説明

レジスト用重合体およびこれを用いて製造されたレジスト組成物

【課題】化学増幅型レジスト用重合体およびこれを含む化学増幅型レジスト組成物を提供する。
【解決手段】化学式(1)において、Xはビニルエーテル誘導体またはオレフィン誘導体であり、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ、水素原子、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アセタール基、エポキシ基、ニトリル基、およびアルデヒド基のうちの少なくとも1つの官能基を含む炭素数1〜30のアルキル基であり、l、m、n、o、およびpはそれぞれの反復単位を示す。なお、lは0.05〜0.5の実数であり、mおよびnはそれぞれ0.1〜0.7の実数であり、oおよびpはそれぞれ0〜0.7の実数であり、l、m、n、o、およびpの合計は1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト用重合体およびこれを用いて製造されたレジスト組成物に関し、より詳細には、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザなどの遠赤外線、シンクロトロン放射線などのX−線および電子線(e−beam)などの荷電粒子線のような各種放射線を用いてなされる微細加工に有用なレジストの製造に用いることができる新規重合体およびこれを含むレジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体素子の高集積化の趨勢に伴い、超−LSIなどの製造においても0.10ミクロン以下の超微細パターンが求められている。これにより、露光波長も従来に用いられたg−線やi−線領域でさらに短波長化され、原子外線、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、極子外線(EUV)、および電子ビームを用いたリソグラフィに対する研究が注目を集めている。特に、次世代0.10ミクロン以下のパターンを要求するリソグラフィで最も注目を集めている光源は、ArFエキシマレーザとEUVレーザである。
【0003】
このようなレジスト組成物は、酸敏感性官能基を有する成分(重合体)と放射線照射によって酸を発生させる成分(酸発生剤)、そして溶剤で構成されており、場合によっては多様な添加剤を含むことができる。レジストの主原料として用いられる重合体は、露光波長で光の吸収を最小にできなければならない。従前に用いていたArFエキシマレーザに用いる化学増幅型レジストの場合には、アクリル係重合体を主原料にしたものが大部分であったが、重合体中の多量の酸素原子によって乾式プラズマ(dry plasma)エッチング耐性が低いという短所がある。エッチング耐性が低い場合には、これを補完するためにレジストパターンの厚さを高めなければならず、パターンの厚さが大きくなればレジストパターンの安全性が低くなるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであって、エッチング耐性が優れており、レジスト溶媒に対する溶解度が優れた化学増幅型レジスト用重合体を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、重合体を用いて製造され、透明性、感度、解像度、および現像性が優れたレジストパターンを形成することができる化学増幅型レジスト組成物を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明の一側に係る化学増幅型レジスト用重合体は、下記の化学式(1)で表示される。
【0007】
【化1】

化学式(1)において、Xはビニルエーテル(vinyl ether)誘導体またはオレフィン誘導体であり、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ、水素原子、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アセタール基、エポキシ基、ニトリル基、およびアルデヒド基のうちの少なくとも1つの官能基を含む炭素数1〜30であるアルキル基であり、l、m、n、o、およびpはそれぞれの反復単位を示す。なお、lは0.05〜0.5の実数であり、前記mおよびnはそれぞれ0.1〜0.7の実数であり、oおよびpはそれぞれ0〜0.7の実数であり、l、m、n、o、およびpの合計は1である。
【0008】
本発明の他の側面に係る化学増幅型レジスト組成物は、化学式(1)に表示される重合体100重量部と、酸発生剤0.5〜15重量部と、塩基性添加剤0.01〜5重量部と、溶剤500〜2000重量部とを含む。
【0009】
【化2】

