説明

レオロジー制御のためのトリブロックコポリマーを含有する急速乾燥ラッカー

本発明は、自動車OEM補修用途のために特に有用である急速乾燥ラッカーに関する。ラッカーは、酢酸酪酸セルロースバインダー成分の全てまたは一部の代用材料として新規なアクリルトリブロックコポリマーを含む。また、本発明は、急速乾燥ラッカーからコーティングを製造するための方法に関する。これらのラッカーは、すぐれた接着力およびダウンフロップまたはメタリック効果を有する、耐チップ性および耐湿性コーティング、特にメタリック効果コーティングを提供する際に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング組成物、特に、自動車補修のために特に有用である急速乾燥ラッカーコーティング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車またはトラックボディー上のベースコート/クリアコート仕上などの車の仕上を補修または修復するために、様々な迅速乾燥コーティング組成物が開発されている。多数の着色およびクリア空気乾燥アクリルラッカーは、ベースコート/クリアコート仕上を修復するためにこれまで使用されているが、すぐれた耐ストーンチップ性、耐湿性、被覆間接着力、および外観などの現在の性能要求条件をも満たしながら望ましい急速乾燥時間を満たすものはない。
【0003】
通常、車の所有者である補修顧客にとっての主たる関心事は、使用中のコーティングがすぐれた耐久性および耐候性および魅力的な美的外観を有することである。
【0004】
自動車およびトラックの補修産業のもう一つの主たる関心事は生産性、すなわち、最小時間長さで補修作業全体を完了させる能力である。高レベルの生産性を達成するために、適用されるいかなるコーティングも比較的短い時間で周囲条件またはやや高温の条件で乾く能力を有することが必要である。「乾く」という用語は、吸塵を最少にするとともに、ベースコートの場合、後のクリアコートの適用を見込むために、得られた仕上げが比較的短い時間後に触ってみると物理的に乾いていることを意味する。
【0005】
また、さらに別の理由のために急速乾燥ベースコートを有することが望ましい。クリアコート組成物が適用される前に、適用されたベースコート組成物層が十分に乾燥していない場合、クリアコートの適用はベースコート層を荒らし、ベースコートの外観は悪影響を及ぼされる。特殊効果顔料、例えば、メタリックおよび真珠光沢フレークなどのフレーク顔料を含有するベースコートについては、これらのベースコートの金属フレーク制御およびメタリック外観(またはダウンフロップ)は、コーティング層をそれらの境界面において混ぜることによるフレーク顔料の荒れのために難点がある。「ダウンフロップ」は、色が視角によって変化して車の表面に三次元メタリック効果をもたらすメタリック効果コーティングに伴う現象を指す。
【0006】
コストおよび揮発性有機溶剤含有量は、自動車補修コーティング組成物を調合するときにさらに懸念される。例えば、酢酸酪酸セルロース(CAB)樹脂は、取扱乾燥時間(dry to handle time)を短縮すると共に補修ベースコートの金属フレーク制御および他の性質を強化するためにレオロジー制御添加剤として用いられているが、これらのCAB材料を含有するコーティング組成物は、望ましくない高量の有機溶剤を必要とする。さらに、これらのCAB材料は比較的高価であり、コーティング製造プロセスにおいて付加的な工程を必要とする。また、CAB材料は、広く製造されていない特殊製品である。
【0007】
従って、周囲温度条件において短い不粘着性乾燥時間を有し、良い金属フレーク制御および外観を有し、それほど高価でなく、低減された量の規制排出物を有し、すぐれた耐チップ性および耐湿性および接着力を有する仕上を形成することができるラッカーコーティング組成物、特に補修ベースコートラッカーを有することが有利である。本発明の新規な組成物は、望ましい性質の独自の組合せを有する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はコーティング組成物、特に、薄膜形成バインダーと揮発性有機液体キャリアとを含むラッカーコーティング組成物に関するものであり、そこでバインダーは、好ましくは酢酸酪酸セルロース成分の全てまたは一部の代用として、固有セグメント化トリブロックコポリマーを含有する。より詳しくは、トリブロックコポリマーはABA’ブロックコポリマーであり、ABA’ブロックコポリマーは、約5,000〜200,000の重量平均分子量を有し、ポリマーAブロック、ポリマーBブロック、およびポリマーA’ブロックを含有し、
(a)ポリマーAブロックが重合エチレン性不飽和モノマーからなり、
(b)ポリマーBブロックが重合エチレン性不飽和モノマーからなり、
(c)ポリマーA’ブロックが重合エチレン性不飽和モノマーからなり、さらに、
ブロックコポリマーのポリマーAブロック、ポリマーBブロック、およびポリマーA’ブロックが、それらの単一部位において各々、所与の順序でまたは逆順に互いに線状に結合され、
AおよびA’ブロックが同じかまたは類似の組成を有し、AおよびA’ブロックの間に配置されるBブロックが、AおよびA’ブロックと異なった組成を有し、
AおよびA’ブロックは、互いに相互作用または水素(H)結合して可逆網目を形成することができる1つ以上の官能基がAおよびA’ブロック上に存在することによって、Bブロックと異なり、
官能基が、カルボン酸、ヒドロキシル、ウレア、アミド、およびエチレンオキシド基、または上記の何れかの混合物からなる群の少なくとも1つから選択される。
【0009】
好ましくは、A’およびA’ブロックの間の配置された、異なったBブロックが非官能性ブロックであり、官能基を本質的に含まない。
【0010】
ラッカー組成物は、透明な(クリア)トップコートが上に適用される自動車補修用途の着色ベースコートラッカーとして使用するために最も適している。
【0011】
この組成物は、実質的な架橋が全く生じないので溶剤蒸発によって乾燥するラッカーコーティングとして使用されるのが好ましいが、それは場合により、さらに改良された薄膜性質のためにポリイソシアネート架橋剤を含有してもよい。
【0012】
本発明はさらに、車のボディーまたはその一部などの基材の表面上にコーティングを形成するための方法に関するものであり、その方法は、
予めプライマー処理されるかまたは封止されるかあるいは他の方法で処理されてもよい基材表面上にラッカーコーティング組成物(前述の組成物を含むラッカー)の層を適用する工程と、
好ましくは周囲条件において層を乾燥して、クリアコートを上に適用することができる基材の表面上のコーティングを形成する工程とを含む。
【0013】
ラッカーに使用するために調合されたトリブロックコポリマー組成物および本明細書に開示されたラッカーコーティング組成物で被覆された基材もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本明細書中で用いられるとき、「ラッカー」は、主に溶剤蒸発によって乾燥し、所望の物理的性質を有する薄膜を形成するために架橋を必要としないコーティング組成物を意味する。
【0015】
全ての「分子量」は、標準としてポリスチレンを用いてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって定量される。
【0016】
ポリマーの「Tg」(ガラス転移温度)は示差走査熱量測定(DSC)によって測定することができ、またはそれはFox、Bull.Amer.Physics Soc.、1、3、123ページ(1956年)によって記載されているように計算することができる。
【0017】
「アクリルポリマー」は、他のエチレン性不飽和モノマー、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、およびスチレンなどのビニル芳香族化合物と場合により重合された、アクリレートおよびメタクリレートを意味する重合「(メタ)アクリレート」からなるポリマーを意味する。
【0018】
本発明は、自動車OEMおよび自動車補修などの様々なコーティングに適した、着色またはクリア空気乾燥ラッカー、好ましくはアクリルラッカーに関する。新規なラッカーは、自動車補修において使用するために、特に自動車およびトラックボディー上の着色ベースコート/クリアコート仕上を修復または補修するために使用される着色補修ベースコートとして特に適している。
【0019】
有利には、形成された空気乾燥ラッカーコーティング組成物は、周囲温度においての所望の迅速な乾燥性質およびDOI(鮮映性)およびHOB(正面輝度)などの外観全体を犠牲にせずにすぐれた耐チップ性および耐湿性および被覆間接着力などのすぐれた物理的性質を有する。
【0020】
本発明のラッカーコーティング組成物は好ましくは、バインダー中の酢酸酪酸セルロース(CAB)樹脂の全てまたは一部の代用として、コーティング組成物の重量を基準にしてABA’トリブロックポリマー、好ましくはアクリルポリマーを含有する薄膜形成バインダー約5〜90重量%と、相応して、コーティング組成物の重量を基準にして、揮発性有機液体キャリア約10〜95重量%とを含有し、場合により、約0.1/100〜200/100の顔料対バインダー重量比で顔料を含有する。
【0021】
ABA’トリブロックコポリマー
薄膜形成バインダーの一部として本明細書において使用される、本発明の一部を同様に形成するABA’トリブロックコポリマーは5,000〜200,000、好ましくは約10,000〜100,000、より好ましくは約15,000〜80,000の範囲の重量平均分子量を有する。
【0022】
ABA’ブロックポリマーのAおよびA’ブロックは同じかまたは類似の組成を有し、両方とも、以下に記載された少なくとも1つの相互作用する官能基を有する。
【0023】
「同じ」組成物とは、AおよびA’ブロックが同じセットのモノマー、同じモノマー比から調製され、同じ濃度の同じタイプの相互作用する官能基を含有することを意味する。「類似の」組成物とは、AおよびA’ブロックの両方が少なくとも1つの相互作用する官能基をさらに含有し、同じ網目形成機能を果たすが、モノマーのセット、モノマー比、官能基のタイプ、および/または官能基の濃度が各ブロックにおいて異なっていてもよいことを意味する。
【0024】
Bブロックに関して、このブロックは好ましくは、AおよびA’ブロックの間に配置され、好ましくは、実質的に重合した非官能性モノマーを含有する非官能性ブロックである。
【0025】
上に記載されたように、AおよびA’ブロックは、相互作用する官能基の存在によってBブロックと異なる。AおよびA’ブロックにおいて用いられた官能基は、互いに相互作用/H結合して、剪断力、温度、またはpHに感受性である網目を形成することができる。Bブロックは好ましくは官能基を本質的に含まない。
【0026】
相互作用/H結合官能基は好ましくは、以下の基1〜6の少なくとも1つから選択される。
1)ヒドロキシル基(例えば、第一または第二ヒドロキシル)、
2)酸基(例えば、カルボキシル基)、
3)ウレア、
4)アミド、
5)酸化エチレン、または
6)上記のいずれかの混合物。
【0027】
各ブロック(またはポリマーセグメント)のサイズは、所望の最終的な性質に応じて変化する。しかしながら、各ブロックは、実質的に直鎖であるのがよく、平均してモノマーを少なくとも3単位含有し、300より大きい数平均分子量を有するのがよい。好ましい実施態様において、単一ブロック中のモノマーの数は約10以上である。また、好ましい実施態様において、各ブロックの重量平均分子量は少なくとも1,000、概して約1,000〜40,000、より好ましくは約1,500〜30,000の範囲である。
【0028】
また、ブロックの相互作用する官能基の濃度およびタイプは、所望の特定の特質に応じて変化する。しかしながら、相互作用する基の濃度は、その与えられたブロックを形成するために用いられるモノマーの少なくとも1%〜100%、より好ましくは少なくとも5〜60重量%が、相互作用する官能基を有するような濃度であるのがよい。
【0029】
本発明において、外側のブロック(またはAおよびA’ブロック)の相互作用する官能基を濃縮することが特に有用であり、残りの内側のブロック(またはBブロック)は官能基を本質的に含まない。この構造は特に、所望の網目形成特質を促進する。官能基を「本質的に含まない(essentially no)」または官能基を「本質的に含まない(essentially free)」とは、Bブロックが、ブロックコポリマーの全重量を基準にして、官能化モノマーを1重量%未満、好ましくは0重量パーセントで含有することを意味する。
【0030】
当業者によって理解されるように、他のバインダー成分と架橋することができ、また、さらなる改良された薄膜性質のために、ブロックの少なくとも1つ、好ましくは外側のブロックの少なくとも1つにヒドロキシル基(H結合および架橋の2つの機能を果たすことができる)またはアミン基などの架橋可能な基を有することが望ましい場合もある。
【0031】
