レイアウトファイル統合プログラム、レイアウトファイル統合装置、及びレイアウトファイル統合方法
【課題】ベース版レイアウトに含まれるベースオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定したベース版レイアウトファイルに対して差替版レイアウトファイルを統合する。差替版レイアウトファイルは、ベースオブジェクトと、差し替え対象のベースオブジェクトと差し替えるべき新規オブジェクトとについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定し、新規オブジェクトについて重ね順を差し替え対象のベースオブジェクトと重なり合う位置に規定し、表示モードを指定された表示モードに規定する。
【解決手段】差替版レイアウトファイルにより差し替え対象のベースオブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された新規オブジェクトを、ベース版レイアウトファイルにおける当該差し替え対象のベースオブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する。
【解決手段】差替版レイアウトファイルにより差し替え対象のベースオブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された新規オブジェクトを、ベース版レイアウトファイルにおける当該差し替え対象のベースオブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DTP(Desktop publishing)の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チラシやパンフレット、カタログ等の印刷物のレイアウト編集作業はコンピュータで行われるようになっており、DTPと呼ばれている。DTPでチラシやパンフレットを制作するときは、複数のオブジェクトを所定の重ね順で重畳して表示する、ベースのレイアウトファイルをもとに、一部のオブジェクトを差し替えた差替版を作成することが多い。差替版を作成する場合には、重ね順を変更しないようにすることが重要である。
【0003】
そうした中、ベースとなるページレイアウトを複数のブロックに分割し、何れかのブロック内にある複数のオブジェクトのうち一部のオブジェクトについて差し替えを行い、異なる版を作成する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
ところが、上記技術では、異なる版のページレイアウトが別々のレイアウトファイルで作成された場合に、一つのレイアウトファイルに統合しようとすると、単に複数の異なる版のページレイアウトが一つのファイルになるだけで、全ての版で編集が行われていないブロック部分については重複して同じデータを保持することとなり、データサイズが大きくなってしまう。また、統合後に、ベースとなるブロック(全ての版で共通のブロック)内のオブジェクトを差し替える場合には、全ての版について同一の処理を行う必要があり、編集者の大きな負担となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4468217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードをレイアウトファイルで規定し、表示モードにより版を管理する技術が考えられる。具体的には、ベース版ページレイアウトでのみ表示されるベースオブジェクトの表示モードをベースモードと規定し、差替版ページレイアウトでのみ表示される新規オブジェクトの表示モードを差替モードと規定する。このとき、新規オブジェクトの重ね順は、新規オブジェクトによる差し替え対象のベースオブジェクトと重なり合うように規定する。そして、表示モードとしてベースモードが選択された場合には、ベースモードのベースオブジェクトのみが表示され、表示モードとして差替モードが選択された場合には、差替モードの新規オブジェクトと、新規オブジェクトによる差し替え対象となっていないベースオブジェクトとが表示されることとする。当該技術によれば、ベース版ページレイアウトと差替版ページレイアウトを一のレイアウトファイルで管理することができ、重なり順も担保することができる。しかしながら、複数の編集者が個別にベース版ページレイアウトから差替版ページレイアウトを作成する場合には、別々のレイアウトファイルが存在することになり、共通のベース版ページレイアウトを有するにもかかわらず、複数のレイアウトファイルを管理する必要が出てくる。
【0007】
本発明は、このような問題等に鑑みて為されたもので、ベース版ページレイアウトに含まれるベースオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定したベース版レイアウトファイルに対して、差替版ページレイアウトに含まれる新規オブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定した差替版レイアウトファイルを、オブジェクトの重ね順を担保しつつ統合することができるレイアウトファイル統合プログラム等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトの前記表示モードをベースモードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、前記ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトのうちユーザにより指定された指定オブジェクトと同じ配置位置、前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、当該指定オブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクトと、について規定する差替版レイアウトファイルを、統合するレイアウトファイル統合プログラムにおいて、コンピュータを、前記差替版レイアウトファイルにより前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された前記新規オブジェクトを、前記ベース版レイアウトファイルにおける当該指定オブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する配置手段、として機能させることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレイアウトファイル統合プログラムにおいて、コンピュータを前記配置手段として機能させる際、新たに統合する差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトに対応する前記基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に、他の差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトが配置済みの場合には、当該新たに統合する差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトを、前記基準オブジェクト又は配置済みの前記新規オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置させることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のレイアウトファイル統合プログラムにおいて、前記新規オブジェクトは、ユーザにより指定された指定オブジェクトを当該指定オブジェクトと同じ配置位置に複製し、前記重ね順として当該指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順を規定し、前記表示モードとしてユーザにより指定された表示モードを規定した複製オブジェクトの表示内容を変更したオブジェクト、又は当該複製オブジェクトと差し替えたオブジェクトであることを特徴とすることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載のレイアウトファイル統合プログラムにおいて、前記レイアウトファイルに含まれる前記複数のオブジェクトを表示部に表示させる際、表示モードとしてベースモードが選択された場合には、ベースモードが規定されているベースオブジェクトのみが表示され、一方、ベースモード以外の表示モードが選択された場合には、当該選択された表示モードが規定されている複製オブジェクトと、前記指定オブジェクトでなく且つ表示モードがベースモードであるベースオブジェクトと、が表示されることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載のレイアウトファイル統合プログラムであって、前記ベース版レイアウトファイル及び差替版レイアウトファイルには、配置位置が同じオブジェクトについて同一の識別情報が付与されるとともに、ベースオブジェクト以外のオブジェクトについてユーザにより指定された表示モードが当該識別情報と組み合わせて規定されており、コンピュータを前記配置手段として機能させる際、統合後の前記ベース版レイアウトファイルにおいて識別情報が同一のオブジェクトの重ね順が連続するように前記差替版レイアウトファイルに含まれる前記新規オブジェクトを配置させることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトの前記表示モードをベースモードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、前記ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトのうちユーザにより指定された指定オブジェクトと同じ配置位置、前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、当該指定オブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクトと、について規定する差替版レイアウトファイルを、統合するレイアウトファイル統合装置において、前記差替版レイアウトファイルにより前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された前記新規オブジェクトを、前記ベース版レイアウトファイルにおける当該指定オブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する配置手段、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトの前記表示モードをベースモードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、前記ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトのうちユーザにより指定された指定オブジェクトと同じ配置位置、前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、当該指定オブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクトと、について規定する差替版レイアウトファイルを、統合するレイアウトファイル統合方法において、コンピュータが、前記差替版レイアウトファイルにより前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された前記新規オブジェクトを、前記ベース版レイアウトファイルにおける当該指定オブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する配置工程、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトが、ベース版レイアウトファイルにおける基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置されることから、ベース版レイアウトファイルに対して差替版レイアウトファイルを、オブジェクトの重ね順を担保しつつ統合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ベース版ページレイアウト100の一例を示す図である。
【図2】仙台版ページレイアウト100Aの一例を示す図である。
【図3】レイアウト編集装置1の構成を示すブロック図である。
【図4】差替版作成時の流れを示す図の一例である。
【図5】ベース版ページレイアウト100の表示例を示す図である。
【図6】オブジェクトテーブル200(初期設定時)の一例を示す図である。
【図7】パレットウィンドウ300の表示例を示す図である。
【図8】テキスト入力ウィンドウ400の表示例を示す図である。
【図9】パレットウィンドウ300(「仙台」モード登録後)の表示例を示す図である。
【図10】モード選択ウィンドウ500の表示例を示す図である。
【図11】レイアウト編集装置1によるオブジェクト作成処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】オブジェクトテーブル200(差替パーツ複製時)の一例を示す図である。
【図13】虫食い版表示設定時(画像差替前)の表示例を示す図である。
【図14】差替画像選択ウィンドウ600の表示例を示す図である。
【図15】虫食い版表示設定時(画像差替後)の表示例を示す図である。
【図16】オブジェクトテーブル200(差替パーツ複製時)の一例を示す図である。
【図17】仙台版ページレイアウト100Aの表示例を示す図である。
【図18】差替パーツ非表示設定時における仙台版ページレイアウト100Aの表示例を示す図である。
【図19】(A)は統合元レイアウトファイルに対応するオブジェクトテーブル200Aの一例を示す図である。(B)は統合先レイアウトファイルに対応するオブジェクトテーブル200Bの一例を示す図である。(C)は統合後レイアウトファイルに対応するオブジェクトテーブル200Cの一例を示す図である。
【図20】レイアウト編集装置1によるファイル統合処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】オブジェクトテーブル200(差替パーツ複製時)の一例を示す図である。
