説明

レジスト用アルカリ溶解性向上剤

【課題】レジスト用アルカリ可溶性樹脂に添加することで、アルカリ現像の際にレジストのアルカリへの溶解性を向上させることができるレジスト用アルカリ溶解性向上剤を提供する。
【解決手段】アクリロピマル酸(a−1)およびジヒドロアクリロピマル酸(a−2)を20〜80重量%含有し、かつジヒドロアクリロピマル酸(a−2)を少なくとも5重量%含有し、酸価が200以上、軟化点が110℃以上であるロジン誘導体(A)を含有するレジスト用アルカリ溶解性向上剤を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト用アルカリ溶解性向上剤に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板、液晶パネル、半導体等の製造ではリソグラフィー技術が広く用いられている。近年、リソグラフィー技術の進歩により急速なパターンの微細化、高解像化が進んでおり、様々な方法が考案されてきた。
【0003】
レジスト形成時に使用されるアルカリ溶解性向上剤としてこれまでにロジンの使用が提案されている。ロジンはアルカリ溶解性向上剤として、これまで多く使用されてきたが、紫外線等の放射線の透過性が低いため、露光量不足となり、硬化反応が十分に進行しないということがあった。(特許文献1、特許文献2参照)また近年環境負荷の少ない弱アルカリ現像液の使用も要求されつつあるが、弱アルカリに対するロジン系樹脂のアルカリ溶解性向上効果については検討が不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−135206号公報
【特許文献2】特開昭62−226148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はレジスト用アルカリ可溶性樹脂に添加することで、アルカリ現像の際にレジストのアルカリへの溶解性を向上させることができるレジスト用アルカリ溶解性向上剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討したところ特定の化合物を含有するレジスト用アルカリ溶解性向上剤を添加することで前記課題を解決することができることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、一般式(1):
【0008】
【化1】

(式中、R〜Rのいずれか1つはCOOHを、残りはHを表す)
【0009】
で表わされるアクリロピマル酸(a−1)および一般式(2):
【0010】
【化2】

(式中、R〜Rのいずれか1つはCOOHを、残りはHを表す)
【0011】
で表わされるジヒドロアクリロピマル酸(a−2)を20〜80重量%含有し、かつジヒドロアクリロピマル酸(a−2)を少なくとも5重量%含有し、酸価が200以上、軟化点が110℃以上であるロジン誘導体(A)を含有するレジスト用アルカリ溶解性向上剤に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アルカリ現像の際にレジストのアルカリへの溶解性を向上させることができるレジスト用アルカリ溶解性向上剤を提供することができる。さらに、紫外線等による硬化に必要な透明性と耐光性を有し、硬化性を良好なものとする。また、従来のロジンよりも多くの有機溶媒への溶解性が良好であり、作業性向上が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のレジスト用アルカリ溶解性向上剤は少なくとも一般式(1):
【0014】
【化3】

(式中、R〜Rのいずれか1つはCOOHを、残りはHを表す)
【0015】
で表わされるアクリロピマル酸(a−1)(以下、(a−1)成分という)および一般式(2):
【0016】
【化4】