バインダーの一部としてここで使用してCABポリマーと取り替えることができるABA’トリブロックコポリマーは、アニオン重合、グループ移動重合(GTP)、ニトロキシド媒介フリーラジカル重合、原子移動ラジカル重合(ATRP)、または可逆的付加−開裂連鎖移動(RAFT)重合技術などのリビング重合によって調製することができる。好ましくは、ポリマーは、本発明のトリブロックコポリマーを製造するための触媒連鎖移動反応方法によって調製される。
【0032】
上に記載された他のリビング重合方法の大部分は、特別な開始系および高純度モノマーなどの特別な、高価な原材料を必要とする。それらのいくつかは、低湿または低温などの極限条件下で行われる必要がある。さらに、これらの方法のいくつかは、ヒドロキシルおよびカルボン酸基などの本発明に重要であるモノマーの活性水素基に影響されやすい。これらの基は、重合の間に化学的に保護され、後続の工程において回復されなければならない。さらに、開始系のいくつかは、望ましくない色、臭気、金属錯体、あるいは可能性としては腐蝕性のハロゲン化物を生成物にもたらす。それらを取り除くために特別な工程が必要とされる。好ましい方法において、触媒は極端に低い濃度において用いられ、生成物の品質に及ぼす影響が最小限であり、合成はワンポット方法で実施できるのが便利である。
【0033】
触媒連鎖移動剤方法または「マクロモノマー」方法において、トリブロックコポリマーは、多段階フリーラジカル重合方法によって調製されるのが最も便利である。このような方法は、例えばMoadらに付与された米国特許第6,291,620号明細書(その内容をその全体において参照によって本願明細書に援用するものとする)に教示されている。
【0034】
マクロモノマー方法の第1の工程において、トリブロックコポリマーの第1のまたは外側のブロックAはフリーラジカル重合方法を用いて形成され、そこでこのブロックのために選択されたエチレン性不飽和モノマーまたはモノマー混合物は、コバルト触媒連鎖移動剤の存在下でまたは方法においてフリーラジカルポリマー鎖を終端することができると共に末端の重合可能な二重結合を有する「マクロモノマー」を形成することができる他の移動剤の存在下で重合される。重合は好ましくは、従来のフリーラジカル開始剤およびCo(II)または(III)連鎖移動剤を用いて有機溶剤または溶剤ブレンド中で高温において行われる。
【0035】
所望の分子量および変換を有する第1のマクロモノマーブロックが形成されると、コバルト連鎖移動剤は、ヒドロペルオキシドなどの少量の酸化剤を添加することによって脱活性化される。次に、次のブロックBのために選択された不飽和モノマーまたはモノマー混合物は、第1のブロックとそのほかに開始剤の存在下で重合される。マクロモノマー段階成長プロセスと称することができるこの工程は同じく、従来の重合開始剤を用いて有機溶剤または溶剤ブレンド中で高温において行われる。重合は、マクロモノマーが所望の分子量およびジブロックマクロモノマーへの第2のブロックの所望の変換から形成されるまで続けられる。次に、トリブロックコポリマーの第3のブロックA’または他の外側のブロックを同じ方法でそれに付加して本発明のトリブロックコポリマーを製造する。
【0036】
好ましいコバルト連鎖移動剤は、Janowiczらに付与された米国特許第4,680,352号明細書およびJanowiczに付与された米国特許第4,722,984号明細書(その内容を参照によってそれらの全体において本願明細書に援用するものとする)に記載される。最も好ましいコバルト連鎖移動剤は、ペンタシアノコバルト酸(II)塩、ジアクアビス(ホウ素ジフルロジメチルグリオキシマト)コバルト酸(II)塩、およびジアクアビス(ホウ素ジフルオロフェニルグリオキシマト)コバルト酸(II)塩である。典型的にこれらの連鎖移動剤は、重合される特定のモノマーおよび所望の分子量に応じてモノマーの全重量を基準にして約2〜5000ppmの濃度において使用される。このような濃度を使用することによって、所望の分子量を有するマクロモノマーを調製することができるのが便利である。
【0037】
明確なブロックを生成するために、各ブロックの成長は、高変換まで生じる必要がある。変換は、ポリマー−モノマーのピークの積分によりサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって定量される。紫外線の検出のために、ポリマー応答因子は各ポリマー/モノマー重合混合物について確認されなければならない。典型的な変換は、各ブロックについて50%〜100%であり得る。中間変換は、次のブロックのモノマーまたはモノマー混合物の添加を続けるときにモノマー組成物が徐々に後続のブロックのモノマー組成物に変化する移行(またはテーパー(tapering))セグメントを有するブロックコポリマーをもたらし得る。これは、相分離、熱的挙動および機械的弾性率などのポリマー性質に影響を与える場合があり、特定の適用のための性質を促進するために意図的に利用可能である。これは、開始剤の添加を止めることによってまたは開始剤と共に次のブロックのモノマーまたはモノマー混合物の添加をすぐに開始することによって所望のレベルの変換(例えば、>80%)が達せられるとき、重合を意図的に終えることによって達成されてもよい。
【0038】
トリブロックコポリマーを形成するために用いることができる典型的な溶剤は、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、およびイソプロパノール、ケトン、例えばアセトン、ブタノン、ペンタノン、およびヘキサノン、酢酸、プロピオン酸、および酪酸のアルキルエステル、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、および酢酸アミル、エーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、およびエチレングリコールおよびポリエチレングリコールモノアルキルおよびジアルキルエーテル、例えばセロソルブおよびカルビトール、およびグリコール、例えばエチレングリコールおよびプロピレングリコール、およびそれらの混合物である。
【0039】
一般に使用されるアゾまたはペルオキシドタイプ重合開始剤のいずれも、溶剤とモノマー混合物との溶液への溶解性を有し、重合温度において適切な半衰期を有するならば、マクロモノマーまたはトリブロックコポリマーの調製のために使用することができる。本明細書中で用いられるとき「適切な半衰期」は、約10分〜4時間の半衰期である。最も好ましいのは、アゾタイプ開始剤、例えば2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルブチロニトリル)、および1,1’−アゾビス(シアノシクロヘキサン)である。ペルオキシ系開始剤の例は、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオクトエートであり、マクロモノマーのための反応条件下で連鎖移動剤と不都合に反応しないならば、同様に使用してもよい。
【0040】
従来のアクリルモノマーおよび場合により他のエチレン性不飽和モノマーまたはモノマー混合物のいずれかを用いて本発明のトリブロックコポリマーの単独A、BおよびA’ブロックを形成することができる。調製方法に応じて、特定のモノマーまたはモノマー混合物が他のモノマーまたはモノマー混合物よりも良く機能する。本発明の調製の好ましい方法、「マクロモノマー」方法のために、メタクリレートモノマーを用いなければならない。具体的には、各単独ブロックは、メタクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマー混合物を少なくとも70モルパーセント含有しなければならない。より好ましいのは、メタクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマー混合物を少なくとも90モルパーセント含有する組成物である。他のコモノマーは、アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル芳香族化合物例えばスチレン、およびビニルエステルのタイプであってもよい。
【0041】
例えば、本発明の方法を用いて重合されてもよいモノマーには、非置換または置換アルキルアクリレート、例えばアルキル基に1〜20個の炭素原子を有する非置換または置換アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、例えばアルキル基に1〜20個の炭素原子を有するアルキルメタクリレート、脂環式アクリレート、脂環式メタクリレート、アリールアクリレート、アリールメタクリレート、他のエチレン性不飽和モノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、およびそれらの組合せからなる群から選択された少なくとも1つのモノマーが挙げられる。これらのモノマーの官能化された型およびそれらの相対濃度は、以下にさらに記載されるように、ブロックを区別するのに特に有用である。
【0042】
上に記載されたように、本発明において、好ましくは2つの外側ブロック、AおよびA’は、網目の形成およびより良い金属フレーク制御のための、相互作用する基またはH結合基と本明細書では称される官能基を含有する。この基は、物理的力によって連結される網目の形成をもたらし、剪断力、温度、またはpHに敏感性である。このタイプの系は、チキソトロピー挙動およびパラレルな金属フレーク配向などのそのレオロジー性質に有用である。さらに以下に記載される、水素結合することができる基は、特に、この目的のために有利に使用することができる。
【0043】
この基は、ラッカーコーティング中に存在する他のバインダー成分の性質に応じて変化する。しかしながら、カルボン酸および以下に記載されるような他の酸基が概して好ましい。
【0044】
特別な官能基を有さず、本発明において使用されてもよい特定のモノマーまたはコモノマーには、様々な非官能性アクリルモノマー、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート(全ての異性体)、ブチルメタクリレート(全ての異性体)、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、メタクリロニトリル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート(全ての異性体)、ブチルアクリレート(全ての異性体)、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、アクリロニトリル等、および場合により他のエチレン性不飽和モノマー、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、およびビニルトルエン等のビニル芳香族化合物などがある。
【0045】
相互作用/H結合第一または第二ヒドロキシル基をトリブロックコポリマーに導入するために、ヒドロキシル官能性アクリルモノマーを使用することができる。ヒドロキシル官能性アクリルモノマーの例には、アルキル基に1〜10個の原子を有するヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート(第一)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(全ての異性体、第一および第二)、ヒドロキシブチルメタクリレート(全ての異性体、第一および第二)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(第一)、ヒドロキシプロピルアクリレート(全ての異性体、第一および第二)、ヒドロキシブチルアクリレート(全ての異性体、第一および第二)、他のヒドロキシアルキルアクリレートおよびメタクリレートなどがある。
【0046】
相互作用/H結合酸基を適切なブロックにおいてトリブロックコポリマーに導入するために酸官能性モノマーを使用することができる。カルボン酸官能性モノマーは、ラッカーコーティング組成物中の他のバインダー成分とのより良い相溶性のために概して好ましい。最も一般に使用されるカルボキシル酸基含有モノマーはメタクリル酸およびアクリル酸である。他には、β−カルボキシエチルアクリレート、ビニル安息香酸(全ての異性体)、α−メチルビニル安息香酸(全ての異性体)、および二酸、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸のほか、ポリマーが製造された後にカルボン酸基に加水分解されうるそれらの無水物の形などがある。当然ながら、低レベルの他のタイプの酸基、例えばスルホン酸またはリン酸を用いてもよい。
【0047】
相互作用/H結合アミド基をポリマーに導入するために使用することができる有用なアミド官能性モノマーには、アクリルアミドおよびメタクリルアミドおよび環状または非環状アミド基のどちらかを含有する他のビニルモノマーがある。
【0048】
アクリルアミドまたはメタクリルアミドモノマーの例は、式
【0049】
【化1】

