説明

レジスト材料及びこれを用いたパターン形成方法

【解決手段】酸によってアルカリ溶解性が向上するベース樹脂となる高分子化合物と、高分子添加剤としてナフチル基を有する繰り返し単位とフッ素原子を有する繰り返し単位とを共重合した高分子化合物とを含むレジスト材料。
【効果】本発明のレジスト材料を用いて形成したフォトレジスト膜は、レジスト膜表面を親水性化することで、現像後レジスト膜上のブロッブ欠陥の発生を防止できる。また、液浸露光用のレジスト保護膜とのミキシングを防止することでパターン形状の劣化を防止でき、膜表面に残存する液滴が誘発するパターン形成不良を低減することもできる。
従って、本発明のレジスト材料を用いれば、液浸リソグラフィーにおけるコストを削減し、欠陥の少ない微細なパターンを高精度で形成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子等の製造工程における微細加工、例えば波長193nmのArFエキシマレーザーを光源とし、投影レンズとウエハーの間に水を挿入する液浸フォトリソグラフィーで用いるレジスト材料、及びこれを用いたレジストパターンの形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、現在汎用技術として用いられている光露光では、光源の波長に由来する本質的な解像度の限界に近づきつつある。
【0003】
これまでレジストパターン形成の際に使用する露光光として、水銀灯のg線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光露光が広く用いられた。そして、更なる微細化のための手段として、露光波長を短波長化する方法が有効とされ、64Mビット(加工寸法が0.25μm以下)DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)以降の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)が利用された。
【0004】
しかし、更に微細な加工技術(加工寸法が0.2μm以下)を必要とする集積度256M及び1G以上のDRAMの製造には、より短波長の光源が必要とされ、10年ほど前からArFエキシマレーザー(193nm)を用いたフォトリソグラフィーが本格的に検討されてきた。
【0005】
当初ArFリソグラフィーは180nmノードのデバイス作製から適用されるはずであったが、KrFエキシマリソグラフィーは130nmノードデバイス量産まで延命され、ArFリソグラフィーの本格適用は90nmノードからである。更に、NAを0.9にまで高めたレンズと組み合わせて65nmノードデバイスの検討が行われている。
【0006】
次の45nmノードデバイスには露光波長の短波長化が推し進められ、波長157nmのF2リソグラフィーが候補に挙がった。しかしながら、投影レンズに高価なCaF2単結晶を大量に用いることによるスキャナーのコストアップ、ソフトペリクルの耐久性が極めて低いためのハードペリクル導入に伴う光学系の変更、レジストのエッチング耐性低下等の種々の問題により、F2リソグラフィーの先送りと、ArF液浸リソグラフィーの早期導入が提唱された(非特許文献1:Proc. SPIE Vol. 4690 xxix参照)。
【0007】
ArF液浸リソグラフィーにおいて、投影レンズとウエハーの間に水を含浸させることが提案されている。193nmにおける水の屈折率は1.44であり、NA1.0以上のレンズを使ってもパターン形成が可能で、理論上はNAを1.35にまで上げることができる。NAの向上分だけ解像力が向上し、NA1.2以上のレンズと強い超解像技術の組み合わせで45nmノードの可能性が示されている(非特許文献2:Proc. SPIE Vol. 5040 p724参照)。
【0008】
ここで、レジスト膜の上に水が存在することによる様々な問題が指摘された。即ち、レジスト組成物中の光酸発生剤や、光照射により発生した酸、クエンチャーとしてレジスト膜に添加されているアミン化合物が接触している水に溶出してしまうこと(リーチング)によるパターン形状変化、フォトレジスト膜の水膨潤によるパターン倒れ等が挙げられる。
特に、レジスト組成物の水への溶出については、当初は露光装置の投影レンズへの汚染防止の観点から検討が開始され、複数の露光装置メーカーより溶出量規格が提案された。
この問題を解決する方法として、レジスト膜と水との間にパーフルオロアルキル化合物からなる保護膜を設けることが有効であることが提案されている(非特許文献3:2nd Immersion Work Shop, July 11, 2003, Resist and Cover Material Investigation for Immersion Lithography参照)。
これらの保護膜を形成することで、フォトレジスト膜と水との直接的な接触を避けることができるため、フォトレジスト組成物の水への溶出を抑えることが可能となる。
【0009】
しかし、上記パーフルオロアルキル化合物からなる保護膜は、塗布膜厚を制御するための希釈液にはフロン等が用いられており、周知の通りフロンは現在環境保全の観点からその使用が問題となっている。また、フォトレジスト膜の現像前に、この保護膜をフロンで剥離しなければならないため、従来装置に保護膜専用の塗布、及び剥離用ユニットを増設しなければならないことや、フロン系溶剤のコストがかさむこと等実用面での問題が大きかった。
【0010】
これら溶剤剥離型の保護膜使用に伴う実用面での欠点を軽減する手段として、アルカリ現像液可溶型の保護膜が提案されている(特許文献1:特開2005−264131号公報参照)。
【0011】
このようなアルカリ現像液可溶型の保護膜は、フォトレジスト膜の現像工程で同時に溶解除去ができるため、保護膜剥離工程の追加や専用の剥離ユニットを必要としないという点で画期的であるといえる。
【0012】
一方、現在までに上市されているArF液浸露光装置は、いずれもレジスト膜の塗布された基板全体を水中に浸漬するのではなく、投影レンズとウエハーとの間に部分的に水を保持し、ウエハーの載ったステージを300〜550mm毎秒の速度で走査しながら露光する方式となっている。このように高速な走査により、投影レンズとウエハーとの間に水を保持していることができず、走査後のフォトレジスト表面又は保護膜表面に液滴を残してしまうという問題が生じている。このように液滴を残すとパターン形成不良を誘発すると考えられている。
【0013】
露光走査後のフォトレジスト表面又は保護膜表面への液滴残りを解消するためには、これらの塗布膜上での水の動き易さを改善する必要がある。液浸露光による欠陥数を減少させるためには、フォトレジスト膜又は保護膜上の水滴を移動させた時の後退接触角を高くすることが有効であることが示されている(非特許文献4:2nd International Symposium on Immersion Lithography, 12−15/Sept.,2005, Defectivity data taken with a full−field immersion exposure tool, Nakano et., al.参照)。後退接触角の測定方法としては、基板を傾ける転落法と水を吸い込む吸引法が挙げられるが、転落法が一般的に用いられている。
【0014】
現像後のレジスト膜上に発生するブロッブと呼ばれる残渣欠陥が問題となっている。これは、現像後のリンス時に析出した保護膜あるいはレジスト材料がレジスト膜上に再付着したものと考えられており、現像後のレジスト膜の疎水性が高い場合に顕著に発生する。保護膜を用いた液浸リソグラフィー用のレジストにおいて、保護膜とレジスト膜との混合によって、現像後のレジスト膜表面に疎水性の高い保護膜が残存し、レジスト膜上にブロッブ欠陥が発生する。現像後に保護膜が残らないように、保護膜とレジスト膜とのミキシングを防いでやる必要がある。
【0015】
現像後の親水性を向上させるアルカリ溶解性基としては、フェノール性水酸基を有するヒドロキシスチレンを共重合したKrFレジストが実績として挙げられる。フェノール基は波長193nmに極めて強い吸収を持つために用いることができないが、代わりに特開2002−107933号公報(特許文献2)で示されているように、ナフトール基を用いることができる。
ここで、マスクブランクス用のフォトレジスト材料において、長時間の真空中露光において感度が変化することが問題となっている。また、塗布後数ヶ月ほどの長期の安定性が求められている。
【0016】
真空中の安定性の向上に対しては、酸不安定基のアセタールと3級エステルを組み合わせることによる改善方法が示されている(特許文献3:特開2006−48029号公報参照)。一方、レジスト材料の塗布後長期間の放置でアミン成分がレジスト膜表面に吸着することによって感度や形状が変動すると考えられ、塗布後の安定性向上のためにはフォトレジスト材料を塗布したマスクブランクスを保管するケース自体にアミン除去フィルターを装着する方法や、レジスト膜表面に保護膜を形成する方法、レジスト膜の表面改質によってアミン吸着を防止する方法が考えられる。
【0017】
波長13.5nmの真空紫外線(EUV)リソグラフィーにおける露光中フォトレジスト膜から発生するアウトガスが光学系の反射ミラーや反射型マスクに吸着して、反射率が低下する問題が指摘されている。フォトレジストベースポリマーの酸不安定基の脱保護反応における活性化エネルギーを上げたり、酸不安定基をバルキーなものに変えて脱保護後の酸不安定基の膜からの蒸散を防いだり、酸発生剤(PAG)をポリマー化したりする検討が行われているが、未だ十分ではない。
【0018】
基板がSi基板等の反射が高い基板の場合、ArFエキシマレーザー等のリソグラフィーを行うと、入射光と基板からの反射光が重なり合って定在波が発生する。垂直入射光の場合、低在波の発生によりパターン側壁にλ/2n(λ:露光波長、n膜の屈折率)の周期的な凹凸が発生し、段差上等でレジスト層の膜厚が変動すると寸法が変動する。低在波を抑えるためにレジスト上層(ARCOR法、特開昭62−62520、特開昭62−62521、特開昭60−38821号公報:特許文献4〜6)、あるいは下層(BARC法、特開昭62−159143号公報:特許文献7)に反射防止膜を設ける。レジスト下層の反射防止膜は定在波低減に非常に効果的であるが、イオン打ち込み(イオンプランテーション)工程等では現像後のレジストパターンのスペース部分に覗いた基板上にイオンを打ち込むために、レジストスペースパターン上にレジスト下層反射防止膜が存在すると、下層反射防止膜上で打ち込まれたイオンが停止してしまい、基板にイオンをドーピングすることができない。
【0019】
一方、レジスト上層反射防止膜プロセスは基盤上に直接レジスト層を塗布することが可能であるためにイオン打ち込み工程に用いることができる。レジスト上層反射防止膜は、基板と投影レンズの間が大気又は窒素等のドライ露光の場合はレジスト層の屈折率の平方根の低屈折率材料の膜を所定の膜厚で設けることによって定在波を打ち消すことができる。但し、この様な理想的な低屈折率の材料がないため、レジスト上層反射防止膜は下層反射防止膜ほどの定在波低減効果はない。低在波を抑える最も古典的な手法としては、レジスト層に吸収剤を添加する方法である。この方法は、レジスト上層あるいは下層の反射防止膜を必要としないために最もシンプルかつ安価なプロセスであり好適である。但しこの方法では吸光剤がレジスト膜の深さ方向に対して均一に分布するために、吸収の影響で基板面に近いほど光エネルギーが弱くなるために、現像後のレジストパターンがテーパー形状になったり、膜減り形状になったりしてパターン形状が劣化する問題点がある。
【0020】
レジスト上層反射防止膜に吸収を持たせることによって、反射防止効果が高まることは半導体・集積回路技術第45回シンポジウム講演論文集p62(非特許文献5)に述べられている。これによると、光吸収のあるレジスト上層反射防止膜を使えばレジスト層の平方根よりも大きな値でも十分な反射防止効果を達成することができる。そこで、芳香族系ポリマーを使って屈折率を下げ、吸収を持たせた反射防止膜が提案されている(非特許文献6:Proc. SPIE Vol. 6153−28 New 193−nm top antireflective coatings for superior swing reduction(2006))。
【0021】
【特許文献1】特開2005−264131号公報
【特許文献2】特開2002−107933号公報
【特許文献3】特開2006−48029号公報
【特許文献4】特開昭62−62520号公報
【特許文献5】特開昭62−62521号公報
【特許文献6】特開昭60−38821号公報
【特許文献7】特開昭62−159143号公報
【非特許文献1】Proc. SPIE Vol. 4690 xxix
【非特許文献2】Proc. SPIE Vol. 5040 p724
【非特許文献3】2nd Immersion Work Shop, July 11, 2003, Resist and Cover Material Investigation for Immersion Lithography
【非特許文献4】2nd International Symposium on Immersion Lithography, 12−15/Sept.,2005, Defectivity data taken with a full−field immersion exposure tool, Nakano et., al.
【非特許文献5】半導体・集積回路技術第45回シンポジウム講演論文集p62
【非特許文献6】Proc. SPIE Vol. 6153−28 New 193−nm top antireflective coatings for superior swing reduction(2006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、ナフトール基を有するポリマー型のフッ素系界面活性剤を添加することによって、塗布後のフォトレジスト表面にナフチル基を有する層を形成し、これによってその上に保護膜層を形成した時のレジスト膜と保護膜とのミキシング層の発生を抑え、露光現像後のレジスト表面の親水性を高めることによってブロッブ欠陥の発生を抑えることができるレジスト材料、特に塗布後の長期安定性と真空中の露光安定性に優れたマスクブランクスレジスト材料、真空中のアウトガスの発生を低減したEUVレジスト材料及びこのような材料を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、酸によってアルカリ溶解性が向上するベース樹脂となる高分子化合物と、高分子添加剤としてナフチル基を有する繰り返し単位と少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位とを共重合した高分子化合物とを含むことを特徴とするレジスト材料を提供するものである(請求項1)。
【0024】
また、ナフチル基を有する繰り返し単位と少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位とを共重合した高分子化合物が、下記一般式(1)で示されるものであることを特徴とするレジスト材料(請求項2)が提供される。
【化1】


