説明

ルーレット装置

【課題】 ボール収納部を有する回転可動部を所定速度で回転させる定速度回転期間を抽選結果に基づいて変動させることにより、単純な駆動制御によって偏りなくボールをボール収納部に収納させることが可能なルーレット装置を提供する。
【解決手段】 ボール発射後であってボール11がボール収納部23に落下するまでの間において、ボール収納部23が上面に形成された回転可動部20を回転させる際に、回転可動部20の異なる回転速度で回転する2つの期間の時間(T4、T6)をサンプリングした乱数値と回転期間抽選テーブル99を用いて抽選し(S31、S32)、抽選結果に基づいて駆動モータ34の駆動制御を行うように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルーレット盤上でボールの転動を行うとともに、配置されたマークに対応したボール収納部にボールを収納させるルーレット装置に関し、特に、ボール収納部を有する回転可動部を所定速度で回転させる定速度回転期間を抽選結果に基づいて変動させることにより、単純な駆動制御によって偏りなくボールをボール収納部に収納させることが可能なルーレット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ルーレットゲーム機等の遊技媒体としてメダルを使用する所謂メダルゲームは、遊技者がメダル貸出機で複数のメダルを購入あるいは借用し、このメダルを遊技機に投入することにより開始することができるゲームであり、遊技者がゲームに勝てば、所定の枚数のメダルが払い出されるものである。従って、多数のメダルを獲得することができた遊技者は、新たにメダルを購入あるいは借用することなく、継続してゲームを楽しむことができる。
ここで、特にルーレットゲーム機は、遊技者がルーレット盤上に配置されたマーク(数字)を選択すると、ルーレット盤のウイルが回転し、投入されたボールがルーレット盤内を転がる。そして、ウイルの回転が弱まり、ボールがルーレット盤内のいずれかの溝に収容保持されると、プレーヤの選択したマーク(数字)と、ボールが収容されたマーク(数字)とが一致(入賞)したか否かが判定される。ここで同じマーク(数字)の溝に収容保持(当たり)されていると判定された際には、所定の倍率でメダルがプレーヤに払い戻しされる。
【0003】
このようなルーレットゲーム機では、投入されたボールの転動態様を変動させるためにボール収納部を形成するウイルを回転させるようにしているが、このウイルの回転態様が毎回同一であると、結果的に投入されたボールが落下する位置に偏りが生じてしまう問題が生じていた。そして、そのような問題点を解消する方法の一つとして、ウイルの回転態様を毎回の遊技毎に変更することが従来行われていた。例えば、特開平2003−334275号公報には、ボール投入時におけるウイルの回転数を変化させることにより、ボール投入時のウイルのボール収容溝とボールとの相対速度を変化させ、入賞マークを予想しにくくしたルーレットゲーム機について記載されている。
【特許文献1】特開2003−334275号公報(第3頁〜第4頁、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたルーレットゲーム機においては、ウイルの回転速度を変化させる為にウイルを回転駆動させる駆動源であるモータの回転速度をゲーム毎にランダムで変更するようにモータを駆動制御する必要があるので、複雑な駆動制御処理が必要になっていた。また、単にランダムにウイルの回転数を変化させるのみでは、偏りなくボールを落下させる点に関して不十分であった。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、ボール収納部を有する回転可動部を所定速度で回転させる定速度回転期間を抽選結果に基づいて変動させることにより、単純な駆動制御によって偏りなくボールをボール収納部に収納させることが可能なルーレット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係るルーレット装置は、複数のマーク(例えば、番号表示板24)が配置されたルーレット盤(例えば、ルーレット盤12)と、前記ルーレット盤上を転動するボール(例えば、ボール11)と、前記複数のマークに対応して前記ルーレット盤の周方向に形成され、前記ボールが収納される複数のボール収納部(例えば、ボール収納部23)と、前記ルーレット盤のボール収納部に対して外周縁側に無端状に周設され、前記ボールが円周軌道を描きながら転動するバンク通路(例えば、バンク通路29)と、を有するルーレット装置(例えば、ルーレット装置2)において、前記ルーレット盤は、前記ボール収納部を有するとともに回転可能に支持された回転可動部(例えば、回転可動部20)を備え、前記回転可動部を所定方向に回転させる駆動手段(例えば、駆動モータ34)と、前記駆動手段の駆動制御パターンを抽選する抽選手段(例えば、メイン制御用CPU80、回転期間抽選テーブル99)と、前記抽選手段の抽選結果に基づいて所定の回転速度(例えば、5.005rpm、16.683rpm)で前記回転可動部を回転させる定速度回転期間(例えば、T4、T6)を変動するように前記駆動手段を制御する回転期間変動制御手段(例えば、メイン制御用CPU80、モータ駆動回路55)と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係るルーレット装置は、請求項1に記載のルーレット装置(例えば、ルーレット装置2)において、前記定速度回転期間(例えば、T4、T6)は、第1回転速度(例えば、5.005rpm)で前記回転可動部(例えば、回転可動部20)を回転させる第1定速度回転期間(例えば、T4)と、前記第1回転速度と異なる第2回転速度(例えば、16.683rpm)で前記回転可動部を回転させる第2定速度回転期間(例えば、T6)と、を備え、前記回転期間変動制御手段(例えば、メイン制御用CPU80、モータ駆動回路55)は、前記抽選手段(例えば、メイン制御用CPU80、回転期間抽選テーブル99)の抽選結果に基づいて前記第1定速度回転期間と前記第2定速度回転期間との合計期間を変化させることなく第1定速度回転期間及び第2定速度回転期間を変動するように前記駆動手段(例えば、駆動モータ34)を制御することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係るルーレット装置は、請求項1又は請求項2に記載のルーレット装置(例えば、ルーレット装置2)において、前記ボール収納部(例えば、ボール収納部23)に収納されているボールを打ち出すボール打出装置(例えば、固定吐出口33)と、前記ボール打出装置によりボールを打ち出す際における前記ボール収納部の配置に基づいて前記定速度回転期間を変動するように前記駆動手段を制御する回転期間補正制御手段(例えば、メイン制御用CPU80、S33、S34)と、を有することを特徴とする。
【0009】
更に、請求項4に係るゲーム制御方法は、請求項3に記載のルーレット装置(例えば、ルーレット装置2)において、前記回転期間補正制御手段(例えば、メイン制御用CPU80、S33、S34)は、前記ボール打出装置(例えば、固定吐出口33)によりボールを打ち出す際におけるボール打出装置と特定のボール収納部(例えば、マーク「0」に対応するボール収納部23)との相対位置に基づいて前記定速度回転期間(例えば、T4、T6)を変動するように前記駆動手段(例えば、駆動モータ34)を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係るルーレット装置では、ボール収納部を有する回転可動部を所定方向に回転させる駆動手段の駆動制御パターンを抽選し、抽選結果に基づいて所定の回転速度で回転可動部を回転させる定速度回転期間を変動するように制御するので、駆動手段の回転速度を変化させる等の複雑な駆動制御が不要となり、単純な駆動手段の駆動制御によって偏りなくボールをボール収納部に収納させることが可能となる。
【0011】
また、請求項2に係るルーレット装置では、抽選結果に基づいて第1定速度回転期間と第2定速度回転期間との合計期間を変化させることなく第1定速度回転期間及び第2定速度回転期間を変動するように駆動手段を制御するので、単純な駆動手段の駆動制御によって偏りなくボールをボール収納部に収納させることが可能となるとともに、抽選結果に関わらず常に回転可動部の回転期間は同一期間となるので、ルーレット装置の全体の制御に対して駆動手段の駆動制御パターンの変動が影響を及ぼす虞がない。
【0012】
また、請求項3に係るルーレット装置では、ボール打出装置によりボールを打ち出す際におけるボール収納部の配置に基づいて定速度回転期間を変動するように駆動手段を制御するので、ボール打ち出し時においてボール収納部がどのような配置をしていた場合であっても(言い換えれば、ボールが前回のゲームにおいてどのボール収納部に落下した場合であっても)、抽選手段の抽選結果に基づいて決定された位置にボール落下時の回転可動部を位置させることが可能となる。従って、ボール落下時の回転可動部の位置、即ちボール落下時のボール収納部の配置が抽選結果に完全に依存することが可能となり、ボールをより偏りなくボール収納部に落下させることができる。
【0013】
更に、請求項4に係るルーレット装置では、ボール打出装置によりボールを打ち出す際におけるボール打出装置と特定のボール収納部との相対位置に基づいて定速度回転期間を変動するように駆動手段を制御するので、ボール打ち出し時においてボール収納部がどのような配置をしていた場合であっても(言い換えれば、ボールが前回のゲームにおいてどのボール収納部に落下した場合であっても)、抽選手段の抽選結果に基づいて決定された位置にボール落下時の回転可動部を位置させることが可能となる。従って、ボール落下時の回転可動部の位置、即ちボール落下時のボール収納部の配置が抽選結果に完全に依存することが可能となり、ボールをより偏りなくボール収納部に落下させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るルーレット装置を備えたルーレットゲーム機1について具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
尚、ルーレットゲーム機1とは、遊技者がルーレット装置2で決定される数字等を予想し、予想した数字等に所持するメダル等の遊技媒体をベットする。そして、ベットした数字等が当選したとき、遊技者が所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる遊技機である。
【0015】
先ず、本実施形態に係るルーレットゲーム機1の概略構成について図1に基づき説明する。図1は本実施形態に係るルーレットゲーム機1の概略構成を示す外観斜視図である。
図1に示すように、ルーレットゲーム機1は、本体部分となる筐体3と、筐体3の上面の略中央部に設けられたルーレット装置2と、ルーレット装置2の周囲にルーレット装置2を取り囲むようにして設置された複数個(本実施形態では12個)のサテライト4と、筐体3の上方に設けられた電光表示部77と、から基本的に構成されている。