【0050】
によって表され、上式中、R1およびR2は各々独立に水素、1〜20個の炭素原子を有し、重合プロセスを妨げない1個以上の置換基を場合により含有するアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、およびアルキルアリール基からなる群から選択される。このような置換基には、アルキル、ヒドロキシ、アミノ、エステル、酸、アシルオキシ、アミド、ニトリル、ハロゲン、アルコキシなどが挙げられる。有用な例には、メタクリルアミド、例えばN−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−オクチルメタクリルアミド、N−ドデシルメタクリルアミド、N−(イソブトキシメチル)メタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド等、およびアクリルアミド、例えばN−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−(イソブトキシメチル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミドなどがある。
【0051】
環状アミド基をコポリマーに導入するために使用することができるビニルモノマーの例には、アクリル、メタクリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、およびいくつかの他のビニルモノマーがある。アクリル、メタクリル、アクリルアミドおよびメタクリルアミドモノマーは、式
【0052】
【化2】

【0053】
によって表され、上式中、YがOまたはNであり、R3が、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、およびアルキルアリール基からなる群から選択され、ヒドロキシ、アミノ、エステル、酸、アシルオキシ、アミド、ニトリル、ハロゲン、アルコキシなどの重合を妨げない置換基を含有してもよく、YがOであるときR4が存在しないが、YがNであるときR4が、水素、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、およびアルキルアリール基からなる群から選択され、ヒドロキシ、アミノ、エステル、酸、アシルオキシ、アミド、ニトリル、ハロゲン、アルコキシなどの重合を妨げない置換基を含有してもよく、Zが、以下の構造(1)または(2)に連結されたラジカル中心である。
【0054】
相互作用する環状アミド基を導入するために同様に使用できる他のビニルモノマーは、式
【0055】
【化3】

【0056】
によって表され、上式中、R5が、0〜20個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、およびアルキルアリール基からなる群から選択され、ヒドロキシ、アミノ、エステル、酸、アシルオキシ、アミド、ニトリル、ハロゲン、アルコキシなどの重合を妨げない置換基を含有してもよく、Zが、以下の構造(1)または(2)に連結されたラジカル中心である。最も有用な例はN−ビニル−2−ピロリジノンである。
構造(1)および(2)は、それぞれ、
【0057】
【化4】

【0058】
によって表され、上式中、n=3〜7、好ましくは3〜5、m=0〜3、Xが環状構造上の置換基であり、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、および複素環基からなる群から選択されてもよく、ヒドロキシ、アミノ、エステル、酸、アシルオキシ、アミド、ニトリル、ハロゲン、アルコキシなどの重合を妨げない置換基を含有してもよく、Rが、水素、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、およびアルキルアリール基からなる群から選択され、ヒドロキシ、アミノ、エステル、酸、アシルオキシ、アミド、ニトリル、ハロゲン、アルコキシなどの重合を妨げない置換基を含有してもよく、Zが、上に参照されたビニルモノマー構造に連結されたラジカル中心である。複素環基の例には、トリアゾール、トリアジン、イミダゾール、ピペラジン、ピリジン、ピリミジンなどがある。
【0059】
相互作用/H結合ウレア基をポリマーに導入するために使用することができる有用なウレア官能性モノマーには、環状または直鎖/非環状ウレア基のどちらかを含有するアクリレートメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミドおよび他のビニルモノマーがある。
【0060】
アクリル、メタクリル、アクリルアミド、およびメタクリルアミドモノマーを含有するウレアは、一般式
【0061】
【化5】

