパイキサポート部とストランドテンション部との間にストランド挿貫窓を形成したガイド板を配設したので、スパイキを介して弛緩したロープ本体のストランド間にループのためのストランドを挿通した場合、スパイキに連結したストランドをストランド挿貫窓を通して対峙方向にあるストランドテンション部に導出し、該テンション部によってストランドを引っ張り、撚りを強固に緊締することができる。
同時に、ストランドテンション部によりロープ本体の撚り間を挿通したストランドを強制的に引っ張るとロープ本体もストランドテンション部方向に引っ張られて変位し勝ちになるため変位するロープ本体をガイド板で受止めて可及的にロープ本体を垂下状態に保持し、アイ・スプライス作業を確実に行えるようにすることができる効果がある。
【0016】
請求項4の発明によれば、ターンテーブルは一部切欠の馬蹄形状としているためアイ・スプライス作業の完了後は、一部切欠部からターンテーブルの外方にロープ本体を取り出すことができ、作業の効率化を図ることができる効果がある。
【0017】
請求項5の発明によれば、上下ロープグリップ部のいずれかがロープ本体の撚りを反対方向に回転することができるため、容易にロープ本体の撚りを弛緩してスパイキの挿通を容易とすることができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、グリップ部昇降機構により上下ロープグリップ部のロープ本体の長さを短縮して撚りを弛緩することができるのでストランドの撚り間にスパイキを挿通しやすくなる。
【0019】
請求項7の発明によれば、ループ状繊維ロープの製造装置として、支持基板、ストランド撚り機構、回転基盤、スパイキサポート部、ストランド挟持機構、上下ロープグリップ部、及びグリップ部昇降機構等を構成要素としたので、従来のループ状繊維ロープの撚り方を実施するに際し、先ず、上下ロープグリップ部によりロープを上下で把持固定してグリップ部昇降機構によりロープの撚りを弛緩し、かつ該グリップ部で弛緩する方向への撚りも行うことができるため、スパイキを挿入する撚りストランド間の間隙を容易に形成し、その間隙にスパイキに連結したストランドを挿通し、アイ・スプライスの作業手順を簡便に実行し得る効果を有し、更にはスプライス作業と同時にストランド挟持機構において、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの編部を強制的に引っ張って撚りを一層強固に締め付けることができるため、アイ・スプライス作業が熟練者でなくてもスプライスの作業手順に従って容易にかつ確実に行うことができる効果がある。
更には、垂下状態のロープ本体の撚りストランド間にスパイキを介してストランドを挿通するに際しては、ロープ本体の撚りの表側や裏側を反転しながらスプライス手順に従った作業を遂行することになるが、ロープ本体の撚りの表裏作業も対向するストランド撚り機構によりロープ本体に対して交互にスパイキを入れてストランドの撚り作業が行えることになり、重量のあるロープ本体のアイ・スプライス作業が一人でも充分に実行することができるため省エネの下で確実なループ状繊維ロープを製造することができる効果がある。
【0020】
請求項8の発明によれば、上記装置により製造したループ状繊維ロープであるため、アイ・スプライスの撚りが確実に緊締したものとすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第1工程を示す図。
【図2】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第2工程を示す図。
【図3】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第3工程を示す図。
【図4】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第4工程を示す図。
【図5】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第5工程を示す図。
【図6】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第6工程を示す図。
【図7】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第7工程を示す図。
【図8】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第8工程を示す図。
【図9】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第9工程を示す図。
【図10】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第10工程を示す図。
【図11】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第11工程を示す図。
【図12】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第12工程を示す図。
【図13】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第13工程を示す図。
【図14】本発明装置の要部の正面図。
【図15】本発明装置のI−I線の断面図。
【図16】本発明装置の側面図。
【図17】本発明装置の斜視図。
【図18】本発明装置の他の実施例の側面図。
【図19】同平面図。
【図20】同斜視図。
【図21】上ロープグリップ部の動作説明図
【図22】本発明装置におけるスパイキ保持部の説明図。
【図23】(A)同要部の断面図。(B)(A)に示すII-II線の断面図。
【図24】本発明装置におけるスパイキの第1変形例の断面説明図。
【図25】同要部の断面説明図。
【図26】同斜視図。
【図27】同第2変形例を示す断面説明図。
【図28】同第3変形例を示す断面説明図。
【図29】図28に示すIII−III線の断面図。
【図30】同組立状態の説明図。
【図31】本発明装置における巻取引張具の正面図。
【図32】同作動状態を示す正面図。
【図33】本発明装置における上下グリップ部の説明図。
【図34】同作動状態とそれに対応するエイト・ロープ本体を示す正面図。
【図35】同作動状態とそれに対応するエイト・ロープ本体を示す正面図。
【図36】本発明装置の更に他の実施例の斜視図。
【図37】(A)ストランド撚り機構の斜視図。(B)ストランド撚り機構の側面図。(C)ストランド撚り機構のテンション支柱上部の斜視図。
【図38】ストランド撚り機構の動作説明図。
【図39】ストランド撚り機構の動作説明図。
【図40】ストランド撚り機構の動作説明図。
【図41】ストランド撚り機構の動作説明図。
【図42】ストランド撚り機構の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の実施例を図面に基づき詳説する。
図1〜図13は、本発明のループ状繊維ロープの製造方法を示す工程の説明図である。
【0023】
本発明のループ状繊維ロープは、クロスロープのサツマ接ぎアイ・スプライスと称される方法により製造されたものであり、本発明の実施例でのクロスロープはエイト・ロープMと称される8本のストランドA,A’、B,B’、C,C’、D,D’より撚製されるものである。
【0024】
エイト・ロープMは、それぞれ2本のストランドが左撚りされた左撚りのストランド組を2つと、それぞれ2本のストランドが右撚りされた右撚りのストランド組を2つを備え、これらストランドを交互に組み合わせたものである。
【0025】
このように、クロスロープは、右撚りストランド4本、左撚りストランド4本の合計8本のストランドSを同一撚り方向の2本1組で合計4組を撚り合わせて作られたものであり、従って、このクロスロープの接ぎ方は、同一撚り方向の2本のストランド1組として、相手方の同一撚り方向のストランドに通し、2回目からは差し入れ法によって2〜4回巻き入れ、最後にストランド1本毎に分けて通し、端を紐で縛って緩み止めをする。
【0026】
次に、このエイト・ロープMを用いてアイ・スプライス法でエイト・ロープを接ぐ手順を説明する。
【0027】
(イ)加工しろの作成
初めにエイト・ロープMを8本のストランドS毎にほぐして、図1に示すように加工しろを形成する。
加工しろは、アイ・スプライス法でエイト・ロープMを接ぐ場合に必要な長さを有している必要がある。
通常、加工しろの長さは、ストランドの直径の12〜15倍の長さとする。
【0028】
(ロ)口入準備(割り)
加工しろを形成した後は、口入のための準備を行う。
口入とは、アイ・スプライス法でエイト・ロープMを接ぐ場合に最初にストランド組をエイト・ロープ本体mのアイの大きさ部分に挿入することを指す。
すなわち、ストランド組とストランド組の間に他のストランド組を挿入することであり、口入準備では各ストランドを一本毎にばらし、テープ48で仮止めをしておく。
そして、エイト・ロープMの端を4組のストランド組A,A’、B,B’、C,C’、D,D’に分ける。
【0029】
(ハ)口入
口入の準備が終了したら、次は口入をする。
先ず、図2に示すようにアイPの大きさを決める。そして口入準備をした4組のストランド組A,A’を、エイト・ロープ本体mにおけるアイPの大きさ部分に挿入することになる。
すなわち、右撚りストランドA,A’を挿入する場合は、図3に示すようにクロスロープの右撚りストランドの1組にスパイキ22で穴を開ける。
【0030】
次に、図4で開けた孔にA,A’のストランド組を平行に並べて少し撚りを戻すようにして真っ直ぐに通す。
【0031】
次に、図5で示すように左撚りB,B’のストランド組を挿入する場合は、A,A’ストランド組を通したストランドに隣接する左撚りストランドの1組にA,A’の時と同様にスパイキ孔を開け、そこに巻きながら通す。
【0032】
次に、図6で示すように、右撚りA,A’と左撚りB,B’のストランド組を通し終わり、その後アイを裏通ししてA,A’のストランド組を通した所の隣接する左撚りストランド組にスパイキで穴を開けここにC,C’のストランド組を挿入する。
【0033】
次に、図7に示すように、右撚りD,D’のストランド組を挿入する場合は、C,C’ストランド組を通した所に隣接する左撚りストランドにスパイキで孔を開けてストランド組を平行に並べて巻きながら通す。
【0034】
このようにしてA,A’、B,B’、C,C’、D,D’の各ストランド組をエイト・ロープ本体mのアイPの大きさの部分に挿入する第1回目のスプライスが完了する。
【0035】
次に、第2回目からのスプライスは、第1回目に通したストランドA,A’、B,B’、C,C’、D,D’と同一方向に走るストランドにA,A’〜D,D’のストランド組の全部を巻き入れ法によって常に巻き込みながら通す。
【0036】
このスプライスの回数は、約2〜4回程度行う。普通は、2回でよいが滑りやすいロープの場合は確実な緊締状態を保持すべく、3〜4回スプライスするのがよい。
【0037】
D,D’のストランド組の場合について、スプライスする工程を説明すると、図8に示すように第1回目のスプライスの時に通したロープのストランドの隣のストランドにスパイキで穴を開ける。
【0038】
次いで、図9に示すように図8で開けた孔にD,D’のストランド組を巻きながら通す。
【0039】
次いで、図10に示すようにD,D’のストランド組だけ最後まで通さずに、A,A’→B,B’→C,C’→D,D’のストランド組の順に交互に通す。
すなわち、全体のバランスをとりながら外観を揃えて各ストランド組のテンションを一定にする。
このように巻き入れ法による最後のD,D’のストランド組のスプライスが終了したら、スプライス部の形状は略四角形となっている。
【0040】