ここでサテライト4とは、少なくとも、貨幣や遊技に使用するメダル等の遊技媒体を投入するメダル投入口5と、遊技者により所定の指示が入力される複数のコントロールボタン等からなるコントロール部6と、ゲームに係る画像を表示させる画像表示装置7とを有する遊技領域である。そして、遊技者が画像表示装置7に表示される画像を見ながら、コントロール部6等を操作することにより、展開されるゲームを進行させることができる。
また、各サテライト4が設置された筐体3の側面には、メダル払出口8がそれぞれ設けられている。更に、各サテライト4の画像表示装置7の右上には音楽、効果音等を流すスピーカ9が設けられている。
【0016】
そして、メダル投入口5の内部にはメダルセンサ(図示せず)が設けられており、メダル投入口5より投入されたメダル等の遊技媒体の識別を行うとともに、投入されたメダルをカウントする。また、メダル払出口8の内部にはホッパー(図示せず)が設けられており、所定枚数のメダルをメダル払出口8から払い出す。
【0017】
また、電光表示部77には各サテライト4で遊技を行う遊技者がベットしたクレジットの所定割合(例えば、0.5%)を累積記憶したジャックポット(以下、JPと略記する)の額を表示するJP額表示部78が設けられている。このJP額表示部78は電光表示部77の頂上部に設けられており、サテライト4で遊技する全ての遊技者からその表示内容が認視可能となっている。
【0018】
先ず、本実施形態に係るルーレット装置2の構成について図2を用いて説明する。図2は本実施形態に係るルーレット装置を示す斜視図である。
【0019】
図2に示すように、本実施形態に係るルーレット装置2は、ゲーム中にボール11が転動する転動領域を有するルーレット盤12と、ルーレット盤12をルーレットゲーム機1内部で支持する支持台13と、周囲の空気を取り込むとともに所定圧力に圧縮するコンプレッサ14と、コンプレッサ14により圧縮した空気を送るエアチューブ15、16と、各エアチューブ15、16の中間点にそれぞれ設けられエアチューブ15、16を流れる空気の圧力を調整する第1開閉弁17、第2開閉弁18とから基本的に構成されている。
【0020】
また、ルーレット盤12は、支持台13に固定される枠体21と、枠体21の内側に固定支持された中央固定部22と、中央固定部22の周囲に設けられた円環形状の回転可動部20と、から基本的に構成されている。そして、回転可動部20上面には凹状のボール収納部23が周方向に多数(本実施形態では38個)形成されている。ボール収納部23は、略三角形状の仕切壁23A(図6参照)によって仕切られ、更に、各ボール収納部23の外方向における回転可動部20の上面には、各ボール収納部23と対応するように図形文字としての「0」、「00」、「1」〜「36」の各数字が表示された番号表示板24が形成されている。尚、ルーレット盤12の詳細については後述する。
【0021】
また、支持台13は金属製の柱を複数本組み合わせることにより形成された略長方形状を有する台であり、上面の角部に計4箇所設けられた固定具41よりルーレット盤12を所定の高さに固定している。
【0022】
また、コンプレッサ14は、支持台13に形成された内部空間に配置され、周囲の空気を取り込むとともに取り込んだ空気を所定圧力(本実施形態では1Mpa)に圧縮する装置である。また、本実施形態に係るコンプレッサ14は、圧縮した空気を吐出する吐出ノズル42を備えており、吐出ノズル42にはエアチューブ15及びエアチューブ16が接続されている。
【0023】
エアチューブ15は、コンプレッサ14により圧縮された空気をルーレット盤12の中央固定部22に形成された固定吐出口33へと搬送する為のチューブであり、その中間点には第1開閉弁17が設けられている。また、エアチューブ16は、コンプレッサ14により圧縮された空気をルーレット盤12に形成された回転吐出口36へと搬送する為のチューブであり、その中間点には第2開閉弁18が設けられている。
【0024】
また、第1開閉弁17及び第2開閉弁18は、電磁バルブであって、開弁時間を調整することができる構造のものである。また、第1開閉弁17及び第2開閉弁18はルーレットゲーム機1全体の制御を行う後述のメイン制御用CPU80に接続されており(図11参照)、メイン制御用CPU80はROM81に予め記憶されたプログラムに従って後述のように開閉時間を制御する。それにより、固定吐出口33及び回転吐出口36から吐出される空気圧を調整し、ルーレット盤12上において、ボール11を転動させ、所定時間経過後にボール収納部23に収納させる一連の動作を行う。
【0025】
また、ルーレット装置2がルーレットゲーム機1に設置される際には、ルーレット盤12の上方全体が半球状の透明アクリル製のカバー部材25により覆われる(図1参照)。それにより、ゲームの際にルーレット盤12上を転動するボール11がルーレット盤12より外へ飛び出さないように保持することができる。また、異物等がルーレット盤12内に侵入することを防止し、不正行為等が行われないようにする。
【0026】
続いて、本実施形態に係るルーレット盤12について図3乃至図5を用いて詳細に説明する。図3は本実施形態に係るルーレット装置2を示す平面図、図4は図3の線A−Aでルーレット装置を切断した矢視断面図、図5は図4の特にボール収納部23付近を拡大して示した模式図である。
【0027】
ここで、ルーレット盤12は、前記したように支持台13に固定される枠体21と、枠体21の内側に固定支持された中央固定部22と、中央固定部22の周囲に設けられた円環形状の回転可動部20と、から基本的に構成されている。そして、図4に示すように回転可動部20は中央固定部22に対してクロスボールベアリング26を介して回転可能に支持されており、ルーレット装置2内部に設けられた駆動モータ34によって、ボール11の発射準備開始時からボール11がボール収納部23に収納されて所定時間経過するまでの間、枠体21に対して所定方向(例えば反時計回り方向)に所定速度(例えば5.005rpmや16.683rpm)で回転される(図14参照)。
また、特にベット期間終了後においてボール11を発射する際には、現在ボール11が収納されたボール収納部23が、中央固定部22に固定された固定吐出口33の正面位置にくるように回転可動部20を回転させる。一方、ボール転動終了後においてボール11が収納されたボール収納部23を検出する際には、現在ボール11が収納されたボール収納部23が、中央固定部22に固定された後述のボール検出センサ44の正面を通過するように回転可動部20を回転させる。尚、回転可動部20の具体的な回転駆動機構及び回転動作に関しては後に詳細に説明する。
【0028】
また、枠体21の外周縁部にはバンク通路29が周設されている。バンク通路29は、ルーレット盤12において転動するボール11の遠心力に抗してガイドし、ボール11を円周軌道を描いて転動させる通路である。また、バンク通路29は垂直方向に立設された案内壁30によって、ルーレット盤12に対して無端状に形成されており、更に、その外周部にあたる上端にはバンク通路29と連続して壁部31が形成されている。壁部31は、バンク通路29上を回転運動するボール11がルーレット盤12より外へと飛び出さないように内側に付勢する部材である。
【0029】
そして、固定吐出口33から吐出された空気によって転動が開始され、回転吐出口36より吐出された空気によって周方向に加速力を付与されたボール11は、徐々にスピードを上昇させバンク通路29に沿って回転運動する。一方、回転吐出口36からの空気の吐出が停止されると、ボール11は回転速度が弱まり遠心力を失い、傾斜面28を転がり落ちてルーレット盤12の内側へと向かい、回転する回転可動部20に至る。
そして、回転可動部20に転がって来たボール11は、回転する回転可動部20の番号表示板24上を通っていずれかのボール収納部23に納まり、ボール11が収容されたボール収納部23に対応する番号表示板24に記載された数字が当選番号となる。
【0030】
また、図5に示すようにボール収納部23の傾斜面28に対する深さLは、ボール11の直径Dよりも浅くなるように形成されている。前記したように、ボール収納部23は仕切壁23Aによって周方向に計38個に仕切られたボール11を収納する空間である。そして、ボール収納部23の深さLはボール11の直径Dより浅くなるように構成されているので、図5に示すように、ボール11がボール収納部23に収納された際に、ボール収納部23内にボール11が埋没されてしまう虞がなく、ゲーム中にボール収納部23内に収納されたボール11の位置を遊技者が容易に確認することが可能である。従って、遊技性が向上する。
また、ボール収納部23とバンク通路29とは、ボール収納部23よりバンク通路29へと所定の傾斜角度で上昇する一の傾斜面28により連続して形成されているので、遊技者はボール収納部23に収納されたボール11の確認が容易となる。
【0031】
また、本実施形態に係るルーレット盤12が備えるボール収納部23は、メンテナンス等の作業を容易に行う為に回転可動部20に対して取り外し可能に設けられている。そして、ボール収納部23と回転可動部20はボール収納部23の底面に対して取り付けられたビス38によって固定される。
ここで、ビス38が取り付けられることによって、ボール収納部23の底面は凸状の形状を有することとなり、ボール11の転動態様をより多様化することが可能となるが、一方でビス38を取り付けたボール収納部23へのボール11の進入が妨害され、ボールの落下するボール収納部に偏りが生じる虞がある。しかしながら、本実施形態に係るルーレット盤12では、全てのボール収納部23の底面に対して計38箇所にビス38を取り付けているので、ボール11の転動態様を多様化することができるとともに、特定のボール収納部23の底面のみに対してビス38を取り付けている場合と比較して、ボール11がボール収納部23へと落下する際に、より偏りなく落下させることが可能である。
【0032】
次に、ルーレット盤12の中央固定部22に設けられた固定吐出口33について図3乃至図6を用いて説明する。ここで、本実施形態に係るルーレット装置2は、遊技中において回転駆動されない中央固定部22にコンプレッサ14からの圧縮空気を吐出する固定吐出口33が設けられている。
【0033】
固定吐出口33は、図3及び図4に示すように中央固定部22の特に回転可動部20に対向する外周縁に固定板27によって固定支持されている。そして、ルーレット装置2の下方に設けられたコンプレッサ14によって、所定圧力(例えば、1Mpa)に圧縮した空気をエアチューブ15を通してルーレット盤12へと搬送する。
一方、各ボール収納部23を仕切壁23Aとともに形成する内側壁37には、円形状に形成された空気通過孔35が形成されている。本実施形態では「0」、「00」、「1」〜「36」の各数字に対応した38個のボール収納部23が形成されており、従って空気通過孔35は計38箇所に形成されている。そして、図6に示すように固定吐出口33の正面に位置するボール収納部23(図6では番号「21」のボール収納部)は、固定吐出口33より吐出された空気が空気通過孔35及びボール収納部23を介してルーレット盤12の外周縁部に設けられたバンク通路29に向かって放射される。そして、吐出された空気の空気圧によって、ボール収納部23内に収納されているボール11は、傾斜面28の傾斜に抗してバンク通路29方向へと転動を開始する。
【0034】
