説明

レオロジー効果を有する尿素ウレタンを有機塩中で製造する方法

【課題】溶液が数ヶ月に渡って優れた保存安定性を示し、種々のバインダーに対して相溶性を有し、そのためより安定した状態で製品を使用できるチキソトロピック剤として有効な尿素ウレタン含有溶液を提供すること。
【解決手段】チキソトロピック剤として有効な尿素ウレタンを含有する溶液を製造する方法であって、一般構造R−OH[式中、Rは炭素原子数4〜22のn−アルキル基又はi−アルキル基、炭素原子数3〜18のアルケニル基、シクロアルキル基又はアラルキル基、或いは式Cm2m+1(O−Cn2nx−、Cm2m+1(OOC−Cv2vx−、又はZ−C64(O−Cn2nx−の基であり、ここでm=1〜22、n=2〜4、x=1〜15、v=4又は5であり、Zは炭素原子数1〜12のアルキル基である]で表されるモノヒドロキシ化合物を1.5〜5倍過剰のトリレンジイソシアネートと反応させる工程、反応混合物から未反応の前記トリレンジイソシアネートを除去する工程、並びに得られたモノイソシアネート付加物を式H2N−R'−NH2[式中、R'は、炭素数2〜12のアルキレン基やキシリレン基等]で表されるジアミンと反応させて尿素ウレタンを形成する工程を含み、少なくとも2種の構造的に異なるモノイソシアネート付加物を前記ジアミンと反応させることによって前記尿素ウレタンを形成し、前記少なくとも2種の構造的に異なるモノイソシアネート付加物と前記ジアミンとの反応をイオン性液体中で行うことを特徴とする方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チキソトロピック剤として有効な尿素ウレタン含有溶液を製造する方法に関する。この方法では、モノヒドロキシ化合物を過剰量のトリレンジイソシアネートと反応させ、反応混合物から未反応のトリレンジイソシアネートを除去し、さらに得られたモノイソシアネート付加物をイオン性液体中でジアミンと反応させて、尿素ウレタンを形成する。本発明はさらに、被覆材料にチキソトロピー性を付与するために該溶液を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体被覆系のレオロジーの制御には、現在もなお、主に有機変性したベントナイト、シリカ、水素化ヒマシ油、及びポリアミドワックスが用いられる。これらの物質は通常乾燥固体であるため、溶媒を用いて半製品へとせん断分解し、特別な温度制御下で液体被覆系に組み込む必要があるという欠点を有する。適切な温度を保持しないと、被覆系最終製品内で微結晶が形成され、塗膜の欠陥となる。
【0003】
このようなレオロジー助剤は、全般的に、無色透明な塗膜中で曇りやくすみを引き起こすという欠点を有する。また、乾燥粉体を用いると加工中に粉塵を生じ得るため望ましくない。
【0004】
特許文献1の欧州特許出願は、他のレオロジー調節溶液を示している。該文献では、被覆樹脂溶液の存在下でイソシアネートをアミンと反応させ、非常に微細に分散した形態の針状結晶を形成する尿素が形成される。このように変性した被覆バインダーは、垂れ調節剤(sag control agent)として知られ、レオロジー調節及び垂れ防止の機能を有する。この製品は常にその製造に用いたバインダーに結合したままであり、そのため、後に被覆材最終製品を一般的手法により改良することができないという欠点がある。
【0005】
特許文献2の欧州特許には、上記問題をある程度解決できるチキソトロピック剤の調製方法が記載されている。この方法では、非プロトン性溶媒中、リチウム塩の存在下で、イソシアネート付加物とポリアミンを反応させて尿素ウレタンを調製する。しかしながら、この方法で調製した製品は2つの重大な欠点を有する。第一に、この合成方法ではチキソトロピック剤の構造が不明確である。したがって、この製品は沈降しやすい傾向があり、溶液状態に保持することが非常に困難である。第二に、この方法で得られるチキソトロピック剤は、同一の構造を有するモノイソシアネート付加物のみがジアミンと反応する点でさらに不利である。これにより、使用する被覆系への相溶性が制限され、ゲル化や深刻な曇りを引き起こし、さらにはレオロジー効果が悪化する。
