説明

レトルト食品用容器

【課題】 容器本体を確実に加熱することができるとともに、安全に調理することができるレトルト食品用容器を提供すること。
【解決手段】 食品4が収納される容器本体2と、この容器本体2の上面開口を閉塞する蓋体3とを備えるレトルト食品用容器1において、食品用容器1の底板11の下面11a以外の外面所定箇所に、電磁調理器8の電磁力によって発熱する加熱シート6が取り外し自在に取り付けられており、この加熱シート6は、表面または裏面のいずれか一方に食品用容器1の底板11の下面11aに貼着可能な貼着部6aが設けられているとともに、この貼着部6aを介して食品用容器1の底板11の下面11aに貼着可能に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁調理器を用いて調理するレトルト食品用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トッププレートの下方に配置されたコイルに電流を流し、そのコイルから発生する磁力線によって鍋等の金属製の調理具に渦電流を流して金属製の調理具に熱を発生させ、その発生した熱を利用して調理するための電磁調理器がある。このような電磁調理器では、コイルが配置された調理具の部位が異常に加熱されたり、その逆にコイルから離れた調理具の部位が加熱され難く、温められる食品に温度むらが生じるため、調理具の過熱を均一にするための加熱シートを調理具と電磁調理器の間に配置して調理するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、前記特許文献1に示す加熱シートと同様な効果を有する加熱シートが、容器本体の上面開口を閉塞する蓋体に設けられたもの等がある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−211444号公報(第3頁、第2図)
【特許文献2】特開平2003−52536号公報(第2頁、第1〜2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載の加熱シートにあっては、例えば容器本体の底板下面の周縁に、所定高さを有する環状の底縁部が突設されているような容器等、その容器の底板下面の形状によっては加熱シートを底板下面に直接当接させることができず、効率よく加熱できないことがあった。
【0006】
また、前記特許文献2に記載の加熱シートにあっては、加熱時において容器を上下反転させて蓋体を調理プレート上に直接載置して加熱することから、蓋体自体も加熱されてしまい、調理後において蓋体を取り外す際に火傷する虞があり、危険であった。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、容器本体を確実に加熱することができるとともに、安全に調理することができるレトルト食品用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のレトルト食品用容器は、
食品が収納される容器本体と、該容器本体の上面開口を閉塞する蓋体と、を備えるレトルト食品用容器において、
前記食品用容器の底板下面以外の外面所定箇所に、電磁調理器の電磁力によって発熱する加熱シートが取り外し自在に取り付けられており、該加熱シートは、表面または裏面のいずれか一方に前記食品用容器の底板下面に貼着可能な貼着部が設けられているとともに、該貼着部を介して前記食品用容器の底板下面に貼着可能に形成されていることを特徴とするレトルト食品用容器。
この特徴によれば、電磁調理器を用いて食品を加熱する際には、加熱シートを食品用容器の外面から取り外した後、貼着部を介して食品用容器の底板下面に確実に貼着できることで、食品を効率よく加熱することができるばかりか、蓋体自体が加熱シートにて加熱されることがないので安全である。また、加熱シートは食品用容器の底板下面以外の外面所定箇所に取り付けてあることで、使用前において加熱シートの存在を調理者に確実に認識させることができる。
【0009】
本発明の請求項2に記載のレトルト食品用容器は、請求項1に記載のレトルト食品用容器であって、
前記加熱シートは、前記蓋体に取り付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、加熱シートの存在を調理者により確実に認識させることができる。
【0010】
本発明の請求項3に記載のレトルト食品用容器は、請求項2に記載のレトルト食品用容器であって、
前記蓋体には、前記容器本体内で発生する蒸気を逃がすための逃げ孔が形成されており、該逃げ孔が前記加熱シートで閉塞されていることを特徴としている。
この特徴によれば、逃げ孔を閉塞するための蓋体等を別途設ける必要がないため、製造コストを低減できるばかりか、加熱シートを底板下面に貼着するために取り外すことで逃げ孔が開放されるため、手間が省ける。
【0011】
本発明の請求項4に記載のレトルト食品用容器は、請求項1〜3のいずれかに記載のレトルト食品用容器であって、