続いて、ルーレット盤12においてボール11を転動させる転動手段の一つである回転吐出口36について図7を用いて説明する。図7は本実施形態に係るルーレット装置2のバンク通路29付近を拡大して示した斜視図である。ここで、本実施形態に係るルーレット装置2は、前記固定吐出口33によって打ち出されたボール11をルーレット盤12上で転動させる際に、その動力源として圧縮された空気の空気圧を用いる。
【0035】
回転吐出口36は、図7に示すようにバンク通路29を構成する案内壁30に所定間隔(本実施形態では45度間隔)に形成されている。また、回転吐出口36は、バンク通路29の周方向、即ち、ルーレット盤12の接線方向に向けて形成されており、それぞれの回転吐出口36より吐出された空気はルーレット盤12のバンク通路29に沿って時計回り方向に流れる空気の層を作り出す(図20参照)。
【0036】
一方、回転吐出口36が形成された案内壁30の裏側面には円環状の回転用エアパイプ39が設置されている。回転用エアパイプ39は、エアチューブ16と接続されており、エアチューブ16から搬送された空気が回転用エアパイプ39内に流入され、8箇所に設けられた回転吐出口36より一斉に吐出される。それによって、前記ボール打出装置43より打ち出されてバンク通路29へと転動したボール11は、バンク通路29に沿って環状に流れる空気の層により時計回り方向に転動を開始する。
また、回転吐出口36からの空気の吐出を停止させると、バンク通路29に沿って形成されていた空気の層は消滅し、ボール11は回転速度が徐々に弱まり遠心力を失う。その後、傾斜面28の傾斜に沿って転がり落ちてルーレット盤12の内側へと向かい、回転する回転可動部20に至る。そして、回転可動部20に形成されたボール収納部23のいずれかに収納される。それにより、ルーレット装置2による当選番号の決定がなされ、ルーレットゲーム機1は決定された番号と、遊技者がベットしたベット情報に基づいて、メダルの払い出しを行って当該ゲームを終了する。
更に、その後に再び固定吐出口33より空気を吐出させると、ボール収納部23内に収納されたボール11は再び転動を開始し、次回のゲームをボール11を回収することなく連続して行うことが可能となる。
【0037】
以上より、本実施形態に係るルーレット装置2では、ボール11をルーレット盤12より回収することなく、固定吐出口33及び回転吐出口36より吐出する空気の空気圧によってボール11に力を付加し、転動とボール収納部23への収納とを繰り返し行うことが可能となる。従って、ボール11を回収する為の可動部等や発射装置等の複雑な機構を必要とすることなく、メンテナンス作業が容易となるとともに装置のコストダウンが可能である。
また、ボール11を回収する為の可動部等や発射装置等の複雑な機構を必要としないので、ボール収納部23の深さLをボール11の直径Dより浅くすることができる(図5参照)。それにより、図4に示すように、ルーレット盤12の高さhを低くすることが可能となる。従って、ボール11を確認する為のルーレット装置2の視野角αを広くすることが可能であり、遊技者のボールの確認作業が容易となり、遊技性が向上する。
更に、ボール収納部23とバンク通路29とは、ボール収納部23よりバンク通路29へと所定の傾斜角度で上昇する一の傾斜面28により連続して形成されているので、遊技者はボール収納部23に収納されたボール11の確認が容易となる。
【0038】
次に、ルーレット盤12の中央固定部22に設けられたボール検出センサ44等の各種センサについて図3及び図8を用いて説明する。図8は図3の線B−Bでルーレット装置を切断した矢視断面図である。
ここで、本実施形態に係るルーレット装置2は、遊技中において回転駆動されない中央固定部22に対して、固定吐出口33とともに、ボール11が収納されたボール収納部23を検出するボール検出センサ44が設けられている。
【0039】
ボール検出センサ44は、図3及び図8に示すように中央固定部22の特に回転可動部20に対向する外周縁に固定板27によって固定支持されている。ここで、ボール検出センサ44は、反射型の光センサであり、赤外線を発光する発光素子と受光する受光素子とから構成されている。そして、所定距離内に障害物が存在する場合に、その存在と位置とをそれぞれ検出することが可能となっている。従って、ボール検出センサ44の正面に位置するボール収納部23内の所定位置(例えば、距離3cmの位置)に収納されたボール11を空気通過孔35を介して検知することができる。尚、ボール検出センサ44は透過型の光センサでも良く、その際には中央固定部22に受光素子を設置し、且つその対向するバンク通路29の位置に発光素子を設置する。それによって、発光素子と受光素子の間に位置するボール収納部23にボール11が存在する場合にそれを検知することが可能となる。
【0040】
また、中央固定部22には、ボール検出センサ44の他に、原点センサ57及び回転センサ58が設けられている。ここで、原点センサ57及び回転センサ58は、ボール検出センサ44及び固定吐出口33と同様に、回転可動部20に対向する外周縁に固定板27によって固定支持されている。
【0041】
原点センサ57は、原点センサ57の正面に位置するボール収納部23が、原点(基準点)に対して相対的にどの位置にあるボール収納部23なのかを検出するセンサである。また、回転センサ58は、回転可動部20が回転しているか否かを検出するセンサである。
具体的には、原点センサ57は、回転センサ58によって回転可動部20が回転していることを検出している間において、各ボール収納部23の内側壁37の裏側(原点センサ57に対向する側)に対して付設された凹凸形状を有する識別プレート(図示せず)の凹凸を検知することによって、現在原点センサ57の正面に位置するボール収納部23が、原点である「0」に対応付けられたボール収納部23に対して相対的にどの位置にあるのかを常時検出する。例えば、図3に示す時点では原点センサ57の正面に位置するボール収納部23(「35」が対応付けられたボール収納部)が、「0」に対応付けられたボール収納部23から右方向に36番目に位置するボール収納部23であることを検出する。
【0042】
従って、原点センサ57によれば、前記ボール検出センサ44によってボール11が検出されたタイミングにおいて、原点センサ57の正面に位置するボール収納部23が「0」に対応付けられたボール収納部23から相対的にどの位置にあるのかを検出することが可能となる。そして、その検出結果に基づいてボール検出センサ44によってボール11が検出されたボール収納部23が「0」に対応付けられたボール収納部23から相対的にどの位置にあるのかを算出することが可能となる。それにより、ボール11が検出されたボール収納部23に対応付けられた番号(「0」、「00」、「1」〜「36」)、即ち当選番号を特定することができる(図16のS20)。尚、原点(基準点)は「0」に対応付けられたボール収納部23である必要はなく、他のボール収納部23であっても良い。
【0043】
また、遊技開始時にボール11を発射する際においては、前回のゲームの当選番号と、原点センサ57の正面に位置するボール収納部23が「0」に対応付けられたボール収納部23から相対的にどの位置にあるのかの検出結果とに基づいて、ボール11が収納されているボール収納部23が固定吐出口33の正面の位置にあるか否かを判定することが可能となる。そして、判定結果に基づいて駆動モータ34を制御することにより、固定吐出口33の正面(固定吐出口33によりボール11が打ち出し可能な位置)にボール11が収納されたボール収納部23を位置させ、ボール11の発射が可能となる(図16のS6〜S8)。
【0044】
以上より、本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、ボール11がボール収納部23に収納された後に、回転可動部20を少なくとも1/3周以上回転させることによって、全てのボール収納部23の前をいずれかのボール検出センサ44が通過することとなる。そして、ボール11が検出されたタイミングでの原点センサ57の検出結果が後述のメイン制御用CPU80(図11参照)に送信される。その結果に基づき、メイン制御用CPU80は当選番号の判定を行う。
また、ボール発射時においては、固定吐出口33の正面位置(固定吐出口33によりボール11が打ち出し可能な位置)に前回のゲームにおける当選番号のボール収納部23が位置するように後述の駆動モータ34を制御し、第1開閉弁17を開放することによりボール収納部23からのボール11の発射が可能となる。
【0045】
次に、ルーレット盤12の中央固定部22に対する回転可動部20の回転駆動機構について図4及び図9を用いて説明する。ここで、図9は本実施形態に係るルーレット装置2において、中央固定部22に対して回転可動部20を回転可能に支持するクロスボールベアリング26を所定位置で切断して示した模式図である。
【0046】
図4に示すように、枠体21の底面板21Aには駆動モータ34が固定されている。ここで、駆動モータ34は、パルス信号を与えることでフィードバック無しに決められたステップ単位で回転可能なステッピングモータである。従って、駆動モータ34に与えるパルス信号の回数と周期によってその回転角度と回転速度が決定され、更に、パルス信号の停止によりその時点での回転角を保持して停止する。
【0047】
また、駆動モータ34には駆動軸46を介して駆動ローラ47が取り付けられており、更に駆動ローラ47は回転可動部20の側面20Aに当接されている。従って、駆動モータ34が駆動されると、その回転に伴って駆動ローラ47も回転し、更に駆動ローラ47との摩擦によって回転可動部20が中央固定部22に対して回転することとなる。また、駆動ローラ47は「コ」の字形状を有するローラケース48内に収納されており、更にローラケース48は駆動ローラ47の外周側に設けられた付勢部材49によって側面20A方向に一定の力で付勢されている。従って、駆動ローラ47と回転可動部20の側面20Aとは常に適度の圧力に基づいて当接された状態となり、駆動ローラ47に必要以上の負荷がかかったり、空転する虞が無い。
【0048】
また、図4及び図9に示すように中央固定部22の固定側内壁部50と、固定側内壁部50に対向する回転可動部20の可動側内壁部51とはクロスボールベアリング26によって接続されている。
【0049】
ここで、クロスボールベアリング26は、断面略四角形状を有する円環状の部材であり、図9に示すように、その4つの各面にはベアリング52が30〜40箇所にそれぞれ取り付けられている。それにより、枠体21に固定された固定側内壁部50に対して可動側内壁部51が自在に可動することが可能となり、中央固定部22に対して回転可動部20が回転可能に支持されることとなる。
【0050】
従って、パルス信号により駆動された駆動モータ34の回転方向と回転角度とに基づいて、回転可動部20を中央固定部22に対して所定角度回転させることが可能となり、それに伴ってボール打出装置43及びボール検出センサ44の正面に位置するボール収納部23を任意のボール収納部23に変更する。それにより、ボール11が収納されたボール収納部23の検出、並びに収納されているボール11の発射が可能となる。また、駆動モータ34は、モータ駆動回路55を介してメイン制御用CPU80に接続されており(図11参照)、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて後述のようにその駆動が制御される(図13、図14参照)。
【0051】