【0006】
上記従来技術から進展して、特許文献3は、構造を確定でき、溶液が数ヶ月に渡って優れた保存安定性を示し、著しく多くのバインダーに対して相溶性を有し、そのためより安定した状態で製品を使用できるチキソトロピック剤を示している。このチキソトロピック剤は、非プロトン性媒体〔特にN−メチルピロリドン(NMP)〕中で、大量のリチウム塩(特に塩化リチウム)の存在下で調製される。
【0007】
しかしながら、上記N−メチルピロリドンとリチウム塩は共に、使用上の問題を有する。一般に、特許文献3の欧州特許明細書に記載のN−メチルピロリドン及び他の溶媒は毒物学者に安全と認識されておらず、そのため被覆系での使用には適さない。また、リチウム塩や他の金属塩の使用が必須であり、これらは有機溶媒への溶解性が限られるという問題がある。この塩の使用量は尿素ウレタン合成に要する付加物の量に比例するため、該塩が一部沈降するという厄介な事態を回避しながらより高い濃度の製品溶液を得ることは不可能である。尿素ウレタン溶液の濃度が高いほど製造や保管に有利である。また、塩化リチウムを用いる場合は、被覆材料に該塩化リチウムを含むチキソトロピック剤を使用すると、腐食しやすい基体を被覆した際に基体が損傷することが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP−A−0198519
【特許文献2】EP−B−0006252
【特許文献3】EP−B−1188779
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、上記特許文献3の欧州特許明細書を鑑み、本発明は、構造を確定でき、溶液が数ヶ月に渡って優れた保存安定性を示し、著しく多くのバインダーに対して相溶性を有し、そのため、より安定した状態で製品を使用できるという上記チキソトロピック剤の利点を維持しつつ、リチウム塩とN−メチルピロリドン又は同様に有害な溶媒の使用に起因して製造中や保管中に生じる問題を回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
特許文献3の欧州特許明細書に開示された方法において、特定非プロトン性溶媒のみならず使用したリチウム塩をもイオン性液体に置き換えると、意外にも上記問題を解決できることを発見した。
【0011】
イオン性液体は比較的高分子量であり、イオノゲン特性を有し、そのため通常は実質的に又は完全に不揮発性であり、したがって、揮発性有機化合物を含まないと考えられる。イオン性液体中のカチオンとアニオンは非常に多様な組み合わせが可能であり、イオン性液体を形成する際にカチオンとアニオンを適当に選択することで、様々な異なるバインダー系への相溶性を調節し、それにより保存安定性を改善し、NMP溶媒系と金属塩とを用いる場合よりも極めて優れた効果を得ることが可能である。これは金属塩の有機溶媒への溶解性が非常に限定されるためである。イオン性液体を用いることで、意外にも良好な保存安定性と共にチキソトロピック剤の活性成分量も著しく増大できるというさらなる利点も得られる。
【0012】
したがって、本発明は、一般構造「R−OH」[式中、Rは炭素原子数4〜22のn−アルキル基又はiso−アルキル基、炭素原子数3〜18のアルケニル基、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基、炭素原子数5〜12のアラルキル基、或いは式Cm2m+1(O−Cn2nx−、Cm2m+1(OOC−Cv2vx−、又はZ−C64(O−Cn2nx−の基であり、ここでm=1〜22、n=2〜4、x=1〜15、v=4又は5であり、Zは炭素原子数1〜12のアルキル基である]で表される少なくとも2種の構造的に異なるモノヒドロキシ化合物を1.5〜5倍過剰のトリレンジイソシアネートと反応させてモノイソシアネート付加物を形成させる工程、反応混合物から未反応のトリレンジイソシアネートを除去する工程、並びに得られたモノイソシアネート付加物を式H2N−R'−NH2[式中、R'は、基Co2o(o=2〜12)、(Cp2p−O)q−Cp2p(p=2〜4、q=1〜25)、
【0013】
【化1】