化学式(1)において、Xはビニルエーテル誘導体またはオレフィン誘導体であり、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ、水素原子、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アセタール基、エポキシ基、ニトリル基、およびアルデヒド基のうちの少なくとも1つの官能基を含む炭素数1〜30のアルキル基であり、l、m、n、o、およびpはそれぞれの反復単位を示す。なお、lは0.05〜0.5の実数であり、mおよびnはそれぞれ0.1〜0.7の実数であり、oおよびpはそれぞれ0〜0.7の実数であり、l、m、n、o、およびpの合計は1である。
【発明の効果】
【0010】
化学増幅型レジスト用重合体は、エッチング耐性が優れており、レジスト溶媒に対する溶解度が優れている。したがって、重合体を用いて製造されたレジスト組成物を半導体工程に適用する場合には、透明性、感度、解像度、および現像性が優れたパターニング作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】反応式2による比較合成例の反応後GPCデータを示す図である。
【図2】反応式2による比較合成例の沈殿後GPCデータを示す図である。
【図3】反応式3による合成例の反応後GPCデータを示す図である。
【図4】反応式3による比較合成例の沈殿後GPCデータを示す図である。
【図5】比較合成例および合成例によって合成された重合体のTGAデータを示す図である。
【図6】比較合成例および合成例によって合成された重合体のDSCデータを示す図である。
【図7】比較合成例によって合成された重合体のNMRデータを示す図である。
【図8】合成例によって合成された重合体のNMRデータを示す図である。
【図9】反応式2によって合成された重合体を用いたレジストのCDSEM写真である。
【図10】反応式3によって合成された重合体を用いたレジストのCDSEM写真である。
【図11】合成例2で合成された重合体のGPSデータを示す図である。
【図12】合成例2で合成された重合体のNMRデータを示す図である。
【図13】合成例3で合成された重合体のGPSデータを示す図である。
【図14】合成例4で合成された重合体のGPSデータを示す図である。
【図15】合成例4で合成された重合体のNMRデータを示す図である。
【図16】合成例5で合成された重合体のGPSデータを示す図である。
【図17】合成例5で合成された重合体のNMRデータを示す図である。
【図18】合成例6で合成された重合体のGPSデータを示す図である。
【図19】合成例6で合成された重合体のNMRデータを示す図である。
【図20】合成例7で合成された重合体のGPSデータを示す図である。
【図21】合成例7で合成された重合体のNMRデータを示す図である。
【図22】合成例8で合成された重合体のGPSデータを示す図である。
【図23】合成例8で合成された重合体のNMRデータを示す図である。
【図24】比較合成例1で合成された重合体のGPSデータを示す図である。
【図25】比較合成例1で合成された重合体のNMRデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る化学増幅型レジスト組成物は、化学増幅型レジスト用重合体、塩基性添加剤、および溶媒を含む。
以下、化学増幅型レジスト組成物に含まれるそれぞれの成分について詳しく説明する。
<重合体>
本発明で用いられる重合体は、メタクリレートとオレフィン単量体を反復単位として有する。場合によっては、ビニルエーテルを追加して重合体を合成することもできる。また、重合体は、それ自体がアルカリ水溶液に対して一般的には不溶性または難溶性であるが、場合によっては可溶性であることもある。また、重合体は、一般的には測鎖部分に酸−敏感性(acid−labile)官能基を有するが、場合によっては官能基を有さないこともある。重合体内の単量体の種類および含量変化に応じて、その溶解性が増加したり減少したりする。一般的に、疎水性基が増加するほど、アルカリ水溶液に対する溶解性が低下する。重合体は、化学式(1)で表示される多元共重合体である。
【0013】
【化3】

化学式(1)において、Xはビニルエーテル誘導体またはオレフィン誘導体であり、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ、水素原子、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アセタール基、エポキシ基、ニトリル基、およびアルデヒド基のうちの少なくとも1つの官能基を含む炭素数1〜30のアルキル基であり、l、m、n、o、およびpはそれぞれの反復単位を示す。なお、lは0.05〜0.5の実数であり、mおよびnはそれぞれ0.1〜0.7の実数であり、oおよびpはそれぞれ0〜0.7の実数であり、l、m、n、o、およびpの合計は1である。
【0014】
オレフィン誘導体のうちの少なくとも1つは、二重結合位置に電子求引性基(electron withdrawing group)の官能基を含まないものが好ましい。また、電子求引性基官能基としては、ハロゲン基、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO2)、トリフルオロメチル(−CF3)、スルホニル基(−SO2)などが挙げられる。
【0015】
通常、反応式(1)に示すようなオレフィンとメタクリレートとの反応はほぼなされず、一般的にメタクリレートのみでなされた重合体のみが存在する。しかしながら、本発明に係る重合体は、メタクリレートとオレフィンの部分的な反応を含んでいる。本発明に係る重合体は、メタクリレートのみでなされた共重合体と物性面において多くの差を有する。
【0016】
【化4】

<オレフィン含有重合体の特性評価>
比較のために、反応式(2)によって生成されたメタクリレートのみでなされた重合体(比較重合体)と反応式(3)によって生成されたノルボルネン含有重合体(本発明重合体)とを合成した後、レジスト特性を観察した。
【0017】
【化5】