図11に示すように最後のスプライス止めを行う場合は、まず各組のストランドを1本ずつに分け、ロープの各組のストランドも同様に分けて、1本ずつストランドを挿入するためにスパイキで孔を開ける。
【0041】
次に図12に示すように、D,D’のストランド組の一方のDに近い孔のストランドにDを通す。
【0042】
図13に示すように、残りのD’のストランドを挿入する場合は、ロープストランドの残りの1本をスパイキで起してその孔にD’のストランドを挿入し、スプライスが完了する。
【0043】
この発明の実施例は、上記のクロスロープの接ぎ方を機械装置を用いて容易に且つ確実に行えるようにした。
図14〜図35は、本発明装置を示す図である。
【0044】
図14に示すように、1は、アイ・スプライス装置であり、エイト・ロープにアイ・スプライスを行いエイト・ロープの一端にループ状の環体を形成する装置である。
【0045】
アイ・スプライス装置1は、方形状の機枠2の中央にドーナツ状のターンテーブル3を設け、その上方に上下一定間隔を保持して上下ロープグリップ部4,5を配設し、上下ロープグリップ部4,5の側方向には、ターンテーブル3上にスパイキサポート部6(図16参照)を立設しており、上下ロープグリップ部4,5を中心にしてスパイキサポート部6と対峙する位置にはターンテーブル3上にストランドテンション部7(図16参照)を立設している。上ロープグリップ部4の上方にはエイト・ロープMを垂直に垂下して上下ロープグリップ部4,5の中心孔に導くためのロープガイド部8を配設している。
【0046】
図16及び図17に示すように、ドーナツ状のターンテーブル3は、上下ロープグリップ部4,5に垂下固定されたエイト・ロープMの周辺を、スパイキサポート部6とストランドテンション部7が回動してスパイキ22の差込方向を変位させるべく機能する。
【0047】
すなわち、スパイキサポート部6とストランドテンション部7を周縁部に立設固定したターンテーブル3は、モータ(図示しない)の出力軸9に設けたピニオン軸10と、ピニオン軸10に噛合した環状ラック11とより構成されており、環状ラック11はドーナツ状のターンテーブル3の内周面に形成している。
【0048】
図14及び図16に示すように、12はベアリング12’を介して回動自在のターンテーブル3を支持する支持ケースである。
【0049】
図17に示すように、上下ロープグリップ部4,5は、機枠2にステー13,18を介してドーナツ状のターンテーブル3の中央孔3’垂直上方に設けられており、中央にエイト・ロープMを挿貫してグリップできるリング形状をなし、そのリング形状のリング内側面14(図15参照)には、グリップ片15が中心に向かって摺動可能でエイト・ロープMを把持することができるように構成されている。
【0050】
グリップ片15の中心に向う摺動機構としては、カメラシャッターの様な絞り込み構造やグリップ片15の基端部に設けたカム機構等を利用することができ、上ロープグリップ部4の外側面にはグリップ片15を構成する操作機構が設けられている。
【0051】
図14及び図17に示すように、下ロープグリップ部5は、機枠2に設けたグリップ部昇降機構17にステー18を介して支持されており、上ロープグリップ部4の真下に位置し、上ロープグリップ部5と同様のリング形状をしており、リング中央孔にはエイト・ロープMを挿貫グリップできる構造となっている。
【0052】
グリップ部昇降機構17はステー18の基端部を連設した雌ネジ体(図示せず)と、雌ネジ体に螺合して外部より回転操作できる雄ネジ体(図示せず)より構成しており、雄ネジ体を回転操作することにより雌ネジ体を介してステー18を昇降し、上下ロープグリップ部5を上下動させる。
【0053】
また、リング形状の下ロープグリップ部5のリング内側面19には、グリップ片20(図15参照)が中心に向かって摺動可能でエイト・ロープMを把持することができるように構成されている。
【0054】
グリップ片20の中心に向かった摺動構造としては、上ロープグリップ部4と同様の構造とし、その操作機構も同様である。
【0055】
従って、上ロープグリップ部4のリング中央を挿貫して、グリップ片15により把持されたエイト・ロープMは、下ロープグリップ部5のリング中央の孔中を挿管してグリップ片15により把持され、そのままの状態でグリップ部昇降機構17によって下ロープグリップ部5を上方に移動するため、把持したエイト・ロープMは上下ロープグリップ部4,5間で弛緩状態となり、撚り目が緩み、編撚りしたストランド5間に空隙が形成される。
【0056】
更には、上下ロープグリップ部4,5は、それぞれ反転方向に回転するように構成されている。
すなわち、図14に示すように、ドーナツ状の上下ロープグリップ部4,5は、ステー13,18に対して回転自在に取り付けられており、上下グリップ部4,5の下底面には、環状にラック面4−1,5−1が形成されており、該ラック面4−1,5−1には、ピニオン4−2,5−2が噛合しており、ピニオン4−2,5−2をモータ等の動力或は手動で回転駆動させると上下ロープグリップ部4,5はそれぞれ反対方向に回転する。
【0057】
従って、上下ロープグリップ部4,5間に把持されたストランドSは、前記したグリップ部昇降機構17と相俟って、ストランドSの撚り目を可及的に弛緩して、後述するストランドSを連結したスパイキ22の挿入を円滑にする。
【0058】
図18、図19、図20に示すのは、上記の上下ロープグリップ部4,5及び上下ロープグリップ部4,5の反転機構並びにターンテーブル3に関する他の実施例である。
【0059】
すなわち、上下ロープグリップ部4,5は、それぞれ基端を枢支した左右の半円弧状のグリップ片50、50'よりなり、基端の枢支部分では枢軸51、51'をピニオンとして駆動ラック52を噛合させて左右の半円弧状のグリップ片50、50'を閉塞、解放自在としエイト・ロープの把持及び解放を行うことができるように構成されている。
【0060】
しかも、上ロープグリップ部4は、左右半円弧状のグリップ片50、50'の中心から回転することができるように基端の枢支部分の後部にグリップ片50、50'の中心から半径軌道位置に円弧状の反転用ラック53と反転用ピニオン54を配設しており、該ピニオン54の駆動により上ロープグリップ部4がグリップ片の中心から回転して把持したエイト・ロープMのストランドSを捩じる(図21参照)。
【0061】
これは、上下グリップ部4,5間に把持されたストランドSが前記したグリップ部昇降機構17と相俟って、ストランドSの撚り目を可及的に弛緩して、後述するスパイキ22(ストランドSを連結しているスパイキ22)の挿入を円滑にする機能を有する。
【0062】
図18中、55は、上ロープグリップ部4の側方に配設したストランドSを溶断するための溶断装置を示し、機枠2に伸縮自在のアーム56を介して取り付けられている。
【0063】
ターンテーブル3は、ドーナツ状の一部を切欠して略馬蹄形状に形成しており、その回転機構は既述のドーナツ形状のターンテーブル3と同様である。
【0064】
図中、3−1は略馬蹄形状のターンテーブル3における一部切欠部を示している。
このように一部切欠部を形成した馬蹄形状とすることにより上下グリップ部4,5間でアイ・スプライス作業を完了した後に上下グリップ部4,5から解放されたエイト・ロープMを一部切欠部3−1から取出しアイ・スプライス装置1からのエイト・ロープMの離脱回収を容易にすることができる。
【0065】
スパイキサポート部6は、図22に示すようにドーナツ状のターンテーブル3の周縁に回転自在に立設された支柱21と、支柱21の上部に傾動自在に枢支連設され、スパイキ22をガイド保持する略円筒状のスパイキ保持部23と、スパイキ保持部23における略円筒状の周側面に長手方向に沿って形成したガイドスリット25と、スパイキ22の周面に突設したスパイキハンドル26とよりなり、スパイキハンドル26はスパイキ保持部23に形成したガイドスリット25をストランド自在としている。
【0066】
スパイキ22は、図23(A)及び図23(B)に示すように先端先鋭状のキャップ27と、キャップ27の後端に連設したスパイキ本体28とよりなり、スパイキ本体28は、後端開口の中空筒状に形成しており、その内部には、後端開口により2本1組のストランドSを挿入してストランド先端をスパイキ本体28の先端部に固定すべく構成している。
【0067】
このように2本1組のストランドSをスパイキ本体28の先端部に固定する構造としては次の三変形例が考えられる。
【0068】
[第1変形例]
図24〜図26に示すように、2本1組の各ストランドSの自由端に先端有底の円筒状のストランドキャップ30を被覆し、ネジ31で該キャップ30とストランドS先端部分とを固定し、2本1組のストランドSの各自由端に被覆したストランドキャップ30,30’をスパイキ本体28中に挿入してスパイキキャップ27の基端部近傍で固定しておく。
【0069】
なお、スパイキ本体28は、断面扁平楕円形状とし、二つ割にして開閉自在としており、スパイキ本体28の先端部近傍には仕切り壁32を形成している。
【0070】
従って、二つ割にしたスパイキ本体28中に予め2本1組の各ストランドキャップ30,30’を収納して閉蓋する際に、ストランドキャップ30,30’が仕切り壁32に係合するように閉蓋することにより二つ割のスパイキ本体28を一体に組立て、2本1組のストランドSをストランドキャップ30,30’及び仕切り壁32を介してスパイキ本体28から抜去不能に固定している。
【0071】
[第2変形例]
第1変形例では2本1組の各ストランドSのそれぞれの自由端にストランドキャップ30,30’を包被し、各ストランドキャップ30,30’にはストランドSの自由端を固定するためのネジ31を挿貫螺入しているが、第2変形例では図27に示すようにストランドキャップ30,30’中に各ストランドSの自由端を挿入する点は同一であるが共通ネジ33によって各ストランドキャップ30,30’を一体に固定すべく長手の共通ネジ33を各キャップ30,30’に一体に挿貫螺入している。
【0072】
このようにすることにより、第1変形例のように各ストランド自由端に単独でストランドキャップ30,30’を包被するよりストランドSが解舒しにくくなり、後工程のスプライス作業が行いやすくなる。
【0073】
[第3変形例]
図28〜図30に示すように、2本1組の各ストランドSの各自由端を一体に束ねて二つ割可能な円筒状のストランド本体34中に挿入して該ストランド本体34からネジ35を挿貫螺入して一体に固定する。
【0074】
二つ割可能な円筒状のストランド本体34は、樹脂等の可撓性素材を用いて図30に示すように上下に二つ割して断面半円弧状の上ストランド本体34’と下ストランド本体34’’の両側端縁を嵌合形状としている。
【0075】
一体の円筒形と二つ割の半円弧形とに変形することができるので、各ストランドSの自由端を二つ割の半円弧形の上下ストランド本体34’,34’’間に挟持し、上下ストランド本体34’,34’’を一体に嵌合して円筒形にすることにより、各ストランドSの自由端を上下に押圧変形させながらストランドキャップ37で包被することができる。
【0076】
そして、ストランドと一体化したストランド本体34の先端は空洞円筒形部36とし、ストランド本体34先端に取り付けるストランドキャップ37は先端先鋭状で後端に嵌入突部38を突設しており、両者を一体化するに際しては嵌入突部38と空洞円筒形部36とを一体嵌合することにより、スパイキ本体34後端にストランドキャップ34を一体に接続可能としている。
【0077】
ストランドテンション部7は、図31、図32、図17、図20に示すように上下ロープグリップ部4,5を中心にして、スパイキサポート部6と対峙する位置となるように、ターンテーブル3上に配設されている。
【0078】
すなわち、ストランドテンション部7は、ターンテーブル3上に立設した上下調節自在の支柱39と、支柱39の上端に支持軸40を介して軸支した略六角形状の巻取引張具41と、巻取引張具41の六角形の一頂部に連結ワイヤ42を介して連結したストランド緊締具43とよりなる。
