説明

ルーレットゲーム装置

【課題】ルーレットゲーム装置を囲むプレイヤやギャラリーからルーレット盤上を転動するボールを視認しやすくし、プレイヤがベットしやすくすることができるルーレットゲーム装置を提供すること。
【解決手段】ルーレット装置のポケット23から外周方向に延びるように形成された傾斜面28の外周壁29は、その上部に傾斜面28の内側に向かって突出するように設けられたガイド部291を有しており、ガイド部291が傾斜面28の内側に向かって突出する長さは、ルーレット盤に投入されるボール11の半径rの長さよりも短い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルーレットゲーム装置に関する。特に、ルーレットゲーム装置を囲むゲームプレイヤやギャラリーからルーレット盤を転動するボールが見やすいルーレット盤を備えるルーレットゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ルーレットゲーム装置は、プレイヤがメダル貸出機で複数のメダルを購入又は借用し、このメダルをルーレットゲーム装置に投入することによりルーレットゲームを開始し、プレイヤがゲームに勝てば所定枚数のメダルを払い出すゲーム装置である。
【0003】
ルーレットゲーム装置は、ルーレットゲームを行うものである。詳細には、プレイヤがルーレット盤上に配置されたマーク(数字)を選択すると、ルーレット盤が回転し、ボールが投入されてルーレット盤上を転動する。当初ボールは、遠心力により、ルーレット盤の外周壁の上端から内側に突出して設けられて断面溝状をなす外周壁の上端部分に押しつけられつつ所定のスピードでしばらく転動を継続するが、遠心力が弱まると、重力により下側に設けられたポケットのいずれかに収容保持される。このポケットは、それぞれルーレット盤上に配置されたマーク(数字)に対応しており、プレイヤが選択したマーク(数字)と、ボールが収容されたポケットに対応するマークとが照合される。プレイヤが選択したマーク(マーク)とボールが収容されたポケットのマーク(数字)とが一致した場合には、当たりであるとされ所定の倍率でプレイヤにメダルが払い出される。
【0004】
プレイヤはどのマークに対応するポケットにボールが収納されるかを予想して、ベットを行うが、このベットは、ボールがルーレット盤上に投入され、周回を開始しても行うことができるようになっている。このため、プレイヤは、ボールが転動する軌道を読んでベトを行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許公報4869505号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ルーレット盤にボールが投入される際には、ボールが長くルーレット盤上を転動するように、ある程度の勢いを付けてルーレット盤の外周壁に沿って投入される。すると、投入されたボールは、投入された際に与えられた力と遠心力により、外周壁に沿ってしばらく転動する。したがって、ルーレット盤の外周壁は、ボールがルーレット盤上から飛び出してしまうことの無いように、上側端部にルーレット盤の外周を内側に向かって一部覆うように大きく無端状に連続したつば部が設けられ、全体として、断面溝状のドーナツ状の収納空間を形成する一方、外周壁の下側端部と上側端部との距離がボールの直径の数倍もの高さとされるのが一般的であった。
【0007】
このような場合、ルーレット盤上を転動するボールは前記断面溝状のドーナツ状の収納空間に収納される状況となり、ルーレットゲーム装置を囲むプレイヤにとって手前側に転動してきたボールが視認不能となることが生じていた。このような問題は、ボールが転動する軌道を予測して、最終的にボールが収納されるポケットの色や番号に関連してベットを行うルーレットゲーム装置にとって重要な問題となる。
【0008】
本発明は、ルーレットゲーム装置を囲むプレイヤやギャラリーからルーレット盤上を転動するボールを視認しやすくし、プレイヤがベットしやすくすることができるルーレットゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)に係る発明は、周方向に互いに隣り合うように設けられ、ボールが収納される複数のポケットを有するルーレット盤と、前記複数のポケットから外周方向に延びるように形成された傾斜面と、前記傾斜面に配置され、複数のポケットにそれぞれ対応して設けられた複数のマークと、前記傾斜面の外周縁に沿って無端状に周設された外周壁と、を備えるルーレット盤を有するルーレットゲーム装置であって、前記外周壁は、前記外周壁の上部に設けられ、前記傾斜面の内側に向かって突出するように設けられたループ状のガイド部と、を有し、前記ガイド部が前記内側へ向かって突出する長さは前記ボールの半径の長さよりも短いことを特徴とするルーレットゲーム装置である。
【0010】
(1)に係る発明によれば、ルーレット装置のポケットから外周方向に延びるように形成された傾斜面の外周壁は、その上部に傾斜面の内側に向かって突出するように設けられたガイド部を有しており、ガイド部が傾斜面の内側に向かって突出する長さは、ルーレット盤に投入されるボールの半径の長さよりも短い。これにより、プレイヤにとって手前側にボールがあるときであっても、ボールを視認することができる。よって、ボールをルーレット盤に投入されてボールが外周壁に沿って周回を開始したときからプレイヤはルーレット盤全体を視認することができるので、プレイヤにとってボールの周回スピードやルーレット盤の回転スピード等を合わせてボールの周回軌道を予測し、収納されるポケットのマークを予想しやすくすることができる。
【0011】
(2)に係る発明は、(1)に記載のルーレットゲーム装置であって、前記外周壁の外側に周設された枠台部と、前記枠台部の上面側に配置され、前記外周壁の外周に沿うように、前記枠台部の上面の少なくとも一部を覆うように配置されたカバー部と、を有し、前記カバー部は、前記カバー部の内周端が、前記外周壁から所定距離はなれた位置に配置されることを特徴とするルーレットゲーム装置である。
【0012】
(2)に係る発明によれば、(1)に記載のルーレットゲーム装置に加えて、外周壁の外側には、外周壁に沿って周設された枠台部が設けられ、枠台部の上面には、カバー部が配置される。カバー部は、外周壁の外周に沿うように形成され、その内周端は、外周壁から所定距離はなれた位置に配置される。