【0014】
【化2】

【0015】
或いはこれらの混合物に相当する]で表されるジアミンとイオン性液体中で反応させて、少なくとも2種の異なるR基を有する尿素付加物を形成させる工程を含む方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本方法では溶媒安定化リチウム化合物を使用する必要が無いため、このような化合物がチキソトロピック剤(即ち、尿素ウレタン溶液)中に存在することが無く好ましい。また、モノイソシアネート付加物とジアミンとの反応では、イオン性液体とは別に、他のさらなる溶媒(特に毒物学者に安全であると認識されていない溶媒)を使用しないことが好ましい。イオン性液体以外のさらなる溶媒(特に毒物学者に広く安全であると認識されている溶媒)を用いる場合は、全溶媒の総重量に対するさらなる溶媒の量は20重量%未満であることが好ましい。このような溶媒を用いる場合は非プロトン性溶媒が好ましい。さらに、本発明の方法で得られるチキソトロピック剤は、ハロゲン化物(特に塩化物)を含まないことが好ましい。
【0017】
本発明の方法では、原理上、チキソトロピック剤として有効な尿素ウレタン含有溶液を下記2通りの手法によって得ることができる。
【0018】
a)一方の手法では、まず少なくとも2種の構造的に異なるアルコール「R−OH」を混合し、続いてそれらを1.5〜5倍過剰のトリレンジイソシアネートと反応させる。従来法により穏やかな条件下で反応混合物から未反応のトリレンジイソシアネートを除去した後、得られた複数の構造的に異なるモノイソシアネート付加物の混合物をイオン性液体中でジアミンと反応させ、尿素ウレタンを形成させる。
【0019】
b)他方の方法では、まず少なくとも2種の構造的に異なるアルコール「R−OH」をそれぞれ別々に1.5〜5倍過剰のトリレンジイソシアネートと反応させる。従来法により穏やかな条件下で反応混合物から未反応のトリレンジイソシアネートを除去し、得られた複数の構造的に異なるモノイソシアネート付加物を互いに混合する。その後、この複数の構造的に異なるモノイソシアネート付加物の混合物をイオン性液体中でジアミンと反応させ、一般構造(II)の尿素ウレタンを形成させる。
【0020】
複数の構造的に異なるモノイソシアネート付加物の混合物において、複数のモノイソシアネート付加物のモル分率の合計を100%としたとき、各モノイソシアネート付加物のモル分率は、20〜80%、好ましくは35〜65%、より好ましくは45〜55%である。
トリレンジイソシアネートの量は、好ましくは1.5〜5.0倍モル過剰、より好ましくは2.0〜4.0倍モル過剰である。
【0021】
このように得られる尿素ウレタン溶液の固形分は、溶液の総重量に対して、5〜80重量%、好ましくは20〜60重量%、より好ましくは25〜50重量%である。ここで「固形分」は、上記アミンとイソシアネートモノ付加物の重量百分率の合計から計算した尿素ウレタン含量を意味する。
【0022】
モノイソシアネート付加物の調製に用いるアルコール「R−OH」としては、直鎖状又は分岐状で飽和又は不飽和の一級アルコール(n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、イソトリデシルアルコール、鎖長C10〜C20のゲルベアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール等)が好ましいが、脂環式アルコール(シクロヘキサノールやそのアルキル置換誘導体等)や芳香族置換アルカノール(ベンジルアルコール等)も適している。
【0023】
特に、上記アルコールのアルコキシル化誘導体は極性調節に適している。この場合のアルコキシル化の出発成分としては、炭素原子数1〜6の低級アルコール(メタノール、アリルアルコール等)も有用である。得られる生成物は、鎖中にエチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位、ブチレンオキシド単位、及び/又はスチレンオキシド単位を含むのが好ましく、これら単位を交互に又はブロック状に含んでよい。エチレンオキシド単位及び/又はプロピレンオキシド単位を含むのが特に好ましい。アルコキシル化に有用な出発成分としては、さらに芳香族アルコール(フェノール、アルキルフェノール等)も挙げられる。
【0024】
本発明の尿素ウレタンを当技術分野で用いられる様々なバインダーに相溶可能とするために、例えば、上記アルコール又はアルコキシル化アルコールにラクトン(ε−カプロラクトン等)を付加したり、ヒドロキシル官能性(メタ)アクリレートを用いることによって、アルコール成分にエステル基又はポリエステル基を導入してもよい。
【0025】
