説明

レニン阻害剤としての4−フェニルピペリジン誘導体


【化1】


を有する本発明の化合物は、天然酵素レニンに対し阻害活性を示す。故に、式(I)の化合物は、高血圧、アテローム性動脈硬化症、不安定冠状動脈症候群、鬱血性心不全、心肥大、心線維症、梗塞後心筋症、不安定冠状動脈症候群、拡張期機能不全、慢性腎臓病、肝線維症、腎症、脈管障害およびニューロパシーのような糖尿病に起因する合併症、冠血管の疾患、血管形成術後再狭窄、上昇した眼内圧、緑内障、異常な血管増殖、高アルドステロン症、認知障害、アルツハイマー、認知症、不安状態および認知の障害の処置に使用し得る。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、式
【化1】

〔式中、
は−CH−X、−O−Xまたは−S(O)0−2−Xであるか;または
は−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで、
は水素または低級アルキルであり;そして
Xは−(CH)−(CR10)−(CH)−Z−(CH)−Wであり、ここで、
m、nおよびqは、独立して0または1から5の整数であり;
pは0または1であり;
およびR10は、独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびR10は一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している炭素原子と一体となって3−から6−員環を形成し;
Zは結合であるか;または
ZはO、S(O)0−2、または−NR11−であり、ここで、
11は水素または低級アルキルである。ただし、m、nおよびpが全て0であるとき、Rは−CH−Xであり;
Wはアリールまたはヘテロシクリルであり;
【0002】
は水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシまたは低級アルコキシであり;
Lは結合であるか;または
Lは−(CH)−O−(CH)−であり、ここで、
sおよびvは、独立して0または1から3の整数であるか;または
Lは−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−OC(O)NR12−、−NR12−、−NR13C(O)−、−NR13C(O)O−または−NR13C(O)NR12−であり、ここで、
12およびR13は、独立して水素または低級アルキルであり;
は水素、ヒドロキシ、ハロゲンまたはシアノである。ただし、Lは結合であるか;または
は所望により置換されていてよい低級アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールまたはヘテロシクリルであるか;または
およびR12は一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している窒素原子と一体となって5−から6−員環を形成し;
【0003】
は水素、所望により置換されていてよい低級アルキルまたはアリールであり;
およびRは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって5−から6−員芳香族性またはヘテロ芳香環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子に結合するか;または
およびRは一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している炭素原子と一体となって縮合5−から7−員環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子に結合するか;または
C−RおよびC−Rは窒素で置換されていてよく;
【0004】
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシ、シクロアルキル、アルカノイル、アルキルオキシアルコキシ、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルバモイル、チオール、アルキルチオ、アルキルチオノ、スルホニル、スルホンアミド、スルファモイル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、アルケニル、アルキニル、アラルコキシ、ヘテロシクリル(インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル、ピペリジル、モルホリニルおよびテトラゾリルを含む)であるか;または
およびRが一体となってO、S(O)0−2、−NR14−、−(CH)1−2−、−O−CH−、−CH−O−、−S(O)0−2−CH−、−CH−S(O)0−2−、−NR14−CH−、−CH−NR14−、−S(O)0−2−NR14−または−NR14−S(O)0−2−であり、ここで、
14は水素または低級アルキルである。ただし、Rは2'位に位置するか;または
C−Rは窒素で置換されていてよく;
Yは−(CH)−、−O−(CH)−、−(CH)−O−、−S0−2−(CH)−または−(CH)−S0−2−であり、ここで、
rは0または1から3の整数であり;
Qは、それが結合している原子と一体となって5−から6−員単環式芳香族性またはヘテロ芳香環を形成するか;または
Qは、それが結合している原子と一体となって7−から12−員二環式芳香族性またはヘテロ環式環を形成する。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0005】
本発明の化合物は、天然酵素レニンに対して阻害活性を示す。故に、式(I)の化合物は高血圧、アテローム性動脈硬化症、不安定冠状動脈症候群、鬱血性心不全、心肥大、心線維症、梗塞後心筋症、不安定冠状動脈症候群、拡張期機能不全、慢性腎臓病、肝線維症、腎症、脈管障害およびニューロパシーのような糖尿病に起因する合併症、冠血管の疾患、血管形成術後再狭窄、上昇した眼内圧、緑内障、異常な血管増殖、高アルドステロン症、認知障害(cognitive impariment)、アルツハイマー、認知症(dementia)、不安状態および認知の障害(cognitive disorder)の処置に使用し得る。
【0006】
下記に列記するのは、本発明の化合物を記載するために使用する様々な用語の定義である。これらの定義は、それらが個々にまたはより大きな群の一部として他の意味に限定されていないならば、本明細書と通して使用される限り、適用される。
【0007】
“所望により置換されていてよいアルキル”なる用語は、1−20個の炭素原子、好ましくは1−7個の炭素原子を有する、非置換または置換直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する。非置換アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチルなどを含む。置換アルキル基は、下記群の1個またはそれ以上で置換されているアルキル基を含むが、これらに限定されない:ハロ、ヒドロキシ、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシ、アルキルオキシアルコキシ、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルバモイル、チオール、アルキルチオ、アルキルチオノ、スルホニル、スルホンアミド、スルファモイル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、アルケニル、アルキニル、アラルコキシ、グアニジノ、ヘテロシクリル(インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル、ピペリジル、モルホリニルを含む)など。
【0008】
“低級アルキル”なる用語は、1−7個、好ましくは1−4個の炭素原子を有する、上記の通りの所望により置換されていてよいアルキル基を意味する。
“ハロゲン”または“ハロ”なる用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
【0009】
“アルケニル”なる用語は、少なくとも2個の炭素原子を有し、かつさらに結合点で炭素−炭素二重結合を含む、上記アルキル基である。2−4個の炭素原子を有する基が好ましい。
【0010】
“アルキニル”なる用語は、少なくとも2個の炭素原子を有し、かつさらに結合点で炭素−炭素三重結合を含む、上記アルキル基である。2−4個の炭素原子を有する基が好ましい。
【0011】
“アルキレン”なる用語は、一重結合で連結している2−5個の炭素原子の直鎖架橋、例えば、−(CH)x−(式中、xは2から5である)であり、これは、O、S(O)0−2または−NR−(式中、Rは水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アシル、カルバモイル、スルホニル、スルファモイル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニルまたはアラルコキシカルボニルであってよく、または該アルキレンはアルキル、シクロアルキル、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニルなどから選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されていてよい)から選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子で中断されていてよい。
【0012】
“シクロアルキル”なる用語は、3−12個の炭素原子の所望により置換されていてよい単環式、二環式または三環式炭化水素基であり、この各々は、アルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アシルアミノ、カルバモイル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、アルキルチオ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、スルホニル、スルホンアミド、スルファモイル、ヘテロシクリルなどの1個またはそれ以上の置換基で置換されていてよい。
【0013】
単環式炭化水素基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0014】
二環式炭化水素基の例は、ボルニル、インジル、ヘキサヒドロインジル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルなどを含む。
【0015】
三環式炭化水素基の例は、アダマンチルなどを含む。
“アルコキシ”なる用語は、アルキル−O−を意味する。
“アルカノイル”なる用語は、アルキル−C(O)−を意味する。
“アルカノイルオキシ”なる用語は、アルキル−C(O)−O−を意味する。
【0016】
“アルキルアミノ”および“ジアルキルアミノ”なる用語は、各々アルキル−NH−および(アルキル)N−を意味する。
“アルカノイルアミノ”なる用語は、アルキル−C(O)−NH−を意味する。
“アルキルチオ”なる用語は、アルキル−S−を意味する。
“アルキルアミノチオカルボニル”なる用語は、アルキル−NHC(S)−を意味する。
【0017】
“トリアルキルシリル”なる用語は、(アルキル)Si−を意味する。
“トリアルキルシリルオキシ”なる用語は、(アルキル)SiO−を意味する。
“アルキルチオノ”なる用語は、アルキル−S(O)−を意味する。
“アルキルスルホニル”なる用語は、アルキル−S(O)−を意味する。
【0018】
“アルコキシカルボニル”なる用語は、アルキル−O−C(O)−を意味する。
“アルコキシカルボニルオキシ”なる用語は、アルキル−O−C(O)O−を意味する。
【0019】
“カルバモイル”なる用語は、HNC(O)−、アルキル−NHC(O)−、(アルキル)NC(O)−、アリール−NHC(O)−、アルキル(アリール)−NC(O)−、ヘテロアリール−NHC(O)−、アルキル(ヘテロアリール)−NC(O)−、アラルキル−NHC(O)−、アルキル(アラルキル)−NC(O)−などを意味する。
【0020】
“スルファモイル”なる用語は、HNS(O)−、アルキル−NHS(O)−、(アルキル)NS(O)−、アリール−NHS(O)−、アルキル(アリール)−NS(O)−、(アリール)NS(O)−、ヘテロアリール−NHS(O)−、アラルキル−NHS(O)−、ヘテロアラルキル−NHS(O)−などを意味する。
【0021】
“スルホンアミド”なる用語は、アルキル−S(O)−NH−、アリール−S(O)−NH−、アラルキル−S(O)−NH−、ヘテロアリール−S(O)−NH−、ヘテロアラルキル−S(O)−NH−、アルキル−S(O)−N(アルキル)−、アリール−S(O)−N(アルキル)−、アラルキル−S(O)−N(アルキル)−、ヘテロアリール−S(O)−N(アルキル)−、ヘテロアラルキル−S(O)−N(アルキル)−などを意味する。
【0022】
“スルホニル”なる用語は、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アラルキルスルホニル、ヘテロアラルキルスルホニルなどを意味する。
【0023】
“所望により置換されていてよいアミノ”なる用語は、アシル、スルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、ヘテロアラルコキシカルボニル、カルバモイルなどの置換基で所望により置換されていてよい、1級または2級アミノ基を意味する。
【0024】
“アリール”または“芳香環”なる用語は、フェニル、ビフェニル、ナフチルおよびテトラヒドロナフチルのような環部分に6−12個の炭素原子を有する単環式または二環式芳香族性炭化水素基を意味し、この各々は、アルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アルカノイルオキシ、アリールオキシ、所望により置換されていてよいアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アルキルチオノ、スルホニル、スルホンアミド、ヘテロシクリルなどのような1−4個の置換基で所望により置換されていてよい。
【0025】
“単環式アリール”なる用語は、アリール下に記載した通りの所望により置換されていてよいフェニルを意味する。
“アラルキル”なる用語は、ベンジルのようなアルキル基を介して直接結合しているアリール基を意味する。
【0026】
“アラルカノイル”なる用語は、アラルキル−C(O)−を意味する。
“アラルキルチオ”なる用語は、アラルキル−S−を意味する。
“アラルコキシ”なる用語は、アルコキシ基を介して直接結合しているアリール基を意味する。
“アリールスルホニル”なる用語は、アリール−S(O)−を意味する。
【0027】
“アリールチオ”なる用語は、アリール−S−を意味する。
“アロイル”なる用語は、アリール−C(O)−を意味する。
“アロイルオキシ”なる用語は、アリール−C(O)−O−を意味する。
“アロイルアミノ”なる用語は、アリール−C(O)−NH−を意味する。
“アリールオキシカルボニル”なる用語は、アリール−O−C(O)−を意味する。
【0028】
“ヘテロシクリル”、“ヘテロシクロ”または“ヘテロ環式環”なる用語は、例えば、4−から7−員単環式、7−から12−員二環式または10−から15−員三環式環系であり、かつ、少なくとも1個のヘテロ原子を少なくとも1個の炭素原子含有環中に有する、所望により置換されていてよい、完全に飽和されたまたは不飽和の、芳香族性または非芳香族性環状基である。ヘテロ環式基のヘテロ原子を含む各環は、1個、2個または3個の窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択されるヘテロ原子を含み得えて、ここで、窒素および硫黄ヘテロ原子はまた所望により酸化されていてよい。該ヘテロ環式基はヘテロ原子または炭素原子で結合し得る。
【0029】
単環式ヘテロ環式基は、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、トリアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニルなどを含む。
【0030】
二環式ヘテロ環式基の例は、インドリル、ジヒドロイドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアジニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、デカヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例えばフロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,2−b]−ピリジニル]またはフロ[2,3−b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドル−2−イル、ジヒドロキナゾリニル(例えば3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニル)、フタラジニルなどを含む。
【0031】
三環式ヘテロ環式基の例は、カルバゾリル、ジベンゾアゼピニル、ジチエノアゼピニル、ベンズインドリル、フェナンスロリニル、アクリジニル、フェナンスリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、キサンテニル、カルボリニルなどを含む。
【0032】
“ヘテロシクリル”、“ヘテロシクロ”または“ヘテロ環式環”なる用語は、置換ヘテロ環式基を含む。置換ヘテロ環式基は、下記から成る群から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されたヘテロ環式基を意味する:
(a)アルキル;
(b)ヒドロキシ(または保護されたヒドロキシ);
(c)ハロ;
(d)オキソ、すなわち、=O;
(e)所望により置換されていてよいアミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ;
(f)アルコキシであり;
(g)シクロアルキル;
(h)カルボキシであり;
(i)ヘテロシクロオキシであり;
(j)アルコキシカルボニル、例えば非置換低級アルコキシカルボニル;
(k)メルカプト;
(l)ニトロ;
(m)シアノ;
(n)スルファモイルまたはスルホンアミド;
(o)アリール;
(p)アルカノイルオキシであり;
(q)アロイルオキシであり;
(r)アリールチオ;
(s)アリールオキシであり;
(t)アルキルチオ;
(u)ホルミル;
(v)カルバモイルであり;そして
(w)アラルキル。
【0033】
“ヘテロシクロオキシ”なる用語は、酸素架橋を介して結合しているヘテロ環式基を意味する。
“ヘテロアリール”または“ヘテロ芳香環”なる用語は、所望により、例えば、低級アルキル、低級アルコキシまたはハロで置換されていてよい、芳香族性ヘテロ環、例えば、単環式または二環式アリール、例えばピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリルなどを意味する。
【0034】
“ヘテロアリールスルホニル”なる用語は、ヘテロアリール−S(O)−を意味する。
“ヘテロアロイル”なる用語は、ヘテロアリール−C(O)−を意味する。
“ヘテロアロイルアミノ”なる用語は、ヘテロアリール−C(O)NH−を意味する。
“ヘテロアラルキル”なる用語は、アルキル基を介して結合しているヘテロアリール基を意味する。
【0035】
“ヘテロアラルカノイル”なる用語は、ヘテロアラルキル−C(O)−を意味する。
“ヘテロアラルカノイルアミノ”なる用語は、ヘテロアラルキル−C(O)NH−を意味する。
“アシル”なる用語は、アルカノイル、アロイル、ヘテロアロイル、アラルカノイル、ヘテロアラルカノイルなどを意味する。
“アシルアミノ”なる用語は、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、ヘテロアロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、ヘテロアラルカノイルアミノなどを意味する。
【0036】
本発明の化合物のいずれかの薬学的に許容される塩は、酸と形成される塩、すなわち酸付加塩、例えば鉱酸、有機カルボン酸および有機スルホン酸、例えば、塩酸、マレイン酸およびメタンスルホン酸のものを意味する。
【0037】
同様に塩基と形成される塩、すなわちカチオン性塩、例えばアルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ならびにアンモニウム塩、例えばアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、およびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアンモニウム塩およびアミノ酸との塩が、酸性基が構造の一部を形成するならば、可能である。
【0038】
上記の通り、本発明は、式(I)のピペリジン誘導体、それらを含む医薬組成物、該化合物の製造法、および治療的有効量の本発明の化合物、またはその医薬組成物を投与することによるレニン介在状態の処置法を提供する。
【0039】
下記の化合物の群は排他的と見なしてはならず、むしろ、例えば、一般的定義をより具体的な定義に置き換えるために、これらの化合物の群の一部を内部可能でき、または上記の定義と交換でき、または、適当であれば除去できる。
【0040】
好ましいのは
が−CH−X、−O−Xまたは−S(O)0−2−Xであるか;または
が−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで、
が水素または低級アルキルであり;そして
Xが−(CH)−(CR10)−(CH)−Z−(CH)−Wであり、ここで
mおよびnが、独立して0または1から5の整数であり;
pが0または1であり;
qが0であり;
およびR10が、独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびR10は一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している炭素原子と一体となって3−から6−員環を形成し;
Zが結合であるか;または
ZがO、S(O)0−2、または−NR11−であり、ここで
11が水素または低級アルキルである。ただし、m、nおよびpが全て0であるとき、Rは−CH−Xであり;
Wがアリールまたはヘテロシクリルであり;
が水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシまたは低級アルコキシであり;
Lが結合であるか;または
Lが−(CH)−O−(CH)−であり、ここで
sおよびvが0であるか;または
Lが−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−OC(O)NR12−、−NR12−、−NR13C(O)−、−NR13C(O)O−または−NR13C(O)NR12−であり、ここで
12およびR13は、独立して水素または低級アルキルであり;
【0041】
が水素、ハロゲンまたはシアノである。ただし、Lが結合であるか;または
が所望により置換されていてよい低級アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールまたはヘテロシクリルであるか;または
およびR12は一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している窒素原子と一体となって5−から6−員環を形成し;
が水素、所望により置換されていてよい低級アルキルまたはアリールであり;
およびRが、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって5−から6−員芳香族性またはヘテロ芳香環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子に結合するか;または
およびRが一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している炭素原子と一体となって縮合5−から7−員環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子に結合するか;または
が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい、低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRが一体となってO、S(O)0−2、−NR14−、−(CH)1−2−、−O−CH−、−CH−O−、−S(O)0−2−CH−、−CH−S(O)0−2−、−NR14−CH−、−CH−NR14−、−S(O)0−2−NR14−または−NR14−S(O)0−2−であり、ここで
14が水素または低級アルキルである。ただし、Rは2'位に位置し;
Yが−(CH)−であり、ここで
rが0であり;
Qが、それが結合している炭素原子と一体となって5−から6−員単環式芳香族性またはヘテロ芳香環を形成するか;または
Qが、それが結合している炭素原子と一体となって9−から10−員二環式芳香族性またはヘテロ環式環を形成する;
式(I)の化合物の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0042】
さらに好ましいのは、式
【化2】

