説明

ルーレット装置及びゲームシステム

【課題】ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレット装置及びゲームシステムを提供する。
【解決手段】 ルーレット装置200は、複数の数字が配置されボールが転動するように回転自在に設けられるとともに、複数の数字マークに対応して形成され、ボールが収納される複数のボール収納部を有するルーレット盤210aと、ルーレット盤210aとともに回転し、ルーレット盤210a上に立体画像を表示させる立体画像発生装置300と、ルーレット盤210a上で所定時間ボールを転動させた後にボール収納部に収納させるまでのルーレットゲームの結果に基づいて、立体画像を変化させる制御を行う立体画像出力回路272とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルーレット装置及びルーレット装置を用いてゲームを進行させるゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ルーレットゲーム機は、従来より、多くの遊技施設に採用されているゲーム機であり、一般に広く知られている。また、ルーレットゲーム機によるゲームは、外周縁部に複数の数字が描かれ、数字ごとにボールが収納できるようにマスが設けられたルーレット盤を回転させ、このルーレット盤の外周に対してさらに外側にボールを投入し、ボールが落下して収納されたマスの数字に応じて、チップと称されるメダル型遊技媒体のやりとりを行うというものである。また、近年では、液晶表示装置を用いてルーレット盤やボールを表示し、擬似的にルーレットゲームを行うものや、チップの代わりにメダルを払い出すルーレットゲーム機も出現している。さらには、ルーレットを例えばサイコロの代わりに用いて遊技を進行させるルーレットゲーム機も存在する。
【0003】
また、従来、CPUの制御による表示画面において、ルーレットのマスに対応するベット領域にキャラクタを配置し、キャラクタが配置されたマスの面積が広くなるように表示することにより、面白みが増すようにしたルーレット装置がある(特許文献1参照)。また、立体画像に関する技術としては特許文献2に記載されたものがある。
【特許文献1】特開2004−057660号公報
【特許文献2】特開2004−279888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来のルーレット装置は、いわゆる、TVゲームに用いられたものであり、個人あるいは互いに認識を有する同士の人達において楽しむことができる。しかしながら、マスの面積が広くなることがあることから、複数の遊技者でゲームを行う場合には、公平性が問題となる。このため、一般にゲームセンターと称される遊技場において、不特定多数の遊技者とともに楽しむルーレットゲーム機に、前述した従来のルーレット装置を適用することは、他の遊技者の興趣を低下させるおそれがあるため困難である。
【0005】
また、ルーレットゲーム機においては、ルーレット盤におけるボールの動きが注目されやすく、ゲーム中においてルーレット盤の盤面から興趣を得ることは難しい。このように、ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレットゲーム機の提供が望まれる。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレット装置及びゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0008】
(1) 複数のマークが配置されボールが転動するように回転自在に設けられるとともに、前記複数のマークに対応して形成され、前記ボールが収納される複数のボール収納部を有するルーレット盤と、前記ルーレット盤とともに回転し、前記ルーレット盤上に立体画像を表示させる立体画像発生手段と、前記ルーレット盤上で所定時間前記ボールを転動させた後に前記ボール収納部に収納させるまでのルーレットゲームの結果に基づいて、前記立体画像を変化させる制御を行う立体画像発生制御手段とを備えたことを特徴とするルーレット装置。
【0009】
(1)の発明によれば、立体画像発生手段によってルーレット盤上に立体画像が表示され、ルーレットゲームの結果に基づいて立体画像が変化するため、立体画像がルーレット盤とともに回転して停止したときに、回転前後の立体画像に変化を持たせることが可能になる。このため、遊技者は、ルーレット盤上に表示される立体画像の変化を楽しむことが可能になる。このように、ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレット装置を提供することが可能になる。
【0010】
(2) (1)において、レーザ光を発生させるレーザ光発生手段と、前記立体画像発生手段が立体画像を表示している際に、レーザ光を発生させる制御を行うレーザ光発生制御手段を備えることを特徴とするルーレット装置。
【0011】
(2)の発明によれば、ルーレット盤上に表示される立体画像の変化を楽しむとともに、レーザ光を用いた演出を楽しむことが可能になる。このように、ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレット装置を提供することが可能になる。
【0012】
(3) (1)において、スモークを発生させるスモーク発生手段と、前記立体画像発生手段が立体画像を表示している際に、スモークを発生させる制御を行うスモーク発生制御手段を備えることを特徴とするルーレット装置。
【0013】
(3)の発明によれば、ルーレット盤上に表示される立体画像の変化を楽しむとともに、スモークを用いた演出を楽しむことが可能になる。このように、ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレット装置を提供することが可能になる。
【0014】
(4) (1)〜(3)において、前記立体画像発生手段は、前記ルーレット盤及び前記ボールを含めた立体画像を表示することを特徴とするルーレット装置。
【0015】
(4)の発明によれば、立体画像を変化させるとともに、例えば、ルーレット盤のデザインを変えるといった演出を行うことが可能になる。このように、ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレット装置を提供することが可能になる。
【0016】
(5) (1)〜(4)において、前記立体画像発生手段は、ホログラフ発生手段を備えたことを特徴とするルーレット装置。
【0017】
(5)の発明によれば、(1)〜(4)において、立体画像をホログラムによって形成することが可能になり、ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレット装置を提供することが可能になる。
【0018】
(6) (1)〜(5)のルーレット装置と、前記ルーレット装置によるゲーム結果に基づいてゲームを進行させる制御を行うゲーム制御部を有するゲーム装置とを備え、前記立体画像発生制御手段は、前記ゲーム装置におけるゲーム制御部によりゲームの進行が制御されていることに応じて前記立体画像を変化させる制御を行うことを特徴とするゲームシステム。
【0019】