モノイソシアネート付加物の形成に用いるジイソシアネートは、基本的には、一般的な公知の異性体分布を有するトリレンジイソシアネートである。余剰のジイソシアネートを蒸留分離すると、異性体含量が変化し、2,6−トリレンジイソシアネートの比率が市販品の通常の比率よりも高くなっている場合がある。このような蒸留物をさらにモノ付加物の製造に再利用してもよい。トリレンジイソシアネート異性体混合物の2,4−異性体含量は50〜100モル%であるのが好ましい。
【0026】
式H2N−R'−NH2のジアミンは、基本的には、2〜12個の炭素原子からなる炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状の線状ジアミン(1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ジアミノドデカン、ネオペンタンジアミン等)である。また、環状ジアミン(4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等)も適している。芳香族−脂肪族ジアミン(メタ−又はパラ−キシリレンジアミン等)は特に好ましい。尿素形成中に混合物としてジアミンを用いることもできる。なぜなら、溶液中で尿素ウレタンが結晶化するのを抑制するからである。
【0027】
本発明の方法で得られる尿素ウレタンは、フリーのイソシアネート基及びフリーのアミノ基を含まない。ここで、「イソシアネート基及びアミノ基を含まない」とは、残留イソシアネート基濃度がモノ付加物の使用量に対して0.01%未満であり、一級アミノ基濃度がジアミンの使用量に対して0.05%未満であることを意味する。NCO基及びNH2基の濃度は滴定によって決定できる。このため、該尿素ウレタンは通常は生理学者に安全であると見なされる。また、バインダーや充填剤と有害な二次反応を引き起こすことも無い。この尿素ウレタン溶液の保存安定性は非常に高く、標準的な保存温度では12ヶ月以上に達する。さらに、尿素ウレタン溶液は多様なバインダーに対して相溶性を有し、そのため安定した状態でチキソトロピック剤を使用できる。
【0028】
モノイソシアネート付加物の混合物とジアミンとの反応をイオン性液体中で行う。ここで「イオン性液体」は、融点が80℃未満(好ましくは50℃未満、より好ましくは30℃未満、さらに好ましくは20℃未満)の有機塩又は有機塩混合物を意味する。イオン性液体は室温(25℃)で液状であることが特に好ましい。
【0029】
イオン性液体を遷移金属触媒反応の溶媒として用いる方法については、既に幾つかの文献に記載されている(総説:ウェルトン(T. Welton)、ケミカル・レビューズ(Chem. Rev.)、1999年、第99巻、第2071頁)。テトラフルオロホウ酸アニオン等を含むイオン性液体中でのオレフィン水素化については、ロジウム(I)を用いた例(スアレス(P. A. Z. Suarez)、デュリウス(J. E. L. Dullius)、アインロフト(S. Einloft)、デ・ソウザ(R. F. de Souza)、及びデュポン(J. Dupont)、ポリヘドロン(Polyhedron)、第15/7巻、1996年、第1217〜1219頁)や、ルテニウム(II)錯体及びコバルト(II)錯体を用いた例(スアレス、デュリウス、アインロフト、デ・ソウザ、及びデュポン、インオルガニカ・ケミカ・アクタ(Inorganica Chimica Acta)、第255巻、1997年、第207〜209頁)が既に成功している。弱配位性アニオン(PF6-、BF4-等)を含むイオン性液体中での官能化又は非官能化オレフィンのヒドロホルミル化は、ロジウム触媒を用いることで達成されている(EP−A−0776880、ショーバン(Y. Chauvin)、ムスマン(L. Mussmann)、及びオリビエ(H. Olivier)、アンゲヴァンテ・ケミー・インターナショナル・エディション・イン・イングリッシュ(Angew. Chem., Int. Ed. Engl.)、1995年、第34巻、第2698頁、ケイム(W. Keim)、フォークト(D. Vogt)、ヴァッフェンシュミット(H. Waffenschmidt)、及びワッセルシャイト(P. Wasserscheid)、ジャーナル・オブ・キャタリシス(J. of Cat.)、1999年、第186巻、第481頁)。
【0030】