〔式中、R、R、L、R、R、R、R、RおよびQは、上記で定義の意味を有する。〕
を有する、式(I)の化合物の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0043】
さらに好ましいのはまた、式
【化3】

〔式中、R、R、L、R、R、R、R、RおよびQは、上記で定義の意味を有する。〕
を有する、式(I)の化合物の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0044】
好ましいのは、
が−CH−X、−O−Xまたは−S−Xであるか;または
が−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで
が水素または低級アルキルであり;そして
Xが−(CH)−(CR10)−(CH)−Z−Wであり、ここで
mおよびnは、独立して0または1もしくは2の整数であり;
pが0または1であり;
およびR10が、独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびR10が一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している炭素原子と一体となって3−から6−員環を形成し;
Zが結合であるか;または
ZがO、S(O)0−2、または−NR11−であり、ここで
11が水素または低級アルキルである。ただし、m、nおよびpが全て0であるとき、Rは−CH−Xであり;
Wがアリールまたはヘテロシクリルであり;
【0045】
が水素、ハロゲンまたはヒドロキシであり;
Lが結合であり;
が水素またはハロゲン;
が水素、所望により置換されていてよい低級アルキルまたはアリールであり;
およびRが、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであり;
が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRが一体となってO、S(O)0−2、−NR14−、−(CH)1−2−、−O−CH−、−CH−O−、−S(O)0−2−CH−、−CH−S(O)0−2−、−NR14−CH−、−CH−NR14−、−S(O)0−2−NR14−または−NR14−S(O)0−2−であり、ここで
14が水素または低級アルキルである。ただし、Rは2'位に位置し;
Qは、それが結合している原子と一体となって5−から6−員単環式芳香族性またはヘテロ芳香環を形成するか;または
Qは、それが結合している原子と一体となって9−から10−員二環式芳香族性またはヘテロ環式環を形成する;
式(IB)の化合物(Aグループと呼ぶ)またはその薬学的に許容される塩である。
【0046】
好ましいのは、
が−CH−X、−O−Xまたは−S−Xであるか;または
が−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで
が水素または低級アルキルであり;そして
Xが−(CH)−(CR10)−(CH)−Z−Wであり、ここで
mおよびnは、独立して0または1もしくは2の整数であり;
pが0または1であり;
およびR10が、独立して水素または低級アルキルであるか;または
Zが結合であるか;または
ZがO、S(O)0−2、または−NR11−であり、ここで
11が水素または低級アルキルである。ただし、m、nおよびpが全て0であるとき、Rは−CH−Xであり;
Wがアリールまたはヘテロシクリルであり;
が水素、ハロゲンまたはヒドロキシであり;
Lが結合であり;
が水素またはハロゲンであり;
が水素であり;
およびRが、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであり;
が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRが一体となってO、S(O)0−2、−NR14−、−(CH)1−2−、−O−CH−、−CH−O−、−S(O)0−2−CH−、−CH−S(O)0−2−、−NR14−CH−、−CH−NR14−、−S(O)0−2−NR14−または−NR14−S(O)0−2−であり、ここで
14が水素または低級アルキルである。ただし、Rは2'位に位置し;
Qが、それが結合している原子と一体となって5−から6−員単環式芳香族性またはヘテロ芳香環を形成するか;または
Qが、それが結合している原子と一体となって9−から10−員二環式芳香族性またはヘテロ環式環を形成する;
Aグループの化合物(Bグループと呼ぶ)またはその薬学的に許容される塩である。
【0047】
好ましいのは、
が−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで
が水素または低級アルキルである;
Bグループの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0048】
好ましいのはまた、
Qが、それが結合している炭素原子と一体となってピリジルまたはピリミジニル環を形成する;
Bグループの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0049】
好ましいのはまた、
Qが、それが結合している炭素原子と一体となってチエニル、フリル、ピロリルまたはインドリル環を形成する;
Bグループの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0050】
好ましいのはまた、式
【化4】