【0018】
【化6】

1.比較重合体
(1)反応後の溶液(solution)GPC:分子量8,610、Pd2.28、%below1,000 3.6、%above20,000 8.7
(2)沈殿後の固体(solid)GPC:分子量9,120、Pd2.16、%below1,000 2.7、%above20,000 9.8
(3)DSC分析(Tg):ND
(4)TGA分析:onset temperature 205.9℃
(5)NMR分析:ノルボルネンによる特定ピーク(peak)を探すことが困難
(6)重合収率:85%
2.本発明重合体
(1)反応後の溶液(solution)GPC:分子量6,230、Pd2.41、%below1,000 8.5、%above20,000 3.8
(2)沈殿後の固体(solid)GPC:分子量8,880、Pd1.86、%below1,000 1.3、%above20,000 8.1
(3)DSC分析(Tg):ND
(4)TGA分析:onset temperature 208.4℃
(5)NMR分析:ノルボルネンによる特定ピークを探すことが困難
(6)重合収率:69%
比較重合体と本発明重合体に関する各種データ(GPC、DSC、TGA、NMR)は、図に記載されている。
【0019】
図1は、反応式(2)に係る比較合成例の反応後のGPCデータを示す図である。また、図2は、反応式(2)に係る比較合成例の沈殿後のGPCデータを示す図である。また、図3は、反応式(3)に係る合成例の反応後のGPCデータを示す図である。さらに、図4は、反応式(3)に係る比較合成例の沈殿後のGPCデータを示す図である。
【0020】
図5は、比較合成例および合成例によって合成された重合体のTGAデータを示す図である。また、図6は、比較合成例および合成例によって合成された重合体のDSCデータを示す図である。図5および図6において、1番のデータが反応式2に関するものであり、2番のデータが反応式3に関するものである。
【0021】
図7は、比較合成例によって合成された重合体のNMRデータを示す図である。また、図8は、合成例によって合成された重合体のNMRデータを示す図である。
図9は、反応式2によって合成された重合体を用いたレジストのCDSEM写真である。また、図10は、反応式3によって合成された重合体を用いたレジストのCDSEM写真である。
【0022】
レジスト特性評価は、下記の条件下においてなされる。
−評価条件:0.78NA、SOB/PEB=110℃/110℃、厚さ2,000Å、Dipole
図1〜10を参照すれば、純粋なメタクリレートでなされた重合体(比較合成例)とノルボルネン誘導体を導入した重合体(合成例)とは、物性面において多くの差があることを確認することができた。したがって、オレフィンとメタクリレートとの反応はほぼ進行しないものと知られているが、添加するノルボルネンの量によってメタクリレート内にノルボルネンが一部置換され、既存の純粋なメタクリレートの物性を変化させた新しい物性を有する重合体が生成されることを確認することができた。また、ノルボルネンはメタクリレートの重合メカニズムを変化させ、既存の純粋なメタクリレートでなされた重合体とは異なる物性の重合体を生成するようになることが分かった。このような事実は、図9および図10でも分かるように、メタクリレートと共にオレフィンを用いて製造した重合体を用いたレジストが、より良いラインエッジ照度を示すことで裏付けられる。また、ラインエッジ照度が良いため解像度も同時に良くなり、レジスト溶媒に対する溶解度も既存の純粋なメタクリレート重合体に比べてより良くなるという結果を示すことができた。
【0023】
一方、合成例の重合体を用いたレジストにおいて、メタクリレートを用いた従来のレジストが有する良好な接着力の性質はそのまま維持された。したがって、オレフィンとメタクリレートとの反応性は良くないが、オレフィンは反応に参加してオレフィンを用いなかった場合と比べて物性を変化させ、これをレジストに用いるときにラインエッジ照度と解像度が形成され、接着力が優れたレジストの製造が可能となる。
【0024】
本発明に係る重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、またはグラフト共重合体であり得る。化学式(1)に表示される重合体の重合方法は、通常的な方法によって重合が可能であるが、ラジカル重合が好ましい。ラジカル重合開始剤としては、アソビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ラウリルパーオキサイド、アゾビスイソカプロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、またはtert−ブチルヒドロパーオキサイドなどのように一般ラジカル重合開始剤として用いられるものであれば特別な制限はない。重合反応は、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、バルク−懸濁重合、エマルション重合などの方法で行うことができる。一方、重合溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ハロゲン化ベンゼン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エステル類、エーテル類、ラクトン類、ケトン類、アミド類などを用いることができる。このような溶媒は、単独または2つ以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
化学式(1)に表示される重合体の重合温度は、触媒の種類によって適切に選択して用いる。重合体の分子量分布は、重合開始剤の使用量と反応時間を変更して適切に調節することができる。重合完了後に反応混合物に残っている未反応単量体および副生成物は、溶媒による沈殿法によって除去することが好ましい。
【0026】
本発明で用いられる重合体のゲル浸透クロマトグラフ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」とする)は2,000〜1,000、000である。フォトレジストとしての現像性、塗布性、耐熱性などを考慮すれば3,000〜50,000が好ましい。また、重合体の分子量分布は1.0〜5.0が好ましく、特に1.0〜3.0が好ましい。
<酸発生剤>
本発明に係る化学増幅型レジスト組成物に用いられる酸発生剤としては、オニウム塩系であるヨードニウム塩(iodonium salts)、スルホニウム塩(sulfonium salts)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩、イミド類などを用いることができる。
【0027】
酸発生剤の好ましい例としては、化学式(2)または(3)の化合物を挙げることができる。
【0028】
【化7】