これにより、カバー部が外周壁から内側に向かって突出することが無い。よって、ルーレット装置を囲むプレイヤやギャラリーの視線を遮ることが無く、ボールが周回する様子を視認することができる。
【0013】
(3)に係る発明は、(2)に記載のルーレットゲーム装置であって、前記外周壁の少なくとも一部、前記ガイド部、及び前記カバー部は透明であることを特徴とするルーレットゲーム装置である。
【0014】
(3)に係る発明は、(2)に記載のルーレットゲーム装置に加えて、外周壁の少なくとも一部、ガイド部及びカバー部は透明である。これにより、ルーレット装置を囲むプレイヤやギャラリーの視線を遮ることが無く、ボールが周回する様子を視認することができる。
【発明の効果】
【0015】
ルーレットゲーム装置を囲むプレイヤやギャラリーからルーレット盤上を転動するボールを視認しやすくし、プレイヤがベットしやすくすることができるルーレットゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態であるルーレットゲーム機の外周壁部分の拡大断面図である。
【図2】本発明の一実施形態であるルーレットゲーム機の概略構成を示す外観斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態であるルーレット装置を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態であるルーレット装置を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態であるルーレット装置の外周壁付近を拡大して示した斜視図である。
【図6】図4の線A−Aでルーレット装置を切断した矢視断面図である。
【図7】本発明の一実施形態であるルーレット装置のポケット付近を拡大して示した斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態であるポケットを示した模式図である。
【図9】本発明の一実施形態であるウィールの下部の構成及び各種センサの配置を示す平面図である。
【図10】本発明の一実施形態であるルーレットゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図11】本発明の一実施形態であるサテライトの制御系を模式的に示すブロック図である。
【図12】本発明の一実施形態であるルーレット装置のメイン処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態であるルーレットゲーム機の概略構成を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。
本発明のルーレットゲーム装置となるルーレットゲーム機1については、以下に説明するが、要約すれば、図1に示すように、ルーレットゲーム装置としてのルーレットゲーム機1は、ルーレット装置2においてボール11が転動する傾斜面28の外周壁29は、その上部において内方に突出したガイド部291を有する。そして、このガイド部291が内方側に向けて突出する長さは、ボール11の半径rよりも小さくなるように形成される。よって、ルーレットゲーム機1を囲むように位置するプレイヤにとって、手前側にボール11がある時であっても、ボール11を視認しやすくすることができる。
【0018】
図2を参照してルーレットゲーム機1について説明する。
ルーレットゲーム機1は、プレイヤがルーレット装置で決定される数字等を予想し、予想した数字等に所持するメダル等の遊技媒体をベットする。そして、ベットした数字等が当選したとき、プレイヤが所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる遊技機である。
【0019】
図2はルーレットゲーム機1の概略構成を示す外観斜視図である。ルーレットゲーム機1は、本体部分となる筐体3と、筐体3の上面の略中央部に設けられたルーレット装置2と、ルーレット装置2の周囲にルーレット装置2を取り囲むようにして設置された複数個(例えば、10個)のサテライト4とから基本的に構成されている。
【0020】
ルーレット装置2は、筐体3の上面の略中央部に配置され、筐体3の略中央の部分である枠台部31に形成された孔に嵌め込まれるように配置され、固定されている。また、ルーレット装置2の上面には、ルーレット装置2の上面全体を覆うように透明部材で形成されたカバー部材25が設けられている。
【0021】
ここでサテライト4とは、少なくとも、貨幣や遊技に使用するメダル等の遊技媒体を投入するメダル投入口5と、プレイヤにより所定の指示が入力される複数のコントロールボタン等からなるコントロール部6と、ゲームに係る画像を表示させる画像表示装置7とを有する遊技領域である。そして、プレイヤが画像表示装置7に表示される画像を見ながら、コントロール部6等を操作することにより、展開されるゲームを進行させることができる。
【0022】
また、各サテライト4が設置された筐体3の側面には、メダル払出口8がそれぞれ設けられている。更に、各サテライト4の画像表示装置7の右上には音楽、効果音等を流すスピーカ9が設けられている。
【0023】
そして、メダル投入口5の内部にはメダルセンサ(図示せず)が設けられており、メダル投入口5より投入されたメダル等の遊技媒体の識別を行うとともに、投入されたメダルをカウントする。また、メダル払出口8の内部にはホッパー(図示せず)が設けられており、所定枚数のメダルをメダル払出口8から払い出す。
【0024】
次に、ルーレット装置2の構成について図3から図9を用いて説明する。図3はルーレット装置2を示す斜視図、図4はルーレット装置2を示す平面図、図5はルーレット装置2の外周壁29付近を拡大して示した斜視図である。図6の線A−Aでルーレット装置2を切断した矢視断面図である。図7はルーレット装置2のポケット付近を拡大して示した斜視図である。図8は、ポケット23を示した模式図である。図9は、ウィール22の下部の構成及び各種センサの配置を示す平面図である。
【0025】
図3及び図4に示すように、ルーレット装置2は、ゲーム中にボール11が転動する転動領域を有するルーレット盤12と、ルーレット盤12をルーレットゲーム機1内部で支持する支持台13と、周囲の空気を取り込むとともに所定圧力に圧縮するコンプレッサ14と、コンプレッサ14により圧縮した空気を送るエアチューブ15,16と、各エアチューブ15、16の中間点にそれぞれ設けられエアチューブ15,16を流れる空気の圧力を調整する第1開閉弁17、第2開閉弁18とから基本的に構成されている。