〔式中、
は−CH−X、−O−Xまたは−S−Xであるか;または
は−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで
は水素または低級アルキルであり;そして
Xが−(CH)−(CR10)−(CH)−Z−Wであり、ここで
m、nおよびpは、独立して0または1であり;
は水素であり;
10は水素または低級アルキルであり;
Zは結合であるか;または
ZはO、S(O)0−2、または−NR11−であり、ここで
11は水素または低級アルキルである。ただし、m、nおよびpが全て0であるとき、Rは−CH−Xであり;
Wはアリールまたはヘテロシクリルであり;
は水素であり;
は水素またはハロゲンであり;
およびRは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであり;
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRは一体となってO、S(O)0−2、−NR14−、−(CH)1−2−、−O−CH−、−CH−O−、−S(O)0−2−CH−、−CH−S(O)0−2−、−NR14−CH−、−CH−NR14−、−S(O)0−2−NR14−または−NR14−S(O)0−2−であり、ここで
14は水素または低級アルキルである。ただし、Rは2'位に位置し;
15は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルである。〕
Aグループの化合物(Cグループと呼ぶ)またはその薬学的に許容される塩である。
【0051】
好ましいのは、
が−O−Xまたは−S−Xであり;そして
Xが−(CH)−(CR10)−(CH)−Z−Wであり、ここで
mが1であり;
nおよびpが0であり;
Zが結合であり;
Wがアリールまたはヘテロシクリルであり;
が水素またはハロゲンであり;
が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであり;
が水素であり;
が水素であり;
15が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルである;
Cグループの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0052】
さらに好ましいのは、
が水素である;
Cグループの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0053】
より好ましいのは、
Wが単環式アリールである;
Cグループの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0054】
好ましいのはまた、
pが1であり;
およびR10が一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している炭素原子と一体となって3−から6−員環を形成する;
Aグループの化合物(Dグループと呼ぶ)またはその薬学的に許容される塩である。
【0055】
好ましいのは、式
【化5】

〔式中、
は−CH−X、−O−Xまたは−S−Xであるか;または
は−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで
は水素または低級アルキルであり;そして
Xは−(CH)−CR10−(CH)−Z−Wであり、ここで
mおよびnは1であり;
Zは結合であるか;または
ZはO、S(O)0−2、または−NR11−であり、ここで
11は水素または低級アルキルである。ただし、m、nおよびpが全て0であるとき、Rは−CH−Xであり;
Wはアリールまたはヘテロシクリルであり;
は水素であり;
は水素またはハロゲンであり;
およびRは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであり;
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRは一体となってO、S(O)0−2、−NR14−、−(CH)1−2−、−O−CH−、−CH−O−、−S(O)0−2−CH−、−CH−S(O)0−2−、−NR14−CH−、−CH−NR14−、−S(O)0−2−NR14−または−NR14−S(O)0−2−であり、ここで
14は水素または低級アルキルである。ただし、Rは2'位に位置し;
15は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルである。〕
を有する、Dグループの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0056】
さらに好ましいのは、
が−O−Xまたは−S−Xであり;そして
Xが−CH−CR10−CH−Z−Wであり、ここで
Zが結合であり;
Wがアリールであり;
が水素であり;
が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであり;
が水素であり;
が水素であり;
15が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルである;
Dグループの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0057】
本発明の化合物は、置換基の選択に依存して、2個またはそれ以上の不斉中心を有する。C−3およびC−4不斉中心での好ましい絶対的立体配置は、上記の通り本明細書および添付の特許請求の範囲を通して維持される。しかしながら、任意の可能性のあるジアステレオ異性体、エナンチオマーおよび幾何異性体、ならびにそれらの混合物、例えばラセミ体が本発明により包含される。
【0058】
本発明の特定の態様は:
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド;
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(ビフェニル−4−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド;
(3R,4R)−3−ベンジルオキシ−4−ビフェニル−3−イル−ピペリジンヒドロクロライド;
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(4−ブロモ−ベンジルオキシ)−ピペリジンヒドロクロライド;
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジルオキシ)−ピペリジンヒドロクロライド;
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−ピペリジンヒドロクロライド;
(3R,4R)−4−ジベンゾフラン−4−イル−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド;
(3R,4R)−3−(ビフェニル−4−イルメトキシ)−4−ジベンゾフラン−4−イル−ピペリジンヒドロクロライド;
(3R,4R)−3−ベンジルオキシ−4−ジベンゾフラン−4−イル−ピペリジンヒドロクロライド;
(3R,4R)−4−ジベンゾフラン−4−イル−3−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−ピペリジンヒドロクロライド;
[3−((3R,4R)−4−ジベンゾフラン−4−イル−ピペリジン−3−イルオキシメチル)−フェニル]−フェニル−メタノンヒドロクロライド;
(3R,4R)−4−(4'−メトキシ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド;
3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−3−オールヒドロクロライド;
(3R,4R)−4−[3'−(2−メトキシ−エトキシ)−ビフェニル−3−イル]−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド;
N−{3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−3−イル}−アセトアミドヒドロクロライド;
1−{3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−4−イル}−エタノンヒドロクロライド;
1−{3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−3−イル}−エタノンヒドロクロライド;
【0059】
3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−3−カルボン酸エチルエステルヒドロクロライド;
(3R,4R)−4−(3'−クロロ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド;
(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−4−(3'−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−イル)−ピペリジンヒドロクロライド;
(3R,4R)−4−(4'−クロロ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド;
3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−4−オールヒドロクロライド;
ジメチル−{3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]ビフェニル−4−イル}−アミンヒドロクロライド;
3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−3−カルボン酸ヒドロクロライド;
3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−4−カルボン酸メチルアミドヒドロクロライド;
4−{3−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−ピリジンヒドロクロライド;
(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−4−(3−チオフェン−3−イル−フェニル)−ピペリジンヒドロクロライド;
3−{3−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−ピリジンヒドロクロライド;
2−{3−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−1H−インドールヒドロクロライド;
5−{3−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−ピリミジンヒドロクロライド;
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[2−(3−メトキシ−プロポキシ)−4−メチル−ベンジルオキシ]−ピペリジン;
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[2−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンジルオキシ]−ピペリジントリフルオロ酢酸;
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[4−メトキシ−3−(−3−メトキシ−プロポキシ)−ベンジルオキシ]−ピペリジン;
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[3−(4−メトキシ−ブチル)−ベンジルオキシ]−ピペリジン;
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[3−(3−メトキシ−プロピル)−ベンジルオキシ]−ピペリジン;
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[3−(2−メトキシ−エチル)−ベンジルオキシ]−ピペリジン;
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[3−(3−メトキシ−プロピル)−4−メチル−ベンジルオキシ]−ピペリジン;
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[3−(4−メトキシ−ブチル)−4−メチル−ベンジルオキシ]−ピペリジン;
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[2−(3−メトキシ−プロピル)−ベンジルオキシ]−ピペリジントリフルオロ酢酸;
(3R,4R)−3−(1−ベンジル−シクロプロピルメチルオキシ)−4−ビフェニル−3−イル−ピペリジントリフルオロ酢酸;
そして(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−{1−[2−(3−メトキシ−プロピル)−ベンジル]−シクロプロピルメトキシ}−ピペリジンヒドロクロライド;
またはその薬学的に許容される塩である。
【0060】
式(I)の化合物は、既知の出発物質から、例えば、国際PCT特許出願WO97/09311に記載の方法を使用して、または本明細書の説明的実施例に記載の通り、またはその変法により、当分野で既知の方法を使用して製造できる。
【0061】
例えば、式(IC')(式中、R、R、R、R15が上記で定義の意味を有し、そしてRが−O−Xであり、ここで、Xが上記で定義の意味を有する)を有する式(IC)の化合物は、スキーム1に概説の通り製造できる。
【化6】

【0062】
式(IIa)(式中、Pgが低級アルコキシカルボニル、例えば、t−ブトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルのような保護基である)の化合物を、SuzukiまたはStilleカップリング条件下、式(III)の化合物に変換でき、例えば、式(IIa)の化合物を、式
【化7】

(式中、R、R、RおよびR15は上記で定義の意味を有する)
のボロン酸と、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)のようなパラジウム触媒および炭ナトリウムまたは炭カリウムのような塩基の存在下、適当な溶媒、例えば、水、ジメトキシエタン、アセトニトリル、メタノール、エタノールまたはTHF、またはそれらの溶媒の混合物中、反応させ得る。所望により、Suzuki反応を、リチウムクロライドのような添加剤の存在下で行い得る。式(VI)のボロン酸は、既知であるか、または、それらが新規であるならば、それらは当分野で既知の方法を使用して製造し得る。
【0063】
得られる式(III)の化合物を次いで、適当な反応条件、例えば、ヒドロホウ素化の条件下でヒドロキシル化し、式(IV)(式中、Pg、R、R、RおよびR15が上記で定義の意味を有する)の化合物を得る。
【0064】
得られる式(IV)の化合物は、スキーム1に概説の通りの反応シーケンスに従い、ラセミ混合物として得られる。ラセミ化合物、例えば、式(IV)および(IC')のものは、それらの純粋なエナンチオマーに、当分野で既知の慣用法を使用して分割できる。
【0065】
あるいは、式(IV)(式中、Pg、R、R、RおよびR15が上記で定義の意味を有する)の化合物は、式(III)の化合物から、Rich et al. in 有機Letters, 2001, 3, 2317-2320に記載の通りの、または国際PCT特許出願WO00/63173に記載の通りの、不斉ジヒドロキシル化とその後の接触還元接触還元を含む反応シーケンスから、高エナンチオ選択性で得ることができる。
【0066】
式(IV)(式中、Pg、R、R、RおよびR15が上記で定義の意味を有する)の化合物を、次いで、例えば、式
X−Lg (VII)
(式中、Xは本明細書で定義の意味を有し、そしてLgはアイオダイド、ブロマイド、クロライド、トリフルオロメチルスルホネート、メシレートまたはトシレート、好ましくはブロマイドのような脱離基である)のアルキル化剤と、水素化ナトリウムのような塩基の存在下、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)のような有機溶媒中で処理して、式(V)の化合物を得ることができる。式(VII)のアルキル化剤は、既知であるか、またはそれらが新規であるならば、それらは実施例において本明細書で説明する通りに、もしくは当分野で既知の方法を使用して製造し得る。
【0067】
最後に、Pg、X、R、R、RおよびR15が上記で定義の意味を有する式(V)の化合物を、R、R、R、R15が上記で定義の意味を有し、そしてRが−O−Xであり、ここで、Xが上記で定義の意味を有する式(IC')の化合物、またはその薬学的に許容される塩に、保護基の除去により、例えば、Pgがt−ブトキシカルボニルであるとき、トリフルオロ酢酸(TFA)または塩酸(HCl)のような酸での処理により、またはPgがエトキシカルボニルであるとき、水性ナトリウムまたは水酸化カリウムのような塩基での処理により変換できる。
【0068】
あるいは、式(IC')(式中、R、R、R、R15が上記で定義の意味を有し、そしてRが−O−Xであり、ここで、Xが上記で定義の意味を有する)の化合物は、式(IIb)の化合物から、スキーム2に概説の反応シーケンスの通りに得ることができる。
【化8】