次に、本実施形態に係るコントロール部6及び画像表示装置7の構成について説明する。
コントロール部6は、図1に示すように画像表示装置7の側部に設けられ、遊技者により操作される各ボタンが配置されている。具体的には、サテライト4に対向する位置から見て左側からBET確定ボタン62、払い戻し(CASHOUT)ボタン63、ヘルプ(HELP)ボタン64が配置されている。
【0052】
BET確定ボタン62は、後述する画像表示装置7によるベット操作の後にベットを確定する際に押下されるボタンである。そして、ベットが確定され、且つ、遊技中に前記ルーレット装置2においてボール11が納まったボール収納部23に対応する番号表示板24に記載された番号にベットしていた場合に当選となる。当選した場合には、ベットしたチップの枚数に応じたクレジットが、遊技者の現在所有するクレジットに加算される。尚、ベット操作については後に詳細に説明する。
【0053】
払い戻しボタン63は、通常、ゲーム終了時に押下されるボタンであり、払い戻しボタン63が押下されると、ゲーム等によって獲得した現在遊技者が所有するクレジットに応じたメダル(通常は1クレジットに対してメダル1枚)がメダル払出口8から払い戻される。
【0054】
ヘルプボタン64は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン64が押下されると、その直後に画像表示装置7上に各種の操作情報を示したヘルプ画面が表示される。
【0055】
一方、画像表示装置7はタッチパネル53が前面に取り付けられた所謂タッチパネル方式の液晶ディスプレイであり、液晶画面上に表示されたアイコンを指等で押圧することによりその選択が可能となっている。図10は遊技中に画像表示装置に表示される表示画面の一例を示した図である。
【0056】
図10に示すように、ルーレットゲーム機1の遊技中において画像表示装置7には、テーブル式ベッティングボード60を有するBET画面61が表示される。そして、遊技者はBET画面61を操作することによって、手持ちのクレジットを使用してチップをベットすることができる。
【0057】
以下に、図10に基づいてBET画面61について説明する。BET画面61に表示されるテーブル式ベッティングボード60には、前記番号表示板24に表示された数字「0」、「00」、「1」〜「36」と同じ数字がマス目状に配列表示されている。また、「奇数の数字」、「偶数の数字」、「番号表示板の色の種類(赤又は黒)」、「一定の数字範囲(例えば「1」〜「12」等)」を指定してチップをベットする為の特殊なBETエリアも同様にマス目状に配列されている。
【0058】
そして、テーブル式ベッティングボード60の下方には画面左から順に、結果履歴表示部65、単位BETボタン66、払い戻し結果表示部67、クレジット数表示部68が表示されている。
【0059】
結果履歴表示部65は、前回までのゲーム(ここで、1ゲームは、各サテライト4において遊技者がベットを行い、ボール11がボール収納部23に落下し、当選番号に基づいてクレジットの払い出しが行われるまでの一連の動作をいう。)における当選番号の結果が一覧に表示される。その際、1ゲームが終了すると、新たな当選番号が上から追加して表示されていき、最大16ゲームの当選番号の履歴を確認することが可能となっている。
【0060】
また、単位BETボタン66は、遊技者が指定したBETエリア(番号及びのマークのマス目上、若しくはマス目を形成するライン上)にベットする為のボタンである。単位BETボタンは1BETボタン66A、5BETボタン66B、10BETボタン66C、100BETボタン66Dの四種類からなる。
遊技者は、先ず、ベットするBETエリアを指等で画面を直接押すことにより、後述のカーソル70でBETエリアを指定する。その状態で、1BETボタン66Aを押下すると、遊技者はチップを1枚毎(1BETボタン66Aを指等で押す毎に「1」→「2」→「3」→・・・の順にベット枚数が増加)にベットする。一方、10BETボタン66Cを押下すると、チップを10枚単位(10BETボタン66Cを指等で押す毎に「10」→「20」→「30」→・・・の順にベット枚数が増加)でベットすることが可能である。尚、5BETボタン66B、100BETボタン66Dの操作も同様である。従って、多量のチップをベットする際にも、その操作を簡略化することができる。
【0061】
また、払い戻し結果表示部67は、前回のゲームにおける遊技者のチップのベット枚数、及び払い戻しのクレジット数が表示される。ここで、払い戻しクレジット数よりベット枚数を引いた数が、前回のゲームにより遊技者が新たに獲得したクレジット数である。
【0062】
更に、クレジット数表示部68は、現在の遊技者が所有するクレジット数が表示される。このクレジット数は、チップをベットした際にはそのベット枚数(チップ一枚につき1クレジット)に応じて減少する。また、ベットした番号が当選し、クレジットの払い戻しがなされた場合には、払い戻し枚数分のクレジット数が増加する。尚、遊技者が所有するクレジット数が0となった場合には、遊技終了となる。
【0063】
そして、テーブル式ベッティングボード60の上部には、BETタイマーグラフ69が設けられている。BETタイマーグラフ69は遊技者がベットすることが可能な残り時間を表示するグラフであり、ゲーム開始時より赤いグラフが徐々に右側に延び始める。そして、最も右側まで延びたときに現在のゲームにおけるベット可能な時間が終了する。また、各サテライト4において遊技者のベット期間が終了する5秒前、即ち、BETタイマーグラフ69が最も右側まで達する5秒前に前記固定吐出口33によってボール収納部23内のボール11を打ち出し、ボール11の転動を開始させる。
【0064】
また、テーブル式ベッティングボード60上には、現在遊技者が選択しているBETエリアを示すカーソル70が表示される、また、現時点までにおいてベットしたチップの枚数とBETエリアを示すチップマーク71が表示され、チップマーク71上に表示された数字が、チップのベット枚数を示す。例えば、図10に示すように「18」のマスに置かれた「7」のチップマーク71は、番号「18」に7枚のチップをベットしていることを示している。このように1つ番号のみにベットする方法は「ストレート・アップ」と呼ばれるベット方法である。
また、「5」、「6」、「8」、「9」のマス目の交点に置かれた「1」のチップマーク71は、番号「5」、「6」、「8」、「9」の4つの番号をカバーして1枚のチップをベットしていることを示している。尚、このように4つ番号をカバーしてベットする方法は「コーナー・ベット」と呼ばれるベット方法である。
【0065】
他にベット方法としては、2つの番号の間のライン上に2つの番号をカバーしてベットする「スプリット・ベット」、番号の横一列(図10中、縦方向の一列)の端に3つの番号(例えば、「13」、「14」、「15」)をカバーしてベットする「ストリート・ベット」、番号「00」と「3」の間のライン上に「0」、「00」、「1」、「2」、「3」の5つの番号をカバーしてベットする「ファイブ・ベット」、番号の横二列(図3中、縦方向の二列)の番号の間に6つの番号(例えば、「13」、「14」、「15」、「16」、「17」、「18」)をカバーしてベットする「ライン・ベット」、「2to1」と書かれたマス目上で12個の番号をカバーしてベットする「コラム・ベット」、「1st12」、「2nd12」、「3rd12」と書かれたマス目上でそれぞれ12個の番号をカバーしてベットする「ダズン・ベット」がある。更に、テーブル式ベッティングボード60の最下段に設けられた6つのマス目を用いて、番号表示板の色(「赤」又は「黒」)、番号の奇数偶数、番号が18以下か19以上かによって18個の番号をカバーしてベットする方法がある。
【0066】
前記のように構成されたBET画面61で遊技者がベットする際には、先ず、ベットを行うBETエリア(番号及びのマークのマス目上、若しくはマス目を形成するライン上)を画面上で指定して直接指により押圧する。その結果、カーソル70が指定したBETエリアに移動する。
その後、単位BETボタン66の各単位ボタン(1BETボタン66A、5BETボタン66B、10BETボタン66C、100BETボタン66D)を押下することにより、その単位数分のメダルが指定されたBETエリアにベットされる。例えば、10BETボタン66Cを4回、5BETボタン66Bを1回、1BETボタン66Aを3回押下すれば、合計48枚のメダルをベットすることができる。
【0067】
次に、本実施形態に係るルーレットゲーム機1の制御系に係る構成について図11に基づき説明する。図11はルーレットゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図である。
図11に示すように、ルーレットゲーム機1は、メイン制御用CPU80、ROM81、及びRAM82を含むメイン制御部83と、メイン制御部83に接続されたルーレット装置2、及び12台のサテライト4(図1参照)と、駆動モータ34と、第1開閉弁17及び第2開閉弁18とから構成されている。尚、サテライト4の制御系に関しては後に詳細に説明する。
【0068】
メイン制御用CPU80は、各サテライト4から供給される入力信号等、並びに、ROM81、及びRAM82に記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を行い、その結果に基づいてサテライト4に命令信号を送信することにより、各サテライト4を主導的に制御し、遊技を進行させる。更に、駆動モータ34を駆動させるとともに、ルーレット装置2に設けられたボール検出センサ44(図8参照)を制御し、ボール11が落下したボール収納部23の当選番号の判定を行う。そして、得られた当選番号と、各サテライト4から送信されたベット情報とに基づいて、ベットされたチップの当選判定を行い、各サテライト4において払い出されるクレジット数を計算する。
【0069】
ROM81は、例えば、半導体メモリ等により構成され、ルーレットゲーム機1の基本的な機能を実現させるためのプログラムや、ルーレット装置2内の各装置、第1開閉弁17及び第2開閉弁18を制御するプログラム、駆動モータ34を制御するプログラム、回転可動部20の回転パターン(即ち、駆動手段の駆動制御パターン)を複数パターンから抽選する回転期間抽選テーブル99(図15参照)、BET画面61を用いた通常のルーレットゲームに対するオッズ(チップ一枚あたりの当選に対するクレジットの払い出し数)、各サテライト4を主導的に制御するためのプログラム等を記憶する。
【0070】
一方、RAM82は、各サテライト4から供給されるチップのベット情報、ボール検出センサ44により判定されたルーレット装置2の当選番号、及びメイン制御用CPU80により実行された処理の結果に関するデータ等を一時的に記憶する。
【0071】
また、メイン制御用CPU80には、エアチューブ15、16内の空気圧の調整を行う第1開閉弁17及び第2開閉弁18が接続されている。そして、第1開閉弁17を開くことによって、ボール収納部23に設けられた固定吐出口33より、コンプレッサ14(図2参照)で圧縮された空気を吐出させる。また、第2開閉弁18を開くことによって、バンク通路29に設けられた回転吐出口36よりコンプレッサ14で圧縮された空気を吐出させる。
【0072】