【図22】オブジェクトテーブル200(差替パーツ複製時)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、レイアウト編集装置において本発明を適用した場合の実施形態である。
【0018】
[1.本実施形態の概要]
本実施形態のレイアウト編集装置は、差替版制作機能及びレイアウトファイル統合機能を備えている。差替版制作機能は、例えば、図1に示すベース版ページレイアウト100が作成済みの場合において、図2に示す仙台版ページレイアウト100Aを作成する場合に有用である。仙台版ページレイアウト100Aは、ベース版ページレイアウト100のさつまいも画像オブジェクト101P及びさつまいもテキストオブジェクト101T(さつまいも、北海道産、4本、298円をそれぞれ表示するテキストオブジェクト)を、それぞれ、ぶどう画像オブジェクト109P及びぶどうテキストオブジェクト109T(ぶどう、山梨産、2房、298円をそれぞれ表示するテキストオブジェクト)に差し替えた差替版のページレイアウトである。レイアウト編集装置の差替版制作機能によれば、こうしたオブジェクトの差し替えを、その重ね順を変更することなく容易に行うことができる。
【0019】
また、レイアウトファイル統合機能は、ベース版レイアウトファイルと、差替版レイアウトファイルとを統合する機能である。ベース版レイアウトファイルは、ベース版ページレイアウト(例えば、ベース版ページレイアウト100)に基づいて新規に作成されるファイルである。差替版レイアウトファイルは、ベース版レイアウトファイルを複製し、そこに含まれるベース版ページレイアウトの一部のオブジェクトを複製した上で他のオブジェクトに差し替えて作成した差替版ページレイアウト(例えば、仙台版ページレイアウト100A)を含むファイルである。レイアウトファイルは、自身がベース版であるか又は差替版であるかを示す属性情報を備えており、レイアウト編集装置が何れかを識別できるようになっている。レイアウトファイル統合機能は、例えば、複数の編集者が個別に差替版ページレイアウトを作成した場合に、差替版レイアウトファイル(統合元ファイル)を、ベース版レイアウトファイル(統合先ファイル)に統合する場合に有用である。これにより個別に作成された差替版レイアウトファイルをベース版レイアウトファイルに統合することができる。
【0020】
[2.レイアウト編集装置の構成]
次に、図3を用いてレイアウト編集装置1の構成について説明する。レイアウト編集装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ等により構成されており、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、及びインターフェース部(I/F部)15を備えている。
【0021】
記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブや不揮発性メモリ等により構成されており、オペレーティングシステムや、アプリケーション等の各種プログラム等を記憶する。また、記憶部12は、DTPデータを編集するためのレイアウト編集用アプリケーション(以下、「レイアウト編集用アプリ」)と、レイアウト編集用アプリに差替版制作機能及びレイアウトファイル統合機能を追加するための機能追加プログラムとを、記憶している。各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、記録媒体に記録されて外付けドライブ装置を介して読み込まれるようにしても良い。
【0022】
操作部13は、例えば、キーボード、マウス等により構成されており、編集者の入力操作を受け付け、入力操作に応じた操作信号を制御部11に送る。表示部14は、液晶ディスプレイ等で構成されており、制御部11の制御の下、各種ウィンドウ等を表示する。また、I/F部15は、スキャナやプリンタ等の周辺機器が接続されている際に、レイアウト編集装置1と周辺機器との間で送受信するデータの変換等を所定の規則に従って行う。
【0023】
制御部11は、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、作業用のRAM(Random Access Memory)、及び図示しない発振回路等を備えて構成されており、操作部13からの操作信号に基づいて、当該操作信号に含まれている操作情報に対応する動作を実現すべく上記各構成部材を制御するための制御情報を生成し、バスを介して当該制御情報を該当する構成部材に出力して当該各構成部材の動作を統轄制御する。
【0024】
[3.差替版制作機能の使用手順及び動作]
次に、図4〜図18を用いてレイアウト編集装置1における差替版制作機能の使用手順及びその際のレイアウト編集装置1の動作について説明する。図4は差替版作成時の流れを示す図の一例である。なお、レイアウト編集用アプリには差替版制作機能追加プログラムが予め組み込まれており、レイアウト編集用アプリで差替版制作機能を利用可能な状態であることとする。また、ここでは、図1に示すベース版ページレイアウト100のさつまいも画像オブジェクト101P及びさつまいもテキストオブジェクト101Tを、それぞれ、ぶどう画像オブジェクト109P及びぶどうテキストオブジェクト109Tに差し替え、図2に示す仙台版ページレイアウト100Aを作成する場合について説明する。
【0025】
[3.1.初期設定]
まず、編集者はレイアウト編集用アプリにおいてベース版となるページレイアウトを登録するために、ベース版設定操作を行う(ステップS11)。具体的には、図5に示すように、編集者は表示部14に表示されるレイアウト編集用アプリウィンドウ(以下、「アプリウィンドウ」)Wにおけるメニューバーの「メニュー」から「ベース版設定」(図示しない)を選択し、レイアウト編集用アプリ又は他のアプリケーションで生成した、ベース版とするページレイアウトを開き、ベース版として登録するための操作を行う。
【0026】
これに対して、制御部11はベース版設定操作を受け付けると、開かれているページレイアウトをベース版ページレイアウト100として含むベース版レイアウトファイルを作成し、記憶部12に登録する(ステップS12)。このとき、制御部11は、ベース版ページレイアウト100に含まれる全てのオブジェクトについて解析を行い、図6に示す初期設定時のオブジェクトテーブル200を作成し、ベース版レイアウトファイルに含めて記憶部12に登録する。このとき、制御部11により、ベース版レイアウトファイルにはベース版であることを示す属性情報がセットされる。
【0027】
ここで、図6に示す初期設定時のオブジェクトテーブル200について説明する。なお、ページレイアウトにおいて各商品における産地を表示する産地テキストオブジェクト、商品名を表示する商品名テキストオブジェクト、数量を表示する数量テキストオブジェクト、価格を表示する価格テキストオブジェクトはグルーピングされており、同じレイヤーにあるものとする。
【0028】
図6に示すように、オブジェクトテーブル200は、ページレイアウトに含まれる各オブジェクトの重ね順とオブジェクト名とモードとを規定する。制御部11は、初期設定時のオブジェクトテーブル200を作成するに当たり、ベース版ページレイアウト100に含まれる全てのオブジェクトの重なり順を解析し、それぞれのオブジェクトを解析した重なり順で記述する。また、制御部11はそれぞれのオブジェクトにオブジェクト名を付して記述する。このとき、ベース版ページレイアウト100の元データにオブジェクト名が記述されている場合には、当該オブジェクト名を用いてもよい。また、制御部11は初期設定時のオブジェクトテーブル200を作成する際には、全てのオブジェクトのモードを「ベース」に設定する。
【0029】
モードは、対応するオブジェクトを何れの版で表示させるかを識別するための情報である。例えば、モードが「仙台」であるオブジェクトは仙台版のページレイアウトでのみ表示される。但し、モードが「ベース」であるオブジェクトについては、後述するように、対応する差し替えオブジェクトが存在しない場合に、全ての版のページレイアウトで表示される。なお、オブジェクトテーブル200の右側に、各オブジェクトが何れの商品を表示するオブジェクトであるかを備考として示した。例えば、オブジェクト名が「テキストオブジェクト5」であるオブジェクトは、さつまいもテキストオブジェクト101Tであることを示している。
【0030】
[3.2.差替版の作成]
次に、ベース版ページレイアウト100の差替版ページレイアウト(仙台版ページレイアウト100A)を作成する場合について説明する。ここでは、ベース版レイアウトファイルを複製したファイル(差替版ページレイアウトが作成されるファイルであることから、差替版レイアウトファイルと呼ぶ)において、ベース版ページレイアウト100の差替版ページレイアウトを作成することとする。ここでは、図1のベース版ページレイアウト100のみが含まれている差替版レイアウトファイルにおいて、図2の仙台版ページレイアウト100Aを作成する場合について説明する。なお、ベース版レイアウトファイルを複製した差替版レイアウトファイルには、制御部11により、複製時に差替版であることを示す属性情報がセットされる。また、差替版レイアウトファイルでは、「ベース」モードのオブジェクトを削除できないようになっている。
【0031】
レイアウト編集装置1において、ベース版レイアウトファイルを複製することにより作成された、ベース版ページレイアウト100のみを含む差替版レイアウトファイルを開く操作が行われると、制御部11は、差替版レイアウトファイルを表示するアプリウィンドウWと図7に示すパレットウィンドウ300を表示部14に表示させる。
【0032】
パレットウィンドウ300は、現在モード表示部301、「差替パーツ作成」ボタン302、「差替版で隠す」ボタン303、モード一覧表示部304、「画像差替」ボタン306、「虫食い版表示」ラジオボタン307、「差替版表示」ラジオボタン308、「差替パーツを隠す」チェックボックス309を有する。現在モード表示部301にはその時点で選択されているモードが表示される。モード一覧表示部304には、登録されているモードに対応するモードボタン(例えば、「ベース」モードボタン305A)が表示される。編集者は、モードボタンを選択することにより、選択したモードに対応するページレイアウト(ベース版ページレイアウト100や差替版のページレイアウト)を表示させることができる。
【0033】
なお、登録されているモードが「ベース」だけの段階(例えば、差替版レイアウトファイルが新規に開かれた場合など)では、モード一覧表示部304には、「ベース」モードボタン305Aのみが表示され、「虫食い版表示」ラジオボタン307、「差替版表示」ラジオボタン308、「差替パーツを隠す」チェックボックス309及びこれらに対応するテキスト(「虫食い版表示」、「差替版表示」、「差替パーツを隠す」のテキスト)はグレーアウト状態となっている。グレーアウトとは、チェックボックスやテキストボックス、ボタンなどが薄いグレーで表示され、入力や選択ができない状態のことである。
【0034】
[3.2.1.モードの追加]
編集者は差替版レイアウトファイルにおいて仙台版ページレイアウト100Aを作成するに当たり、まず、「仙台」モードを追加するための操作を行う(ステップS13)。具体的には、編集者は、まず、アプリウィンドウWにおけるメニューバーの「メニュー」から「モード追加」(図示しない)を選択する。すると、制御部11は表示部14に、追加するモード名を入力させるためのテキスト入力ウィンドウ400(図8参照)を表示させる。次いで、編集者はテキスト入力ウィンドウ400のテキストボックス401に「仙台」と入力し、OKボタン402を押下する(モードを追加しない場合には、キャンセルボタン403を押下する)。これに対して、制御部11は入力された「仙台」を新規モードとして記憶部12に登録する(ステップS14)。制御部11は、新たなモードが追加されると、図9に示すようにパレットウィンドウ300のモード一覧表示部304に「仙台」モードボタン305Bを追加表示させる。
【0035】
[3.2.2.差替パーツの作成]
次に、編集者は図1に示したベース版ページレイアウト100のさつまいも画像オブジェクト101P及びさつまいもテキストオブジェクト101Tと差し替える差替パーツである、ぶどう画像オブジェクト109P及びぶどうテキストオブジェクト109Tを作成する。具体的には、編集者は、まず、アプリウィンドウWに表示されているベース版ページレイアウト100から、差し替え対象のオブジェクト(「指定オブジェクト」の一例。ここでは、さつまいも画像オブジェクト101P及びさつまいもテキストオブジェクト101T)を選択し、選択状態のまま、パレットウィンドウ300の「差替パーツ作成」ボタン302を押下する(ステップS15)。
【0036】
すると、制御部11は表示部14に、作成する差替パーツのモード名を選択させるためのモード選択ウィンドウ500(図10参照)を表示させる。モード選択ウィンドウ500は、登録モード表示リストボックス501を有し、登録モード表示リストボックス501には「ベース」モードを除いた、登録済みのモードが表示される(図10は、「仙台」のみが登録されている場合の表示例である)。編集者は登録モード表示リストボックス501から「仙台」を選択し、OKボタン502を押下する(ステップS16)。なお、図10の例では「仙台」のみが表示されているが、その他のモード(「ベース」モードを除く)が登録されている場合には、それらの一覧が表示される。また、差替パーツの作成をキャンセルする場合には、キャンセルボタン503を押下することができる。
【0037】
これに対して、制御部11は、登録モード表示リストボックス501内の何れかのモードが選択されると、図11に示すオブジェクト作成処理を行う(ステップS17)。ここで図11を用いてオブジェクト作成処理について説明する。まず、制御部11は、ステップS15にて、差し替え対象として選択されたさつまいも画像オブジェクト101P(オブジェクトテーブル200における「画像オブジェクト5」)を複製する(ステップS101)。次いで、制御部11は、複製したオブジェクトを複製元オブジェクト(さつまいも画像オブジェクト101P)のすぐ背面(重ね順がすぐ下となる層)に挿入する(ステップS102)。次いで、制御部11は、複製したオブジェクトのモードを、ステップS16にて編集者により選択されたモード(「仙台」)とする。これにより、同じオブジェクト名であってモードが異なるオブジェクトが上下で重なり合う状態となる。また、制御部11は、さつまいもテキストオブジェクト101TについてもステップS101〜ステップS103の処理を行う。つまり、制御部11は、差し替え対象として選択された各オブジェクトについてステップS101〜ステップS103の処理を行う。この結果、図12に示すオブジェクトテーブル200のように、重ね順が「6」と「13」である位置に、それぞれ複製されたオブジェクトが、編集者により選択されたモードで挿入されることとなる。