【0026】
また、ルーレット盤12は支持台13に固定される枠体21と、枠体21の内側に回転可能に収納支持されたウィール22とから基本的に構成されている。そして、ウィール22上面には凹状のポケット23が周方向に多数(例えば、37個)形成されている。ポケット23は、略三角形状の仕切壁23Aによって仕切られ、更に、各ポケット23の外方向におけるウィール22の上面には、各ポケット23と対応するように図形文字としての「0」、「1」〜「36」の各数字が表示されたマーク24が形成されている。そして、ウィール22はルーレット装置2内部に設けられた駆動モータ(図示せず)によって、ボール11の転動開始直後からボール11がポケット23に収納されてさらに所定時間経過するまでの間、枠体21に対して所定方向(例えば時計回り方向)に所定速度(例えば2π[rad/s]〜0.2π[rad/s])で回転される。
【0027】
また、ルーレットゲーム機1に設置される際には、ルーレット盤12の上方全体が半球状の透明アクリル製のカバー部材25により覆われる(図2参照)。それにより、ゲームの際にルーレット盤12上を転動するボール11がルーレット盤12より外へ飛び出さないように保持することができる。また、異物等がルーレット盤12内に侵入することを防止し、不正行為等が行われないようにする。
【0028】
ここで、ルーレット盤12においてボール11が実際に転動する転動領域は、ポケット23から外周側に向かって延びるように形成された傾斜面28となる。この傾斜面28は、枠体21の外周縁側に形成された第1傾斜面28Aと、ウィール22の内周縁側に形成された第2傾斜面28Bとにより形成された所定角度(例えば、15度)を有する一の傾斜面28から為る。傾斜面28は、ルーレット盤12の中心方向から外周方向へと上昇して傾斜されており、傾斜面28の外周縁に沿うように、無端状に外周壁29が周設されている。外周壁29は、ルーレット盤12において転動するボール11の遠心力に抗してガイドし、ボール11が円周軌道を描くように転動させる部材である。ルーレット盤12に投入されたボール11は、投入された当初はこの外周壁29に沿って円周軌道を描くように転動する。この外周壁29は、図5に示すように、第2傾斜面28Bの外周端から連続して立ち上がるように形成される。
【0029】
図1に示すように、外周壁29は、外周壁29の上部に設けられ、傾斜面28の内周に向かって突出するようにループ状に設けられたガイド部291を有する。ガイド部291は、外周壁29において、傾斜面28の内周に向かって突出するように形成され、ボール11が投入された外周壁29に当接した状態で外周壁29に沿って周回する際に、ルーレット装置2の外にボール11が飛び出さないように付勢する部材である。
【0030】
ガイド部291の下面側となる傾斜部292は、本実施形態では、外周壁29の下側から上側にかけて次第に傾斜面28の内周に向かって次第に突出するように形成される。
【0031】
ガイド部291の傾斜部292は、例えば、ボール11が外周壁29に当接した場合におけるボール11の円周に沿うような形状であることが好ましい。また、ガイド部291がルーレット盤12の内周方向に突出する長さは、ボール11の半径よりも短いことが好ましい。これにより、ボール11が外周壁29に当接した場合でも、ガイド部291が覆う部分は多くともボール11の半径までとなる。ボール11を確認する為のルーレット装置2の視野角βを広くすることが可能となる(図6参照)。
【0032】
また、ガイド部291の上面側は、外周壁29の上側から下側に向かって、上記内周側に傾斜する傾斜部293を有する。この、ガイド部291の上面側の傾斜部293は、外周壁29の先端から、所定の角度で下方向に下がるように形成され、ガイド部291の下面側の傾斜部292と連続する。よって、ガイド部291は、断面略三角形状となるように突出して形成される。このように、下向きの角度で傾斜することにより、ガイド部291が水平に設けられた場合よりもルーレット盤12を視認できる領域を広くすることができる。
【0033】
また、図1に示すように、ルーレット装置2は、ルーレットゲーム機1の筐体3の上面側略中央に配置される。筐体3の上面側には、ルーレット装置2を固定するための枠台部31が設けられており、ルーレット装置2は、枠台部31に嵌め込まれて筐体3に固定される。
【0034】
枠台部31は、外周壁29の外側に位置するが、この枠台部31の上面には、カバー部311が配置される。カバー部311は、枠台部31の少なくとも一部を覆うように配置され、本実施形態では、外周壁29に沿うように円形に形成されて外周壁29の周辺を縁取るように配置される。カバー部311は、カバー部311の内周が、外周壁29の外周から所定距離はなれるように形成される。また、カバー部311は、図1に示すように立体的形状とする場合は、外側から内側にかけて低くなるように形成することが好ましい。ボール11を視認するための視野角を広く確保するためである。
【0035】
ボール11は、後述の第1吐出口35及び第2吐出口36より吐出された空気によって加速力を付与された徐々にスピードを上昇させ外周壁29に沿って回転運動する。一方、第2吐出口36からの空気の吐出が停止されると、ボール11は回転速度が弱まり遠心力を失い、傾斜面28を転がり落ちてルーレット盤12の内側へと向かい、回転するウィール22に至る。そして、ウィール22に転がって来たボール11は、回転するウィール22のマーク24上を通っていずれかのポケット23に納まり、ボール11が収容されたポケット23に対応するマーク24に記載された数字が当選番号となる。
【0036】
一方、ポケット23の傾斜面28に対する深さL1は、ボール11の直径Dよりも浅くなるように形成されている。図8はポケットを示した模式図である。前記したように、ポケット23は仕切壁23Aによって周方向に計38個に仕切られたボール11を収納する空間である。そして、ポケット23の深さL1はボール11の直径Dより浅くなるように構成されているので、図8に示すように、ボール11がポケット23に収納された際に、ポケット23内にボール11が埋没されてしまうおそれがなく、ゲーム中にポケット23内に収納されたボール11の位置をプレイヤが容易に確認することが可能である。したがって、遊技性が向上する。