また、メイン制御用CPU80には、ルーレット装置2に設けられたボール検出センサ44、原点センサ57及び回転センサ58が接続されている。ボール検出センサ44は、前記したように中央固定部22の3箇所に設けられており、正面に位置する当該ボール収納部23にボール11が収納されている場合に、その存在と対応付けられた番号を検知することができる。また、原点センサ57は、正面に位置する当該ボール収納部23の原点(「0」が対応付けられたボール収納部)に対する相対的な位置を検出することができる。また、回転センサ58は回転可動部20の回転の有無を検出することができる。そして、各センサの検出結果がメイン制御用CPU80に送信されることにより、メイン制御用CPU80は当選番号の判定を行う。
【0073】
また、メイン制御用CPU80には、モータ駆動回路55を介して回転可動部20の回転駆動を行う駆動モータ34が接続されている。メイン制御用CPU80からモータ駆動信号がモータ駆動回路55に出力されると、駆動モータ34はモータ駆動回路55からのパルス信号が与えられ、そのパルス信号に基づいて所定の回転方向に所定回転数だけ回転駆動される。これにより回転可動部20が中央固定部22及び枠体21に対して所定方向(例えば、反時計回り方向)に所定角度(例えば、45度)だけ回転され、固定吐出口33の正面位置に任意のボール収納部23を配置することが可能となる。また、ROM81に記録された駆動モータ34の制御プログラムに従って所定速度で所定期間、回転可動部20を回転させることが可能となる。
【0074】
また、メイン制御用CPU80には、乱数を発生する乱数発生器85及び乱数サンプリング回路86が接続されている。乱数サンプリング回路86を介してサンプリングされた乱数は、後述のように回転期間抽選テーブル99を用いた回転可動部20の回転パターン(駆動モータ34の駆動制御パターン)の抽選に使用される。
【0075】
更に、メイン制御用CPU80には、時間計測を行うタイマー84が接続されている。タイマー84の時間情報はメイン制御用CPU80に送信され、メイン制御用CPU80はタイマー84の時間情報に基づいて後述のように第1開閉弁17及び第2開閉弁の開閉と、駆動モータ34の駆動制御を行う。
【0076】
また、メイン制御用CPU80には、電光表示部77(図1参照)が接続されている。そして、LED等の発光手段の発光を制御することにより電飾による演出を行い、また電光表示部77に対して所定の文字等の表示を行う。更に、電光表示部77の特にJP額表示部78には、現在までに累積されているJPの額を表示させる。
【0077】
次に、本実施形態に係るメイン制御部83のCPU80に接続されたサテライト4の制御系に係る構成について図12に基づき説明する。図12は本実施形態に係るサテライトの制御系を模式的に示すブロック図である。尚、12台設けられたサテライト4は基本的に同じ構成を有しており、以下には1台のサテライト4を例にして説明する。
【0078】
サテライト4は、図12に示すように、サテライト制御部90、及びいくつかの周辺装置機器により構成されている。サテライト制御部90は、サテライト制御用CPU91と、ROM92と、RAM93とからなっている。ROM92は、例えば、半導体メモリ等により構成され、サテライト4の基本的な機能を実現させるためのプログラム、その他サテライト4の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM93は、サテライト制御用CPU91で演算された各種データ、遊技者の現在所有するクレジット数、遊技者によるチップのベット状況等を一時的に記憶しておくメモリである。
【0079】
また、サテライト制御用CPU91には、コントロール部6(図1参照)に設けられたBET確定ボタン62、払い戻しボタン63、ヘルプボタン64がそれぞれ接続されている。そして、サテライト制御用CPU91は各ボタンの押下等により出力される操作信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。具体的には、遊技者の操作が入力されたことを受けてコントロール部6から供給される入力信号、並びに、ROM92、RAM93に記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行し、その結果を上述したメイン制御部83のメイン制御用CPU80に送信する。
一方、サテライト制御用CPU91は、メイン制御用CPU80からの命令信号を受信し、サテライト4を構成する周辺機器を制御し、サテライト4においてルーレットゲームを進行させる。また、サテライト制御用CPU91は、処理の内容によっては、遊技者の操作が入力されたことを受けてコントロール部6から供給される入力信号、及び、ROM92とRAM93とに記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行し、その結果に基づいて、サテライト4を構成する周辺機器を制御し、サテライト4においてルーレットゲームを進行させる。なお、どちらの方法で処理を行うかについては、その処理の内容に応じて、処理ごとに設定される。例えば、当選番号に対するメダルの払い出し処理は前者であり、遊技者によるBET画面61のベット操作処理は後者の処理に該当する。
【0080】
また、サテライト制御用CPU91には、ホッパー94が接続されている。サテライト制御用CPU91からの命令信号により、ホッパー94は、所定枚数のメダルをメダル払出口8(図1参照)から払い出す。
更に、サテライト制御用CPU91には、液晶駆動回路95を介して画像表示装置7が接続されている。この点、液晶駆動回路95は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成されている。そして、プログラムROMには、画像表示装置7での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROMには、例えば、画像表示装置7で表示される画像を形成するためのドットデータが格納されている。また、画像制御CPUは、サテライト制御用CPU91で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から画像表示装置7に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAMは、前記画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、画像表示装置7に出力するものである。尚、ビデオRAMは、VDPで画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0081】
また、画像表示装置7の前面には、前記したようにタッチパネル53が取り付けられており、タッチパネル53の操作情報はサテライト制御用CPU91に対して送信される。タッチパネル53では、前記BET画面61において遊技者のチップのベット操作が行われる。具体的には、BETエリアの選択、単位BETボタン66の操作等においてタッチパネル53の操作が行われ、その情報がサテライト制御用CPU91に送信さる。そして、その情報に基づいてRAM93に現在の遊技者のベット情報(BET画面61において指定したBETエリア、並びにベットしたチップの枚数)が随時記憶される。更に、そのベット情報はメイン制御用CPU80に対して送信され、RAM82のベット情報記憶エリアに記憶される。
【0082】
更に、音出力回路96及びスピーカ9がサテライト制御用CPU91に接続されており、スピーカ9は、音出力回路96からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生するものである。
【0083】
また、サテライト制御用CPU91にメダルセンサ97が接続されている。メダルセンサ97はメダル投入口5(図1)から投入されたメダルを検出するとともに、投入されたメダルを演算し、その結果をサテライト制御用CPU91に対して送信する。そして、サテライト制御用CPU91は、送信された信号に基づいてRAM93に記憶された遊技者のクレジット数を増加させる。
【0084】
次に、図13に基づいてROM81に記憶された制御プログラムに基づく第1開閉弁17及び第2開閉弁18の開閉のタイミングと、駆動モータ34の駆動制御について示す。図13は第1開閉弁17及び第2開閉弁18の開閉のタイミングと駆動モータ34の駆動制御とを示した説明図である。
【0085】
図13に示すように、ゲームが開始されると、先ず遊技者による各サテライト4でのチップのベットを行うベット期間が開始される。そして、ベット期間が終了する10秒前になると、前回の当選番号と原点センサ57の検出結果とに基づいてボール11が収納されているボール収納部23の位置が特定され、固定吐出口33の正面にそのボール収納部23が位置するまで駆動モータ34を所定の第1回転速度で駆動し、回転可動部20を所定の回転速度(例えば、4rpm)で中央固定部22に対して回転させる。その後、ベット期間が終了する5秒前になると、メイン制御用CPU80は第1開閉弁17を所定時間(本実施形態では2秒)開放する。同時に、第2開閉弁18を開放し、ルーレット盤12のバンク通路29に沿って流れる環状の空気の層を作り出す(図20参照)。そして、前記固定吐出口33からの空気圧によってバンク通路29方向へと転動されたボール11が、空気の流れに従ってバンク通路29を時計回り方向に回転する。それと同時に、駆動モータ34を所定の第2回転速度及び第3回転速度で所定期間駆動し、回転可動部20を所定の回転速度(例えば、5.005rpm及び16.683rpm)で中央固定部22に対して回転させる。ここで、ボール11の発射後からボール11がボール収納部23に落下するまでの駆動モータ34の駆動制御は乱数値を用いた内部抽選によってゲーム毎に変動する。その詳細については後に図14を用いて説明する。
その後、第2開閉弁18の開放から所定時間(本実施形態では20秒)経過した際に、メイン制御用CPU80は第2開閉弁18を閉鎖する。それにより、回転吐出口36から吐出されていた空気が止まり、ボール11の回転速度が徐々に弱まる。次第にボール11が描く円は徐々に小さくなり、最後には遠心力を失って傾斜面28の斜面を転がり落ち、ボール収納部23に納まる。そして、第2開閉弁18を閉鎖した後に、徐々に駆動モータ34の回転速度を減衰させ、回転可動部20の回転速度を遅くする。その間において、ボール検出センサ44、原点センサ57及び回転センサ58の各センサにより当選番号の判定を行う。更に、判定された当選番号に従ってメダルの払い出しを行う。以上により、1ゲームが終了する。更に、続けてゲームを開始する場合には、同様にサテライト4のベット期間が開始され、ベット期間の終了する10秒前になると、メイン制御用CPU80は第1開閉弁17及び第2開閉弁18を開放する。尚、当該第1開閉弁17及び第2開閉弁18の開閉と駆動モータ34の駆動制御に基づくルーレットゲーム処理プログラムについては後にフローチャートを用いて詳細に説明する(図16参照)。
【0086】
次に、図14に基づいて、特にボール11の発射後からボール11がボール収納部23に落下するまでの回転可動部20の回転態様及び駆動モータ34の駆動制御について説明する。図14はボール11の発射後からボール11がボール収納部23に落下するまでの駆動モータ34による回転可動部20の回転態様について示した説明図である。
