説明

レイアウト自動生成装置、レイアウト自動生成方法及びプログラム

【課題】コンテナターミナルのレイアウトの決定並びに経路の座標の決定を容易に行う
【解決手段】レイアウト自動生成装置10のレイアウト生成部13は、レイアウト条件入力部11が入力を受け付けたレイアウト条件に基づき、モジュール保存部14が記憶する陸側端モジュール、海側端モジュール及び中間モジュールを組み合わせてレイアウトを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナターミナルのレイアウトを自動生成するレイアウト自動生成装置、レイアウト自動生成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動化を目指すコンテナターミナルでは、コンテナの搬入にAGV(無人搬送車、Automatic Guided Vehicle)を採用する動きがある。コンテナターミナル内をAGVに走行させる場合、AGVは、コンピュータ制御によって走行する経路を探索する必要がある。従来、AGVの経路探索方法として、経路探索システムによってAGVが走行する最適な経路を自動的に探索する方法が採用されており、様々な経路探索システムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の経路探索システムは、まず予めコンテナターミナル内の経路を、交差点(ノード)と、当該交差点を結ぶ走行経路(リンク)とによって表現し、リンク上にAGVの停止可能点(ステーション)を配置しておく。次に、ユーザが経路探索システムに対してAGVの終点を指定すると、経路探索システムがノード及びリンクに基づいてコンテナターミナル内におけるAGVの最適な走行経路を探索する。これにより、経路探索システムは、探索した最適な経路をAGVに設定し、AGVは、最適な経路を走行することができる。また、AGVが1台だけ進入できる区間(ゾーン)を設定することでAGV同士の衝突防止を図る経路探索システムも提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
一方、コンテナターミナルの建設計画段階において、計画者は、目標とするコンテナ取扱量や荷役スケジュールに基づいてコンテナの蔵置エリアやAGVの経路など、コンテナターミナルのレイアウトを決定する必要があり、これらをどのように決定するかによってコンテナターミナルの能力に大きく影響する。そのため、計画者は、蔵置エリアやAGVの経路は様々な組み合わせを検討し、建設費用も考慮して最適なレイアウトを決定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−110286号公報
【特許文献2】特開2005−239314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の経路探索システムは、AGVの運行を制御する点においては必須であるが、様々なターミナルレイアウトにおけるAGVの運行のシミュレーションを行う場合、検討の都度、人手によってコンテナターミナルのレイアウトを決定し、それに基づいてノード、リンク及びゾーン等の経路の座標を変更する必要があった。そのため、複数のレイアウトのシミュレーションを行うには多大な手間がかかっていた。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンテナターミナルのレイアウトの決定並びに経路の座標の決定を容易に行うことができるレイアウト自動生成装置、レイアウト自動生成方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、コンテナターミナルのレイアウトを自動生成するレイアウト自動生成装置であって、前記レイアウトの所定方向の一端の構成単位である第1の端部モジュール、前記レイアウトの前記所定方向の他端の構成単位である第2の端部モジュール及び前記第1の端部モジュールと前記第2の端部モジュールとの間に前記所定方向に連結される構成単位であり蔵置レーンを有する中間モジュールを記憶する構成単位モジュール記憶手段と、コンテナターミナルに設置する蔵置レーンの数及び蔵置レーンの長さの入力を受け付けるレイアウト条件入力手段と、前記レイアウト条件入力手段が入力を受け付けた蔵置レーン数に基づいて前記中間モジュールの数を決定し、前記蔵置レーンの長さに基づいて前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュール及び前記中間モジュールの長さを決定し、当該決定した長さの各モジュールを組み合わせて前記レイアウトを生成するレイアウト生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の前記構成単位モジュール記憶手段が記憶する前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュール及び前記中間モジュールは、それぞれ前記所定方向に対して交差する方向に隣接するモジュールと接続する経路を有し、前記レイアウト条件入力手段は、前記所定方向に対して交差する方向のモジュール数の入力をさらに受け付け、前記レイアウト生成手段は、前記所定方向に対して交差する方向のモジュール数に基づいて前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュール及び前記中間モジュールの数を決定して前記レイアウトを生成する、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の前記コンテナターミナルは、当該コンテナターミナル内を運行する機器が、当該コンテナターミナルの前記所定方向の岸壁側の一端でコンテナ船に対するコンテナの揚積を行う、岸壁の反対側の一端からコンテナの搬入及び搬出を行い、当該コンテナターミナル内の蔵置レーンに前記コンテナを蔵置するコンテナターミナルであり、前記構成単位モジュール記憶手段が記憶する前記第1の端部モジュールは、前記コンテナターミナルにおける前記コンテナの搬入及び搬出を行う端の構成単位であり、前記構成単位モジュール記憶手段が記憶する前記第2の端部モジュールは、前記コンテナ船に対するコンテナの揚積を行う端の構成単位である、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の前記コンテナターミナルは、当該コンテナターミナル内を運行する機器が、当該コンテナターミナルの前記所定方向の岸壁側の一端でコンテナ船に対するコンテナの揚積を行う、岸壁の反対側の一端からコンテナの搬入及び搬出を行い、当該コンテナターミナル内の蔵置レーンに前記コンテナを蔵置するコンテナターミナルであり、前記第1の端部モジュール及び前記第2の端部モジュールは、前記コンテナターミナルの岸壁に対して交差する方向の両端の構成単位であり、前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュール及び前記中間