【0037】
また、ルーレット装置2は、圧縮された空気をボール11に対して吐出することにより、ルーレット盤12上からボール11を回収することなく繰り返し転動させることが可能である。このため、ボール11を回収する為の可動部等や発射装置等の複雑な機構を必要としない。また、ポケット23の深さL1をボール11の直径Dより浅くすることができる(図8参照)。それにより、図6に示すように、ルーレット盤12の高さh3を低くすることが可能となる。したがって、ボール11を確認する為のルーレット装置2の視野角βを広くすることが可能であり、プレイヤのボールの確認作業が容易となり、遊技性が向上する。
【0038】
更に、ポケット23と外周壁29とは、ポケット23から外周壁29へと所定の傾斜角度で上昇する一の傾斜面28により連続して形成されているので、プレイヤはポケット23に収納されたボール11の確認が容易となる。
【0039】
次に、ルーレット盤12に設けられた第1吐出口35及び第2吐出口36について図6及び図7を用いて説明する。ここで、ルーレット装置2は、ボール11をルーレット盤12上で転送させる際に、その動力源として圧縮された空気の空気圧を用いる。具体的には、ルーレット装置2の下方に設けられたコンプレッサ14(図3参照)によって、周囲の空気を取り込むとともに所定圧力(例えば、1Mpa)に圧縮し、圧縮した空気をエアチューブ15、16を通してルーレット盤12へと搬送する。そして、第1吐出口35及び第2吐出口36より吐出し、ルーレット盤12内のボール11に対してその空気圧による力を付加させる。
【0040】
第1吐出口35は、図7に示すようにポケット23を仕切壁23Aとともに形成する内側壁37に各ポケット23に対応して形成されている。例えば、「0」、「1」〜「36」の各数字に対応した37個のポケット23が形成されており、したがって第1吐出口35は各37箇所に形成されている。また、第1吐出口35は、ルーレット盤12の中心から円周方向に向けて形成されており、第1吐出口35より吐出された空気はルーレット盤12の外周縁部に設けられた外周壁29に向かって放射される。
【0041】
一方、第1吐出口35が形成された内側壁37の裏側面には円環状の発射用エアパイプ38が設置されている。発射用エアパイプ38は、エアチューブ15と接続されており、その外周上には第1吐出口35が計37箇所に形成されている。したがって、エアチューブ15から搬送された空気は一旦発射用エアパイプ38内に流入し、その後、37箇所に設けられた第1吐出口35よりポケット23へ一斉に吐出させる。そして、吐出された空気の空気圧によって、いずれかのポケット23内に収納されているボール11は、傾斜面28の傾斜に抗して外周壁29方向へと転動を開始する。
【0042】
また、第2吐出口36は、外周壁29に所定間隔(例えば、45度間隔)に形成されている(図4参照)。また、第2吐出口36は、外周壁29の周方向、すなわち、ルーレット盤12の接線方向に向けて形成されており、それぞれの第2吐出口36より吐出された空気はルーレット盤12の外周壁29に沿って時計回り方向に流れる空気の層を作り出す。
【0043】
一方、第2吐出口36が形成された外周壁29の裏側面には円環状の回転用エアパイプ39が設置されている。回転用エアパイプ39は、エアチューブ16と接続されており、エアチューブ16から搬送された空気が回転用エアパイプ39内に流入され、8箇所に設けられた第2吐出口36より一斉に吐出される。それによって、前記第1吐出口35より吐出された空気に基づいて外周壁29側へと転動したボール11は、外周壁29に沿って環状に流れる空気の層により時計回り方向に転動を開始する。
【0044】
また、第2吐出口36からの空気の吐出を停止させると、外周壁29に沿って形成されていた空気の層は消滅し、ボール11は回転速度が徐々に弱まり遠心力を失う。その後、傾斜面28の傾斜に沿って転がり落ちてルーレット盤12の内側へと向かい、回転するウィール22に至る。そして、ウィール22に形成されたポケット23のいずれかに収納される。それにより、ルーレット装置2による当選番号の決定がなされ、ルーレットゲーム機1は決定された番号と、プレイヤがベットしたベット情報に基づいて、メダルの払い出しを行って当該ゲームを終了する。
【0045】
更に、その後に第1吐出口35より空気を吐出させると、ポケット23内に収納されたボール11は再び転動を開始し、次回のゲームを連続して行うことが可能となる。
【0046】
以上より、ボール11をルーレット盤12より回収することなく、第1吐出口35及び第2吐出口36より吐出する空気の空気圧によってボール11に力を付加し、転動とポケット23への収納とを繰り返し行うことが可能となる。したがって、ボール11を回収する為の可動部等や発射装置等の複雑な機構を必要とすることなく、メンテナンス作業が容易となるとともに装置のコストダウンが可能である。
【0047】
また、支持台13は金属製の柱を複数本組み合わせることにより形成された略長方形状を有する台であり、上面の角部に計4箇所設けられた固定具41よりルーレット盤12を所定の高さに固定している。
【0048】
また、支持台13に形成された内部空間にはコンプレッサ14が配置されている。コンプレッサ14は、周囲の空気を取り込むとともに所定圧力(例えば、1Mpa)に圧縮する装置である。また、コンプレッサ14は、圧縮した空気を吐出する吐出ノズル42を2箇所備えており、各吐出ノズル42にそれぞれエアチューブ15,16が接続されている。
エアチューブ15,16は、前記したようにコンプレッサ14により圧縮された空気をルーレット盤12に形成された第1吐出口35及び第2吐出口36へと搬送する為のチューブであるが、その中間点には第1開閉弁17及び第2開閉弁18が設けられている。第1開閉弁17及び第2開閉弁18は、電磁バルブであって、開弁時間を調整することができる構造のものである。そして、第1開閉弁17及び第2開閉弁18はメイン制御用CPU80に接続されており(図10参照)、メイン制御用CPU80はROM81に予め記憶されたプログラムにしたがって後述のように開閉時間を制御する。それにより、第1吐出口35及び第2吐出口36から吐出される空気圧を調整し、ルーレット盤12上において、ボール11を転動させ、所定時間経過後にポケット23に収納させる一連の動作を行う。