[A]+[Y]-型の二成分イオン性液体は、例えば二段階法を用いて合成できる(ウィルクス(J. S. Wilkes)及びザウォロッコ(M. J. Zaworotko)、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティ・ケミカル・コミュニケーションズ(J. Chem. Soc., Chem. Commun.)、第13巻、1992年、第965頁)。第一段階では、アルキル化試薬RXとアミンNR123又はホスファンPR123とを用いて四級化反応を行い、有機アンモニウム塩[NR123R]+-又は有機ホスホニウム塩[PR123R]+-を形成する。通常、X-はハロゲン化物イオンである。この有機ハロゲン化物塩を単離し、次の第二反応段階で、M+[Y]-型のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩との交換反応を行う。この反応は、合成するイオン性液体[A]+[Y]-が易溶性を示し、一方で副生成物M+-が難溶性を示すような溶媒中で行う。ハロゲン化物アニオンを含むイオン性液体を得る場合、第一段階の後で合成を中断してもよい。
【0031】
この二段階法は、例えば、[BF4-イオン、[PF6-イオン、酢酸イオン、硝酸イオン、HSO4-イオン、又はSO42-イオンを含むイオン性液体の調製に、既に成功裏に用いられている(ウィルクス及びザウォロッコ(M. J. Zaorotko)、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティ・ケミカル・コミュニケーションズ、第13巻、1992年、第965頁、エリス(B. Ellis)、WO9618459A1、960620、1996年、フラー(J. Fuller)、カルリン(R. T. Carlin)、デ・ロング(H. C. de Long)、及びハワース(D. Haworth)、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティ・ケミカル・コミュニケーションズ、第3巻、1994年、第299頁)。
【0032】
このような形態の反応では、反応系が交換条件下において完全に無水条件でないと、ハロゲン化物塩[NR123R]+-又は[PR123R]+-の交換反応によって、所望のイオン性液体[NR123R]+[Y]-又は[PR123R]+[Y]-を定量的に得られないという問題がある。特に理想的にハロゲン化物を含まないイオン性液体を調製する場合には、この問題は重要である。
【0033】
ハロゲン化物イオンは、本発明のチキソトロピック剤の様々な用途において、ある用途においては腐食促進剤として作用し、また他の用途においては触媒毒として作用するため、不利である。したがって、ハロゲン化物アニオンを含まないイオン性液体を用いて本発明のチキソトロピック剤を製造するのが特に有利である。「ハロゲン化物を含まない」とは、イオン性液体がアニオンとして有意な量のハロゲン化物イオンを含まないことを示す。イオン性液体の総重量に対するハロゲン化物イオンの比率は、好ましくは0.1重量%未満、より好ましくは0.05重量%未満、最も好ましくは0.01重量%未満である。
【0034】
EP−A−1182197は、このような実質的に(ほぼ)ハロゲン化物を含まないイオン性液体を製造するための一段階法を開示している。この方法で得られる生成物も、本発明の方法において好ましい反応媒体として有用である。
【0035】
本発明の方法で用いられる特に好ましいイオン性液体は、一般式(I):
[A]n+[Y]n-
により表される。式中、nは1又は2である。アニオン[Y]n-は、テトラフルオロホウ酸イオン[BF4-、テトラクロロホウ酸イオン[BCl4-、リン酸イオン[PO43-、アルキルリン酸イオン[ROPO32-/[ROR'OPO2-、ヘキサフルオロリン酸イオン[PF6-、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン[SbF6-、ヘキサフルオロヒ酸イオン[AsF6-、テトラクロロアルミン酸イオン[AlCl4-、トリクロロ亜鉛酸イオン[ZnCl3-、ジクロロ銅酸イオン[CuCl2-、硫酸イオン[SO42-、アルキル硫酸イオン[R'−SO4-、炭酸イオン[CO32-、フルオロスルホン酸イオン、[R'−COO]-、[R'−SO3-、及び[(R'−SO22N]-からなる群から選ばれる。ここで、R及びR'はそれぞれ独立に炭素原子数1〜12の直鎖状又は分岐状の脂肪族又は脂環式アルキル基、C5〜C18アリール基、C5〜C18アリール−C1〜C6アルキル基、或いはC1〜C6アルキル−C5〜C18アリール基であり、これらの水素原子の全部又は一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。上述のとおり、アニオン[Y]n-は、[F]-、[Cl]-、[Br]-、[I]-等のハロゲン化物イオンであってもよいが、この場合は、チキソトロピック剤の用途によっては上記の問題(腐食)が付随することになる。
【0036】
カチオン[A]+は、好ましくは四級アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、及びN含有ヘテロ環カチオンから選ばれ、特に好ましくは下記構造:
【0037】
【化3】