モジュールは、コンテナ船に対するコンテナの揚積を行うスペースと、搬入及び搬出されるコンテナの受け渡しを行う端部とを備える、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の前記第1の端部モジュールは、前記第2の端部モジュールまたは前記中間モジュールと接続する2つの接続経路及び当該接続経路同士を連結させる連結経路を備え、前記第2の端部モジュールは、前記第1の端部モジュールまたは前記中間モジュールと接続する2つの接続経路及び当該接続経路同士を連結させる連結経路を備え、前記中間モジュールは、前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュールまたは他の中間モジュールと接続する2つの接続経路及び前記蔵置レーンを備える中間モジュールを備える、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の前記中間モジュールは、前記コンテナターミナル内を運行する機器が当該モジュール内で往復することができる経路を有する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、コンテナターミナルのレイアウトを自動生成するレイアウト自動生成装置を用いたレイアウト自動生成方法であって、構成単位モジュール記憶手段は、前記レイアウトの所定方向の一端の構成単位である第1の端部モジュール、前記レイアウトの前記所定方向の他端の構成単位である第2の端部モジュール及び前記第1の端部モジュールと前記第2の端部モジュールとの間に前記所定方向に連結される構成単位であり蔵置レーンを有する中間モジュールを記憶し、レイアウト条件入力手段は、コンテナターミナルに設置する蔵置レーンの数及び蔵置レーンの長さの入力を受け付け、レイアウト生成手段は、前記レイアウト条件入力手段が入力を受け付けた蔵置レーン数に基づいて前記中間モジュールの数を決定し、前記蔵置レーンの長さに基づいて前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュール及び前記中間モジュールの長さを決定し、当該決定した長さの各モジュールを組み合わせて前記レイアウトを生成する、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、コンテナターミナルのレイアウトを自動生成するレイアウト自動生成装置を、前記レイアウトの所定方向の一端の構成単位である第1の端部モジュール、前記レイアウトの前記所定方向の他端の構成単位である第2の端部モジュール及び前記第1の端部モジュールと前記第2の端部モジュールとの間に前記所定方向に連結される構成単位であり蔵置レーンを有する中間モジュールを記憶する構成単位モジュール記憶手段、コンテナターミナルに設置する蔵置レーンの数及び蔵置レーンの長さの入力を受け付けるレイアウト条件入力手段、前記レイアウト条件入力手段が入力を受け付けた蔵置レーン数に基づいて前記中間モジュールの数を決定し、前記蔵置レーンの長さに基づいて前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュール及び前記中間モジュールの長さを決定し、当該決定した長さの各モジュールを組み合わせて前記レイアウトを生成するレイアウト生成手段、として動作させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、レイアウト自動生成装置のレイアウト生成手段は、構成単位モジュール記憶手段が記憶する第1の端部モジュール、第2の端部モジュール及び中間モジュールを組み合わせてレイアウトを生成する。これにより、蔵置レーンの数及び蔵置レーンの長さの入力を受け付けることでコンテナターミナルのレイアウトを作成することができるので、レイアウトの決定を容易に行うことができる。また、予め第1の端部モジュール、第2の端部モジュール及び中間モジュールに経路の座標を決定しておくことで、レイアウトに基づく経路の座標の決定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態によるレイアウト自動生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】モジュールテーブルが格納するデータを示す図である。
【図3】ノードテーブル、接続点テーブル、リンクテーブルが格納するデータを示す図である。
【図4】レイアウト自動生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】レイアウト条件の入力画面の画面例である。
【図6】本発明の第2の実施形態によるレイアウト自動生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図7】モジュールテーブルに格納されている陸側端モジュールの構成を示す図である。
【図8】モジュールテーブルに格納されている中間モジュールの構成を示す図である。
【図9】モジュールテーブルに格納されている海側端モジュールの構成を示す図である。
【図10】第2の実施形態におけるレイアウト条件の入力画面の画面例である。
【図11】第3の実施形態によるモジュールテーブルが格納するデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるレイアウト自動生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
レイアウト自動生成装置10は、入力したレイアウト条件に基づいてコンテナターミナルのレイアウトを生成し、生成したレイアウトに対して荷役のシミュレーションを行う。
レイアウト自動生成装置10は、レイアウト条件入力部11(レイアウト条件入力手段)と、レイアウト条件保存部12と、レイアウト生成部13(レイアウト生成手段)と、モジュール保存部14(構成単位モジュール記憶手段)と、シミュレーションエンジン15と、シミュレーションデータ保存部16と、結果保存部17と、表示部18とを備える。
レイアウト条件入力部11は、ユーザから蔵置レーン数及び蔵置レーン1つあたりのベイ数の入力を受け付ける。ベイ数とは、蔵置レーンの長手方向に蔵置できるコンテナの長手方向の単位数を示す。
レイアウト条件保存部12は、レイアウト条件入力部11が入力を受け付けたレイアウト条件を保存する。
レイアウト生成部13は、レイアウト条件保存部12が保存するレイアウト条件と、モジュール保存部14が保存するモジュールとに基づいてコンテナターミナルのレイアウトを生成する。
モジュール保存部14は、レイアウトの構成単位となるモジュールを保存する。モジュール保存部14が保存する情報の詳細は後述する。
シミュレーションエンジン15は、シミュレーションデータ保存部16が保存するシミュレーションデータに基づいて、レイアウト生成部13が生成したレイアウトのコンテナターミナルにおけるAGV等の荷役機器やコンテナの動作をシミュレートする。