【0029】
【化8】

化学式(2)および化学式(3)において、R1およびR2はそれぞれアルキル基、アリール基、パーフルオロアルキル基、ベンジル基、またはアリール基を示し、R3、R4、およびR5はそれぞれ水素、アルキル基、ハロゲン基、アルコキシル基、アリール基、チオフェノキシ基(thiophenoxy)、チオアルコキシ基(thioalkoxy)、またはアルコキシカルボニルメトキシ基(alkoxycarbonylmethoxy)を示しており、「A」はフッ素含有化合物である。
【0030】
一方、「A」のフッ素化合物の例としては、AはSO2CF3、OSO249、OSO2817、N(CF32、N(C252、N(C492、C(CF33、C(C253、C(C493などを挙げることができる。
【0031】
また、化学式(2)または(3)において、陰イオン部位−Aの例としては、化学式(4)に表示される化合物を挙げることができる。
【0032】
【化9】

化学式(4)において、Xは炭素数3〜30の一環式または多環式炭化水素、ベンジル基、またはアリール基と、少なくとも1つ以上の水素がエーテル基、エステル基、カルボニル基、アセタール基、ニトリル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、またはアルデヒド基に置換された炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、パーフルオロアルキル基、ハロアルキル基、またはアルキルスルホニル基と、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基とを示しており、Rは炭素数1〜10のアルキル基と、炭素数1〜10のアルコキシル基、またはN、S、F、およびOから選択されたヘテロ原子であり、mは0〜2の定数である。
【0033】
また、化学式(2)または(3)において、陰イオン部位−Aの具体的な例としては、化学式(5)〜(31)で表示される化合物を挙げることができる。
【0034】
【化10】

【0035】
【化11】

陰イオン部位−Aに対応する陽イオン部分の具体的な例としては、化学式(32)〜(47)で表示される化合物を挙げることができる。
【0036】
【化12】

化学増幅型レジスト組成物内の酸発生剤の含量は、重合体固形分含量100重量部に対して0.5重量部〜15重量部であることが好ましい。
【0037】
酸発生剤の含量が15重量部以下であれば、形成されるパターンの垂直性が低下しにくい。また、酸発生剤の含量が5重量部以上であれば、屈曲性が劣化しにくい。酸発生剤の含量は、好ましくは重合体固形分対比2重量部〜10重量部である。酸発生剤は単独で用いることもできるし、1つ以上を組み合わせて用いることもできる。
【0038】
本発明に係るレジスト組成物が均一かつ平坦な塗布膜を得るためには、適当な増発速度と粘性を有する溶媒に溶解させて用いる。このような物性を有する溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、メチルセルロソルブアセテート、エチルセルロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、メチル2−ヒドロキシプロピオネート、エチル2−ヒドロキシプロピオネート、2−ヘプタノン、乳酸エチル、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができる。溶媒は、単独または2つ以上を組み合わせて用いることができる。溶媒の使用量は溶媒の物性、すなわち揮発性、粘度などに応じて適量を用い、ウエハ上に均一に形成されるように調節する。溶媒の含量は、好ましくは重合体固形分100重量部対比500重量部〜3000重量部である。
【0039】
本発明に係るレジスト組成物を溶液の形態で製造してウエハ基板上に塗布して乾燥することによってレジスト導膜を形成することができる。このとき、基板上に塗布する方法としては、レジスト溶液を製造して濾過した後、この溶液を回転塗布、滴下塗布、またはロール塗布などの方法で基板上に塗布することができる。
【0040】
このような方法によって塗布させたレジスト膜は、微細パターンを形成するために部分的に放射線を照射しなければならない。このとき用いられる放射線は特別に限定されてはいないが、例えば紫外線であるI−線、原子外線であるKrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2エキシマレーザ、X−線、荷電粒子線である電子線などであり、酸発生剤の種類に応じて選択的に用いることができる。
【0041】
現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタンケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどを含む水溶液から選択して用いることができる。特に、これらのうちでテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。必要によっては、界面活性剤、水溶性アルコール類などを添加剤として用いることもできる。
【0042】
以下、具体的な実施例を挙げて発明をより詳細に説明する。ただし、下記の実施例によって本発明の技術思想が限定されるものではない。
[合成例1]
重合用単量体2−メチル2−アダマンチルメタクリレート(2−methyl 2−adamantyl methacrylate)/γ−ブチロラクチルメタクリレート(γ−butyrolactyl methacrylate)/3−ヒドロキシ1−アダマンチルメタクリレート(3−hydroxy 1−adamantyl methacrylate)をそれぞれ10.0g/7.3g/10.1gずつを1,4−ジオキサン31gにまず溶かした。次に、250mlフラスコにノルボルネン4g、重合開始剤としてAIBN2.0g、および重合溶媒として1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)を94.2g入れた後、窒素ガス注入下にて常温で1時間撹拌させた。反応槽の温度を65℃に維持しながら、上記ビーカーに溶かした重合用単量体を1時間に渡って徐々に滴加した後に16時間反応させ、重合が完了した溶液を常温まで冷凍させた。常温まで冷却した反応溶液をヘキサンに沈殿させた後に濾過させた。濾過時には同じ溶媒で数回洗浄した後に減圧乾燥し、重合体21g(収率67%)を得た。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は8,840、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mn)は1.86であった。また、合成例1で製造された重合体は、上述した反応式3によって合成された重合体に対応する重合体である。したがって、合成例1で合成された重合体のGPSデータおよびNMRデータは、上述した図3、図4、および図8に示されている。化学式(48)は、合成例1で合成された重合体を表示している。
【0043】
【化13】