【0049】
図9は、ウィール22の下部の構成及び各種センサの配置を示す平面図である。図9に示すように、ウィール22の内周には、連続した凹凸部500が形成されており、特に、「0」に対応する部位には他の凸部500bよりも大きな凸部500aが形成されている。また、凹凸部500に対向して原点センサ510が設けられており、この原点センサ510の両側部にポケット位置センサ520a,520bが設けられている。本実施形態においては「0」の位置が原点として定められており、「0」の位置に凸部500aが形成されている。原点センサ510が凸部500aの通過を検出することにより、原点の位置を監視することが可能になる。また、ポケット位置センサ520a,520bは、凹凸部500における凸部を検出するものであり、原点センサ510が原点を検知してからのポケット位置センサ520a,520bによる凸部の検出数により、ルーレット盤12の回転位置を監視することが可能になる。
【0050】
更に、ウィール22の中心に対して対象となるように、2つの透過型センサ530、550が設けられており、ウィール22の中心に2つの透過型センサ530,550に対して90度の位置に2つの反射型センサ540,560が設けられている。すなわち、時計回りに、透過型センサ530、反射型センサ540、透過型センサ550、反射型センサ560の順に互いに90度の位置に配置されている。
【0051】
反射型センサ540,560は、発光素子と受光素子とを備えており、発光素子はウィール22の中心に対して放射方向を向いている。そして、ポケット23内に収納されたボール11が発光素子との対向位置を通過する際に、ボール11が発光素子からの光を反射し、この時の反射光を受光素子が受光することによって、ボール11の通過が検知される。
【0052】
透過型センサ530,550は、発光素子530a,550aと受光素子530b、550bとを備えており、発光素子530a,550aは枠体21の外周部に設けられており、と受光素子530b,550bがウィール22の下部に設けられている。また、発光素子530aと受光素子530b、及び発光素子550aと受光素子550bは、それぞれウィール22の中心に対して放射方向の同一直線上に配置されている。そして、ポケット23内に収納されたボール11が発光素子との対向位置を通過する際に、ボール11が発光素子から光を遮ったことを受光素子が検知することによって、ボール11の通過が検知される。
【0053】
さらに、透過型センサ530、反射型センサ540、透過型センサ550、反射型センサ560がボール11を検出した時点におけるルーレット盤12の回転位置を求めることによって、ボール11がどのマーク24に対応するポケット23に収納されたのかを判別することが可能になる。なお、発光素子530a,550aの光が受光素子530b,550bに届くように、またボール11からの反射光が反射型センサ540,560に届くように、ウィール22において少なくとも透過型センサ530,550及び反射型センサ540,560の光路上の部位は光透過性の部材によって形成される。
【0054】
ボール11が収納されたポケット23の判別方法についてより詳しく説明すると、ボール11の収納位置により、ボール11は透過センサから反射センサ、又は反射センサから透過センサの2種類の検出パターンがある。本発明においては、2つの反射センサを通過した時点でボール11に対応するマークを確定する。すなわち、透過センサが先にボール11を検出した場合には、続いて、反射センサ、透過センサ、反射センサと検出した時点で確定する。反射センサが先にボール11を検出した場合には、続いて、透過センサ、反射センサと検出した時点で確定する。したがって、ボール11がポケット23内に収納されてからウィール22が1周する前に、マークを確定するようになる。また、透過型センサ530,550、反射型センサ540,560にイレギュラーな反応があった場合、例えば、過型センサ、透過型センサの順で検知信号が出力されたり、反射センサ、透過センサ、反射センサの順の検知タイミングが明らかに不均一であったり、ボール発射直後であるのに反射センサがボールを検知したような場合には、ボール11に対応するマークを確定しないようにする。このようなエラーの原因としては、例えば、別のボールが投入されて、ボールが複数になったり、ボールがポケット23内に収納されてから別のポケット23に移されたり、エアの吐出口に異物が挟まって、エアが間違った方向に吐出され、ポケット23に入ってしまった場合などが考えられる。このような、透過型センサ530,550、反射型センサ540,560の異常反応が2周以上続いた場合には、例えば、ボールが複数である場合にはボールを除去するというように、現象に応じてエラー処理を行う。
【0055】
また、枠体21の外周部には、枠体21の内側を周回するボール11を検知するボール周回センサ570,580が設けられている。ボール周回センサ570及びボール周回センサ580は、ウィール22の中心に対して対象位置に配置されている反射型センサである。そして、ボール周回センサ570がボール11を検知してからボール周回センサ580がボール11を検知までの時間を計測することにより、枠体21の内側を周回するボール11の周回速度を監視することが可能になる。
【0056】
次に、コントロール部6及び画像表示装置7の構成について説明する。コントロール部6は、図1に示すように画像表示装置7の側部に設けられ、プレイヤにより操作される各ボタンが配置されている。具体的には、サテライト4に対向する位置から見て左側からBET確定ボタン45、払い戻し(CASHOUT)ボタン46、ヘルプ(HELP)ボタン47が配置されている。
【0057】
BET確定ボタン45は、後述する画像表示装置7によるベット操作の後にベットを確定する際に押下されるボタンである。そして、ベットが確定され、且つ、遊技中に前記ルーレット装置2においてボール11が納まったポケット23に対応するマーク24にベットしていた場合に当選となる。当選した場合には、ベットしたチップの枚数に応じたクレジットが、プレイヤの現在所有するクレジットに加算される。
【0058】
払い戻しボタン46は、通常、ゲーム終了時に押下されるボタンであり、払い戻しボタン46が押下されると、ゲーム等によって獲得した現在プレイヤが所有するクレジットに応じたメダル(通常は1クレジットに対してメダル1枚)がメダル払出口8から払い戻される。