(6)の発明によれば、例えば、ルーレット装置をサイコロの代わりに用いてゲームを進行させるゲーム機において、ゲームの進行に応じてルーレット盤上の立体画像が変化することにより、ゲームの進行の他に立体画像の変化を楽しむことが可能になる。このように、ルーレット盤において、より演出効果が高いゲームシステムを提供することが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、立体画像発生装置によってルーレット盤上に立体画像が表示され、ルーレットゲームの結果に基づいて立体画像が変化するため、遊技者は、ルーレット盤上に表示される立体画像の変化を楽しむことが可能になり、ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレット装置を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明に好適な実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0022】
[遊技システムの構成]
図1は、本発明の一実施形態のルーレット装置を備えた遊技システムの外観を示す斜視図である。遊技システム1は、1つのルーレット装置200と、ルーレット装置200によるゲームに参加するための各種の情報を入力するための複数の操作装置100と、ルーレット装置200のルーレット盤210a上に立体映像を形成する立体画像発生装置300から構成される。本実施形態においては、ルーレット装置200を囲むように8つの操作装置100が配置されている。
【0023】
立体画像発生装置300は、複数の投影機(本実施形態では16体)を有する投影ユニット310と、投影ユニット310からの映像を映し出す投影スクリーン320と、投影ユニット310からの映像を投影スクリーン320に向けて反射させる反射ミラー330とから構成されている。投影スクリーン320は、長方形上の板状部材からなり、投影スクリーン320の長辺の垂直二等分線がルーレット盤210aの回転軸に一致するように、ルーレット盤に対して回転可能に設置されている。また、ルーレット装置200の本体内には、投影スクリーン320を回転駆動させるための駆動モータ273(図9参照)が備えられている。
【0024】
反射ミラー330は、ルーレット盤210aの外周部にルーレット盤210aを円形に囲むように複数(本実施形態では16枚)並べて配置されている。投影ユニット310は、ルーレット装置200の上部に所定の間隔を空けて配置されており、ルーレット盤210aと投影ユニット310との間に、ルーレット盤210aを囲むように透明、かつ、円筒状の仕切部材10が設置されている。このため、ルーレット盤210a、投影スクリーン320及び反射ミラー330は、仕切部材10の内側に配置される。
【0025】
ルーレット装置200の中央には、液晶パネル210が設けられており、ルーレット盤210aは液晶パネル210に表示される画像からなる。すなわち、液晶パネル210に、ルーレット盤210a及びボールを液晶表示し、ルーレット盤210aの画像を回転/停止させるとともに、ボールの画像をルーレット盤210aの画像の外周において転動させ、所定の数字の位置に停止させることにより、画像によって擬似的にルーレットゲームが行われる。
【0026】
操作装置100には、画像表示装置159と、遊技者の操作入力を受け付ける入力部104と、例えばメダルといった遊技価値媒体を投入する受入ユニット106と、遊技結果によって遊技価値媒体が払い出される払出ユニット108とが備えられている。
【0027】
画像表示装置159は液晶ディスプレイで形成されており、画像表示装置159の表示画面には遊技者の遊技に応じた映像が表示される。なお、本実施形態において、画像表示装置159は、液晶ディスプレイで形成されているが、本発明はこれに限定されず、リアプロや、プラズマディスプレイなどであっても良い。
【0028】
入力部104には、複数の押しボタンが備えられており、遊技者の操作が受け付けられる。この入力部104は、遊技者の左手側に配置されている。なお、入力部104としては、その他、十字レバー、トラックボール、タッチパネル、及びキーボードなど遊技者の操作を受け付けるいかなる入力装置が備えられても良い。そして、入力部104が遊技者によって操作されることによって、遊技が進められる。
【0029】
受入ユニット106は、遊技者より遊技価値媒体が投入される開口部を備えている。本実施形態ではメダルが遊技価値媒体として用いられる。しかし、遊技媒体はメダルに限定されず、例えば、ICカード、磁気カード、クレジットカード、現金、遊技球などあらゆる遊技媒体であっても良い。
【0030】
払出ユニット108は、遊技結果に応じて遊技者に遊技媒体を払いだす。本実施形態ではメダルが遊技媒体として用いられる。しかし、遊技媒体はメダルに限定されず、例えば、ICカード、磁気カード、クレジットカード、現金、遊技球などあらゆる遊技媒体であっても良い。また、ICカードや磁気カードを遊技媒体として用いた場合、遊技結果をそれらのカードに記憶することによって、今回の遊技結果を次回遊技に使用することが可能となり、遊技者の興趣性を向上する効果とともに、遊技者の再遊技を誘発し得るという効果を奏する。
【0031】
図2は本実施形態における投影ユニット装置の内部構造を示す平面図である。投影ユニット310は、正八角形の底面を有する有底の筒体からなる筐体311に16体の電子式プロジェクタ315、及び中心部に超音波モータ340を設置したものである。筐体311の底面には、16体の電子式プロジェクタ315が、底面の中心に対して正十六角形の各頂点の位置に設置されている。さらに、図1において、電子式プロジェクタ315の下方に配置されている16枚の反射ミラー330も、ルーレット盤210aの回転中心に対して正十六角形の各頂点の位置に設置されている。電子式プロジェクタ315と反射ミラー330とは1対1に対応しており、電子式プロジェクタ315は反射ミラー330に向けられている。
【0032】
図3は本実施形態における投影ユニットの内部構造を示す断面を含む正面図である。筐体311は支軸312の一端部に回転可能に設置されており、支軸312の他端部は、遊技場の天井等に固定される。ここで、投影ユニット310の中心軸とルーレット盤210aの中心軸とが一致するように投影ユニット310とルーレット装置200とを配置する必要があることから、支軸312の他端部に投影ユニット310の中心軸の位置を調整する調整機構を設けても良い。
【0033】
超音波モータ340は、筐体311に回転方向の駆動力を付与する圧電素子340a、支軸312に対して筐体311が円滑に回転するように設けられたベアリング340b等によって構成されている。なお、筐体311には、他にも、予め設定された筐体311の初期位置を基準とした回転位置を検出するためのエンコーダが備えられている。
【0034】
[立体画像の生成原理]
次に、図4を参照しながら、立体画像の生成原理について説明する。ルーレット装置200には、ルーレット盤210a上に形成する立体画像データを生成するマイクロコンピュータ250(図9参照)が備えられている。このマイクロコンピュータ250(図9参照)は、図6に示すように立体画像を中心にして例えば時計回りに22.5度ずつ順に角度を変えてa〜pの16方向から正面視してなる16種類の平面画像データGa〜Gpを生成する。ここで、16体の電子式プロジェクタ315を時計回りに順に、電子式プロジェクタ315a〜315pとした場合、このマイクロコンピュータ250(図9参照)は、平面画像データGaの鏡像データGa’を生成して電子式プロジェクタ315aに、平面画像データGbの鏡像データGb’を生成して電子式プロジェクタ315bに、同様に、平面画像データGc〜Gpの鏡像データGc’〜Gp’を生成して電子式プロジェクタ315c〜315pに送信する。
【0035】
電子式プロジェクタ315c〜315pは、受信した鏡像データGc’〜Gp’を液晶等に表示し、該表示されたコマ映像を反射ミラー330に向けて出射する。鏡像データGc’〜Gp’の光は液晶パネル210の外側に反射ミラー330の各反射面で反射して、回転する投影スクリーン320に投影される。
