レジストパターン形成方法及び撮像素子並びに撮像装置
【課題】選択的位置のレジスト膜とその下地との密着性を高め、非選択的位置のレジスト膜の残渣を減少させる。
【解決手段】下地1に第1レジスト材3を塗布し(工程1―1)、所望パターンとは逆パターンで第1レジスト材3をパターニングして前記下地の表面のうち前記所望パターンの表面を露出させ(工程1―2)、該下地の前記露出された表面を疎水化処理し(工程1―3)、該疎水化処理後に下地1から前記パターニングされた第1レジスト材3を除去(工程1―4)して下地1に第2レジスト材2を塗布し、(工程1―5)、第2レジスト材2を前記所望パターンでパターニングする(工程1―6)。
【解決手段】下地1に第1レジスト材3を塗布し(工程1―1)、所望パターンとは逆パターンで第1レジスト材3をパターニングして前記下地の表面のうち前記所望パターンの表面を露出させ(工程1―2)、該下地の前記露出された表面を疎水化処理し(工程1―3)、該疎水化処理後に下地1から前記パターニングされた第1レジスト材3を除去(工程1―4)して下地1に第2レジスト材2を塗布し、(工程1―5)、第2レジスト材2を前記所望パターンでパターニングする(工程1―6)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジストパターン形成方法及びこのレジストパターン形成方法でカラーフィルタ層を形成した撮像素子並びにこの撮像素子を搭載した撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路などの半導体装置を製造する場合、レジスト材を下地表面上に塗布し、このレジスト膜に所望パターンを露光し現像することで、所望パターン又は逆パターン(ネガ型かポジ型かで逆になる。)のレジスト膜が形成される。
【0003】
このとき、例えば下記の特許文献1に記載されている様に、レジスト材塗布前の下地表面全面をヘキサメチルジシラザン(HMDS)等を用いて疎水化処理することが行われる。下地表面が疎水性になると、下地表面とレジスト膜との密着性が改善され、レジスト膜が剥がれ難くなるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3-59559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体装置の一種であるCCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサ等の固体撮像素子にはカラーフィルタ層が積層され、被写体のカラー画像が撮像できるようになっている。このカラーフィルタ層はレジスト膜で形成されるが、例えば原色系カラーフィルタの場合には、R(赤)G(緑)B(青)の3色のカラーフィルタが用いられる。
【0006】
3色のカラーフィルタの配列パターンを形成する場合、例えば先ず、G色のレジスト膜が下地上に塗布されて露光と現像が行われ、R色,B色とする部分のG色レジスト膜が除去される。次いで、除去された部分をR色のレジスト膜で埋めてから露光と現像が行われ、B色とする部分が除去され、最後にB色のレジスト膜で残りの部分が埋められる。
【0007】
このとき、G色のレジスト膜を塗布する前に下地表面全面を特許文献1に記載されている様に疎水化してしまうと、R色,B色とする部分のG色レジスト膜を除去するとき、下地表面との密着性が高いために洗滌しただけでは完全に除去できず残渣が残る虞がある。残渣が残ると、R色やB色にG色が混じることになり、カラーフィルタの分光特性を劣化させ、撮像画像の品質を劣化させてしまう。
【0008】
本発明の目的は、レジスト膜の下地とレジスト膜との密着性を高めると共にレジスト膜の除去時の残渣を低減させることができるレジストパターン形成方法及びこのレジストパターン形成方法でカラーフィルタ層を形成した撮像素子並びにこの撮像素子を搭載した撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のレジストパターン形成方法は、下地に第1レジスト材を塗布し、所望パターンに対してネガとポジの関係にある逆パターンで前記第1レジスト材をパターニングして前記下地の表面のうち前記所望パターンの表面を露出させ、該下地の前記露出された表面を疎水化処理し、該疎水化処理後に該下地から前記パターニングされた前記第1レジスト材を除去して該下地に第2レジスト材を塗布し、該第2レジスト材を前記所望パターンでパターニングすることを特徴とする。
【0010】
本発明の固体撮像素子は、上記に記載のレジストパターン形成方法によりカラーフィルタの1色を前記第2レジスト材で形成したことを特徴とする。
【0011】
本発明の撮像装置は、上記の固体撮像素子を搭載したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、選択的位置のレジスト膜とその下地との密着性を高めることができるため、非選択的位置のレジスト膜の残渣を低減させることができ、このレジストパターン形成方法で製造した素子の性能を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮像装置の機能ブロック図である。
【図2】図1に示す固体撮像素子の表面模式図である。
【図3】図2の固体撮像素子の略1画素分の断面模式図である。
【図4】図3の固体撮像素子とは異なる形式の固体撮像素子の断面模式図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置(デジタルカメラ)の機能ブロック図である。この撮像装置20は、被写体光像を電気信号の撮像画像データに変換する固体撮像素子21と、固体撮像素子21から出力されるアナログの画像データを自動利得調整(AGC)や相関二重サンプリング処理等のアナログ処理するアナログ信号処理部22と、アナログ信号処理部22から出力されるアナログ画像データをデジタル画像データに変換するアナログデジタル変換部(A/D)23と、後述のシステム制御部(CPU)29からの指示によってA/D23,アナログ信号処理部22,固体撮像素子21の駆動制御を行う駆動制御部(タイミングジェネレータを含む)24と、CPU29からの指示によって発光するフラッシュ25とを備える。
【0016】
本実施形態のデジタルカメラは更に、A/D23から出力されるデジタル画像データを取り込み補間処理やホワイトバランス補正,RGB/YC変換処理等を行うデジタル信号処理部26と、画像データをJPEG形式などの画像データに圧縮したり逆に伸長したりする圧縮/伸長処理部27と、メニューなどを表示したりスルー画像や撮像画像を表示する表示部28と、デジタルカメラ全体を統括制御するシステム制御部(CPU)29と、フレームメモリ等の内部メモリ30と、JPEG画像データ等を格納する記録メディア32との間のインタフェース処理を行うメディアインタフェース(I/F)部31と、これらを相互に接続するバス40とを備え、また、システム制御部29には、ユーザからの指示入力を行う操作部33が接続されている。
【0017】
図2は、図1に示す固体撮像素子21の表面模式図である。この実施形態では、CCD型の固体撮像素子を例に説明するが、CMOS型でも、その他の形式の固体撮像素子でも良く、カラーフィルタ層が形成された固体撮像素子であれば良い。
【0018】
図2において、半導体基板の表面部には、複数のフォトダイオード(光電変換素子:画素)42が二次元アレイ状に配列形成されている。図示の例では、奇数行の画素行に対して偶数行の画素行が1/2画素ピッチづつずらして形成された所謂ハニカム画素配列となっているが、画素配列は正方格子配列でも良い。