【0038】
次いで、制御部11は、図13に示すように、アプリウィンドウWの表示を虫食い版表示に切り換える(ステップS18)。虫食い版表示では、先に選択された差し替え対象のオブジェクトを複製したもの(さつまいも画像オブジェクト101P−2、さつまいもテキストオブジェクト101T−2)のみが表示される。また、制御部11は、パレットウィンドウ300における現在モード表示部301の表示を「仙台」モードに変更するとともに、「虫食い版表示」ラジオボタン307を選択状態とする(合わせて「差替版表示」ラジオボタン308及び「差替パーツを隠す」チェックボックス309のグレーアウト状態を解除し、選択可能とする)。
【0039】
次に、編集者は、画像を差し替えるための操作を行う。具体的には、編集者は差し替え対象の画像オブジェクト(さつまいも画像オブジェクト101P−2)のみを選択し、パレットウィンドウ300の「画像差替」ボタン306を押下する(ステップS19)。これに対して、制御部11は表示部14に、図14に示す差替画像選択ウィンドウ600を表示させる。そして、編集者は差替画像選択ウィンドウ600で差し替え画像オブジェクトを選択する(ステップS20)。
【0040】
制御部11は、差替画像選択ウィンドウ600で編集者が差し替え画像オブジェクトを選択する操作を検出すると、図15に示すように、差し替え対象の画像オブジェクトを、編集者により選択された差し替え画像オブジェクト(ぶどう画像オブジェクト109P)に差し替えて表示させる(ステップS21)。このとき、制御部11は、差し替え画像オブジェクト(ぶどう画像オブジェクト109P)の幅を、差し替え対象の画像オブジェクト(さつまいも画像オブジェクト101P−2)の幅に合わせてサイズを調整する。高さは縦横比が維持されるように幅と同じ比率でサイズ調整する。
【0041】
次に、編集者はテキスト編集を行うための操作を行う(ステップS22)。具体的には、編集者はさつまいもテキストオブジェクト101T−2に含まれる産地テキストオブジェクト、商品名テキストオブジェクト、数量テキストオブジェクト、価格テキストオブジェクトを個別に選択して、直接、キーボード等を用いてテキストを入力し、ぶどうテキストオブジェクト109T(図2参照)となるように編集する。これに対して、制御部11は、複製したテキストオブジェクトの内容を、編集者により入力された内容で更新する(ステップS23)。なお、差し替え画像オブジェクト(ぶどう画像オブジェクト109P)や、テキスト編集されたぶどうテキストオブジェクト109Tを新規オブジェクトと呼ぶ。
【0042】
なお、画像の差し替えやテキストの編集が行われてもオブジェクトテーブル200の内容は変更されないが、例えば、図16に示すように、同じオブジェクト名である「画像オブジェクト5」であっても、モードが「ベース」であるオブジェクトはさつまいもの画像を表示し、モードが「仙台」であるオブジェクトはぶどうの画像を表示することとなる。
【0043】
[3.2.3.差替版ページレイアウトの確認]
次に、編集者は差替版ページレイアウト(仙台版ページレイアウト100A)の確認を行う。具体的には、編集者は、パレットウィンドウ300において現在モードが「仙台」である状態のまま、「差替版表示」ラジオボタン308を選択する(ステップS24)。
【0044】
これに対して、制御部11は、アプリウィンドウWで差替版(仙台版)のページレイアウトを表示させる(ステップS25)。具体的には、制御部11は、オブジェクトテーブル200を参照して、オブジェクト名が重複していない「ベース」モードのオブジェクトについては表示することを決定し、一方、オブジェクト名が重複しているオブジェクト(例えば、図16に示すオブジェクトテーブル200における「テキストオブジェクト5」及び「画像オブジェクト5」)については、現在選択されているモード(「仙台」)のオブジェクトを表示することを決定する。これにより、図17に示すように、アプリウィンドウWには仙台版ページレイアウト100Aが表示される。なお、図16の一番右の表では、現在モードに応じて表示されるオブジェクトを「○」で表している。すなわち、オブジェクト名が重複するオブジェクトについては、選択されているモードのオブジェクトが表示される。
【0045】
また、編集者はパレットウィンドウ300の「差替パーツを隠す」チェックボックス309を「ON」にすると、図18に示すように、差替パーツを非表示とすることができる。このとき、制御部11は、オブジェクト名が重複しているオブジェクト(例えば、図16に示すオブジェクトテーブル200における「テキストオブジェクト5」及び「画像オブジェクト5」)のみを非表示とする。これにより、差替パーツに背面に余計なオブジェクトが重なっていないかを確認することができる。こうして、仙台版ページレイアウト100Aを含む差替版レイアウトファイルが完成する。
【0046】
なお、本実施形態における各オブジェクトの配置位置やオブジェクトテーブル200等を示すデータ、属性情報を示すデータは、一のレイアウトファイルにより規定される。
【0047】
[4.レイアウトファイル統合機能の使用手順及び動作]
次に、図19及び図20を用いてレイアウト編集装置1におけるレイアウトファイル統合機能の使用手順及びその際のレイアウト編集装置1の動作について説明する。レイアウトファイル統合機能は差替版レイアウトファイル(統合元ファイル)をベース版レイアウトファイル(統合先ファイル)に統合する処理である。差替版レイアウトファイルは、初期状態のベース版ページレイアウト(ベース版ページレイアウトが登録され、全てのベースオブジェクトが削除されずに「ベース」モードが設定されている状態のページレイアウト)を複製したものに対して、上述した差替版制作機能を利用して差替版レイアウトを作成したファイルである。
【0048】
ここでは、北海道版ページレイアウト、福岡版ページレイアウト、千葉版ページレイアウト、及び京都版ページレイアウトを含む差替版レイアウトファイルを統合元ファイルとし、ベース版レイアウトファイルを統合先ファイルとして説明する。図19に、このときの統合元ファイルに対応するオブジェクトテーブル200A、統合先ファイルに対応するオブジェクトテーブル200B、統合後ファイルに対応するオブジェクトテーブル200Cを示す。なお、ベース版レイアウトファイルについては、仙台版ページレイアウトを含む差替版レイアウトファイル(図16参照)が既に統合済みであり、また、一部のオブジェクト(「テキストオブジェクト3」(「ベース」モード)及び「画像オブジェクト3」(「ベース」モード))が削除されているものとする。また、レイアウト編集用アプリにはレイアウトファイル統合機能追加プログラムが予め組み込まれており、レイアウト編集用アプリでレイアウトファイル統合機能を利用可能な状態であることとする。
【0049】
まず、レイアウトファイルを統合するに当たり、編集者はレイアウト編集用アプリにおいて統合先レイアウトファイルとなるベース版レイアウトファイルをアプリウィンドウWに開く。次いで、編集者はアプリウィンドウWにおけるメニューバーの「メニュー」から「差替版統合」(図示しない)を選択する。これに対して、制御部11は、差替版レイアウトファイル選択画面(図示しない)を表示部14に表示させ、編集者に差替版レイアウトファイルを選択させる。編集者は差替版レイアウトファイル選択画面にて、北海道版ページレイアウト、福岡版ページレイアウト、千葉版ページレイアウト、及び京都版ページレイアウトを含む差替版レイアウトファイルを選択する。
【0050】
制御部11は、差替版レイアウトファイルが選択されるとファイル統合処理を行う。ここで、図20を用いてファイル統合処理について説明する。
【0051】
まず、制御部11は、統合元レイアウトファイルと統合先レイアウトファイルとが統合処理可能なレイアウトファイルであるかを確認する(ステップS301)。具体的には、制御部11は、属性情報を参照し、統合元が差替版レイアウトファイルであること、統合先がベース版レイアウトファイルであることを確認する。このとき、制御部11は、統合元レイアウトファイルと統合先レイアウトファイルとが統合処理可能なレイアウトファイルではないと判別した場合には(ステップS301:NO)、エラーメッセージを表示部14に表示させ、ファイル統合処理を終了する。一方、制御部11は、統合元レイアウトファイルと統合先レイアウトファイルとが統合処理可能なレイアウトファイルであると判別した場合には(ステップS301:YES)、次いで、統合元レイアウトファイルからオブジェクトを一つ取得する(ステップS302)。このとき、制御部11は、重ね順が下層のオブジェクトから取得していく。最初であれば、図19(A)における「画像オブジェクト6」(「ベース」モード)のオブジェクトを取得する。なお、ステップS302の処理は、ステップS308の処理で統合元の全てのオブジェクトが取得されたと判別されるまで繰り返され、重ね順が下層のオブジェクトから順次取得されていく。また、ステップS302の処理で取得したオブジェクトを「統合対象オブジェクト」と呼ぶ。
【0052】
次に、制御部11は、統合対象オブジェクトのモードが「ベース」モードであるか否かを判別する(ステップS303)。このとき、制御部11は、「ベース」モードであると判別した場合には(ステップS303:YES)、次の統合対象オブジェクトを取得すべく、ステップS308の処理に移行する。すなわち、「ベース」モードのオブジェクトは統合させない。一方、制御部11は、「ベース」モードではないと判別した場合(「北海道」モード、「福岡」モード、「千葉」モード又は「京都」モードであると判別した場合)には(ステップS303:NO)、統合先レイアウトファイルに、統合対象オブジェクトと同じオブジェクト名であり、且つ、モードが「ベース」のオブジェクトが存在するか否かを判別する(ステップS304)。例えば、ステップS302の処理で「画像オブジェクト5」(「京都」モード)のオブジェクトを取得した場合であれば、図19(B)に示すように統合先レイアウトファイルに「画像オブジェクト5」(「ベース」モード)のオブジェクトが存在する(重ね順「12」)ので、「YES」と判別する。
【0053】
このとき、制御部11は、統合先レイアウトファイルに、統合対象オブジェクトと同じオブジェクト名であり、且つ、モードが「ベース」のオブジェクトが存在すると判別した場合には(ステップS304:YES)、その存在したオブジェクト(「基準オブジェクト」の一例)の背面(直ぐ下)に統合対象オブジェクトを挿入し(ステップS307)、ステップS308の処理に移行する。一方、制御部11はステップS304の処理で「NO」と判別した場合には、次いで、統合元レイアウトファイルにおいて、統合対象オブジェクトの前面(直ぐ上)にあるオブジェクトのオブジェクト名を取得し(ステップS305)、統合先レイアウトファイルに当該取得したオブジェクト名と同じオブジェクト名のオブジェクトが存在するか否かを判定する(ステップS306)。なお、ステップS305の処理においてオブジェクト名を取得するに当たり、そのオブジェクトのモードは問わない。
【0054】
このとき、制御部11は、同じオブジェクト名のオブジェクトが存在すると判別した場合には(ステップS306:YES)、その存在したオブジェクトの背面(直ぐ下)に統合対象オブジェクトを挿入し(ステップS307)、ステップS308の処理に移行する。一方、同じオブジェクト名のオブジェクトが存在しないと判別した場合には(ステップS306:NO)、ステップS305の処理に戻り、統合元レイアウトファイルにおいて更に前面(直ぐ上)にあるオブジェクトのオブジェクト名を取得し(ステップS305)、ステップS306の判別処理を行う。ステップS305の処理及びステップS306の処理は、同じオブジェクト名のオブジェクトが存在すると判別されるまで繰り返される。なお、図示しないが、統合元レイアウトファイルにおける最前面のオブジェクト(テキストオブジェクト1(「ベース」モード)までオブジェクト名を取得しても、同一のオブジェクト名が統合先レイアウトファイルに存在しない場合には、統合対象オブジェクトを統合先レイアウトファイルの最前面に挿入し、ステップS308の処理に移行することとする。
【0055】
一方、ステップS308の処理では、制御部11は、統合元レイアウトファイルから全てのオブジェクトを取得したか否かを判別する(ステップS308)。このとき、制御部11は、統合元レイアウトファイルから全てのオブジェクトを取得したと判別したときには(ステップS308:YES)、ファイル統合処理を終了する。一方、制御部11は、統合元レイアウトファイルから全てのオブジェクトを取得していないと判別したときには(ステップS308:NO)、ステップS302の処理に移行し、更に前面(直ぐ上)にあるオブジェクトを取得する。
【0056】
[5.レイアウト編集装置1による効果]
以上説明したように、本実施形態におけるレイアウト編集装置1は、テキストオブジェクトや画像オブジェクトなど複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及びモード(「表示モード」の一例)を規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるオブジェクトのモードを「ベース」モードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、差替版レイアウトファイルを統合するレイアウトファイル統合機能を有する。差替版レイアウトファイルは、差替版制作機能により作成され、ベース版ページレイアウトに含まれる「ベース」モードのオブジェクト(「ベースオブジェクト」の一例)と、当該「ベース」モードのオブジェクトのうち編集者(「ユーザ」の一例)により指定された差し替え対象のオブジェクト(「指定オブジェクト」の一例)と同じ配置位置、差し替え対象のオブジェクトの直ぐ下(背面)の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、差し替え対象のオブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクト(例えば、図19(A)における「画像オブジェクト5」(「京都」モードのオブジェクト))と、について規定する差替版レイアウトファイルである。このとき、制御部11(「配置手段」の一例)は、差替版レイアウトファイルにより差し替え対象のオブジェクトの直ぐ下の重ね順が規定された新規オブジェクトを、ベース版レイアウトファイルにおける当該差し替え対象のオブジェクトと同一のオブジェクト(「基準オブジェクト」の一例)の直ぐ下に配置する。