【0062】
によって表され、上式中、Y、R3およびR4が上に記載された通りであり、Z’が、直鎖または非環状ウレア基のための以下の構造(3)に連結された、または環状ウレア基のための以下の構造(4)または(5)に連結されたラジカル中心である。
【0063】
非環状または環状ウレア基のどちらかを導入するために同様に使用できる他のビニルモノマーは、一般式
【0064】
【化6】

【0065】
によって表され、上式中、R5が上に記載された通りであり、Z’が、直鎖または非環状ウレア基のための以下の構造(3)に連結された、または環状ウレア基のための以下の構造(4)または(5)に連結されたラジカル中心である。
構造(3)、(4)、および(5)は、それぞれ、
【0066】
【化7】

【0067】
によって表され、上式中、n=0〜5、好ましくは2〜5、m=0〜3、Xが、環状構造上の置換基であり、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、および複素環基からなる群から選択されてもよく、ヒドロキシ、アミノ、エステル、酸、アシルオキシ、アミド、ニトリル、ハロゲン、アルコキシなどの重合を妨げない置換基を含有してもよく、各Rが独立に水素、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、および複素環基からなる群から選択され、ヒドロキシ、アミノ、エステル、酸、アシルオキシ、アミド、ニトリル、ハロゲン、アルコキシなどの重合を妨げない置換基を含有してもよく、Z’が、上に参照されたビニルモノマー構造に連結されたラジカル中心である。複素環基の例には、トリアゾール、トリアジン、イミダゾール、ピペラジン、ピリジン、ピリミジンなどがある。また、環状ウレア構造は、特にnが0または1であるとき、O、S、N(R)などの他のヘテロ原子、またはC(O)、S(O)2などの基または不飽和二重結合を含有してもよい。このような構造の例には、ウラゾル、ウラシル、シトシンおよびチミンなどがある。
【0068】
エチレン性不飽和ウレア含有モノマーの典型的な例は、米国特許第5,030,726号明細書および米国特許第5,045,616号明細書(その内容を参照によって本願明細書に援用するものとする)に記載されている。このタイプの好ましいモノマーは、2−ヒドロキシエチレンウレア(HEEU)、または2−アミノエチルエチレンウレア(AEEU)のアクリレート、メタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリルアミド誘導体である。市販されているこのタイプの最も好ましいモノマーには、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)エチレンウレアおよびメタクリルアミドエチルエチレンウレアなどがある。ウレア含有モノマーの他の例は、ジメチルm−イソプロペニルベンジルイソシアネート(m−TMI)または2−イソシアナトエチルメタクリレート(ICEMA)などのイソシアナト基を有するエチレン性不飽和モノマーをHEEUまたはAEEUなどの直鎖または環状ウレア基を有するヒドロキシルまたはアミノ化合物と反応させることによって得られる。これらの例においてウレア基は、ウレタンまたは別のウレア基を介してモノマーに結合される。
【0069】
エチレンオキシド基は、カルボン酸などの本発明のポリマーのために同様に望ましい他の官能基と水素結合することができる。それらは、一般式
CH2=C(R6)(C(O)OXn(CH2CH2O)m)−R7
のモノマーと共に導入されるのが都合がよい場合があり、上式中、n=0または1であり、n=1であるとき、Xが、1〜10個の炭素原子のアルキル(akyl)、アリール、またはアルカリールジラジカル連結基であり、m=2〜100、R6がHまたはCH3であり、R7が1〜10個の炭素原子のアルキル基である。このようなコモノマーの有用な例には、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリレート、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(分子量200〜100)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(分子量200〜1000)モノメタクリレートなどがある。
【0070】
上に記載されたように、各ブロックのためのモノマーおよびモノマー混合物の選択、ブロックを形成するために用いられたモノマーのブロックサイズ、全比率、および分子量、各ブロックの性質は特定の適用のために望ましい特定の特質を提供するように変化する。
【0071】
1つの好ましい実施態様において、ABA’ブロックポリマーは、Aブロックにおいて:メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/エトキシトリエチレングリコールメタクリレート(MAA/HEMA/ETEGMA)、Bブロックにおいて:メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート(MMA/BMA)、およびA’ブロックにおいて:メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸(MMA/BMA/HEMA/MAA)を含有する。
【0072】
ポリマーはどちらかの末端から出発して製造されうると理解されるべきである。例えば、A’BA(ABA’の逆)ブロックポリマーもまた形成することができ、本発明の一部である。A’BAブロックポリマーを形成するとき、A’ブロックは最初に上に記載された同じ手順を用いて製造され、次にBブロックのためのモノマーが添加され、Bブロックが形成された後、Aブロックのためのモノマーが添加され、重合される。
【0073】
本発明の新規なコーティング組成物は概して、バインダーの一部としてこのCAB代用ポリマーを約1〜80重量%、好ましくは約5〜60重量%の範囲、さらにより好ましくは約10〜40重量%の範囲で含有し、全ての重量パーセンテージはバインダーの全重量を基準にしている。
【0074】
他のバインダー材料
上に記載されたトリブロックコポリマーに加えて、コーティング組成物はまた、バインダーの一部としてアクリルポリマー、ポリエステル、アルキド樹脂、アクリルアルキド樹脂、酢酸酪酸セルロース、イミン化アクリルポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、ニトロセルロース、可塑剤またはそれらの組合せを0〜98重量%、好ましくは20〜95重量%、さらにより好ましくは30〜90重量%の範囲で含有することができ、全ての重量パーセンテージはバインダーの全重量を基準にしている。
【0075】
有用なアクリルポリマーは通常、以下のモノマー:アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、アルキルアミノアルキルアクリレート、およびアルキルアミノアルキルメタクリレート、およびそれらの混合物の1つ以上、および以下の乾性油:アマニ油脂肪酸、タル油脂肪酸、およびキリ油脂肪酸のビニルオキサゾリン乾性油エステルの1つ以上を含有することができるモノマー混合物から重合される。
【0076】
適したイミン化(iminiated)アクリルポリマーは、カルボキシル基を有するアクリルポリマーをプロピレンイミンと反応させることによって得られる。
【0077】
有用なポリエステルには、脂肪族または芳香族ジカルボン酸、ポリオール、ジオール、芳香族または脂肪族環状無水物および環状アルコールのエステル化生成物がある。1つのかかるポリエステルは、アジピン酸、トリメチロールプロパン、ヘキサンジオール、ヘキサヒドロフタル酸無水物(hexahydrophathalic anhydride)およびシクロヘキサンジメチロールのエステル化生成物である。
【0078】
本発明において有用である他のポリエステルは分岐状コポリエステルポリオールである。1つの特に好ましい分岐状ポリエステルポリオールは、ジメチロールプロピオン酸、ペンタエリトリトールおよびイプシロン−カプロラクトンのエステル化生成物である。これらの分岐状コポリエステルポリオールおよびそれらの調製は、2003年、8月28日に公開された国際公開第03/070843号パンフレット(その内容を参照によって本願明細書に組み込む)にさらに記載されている。
【0079】
必要に応じて、さらに使用してもよい、適する酢酸酪酸セルロースは、CAB−381−20およびCAB−531−1という商品名で、Eastman Chemical Co.(Kingsport,Tennessee)によって供給されている。これらの材料は、バインダーの重量を基準にして0.1〜20重量%の量で使用されてもよい。しかしながら、好ましくは、本発明のラッカーは、これらの材料、特にCAB−381−20のような高分子量、高ヒドロキシル数CAB樹脂を含有しないかまたは本質的に含まない。
【0080】
適するエチレン酢酸ビニルコポリマー(ワックス)は、A−C405(T)エチレン酢酸ビニルコポリマーという商品名で、Honeywell Specialty Chemicals−Wax and Additives(Morristown,New Jersey))によって供給されている。
【0081】
適するニトロセルロース樹脂は、好ましくは約1/2〜6秒の粘度を有する。好ましくは、ニトロセルロース樹脂のブレンドが用いられる。任意に、ラッカーはエステルガムおよびヒマシ油を含有することが可能である。
【0082】
適するアルキド樹脂は、アマニ油脂肪酸およびタル油脂肪酸などの乾燥油脂肪酸、脱水ヒマシ油、多価アルコール、ジカルボン酸および芳香族モノカルボン酸のエステル化生成物である。好ましい一つのアルキド樹脂は、アクリルポリマーとアルキド樹脂との反応生成物である。
【0083】
適する可塑剤には、ブチルベンジルフタレート、ジブチルフタレート、トリフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルベンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジアリルトルエンフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルシクロヘキシルフタレート、ペンタエリトリトールの混合安息香酸および脂肪油酸エステル、ポリ(プロピレンアジペート)ジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、テトラブチルチオジスクシネート、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルトリブチルシトレート、ジベンジルセバケート、トリクレジルホスフェート、トルエンエチルスルホンアミド、ヘキサメチレンジフタレートのジ−2−エチルヘキシルエステル、およびジ(メチルシクロヘキシル)フタレートが挙げられる。この群の一つの好ましい可塑剤はブチルベンジルフタレートである。
【0084】
必要に応じて、ラッカーは、金属乾燥剤、キレート剤またはそれらの組合せを含有することが可能である。適する有機金属乾燥剤には、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、タル油酸鉛、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸鉄、ナフテン酸リチウム、ナフテン酸鉛、オクテン酸ニッケル、オクテン酸ジルコニウム、オクテン酸コバルト、オクテン酸鉄、オクテン酸亜鉛、およびジブチル錫ジラウレートなどのアルキル錫ジラウレートが挙げられる。適するキレート剤には、アルミニウムモノイソプロポキシドモノベルサテート、アルミニウム(モノイソプロピル)フタレート、アルミニウムジエトキシエトキシドモノベルサテート、アルミニウムトリセカンダリーブトキシド、アルミニウムジイソプロポキシドモノアセト酢酸エステルキレートおよびアルミニウムイソプロポキシドが挙げられる。
【0085】
ラッカーが自動車およびトラックの外部のためのクリアコートとして使用される場合、紫外線安定剤または紫外線安定剤と吸収剤との組合せをバインダーの全重量の重量を基準にして約0.1〜5重量%を添加して組成物の耐候性を改良することができる。これらの安定剤には、紫外線吸収剤、スクリーナー、脱活性化剤および特定のヒンダードアミン光安定剤などがある。また、バインダーの全重量を基準にして、酸化防止剤を約0.1〜5重量%添加することができる。前述の安定剤の多くはCiba Specialty Chemicals(Tarrytown,New York)によって供給される。
【0086】
前述の添加剤のさらなる詳細は、米国特許第3,585,160号明細書、米国特許第4,242,243号明細書、米国特許第4,692,481号明細書、および米国再発行特許第31,309号明細書(その内容を参照によって本願明細書に援用するものとする)において提供される。
【0087】
顔料
必要に応じて、新規な組成物を着色して着色モノコート、ベースコート、プライマーまたはプライマーサーフェーサーを形成することができる。概して、顔料は、0.1/100〜200/100の顔料対バインダーの重量比(P/B)、好ましくは、ベースコートのために1/100〜50/100のP/Bにおいて使用される。プライマーまたはプライマーサーフェーサーとして使用される場合、より高レベルの顔料、例えば、50/100〜200/100が使用される。サンドグラインディング、ボールミル粉砕、磨砕機グラインディング、二本ロールミル粉砕などの従来の技術を用いて顔料を添加して顔料を分散させることができる。ミルベースは薄膜形成成分とブレンドされる。