【0036】
ここで、投影スクリーン320は、両面に、法線に対して例えば±約5.6度(16コマの場合:360度/(16×4))の視野制限角度(可視範囲)を有する視野角制限フィルター(視野角制限光学系)320b(図7参照)を形成しているので、投影される隣のコマ映像が遮光されて図6に示す各方向a〜pからは、そのコマ映像が表示されることになる。その結果、各コマ映像が重なることによって、マイクロコンピュータ250(図9参照)によって生成された立体映像を表示して見ることが可能となる。
【0037】
[ルーレット盤]
図5はルーレット盤210aの盤面を示す説明図である。ルーレット盤210aは、正十六角形の形状であり、放射状に16分割されている。さらに、正十六角形の内部が、中心に対して3つの同心の正八角形によって4分割されている。このため、ルーレット盤210aの盤面は64分割されている。ここで、最外周に位置する16領域には、0〜15の数字が表示されており、これら16領域を、以下、ルーレットゲーム領域211と称する。また、内側の48領域は、通常、ルーレットゲームには用いられない。しかし、本実施形態においては、詳細は後述するが、ルーレットゲームによって獲得したメダルを用いて別のゲームである資産形成ゲームに、内側の48領域が用いられる。以下、内側の48領域を、資産形成ゲーム領域212と称する。
【0038】
そして、各遊技者は、通常のルーレットゲームと同じ要領で、操作装置100の操作によって数字を選択するとともにベット数を決定する。この時、ルーレット盤210a上には立体画像が形成される。立体画像としては、例えば、ルーレットゲーム領域211の数字と数字間の区切り部分を立体表示したり、ディーラーボール216を立体表示したり、ディーラーを表示したり、ベットに使用したメダル数に対応して積み重ねられたチップを表示したりすることが挙げられる。なお、本実施形態においては、立体画像が表示され、ゲームの進行具合に応じて立体画像が変化する。
【0039】
遊技者が所望の数字を選択するとともにベット数を決定後、所定の遊技者による操作装置100の操作、あるいは所定時間経過後に自動的にルーレット盤210aが回転を開始し、所定のタイミングでディーラーボール216が投入される。やがて、ルーレット盤210aが停止し、ボールの停止位置の数字を選択していた遊技者に、ベット数に対してゲームルールに応じた数を乗算した数のメダルが払い出される。また、本実施形態においては、ルーレットゲームとは別に資産形成ゲームが進行されており、そのゲームにおいて使用されるマイボール217がルーレット盤210a上において転動/停止する。このように、ルーレット盤210aは、複数のマーク(0〜15の数字(図5参照))が配置されボール(例えば、ディーラーボール216(図5参照))が転動するように回転自在に設けられるとともに、複数のマークに対応して形成され、ボールが収納される複数のボール収納部(例えば、ルーレットゲーム領域211の各領域(図5参照))を有するルーレット盤の一例である。
【0040】
[投影ユニットの回転動作]
立体画像発生装置300には、投影ユニット310の超音波モータ340の駆動制御を行う駆動出力回路372(図9参照)が設けられている。そして、マイクロコンピュータ250(図9参照)が、立体画像発生装置300のマイクロコンピュータ350(図9参照)にルーレット盤210aの回転開始させる命令信号を出力すると、この信号が駆動出力回路372(図9参照)に送信される。駆動出力回路372(図9参照)がマイクロコンピュータ350(図9参照)から駆動開始信号を受信すると、超音波モータ340を駆動して投影ユニット310を回転させる制御を行う。
【0041】
また、16体の電子式プロジェクタ315a〜315pはルーレット盤210aの外周の数字の位置にそれぞれ1対1に対応している。このため、回転停止時には、0〜15の数字の上方に、それぞれ各数字に対応した電子式プロジェクタ315a〜315pが位置するように、駆動出力回路372(図9参照)は、投影ユニット310を停止させる制御を行う。このように、立体画像発生装置300は、ルーレット盤とともに回転し、ルーレット盤上に立体画像を表示させる立体画像発生手段の一例である。
【0042】
[ゲームの概要]
次に、上述した遊技システム1を使用したゲームの一例について説明する。
【0043】
ルーレット盤210aにおける資産形成ゲーム領域212の48領域はそれぞれ土地に相当する。そして、ルーレットゲームによって所持金を増やし、増やした所持金で自分の土地を購入し、その土地に自分の会社を建設して資産を増やす、といったゲームを行う。
【0044】
参加者の最大人数は、本実施形態においては8人であり、全員、ルーレット盤210aに投入する「マイボール」を所有する。また、遊技者の他にディーラー(ルーレット装置200による仮想人物)が存在し、ディーラーもルーレット盤210aに投入するディーラーボールを所有する。
【0045】
そして、各遊技者は、ルーレットゲームと同じ要領で、操作装置100の操作によって数字を選択するとともにベット数を決定する。数字の選択及びベット数が決定した後、ディーラーは、ルーレット盤210aを回転させるとともにボールを投入する。同時に、遊技者全員のマイボール217が投入され、合計2〜9個の玉が、同時に回る。そして、図5に示すように、ディーラーボール216はルーレットゲーム領域の数字領域のいずれかに停止し、遊技者のマイボール217は資産形成ゲーム領域212を形成する48領域のいずれかに停止する。
【0046】
ディーラーボール216が、遊技者によって選択された数字に停止した場合には、ベット数及びルールに応じた仮想貨幣が遊技者に支給される。なお、ゲームを途中で終了する場合には、所持金に所定の割合を乗算した枚数のメダルが払い出される。
【0047】
遊技者のマイボール217が、所有者のいない土地に停止した場合には、所定金額の仮想貨幣を支払うことによってその土地を買って自分の土地とすることができる。自分以外の遊技者が所有する土地に停止した場合には、その土地の所有者に「滞在料金」を支払う。
【0048】
また、自分の土地には自分のビルを建てることができる。ビルは「増築」によってどんどん高くすることができ、ビルが高いほど「滞在料金」や「地価」が上がる。また、他の遊技者との交渉によって、他の遊技者の土地やビルを買うこともできる。
【0049】
土地の売買や仮想貨幣の支払い等の操作は、遊技者による操作装置100の操作によって行われ、これらの操作に基づいてゲームが進行するようになる。例えば、操作装置100aの操作によって操作装置100bの遊技者と交渉を要求する命令をルーレット装置200のマイクロコンピュータ250に送信する。マイクロコンピュータ250は、操作装置100bに操作装置100aから交渉したい旨があることを示す命令を操作装置100bに送信する。操作装置100bにおいては交渉希望があることが画像表示装置159(図9参照)に表示される。ここで操作装置100bが交渉に応じれば、操作装置100aと操作装置100bとがルーレット装置200を介して通信可能になる。このように、操作装置100とルーレット装置200とからなる装置は、ルーレット装置(例えば、ルーレット装置200(図1参照))によるゲーム結果に基づいてゲームを進行させる制御を行うゲーム制御部(例えば、マイクロコンピュータ150(図9参照))を有するゲーム装置の一例である。
【0050】
そして、ゲームが進行し、資産が無くなった場合には、メダルを投入することによって資産を増やすことが可能であり、破産を免れることができる。メダルを投入しなかった場合には、破産となってゲーム終了となり、マイボール及び所有するビルがルーレット盤210aから消去される。