前記加熱シートは、前記貼着部を介して前記食品用容器の底板下面以外の外面所定箇所に取り付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、底板下面に貼着するための貼着部を利用して加熱シートを食品用容器に確実に取り付けておくことができるため、商品の販売時等における加熱シートの位置ずれ等が確実に防止される。
【0012】
本発明の請求項5に記載のレトルト食品用容器は、
食品が収納される容器本体と、該容器本体の上面開口を閉塞する蓋体と、該蓋体を覆うように前記容器本体に対して取り外し自在に取り付けられるカバー体と、を備えるとともに、前記容器本体の底板下面の周縁に、所定高さを有する環状の底縁部が突設されているレトルト食品用容器において、
前記カバー体には、前記環状の底縁部にて囲まれた凹部内に嵌合可能な嵌合凸部が形成されているとともに、前記凹部内への前記嵌合凸部の嵌合時において前記底板下面と当接する当接面に、電磁調理器の電磁力によって発熱する加熱シートが設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、電磁調理器を用いて食品を加熱する際には、カバー体を食品用容器から取り外して嵌合凸部を凹部に嵌合させることで、当接面に設けられた加熱シートが容器本体の底板下面に確実に当接するため、食品を効率よく加熱することができるばかりか、カバー体の上に容器本体を載せるだけの簡単な作業で加熱シートを底板下面に当接させることができる。また、加熱シートは食品用容器の底板下面以外の外面所定箇所に取り付けてあることで、使用前において加熱シートの存在を調理者に確実に認識させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係るレトルト食品用容器を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、実施例1におけるレトルト食品用容器を示す分解斜視図であり、図2は、実施例1におけるレトルト食品用容器を示す縦断側面図である。
【0015】
図1の符号1は、本発明の適用されたレトルト食品用容器である。このレトルト食品用容器1は、非導電性材料である紙製のカップ容器2と、ラミネート加工された蓋体3とを有している。本実施例における容器本体としてのカップ容器2は、上面が開口する有底筒状をなし、上端から下端に行くに従って窄まる形状をしている。カップ容器2の内部には、お湯を加えるだけで食べられる食品としての即席麺4が収納されている。尚、蓋体3はカップ容器2の上縁部5に接着剤によって取り付けられている。
【0016】
カップ容器2の底板11の下面11a周縁部には、図2に示すように、所定の高さ(本実施例では約1cm)を有する環状の底縁部12が突設されている。
【0017】
図1に示すように、蓋体3の中央部には、平面視で円形状をなす加熱シート6が取り付けられており、蓋体3における加熱シート6が取り付けられる部位には、加熱シート6の厚みとほぼ同じ深さを有する取付凹部7が形成されている。加熱シート6の裏面6a(図2参照)には、粘着剤が塗布されることにより貼着部が形成されており、蓋体3の取付凹部7に着脱可能に取り付けられている。このように、加熱シート6はカップ容器2の蓋体3の上面に取り付けてあるので、レトルト食品用容器1の販売時や、食品の調理時等において、加熱シート6の存在を調理者が認識し易くなっている。
【0018】
加熱シート6は、ベースフィルム、誘導体層及び支持フィルムの3層で構成されており、可撓性を有している。加熱シート6を交流磁場中に置くと電磁誘導作用により誘導体層に起電力が生じ、誘導体層内部に渦電流が流れて加熱シート6が発熱するようになっている。また、加熱シート6は、カップ容器2の底板11とほぼ同一形状をなしており、後述するようにカップ容器2の底板11の下面11aの全域を被覆するように貼着できるようになっている。
【0019】
次に、このレトルト食品用容器1の調理の仕方について説明する。図2に示すレトルト食品用容器1は、本実施例における電磁調理器としてのIH(induction heating)調理器8によって加熱調理できるようになっている。IH調理器8は、セラミック等の非金属材料で形成されたトッププレート9の下方にコイル10が配置されており、このコイル10に電気を流すと、トッププレート9の上方まで磁力線が発生するようになっている。
【0020】
図2に示すように、先ずカップ容器2の上縁部5に取り付けられた蓋体3の上面に取り付けられた加熱シート6を剥がし、粘着剤が塗布されている貼着部が設けられている裏面6aをカップ容器2の底板11の下面11aに当接することで、加熱シート6をカップ容器2の底板11の下面11aに貼り付ける。このとき、加熱シート6は、前述したようにカップ容器2の底板11とほぼ同一形状をなしていることから、カップ容器2の底板11の下面11a全域が加熱シート6にて覆われる。
【0021】