(式中、R1、R3、R6はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。R2、X2はそれぞれ独立に単結合、−O−、−C(=O)−O−R8−又は−C(=O)−NH−R8−であり、R8は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよく、更にR2は、エチレントリイル基であってもよい。nは1又は2であり、n=1の場合、X1は単結合、−O−、−C(=O)−O−R8−又は−C(=O)−NH−R8−であり、R8は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。n=2の場合、X1は−C(=O)−O−R81=又は−C(=O)−NH−R81=であり、R81は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基から水素原子が1個脱離した基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R4は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、R5は水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基、又はR4と結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜10の環(但し、芳香環は除く)を形成してもよく、環の中にエーテル基、フッ素で置換されたアルキレン基又はトリフルオロメチル基を有していてもよい。R7は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、少なくとも1個のフッ素原子で置換されていて、エーテル基、エステル基又はスルホンアミド基を有していてもよい。Rは水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はフッ素化されたアルキル基であり、Yは水素原子、又は酸不安定基であり、mは0〜2の整数である。0<a<1.0、0≦(b−1)<1.0、0≦(b−2)<1.0、0<(b−1)+(b−2)<1.0、0.5≦a+(b−1)+(b−2)≦1.0である。)
【0025】
これらのレジスト材料を用いて形成したフォトレジスト膜は、レジスト膜表面にナフトール基が配向されているためにその上に保護膜を形成した時のミキシング層が形成されない。また、現像後のレジスト表面の親水性が高いためにブロッブ欠陥の発生を抑えることができる。
【0026】
この場合、前記レジスト材料が、化学増幅ポジ型レジスト材料であり(請求項3)、ポジ型レジスト材料の場合、ベース樹脂が、酸不安定基を有する繰り返し単位、及びヒドロキシ基及び/又はラクトン環の密着性基を有する繰り返し単位を含むものであることが好ましい(請求項4)。
【0027】
このような化学増幅ポジ型レジスト材料であれば、ベース樹脂がヒドロキシ基及び/又はラクトン環の密着性基を有する繰り返し単位を含むことで、基板との高い密着性を実現できる。更に、ベース樹脂が酸不安定基を有する繰り返し単位を有することで、露光時に酸発生剤が発生する酸により酸不安定基を脱離させて、レジスト露光部を現像液に溶解させるように変換することにより、極めて高精度なパターンを得ることができる。
【0028】
また、前記レジスト材料が、更に、有機溶剤、酸発生剤、塩基性化合物、溶解制御剤及び界面活性剤のいずれか1つ以上を含有するものであることが好ましい(請求項5)。
また、前記レジスト材料を化学増幅ネガ型レジスト材料として構成することができ(請求項6)、この場合、有機溶剤、酸発生剤、架橋剤及び界面活性剤のいずれか1つ以上を含有させることができる(請求項7)。
【0029】
このように、更に有機溶剤を配合することによって、例えば、レジスト材料の基板等への塗布性を向上させることができるし、塩基性化合物を配合することによって、レジスト膜中での酸の拡散速度を抑制し、解像度を一層向上させることができるし、溶解制御剤を配合することによって、露光部と未露光部との溶解速度の差を一層大きくすることができ、解像度を一層向上させることができるし、界面活性剤を添加することによってレジスト材料の塗布性を一層向上あるいは制御することができる。なお、化学増幅ネガ型レジスト材料の場合は架橋剤を配合する。
【0030】
また、本発明は、レジスト材料を基板上に塗布し、これを加熱処理することによって形成されたレジスト表面層にナフチル基を有する繰り返し単位と少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位とを共重合した高分子化合物からなる光吸収性の膜が形成されたレジスト表面反射防止機能を有するフォトレジスト膜を提供する(請求項8)。これにより、レジスト下層反射防止膜(BARC)を設けない場合においても反射防止効果に優れ、定在波の発生を抑えることができる。
【0031】
また、少なくとも、前記レジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、高エネルギー線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法が提供される(請求項9)。
もちろん、露光後加熱処理を加えた後に現像してもよいし、エッチング工程、レジスト除去工程、洗浄工程等その他の各種の工程が行われてもよいことは言うまでもない。
この場合、前記高エネルギー線を波長180〜250nmの範囲のものとすることが好ましい(請求項10)。
【0032】
また、前記高エネルギー線で露光する工程を液体を介して露光する液浸露光により行うことができ(請求項11)、前記液浸露光において、レジスト膜と液体の間に保護膜を形成して投影レンズの間に液体を挿入し、該液体を介して前記基板を露光することができる(請求項12)。
【0033】
前記液浸露光において、フォトレジスト膜と液体の間に設ける保護膜として、αトリフルオロメチルヒドロキシ基を有する高分子化合物をベースとするアルカリ可溶型保護膜を用いる(請求項13)。
【0034】
前記液浸露光において、180〜250nmの範囲の露光波長を用い、前記レジスト材料と保護膜を塗布した基板と投影レンズの間に液体を挿入し、該液体を介して前記基板を露光することができる(請求項14)。
また、前記液体として水を用いることができる(請求項15)。
【発明の効果】
【0035】
本発明のレジスト材料を用いて形成したフォトレジスト膜は、レジスト膜表面を親水性化することによって、現像後レジスト膜上のブロッブ欠陥の発生を防止できる。また、液浸露光用のレジスト保護膜とのミキシングを防止することによってパターン形状の劣化を防ぐことができる。
しかも、上記フォトレジスト膜は、水に対して高い後退接触角を有するため、液浸露光時の走査後にフォトレジスト膜の表面に液滴が残りにくく、膜表面に残存する液滴が誘発するパターン形成不良を低減することができる。
従って、本発明のレジスト材料を用いれば、液浸リソグラフィーにおけるコストを削減して、かつ、欠陥の少ない微細なパターンを高精度で形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、上記した問題を解決するため鋭意検討及び研究を重ねた結果、フォトレジスト膜の上に保護膜を用いて保護膜と投影レンズの間に水を挿入する液浸リソグラフィー工程において、特定の高分子化合物(高分子添加剤)を配合してなるフォトレジスト膜が、(1)保護膜層とフォトレジスト膜層とのインターミキシングを防止し、及び、(2)現像後のレジスト表面をより親水性化させることによって欠陥の発生を防止することを見出し、高分子化合物(高分子添加剤)の組成、配合を種々検討した結果、本発明を完成させた。
【0037】
即ち、本発明は、酸によってアルカリ溶解性が向上するベース樹脂となる高分子化合物と、高分子添加剤として、ナフチル基を有する繰り返し単位と少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位とを共重合した高分子化合物、特に下記一般式(1)で示される高分子化合物とを含むことを特徴とするレジスト材料である。
【0038】
【化2】


(式中、R1、R3、R6はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。R2、X2はそれぞれ独立に単結合、−O−、−C(=O)−O−R8−又は−C(=O)−NH−R8−であり、R8は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよく、更にR2は、エチレントリイル基であってもよい。nは1又は2であり、n=1の場合、X1は単結合、−O−、−C(=O)−O−R8−又は−C(=O)−NH−R8−であり、R8は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。n=2の場合、X1は−C(=O)−O−R81=又は−C(=O)−NH−R81=であり、R81は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基から水素原子が1個脱離した基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R4は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、R5は水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基、又はR4と結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜10の環(但し、芳香環は除く)、特に脂環を形成してもよく、環の中にエーテル基、フッ素で置換されたアルキレン基又はトリフルオロメチル基を有していてもよい。R7は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、少なくとも1個のフッ素原子で置換されていて、エーテル基、エステル基又はスルホンアミド基を有していてもよい。Rは水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はフッ素化されたアルキル基であり、Yは水素原子、又は酸不安定基であり、mは0〜2の整数である。0<a<1.0、0≦(b−1)<1.0、0≦(b−2)<1.0、0<(b−1)+(b−2)<1.0、0.5≦a+(b−1)+(b−2)≦1.0である。)
【0039】
上記一般式(1)の繰り返し単位を有する高分子化合物を添加したレジスト材料を用いて形成したフォトレジスト膜は、一般式(1)で示されるフォトレジスト膜表面にナフチル基とフルオロアルキル基を有する高分子型の界面活性剤を添加することが特徴である。ナフチル基が、ヒドロキシ基を有するナフトール基の場合、フォトレジスト成膜後、ナフトール基を有する高分子型の界面活性剤がフォトレジスト膜表面に配向し、より親水性のフォトレジスト表面が形成される。フォトレジスト膜形成後、保護膜の塗布を行う。保護膜はアルカリ溶解性と撥水性を両立させるために、αトリフルオロメチルヒドロキシ基を有する高分子化合物をベースとし、レジスト膜を溶解させない炭素数4以上の高級アルコール、エーテル、アルカン、又はフッ素原子を有する溶媒に溶解しているものが使われる。本発明のナフチル基とフルオロアルキル基を有する高分子型の界面活性剤は、前記保護膜用溶媒に全く溶解しないため、保護膜とレジスト膜との間にインターミキシングを防止するバリヤ層を形成する。このために、保護膜を使った場合と使わない場合とで現像後のレジストパターン形状に変化がなく、良好なパターンを得ることができる。
【0040】
上記一般式(1)中の(a)で示されるナフチル基、ヒドロキシナフチル基を有する繰り返し単位(a)を得るための重合性モノマーは、具体的には下記に例示することができる。
【0041】
【化3】

【0042】
【化4】

【0043】
【化5】

【0044】
モノマーの段階ではヒドロキシ基をアセチル基や、アセタール基等で置換しておいて、重合後の脱保護反応によってヒドロキシ基にすることができる。ヒドロキシ基がアセチル基で置換されている場合、重合後のアルカリ加水分解でアセチル基を脱保護化してヒドロキシ基にし、ヒドロキシ基がアセタール等の酸不安定基で置換されていて、酸触媒による加水分解で脱保護化してヒドロキシ基にする。
【0045】
次に、一般式(1)中の(b−1)で示されるαトリフルオロメチルアルコール基を有する繰り返し単位(b−1)を得るためのモノマーとしては、下記に例示することができる。
【0046】
【化6】

【0047】
【化7】

【0048】
【化8】

【0049】
【化9】

【0050】
【化10】


(式中、R3、Yは前述と同様である。)
【0051】
更に、上記一般式(1)中の(b−2)で示されるフッ素で置換されたアルキル基を有する繰り返し単位(b−2)を得るためのモノマーとしては、下記の具体例を挙げることができる。
【0052】
【化11】