【0051】
ゲームにおいて、遊技者が土地を買ったりビルを建てたりすることに応じて、その領域に建物の立体画像が立体画像発生装置300によって表示される。このため、ある程度ゲームが進行すると、図8(a)に示すような街が形成される。さらに、ビルを増築することによって、図8(b)に示すように立体画像のビルが大きくなる。このため、ルーレット盤210a上にはニューヨークの摩天楼のような街が形成されていく。
【0052】
ルーレット盤210a上に形成された立体画像による街は、ルーレット盤210aが回転するとその回転に合わせて投影ユニット310が回転することにより、回転するように見える。
【0053】
なお、街の雰囲気を出すための演出用として、ルーレット装置200には、ドライアイスなどによるスモーク発生装置400や、レーザ光発生装置410が設けられている。スモーク発生装置400や、レーザ光発生装置410を駆動することにより、スモーク煙やレーザ光による幻想的な雰囲気がより加わり、遊技の興趣性が向上し得る。
【0054】
[遊技システムの電気的構成]
図9は、遊技システム1の回路構成を示すブロック図である。図9に示すように、8台の操作装置100a〜100hとルーレット装置200及び投影ユニット310とルーレット装置200とは互いに通信可能に接続されている。なお、図9中において、操作装置100b〜100hは、操作装置100aと同じ構成であるので、詳細な記載を省略した。
【0055】
[端末の電気的構成]
操作装置100aは、マイクロコンピュータ150と、このマイクロコンピュータ150に接続される入力部104、受入ユニット106、及び払出ユニット108とを備える。
【0056】
マイクロコンピュータ150は、様々な実行手段となり得る端末CPU152と、端末CPU152と接続された端末RAM154と、端末CPU152と接続された端末ROM156と、端末CPU152と接続された端末画像出力回路158と、端末CPU152と接続された端末音声出力回路160と、端末CPU152と接続された端末送受信インターフェース162とを備える。
【0057】
端末CPU152は、端末ROM156に記憶されたプログラムや、端末RAM154の記憶に従って、各種の処理を実行する。端末RAM154には、端末CPU152の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値が記憶される。端末ROM156は、端末CPU152により操作装置100の動作を制御するためのプログラムを記憶している。
【0058】
端末画像出力回路158は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)、各種の画像データを記憶する画像データROM、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路から構成されている。このVDPは、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の回路を含み、画像表示装置159に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDPは、画像表示装置159に対する表示制御を行う。また、VDPには、画像表示装置159の表示領域に画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで画像表示装置159の表示領域に画像が表示されることとなる。
【0059】
画像データROMには、キャラクタ画像データ、背景画像データ、演出画像データ等の各種の画像データが別個に記憶されている。もちろん、関連画像を示す関連画像データも記憶されている。
【0060】
VDPは、端末CPU152から供給される画像表示命令に応じて、画像データROMから、演出用識別情報画像データ、背景画像データ、演出画像データ等、各種の画像データを読み出し、画像表示装置159に表示させる画像データを生成する。VDPは、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を画像表示装置159に供給することにより、画像表示装置159に画像を表示させる。
【0061】
端末音声出力回路160は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)から構成されている。
【0062】
この音源ICは、端末CPU152、初期リセット回路、音声データROM、AMPと接続されている。この音源ICは、スピーカから発生させる音声の制御を行う。
【0063】
端末送受信インターフェース162は、ルーレット装置200と、接続している。端末CPU152からの信号をルーレット装置200に送信し、また、ルーレット装置200から送信された信号を受信し、端末CPU152に伝達する。
【0064】
入力部104は、操作装置100の本体枠に設けられている。この入力部104は、遊技者に操作されると、所定の検知信号をマイクロコンピュータ150に供給する。
【0065】
受入ユニット106は、操作装置100の本体枠に設けられている。この受入ユニットは、検知センサを備える。受入ユニットに投入されたメダルは、検知センサ(図示せず)を通過することによって検知される。受入ユニット106は、検知したメダルに応じた検知信号をマイクロコンピュータ150に送信する。なお、検知センサは、光センサ、近接センサなどあらゆる検出装置であっても良い。
【0066】
払出ユニット108は、操作装置100の本体枠に設けられている。この払出ユニット108は、マイクロコンピュータ150から送信される払出信号に基づいてメダルを払い出す。
【0067】
[ルーレット装置の電気的構成]
ルーレット装置200は、マイクロコンピュータ250を備える。マイクロコンピュータ250は、様々な実行手段となり得るCPU252と、CPU252と接続されたRAM254と、CPU252と接続されたROM256と、CPU252と接続された音声出力回路258と、CPU252と接続された駆動出力回路260と、CPU252と接続された送受信インターフェース262と、CPU252と接続されたルーレット画像出力回路270と、CPU252と接続された立体画像発生回路272と、CPU252と接続された演出制御回路280とを備える。
【0068】
CPU252は、このROM256に記憶された遊技プログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このCPU252は、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0069】
RAM254は、CPU252の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値が記憶される。例えば、RAM254には、複数の操作装置100a〜100hから送信された遊技画像位置データなどが記憶される。
【0070】
ROM256は、CPU252によりルーレット装置200の動作を制御するための遊技プログラムが記憶されている。
【0071】
音声出力回路258は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)から構成されている。
【0072】
この音源ICは、CPU252、初期リセット回路、音声データROM、AMPと接続されている。この音源ICは、スピーカ274から発生させる音声の制御を行う。例えば、スピーカ274からは、遊技者にベットを促す音声や、ルーレット盤の回転音、ボールが転がる音、ルーレットゲームで当選した数字等が音声出力される。
【0073】