[合成例2]
重合用単量体イソプロピルアダマンチルメタクリレート(Isopropyl adamantyl methacrylate)/γ−ブチロラクチルメタクリレート(γ−butyrolactyl methacrylate)/3−ヒドロキシ1−アダマンチルメタクリレート(3−hydroxy 1−adamantyl methacrylate)をそれぞれ11.2g/7.3g/10.1gずつを1,4−ジオキサン28.6gにまず溶かした。次に、250mlフラスコにノルボルネン4g、重合開始剤としてAIBN2.0g、および重合溶媒として1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)を85.8g入れた後、窒素ガス注入下にて常温で1時間撹拌させた。反応槽の温度を65℃に維持しながら、上記ビーカーに溶かした重合用単量体を1時間に渡って徐々に滴加した後に16時間反応させ、重合が完了した溶液を常温まで冷凍させた。常温まで冷却した反応溶液をヘキサンに沈殿させた後に濾過させた。濾過時には同じ溶媒で数回洗浄した後に減圧乾燥し、重合体22.1g(収率68%)を得た。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は7,810、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mn)は2.0であった。化学式(49)は、合成例2で合成された重合体を表示している。
【0044】
【化14】

一方、図11は、合成例2で合成された重合体のGPSデータを示した図である。また、図12は、合成例2で合成された重合体のNMRデータを示した図である。
[合成例3]
重合用単量体2−メチル2−アダマンチルメタクリレート(2−methyl 2−adamantyl methacrylate)/5−メタクリルロイロキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン(5−methacryloyloxy−2,6−norbornane carbolactone)/3−ヒドロキ1−アダマンチルメタクリレート(3−hydroxy 1−adamantyl methacrylate)をそれぞれ10.0g/9.5g/10.1gずつを1,4−ジオキサン(1、4−dioxane)30gにまず溶かした。次に、250mlフラスコにノルボルネン4g、重合開始剤としてAIBN2.0g、および重合溶媒として1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)を89g入れた後、窒素ガス注入下にて常温で1時間撹拌させた。反応槽の温度を65℃に維持しながら、上記ビーカーに溶かした重合用単量体を1時間に渡って徐々に滴加した後に16時間反応させ、重合が完了した溶液を常温まで冷凍させた。常温まで冷却した反応溶液をヘキサンに沈殿させた後に濾過させた。濾過時には同じ溶媒で数回洗浄した後に減圧乾燥し、重合体23.7g(収率80%)を得た。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は7,530、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mn)は2.3であった。化学式(50)は、合成例3で合成された重合体を表示している。
【0045】
【化15】

一方、図13は、合成例3で合成された重合体のGPSデータを示す図である。
[合成例4]
重合用単量体イソプロピルアダマンチルメタクリレート(Isopropyl adamantyl methacrylate)/2−エチル−2−シクロペンチルメタクリレート(2−ethyl−2−cyclopentyl methacrylate)/γ−ブチロラクチルメタクリレート(γ−butyrolactyl methacrylate)/1−アダマンチルメタクリレート(1−adamantyl methacrylate)をそれぞれ15.4g/4.3g/10g/12.9gずつを1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)30.8gにまず溶かした。次に、250mlフラスコにノルボルネン6.6g、重合開始剤としてAIBN2.0g、および重合溶媒として1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)を91.4g入れた後、窒素ガス注入下にて常温で1時間撹拌させた。反応槽の温度を65℃に維持しながら、上記ビーカーに溶かした重合用単量体を1時間に渡って徐々に滴加した後に16時間反応させ、重合が完了した溶液を常温まで冷凍させた。常温まで冷却した反応溶液をヘキサンに沈殿させた後に濾過させた。濾過時には同じ溶媒で数回洗浄した後に減圧乾燥し、重合体31.8g(収率65%)を得た。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は9,210、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mn)は2.5であった。化学式(51)は、合成例4で合成された重合体を表示している。
【0046】
【化16】