【0038】
【化4】

【0039】
により表される。ここで、基R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、(i)直鎖状又は分岐状、飽和又は不飽和、且つ脂肪族又は脂環式であり、炭素原子数が1〜20であり、例えば炭素原子数1〜8のアルキル基及び/又はハロゲン基等で置換されていてもよく、また非置換であってもよいアルキル基、(ii)ヘテロアリール部位の炭素原子数が3〜8であり、N、O、及びSから選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を有し、ヘテロアリール部位がC1〜C6アルキル基及び/又はハロゲン原子から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよいヘテロアリール基及びヘテロアリール−C1〜C6アルキル基、(iii)アリール部位の炭素原子数が5〜12であり、少なくとも1つのC1〜C6アルキル基及び/又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよいアリール基及びアリール−C1〜C6アルキル基、(iv)直鎖状又は分岐状、且つ脂肪族、脂環式、及び/又は芳香族であり、炭素原子数が2〜40であり、1つ以上のヘテロ原子(N、O)が導入されており、例えば炭素原子数1〜8のアルキル基及び/又はハロゲン基等で置換されていてもよく、また非置換であってもよい炭化水素基、並びに(v)直鎖状又は分岐状であり、炭素原子数が2〜20であり、−O−C(O)−、−(O)C−O−、−NH−C(O)−、−(O)C−NH−、−(CH3)N−C(O)−、−(O)C−N(CH3)−、−S(O)2−O−、−O−S(O)2−、−S(O)2−NH−、−NH−S(O)2−、−S(O)2−N(CH3)−、及び−N(CH3)−S(O)2−から選ばれる1つ以上の官能基が導入されており、例えば炭素原子数1〜8のアルキル基及び/又はハロゲン基等で置換されていてもよく、また非置換であってもよい脂肪族炭化水素基、からなる群から選ばれる。上記基R1、R2、R3、R4、R5、又はR6上の水素原子が置換されている場合、その置換基は、ヒドロキシル基やアミノ基等のイソシアネート反応性基を含まない。
【0040】
本発明の特定の実施形態においては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、及びアルキルアリールスルホン酸基の上の水素原子は、ハロゲン原子(特にフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子)で置換されていてもよい。フッ素化アルキル基(特にペルフルオロ化アルキル基)及び上記アリールスルホン酸基[トリフルオロメタンスルホン酸基(トリフラート基)等]が特に好ましい。典型的な非ハロゲン化基としては、メタンスルホン酸基、ベンゼンスルホン酸基、及びトルエンスルホン酸基、並びに当技術分野で公知の他のあらゆるスルホン酸脱離基が挙げられる。
【0041】
本発明のさらなる実施形態においては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、及びアルキルアリールカルボン酸基の上の水素原子は、ハロゲン原子(特にフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子)で置換されていてもよい。フッ素化アルキル基(特にペルフルオロ化アルキル基)及び上記アリールカルボン酸基(トリフルオロメタンカルボン酸基(トリフルオロ酢酸基CF3COO-)等)が特に好ましい。典型的な非ハロゲン化基としては、酢酸基、安息香酸基、及び当技術分野で公知の他のあらゆるカルボン酸脱離基が挙げられる。
【0042】
通常、アルキル化剤RX中のハロゲン化物アニオンX-は、塩化物イオン、臭化物イオン、及びヨウ化物イオンからなる群から選ばれる。「アルキル化」という語は、アルキル化そのものに加えて、上記基によるアリールアルキル化やヘテロアリールアルキル化も包含する。
【0043】
イオン性液体のカチオンは、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピロリウムイオン、オキサゾリウムイオン、オキサゾリニウムイオン、イミダゾリウムイオン、チアゾリウムイオン、ホスホニウムイオン、又はこれらの混合物からなるのが好ましい。カチオンはイソシアネート基に対して化学的に不活性であるべきである。
【0044】
カチオンはイミダゾリウムイオン又はオキサゾリウムイオンからなるのが特に好ましい。
【0045】
アニオンは、アルキル硫酸イオン、アリール硫酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、アルキルリン酸イオン、アリールリン酸イオン、トシル酸イオン、アルキルホウ酸イオン、ハロホウ酸イオン(テトラフルオロホウ酸イオン等)、ハロアルミン酸イオン(テトラクロロアルミン酸イオン等)、カルボン酸イオン(酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン等)、過塩素酸イオン、及びこれらの混合物から選ばれるのが好ましい。
中でも、アルキル硫酸イオン、トシル酸イオン、及び酢酸イオンが特に好ましい。
【0046】
さらに本発明は、上記本発明の方法で得られる尿素ウレタン溶液を、被覆材料にチキソトロピー性を付与するために使用する方法を提供する。被覆材料としては、水性塗料、溶媒含有塗料、溶媒非含有塗料、PVCプラスチゾル、エポキシ系塗料、及び不飽和ポリエステル樹脂系塗料が好ましい。
【0047】
さらに本発明は、イオン性液体中に上記定義の非対称尿素ウレタンを含む溶液を提供する。
以下、典型的な実施形態を示し、本発明の方法の本質的な特徴を説明する。
【実施例】
【0048】
本実施例で使用するTDI及び一価アルコールから形成されたモノ付加物を表1に示す。これらモノ付加物の調製については、EP−B−1188779特許明細書に詳細に記載されている。本発明の実施例1〜3はEP1188779B1の例1〜3に対応し、本発明の実施例4〜6はEP1188779B1の例5〜7に対応する。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
<比較例(EP−B−1188779の例8と同様)>
15.9gのLiCl及び68gのm−キシリレンジアミンを、403gのN−メチルピロリドンに80℃で溶解する。その後、1時間以内に320gの混合物Aを計量する。添加完了後に混合物をさらに30分間攪拌し、室温に冷却する。このようにして得られる尿素ウレタン溶液は50%の固形分を有する。
【0052】
<実施例1(本発明)>
68gのm−キシリレンジアミンと690gのエチル硫酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウムとの混合物を調製し、60℃に加熱する。その後、1時間以内に472gの混合物Aを計量する。添加完了後に混合物をさらに30分間攪拌し、室温に冷却する。このようにして得られる尿素ウレタン溶液は50%の固形分を有する。透明で均質な液状生成物が得られる。
【0053】
<実施例2(本発明)>
68gのm−キシリレンジアミンと238gのエチル硫酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウムとの混合物を調製し、60℃に加熱する。その後、1時間以内に472gの混合物Aを計量する。添加完了後に混合物をさらに30分間攪拌し、室温に冷却する。このようにして得られる尿素ウレタン溶液は70%の固形分を有する。透明で均質な液状生成物が得られる。
【0054】
〔保存安定性〕
目視検査によって、試料の外観を時間の関数として評価する。結果を表3にまとめる。
【0055】
【表3】