シミュレーションデータ保存部16は、シミュレーションに用いる荷役スケジュールの情報と、荷役機器の仕様情報とを保存する。
結果保存部17は、シミュレーションエンジン15が算出したシミュレーション結果を保存する。
表示部18は、結果保存部17が保存するシミュレーション結果を表示する。
【0018】
次に、モジュール保存部14が保存するモジュールについて説明する。
モジュール保存部14は、モジュールのレイアウトを格納するモジュールテーブルを保存する。
【0019】
図2は、モジュールテーブルが格納するデータを示す図である。
まず、モジュールテーブルには、外来シャーシがコンテナの搬入及び搬出を行う側(以下、搬出側)の端の構成単位である陸側端モジュール(第1の端部モジュール)と、コンテナ船からコンテナの揚積を行う岸壁側の端の構成単位である海側端モジュール(第2の端部モジュール)と、陸側端モジュールと海側端モジュールとの間に連結される構成単位である中間モジュールとが格納されている。
ここで、モジュールテーブルに格納されているモジュールのレイアウトは、平面上で直交するx軸及びy軸によって示される座標上にレイアウトされているものとする。なお、x軸は、岸壁に沿って延びる軸である。また、y軸は、コンテナ船からコンテナを搬出する方向に伸びる軸である。また、モジュールテーブルが格納するモジュールは、ノードとリンクとを用いて表現される。ノードは、コンテナターミナル内の経路の交差点または曲がり角を示し、矩形の領域で表現される。リンクは、2つのノード間を接続する一方通行の走行経路を示し、通行方向の情報を有する。
【0020】
陸側端モジュールは、全体として矩形フレーム状に構成され、当該矩形フレームの搬出側におけるx軸方向の一端にノード21Aが配置され、またx軸方向の他端にノード21Bが配置されており、リンク22A(連結経路)がノード21Aからノード21Bへx軸方向に接続されている。
また、陸側端モジュールにおいては、x軸方向に対してノード21A及びノード21Bの内側であり、y軸方向に対してノード21A及びノード21Bよりも岸壁側である部分のx軸方向の一端にノード21Cが配置され、当該部分のx軸方向の他端にノード21Dが配置されており、リンク22Bがノード21Dからノード21Cへx軸方向に接続されている。
【0021】
また、陸側端モジュールは、x軸方向に対してノード21C及びノード21Dの内側であり、ノード21C及びノード21Dよりも岸壁側である部分に配置された蔵置レーンを備えている。なお、x軸方向が蔵置レーンの長手方向となる。
また、陸側端モジュールにおいては、y軸方向に対して蔵置レーン23Aより岸壁側であり、x座標の値がノード21Aと同じ位置にノード21E(接続経路)が配置されており、y軸方向に対して蔵置レーン23Aより岸壁側であり、x座標の値がノード21Bと同じ位置にノード21Fが配置されている。
【0022】
また、陸側端モジュールにおいては、y軸方向に対して蔵置レーン23Aより岸壁側であり、かつx座標の値がノード21Cと同じである位置にノード21Gが配置されており、y軸方向に対して蔵置レーン23Aより岸壁側であり、かつx座標の値がノード21Dと同じ位置にノード21Hが配置されている。
また、陸側端モジュールにおいては、リンク22Cがノード21Fからノード21Hへ接続され、リンク22Dがノード21Hからノード21Gに接続されている。また、ノード21Gはノード21Eと接続されている。このとき、陸側端モジュールにおいて、ノード21Eとノード21Fとの間は、ノード21Gとリンク22Dとノード21Hとリンク22Cとでx軸方向に直線状に接続されている。
【0023】
また、陸側端モジュールにおいては、リンク22Eがノード21Hからノード21Gへx軸方向に接続されている。
また、陸側端モジュールにおいては、リンク22Fがノード21Eからノード21Aへ、リンク22Gがノード21Bから21Fへ、リンク22Hがノード21Cからノード21Gへ、リンク22Iがノード21Hからノード21Dへ、それぞれy軸方向に接続されている。
【0024】
中間モジュールは、全体としてx軸方向に延ばされて構成され、中間モジュールのx軸方向の一端にノード21Iが配置され、x軸方向の他端にノード21Jが配置されている。
また、中間モジュールにおいては、ノード21I及びノード21Jの内側のx軸方向の一端にノード21Kが配置されており、ノード21I及びノード21Jの内側のx軸方向の他端にノード21Lが配置されている。
また、中間モジュールにおいては、リンク22Nがノード21Jからノード21Lへ接続され、リンク22Oがノード21Lからノード21Kに接続されている。また、ノード21Kはノード21Iと接続されている。このとき、中間モジュールにおいて、ノード21Iとノード21Jとの間は、ノード21Kとリンク22Oとノード21Lとリンク22Nとでx軸方向に直線状に接続されている。
【0025】
また、中間モジュールにおいては、リンク22Pがノード21Lからノード21Kへx軸方向に接続されている。
また、中間モジュールは、x軸方向に対してノード21K及びノード21Lの内側であり、かつy軸方向に対してノード21K及びノード21Lよりも搬出側である部分に配置された蔵置レーン23Bを備えている。
【0026】
また、中間モジュールにおいては、リンク22Jがノード21Iから搬出側の他のモジュールへ接続されており、リンク22Jは陸側端モジュールのノード21Eまたは他の中間モジュールのノード21Iと接続することができる。
また、中間モジュールにおいては、リンク22Kが搬出側の他のモジュールからノード21Jへ接続されており、リンク22Kは陸側端モジュールのノード21Fまたは他の中間モジュールのノード21Jと接続することができる。
また、中間モジュールにおいては、リンク22Lが搬出側の他のモジュールからノード21Kへ接続されており、リンク22Lは陸側端モジュールのノード21Gまたは他の中間モジュールのノード21Kと接続することができる。
また、中間モジュールにおいては、リンク22Mがノード21Lから搬出側の他のモジュールへ接続されており、リンク22Mは陸側端モジュールのノード21Hまたは他の中間モジュールのノード21Lと接続することができる。
【0027】
海側端モジュールは、全体として矩形フレーム状に構成され、当該矩形フレームの搬出側におけるx軸方向の一端にノード21Mが、x軸方向の他端にノード21Nが配置されている。
また、海側端モジュールにおいては、ノード21M及びノード21Nの内側のx軸方向の一端にノード21Oが配置されており、ノード21M及びノード21Nの内側のx軸方向の他端にノード21Pが配置されている。
また、海側端モジュールにおいては、リンク22Uがノード21Nからノード21Pへ接続され、リンク22Vがノード21Pからノード21Oに接続されている。また、ノード21Oはノード21Mと接続されている。このとき、海側端モジュールにおいて、ノード21Mとノード21Nとの間は、ノード21Oとリンク22Vとノード21Pとリンク21Uとでx軸方向に直線状に接続されている。