【0059】
ヘルプボタン47は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン47が押下されると、その直後に画像表示装置7上に各種の操作情報を示したヘルプ画面が表示される。
【0060】
一方、画像表示装置7はタッチパネル48が前面に取り付けられた所謂タッチパネル方式の液晶ディスプレイであり、液晶画面上に表示されたアイコンを指等で押圧することによりその選択が可能となっている。
【0061】
次に、ルーレットゲーム機1の制御系に係る構成について図10に基づき説明する。図10はルーレットゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図である。図10に示すように、ルーレットゲーム機1は、メイン制御用CPU80、ROM81、及びRAM82を含むメイン制御部83と、メイン制御部83に接続されたルーレット装置2、及び10台のサテライト4(図2参照)と、第1開閉弁17及び第2開閉弁18と、操作パネル32から構成されている。
【0062】
メイン制御用CPU80は、各サテライト4から供給される入力信号等、並びに、ROM81、及びRAM82に記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を行い、その結果に基づいてサテライト4に命令信号を送信することにより、各サテライト4を主導的に制御し、遊技を進行させる。更に、原点センサ510、ポケット位置センサ520a、520b、透過型センサ530、反射型センサ540、透過型センサ550、反射型センサ560からの検知信号に基づいて、ボール11が落下したポケット23の当選番号の判定を行う。そして、得られた当選番号と、各サテライト4から送信されたベット情報とに基づいて、ベットされたチップの当選判定を行い、各サテライト4において払い出されるクレジット数を計算する。
【0063】
ROM81は、例えば、半導体メモリ等により構成され、ルーレットゲーム機1の基本的な機能を実現させるためのプログラムや、ルーレット装置2内の各装置、第1開閉弁17及び第2開閉弁18を制御するプログラム、BET画面を用いた通常のルーレットゲームに対するオッズ(チップ一枚あたりの当選に対するクレジットの払い出し数)、各サテライト4を主導的に制御するためのプログラム等を記憶する。
【0064】
一方、RAM82は、各サテライト4から供給されるチップのベット情報、ルーレット装置2の当選番号、及びメイン制御用CPU80により実行された処理の結果に関するデータ等を一時的に記憶する。
【0065】
また、メイン制御用CPU80には、エアチューブ15、16内の空気圧の調整を行う第1開閉弁17及び第2開閉弁18が接続されている。そして、第1開閉弁17を開くことによって、ポケット23に設けられた第1吐出口35より、コンプレッサ14(図3参照)で圧縮された空気を吐出させる。また、第2開閉弁18を開くことによって、外周壁29に設けられた第2吐出口36よりコンプレッサ14で圧縮された空気を吐出させる。
【0066】
そして、ベットの受付を開始してから所定時間後に第1開閉弁17を所定時間(例えば、2秒)開放する。それにより、前回のゲーム終了時点においてポケット23に収納されているボール11を空気圧によって、外周壁29方向に転動させる。
【0067】
続いて、第2開閉弁18を開放し、ルーレット盤12の外周壁29に沿って流れる空気の層を作り出す。そして、前記第1吐出口35からの空気圧によってバンク通路へと転動したボール11が、空気の層の流れにしたがって外周壁29を時計回り方向に回転する。
【0068】
その後、所定時間経過した際に第2開閉弁18を閉鎖すると、第2吐出口36から吐出される空気の流れも停止し、ボール11の回転速度が徐々に弱まる。そして、ボールが遠心力を失って傾斜面28の斜面を転がり落ちる寸前でベットを締め切り、その後、ボールは、ポケット23に納まる。
【0069】
ベットの締切タイミングは、遊技場係員による操作パネル32の外部操作によって設定される。例えば、残り1回転数の時点でベットを締切、更に、その5回転前にBGMを切り換えて、ベットの締め切りが近いことを報知する、といった設定を行う。
【0070】
そして、メイン制御用CPU80は、原点センサ510、ポケット位置センサ520a、520b、透過型センサ530、反射型センサ540、透過型センサ550、反射型センサ560からの検知信号に基づいて、当選番号の判定を行う。
【0071】
また、メイン制御用CPU80には、ルーレット盤12のウィール22を回転駆動させる駆動モータ34がモータ駆動回路85を介して接続されている。そして、ボール11の転動開始直後からボール11がポケット23に収納されてから所定時間経過するまでの間、ウィール22が枠体21に対して所定方向(例えば時計回り方向)に所定速度で回転されるように駆動モータ34を制御する。
【0072】
更に、メイン制御用CPU80には、時間計測を行うタイマー84が接続されている。タイマー84の時間情報はメイン制御用CPU80に送信され、メイン制御用CPU80はタイマー84の時間情報に基づいて後述のように第1開閉弁17及び第2開閉弁18の開閉を行う。
【0073】
次に、メイン制御部83のメイン制御用CPU80に接続されたサテライト4の制御系に係る構成について図11に基づき説明する。図11はサテライトの制御系を模式的に示すブロック図である。尚、10台設けられたサテライト4は基本的に同じ構成を有しており、以下には1台のサテライト4を例にして説明する。
【0074】
サテライト4は、図11に示すように、サテライト制御部90、及びいくつかの周辺装置機器により構成されている。サテライト制御部90は、サテライト制御用CPU91と、ROM92と、RAM93とからなっている。ROM92は、例えば、半導体メモリ等により構成され、サテライト4の基本的な機能を実現させるためのプログラム、その他サテライト4の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM93は、サテライト制御用CPU91で演算された各種データ、プレイヤの現在所有するクレジット数、プレイヤによるチップのベット状況等を一時的に記憶しておくメモリである。
【0075】