【0053】
【化12】


(式中、R6は前述と同様である。)
【0054】
本発明のレジスト材料に添加する高分子化合物としては、上記一般式(1)中の(a)、(b−1)、(b−2)で示される繰り返し単位に加え、アルカリ溶解性を向上させたり、現像後のレジストの親水性を向上させる目的でカルボキシル基を有する繰り返し単位cを共重合することができる。
【0055】
カルボキシル基を有する繰り返し単位cとしては、具体的には下記に例示することができる。
【0056】
【化13】

【0057】
【化14】

【0058】
本発明のレジスト材料に添加する高分子化合物としては、上記一般式(1)中の(a)、(b−1)、(b−2)で示される繰り返し単位に加え、レジストベースポリマーとの混用性を向上させたり、レジスト表面の膜減りを抑えたりする目的のために、ラクトンの密着性基を有する繰り返し単位dや、酸不安定基を有する繰り返し単位eを共重合することができる。ラクトンの密着性基を有する繰り返し単位dや、酸不安定基を有する繰り返し単位eとしては、レジストベースポリマーに用いられているものを使うことができる。これについては後述する。
【0059】
上記レジスト材料に添加される上記一般式(1)中の(a)、(b−1)、(b−2)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量としては、1,000〜100,000、好ましくは2,000〜30,000であるが、これらに限定されるものではない。分子量が1,000以上であれば界面活性剤としてレジスト表面に配向する十分な機能を有し、ポリマーのガラス転移点が高いために、フォトレジストに添加したときに酸拡散が過度に増大するようなことが起きづらい。また、分子量が100,000以下であれば、該高分子化合物のアルカリ現像液への溶解速度が十分大きいため、これを含有したフォトレジスト膜を用いてパターン形成した場合に、樹脂の残渣が基板に付着するおそれが少ない。
【0060】
また、上記の一般式(1)中の(a)、(b−1)、(b−2)の繰り返し単位を有する高分子化合物は、各々1種類の高分子化合物としてレジスト材料に配合してもよいし、共重合比率や分子量、あるいは種類の異なるモノマー同士を共重合した2種類以上の高分子化合物を任意の割合で混合してレジスト材料に配合してもよい。
【0061】
(a)、(b−1)、(b−2)の共重合比率は、0<a<1.0、0≦(b−1)<1.0、0≦(b−2)<1.0、0<(b−1)+(b−2)<1.0、0.5≦a+(b−1)+(b−2)≦1.0、好ましくは0.1≦a≦0.9、0≦(b−1)≦0.95、0≦(b−2)≦0.95、0.1≦(b−1)+(b−2)≦0.9、0.6≦a+(b−1)+(b−2)≦1.0である。
【0062】
また、上記繰り返し単位c、d、eは、0≦c≦0.8、特に0≦c≦0.7、0≦d≦0.8、特に0≦d≦0.7、0≦e≦0.8、特に0≦e≦0.7とすることができ、a+(b−1)+(b−2)+c+d+e=1である。
【0063】
なお、ここで、例えばa+(b−1)+(b−2)=1とは、繰り返し単位(a)、(b−1)、(b−2)を含む高分子化合物において、繰り返し単位(a)、(b−1)、(b−2)の合計量が全繰り返し単位の合計量に対して100モル%であることを示し、a+(b−1)+(b−2)<1とは、繰り返し単位(a)、(b−1)、(b−2)の合計量が全繰り返し単位の合計量に対して100モル%未満で、(a)、(b−1)、(b−2)以外に他の繰り返し単位を有していることを示す。
【0064】
繰り返し単位aにおいて、ヒドロキシ基で置換されたナフチル基を繰り返し単位として有する高分子化合物を添加した場合は、レジスト表面の親水性を高めることができ、これによって特には現像後のブロッブ欠陥を低減することが可能になる。繰り返し単位aにおいて、ヒドロキシ基で置換されていないナフチル基を繰り返し単位として有する高分子化合物を添加した場合は、表面の撥水性を高めることによって環境耐性を向上することが可能になる。自己形成型反射防止膜としての反射防止効果としては、繰り返し単位aにおいて、ヒドロキシ基を有していても有していなくても同じように得ることができる。
【0065】
上記高分子化合物のレジスト材料への配合比は、添加する高分子化合物の合計質量がレジスト材料のベース樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部、好ましくは0.5〜10質量部がよい。これが0.1質量部以上であれば、フォトレジスト膜表面と水との後退接触角が十分に向上する。また、これが50質量部以下であれば、フォトレジスト膜のアルカリ現像液への溶解速度が小さく、形成した微細パターンの高さが十分に保たれる。
【0066】
また、前記レジスト材料は、ベース樹脂を含有するが、化学増幅ポジ型レジスト材料である場合は、少なくとも酸不安定基を有する繰り返し単位、及びヒドロキシ基及び/又はラクトン環の密着性基を有する繰り返し単位を含むベース樹脂を含むものであることが好ましい。
【0067】
このような化学増幅ポジ型レジスト材料であれば、ベース樹脂がヒドロキシ基及び/又はラクトン環の密着性基を有する繰り返し単位を含むことで、基板との高い密着性を実現できる。更に、ベース樹脂が酸不安定基を有する繰り返し単位を有することで、露光時に酸発生剤が発生する酸により酸不安定基を脱離させて、レジスト露光部を現像液に溶解させるように変換することにより、極めて高精度なパターンを得ることができる。
【0068】
上記ベース樹脂としては、下記式(R1)及び/又は下記式(R2)で示されるGPCによるポリスチレン換算重量平均分子量1,000〜100,000、好ましくは3,000〜30,000の高分子化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0069】
【化15】

【0070】
上式中、R001は、水素原子、メチル基又は−CH2CO2003を示す。
002は、水素原子、メチル基又は−CO2003を示す。
003は、炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エチルシクロペンチル基、ブチルシクロペンチル基、エチルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、エチルアダマンチル基、ブチルアダマンチル基等を例示できる。
【0071】
004は、水素原子、炭素数1〜15の含フッ素置換基及び/又はカルボキシ基もしくは水酸基を含有する1価の炭化水素基を示し、具体的には水素原子、カルボキシエチル、カルボキシブチル、カルボキシシクロペンチル、カルボキシシクロヘキシル、カルボキシノルボルニル、カルボキシアダマンチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシシクロペンチル、ヒドロキシシクロヘキシル、ヒドロキシノルボルニル、ヒドロキシアダマンチル、ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピルシクロヘキシル、ジ(ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)シクロヘキシル等が例示できる。
【0072】
005〜R008の少なくとも1個は炭素数1〜15の含フッ素置換基及び/又はカルボキシ基もしくは水酸基を含有する1価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。炭素数1〜15の含フッ素置換基及び/又はカルボキシ基もしくは水酸基を含有する1価の炭化水素基としては、具体的にはカルボキシ、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシブチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル、2−カルボキシエトキシカルボニル、4−カルボキシブトキシカルボニル、2−ヒドロキシエトキシカルボニル、4−ヒドロキシブトキシカルボニル、カルボキシシクロペンチルオキシカルボニル、カルボキシシクロヘキシルオキシカルボニル、カルボキシノルボルニルオキシカルボニル、カルボキシアダマンチルオキシカルボニル、ヒドロキシシクロペンチルオキシカルボニル、ヒドロキシシクロヘキシルオキシカルボニル、ヒドロキシノルボルニルオキシカルボニル、ヒドロキシアダマンチルオキシカルボニル、ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピルシクロヘキシルオキシカルボニル、ジ(ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)シクロヘキシルオキシカルボニル等が例示できる。
炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、具体的にはR003で例示したものと同様のものが例示できる。
【0073】
005〜R008のうちの2個(例えばR005とR006、R006とR007等)は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよく、その場合には環を形成するR005〜R008のうち少なくとも1個は炭素数1〜15の含フッ素置換基及び/又はカルボキシ基もしくは水酸基を含有する2価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に単結合又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。炭素数1〜15の含フッ素置換基及び/又はカルボキシ基もしくは水酸基を含有する2価の炭化水素基としては、具体的には上記含フッ素置換基及び/又はカルボキシ基もしくは水酸基を含有する1価の炭化水素基で例示したものから水素原子を1個除いたもの等を例示できる。炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基としては、具体的にはR003で例示したものから水素原子を1個除いたもの等を例示できる。
【0074】
009は、炭素数3〜15の−CO2−部分構造を含有する1価の炭化水素基を示し、具体的には2−オキソオキソラン−3−イル、4,4−ジメチル−2−オキソオキソラン−3−イル、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチル、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル等を例示できる。
【0075】
010〜R013の少なくとも1個は炭素数2〜15の−CO2−部分構造を含有する1価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。炭素数2〜15の−CO2−部分構造を含有する1価の炭化水素基としては、具体的には2−オキソオキソラン−3−イルオキシカルボニル、4,4−ジメチル−2−オキソオキソラン−3−イルオキシカルボニル、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イルオキシカルボニル、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチルオキシカルボニル、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イルオキシカルボニル等を例示できる。炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、具体的にはR003で例示したものと同様のものが例示できる。
【0076】
010〜R013のうちの2個(例えばR010とR011、R011とR012等)は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよく、その場合には環を形成するR010〜R013のうち少なくとも1個は炭素数1〜15の−CO2−部分構造を含有する2価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に単結合又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。炭素数1〜15の−CO2−部分構造を含有する2価の炭化水素基としては、具体的には1−オキソ−2−オキサプロパン−1,3−ジイル、1,3−ジオキソ−2−オキサプロパン−1,3−ジイル、1−オキソ−2−オキサブタン−1,4−ジイル、1,3−ジオキソ−2−オキサブタン−1,4−ジイル等の他、上記−CO2−部分構造を含有する1価の炭化水素基で例示したものから水素原子を1個除いたもの等を例示できる。炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基としては、具体的にはR003で例示したものから水素原子を1個除いたもの等を例示できる。
【0077】
014は、炭素数7〜15の多環式炭化水素基又は多環式炭化水素基を含有するアルキル基を示し、具体的にはノルボルニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル、アダマンチル、エチルアダマンチル、ブチルアダマンチル、ノルボルニルメチル、アダマンチルメチル等を例示できる。
【0078】
015は、酸不安定基を示し、具体例については後述する。
Xは、−CH2又は酸素原子を示す。
kは、0又は1である。
【0079】
015の酸不安定基としては、種々用いることができるが、具体的には下記一般式(L1)〜(L4)で示される基、炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等を挙げることができる。
【0080】
【化16】

【0081】
上式中、破線は結合手を示す。
また、式(L1)において、RL01、RL02は水素原子又は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、アダマンチル基等が例示できる。RL03は炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を有してもよい一価の炭化水素基を示し、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されたものを挙げることができ、具体的には、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては上記RL01、RL02と同様のものが例示でき、置換アルキル基としては下記の基等が例示できる。
【0082】
【化17】