【0028】
また、海側端モジュールにおいては、リンク22Wがノード21Pからノード21Oへx軸方向に接続されている。
また、海側端モジュールは、x軸方向に対してノード21O及びノード21Pの内側であり、y軸方向に対してノード21O及びノード21Pよりも搬出側である部分に配置された蔵置レーン23Cを備えている。
【0029】
また、海側端モジュールにおいては、リンク22Qがノード21Mから搬出側の他のモジュールへ接続されており、リンク22Qは陸側端モジュールのノード21Eまたは中間モジュールのノード21Iと接続することができる。
また、海側端モジュールにおいては、リンク22Rが搬出側の他のモジュールからノード21Nへ接続されており、リンク22Rは陸側端モジュールのノード21Fまたは中間モジュールのノード21Jと接続することができる。
また、海側端モジュールにおいては、リンク22Sが搬出側の他のモジュールからノード21Oへ接続されており、リンク22Sは陸側端モジュールのノード21Gまたは中間モジュールのノード21Kと接続することができる。
また、海側端モジュールにおいては、リンク22Tがノード21Pから搬出側の他のモジュールへ接続されており、リンク22Tは陸側端モジュールのノード21Hまたは中間モジュールのノード21Lと接続することができる。
【0030】
また、海側端モジュールにおいては、ノード21Oの岸壁側に接続する位置にノード21Qが配置され、ノード21Pの岸壁側に接続する位置にノード21Rが配置されており、リンク22X、リンク22Y、リンク22Z及びリンク22AAがそれぞれノード21Qからノード21Rへx軸方向に接続されている。
海側端モジュールのリンク22X〜リンク22AAは岸壁線に沿って配置され、岸壁線をはさんだ海側の部分がコンテナ船係留位置となる。
【0031】
また、モジュールテーブルが格納する各モジュールのノード及びリンクの情報は、モジュール保存部が保存するノードテーブル、接続点テーブル、リンクテーブルに格納されている。
図3は、ノードテーブル、接続点テーブル、リンクテーブルが格納するデータを示す図である。
【0032】
ノードテーブルは、モジュールテーブルが格納する各モジュールのノードの領域の情報を格納するテーブルである。
図3(A)は、ノードテーブルが格納するデータを示している。
ノードテーブルは、ノードの識別情報を示すノードIDに関連付けて、ノードの領域を示す矩形の始点のx座標の値を示す始点Xと、ノードの領域を示す矩形の終点のx座標の値を示す終点Xと、ノードの領域を示す矩形の始点のy座標の値を示す始点Yと、ノードの領域を示す矩形の終点のy座標の値を示す終点Yとを格納する。なお、x軸方向に伸びるリンクによって接続される一対のノードのうち、x座標の値が大きい方のノード、すなわちノード21B、ノード21D、ノード21F、ノード21H、ノード21J、ノード21L、ノード21N、ノード21P、ノード21Rは、蔵置レーンの長手方向の長さLによってx座標の値を決定するため、当該ノードの始点X及び終点Xの値は、蔵置レーンの長さLを含む値となる。
【0033】
接続点テーブルは、ノードテーブルが格納する各ノードがリンクと接続する接続点の情報を格納するテーブルである。
図3(B)は、接続点テーブルが格納するデータを示している。
接続点テーブルは、接続点の識別情報を示す接続点IDに関連付けて、接続点が属すノードを示すノードIDと、リンクが接続する方向を示す方向情報と、接続点のx座標の値を示すXと、接続点のy座標の値を示すYとを格納する。なお、X及びYは、接続点が属すノードの領域の始点を基準とする座標で表現される。
【0034】
リンクテーブルは、モジュールテーブルが格納する各モジュールのリンクの情報を格納するテーブルである。
図3(C)は、リンクテーブルが格納するデータを示している。
リンクテーブルは、リンクの識別情報を示すリンクIDに関連付けて、リンクの始点となる接続点の接続点IDを示す始点IDと、リンクの終点となる接続点の接続点IDを示す終点IDとを格納する。
【0035】
そして、レイアウト自動生成装置10において、モジュール保存部14は、レイアウトのy軸方向(所定方向)の一端の構成単位である陸側端モジュール、レイアウトのy軸方向の他端の構成単位である海側端モジュール及び陸側端モジュールと海側端モジュールとの間にy軸方向に連結される構成単位であり蔵置レーンを有する中間モジュールを保存する。また、レイアウト条件入力部11は、コンテナターミナルに設置する蔵置レーンの数及び蔵置レーンの長さの入力を受け付け、レイアウト生成部13は、入力を受け付けた蔵置レーン数に基づいて中間モジュールの数を決定し、蔵置レーンの長さに基づいて陸側端モジュール、海側端モジュール及び中間モジュールのx軸方向の長さを決定し、当該決定した長さの各モジュールを組み合わせてレイアウトを生成する。
これにより、レイアウト自動生成装置10は、コンテナターミナルのレイアウトの決定並びに経路の座標の決定を容易に行う。
【0036】
次に、レイアウト自動生成装置10の動作を説明する。
図4は、レイアウト自動生成装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザは、レイアウト自動生成装置10に対し、レイアウトを新規に作成するか、既に作成したレイアウトの編集を行うかの入力を行う。ユーザがレイアウト自動生成装置10に入力を行うと、レイアウト条件入力部11は、ユーザからの入力が、レイアウトの新規作成を示すかレイアウトの編集を示すかを判定する(ステップS1)。
レイアウト条件入力部11は、ユーザからの入力がレイアウトの編集を示していると判定した場合(ステップS1:NO)、レイアウト条件入力部11は、レイアウト条件保存部12が保存するレイアウト条件を読み込む(ステップS2)。
【0037】
レイアウト条件入力部11は、ユーザからの入力がレイアウトの新規作成を示していると判定した場合(ステップS1:YES)、またはステップS2でレイアウト条件を読み込んだ場合、表示部18にレイアウト条件の入力画面を表示させる(ステップS3)。なお、ステップS2でレイアウト条件入力部11がレイアウト条件を読み込んでいる場合、表示部18は、読み込んだレイアウト条件を入力画面に反映させて表示する。
図5は、レイアウト条件の入力画面の画面例である。
レイアウト条件の入力画面は、蔵置レーンの数の入力を受け付ける欄と蔵置レーンのベイ数の入力を受け付ける欄と、「デフォルトに戻す」ボタンと、「保存」ボタンと、「戻る」ボタンとを有する。
蔵置レーンの数の入力を受け付ける欄には、コンテナターミナルの1バースに設ける蔵置レーンの数を入力する。バースとは、1隻の船舶が接岸できるだけの施設の単位である。
蔵置レーンのベイ数の入力を受け付ける欄には、蔵置レーン1つあたりのベイ数を入力する。ベイ数とは、蔵置レーンの長手方向に蔵置できるコンテナの長手方向の単位数を示す。
ユーザが「デフォルトに戻す」ボタンを押下すると、レイアウト条件入力部11が蔵置レーンの数の入力を受け付ける欄、及び蔵置レーンのベイ数の入力を受け付ける欄の値を予め設定された初期値に変更する。