【0056】
〔揮発性有機化合物濃度(VOC含量)の測定〕
各例で調製した5mgの尿素ウレタン溶液試料を20mlヘッドスペースバイアルに入れ、気密に封をする。このバイアル(高さ7cm、直径2cmのガラス管)を、100℃で1時間平衡化し、ガスクロマトグラフィーで分析する。保持時間の経過と共に溶出したC6〜C16のピークはいずれも検討する。以下の結果が得られる。
【0057】
【表4】

【0058】
この測定は、アジレント社製の7694ヘッドスペースサンプラーを用いて行う。
【0059】
〔性能試験結果〕
本発明の尿素ウレタン溶液の沈降防止効果を調べるために、顔料スラリーを調製し、3週間保管した後、沈降挙動を分析した。
顔料スラリーを調製するために、まず水、ブチルグリコール、及びディスパービック(Disperbyk)192の混合物を調製する。この混合物を攪拌下でメルク社製顔料イリオジン(Iriodin)9303ロイヤルゴールドWRIIに加える。その後、ディスパーマット(Dispermat)を用いて、せん断率2m/秒で2分間、再び攪拌下で本発明の尿素ウレタン溶液を再度加える。
【0060】
沈降挙動を評価するために、ガラス容器(高さ10cm、直径1.5cm)にスラリーを7.5cmの高さまで入れる。室温で3週間保管した後、その離漿性(シネレシス)を測定する。混合物中の各成分の相対分率を表5に示す。
【0061】
【表5】

【0062】
【表6】

【0063】
〔腐食作用〕
使用した添加剤の腐食作用を評価するために、表5に示す塗料をスズめっき缶に入れて密封した。6ヶ月後に缶を開け、缶の内壁の外観を目視検査により評価した。結果を表7に示す。
【0064】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
チキソトロピック剤として有効な尿素ウレタンを含有する溶液を製造する方法であって、一般構造R−OH[式中、Rは炭素原子数4〜22のn−アルキル基又はi−アルキル基、炭素原子数3〜18のアルケニル基、シクロアルキル基又はアラルキル基、或いは式Cm2m+1(O−Cn2nx−、Cm2m+1(OOC−Cv2vx−、又はZ−C64(O−Cn2nx−の基であり、ここでm=1〜22、n=2〜4、x=1〜15、v=4又は5であり、Zは炭素原子数1〜12のアルキル基である]で表されるモノヒドロキシ化合物を1.5〜5倍過剰のトリレンジイソシアネートと反応させる工程、反応混合物から未反応の前記トリレンジイソシアネートを除去する工程、並びに得られたモノイソシアネート付加物を式H2N−R'−NH2[式中、R'は、
o2o(o=2〜12)、
(Cp2p−O)q−Cp2p(p=2〜4、q=1〜25)、
【化1】