【0087】
図14に示すように、ボール11の発射後からボール11がボール収納部23に落下するまでの回転可動部20の回転期間は基本的に7つの期間により構成されており、ボールが発射されてからT1が経過するまでの第1期間(図14の(1)に相当)は回転可動部20の回転速度が0rpm、即ち停止状態となるように駆動モータ34が制御される。
また、第1期間が終了してからT2が経過するまでの第2期間(図14の(2)に相当)は回転可動部20の回転速度が0rpmから5.005rpmまで時間に比例して増加するように駆動モータ34が制御される。
また、第2期間が終了してからT3が経過するまでの第3期間(図14の(3)に相当)は回転可動部20の回転速度が5.005rpmとなるように駆動モータ34が制御される。
また、第3期間が終了してからT4が経過するまでの第4期間(図14の(4)に相当)は回転可動部20の回転速度が5.005rpmとなるように駆動モータ34が制御される。
また、第4期間が終了してからT5が経過するまでの第5期間(図14の(5)に相当)は回転可動部20の回転速度が5.005rpmから16.683rpmまで時間に比例して増加するように駆動モータ34が制御される。
また、第5期間が終了してからT6が経過するまでの第6期間(図14の(6)に相当)は回転可動部20の回転速度が16.683rpmとなるように駆動モータ34が制御される。
また、第6期間が終了してからT7が経過するまで(ボール11がボール収納部23に落下するまで)の第7期間(図14の(7)に相当)は回転可動部20の回転速度が16.683rpmとなるように駆動モータ34が制御される。
【0088】
そして、前記第1乃至第7期間の内、第1乃至第3期間、第5期間及び第7期間の時間(T1〜T3、T5、T7)が常に固定となっている一方、第4期間及び第6期間の時間(T4、T6)は可変となっている。具体的には、第4期間及び第6期間の時間(T4、T6)は、乱数値を用いた内部抽選の抽選結果と、ボール打ち出し時のボール収納部23の配置に基づく補正によってゲーム毎に決定される。従って、ゲームを行う度に回転可動部20の回転パターンが変化することとなり、ボール11が落下するボール収納部23の偏りを無くすことが可能となる。
【0089】
以下に、第4期間及び第6期間の時間(T4、T6)の決定手順について説明する。図15は第4期間の時間(T4)及び第6期間の時間(T6)を抽選する回転期間抽選テーブル99について示した図である。
【0090】
図15に示すように、T4及びT6の値は予め計38パターンの組合せが設定されており、乱数サンプリング回路86(図11参照)により0〜37の範囲でサンプリングされた乱数値に基づいて一の組合せが選択される。例えば、サンプリングされた乱数値が「5」であった場合には、T4が0.776sec、T6が4.500secの組合せが選択される。また、サンプリングされた乱数値が「30」であった場合には、T4が4.156sec、T6が1.120secの組合せが選択される。
また、この38パターンの組合せは、ボール11落下時の回転可動部20の回転数が1/38回転ずつ異なるように設定されており、関連付けられた乱数値が1大きい回転期間は1小さい回転期間より、回転可動部20がボール収納部23の一個分だけボール落下時までにより多く回転することとなる。
更に、可変期間である第4期間、第6期間の合計(T4+T6)は抽選結果に関わらず常に5.276secであるので、ルーレットゲーム機1の全体の制御に対して駆動制御パターンの変動が影響を及ぼす虞がない。
【0091】
また、本実施形態に係るルーレット装置2では、サンプリングされた乱数値に基づいて選択されたT4及びT6の値は、ボール打ち出し時のボール収納部23の配置に基づいて補正される。具体的には、前記ボール検出センサ44及び原点センサ57(図3参照)によって前回遊技終了時にボール11が収納されているボール収納部23が、原点である「0」に対応付けられたボール収納部23に対して相対的にどの位置にあるのかが検出され、原点である「0」に対応付けられたボール収納部23に対して右方向にn番目に位置するボール収納部23に収納されている場合には、前記サンプリングされた乱数値にnを加えた乱数値(38以上になった場合には38を引いた乱数値)を補正乱数値として設定し、補正乱数値と回転期間抽選テーブル99に基づいて最終的なT4及びT6の値を決定する。
【0092】
ここで、本実施形態に係るルーレット装置2では、前記したように固定吐出口33によるボール打ち出し時において固定吐出口33の正面にボール11が収納されたボール収納部23を位置させる。したがって、nの値はボール打ち出し時における、原点である「0」に対応付けられたボール収納部23と固定吐出口33との相対的な位置関係を特定する数値でもあり、上記補正を行うことによって、ボール打ち出し時においてボール収納部23がどのような配置をしていた場合であっても(言い換えれば、ボール11が前回のゲームにおいてどのボール収納部23に落下した場合であっても)、補正を行う前のサンプリングされた乱数値と回転期間抽選テーブル99に基づいて決定された位置にボール落下時の回転可動部20を位置させることが可能となる。
従って、ボール落下時の回転可動部20の位置、即ちボール落下時のボール収納部23の配置がサンプリングされた乱数値に完全に依存することが可能となり、サンプリングされた乱数値が異なる数値であっても、ボール落下時に回転可動部20が同じ位置となる事態を防止することが可能となる。それにより、ボール11をより偏りなくボール収納部23に落下させることができる。
【0093】
続いて、本実施形態に係るルーレットゲーム機1におけるゲーム処理プログラムについて図16に基づき説明する。図16は本実施形態に係るルーレットゲーム機1におけるルーレットゲーム処理プログラムのフローチャートである。尚、以下に図16及び図17にフローチャートで示される各プログラムはルーレットゲーム機1が備えているROM81やRAM82に記憶されており、メイン制御用CPU80により実行される。
【0094】
先ず、ステップ(以下、Sと略記する)1において、メイン制御用CPU80は、遊技者によるメダル又は貨幣が投入されたか否かを判断する。本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、いずれかのサテライト4でメダル投入口5にメダル又は貨幣が投入されると、メダルセンサ97がその旨を検出しサテライト制御用CPU91に送信される。その後、更にサテライト4よりメイン制御部83にメダル投入信号が送られる。それにより、メイン制御用CPU80は遊技者によるメダル又は貨幣の投入を判断する。メダル又は貨幣の投入がない場合(S1:NO)には、投入されるまで待機される一方、メダル又は貨幣の投入があった場合(S1:YES)には、S2へ移行する。尚、メダル又は貨幣の投入があった場合、サテライト制御部90では、投入枚数に応じた額のクレジットデータがRAM93に記録される。
【0095】
また、その遊技者の使用するサテライト4の画像表示装置7には図10に示したBET画面61が表示され、遊技者はチップをベットすることが可能となる。尚、他の遊技者は、そのゲームに途中参加することが可能であり、本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、最大12人で遊技することができる。
【0096】
そして、最初に参加した遊技者がメダル又は貨幣を投入した時点より、遊技者がベット可能な受入期間であるベット期間が開始される(S2)。尚、今回のゲームが前回のゲームに引き続いて行われる場合には、前回のゲーム終了後に続いてベット期間が開始される。そしてゲームに参加した遊技者は、このベット期間中に、タッチパネル53を操作して、自分が予想する番号に関連したBETエリアに自分のチップをベットすることができる(図10参照)。尚、BET画面61を用いた具体的なベット方法に関しては既に説明したので、ここではその説明は省略する。
【0097】
次に、前回のゲームにおける当選番号(「1」〜「36」、「0」、「00」)を、RAM82の当選番号記憶エリアから読み出す(S3)。そして、S4では乱数サンプリング回路でサンプリングされた乱数値と回転期間抽選テーブル99を用いて駆動モータ34の駆動制御パターンを抽選する図17の駆動制御パターン抽選処理が行われる。
【0098】
続けて、S5においてベット期間が終了する10秒前となったか否かが判断される。ここでベット期間は、BETタイマーグラフ69によって表示されており、ベット期間開始時(S2)より赤いグラフが徐々に右側に延び始める。そして、最も右側まで延びたときに現在のゲームにおけるベット期間が終了する。
【0099】
そして、ベット期間終了10秒前であると判定された場合(S5:YES)には、駆動モータ34を所定の第1回転速度によって駆動し、回転可動部20を中央固定部22に対して所定の回転速度(例えば、4rpm)によって回転させる(S6)。一方、ベット期間終了10秒前でないと判定された場合(S5:NO)には、10秒前となるまで待機される。
【0100】
また、回転可動部20を第1速度で回転させる際に、回転センサ58が回転可動部20の回転を検知するとともに、中央固定部22に設けられた原点センサ57によって、前記S3で取得した前回の当選番号、即ち現時点でボール11が収納されているボール収納部23が固定吐出口33に対して相対的にどの位置にあるのかが特定される。そして、S7では、その特定位置に基づいて回転可動部20の回転によりボール11が収納されているボール収納部23が固定吐出口33の正面に位置したか否かが判定される。
【0101】
その結果、ボール11が収納されているボール収納部23が固定吐出口33の正面に位置すると判定された場合(S7:YES)には、駆動モータ34の駆動を停止させる(S8)。一方、ボール11が収納されているボール収納部23が固定吐出口33の正面に位置しないと判定された場合(S7:NO)には、引き続き駆動モータ34の駆動が行われる。
【0102】
ここで、図18はステップ6乃至ステップ8におけるルーレット装置2の回転可動部20の回転態様を示す模式図である。図18に示すように、ボール11が収納されたボール収納部23(図18では番号「29」に対応付けられたボール収納部)が、固定吐出口33に対して、右方向に27番目に位置するボール収納部23である場合には、回転可動部20を反時計回りに回転させ、所定角度(図18では右方向にボール収納部27個分)回転させる。そして、ボール11が収納されたボール収納部23が固定吐出口33の正面に位置した時点で、回転可動部20の回転を停止させる。
【0103】
続いて、S9においてコンプレッサ14の電源をONとし、コンプレッサ14による空気の圧縮を開始する。その後、S10においてベット期間が終了する5秒前となったか否かが判断され、ベット期間終了5秒前であると判定された場合(S10:YES)には、第1開閉弁17及び第2開閉弁18を開放する(S11)。一方、ベット期間終了5秒前でないと判定された場合(S10:NO)には、5秒前となるまで待機される。
【0104】