【0069】
スキーム2に説明の通り、式(IIb)(式中、Pgが上記の通り保護基であり、そしてR16およびR17が低級アルキルであるか、またはR16およびR17が一体となってアルキレンであり、ホウ素および酸素原子と一体となって5−または6−員環を形成し、好ましくは、R16およびR17が一体となって1,1,2,2−テトラメチルエチレンである)の化合物を、Suzukiカップリングの条件下、式(VIII)の化合物から変換でき、例えば、式(IIb)の化合物を、式
【化9】

(式中、RおよびRは上記で定義の意味を有する)の化合物で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)のようなパラジウム触媒および炭ナトリウムまたはカリウムのような塩基の存在下、適当な溶媒、例えば、水、ジメトキシエタン、アセトニトリル、メタノール、エタノールまたはTHF、またはそれらの溶媒の混合物中、処理できる。所望により、Suzuki反応をリチウムクロライドのような添加剤の存在下で行い得る。式(IIb)および(XI)の化合物は、既知であるか、または、それらが新規であるならば、それらは当分野で既知の方法を使用して製造し得る。
【0070】
得られる式(VIII)の化合物を、次いで、式(IX)(式中、Pg、RおよびRが上記で定義の意味を有する)の化合物に、式(IV)の化合物についてここで記載の通り変換できる。
【0071】
式(IX)(式中、Pg、RおよびRが上記で定義の意味を有する)の化合物を、次いで、式(V)の化合物について記載の反応条件下で、例えば、式(VII)のアルキル化剤で処理し、式(X)(式中、Pg、X、RおよびRが上記で定義の意味を有する)の化合物を得ることができる。
【0072】
最後に、式(X)(式中、Pg、X、RおよびRが上記で定義の意味を有する)の化合物を、式(IC')(式中、X、R、R、RおよびR15が上記で定義の意味を有する)の化合物、またはその薬学的に許容される塩に最初に、例えば、上記で説明の通りの適当な反応条件下、式(X)の化合物と、式
【化10】

(式中、RおよびR15は、上記で定義の意味を有する)のボロン酸をカップリングさせ、その後保護基を除去することにより変換できる。
【0073】
加えて、式(IC')(式中、R、R、RおよびR15が上記で定義の意味を有し、そしてRが−S(O)0−2−X、−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで、RおよびXが上記で定義の意味を有する)の化合物を、式(IV)の化合物から、当分野で既知の方法を使用して、製造できる。
【化11】