(式中、R〜Rのいずれか1つはCOOHを、残りはHを表す)
【0017】
で表わされるジヒドロアクリロピマル酸(a−2)(以下、(a−2)成分という)を含有し、酸価が200以上、軟化点が110℃以上であるロジン誘導体(A)(以下、(A)成分という)を含有するものである。(A)成分における(a−1)成分および(a−2)成分の含有量が20重量%未満の場合には、アルカリ可溶性が低下するため好ましくなく、80重量%を超える場合には、各種溶剤への溶解性が低下し作業性が低下するため好ましくない。なお、(a−2)成分を少なくとも5重量%含有させることで、結晶化が抑えられ、各種溶剤への溶解性が向上するため、作業性を向上させることができ、耐光性も良好となる。また、(a−2)成分を75重量%以下とすることで結晶化を防止し、各種溶剤への溶解性をさらに向上させることができ、作業性を向上させることができるため好ましい。また、(A)成分の酸価が、200未満の場合、アルカリ溶解性の向上効果が低くなるため好ましくない。なお、酸価の上限は特に限定されないが、300以下とすることが好ましい。300以下とすることで、エッチング液に対する耐酸性を向上させることができるため好ましい。なお、本発明における酸価は、中和滴定法(JIS K 0070)による測定値である。さらに軟化点110℃未満の場合、脱炭酸等による低分子成分が増加しており、酸価の低下に伴うアルカリ溶解性の低下等に繋がるため好ましくない。軟化点の上限は特に限定されないが、軟化点140℃以下の場合、樹脂の溶融粘度が適当になり、作業性が向上するため好ましい。なお、本発明における軟化点は、環球法(JIS K 5902)による測定値である。
【0018】
(a−1)成分は、アビエチン酸のアクリル酸付加物であり、(a−2)成分は、(a−1)成分を水素化することにより得られる。アビエチン酸のアクリル酸付加物は、公知の方法(たとえば、インターサイエンス・パブリッシャーズ社1968刊第2版カーク・オスマー編「エンサイクロペディア オブ ケミカルテクノロジー」17巻489ページ、およびディー・エフ・ジンケル、ジェームズ・ラッセル共編パルプケミカルス・アソシエーション(ニューヨーク)1989刊「ネーバルストアーズ」294〜297頁)により製造することができる。(a−2)成分の含有量は、アビエチン酸のアクリル酸付加物を水素化することにより増加させることができる。通常は、アビエチン酸のアクリル酸付加物の水素化率を10重量%以上とすることで、(a−2)成分の量を5重量%以上とすることができる。アビエチン酸のアクリル酸付加物の水素化は、公知の水素化法によればよい。
【0019】
本発明で用いられる(A)成分は、(a−1)成分、(a−2)成分の含有量を上記範囲としたものである。(a−1)成分、(a−2)成分は前記方法により得られるが、ロジンにアクリル酸を付加することにより(a−1)成分を含有させることもできる。ただし、ロジンにアクリル酸を付加させて得られた反応物には、通常、(a−1)成分以外の成分も含まれるため、本発明で用いられる(A)成分を得るためには、(a−1)成分、(a−2)成分の含有量を上記範囲とすることが必要となる。なお、ロジンとしては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンのような天然ロジンの他、蒸留や再結晶等の方法で精製した精製ロジンなど公知のものを用いることができる。精製ロジンを用いることで色調が向上するうえ、不純物の削減もできるため好ましい。特に蒸留精製ロジンの場合には、金属成分を除去でき、電気絶縁性を向上させることができるため好ましい。
【0020】
(a−1)成分、(a−2)成分の含有量を上記範囲とするためには、通常は、ロジン100重量部に対しアクリル酸を5〜20重量部程度反応させることにより行われる。当該反応は、180〜250℃程度で、1〜9時間程度で加熱すればよい。なお、(a−1)成分、(a−2)成分が上記範囲より少ない場合には、減圧濃縮、再結晶等の方法により(a−1)成分、(a−2)成分が上記範囲となるようにすればよい。
【0021】
(A)成分には(a−1)成分、(a−2)成分の含有量が上記範囲となるのであれば、他の成分として、アビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸等の樹脂酸が含まれていてもよい。ただし、アビエチン酸は反応性の高い共役二重結合を有し紫外線を吸収しやすく、露光量改善を行うためには0.5%以下の含有量であることが好ましい。
【0022】
(A)成分の色調は特に限定されないが、ハーゼン色調を400以下とすることで、紫外線照射に必要な透明度を満たし、耐光性を向上させることができるため好ましい。なお、ハーゼン色調は、JIS K 0071−1に準じて測定した値である。重量平均分子量(Mw)が260以下の成分を3重量%以下に低減することで、アルカリに不溶のロジンの脱炭酸物が低減されるので、アルカリ溶液へ溶解させた場合に、析出や凝集が起こりにくくなり、分散性向上することができるため好ましい。分子量が260以下の成分を3重量%以下に低減する方法としては、公知の方法(たとえば、蒸留精製、再結晶等)で行うことができる。
【0023】
本発明のレジスト用アルカリ溶解性向上剤には、酸化防止剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。添加剤を用いる場合には、その添加量は通常(A)成分の0.01〜10重量%程度である。
【0024】
本発明のレジスト用アルカリ溶解性向上剤は通常レジスト用樹脂として用いられるアルカリ可溶性樹脂100重量部に対し、0.1〜100重量部程度添加することにより得られる。
【0025】
本発明のレジスト用アルカリ溶解性向上剤は各種公知のアルカリ可溶性樹脂に対し用いることができる。アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性であれば、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂等が挙げられる。なお、本発明において、「アルカリ可溶性」とは、目的とする現像処理が可能な程度に、アルカリ性の現像液に溶解する性質をいう。この点を考慮すると、本発明で用いられる(A)成分は、アルカリ可溶性樹脂に対しアルカリ溶解性向上剤として用いるだけではなく、(A)成分自身をアルカリ可溶性樹脂として使用することも可能である。
【0026】
レジスト層を形成する加工工程では、まず、基板に感光性高分子薄膜を生成させ、アルカリ可溶性樹脂(レジスト)を塗工後、使用した溶剤の沸点以上の温度で数分間加熱し、溶媒を除去する。形成されたレジスト膜は、マスクを通して露光される。現像後に残ったレジスト層を保護層として、基板をエッチングする。役目を終えたレジスト膜は剥離され、この工程を繰り返すことにより、複雑な回路が形成される。
【0027】
塗工時の溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、石油芳香族溶剤、及び酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、及び時アルキルグリコールエーテル類等の有機溶剤系が使用される。
【0028】
硬化後に使用するアルカリ現像溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の無機の塩基性物質或いはアルキルアミン、アルカノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム等の有機の塩基性物質の水性液が使用される。
【実施例】
【0029】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】