【0057】
本実施形態におけるレイアウト編集装置1によれば、差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトが、ベース版レイアウトファイルにおける基準オブジェクトの直ぐ下に配置されることから、ベース版レイアウトファイルに対して差替版レイアウトファイルを、オブジェクトの重ね順を担保しつつ統合することができる。
【0058】
また、レイアウト編集装置1の制御部11は、ベース版レイアウトファイルにおいて、新たに統合する差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトと同じオブジェクト名であって「ベース」モードの基準オブジェクトの直ぐ下に、他の差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトが配置済みの場合には、当該新たに統合する差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトを、基準オブジェクトの直ぐ下又は配置済みの新規オブジェクトの直ぐ下に配置させる。この場合にも、既に他の差替版レイアウトファイルが統合済みのベース版レイアウトファイルに対して、更に新規オブジェクトを含む差替版レイアウトファイルを、オブジェクトの重ね順を担保しつつ、無駄なく統合することができる。
【0059】
なお、本実施形態の差替版制作機能によれば、制御部11は、編集者により指定されたオブジェクトを同じ配置位置に複製した際、複製元オブジェクトの直ぐ背面(直ぐ下)に挿入する構成としたが(図11のステップS102)、複製元オブジェクトの直ぐ前面(直ぐ上)に挿入する構成としてもよい。すなわち、図21に示すように、「ベース」モードのテキストオブジェクト5の直ぐ前面(直ぐ上)の層に、「仙台」モードのテキストオブジェクト5を複製し、同様に、「ベース」モードの画像オブジェクト5の直ぐ前面(直ぐ上)の層に、「仙台」モードの画像オブジェクト5を複製する構成としてもよい。
【0060】
同様に、本実施形態のレイアウトファイル統合機能において、制御部11は、差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトを、ベース版レイアウトファイルにおける基準オブジェクト(新規オブジェクトとオブジェクト名が同一で「べース」モードのオブジェクト)の直ぐ背面(直ぐ下)に挿入する構成としたが(図20のステップS307)、基準オブジェクトの直ぐ前面(直ぐ上)に挿入する構成としてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、「ベース」モードのオブジェクトのみが存在する場合に、「ベース」モードのオブジェクトから新たに「仙台」モードの差し替えオブジェクトを複製して作成し、複製元である「ベース」モードのオブジェクトの直ぐ下に挿入する場合について説明したが、図22を用いて、既に「ベース」モード、「仙台」モード、「福岡」モードの「テキストオブジェクト5」及び「画像オブジェクト5」が登録されている場合に、新たに「京都」モードの「テキストオブジェクト5」及び「画像オブジェクト5」を作成する場合について説明する。
【0062】
この場合、制御部11は、「ベース」モードの「画像オブジェクト5」を元に複製して作成した「京都」モードの「画像オブジェクト5」を、(1)「ベース」モードの「画像オブジェクト5」の直ぐ上又は直ぐ下、(2)「仙台」モードの「画像オブジェクト5」の直ぐ上又は直ぐ下、(3)「福岡」モードの「画像オブジェクト5」の直ぐ上又は直ぐ下、の何れかに挿入することができる。なお、「ベース」モードの「テキストオブジェクト5」を元に複製して作成した「京都」モードの「テキストオブジェクト5」についても同様である。
【0063】
また、本実施形態のレイアウトファイル統合機能において、制御部11は、既に他の差替版レイアウトファイルが統合済みのベース版レイアウトファイルに対して、新たに差替版レイアウトファイルを統合する場合に、当該差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトを、ベース版レイアウトファイルにおける基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下、或いは、先の統合処理により当該基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置済みの新規オブジェクトの、直ぐ上又は直ぐ下に配置する構成としてもよい。このように、レイアウトファイルを統合する場合には、統合後のベース版レイアウトファイルにおいて、同じオブジェクト名のオブジェクトが連続して並ぶように新規オブジェクトを配置する必要がある。
【0064】
また、本実施形態では、オブジェクト名(「識別情報」の一例)とモード(「表示モード」の一例)を別個に規定し管理する構成としたが、モードをオブジェクト名と組み合わせて規定し、モード付オブジェクト名として管理する構成としてもよい。具体的には、モード付オブジェクト名を「モード名部分(「表示モード」の一例)+オブジェクト名部分(「識別情報」の一例)」という構成とし、制御部11は、「ベース」モードの「テキストオブジェクト5」であれば「ベーステキストオブジェクト5」とモード付オブジェクト名を規定し、「仙台」モードの「テキストオブジェクト5」であれば「仙台テキストオブジェクト5」とモード付オブジェクト名を規定する。当該構成とする場合、制御部11はモード付オブジェクト名の中にモードを示す文字列(例えば、「ベース」、「仙台」等)が含まれるか否かによって、そのオブジェクトが何れのモードであるかを判定する。例えば、オブジェクトが「ベース」モードであるかを判定する場合には、モード付オブジェクト名の中に「ベース」という文字列が含まれるかを判定する。
【0065】
すなわち、当該構成とした場合、制御部11は、ベース版レイアウトファイルに対して差替版レイアウトファイルを統合する際、統合後のベース版レイアウトファイルにおいてモード付オブジェクト名におけるオブジェクト名部分が同一のオブジェクトの重ね順が連続するように、差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトを配置させることとなる。
【符号の説明】
【0066】
1 レイアウト編集装置
11 制御部
12 記憶部
13 操作部
14 表示部
15 I/F部
100 ベース版ページレイアウト
100A 仙台版ページレイアウト
200 オブジェクトテーブル
300 パレットウィンドウ
301 現在モード表示部
302 「差替パーツ作成」ボタン
303 「差替版で隠す」ボタン
304 モード一覧表示部
305A 「ベース」モードボタン
305B 「仙台」モードボタン
306 「画像差替」ボタン
307 「虫食い版表示」ラジオボタン
308 「差替版表示」ラジオボタン
309 「差替パーツを隠す」チェックボックス
400 テキスト入力ウィンドウ
500 モード選択ウィンドウ
600 差替画像選択ウィンドウ
【技術分野】
【0001】
本発明は、DTP(Desktop publishing)の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チラシやパンフレット、カタログ等の印刷物のレイアウト編集作業はコンピュータで行われるようになっており、DTPと呼ばれている。DTPでチラシやパンフレットを制作するときは、複数のオブジェクトを所定の重ね順で重畳して表示する、ベースのレイアウトファイルをもとに、一部のオブジェクトを差し替えた差替版を作成することが多い。差替版を作成する場合には、重ね順を変更しないようにすることが重要である。
【0003】
そうした中、ベースとなるページレイアウトを複数のブロックに分割し、何れかのブロック内にある複数のオブジェクトのうち一部のオブジェクトについて差し替えを行い、異なる版を作成する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
ところが、上記技術では、異なる版のページレイアウトが別々のレイアウトファイルで作成された場合に、一つのレイアウトファイルに統合しようとすると、単に複数の異なる版のページレイアウトが一つのファイルになるだけで、全ての版で編集が行われていないブロック部分については重複して同じデータを保持することとなり、データサイズが大きくなってしまう。また、統合後に、ベースとなるブロック(全ての版で共通のブロック)内のオブジェクトを差し替える場合には、全ての版について同一の処理を行う必要があり、編集者の大きな負担となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4468217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードをレイアウトファイルで規定し、表示モードにより版を管理する技術が考えられる。具体的には、ベース版ページレイアウトでのみ表示されるベースオブジェクトの表示モードをベースモードと規定し、差替版ページレイアウトでのみ表示される新規オブジェクトの表示モードを差替モードと規定する。このとき、新規オブジェクトの重ね順は、新規オブジェクトによる差し替え対象のベースオブジェクトと重なり合うように規定する。そして、表示モードとしてベースモードが選択された場合には、ベースモードのベースオブジェクトのみが表示され、表示モードとして差替モードが選択された場合には、差替モードの新規オブジェクトと、新規オブジェクトによる差し替え対象となっていないベースオブジェクトとが表示されることとする。当該技術によれば、ベース版ページレイアウトと差替版ページレイアウトを一のレイアウトファイルで管理することができ、重なり順も担保することができる。しかしながら、複数の編集者が個別にベース版ページレイアウトから差替版ページレイアウトを作成する場合には、別々のレイアウトファイルが存在することになり、共通のベース版ページレイアウトを有するにもかかわらず、複数のレイアウトファイルを管理する必要が出てくる。
【0007】
本発明は、このような問題等に鑑みて為されたもので、ベース版ページレイアウトに含まれるベースオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定したベース版レイアウトファイルに対して、差替版ページレイアウトに含まれる新規オブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定した差替版レイアウトファイルを、オブジェクトの重ね順を担保しつつ統合することができるレイアウトファイル統合プログラム等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトの前記表示モードをベースモードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、前記ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトのうちユーザにより指定された指定オブジェクトと同じ配置位置、前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、当該指定オブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクトと、について規定する差替版レイアウトファイルを、統合するレイアウトファイル統合プログラムにおいて、コンピュータを、前記差替版レイアウトファイルにより前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された前記新規オブジェクトを、前記ベース版レイアウトファイルにおける当該指定オブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する配置手段、として機能させることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレイアウトファイル統合プログラムにおいて、コンピュータを前記配置手段として機能させる際、新たに統合する差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトに対応する前記基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に、他の差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトが配置済みの場合には、当該新たに統合する差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトを、前記基準オブジェクト又は配置済みの前記新規オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置させることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のレイアウトファイル統合プログラムにおいて、前記新規オブジェクトは、ユーザにより指定された指定オブジェクトを当該指定オブジェクトと同じ配置位置に複製し、前記重ね順として当該指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順を規定し、前記表示モードとしてユーザにより指定された表示モードを規定した複製オブジェクトの表示内容を変更したオブジェクト、又は当該複製オブジェクトと差し替えたオブジェクトであることを特徴とすることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載のレイアウトファイル統合プログラムにおいて、前記レイアウトファイルに含まれる前記複数のオブジェクトを表示部に表示させる際、表示モードとしてベースモードが選択された場合には、ベースモードが規定されているベースオブジェクトのみが表示され、一方、ベースモード以外の表示モードが選択された場合には、当該選択された表示