【0019】
画素42で構成される各画素列に沿って垂直電荷転送路(VCCD)43が形成され、各垂直電荷転送路43の転送方向端部に沿って水平電荷転送路(HCCD)44が形成され、水平電荷転送路44の転送方向端部に、転送されてきた信号電荷の電荷量に応じた電圧値信号を撮像画像信号として出力するアンプ45が設けられている。
【0020】
各画素42上に記載されている「R」「G」「B」はカラーフィルタの色(R=赤、G=緑、B=青)を表しており、各画素42から左下転送電極に延びる矢印は、この電極が読出電極であることを示している。各画素42の上部には図示しないマイクロレンズ(トップレンズ)が形成されている。
【0021】
図3は、図2の略1画素分の断面模式図である。この固体撮像素子21は、n型シリコン基板51の表面部にpウェル層52が形成され、このpウェル層52の表面部に、pウェル層52との間でpn接合(フォトダイオード:光電変換素子)を構成するn領域53が形成される。
【0022】
図示の例では、n領域53の右脇に素子分離領域を構成するp領域54が形成され、n領域53の表面に、p領域54に連続する表面p層55が設けられる。pウェル層52には電荷転送路を構成するn領域(埋め込みチャネル)56も設けられる。
【0023】
これらの各領域52,53,54,55,56が形成された半導体基板51の最表面には、酸化シリコンでなるゲート絶縁膜60が積層され、その上に、フォトダイオード(n領域53)の受光面上に開口61aを有する遮光膜61が積層される。遮光膜61の下には、電荷転送路を構成する転送電極膜(ポリシリコン膜)62が絶縁層63を介して埋設される。
【0024】
遮光膜61の上には平坦化層65が積層され、その上にカラーフィルタ層66が積層され、最上部に、トップマイクロレンズ67が積層される。
【0025】
図4は、図3に示す固体撮像素子21とは異なる実施形態に係る固体撮像素子の断面模式図である。この固体撮像素子71は、光電変換膜積層型固体撮像素子であり、半導体基板72に形成される。
【0026】
この半導体基板72の表面部には、信号読出手段としてのMOS回路(図示省略)が画素毎に形成されている。信号読出手段は、電荷転送路と出力アンプからなるCCD型でも良い。
【0027】
半導体基板72の表面には絶縁層73が積層されると共に、この絶縁層73内に、配線層74が埋設される。この配線層74は、上層を透過して洩れてきた入射光が半導体基板上の信号読出回路等に入射しない様にする遮蔽板の機能も果たす。
【0028】
絶縁層73の表面には、画素毎に区分けされ上方から見たとき正方格子状に配列される複数の画素電極膜75が成膜されている。各画素電極膜75には、半導体基板72の表面にまで達する縦配線76が立設され、各縦配線76は、半導体基板72の表面に形成された図示しない信号電荷蓄積部に接続される。
【0029】
上記の画素毎の信号読出回路は、対応する信号電荷蓄積部に蓄積された信号電荷量に応じた信号を被写体画像信号として外部に読み出す様になっている。
【0030】
上面視したとき正方格子状に配列形成された複数の画素電極膜75の上には、光電変換機能を有する有機膜80が各画素電極膜共通に一枚構成で積層され、その上に、同様に一枚構成の透明な上部電極膜(対向電極膜,共通電極膜ともいう。)81が積層される。
【0031】
上部電極膜81は、端部において、絶縁層73の表面に露出する接続端子83と電気的に接続状態になっており、配線層74aを介して所要電圧が図示を省略した接続パッドから印加される様になっている。即ち、図1の駆動部24を電源として上部電極膜81と各画素電極膜75との間に所要の対向電圧(バイアス電圧)が印加される。
【0032】
上部電極膜81の上には保護層85が積層され、その上に平坦化層86が積層される。平坦化層86の上には、各画素電極膜75に対応するカラーフィルタ88が積層される。例えば三原色の赤(R)緑(G)青(B)のカラーフィルタがベイヤ配列される。
【0033】
斯かる固体撮像素子71では、被写体からの入射光を各色カラーフィルタ88を通して光電変換膜80が受光すると、光電変換膜80の各画素電極膜対応位置において受光量に応じた電子―正孔対が発生する。このうち一方の電荷、例えば電子を縦配線76を通して信号電荷蓄積部に蓄積し、対応する信号読出回路によって外部に撮像画像信号として取り出す。
【0034】
図3,図4を用い、異なる形式の2種類の固体撮像素子を説明したが、いずれの固体撮像素子21,71も、三原色のカラーフィルタR,G,Bを平坦化膜の上に積層している。勿論、カラーフィルタは補色系のカラーフィルタでも同様であるが、以下の実施形態では原色系カラーフィルタで説明する。
【0035】
原色系カラーフィルタを各画素の上部に積層する場合、全画素の1/2の画素の上にG色のカラーフィルタを形成し、残りの1/2の画素のうち半分づつをR色,B色のカラーフィルタとするのが普通である。
【0036】
そこで、先ず、カラーフィルタを積層する下地(平坦化層65,86)の上に、例えばG色のレジスト膜を塗り、R色カラーフィルタ及びB色カラーフィルタを設ける位置のG色レジスト膜を感光/現像して除去する。このとき、本実施形態に係るレジストパターン形成方法では、後述する工程手順により、G色レジスト膜の残渣が残らないようする。
【0037】
図5は、本発明の第1実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。図5(a)に示す様に、下地(図3の平坦化層65,図4の平坦化層86)1の上に、例えばG色カラーフィルタ2を離散的位置に形成する場合の工程順を図5(b)に示す。
【0038】
本実施形態は、下地1が無機層の場合に適用され、所望パターン(図5(a)の例ではG色カラーフィルタ2の配列パターン)をネガ型レジスト材で形成する例を説明する。
【0039】
先ず工程1―1で、下地1上に、G色カラーフィルタのレジスト型(ネガ型)と逆型のポジ型レジスト材3を塗布する。そして、工程1―2で、G色カラーフィルタ2の配列パターン(所望パターン)に対して逆パターンを用い露光,現像を行う。これにより、図5(a)のG色カラーフィルタ2の配列パターン間の凹部4に対応する位置にポジ型レジスト材3が残ることになる。
【0040】
逆パターンのマスクパターンは、所望パターンと同一のマスクパターンを用いることができ、所望パターンに形成するレジスト材がポジ型であれば逆パターンで形成するレジスト材をネガ型とすればよく、所望パターンに形成するレジスト材がネガ型であれば逆パターンで形成するレジスト材をポジ型とすれば良い。これは以下の実施形態でも同様であり、同一のマスクパターンを使えることで、低コスト化を図ることができる。
【0041】
次の工程1―3では、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の疎水化処理剤を用いて疎水化処理を行う。これにより、レジスト材3が除去された箇所の下地1の表面5と、ポジ型レジスト材3の表面部6とが疎水化される。なお、図では、下地表面5を強調するために深さ方向に幅のある疎水化処理部を図示しているが、実際には下地表面だけが疎水化される。以下の実施形態の図でも同様である。
【0042】
次の工程1―4でポジ型レジスト材3を除去し、次の工程1―5で、ネガ型のG色レジスト材2を下地1の表面に塗布する。そして、G色カラーフィルタ2の配列パターンで露光,現像を行うと、工程1―6に示す様に、疎水化処理された領域の上にG色レジスト膜2が残ることになる。
【0043】