なお、実施例中の「重量平均分子量(Mw)260以下の成分の含有量」は、市販のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置により検出された重量平均分子量(Mw)260以下の成分に該当するピークの面積により算出した。「(a−1)成分、(a−2)成分の各含有量」は、市販のガスクロマトグラフ質量分析装置により検出されたアクリロピマル酸のメチル化処理物(「分子量402の成分(重量%)」)およびジヒドロアクリロピマル酸のメチル化処理物(「分子量404の成分(重量%)」)に該当するピーク面積より算出した。
【0031】
(「重量平均分子量(Mw)260以下の成分の含有量」の定量)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレンの検量線から求めた、ポリスチレン換算値として各成分に該当するピークの面積により算出した。
なお、GPC法は以下の条件で測定した。
分析装置:HLC−8220(東ソー(株)製)
カラム: TSKgel G1000HXL、TSK−GEL G2000HXL
展開溶媒:テトラヒドロフラン
注入試料濃度:3mg/ml
流量:0.5ml/分
注入量:80μl
カラム温度:40℃
検出器:RI
【0032】
(メチル化処理物のガスクロマトグラフ質量分析により測定された分子量402と分子量404の成分の含有量の定量)
試料10mgを量り取り、メタノール・ベンゼンを400μlずつ添加し、トリメチルシリルジアゾメタン200μlを加える。試薬滴下後10分間静置し、試薬の黄色が消えていないことを確認後、アセトン1mlを加えて希釈し(濃度0.5%)、分析に供した。
測定装置
GC:Agilent6890(Agilent technologies)
MS:Agilent5973N(Agilent technologies)
カラム:ウルトラアロイ−5(金属カラム:30m x 0.25mmfwai x 0.25maikurom film thickness)
カラム昇温条件:50℃(5min)→10℃/min→300℃(15min)
インレット温度:300℃
キャリアガス:He(1ml/minコンスタントフローモード)
インジェクションモード:スプリットモード(スプリット比:50/1)
イオン化法:EI(70eV)
インターフェース温度:300℃
【0033】
<(A)成分の合成>
実施例1
工程(1):ロジンの精製
未精製のガムロジン(酸価171mgKOH/g、軟化点74℃、ガードナー6、中国産)を減圧蒸留容器に仕込み、窒素シール下に0.4kPaの減圧下で蒸留し、精製ロジン(酸価177mgKOH/g、軟化点80℃、ガードナー3)を得た。ガードナー色調はJIS0071−2により測定した値である。
【0034】
工程(2):ディールス・アルダー反応
次いで、別の減圧蒸留容器に当該精製ロジン700gとアクリル酸105gを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら220℃で4時間反応させた後、4kPaの減圧下に未反応物を除去することによってロジン誘導体(酸価245mgKOH/g、軟化点130℃、ガードナー6)を得た。
【0035】
工程(3):水素化反応
次いで、当該ロジン誘導体500gと5%パラジウムカーボン(含水率50%)6.0g(触媒量1.2%)を1リットル回転式オートクレーブに仕込み、系内の空気を水素に置換した後、水素にて10MPaに加圧し、220℃まで昇温し、同温度で5時間水素化反応させた。触媒をろ別し、酸価240mgKOH/g、軟化点130℃、ハーゼン色調150、アクリロピマル酸(a−1)の含有量が約41重量%、ジヒドロアクリロピマル酸(a−2)の含有量が約15重量%、重量平均分子量(Mw)260以下の成分が2.5重量%であるレジスト用アルカリ溶解性向上剤を得た。物性等を表1に示す。
【0036】
実施例2
実施例1の工程(3)において、触媒量を5%としたほかは同様にして、レジスト用アルカリ溶解性向上剤を得た。物性等を表1に示す。
【0037】
比較例1
実施例1の工程(2)で得られたロジン誘導体を、レジスト用アルカリ溶解性向上剤とした。物性等を表1に示す。
【0038】
比較例2
実施例1の工程(2)において精製ロジンの代わりに未精製ロジンを使用したほかは同様にして、工程(2)だけを用いた合成を行い、レジスト用アルカリ溶解性向上剤(酸価235mgKOH/g、軟化点126℃、ガードナー8)を得た。物性等を表1に示す。
【0039】
比較例3
実施例1の工程(2)において精製ロジンの代わりに未精製ロジン、アクリル酸105gの代わりにフマル酸185gを使用したほかは同様にして、工程(2)だけを用いた合成を行い、レジスト用アルカリ溶解性向上剤(酸価328mgKOH/g、軟化点150℃、ガードナー6)を得た。物性等を表1に示す。
【0040】
評価例1〜2、比較評価例1〜4
表1に示したレジスト用アルカリ溶解性向上剤を用いて下記方法によりそれぞれ評価を行った。
【0041】
(耐光性試験)
80m/s以下に粉砕したレジスト用アルカリ溶解性向上剤サンプル1.0gを軟膏缶に採取し、市販のUVテスター(製品名「アイ スーパーUVテスター SUV−F11」、岩崎電気社製)でUVランプを照射。照射前後の50%THF溶液のガードナー色調の変化を観察した。UV照射量:45W/m。結果を表2に示す。
【0042】
(電気絶縁性試験)
220mlマヨネーズ瓶にレジスト用アルカリ溶解性向上剤サンプル20g、エタノール80gを入れ、振とう攪拌により溶解させた。溶解させた20重量%エタノール溶液をCONDUCTIVITY METER((株)堀場製作所製)により電気伝導度を測定した。結果を表2に示す。
【0043】
(電気絶縁性)
電気絶縁性を上記電気伝導度から評価した。結果を表2に示す。
1:電気伝導度が0.5μS/cm以下
2:電気伝導度が0.5μS/cmを超えて1.0μS/cm以下
3:電気伝導度が1.0μS/cmを超える
【0044】
(溶解性試験)
220mlマヨネーズ瓶に所定の濃度のレジスト用アルカリ溶解性向上剤サンプル、溶媒(キシレン(XY)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(HeDG)、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル(EtOAc))を入れ、室温条件下、振とう攪拌により溶解させた。24時間析出が起こらない最大濃度を決定した。結果を表2に示す。
【0045】
(アルカリ洗浄試験)
レジスト用アルカリ溶解性向上剤サンプル0.25gを、キシレン0.75gへ溶解させワニス1.0gを作製した後、軟膏缶へ均一になるように塗布した。150℃の循風乾燥機に1時間静置して、キシレンを蒸発させることで試料が均一に軟膏缶へ塗工されるので、塗工された試料を所定のアルカリ溶液に10分浸し、アルカリ溶液を除去後、蒸留水にて洗浄した後、試料の残渣の状態を確認した。さらに、試験後の残渣の状態を以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
1:目視でも全く試料の残渣が確認されない。
2:若干であるが試料の残渣が確認できるが局所的である。
3:明らかに試料の残渣が確認できる。
4:大部分が溶け残っている。
【0046】
(アルカリ溶解性試験)
レジスト用アルカリ溶解性向上剤サンプルの酸価と等モルの水酸基価となるように調整された水酸化ナトリウム水溶液にレジスト用アルカリ溶解性向上剤サンプルを20%濃度となるように溶解させる。調製したアルカリ水溶液を塩酸もしくは水酸化ナトリウムを用いてpHを10、9、8になるように調製し、各pHでのロジンの溶解状態を確認した。結果を表3に示す。
【0047】
【表1】