ここで、第1開閉弁17は、前記したようにコンプレッサ14により圧縮した空気を固定吐出口33へと搬送するエアチューブ15に設けられており、エアチューブ15を通過する空気の空気圧を調整することが可能となっている。第1開閉弁17が開放されると、固定吐出口33より圧縮された空気の吐出を開始する。それにより、空気通過孔35を介してボール収納部23に収納されているボール11に対して空気圧を付加し、ボール11を傾斜面28の傾斜に抗してバンク通路29へと転動させる。図19はステップ11におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。
【0105】
図19に示すように、前記S11において第1開閉弁17が開放されると、中央固定部22に設けられた固定吐出口33からの空気圧によって、ボール収納部23に収納されたボール11がバンク通路29方向(矢印72方向)へと転動される。
【0106】
次に、S12において第1開閉弁17が開放された後に所定時間(本実施形態では2秒間)が経過したか否かが判断される。ここで、時間の経過はメイン制御用CPU80に接続されたタイマー84によって計測される。そして、第1開閉弁17が開放されてからの計測値t1が2秒未満である場合(S12:NO)には、継続して第1開閉弁17を開放する。
一方、第1開閉弁17が開放されてからの計測値t1が2秒以上である場合(S12:YES)には、第1開閉弁17を閉鎖し、固定吐出口33からの空気の吐出を停止させる。
【0107】
次に、S14において、駆動モータ34を前記S4の抽選処理の抽選結果に基づいた駆動制御パターンに従って駆動制御し、回転可動部20を中央固定部22に対して所定の回転速度によって回転させる。尚、回転可動部20の回転パターン及び駆動モータ34の駆動制御に関しては図13乃至図15を用いて既に説明したので、ここではその詳細は省略する。尚、回転可動部20の回転と同時に回転センサ58が回転可動部20の回転を検知し、また、中央固定部22に設けられた原点センサ57によって、原点センサの前方に位置するボール収納部23が原点(「0」に対応するボール収納部)に対して相対的にどの位置にあるのかが常時検出される。
【0108】
また、前記S11で開放された第2開閉弁18は、前記したようにコンプレッサ14により圧縮した空気を回転吐出口36へと搬送するエアチューブ16に設けられており、エアチューブ16を通過する空気の空気圧を調整することが可能となっている。第2開閉弁18が開放されると、回転吐出口36より圧縮された空気の吐出を開始する。それにより、バンク通路29に沿って時計回り方向に流れる空気の層が発生し、固定吐出口33からの空気圧によってバンク通路29へと転動されたボール11は、吐出される空気圧に従って円軌道を描いた転動を開始する。図20はステップ14乃至ステップ17におけるルーレット装置2のボール11の転動態様を示す模式図である。
【0109】
図20に示すように、前記S11において第2開閉弁18が開放されると、バンク通路29にそれぞれ設けられた回転吐出口36から吐出された空気によって、ルーレット盤12にバンク通路29に沿って時計回り方向(矢印73方向)の空気の流れが形成される。そして、固定吐出口33からの空気圧によってバンク通路29方向へと転動されたボール11が、回転吐出口36からの空気圧に従って、ルーレット盤12の周方向へと転動方向が変更される(矢印74参照)。更に、回転吐出口36からの空気圧が付加されたボール11は遠心力によって徐々にルーレット盤12の外周縁側へと転動され、バンク通路29に沿って転動を開始する(矢印75参照)。ここで、バンク通路29は、ルーレット盤12において転動するボール11の遠心力に抗してガイドし、円周軌道を描いて転動させる。更に、その外周部にあたる上端にはバンク通路29と連続して壁部31が形成されているので、バンク通路29上を回転運動するボール11がルーレット盤12より外へと飛び出す虞がない。また、回転可動部20は中央固定部22に対して反時計周り方向に図14に示した回転パターンに従って回転する。
【0110】
次に、S15においてベット期間が終了したか否かが判断される。そして、ベット期間終了前(S15:NO)においては、続けてベットの受付を行う一方、ベット期間が終了した場合(S15:YES)には、全サテライト4のサテライト制御部90に、ベット終了信号が出力され、各サテライト4の液晶画面には、ベットが終了した旨の画像が表示され、タッチパネル53でのベット操作が禁止される。そして、各サテライト4において遊技者が行ったベット情報(指定したBETエリア、並びに指定したBETエリアにベットしたチップの枚数)を受信し(S16)、RAM82のベット情報記憶エリアに記憶する。
【0111】
続いて、S17においては、第2開閉弁18が開放された後に所定時間(本実施形態では20秒間)が経過したか否かが判断される。ここで、時間の経過はメイン制御用CPU80に接続されたタイマー84によって計測される。そして、第2開閉弁18が開放されてからの計測値t2が20秒未満である場合(S17:NO)には、継続して第2開閉弁18を開放する。
一方、第2開閉弁18が開放されてからの計測値t2が20秒以上である場合(S17:YES)には、S18へと移行する。
【0112】
S18では、メイン制御用CPU80は第2開閉弁18を閉鎖し、回転吐出口36からの空気の吐出を停止させる。更に、S19でコンプレッサ14の電源をOFFとし、コンプレッサ14による空気の圧縮を停止させる。
回転吐出口36からの空気の吐出を停止させることにより、バンク通路29に沿って転動するボール11は、回転吐出口36からの空気圧を受けることがなくなり、徐々に回転速度が落ちて遠心力が低下する。そして、最終的には傾斜面28を転がり落ちてルーレット盤12の内側へと向かい、回転する回転可動部20に至る。図21はステップ18におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。
【0113】
図22に示すように、前記S18において第2開閉弁18が閉鎖されると、バンク通路29にそれぞれ設けられた回転吐出口36から吐出されていた空気が止まり、空気圧を受けることのなくなったボール11の回転速度が徐々に低下する。そして、速度とともに遠心力も低下したボール11は、傾斜面28の傾斜に沿ってバンク通路29より徐々に内側方向へと移動しながら円周軌道を描き続ける。最終的には傾斜面28を転がり落ちて内側へと向かい、回転する回転可動部20に至る(矢印76参照)。
そして、回転可動部20方向へと転がったボール11は、更に回転する回転可動部20の外側の番号表示板24上を通っていずれかのボール収納部23に納まり、ボール11が納まったボール収納部23に対応する番号表示板24に記載された数字(「0」、「00」、「1」〜「36」のいずれか)が当選番号となる。
【0114】
続いて、S20では駆動モータ34の回転速度を徐々に減衰し、ボール収納部23に収納されたボール11をボール検出センサ44によって検出する。そして、ボール検出センサ44によってボールが検出されたタイミングにおける原点センサ57の検出結果から、ボール11が検出されたボール収納部23に対応付けられた番号(「0」、「00」、「1」〜「36」)、即ち当選番号を特定する。
【0115】
更に、メイン制御用CPU80は、駆動モータ34の駆動を停止し(S21)、前記S16において受信した各サテライト4のベット情報と、前記S20において判定された当選番号とから、各サテライト4においてベットしたチップが当選しているか否かの判定を行う(S22)。
【0116】
そして、前記S22の当選判定に基づいて、少なくとも一のサテライト4においてベットしたチップが当選しているか否かが判断される(S23)。チップが当選していると判断された場合(S23:YES)には、メイン制御用CPU80は配当計算処理を実行する(S24)。配当計算処理では、当たりチップをサテライト4ごとに認識し、ROM81の配当クレジット記憶エリアに記憶されたBETエリアに対するオッズ(チップ一枚あたりに払い出されるクレジット数)を用いて、各サテライト4に払い出されるクレジットの配当額の合計を計算する。続いてS25へと移行する。
一方、全てのサテライト4において当選したチップがないと判断された場合(S23:NO)には、S26へと移行する。
【0117】
S25では、前記S20の配当計算処理に基づいてクレジットの払い出し処理を実行する。サテライト4にクレジットを払い出す際には、メイン制御部83から、当選したサテライト4のサテライト制御部90に、配当額に相当するクレジットデータが出力される。そして、このクレジットデータは、該当するサテライト4のRAM93に加算される。
【0118】
S26では、少なくとも一のサテライト4において継続して遊技が行われるか否かが判断される。遊技者は遊技を終了する際に通常、払い戻しボタン63を押下する。払い戻しボタン63が押下されると、ゲーム等によって獲得した現在遊技者が所有するクレジットに応じたメダル(通常は1クレジットに対してメダル1枚)がホッパー94を介してメダル払出口8から払い戻される。
【0119】
いずれかのサテライト4において遊技が継続して行われる場合(S26:NO)には、S2へと戻り再度ベット期間が開始され、次回のゲームへと移行する。
一方、全てのサテライト4において遊技が終了される場合(S26:YES)には、当該ルーレットゲーム処理を終了する。
【0120】
続いて、ルーレットゲーム機1で行われる前記S4の駆動制御パターン抽選処理プログラムについて図17に基づいて説明する。図17は本実施形態に係る駆動制御パターン抽選処理プログラムのフローチャートである。
【0121】
駆動制御パターン抽選処理では、先ずS31において乱数サンプリング回路86によって0〜37の範囲で一の乱数値をサンプリングする。その後、S32では前記S3で読み出した前回の当選番号に基づいてサンプリングされた乱数値と回転期間抽選テーブル99(図15)を用いて、第4期間及び第6期間の時間(T4、T6)を複数の組合せの内から選択する。例えば、サンプリングされた乱数値が「5」であった場合には、T4が0.776sec、T6が4.500secの組合せが選択される。また、サンプリングされた乱数値が「30」であった場合には、T4が4.156sec、T6が1.120secの組合せが選択される。
【0122】
その後、S33では前記S32で選択されたT4及びT6の値を、今回ゲームのボール打ち出し時(S11)のボール収納部23の配置に基づいて補正する。
具体的には、前記S3により読み出した当選番号から前回遊技終了時にボール11が収納されているボール収納部23が、原点である「0」に対応付けられたボール収納部23に対して相対的にどの位置にあるのかが判定される。ここで、本実施形態に係るルーレット装置2では、前記したように固定吐出口33によるボール打ち出し時において固定吐出口33の正面にボール11が収納されたボール収納部23を位置させる(図16のS6〜S9)。したがって、前回遊技終了時の原点に対するボール11が収納されているボール収納部23の位置は、ボール打ち出し時における、原点に対する固定吐出口33の相対的な位置を特定することにもなる。
そして、原点である「0」に対応付けられたボール収納部23に対して右方向にn番目に位置するボール収納部23に収納されていると判定された場合には、前記S31でサンプリングされた乱数値にnを加えた乱数値(38以上になった場合には38を引いた乱数値)を補正乱数値として設定し、補正乱数値と回転期間抽選テーブル99に基づいて最終的なT4及びT6の値を決定する(S34)。そして、図16のS14ではS34で決定されたT4及びT6の値に基づいて駆動モータ34が駆動制御される。