以降、G色レジスト膜2間の凹部4に第2色目(R色またはB色)のカラーフィルタを形成するのであるが、その前に凹部4内のG色レジスト2の残渣を洗い流す。この洗滌工程では、G色レジスト膜2は密着性良く下地に付いているため、充分な洗滌が可能となり、凹部4内の残渣を低減することが可能となる。
【0044】
この様に、本実施形態によれば、G色レジスト膜2は疎水化処理された表面に積層されるため、密着性が良く剥離し難く、これに対し凹部4の下地1の表面は疎水化されていないため密着度が低く、この部分のG色レジスト材2の残渣は低減されることになる。
【0045】
選択的な位置(G色フィルタの配列位置)にだけ疎水化処理を施す本実施形態は、カラーフィルタ製造プロセスのフロントエンド(最初)におけるレジストパターン作成時に大きな効果を得ることができ、ムラを低減することができる。また、無機層の下地の上に直接カラーフィルタを作成する様な撮像素子の場合、カラーフィルタの残渣が低減され、異なる色のカラーフィルタ材料が混じることで生じる撮像画像の品質劣化を抑制することが可能となる。
【0046】
なお、2色目のカラーフィルタを形成するときにもその下地表面を選択的に疎水化処理するのが好ましい。以下の実施形態でも同様である。
【0047】
図6は、本発明の第2実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。図6(a)は、例えばG色カラーフィルタ2を離散的位置に形成した完成パターンを示し、図6(b)にその工程順を示す。
【0048】
本実施形態は、下地1が無機層の場合に適用され、所望パターン(図6(a)の例ではG色カラーフィルタ2の配列パターン)を、図5とは逆に、ポジ型レジスト材で形成する例を説明する。
【0049】
先ず、工程2―1で、下地1上にポジ型とは逆のネガ型レジスト材3を塗布し、工程2―2で、G色カラーフィルタ2の配列パターンに対して逆パターンを用い露光,現像を行う。これにより、図6(a)のG色カラーフィルタ2の配列パターン間の凹部4に対応する位置にネガ型レジスト材3が残ることになる。
【0050】
次の工程2―3では、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の疎水化処理剤を用いて疎水化処理を行う。これにより、レジスト材3が除去された箇所の下地1の表面5と、ネガ型レジスト材3の表面部とが疎水化される。
【0051】
次の工程2―4でレジスト材3を除去し、次の工程2―5で、ポジ型のG色レジスト材2を下地1の表面に塗布する。そして、G色カラーフィルタ2の配列パターンで露光,現像を行うと、工程2―6に示す様に、疎水化処理された部分の上にG色レジスト膜2が残ることになる。
【0052】
これにより、図5の実施形態と同様に、G色レジスト膜2は疎水化処理された領域表面に積層されるため密着性が良くなって剥離しにくくなり、凹部4の下地1の表面は疎水化されていないため、この部分のG色レジスト材2の残渣は低減される。
【0053】
図7は、本発明の第3実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。図7(a)は、例えばG色カラーフィルタ2を離散的位置に形成した完成パターンを示し、図7(b)にその工程順を示す。
【0054】
本実施形態は、下地1が無機層の場合に適用され、所望パターン(図7(a)の例ではG色カラーフィルタ2の配列パターン)を、ネガ型レジスト材で形成する例である。
【0055】
先ず、工程3―1で、下地1上にネガ型レジスト材3を塗布し、工程3―2で、G色カラーフィルタ2の配列パターンに対して逆パターンを用い露光,現像を行う。これにより、図7(a)のG色カラーフィルタ2の配列パターン間の凹部4に対応する位置にネガ型レジスト材3が残ることになる。
【0056】
次の工程3―3では、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の疎水化処理剤を用いて疎水化処理を行う。これにより、レジスト材3が除去された箇所の下地1の表面5と、ネガ型レジスト材3の表面部とが疎水化される。
【0057】
次の工程3―4でレジスト材3を除去し、次の工程3―5で、ネガ型のG色レジスト材2を下地1の表面に塗布する。そして、G色カラーフィルタ2の配列パターンで露光,現像を行うと、工程3―6に示す様に、疎水化処理された部分の上にG色レジスト膜2が残ることになる。
【0058】
これにより、図5の実施形態と同様に、G色レジスト膜2は疎水化処理された表面に積層されるため密着性が良くなって剥離しにくくなり、凹部4の下地1の表面は疎水化されていないため、この部分のG色レジスト材2の残渣は低減される。
【0059】
本実施形態は、図5の実施形態に対してG色レジスト材がネガ型である点のみ異なる。適切な逆特性のレジストが存在しない場合、マスクパターン自体を逆のものを使うことで、選択的疎水化を実現できる点は、第1,第2,第3実施形態で共通する。もし、カラーフィルタ配列が単純なラインアンドスペースの場合はズラシ露光により実現することも可能である。
【0060】
図8は、本発明の第4実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。図8(a)は、例えばG色カラーフィルタ2を離散的位置に形成した完成パターンを示し、図8(b)にその工程順を示す。
【0061】
本実施形態は、下地1が有機層の場合に適用され、所望パターン(図8(a)の例ではG色カラーフィルタ2の配列パターン)を、通常のレジスト(例えばネガ型レジスト)材で形成する例を説明する。
【0062】
先ず、工程4―1で、下地1上に水溶性レジスト材3を塗布し、工程4―2で、G色カラーフィルタ2の配列パターンに対して逆パターンを用い露光,現像を行う。これにより、図8(a)のG色カラーフィルタ2の配列パターン間の凹部4に対応する位置にレジスト材3が残ることになる。
【0063】
次の工程4―3では、エッチバック等を行って表面を荒らす。これにより、レジスト材3が除去された箇所の下地1の表面5と、レジスト材3の表面部との表面が荒れた状態となる。
【0064】
次の工程4―4でレジスト材3を除去し、次の工程4―5で、通常のレジスト材2を下地1の表面に塗布する。そして、G色カラーフィルタ2の配列パターンで露光,現像を行うと、工程4―6に示す様に、選択的に表面が荒らされた部分の上にG色レジスト膜2が残ることになる。
【0065】
これにより、G色レジスト膜2は表面が荒れた部分に積層されるため密着性が良くなって剥離しにくくなり、凹部4の下地1の表面は荒れていないため、この部分のG色レジスト材2の残渣は低減される。
【0066】
本実施形態では、エッチバックによって選択的位置の下地表面を荒らしたが、プラズマ処理などで下地表面を選択的に荒らすことでも良い。
【0067】
図9は、本発明の第5実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。図9(a)は、例えばG色カラーフィルタ2を離散的位置に形成した完成パターンを示し、図9(b)にその工程順を示す。
【0068】
本実施形態は、下地1が有機層の場合に適用され、所望パターン(図9(a)の例ではG色カラーフィルタ2の配列パターン)を、ネガ型レジスト材で形成する例を説明する。
【0069】
先ず、工程5―0で、下地1の上にSOG膜6を塗布する。このSOG膜6は薄いため、工程5―1以下の工程図では図示を省略している。次の工程5―1では、SOG膜の上に逆型のレジスト材(ポジ型レジスト)3を塗布し、工程5―2で、G色カラーフィルタ2の配列パターンに対して逆パターンを用い露光,現像を行う。