表中、色調H150はハーゼン色調が150であること、G8はガードナー色調が8であることを示す。また、KR−85は超淡色ロジン:荒川化学工業(株)製を表す。
【0048】
【表2】

【0049】
【表3】

表中、アルカリ洗浄性は、A:3%水酸化ナトリウム水溶液、B:3%アンモニア水、C:3%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した結果を示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化1】

(式中、R〜Rのいずれか1つはCOOHを、残りはHを表す)
で表わされるアクリロピマル酸(a−1)および一般式(2):
【化2】

(式中、R〜Rのいずれか1つはCOOHを、残りはHを表す)
で表わされるジヒドロアクリロピマル酸(a−2)を20〜80重量%含有し、かつジヒドロアクリロピマル酸(a−2)を少なくとも5重量%含有し、酸価が200以上、軟化点が110℃以上であるロジン誘導体(A)を含有するレジスト用アルカリ溶解性向上剤。
【請求項2】
軟化点が110〜140℃である請求項1に記載のレジスト用アルカリ溶解性向上剤。
【請求項3】
ロジン誘導体(A)の酸価が200〜300である請求項1または2に記載のレジスト用アルカリ溶解性向上剤。
【請求項4】
ハーゼン色調が400以下である請求項1〜3のいずれかに記載のレジスト用アルカリ溶解性向上剤。
【請求項5】
重量平均分子量(Mw)が260以下の成分の含有量が3重量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載のレジスト用アルカリ溶解性向上剤。


【公開番号】特開2013−50621(P2013−50621A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189117(P2011−189117)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000168414)荒川化学工業株式会社 (301)
【Fターム(参考)】