【0079】
巻取引張具41は、図31に示すように一定間隔を保持して重複して設けた左右の六角形状の六角形枠体41−1,2と、六角形枠体41−2,2の各角頂部に軸架した自転可能なパイプスペーサ41−3とより構成されている。
【0080】
また、巻取引張具41は、六角形状の放射状の径を大とすることにより手動による回転負荷を小とすることができ、軽い力で六角形枠体41−1,2外周面にストランドSを巻きつけて引っ張ることができる。
【0081】
スパイキサポート部6とストランドテンション部7との間には、ストランド挿貫窓45を形成したガイド板46が配設されており、47はガイド板46を支持するための支持杆であり、ターンテーブル3に一体に設けられている。
【0082】
ガイド板46は、ストランドテンション部7によりストランドSを引っ張った際にエイト・ロープMが撓んでガイド板46に当接するようにして、それ以上に変動せず、ストランドSの挿通応力が最大限となるようにしている。
【0083】
ガイド板46とストランド挿貫窓45については上述した構成の他に、次のような変形例が考えられる。
【0084】
ガイド板46のストランド挿貫窓45は、両側部が開放状態の切欠部を形成しており、ストランドSを連結したスパイキキャップ27をストランドテンション部7から折返して、エイト・ロープ本体mの裏側より挿入する際に、切欠部からストランドSがガイド板46外部に外れるように構成している。
【0085】
従って、ガイド板46は上下に分割してその間の一定間隔をストランド挿貫窓45とし、両側を切欠部とすることと同様となる。
【0086】
ガイド板46は、図17、図20に示すように、ストランドテンション部7の近傍で、上下垂下状態のエイト・ロープ本体mとの間に介設しているが、それ以外にも相対する2枚のガイド板を対面させた構造とすることもできる。
【0087】
すなわち、スパイキサポート部6の近傍で垂下状態のエイト・ロープ本体mとの間にも別途のガイド板を介設しておき、両ガイド板を対面状態としておくものである。
【0088】
このように、両ガイド板を対面して介設しておくことにより、スパイキキャップ27をスパイキサポート部6からガイド板46を挿貫してエイト・ロープ本体mの表側へ挿通し、ストランドテンション部7へ引き出し、そこで、引張って表側でのストランドSの撚編を行う。
【0089】
次いで、そのスパイキキャップ27をストランドテンション部7で折り返してエイト・ロープ本体mの裏側へ挿入して別途、ガイド板を挿貫してストランドSをエイト・ロープ本体mの裏側から引き出して、1回目のストランドSの撚編を完了する。
【0090】
その際に、ガイド板は、ストランドSをエイト・ロープ本体mの表側及び裏側から挿貫して撚編する時のエイトロープ本体mの受け止め機能を果たすこととなる。
【0091】
この発明の実施例は、上記のように構成されており、次いでアイ・スプライス装置1を用いてアイ・スプライスを行うための作業手順を説明する。
【0092】
(1) まず、アイ・スプライス装置1のロープガイド部8を介してエイト・ロープMを下方に垂らし、上下ロープグリップ部4,5中に挿貫して垂下状態とする(図17、図20参照)。
【0093】
(2) 上下ロープグリップ部4,5の各グリップ片15を作動させて、エイト・ロープMの周面を把持する。把持する位置はアイの大きさを決定する位置となる(図33参照)。
【0094】
(3) エイト・ロープMを把持した上下ロープグリップ部4,5のうち、下ロープグリップ部5をグリップ部昇降機構17により強制的に上昇させて把持したエイト・ロープMを縮ませてロープ撚りが少し弛緩した状態とする(図34参照)。
【0095】
(4) エイト・ロープMを把持した上下ロープグリップ部4,5をラック面4−1,5−1とピニオン4−2,5−2を用いてそれぞれ反対方向に回転させて上下グリップ部4,5で把持したエイト・ロープMを捩ることにより、ロープ撚りを緩くする(図35参照)。
【0096】
(5) エイト・ロープMの端部は、ほぐして8本のストランドに分解し、加工しろを形成し、2本1組のストランド組をスパイキサポート部6に連結する。
【0097】
(6) ストランド組をスパイキサポート部6に配置したスパイキ22に連結するに際しては、第1変形例〜第3変形例に示すような方法を選択してスパイキ本体34にストランドキャップ30,30’,37を介して連結する。
【0098】
(7) 上下ロープグリップ部5,6間で撚りが緩んだエイト・ロープMの所定のストランド間にスパイキサポート部6から取外したスパイキ22を差込み所定のストランド撚り間を挿通する。
【0099】
(8) ストランド撚り間を挿通したスパイキ22をストランド挿貫窓45から巻取引張具41方向へ引っ張ると、スパイキ22に連結した一組のストランドがエイト・ロープM中の所定の撚り間に挿通された状態となる。
【0100】
(9) スパイキ22に連結したストランド組を巻取引張具41に連結した緊締具43に緊締して固定する(図32参照)。
【0101】
(10) この状態で六角形枠体41−1,2の頂部間に架設したスペーサ44にストランド組を巻きつけるように巻取引張具41を回転させて、ストランド組を強く引っ張っていく(図32参照)。
【0102】
(11) このように、エイト・ロープMを構成する2本1組のストランド組の4組を次々に上記手順でエイト・ロープMの撚り間に挿入して編撚していく。
【0103】
(12) かかるエイト・ロープMを構成する2本1組のストランド組の4組を次々に上記手順でエイト・ロープMの撚り間に挿入して編撚していくに際しては、エイト・ロープMの一方向からだけではなく裏側からのも挿入して編撚していく。なぜならば、撚り間の位置が常にスパイキ22の挿入方向に正面から向き合っていなければ正確なストランド挿入が行えない。
【0104】
換言すれば、ストランドSを挿入するエイト・ロープMの撚り間、すなわち、エイト・ロープMの口入部分がガイド板46のストランド挿貫窓45と対向する位置となるようにスパイキ保持部23やガイド板46や巻取引張具41等をターンテーブル3の回転によってエイト・ロープMの周辺を移動させることが必要である。
【0105】
(13) 2本1組のストランド組の撚りについては、前述した加工しろの作成、口入準備、口入の各工程を実施することにより撚りを行う。
【0106】
[更に他の実施例]
更に他の実施例は、図36から図42を参照しながら説明する。
上記の実施例ではストランドを連結したスパイキ22を手動で垂下したエイト・ロープ本体mの撚り目から挿貫して、スパイキ22に連結した1組のストランドを巻取引張具41で巻き取るようにして引っ張り、残りの3組のストランドを同様の順序でエイト・ロープMの撚り間に挿入して編撚していた。これに対して他の実施例ではすべてを全自動でアイ・スプライス作業を行う構造としたものである。
【0107】
図36に示すように、アイ・スプライス装置61は、左右に支持基板62,62’を対向して配設し、その端部方向にロープグリップ機構63を配設している。ロープグリップ機構63は、前述の実施例の上下ロープグリップ部4,5の構造と同様であり、上下ロープグリップ部4,5は、それぞれ基端を枢支した左右の半円弧状のグリップ片50、50’よりなり、基端の枢支部分では枢軸51、51’をピニオンとして駆動ラック52を噛合させて左右の半円弧状のグリップ片50、50’を閉塞、解放自在としエイト・ロープの把持及び解放を行うことができるように構成されている。
【0108】
但し、他の実施例においては、上下ロープグリップ部4,5の間隔を狭くしており、かつ、上下ロープグリップ部4,5は、垂直支持柱64に沿って上下昇降自在に構成されている。
【0109】
左右支持基板62,62’には、同基板62,62’の長手方向に沿って摺動自在にそれぞれ4個、合計8個のストランド撚り機構65,・・,65を配設している。尚、12本のストランドからなるロープの場合には、12個のストランド撚り機構65,・・,65を左右支持基板62,62’に配設することが好ましい。
【0110】
図37(A)及び図37(B)に示すように、各ストランド撚り機構65は、支持基板62,62’上を回転自在とした回転基盤66にシリンダ支柱67を立設し、シリンダ支柱67には、スパイキサポート部6と同様の構造を有する油圧作動の油圧式スパイキサポート部6’を先端傾動自在、かつ、上下昇降自在に設けている。
【0111】
尚、油圧式スパイキサポート部6’のスパイキの伸縮作動は、人力によらず三段式の油圧シリンダによって行う。また、油圧式スパイキサポート部6’には、シリンダ支柱67と対向する位置に立設したテンション支柱68を配設し、テンション支柱68には、該テンション支柱68の長手方向に沿って、上下昇降自在で、かつ、回動自在にテンションアーム69の基端が装着されており、テンションアーム69の先端には、ストランドを挟持自在としたストランド挟持機構70が連結されている。
【0112】
ストランド挟持機構70は、ストランドフレーム71に上下に隣接して駆動自在の挟持ベルト72,72’を配設しており、各挟持ベルト72,72’は前端後端に配設したローラR,R間に懸架されており、上下に押接自在で隣接することにより、駆動自在の挟持ベルト72,72’間に伸延してきたストランドSを挟着しながら、挟持ベルト72,72’の駆動によりキャップ37と一体のスパイキ本体34共どもストランドSを伸延方向に引き出すようにしている。
【0113】
また、上下の各挟持ベルト72,72’の中腹内側には、それぞれ挟圧機構73,73を設けており、上下挟持ベルト72,72’間に挟持されたストランドSを両挟持ベルト72,72’の中途で更に上下の挟圧機構73,73により強制的に強圧するように構成している。
【0114】
図中、73−1はベルト中腹内側に配設したエアシリンダ、73−2はエアシリンダから突出自在の挟圧ピストンを示す。
【0115】
また、図37(C)に示すように、テンション支柱68の上端、すなわち、テンションアーム69の枢支部69−1上方にはテンションアーム69の傾動にともなって、出没自在の係合ピン74を配設している。
【0116】
また、テンション支柱68には、ストランド挟持機構70とは別に補助挟持機構75がステー75−1(例えば図39(A)参照)を介して連設されている。すなわち、補助挟持機構75は、ストランド挟持機構70と略同様の構造としており、上下の挟持ベルト76,76’の間にスパイキキャップ37やストランドSを通過挟持可能に構成している。
【0117】
しかも、この補助挟持機構75の位置は、前述のストランド挟持機構70がテンションアーム69の昇降や回動によって所定の位置に変位した時に、この変位したストランド挟持機構70と前後で連なる位置に配設されており、ストランド挟持機構70の挟持ベルト72,72’間を挿通されたスパイキ本体34及びストランドSは、そのまま伸延して補助挟持機構75の挟持ベルト76,76’間に挟持された状態となる。
【0118】
[全自動アイ・スプライス]
図38から図42を参照しながら本スプライス装置61のストランド撚り機構による全自動アイ・スプライスについて説明する。
【0119】
図38(A)に示すように、右側支持基板62’上のストランド撚り機構65には、油圧式スパイキサポート部6’にストランドSと一体のスパイキ本体34とスパイキキャップ37が装着されている。
【0120】
ロープグリップ機構63によりエイト・ロープMを縮ませてロープ撚りが少し弛緩した状態とする。図38(B)に示すように、ロープグリップ機構63の上下ロープグリップ部5,6間で撚りが緩んだエイト・ロープMの所定のストランド間に油圧式スパイキサポート部6’の先端に装着したスパイキキャップ37を差込み所定のストランド撚り間を挿通する。このときスパイキキャップ37は、左側支持基板62上のストランド撚り機構65のストランド挟持機構70に向ってさらに伸延する。
【0121】