モードが規定されている複製オブジェクトと、前記指定オブジェクトでなく且つ表示モードがベースモードであるベースオブジェクトと、が表示されることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載のレイアウトファイル統合プログラムであって、前記ベース版レイアウトファイル及び差替版レイアウトファイルには、配置位置が同じオブジェクトについて同一の識別情報が付与されるとともに、ベースオブジェクト以外のオブジェクトについてユーザにより指定された表示モードが当該識別情報と組み合わせて規定されており、コンピュータを前記配置手段として機能させる際、統合後の前記ベース版レイアウトファイルにおいて識別情報が同一のオブジェクトの重ね順が連続するように前記差替版レイアウトファイルに含まれる前記新規オブジェクトを配置させることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトの前記表示モードをベースモードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、前記ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトのうちユーザにより指定された指定オブジェクトと同じ配置位置、前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、当該指定オブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクトと、について規定する差替版レイアウトファイルを、統合するレイアウトファイル統合装置において、前記差替版レイアウトファイルにより前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された前記新規オブジェクトを、前記ベース版レイアウトファイルにおける当該指定オブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する配置手段、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトの前記表示モードをベースモードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、前記ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトのうちユーザにより指定された指定オブジェクトと同じ配置位置、前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、当該指定オブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクトと、について規定する差替版レイアウトファイルを、統合するレイアウトファイル統合方法において、コンピュータが、前記差替版レイアウトファイルにより前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された前記新規オブジェクトを、前記ベース版レイアウトファイルにおける当該指定オブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する配置工程、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトが、ベース版レイアウトファイルにおける基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置されることから、ベース版レイアウトファイルに対して差替版レイアウトファイルを、オブジェクトの重ね順を担保しつつ統合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ベース版ページレイアウト100の一例を示す図である。
【図2】仙台版ページレイアウト100Aの一例を示す図である。
【図3】レイアウト編集装置1の構成を示すブロック図である。
【図4】差替版作成時の流れを示す図の一例である。
【図5】ベース版ページレイアウト100の表示例を示す図である。
【図6】オブジェクトテーブル200(初期設定時)の一例を示す図である。
【図7】パレットウィンドウ300の表示例を示す図である。
【図8】テキスト入力ウィンドウ400の表示例を示す図である。
【図9】パレットウィンドウ300(「仙台」モード登録後)の表示例を示す図である。
【図10】モード選択ウィンドウ500の表示例を示す図である。
【図11】レイアウト編集装置1によるオブジェクト作成処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】オブジェクトテーブル200(差替パーツ複製時)の一例を示す図である。
【図13】虫食い版表示設定時(画像差替前)の表示例を示す図である。
【図14】差替画像選択ウィンドウ600の表示例を示す図である。
【図15】虫食い版表示設定時(画像差替後)の表示例を示す図である。
【図16】オブジェクトテーブル200(差替パーツ複製時)の一例を示す図である。
【図17】仙台版ページレイアウト100Aの表示例を示す図である。
【図18】差替パーツ非表示設定時における仙台版ページレイアウト100Aの表示例を示す図である。
【図19】(A)は統合元レイアウトファイルに対応するオブジェクトテーブル200Aの一例を示す図である。(B)は統合先レイアウトファイルに対応するオブジェクトテーブル200Bの一例を示す図である。(C)は統合後レイアウトファイルに対応するオブジェクトテーブル200Cの一例を示す図である。
【図20】レイアウト編集装置1によるファイル統合処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】オブジェクトテーブル200(差替パーツ複製時)の一例を示す図である。
【図22】オブジェクトテーブル200(差替パーツ複製時)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、レイアウト編集装置において本発明を適用した場合の実施形態である。
【0018】
[1.本実施形態の概要]
本実施形態のレイアウト編集装置は、差替版制作機能及びレイアウトファイル統合機能を備えている。差替版制作機能は、例えば、図1に示すベース版ページレイアウト100が作成済みの場合において、図2に示す仙台版ページレイアウト100Aを作成する場合に有用である。仙台版ページレイアウト100Aは、ベース版ページレイアウト100のさつまいも画像オブジェクト101P及びさつまいもテキストオブジェクト101T(さつまいも、北海道産、4本、298円をそれぞれ表示するテキストオブジェクト)を、それぞれ、ぶどう画像オブジェクト109P及びぶどうテキストオブジェクト109T(ぶどう、山梨産、2房、298円をそれぞれ表示するテキストオブジェクト)に差し替えた差替版のページレイアウトである。レイアウト編集装置の差替版制作機能によれば、こうしたオブジェクトの差し替えを、その重ね順を変更することなく容易に行うことができる。
【0019】
また、レイアウトファイル統合機能は、ベース版レイアウトファイルと、差替版レイアウトファイルとを統合する機能である。ベース版レイアウトファイルは、ベース版ページレイアウト(例えば、ベース版ページレイアウト100)に基づいて新規に作成されるファイルである。差替版レイアウトファイルは、ベース版レイアウトファイルを複製し、そこに含まれるベース版ページレイアウトの一部のオブジェクトを複製した上で他のオブジェクトに差し替えて作成した差替版ページレイアウト(例えば、仙台版ページレイアウト100A)を含むファイルである。レイアウトファイルは、自身がベース版であるか又は差替版であるかを示す属性情報を備えており、レイアウト編集装置が何れかを識別できるようになっている。レイアウトファイル統合機能は、例えば、複数の編集者が個別に差替版ページレイアウトを作成した場合に、差替版レイアウトファイル(統合元ファイル)を、ベース版レイアウトファイル(統合先ファイル)に統合する場合に有用である。これにより個別に作成された差替版レイアウトファイルをベース版レイアウトファイルに統合することができる。
【0020】
[2.レイアウト編集装置の構成]
次に、図3を用いてレイアウト編集装置1の構成について説明する。レイアウト編集装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ等により構成されており、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、及びインターフェース部(I/F部)15を備えている。
【0021】
記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブや不揮発性メモリ等により構成されており、オペレーティングシステムや、アプリケーション等の各種プログラム等を記憶する。また、記憶部12は、DTPデータを編集するためのレイアウト編集用アプリケーション(以下、「レイアウト編集用アプリ」)と、レイアウト編集用アプリに差替版制作機能及びレイアウトファイル統合機能を追加するための機能追加プログラムとを、記憶している。各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、記録媒体に記録されて外付けドライブ装置を介して読み込まれるようにしても良い。
【0022】
操作部13は、例えば、キーボード、マウス等により構成されており、編集者の入力操作を受け付け、入力操作に応じた操作信号を制御部11に送る。表示部14は、液晶ディスプレイ等で構成されており、制御部11の制御の下、各種ウィンドウ等を表示する。また、I/F部15は、スキャナやプリンタ等の周辺機器が接続されている際に、レイアウト編集装置1と周辺機器との間で送受信するデータの変換等を所定の規則に従って行う。
【0023】
制御部11は、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、作業用のRAM(Random Access Memory)、及び図示しない発振回路等を備えて構成されており、操作部13からの操作信号に基づいて、当該操作信号に含まれている操作情報に対応する動作を実現すべく上記各構成部材を制御するための制御情報を生成し、バスを介して当該制御情報を該当する構成部材に出力して当該各構成部材の動作を統轄制御する。
【0024】
[3.差替版制作機能の使用手順及び動作]
次に、図4〜図18を用いてレイアウト編集装置1における差替版制作機能の使用手順及びその際のレイアウト編集装置1の動作について説明する。図4は差替版作成時の流れを示す図の一例である。なお、レイアウト編集用アプリには差替版制作機能追加プログラムが予め組み込まれており、レイアウト編集用アプリで差替版制作機能を利用可能な状態であることとする。また、ここでは、図1に示すベース版ページレイアウト100のさつまいも画像オブジェクト101P及びさつまいもテキストオブジェクト101Tを、それぞれ、ぶどう画像オブジェクト109P及びぶどうテキストオブジェクト109Tに差し替え、図2に示す仙台版ページレイアウト100Aを作成する場合について説明する。
【0025】
[3.1.初期設定]
まず、編集者はレイアウト編集用アプリにおいてベース版となるページレイアウトを登録するために、ベース版設定操作を行う(ステップS11)。具体的には、図5に示すように、編集者は表示部14に表示されるレイアウト編集用アプリウィンドウ(以下、「アプリウィンドウ」)Wにおけるメニューバーの「メニュー」から「ベース版設定」(図示しない)を選択し、レイアウト編集用アプリ又は他のアプリケーションで生成した、ベース版とするページレイアウトを開き、ベース版として登録するための操作を行う。
【0026】
これに対して、制御部11はベース版設定操作を受け付けると、開かれているページレイアウトをベース版ページレイアウト100として含むベース版レイアウトファイルを作成し、記憶部12に登録する(ステップS12)。このとき、制御部11は、ベース版ページレイアウト100に含まれる全てのオブジェクトについて解析を行い、図6に示す初期設定時のオブジェクトテーブル200を作成し、ベース版レイアウトファイルに含めて記憶部12に登録する。このとき、制御部11により、ベース版レイアウトファイルにはベース版であることを示す属性情報がセットされる。
【0027】
ここで、図6に示す初期設定時のオブジェクトテーブル200について説明する。なお、ページレイアウトにおいて各商品における産地を表示する産地テキストオブジェクト、商品名を表示する商品名テキストオブジェクト、数量を表示する数量テキストオブジェクト、価格を表示する価格テキストオブジェクトはグルーピングされており、同じレイヤーにあるものとする。
【0028】
図6に示すように、オブジェクトテーブル200は、ページレイアウトに含まれる各オブジェクトの重ね順とオブジェクト名とモードとを規定する。制御部11は、初期設定時のオブジェクトテーブル200を作成するに当たり、ベース版ページレイアウト100に含まれる全てのオブジェクトの重なり順を解析し、それぞれのオブジェクトを解析した重なり順で記述する。また、制御部11はそれぞれのオブジェクトにオブジェクト名を付して記述する。このとき、ベース版ページレイアウト100の元データにオブジェクト名が記述されている場合には、当該オブジェクト名を用いてもよい。また、制御部11は初期設定時のオブジェクトテーブル200を作成する際には、全てのオブジェクトのモードを「ベース」に設定する。
【0029】
モードは、対応するオブジェクトを何れの版で表示させるかを識別するための情報である。例えば、モードが「仙台」であるオブジェクトは仙台版のページレイアウトでのみ表示される。但し、モードが「ベース」であるオブジェクトについては、後述するように、対応する差し替えオブジェクトが存在しない場合に、全ての版のページレイアウトで表示される。なお、オブジェクトテーブル200の右側に、各オブジェクトが何れの商品を表示するオブジェクトであるかを備考として示した。例えば、オブジェクト名が「テキストオブジェクト5」であるオブジェクトは、さつまいもテキストオブジェクト101Tであることを示している。
【0030】
[3.2.差替版の作成]