【0088】
以下のような、コーティング組成物中で使用される従来の顔料のいずれも組成物中で利用することができる、すなわち、金属酸化物、金属水酸化物、金属フレーク、クロム酸鉛などのクロム酸塩、硫化物、硫酸塩、炭酸塩、カーボンブラック、シリカ、タルク、チャイナクレー、フタロシアニンブルーおよびグリーン、オルガノレッド、オルガノマローン、真珠光沢顔料および他の有機顔料および染料。必要に応じて、クロム酸塩を含有しない顔料、例えばメタホウ酸バリウム、リン酸亜鉛、三リン酸アルミニウムおよびそれらの混合物も使用することができる。
【0089】
適するフレーク顔料には、ブライトアルミニウムフレーク、極微細アルミニウムフレーク、中粒子サイズアルミニウムフレークおよびブライト中粗アルミニウムフレークの他、パール顔料としても知られている二酸化チタン顔料が被覆されたマイカフレークが挙げられる。適する着色顔料には、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラック、モノアゾレッドトナー、赤酸化鉄、キナクリドンマローン、透明赤酸化物、ジオキサジンカルバゾールバイオレット、鉄ブルー、インダントロンブルー、クロムチタネート、チタニウムイエロー、モノアゾパーマネントオレンジ、フェライトイエロー、モノアゾベンズイミダゾロンイエロー、透明イエロー酸化物、イソインドリンイエロー、テトラクロロイソインドリンイエロー、アンタントロンオレンジ、鉛クロメートイエロー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、ペリレンマローン、キナクリドンバイオレット、プレダークンドクロムイエロー、チオインジゴレッド、透明赤酸化物チップ、モリブデートオレンジおよびモリブデートオレンジレッドが挙げられる。
【0090】
液体キャリア
本発明のラッカーはさらに、典型的に、少なくとも1つの揮発性有機溶剤を液体キャリアとして含有して上記の成分を分散および/または希釈し、所望の性質を有するコーティング組成物を形成することができる。溶剤または溶剤ブレンドは典型的に、芳香族炭化水素、例えば石油ナフサまたはキシレン、ケトン、例えばメチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンまたはアセトン、エステル、例えばブチルアセテートまたはヘキシルアセテート、グリコールエーテルエステル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、およびアルコール、例えばイソプロパノールおよびブタノールからなる群から選択される。添加された有機溶剤の量は、所望の固形分レベル、所望のレオロジー(例えば、吹付け)性質、ならびにラッカーのVOCの所望の量に依存する。
【0091】
本発明のコーティングの全固形分レベルは、5〜95重量%の範囲、好ましくは7〜80重量%の範囲およびより好ましくは10〜60重量%の範囲で変化することができ、全てのパーセンテージは、コーティング組成物の全重量を基準にしている。
【0092】
任意の架橋成分
新規な組成物がクリアコーティング組成物として使用される場合、架橋成分は概して、自動車およびトラックトップコートのために必要とされる改良されたレベルの耐久性および耐候性を提供することが知られている。典型的に、ポリイソシアネートが架橋剤として使用される。適したポリイソシアネートは、平均して2〜10、あるいは2.5〜8、あるいはさらに3〜8のイソシアネート官能価を有する。典型的にコーティング組成物は、バインダーにおいて、架橋成分中のポリイソシアネートのイソシアネート基の、分岐状アクリルポリマーの架橋可能な基(例えば、ヒドロキシルおよび/またはアミン基)に対する比が0.25/1〜3/1、あるいは0.8/1〜2/1、あるいはさらに1/1〜1.8/1の範囲である。
【0093】
適したポリイソシアネートの例には、イソシアヌレート構造単位を有するポリイソシアネートなど、通常、使用される芳香族、脂肪族または脂環式ジ−、トリ−またはテトライソシアネートのいずれか、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートおよびイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジイソシアネートの2分子の付加物、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレチジオン、イソホロンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートのウレチジオン、メタ−テトラメチルキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート、およびジオール、例えばエチレングリコールなどがある。
【0094】
イソシアヌレート(isocyanaurate)構造単位を有するポリイソシアネート官能性付加物もまた使用することができ、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートの2分子の付加物、およびエチレングリコールなどのジオール、ヘキサメチレンジイソシアネートの3分子および水の1分子の付加物(Bayer Corporation(Pittsburgh,Pennsylvania)から商標Desmodur(登録商標)Nとして入手可能)、トリメチロールプロパンの1分子およびトルエンジイソシアネートの3分子の付加物(Bayer Corporationから商標Desmodur(登録商標)Lとして入手可能)、トリメチロールプロパンの1分子およびイソホロンジイソシアネートの3分子の付加物または化合物、例えば1,3,5−トリイソシアナトベンゼンおよび2,4,6−トリイソシアナトトルエン、およびペンタエリトリトールの1分子およびトルエンジイソシアネートの4分子の付加物が挙げられる。
【0095】
架橋成分を含有するコーティング組成物は好ましくは、硬化時に成分の架橋を強化するために1つ以上の触媒を含有する。概して、コーティング組成物は、バインダーを全重量を基準にして0.01〜5重量%含有する。
【0096】
ポリイソシアネートのために適した触媒には、1つ以上の錫化合物、第三アミンまたはそれらの組合せが挙げられる。適した錫化合物には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、オクタン酸第一錫、およびジブチル錫オキシドなどがある。ジブチル錫ジラウレートが好ましい。適した第三アミンにはトリエチレンジアミンなどがある。使用することができる1つの市販されている触媒は、Elf−Atochem North America,Inc.(Philadelphia,Pennsylvania)によって販売されたFastcat(登録商標)4202ジブチル錫ジラウレートである。酢酸などのカルボン酸を上記の触媒と共に使用して2成分コーティングの粘度安定性を改良してもよい。
【0097】
適用
使用中、新規な組成物の層は、典型的には吹付、静電吹付、ローラーコーティング、浸漬またはブラッシングなどの従来の技術によって基材に適用される。吹付けおよび静電吹付けは好ましい適用方法である。着色コーティング組成物として、例えば、ベースコートまたは着色トップコートとして使用されるとき、コーティング厚さは10〜85マイクロメートル、好ましくは12〜50マイクロメートルの範囲であってもよく、プライマーとして使用されるとき、コーティング厚さは、10〜200マイクロメートル、好ましくは12〜100マイクロメートルの範囲であってもよい。クリアコーティングとして使用されるとき、厚さは、25マイクロメートル〜100マイクロメートルの範囲である。コーティング組成物は周囲温度で乾燥させることが可能であるか、または適用すると約50℃〜100℃の範囲の高乾燥温度で約2〜60分にわたり乾燥させることが可能である。
【0098】
典型的なクリアコート/ベースコートの適用において、従来のクリアコーティング組成物の層は、吹付、静電吹付などの上記の従来の技術によって本発明の新規な組成物のベースコート上に適用される。一般に、ベースコートの層は、クリアコーティング組成物の適用の前に周囲温度または高温下で1分〜2時間にわたりフラッシュされるかまたは上に示された高温において乾燥される。適するクリアコーティング組成物には、12305S「ChromaPremier」(登録商標)アクティベータなどの活性剤とブレンドされた72200S「ChromaPremier」(登録商標)プロダクティブクリアなどの二液型イソシアネート架橋組成物、または194S「Imron Select」(登録商標)アクティベータで活性化された3480S低VOCクリア組成物を挙げることが可能である。1782Sコンバータで活性化され、1775S Mid−Temp Reducerとブレンドされた1780S Iso−Free Clearcoatなどの無イソシアネート架橋クリアコーティング組成物も適する。適するクリアラッカーには、480S低VOC Low VOC Ready to Spray Clear組成物を挙げることができる。前述したすべてのクリアコーティング組成物はDuPont(E.I.Dupont de Nemours and Company,Wilmington,DE)によって供給されている。
【0099】
本発明のコーティング組成物がポリイソシアネートなどの架橋剤を含有する場合、コーティング組成物は、第一液が分岐状アクリルポリマーを含有し第二液がポリイソシアネートなどの架橋成分を含有する二液型コーティング組成物の形で供給することができる。概して、第一および第二液は別個の容器に貯蔵され、使用前に混合される。容器は好ましくは、貯蔵中の分解を防ぐために密封される。混合は、例えば、混合ノズル内または容器内で行われてもよい。架橋成分が、例えば、ポリイソシアネートを含有するとき、硬化工程は周囲条件下で行われてもよく、もしくは必要に応じて、それは高温の焼成温度において行われてもよい。
【0100】
二液型コーティング組成物については、二液を使用する直前または使用する5〜30分前に混合してポットミックス(potmix)を形成する。ポットミックスの層は典型的に、上記の従来の技術によって基材に適用される。クリアコーティングとして使用される場合、電着コーティングプライマー、プライマーサーフェーサーおよびベースコートなどの他のコーティング層でしばしばプレコートされる、自動車ボディーなどの金属基材の上に層が適用される。二液型コーティング組成物は周囲温度において乾燥および硬化されてもよく、または80℃〜160℃の範囲の焼成温度において10〜60分間、適用時に焼成されてもよい。また、混合物は顔料を含有することができ、モノコートまたはベースコート層としてプライマー処理基材の上にまたはプライマー層として適用することができる。
【0101】
本発明のコーティング組成物は、様々な基材上にコーティングを提供するために適している。本発明のコーティング組成物を適用するための、予めプライマー処理されるかまたは封止されるかもしくはされなくともよい典型的な基材には、自動車ボディー、自動車下請によって製造または塗装されたすべての、あらゆる品目、フレームレール、飲料ビン、ユーティリティボディー、生コンクリート供給車ボディー、廃棄物輸送車ボディー、および消防および救急車ボディーなどを含めるがそれらに限定されない商用トラックおよびトラックボディー、並びにかかるトラックボディー、バスに対するいずれかの可能性がある取付物または部材、農場および建設設備、トラックキャップおよびカバー、商用トレーラ、コンシューマートレーラの他、住居付き自動車、キャンパー、コンバージョンバン、バン、娯楽用車、娯楽用クラフトスノーノイズモビール、全地形型車両、噴流推進式個人用ボート、オートバイ、自転車、ボート、およびエアクラフトなどを含めるがそれらに限定されないレクリエーション用車両などがある。基材にはさらに、新しい工業用および商用構造物およびそのメンテナンス、セメントおよび木製床、オフィスビルおよび住宅などの商用の居住用構造体の壁、遊園地設備、駐車場およびドライブウエーなどのコンクリート表面、アスファルトおよびコンクリート路面、木材基材、海面、橋、塔などの屋外の構造体、コイルのコーティング、鉄道車両、プリント回路基板、機械、OEMツール、記号、グラスファイバー構造体、スポーツ用品、ゴルフボール、およびスポーツ設備などがある。
【0102】
また、本発明の新規な組成物は、工業およびメンテナンスコーティング用途においてクリアまたは着色コーティングとして適している。
【0103】
本発明のこれらのおよび他の特徴および利点は、以下の実施例から当業者によってさらに容易に理解されよう。実施例において、全ての部およびパーセンテージは、特に記載しない限り、重量を基準にしている。
【実施例】
【0104】
以下のABA’トリブロックコポリマーは以下のマクロモノマーから調製され、次いでラッカーコーティング組成物を形成するために使用される。
【0105】
実施例1
MAA/HEMA/ETEGMAマクロモノマーの調製、60/20/20重量%
この実施例は、水素結合を形成することができると共に本発明のトリブロックコポリマーのAブロック(外側のブロック)を形成するために使用できる、カルボキシル基、第一ヒドロキシル基、およびポリエチレンオキシド基を有するマクロモノマーの調製を示す。5リットルフラスコは、温度計、撹拌機、付加漏斗、加熱マンテル、還流冷却器および反応体の上に窒素ブランケットを維持する手段を備えた。フラスコを窒素正圧下に保持し、以下の成分を使用した。
【0106】