【0070】
これにより、図9(a)のG色カラーフィルタ2の配列パターン間の凹部4に対応する位置にレジスト材3が残り、それ以外の箇所では下地1の表面で固化し密着したSOG膜6が表面に露出する。
【0071】
次の工程5―3では、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の疎水化処理剤を用いて疎水化処理を行うと、レジスト材3が除去された領域の下地表面5のSOG膜が疎水化される。
【0072】
次の工程5―4でレジスト材3を除去すると、一緒にレジスト材3下のSOG膜も除去され、下地1の有機膜が露出する。次の工程5―5で、ネガ型のG色レジスト材2を下地1の表面に塗布する。そして、G色カラーフィルタ2の配列パターンで露光,現像を行うと、工程5―6に示す様に、疎水化処理された部分の上にG色レジスト膜2が残ることになる。
【0073】
一方、有機膜が露出した部分は密着性が低下するため、この部分でのG色レジスト膜2の残渣は減少する。
【0074】
これにより、G色レジスト膜2は疎水化処理された表面に積層されるため密着性が良くなって剥離しにくくなり、凹部4の下地1の表面は密着性が低下するため、この部分のG色レジスト材2の残渣は低減される。
【0075】
以上述べた実施形態の選択的位置の密着性制御は、2色目のカラーフィルタ形成時にも適用しても良く、これにより2色目と3色目のカラーフィルタの混色も低減される。
【0076】
なお、上述した実施形態は、固体撮像素子に搭載されるカラーフィルタの形成方法として説明したが、選択的位置のレジスト膜と下地との密着性が要求されるものであれば、他の半導体装置等の製造方法にも適用可能である。
【0077】
以上述べた様に、実施形態のレジストパターン形成方法は、下地に第1レジスト材を塗布し、所望パターンに対してネガとポジの関係にある逆パターンで前記第1レジスト材をパターニングして前記下地の表面のうち前記所望パターンの表面を露出させ、該下地の前記露出された表面を疎水化処理し、該疎水化処理後に該下地から前記パターニングされた前記第1レジスト材を除去して該下地に第2レジスト材を塗布し、該第2レジスト材を前記所望パターンでパターニングすることを特徴とする。
【0078】
また、実施形態のレジストパターン形成方法は、前記下地が有機層であり、前記疎水化処理の代わりにエッチバック又はプラズマ処理により前記露出された表面を荒らすことを特徴とする。
【0079】
また、実施形態のレジストパターン形成方法は、前記下地が有機層であり、該有機層の表面に無機のSOG膜を塗布して前記疎水化処理を該SOG膜に施すことを特徴とする。
【0080】
また、実施形態のレジストパターン形成方法は、前記逆パターンは前記所望パターンと同一のマスクパターンを使い、前記第1レジスト材と前記第2レジスト材を逆型とすることを特徴とする。
【0081】
また、実施形態の固体撮像素子は、上記に記載のレジストパターン形成方法によりカラーフィルタの1色を前記第2レジスト材で形成したことを特徴とする。
【0082】
また、実施形態の固体撮像素子は、半導体基板に形成され被写体からの入射光量に応じた信号電荷を検出するフォトダイオードと、前記信号電荷の電荷量に応じた撮像画像信号を読み出す信号読出手段と、前記半導体基板の表面の光入射側上方に積層された平坦化層と、該平坦化層を前記下地として積層されたカラーフィルタとを備えることを特徴とする。
【0083】
また、実施形態の固体撮像素子は、半導体基板の表面の光入射側上方に積層され画素電極膜と対向電極膜とで挟まれ被写体からの入射光量に応じた光電荷を発生する光電変換層と、前記半導体基板に形成され前記画素電極膜を通して検出した前記光電荷の電荷量に応じた撮像画像信号を読み出す信号読出手段と、前記光電変換層の光入射側上方に積層される平坦化層と、該平坦化層を前記下地として積層されたカラーフィルタとを備えることを特徴とする。
【0084】
また、実施形態の固体撮像素子は、前記光電変換層及び前記平坦化層が夫々有機層であることを特徴とする。
【0085】
また、実施形態の撮像装置は、上記に記載の固体撮像素子を搭載したことを特徴とする。
【0086】
以上述べた実施形態によれば、選択的位置のレジスト膜と下地との間の密着性を改善し高めることができるため、非選択的位置へのレジスト膜の残渣が少なくなり、素子性能が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明に係るレジストパターン形成方法は、選択的位置のレジスト膜の下地への密着性を良好にできるため、様々なレジストパターンの形成が容易となる。特に、固体撮像素子のカラーフィルタ形成に適用することで、高品質の被写体画像を撮像することが可能となり、デジタルカメラ等に搭載する撮像素子に適用すると有用である。
【符号の説明】
【0088】
1 下地
2 G色レジスト膜
3 レジスト材
5 疎水化した(又は荒らした)表面
6 SOG膜
20 撮像装置
21 固体撮像素子
42 画素
65,86 平坦化層(カラーフィルタの下地)
66,88 カラーフィルタ層
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジストパターン形成方法及びこのレジストパターン形成方法でカラーフィルタ層を形成した撮像素子並びにこの撮像素子を搭載した撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路などの半導体装置を製造する場合、レジスト材を下地表面上に塗布し、このレジスト膜に所望パターンを露光し現像することで、所望パターン又は逆パターン(ネガ型かポジ型かで逆になる。)のレジスト膜が形成される。
【0003】
このとき、例えば下記の特許文献1に記載されている様に、レジスト材塗布前の下地表面全面をヘキサメチルジシラザン(HMDS)等を用いて疎水化処理することが行われる。下地表面が疎水性になると、下地表面とレジスト膜との密着性が改善され、レジスト膜が剥がれ難くなるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3-59559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体装置の一種であるCCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサ等の固体撮像素子にはカラーフィルタ層が積層され、被写体のカラー画像が撮像できるようになっている。このカラーフィルタ層はレジスト膜で形成されるが、例えば原色系カラーフィルタの場合には、R(赤)G(緑)B(青)の3色のカラーフィルタが用いられる。
【0006】
3色のカラーフィルタの配列パターンを形成する場合、例えば先ず、G色のレジスト膜が下地上に塗布されて露光と現像が行われ、R色,B色とする部分のG色レジスト膜が除去される。次いで、除去された部分をR色のレジスト膜で埋めてから露光と現像が行われ、B色とする部分が除去され、最後にB色のレジスト膜で残りの部分が埋められる。
【0007】
このとき、G色のレジスト膜を塗布する前に下地表面全面を特許文献1に記載されている様に疎水化してしまうと、R色,B色とする部分のG色レジスト膜を除去するとき、下地表面との密着性が高いために洗滌しただけでは完全に除去できず残渣が残る虞がある。残渣が残ると、R色やB色にG色が混じることになり、カラーフィルタの分光特性を劣化させ、撮像画像の品質を劣化させてしまう。
【0008】