図39(A)に示すように、左側支持基板62のストランド挟持機構70は、挟持ベルト72,72’間に伸延してきたスパイキキャップ37を挟着しながら、挟持ベルト72,72’の駆動によりスパイキ本体34共どもストランドSを伸延方向に引き込むようにしている。
【0122】
図39(B)に示すように、スパイキキャップ37は、挟持ベルト72,72’の駆動により伸延方向に引き出されており、さらに、上下挟持ベルト72,72’間に挟持されたストランドSは、両挟持ベルト72,72’の中途で上下の挟圧機構73,73により強制的に強圧されることとなる。
【0123】
図39(C)に示すように、ストランド挟持機構70は、枢支部69−1を中心にして回動しつつストランドSを引っ張りながら、スパイキキャップ37を下方方向とした位置で停止する。
【0124】
図39(D)に示すように、ストランド挟持機構70は、テンション支柱68の溝68−1に沿って降下しつつ更にストランドSを引っ張りながら、下方位置で停止する。このときストランドSの中途部は、テンション支柱68から突出した係合ピン74に係合されることとなる。
【0125】
図40(E)に示すように、ストランド挟持機構70は、テンション支柱68に沿って上昇しつつスパイキキャップ37が水平位置となるまで回動する。すなわち、ストランド挟持機構70の位置は、補助挟持機構75と前後で連なる位置となる。次に、ストランド挟持機構70の挟持ベルト72,72’間を挿通されたスパイキキャップ37及びストランドSは、そのまま伸延して補助挟持機構75の挟持ベルト76,76’が駆動することにより、挟持ベルト76,76’間に引き込まれる。なお、補助挟持機構75の挟持ベルト76,76’が駆動すると同時に、ストランドSを強圧していたストランド挟持機構70の挟圧機構73,73を解除するようにしている。
【0126】
図40(F)に示すように、補助挟持機構75は、挟持ベルト76,76’間に伸延してきたスパイキキャップ37を挟着しながら、挟持ベルト76,76’の駆動によりスパイキキャップ37共どもストランドSを伸延方向に引き込む。このとき、テンション支柱68から突出した係合ピン74は、同テンション支柱68内に没入することにより、係合していたストランドSを解除する。ストランド挟持機構70は、もとの方向に回動しつつ、上昇して上方位置で停止する。
【0127】
図40(G)、図41(A)及び図42(A)に示すように、スパイキ本体34先端のスパイキキャップ37は、挟持ベルト72,72’の駆動により伸延方向に引き出される。さらに、スパイキキャップ37は、キャップアーム80先端の保持部81に装着される。
【0128】
図40(H)、図41(B)及び図42(B)に示すように、キャップアーム80先端の保持部81に装着されたスパイキキャップ37は、同キャップアーム80の枢支部を中心に回動して、シリンダ支柱67の油圧式スパイキサポート部6’の先端に装着される。1組目のストランドの1回目の編込みが完了する。次いで、他のストランド撚り機構65による2組目、3組目、4組目のストランド編込みが行われる。その後、2回目、3回目のストランド編込みを順に行うこととなる。
【0129】
このように本スプライス装置61は、エイト・ロープMの全自動でアイ・スプライス作業を行うことができる。
【0130】
なお、上記実施例において8本のストランドからなるエイト・ロープを用いて説明したが、12本のストランドからなるトエル・ロープに対しても適用することができ、また、本ループ状繊維ロープの製造装置を用いることにより、トエル・ロープを接ぐことができる。
【技術分野】
【0001】
この発明は、船舶の係留時等に使用するループ状繊維ロープの製造装置及びこの製造装置により製造したループ状繊維ロープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スチールロープに比し軽量で柔軟性に富むなどの利点を有する繊維ロープは船舶、漁業、海洋施設などの分野や荷揚げ用や自動車牽引用などに使用されている。
かかる繊維ロープとしては、編組(組紐)タイプのものが知られており、8打ち、12打ち、24打ちなどがあるが、いずれも原糸を撚合したヤーンを複数本撚合したストランドを2本一組として組んだ構造となっている。
特に、船舶係留で用いられる船用索は、クロスロープとして先端に環状部を形成するために船用索の自由端を船用索の本体部分に接ぎ作業をしなければならない。
接ぎ方としては、通常アイ・スプライス(eye splice)がある。
かかる船用索の接ぎを行うには、熟練した経験が必要とされており、その原因は、船用索の継ぎ方が複雑であり、慣れていないと接ぎ方の手順がわからないことにある。
そこで特許文献1に開示されているように複数本のストランドを2本毎のユニットとして複数組のストランド組を形成し、右撚りと左撚りとで、各ストランド組の色を異にした着色を行い、編成作業は予め決めた色彩の順序で行うようにして船用索の接ぎに熟した人でなくても容易に接ぐことができるようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3035503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、かかる技術は接ぎ方の手順は色彩で理解できるものの、実際の作業は従来のスパイキでストランドの一組に穴を開けて予め順序を決められた色彩のストランド組を通す作業を行わなければならない。
すなわち、作業手順としては8本のストランドから構成される、いわゆるエイト・ロープでは、先ず8本のストランド毎にほぐす加工しろの作成を行い、次いで、ストランド組をエイト・ロープ本体に挿入する口入準備(割り)を行い、次いで、口入準備に基づいて4組のストランド組をエイト・ロープ本体のストランド組の間を通す口入を行い、次いで、口入が終わった後にエイト・ロープ本体にストランド組を挿入する2回目以降の挿入作業としての差込を行う。
これらの作業を行うためには、やはり、接ぎ手順は理解できても熟練者でなければ円滑に接ぎ作業が行えない欠点を有していると共に従来のクロスロープの接ぎ方では、上記の接ぎ作業の手順において接ぎ部分の強度に不安があり長期間の使用によって劣化損傷が早く接ぎ部解舒生起のおそれがあった。
更には、接ぎ部分の劣化損傷の後に新しく接ぎ直しができずアイ・スプライス以外の部分は使用可能にもかかわらず、放棄するしかなく、経済的損失も大きかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、機枠に配設したテーブルと、テーブルに載置しロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持すると共に、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの端部を強制的に引っ張るためのストランド撚り機構と、垂下状態のロープ本体の上下部分を把持し撚りを弛緩する方向に捩じることができる上下ロープグリップ部と、上下ロープグリップ部の間隔を短縮して把持したロープの撚りを弛緩するグリップ部昇降機構とよりなるループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0006】
この発明は、テーブルは、機枠に回転自在に配設したターンテーブルであり、前記ストランド撚り機構は、ターンテーブルに載置しロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持するためのスパイキサポート部と、ターンテーブルに載置しスパイキサポート部と略対峙する位置に配設し、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの端部を強制的に引っ張るためのストランドテンション部とからなり、上下ロープグリップ部は、スパイキサポート部とストランドテンション部との間に位置して配設したことを特徴とする請求項1に記載のループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0007】
この発明は、スパイキサポート部とストランドテンション部との間に、アイ・スプライスを行う位置を透視可能とするストランド挿貫窓を形成したガイド板を配設したことを特徴とする請求項2に記載のループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0008】
この発明は、ターンテーブルが、一部切欠の馬蹄形状とした請求項2、3のいずれかに記載のループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0009】
この発明は、上下ロープグリップ部の少なくともいずれかはエイト・ロープの撚りと反対方向に回転自在としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0010】
この発明は、上下ロープグリップ部の少なくともいずれかはグリップ部昇降機構により昇降自在としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0011】
この発明は、テーブルは、対向して配設した支持基板であり、各支持基板には、ストランド撚り機構を載置し、ストランド撚り機構は、支持基板上を回転自在とした回転基盤と、回転基盤に立設したシリンダ支柱と、ロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持するためのスパイキサポート部と、回転基盤に立設したテンション支柱と、上下昇降自在で、かつ、回動自在にテンションアームを介してストランドを挟持自在としたストランド挟持機構とからなることを特徴とする請求項1に記載のループ状繊維ロープの製造装置を提供する。
【0012】
この発明は、請求項1〜7のいずれかの装置により製造したループ状繊維ロープを提供する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、ループ状繊維ロープの製造装置として、テーブル、ストランド撚り機構、上下ロープグリップ部、及びグリップ部昇降機構等を構成要素としたので、従来のループ状繊維ロープの撚り方を実施するに際し、先ず、上下ロープグリップ部によりロープを上下で把持固定してグリップ部昇降機構によりロープの撚りを弛緩し、かつ該グリップ部で弛緩する方向への撚りも行うことができるため、スパイキを挿入する撚りストランド間の間隙を容易に形成し、その間隙にスパイキに連結したストランドを挿通し、アイ・スプライスの作業手順を簡便に実行し得る効果を有し、更にはスプライス作業と同時にストランド撚り機構において、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの編部を強制的に引っ張って撚りを一層強固に締め付けることができるため、アイ・スプライス作業が熟練者でなくてもスプライスの作業手順に従って容易にかつ確実に行うことができる効果がある。
更には、本装置を使用することにより垂重量のあるロープ本体のアイ・スプライス作業が一人でも充分に実行することができるため省エネの下で確実なループ状繊維ロープを製造することができる効果がある。
【0014】
請求項2の発明によれば、ループ状繊維ロープの製造装置として、ターンテーブル、スパイキサポート部、ストランドテンション部、上下ロープグリップ部、及びグリップ部昇降機構等を構成要素としたので、従来のループ状繊維ロープの撚り方を実施するに際し、先ず、上下ロープグリップ部によりロープを上下で把持固定してグリップ部昇降機構によりロープの撚りを弛緩し、かつ該グリップ部で弛緩する方向への撚りも行うことができるため、スパイキを挿入する撚りストランド間の間隙を容易に形成し、その間隙にスパイキに連結したストランドを挿通し、アイ・スプライスの作業手順を簡便に実行し得る効果を有し、更にはスプライス作業と同時にストランドテンション部において、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの編部を強制的に引っ張って撚りを一層強固に締め付けることができるため、アイ・スプライス作業が熟練者でなくてもスプライスの作業手順に従って容易にかつ確実に行うことができる効果がある。