ユーザが「保存」ボタンを押下すると、レイアウト条件入力部11が蔵置レーンの数の入力を受け付ける欄、及び蔵置レーンのベイ数の入力を受け付ける欄の値をレイアウト条件保存部に保存する。
ユーザが「戻る」ボタンを押下すると、ステップS1に戻り、レイアウト条件入力部11がレイアウトの新規作成を行うかレイアウトの変更を行うかの入力を受け付ける。
【0038】
表示部18がレイアウト条件の入力画面を表示し、ユーザが入力画面にレイアウト条件を入力し、「保存」ボタンを押下すると、レイアウト条件入力部11はレイアウト条件の入力を受け付ける(ステップS4)。レイアウト条件入力部11は、レイアウト条件の入力を受け付けると、レイアウト条件保存部12に入力を受け付けたレイアウト条件を保存する(ステップS5)。
【0039】
レイアウト条件入力部11がレイアウト条件保存部12にレイアウト条件を保存すると、レイアウト生成部13は、レイアウト条件保存部12が記憶するレイアウト条件を読み込む(ステップS6)。レイアウト生成部13は、レイアウト条件を読み込むと、蔵置レーンの数に基づいて中間モジュールの数を決定する(ステップS7)。中間モジュールの数は、海側端モジュール及び陸側端モジュールに1つずつ蔵置レーンが組み込まれているため、蔵置レーンの数から2を減じることで算出できる。例えば、蔵置レーンの数として10レーンを指定されている場合、中間モジュールは8つとなる。
【0040】
次に、レイアウト生成部13は蔵置レーンのベイ数に基づいて蔵置レーンの長さLを決定する(ステップS8)。蔵置レーンの長さLは、ベイ数にコンテナの長手方向の長さを乗じることで算出できる。例えば、コンテナの長手方向の長さが6mであり、蔵置レーンのベイ数として37ベイを指定されている場合、蔵置レーンの長さLは222mとなる。
【0041】
レイアウト生成部13は、モジュール保存部14のモジュールテーブルから陸側端モジュールを読み出し、直交するx軸及びy軸で示され、レイアウトを生成する平面上(以下、レイアウトスペースとする)に、陸側端モジュールを配置する(ステップS9)。
次にレイアウト生成部13は、陸側端モジュールの各ノード21A〜21Hの座標の値を決定する(ステップS10)。各ノード21A〜21Hの座標の値は、例えば以下のように決定する。
各ノード21A〜21Hのx座標の始点及び終点の値は、モジュール保存部14のノードテーブルに格納されている各ノード21A〜21Hの始点X及び終点Xの値とする。また、各ノード21A〜21Hのy座標の始点及び終点の値は、モジュール保存部14のノードテーブルに格納されている各ノード21A〜21Hの始点Y及び終点Yの値とする。このとき、x軸方向に伸びるリンクによって接続される一対のノードのうち、x座標の値が大きい方のノード、すなわちノード21B、ノード21D、ノード21F及びノード21Hの始点X及び終点Xの値は、蔵置レーンの長さLを含む値となるため、レイアウト生成部13は、始点X及び終点Xに含まれる蔵置レーンの長さLにステップS8で決定した蔵置レーンの長さLを代入した値を算出し、それぞれをノード21B、ノード21D、ノード21F及びノード21Hのx座標の始点及び終点の値とする。
【0042】
レイアウト生成部13は、陸側端モジュールの各ノードの座標の値を決定すると、レイアウトスペースに配置された中間モジュールの数がステップS7で決定した中間モジュールの数未満であるか否かを判定する(ステップS11)。
レイアウト生成部13は、レイアウトスペースに配置された中間モジュールの数がステップS7で決定した中間モジュールの数未満であると判定した場合(ステップS11:YES)、モジュール保存部14のモジュールテーブルから中間モジュールを読み出し、レイアウトスペースに配置されたモジュールのうち、最も岸壁側に配置されたモジュールのy軸方向に接続する位置に中間モジュールを配置する(ステップS12)。
【0043】
次にレイアウト生成部13は、中間モジュールの各ノード21I〜21Lの座標の値を決定する(ステップS13)。各ノード21I〜21Lの座標の値は、例えば以下のように決定する。
各ノード21I〜21Lのx座標の始点及び終点の値は、モジュール保存部14のノードテーブルに格納されている各ノード21I〜21Lの始点Y及び終点Yの値とする。また、各ノード21I〜21Lのy座標の始点及び終点の値は、レイアウトスペースに配置されたモジュールのうち、最も岸壁側に配置されたモジュールの岸壁側の端のy座標の値と、モジュール保存部14のノードテーブルに格納されている各ノード21I〜21Lの始点X及び終点Xの値とを加算した値とする。このとき、x軸方向に伸びるリンクによって接続される一対のノードのうち、x座標の値が大きい方のノード、すなわちノード21J及びノード21Lの始点X及び終点Xの値は、蔵置レーンの長さLを含む値となるため、レイアウト生成部13は、始点X及び終点Xに含まれる蔵置レーンの長さLにステップS8で決定した蔵置レーンの長さLを代入した値を算出し、それぞれをノード21J及びノード21Lのx座標の始点及び終点の値とする。
【0044】
次に、レイアウト生成部13は、リンク22L〜22Mの接続先を決定する(ステップS14)。リンク22L〜22Mは、搬出側の他のモジュールと接続するリンクなので、一端は中間モジュール内のノードと接続しているが、他端は接続先が決定されていない。リンク22L〜22Mの接続先は、例えば以下のように決定する。
レイアウトスペースに配置されたモジュールのうち、配置した中間モジュールが接続するモジュールが陸側端モジュールである場合、リンク22Jは陸側端モジュールのノード21Eに、リンク22Kは陸側端モジュールのノード21Fに、リンク22Lは陸側端モジュールのノード21Gに、リンク22Mは陸側端モジュールのノード21Hに接続される。
また、レイアウトスペースに配置されたモジュールのうち、配置した中間モジュールが接続するモジュールが中間モジュールである場合、リンク22Jは接続する中間モジュールのノード21Iに、リンク22Kは接続する中間モジュールのノード21Jに、リンク22Lは中間モジュールのノード21Kに、リンク22Mは接続する中間モジュールのノード21Lに接続される。
レイアウト生成部13は、リンク22L〜22Mの接続先を決定すると、ステップS11に戻り、レイアウトスペースに配置された中間モジュールの数がステップS7で決定した中間モジュールの数未満であるか否かを判定する。
【0045】
一方、レイアウト生成部13は、レイアウトスペースに配置された中間モジュールの数がステップS7で決定した中間モジュールの数未満でないと判定した場合(ステップS11:NO)、モジュール保存部14のモジュールテーブルから海側端モジュールを読み出し、レイアウトスペースに配置されたモジュールのうち、最も岸壁側に配置されたモジュールのy軸方向に接続する位置に海側端モジュールを配置する(ステップS15)。
【0046】