ルーレット画像出力回路270は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)、各種の画像データを記憶する画像データROM、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路から構成されている。このVDPは、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の回路を含み、液晶パネル210にルーレット盤210aやディーラーボール216、マイボール217等の画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDPは、液晶パネル210に対する表示制御を行う。また、VDPには、液晶パネル210の表示領域に画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで液晶パネル210の表示領域に画像が表示されることとなる。
【0074】
画像データROMには、ルーレット盤の画像データ、ディーラーボール及び各遊技者のマイボールの画像データ、演出画像データ等の各種の画像データが別個に記憶されている。もちろん、関連画像を示す関連画像データも記憶されている。
【0075】
VDPは、CPU252から供給される画像表示命令に応じて、画像データROMから、ルーレット盤の画像データ、ディーラーのボール及び各遊技者のマイボールの画像データ、演出画像データを読み出し、ルーレット盤210aに表示させる画像データを生成する。VDPは、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、この画像信号をルーレット盤210aに供給することにより、ルーレット盤210aに画像を表示させる。
【0076】
立体画像発生回路272は、各種の画像データを記憶する画像データROMを有し、ルーレット盤210aにおける資産形成ゲーム領域212を形成する48領域に対応する個々の情報(例えば、領域の所有者、建築物の種類や大きさ)に基づいて、画像データROMから画像データを抽出し、各画像データを組み合わせることによって、ルーレット盤210a上に表示する立体画像を形成する。形成された立体画像はRAM254の所定の記憶領域に記憶される。さらに、立体画像を図6に示すような16方向から見た場合の平面画像データGa〜Gpを生成する。生成した16方向の平面画像データGa〜Gpは、CPU252の制御によって、送受信インターフェース262を介して投影ユニット310に送信される。このように、立体画像発生回路272は、ルーレット盤上で所定時間ボールを転動させた後にボール収納部に収納させるまでのルーレットゲームの結果に基づいて、立体画像を変化させる制御を行う立体画像発生制御手段の一例である。また、立体画像発生回路272は、ゲーム装置(例えば、操作装置100(図1参照))におけるゲーム制御部(例えば、マイクロコンピュータ150(図9参照))によりゲームの進行が制御されていることに応じて立体画像を変化させる制御を行う立体画像発生制御手段の一例である。
【0077】
駆動出力回路260は、投影スクリーン320を回転駆動する駆動モータ273に関する制御を行う駆動ICが備えられている。この駆動ICは、CPU252に接続されており、駆動モータ273の回転制御を行う。
【0078】
送受信インターフェース262は、操作装置100と接続している。CPU252からの信号を複数の操作装置100a〜100hに送信し、また、複数の操作装置100a〜100hから送信された信号を受信し、CPU252に伝達する。同様に、送受信インターフェース262は、投影ユニット310と接続している。CPU252からの信号を投影ユニット310に送信し、また、投影ユニット310を受信し、CPU252に伝達する。
【0079】
[投影ユニットの電気的構成]
投影ユニット310は、マイクロコンピュータ350を備える。マイクロコンピュータ350は、様々な実行手段となり得るCPU352と、CPU352と接続されたRAM354と、CPU352と接続されたROM356と、CPU352と接続された送受信インターフェース362と、CPU352と接続された画像出力回路368a〜368pと、駆動出力回路372とを備える。
【0080】
CPU352は、ROM356に記憶された遊技プログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。RAM354は、CPU352の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値、さらに各種のデータが記憶される。例えば、RAM354には、ルーレット装置200から送信された平面画像データGa〜Gpなどが記憶される。
【0081】
ROM356は、CPU352により投影ユニット310の動作を制御するための遊技プログラムが記憶されている。
【0082】
画像出力回路368a〜368pは、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)、平面画像データを記憶する書き換え可能な画像データROM、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路から構成されている。このVDPは、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の回路を含み、投影スクリーン320に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDPは、投影スクリーン320に対する表示制御を行う。また、VDPには、投影スクリーン320表示領域に画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで画像出力回路368a〜368pにそれぞれ対応する電子式プロジェクタ315a〜315pの液晶画面の表示領域に画像が表示されることとなる。
【0083】
画像データROMには、RAM354に記憶された平面画像データが記憶される。例えば電子式プロジェクタ315aに対応する画像出力回路368aの画像データROMには、平面画像データGaが記憶される。また、RAM354の平面画像データが更新されるごとに画像データROMの平面画像データも更新される。
【0084】
VDPは、CPU352から供給される画像表示命令に応じて、画像データROMから平面画像データを読み出し、投影スクリーン320に表示させる画像データを生成する。VDPは、生成した画像データをバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を電子式プロジェクタ315a〜315pに供給することにより、投影スクリーン320に平面画像データに基づく画像を表示させる。
【0085】
駆動出力回路372には、投影ユニット310を回転駆動する超音波モータ340の制御を行う駆動ICが備えられている。この駆動ICは、CPU352に接続されており、超音波モータ340の回転制御を行う。
【0086】
演出制御回路280には、スモーク発生装置400及びレーザ光発生装置410の駆動制御を行う駆動ICが備えられている。この駆動ICは、CPU352に接続されており、CPU352からの命令に応じてスモークを発生させたりレーザ光を発生させたりする。
【0087】
送受信インターフェース362はルーレット装置200と接続している。ルーレット装置200のCPU252からの信号を、送受信インターフェース362を介して投影ユニット310が受信する。
【0088】
[遊技システムの動作]
ルーレット装置200のCPU252は、ROM256に記憶された遊技プログラムを実行する。