次に、ベース版ページレイアウト100の差替版ページレイアウト(仙台版ページレイアウト100A)を作成する場合について説明する。ここでは、ベース版レイアウトファイルを複製したファイル(差替版ページレイアウトが作成されるファイルであることから、差替版レイアウトファイルと呼ぶ)において、ベース版ページレイアウト100の差替版ページレイアウトを作成することとする。ここでは、図1のベース版ページレイアウト100のみが含まれている差替版レイアウトファイルにおいて、図2の仙台版ページレイアウト100Aを作成する場合について説明する。なお、ベース版レイアウトファイルを複製した差替版レイアウトファイルには、制御部11により、複製時に差替版であることを示す属性情報がセットされる。また、差替版レイアウトファイルでは、「ベース」モードのオブジェクトを削除できないようになっている。
【0031】
レイアウト編集装置1において、ベース版レイアウトファイルを複製することにより作成された、ベース版ページレイアウト100のみを含む差替版レイアウトファイルを開く操作が行われると、制御部11は、差替版レイアウトファイルを表示するアプリウィンドウWと図7に示すパレットウィンドウ300を表示部14に表示させる。
【0032】
パレットウィンドウ300は、現在モード表示部301、「差替パーツ作成」ボタン302、「差替版で隠す」ボタン303、モード一覧表示部304、「画像差替」ボタン306、「虫食い版表示」ラジオボタン307、「差替版表示」ラジオボタン308、「差替パーツを隠す」チェックボックス309を有する。現在モード表示部301にはその時点で選択されているモードが表示される。モード一覧表示部304には、登録されているモードに対応するモードボタン(例えば、「ベース」モードボタン305A)が表示される。編集者は、モードボタンを選択することにより、選択したモードに対応するページレイアウト(ベース版ページレイアウト100や差替版のページレイアウト)を表示させることができる。
【0033】
なお、登録されているモードが「ベース」だけの段階(例えば、差替版レイアウトファイルが新規に開かれた場合など)では、モード一覧表示部304には、「ベース」モードボタン305Aのみが表示され、「虫食い版表示」ラジオボタン307、「差替版表示」ラジオボタン308、「差替パーツを隠す」チェックボックス309及びこれらに対応するテキスト(「虫食い版表示」、「差替版表示」、「差替パーツを隠す」のテキスト)はグレーアウト状態となっている。グレーアウトとは、チェックボックスやテキストボックス、ボタンなどが薄いグレーで表示され、入力や選択ができない状態のことである。
【0034】
[3.2.1.モードの追加]
編集者は差替版レイアウトファイルにおいて仙台版ページレイアウト100Aを作成するに当たり、まず、「仙台」モードを追加するための操作を行う(ステップS13)。具体的には、編集者は、まず、アプリウィンドウWにおけるメニューバーの「メニュー」から「モード追加」(図示しない)を選択する。すると、制御部11は表示部14に、追加するモード名を入力させるためのテキスト入力ウィンドウ400(図8参照)を表示させる。次いで、編集者はテキスト入力ウィンドウ400のテキストボックス401に「仙台」と入力し、OKボタン402を押下する(モードを追加しない場合には、キャンセルボタン403を押下する)。これに対して、制御部11は入力された「仙台」を新規モードとして記憶部12に登録する(ステップS14)。制御部11は、新たなモードが追加されると、図9に示すようにパレットウィンドウ300のモード一覧表示部304に「仙台」モードボタン305Bを追加表示させる。
【0035】
[3.2.2.差替パーツの作成]
次に、編集者は図1に示したベース版ページレイアウト100のさつまいも画像オブジェクト101P及びさつまいもテキストオブジェクト101Tと差し替える差替パーツである、ぶどう画像オブジェクト109P及びぶどうテキストオブジェクト109Tを作成する。具体的には、編集者は、まず、アプリウィンドウWに表示されているベース版ページレイアウト100から、差し替え対象のオブジェクト(「指定オブジェクト」の一例。ここでは、さつまいも画像オブジェクト101P及びさつまいもテキストオブジェクト101T)を選択し、選択状態のまま、パレットウィンドウ300の「差替パーツ作成」ボタン302を押下する(ステップS15)。
【0036】
すると、制御部11は表示部14に、作成する差替パーツのモード名を選択させるためのモード選択ウィンドウ500(図10参照)を表示させる。モード選択ウィンドウ500は、登録モード表示リストボックス501を有し、登録モード表示リストボックス501には「ベース」モードを除いた、登録済みのモードが表示される(図10は、「仙台」のみが登録されている場合の表示例である)。編集者は登録モード表示リストボックス501から「仙台」を選択し、OKボタン502を押下する(ステップS16)。なお、図10の例では「仙台」のみが表示されているが、その他のモード(「ベース」モードを除く)が登録されている場合には、それらの一覧が表示される。また、差替パーツの作成をキャンセルする場合には、キャンセルボタン503を押下することができる。
【0037】
これに対して、制御部11は、登録モード表示リストボックス501内の何れかのモードが選択されると、図11に示すオブジェクト作成処理を行う(ステップS17)。ここで図11を用いてオブジェクト作成処理について説明する。まず、制御部11は、ステップS15にて、差し替え対象として選択されたさつまいも画像オブジェクト101P(オブジェクトテーブル200における「画像オブジェクト5」)を複製する(ステップS101)。次いで、制御部11は、複製したオブジェクトを複製元オブジェクト(さつまいも画像オブジェクト101P)のすぐ背面(重ね順がすぐ下となる層)に挿入する(ステップS102)。次いで、制御部11は、複製したオブジェクトのモードを、ステップS16にて編集者により選択されたモード(「仙台」)とする。これにより、同じオブジェクト名であってモードが異なるオブジェクトが上下で重なり合う状態となる。また、制御部11は、さつまいもテキストオブジェクト101TについてもステップS101〜ステップS103の処理を行う。つまり、制御部11は、差し替え対象として選択された各オブジェクトについてステップS101〜ステップS103の処理を行う。この結果、図12に示すオブジェクトテーブル200のように、重ね順が「6」と「13」である位置に、それぞれ複製されたオブジェクトが、編集者により選択されたモードで挿入されることとなる。
【0038】
次いで、制御部11は、図13に示すように、アプリウィンドウWの表示を虫食い版表示に切り換える(ステップS18)。虫食い版表示では、先に選択された差し替え対象のオブジェクトを複製したもの(さつまいも画像オブジェクト101P−2、さつまいもテキストオブジェクト101T−2)のみが表示される。また、制御部11は、パレットウィンドウ300における現在モード表示部301の表示を「仙台」モードに変更するとともに、「虫食い版表示」ラジオボタン307を選択状態とする(合わせて「差替版表示」ラジオボタン308及び「差替パーツを隠す」チェックボックス309のグレーアウト状態を解除し、選択可能とする)。
【0039】
次に、編集者は、画像を差し替えるための操作を行う。具体的には、編集者は差し替え対象の画像オブジェクト(さつまいも画像オブジェクト101P−2)のみを選択し、パレットウィンドウ300の「画像差替」ボタン306を押下する(ステップS19)。これに対して、制御部11は表示部14に、図14に示す差替画像選択ウィンドウ600を表示させる。そして、編集者は差替画像選択ウィンドウ600で差し替え画像オブジェクトを選択する(ステップS20)。
【0040】
制御部11は、差替画像選択ウィンドウ600で編集者が差し替え画像オブジェクトを選択する操作を検出すると、図15に示すように、差し替え対象の画像オブジェクトを、編集者により選択された差し替え画像オブジェクト(ぶどう画像オブジェクト109P)に差し替えて表示させる(ステップS21)。このとき、制御部11は、差し替え画像オブジェクト(ぶどう画像オブジェクト109P)の幅を、差し替え対象の画像オブジェクト(さつまいも画像オブジェクト101P−2)の幅に合わせてサイズを調整する。高さは縦横比が維持されるように幅と同じ比率でサイズ調整する。
【0041】
次に、編集者はテキスト編集を行うための操作を行う(ステップS22)。具体的には、編集者はさつまいもテキストオブジェクト101T−2に含まれる産地テキストオブジェクト、商品名テキストオブジェクト、数量テキストオブジェクト、価格テキストオブジェクトを個別に選択して、直接、キーボード等を用いてテキストを入力し、ぶどうテキストオブジェクト109T(図2参照)となるように編集する。これに対して、制御部11は、複製したテキストオブジェクトの内容を、編集者により入力された内容で更新する(ステップS23)。なお、差し替え画像オブジェクト(ぶどう画像オブジェクト109P)や、テキスト編集されたぶどうテキストオブジェクト109Tを新規オブジェクトと呼ぶ。
【0042】
なお、画像の差し替えやテキストの編集が行われてもオブジェクトテーブル200の内容は変更されないが、例えば、図16に示すように、同じオブジェクト名である「画像オブジェクト5」であっても、モードが「ベース」であるオブジェクトはさつまいもの画像を表示し、モードが「仙台」であるオブジェクトはぶどうの画像を表示することとなる。
【0043】
[3.2.3.差替版ページレイアウトの確認]
次に、編集者は差替版ページレイアウト(仙台版ページレイアウト100A)の確認を行う。具体的には、編集者は、パレットウィンドウ300において現在モードが「仙台」である状態のまま、「差替版表示」ラジオボタン308を選択する(ステップS24)。
【0044】
これに対して、制御部11は、アプリウィンドウWで差替版(仙台版)のページレイアウトを表示させる(ステップS25)。具体的には、制御部11は、オブジェクトテーブル200を参照して、オブジェクト名が重複していない「ベース」モードのオブジェクトについては表示することを決定し、一方、オブジェクト名が重複しているオブジェクト(例えば、図16に示すオブジェクトテーブル200における「テキストオブジェクト5」及び「画像オブジェクト5」)については、現在選択されているモード(「仙台」)のオブジェクトを表示することを決定する。これにより、図17に示すように、アプリウィンドウWには仙台版ページレイアウト100Aが表示される。なお、図16の一番右の表では、現在モードに応じて表示されるオブジェクトを「○」で表している。すなわち、オブジェクト名が重複するオブジェクトについては、選択されているモードのオブジェクトが表示される。
【0045】
また、編集者はパレットウィンドウ300の「差替パーツを隠す」チェックボックス309を「ON」にすると、図18に示すように、差替パーツを非表示とすることができる。このとき、制御部11は、オブジェクト名が重複しているオブジェクト(例えば、図16に示すオブジェクトテーブル200における「テキストオブジェクト5」及び「画像オブジェクト5」)のみを非表示とする。これにより、差替パーツに背面に余計なオブジェクトが重なっていないかを確認することができる。こうして、仙台版ページレイアウト100Aを含む差替版レイアウトファイルが完成する。
【0046】
なお、本実施形態における各オブジェクトの配置位置やオブジェクトテーブル200等を示すデータ、属性情報を示すデータは、一のレイアウトファイルにより規定される。
【0047】
[4.レイアウトファイル統合機能の使用手順及び動作]
次に、図19及び図20を用いてレイアウト編集装置1におけるレイアウトファイル統合機能の使用手順及びその際のレイアウト編集装置1の動作について説明する。レイアウトファイル統合機能は差替版レイアウトファイル(統合元ファイル)をベース版レイアウトファイル(統合先ファイル)に統合する処理である。差替版レイアウトファイルは、初期状態のベース版ページレイアウト(ベース版ページレイアウトが登録され、全てのベースオブジェクトが削除されずに「ベース」モードが設定されている状態のページレイアウト)を複製したものに対して、上述した差替版制作機能を利用して差替版レイアウトを作成したファイルである。
【0048】
ここでは、北海道版ページレイアウト、福岡版ページレイアウト、千葉版ページレイアウト、及び京都版ページレイアウトを含む差替版レイアウトファイルを統合元ファイルとし、ベース版レイアウトファイルを統合先ファイルとして説明する。図19に、このときの統合元ファイルに対応するオブジェクトテーブル200A、統合先ファイルに対応するオブジェクトテーブル200B、統合後ファイルに対応するオブジェクトテーブル200Cを示す。なお、ベース版レイアウトファイルについては、仙台版ページレイアウトを含む差替版レイアウトファイル(図16参照)が既に統合済みであり、また、一部のオブジェクト(「テキストオブジェクト3」(「ベース」モード)及び「画像オブジェクト3」(「ベース」モード))が削除されているものとする。また、レイアウト編集用アプリにはレイアウトファイル統合機能追加プログラムが予め組み込まれており、レイアウト編集用アプリでレイアウトファイル統合機能を利用可能な状態であることとする。
【0049】
まず、レイアウトファイルを統合するに当たり、編集者はレイアウト編集用アプリにおいて統合先レイアウトファイルとなるベース版レイアウトファイルをアプリウィンドウWに開く。次いで、編集者はアプリウィンドウWにおけるメニューバーの「メニュー」から「差替版統合」(図示しない)を選択する。これに対して、制御部11は、差替版レイアウトファイル選択画面(図示しない)を表示部14に表示させ、編集者に差替版レイアウトファイルを選択させる。編集者は差替版レイアウトファイル選択画面にて、北海道版ページレイアウト、福岡版ページレイアウト、千葉版ページレイアウト、及び京都版ページレイアウトを含む差替版レイアウトファイルを選択する。
【0050】
制御部11は、差替版レイアウトファイルが選択されるとファイル統合処理を行う。ここで、図20を用いてファイル統合処理について説明する。
【0051】