【0083】
L01とRL02、RL01とRL03、RL02とRL03とは互いに結合してこれらが結合する炭素原子や酸素原子と共に環を形成してもよく、環を形成する場合にはRL01、RL02、RL03はそれぞれ炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
【0084】
式(L2)において、RL04は炭素数4〜20、好ましくは炭素数4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(L1)で示される基を示し、三級アルキル基としては、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、2−シクロペンチルプロパン−2−イル基、2−シクロヘキシルプロパン−2−イル基、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)プロパン−2−イル基、2−(アダマンタン−1−イル)プロパン−2−イル基、1−エチルシクロペンチル基、1−ブチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−ブチルシクロヘキシル基、1−エチル−2−シクロペンテニル基、1−エチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が例示でき、トリアルキルシリル基としては、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が例示でき、オキソアルキル基としては、具体的には3−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル基等が例示できる。yは0〜6の整数である。
【0085】
式(L3)において、RL05は炭素数1〜10の置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、置換されていてもよいアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホ基等に置換されたもの、又はこれらのメチレン基の一部が酸素原子又は硫黄原子に置換されたもの等が例示でき、置換されていてもよいアリール基としては、具体的にはフェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基等が例示できる。mは0又は1、nは0,1,2,3のいずれかであり、2m+n=2又は3を満足する数である。
【0086】
式(L4)において、RL06は炭素数1〜10の置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、具体的にはRL05と同様のもの等が例示できる。RL07〜RL16はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の一価の炭化水素基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホ基等に置換されたもの等が例示できる。RL07〜RL16は互いに結合して環を形成していてもよく(例えば、RL07とRL08、RL07とRL09、RL08とRL10、RL09とRL10、RL11とRL12、RL13とRL14等)、その場合には環を形成する基は炭素数1〜15の2価の炭化水素基を示し、具体的には上記1価の炭化水素基で例示したものから水素原子を1個除いたもの等が例示できる。また、RL07〜RL16は隣接する炭素に結合するもの同士で何も介さずに結合し、二重結合を形成してもよい(例えば、RL07とRL09、RL09とRL15、RL13とRL15等)。
【0087】
上記式(L1)で示される酸不安定基のうち直鎖状又は分岐状のものとしては、具体的には下記の基が例示できる。
【化18】

【0088】
上記式(L1)で示される酸不安定基のうち環状のものとしては、具体的にはテトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等が例示できる。
【0089】
上記式(L2)の酸不安定基としては、具体的にはtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が例示できる。
【0090】
上記式(L3)の酸不安定基としては、具体的には1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチル、1−n−プロピルシクロペンチル、1−イソプロピルシクロペンチル、1−n−ブチルシクロペンチル、1−sec−ブチルシクロペンチル、1−シクロヘキシルシクロペンチル、1−(4−メトキシ−n−ブチル)シクロペンチル、1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)シクロペンチル、1−(7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)シクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−エチルシクロヘキシル、3−メチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−エチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−メチル−1−シクロヘキセン−3−イル、3−エチル−1−シクロヘキセン−3−イル等が例示できる。
【0091】
上記式(L4)の酸不安定基としては、下記式(L4−1)〜(L4−4)で示される基が特に好ましい。
【化19】

【0092】
前記一般式(L4−1)〜(L4−4)中、破線は結合位置及び結合方向を示す。RL41はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の1価炭化水素基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示できる。
【0093】
前記一般式(L4−1)〜(L4−4)には、エナンチオ異性体(enantiomer)やジアステレオ異性体(diastereomer)が存在しえるが、前記一般式(L4−1)〜(L4−4)は、これらの立体異性体のすべてを代表して表す。これらの立体異性体は単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
【0094】
例えば、前記一般式(L4−3)は下記一般式(L4−3−1)、(L4−3−2)で示される基から選ばれる1種又は2種の混合物を代表して表すものとする。
【化20】


(式中、RL41は前述と同様である。)
【0095】
また、上記一般式(L4−4)は下記一般式(L4−4−1)〜(L4−4−4)で示される基から選ばれる1種又は2種以上の混合物を代表して表すものとする。
【化21】


(式中、RL41は前述と同様である。)
【0096】
上記一般式(L4−1)〜(L4−4)、(L4−3−1)、(L4−3−2)、及び式(L4−4−1)〜(L4−4−4)は、それらのエナンチオ異性体及びエナンチオ異性体混合物をも代表して示すものとする。
【0097】
なお、式(L4−1)〜(L4−4)、(L4−3−1)、(L4−3−2)、及び式(L4−4−1)〜(L4−4−4)の結合方向がそれぞれビシクロ[2.2.1]ヘプタン環に対してexo側であることによって、酸触媒脱離反応における高反応性が実現される(特開2000−336121号公報参照)。これらビシクロ[2.2.1]ヘプタン骨格を有する三級exo−アルキル基を置換基とする単量体の製造において、下記一般式(L4−1−endo)〜(L4−4−endo)で示されるendo−アルキル基で置換された単量体を含む場合があるが、良好な反応性の実現のためにはexo比率が50%以上であることが好ましく、exo比率が80%以上であることが更に好ましい。
【0098】
【化22】


(式中、RL41は前述と同様である。)
【0099】
上記式(L4)の酸不安定基としては、具体的には下記の基が例示できる。
【化23】

【0100】
また、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、具体的にはRL04で挙げたものと同様のもの等が例示できる。
【0101】
前記(R2)中、R016、R018は水素原子又はメチル基を示す。R017は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。
【0102】
前記(R1)において、a1’、a2’、a3’、b1’、b2’、b3’、c1’、c2’、c3’、d1’、d2’、d3’、e’は0以上1未満の数であり、a1’+a2’+a3’+b1’+b2’+b3’+c1’+c2’+c3’+d1’+d2’+d3’+e’=1を満足する。前記(R2)において、f’、g’、h’、i’、j’、k‘、l’、m‘は0以上1未満の数であり、f’+g’+h’+i’+j’+k‘+l’+m‘=1を満足する。x’、y’、z’は0〜3の整数であり、1≦x’+y’+z’≦5、1≦y’+z’≦3を満足する。
更に、インデン類、ノルボルナジエン類、アセナフチレン類、ビニルエーテル類を共重合することもできる。
【0103】
上記式(R1)において、組成比a1’で導入される繰り返し単位として具体的には以下のものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
【化24】

【0105】
【化25】

【0106】
上記式(R1)において、組成比b1’で導入される繰り返し単位として具体的には以下のものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0107】
【化26】

【0108】
【化27】

【0109】
上記式(R1)において、組成比d1’で導入される繰り返し単位として具体的には以下のものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0110】
【化28】

【0111】
【化29】

【0112】
【化30】

【0113】
【化31】

【0114】
上記式(R1)において、組成比a3’、b3’、c3’、d3’の繰り返し単位で構成される高分子化合物として具体的には以下のものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0115】
【化32】

【0116】
【化33】

【0117】
更に、下記一般式(PA)に示される感光性のスルホニウム塩を有する繰り返し単位を(R1)や(R2)に共重合、含有することもできる。
【化34】


(上式中、Rp1は水素原子又はメチル基、Rp2はフェニレン基、−O−Rp5−、又は−C(=O)−X−Rp5−である。Xは酸素原子又はNH、Rp5は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、アルケニレン基、又はフェニレン基であり、カルボニル基、エステル基又はエーテル基を含んでいてもよい。Rp3、Rp4は同一又は異種の炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、カルボニル基、エステル基又はエーテル基を含んでいてもよく、又は炭素数6〜12のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基、又はチオフェニル基を表す。X-は非求核性対向イオンを表す。)
【0118】
なお、上記ベース樹脂を構成する高分子化合物は1種に限らず2種以上を添加することができる。複数種の高分子化合物を用いることにより、レジスト材料の性能を調整することができる。
【0119】
本発明のレジスト材料は、化学増幅ポジ型レジスト材料として機能するために酸発生剤を含んでもよく、例えば、活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含有してもよい。光酸発生剤の成分としては、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでも構わない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート型酸発生剤等がある。以下に詳述するがこれらは単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
【0120】
スルホニウム塩はスルホニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩であり、スルホニウムカチオンとしてトリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル2−ナフチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム、4−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム、2−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム等が挙げられ、スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等が挙げられ、ビス(置換アルキルスルホニル)イミドとしてはビストリフルオロメチルスルホニルイミド、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミド、ビスヘプタフルオロプロピルスルホニルイミド、1,3−プロピレンビススルホニルイミド等が挙げられ、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドとしてはトリストリフルオロメチルスルホニルメチドが挙げられ、これらの組み合わせのスルホニウム塩が挙げられる。
【0121】
ヨードニウム塩はヨードニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩であり、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、4−tert−ブトキシフェニルフェニルヨードニウム、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム等のアリールヨードニウムカチオンとスルホネートとしてトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等が挙げられ、ビス(置換アルキルスルホニル)イミドとしてはビストリフルオロメチルスルホニルイミド、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミド、ビスヘプタフルオロプロピルスルホニルイミド、1,3−プロピレンビススルホニルイミド等が挙げられ、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドとしてはトリストリフルオロメチルスルホニルメチドが挙げられ、これらの組み合わせのヨードニウム塩が挙げられる。
【0122】
スルホニルジアゾメタンとしては、ビス(エチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(パーフルオロイソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−アセチルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メタンスルホニルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tertブチルカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン、2−ナフチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニル2−ナフトイルジアゾメタン、メチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tertブトキシカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタンとスルホニル−カルボニルジアゾメタンが挙げられる。
【0123】
N−スルホニルオキシイミド型光酸発生剤としては、コハク酸イミド、ナフタレンジカルボン酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキシルジカルボン酸イミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸イミド等のイミド骨格とトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等の組み合わせの化合物が挙げられる。
【0124】
ベンゾインスルホネート型光酸発生剤としては、ベンゾイントシレート、ベンゾインメシレート、ベンゾインブタンスルホネート等が挙げられる。
【0125】
ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤としては、ピロガロール、フロログリシノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンのヒドロキシル基のすべてをトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等で置換した化合物が挙げられる。
【0126】
ニトロベンジルスルホネート型光酸発生剤としては、2,4−ジニトロベンジルスルホネート、2−ニトロベンジルスルホネート、2,6−ジニトロベンジルスルホネートが挙げられ、スルホネートとしては、具体的にトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等が挙げられる。またベンジル側のニトロ基をトリフルオロメチル基で置き換えた化合物も同様に用いることができる。
【0127】
スルホン型光酸発生剤の例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)メタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)メタン、2,2−ビス(フェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(2−ナフチルスルホニル)プロパン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オン等が挙げられる。
【0128】
グリオキシム誘導体型の光酸発生剤は、特許第2906999号公報や特開平9−301948号公報に記載の化合物を挙げることができ、具体的にはビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(p−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−ニオキシム等が挙げられる。
【0129】
また、米国特許第6004724号明細書記載のオキシムスルホネート、特に(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル等が挙げられ、更に米国特許第6916591号明細書記載の(5−(4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(2,5−ビス(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル等が挙げられる。
【0130】
米国特許第6261738号明細書、特開2000−314956号公報記載のオキシムスルホネート、特に2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(メチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルチオフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−フェニル−ブタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−10−カンホリルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メチルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−ドデシルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−オクチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−ドデシルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−オクチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−フェニルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−クロロフェニル)−エタノンオキシム−O−フェニルスルホナート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−(フェニル)−ブタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−ナフチル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−2−ナフチル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルフェニル]−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(フェニル−1,4−ジオキサ−ブト−1−イル)フェニル]−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−ナフチル−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−2−ナフチル−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルスルホニルフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、1,3−ビス[1−(4−フェノキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンオキシム−O−スルホニル]フェニル、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルスルホニルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルカルボニルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[6H,7H−5,8−ジオキソナフト−2−イル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メトキシカルボニルメトキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(メトキシカルボニル)−(4−アミノ−1−オキサ−ペンタ−1−イル)−フェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[3,5−ジメチル−4−エトキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[2−チオフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、及び2,2,2−トリフルオロ−1−[1−ジオキサ−チオフェン−2−イル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメタンスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(トリフルオロメタンスルホネート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(1−プロパンスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(1−プロパンスルホネート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(1−ブタンスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(1−ブタンスルホネート)等が挙げられ、更に米国特許第6916591号明細書記載の2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(4−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホネート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(2,5−ビス(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(2,5−ビス(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フェニルスルホネート)等が挙げられる。
【0131】
特開平9−95479号公報、特開平9−230588号公報あるいは文中の従来技術として記載のオキシムスルホネートα−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2−チエニルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−[(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−3−チエニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル等が挙げられる。
【0132】
下記式で示されるオキシムスルホネート(例えばWO2004/074242に具体例記載)が挙げられる。
【化35】