【0123】
以上説明した通り本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、ボール発射後であってボール11がボール収納部23に落下するまでの間において、ボール収納部23が上面に形成された回転可動部20を回転させる際に、回転可動部20の異なる回転速度で回転する2つの期間(第4期間、第6期間(図14参照))の時間(T4、T6)をサンプリングした乱数値と回転期間抽選テーブル99を用いて抽選し(S31、S32)、抽選結果に基づいて駆動モータ34の駆動制御を行うので、単純な駆動モータ34の駆動制御によって偏りなくボール11をボール収納部23に収納させることが可能となる。
また、サンプリングされた乱数値に基づいて選択されたT4及びT6の値を、今回ゲームのボール打ち出し時(S11)のボール収納部23の配置に基づいて補正し(S33)、T4及びT6の値を決定する(S34)ので、ボール打ち出し時においてボール収納部23がどのような配置をしていた場合であっても(言い換えれば、ボール11が前回のゲームにおいてどのボール収納部23に落下した場合であっても)、補正を行う前のサンプリングされた乱数値と回転期間抽選テーブル99に基づいて決定された位置にボール落下時の回転可動部20を位置させることが可能となる。従って、ボール落下時の回転可動部20の位置、即ちボール落下時のボール収納部23の配置がサンプリングされた乱数値に完全に依存することが可能となり、サンプリングされた乱数値が異なる数値であっても、ボール落下時に回転可動部20が同じ位置となる事態を防止することが可能となる。それにより、ボール11をより偏りなくボール収納部23に落下させることができる。
また、可変期間である2つの期間(第4期間、第6期間(図14参照))の合計は抽選結果に関わらず常に同一期間であるので、ルーレットゲーム機1の全体の制御に対して駆動制御パターンの変動が影響を及ぼす虞がない。
【0124】
また、固定吐出口33から吐出した空気によってボール収納部23に収納されたボール11を打ち出すので、ルーレット盤12上からボール11を回収することなく、ボール11のルーレット盤12上での転動とボール収納部23への収納を繰り返し行うことが可能となり、ボール11を回収する為の可動部等や発射装置等の複雑な機構を必要としない。従って、メンテナンス作業が容易となるとともに装置のコストダウンが可能である。また、ボール収納部23の必要深さ、及びルーレット盤12の必要高さをそれぞれ小さくすることができるので、遊技者はいずれのボール収納部23に収納された場合であってもボール11の位置を確認できる視野角α(図4参照)が広くなり、ボール確認作業が容易となるので、遊技性が向上する。
更に、中央固定部22を固定し、回転可動部20のみを回転せることにより、ルーレット盤12の駆動箇所を減らし、駆動モータ34の負担を軽減することができる。また、ボール収納部23の数に関わらず、ボールを打ち出す固定吐出口33の数は最小限の数(本実施形態では1個)とすることができるので、ルーレット装置2の構造をより単純化することが可能となる。
また、ボール打出装置43の駆動源としてソレノイド102を用いるので、ボール打出装置43の小型化及び簡略化が可能となり、メンテナンス作業が容易となるとともに装置のコストダウンが可能である。更に、ボール収納部23の必要深さ、及びルーレット盤12の必要高さをそれぞれ小さくすることができるので、遊技者のボールの確認作業が容易となり、遊技性が向上する。
また、ボール収納部23とバンク通路29とは、ボール収納部23よりバンク通路29へと所定の傾斜角度で上昇する一の傾斜面28により連続して形成されているので、遊技者はボール収納部23に収納されたボール11の確認が容易となり、遊技性が向上する。
また、バンク通路29は、外周部にバンク通路29と連続して周設された壁部31を有するので、バンク通路29を転動するボール11が遠心力によってルーレット盤12より外に飛び出す虞がなく、安全にゲームを行うことが可能となる。
更に、ボール収納部23に収納された際に、ボール11の直径Dがボール収納部23の深さLより大きいので、ボール収納部23内にボール11が埋没されてしまう虞がなく、ゲーム中にボール収納部23内に収納されたボール11の位置を遊技者が容易に確認することが可能である。
【0125】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではS4の駆動制御パターン抽選処理によって決定される可変期間は第4期間及び第6期間(図14参照)の時間(T4及びT6)であるが、第1乃至第7期間の合計期間を一定とすれば、他の期間の時間(T1〜T3、T5、T7)を可変とすることとしても良い。
【0126】
また、本実施形態においてはボールを打ち出す打ち出し装置として、コンプレッサ14によって圧縮された空気を吐出する固定吐出口33を用いているが、ソレノイド等の物理的な接触手段によってボールを打ち出すことが可能な打ち出し装置であっても良い。
【0127】
また、本実施形態においては、固定吐出口33から空気が吐出される空気通過孔35は円形状の孔となっているが、その形状は吐出された空気が通過可能な構造であれば良く、横方向又は縦方向に形成された溝や、切り欠き状に形成されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本実施形態に係るルーレットゲーム機の概略構成を示す外観斜視図である。
【図2】本実施形態に係るルーレット装置を示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係るルーレット装置を示す平面図である。
【図4】図3の線A−Aでルーレット装置を切断した矢視断面図である。
【図5】図4の特にボール収納部付近を拡大して示した模式図である。
【図6】本実施形態に係るルーレット装置のボール収納部付近を拡大して示した斜視図である。
【図7】本実施形態に係るルーレット装置のバンク通路付近を拡大して示した斜視図である。
【図8】図3の線B−Bでルーレット装置を切断した矢視断面図である。
【図9】本実施形態に係るルーレット装置において、中央固定部に対して回転可動部を回転可能に支持するクロスボールベアリングを所定位置で切断して示した模式図である。
【図10】画像表示装置に表示される表示画面の一例を示した図である。
【図11】本実施形態に係るルーレットゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図12】本実施形態に係るサテライトの制御系を模式的に示すブロック図である。
【図13】第1開閉弁及び第2開閉弁の開閉のタイミングと駆動モータの駆動制御とを示した説明図である。
【図14】ボールの発射後からボールがボール収納部に落下するまでの駆動モータによる回転可動部の回転態様について示した説明図である。
【図15】第4期間の時間(T4)及び第6期間の時間(T6)を抽選する回転期間抽選テーブルについて示した図である。
【図16】本実施形態に係る通常のルーレットゲーム処理プログラムのフローチャートである。
【図17】本実施形態に係る駆動制御パターン抽選処理プログラムのフローチャートである。
【図18】ステップ6乃至ステップ8におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。
【図19】ステップ11におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。
【図20】ステップ14乃至ステップ17におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。
【図21】ステップ18におけるルーレット装置のボールの転動態様を示す模式図である。
【符号の説明】
【0129】
1 ルーレットゲーム機
2 ルーレット装置
11 ボール
12 ルーレット盤
14 コンプレッサ
20 回転可動部
22 中央固定部
23 ボール収納部
33 固定吐出口
34 駆動モータ
36 回転吐出口
43 ボール打出装置
44 ボール検出センサ
57 原点センサ
58 回転センサ
80 メイン制御用CPU
81 ROM
82 RAM
99 回転期間抽選テーブル
T1〜T6 第1期間〜第6期間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマークが配置されたルーレット盤と、
前記ルーレット盤上を転動するボールと、
前記複数のマークに対応して前記ルーレット盤の周方向に形成され、前記ボールが収納される複数のボール収納部と、
前記ルーレット盤のボール収納部に対して外周縁側に無端状に周設され、前記ボールが円周軌道を描きながら転動するバンク通路と、を有するルーレット装置において、
前記ルーレット盤は、前記ボール収納部を有するとともに回転可能に支持された回転可動部を備え、
前記回転可動部を所定方向に回転させる駆動手段と、
前記駆動手段の駆動制御パターンを抽選する抽選手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて所定の回転速度で前記回転可動部を回転させる定速度回転期間を変動するように前記駆動手段を制御する回転期間変動制御手段と、
を有することを特徴とするルーレット装置。
【請求項2】
前記定速度回転期間は、第1回転速度で前記回転可動部を回転させる第1定速度回転期間と、前記第1回転速度と異なる第2回転速度で前記回転可動部を回転させる第2定速度回転期間と、を備え、
前記回転期間変動制御手段は、前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記第1定速度回転期間と前記第2定速度回転期間との合計期間を変化させることなく第1定速度回転期間及び第2定速度回転期間を変動するように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のルーレット装置。
【請求項3】
前記ボール収納部に収納されているボールを打ち出すボール打出装置と、
前記ボール打出装置によりボールを打ち出す際における前記ボール収納部の配置に基づいて前記定速度回転期間を変動するように前記駆動手段を制御する回転期間補正制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のルーレット装置。
【請求項4】
前記回転期間補正制御手段は、前記ボール打出装置によりボールを打ち出す際におけるボール打出装置と特定のボール収納部との相対位置に基づいて前記定速度回転期間を変動するように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項3に記載のルーレット装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2007−451(P2007−451A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−185458(P2005−185458)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)