一方、図14は、合成例4で合成された重合体のGPSデータを示す図である。また、図15は、合成例4で合成された重合体のNMRデータを示す図である。
[合成例5]
重合用単量体2−メチル−2−シクロペンチルメタクリレート(Isopropyl adamantyl methacrylate)/5−メタクリルロイロキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン(5−methacryloyloxy−2,6−norbornane carbolactone)/3−ヒドロキシ1−アダマンチルメタクリレート(3−hydroxy 1−adamantyl methacrylate)をそれぞれ7.3g/9.5g/10.1gずつを1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)27gにまず溶かした。次に、250mlフラスコにノルボルネン4g、重合開始剤としてAIBN2.0g、および重合溶媒として1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)を81g入れた後、窒素ガス注入下にて常温で1時間撹拌させた。反応槽の温度を65℃に維持しながら、上記ビーカーに溶かした重合用単量体を1時間に渡って徐々に滴加した後に16時間反応させ、重合が完了した溶液を常温まで冷凍させた。常温まで冷却した反応溶液をヘキサンに沈殿させた後に濾過させた。濾過時には同じ溶媒で数回洗浄した後に減圧乾燥し、重合体25.6g(収率83%)を得た。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は7,340、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mn)は2.06であった。化学式(52)は、合成例5で合成された重合体を表示している。
【0047】
【化17】

一方、図16は、合成例5で合成された重合体のGPSデータを示す図である。また、図17は、合成例5で合成された重合体のNMRデータを示す図である。
[合成例6]
重合用単量体2−メチル2−アダマンチルメタクリレート(2−methyl 2−adamantyl methacrylate)/γ−ブチロラクチルメタクリレート(γ−butyrolactyl methacrylate)/3−ヒドロキシ1−アダマンチルメタクリレート(3−hydroxy1−adamantyl methacrylate)をそれぞれ10.0g/7.3g/10.1gずつを1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)31gにまず溶かした。次に、250mlフラスコに3−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イル−3−ヒドロキシ−プロピオン−酸−t−ブチルエステル(3−Bicyclo[2.2.1]hept−5−ene−2−yl−3−hydroxy−propionic−acid t−butyl ester 10.2g、重合開始剤としてAIBN2.0g、および重合溶媒として1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)を93g入れた後、窒素ガス注入下にて常温で1時間撹拌させた。反応槽の温度を65℃に維持しながら、上記ビーカーに溶かした重合用単量体を1時間に渡って徐々に滴加した後に16時間反応させ、重合が完了した溶液を常温まで冷凍させた。常温まで冷却した反応溶液をヘキサンに沈殿させた後に濾過させた。濾過時には同じ溶媒で数回洗浄後に減圧乾燥し、重合体21.4g(収率57%)を得た。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は6,460、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mn)は1.7であった。化学式(53)は、合成例6で合成された重合体を表示している。
【0048】
【化18】

一方、図18は、合成例6で合成された重合体のGPSデータを示す図である。また、図19は、合成例6で合成された重合体のNMRデータを示す図である。
[合成例7]
重合用単量体2−メチル2−アダマンチルメタクリレート(2−methyl 2−adamantyl methacrylate)/5−メタクリルロイロキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン(5−methacryloyloxy−2,6−norbornane carbolactone)をそれぞれ10.0g/9.5gずつを1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)20gにまず溶かした。次に、250mlフラスコにノルボルネン4g、重合開始剤としてAIBN2.0g、および重合溶媒として1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)を60g入れた後、窒素ガス注入下にて常温で1時間撹拌させた。反応槽の温度を65℃に維持しながら、上記ビーカーに溶かした重合用単量体を1時間に渡って徐々に滴加した後に16時間反応させ、重合が完了した溶液を常温まで冷凍させた。常温まで冷却した反応溶液をヘキサンに沈殿させた後に濾過させた。濾過時には同じ溶媒で数回洗浄後に減圧乾燥し、重合体14.6g(収率62%)を得た。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は2,800、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mn)は1.68であった。化学式(54)は、合成例7で合成された重合体を表示している。
【0049】
【化19】