まず、制御部11は、統合元レイアウトファイルと統合先レイアウトファイルとが統合処理可能なレイアウトファイルであるかを確認する(ステップS301)。具体的には、制御部11は、属性情報を参照し、統合元が差替版レイアウトファイルであること、統合先がベース版レイアウトファイルであることを確認する。このとき、制御部11は、統合元レイアウトファイルと統合先レイアウトファイルとが統合処理可能なレイアウトファイルではないと判別した場合には(ステップS301:NO)、エラーメッセージを表示部14に表示させ、ファイル統合処理を終了する。一方、制御部11は、統合元レイアウトファイルと統合先レイアウトファイルとが統合処理可能なレイアウトファイルであると判別した場合には(ステップS301:YES)、次いで、統合元レイアウトファイルからオブジェクトを一つ取得する(ステップS302)。このとき、制御部11は、重ね順が下層のオブジェクトから取得していく。最初であれば、図19(A)における「画像オブジェクト6」(「ベース」モード)のオブジェクトを取得する。なお、ステップS302の処理は、ステップS308の処理で統合元の全てのオブジェクトが取得されたと判別されるまで繰り返され、重ね順が下層のオブジェクトから順次取得されていく。また、ステップS302の処理で取得したオブジェクトを「統合対象オブジェクト」と呼ぶ。
【0052】
次に、制御部11は、統合対象オブジェクトのモードが「ベース」モードであるか否かを判別する(ステップS303)。このとき、制御部11は、「ベース」モードであると判別した場合には(ステップS303:YES)、次の統合対象オブジェクトを取得すべく、ステップS308の処理に移行する。すなわち、「ベース」モードのオブジェクトは統合させない。一方、制御部11は、「ベース」モードではないと判別した場合(「北海道」モード、「福岡」モード、「千葉」モード又は「京都」モードであると判別した場合)には(ステップS303:NO)、統合先レイアウトファイルに、統合対象オブジェクトと同じオブジェクト名であり、且つ、モードが「ベース」のオブジェクトが存在するか否かを判別する(ステップS304)。例えば、ステップS302の処理で「画像オブジェクト5」(「京都」モード)のオブジェクトを取得した場合であれば、図19(B)に示すように統合先レイアウトファイルに「画像オブジェクト5」(「ベース」モード)のオブジェクトが存在する(重ね順「12」)ので、「YES」と判別する。
【0053】
このとき、制御部11は、統合先レイアウトファイルに、統合対象オブジェクトと同じオブジェクト名であり、且つ、モードが「ベース」のオブジェクトが存在すると判別した場合には(ステップS304:YES)、その存在したオブジェクト(「基準オブジェクト」の一例)の背面(直ぐ下)に統合対象オブジェクトを挿入し(ステップS307)、ステップS308の処理に移行する。一方、制御部11はステップS304の処理で「NO」と判別した場合には、次いで、統合元レイアウトファイルにおいて、統合対象オブジェクトの前面(直ぐ上)にあるオブジェクトのオブジェクト名を取得し(ステップS305)、統合先レイアウトファイルに当該取得したオブジェクト名と同じオブジェクト名のオブジェクトが存在するか否かを判定する(ステップS306)。なお、ステップS305の処理においてオブジェクト名を取得するに当たり、そのオブジェクトのモードは問わない。
【0054】
このとき、制御部11は、同じオブジェクト名のオブジェクトが存在すると判別した場合には(ステップS306:YES)、その存在したオブジェクトの背面(直ぐ下)に統合対象オブジェクトを挿入し(ステップS307)、ステップS308の処理に移行する。一方、同じオブジェクト名のオブジェクトが存在しないと判別した場合には(ステップS306:NO)、ステップS305の処理に戻り、統合元レイアウトファイルにおいて更に前面(直ぐ上)にあるオブジェクトのオブジェクト名を取得し(ステップS305)、ステップS306の判別処理を行う。ステップS305の処理及びステップS306の処理は、同じオブジェクト名のオブジェクトが存在すると判別されるまで繰り返される。なお、図示しないが、統合元レイアウトファイルにおける最前面のオブジェクト(テキストオブジェクト1(「ベース」モード)までオブジェクト名を取得しても、同一のオブジェクト名が統合先レイアウトファイルに存在しない場合には、統合対象オブジェクトを統合先レイアウトファイルの最前面に挿入し、ステップS308の処理に移行することとする。
【0055】
一方、ステップS308の処理では、制御部11は、統合元レイアウトファイルから全てのオブジェクトを取得したか否かを判別する(ステップS308)。このとき、制御部11は、統合元レイアウトファイルから全てのオブジェクトを取得したと判別したときには(ステップS308:YES)、ファイル統合処理を終了する。一方、制御部11は、統合元レイアウトファイルから全てのオブジェクトを取得していないと判別したときには(ステップS308:NO)、ステップS302の処理に移行し、更に前面(直ぐ上)にあるオブジェクトを取得する。
【0056】
[5.レイアウト編集装置1による効果]
以上説明したように、本実施形態におけるレイアウト編集装置1は、テキストオブジェクトや画像オブジェクトなど複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及びモード(「表示モード」の一例)を規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるオブジェクトのモードを「ベース」モードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、差替版レイアウトファイルを統合するレイアウトファイル統合機能を有する。差替版レイアウトファイルは、差替版制作機能により作成され、ベース版ページレイアウトに含まれる「ベース」モードのオブジェクト(「ベースオブジェクト」の一例)と、当該「ベース」モードのオブジェクトのうち編集者(「ユーザ」の一例)により指定された差し替え対象のオブジェクト(「指定オブジェクト」の一例)と同じ配置位置、差し替え対象のオブジェクトの直ぐ下(背面)の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、差し替え対象のオブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクト(例えば、図19(A)における「画像オブジェクト5」(「京都」モードのオブジェクト))と、について規定する差替版レイアウトファイルである。このとき、制御部11(「配置手段」の一例)は、差替版レイアウトファイルにより差し替え対象のオブジェクトの直ぐ下の重ね順が規定された新規オブジェクトを、ベース版レイアウトファイルにおける当該差し替え対象のオブジェクトと同一のオブジェクト(「基準オブジェクト」の一例)の直ぐ下に配置する。
【0057】
本実施形態におけるレイアウト編集装置1によれば、差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトが、ベース版レイアウトファイルにおける基準オブジェクトの直ぐ下に配置されることから、ベース版レイアウトファイルに対して差替版レイアウトファイルを、オブジェクトの重ね順を担保しつつ統合することができる。
【0058】
また、レイアウト編集装置1の制御部11は、ベース版レイアウトファイルにおいて、新たに統合する差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトと同じオブジェクト名であって「ベース」モードの基準オブジェクトの直ぐ下に、他の差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトが配置済みの場合には、当該新たに統合する差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトを、基準オブジェクトの直ぐ下又は配置済みの新規オブジェクトの直ぐ下に配置させる。この場合にも、既に他の差替版レイアウトファイルが統合済みのベース版レイアウトファイルに対して、更に新規オブジェクトを含む差替版レイアウトファイルを、オブジェクトの重ね順を担保しつつ、無駄なく統合することができる。
【0059】
なお、本実施形態の差替版制作機能によれば、制御部11は、編集者により指定されたオブジェクトを同じ配置位置に複製した際、複製元オブジェクトの直ぐ背面(直ぐ下)に挿入する構成としたが(図11のステップS102)、複製元オブジェクトの直ぐ前面(直ぐ上)に挿入する構成としてもよい。すなわち、図21に示すように、「ベース」モードのテキストオブジェクト5の直ぐ前面(直ぐ上)の層に、「仙台」モードのテキストオブジェクト5を複製し、同様に、「ベース」モードの画像オブジェクト5の直ぐ前面(直ぐ上)の層に、「仙台」モードの画像オブジェクト5を複製する構成としてもよい。
【0060】
同様に、本実施形態のレイアウトファイル統合機能において、制御部11は、差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトを、ベース版レイアウトファイルにおける基準オブジェクト(新規オブジェクトとオブジェクト名が同一で「べース」モードのオブジェクト)の直ぐ背面(直ぐ下)に挿入する構成としたが(図20のステップS307)、基準オブジェクトの直ぐ前面(直ぐ上)に挿入する構成としてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、「ベース」モードのオブジェクトのみが存在する場合に、「ベース」モードのオブジェクトから新たに「仙台」モードの差し替えオブジェクトを複製して作成し、複製元である「ベース」モードのオブジェクトの直ぐ下に挿入する場合について説明したが、図22を用いて、既に「ベース」モード、「仙台」モード、「福岡」モードの「テキストオブジェクト5」及び「画像オブジェクト5」が登録されている場合に、新たに「京都」モードの「テキストオブジェクト5」及び「画像オブジェクト5」を作成する場合について説明する。
【0062】
この場合、制御部11は、「ベース」モードの「画像オブジェクト5」を元に複製して作成した「京都」モードの「画像オブジェクト5」を、(1)「ベース」モードの「画像オブジェクト5」の直ぐ上又は直ぐ下、(2)「仙台」モードの「画像オブジェクト5」の直ぐ上又は直ぐ下、(3)「福岡」モードの「画像オブジェクト5」の直ぐ上又は直ぐ下、の何れかに挿入することができる。なお、「ベース」モードの「テキストオブジェクト5」を元に複製して作成した「京都」モードの「テキストオブジェクト5」についても同様である。
【0063】
また、本実施形態のレイアウトファイル統合機能において、制御部11は、既に他の差替版レイアウトファイルが統合済みのベース版レイアウトファイルに対して、新たに差替版レイアウトファイルを統合する場合に、当該差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトを、ベース版レイアウトファイルにおける基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下、或いは、先の統合処理により当該基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置済みの新規オブジェクトの、直ぐ上又は直ぐ下に配置する構成としてもよい。このように、レイアウトファイルを統合する場合には、統合後のベース版レイアウトファイルにおいて、同じオブジェクト名のオブジェクトが連続して並ぶように新規オブジェクトを配置する必要がある。
【0064】
また、本実施形態では、オブジェクト名(「識別情報」の一例)とモード(「表示モード」の一例)を別個に規定し管理する構成としたが、モードをオブジェクト名と組み合わせて規定し、モード付オブジェクト名として管理する構成としてもよい。具体的には、モード付オブジェクト名を「モード名部分(「表示モード」の一例)+オブジェクト名部分(「識別情報」の一例)」という構成とし、制御部11は、「ベース」モードの「テキストオブジェクト5」であれば「ベーステキストオブジェクト5」とモード付オブジェクト名を規定し、「仙台」モードの「テキストオブジェクト5」であれば「仙台テキストオブジェクト5」とモード付オブジェクト名を規定する。当該構成とする場合、制御部11はモード付オブジェクト名の中にモードを示す文字列(例えば、「ベース」、「仙台」等)が含まれるか否かによって、そのオブジェクトが何れのモードであるかを判定する。例えば、オブジェクトが「ベース」モードであるかを判定する場合には、モード付オブジェクト名の中に「ベース」という文字列が含まれるかを判定する。
【0065】
すなわち、当該構成とした場合、制御部11は、ベース版レイアウトファイルに対して差替版レイアウトファイルを統合する際、統合後のベース版レイアウトファイルにおいてモード付オブジェクト名におけるオブジェクト名部分が同一のオブジェクトの重ね順が連続するように、差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトを配置させることとなる。
【符号の説明】
【0066】
1 レイアウト編集装置
11 制御部
12 記憶部
13 操作部
14 表示部
15 I/F部
100 ベース版ページレイアウト
100A 仙台版ページレイアウト
200 オブジェクトテーブル
300 パレットウィンドウ
301 現在モード表示部
302 「差替パーツ作成」ボタン
303 「差替版で隠す」ボタン
304 モード一覧表示部
305A 「ベース」モードボタン
305B 「仙台」モードボタン
306 「画像差替」ボタン
307 「虫食い版表示」ラジオボタン
308 「差替版表示」ラジオボタン
309 「差替パーツを隠す」チェックボックス
400 テキスト入力ウィンドウ
500 モード選択ウィンドウ
600 差替画像選択ウィンドウ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトの前記表示モードをベースモードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、
前記ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトのうちユーザにより指定された指定オブジェクトと同じ配置位置、前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、当該指定オブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクトと、について規定する差替版レイアウトファイルを、
統合するレイアウトファイル統合プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記差替版レイアウトファイルにより前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された前記新規オブジェクトを、前記ベース版レイアウトファイルにおける当該指定オブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する配置手段、