また、サテライト制御用CPU91には、コントロール部6(図2参照)に設けられたBET確定ボタン45、払い戻しボタン46、ヘルプボタン47がそれぞれ接続されている。そして、サテライト制御用CPU91は各ボタンの押下等により出力される操作信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。具体的には、プレイヤの操作が入力されたことを受けてコントロール部6から供給される入力信号、並びに、ROM92、RAM93に記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行し、その結果を上述したメイン制御部83のメイン制御用CPU80に送信する。
【0076】
一方、サテライト制御用CPU91は、メイン制御用CPU80からの命令信号を受信し、サテライト4を構成する周辺機器を制御し、サテライト4においてルーレットゲームを進行させる。また、サテライト制御用CPU91は、処理の内容によっては、プレイヤの操作が入力されたことを受けてコントロール部6から供給される入力信号、及び、ROM92とRAM93とに記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行し、その結果に基づいて、サテライト4を構成する周辺機器を制御し、サテライト4においてルーレットゲームを進行させる。なお、どちらの方法で処理を行うかについては、その処理の内容に応じて、処理ごとに設定される。例えば、当選番号に対するメダルの払い出し処理は前者であり、プレイヤによるベット操作処理は後者の処理に該当する。
【0077】
また、サテライト制御用CPU91には、ホッパー94が接続されている。サテライト制御用CPU91からの命令信号により、ホッパー94は、所定枚数のメダルをメダル払出口8(図2参照)から払い出す。
【0078】
更に、サテライト制御用CPU91には、液晶駆動回路95を介して画像表示装置7が接続されている。この点、液晶駆動回路95は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成されている。そして、プログラムROMには、画像表示装置7での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROMには、例えば、画像表示装置7で表示される画像を形成するためのドットデータが格納されている。また、画像制御CPUは、サテライト制御用CPU91で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から画像表示装置7に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAMは、前記画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、画像表示装置7に出力するものである。尚、ビデオRAMは、VDPで画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0079】
また、画像表示装置7の前面には、前記したようにタッチパネル48が取り付けられており、タッチパネル48の操作情報はサテライト制御用CPU91に対して送信される。タッチパネル48では、BET画面においてプレイヤのチップのベット操作が行われる。具体的には、BETエリアの選択の操作等においてタッチパネル48の操作が行われ、その情報がサテライト制御用CPU91に送信さる。そして、その情報に基づいてRAM93に現在のプレイヤのベット情報(BET画面において指定したBETエリア、並びにベットしたチップの枚数)が随時記憶される。更に、そのベット情報はメイン制御用CPU80に対して送信され、RAM82のベット情報記憶エリアに記憶される。
【0080】
更に、音出力回路96及びスピーカ9がサテライト制御用CPU91に接続されており、スピーカ9は、音出力回路96からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生するものである。
【0081】
また、サテライト制御用CPU91にメダルセンサ97が接続されている。メダルセンサ97はメダル投入口5(図2)から投入されたメダルを検出するとともに、投入されたメダルを演算し、その結果をサテライト制御用CPU91に対して送信する。そして、サテライト制御用CPU91は、送信された信号に基づいてRAM93に記憶されたプレイヤのクレジット数を増加させる。
【0082】
図12を参照しながらルーレット装置2のメイン処理について説明する。
【0083】
ステップS10において、メイン制御用CPU80は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS20に処理を移す。
【0084】
ステップS20において、メイン制御用CPU80は、ゲーム開始処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS30に処理を移す。
【0085】
ステップS30において、メイン制御用CPU80は、入力監視処理を行う。この処理において、メイン制御用CPU80は、原点センサ510、ポケット位置センサ520a、520b、透過型センサ530、550、反射型センサ540、560、ボール周回センサ570、580からの検出信号を監視する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS40に処理を移す。
【0086】
ステップS40において、メイン制御用CPU80は、駆動モータ制御処理を行う。この処理において、メイン制御用CPU80は、ゲームごとにウィール22の回転速度をランダムに変更させるように、駆動モータの回転制御を行う。この処理が終了した場合には、ステップS50に処理を移す。
【0087】
ステップS50において、メイン制御用CPU80は、コンプレッサ制御処理を行う。この処理において、メイン制御用CPU80は、ゲーム毎にボール11に対してエアを横吹する時間をランダムに変更させるように、コンプレッサ14の駆動制御を行う。具体的には、エアを横吹する時間に基づいてコンプレッサ14の駆動制御を行う。この処理が終了した場合には、ステップS60に処理を移す。
【0088】
ステップS60において、メイン制御用CPU80は、BGM制御処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS70に処理を移す。