更には、垂下状態のロープ本体の撚りストランド間にスパイキを介してストランドを挿通するに際しては、ロープ本体の撚りの表側や裏側を反転しながらスプライス手順に従った作業を遂行することになるが、ロープ本体の撚りの表裏反転作業もターンテーブルを回転させることによりロープ本体に対して反転方向からスパイキを入れてストランドの撚り作業が行えることになり、重量のあるロープ本体のアイ・スプライス作業が一人でも充分に実行することができるため省エネの下で確実なループ状繊維ロープを製造することができる効果がある。
【0015】
請求項3の発明によれば、スパイキサポート部とストランドテンション部との間にストランド挿貫窓を形成したガイド板を配設したので、スパイキを介して弛緩したロープ本体のストランド間にループのためのストランドを挿通した場合、スパイキに連結したストランドをストランド挿貫窓を通して対峙方向にあるストランドテンション部に導出し、該テンション部によってストランドを引っ張り、撚りを強固に緊締することができる。
同時に、ストランドテンション部によりロープ本体の撚り間を挿通したストランドを強制的に引っ張るとロープ本体もストランドテンション部方向に引っ張られて変位し勝ちになるため変位するロープ本体をガイド板で受止めて可及的にロープ本体を垂下状態に保持し、アイ・スプライス作業を確実に行えるようにすることができる効果がある。
【0016】
請求項4の発明によれば、ターンテーブルは一部切欠の馬蹄形状としているためアイ・スプライス作業の完了後は、一部切欠部からターンテーブルの外方にロープ本体を取り出すことができ、作業の効率化を図ることができる効果がある。
【0017】
請求項5の発明によれば、上下ロープグリップ部のいずれかがロープ本体の撚りを反対方向に回転することができるため、容易にロープ本体の撚りを弛緩してスパイキの挿通を容易とすることができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、グリップ部昇降機構により上下ロープグリップ部のロープ本体の長さを短縮して撚りを弛緩することができるのでストランドの撚り間にスパイキを挿通しやすくなる。
【0019】
請求項7の発明によれば、ループ状繊維ロープの製造装置として、支持基板、ストランド撚り機構、回転基盤、スパイキサポート部、ストランド挟持機構、上下ロープグリップ部、及びグリップ部昇降機構等を構成要素としたので、従来のループ状繊維ロープの撚り方を実施するに際し、先ず、上下ロープグリップ部によりロープを上下で把持固定してグリップ部昇降機構によりロープの撚りを弛緩し、かつ該グリップ部で弛緩する方向への撚りも行うことができるため、スパイキを挿入する撚りストランド間の間隙を容易に形成し、その間隙にスパイキに連結したストランドを挿通し、アイ・スプライスの作業手順を簡便に実行し得る効果を有し、更にはスプライス作業と同時にストランド挟持機構において、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの編部を強制的に引っ張って撚りを一層強固に締め付けることができるため、アイ・スプライス作業が熟練者でなくてもスプライスの作業手順に従って容易にかつ確実に行うことができる効果がある。
更には、垂下状態のロープ本体の撚りストランド間にスパイキを介してストランドを挿通するに際しては、ロープ本体の撚りの表側や裏側を反転しながらスプライス手順に従った作業を遂行することになるが、ロープ本体の撚りの表裏作業も対向するストランド撚り機構によりロープ本体に対して交互にスパイキを入れてストランドの撚り作業が行えることになり、重量のあるロープ本体のアイ・スプライス作業が一人でも充分に実行することができるため省エネの下で確実なループ状繊維ロープを製造することができる効果がある。
【0020】
請求項8の発明によれば、上記装置により製造したループ状繊維ロープであるため、アイ・スプライスの撚りが確実に緊締したものとすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第1工程を示す図。
【図2】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第2工程を示す図。
【図3】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第3工程を示す図。
【図4】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第4工程を示す図。
【図5】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第5工程を示す図。
【図6】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第6工程を示す図。
【図7】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第7工程を示す図。
【図8】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第8工程を示す図。
【図9】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第9工程を示す図。
【図10】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第10工程を示す図。
【図11】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第11工程を示す図。
【図12】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第12工程を示す図。
【図13】本発明のループ状繊維ロープの製造装置におけるアイ・スプライス第13工程を示す図。
【図14】本発明装置の要部の正面図。
【図15】本発明装置のI−I線の断面図。
【図16】本発明装置の側面図。
【図17】本発明装置の斜視図。
【図18】本発明装置の他の実施例の側面図。
【図19】同平面図。
【図20】同斜視図。
【図21】上ロープグリップ部の動作説明図
【図22】本発明装置におけるスパイキ保持部の説明図。
【図23】(A)同要部の断面図。(B)(A)に示すII-II線の断面図。
【図24】本発明装置におけるスパイキの第1変形例の断面説明図。
【図25】同要部の断面説明図。
【図26】同斜視図。
【図27】同第2変形例を示す断面説明図。
【図28】同第3変形例を示す断面説明図。
【図29】図28に示すIII−III線の断面図。
【図30】同組立状態の説明図。
【図31】本発明装置における巻取引張具の正面図。
【図32】同作動状態を示す正面図。
【図33】本発明装置における上下グリップ部の説明図。
【図34】同作動状態とそれに対応するエイト・ロープ本体を示す正面図。
【図35】同作動状態とそれに対応するエイト・ロープ本体を示す正面図。
【図36】本発明装置の更に他の実施例の斜視図。
【図37】(A)ストランド撚り機構の斜視図。(B)ストランド撚り機構の側面図。(C)ストランド撚り機構のテンション支柱上部の斜視図。
【図38】ストランド撚り機構の動作説明図。
【図39】ストランド撚り機構の動作説明図。
【図40】ストランド撚り機構の動作説明図。
【図41】ストランド撚り機構の動作説明図。
【図42】ストランド撚り機構の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の実施例を図面に基づき詳説する。
図1〜図13は、本発明のループ状繊維ロープの製造方法を示す工程の説明図である。
【0023】
本発明のループ状繊維ロープは、クロスロープのサツマ接ぎアイ・スプライスと称される方法により製造されたものであり、本発明の実施例でのクロスロープはエイト・ロープMと称される8本のストランドA,A’、B,B’、C,C’、D,D’より撚製されるものである。
【0024】
エイト・ロープMは、それぞれ2本のストランドが左撚りされた左撚りのストランド組を2つと、それぞれ2本のストランドが右撚りされた右撚りのストランド組を2つを備え、これらストランドを交互に組み合わせたものである。
【0025】
このように、クロスロープは、右撚りストランド4本、左撚りストランド4本の合計8本のストランドSを同一撚り方向の2本1組で合計4組を撚り合わせて作られたものであり、従って、このクロスロープの接ぎ方は、同一撚り方向の2本のストランド1組として、相手方の同一撚り方向のストランドに通し、2回目からは差し入れ法によって2〜4回巻き入れ、最後にストランド1本毎に分けて通し、端を紐で縛って緩み止めをする。
【0026】
次に、このエイト・ロープMを用いてアイ・スプライス法でエイト・ロープを接ぐ手順を説明する。
【0027】
(イ)加工しろの作成
初めにエイト・ロープMを8本のストランドS毎にほぐして、図1に示すように加工しろを形成する。
加工しろは、アイ・スプライス法でエイト・ロープMを接ぐ場合に必要な長さを有している必要がある。
通常、加工しろの長さは、ストランドの直径の12〜15倍の長さとする。
【0028】
(ロ)口入準備(割り)
加工しろを形成した後は、口入のための準備を行う。
口入とは、アイ・スプライス法でエイト・ロープMを接ぐ場合に最初にストランド組をエイト・ロープ本体mのアイの大きさ部分に挿入することを指す。
すなわち、ストランド組とストランド組の間に他のストランド組を挿入することであり、口入準備では各ストランドを一本毎にばらし、テープ48で仮止めをしておく。
そして、エイト・ロープMの端を4組のストランド組A,A’、B,B’、C,C’、D,D’に分ける。
【0029】
(ハ)口入
口入の準備が終了したら、次は口入をする。
先ず、図2に示すようにアイPの大きさを決める。そして口入準備をした4組のストランド組A,A’を、エイト・ロープ本体mにおけるアイPの大きさ部分に挿入することになる。
すなわち、右撚りストランドA,A’を挿入する場合は、図3に示すようにクロスロープの右撚りストランドの1組にスパイキ22で穴を開ける。
【0030】
次に、図4で開けた孔にA,A’のストランド組を平行に並べて少し撚りを戻すようにして真っ直ぐに通す。
【0031】
次に、図5で示すように左撚りB,B’のストランド組を挿入する場合は、A,A’ストランド組を通したストランドに隣接する左撚りストランドの1組にA,A’の時と同様にスパイキ孔を開け、そこに巻きながら通す。
【0032】
次に、図6で示すように、右撚りA,A’と左撚りB,B’のストランド組を通し終わり、その後アイを裏通ししてA,A’のストランド組を通した所の隣接する左撚りストランド組にスパイキで穴を開けここにC,C’のストランド組を挿入する。
【0033】
次に、図7に示すように、右撚りD,D’のストランド組を挿入する場合は、C,C’ストランド組を通した所に隣接する左撚りストランドにスパイキで孔を開けてストランド組を平行に並べて巻きながら通す。
【0034】
このようにしてA,A’、B,B’、C,C’、D,D’の各ストランド組をエイト・ロープ本体mのアイPの大きさの部分に挿入する第1回目のスプライスが完了する。
【0035】
次に、第2回目からのスプライスは、第1回目に通したストランドA,A’、B,B’、C,C’、D,D’と同一方向に走るストランドにA,A’〜D,D’のストランド組の全部を巻き入れ法によって常に巻き込みながら通す。
【0036】
このスプライスの回数は、約2〜4回程度行う。普通は、2回でよいが滑りやすいロープの場合は確実な緊締状態を保持すべく、3〜4回スプライスするのがよい。