更に、図2に示すように、蓋体3の一部を剥離し、この剥離部13から水14をカップ容器2内に注ぎ、カップ容器2に保持された即席麺4を水14で浸す。そして、カップ容器2をIH調理器8のトッププレート9上に載置し、IH調理器8のスイッチを入れてコイル10に電気を流す。すると、コイル10によって発生した磁力によって加熱シート6内部に渦電流が発生して、トッププレート9の近傍に配置された加熱シート6の温度が上昇する。この加熱シート6の熱がカップ容器2の底板11を介して容器全体に伝導され、カップ容器2内部の水14が温められる。尚、カップ容器2内部で発生した水蒸気は、蓋体3の剥離部13から外部に流出する。そして、カップ容器2内部の水14が温められてお湯になると、即席麺4が食べられるようになる。
【0022】
以上説明したように、本発明の実施例としてのレトルト食品用容器1にあっては、電磁調理器としてのIH調理器8を用いて食品を加熱する際には、予め底板11とほぼ同形状に形成された加熱シート6を、レトルト食品用容器1の一部をなす蓋体3の外面である上面から取り外した後、貼着部を介してカップ容器2の底板11の下面11aに確実に貼着できることで、底板11を確実に加熱できるため、食品を効率よく加熱することができる。
【0023】
また、レトルト食品用容器1には、そのカップ容器2の底板11の形状に対応した形状に形成された加熱シート6が取り付けられているため、カップ容器2の底板11に加熱シート6を当接できず、十分な加熱が行われなくなることがないとともに、使用後において加熱シート6は底板11の下面11aから簡単に剥がすことができるため、分別廃棄することができる。
【0024】
また、加熱シート6は底板11の下面11a以外の外面所定箇所のうちでも、特に目につきやすい蓋体3の上面に取り付けてあることで、加熱シート6の存在を調理者に確実に認識させることができる。これにより、例えばカップ容器2や蓋体3と材質が異なる加熱シート6を、調理後においてカップ容器2や蓋体3と分別して廃棄できる旨を調理者に効果的に促すことができる。
【0025】
また、加熱シート6は、裏面6aに塗布された粘着剤からなる貼着部を介して蓋体3の上面に取り付けられていることで、底板11の下面11aに貼着するための貼着部を利用して加熱シート6をカップ容器2に確実に取り付けておくことができるため、商品の販売時等における加熱シート6の位置ずれ等が確実に防止される。
【実施例2】
【0026】
次に、実施例2に係るレトルト食品用容器につき、図3及び図4を参照して説明する。図3は、実施例2におけるレトルト食品用容器を示す分解斜視図であり、図4は、実施例2におけるレトルト食品用容器を示す縦断側面図である。尚、前記実施例1と同様に構成される部位に関しては、その詳細な説明を省略することとする。
【0027】
図3に示すように、実施例2におけるレトルト食品用容器15は、非導電性材料である紙製のカップ容器16と、ラミネート加工された蓋体17とを有している。本実施例における容器本体としてのカップ容器16は、上面が開口する有底筒状をなし、上端から下端に行くに従って窄まる形状をしている。カップ容器16の内部には、熱を加えるだけで食べられるようにレトルト加工された米飯18が収納されている。
【0028】
また、図3に示すように、蓋体17の中央部には、平面視で円形状をなす加熱シート19が取り付けられており、蓋体17における加熱シート19が取り付けられた部位には、加熱シート19の厚みとほぼ同じ深さを有する取付凹部20が形成されている。加熱シート19は裏面19a(図4参照)に粘着剤が塗布されることにより貼着部が形成されており、蓋体17の取付凹部20に着脱可能に取り付けられている。尚、蓋体17の取付凹部20には、カップ容器16の内部で発生する水蒸気をカップ容器16の外部に逃がすための逃げ孔21が複数形成されており、この複数の逃げ孔21は、加熱シート19によって閉塞されている。
【0029】
次に、このレトルト食品用容器15の調理の仕方について説明する。図4に示すように、先ずカップ容器16の蓋体17の上面に取り付けられた貼着されていて加熱シート19を剥がし、蓋体17に形成された逃げ孔21を開放する。そして、加熱シート19の粘着剤が塗布されている裏面19aをカップ容器16の底板22に当接させることで、加熱シート19をカップ容器16の底板22の下面22aに貼り付ける。
【0030】
更に、図4に示すように、カップ容器16を、IH調理器23のトッププレート24上に載置し、IH調理器23のスイッチを入れてコイル25に電気を流す。すると、コイル25によって発生した磁力によって加熱シート19内部に渦電流が発生して加熱シート19の温度が上昇する。この加熱シート19の熱がカップ容器16の底板22を介して伝導され、カップ容器16内部の米飯18が温められる。尚、カップ容器16内部で発生した水蒸気は、蓋体17の逃げ孔21から外部に流出する。そして、カップ容器16内部の米飯18が温められると食べられるようになる。
【0031】
このように構成された本実施例2におけるレトルト食品用容器15にあっては、前述した実施例1と同様の作用・効果を奏するとともに、加熱シート19にて逃げ孔21を塞いでいるため、逃げ孔21を閉塞する蓋体等を別途設ける必要がないため、製造コストを低減できるばかりか、加熱シート19を使用するために取り外すことで逃げ孔21が開放されるため、調理時における手間が省ける。
【実施例3】