本発明の目的は、レジスト膜の下地とレジスト膜との密着性を高めると共にレジスト膜の除去時の残渣を低減させることができるレジストパターン形成方法及びこのレジストパターン形成方法でカラーフィルタ層を形成した撮像素子並びにこの撮像素子を搭載した撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のレジストパターン形成方法は、下地に第1レジスト材を塗布し、所望パターンに対してネガとポジの関係にある逆パターンで前記第1レジスト材をパターニングして前記下地の表面のうち前記所望パターンの表面を露出させ、該下地の前記露出された表面を疎水化処理し、該疎水化処理後に該下地から前記パターニングされた前記第1レジスト材を除去して該下地に第2レジスト材を塗布し、該第2レジスト材を前記所望パターンでパターニングすることを特徴とする。
【0010】
本発明の固体撮像素子は、上記に記載のレジストパターン形成方法によりカラーフィルタの1色を前記第2レジスト材で形成したことを特徴とする。
【0011】
本発明の撮像装置は、上記の固体撮像素子を搭載したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、選択的位置のレジスト膜とその下地との密着性を高めることができるため、非選択的位置のレジスト膜の残渣を低減させることができ、このレジストパターン形成方法で製造した素子の性能を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮像装置の機能ブロック図である。
【図2】図1に示す固体撮像素子の表面模式図である。
【図3】図2の固体撮像素子の略1画素分の断面模式図である。
【図4】図3の固体撮像素子とは異なる形式の固体撮像素子の断面模式図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置(デジタルカメラ)の機能ブロック図である。この撮像装置20は、被写体光像を電気信号の撮像画像データに変換する固体撮像素子21と、固体撮像素子21から出力されるアナログの画像データを自動利得調整(AGC)や相関二重サンプリング処理等のアナログ処理するアナログ信号処理部22と、アナログ信号処理部22から出力されるアナログ画像データをデジタル画像データに変換するアナログデジタル変換部(A/D)23と、後述のシステム制御部(CPU)29からの指示によってA/D23,アナログ信号処理部22,固体撮像素子21の駆動制御を行う駆動制御部(タイミングジェネレータを含む)24と、CPU29からの指示によって発光するフラッシュ25とを備える。
【0016】
本実施形態のデジタルカメラは更に、A/D23から出力されるデジタル画像データを取り込み補間処理やホワイトバランス補正,RGB/YC変換処理等を行うデジタル信号処理部26と、画像データをJPEG形式などの画像データに圧縮したり逆に伸長したりする圧縮/伸長処理部27と、メニューなどを表示したりスルー画像や撮像画像を表示する表示部28と、デジタルカメラ全体を統括制御するシステム制御部(CPU)29と、フレームメモリ等の内部メモリ30と、JPEG画像データ等を格納する記録メディア32との間のインタフェース処理を行うメディアインタフェース(I/F)部31と、これらを相互に接続するバス40とを備え、また、システム制御部29には、ユーザからの指示入力を行う操作部33が接続されている。
【0017】
図2は、図1に示す固体撮像素子21の表面模式図である。この実施形態では、CCD型の固体撮像素子を例に説明するが、CMOS型でも、その他の形式の固体撮像素子でも良く、カラーフィルタ層が形成された固体撮像素子であれば良い。
【0018】
図2において、半導体基板の表面部には、複数のフォトダイオード(光電変換素子:画素)42が二次元アレイ状に配列形成されている。図示の例では、奇数行の画素行に対して偶数行の画素行が1/2画素ピッチづつずらして形成された所謂ハニカム画素配列となっているが、画素配列は正方格子配列でも良い。
【0019】
画素42で構成される各画素列に沿って垂直電荷転送路(VCCD)43が形成され、各垂直電荷転送路43の転送方向端部に沿って水平電荷転送路(HCCD)44が形成され、水平電荷転送路44の転送方向端部に、転送されてきた信号電荷の電荷量に応じた電圧値信号を撮像画像信号として出力するアンプ45が設けられている。
【0020】
各画素42上に記載されている「R」「G」「B」はカラーフィルタの色(R=赤、G=緑、B=青)を表しており、各画素42から左下転送電極に延びる矢印は、この電極が読出電極であることを示している。各画素42の上部には図示しないマイクロレンズ(トップレンズ)が形成されている。
【0021】
図3は、図2の略1画素分の断面模式図である。この固体撮像素子21は、n型シリコン基板51の表面部にpウェル層52が形成され、このpウェル層52の表面部に、pウェル層52との間でpn接合(フォトダイオード:光電変換素子)を構成するn領域53が形成される。
【0022】
図示の例では、n領域53の右脇に素子分離領域を構成するp領域54が形成され、n領域53の表面に、p領域54に連続する表面p層55が設けられる。pウェル層52には電荷転送路を構成するn領域(埋め込みチャネル)56も設けられる。
【0023】
これらの各領域52,53,54,55,56が形成された半導体基板51の最表面には、酸化シリコンでなるゲート絶縁膜60が積層され、その上に、フォトダイオード(n領域53)の受光面上に開口61aを有する遮光膜61が積層される。遮光膜61の下には、電荷転送路を構成する転送電極膜(ポリシリコン膜)62が絶縁層63を介して埋設される。
【0024】
遮光膜61の上には平坦化層65が積層され、その上にカラーフィルタ層66が積層され、最上部に、トップマイクロレンズ67が積層される。
【0025】
図4は、図3に示す固体撮像素子21とは異なる実施形態に係る固体撮像素子の断面模式図である。この固体撮像素子71は、光電変換膜積層型固体撮像素子であり、半導体基板72に形成される。
【0026】
この半導体基板72の表面部には、信号読出手段としてのMOS回路(図示省略)が画素毎に形成されている。信号読出手段は、電荷転送路と出力アンプからなるCCD型でも良い。
【0027】
半導体基板72の表面には絶縁層73が積層されると共に、この絶縁層73内に、配線層74が埋設される。この配線層74は、上層を透過して洩れてきた入射光が半導体基板上の信号読出回路等に入射しない様にする遮蔽板の機能も果たす。
【0028】
絶縁層73の表面には、画素毎に区分けされ上方から見たとき正方格子状に配列される複数の画素電極膜75が成膜されている。各画素電極膜75には、半導体基板72の表面にまで達する縦配線76が立設され、各縦配線76は、半導体基板72の表面に形成された図示しない信号電荷蓄積部に接続される。
【0029】
上記の画素毎の信号読出回路は、対応する信号電荷蓄積部に蓄積された信号電荷量に応じた信号を被写体画像信号として外部に読み出す様になっている。
【0030】
上面視したとき正方格子状に配列形成された複数の画素電極膜75の上には、光電変換機能を有する有機膜80が各画素電極膜共通に一枚構成で積層され、その上に、同様に一枚構成の透明な上部電極膜(対向電極膜,共通電極膜ともいう。)81が積層される。
【0031】
上部電極膜81は、端部において、絶縁層73の表面に露出する接続端子83と電気的に接続状態になっており、配線層74aを介して所要電圧が図示を省略した接続パッドから印加される様になっている。即ち、図1の駆動部24を電源として上部電極膜81と各画素電極膜75との間に所要の対向電圧(バイアス電圧)が印加される。