以下に、遊技システム1で実行されるCPU252の処理を図10を用いて説明する。
CPU252は、ROM256に記憶された遊技プログラムを実行する。
CPU252は、電源投入がされると、ステップS1の処理において、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化、始動記憶数カウンタ等の初期化処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS2に処理を移す。
【0089】
ステップS2においては、選択投入受付処理を実行する。この処理において、CPU252は、選択領域215(図5参照)及びこの選択領域215に対応したメダル投入量をRAM254に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS3に処理を移す。
【0090】
ステップS3においては、抽選処理を実行する。この処理において、CPU252は、当たり領域判定用乱数値を乱数抽選により抽出し、RAM254の当たり領域判定用乱数カウンタに記憶する。この当たり領域判定用乱数カウンタの値とROM256に記憶された当たり領域判定テーブルとを参照し、当たり領域を特定する。この処理が終了した場合には、ステップS4に処理を移す。なお、CPU252は、ステップS3の抽選処理から後述するステップS6の払い出し処理までを1つのラウンドとするルーレットゲームを実行する。
【0091】
ステップS4においては、ルーレットゲーム演出表示制御処理を実行する。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS5に処理を移す。
【0092】
ステップS5においては、選択領域と当たり領域とが一致するか否かを判定する。この処理において、CPU252は、ステップS3の抽選処理により特定した当たり領域と、RAM254に記憶された選択領域と一致するか否かを判定する。CPU252は、当たり領域と選択領域とが一致すると判定した場合には、ステップS6に処理を移し、当たり領域と選択領域記とが一致しないと判定した場合には、ステップS7に処理を移す。
【0093】
ステップS6においては、払い出し処理を実行する。この処理において、CPU252は、当たり領域と一致した選択領域を選択した旨の信号を送信した操作装置100の端末CPU152に、RAM254に記憶された投入遊技価値媒体量に応じた量のメダルを払い出させるための払出データを送信する。
この払出データを受信した端末の端末CPU152は、払出データに応じた量のコインを遊技価値払出手段の一例である払出ユニット108に払い出させる。この処理が終了した場合には、ステップS7に処理を移す。
【0094】
ステップS7においては、資産形成ゲーム実行処理を実行する。この処理において、CPU252は、ROM256に記憶された遊技プログラムに従って、各種の資産形成ゲームを実行する。この処理が終了した場合には、ステップS8に処理を移す。
【0095】
ステップS8においては、資産形成ゲーム演出制御処理を実行する。この処理において、CPU252は、ルーレット盤210a上において各種の演出を実行する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS2に処理を移す。
【0096】
[ルーレットゲーム演出表示制御処理]
図10のステップS4において実行されるサブルーチンについて図11を用いて説明する。
【0097】
ステップS21においては、ルーレット盤停止態様決定処理を行う。この処理において、CPU252は、ステップS3の抽選処理における抽選結果に基づいて、ディーラーボールやマイボールの表示位置、ルーレット表示位置等を決定するルーレット盤停止態様決定処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS22に処理を移す。
【0098】
ステップS22においては、立体画像停止態様決定処理を行う。この処理において、CPU252は、ステップS21の決定結果に基づいて、ルーレット盤210a上の各領域に対応する位置に立体画像を停止させるように、16体の電子式プロジェクタ315の位置を決定する立体画像停止態様決定処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS23に処理を移す。
【0099】
ステップS23においては、回転時間カウンタ計数処理を行う。この処理において、CPU252は、投影ユニット310の回転時間を計数する回転時間カウンタ計数処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS24に処理を移す。
【0100】
ステップS24においては、ルーレット盤回転表示処理を行う。この処理において、CPU252は、ルーレット盤の回転表示命令をルーレット画像出力回路270に送信する。ルーレット画像出力回路270において、VDPは、CPU252から供給される回転表示命令に応じて、画像データROMから、ルーレット盤面の画像データ、ディーラーのボール及び各遊技者のマイボールの画像データ、演出画像データを読み出し、液晶パネル210に表示させる画像データを生成する。VDPは、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を液晶パネル210に供給することにより、液晶パネル210に画像を表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS25に処理を移す。
【0101】
ステップS25においては、立体画像回転表示処理を行う。この処理において、CPU252は、CPU352に対して回転開始命令及びステップS22の処理で決定した立体画像停止態様決定情報を送信する。CPU352は、駆動出力回路372に回転駆動命令を送信し、超音波モータ340を駆動して投影ユニット310を回転させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。これにより、例えば、図8に示す画像が回転する。
【0102】
ステップS26においては、回転時間の長さが所定時間以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、CPU252が回転時間の長さが所定時間以上であると判定した場合には、ステップS27に処理を移し、回転時間の長さが所定時間以上であると判定しない場合には、ステップS24に処理を移す。
【0103】
ステップS27においては、ルーレット盤停止表示処理を行う。この処理において、CPU252は、回転している画像の停止命令をルーレット画像出力回路270に送信する。ルーレット画像出力回路270において、VDPは、CPU252から供給される画像表示命令及びステップS21の処理で決定したルーレット盤停止態様決定情報に応じて、画像データROMから、ルーレット盤の画像データ、ディーラーのボール及び各遊技者のマイボールの画像データ、演出画像データを読み出し、液晶パネル210に表示させる画像データを生成する。VDPは、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を液晶パネル210に供給することにより、ルーレット盤210aの停止画像を表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS28に処理を移す。
【0104】