次にレイアウト生成部13は、海側端モジュールの各ノード21M〜21Rの座標の値を決定する(ステップS16)。各ノード21M〜21Rの座標の値は、例えば以下のように決定する。
各ノード21M〜21Rのx座標の始点及び終点の値は、モジュール保存部14のノードテーブルに格納されている各ノード21M〜21Rの始点X及び終点Xの値とする。また、各ノード21M〜21Rのy座標の始点及び終点の値は、レイアウトスペースに配置されたモジュールのうち、最も岸壁側に配置されたモジュールの岸壁側の端のy座標の値と、モジュール保存部14のノードテーブルに格納されている各ノード21M〜21Rの始点Y及び終点Yの値とを加算した値とする。このとき、x軸方向に伸びるリンクによって接続される一対のノードのうち、x座標の値が大きい方のノード、すなわちノード21N、ノード21P及びノード21Rの始点X及び終点Xの値は、蔵置レーンの長さLを含む値となるため、レイアウト生成部13は、始点X及び終点Xに含まれる蔵置レーンの長さLにステップS8で決定した蔵置レーンの長さLを代入した値を算出し、それぞれをノード21N、ノード21P及びノード21Rのx座標の始点及び終点の値とする。
【0047】
次に、レイアウト生成部13は、リンク22Q〜22Tの接続先を決定する(ステップS17)。リンク22Q〜22Tは、搬出側の他のモジュールと接続するリンクなので、一端は中間モジュール内のノードと接続しているが、他端は接続先が決定されていない。リンク22Q〜22Tの接続先は、例えば以下のように決定する。
レイアウトスペースに配置されたモジュールのうち、配置した中間モジュールが接続するモジュールが陸側端モジュールである場合、リンク22Qは陸側端モジュールのノード21Eに、リンク22Rは陸側端モジュールのノード21Fに、リンク22Sは陸側端モジュールのノード21Gに、リンク22Tは陸側端モジュールのノード21Hに接続される。
また、レイアウトスペースに配置されたモジュールのうち、配置した中間モジュールが接続するモジュールが中間モジュールである場合、リンク22Qは接続する中間モジュールのノード21Iに、リンク22Rは接続する中間モジュールのノード21Jに、リンク22Sは中間モジュールのノード21Kに、リンク22Tは接続する中間モジュールのノード21Lに接続される。
レイアウト生成部13は、上述したようにレイアウト情報を生成する。
【0048】
レイアウト生成部13がレイアウト情報を生成すると、シミュレーションエンジン15は、レイアウト生成部13からレイアウト情報を読み込む(ステップS18)。次に、シミュレーションエンジン15は、シミュレーションデータ保存部16からシミュレーションデータを読み込む(ステップS19)。シミュレーションエンジン15は、レイアウト情報及びシミュレーションデータを読み込むと、シミュレーションデータに基づいて、生成したレイアウトのコンテナターミナルにおける荷役機器やコンテナの動作のシミュレーションを実行する(ステップS20)。
コンテナターミナルのシミュレーションは、例えば、以下のような方法で行う。シミュレーションエンジン15がレイアウト情報に基づいてコンテナターミナルを3次元モデルとして生成し、また、シミュレーションデータに基づいて荷役機器やコンテナを3次元モデルとして生成する。生成した荷役機器の3次元モデルを、シミュレーションデータに含まれる荷役スケジュールの情報とノード及びリンクのルールとに基づいて動作させる。
【0049】
シミュレーションエンジン15は、シミュレーションの実行を完了すると、シミュレーション結果を結果保存部17に保存する(ステップS21)。シミュレーションエンジン15がシミュレーション結果を保存すると、表示部18は、結果保存部17からシミュレーション結果を読み出し、3次元モデルによる荷役機器やコンテナの動作を表示する(ステップS22)。
【0050】
このように、本実施形態によれば、レイアウト自動生成装置10のレイアウト生成部13は、モジュール保存部14が記憶する陸側端モジュール、海側端モジュール及び中間モジュールを組み合わせてレイアウトを生成する。これにより、蔵置レーンの数及び蔵置レーンの長さの入力を受け付けることでコンテナターミナルのレイアウトを作成することができるので、レイアウトの決定を容易に行うことができる。また、予め陸側端モジュール、海側端モジュール及び中間モジュールにノード及びリンクの座標を設定しておくことで、レイアウトのノード及びリンクの座標の決定を容易に行うことができる。
【実施例2】
【0051】
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態によるレイアウト自動生成装置の構成を示す概略ブロック図である。
本発明の第2の実施形態によるレイアウト自動生成装置10は、複数のバースを有するコンテナターミナルのレイアウトを生成するものであり、レイアウト条件入力部11及びレイアウト生成部13の動作、並びにモジュール保存部14が保存する情報が第1の実施形態によるレイアウト自動生成装置10と異なる。
【0052】
まず、モジュール保存部14のモジュールテーブルに格納されている各モジュールの構成を説明する。
図7は、モジュールテーブルに格納されている陸側端モジュールの構成を示す図である。
第2の実施形態による陸側端モジュールは、第1の実施形態による陸側端モジュールの構成に加えて、リンクAB、リンクAC及びリンクADをさらに備える。
陸側端モジュールにおいては、リンク22ABが、隣接する他の陸側端モジュールからノード21Fを介して、ノード21F、リンク22C、ノード21H、リンク22D、ノード21G及びノード21Eが成す直線経路に接続され、リンク22ABは、他の陸側端モジュールのノード21Eに接続することができる。
【0053】
また、陸側端モジュールにおいては、リンク22ACがノード21Fからノード21Hを介して、ノード21H、リンク22E、ノード21G、ノード21Eが成す直線経路に接続されている。
また、陸側端モジュールにおいては、リンク22ADが隣接する他の陸側端モジュールからノード21Fを介して、ノード21F、リンク22AC、ノード21H、リンク22E、ノード21G、ノード21Eが成す直線経路に接続されており、リンク22ADは、他の陸側端モジュールのノード21Eに接続することができる。
【0054】
図8は、モジュールテーブルに格納されている中間モジュールの構成を示す図である。
第2の実施形態による中間モジュールは、第1の実施形態による中間モジュールの構成に加えて、リンクAE、リンクAF及びリンクAGをさらに備える。
中間モジュールにおいては、リンク22AEが隣接する他の中間モジュールからノード21Jを介して、ノード21J、リンク22N、ノード21L、リンク22O、ノード21K及びノード21Iが成す直線経路に接続されており、リンク22AEは、他の中間モジュールのノード21Iに接続することができる。
【0055】
また、中間モジュールにおいては、リンク22AFがノード21Jからノード21Lを介して、ノード21L、リンク22P、ノード21K、ノード21Iが成す直線経路に接続されている。