として機能させることを特徴とするレイアウトファイル統合プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のレイアウトファイル統合プログラムにおいて、
コンピュータを前記配置手段として機能させる際、
新たに統合する差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトに対応する前記基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に、他の差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトが配置済みの場合には、当該新たに統合する差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトを、前記基準オブジェクト又は配置済みの前記新規オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置させることを特徴とするレイアウトファイル統合プログラム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のレイアウトファイル統合プログラムにおいて、
前記新規オブジェクトは、ユーザにより指定された指定オブジェクトを当該指定オブジェクトと同じ配置位置に複製し、前記重ね順として当該指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順を規定し、前記表示モードとしてユーザにより指定された表示モードを規定した複製オブジェクトの表示内容を変更したオブジェクト、又は当該複製オブジェクトと差し替えたオブジェクトであることを特徴とすることを特徴とするレイアウトファイル統合プログラム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載のレイアウトファイル統合プログラムにおいて、
前記レイアウトファイルに含まれる前記複数のオブジェクトを表示部に表示させる際、表示モードとしてベースモードが選択された場合には、ベースモードが規定されているベースオブジェクトのみが表示され、一方、ベースモード以外の表示モードが選択された場合には、当該選択された表示モードが規定されている複製オブジェクトと、前記指定オブジェクトでなく且つ表示モードがベースモードであるベースオブジェクトと、が表示されることを特徴とするレイアウトファイル統合プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載のレイアウトファイル統合プログラムであって、
前記ベース版レイアウトファイル及び差替版レイアウトファイルには、配置位置が同じオブジェクトについて同一の識別情報が付与されるとともに、ベースオブジェクト以外のオブジェクトについてユーザにより指定された表示モードが当該識別情報と組み合わせて規定されており、
コンピュータを前記配置手段として機能させる際、統合後の前記ベース版レイアウトファイルにおいて識別情報が同一のオブジェクトの重ね順が連続するように前記差替版レイアウトファイルに含まれる前記新規オブジェクトを配置させることを特徴とするレイアウトファイル統合プログラム。
【請求項6】
複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトの前記表示モードをベースモードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、
前記ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトのうちユーザにより指定された指定オブジェクトと同じ配置位置、前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、当該指定オブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクトと、について規定する差替版レイアウトファイルを、
統合するレイアウトファイル統合装置において、
前記差替版レイアウトファイルにより前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された前記新規オブジェクトを、前記ベース版レイアウトファイルにおける当該指定オブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する配置手段、
を備えることを特徴とするレイアウトファイル統合装置。
【請求項7】
複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトの前記表示モードをベースモードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、
前記ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトのうちユーザにより指定された指定オブジェクトと同じ配置位置、前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、当該指定オブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクトと、について規定する差替版レイアウトファイルを、
統合するレイアウトファイル統合方法において、
コンピュータが、前記差替版レイアウトファイルにより前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された前記新規オブジェクトを、前記ベース版レイアウトファイルにおける当該指定オブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する配置工程、
を含むことを特徴とするレイアウトファイル統合方法。
【請求項1】
複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトの前記表示モードをベースモードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、
前記ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトのうちユーザにより指定された指定オブジェクトと同じ配置位置、前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、当該指定オブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクトと、について規定する差替版レイアウトファイルを、
統合するレイアウトファイル統合プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記差替版レイアウトファイルにより前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された前記新規オブジェクトを、前記ベース版レイアウトファイルにおける当該指定オブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する配置手段、
として機能させることを特徴とするレイアウトファイル統合プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のレイアウトファイル統合プログラムにおいて、
コンピュータを前記配置手段として機能させる際、
新たに統合する差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトに対応する前記基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に、他の差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトが配置済みの場合には、当該新たに統合する差替版レイアウトファイルに含まれる新規オブジェクトを、前記基準オブジェクト又は配置済みの前記新規オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置させることを特徴とするレイアウトファイル統合プログラム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のレイアウトファイル統合プログラムにおいて、
前記新規オブジェクトは、ユーザにより指定された指定オブジェクトを当該指定オブジェクトと同じ配置位置に複製し、前記重ね順として当該指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順を規定し、前記表示モードとしてユーザにより指定された表示モードを規定した複製オブジェクトの表示内容を変更したオブジェクト、又は当該複製オブジェクトと差し替えたオブジェクトであることを特徴とすることを特徴とするレイアウトファイル統合プログラム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載のレイアウトファイル統合プログラムにおいて、
前記レイアウトファイルに含まれる前記複数のオブジェクトを表示部に表示させる際、表示モードとしてベースモードが選択された場合には、ベースモードが規定されているベースオブジェクトのみが表示され、一方、ベースモード以外の表示モードが選択された場合には、当該選択された表示モードが規定されている複製オブジェクトと、前記指定オブジェクトでなく且つ表示モードがベースモードであるベースオブジェクトと、が表示されることを特徴とするレイアウトファイル統合プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載のレイアウトファイル統合プログラムであって、
前記ベース版レイアウトファイル及び差替版レイアウトファイルには、配置位置が同じオブジェクトについて同一の識別情報が付与されるとともに、ベースオブジェクト以外のオブジェクトについてユーザにより指定された表示モードが当該識別情報と組み合わせて規定されており、
コンピュータを前記配置手段として機能させる際、統合後の前記ベース版レイアウトファイルにおいて識別情報が同一のオブジェクトの重ね順が連続するように前記差替版レイアウトファイルに含まれる前記新規オブジェクトを配置させることを特徴とするレイアウトファイル統合プログラム。
【請求項6】
複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトの前記表示モードをベースモードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、
前記ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトのうちユーザにより指定された指定オブジェクトと同じ配置位置、前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、当該指定オブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクトと、について規定する差替版レイアウトファイルを、
統合するレイアウトファイル統合装置において、
前記差替版レイアウトファイルにより前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された前記新規オブジェクトを、前記ベース版レイアウトファイルにおける当該指定オブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する配置手段、
を備えることを特徴とするレイアウトファイル統合装置。
【請求項7】
複数のオブジェクトについて表示時の配置位置、重ね順及び表示モードを規定するレイアウトファイルであって、ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトの前記表示モードをベースモードと規定するベース版レイアウトファイルに対して、
前記ベースとなるページレイアウトに含まれるベースオブジェクトと、当該ベースオブジェクトのうちユーザにより指定された指定オブジェクトと同じ配置位置、前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順、ユーザにより指定されたベースモード以外の表示モードがそれぞれ規定され、当該指定オブジェクトと異なる表示内容を表示する新規オブジェクトと、について規定する差替版レイアウトファイルを、
統合するレイアウトファイル統合方法において、
コンピュータが、前記差替版レイアウトファイルにより前記指定オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下の重ね順が規定された前記新規オブジェクトを、前記ベース版レイアウトファイルにおける当該指定オブジェクトと同一である基準オブジェクトの直ぐ上又は直ぐ下に配置する配置工程、
を含むことを特徴とするレイアウトファイル統合方法。
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図16】
【図19】
【図20】
【図21】
【図1】
【図2】
【図5】
【図13】
【図14】
【図15】
【図17】
【図18】
【図22】
【図4】
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【図19】
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【図17】
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【図22】
【公開番号】特開2013−15876(P2013−15876A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146096(P2011−146096)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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