ステップS28においては、立体画像停止表示処理を行う。この処理において、CPU352は、ステップS22の処理で決定した立体画像停止態様決定情報に基づいて、投影ユニット310の初期位置に対する角度を求め、ルーレット盤210aの停止タイミングに同期させて投影ユニット310を停止させる。例えば、初期位置における“0”の位置を0度とし、“0”の数字に電子式プロジェクタ315aが対応している場合、回転停止後の“0”の位置が270度であれば、初期位置に対して270度の位置に電子式プロジェクタ315を停止させるように、投影ユニット310を停止させる。この処理が終了した場合には、ステップS29に処理を移す。
【0105】
ステップS29においては、回転時間カウンタ停止/初期化処理を行う。この処理において、CPU252は、回転時間カウンタを停止及び初期化する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0106】
なお、このサブルーチンにおいては、ルーレット盤の停止態様に合うように、投影ユニット310の回転制御を行って立体画像の方向を調整したが、本発明はそれに限るものではない。例えば、立体画像の停止態様に合うようにルーレット盤210aを停止させる画像表示制御を行っても良い。
【0107】
[資産形成ゲーム演出処理]
図10のステップS8において実行されるサブルーチンについて図12を用いて説明する。
【0108】
ステップS31においては、立体画像生成処理を行う。この処理において、CPU252は、立体画像発生回路272に、操作装置100から送られる領域情報、資産形成ゲーム領域212の48領域の個々に対応する情報を送信する。立体画像発生回路272はCPU252からの情報に基づいて立体画像を生成する立体画像生成処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS32に処理を移す。このように、立体画像発生回路272は、ゲーム装置(例えば、操作装置100(図1参照))におけるゲーム制御部(例えば、マイクロコンピュータ150(図9参照))によりゲームの進行が制御されていることに応じて立体画像を変化させる制御を行う立体画像発生制御手段の一例である。
【0109】
ステップS32においては、16方向平面画像生成処理を行う。この処理において、CPU252は、ステップS31において生成した立体画像に基づいて16方向平面画像データGa〜Gpを生成する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS33に処理を移す。
【0110】
ステップS33においては、16方向平面画像送信処理を行う。この処理において、CPU252は、16方向平面画像データGa〜Gpを投影ユニット310に送信する16方向平面画像送信処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS34に処理を移す。
【0111】
ステップS34においては、立体画像発生処理を行う。この処理において、CPU352は、RAM354に16方向平面画像データGa〜Gpを記憶して、画像出力回路368a〜368pに画像出力命令及び電子式プロジェクタ315a〜315pに画像投影命令を出力する。画像出力回路368a〜368pにおいては、平面画像データGa〜Gpの鏡像データGa’〜Gp’を作成するとともに、投影スクリーン320における映像を安定させるために鏡像データGa’〜Gp’に変形処理を施し、この鏡像データGa’〜Gp’の電子式プロジェクタ315a〜315pの液晶に表示させる処理を行う。その結果、電子式プロジェクタ315a〜315pからは、鏡像データGa’〜Gp’に基づく映像が、反射ミラー330に向かって投影される。そして、反射ミラー330によって反射された映像が、回転する投影スクリーン320に投影されることにより、ルーレット盤210a上に、操作装置100からの入力を反映した立体画像、すなわちステップS32において生成した立体画像が形成される。この処理が終了した場合には、ステップS35に処理を移す。
【0112】
ここで、立体画像としては、図8に示す立体画像の他にも、上述したように、ルーレットゲーム領域211の数字と数字間の区切り部分を立体表示したり、ディーラーボール216を立体表示したりしても良い。あるいは、投影ユニットを回転させる際に、ルーレットゲーム領域211とディーラーボール216とを同時に立体表示しても良い。さらには、ディーラーを表示したり、ベットに使用したコイン数に対応して積み重ねられたチップを表示したりしても良く、さらに、立体画像を切り換えるように構成しても良い。このように、立体画像発生回路272はルーレット盤及びボール(例えば、ディーラーボール216)を含めて立体画像を表示する立体画像発生手段の一例である。
【0113】
ステップS35においては、レーザ発生処理を行う。この処理において、CPU252は、レーザ光発生装置410を駆動してレーザ光を発生させるレーザ発生処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS36に処理を移す。このように、レーザ光発生装置410は、レーザ光を発生させるレーザ光発生手段の一例である。また、演出制御回路280は、立体画像発生手段が立体画像を表示している際に、レーザ光を発生させる制御を行うレーザ光発生制御手段の一例である。
【0114】
ステップS36においては、スモーク発生処理を行う。この処理において、CPU252は、スモーク発生装置400を駆動して、ドライアイス等を用いたスモークを発生させるスモーク発生処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。このように、スモーク発生装置400は、スモークを発生させるスモーク発生手段の一例である。また、演出制御回路280は、立体画像発生手段が立体画像を表示している際に、スモークを発生させる制御を行うスモーク発生制御手段の一例である。
【0115】
なお、本実施形態によれば、演出制御回路280がルーレット装置200に設けられているが、本発明はそれに限るものではなく、演出制御回路280、スモーク発生装置400及びレーザ光発生装置410を投影ユニット310に設けても良い。さらには、スモーク発生装置400及びレーザ光発生装置410を、ルーレット装置200と投影ユニット310とにそれぞれ設け、演出制御回路280の制御によって、上下方向からスモークあるいはレーザ光を発生させても良い。
【0116】
また、本実施形態によれば、回転する投影スクリーン320を備えた立体画像発生装置300を用いたが、本発明はそれに限るものではなく、ホログラフ発生装置を用いて立体画像を形成させても良い。これにより、より美しい立体画像を発生することが可能になる。このように、立体画像発生装置300は、ホログラフ発生手段を備えた立体画像発生装置手段の一例である。
【0117】
また、本実施形態によれば、ルーレット盤210aが画像表示によって形成されたものであるが、本発明はそれに限るものではなく、円盤状の物体からなるルーレット盤であっても良い。この場合、ルーレット盤の回転軸に、ルーレット盤の回転に対して独立して回転可能に投影スクリーン320を設け、投影スクリーン320を回転駆動させることによって、円盤状の物体からなるルーレット盤上に立体画像を形成することが可能になる。
【0118】
以上説明したように、本実施形態によれば、立体画像発生手段(例えば、立体画像発生装置300(図1参照))によってルーレット盤(例えば、ルーレット盤210a(図1参照))上に立体画像が表示され、ルーレットゲームあるいはルーレットを用いたゲーム等の結果に基づいて立体画像が変化するため、立体画像がルーレット盤とともに回転して停止したときに、回転前後の立体画像に変化を持たせることが可能になる。このため、遊技者は、ルーレット盤上に表示される立体画像の変化を楽しむことが可能になる。このように、ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレット装置を提供することが可能になる。