【0107】
部分1混合物をフラスコに入れ、混合物を還流温度まで加熱し、約20分間、還流した。部分2を調製するために、コバルト触媒を完全に溶解した。部分3を部分2に添加し、攪拌して開始剤を溶解した。部分2と部分3との混合物を210分かけてフラスコに供給し、他方、部分4を同時に180分かけてフラスコに供給し、反応混合物を、添加する間にわたって還流温度に保持した。還流をさらに1.5時間続け、溶液を室温に冷却し、入れた。
【0108】
得られたマクロモノマー溶液はライトイエローのクリアポリマー溶液であり、約36.2%の固形分およびPのGardner−Holtz粘度を有した。マクロモノマーは、GPC分析を容易にするためにカルボキシル基がメチル基によって保護された後、Mw6,390およびMn3,805を有した。
【0109】
実施例2
ABジブロックマクロモノマーBMA/MMA//MAA/HEMA/ETEGMAの調製、45/30//15/5/5重量%
この実施例は、上に調製されたマクロモノマーから、Bブロック(中心ブロック)が特定の官能基を有さず、Aブロック(末端ブロックの一方)がカルボキシル基、第一ヒドロキシル基、およびポリエチレンオキシド基を含有するジブロックマクロモノマーの調製を示す。
【0110】
5リットルフラスコを実施例1の場合と同様に備えた。フラスコを窒素正圧下に保持し、以下の成分を使用した。
【0111】

【0112】
部分1混合物をフラスコに入れ、混合物を還流温度まで加熱し、約10分間、還流した。反応混合物を還流温度に保持したまま、部分2を3時間かけて添加し、部分3を3.5時間かけて同時に添加した。反応混合物をさらに1.5時間、還流した。
【0113】
冷却した後、得られたマクロモノマー溶液はクリアポリマー溶液であり、約51.3%の固形分およびY+1/2のGardner−Holtz粘度を有した。GPC分析を容易にするためにカルボキシル基がメチル基によって保護された後、マクロモノマーはMw20,027およびMn8,578を有した。
【0114】
実施例3
ABA’トリブロックコポリマーの調製
この実施例は、上に調製されたマクロモノマーから、AおよびA’ブロックの両方にカルボキシル基、および第一ヒドロキシル基を含有し、中心のBブロックに特定の官能基を含有しない本発明のABA’トリブロックコポリマー、具体的には、メチルメタクリレート−コ−ブチルメタクリレート−コ−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−コ−メタクリル酸−b−ブチルメタクリレート−コ−メチルメタクリレート−b−メタクリル酸−コ−ヒドロキシエチルメタクリレート−コ−エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、32/22/7/4//15.75/10.5//5.25/1.75/1.75重量%の調製を示す。
【0115】
12リットルフラスコを実施例1の場合と同様に備えた。フラスコを窒素正圧下に保持し、以下の成分を使用した。
【0116】