【0074】
例えば、スキーム3に説明する通り、式(IV)(式中、Pg、R、R、RおよびR15が上記で定義の意味を有する)の化合物を、式(XIV)または(XV)の化合物に、例えば、最初にヒドロキシル基をブロマイドまたはアイオダイドのような脱離基(Lg)に変換して、式(XIII)(式中、Pg、R、R、RおよびR15が上記で定義の意味を有し、そしてLgが脱離基上記の通りである)の化合物を得る。続くチオール酢酸またはナトリウムアジドのような求核原子との反応、続く加水分解または還元の各々により、Pg、R、R、RおよびR15が上記で定義の意味を有する、式(XIV)の化合物または式(XV)の化合物を得る。式(XIV)または(XV)の化合物を、式(IC')(式中、R、R、RおよびR15が上記で定義の意味を有し、そしてRが−S(O)0−2−X、−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで、RおよびXが上記で定義の意味を有する)の化合物に、本明細書に記載の方法を使用して、または当分野で既知の方法を使用して、変換できる。
【0075】
ここで上記の工程は、不活性雰囲気下、好ましくは窒素雰囲気下で行い得る。
【0076】
上記で例示の通り、本明細書に記載の方法により本発明の化合物に変換する出発化合物および中間体において、アミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基のような存在する官能基を、所望により、製造的有機化学において一般的な保護基で保護する。保護されたアミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシル基は、緩和な条件下で、遊離アミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシル基に、分子構造が破壊されることなく、または他の望ましい副反応が起こることなく変換できるものである。
【0077】
保護基を導入する目的は、官能基を、所望の化学変換を行うために使用する条件下で、反応成分との望ましくない反応から保護するためである。特定の反応のための保護基の必要性および選択は、当業者には既知であり、保護すべき官能基の性質(ヒドロキシル基、アミノ基など)、置換基が一部を成す分子の構造および安定性ならびに反応条件に依存する。
【0078】
これらの条件に合う既知の保護基ならびにそれらの挿入および除去は、例えば、McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London, NY (1973);およびGreene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley and Sons, Inc., NY (1999)に記載されている。
【0079】
上記反応は、標準法に従い、希釈剤(好ましくは、試薬に不活性であり、それらの溶媒である)の、触媒、縮合剤または該他の試薬の存在下または非存在下および/または不活性雰囲気下、低温、室温(RT)または高温で、好ましくは使用する溶媒の沸点または沸点付近で、そして大気圧または超大気圧(super-atmospheric pressure)下で行う。好ましい溶媒、触媒および反応条件は、下記の説明的実施例に明示する。
【0080】
本発明は、さらに、任意の段階で得られる中間体生成物を出発物質として使用して任意の段階を行うか、または、出発物質をインサイチュで反応条件下で形成させるか、または、反応要素をそれらの塩または光学的に純粋なアンチポードの形態で使用する、この工程の任意の変法を含む。
【0081】
本発明の化合物および中間体は、また一般的にそれ自体既知の方法に従い、互いに変換できる。
本発明は、また、全ての新規出発物質、中間体およびそれらの製造法に関する。
【0082】
出発物質および方法の選択に依存して、新規化合物は、その可能性のある異性体の一つの形またはそれらの混合物であり得、例えば、実質的に純粋な幾何(cisまたはtrans)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(アンチポード)、ラセミ体またはそれらの混合物であり得る。前記の可能な異性体またはそれらの混合物は、本発明の範囲内である。
【0083】
全ての得られる異性体の混合物を、構成要素の物理化学的差異に基づき、純粋な幾何または光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶により分割できる。
【0084】
最終生成物または中間体の全ての得られるラセミ体を、既知法により、例えば、光学的に活性な酸または塩基と得て、そして光学的に活性な酸性または塩基性化合物を遊離することによる、そのジアステレオマー塩の分離により、光学アンチポードに分割できる。特に、ピペリジニル部分を用いて、本発明の化合物を、例えば、光学的に活性な酸、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O'−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸またはカンファー−10−スルホン酸と形成した塩の分別結晶により、それらの光学アンチポードに分割できる。ラセミ化合物、例えば、式(IV)、(IX)、(XIV)、(XV)および(IC')のものは、アルコールまたはチオール、例えば、式(IV)、(IX)もしくは(XIV)のもの、またはアミン、例えば、式(XV)および(IC')のものと、キラルの、エナンチオマー的に純粋なカルボン酸の縮合による、共有ジアステレオマー誘導体、例えばエステルまたはアミドの形成により分割できる。得られるジアステレオマーエステルまたはアミドを、次いで、結晶化またはクロマトグラフィーにより分割し、加水分解してエナンチオマー的に純粋な式(IV)、(IX)、(XIV)、(XV)および(IC')の化合物を各々得ることができる。ラセミ生成物はまたキラルクロマトグラフィー、例えば、キラル吸着剤を使用した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりまた分割できる。
【0085】
最後に、本発明の化合物は、遊離形、その塩、またはそのプロドラッグ誘導体のいずれかで得られる。
【0086】
塩基性基、特に、ピペリジニル部分を有する本発明の化合物は、酸付加塩、とりわけ薬学的に許容される塩に変換できる。これらは、例えば、無機酸、例えば、鉱酸、例えば、硫酸、リン酸またはハロゲン化水素酸と、または、有機カルボン酸、例えば(C−C)−アルカンカルボン酸(これは、例えば、非置換であるか、またはハロゲンで置換されている)、例えば、酢酸、例えば飽和または不飽和ジカルボン酸、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸またはフマル酸、例えばヒドロキシカルボン酸、例えばグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸、例えばアミノ酸、例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸と、または有機スルホン酸、例えば(C−C)−アルキルスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸;またはアリールスルホン酸(非置換であるか、または置換されている(例えばハロゲンで))と形成される。好ましいのは、塩酸、メタンスルホン酸およびマレイン酸と形成された塩である。
【0087】
酸性基を含む本発明の化合物は、薬学的に許容される塩基と塩に変換できる。このような塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム、リチウムおよびカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩;有機塩基とのアンモニウム塩、例えば、トリメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩およびN−メチル−D−グルカミン塩;アミノ酸、例えばアルギニン、リシンなどとの塩を含む。塩は、慣用法を使用して、有利にはエーテル性またはアルコール性溶媒、例えば低級アルカノールの存在下、形成し得る。後者の溶液から、塩はエーテル、例えば、ジエチルエーテルと沈殿する。得られた塩を、遊離化合物に酸での処理により変換できる。これらまたは他の塩は、得られた化合物の精製にも使用できる。
【0088】
全ての本発明の化合物のプロドラッグ誘導体は、投与後に、親化合物をインビボでいくつかの化学的または生理学的工程を介して放出する該化合物の誘導体であり、例えば、生理学的pHになった、または酵素反応を通ったプロドラッグは、親化合物に変換される。プロドラッグ誘導体の例は、例えば、遊離カルボン酸のエステルならびにチオール、アルコールまたはフェノールのS−アシルおよびO−アシル誘導体(ここで、アシルは本明細書で定義の意味を有する)である。好ましいのは生理学的条件下の加水分解により、親カルボン酸に変換する薬学的に許容されるエステル誘導体、例えば、当分野で慣用的な、低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、低級アルケニルエステル、ベンジルエステル、モノ−またはジ−置換低級アルキルエステル、例えばω−(アミノ、モノ−またはジ−低級アルキルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル)−低級アルキルエステル、α−(低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニルまたはジ−低級アルキルアミノカルボニル)−低級アルキルエステル、例えばピバロイルオキシメチルエステルなどである。
【0089】
遊離化合物、プロドラッグ誘導体および塩の形の化合物の密接な関係の観点から、化合物を本文脈内で言及するときは必ず、該状況下で可能であるかまたは適合である限り、プロドラッグ誘導体および対応する塩も意図する。
【0090】
その塩を含む本化合物はまたそれらの水和物の形で得ることができ、またはそれらの結晶化に使用した溶媒を含む。
【0091】
上記の通り、本発明の化合物はレニン活性の阻害剤であり、故に、高血圧、アテローム性動脈硬化症、不安定冠状動脈症候群、鬱血性心不全、心肥大、心線維症、梗塞後心筋症、不安定冠状動脈症候群、拡張期機能不全、慢性腎臓病、肝線維症、腎症、脈管障害およびニューロパシーのような糖尿病に起因する合併症、冠血管の疾患、血管形成術後再狭窄、上昇した眼内圧、緑内障、異常な血管増殖、高アルドステロン症、認知障害、アルツハイマー、認知症、不安状態および認知の障害の処置に使用できる。
【0092】
本発明は、さらに治療的有効量の本発明の薬理学的活性化合物を単独で、または1個またはそれ以上の薬学的に許容される担体と共に含む、医薬組成物を提供する。
【0093】
本発明の医薬組成物は、レニン活性の阻害のために、ヒトを含む哺乳動物への経腸、例えば経口または経直腸、経皮および非経腸投与に適するものであり、およびレニン活性に関連する状態の処置用である。このような状態は、高血圧、アテローム性動脈硬化症、不安定冠状動脈症候群、鬱血性心不全、心肥大、心線維症、梗塞後心筋症、不安定冠状動脈症候群、拡張期機能不全、慢性腎臓病、肝線維症、腎症、脈管障害およびニューロパシーのような糖尿病に起因する合併症、冠血管の疾患、血管形成術後再狭窄、上昇した眼内圧、緑内障、異常な血管増殖、高アルドステロン症、認知障害、アルツハイマー、認知症、不安状態および認知の障害を含む。
【0094】
故に、薬理学的に活性な本発明の化合物は、その有効量を、経腸または非経腸投与のいずれかに適した賦形剤または担体と共にまたは混合して含む医薬組成物の製造に使用できる。好ましいのは活性成分と下記のものを含む錠剤およびゼラチンカプセルである:
a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;
b)滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤についてまた
c)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;所望により
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または起沸性混合物;および/または
e)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤。
【0095】
注射用組成物は好ましくは水性等張溶液または懸濁液であり、そして坐薬は、遊離には脂肪エマルジョンまたは懸濁液から形成する。
【0096】
該組成物は滅菌してよくおよび/またはアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含んでよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値のある物質を含み得る。該組成物は、慣用の混合、造粒またはコーティング法を各々使用して製造し、そして約0.1−75%、好ましくは約1−50%の活性成分を含む。
【0097】
経皮投与用の適当な製剤は、治療的有効量の本発明の化合物と担体を含む。有利な担体は、宿主の皮膚を通る通過を助けるための吸収可能な薬理学的に許容される溶媒である。特徴的に、経皮デバイスは、裏打ち部材、該化合物を所望により担体と共に含む貯蔵部、該化合物の宿主の皮膚への制御されかつ予定された速度での長期間の送達をするためのバリア、および該デバイスを皮膚に固定するための手段を含む、バンデージの形である。
【0098】
従って、本発明は、レニン活性が介在する状態、好ましくは、高血圧、アテローム性動脈硬化症、不安定冠状動脈症候群、鬱血性心不全、心肥大、心線維症、梗塞後心筋症、不安定冠状動脈症候群、拡張期機能不全、慢性腎臓病、肝線維症、腎症、脈管障害およびニューロパシーのような糖尿病に起因する合併症、冠血管の疾患、血管形成術後再狭窄、上昇した眼内圧、緑内障、異常な血管増殖、高アルドステロン症、認知障害、アルツハイマー、認知症、不安状態および認知の障害の処置のための、上記の通りの医薬組成物を提供する。
【0099】
該医薬組成物は、治療的有効量の上記の本発明の化合物を、単独でまたは、例えば、各々当分野で報告されている通りの有効量の、他の治療剤との、組み合わせで含み得る。Sこのような治療剤は:
a)抗糖尿病剤、例えばインシュリン、インシュリン誘導体および模倣物;インシュリン分泌促進剤、例えばスルホニルウレア、例えば、グリピジド、グリブリドおよびアマリール;インシュリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド、例えばメグリチニド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニド;ペルオキソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)リガンド;タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、例えばPTP−112;GSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤、例えばSB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441およびNN−57−05445;RXRリガンド、例えばGW−0791およびAGN−194204;ナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤、例えばT−1095;グリコーゲンホスホリラーゼA阻害剤、例えばBAY R3401;ビグアナイド、例えばメトホルミン;アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、GLP−1類似体、例えばエキセンジン−4およびGLP−1模倣物;およびDPPIV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤、例えばLAF237;
b)抗高脂血症剤、例えば3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えば、ロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、デルバスタチン、アトロバスタチン、ロスバスタチンおよびリバスタチン;スクアレンシンターゼ阻害剤;FXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド;コレスチラミン;フィブラート;ニコチン酸およびアスピリン;
c)抗肥満剤、例えばオルリスタット;そして
d)抗高血圧剤、例えば、ループ利尿剤、例えばエタクリン酸、フロセミドおよびトルセミド;アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えばベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリル;Na−K−ATPase膜ポンプの阻害剤、例えばジゴキシン;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;ACE/NEP阻害剤、例えばオマパトリラート、サムパトリラートおよびファシドトリル;アンギオテンシンIIアンタゴニスト、例えばカンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン、特にバルサルタン;β−アドレナリン受容体ブロッカー、例えばアセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロール;強心剤、例えばジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノン;カルシウムチャネルブロッカー、例えばアムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミル;アルドステロン受容体アンタゴニスト;およびアルドステロンシンターゼ阻害剤を含む。
【0100】
他の具体的抗糖尿病化合物は、Patel Mona in Expert Opin Investig Drugs, 2003, 12(4), 623-633、図1から7に記載され、引用により本明細書に包含する。本発明の化合物は、他の活性成分と同時に、前にまたは後に、別々に、同じまたは異なる投与経路で、または、同じ医薬製剤で一緒に投与し得る。
【0101】
コード番号、一般名または商品名により同定される治療剤の構造は、標準概論“The Merck Index”の現版からまたはデータベース、例えば、Patents International(例えばIMS World Publications)から取り得る。それらの対応する内容は、引用して本明細書に包含する。
【0102】
従って、本発明は、治療的有効量の本発明の化合物を、好ましくは抗糖尿病剤、抗高脂血症剤、抗肥満剤または抗高血圧剤、最も好ましくは上記の糖尿病剤、抗高血圧剤または抗高脂血症剤から選択される、治療的有効量の他の治療剤と組み合わせて含む、医薬組成物を提供する。
【0103】
本発明は、さらに医薬として使用するための、上記の医薬組成物に関する。
【0104】
本発明は、さらにレニン活性が介在する状態、好ましくは、高血圧、アテローム性動脈硬化症、不安定冠状動脈症候群、鬱血性心不全、心肥大、心線維症、梗塞後心筋症、不安定冠状動脈症候群、拡張期機能不全、慢性腎臓病、肝線維症、腎症、脈管障害およびニューロパシーのような糖尿病に起因する合併症、冠血管の疾患、血管形成術後再狭窄、上昇した眼内圧、緑内障、異常な血管増殖、高アルドステロン症、認知障害、アルツハイマー、認知症、不安状態および認知の障害の処置用医薬の製造のための、上記の医薬組成物または組み合わせの使用に関する。
【0105】
故に、本発明は、医薬として使用するための式(I)の化合物、レニン活性が介在する状態の予防および/または処置用医薬組成物の製造のための式(I)の化合物の使用、および式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、レニン活性が介在する状態に使用するための医薬組成物にも関する。
【0106】
本発明は、さらに治療的有効量の本発明の化合物を投与することを含む、レニン活性が介在する状態の予防および/または処置法を提供する。
【0107】
約50−70kgの哺乳動物用の単位投与量は、約1mgから1000mg、有利には約5−600mgの活性成分を含み得る。活性化合物の治療的有効量は、温血動物(哺乳動物)種、体重、年齢および個々の状態、投与の形態、および関与する化合物に依存する。
【0108】
前記によって、本発明はまた、好ましくは抗糖尿病剤、抗高脂血症剤、抗肥満剤または抗高血圧剤から選択される少なくとも1個の他の治療剤を含む、少なくとも1個の医薬組成物と同時または連続して使用すべき、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、例えば、本明細書で定義のいずれかの方法で使用するための、治療的組み合わせ、例えば、キット、複数パーツのキットも提供する。該キットはその投与のための指示書を含み得る。
【0109】
同様に、本発明は:(i)本発明の医薬組成物;および(ii)抗糖尿病剤、抗高脂血症剤、抗肥満剤、抗高血圧剤、またはその薬学的に許容される塩から選択される化合物を含む医薬組成物を、(i)から(ii)の成分の2個の別々の単位形で含む、複数パーツのキットを提供する。
【0110】
同様に、本発明は、治療的有効量の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および第二医薬物質(該第二医薬物質は、例えば、上記の通り抗糖尿病剤、抗高脂血症剤、抗肥満剤または抗高血圧剤である)の、例えば、同時のまたは連続した共投与を含む、上記の方法を提供する。
【0111】
好ましくは、本発明の化合物は、それを必要とする哺乳動物に投与する。
好ましくは、本発明の化合物は、レニン活性の調節に応答する疾患の処置に使用する。
【0112】
好ましくは、レニン活性と関連する状態は、高血圧、アテローム性動脈硬化症、不安定冠状動脈症候群、鬱血性心不全、心肥大、心線維症、梗塞後心筋症、不安定冠状動脈症候群、拡張期機能不全、慢性腎臓病、肝線維症、腎症、脈管障害およびニューロパシーのような糖尿病に起因する合併症、冠血管の疾患、血管形成術後再狭窄、上昇した眼内圧、緑内障、異常な血管増殖、高アルドステロン症、認知障害、アルツハイマー、認知症、不安状態および認知の障害から選択される。
【0113】
最後に、本発明は、式(I)の化合物を治療的有効量の抗糖尿病剤、抗高脂血症剤、抗肥満剤または抗高血圧剤と組み合わせて投与することを含む、方法または使用を提供する。
【0114】
最終的に、本発明は、本明細書に記載の通りの医薬組成物の形の式(I)の化合物を投与することを含む、方法または使用を提供する。
【0115】
本明細書および特許請求の範囲を通して、使用されている“処置”なる用語は、関連分野の当業者に既知の通りの処置の全ての異なる形または形態を含み、かつ特に、予防的、治癒的、発症および/または進行の遅延的および軽減的処置を含む。
【0116】
上記の特性は、有利には哺乳動物、例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、サルまたは単離臓器、組織およびそれらの調製物を使用した、インビトロおよびインビボ試験で証明できる。該化合物は、インビトロで溶液の形、例えば、好ましくは水性溶液で、およびインビボで経腸的、非経腸的のいずれか、有利には静脈内に、例えば、懸濁液または水性溶液として適用できる。インビトロでの用量は約10−3モルから10−10モル濃度である。インビボの治療的有効量は投与経路に依存して、約0.001から500mg/kg、好ましくは約0.1から100mg/kgであり得る。
【0117】
上記の通り、本発明の化合物は、酵素阻害特性を有する。特に、それらは、天然酵素レニンの作用を阻害する。レニンは腎臓から血液に流れ、そこでその作用はアンギオテンシンを開裂し、デカペプチドアンギオテンシンIを放出して、それが次いで肺、腎臓および他の臓器中で開裂して、オクタペプチドアンギオテンシンIIを形成する。該オクタペプチドは、動脈の血管収縮により直接的に、および、副腎からのナトリウムイオン調整ホルモンアルドステロンの放出により(その上昇がアンギオテンシンIIの作用と関与し得る細胞外液量の増加を伴う)間接的に、両方により血圧を上昇させる。レニンの酵素活性の阻害剤は、アンギオテンシンIの形成の減少に至り、そして最終的にはより少ない量のアンギオテンシンIIが形成される。この活性ペプチドホルモンの減少した量は、レニン阻害剤の血圧低下作用の直接の原因である。
【0118】
レニン阻害剤の作用は、とりわけインビトロ試験の手段により実験的に証明でき、アンギオテンシンIの形成の減少が様々な系で測定される(ヒト血漿、精製ヒトレニンを合成または天然レニン基質と共に)。
【0119】
とりわけ、下記インビトロ試験を使用し得る:
腎臓からのヒトレニン抽出物(0.5mGU[milli-Goldblatt units]/mL)を、1時間、37℃、pH7.2で1M 水性2−N−(トリス−ヒドロキシメチルメチル)アミノ−エタンスルホン酸緩衝液中、23μg/mLの合成レニン基質であるテトラデカペプチドH−Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−ProPhe−His−Leu−Leu−Val−Tyr−Ser−OHと共にインキュベートする。形成されたアンギオテンシンIの量を、ラジオイムノアッセイで測定する。本発明の阻害剤の各々を様々な濃度でインキュベーション混合物に添加する。IC50を、アンギオテンシンIの形成を50%阻害する、個々の阻害剤の濃度として定義する。
【0120】
4nM濃度の組み換えヒトレニン(チャイニーズハムスター卵巣細胞で発現し、標準法を使用して精製)を、様々な濃度の試験化合物と、1時間、RTで0.05M NaCl、0.5mM EDTAおよび0.05%CHAPS含有0.1M Tris−HCl緩衝液、pH7.4中でインキュベートする。合成ペプチド基質Arg−Glu(EDANS)−Ile−His−Pro−Phe−His−Leu−Val−Ile_His_Thr−Lys(DABCYL)−Arg9を、2μMの最終濃度まで添加し、蛍光の上昇を340nmの励起波長および485nmの発光波長で、マイクロプレート蛍光分光計で記録する。IC50値を、試験化合物濃度の関数としてのレニン活性の阻害パーセントから計算する(蛍光共鳴エネルギー移動、FRET、アッセイ)。
【0121】
1nM濃度の組み換えヒトレニン(チャイニーズハムスター卵巣細胞で発現し、標準法を使用して精製)を、様々な濃度の試験化合物と、1.5時間、37℃で0.05M NaCl、0.5mM EDTAおよび0.025%(w/v)CHAPS含有0.1M Tris/HCl、pH7.4中でインキュベートする。合成ペプチド基質Ac−Ile−His−Pro−Phe−His−Leu−Val−Ile−His−Asn−Lys−[DY−505−X5]を、最終濃度5μMまで添加する。該酵素反応を、6μLの1.0%TFAの添加により停止させる。この反応の生成物をHPLCにより分離し、505nM波長での分光測光的測定により定量する。IC50値を、試験化合物濃度の関数としてのレニン活性の阻害パーセントから計算する。
【0122】
3.3nM濃度の組み換えヒトレニン(チャイニーズハムスター卵巣細胞で発現し、標準法を使用して精製)、125I−NVP−AJI891−NX−1(0.27μCi/mL)およびストレプトアビジン−SPA(0.67mg/mL)ビーズを、様々な濃度の試験化合物と2.0時間、RTで、0.5M NaClおよび0.5%(w/v)Brij35含有0.1M Tris/HCl、pH7.4中でインキュベートする。インキュベーション時間の最後に、プレートを遠心し(55g、60秒)、Wallac MicroBetaリーダーで計数する。IC50値を、試験化合物濃度の関数としての、レニンに結合している放射性リガンドの置換パーセントとして計算する。
【0123】
塩が不足した動物において、レニン阻害剤は血圧をもたらす。ヒトレニンは、他の動物種のレニンと異なる。ヒトレニンの阻害剤の試験のために、ヒトレニンと霊長類レニンが酵素活性領域において実質的に相同であるため、霊長類、例えば、マーモセット(Callithrix jacchus)を使用し得る。とりわけ、下記インビボ試験を使用し得る:
【0124】
試験化合物を、意識があり、自由に動け、それらの通常のケージ中にいる体重約350gの両方の性別の正常血圧マーモセットで試験する。血圧および心拍数を、下行大動脈のカテーテルを介して測定し、放射計で記録する。レニンの内因性放出を、1週間の減塩餌とフロセミド(5−(アミノスルホニル)−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸)(5mg/kg)の1回の筋肉内注射の組み合わせにより刺激する。フロセミド注射16時間後、試験化合物を、大腿動脈に注入カニューレを介して直接、または、懸濁液または溶液の形で、食道チューブを介して胃に直接投与し、血圧および心拍数に対する作用を評価する。記載のインビボ試験において、本発明の化合物は、約0.003から約1mg/kg i.v.の用量および約0.3から約100mg/kg p.o.の用量で血圧低下作用を有する。
【0125】
あるいは、レニン阻害剤を、意識があり、自由に動け、それらの通常のケージ中にいる、体重250から500g雄の正常血圧マーモセットで試験する。血圧および心拍数を、下行大動脈のカテーテルを介して測定し、放射計で記録する。心電図を、第II誘導にトランスミッターの電極を置いて得る。レニンの内因性放出を、フロセミド(5−(アミノスルホニル)−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸)(10mg/kg)の化合物投与43時間および19時間前の2回の筋肉内注射により刺激する。試験化合物、大腿動脈に注入カニューレを介して直接、または、懸濁液または溶液の形で、食道チューブを介して胃に直接投与し、血圧、心拍数およびECGに対するそれらの作用を評価する。記載のインビボ試験で、本発明の化合物は、約0.003から約0.3mg/kg i.v.の用量および約0.31から約30mg/kg p.o.の用量で血圧低下作用を有する。
【0126】
本発明の化合物はまた眼内圧を制御、とりわけ低下させる特性を有する。
本発明の式(I)の医薬活性成分投与後の眼内圧の低下の程度を、例えば、動物、例えばウサギまたはサルで測定できる。本発明を説明するが、いかなる方法でも限定しない、2個の典型的実験法を下記に示す。
【0127】
局所投与した組成物の眼内圧低下活性を測定するための“Fauve de Bourgogne”タイプのウサギでのインビボ試験を、例えば、下記の通り設計できる:眼内圧(IOP)を、圧平眼圧計を使用して、実験前および実験後の一定間隔の両方で測定する。局所麻酔投与後、適当に製剤した試験化合物を、厳密に定義された濃度(例えば0.000001−5重量%)で局所的に当該動物の片眼に投与する。他方の眼を、例えば、生理食塩水で処置する。このようにして得た測定値を統計学的評価する。
【0128】
局所投与した組成物の眼内圧低下活性を測定するためのカニクイザルの種類のサルでのインビボ試験を、例えば、下記の通り行うことができる:適当に製剤された試験化合物を、厳密に定義された濃度(例えば0.000001−5重量%)で、各サルの片眼に投与する。サルの他方の眼を、相応じて、例えば生理食塩水で処置する。試験開始前に、動物を、例えば、ケタミンの筋肉注射で麻酔する。一定時間間隔で、眼内圧(IOP)を測定する。該試験は、“good laboratory practice”(GLP)の規則に従い実施および評価する。
【0129】
本発明の説明として、実施例1の化合物は、FRETアッセイにおいて、約70nMのIC50値でレニン活性を阻害することが証明される。
【0130】
下記実施例は本発明の説明を意図し、それに限定されるものと解釈してはならない。他に記載がない限り、全ての蒸発は減圧下、好ましくは約10から100mmHg(=20−133mbar)で行う。最終生成物、中間体および出発物質の構造式は、標準分析法、例えば、微量分析、融点(m.p.)および分光特性、例えば、MS、LC/MS、IR、NMRにより確認する。一般に、使用する略語は当分野で慣用のものである。
【0131】
実施例1
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド
【化12】