【0037】
D,D’のストランド組の場合について、スプライスする工程を説明すると、図8に示すように第1回目のスプライスの時に通したロープのストランドの隣のストランドにスパイキで穴を開ける。
【0038】
次いで、図9に示すように図8で開けた孔にD,D’のストランド組を巻きながら通す。
【0039】
次いで、図10に示すようにD,D’のストランド組だけ最後まで通さずに、A,A’→B,B’→C,C’→D,D’のストランド組の順に交互に通す。
すなわち、全体のバランスをとりながら外観を揃えて各ストランド組のテンションを一定にする。
このように巻き入れ法による最後のD,D’のストランド組のスプライスが終了したら、スプライス部の形状は略四角形となっている。
【0040】
図11に示すように最後のスプライス止めを行う場合は、まず各組のストランドを1本ずつに分け、ロープの各組のストランドも同様に分けて、1本ずつストランドを挿入するためにスパイキで孔を開ける。
【0041】
次に図12に示すように、D,D’のストランド組の一方のDに近い孔のストランドにDを通す。
【0042】
図13に示すように、残りのD’のストランドを挿入する場合は、ロープストランドの残りの1本をスパイキで起してその孔にD’のストランドを挿入し、スプライスが完了する。
【0043】
この発明の実施例は、上記のクロスロープの接ぎ方を機械装置を用いて容易に且つ確実に行えるようにした。
図14〜図35は、本発明装置を示す図である。
【0044】
図14に示すように、1は、アイ・スプライス装置であり、エイト・ロープにアイ・スプライスを行いエイト・ロープの一端にループ状の環体を形成する装置である。
【0045】
アイ・スプライス装置1は、方形状の機枠2の中央にドーナツ状のターンテーブル3を設け、その上方に上下一定間隔を保持して上下ロープグリップ部4,5を配設し、上下ロープグリップ部4,5の側方向には、ターンテーブル3上にスパイキサポート部6(図16参照)を立設しており、上下ロープグリップ部4,5を中心にしてスパイキサポート部6と対峙する位置にはターンテーブル3上にストランドテンション部7(図16参照)を立設している。上ロープグリップ部4の上方にはエイト・ロープMを垂直に垂下して上下ロープグリップ部4,5の中心孔に導くためのロープガイド部8を配設している。
【0046】
図16及び図17に示すように、ドーナツ状のターンテーブル3は、上下ロープグリップ部4,5に垂下固定されたエイト・ロープMの周辺を、スパイキサポート部6とストランドテンション部7が回動してスパイキ22の差込方向を変位させるべく機能する。
【0047】
すなわち、スパイキサポート部6とストランドテンション部7を周縁部に立設固定したターンテーブル3は、モータ(図示しない)の出力軸9に設けたピニオン軸10と、ピニオン軸10に噛合した環状ラック11とより構成されており、環状ラック11はドーナツ状のターンテーブル3の内周面に形成している。
【0048】
図14及び図16に示すように、12はベアリング12’を介して回動自在のターンテーブル3を支持する支持ケースである。
【0049】
図17に示すように、上下ロープグリップ部4,5は、機枠2にステー13,18を介してドーナツ状のターンテーブル3の中央孔3’垂直上方に設けられており、中央にエイト・ロープMを挿貫してグリップできるリング形状をなし、そのリング形状のリング内側面14(図15参照)には、グリップ片15が中心に向かって摺動可能でエイト・ロープMを把持することができるように構成されている。
【0050】
グリップ片15の中心に向う摺動機構としては、カメラシャッターの様な絞り込み構造やグリップ片15の基端部に設けたカム機構等を利用することができ、上ロープグリップ部4の外側面にはグリップ片15を構成する操作機構が設けられている。
【0051】
図14及び図17に示すように、下ロープグリップ部5は、機枠2に設けたグリップ部昇降機構17にステー18を介して支持されており、上ロープグリップ部4の真下に位置し、上ロープグリップ部5と同様のリング形状をしており、リング中央孔にはエイト・ロープMを挿貫グリップできる構造となっている。
【0052】
グリップ部昇降機構17はステー18の基端部を連設した雌ネジ体(図示せず)と、雌ネジ体に螺合して外部より回転操作できる雄ネジ体(図示せず)より構成しており、雄ネジ体を回転操作することにより雌ネジ体を介してステー18を昇降し、上下ロープグリップ部5を上下動させる。
【0053】
また、リング形状の下ロープグリップ部5のリング内側面19には、グリップ片20(図15参照)が中心に向かって摺動可能でエイト・ロープMを把持することができるように構成されている。
【0054】
グリップ片20の中心に向かった摺動構造としては、上ロープグリップ部4と同様の構造とし、その操作機構も同様である。
【0055】
従って、上ロープグリップ部4のリング中央を挿貫して、グリップ片15により把持されたエイト・ロープMは、下ロープグリップ部5のリング中央の孔中を挿管してグリップ片15により把持され、そのままの状態でグリップ部昇降機構17によって下ロープグリップ部5を上方に移動するため、把持したエイト・ロープMは上下ロープグリップ部4,5間で弛緩状態となり、撚り目が緩み、編撚りしたストランド5間に空隙が形成される。
【0056】
更には、上下ロープグリップ部4,5は、それぞれ反転方向に回転するように構成されている。
すなわち、図14に示すように、ドーナツ状の上下ロープグリップ部4,5は、ステー13,18に対して回転自在に取り付けられており、上下グリップ部4,5の下底面には、環状にラック面4−1,5−1が形成されており、該ラック面4−1,5−1には、ピニオン4−2,5−2が噛合しており、ピニオン4−2,5−2をモータ等の動力或は手動で回転駆動させると上下ロープグリップ部4,5はそれぞれ反対方向に回転する。
【0057】
従って、上下ロープグリップ部4,5間に把持されたストランドSは、前記したグリップ部昇降機構17と相俟って、ストランドSの撚り目を可及的に弛緩して、後述するストランドSを連結したスパイキ22の挿入を円滑にする。
【0058】
図18、図19、図20に示すのは、上記の上下ロープグリップ部4,5及び上下ロープグリップ部4,5の反転機構並びにターンテーブル3に関する他の実施例である。
【0059】
すなわち、上下ロープグリップ部4,5は、それぞれ基端を枢支した左右の半円弧状のグリップ片50、50'よりなり、基端の枢支部分では枢軸51、51'をピニオンとして駆動ラック52を噛合させて左右の半円弧状のグリップ片50、50'を閉塞、解放自在としエイト・ロープの把持及び解放を行うことができるように構成されている。
【0060】
しかも、上ロープグリップ部4は、左右半円弧状のグリップ片50、50'の中心から回転することができるように基端の枢支部分の後部にグリップ片50、50'の中心から半径軌道位置に円弧状の反転用ラック53と反転用ピニオン54を配設しており、該ピニオン54の駆動により上ロープグリップ部4がグリップ片の中心から回転して把持したエイト・ロープMのストランドSを捩じる(図21参照)。
【0061】
これは、上下グリップ部4,5間に把持されたストランドSが前記したグリップ部昇降機構17と相俟って、ストランドSの撚り目を可及的に弛緩して、後述するスパイキ22(ストランドSを連結しているスパイキ22)の挿入を円滑にする機能を有する。
【0062】
図18中、55は、上ロープグリップ部4の側方に配設したストランドSを溶断するための溶断装置を示し、機枠2に伸縮自在のアーム56を介して取り付けられている。
【0063】
ターンテーブル3は、ドーナツ状の一部を切欠して略馬蹄形状に形成しており、その回転機構は既述のドーナツ形状のターンテーブル3と同様である。
【0064】
図中、3−1は略馬蹄形状のターンテーブル3における一部切欠部を示している。
このように一部切欠部を形成した馬蹄形状とすることにより上下グリップ部4,5間でアイ・スプライス作業を完了した後に上下グリップ部4,5から解放されたエイト・ロープMを一部切欠部3−1から取出しアイ・スプライス装置1からのエイト・ロープMの離脱回収を容易にすることができる。
【0065】
スパイキサポート部6は、図22に示すようにドーナツ状のターンテーブル3の周縁に回転自在に立設された支柱21と、支柱21の上部に傾動自在に枢支連設され、スパイキ22をガイド保持する略円筒状のスパイキ保持部23と、スパイキ保持部23における略円筒状の周側面に長手方向に沿って形成したガイドスリット25と、スパイキ22の周面に突設したスパイキハンドル26とよりなり、スパイキハンドル26はスパイキ保持部23に形成したガイドスリット25をストランド自在としている。
【0066】
スパイキ22は、図23(A)及び図23(B)に示すように先端先鋭状のキャップ27と、キャップ27の後端に連設したスパイキ本体28とよりなり、スパイキ本体28は、後端開口の中空筒状に形成しており、その内部には、後端開口により2本1組のストランドSを挿入してストランド先端をスパイキ本体28の先端部に固定すべく構成している。
【0067】
このように2本1組のストランドSをスパイキ本体28の先端部に固定する構造としては次の三変形例が考えられる。
【0068】
[第1変形例]
図24〜図26に示すように、2本1組の各ストランドSの自由端に先端有底の円筒状のストランドキャップ30を被覆し、ネジ31で該キャップ30とストランドS先端部分とを固定し、2本1組のストランドSの各自由端に被覆したストランドキャップ30,30’をスパイキ本体28中に挿入してスパイキキャップ27の基端部近傍で固定しておく。
【0069】
なお、スパイキ本体28は、断面扁平楕円形状とし、二つ割にして開閉自在としており、スパイキ本体28の先端部近傍には仕切り壁32を形成している。
【0070】
従って、二つ割にしたスパイキ本体28中に予め2本1組の各ストランドキャップ30,30’を収納して閉蓋する際に、ストランドキャップ30,30’が仕切り壁32に係合するように閉蓋することにより二つ割のスパイキ本体28を一体に組立て、2本1組のストランドSをストランドキャップ30,30’及び仕切り壁32を介してスパイキ本体28から抜去不能に固定している。
【0071】
[第2変形例]
第1変形例では2本1組の各ストランドSのそれぞれの自由端にストランドキャップ30,30’を包被し、各ストランドキャップ30,30’にはストランドSの自由端を固定するためのネジ31を挿貫螺入しているが、第2変形例では図27に示すようにストランドキャップ30,30’中に各ストランドSの自由端を挿入する点は同一であるが共通ネジ33によって各ストランドキャップ30,30’を一体に固定すべく長手の共通ネジ33を各キャップ30,30’に一体に挿貫螺入している。
【0072】
このようにすることにより、第1変形例のように各ストランド自由端に単独でストランドキャップ30,30’を包被するよりストランドSが解舒しにくくなり、後工程のスプライス作業が行いやすくなる。
【0073】
[第3変形例]
図28〜図30に示すように、2本1組の各ストランドSの各自由端を一体に束ねて二つ割可能な円筒状のストランド本体34中に挿入して該ストランド本体34からネジ35を挿貫螺入して一体に固定する。
【0074】
二つ割可能な円筒状のストランド本体34は、樹脂等の可撓性素材を用いて図30に示すように上下に二つ割して断面半円弧状の上ストランド本体34’と下ストランド本体34’’の両側端縁を嵌合形状としている。
【0075】
一体の円筒形と二つ割の半円弧形とに変形することができるので、各ストランドSの自由端を二つ割の半円弧形の上下ストランド本体34’,34’’間に挟持し、上下ストランド本体34’,34’’を一体に嵌合して円筒形にすることにより、各ストランドSの自由端を上下に押圧変形させながらストランドキャップ37で包被することができる。