(上式中、RS1は置換又は非置換の炭素数1〜10のハロアルキルスルホニル又はハロベンゼンスルホニル基を表す。RS2は炭素数1〜11のハロアルキル基を表す。ArS1は置換又は非置換の芳香族基又はヘテロ芳香族基を表す。)
【0133】
具体的には、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘキシル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−4−ビフェニル、2−[2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−4−ビフェニル、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘキシル]−4−ビフェニル等が挙げられる。
【0134】
また、ビスオキシムスルホネートとして特開平9−208554号公報記載の化合物、特にビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリルビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリルビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル等が挙げられる。
【0135】
中でも好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート、グリオキシム誘導体である。より好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネートである。具体的にはトリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムペンタフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム−2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、カンファースルホネート、トリス(4−tertブチルフェニル)スルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−1−ブタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−1−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロへキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、N−カンファースルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、N−p−トルエンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘキシル]−フルオレン等が挙げられる。
【0136】
本発明の化学増幅型レジスト材料における光酸発生剤の添加量はいずれでもよいが、レジスト材料中のベース樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。光酸発生剤が20質量部以下であれば、フォトレジスト膜の透過率が十分大きく、解像性能の劣化が起こるおそれが少ない。上記光酸発生剤は、単独でも2種以上混合して用いることもできる。更に露光波長における透過率が低い光酸発生剤を用い、その添加量でレジスト膜中の透過率を制御することもできる。
【0137】
また、本発明のレジスト材料に、酸により分解し、酸を発生する化合物(酸増殖化合物)を添加してもよい。
これらの化合物についてはJ.Photopolym.Sci.and Tech.,8.43−44,45−46(1995)、J.Photopolym.Sci.and Tech.,9.29−30(1996)において記載されている。
【0138】
酸増殖化合物の例としては、tert−ブチル2−メチル2−トシロキシメチルアセトアセテート、2−フェニル2−(2−トシロキシエチル)1,3−ジオキソラン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。公知の光酸発生剤の中で安定性、特に熱安定性に劣る化合物は酸増殖化合物的な性質を示す場合が多い。
【0139】
本発明のレジスト材料における酸増殖化合物の添加量としては、レジスト材料中のベース樹脂100質量部に対して2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。2質量部以下であれば、拡散が制御され解像性の劣化、パターン形状の劣化が起こるおそれが少ない。
【0140】
本発明のレジスト材料は、更に、有機溶剤、塩基性化合物、溶解制御剤、架橋剤及び界面活性剤のいずれか1つ以上を含有することができる。
【0141】
本発明で使用される有機溶剤としては、ベース樹脂、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
【0142】
有機溶剤の使用量は、ベース樹脂100質量部に対して200〜3,000質量部、特に400〜2,500質量部が好適である。
【0143】
更に、本発明のレジスト材料には、塩基性化合物として含窒素有機化合物を1種又は2種以上配合することができる。
含窒素有機化合物としては、酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適している。含窒素有機化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
【0144】
このような含窒素有機化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド類、イミド類、カーバメート類等が挙げられる。
【0145】
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0146】
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、4−ピロリジノピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
【0147】
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド類としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、1−シクロヘキシルピロリドン等が例示される。イミド類としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。カーバメート類としては、N−t−ブトキシカルボニル−N,N−ジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、オキサゾリジノン等が例示される。
【0148】
更に、下記一般式(B)−1で示される含窒素有機化合物が例示される。
N(X)n(Y)3-n (B)−1
(上式中、nは1、2又は3である。側鎖Xは同一でも異なっていてもよく、下記一般式(X1)、(X2)又は(X3)で表すことができる。側鎖Yは同一又は異種の、水素原子もしくは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜20のアルキル基を示し、エーテル基もしくはヒドロキシル基を含んでもよい。また、X同士が結合してこれらが結合する窒素原子と共に環を形成してもよい。)
【化36】

【0149】
上記一般式(X1)〜(X3)中、R300、R302、R305は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R301、R304は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1個あるいは複数個含んでいてもよい。
303は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R306は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1個あるいは複数個含んでいてもよい。
【0150】
上記一般式(B)−1で表される化合物として具体的には、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、トリス(2−ホルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−アセトキシエチル)アミン、トリス(2−プロピオニルオキシエチル)アミン、トリス(2−ブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−イソブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−バレリルオキシエチル)アミン、トリス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(アセトキシアセトキシ)エチルアミン、トリス(2−メトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス(2−tert−ブトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス[2−(2−オキソプロポキシ)エチル]アミン、トリス[2−(メトキシカルボニルメチル)オキシエチル]アミン、トリス[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス[2−(シクロヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス(2−メトキシカルボニルエチル)アミン、トリス(2−エトキシカルボニルエチル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−アセトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(4−ヒドロキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(4−ホルミルオキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(2−ホルミルオキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−メトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]アミン、N−メチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−エチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−メチルビス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N−エチルビス[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、N−エチルビス[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、トリス(メトキシカルボニルメチル)アミン、トリス(エトキシカルボニルメチル)アミン、N−ブチルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、N−ヘキシルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、β−(ジエチルアミノ)−δ−バレロラクトンが例示される。
【0151】
更に、下記一般式(B)−2に示される環状構造を持つ含窒素有機化合物が例示される。
【化37】


(上式中、Xは前述の通り、R307は炭素数2〜20の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、カルボニル基、エーテル基、エステル基、スルフィドを1個あるいは複数個含んでいてもよい。)
【0152】
上記一般式(B)−2として具体的には、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピロリジン、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(メトキシメトキシ)エチル]モルホリン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピロリジン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピペリジン、4−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]モルホリン、酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、酢酸2−ピペリジノエチル、酢酸2−モルホリノエチル、ギ酸2−(1−ピロリジニル)エチル、プロピオン酸2−ピペリジノエチル、アセトキシ酢酸2−モルホリノエチル、メトキシ酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、4−[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、1−[2−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(2−メトキシエトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−ピペリジノプロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸メチル、3−(チオモルホリノ)プロピオン酸メチル、2−メチル−3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸エチル、3−ピペリジノプロピオン酸メトキシカルボニルメチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−ヒドロキシエチル、3−モルホリノプロピオン酸2−アセトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、3−モルホリノプロピオン酸テトラヒドロフルフリル、3−ピペリジノプロピオン酸グリシジル、3−モルホリノプロピオン酸2−メトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、3−モルホリノプロピオン酸ブチル、3−ピペリジノプロピオン酸シクロヘキシル、α−(1−ピロリジニル)メチル−γ−ブチロラクトン、β−ピペリジノ−γ−ブチロラクトン、β−モルホリノ−δ−バレロラクトン、1−ピロリジニル酢酸メチル、ピペリジノ酢酸メチル、モルホリノ酢酸メチル、チオモルホリノ酢酸メチル、1−ピロリジニル酢酸エチル、モルホリノ酢酸2−メトキシエチル、2−メトキシ酢酸2−モルホリノエチル、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸2−モルホリノエチル、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸2−モルホリノエチル、ヘキサン酸2−モルホリノエチル、オクタン酸2−モルホリノエチル、デカン酸2−モルホリノエチル、ラウリン酸2−モルホリノエチル、ミリスチン酸2−モルホリノエチル、パルミチン酸2−モルホリノエチル、ステアリン酸2−モルホリノエチルが例示される。
【0153】
更に、下記一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む含窒素有機化合物が例示される。
【化38】


(上式中、X、R307、nは前述の通り、R308、R309は同一又は異種の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。)
【0154】
上記一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む含窒素有機化合物として具体的には、3−(ジエチルアミノ)プロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−エチル−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−テトラヒドロフルフリル−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、ジエチルアミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−シアノメチル−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−(シアノメチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(シアノメチル)アミノアセトニトリル、1−ピロリジンプロピオノニトリル、1−ピペリジンプロピオノニトリル、4−モルホリンプロピオノニトリル、1−ピロリジンアセトニトリル、1−ピペリジンアセトニトリル、4−モルホリンアセトニトリル、3−ジエチルアミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、3−ジエチルアミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピロリジンプロピオン酸シアノメチル、1−ピペリジンプロピオン酸シアノメチル、4−モルホリンプロピオン酸シアノメチル、1−ピロリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピペリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、4−モルホリンプロピオン酸(2−シアノエチル)が例示される。
【0155】
更に、下記一般式(B)−7で表されるイミダゾール骨格及び極性官能基を有する含窒素有機化合物が例示される。
【化39】


(上式中、R310は炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基、アセタール基のいずれかを1個あるいは複数個含む。R311、R312、R313は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。)
【0156】
更に、下記一般式(B)−8で示されるベンズイミダゾール骨格及び極性官能基を有する含窒素有機化合物が例示される。
【化40】


(上式中、R314は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基である。R315は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としてエステル基、アセタール基、シアノ基のいずれかを一つ以上含み、その他に水酸基、カルボニル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基のいずれかを一つ以上含んでいてもよい。)
【0157】
更に、下記一般式(B)−9及び(B)−10で示される極性官能基を有する含窒素複素環化合物が例示される。
【化41】


(上式中、Aは窒素原子又は≡C−R322である。Bは窒素原子又は≡C−R323である。R316は炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基又はアセタール基を一つ以上含む。R317、R318、R319、R320は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又はアリール基であるか、又はR317とR318、R319とR320はそれぞれ結合してこれらが結合する炭素原子と共にベンゼン環、ナフタレン環あるいはピリジン環を形成してもよい。R321は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又はアリール基である。R322、R323は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又はアリール基である。R321とR323は結合してこれらが結合する炭素原子と共にベンゼン環又はナフタレン環を形成してもよい。)
【0158】
更に、下記一般式(B)−11〜(B)−14で示される芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が例示される。
【化42】


(上式中、R324は炭素数6〜20のアリール基又は炭素数4〜20のヘテロ芳香族基であって、水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、又は、炭素数1〜10のアルキルチオ基で置換されていてもよい。R325はCO2326、OR327又はシアノ基である。R326は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。R327は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基である。R328は単結合、メチレン基、エチレン基、硫黄原子又は−O(CH2CH2O)n−基である。n=0,1,2,3又は4である。R329は水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である。Xは窒素原子又はCR330である。Yは窒素原子又はCR331である。Zは窒素原子又はCR332である。R330、R331、R332はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はフェニル基であるか、あるいはR330とR331又はR331とR332が結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数6〜20の芳香環又は炭素数2〜20のヘテロ芳香環を形成してもよい。)
【0159】
更に、下記一般式(B)−15で示される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が例示される。
【化43】