【0089】
ステップS70において、メイン制御用CPU80は、各種のランプの発光制御を行うランプ制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
【0090】
ステップS80において、メイン制御用CPU80は、ゲーム結果判定処理を実行する。この処理において、メイン制御用CPU80は、原点センサ510、ポケット位置センサ520a、520b、透過型センサ530,550、反射型センサ540,560からの検出信号に基づいて、ボール11が収納されたポケットを判定する。具体的には、ボール11がポケットに収納された後のウィール22の回転時において、反射型センサ540、560のいずれかが、ボール11を検知した時点で、その時点における原点からの回転位置を原点センサ510及びポケット位置センサ520a,520bの検知信号に基づいて、ボール11を検知した反射型センサ540,560の位置にあるポケットの種類を特定する。これにより、ボール11が収納された種類を特定することが可能になる。そして、サテライト4から受信したベット情報とゲーム結果を比較し、サテライト4毎にメダルの払出枚数を決定する。そして、ゲーム結果、すなわちボール11が収納されたポケットに対応するマーク24のデータや、メダルの払出枚数を、RAM82にセットすることにより、ステップS90の処理によって、サテライトにポケットに対応するマークデータ等が、送信される。この処理が終了した場合には、ステップS90に処理を移す。
【0091】
ステップS90において、メイン制御用CPU80は、サテライト4との間で各種データの送受信を行う処理を行う。具体的には、ゲーム開始データ、残り周回データ、ゲーム結果データ、メダルの払出枚数のデータ等がメイン制御用CPU80からサテライト4に送信され、サテライト4からメイン制御用CPU80にベット情報のデータが送信される。この処理が終了した場合には、ステップS100に処理を移す。
【0092】
ステップS100において、ゲーム終了処理を行う。この処理においては、メイン制御用CPU80は、ゲーム結果をサテライト4に送信した後、残り周回フラグ、BGMフラグなどをオフにするなど、各種の変数やフラグを初期状態に戻す処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS20に処理を移す。
【0093】
以上、本発明に係るルーレットゲーム機1について説明したが、上述の実施形態によれば、外周壁29の上部にルーレット盤12の内側に向けて突出するガイド部291を設け、ガイド部291が突出する長さは、ボール11の半径より短いこととした。よって、ガイド部291は、ボール11が外周壁29に沿って周回するでもボール11全体を覆うことが無く、ボール11を視認できる。また、外周壁29の上部に設けられているので、ボール11が遠心力により外に飛び出してしまうことを防止できる。
【0094】
また、上述の実施形態によれば、外周壁29の外側に位置する枠台部31の上面には、カバー部311が設けられ、カバー部311の内周縁は、外周壁29の外周から所定距離はなれるように配置される。これにより、ルーレットゲーム機1を囲むプレイヤやギャラリーがルーレット盤12上を転動するボール11を視認するための視野角を大きくすることができる。
【0095】
上述の実施形態では、ガイド部291は、断面略三角形状であるとしたが、これに限らない。例えば、断面が半円状であったり、ガイド部291の下面側がボール11の曲面に合うような形状で形成されたりしてもよい。
【0096】
また、上述の実施形態では、ガイド部291が傾斜面28の内周側に突出する長さはボール11の半径よりも小さいこととしたが、図12に示すように、カバー部311やガイド部291、枠台部31及び外周壁29の少なくとも一部が透明部材で形成される場合には、ボール11の半径以上の長さとしてもよい。透明部材とすることにより、外周壁29に沿って転動するボール11が視認可能となる。
【符号の説明】
【0097】
1 ルーレットゲーム機
2 ルーレット装置
3 筐体
4 サテライト
11 ボール
12 ルーレット盤
22 ウィール
23 ポケット
24 マーク
25 カバー部材
28 傾斜面
28A 第1傾斜面
28B 第2傾斜面
29 外周壁
31 枠台部
291 ガイド部
292 傾斜部
293 傾斜部
311 カバー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に互いに隣り合うように設けられ、ボールが収納される複数のポケットを有するルーレット盤と、
前記複数のポケットから外周方向に延びるように形成された傾斜面と、
前記傾斜面に配置され、複数のポケットにそれぞれ対応して設けられた複数のマークと、
前記傾斜面の外周縁に沿って無端状に周設された外周壁と、を備えるルーレット盤を有するルーレットゲーム装置であって、
前記外周壁は、
前記外周壁の上部に設けられ、前記傾斜面の内側に向かって突出するように設けられたループ状のガイド部と、を有し、
前記ガイド部が前記内側に向かって突出する長さは前記ボールの半径の長さよりも短いことを特徴とするルーレットゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のルーレットゲーム装置であって、
前記外周壁の外側に周設された枠台部と、
前記枠台部の上面側に配置され、前記外周壁の外周に沿うように、前記枠台部の上面の少なくとも一部を覆うように配置されたカバー部と、を有し、
前記カバー部は、前記カバー部の内周端が、前記外周壁から所定距離はなれた位置に配置されることを特徴とするルーレットゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のルーレットゲーム装置であって、
前記外周壁の少なくとも一部、前記ガイド部、及び前記カバー部は透明であることを特徴とするルーレットゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−273927(P2010−273927A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130496(P2009−130496)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)