一方、図20は、合成例7で合成された重合体のGPSデータを示す図である。また、図21は、合成例7で合成された重合体のNMRデータを示す図である。
[合成例8]
重合用単量体2−メチル2−アダマンチルメタクリレート(2−methyl 2−adamantyl methacrylate)/γ−ブチロラクチルメタクリレート(γ−butyrol actyl methacrylate)/3−ヒドロキシ1−アダマンチルメタクリレート(3−hydroxy 1−adamantyl methacrylate)/2−メチル−2−シクロペンチルメタクリレートをそれぞれ10.0g/7.3g/10.1g/7.3gずつを1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)34.7gにまず溶かした。次に、250mlフラスコにノルボルネン4g、重合開始剤としてAIBN2.0g、および重合溶媒として1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)を104g入れた後、窒素ガス注入下にて常温で1時間撹拌させた。反応槽の温度を65℃に維持しながら、上記ビーカーに溶かした重合用単量体を1時間に渡って徐々に滴加した後に16時間反応させ、重合が完了した溶液を常温まで冷凍させた。常温まで冷却した反応溶液をヘキサンに沈殿させた後に濾過させた。濾過時には同じ溶媒で数回洗浄した後に減圧乾燥し、化学式(12)に表示される重合体31g(収率:80%)を得た。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は6,680、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mn)は2.4であった。化学式(55)は、合成例8で合成された重合体を表示している。
【0050】
【化20】

一方、図22は、合成例8で合成された重合体のGPSデータを示す図である。また、図23は、合成例8で合成された重合体のNMRデータを示す図である。
[比較合成例1]
重合用単量体2−メチル2−アダマンチルメタクリレート(2−methyl 2−adamantyl methacrylate)/γ−ブチロラクチルメタクリレート(γ−butyrolactyl methacrylate)/3−ヒドロキシ1−アダマンチルメタクリレート(3−hydroxy1−adamantyl methacrylate)をそれぞれ10.0g/7.3g/10.1gずつ混ぜて1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)82gに溶かした後、徐々にbath温度を65℃まで上げた。反応温度65℃を維持しながら16時間反応させ、重合が完了した溶液を常温まで冷凍させた。常温まで冷却した反応溶液をヘキサンに沈殿させた後に濾過させ、濾過時には同じ溶媒で数回洗浄した後に減圧乾燥し、重合体23.3gを(収率85%)得た。この重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は8,610、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比、Mw/Mn)は2.28であった。化学式(56)は、合成例8で合成された重合体を表示している。
【0051】
【化21】

一方、図24は、比較合成例1で合成された重合体のGPSデータを示す図である。また、図25は、比較合成例1で合成された重合体のNMRデータを示す図である。
レジスト調剤および評価
[実施例1]
合成例1で得られた重合体100重量部と、酸発生剤としてトリフェニルスルポニウムノナフレート2.5重量部と、塩基性添加剤としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.75重量部とをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート1,000重量部に溶解させた後、0.2μm膜フィルタに濾過させてレジスト組成液を調剤した。
【0052】
得られたレジスト液をスピナーを用いて基板に塗布して110℃で60秒間乾燥させ、0.2μm厚さの被膜を形成させた。形成された被膜にArFエキシマレーザステッパ(レンズ開口数:0.78)を用いて露光させた後、110℃で60秒間熱処理させた。続いて、2.38wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で40秒間現像、洗浄、乾燥してレジストパターンを形成させた。テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する現像性と形成されたレジストパターンの基板に対する接着性は良好であり、解像度は0.08μm、感度は68mJ/cm2であった。このように製造されたレジストラインエッジ照度はCDSEMによって測定し、その程度を5段階に分けて1(非常に悪い)、2(悪い)、3(普通)、4(良い)、5(非常に良い)などで表記した。また、感度の場合、現像後に形成された0.10μmラインアンドスペース(L/S)パターンを1対1の線幅で形成する露光量を最適露光量としてこの最適露光量を感度とし、このときに解像される最小パターン寸法を解像度とした。
[実施例2〜10]
表1のような調整を用いることの他に、実施例1と同じように表1に示すレジスト組成物を調剤した後、陽性レジストパターンを形成した後に各種物性評価を実施し、その結果を表1に示した。
【0053】
【表1】

表1の結果から確認できるように、各実施形態で得られたレジストパターンのラインエッジ照度および現像性は優れていた。
[比較例1〜3]
比較合成例1で合成された純粋なメタクリレート重合体を用いることを除いては実施例1と同じ方法で、表2に示す組成を用いてレジスト組成物を調剤した。
【0054】
得られた各組成物溶液に対してArFエキシマレーザ露光装置(レンズ開口数0.75)を用い、実施例1と同じように陽性レジストパターンを形成した後に各種評価を実施し、その結果を表2に示した。
【0055】
【表2】