【0032】
上部電極膜81の上には保護層85が積層され、その上に平坦化層86が積層される。平坦化層86の上には、各画素電極膜75に対応するカラーフィルタ88が積層される。例えば三原色の赤(R)緑(G)青(B)のカラーフィルタがベイヤ配列される。
【0033】
斯かる固体撮像素子71では、被写体からの入射光を各色カラーフィルタ88を通して光電変換膜80が受光すると、光電変換膜80の各画素電極膜対応位置において受光量に応じた電子―正孔対が発生する。このうち一方の電荷、例えば電子を縦配線76を通して信号電荷蓄積部に蓄積し、対応する信号読出回路によって外部に撮像画像信号として取り出す。
【0034】
図3,図4を用い、異なる形式の2種類の固体撮像素子を説明したが、いずれの固体撮像素子21,71も、三原色のカラーフィルタR,G,Bを平坦化膜の上に積層している。勿論、カラーフィルタは補色系のカラーフィルタでも同様であるが、以下の実施形態では原色系カラーフィルタで説明する。
【0035】
原色系カラーフィルタを各画素の上部に積層する場合、全画素の1/2の画素の上にG色のカラーフィルタを形成し、残りの1/2の画素のうち半分づつをR色,B色のカラーフィルタとするのが普通である。
【0036】
そこで、先ず、カラーフィルタを積層する下地(平坦化層65,86)の上に、例えばG色のレジスト膜を塗り、R色カラーフィルタ及びB色カラーフィルタを設ける位置のG色レジスト膜を感光/現像して除去する。このとき、本実施形態に係るレジストパターン形成方法では、後述する工程手順により、G色レジスト膜の残渣が残らないようする。
【0037】
図5は、本発明の第1実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。図5(a)に示す様に、下地(図3の平坦化層65,図4の平坦化層86)1の上に、例えばG色カラーフィルタ2を離散的位置に形成する場合の工程順を図5(b)に示す。
【0038】
本実施形態は、下地1が無機層の場合に適用され、所望パターン(図5(a)の例ではG色カラーフィルタ2の配列パターン)をネガ型レジスト材で形成する例を説明する。
【0039】
先ず工程1―1で、下地1上に、G色カラーフィルタのレジスト型(ネガ型)と逆型のポジ型レジスト材3を塗布する。そして、工程1―2で、G色カラーフィルタ2の配列パターン(所望パターン)に対して逆パターンを用い露光,現像を行う。これにより、図5(a)のG色カラーフィルタ2の配列パターン間の凹部4に対応する位置にポジ型レジスト材3が残ることになる。
【0040】
逆パターンのマスクパターンは、所望パターンと同一のマスクパターンを用いることができ、所望パターンに形成するレジスト材がポジ型であれば逆パターンで形成するレジスト材をネガ型とすればよく、所望パターンに形成するレジスト材がネガ型であれば逆パターンで形成するレジスト材をポジ型とすれば良い。これは以下の実施形態でも同様であり、同一のマスクパターンを使えることで、低コスト化を図ることができる。
【0041】
次の工程1―3では、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の疎水化処理剤を用いて疎水化処理を行う。これにより、レジスト材3が除去された箇所の下地1の表面5と、ポジ型レジスト材3の表面部6とが疎水化される。なお、図では、下地表面5を強調するために深さ方向に幅のある疎水化処理部を図示しているが、実際には下地表面だけが疎水化される。以下の実施形態の図でも同様である。
【0042】
次の工程1―4でポジ型レジスト材3を除去し、次の工程1―5で、ネガ型のG色レジスト材2を下地1の表面に塗布する。そして、G色カラーフィルタ2の配列パターンで露光,現像を行うと、工程1―6に示す様に、疎水化処理された領域の上にG色レジスト膜2が残ることになる。
【0043】
以降、G色レジスト膜2間の凹部4に第2色目(R色またはB色)のカラーフィルタを形成するのであるが、その前に凹部4内のG色レジスト2の残渣を洗い流す。この洗滌工程では、G色レジスト膜2は密着性良く下地に付いているため、充分な洗滌が可能となり、凹部4内の残渣を低減することが可能となる。
【0044】
この様に、本実施形態によれば、G色レジスト膜2は疎水化処理された表面に積層されるため、密着性が良く剥離し難く、これに対し凹部4の下地1の表面は疎水化されていないため密着度が低く、この部分のG色レジスト材2の残渣は低減されることになる。
【0045】
選択的な位置(G色フィルタの配列位置)にだけ疎水化処理を施す本実施形態は、カラーフィルタ製造プロセスのフロントエンド(最初)におけるレジストパターン作成時に大きな効果を得ることができ、ムラを低減することができる。また、無機層の下地の上に直接カラーフィルタを作成する様な撮像素子の場合、カラーフィルタの残渣が低減され、異なる色のカラーフィルタ材料が混じることで生じる撮像画像の品質劣化を抑制することが可能となる。
【0046】
なお、2色目のカラーフィルタを形成するときにもその下地表面を選択的に疎水化処理するのが好ましい。以下の実施形態でも同様である。
【0047】
図6は、本発明の第2実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。図6(a)は、例えばG色カラーフィルタ2を離散的位置に形成した完成パターンを示し、図6(b)にその工程順を示す。
【0048】
本実施形態は、下地1が無機層の場合に適用され、所望パターン(図6(a)の例ではG色カラーフィルタ2の配列パターン)を、図5とは逆に、ポジ型レジスト材で形成する例を説明する。
【0049】
先ず、工程2―1で、下地1上にポジ型とは逆のネガ型レジスト材3を塗布し、工程2―2で、G色カラーフィルタ2の配列パターンに対して逆パターンを用い露光,現像を行う。これにより、図6(a)のG色カラーフィルタ2の配列パターン間の凹部4に対応する位置にネガ型レジスト材3が残ることになる。
【0050】
次の工程2―3では、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の疎水化処理剤を用いて疎水化処理を行う。これにより、レジスト材3が除去された箇所の下地1の表面5と、ネガ型レジスト材3の表面部とが疎水化される。
【0051】
次の工程2―4でレジスト材3を除去し、次の工程2―5で、ポジ型のG色レジスト材2を下地1の表面に塗布する。そして、G色カラーフィルタ2の配列パターンで露光,現像を行うと、工程2―6に示す様に、疎水化処理された部分の上にG色レジスト膜2が残ることになる。
【0052】
これにより、図5の実施形態と同様に、G色レジスト膜2は疎水化処理された領域表面に積層されるため密着性が良くなって剥離しにくくなり、凹部4の下地1の表面は疎水化されていないため、この部分のG色レジスト材2の残渣は低減される。
【0053】
図7は、本発明の第3実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。図7(a)は、例えばG色カラーフィルタ2を離散的位置に形成した完成パターンを示し、図7(b)にその工程順を示す。
【0054】
本実施形態は、下地1が無機層の場合に適用され、所望パターン(図7(a)の例ではG色カラーフィルタ2の配列パターン)を、ネガ型レジスト材で形成する例である。
【0055】
先ず、工程3―1で、下地1上にネガ型レジスト材3を塗布し、工程3―2で、G色カラーフィルタ2の配列パターンに対して逆パターンを用い露光,現像を行う。これにより、図7(a)のG色カラーフィルタ2の配列パターン間の凹部4に対応する位置にネガ型レジスト材3が残ることになる。