【化2】

或いはこれらの混合物に相当する]で表されるジアミンと反応させて尿素ウレタンを形成する工程を含み、少なくとも2種の構造的に異なる(前記R基が異なる)モノイソシアネート付加物を前記ジアミンと反応させることによって前記尿素ウレタンを形成し、前記少なくとも2種の構造的に異なるモノイソシアネート付加物と前記ジアミンとの反応をイオン性液体中で行うことを特徴とする方法。
【請求項2】
まず少なくとも2種の構造的に異なるアルコール「R−OH」を混合し、その後1.5〜5倍過剰のトリレンジイソシアネートと反応させ、反応混合物から未反応の前記トリレンジイソシアネートを除去し、このようにして得られた複数の構造的に異なるモノイソシアネート付加物の混合物をイオン性液体中で前記ジアミンと反応させて、前記尿素ウレタンを形成させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
まず少なくとも2種の構造的に異なるアルコール「R−OH」をそれぞれ別々に1.5〜5倍過剰のトリレンジイソシアネートと反応させ、反応混合物から未反応の前記トリレンジイソシアネートを除去し、このようにして得られた複数の構造的に異なるモノイソシアネート付加物を互いに混合し、この前記複数の構造的に異なるモノイソシアネート付加物の混合物をイオン性液体中で前記ジアミンと反応させて、前記尿素ウレタンを形成させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の構造的に異なるモノイソシアネート付加物の混合物において、前記モノイソシアネート付加物のモル分率の合計を100%としたとき、前記モノイソシアネート付加物のモル分率が20〜80%であることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
5〜80重量%の固形分を有する溶液を製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記トリレンジイソシアネートの量が2〜4倍モル過剰であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
50〜100重量%の2,4−異性体分率を有するトリレンジイソシアネート異性体混合物を使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記イオン性液体が25℃で液状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記イオン性液体が一般式(I):
[A]n+[Y]n-
[式中、nは1又は2であり、アニオン[Y]n-はテトラフルオロホウ酸イオン[BF4-、テトラクロロホウ酸イオン[BCl4-、リン酸イオン[PO43-、アルキルリン酸イオン[ROPO32-/[ROR'OPO2-、ヘキサフルオロリン酸イオン[PF6-、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン[SbF6-、ヘキサフルオロヒ酸イオン[AsF6-、テトラクロロアルミン酸イオン[AlCl4-、トリクロロ亜鉛酸イオン[ZnCl3-、ジクロロ銅酸イオン[CuCl2-、硫酸イオン[SO42-、アルキル硫酸イオン[R'−SO4-、炭酸イオン[CO32-、フルオロスルホン酸イオン、[R'−COO]-、[R'−SO3-、及び[(R'−SO22N]-からなる群から選ばれ、ここでR及びR'はそれぞれ独立に炭素原子数1〜12の直鎖状又は分岐状の脂肪族又は脂環式アルキル基、C5〜C18アリール基、C5〜C18アリール−C1〜C6アルキル基、或いはC1〜C6アルキル−C5〜C18アリール基であり、これらの水素原子の全部又は一部がハロゲン原子で置換されていてもよく、カチオン[A]+
【化3】

【化4】

からなる群から選ばれ、ここで基R1、R2、R3、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立に(i)直鎖状又は分岐状、飽和又は不飽和、且つ脂肪族又は脂環式であり、炭素原子数が1〜20であり、例えば炭素原子数1〜8のアルキル基及び/又はハロゲン基等で置換されていてもよく、また非置換であってもよいアルキル基、(ii)ヘテロアリール部位の炭素原子数が3〜8であり、N、O、及びSから選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を有し、ヘテロアリール部位がC1〜C6アルキル基及び/又はハロゲン原子から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよいヘテロアリール基及びヘテロアリール−C1〜C6アルキル基、(iii)アリール部位の炭素原子数が5〜12であり、少なくとも1つのC1〜C6アルキル基及び/又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよいアリール基及びアリール−C1〜C6アルキル基、(iv)直鎖状又は分岐状、且つ脂肪族、脂環式、及び/又は芳香族であり、炭素原子数が2〜40であり、1つ以上のヘテロ原子(N、O)が導入されており、例えば炭素原子数1〜8のアルキル基及び/又はハロゲン基等で置換されていてもよく、また非置換であってもよい炭化水素基、並びに(v)直鎖状又は分岐状であり、炭素原子数が2〜20であり、−O−C(O)−、−(O)C−O−、−NH−C(O)−、−(O)C−NH−、−(CH3)N−C(O)−、−(O)C−N(CH3)−、−S(O)2−O−、−O−S(O)2−、−S(O)2−NH−、−NH−S(O)2−、−S(O)2−N(CH3)−、及び−N(CH3)−S(O)2−から選ばれる1つ以上の官能基が導入されており、例えば炭素原子数1〜8のアルキル基及び/又はハロゲン基等で置換されていてもよく、また非置換であってもよい脂肪族炭化水素基、からなる群から選ばれる]で表されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の方法によって得られる前記溶液を、被覆材料にチキソトロピー性を付与するために使用する方法。
【請求項11】
請求項1で定義した前記尿素ウレタンをイオン性液体中に含む溶液。

【公表番号】特表2012−510434(P2012−510434A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537867(P2011−537867)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008043
【国際公開番号】WO2010/063358
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(598067245)ベーイプシロンカー ヘミー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング (30)
【Fターム(参考)】