【0117】
部分1混合物をフラスコに入れ、混合物を還流温度まで加熱し、約10分間、還流した。反応混合物を還流温度に保持したまま、部分2および3を3時間かけて同時に添加した。反応混合物を30分間、還流した。部分4を5分かけて添加し、反応混合物をさらに2時間、還流した。部分5を還流の終わりごろに添加した。
【0118】
冷却した後、得られたABA’トリブロックコポリマー溶液はわずかに曇り、約50.2%の固形分およびZ1のGardner−Holtz粘度を有した。トリブロックコポリマーは、Mw28,146およびMn12,176の分子量の比較的狭い分布を有し、示差走査熱量測定によって測定されたとき110℃の非常に高いTgを有した。
【0119】
実施例4
ABA’トリブロックコポリマーの調製
この実施例は、上に調製されたマクロモノマーから、一方の末端ブロックにウレア基、第一ヒドロキシル基、およびポリエチレンオキシド基を含有し、他方にカルボキシル基および第一ヒドロキシル基を含有し、中心のBブロックに特定の官能基を含有しない本発明のABA’トリブロックコポリマー、具体的には、メチルメタクリレート−コ−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)エチレンウレア−コ−ブチルメタクリレート−コ−ヒドロキシエチルメタクリレート−g−ブチルメタクリレート−コ−メチルメタクリレート−b−メタクリル酸−コ−ヒドロキシエチルメタクリレート−コ−エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、33/4/20/8//15.75/10.50//5.25/1.75/1.75重量%の調製を示す。
【0120】
12リットルフラスコを実施例1の場合と同様に備えた。フラスコを窒素正圧下に保持し、以下の成分を使用した。
【0121】

【0122】
部分1混合物をフラスコに入れ、混合物を還流温度まで加熱し、約10分間、還流した。反応混合物を還流温度に保持したまま、部分2および3を3時間かけて同時に添加した。反応混合物を30分間、還流した。部分4を5分かけて添加し、反応混合物をさらに30分間、還流した。部分5を5分かけて添加し、反応混合物を2時間、還流した。冷却した後、得られたトリブロックコポリマー溶液はわずかに曇り、約47.5%の固形分およびZ+1/2のGardner−Holtz粘度を有した。トリブロックコポリマーはMw30,291およびMn13,288を有し、示差走査熱量測定によって測定されたとき84.6CのTgを有した。
【0123】
実施例5
ABA’トリブロックコポリマーの調製
この実施例は、上に調製されたマクロモノマーから、一方の末端ブロックにカルボキシル基、第一ヒドロキシル基、およびポリエチレンオキシド基を含有し、他方にヒドロキシルおよび付加的な極性アセト酢酸基を含有し、中心のBブロックに特定の官能基を含有しない本発明のABA’トリブロックコポリマー、具体的には、メチルメタクリレート−コ−ブチルメタクリレート−コ−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−コ−2−アセトアセトキシエチルメタクリレート−b−ブチルメタクリレート−コ−メチルメタクリレート−b−メタクリル酸−コ−ヒドロキシエチルメタクリレート−コ−エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、33/16/8/8//15.75/10.5//5.25/1.75/1.75重量%の調製を示す。
【0124】
5リットルフラスコを実施例1の場合と同様に備えた。フラスコを窒素正圧下に保持し、以下の成分を使用した。
【0125】

【0126】
実施例4の手順を繰り返した。冷却した後、得られたABA’トリブロックコポリマー溶液はわずかに曇り、約51.5%の固形分およびZ1のGardner−Holtz粘度を有した。トリブロックコポリマーは、Mw29,472およびMn13,063の分子量の比較的狭い分布を有し、示差走査熱量測定によって測定されたとき110Cの非常に高いTgを有した。
【0127】
実施例6
ABA’トリブロックコポリマーの調製
この実施例は、上に調製されたマクロモノマーから、一方の末端ブロックにカルボキシル基、第一ヒドロキシル基、およびポリエチレンオキシド基を含有し、他方に第一ヒドロキシル基だけを含有し、中心のBブロックに特定の官能基を含有しない本発明のABA’トリブロックコポリマー、具体的には、メチルメタクリレート−コ−ブチルメタクリレート−コ−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−b−ブチルメタクリレート−コ−メチルメタクリレート−b−メタクリル酸−コ−ヒドロキシエチルメタクリレート−コ−エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、34/23/8//15.75/10.5//5.25/1.75/1.75重量%の調製を示す。
【0128】
5リットルフラスコを実施例1の場合と同様に備えた。フラスコを窒素正圧下に保持し、以下の成分を使用した。
【0129】

【0130】
部分1混合物をフラスコに入れ、混合物を還流温度まで加熱し、約10分間、還流した。反応混合物を還流温度に保持したまま、部分2および3を3時間かけて同時に添加した。反応混合物を30分間、還流した。部分4を5分かけて添加し、反応混合物をさらに2時間、還流した。
【0131】
冷却した後、得られたABA’トリブロックコポリマー溶液はわずかに曇り、約47.1%の固形分およびYのGardner−Holtz粘度を有した。トリブロックコポリマーは、Mw28,679およびMn12,546の分子量の比較的狭い分布を有し、示差走査熱量測定によって測定されたとき76.8Cの非常に高いTgを有した。
【0132】
ペイントの実施例
ペイントの実施例BC2〜5、BC7〜0および比較例BC1、BC6
以下の空気乾燥ラッカーベースコートを以下の予備ブレンドから調製し、次に試験した。
【0133】
以下の予備ブレンドをエアーミキサで製造し、使用する場合、激しく攪拌しながら酢酸酪酸セルロースをゆっくりと添加した。
【0134】

【0135】
成分をエアーミキサで一緒にブレンドして(ベースコートBC2〜BC5は比較例BC1のCAB固形分のグラム対グラム(gram for gram)の固形分の代用として実施例3〜6のトリブロックアクリルコポリマーを使用するが、BC7〜BC10は、比較例BC1のCABと従来のランダムアクリル樹脂との両方を、固形分のグラム対グラムに基づいて実施例3〜6のトリブロックアクリルコポリマーと取り換える)銀メタリックベースコートBC1〜BC10を形成した。
【0136】

【0137】

表の脚注
* 85/15重量比のキシレン/メチルエチルケトン (85/15) 混合物中59.6重量%の固形分のランダムアクリルコポリマー sty/mma/ibma/hema (15/20/45/20 重量比)を標準フリーラジカル重合手順によって調製した。
** Wax & Additives AC(登録商標) 405-Tは、Honeywell Specialty Chemicalsによって製造されたキシレン/n-ブチルアセテートの42.43/57.57重量比のブレンド中5.986重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー分散体である。
【0138】
銀ベースコートをDuPont ChromaSystem Tech Manualに明記されたDuPont(商標)ChromaPremier(登録商標)ベースコートのために用いられる適用指示に従って吹付けた。ベースコートをEcoatパネル(Powercron 590を被覆されたACT冷間圧延鋼04×12×032パネル)の上に隠れるまで吹付け、DuPont ChromaSystem Tech Manualの教示に従って3M(商標)Scotch−Brite(商標)7777Imperial(商標)Paint Prep Scuff Padで擦り傷をつけ、次にDuPont First Klean 3900S(商標)で拭き取り、次いでDuPont(商標) ChromaPremier(登録商標) 42440(商標)/42475S(商標) 2K Premier シーラーで被覆した。
【0139】
次に、DuPont ChromaSystem Tech Manualの教示に従ってベースコートをDuPont(商標)ChromaClear(登録商標)V−7500S(商標)Multi−Useでクリアコートした。ベースコート/クリアコートパネルをフラッシュし、次いで30分間、140°Fの炉内で焼成した。トップコートされたパネルを試験前にさらに7日間、空気乾燥させた。
【0140】
X−Rite,Inc.(Grandville,Michigan)によって製造されたDuPont ChromaVision Custom Color MA 100B計器によって記録されたベースコートだけのパネル上の色読取り値は以下の通りである(計算によるフロップ値)。
【0141】

【0142】
CABのグラム対グラムの代用を用いてトリブロックコポリマーのいずれも、色について同様に機能しなかった。しかしながら、本発明のトリブロックアクリルコポリマーが、CABを用いない場合のバインダーの主成分として用いられるとき(BC7〜10)、これらのパネルは、CABを有する比較例BC1のパネルと同等の色を生じた。また、比較例BC6の主なバインダー成分としての従来のランダムアクリル樹脂はCABを含有する比較例BC1に対して色(特にフロップ)について十分でないことは明らかであった。
【0143】
同じ計測器によって記録されたベースコート/クリアコートパネル上の色読取り値は以下の通りである。
【0144】