【0032】
次に、実施例3に係るレトルト食品用容器につき、図5及び図6を参照して説明する。図5は、実施例3におけるレトルト食品用容器を示す分解斜視図であり、図6は、実施例3におけるレトルト食品用容器を示す縦断側面図である。尚、前記実施例1、2と同様に構成される部位に関しては、その詳細な説明を省略することとする。
【0033】
図5に示すように、実施例3におけるレトルト食品用容器26は、非導電性材料である紙製のカップ容器27と、ラミネート加工された蓋体28と、耐熱性の合成樹脂材(非導電性材料)で形成されたカバー体29とを有している。本実施例における容器本体としてのカップ容器27は、上面が開口する有底筒状をなし、上端から下端に行くに従って窄まる形状をしている。更に、蓋体28はカップ容器27の上縁部30に接着され、蓋体28の上方には、カバー体29が着脱自在に取り付けられている。このカバー体29は、蓋体28及びカップ容器27の上縁部30を覆うようにカップ容器27の上部に取り付けられ、これにより蓋体28上へのゴミ等の進入が防止される。また、カップ容器27の内部には、お湯を加えるだけで食べられる即席麺31が収納されている。
【0034】
カップ容器27の底板32の下面32a周縁部には、図6に示すように、所定の高さを有する環状の底縁部33が突設されている。
【0035】
また、図6に示すように、カバー体29の中央部には、前記環状の底縁部33の高さとほぼ同じ高さを有し、該環状の底縁部33にて囲まれた凹部33a内に嵌合可能な平面視円形状の嵌合凸部としての下向きの凸部34が形成されている。この凸部34は、前記凹部33aに嵌合させたときに底板32の下面32aと当接可能な当接面35を有しており、この当接面35には加熱シート36が接着されている。
【0036】
次に、このレトルト食品用容器26の調理の仕方について説明する。図6に示すように、先ずカップ容器27の蓋体28の上面に取り付けられたカバー体29を取り外す。そして、カバー体29を凸部34の当接面35が上方を向くようにIH調理器37のトッププレート38の上面に載置し、カップ容器27を、その環状の底縁部33にて囲まれた凹部33a内に凸部34が嵌合するように、カバー体29の上面に載置する。すると、凸部34の当接面35に固着されている加熱シート36がカップ容器27の底板32の下面32aに当接される。
【0037】
そして、IH調理器37のスイッチを入れてコイル39に電気を流すと、コイル39によって発生した磁力によって加熱シート36内部に渦電流が発生して加熱シート36の温度が上昇する。この加熱シート36の熱がカップ容器27の底板32を介して伝導され、カップ容器27内部の水40が温められる。尚、カップ容器27内部で発生した水蒸気は、蓋体28の剥離部41から外部に流出する。そして、カップ容器27内部の水40を温められてお湯になると、即席麺31が食べられるようになる。
【0038】
このように構成された本実施例3におけるレトルト食品用容器26にあっては、電磁調理器としてのIH調理器37を用いて食品を加熱する際には、カバー体29をカップ容器27から取り外して凸部34を凹部33aに嵌合させることで、カバー体29における当接面35に取り付けられた加熱シート36がカップ容器27の底板32の下面32aに確実に当接するため、食品を効率よく加熱することができるばかりか、加熱シート36の裏面に貼着部等を設けることなく、蓋体28へのゴミの進入等を防止するためのカバー体29の上にカップ容器27を載せるだけの簡単な作業で、加熱シート36を底板32の下面32aに当接させることができる。
【0039】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0040】
例えば、前記実施例1〜3では、電磁調理器としてのIH調理器8、23、37のコイル10、25、39から発生する磁力線によって、熱を発生させるIH調理器用の加熱シート6、19、36が用いられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子レンジ等に用いられるマイクロ波を利用して熱を発生させる電子レンジ用の加熱シートを用いてもよく、電子レンジ用の加熱シートを用いることで、電磁調理器としての電子レンジ用のレトルト食品用容器を提供できる。
【0041】
また、前記実施例1、2では、加熱シート6、16が蓋体3、17の上面に取り付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、加熱シートは、レトルト食品用容器1、15における底板下面以外の外面であれば、例えば容器本体としてのカップ容器2の側面等に取り付けられていてもよいし、あるいは、蓋体3、17とは別体に設けられ、該蓋体3、17の外面を覆うように設けられるカバー体等の外面に取り付けられていてもよい。
【0042】
また、前記実施例3では、蓋体の一部であるカバー体29に形成された凸部34における当接面35に加熱シート36が固着されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カバー体全体を電磁力によって発熱する材質で形成し、カバー体と加熱シートとが一体となった構成にしてもよい。