A. 4−ビフェニル−3−イル−3,6,ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
撹拌している4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.98g、12mmol)、3−ビフェニルボロン酸(2.77g、14mmol)、LiCl(1.53g、36mmol)、ジメトキシエタン(35mL)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0.81g、0.7mmol)およびNaCO(2M溶液、14mL、28mmol)の混合物を、アルゴン下14時間加熱還流する。混合物をRTに冷却し、ジメトキシエタンを真空で除去し、残渣を数mLの濃NHOHを含む水性2N NaCO溶液で希釈する。水性層を3回CHClで抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空で蒸発させる。暗色残渣のフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル)により、4−ビフェニル−3−イル−3,6,ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを無色油状物として得る:MS(トリフルオロ酢酸での処理後)236.3[M+H−C];R 0.40(ヘキサン/酢酸エチル8:2)。
【0132】
B. (3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
標題A化合物、4−ビフェニル−3−イル−3,6,ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(2.57g、7.66mmol)および6mLの乾燥THFを、アルゴン下、5℃で1M ボラン−テトラヒドロフラン錯体溶液(11mL、11mmol)に15分以内に滴下する。反応混合物を10分、5℃でおよび1時間、RTで撹拌する。NaBO(3.38g、22mmol)を、次いで、数回に分けて添加し、続いてHO(10mL)を添加する。2時間、RT後、反応混合物を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空で蒸発させる。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル)により、(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを白色無定形固体として得る:MS(トリフルオロ酢酸での処理後)254.3[M+H−C];R 0.10(ヘキサン/酢酸エチル8:2)。
【0133】
C. (3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
標題B化合物、(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(318mg、0.9mmol)および水素化ナトリウム(鉱油中60%分散、72mg、1.8mmol)の8mLの乾燥DMA中の懸濁液を10分、50℃で振盪する。RTに冷却後、2−(ブロモメチル)ナフタレン(298mg、1.35mmol)を添加し、混合物を16時間、50℃で振盪する。HO添加後、水性層を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空で蒸発させる。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル)により、(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを黄色がかった粘性油状物として得る:MS(LC/MS)494.2[M+H];R 0.30(ヘキサン/酢酸エチル8:2)。
【0134】
D. (3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド
標題C化合物、(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(54mg、0.11mmol)およびHCl(2−プロパノール中5M、1mL、5mmol)の混合物を数時間、RTで撹拌する(出発物質が完全に消費されるまで)。反応混合物を真空で蒸発させて、(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライドをわずかにベージュ色の泡状物として得る:MS(LC/MS)394.1[M+H];R 0.23(DCM/MeOH 9:1)。
【0135】
実施例2
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(ビフェニル−4−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド
【化13】

標題化合物を、実施例1の記載に準じて製造する:MS 420.6[M+H];保持時間2.77分(HPLC、Nucleosil C18;30→100%CHCNのHO溶液、3分以内)。
【0136】
実施例3
(3R,4R)−3−ベンジルオキシ−4−ビフェニル−3−イル−ピペリジンヒドロクロライド
【化14】

標題化合物を、実施例1の記載に準じて製造する:MS(LC/MS)344.2[M+H];R 0.20(DCM/MeOH 9:1)。
【0137】
実施例4
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(4−ブロモ−ベンジルオキシ)−ピペリジンヒドロクロライド
【化15】

標題化合物を、実施例1の記載に準じて製造する:MS(LC/MS)422.1/424.1[M+H];R 0.22(DCM/MeOH 9:1)。
【0138】
実施例5
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジルオキシ)−ピペリジンヒドロクロライド
【化16】

標題化合物を、実施例1の記載に準じて製造する:MS(LC/MS)428.2[M+H];R 0.19(DCM/MeOH 9:1)。
【0139】
実施例6
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−ピペリジンヒドロクロライド
【化17】

標題化合物を、実施例1の記載に準じて製造する:MS(LC/MS)436.2[M+H];R 0.26(DCM/MeOH 9:1)。
【0140】
実施例7
(3R,4R)−4−ジベンゾフラン−4−イル−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド
【化18】