【0056】
次の工程3―3では、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の疎水化処理剤を用いて疎水化処理を行う。これにより、レジスト材3が除去された箇所の下地1の表面5と、ネガ型レジスト材3の表面部とが疎水化される。
【0057】
次の工程3―4でレジスト材3を除去し、次の工程3―5で、ネガ型のG色レジスト材2を下地1の表面に塗布する。そして、G色カラーフィルタ2の配列パターンで露光,現像を行うと、工程3―6に示す様に、疎水化処理された部分の上にG色レジスト膜2が残ることになる。
【0058】
これにより、図5の実施形態と同様に、G色レジスト膜2は疎水化処理された表面に積層されるため密着性が良くなって剥離しにくくなり、凹部4の下地1の表面は疎水化されていないため、この部分のG色レジスト材2の残渣は低減される。
【0059】
本実施形態は、図5の実施形態に対してG色レジスト材がネガ型である点のみ異なる。適切な逆特性のレジストが存在しない場合、マスクパターン自体を逆のものを使うことで、選択的疎水化を実現できる点は、第1,第2,第3実施形態で共通する。もし、カラーフィルタ配列が単純なラインアンドスペースの場合はズラシ露光により実現することも可能である。
【0060】
図8は、本発明の第4実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。図8(a)は、例えばG色カラーフィルタ2を離散的位置に形成した完成パターンを示し、図8(b)にその工程順を示す。
【0061】
本実施形態は、下地1が有機層の場合に適用され、所望パターン(図8(a)の例ではG色カラーフィルタ2の配列パターン)を、通常のレジスト(例えばネガ型レジスト)材で形成する例を説明する。
【0062】
先ず、工程4―1で、下地1上に水溶性レジスト材3を塗布し、工程4―2で、G色カラーフィルタ2の配列パターンに対して逆パターンを用い露光,現像を行う。これにより、図8(a)のG色カラーフィルタ2の配列パターン間の凹部4に対応する位置にレジスト材3が残ることになる。
【0063】
次の工程4―3では、エッチバック等を行って表面を荒らす。これにより、レジスト材3が除去された箇所の下地1の表面5と、レジスト材3の表面部との表面が荒れた状態となる。
【0064】
次の工程4―4でレジスト材3を除去し、次の工程4―5で、通常のレジスト材2を下地1の表面に塗布する。そして、G色カラーフィルタ2の配列パターンで露光,現像を行うと、工程4―6に示す様に、選択的に表面が荒らされた部分の上にG色レジスト膜2が残ることになる。
【0065】
これにより、G色レジスト膜2は表面が荒れた部分に積層されるため密着性が良くなって剥離しにくくなり、凹部4の下地1の表面は荒れていないため、この部分のG色レジスト材2の残渣は低減される。
【0066】
本実施形態では、エッチバックによって選択的位置の下地表面を荒らしたが、プラズマ処理などで下地表面を選択的に荒らすことでも良い。
【0067】
図9は、本発明の第5実施形態に係るレジストパターン形成方法の説明図である。図9(a)は、例えばG色カラーフィルタ2を離散的位置に形成した完成パターンを示し、図9(b)にその工程順を示す。
【0068】
本実施形態は、下地1が有機層の場合に適用され、所望パターン(図9(a)の例ではG色カラーフィルタ2の配列パターン)を、ネガ型レジスト材で形成する例を説明する。
【0069】
先ず、工程5―0で、下地1の上にSOG膜6を塗布する。このSOG膜6は薄いため、工程5―1以下の工程図では図示を省略している。次の工程5―1では、SOG膜の上に逆型のレジスト材(ポジ型レジスト)3を塗布し、工程5―2で、G色カラーフィルタ2の配列パターンに対して逆パターンを用い露光,現像を行う。
【0070】
これにより、図9(a)のG色カラーフィルタ2の配列パターン間の凹部4に対応する位置にレジスト材3が残り、それ以外の箇所では下地1の表面で固化し密着したSOG膜6が表面に露出する。
【0071】
次の工程5―3では、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の疎水化処理剤を用いて疎水化処理を行うと、レジスト材3が除去された領域の下地表面5のSOG膜が疎水化される。
【0072】
次の工程5―4でレジスト材3を除去すると、一緒にレジスト材3下のSOG膜も除去され、下地1の有機膜が露出する。次の工程5―5で、ネガ型のG色レジスト材2を下地1の表面に塗布する。そして、G色カラーフィルタ2の配列パターンで露光,現像を行うと、工程5―6に示す様に、疎水化処理された部分の上にG色レジスト膜2が残ることになる。
【0073】
一方、有機膜が露出した部分は密着性が低下するため、この部分でのG色レジスト膜2の残渣は減少する。
【0074】
これにより、G色レジスト膜2は疎水化処理された表面に積層されるため密着性が良くなって剥離しにくくなり、凹部4の下地1の表面は密着性が低下するため、この部分のG色レジスト材2の残渣は低減される。
【0075】
以上述べた実施形態の選択的位置の密着性制御は、2色目のカラーフィルタ形成時にも適用しても良く、これにより2色目と3色目のカラーフィルタの混色も低減される。
【0076】
なお、上述した実施形態は、固体撮像素子に搭載されるカラーフィルタの形成方法として説明したが、選択的位置のレジスト膜と下地との密着性が要求されるものであれば、他の半導体装置等の製造方法にも適用可能である。
【0077】
以上述べた様に、実施形態のレジストパターン形成方法は、下地に第1レジスト材を塗布し、所望パターンに対してネガとポジの関係にある逆パターンで前記第1レジスト材をパターニングして前記下地の表面のうち前記所望パターンの表面を露出させ、該下地の前記露出された表面を疎水化処理し、該疎水化処理後に該下地から前記パターニングされた前記第1レジスト材を除去して該下地に第2レジスト材を塗布し、該第2レジスト材を前記所望パターンでパターニングすることを特徴とする。
【0078】
また、実施形態のレジストパターン形成方法は、前記下地が有機層であり、前記疎水化処理の代わりにエッチバック又はプラズマ処理により前記露出された表面を荒らすことを特徴とする。
【0079】
また、実施形態のレジストパターン形成方法は、前記下地が有機層であり、該有機層の表面に無機のSOG膜を塗布して前記疎水化処理を該SOG膜に施すことを特徴とする。
【0080】
また、実施形態のレジストパターン形成方法は、前記逆パターンは前記所望パターンと同一のマスクパターンを使い、前記第1レジスト材と前記第2レジスト材を逆型とすることを特徴とする。
【0081】
また、実施形態の固体撮像素子は、上記に記載のレジストパターン形成方法によりカラーフィルタの1色を前記第2レジスト材で形成したことを特徴とする。
【0082】
また、実施形態の固体撮像素子は、半導体基板に形成され被写体からの入射光量に応じた信号電荷を検出するフォトダイオードと、前記信号電荷の電荷量に応じた撮像画像信号を読み出す信号読出手段と、前記半導体基板の表面の光入射側上方に積層された平坦化層と、該平坦化層を前記下地として積層されたカラーフィルタとを備えることを特徴とする。
【0083】
また、実施形態の固体撮像素子は、半導体基板の表面の光入射側上方に積層され画素電極膜と対向電極膜とで挟まれ被写体からの入射光量に応じた光電荷を発生する光電変換層と、前記半導体基板に形成され前記画素電極膜を通して検出した前記光電荷の電荷量に応じた撮像画像信号を読み出す信号読出手段と、前記光電変換層の光入射側上方に積層される平坦化層と、該平坦化層を前記下地として積層されたカラーフィルタとを備えることを特徴とする。