【0043】
また、前記凸部34は下向きに突出するように形成され、加熱シート36を底板32の下面32aに当接させる際にカバー体29を上下反転させるように構成されていたが、凹部33aに嵌合可能な上向きの凸部を形成し、カバー体29を上下に反転させることなくトッププレート38上に載置して、該凸部を凹部33a内に嵌合できるようにしてもよい。
【0044】
また、本発明のレトルト食品とは、加工済み食品を袋または容器に入れ、高圧高温で殺菌、密封したものを示すのみならず、実施例1及び実施例3で示したお湯を加えるだけで食べられる即席麺等のインスタント食品類全般をも示している。更に、特殊なフィルムの袋に調理済み食品を入れて密封し、高圧高温で殺菌したレトルトパウチ食品を、前記実施例のカップ容器内部に収納しておき、調理者が調理を開始する際に、レトルトパウチ食品の中身を袋から取り出し、取り出した食品をカップ容器に収納させてから調理する食品も含む。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1におけるレトルト食品用容器を示す分解斜視図である。
【図2】実施例1におけるレトルト食品用容器を示す縦断側面図である。
【図3】実施例2におけるレトルト食品用容器を示す分解斜視図である。
【図4】実施例2におけるレトルト食品用容器を示す縦断側面図である。
【図5】実施例3におけるレトルト食品用容器を示す分解斜視図である。
【図6】実施例3におけるレトルト食品用容器を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 レトルト食品用容器
2 カップ容器(容器本体)
3 蓋体
4 即席麺(レトルト食品)
5 上縁部
6 加熱シート
6a 裏面
7 取付凹部
8 IH調理器(電磁調理器)
9 トッププレート
10 コイル
11 底板
11a 下面
12 底縁部
13 剥離部
14 水
15 レトルト食品用容器
16 カップ容器(容器本体)
17 蓋体
18 米飯(レトルト食品)
19 加熱シート
19a 裏面
20 取付凹部
21 逃げ孔
22 底板
22a 下面
23 IH調理器(電磁調理器)
24 トッププレート
25 コイル
26 レトルト食品用容器
27 カップ容器(容器本体)
28 蓋体
29 カバー体
30 上縁部
31 即席麺(レトルト食品)
32 底板
32a 下面
33 底縁部
33a 凹部
34 凸部(嵌合凸部)
35 当接面
36 加熱シート
37 IH調理器(電磁調理器)
38 トッププレート
39 コイル
40 水
41 剥離部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品が収納される容器本体と、該容器本体の上面開口を閉塞する蓋体と、を備えるレトルト食品用容器において、
前記食品用容器の底板下面以外の外面所定箇所に、電磁調理器の電磁力によって発熱する加熱シートが取り外し自在に取り付けられており、該加熱シートは、表面または裏面のいずれか一方に前記食品用容器の底板下面に貼着可能な貼着部が設けられているとともに、該貼着部を介して前記食品用容器の底板下面に貼着可能に形成されていることを特徴とするレトルト食品用容器。
【請求項2】
前記加熱シートは、前記蓋体に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のレトルト食品用容器。
【請求項3】
前記蓋体には、前記容器本体内で発生する蒸気を逃がすための逃げ孔が形成されており、該逃げ孔が前記加熱シートで閉塞されていることを特徴とする請求項2に記載のレトルト食品用容器。
【請求項4】
前記加熱シートは、前記貼着部を介して前記食品用容器の底板下面以外の外面所定箇所に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレトルト食品容器。
【請求項5】
食品が収納される容器本体と、該容器本体の上面開口を閉塞する蓋体と、該蓋体を覆うように前記容器本体に対して取り外し自在に取り付けられるカバー体と、を備えるとともに、前記容器本体の底板下面の周縁に、所定高さを有する環状の底縁部が突設されているレトルト食品用容器において、
前記カバー体には、前記環状の底縁部にて囲まれた凹部内に嵌合可能な嵌合凸部が形成されているとともに、前記凹部内への前記嵌合凸部の嵌合時において前記底板下面と当接する当接面に、電磁調理器の電磁力によって発熱する加熱シートが設けられていることを特徴とするレトルト食品用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−15756(P2007−15756A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−201918(P2005−201918)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(599120196)エレファントデザイン株式会社 (2)
【Fターム(参考)】