【0119】
また本実施形態によれば、ルーレット盤上に表示される立体画像の変化を楽しむとともに、レーザ光を用いた演出を楽しむことが可能になる。このように、ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレット装置を提供することが可能になる。
【0120】
また本実施形態によれば、ルーレット盤上に表示される立体画像の変化を楽しむとともに、スモークを用いた演出を楽しむことが可能になる。このように、ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレット装置を提供することが可能になる。
【0121】
また本実施形態によれば、立体画像を変化させるとともに、例えば、ルーレット盤のデザインを変えるといった演出を行うことが可能になる。このように、ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレット装置を提供することが可能になる。
【0122】
また本実施形態によれば、立体画像をホログラムによって形成することが可能になり、ルーレット盤において、より演出効果が高いルーレット装置を提供することが可能になる。
【0123】
また本実施形態によれば、例えば、ルーレット装置をサイコロの代わりに用いてゲームを進行させるゲーム機において、ゲームの進行に応じてルーレット盤上の立体画像が変化することにより、ゲームの進行の他に立体画像の変化を楽しむことが可能になる。このように、ルーレット盤において、より演出効果が高いゲームシステムを提供することが可能になる。
【0124】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、複数のマークが配置されボールが転動するように回転自在に設けられるとともに、前記複数のマークに対応して形成され、前記ボールが収納される複数のボール収納部を有するルーレット盤と、前記ルーレット盤とともに回転し、前記ルーレット盤上に立体画像を表示させる立体画像発生手段と、前記ルーレット盤上で所定時間前記ボールを転動させた後に前記ボール収納部に収納させるまでのルーレットゲームの結果に基づいて、前記立体画像を変化させる制御を行う立体画像発生制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機であるが、ルーレット盤、立体画像発生手段、立体画像発生制御手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。
【0125】
なお、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、上述した実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の一実施形態におけるルーレット装置を備えた遊技システムの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態における投影ユニット装置の内部構造を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態における投影ユニットの内部構造を示す断面を含む正面図である。
【図4】本発明の一実施形態における立体画像発生装置による立体画像の形成原理を示す説明図である。
【図5】ルーレット盤の盤面を示す説明図である。
【図6】立体画像に対する16方向の平面画像の説明図である。
【図7】投影スクリーンの表面の構造を示す説明図である。
【図8】立体画像の一例を示す説明図である。
【図9】遊技システム1の回路構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態の遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態の遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態の遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0127】
1 遊技システム
10 仕切部材
100、100a〜100h 操作装置
104 入力部
106 受入ユニット
108 払出ユニット
150 端末回路
152 端末CPU
154 端末RAM
156 端末ROM
158 端末画像出力回路
159 画像表示装置
162 端末送受信インターフェース
200 ルーレット装置
210 液晶パネル
210a ルーレット盤
240 投影スクリーン
250 マイクロコンピュータ
252、352 CPU
254、354 RAM
256、356 ROM
260、372 駆動出力回路
262、362 送受信インターフェース
270 ルーレット画像出力回路
272 立体画像発生回路
273 駆動モータ
280 演出制御回路
300 立体画像発生装置
310 投影ユニット
311 筐体
312 支軸
315、315a〜315p 電子式プロジェクタ
320 投影スクリーン
330 反射ミラー
340 超音波モータ
350 マイクロコンピュータ
368a〜368p ルーレット画像出力回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマークが配置されボールが転動するように回転自在に設けられるとともに、前記複数のマークに対応して形成され、前記ボールが収納される複数のボール収納部を有するルーレット盤と、
前記ルーレット盤とともに回転し、前記ルーレット盤上に立体画像を表示させる立体画像発生手段と、
前記ルーレット盤上で所定時間前記ボールを転動させた後に前記ボール収納部に収納させるまでのルーレットゲームの結果に基づいて、前記立体画像を変化させる制御を行う立体画像発生制御手段とを備えたことを特徴とするルーレット装置。
【請求項2】
レーザ光を発生させるレーザ光発生手段と、
前記立体画像発生手段が立体画像を表示している際に、レーザ光を発生させる制御を行うレーザ光発生制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のルーレット装置。
【請求項3】
スモークを発生させるスモーク発生手段と、
前記立体画像発生手段が立体画像を表示している際に、スモークを発生させる制御を行うスモーク発生制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のルーレット装置。
【請求項4】
前記立体画像発生手段は、前記ルーレット盤及び前記ボールを含めて立体画像を表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のルーレット装置。
【請求項5】
前記立体画像発生手段は、ホログラフ発生手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のルーレット装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のルーレット装置と、
前記ルーレット装置によるゲーム結果に基づいてゲームを進行させる制御を行うゲーム制御部を有するゲーム装置とを備え、
前記立体画像発生制御手段は、前記ゲーム装置におけるゲーム制御部によりゲームの進行が制御されていることに応じて前記立体画像を変化させる制御を行うことを特徴とするゲームシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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