(上式中、R333は水素、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。R334及びR335はそれぞれ独立に、エーテル、カルボニル、エステル、アルコール、スルフィド、ニトリル、アミン、イミン、アミド等の極性官能基を一個又は複数個含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であって、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。R334とR335は互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成してもよい。)
【0160】
なお、含窒素有機化合物の配合量は、ベース樹脂100質量部に対して0.001〜2質量部、特に0.01〜1質量部が好適である。配合量が0.001質量部以上であれば十分な配合効果が得られ、2質量部以下であれば感度が低下するおそれが少ない。
【0161】
本発明のレジスト材料には、上記成分以外に任意成分として塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤を添加することができる。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0162】
ここで、界面活性剤としては非イオン性のものが好ましく、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルEO付加物、含フッ素オルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。例えばフロラード「FC−430」、「FC−431」(いずれも住友スリーエム(株)製)、サーフロン「S−141」、「S−145」、「KH−10」、「KH−20」、「KH−30」、「KH−40」(いずれも旭硝子(株)製)、ユニダイン「DS−401」、「DS−403」、「DS−451」(いずれもダイキン工業(株)製)、メガファック「F−8151」(大日本インキ工業(株)製)、「X−70−092」、「X−70−093」(いずれも信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。好ましくは、フロラード「FC−430」(住友スリーエム(株)製)、「KH−20」、「KH−30」(いずれも旭硝子(株)製)、「X−70−093」(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
【0163】
本発明のレジスト材料には、必要に応じ、任意成分として更に、溶解制御剤、カルボン酸化合物、アセチレンアルコール誘導体等の他の成分を添加してもよい。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0164】
本発明のレジスト材料に添加することができる溶解制御剤としては、重量平均分子量が100〜1,000、好ましくは150〜800で、かつ分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物の該フェノール性水酸基の水素原子を酸不安定基により全体として平均0〜100モル%の割合で置換した化合物又は分子内にカルボキシ基を有する化合物の該カルボキシ基の水素原子を酸不安定基により全体として平均50〜100モル%の割合で置換した化合物を配合する。
【0165】
なお、フェノール性水酸基の水素原子の酸不安定基による置換率は、平均でフェノール性水酸基全体の0モル%以上、好ましくは30モル%以上であり、その上限は100モル%、より好ましくは80モル%である。カルボキシ基の水素原子の酸不安定基による置換率は、平均でカルボキシ基全体の50モル%以上、好ましくは70モル%以上であり、その上限は100モル%である。
【0166】
この場合、かかるフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物又はカルボキシ基を有する化合物としては、下記式(D1)〜(D14)で示されるものが好ましい。
【0167】
【化44】

【0168】
上式中、R201とR202は、それぞれ水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示し、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
203は、水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−(R207hCOOH(式中、R207は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。hは0又は1である。)を示し、例えば、R201、R202と同様なもの、あるいは−COOH、−CH2COOHが挙げられる。
204は、−(CH2i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示し、例えば、エチレン基、フェニレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。
205は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示し、例えば、メチレン基、あるいはR204と同様なものが挙げられる。
206は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、又はそれぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基を示し、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
208は、水素原子又は水酸基を示す。
【0169】
jは0〜5の整数である。u、hは0又は1である。s、t、s’、t’、s’’、t’’はそれぞれs+t=8、s’+t’=5、s’’+t’’=4を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。αは式(D8)、(D9)の化合物の重量平均分子量を100〜1,000とする数である。
【0170】
溶解制御剤の酸不安定基としては、種々用いることができるが、具体的には前記一般式(L1)〜(L4)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数がそれぞれ1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等を挙げることができる。なお、それぞれの基の具体例については、先の説明と同様である。
【0171】
上記溶解制御剤の配合量は、レジスト材料中のベース樹脂100質量部に対し、0〜50質量部、好ましくは0〜40質量部、より好ましくは0〜30質量部であり、単独又は2種以上を混合して使用できる。配合量が50質量部以下であれば、パターンの膜減りが生じて、解像度が低下するおそれが少ない。
【0172】
なお、上記のような溶解制御剤は、フェノール性水酸基又はカルボキシ基を有する化合物に対し、有機化学的処方を用いて酸不安定基を導入することにより合成される。
【0173】
本発明のレジスト材料に添加することができるカルボン酸化合物としては、例えば下記[I群]及び[II群]から選ばれる1種又は2種以上の化合物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。本成分の配合により、レジストのPED(Post Exposure Delay)安定性が向上し、窒化膜基板上でのエッジラフネスが改善される。
【0174】
[I群]
下記一般式(A1)〜(A10)で示される化合物のフェノール性水酸基の水素原子の一部又は全部を−R401−COOH(R401は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基)により置換してなり、かつ分子中のフェノール性水酸基(C)と≡C−COOHで示される基(D)とのモル比率がC/(C+D)=0.1〜1.0である化合物。
[II群]
下記一般式(A11)〜(A15)で示される化合物。
【0175】
【化45】

【0176】
【化46】

【0177】
上式中、R408は水素原子又はメチル基を示す。
402、R403はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。R404は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−(R409h−COOR’基(R’は水素原子又は−R409−COOH)を示す。
405は−(CH2i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。
406は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。
407は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基を示す。
409は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
410は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基又は−R411−COOH基(式中、R411は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)を示す。
412は水素原子又は水酸基を示す。
【0178】
jは0〜3の数であり、s1、t1、s2、t2、s3、t3、s4、t4は、それぞれs1+t1=8、s2+t2=5、s3+t3=4、s4+t4=6を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。
s5、t5は、s5≧0、t5≧0で、s5+t5=5を満足する数である。
uは、1≦u≦4を満足する数であり、hは、1≦h≦4を満足する数である。
κは式(A6)の化合物を重量平均分子量1,000〜5,000とする数である。
λは式(A7)の化合物を重量平均分子量1,000〜10,000とする数である。
【0179】
本成分として、具体的には下記一般式(AI−1)〜(AI−14)及び(AII−1)〜(AII−10)で示される化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0180】
【化47】

【0181】
【化48】


(上式中、R’’は水素原子又はCH2COOH基を示し、各化合物においてR’’の10〜100モル%はCH2COOH基である。κとλは上記と同様の意味を示す。)
【0182】
なお、上記分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物の添加量は、ベース樹脂100質量部に対して0〜5質量部、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部、更に好ましくは0.1〜2質量部である。5質量部以下であればレジスト材料の解像度が低下するおそれが少ない。
【0183】
本発明のレジスト材料に添加することができるアセチレンアルコール誘導体としては、下記一般式(S1)、(S2)で示されるものを好適に使用することができる。
【化49】


(上式中、R501、R502、R503、R504、R505はそれぞれ水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、X、Yは0又は正数を示し、下記値を満足する。0≦X≦30、0≦Y≦30、0≦X+Y≦40である。)
【0184】
アセチレンアルコール誘導体として好ましくは、サーフィノール61、サーフィノール82、サーフィノール104、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノールTG、サーフィノールPC、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485(Air Products and Chemicals Inc.製)、サーフィノールE1004(日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0185】
上記アセチレンアルコール誘導体の添加量は、レジスト材料100質量%中0.01〜2質量%、より好ましくは0.02〜1質量%である。0.01質量%以上であれば塗布性及び保存安定性の改善効果が十分に得られ、2質量%以下であればレジスト材料の解像性が低下するおそれが少ない。
【0186】
本発明のレジスト材料は、液浸露光を採用したパターン形成方法に用いることができるが、この場合、フォトレジスト膜上に保護膜を形成し、フォトレジスト膜と液体との間に保護膜を介在して液浸露光を行うことが好ましいが、本発明のレジスト膜上に適用する保護膜としては、αトリフルオロメチルアルコール基をアルカリ溶解性基として有する高分子化合物をベースとするアルカリ可溶型保護膜が好ましく用いられる。αトリフルオロメチルアルコール基を有する高分子化合物は、一般式(1)中の繰り返し単位(b−1)を形成するモノマーと同様のモノマーの重合によって得ることができる。また、水の浸透を防いだり、後退接触角を向上させるために繰り返し単位(b−2)を形成するモノマーと同様のモノマーを共重合してもよい。更には、下記に挙げられるαトリフルオロメチルアルコール基によるアルカリ溶解性基を有するモノマーを重合してもよい。
【0187】
【化50】