また、中間モジュールにおいては、リンク22AGが隣接する他の中間モジュールからノード21Jを介して、ノード21J、リンク22AF、ノード21L、リンク22P、ノード21K、ノード21Iが成す直線経路に接続されており、リンク22AGは、他の中間モジュールのノード21Iに接続することができる。
【0056】
図9は、モジュールテーブルに格納されている海側端モジュールの構成を示す図である。
第2の実施形態による海側端モジュールは、第1の実施形態による海側端モジュールの構成に加えて、リンクAH及びリンクAIをさらに備える。
海側端モジュールにおいては、リンク22AHが隣接する他の海側端モジュールからノード21Nを介して、ノード21N、リンク22U、ノード21P、リンク22V、ノード21O及びノード21Mが成す直線経路に接続されており、リンク22AHは、他の海側端モジュールのノード21Mに接続することができる。
【0057】
また、海側端モジュールにおいては、リンク22AIが隣接する他の海側端モジュールからノード21Pを介して、ノード21P、リンク22W、ノード21Oが成す直線経路に接続されており、リンク22AIは、他の陸側端モジュールのノード21Oに接続することができる。
【0058】
次に、レイアウト自動生成装置10の動作における、第1の実施形態との相違を説明する。
まず、レイアウト条件の入力時(ステップS3)の動作について説明する。
第1の実施形態では、表示部18が図5に示すような画面を表示し、レイアウト条件入力部11が蔵置レーン数と蔵置レーンあたりのベイ数の入力を受け付けたが、第2の実施形態では、レイアウト条件入力部12は、蔵置レーン数と蔵置レーンあたりのベイ数に加えてコンテナターミナルのバース数(バース数によって所定方向と交差する方向のモジュール数が決まる)の入力をさらに受け付ける。
図10は、第2の実施形態におけるレイアウト条件の入力画面の画面例である。
レイアウト条件の入力画面は、蔵置レーンの数の入力を受け付ける欄と蔵置レーンのベイ数の入力を受け付ける欄と、「デフォルトに戻す」ボタンと、「保存」ボタンと、「戻る」ボタンとに加え、バース数の入力を受け付ける欄をさらに有する。
バース数の入力を受け付ける欄には、コンテナターミナルのバース数を入力する。
【0059】
次に、レイアウト情報の作成時(ステップS9〜ステップS17)の処理について説明する。
第1の実施形態においてレイアウト生成部13は、各モジュールをy軸方向に接続することでレイアウト情報を作成したが、第2の実施形態においてレイアウト生成部13は、ステップS17でレイアウトを生成すると、各モジュールをy軸方向に接続したレイアウトを、入力を受け付けたバース数分だけ複製し、レイアウトスペースに配置されたレイアウトのうち、最もx座標の値が大きい側に配置されたレイアウトのx軸方向(所定方向と交差する方向)に複製したレイアウトを接続する。
このとき、x軸方向に複製したバースの各ノードのx座標の始点及び終点の値は、レイアウトスペースに配置されたレイアウトのうち、最もx座標の値が大きい側に配置されたレイアウトのx座標の値が大きい側の端のx座標の値と、モジュール保存部14のノードテーブルに格納されている各ノードの始点X及び終点Xの値とを加算した値とする。
【0060】
これにより、レイアウト自動生成装置10は、複数のバースを有するコンテナターミナルのレイアウトを生成することができる。
【実施例3】
【0061】
以下、本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
本発明の第3の実施形態によるレイアウト自動生成装置10は、岸壁に直交する蔵置レーンを有するコンテナターミナルのレイアウトを生成するものであり、第1の実施形態によるレイアウト自動生成装置10の構成に加え、モジュール保存部14のモジュールテーブルにさらに岸壁に直交する蔵置レーンを有するモジュールのデータを格納する。
【0062】
図11は、第3の実施形態によるモジュールテーブルが格納するデータを示す図である。
左端モジュール(第1の端部モジュール)は、蔵置レーンを2つ有し、y軸方向の両端にx座標の値が大きい側に配置された他のモジュールと接続するリンクを有する。
中間モジュールは、蔵置レーンを2つ有し、y軸方向の両端にx軸方向に配置された他のモジュールと接続するリンクを有する。
右端モジュール(第1の端部モジュール)は、蔵置レーンを2つ有し、y軸方向の両端にx座標の値が小さい側に配置された他のモジュールと接続するリンクを有する。
また、各モジュールは、コンテナ船に対するコンテナの容積を行うスペースと、搬入及び搬出されるコンテナの受け渡しを行う端部とを備える。
なお、各モジュールが2つの蔵置レーンを備える理由を以下に記載する。
各モジュールの蔵置レーンを1つとした場合、各リンクが一方通行であるために、荷役機器はある蔵置レーンから他の蔵置レーンへ向かう際に右端モジュールまたは左端モジュールを経由しなければならず、遠回りとなってしまう。各モジュールに2つずつ蔵置レーンを備え、1つのモジュール内で往復できる経路を設けることで、他の蔵置レーンへ向かう経路を短縮することができる。
【0063】
第1、第2の実施形態においてレイアウト生成部13は、各モジュールをy軸方向に接続したが、第3の実施形態においてレイアウト生成部13は、各モジュールをx軸方向に接続することでレイアウト情報を生成する。
これにより、岸壁に直交する蔵置レーンを有するコンテナターミナルのレイアウトを生成することができる。
【0064】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、第1〜第3の実施形態では、レイアウト自動生成装置10がレイアウト生成後にシミュレーションを行う例を示したが、これに限られず、レイアウトを生成し、シミュレーションを行う他の装置にデータを受け渡す等、レイアウト自動生成装置10がシミュレーションを行わない構成としても良い。
【0065】
なお、第1、第2の実施形態では、陸側端モジュール及び海側端モジュールが、第3の実施形態では、左端モジュール及び右端モジュールがそれぞれ蔵置レーンを有する例を説明したが、これに限られず、例えば陸側端モジュール及び海側端モジュール並びに、左端モジュール及び右端モジュールが蔵置レーンを有さず、中間モジュールのみが蔵置レーンを有する構成としても良い。
【符号の説明】
【0066】
10…レイアウト自動生成装置 11…レイアウト条件入力部 12…レイアウト条件保存部 13…レイアウト生成部 14…モジュール保存部 15…シミュレーションエンジン 16…シミュレーションデータ保存部 17…結果保存部 18…表示部 21A〜21R…ノード 22A〜22Z、22AA〜22AI…リンク 23A〜23C…蔵置レーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナターミナルのレイアウトを自動生成するレイアウト自動生成装置であって、