【0084】
また、実施形態の固体撮像素子は、前記光電変換層及び前記平坦化層が夫々有機層であることを特徴とする。
【0085】
また、実施形態の撮像装置は、上記に記載の固体撮像素子を搭載したことを特徴とする。
【0086】
以上述べた実施形態によれば、選択的位置のレジスト膜と下地との間の密着性を改善し高めることができるため、非選択的位置へのレジスト膜の残渣が少なくなり、素子性能が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明に係るレジストパターン形成方法は、選択的位置のレジスト膜の下地への密着性を良好にできるため、様々なレジストパターンの形成が容易となる。特に、固体撮像素子のカラーフィルタ形成に適用することで、高品質の被写体画像を撮像することが可能となり、デジタルカメラ等に搭載する撮像素子に適用すると有用である。
【符号の説明】
【0088】
1 下地
2 G色レジスト膜
3 レジスト材
5 疎水化した(又は荒らした)表面
6 SOG膜
20 撮像装置
21 固体撮像素子
42 画素
65,86 平坦化層(カラーフィルタの下地)
66,88 カラーフィルタ層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地に第1レジスト材を塗布し、所望パターンに対してネガとポジの関係にある逆パターンで前記第1レジスト材をパターニングして前記下地の表面のうち前記所望パターンの表面を露出させ、該下地の前記露出された表面を疎水化処理し、該疎水化処理後に該下地から前記パターニングされた前記第1レジスト材を除去して該下地に第2レジスト材を塗布し、該第2レジスト材を前記所望パターンでパターニングするレジストパターン形成方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレジストパターン形成方法であって、前記下地が有機層であり、前記疎水化処理の代わりにエッチバック又はプラズマ処理により前記露出された表面を荒らすレジストパターン形成方法。
【請求項3】
請求項1に記載のレジストパターン形成方法であって、前記下地が有機層であり、該有機層の表面に無機のSOG膜を塗布して前記疎水化処理を該SOG膜に施すレジストパターン形成方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法であって、前記逆パターンは前記所望パターンと同一のマスクパターンを使い、前記第1レジスト材と前記第2レジスト材を逆型とするレジストパターン形成方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法によりカラーフィルタの1色を前記第2レジスト材で形成した固体撮像素子。
【請求項6】
半導体基板に形成され被写体からの入射光量に応じた信号電荷を検出するフォトダイオードと、前記信号電荷の電荷量に応じた撮像画像信号を読み出す信号読出手段と、前記半導体基板の表面の光入射側上方に積層された平坦化層と、該平坦化層を前記下地として積層されたカラーフィルタとを備える請求項5に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
半導体基板の表面の光入射側上方に積層され、画素電極膜と対向電極膜とで挟まれ、被写体からの入射光量に応じた光電荷を発生する光電変換層と、
前記半導体基板に形成され、前記画素電極膜を通して検出した前記光電荷の電荷量に応じた撮像画像信号を読み出す信号読出手段と、
前記光電変換層の光入射側上方に積層される平坦化層と、
該平坦化層を前記下地として積層されたカラーフィルタと
を備える請求項5に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
請求項7に記載の固体撮像素子であって、前記光電変換層及び前記平坦化層が夫々有機層である固体撮像素子。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の固体撮像素子を搭載した撮像装置。
【請求項1】
下地に第1レジスト材を塗布し、所望パターンに対してネガとポジの関係にある逆パターンで前記第1レジスト材をパターニングして前記下地の表面のうち前記所望パターンの表面を露出させ、該下地の前記露出された表面を疎水化処理し、該疎水化処理後に該下地から前記パターニングされた前記第1レジスト材を除去して該下地に第2レジスト材を塗布し、該第2レジスト材を前記所望パターンでパターニングするレジストパターン形成方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレジストパターン形成方法であって、前記下地が有機層であり、前記疎水化処理の代わりにエッチバック又はプラズマ処理により前記露出された表面を荒らすレジストパターン形成方法。
【請求項3】
請求項1に記載のレジストパターン形成方法であって、前記下地が有機層であり、該有機層の表面に無機のSOG膜を塗布して前記疎水化処理を該SOG膜に施すレジストパターン形成方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法であって、前記逆パターンは前記所望パターンと同一のマスクパターンを使い、前記第1レジスト材と前記第2レジスト材を逆型とするレジストパターン形成方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法によりカラーフィルタの1色を前記第2レジスト材で形成した固体撮像素子。
【請求項6】
半導体基板に形成され被写体からの入射光量に応じた信号電荷を検出するフォトダイオードと、前記信号電荷の電荷量に応じた撮像画像信号を読み出す信号読出手段と、前記半導体基板の表面の光入射側上方に積層された平坦化層と、該平坦化層を前記下地として積層されたカラーフィルタとを備える請求項5に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
半導体基板の表面の光入射側上方に積層され、画素電極膜と対向電極膜とで挟まれ、被写体からの入射光量に応じた光電荷を発生する光電変換層と、
前記半導体基板に形成され、前記画素電極膜を通して検出した前記光電荷の電荷量に応じた撮像画像信号を読み出す信号読出手段と、
前記光電変換層の光入射側上方に積層される平坦化層と、
該平坦化層を前記下地として積層されたカラーフィルタと
を備える請求項5に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
請求項7に記載の固体撮像素子であって、前記光電変換層及び前記平坦化層が夫々有機層である固体撮像素子。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の固体撮像素子を搭載した撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−211124(P2011−211124A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79911(P2010−79911)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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