【0076】
そして、ストランドと一体化したストランド本体34の先端は空洞円筒形部36とし、ストランド本体34先端に取り付けるストランドキャップ37は先端先鋭状で後端に嵌入突部38を突設しており、両者を一体化するに際しては嵌入突部38と空洞円筒形部36とを一体嵌合することにより、スパイキ本体34後端にストランドキャップ34を一体に接続可能としている。
【0077】
ストランドテンション部7は、図31、図32、図17、図20に示すように上下ロープグリップ部4,5を中心にして、スパイキサポート部6と対峙する位置となるように、ターンテーブル3上に配設されている。
【0078】
すなわち、ストランドテンション部7は、ターンテーブル3上に立設した上下調節自在の支柱39と、支柱39の上端に支持軸40を介して軸支した略六角形状の巻取引張具41と、巻取引張具41の六角形の一頂部に連結ワイヤ42を介して連結したストランド緊締具43とよりなる。
【0079】
巻取引張具41は、図31に示すように一定間隔を保持して重複して設けた左右の六角形状の六角形枠体41−1,2と、六角形枠体41−2,2の各角頂部に軸架した自転可能なパイプスペーサ41−3とより構成されている。
【0080】
また、巻取引張具41は、六角形状の放射状の径を大とすることにより手動による回転負荷を小とすることができ、軽い力で六角形枠体41−1,2外周面にストランドSを巻きつけて引っ張ることができる。
【0081】
スパイキサポート部6とストランドテンション部7との間には、ストランド挿貫窓45を形成したガイド板46が配設されており、47はガイド板46を支持するための支持杆であり、ターンテーブル3に一体に設けられている。
【0082】
ガイド板46は、ストランドテンション部7によりストランドSを引っ張った際にエイト・ロープMが撓んでガイド板46に当接するようにして、それ以上に変動せず、ストランドSの挿通応力が最大限となるようにしている。
【0083】
ガイド板46とストランド挿貫窓45については上述した構成の他に、次のような変形例が考えられる。
【0084】
ガイド板46のストランド挿貫窓45は、両側部が開放状態の切欠部を形成しており、ストランドSを連結したスパイキキャップ27をストランドテンション部7から折返して、エイト・ロープ本体mの裏側より挿入する際に、切欠部からストランドSがガイド板46外部に外れるように構成している。
【0085】
従って、ガイド板46は上下に分割してその間の一定間隔をストランド挿貫窓45とし、両側を切欠部とすることと同様となる。
【0086】
ガイド板46は、図17、図20に示すように、ストランドテンション部7の近傍で、上下垂下状態のエイト・ロープ本体mとの間に介設しているが、それ以外にも相対する2枚のガイド板を対面させた構造とすることもできる。
【0087】
すなわち、スパイキサポート部6の近傍で垂下状態のエイト・ロープ本体mとの間にも別途のガイド板を介設しておき、両ガイド板を対面状態としておくものである。
【0088】
このように、両ガイド板を対面して介設しておくことにより、スパイキキャップ27をスパイキサポート部6からガイド板46を挿貫してエイト・ロープ本体mの表側へ挿通し、ストランドテンション部7へ引き出し、そこで、引張って表側でのストランドSの撚編を行う。
【0089】
次いで、そのスパイキキャップ27をストランドテンション部7で折り返してエイト・ロープ本体mの裏側へ挿入して別途、ガイド板を挿貫してストランドSをエイト・ロープ本体mの裏側から引き出して、1回目のストランドSの撚編を完了する。
【0090】
その際に、ガイド板は、ストランドSをエイト・ロープ本体mの表側及び裏側から挿貫して撚編する時のエイトロープ本体mの受け止め機能を果たすこととなる。
【0091】
この発明の実施例は、上記のように構成されており、次いでアイ・スプライス装置1を用いてアイ・スプライスを行うための作業手順を説明する。
【0092】
(1) まず、アイ・スプライス装置1のロープガイド部8を介してエイト・ロープMを下方に垂らし、上下ロープグリップ部4,5中に挿貫して垂下状態とする(図17、図20参照)。
【0093】
(2) 上下ロープグリップ部4,5の各グリップ片15を作動させて、エイト・ロープMの周面を把持する。把持する位置はアイの大きさを決定する位置となる(図33参照)。
【0094】
(3) エイト・ロープMを把持した上下ロープグリップ部4,5のうち、下ロープグリップ部5をグリップ部昇降機構17により強制的に上昇させて把持したエイト・ロープMを縮ませてロープ撚りが少し弛緩した状態とする(図34参照)。
【0095】
(4) エイト・ロープMを把持した上下ロープグリップ部4,5をラック面4−1,5−1とピニオン4−2,5−2を用いてそれぞれ反対方向に回転させて上下グリップ部4,5で把持したエイト・ロープMを捩ることにより、ロープ撚りを緩くする(図35参照)。
【0096】
(5) エイト・ロープMの端部は、ほぐして8本のストランドに分解し、加工しろを形成し、2本1組のストランド組をスパイキサポート部6に連結する。
【0097】
(6) ストランド組をスパイキサポート部6に配置したスパイキ22に連結するに際しては、第1変形例〜第3変形例に示すような方法を選択してスパイキ本体34にストランドキャップ30,30’,37を介して連結する。
【0098】
(7) 上下ロープグリップ部5,6間で撚りが緩んだエイト・ロープMの所定のストランド間にスパイキサポート部6から取外したスパイキ22を差込み所定のストランド撚り間を挿通する。
【0099】
(8) ストランド撚り間を挿通したスパイキ22をストランド挿貫窓45から巻取引張具41方向へ引っ張ると、スパイキ22に連結した一組のストランドがエイト・ロープM中の所定の撚り間に挿通された状態となる。
【0100】
(9) スパイキ22に連結したストランド組を巻取引張具41に連結した緊締具43に緊締して固定する(図32参照)。
【0101】
(10) この状態で六角形枠体41−1,2の頂部間に架設したスペーサ44にストランド組を巻きつけるように巻取引張具41を回転させて、ストランド組を強く引っ張っていく(図32参照)。
【0102】
(11) このように、エイト・ロープMを構成する2本1組のストランド組の4組を次々に上記手順でエイト・ロープMの撚り間に挿入して編撚していく。
【0103】
(12) かかるエイト・ロープMを構成する2本1組のストランド組の4組を次々に上記手順でエイト・ロープMの撚り間に挿入して編撚していくに際しては、エイト・ロープMの一方向からだけではなく裏側からのも挿入して編撚していく。なぜならば、撚り間の位置が常にスパイキ22の挿入方向に正面から向き合っていなければ正確なストランド挿入が行えない。
【0104】
換言すれば、ストランドSを挿入するエイト・ロープMの撚り間、すなわち、エイト・ロープMの口入部分がガイド板46のストランド挿貫窓45と対向する位置となるようにスパイキ保持部23やガイド板46や巻取引張具41等をターンテーブル3の回転によってエイト・ロープMの周辺を移動させることが必要である。
【0105】
(13) 2本1組のストランド組の撚りについては、前述した加工しろの作成、口入準備、口入の各工程を実施することにより撚りを行う。
【0106】
[更に他の実施例]
更に他の実施例は、図36から図42を参照しながら説明する。
上記の実施例ではストランドを連結したスパイキ22を手動で垂下したエイト・ロープ本体mの撚り目から挿貫して、スパイキ22に連結した1組のストランドを巻取引張具41で巻き取るようにして引っ張り、残りの3組のストランドを同様の順序でエイト・ロープMの撚り間に挿入して編撚していた。これに対して他の実施例ではすべてを全自動でアイ・スプライス作業を行う構造としたものである。
【0107】
図36に示すように、アイ・スプライス装置61は、左右に支持基板62,62’を対向して配設し、その端部方向にロープグリップ機構63を配設している。ロープグリップ機構63は、前述の実施例の上下ロープグリップ部4,5の構造と同様であり、上下ロープグリップ部4,5は、それぞれ基端を枢支した左右の半円弧状のグリップ片50、50’よりなり、基端の枢支部分では枢軸51、51’をピニオンとして駆動ラック52を噛合させて左右の半円弧状のグリップ片50、50’を閉塞、解放自在としエイト・ロープの把持及び解放を行うことができるように構成されている。
【0108】
但し、他の実施例においては、上下ロープグリップ部4,5の間隔を狭くしており、かつ、上下ロープグリップ部4,5は、垂直支持柱64に沿って上下昇降自在に構成されている。
【0109】
左右支持基板62,62’には、同基板62,62’の長手方向に沿って摺動自在にそれぞれ4個、合計8個のストランド撚り機構65,・・,65を配設している。尚、12本のストランドからなるロープの場合には、12個のストランド撚り機構65,・・,65を左右支持基板62,62’に配設することが好ましい。
【0110】
図37(A)及び図37(B)に示すように、各ストランド撚り機構65は、支持基板62,62’上を回転自在とした回転基盤66にシリンダ支柱67を立設し、シリンダ支柱67には、スパイキサポート部6と同様の構造を有する油圧作動の油圧式スパイキサポート部6’を先端傾動自在、かつ、上下昇降自在に設けている。
【0111】
尚、油圧式スパイキサポート部6’のスパイキの伸縮作動は、人力によらず三段式の油圧シリンダによって行う。また、油圧式スパイキサポート部6’には、シリンダ支柱67と対向する位置に立設したテンション支柱68を配設し、テンション支柱68には、該テンション支柱68の長手方向に沿って、上下昇降自在で、かつ、回動自在にテンションアーム69の基端が装着されており、テンションアーム69の先端には、ストランドを挟持自在としたストランド挟持機構70が連結されている。
【0112】
ストランド挟持機構70は、ストランドフレーム71に上下に隣接して駆動自在の挟持ベルト72,72’を配設しており、各挟持ベルト72,72’は前端後端に配設したローラR,R間に懸架されており、上下に押接自在で隣接することにより、駆動自在の挟持ベルト72,72’間に伸延してきたストランドSを挟着しながら、挟持ベルト72,72’の駆動によりキャップ37と一体のスパイキ本体34共どもストランドSを伸延方向に引き出すようにしている。
【0113】
また、上下の各挟持ベルト72,72’の中腹内側には、それぞれ挟圧機構73,73を設けており、上下挟持ベルト72,72’間に挟持されたストランドSを両挟持ベルト72,72’の中途で更に上下の挟圧機構73,73により強制的に強圧するように構成している。
【0114】
図中、73−1はベルト中腹内側に配設したエアシリンダ、73−2はエアシリンダから突出自在の挟圧ピストンを示す。
【0115】
また、図37(C)に示すように、テンション支柱68の上端、すなわち、テンションアーム69の枢支部69−1上方にはテンションアーム69の傾動にともなって、出没自在の係合ピン74を配設している。
【0116】
また、テンション支柱68には、ストランド挟持機構70とは別に補助挟持機構75がステー75−1(例えば図39(A)参照)を介して連設されている。すなわち、補助挟持機構75は、ストランド挟持機構70と略同様の構造としており、上下の挟持ベルト76,76’の間にスパイキキャップ37やストランドSを通過挟持可能に構成している。
【0117】
しかも、この補助挟持機構75の位置は、前述のストランド挟持機構70がテンションアーム69の昇降や回動によって所定の位置に変位した時に、この変位したストランド挟持機構70と前後で連なる位置に配設されており、ストランド挟持機構70の挟持ベルト72,72’間を挿通されたスパイキ本体34及びストランドSは、そのまま伸延して補助挟持機構75の挟持ベルト76,76’間に挟持された状態となる。
【0118】
[全自動アイ・スプライス]