【0188】
また、撥水性基を有するモノマーとして、下記に挙げられるモノマーを重合してもよい。
【化51】

【0189】
【化52】

【0190】
【化53】

【0191】
【化54】

【0192】
この場合、αトリフルオロメチルアルコール基を有するモノマーの使用割合をA、(b−2)の繰り返し単位を形成するモノマーと同様のモノマーの使用割合をB、撥水性基を有するモノマーの使用割合をCとし、A+B+C=100モル%とした場合、Aは10〜100モル%、特に30〜100モル%、Bは0〜90モル%、特に0〜70モル%、Cは0〜90モル%、特に0〜70モル%として(共)重合させた高分子化合物を保護膜材料とすることが好ましい。
【0193】
なお、保護膜の2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中のアルカリ溶解速度は50nm/秒以上、好ましくは100nm/秒以上である。重量平均分子量は1,000〜100,000の範囲が好ましく用いられる。
【0194】
保護膜用の溶媒としては、特に限定されないが、レジスト層を溶解させる溶媒は好ましくない。例えば、レジスト溶媒として用いられるシクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類等は好ましくない。
【0195】
レジスト層を溶解しない溶媒としては、炭素数4以上の高級アルコール、トルエン、キシレン、アニソール、ヘキサン、シクロヘキサン、エーテル等の非極性溶媒を挙げることができる。特に炭素数4以上の高級アルコールが好ましく用いられ、具体的には1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、ネオペンチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−ジエチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジイソプロピルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ−n−ペンチルエーテル、メチルシクロペンチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテルが挙げられる。
【0196】
一方、フッ素系の溶媒もレジスト層を溶解しないので好ましく用いることができる。
このようなフッ素置換された溶媒を例示すると、2−フルオロアニソール、3−フルオロアニソール、4−フルオロアニソール、2,3−ジフルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、5,8−ジフルオロ−1,4−ベンゾジオキサン、2,3−ジフルオロベンジルアルコール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、2’,4’−ジフルオロプロピオフェノン、2,4−ジフルオロトルエン、トリフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタール、トリフルオロアセトアミド、トリフルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエチルブチレート、エチルヘプタフルオロブチレート、エチルヘプタフルオロブチルアセテート、エチルヘキサフルオログルタリルメチル、エチル−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロブチレート、エチル−2−メチル−4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、エチルペンタフルオロベンゾエート、エチルペンタフルオロプロピオネート、エチルペンタフルオロプロピニルアセテート、エチルパーフルオロオクタノエート、エチル−4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、エチル−4,4,4−トリフルオロブチレート、エチル−4,4,4−トリフルオロクロトネート、エチルトリフルオロスルホネート、エチル−3−(トリフルオロメチル)ブチレート、エチルトリフルオロピルベート、S−エチルトリフルオロアセテート、フルオロシクロヘキサン、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチル−4,6−オクタンジオン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフルオロペンタン−2,4−ジオン、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノール、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノン、イソプロピル4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、メチルパーフルオロデナノエート、メチルパーフルオロ(2−メチル−3−オキサヘキサノエート)、メチルパーフルオロノナノエート、メチルパーフルオロオクタノエート、メチル−2,3,3,3−テトラフルオロプロピオネート、メチルトリフルオロアセトアセテート、1,1,1,2,2,6,6,6−オクタフルオロ−2,4−ヘキサンジオン、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−デカノール、パーフルオロ(2,5−ジメチル−3,6−ジオキサンアニオニック)酸メチルエステル、2H−パーフルオロ−5−メチル−3,6−ジオキサノナン、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロノナン−1,2−ジオール、1H,1H,9H−パーフルオロ−1−ノナノール、1H,1H−パーフルオロオクタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタノール、2H−パーフルオロ−5,8,11,14−テトラメチル−3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタデカン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリヘキシルアミン、パーフルオロ−2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカン酸メチルエステル、パーフルオロトリペンチルアミン、パーフルオロトリプロピルアミン、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロウンデカン−1,2−ジオール、トルフルオロブタノール1,1,1−トリフルオロ−5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピルアセテート、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロ(ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロデカリン、パーフルオロ(1,2−ジメチルシクロヘキサン)、パーフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキサン)、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルトリフルオロメチルアセテート、トリフルオロメチル酢酸ブチル、3−トリフルオロメトキシプロピオン酸メチル、パーフルオロシクロヘキサノン、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテル、トリフルオロ酢酸ブチル、1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、2−トリフルオロメチル−2−プロパノール,2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、4,4,4−トリフルオロ−1−ブタノール等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0197】
本発明は、上記のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、高エネルギー線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法を提供する。このとき、高エネルギー線を波長180〜250nmの範囲のものとすることが好ましい。
また、前記高エネルギー線で露光する工程を液体を介して露光する液浸露光により行うことができ、例えば、180〜250nmの範囲の露光波長を用い、前記レジスト材料を塗布した基板と投影レンズの間に液体を挿入し、該液体を介して前記基板を露光することができる。なお、液浸露光に用いる液体としては、水等が挙げられる。
【0198】
本発明のレジスト材料を使用してパターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができる。
例えば、集積回路製造用の基板(Si、SiO2、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、低誘電率膜等)上にスピンコーティング等の手法で膜厚が10〜200nmとなるようにレジスト材料を塗布し、これをホットプレート上で50〜150℃、1〜10分間、好ましくは60〜140℃、1〜5分間プリベークしてフォトレジスト膜を形成する。
【0199】
集積回路製造用基板とフォトレジストの間に反射防止膜を設けることによって、基板反射を抑えることができる。反射防止膜はアモルファスカーボンやSiONのような無機膜や、スピンコーティングによって成膜する有機膜が挙げられるが、後者が広く用いられている。
【0200】
液浸露光によって投影レンズのNAが1を超え、レジスト及び反射防止膜への光の入射角が大きくなることにより従来型の1層の反射防止膜では反射制御が困難になってきており、2層の反射防止膜が提案されている。また、レジスト膜の薄膜化に伴ってエッチングのマージンが低下するため、レジストの下層に珪素を含む膜を成膜し、その下の集積回路製造用の基板上に炭素密度の高い下層膜を成膜する3層プロセスが提案されている。
このようにフォトレジスト下の膜としては多種多様かつ多層の膜が成膜される。
【0201】
レジスト膜を形成後、フォトレジスト層の上に非水溶性でかつアルカリ可溶性のレジスト保護膜材料をスピンコート法等で成膜する。膜厚は10〜500nmの範囲が好ましい。露光方法はレジスト保護膜と投影レンズの間が空気あるいは窒素等の気体であるドライ露光でもよいが、レジスト保護膜と投影レンズ間が液体で満たされている液浸露光でもよい。液浸露光では水が好ましく用いられる。液浸露光において、ウエハー裏面への水の回り込みや、基板からの溶出を防ぐために、ウエハーエッジや裏面のクリーニングの有無、及びそのクリーニング方法は重要である。例えばレジスト保護膜をスピンコート後に40〜130℃の範囲で10〜300秒間ベークすることによって溶媒を揮発させる。レジスト膜や、ドライ露光の場合はスピンコート時にエッジクリーニングを行うが、液浸露光の場合、親水性の高い基板面が水に接触すると、エッジ部分の基板面に水が残ることがあり、好ましいことではない。そのためレジスト保護膜のスピンコート時にはエッジクリーニングをしない方法も挙げられる。露光後、ポストエクスポジュアーベーク(PEB)を行い、アルカリ現像液で10〜300秒間現像を行う。アルカリ現像液は2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が一般的に広く用いられている。PEB前に、レジスト膜上に水が残っている場合がある。水が残っている状態でPEBを行うと、水がレジスト中の酸を吸い出してしまい、パターン形成ができなくなる。PEB前に保護膜上の水を完全に除去するため、PEB前のスピンドライ、膜表面の乾燥空気や窒素によるパージ、あるいは露光後のポストソーキングによって膜上の水を乾燥あるいは回収する必要がある。
【0202】
本発明のレジスト材料は、保護膜を用いない液浸用レジスト材料として用いることもできる。ナフトールが置換されていたり、ヒドロキシ基がないナフチル基を有する繰り返し単位の共重合体は撥水性が高く、このものを添加することによってレジスト膜表面の撥水性を高くすることが可能である。
【0203】
ベースとなるレジスト材料の種類は、特に限定されない。ポジ型でもネガ型でもよく、通常の炭化水素系の単層レジスト材料でもよく、珪素原子等を含んだバイレイヤーレジスト材料でもよい。KrF露光におけるレジスト材料は、ベース樹脂としてポリヒドロキシスチレン又はポリヒドロキシスチレン−(メタ)アクリレート共重合体の、ヒドロキシ基あるいはカルボキシル基の水素原子の一部又はすべてが酸不安定基で置換された重合体が好ましく用いられる。
【0204】
ArF露光におけるレジスト材料は、ベース樹脂としてナフタレン以外の芳香族を含まない構造が必須であり、具体的にはポリアクリル酸及びその誘導体、ノルボルネン誘導体−無水マレイン酸交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体との3あるいは4元共重合体、テトラシクロドデセン誘導体−無水マレイン酸交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体との3あるいは4元共重合体、ノルボルネン誘導体−マレイミド交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体との3あるいは4元共重合体、テトラシクロドデセン誘導体−マレイミド交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体との3あるいは4元共重合体、及びこれらの2つ以上の、あるいはポリノルボルネン及びメタセシス開環重合体から選択される1種あるいは2種以上の高分子重合体が好ましく用いられる。
【0205】
上述したように、本発明のレジスト材料を用いて形成したフォトレジスト膜は、保護膜に対してミキシング層を形成しずらく、現像後の親水性が高いために残渣等の欠陥の発生がない。
【0206】
マスクブランクス用のレジスト材料としては、ノボラック、ヒドロキシスチレンベースの樹脂が主に用いられる。これらの樹脂のヒドロキシ基を酸不安定基で置換されたものがポジ型として、架橋剤を添加したものがネガ型として用いられる。ヒドロキシスチレンと(メタ)アクリル誘導体、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルピレン、ヒドロキシビニルナフタレン、ヒドロキシビニルアントラセン、インデン、ヒドロキシインデン、アセナフチレン、ノルボルナジエン類を共重合したポリマーをベースとしてもよい。
マスクブランクス用レジスト膜として用いる場合、SiO2、Cr、CrO、CrN、MoSi等のマスクブランクス基板上に本発明のフォトレジスト材料を塗布し、レジスト膜を形成する。フォトレジストとブランクス基板の間にSOG膜と有機下層膜を形成し、3層構造を形成してもよい。
レジスト膜を形成後、電子ビーム描画機で露光する。露光後、ポストエクスポジュアーベーク(PEB)を行い、アルカリ現像液で10〜300秒間現像を行う。
【実施例】
【0207】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
【0208】
(高分子化合物の調製)
レジスト材料に添加される高分子化合物(高分子添加剤)として、各々のモノマーを組み合わせてイソプロピルアルコール溶媒下で共重合反応を行い、ヘキサンに晶出し、更にヘキサンで洗浄を繰り返した後に単離、乾燥して以下に示す組成の高分子化合物を得た。得られた高分子化合物の組成は1H−NMR、分子量及び分散度はゲルパーミエーションクロマトグラフにより確認した。
【0209】
ポリマー1(Polymer 1)
分子量(Mw)=8,300
分散度(Mw/Mn)=1.85
【化55】

【0210】
ポリマー2(Polymer 2)
分子量(Mw)=8,100
分散度(Mw/Mn)=1.82
【化56】

【0211】
ポリマー3(Polymer 3)
分子量(Mw)=8,200
分散度(Mw/Mn)=1.68
【化57】

【0212】
ポリマー4(Polymer 4)
分子量(Mw)=8,000
分散度(Mw/Mn)=1.80
【化58】

【0213】
ポリマー5(Polymer 5)
分子量(Mw)=8,100
分散度(Mw/Mn)=1.74
【化59】

【0214】
ポリマー6(Polymer 6)
分子量(Mw)=8,100
分散度(Mw/Mn)=1.82
【化60】

【0215】
ポリマー7(Polymer 7)
分子量(Mw)=8,500
分散度(Mw/Mn)=1.82
【化61】

【0216】
ポリマー8(Polymer 8)
分子量(Mw)=8,300
分散度(Mw/Mn)=1.78
【化62】

【0217】
ポリマー9(Polymer 9)
分子量(Mw)=8,600
分散度(Mw/Mn)=1.89
【化63】

【0218】
ポリマー10(Polymer 10)
分子量(Mw)=9,900
分散度(Mw/Mn)=1.61
【化64】

【0219】
ポリマー11(Polymer 11)
分子量(Mw)=10,400
分散度(Mw/Mn)=1.82
【化65】

【0220】
ポリマー12(Polymer 12)
分子量(Mw)=10,300
分散度(Mw/Mn)=1.85
【化66】

【0221】
ポリマー13(Polymer 13)
分子量(Mw)=8,900
分散度(Mw/Mn)=1.83
【化67】

【0222】
ポリマー14(Polymer 14)
分子量(Mw)=8,300
分散度(Mw/Mn)=1.89
【化68】

【0223】
ポリマー15(Polymer 15)
分子量(Mw)=7,300
分散度(Mw/Mn)=1.63
【化69】

【0224】
ポリマー16(Polymer 16)
分子量(Mw)=8,300
分散度(Mw/Mn)=1.81
【化70】

【0225】
ポリマー17(Polymer 17)
分子量(Mw)=8,900
分散度(Mw/Mn)=1.85
【化71】

【0226】
(レジスト材料の調製)
下記に示した組成で、ベース樹脂、光酸発生剤、塩基性化合物及び有機溶剤を混合、溶解後にそれらをテフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.2μm)で濾過し、レジスト材料(レジスト1)を調製した。
レジスト1
混合組成:ベース樹脂1(100質量部)、光酸発生剤(5質量部)、塩基性化合物(1質量部)、有機溶剤1(1,330質量部)、有機溶剤2(570質量部)
【0227】
ベース樹脂1(下記構造式参照)
【化72】

分子量(Mw)=7,600
分散度(Mw/Mn)=1.76
光酸発生剤(PAG1):ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム
塩基性化合物(クエンチャー1):2−シクロヘキシルカルボキシエチルモルホリン
有機溶剤1:酢酸1−メトキシイソプロピル
有機溶剤2:シクロヘキサノン
【0228】
(保護膜材料の調製)
下記に示した組成で、ベース樹脂(TC用ポリマー1、TC用ポリマー2、TC用ポリマー3)、有機溶剤を混合、溶解後にそれらをテフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.2μm)で濾過し、保護膜材料(TC1、TC2、TC3)を調製した。
TC1
混合組成:TC用ポリマー1(100質量部)、有機溶剤3(2,600質量部)、有機溶剤4(260質量部)
TC2
混合組成:TC用ポリマー2(100質量部)、有機溶剤3(2,600質量部)、有機溶剤4(260質量部)
TC3
混合組成:TC用ポリマー3(100質量部)、有機溶剤3(2,600質量部)、有機溶剤4(260質量部)
【0229】
TC用ポリマー1、TC用ポリマー2、TC用ポリマー3(下記構造式参照)
【化73】


有機溶剤3:イソアミルエーテル
有機溶剤4:2−メチル−1−ブタノール
【0230】
[実施例1〜14、比較例1〜4]
上記の母材となるレジスト材料に前記調製した高分子化合物(ポリマー1〜12)を任意の比率で配合し、レジスト溶液1〜12を調製した。下記表1に高分子化合物と母材レジスト材料の組み合わせ、及び配合比率を示す。なお、高分子化合物の配合比率はレジストのベース樹脂100質量部に対する混合質量部で表記する。
【0231】
現像後のパターン形状観察と現像後の接触角の測定
Si基板上に作製した反射防止膜ARC−29Aの87nm膜厚上に上記で得られたレジスト溶液1〜12を塗布し、110℃で60秒間ベークして膜厚150nmのレジスト膜を作製した。その上にレジスト保護膜を塗布し、100℃で60秒間ベークし、膜厚50nmの保護膜(TC−1、TC−2、TC−3)を形成した。(株)ニコン製ArFスキャナーS307E(NA0.85 σ0.93 4/5輪帯照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)で露光し、110℃で60秒間ポストエクスポジュアーベーク(PEB)を行い、2.38質量%TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)現像液で60秒間現像を行った。ウエハーを割断し、75nmラインアンドスペースのパターン形状を比較した。
比較例1〜3としては、本発明の添加剤を添加しないレジスト溶液13を塗布し、上記と同様のプロセスでの露光を行った。比較例4では本発明の添加剤を加えず、かつ保護膜を適用しないプロセスでの露光を行った。
接触角計Drop Master 500(協和界面科学(株)製)を用いて、現像後のフォトレジスト膜上に5μLの水滴をディスペンスした時の接触角を測定した。結果を表1に示す。
【0232】
【表1】