(3R,4R)−4−ジベンゾフラン−4−イル−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(実施例1の記載に準じて製造;191mg、0.38mmol)およびHCl(2−プロパノール中5M、2mL、10mmol)の混合物を1時間、RTで撹拌する。溶媒を真空で除去し、残渣を分取HPLC(CHCN/HO)で精製する。飽和水性NaHCO溶液を合わせた純粋フラクションに添加し、CHCNを真空で蒸発させ、残った水性層をDCMで2回抽出する。合わせた有機相を乾燥させ(NaSO)、蒸発させる。得られるガム状物をHCl(1,4−ジオキサン中4M、1mL)で処理し、30分、RTで撹拌する。溶媒の真空での蒸発により(3R,4R)−4−ジベンゾフラン−4−イル−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライドを白色固体として得る:MS 408.6[M+H];R 0.20(DCM/MeOH 9:1)。
【0141】
実施例8
(3R,4R)−3−(ビフェニル−4−イルメトキシ)−4−ジベンゾフラン−4−イル−ピペリジンヒドロクロライド
【化19】

(3R,4R)−3−(ビフェニル−4−イルメトキシ)−4−ジベンゾフラン−4−イル−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(実施例1の記載に準じて製造;218mg、0.41mmol)およびHCl(2−プロパノール中5M、2mL、10mmol)の混合物を1時間、RTで撹拌する。溶媒を真空で除去し、残渣を熱MeOHで処理し、懸濁液を濾過する。フィルターケーキをMeOHおよびエーテルで洗浄し、60℃で真空で乾燥させて、(3R,4R)−3−(ビフェニル−4−イルメトキシ)−4−ジベンゾフラン−4−イル−ピペリジンヒドロクロライドを得る:MS 434.6[M+H];R 0.23(DCM/MeOH 9:1)。
【0142】
実施例9
(3R,4R)−3−ベンジルオキシ−4−ジベンゾフラン−4−イル−ピペリジンヒドロクロライド
【化20】

標題化合物を、実施例8の記載に準じて製造する:MS 358.4[M+H];R 0.19(DCM/MeOH 9:1)。
【0143】
実施例10
(3R,4R)−4−ジベンゾフラン−4−イル−3−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−ピペリジンヒドロクロライド
【化21】

標題化合物を、実施例8の記載に準じて製造する:MS 450.7[M+H];R 0.23(DCM/MeOH 9:1)。
【0144】
実施例11
[3−((3R,4R)−4−ジベンゾフラン−4−イル−ピペリジン−3−イルオキシメチル)−フェニル]−フェニル−メタノンヒドロクロライド
【化22】

標題化合物を、実施例8の記載に準じて製造する:MS 462.6[M+H];R 0.21(DCM/MeOH 9:1)。
【0145】
実施例12
(3R,4R)−4−(4'−メトキシ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド
【化23】

A. (3−ヒドロキシ−フェニル)−3,6,ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
標題化合物を、実施例1の標題A化合物についての記載に準じて、3−ヒドロキシフェニルボロン酸を使用して製造する:MS 274.3[M−H];保持時間6.23分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内)。
【0146】
B. (3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−(4'−メトキシ−ビフェニル−3−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
(3−ヒドロキシ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(1.0g、3.63mmol)およびトリエチルアミン(1.02mL、7.26mmol)の混合物の100mL CHCl溶液を、10分、RTで撹拌する。N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(1.56g、4.36mmol)およびKCOの添加後、反応混合物を還流温度で5時間撹拌する。混合物をRTに冷却し、濾過し、溶媒を真空で除去する。残渣の濾過(SiO、ヘキサン/酢酸エチル)により、粗4−(3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを無色油状物として得る。粗生成物を12mL ジメトキシエタンに溶解する。4−メトキシフェニルボロン酸(669mg、4.4mmol)、LiCl(466mg、11mmol)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0.25g、0.22mmol)およびNaCO(2M溶液、4.4mL、8.8mmol)の添加後、混合物をアルゴン下、12時間加熱還流する。混合物をRTに冷却し、ジメトキシエタンを真空で除去し、残渣を酢酸エチルで希釈する。有機層を水性2M NaCO溶液で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空で蒸発させる。褐色残渣のフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル)により、4−(4'−メトキシ−ビフェニル−3−イル)−3,6,ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを黄色油状物として得る。
【0147】
撹拌しているこの化合物(858mg、2.35mmol)の6mLの乾燥THF溶液に、アルゴン下、5℃で1M ボラン−テトラヒドロフラン錯体溶液(3.84mL、3.84mmol)を10分以内に滴下する。反応混合物を10分、5℃および1時間、RTで撹拌する。NaBO(1.18g、7.68mmol)を次いで数回に分け添加し、その後HO(2.25mL)を添加する。4時間、RT後、反応混合物を塩水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空で蒸発させる。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル)により、(3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−(4'−メトキシ−ビフェニル−3−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを白色無定形固体として得る:MS 384.4[M+H];保持時間7.01分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内)。
【0148】
C. (3R,4R)−4−(4'−メトキシ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
標題化合物を、実施例1の標題C化合物についての記載に準じて、標題B化合物(3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−(4'−メトキシ−ビフェニル−3−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルから製造する:MS 524.5[M+H];保持時間8.83分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内、次いで100%CHCN、2分)。
【0149】
D. (3R,4R)−4−(4'−メトキシ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド
標題化合物を、実施例1の標題D化合物についての記載に準じて、(3R,4R)−4−(4'−メトキシ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルから製造する:MS 424.5[M+H];R 0.24(DCM/MeOH 9:1)。
【0150】
実施例13
3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−3−オールヒドロクロライド
【化24】

A. 4−(3−ブロモ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
撹拌している4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(Tetrahedron Letters 2000, 3705-3708に記載の通り製造;6.52g、21.1mmol)、1−ブロモ−3−ヨードベンゼン(4.05mL、31.8mmol)、ビス−(トリフェニル−ホスフィン)−パラジウム(II)クロライド(892mg、1.27mmol)、KCO(8.7g、63mmol)および1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(704mg、1.27mmol)の混合物の120mL ジメチルホルムアミドを、アルゴン下14時間80℃で加熱する。混合物をRTに冷却し、ジメチルホルムアミドを真空で除去する。塩水の添加後、水性層をCHClで3回抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空で蒸発させる。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル)により、4−(3−ブロモ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを、無色粘性樹脂として得る:MS 338.2/340.2[M+H];保持時間8.01分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内、次いで100%CHCN、2分)。
【0151】
B. (3R,4R)−4−(3−ブロモ−フェニル)−3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
標題化合物を、実施例1の標題B化合物についての記載に準じて、標題A化合物、4−(3−ブロモ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルから製造する:MS 356.2/358.1[M+H];保持時間6.59分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内)。
【0152】
C. (3R,4R)−4−(3−ブロモ−フェニル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
標題化合物を、実施例1の標題C化合物についての記載に準じて、標題B化合物(3R,4R)−4−(3−ブロモ−フェニル)−3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルから製造する:MS 496.3/498.2[M+H];保持時間8.87分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内、次いで100%CHCN、2分)。
【0153】
D. (3R,4R)−4−(3'−ヒドロキシ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
撹拌している(3R,4R)−4−(3−ブロモ−フェニル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(150mg、0.3mmol)、3−ヒドロキシフェニルボロン酸(48mg、0.35mmol)、ジメトキシエタン(3mL)、HO(1mL)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(21mg、0.02mmol)およびNaCO(47mg、0.45mmol)の混合物を、アルゴン下、16時間加熱還流する。混合物をRTに冷却し、ジメトキシエタンを真空で除去し、残渣を数mLの濃NHOHを含む水性2N NaCO溶液で希釈する。水性層を3回CHClで抽出する。水性層をCHClで3回抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空で蒸発させる。暗色残渣のフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル)により、(3R,4R)−4−(3'−ヒドロキシ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを、黄色がかった樹脂として得る:MS 508.4[M−H];保持時間8.01分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内、次いで100%CHCN、2分)。
【0154】
E. 3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−3−オールヒドロクロライド
(3R,4R)−4−(3'−ヒドロキシ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(96.5mg、0.19mmol)およびHCl(2−プロパノール中5M、2mL、10mmol)の混合物を1時間、RTで撹拌する。反応混合物を真空で蒸発させ、残渣を分取HPLC(HO/CHCN)を使用して精製する。合わせた純粋フラクションを固体KCOで処理し、CHCNを真空で除去する。水性層をCHClで2回抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空で蒸発させる。残渣をHCl(ジオキサン中4M、1mL、8mmol)と30分、RTで撹拌する。溶媒の蒸発により、3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−3−オールヒドロクロライドを無着色白色固体として得る:MS 410.5[M+H];R 0.11(DCM/MeOH 9:1)。
【0155】
実施例14
(3R,4R)−4−[3'−(2−メトキシ−エトキシ)−ビフェニル−3−イル]−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド
【化25】

実施例13の標題D化合物、(3R,4R)−4−(3'−ヒドロキシ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(80mg、0.16mmol)、2−クロロエチルメチルエーテル(57μL、0.62mmol)、KCO(29mg、0.21mmol)、KI(16.6mg、0.1mmol)およびジメチルアセトアミド(1.5mL)の混合物を、アルゴン下、16時間、75℃で撹拌する。2回目の2−クロロエチルメチルエーテル(35μL、0.38mmol)およびKCO(44mg、0.32mmol)の添加後、撹拌を18時間、75℃で続ける。混合物を濾過し、濾液を真空で蒸発させる。HCl(2−プロパノール中5M、1mL、5mmol)を粗残渣に添加し、混合物を45分、RTで撹拌する。反応混合物を真空で蒸発させ、残渣を分取HPLC(HO/CHCN)を使用して精製する。合わせた純粋フラクションを固体KCOで処理し、CHCNを真空で除去する。水性層をCHClで2回抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空で蒸発させる。残渣をHCl(2−プロパノール中5M、1mL、5mmol)と30分、RTで撹拌する。溶媒の蒸発により、(3R,4R)−4−[3'−(2−メトキシ−エトキシ)−ビフェニル−3−イル]−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライドを、褐色がかった無定形固体として得る:MS(LC/MS)468.4[M+H];保持時間5.85分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内)。
【0156】
実施例15
N−{3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−3−イル}−アセトアミドヒドロクロライド
【化26】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、3−アセタミドベンゼンボロン酸を使用して製造する:MS 451.5[M+H];R 0.11(DCM/MeOH 9:1)。
【0157】
実施例16
1−{3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−4−イル}−エタノンヒドロクロライド
【化27】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、4−アセチルフェニルボロン酸を使用して製造する:MS 436.6[M+H];R 0.24(DCM/MeOH 9:1)。
【0158】
実施例17
1−{3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−3−イル}−エタノンヒドロクロライド
【化28】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、3−アセチルフェニルボロン酸を使用して製造する:MS 436.6[M+H];R 0.24(DCM/MeOH 9:1)。
【0159】
実施例18
3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−3−カルボン酸エチルエステルヒドロクロライド
【化29】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、3−エトキシカルボニルフェニルボロン酸を使用して製造する:MS 466.5[M+H];R 0.28(DCM/MeOH 9:1)。
【0160】
実施例19
(3R,4R)−4−(3'−クロロ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド
【化30】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、3−クロロフェニルボロン酸を使用して製造する:MS 428.4[M+H];R 0.27(DCM/MeOH 9:1)。
【0161】
実施例20
(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−4−(3'−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−イル)−ピペリジンヒドロクロライド
【化31】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、3−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸を使用して製造する:MS 462.5[M+H];R 0.25(DCM/MeOH 9:1)。
【0162】
実施例21
(3R,4R)−4−(4'−クロロ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジンヒドロクロライド
【化32】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、4−クロロフェニルボロン酸を使用して製造する:MS 428.4[M+H];R 0.25(DCM/MeOH 9:1)。
【0163】
実施例22
3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−4−オールヒドロクロライド
【化33】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニルボロン酸を使用して製造する:MS 410.6[M+H];R 0.12(DCM/MeOH 9:1)。
【0164】
実施例23
ジメチル−{3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]ビフェニル−4−イル}−アミンヒドロクロライド
【化34】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルボロン酸を使用して製造する:MS 437.7[M+H];R 0.25(DCM/MeOH 9:1)。
【0165】
実施例24
3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−3−カルボン酸ヒドロクロライド
【化35】