図38から図42を参照しながら本スプライス装置61のストランド撚り機構による全自動アイ・スプライスについて説明する。
【0119】
図38(A)に示すように、右側支持基板62’上のストランド撚り機構65には、油圧式スパイキサポート部6’にストランドSと一体のスパイキ本体34とスパイキキャップ37が装着されている。
【0120】
ロープグリップ機構63によりエイト・ロープMを縮ませてロープ撚りが少し弛緩した状態とする。図38(B)に示すように、ロープグリップ機構63の上下ロープグリップ部5,6間で撚りが緩んだエイト・ロープMの所定のストランド間に油圧式スパイキサポート部6’の先端に装着したスパイキキャップ37を差込み所定のストランド撚り間を挿通する。このときスパイキキャップ37は、左側支持基板62上のストランド撚り機構65のストランド挟持機構70に向ってさらに伸延する。
【0121】
図39(A)に示すように、左側支持基板62のストランド挟持機構70は、挟持ベルト72,72’間に伸延してきたスパイキキャップ37を挟着しながら、挟持ベルト72,72’の駆動によりスパイキ本体34共どもストランドSを伸延方向に引き込むようにしている。
【0122】
図39(B)に示すように、スパイキキャップ37は、挟持ベルト72,72’の駆動により伸延方向に引き出されており、さらに、上下挟持ベルト72,72’間に挟持されたストランドSは、両挟持ベルト72,72’の中途で上下の挟圧機構73,73により強制的に強圧されることとなる。
【0123】
図39(C)に示すように、ストランド挟持機構70は、枢支部69−1を中心にして回動しつつストランドSを引っ張りながら、スパイキキャップ37を下方方向とした位置で停止する。
【0124】
図39(D)に示すように、ストランド挟持機構70は、テンション支柱68の溝68−1に沿って降下しつつ更にストランドSを引っ張りながら、下方位置で停止する。このときストランドSの中途部は、テンション支柱68から突出した係合ピン74に係合されることとなる。
【0125】
図40(E)に示すように、ストランド挟持機構70は、テンション支柱68に沿って上昇しつつスパイキキャップ37が水平位置となるまで回動する。すなわち、ストランド挟持機構70の位置は、補助挟持機構75と前後で連なる位置となる。次に、ストランド挟持機構70の挟持ベルト72,72’間を挿通されたスパイキキャップ37及びストランドSは、そのまま伸延して補助挟持機構75の挟持ベルト76,76’が駆動することにより、挟持ベルト76,76’間に引き込まれる。なお、補助挟持機構75の挟持ベルト76,76’が駆動すると同時に、ストランドSを強圧していたストランド挟持機構70の挟圧機構73,73を解除するようにしている。
【0126】
図40(F)に示すように、補助挟持機構75は、挟持ベルト76,76’間に伸延してきたスパイキキャップ37を挟着しながら、挟持ベルト76,76’の駆動によりスパイキキャップ37共どもストランドSを伸延方向に引き込む。このとき、テンション支柱68から突出した係合ピン74は、同テンション支柱68内に没入することにより、係合していたストランドSを解除する。ストランド挟持機構70は、もとの方向に回動しつつ、上昇して上方位置で停止する。
【0127】
図40(G)、図41(A)及び図42(A)に示すように、スパイキ本体34先端のスパイキキャップ37は、挟持ベルト72,72’の駆動により伸延方向に引き出される。さらに、スパイキキャップ37は、キャップアーム80先端の保持部81に装着される。
【0128】
図40(H)、図41(B)及び図42(B)に示すように、キャップアーム80先端の保持部81に装着されたスパイキキャップ37は、同キャップアーム80の枢支部を中心に回動して、シリンダ支柱67の油圧式スパイキサポート部6’の先端に装着される。1組目のストランドの1回目の編込みが完了する。次いで、他のストランド撚り機構65による2組目、3組目、4組目のストランド編込みが行われる。その後、2回目、3回目のストランド編込みを順に行うこととなる。
【0129】
このように本スプライス装置61は、エイト・ロープMの全自動でアイ・スプライス作業を行うことができる。
【0130】
なお、上記実施例において8本のストランドからなるエイト・ロープを用いて説明したが、12本のストランドからなるトエル・ロープに対しても適用することができ、また、本ループ状繊維ロープの製造装置を用いることにより、トエル・ロープを接ぐことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機枠に配設したテーブルと、テーブルに載置しロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持すると共に、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの端部を強制的に引っ張るためのストランド撚り機構と、垂下状態のロープ本体の上下部分を把持し撚りを弛緩する方向に捩じることができる上下ロープグリップ部と、上下ロープグリップ部の間隔を短縮して把持したロープの撚りを弛緩するグリップ部昇降機構とよりなるループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項2】
テーブルは、機枠に回転自在に配設したターンテーブルであり、前記ストランド撚り機構は、ターンテーブルに載置しロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持するためのスパイキサポート部と、ターンテーブルに載置しスパイキサポート部と略対峙する位置に配設し、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの端部を強制的に引っ張るためのストランドテンション部とからなり、
上下ロープグリップ部は、スパイキサポート部とストランドテンション部との間に位置して配設したことを特徴とする請求項1に記載のループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項3】
スパイキサポート部とストランドテンション部との間に、アイ・スプライスを行う位置を透視可能とするストランド挿貫窓を形成したガイド板を配設したことを特徴とする請求項2に記載のループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項4】
ターンテーブルは、一部切欠の馬蹄形状とした請求項2又は3に記載のループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項5】
上下ロープグリップ部の少なくともいずれかはエイト・ロープの撚りと反対方向に回転自在としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項6】
上下ロープグリップ部の少なくともいずれかはグリップ部昇降機構により昇降自在としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項7】
テーブルは、対向して配設した支持基板であり、各支持基板には、ストランド撚り機構を載置し、
ストランド撚り機構は、支持基板上を回転自在とした回転基盤と、回転基盤に立設したシリンダ支柱と、ロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持するためのスパイキサポート部と、回転基盤に立設したテンション支柱と、上下昇降自在で、かつ、回動自在にテンションアームを介してストランドを挟持自在としたストランド挟持機構とからなることを特徴とする請求項1に記載のループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項の装置により製造したループ状繊維ロープ。
【請求項1】
機枠に配設したテーブルと、テーブルに載置しロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持すると共に、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの端部を強制的に引っ張るためのストランド撚り機構と、垂下状態のロープ本体の上下部分を把持し撚りを弛緩する方向に捩じることができる上下ロープグリップ部と、上下ロープグリップ部の間隔を短縮して把持したロープの撚りを弛緩するグリップ部昇降機構とよりなるループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項2】
テーブルは、機枠に回転自在に配設したターンテーブルであり、前記ストランド撚り機構は、ターンテーブルに載置しロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持するためのスパイキサポート部と、ターンテーブルに載置しスパイキサポート部と略対峙する位置に配設し、ロープ本体の撚りストランド間に挿通したストランドの端部を強制的に引っ張るためのストランドテンション部とからなり、
上下ロープグリップ部は、スパイキサポート部とストランドテンション部との間に位置して配設したことを特徴とする請求項1に記載のループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項3】
スパイキサポート部とストランドテンション部との間に、アイ・スプライスを行う位置を透視可能とするストランド挿貫窓を形成したガイド板を配設したことを特徴とする請求項2に記載のループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項4】
ターンテーブルは、一部切欠の馬蹄形状とした請求項2又は3に記載のループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項5】
上下ロープグリップ部の少なくともいずれかはエイト・ロープの撚りと反対方向に回転自在としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項6】
上下ロープグリップ部の少なくともいずれかはグリップ部昇降機構により昇降自在としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項7】
テーブルは、対向して配設した支持基板であり、各支持基板には、ストランド撚り機構を載置し、
ストランド撚り機構は、支持基板上を回転自在とした回転基盤と、回転基盤に立設したシリンダ支柱と、ロープ本体にアイ・スプライスを行うスパイキを保持するためのスパイキサポート部と、回転基盤に立設したテンション支柱と、上下昇降自在で、かつ、回動自在にテンションアームを介してストランドを挟持自在としたストランド挟持機構とからなることを特徴とする請求項1に記載のループ状繊維ロープの製造装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項の装置により製造したループ状繊維ロープ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【公開番号】特開2013−2010(P2013−2010A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132185(P2011−132185)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(511005549)株式会社STAS (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(511005549)株式会社STAS (4)
【Fターム(参考)】
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