前記レイアウトの所定方向の一端の構成単位である第1の端部モジュール、前記レイアウトの前記所定方向の他端の構成単位である第2の端部モジュール及び前記第1の端部モジュールと前記第2の端部モジュールとの間に前記所定方向に連結される構成単位であり蔵置レーンを有する中間モジュールを記憶する構成単位モジュール記憶手段と、
コンテナターミナルに設置する蔵置レーンの数及び蔵置レーンの長さの入力を受け付けるレイアウト条件入力手段と、
前記レイアウト条件入力手段が入力を受け付けた蔵置レーン数に基づいて前記中間モジュールの数を決定し、前記蔵置レーンの長さに基づいて前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュール及び前記中間モジュールの長さを決定し、当該決定した長さの各モジュールを組み合わせて前記レイアウトを生成するレイアウト生成手段と、
を備えることを特徴とするレイアウト自動生成装置。
【請求項2】
前記構成単位モジュール記憶手段が記憶する前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュール及び前記中間モジュールは、それぞれ前記所定方向に対して交差する方向に隣接するモジュールと接続する経路を有し、
前記レイアウト条件入力手段は、前記所定方向に対して交差する方向のモジュール数の入力をさらに受け付け、
前記レイアウト生成手段は、前記所定方向に対して交差する方向のモジュール数に基づいて前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュール及び前記中間モジュールの数を決定して前記レイアウトを生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレイアウト自動生成装置。
【請求項3】
前記コンテナターミナルは、当該コンテナターミナル内を運行する機器が、当該コンテナターミナルの前記所定方向の岸壁側の一端でコンテナ船に対するコンテナの揚積を行う、岸壁の反対側の一端からコンテナの搬入及び搬出を行い、当該コンテナターミナル内の蔵置レーンに前記コンテナを蔵置するコンテナターミナルであり、
前記構成単位モジュール記憶手段が記憶する前記第1の端部モジュールは、前記コンテナターミナルにおける前記コンテナの搬入及び搬出を行う端の構成単位であり、
前記構成単位モジュール記憶手段が記憶する前記第2の端部モジュールは、前記コンテナ船に対するコンテナの揚積を行う端の構成単位である、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレイアウト自動生成装置。
【請求項4】
前記コンテナターミナルは、当該コンテナターミナル内を運行する機器が、当該コンテナターミナルの前記所定方向の岸壁側の一端でコンテナ船に対するコンテナの揚積を行う、岸壁の反対側の一端からコンテナの搬入及び搬出を行い、当該コンテナターミナル内の蔵置レーンに前記コンテナを蔵置するコンテナターミナルであり、
前記第1の端部モジュール及び前記第2の端部モジュールは、前記コンテナターミナルの岸壁に対して交差する方向の両端の構成単位であり、
前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュール及び前記中間モジュールは、コンテナ船に対するコンテナの揚積を行うスペースと、搬入及び搬出されるコンテナの受け渡しを行う端部とを備える、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレイアウト自動生成装置。
【請求項5】
前記第1の端部モジュールは、前記第2の端部モジュールまたは前記中間モジュールと接続する2つの接続経路及び当該接続経路同士を連結させる連結経路を備え、
前記第2の端部モジュールは、前記第1の端部モジュールまたは前記中間モジュールと接続する2つの接続経路及び当該接続経路同士を連結させる連結経路を備え、
前記中間モジュールは、前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュールまたは他の中間モジュールと接続する2つの接続経路及び前記蔵置レーンを備える中間モジュールを備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレイアウト自動生成装置。
【請求項6】
前記中間モジュールは、前記コンテナターミナル内を運行する機器が当該モジュール内で往復することができる経路を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレイアウト自動生成装置。
【請求項7】
コンテナターミナルのレイアウトを自動生成するレイアウト自動生成装置を用いたレイアウト自動生成方法であって、
構成単位モジュール記憶手段は、前記レイアウトの所定方向の一端の構成単位である第1の端部モジュール、前記レイアウトの前記所定方向の他端の構成単位である第2の端部モジュール及び前記第1の端部モジュールと前記第2の端部モジュールとの間に前記所定方向に連結される構成単位であり蔵置レーンを有する中間モジュールを記憶し、
レイアウト条件入力手段は、コンテナターミナルに設置する蔵置レーンの数及び蔵置レーンの長さの入力を受け付け、
レイアウト生成手段は、前記レイアウト条件入力手段が入力を受け付けた蔵置レーン数に基づいて前記中間モジュールの数を決定し、前記蔵置レーンの長さに基づいて前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュール及び前記中間モジュールの長さを決定し、当該決定した長さの各モジュールを組み合わせて前記レイアウトを生成する、
ことを特徴とするレイアウト自動生成方法。
【請求項8】
コンテナターミナルのレイアウトを自動生成するレイアウト自動生成装置を、
前記レイアウトの所定方向の一端の構成単位である第1の端部モジュール、前記レイアウトの前記所定方向の他端の構成単位である第2の端部モジュール及び前記第1の端部モジュールと前記第2の端部モジュールとの間に前記所定方向に連結される構成単位であり蔵置レーンを有する中間モジュールを記憶する構成単位モジュール記憶手段、
コンテナターミナルに設置する蔵置レーンの数及び蔵置レーンの長さの入力を受け付けるレイアウト条件入力手段、
前記レイアウト条件入力手段が入力を受け付けた蔵置レーン数に基づいて前記中間モジュールの数を決定し、前記蔵置レーンの長さに基づいて前記第1の端部モジュール、前記第2の端部モジュール及び前記中間モジュールの長さを決定し、当該決定した長さの各モジュールを組み合わせて前記レイアウトを生成するレイアウト生成手段、
として動作させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−202298(P2010−202298A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47186(P2009−47186)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)