表2の結果から確認できるように、表1と比較するときに比較例における評価結果解像度が著しく低くなり、ラインエッジ照度がL/Sのパターンで比較するときに著しく不足した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1)に表示される化学増幅型レジスト用重合体。
【化22】

(前記化学式(1)において、Xはビニルエーテル誘導体またはオレフィン誘導体であり、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ、水素原子、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アセタール基、エポキシ基、ニトリル基、およびアルデヒド基のうちの少なくとも1つの官能基を含む炭素数1〜30のアルキル基であり、l、m、n、o、およびpはそれぞれの反復単位を示す。なお、前記lは0.05〜0.5の実数であり、前記mおよびnはそれぞれ0.1〜0.7の実数であり、前記oおよびpはそれぞれ0〜0.7の実数であり、前記l、m、n、o、およびpの合計は1である。)
【請求項2】
前記オレフィン誘導体のうちの少なくとも1つは、二重結合位置に電子求引性基の官能基を含まないことを特徴とする請求項1に記載の化学増幅型レジスト用重合体。
【請求項3】
前記電子求引性基官能基は、ハロゲン基、ニトリル基(−CN)、ニトロ基(−NO2)、トリフルオロメチル(−CF3)、およびスルホニル基(−SO2)から成る群から選択されるものであることを特徴とする請求項2に記載の化学増幅型レジスト用重合体。
【請求項4】
下記化学式(1)に表示される重合体100重量部と、
【化23】

酸発生剤0.5〜15重量部と、
塩基性添加剤0.01〜5重量部と、
溶媒500〜3000重量部と、
を含むことを特徴とする化学増幅型レジスト組成物。
(前記化学式(1)において、Xはビニルエーテル誘導体またはオレフィン誘導体であり、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ、水素原子、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アセタール基、エポキシ基、ニトリル基、およびアルデヒド基のうちの少なくとも1つの官能基を含む炭素数1〜30のアルキル基であり、l、m、n、o、およびpはそれぞれの反復単位を示す。なお、前記lは0.05〜0.5の実数であり、前記mおよびnはそれぞれ0.1〜0.7の実数であり、前記oおよびpはそれぞれ0〜0.7の実数であり、前記l、m、n、o、およびpの合計は1である。)
【請求項5】
前記酸発生剤は、下記化学式(2)または(3)に表示される化合物のうちの少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする請求項4に記載の化学増幅型レジスト組成物。
【化24】

【化25】

(前記化学式(2)および(3)において、R1およびR2はそれぞれアルキル基、アリール基、パーフルオロアルキル基、ベンジル基、またはアリール基を示し、R3、R4、およびR5はそれぞれ水素、アルキル基、ハロゲン基、アルコキシル基、アリール基、チオフェノキシ基、チオアルコキシ基、またはアルコキシカルボニルメトキシ基を示し、Aはフッ素含有化合物である。)
【請求項6】
前記Aは、SO2CF3、OSO249、OSO2817、N(CF32、N(C252、N(C492、C(CF33、C(C253、またはC(C493であることを特徴とする請求項5に記載の化学増幅型レジスト組成物。
【請求項7】
前記陰イオン部位−Aは、下記化学式(4)に表示される化合物であることを特徴とする請求項5に記載の化学増幅型レジスト組成物。
【化26】

(前記化学式(4)において、Xは炭素数3〜30の一環式または多環式炭化水素、ベンジル基またはアリール基と、少なくとも1つ以上の水素がエーテル基、エステル基、カルボニル基、アセタール基、ニトリル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、またはアルデヒド基に置換された炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、パーフルオロアルキル基、ハロアルキル基、またはアルキルスルホニル基と、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、炭素数1〜10のアルコキシル基またはN、S、F、およびOから選択されたヘテロ原子であり、mは0〜2の定数である。)
【請求項8】
前記陰イオン部位−Aは、下記化学式(5)〜(31)に表示される化合物群から選択される化合物であることを特徴とする請求項5に記載の化学増幅型レジスト組成物。
【化27】

【化28】

【請求項9】
前記溶媒は、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、メチルセルロソルブアセテート、エチルセルロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、メチル2−ヒドロキシプロピオネート、エチル2−ヒドロキシプロピオネート、2−ヘプタノン、乳酸エチル、およびγ−ブチロラクトンからなる群から選択された少なくとも1つの成分を含むことを特徴とする請求項4に記載の化学増幅型レジスト組成物。
【請求項10】
紫外線照射、X−レイ照射、およびe−ビーム照射のうちのいずれか1つの照射によってパターニングされることを特徴とする請求項4に記載の化学増幅型レジスト組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−84134(P2010−84134A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201040(P2009−201040)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(502323737)コリア クンホ ペトロケミカル カンパニー リミテッド (16)
【Fターム(参考)】