【0233】
実施例1と比較例1のレジスト溶液を、0.02ミクロンサイズの高密度ポリエチレンフィルターで精密濾過した。TC−1も同様に精密濾過した。
8インチのSi基板上に作製した日産化学工業(株)製反射防止膜ARC−29Aの87nm膜厚上にレジスト溶液を塗布し、110℃で60秒間ベークして膜厚150nmのレジスト膜を作製した。その上にレジスト保護膜TC−1を塗布し、100℃で60秒間ベークした。(株)ニコン製ArFスキャナーS307E(NA0.85 σ0.93、Crマスク)でウエハー全面を20mm角の面積でオープンフレームの露光部と未露光部を交互に露光するチェッカーフラッグ露光を行い、110℃で60秒間ポストエクスポジュアーベーク(PEB)を行い、2.38質量%TMAH現像液で30秒間現像を行った。
チェッカーフラッグの未露光部分の欠陥個数を(株)東京精密製欠陥検査装置WinWin−50−1200を用いてピクセルサイズ0.125ミクロンで計測した。結果を表2に示す。
【0234】
【表2】

【0235】
[実施例15〜17、比較例5]
上記の母材となるレジスト材料に前記調製した高分子化合物(ポリマー13〜15)を任意の比率で配合し、レジスト溶液14〜16を調製した。
比較例5としては、本発明の添加剤を添加しないレジスト溶液13を用いた。
傾斜法接触角計Drop Master 500(協和界面科学(株)製)を用いて、上記方法で作製したフォトレジスト膜を形成したウエハーを水平に保ち、フォトレジスト膜上に50μLの超純水を滴下して水玉を形成した。次にこのウエハーを徐々に傾斜させ、水玉が転落し始めるウエハーの角度(転落角)と後退接触角を測定した。結果を表3に示す。
【0236】
【表3】

【0237】
転落角が小さいことは、レジスト膜上で水が流動し易いことを示し、後退接触角が大きいことは高速の走査露光においてもレジスト膜上に液滴が残りづらいことを示す。本発明による特にヒドロキシ基を有しないナフチル基を有する共重合体を配合したレジスト溶液から形成されたフォトレジスト膜(実施例15〜17)は、該高分子化合物を配合しないフォトレジスト膜(比較例5)と比較して後退接触角が大きく、転落角は小さい。この結果から、本発明による高分子化合物を配合することで、フォトレジスト膜の後退接触角を飛躍的に向上させることができ、かつ、転落角は悪化しないことことより、滑水性能を向上させ、保護膜無しの液浸レジストとして適用可能であることが示されている。
【0238】
[実施例18〜34、比較例6]
電子ビーム描画評価
描画評価では、ラジカル重合で合成した下記EB用ポリマーを用いて、下記表4に示される組成で溶解させたプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)溶液を0.2μmサイズのフィルターで濾過してポジ型レジスト材料を調製した。
得られたポジ型レジスト材料を直径6インチφのSi基板上に、クリーントラックMark 5(東京エレクトロン(株)製)を用いてスピンコートし、ホットプレート上で、110℃で60秒間プリベークして200nmのレジスト膜を作製した。これに、(株)日立製作所製HL−800Dを用いてHV電圧50keVで真空チャンバー内描画を行った。その後真空チャンバー内に20時間放置し、描画場所を変えて更に追加で描画を行った。
描画後直ちにクリーントラックMark 5(東京エレクトロン(株)製)を用いてホットプレート上で、90℃で60秒間ポストエクスポジュアーベーク(PEB)を行い、2.38質量%のTMAH水溶液で30秒間パドル現像を行い、ポジ型のパターンを得た。
得られたレジストパターンを次のように評価した。
(株)日立製作所製測長SEM(S−7280)を用いて現像直前に露光した場所において、0.12μmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量における0.12μmのラインアンドスペースのライン寸法を測定し、これから20時間前に露光した場所の同一露光量の0.12μmラインアンドスペースのライン寸法を引いて真空放置における寸法変動量を求めた。寸法変動量において、プラスは真空中放置によってレジスト感度が高感度化、マイナスは低感度化に変動であることを示す。結果を表4に示す。
【0239】
【化74】

【0240】
【表4】

【0241】
[実施例35、比較例7,8]
反射防止効果評価
下記に示すレジストポリマー5g、光酸発生剤(PAG3)0.35g、塩基性化合物(Quencher3)0.76g、上記ポリマー13の1gを45gのプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)溶液に溶解し、0.2ミクロンサイズのポリプロピレンフィルターで濾過し、レジスト溶液を作製した。ヘキサメチルジシラザン(HMDS)ベーパープライム処理したSi基板上にレジスト溶液を回転塗布し、110℃で60秒間ベークしてレジスト膜を作製した。この時、回転数を変えて膜厚200〜300nm膜厚のレジスト膜を作製した。レジスト上層反射防止膜を形成する場合は、レジスト膜上に保護膜を回転塗布し、100℃で60秒間ベークした(実施例35)。
比較例7としては、ポリマー13を加えない組成のレジスト溶液を濾過し、上記と同様のプロセスで膜を形成した。
比較例8としては、ポリマー13の代わりにMw7,000、Mw/Mn1.84のヒドロキシビニルナフタレンを添加したレジストを用いた。
次に、ニコン製ArFスキャナーS307E(NA0.85 σ0.93 4/3輪帯照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)で露光し、100℃で60秒間ベーク(PEB)を行い、2.38質量%TMAH現像液で30秒間現像を行った。
実施例としては露光量38mJ/cm2、比較例としては33mJ/cm2の一定露光量でレジストの膜厚を変化させた時の100nmLSの寸法を測長SEM((株)日立製作所製S−9380)で測長した。結果を図1に示す。
【0242】
本発明の吸収基を有するフッ素系ポリマーを添加したレジスト膜は、添加していない場合に比べてレジスト膜厚を変動させたときの寸法変動の振幅が小さく、優れた反射防止効果を有している。また、フッ素を含有していないヒドロキシビニルナフタレン膜をブレンドした場合、膜厚変動における寸法振幅は小さくなるものの、膜厚増加による寸法増加のバルク効果が極めて大きくなる。フルオロアルキル基を共重合することによって吸収性基がレジスト膜表面に配向するが、フルオロアルキル基がない場合は吸収性基がレジスト膜全体に分布するためにバルク効果が大きくなっている。
【0243】
【化75】

【0244】
上記表2から明らかなように、本発明による高分子化合物を配合したレジスト材料は、保護膜を適用したときの現像後欠陥数が劇的に少なくなった。
上記表4から明らかなように、本発明による高分子化合物を配合したレジスト材料は、EB露光後の真空中放置による寸法変動が小さく、真空中の安定性が向上していることが明らかになった。
図1から明らかなように、本発明による高分子化合物を配合したレジスト材料は、基板からの反射を効率よく低減することができる。
本発明による高分子化合物をEB用レジスト材料に添加した場合は、真空中の安定性を改善する効果が認められた。
【0245】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0246】
例えば、上記では本発明のレジスト材料を液浸リソグラフィーで用いる場合を中心に述べたが、液浸でない通常のリソグラフィーにおいても本発明のレジスト材料を当然用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0247】
【図1】フォトレジストの膜厚を変動させた時の同一露光量におけるライン寸法の変動を示したグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸によってアルカリ溶解性が向上するベース樹脂となる高分子化合物と、高分子添加剤としてナフチル基を有する繰り返し単位と少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位とを共重合した高分子化合物とを含むことを特徴とするレジスト材料。
【請求項2】
ナフチル基を有する繰り返し単位と少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位とを共重合した高分子化合物が、下記一般式(1)で示されるものであることを特徴とするレジスト材料。
【化1】


(式中、R1、R3、R6はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。R2、X2はそれぞれ独立に単結合、−O−、−C(=O)−O−R8−又は−C(=O)−NH−R8−であり、R8は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよく、更にR2は、エチレントリイル基であってもよい。nは1又は2であり、n=1の場合、X1は単結合、−O−、−C(=O)−O−R8−又は−C(=O)−NH−R8−であり、R8は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。n=2の場合、X1は−C(=O)−O−R81=又は−C(=O)−NH−R81=であり、R81は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基から水素原子が1個脱離した基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R4は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、R5は水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基、又はR4と結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜10の環(但し、芳香環は除く)を形成してもよく、環の中にエーテル基、フッ素で置換されたアルキレン基又はトリフルオロメチル基を有していてもよい。R7は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、少なくとも1個のフッ素原子で置換されていて、エーテル基、エステル基又はスルホンアミド基を有していてもよい。Rは水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はフッ素化されたアルキル基であり、Yは水素原子、又は酸不安定基であり、mは0〜2の整数である。0<a<1.0、0≦(b−1)<1.0、0≦(b−2)<1.0、0<(b−1)+(b−2)<1.0、0.5≦a+(b−1)+(b−2)≦1.0である。)
【請求項3】
化学増幅ポジ型レジスト材料であることを特徴とする請求項2に記載のレジスト材料。
【請求項4】
前記ベース樹脂としての高分子化合物が、上記式(1)の繰り返し単位以外に、酸不安定基を有する繰り返し単位、及びヒドロキシ基及び/又はラクトン環の密着性基を有する繰り返し単位を含むものであることを特徴とする請求項3に記載のレジスト材料。
【請求項5】
更に、有機溶剤、酸発生剤、塩基性化合物、溶解制御剤及び界面活性剤のいずれか1つ以上を含有するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレジスト材料。
【請求項6】
化学増幅ネガ型レジスト材料であることを特徴とする請求項2に記載のレジスト材料。
【請求項7】
更に、有機溶剤、酸発生剤、架橋剤及び界面活性剤のいずれか1つ以上を含有するものであることを特徴とする請求項6に記載のレジスト材料。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のレジスト材料を基板上に塗布し、これを加熱処理することによって形成されたレジスト表面層にナフチル基を有する繰り返し単位と少なくとも1個のフッ素原子を有する繰り返し単位とを共重合した高分子化合物からなる光吸収性の膜が形成されたレジスト表面反射防止機能を有するフォトレジスト膜。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、高エネルギー線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項10】
前記高エネルギー線を波長180〜250nmの範囲のものとすることを特徴とする請求項9に記載のパターン形成方法。
【請求項11】
前記高エネルギー線で露光する工程を液体を介して露光する液浸露光により行うことを特徴とする請求項9又は10に記載のパターン形成方法。
【請求項12】
前記液浸露光において、フォトレジスト膜と液体の間に保護膜を設けることを特徴とする請求項11記載のパターン形成方法。
【請求項13】
前記液浸露光において、フォトレジスト膜と液体の間に設ける保護膜として、αトリフルオロメチルヒドロキシ基を有する高分子化合物をベースとするアルカリ可溶型保護膜を用いることを特徴とする請求項12記載のパターン形成方法。
【請求項14】
前記液浸露光において、180〜250nmの範囲の露光波長を用い、前記レジスト材料と保護膜を塗布した基板と投影レンズの間に液体を挿入し、該液体を介して前記基板を露光することを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項15】
前記液体として水を用いることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載のパターン形成方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−257166(P2008−257166A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240475(P2007−240475)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】