【0145】
以下は、ベースコートだけのパネル対ベースコート/クリアコートのパネルの色を比較する色読取り値である(ベースコートだけの読取り値からベースコート/クリアコート読取り値を差し引いたデルタは、パネルをクリアコートすることによって生じた割り込み(strike−in)のおよその量を示す)。
【0146】

【0147】
ベースコートだけのパネルで行われた観察に加えて、デルタ読取り値は、CABのグラム対グラムの代用としてトリブロックコポリマーのいずれも、CABの耐割り込み性(strike−in resistance)をもたらさなかったことを示す(CABを有するBC1対BC2〜BC5)。しかしながら、本発明のトリブロックコポリマーが、CABを用いない場合に主なバインダー成分として存在するとき(BC7〜BC10)、耐割り込み性は、CABを含有するベースコート(BC1)の耐割り込み性と同等であった。また、従来のランダムアクリル樹脂が、CABを用いない主なバインダー成分であったとき(BC6)、耐割り込み性は非常に不十分であった。
【0148】
以下の表は、パネルおよびストーンをチッピング前に最低2時間、フリーザー内に保持し、55度のパネル角度を用いて、ASTM−D−3170−87による「ドライチップ(Dry Chip)」グレイブロメーター(gravelometer)試験の結果を示す。各ベースコート/クリアコートは、1パイントまたは3パイントのストーンを用いて破損の等級および位置を示す。パネルおよびストーンをチッピング前に最低2時間、フリーザー内に保持し、55度のパネル角度を用いて、ASTM−D−3170−87によって「ウエットチップ(Wet Chip)」グレイブロメーター試験の結果も含まれる。「ウエットチップ」グレイブロメーター試験のために、パネルは、140°F×30分の焼成後に7日間空気乾燥された後に96時間、100%の相対湿度においてASTM−D−2247−92に従って湿潤キャビネット内で暴露された。
【0149】

表の脚注
BB=ベースコートの層間の破損
delam=ベースコートからのきれいなクリアコート離層 (ベースコートがクリアコートに付着しない)
【0150】
CABを含有する比較例BC1は著しいクリアコート離層を示したが、本発明の代用樹脂のいずれも、この欠陥を示さなかった(BC2〜BC5)。
【0151】

表の脚注
BB=ベースコートの層間の破損
delam=ベースコートからのきれいなクリアコート離層 (ベースコートがクリアコートに付着しない)
SE=シーラーとイーコート(Ecoat)との間の破損
【0152】
BC7〜BC10において本発明の実施例3〜6のトリブロックコポリマーを使用することによって、比較例BC6において従来のランダムアクリルコポリマーだけを使用する時に見られたクリアコート離層を除いた。
【0153】
以下の表は、96時間暴露した後の湿潤キャビネット試験の結果を示す(ASTMD2247−92試験 100%の相対湿度においてのコーティングの耐水性)−ASTMD3359−92A(テープ試験によって接着力を測定する)およびASTMD714−87(ブリスターリング)によるクロスハッチ接着力、グリッドハッチ接着力、およびブリスターリング。
【0154】

表の脚注
BB=ベースコートの層間の破損
delam=ベースコートからのきれいなクリアコート離層 (ベースコートがクリアコートに付着しない)
【0155】

表の脚注
BB=ベースコートの層間の破損
【0156】
CABを含有する比較例BC1は、ひどいクリアコート離層を示したが、CABのグラム対グラムの固形分の代用に基づいてまたはCABおよび従来のランダムアクリル樹脂を全て代用する、本発明の代用樹脂を有するベースコートBC2〜BC5およびBC7〜BC10のいずれも示さなかった。
【0157】
本発明の組成物および方法の様々な他の変更および改変、付加または代替例が本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに実施できることは、当業者には明白であろう。本発明は、本願明細書に示した例示的な実施態様によって限定されず、冒頭の特許請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーAブロックと、ポリマーBブロックと、ポリマーA’ブロックとを含有するABA’ブロックコポリマーを含むラッカーコーティング組成物であって、
(a)前記ポリマーAブロックが重合エチレン性不飽和モノマーからなり、
(b)前記ポリマーBブロックが重合エチレン性不飽和モノマーからなり、
(c)前記ポリマーA’ブロックが重合エチレン性不飽和モノマーからなり、さらに、
前記AおよびA’ブロックが同じかまたは類似の組成を有し、前記Bブロックが前記AおよびA’ブロックと異なった組成を有し、
互いに相互作用して可逆網目を形成することができる1つ以上の官能基の存在によって、前記AおよびA’ブロックが前記Bブロックと異なり、
前記官能基が、カルボン酸、ヒドロキシル、ウレア、アミド、およびエチレンオキシド基、およびそれらのいずれかの混合物からなる群の少なくとも1つから選択される、ラッカーコーティング組成物。
【請求項2】
前記コポリマーの前記Bブロックが非官能性ブロックであり、官能基を本質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記AおよびA’ブロックを形成するために用いられる前記モノマーの少なくとも1重量%が、相互作用する官能基を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記官能性ブロックAおよびA’を形成するために用いられる前記モノマーの約5〜60重量%が、相互作用する官能基を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ブロックが、それらの単一末端位置において各々、所与の順序で互いに線状に結合される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記ブロックコポリマーが主にアクリルまたはメタクリルモノマーまたはそれらの混合物から製造される、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記ABA’ブロックコポリマーが、触媒連鎖移動剤としてコバルトを用いるマクロモノマー方法によって調製される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ブロックコポリマーがメタクリルモノマーから製造される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記網目形成基がカルボン酸基からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記ABA’ブロックコポリマーがABおよび/またはBA’ブロック間でテーパーをつけられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
薄膜形成バインダー約5〜90重量%および相応して揮発性有機液体キャリア約95〜10重量%を含むラッカーコーティング組成物であって、前記バインダーがABA’ブロックコポリマーを含有し、前記ブロックコポリマーが、約5,000〜200,000の重量平均分子量を有し、
(a)重合エチレン性不飽和モノマーのポリマーAブロックと、
(b)重合エチレン性不飽和モノマーのポリマーBブロックと、
(c)重合エチレン性不飽和モノマーのポリマーA’ブロックとを含有し、
各ブロックの重量平均分子量が少なくとも1,000であり、
前記AおよびA’ブロックが同じかまたは類似の組成を有し、前記Bブロックが前記AおよびA’ブロックと異なった組成を有し、
可逆網目を形成することができる1つ以上の官能基の存在によって前記AおよびA’ブロックがBブロックと異なり、
前記官能基が、カルボン酸、ヒドロキシル、ウレア、アミド、およびエチレンオキシド基、または上記の何れかの混合物からなる群の少なくとも1つから選択される、ラッカーコーティング組成物。
【請求項12】
前記ABA’ブロックコポリマーがABおよび/またはBA’ブロック間でテーパーをつけられる、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記ラッカーが、前記バインダーの一部としてアクリルポリマー、ポリエステル、高分岐状コポリエステルポリオール、アルキド樹脂、アクリルアルキド樹脂、酢酸酪酸セルロース、イミン化アクリルポリマー、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、ニトロセルロース、可塑剤またはそれらの組合せをさらに含む、請求項1または11に記載の組成物。
【請求項14】
前記ラッカーが、前記バインダーの一部として架橋剤をさらに含む、請求項1または11に記載の組成物。
【請求項15】
前記ラッカーが、金属乾燥剤、キレート剤、またはそれらの組合せをさらに含む、請求項1または11に記載の組成物。
【請求項16】
前記ラッカーが、顔料、フレークまたはそれらの組合せを同様に含む、請求項1または11に記載のラッカー。
【請求項17】
前記ABA’ブロックコポリマーがABおよび/またはBA’ブロック間でテーパーをつけられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
請求項1または11に記載のラッカーの層を表面上に適用する工程と、
前記層を乾燥させてコーティングを基材の表面上に形成する工程とを含む、コーティングを基材の表面上に形成するための方法。
【請求項19】
クリアコーティング組成物の層を前記ラッカーの前記層の上に適用する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ラッカーが着色ベースコート組成物である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記乾燥工程が周囲条件下で行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記乾燥工程が高温において行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記ラッカーが着色ベースコートまたはクリアコート組成物である、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
請求項18に記載の方法によって製造された、被覆された基材。

【公表番号】特表2008−546873(P2008−546873A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517019(P2008−517019)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/022990
【国際公開番号】WO2006/138311
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】