撹拌している(3R,4R)−4−(3−ブロモ−フェニル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(300mg、0.6mmol)、3−エトキシカルボニルフェニルボロン酸(136.8mg、0.71mmol)、ジメトキシエタン(3mL)、HO(1mL)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(46.5mg、0.04mmol)およびNaCO(96mg、0.91mmol)の混合物を、アルゴン下、16時間還流温度で加熱する。混合物をRTに冷却し、ジメトキシエタンを真空で除去し、残渣を数mLの濃NHOHを含む水性2N NaCO溶液で希釈する。水性層を3回CHClで抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空で蒸発させる。暗色残渣のフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル)により、(3R,4R)−4−(3'−エトキシカルボニル−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを、黄色がかった樹脂として得る。エステル(138.7mg、0.245mmol)をMeOH(1mL)およびTHF(1mL)に溶解し、水性NaOH(2M、0.5mL、1mmol)で処理し、混合物を14時間、RTで撹拌する。溶媒を真空で除去し、残渣をHOで希釈し、pHを5に1N HClの添加により調整する。水性相を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空で蒸発させて、(3R,4R)−4−(3'−カルボキシ−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを白色無定形固体として得る。この酸(110.1mg、0.20mmol)およびHCl(2−プロパノール中5M、2mL、10mmol)の混合物を1時間、RTで撹拌する。反応混合物を真空で蒸発させ、残渣を分取HPLC(HO/CHCN)を使用して精製する。合わせた純粋フラクションを固体KCOで処理し、CHCNを真空で除去する。水性層をCHClで2回抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空で蒸発させる。残渣をHCl(2−プロパノール中5M、1mL、5mmol)と2時間、RTで撹拌する。溶媒の蒸発により、3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−3−カルボン酸ヒドロクロライドを白色固体として得る:MS 438.6[M+H];保持時間5.23分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内)。
【0166】
実施例25
3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−4−カルボン酸メチルアミドヒドロクロライド
【化36】

撹拌している(3R,4R)−4−(3−ブロモ−フェニル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(173.8mg、0.35mmol)、4−エトキシカルボニルフェニルボロン酸(135.8mg、0.70mmol)、ジメトキシエタン(4.5mL)、HO(1.5mL)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(46.2mg、0.04mmol)およびNaCO(111.3mg、1.05mmol)の混合物を、アルゴン下、14時間加熱還流する。混合物をRTに冷却し、ジメトキシエタンを真空で除去し、残渣を数mLの濃NHOHを含む水性2N NaCO溶液で希釈する。水性層をCHClで3回抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空で蒸発させる。暗色残渣のフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル)により、(3R,4R)−4−(4'−エトキシカルボニル−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを、黄色がかった樹脂として得る。このエステルおよびCHNH(EtOH中8M、5mL、40mmol)の撹拌している混合物を80℃で24時間、加圧ビン中加熱する。反応混合物を真空で蒸発させて、(3R,4R)−4−(4'−メチルカルバモイル−ビフェニル−3−イル)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルを、粘性の黄色がかった油状物として得る。この化合物(62.4mg、0.11mmol)およびHCl(2−プロパノール中5M、3mL、15mmol)の混合物を1時間、RTで撹拌する。反応混合物を真空で蒸発させて、3'−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−ビフェニル−4−カルボン酸メチルアミドヒドロクロライドを白色固体として得る。MS 451.7[M+H];R 0.13(DCM/MeOH 9:1)。
【0167】
実施例26
4−{3−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−ピリジンヒドロクロライド
【化37】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、ピリジン−4−ボロン酸を使用して製造する:MS 395.6[M+H];保持時間3.76分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内)。
【0168】
実施例27
(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−4−(3−チオフェン−3−イル−フェニル)−ピペリジンヒドロクロライド
【化38】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、チオフェン−3−ボロン酸を使用して製造する:MS 400.6[M+H];保持時間5.88分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内)。
【0169】
実施例28
3−{3−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−ピリジンヒドロクロライド
【化39】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、ピリジン−3−ボロン酸を使用して製造する:MS 395.5[M+H];保持時間3.87分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内)。
【0170】
実施例29
2−{3−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−1H−インドールヒドロクロライド
【化40】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、1−(t−ブトキシカルボニル)インドール−2−ボロン酸を使用して製造する:MS 433.6[M+H];保持時間6.09分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内)。
【0171】
実施例30
5−{3−[(3R,4R)−3−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−ピリミジンヒドロクロライド
【化41】

標題化合物を、実施例13の記載に準じて、ピリミジン−5−ボロン酸を使用して製造する:MS 396.6[M+H];保持時間4.47分(HPLC、Nucleosil C18;5→100%CHCNのHO溶液、8分以内)。
【0172】
実施例31
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[2−(3−メトキシ−プロポキシ)−4−メチル−ベンジルオキシ]−ピペリジン
【化42】

A. 4−ビフェニル−3−イル−3,6,ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸エチルエステル
標題化合物を、実施例1の標題A化合物についての記載に準じて製造する。
【0173】
B. (3S,4S)−4−ビフェニル−3−イル−3,4−ジヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル
AD−mix−α(20.13g、18.3mmol)のtBuOH(120mL)およびHO(120mL)中の撹拌している溶液に、メタンスルホンアミド(1.92g、19.6mmol)を添加する。反応混合物を0℃に冷却し、続いて標題A化合物、4−ビフェニル−3−イル−3,6,ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸エチルエステル(4.1g、13.07mmol)のtBuOH(10mL)およびHO(10mL)溶液を添加する。反応物を0℃で30分撹拌し、室温で週末の間撹拌する。反応混合物に、18gのNaSOを添加し、続いて1時間撹拌し、その後塩化メチレンを添加する。層を分離し、水性のものを3回塩化メチレンで抽出する。合わせた有機抽出物を2N 水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH:95/5)での精製により、(3S,4S)−4−ビフェニル−3−イル−3,4−ジヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステルの所望の生成物を得る。TLC、Rf(CHCl/MeOH:95/5)=0.69。MS 339.9[M−H]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.26分。
【0174】
C. (3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル
激しく撹拌している標題B化合物、(3S,4S)−4−ビフェニル−3−イル−3,4−ジヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル(4.2g、12.05mmol)のEtOH(250mL)溶液に、6.5g ラネイニッケルを添加する。撹拌している懸濁液を、還流温度で4時間加熱し、次いで室温に冷却し、セライトパッドを通して濾過し、EtOHで濯ぐ。溶媒を減圧下除去し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 4/1から1/2)での精製により、所望の生成物:(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステルを得る。TLC、Rf(ヘキサン/EtOAc 2/1)=0.65。MS 326.1[M+H]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.62分。
【0175】
D. (3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[2−(3−メトキシ−プロポキシ)−4−メチル−ベンジルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル
標題C化合物、(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル(150mg、0.45mmol)および水素化ナトリウム(鉱油中60%分散、30mg、0.68mmol)の10mLの乾燥DMF中の懸濁液を、10分、60℃でアルゴン下撹拌する。室温に冷却後、1−ブロモメチル−2−(3−メトキシ−プロポキシ)−4−メチル−ベンゼン(252mg、0.9mmol)を添加し、混合物をさらに3時間、60℃で撹拌する。HO添加後、水性層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣を分取HPLC(Macherey-Nagel 250/4 nucleosil 100-10 C18カラム、20:80 CHCN+0.1%TFA、11分間、次いで100%CHCN+0.1%TFAで5.5分、40mL/分)で精製する。所望の生成物を含む合わせたフラクションに1M 水性炭ナトリウム溶液を添加し、アセトニトリルを減圧下除去する。得られる水性懸濁液を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮して、標題化合物を得る。MS 535.2[M+18];Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):7.29分。
【0176】
E. (3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[2−(3−メトキシ−プロポキシ)−4−メチル−ベンジルオキシ]−ピペリジン
標題D化合物、(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[2−(3−メトキシ−プロポキシ)−4−メチル−ベンジルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル(50mg、0.95mmol)の2mLの無水エタノール溶液に、水酸化ナトリウムの2mLの10%水性溶液を添加する。得られる混合物を170℃で45分、マイクロ波中で加熱する。溶媒を減圧下除去し、得られる水性懸濁液を塩化メチレンで2回抽出する。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮する。残渣を分取HPLC(Macherey-Nagel 250/4 nucleosil 100-10 C18カラム、20:80 CHCN+0.1%TFA、11分間、次いで100%CHCN+0.1%TFAで5.5分、40mL/分)で精製する。所望の生成物を含む合わせたフラクションに1M 水性炭ナトリウム溶液を添加し、アセトニトリルを減圧下除去する。得られる水性懸濁液を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮して、標題化合物を無色油状物として得る。該化合物のアセトニトリル溶液を凍結乾燥する。MS 446.1[M+H]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.48分。
【0177】
実施例32
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[2−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンジルオキシ]−ピペリジントリフルオロ酢酸
【化43】

標題化合物を、生成物をHPLCで精製する以外、実施例31の記載に準じて製造し、所望の生成物を含む合わせたフラクションを減圧下濃縮し、該化合物のアセトニトリル溶液を凍結乾燥して(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[2−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンジルオキシ]−ピペリジントリフルオロ酢酸を得る:MS 432.2[M+H];Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.53分。
【0178】
実施例33
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[4−メトキシ−3−(−3−メトキシ−プロポキシ)−ベンジルオキシ]−ピペリジン
【化44】

標題化合物を、実施例31の記載に準じて製造する。MS 462.0[M+H]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.13分。
【0179】
実施例34
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[3−(4−メトキシ−ブチル)−ベンジルオキシ]−ピペリジン
【化45】

標題化合物を、実施例31の記載に準じて製造する。MS 429.9[M+H]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.64分。
【0180】
実施例35
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[3−(3−メトキシ−プロピル)−ベンジルオキシ]−ピペリジン
【化46】

標題化合物を、実施例31の記載に準じて製造する。MS 416.1[M+H]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.44分。
【0181】
実施例36
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[3−(2−メトキシ−エチル)−ベンジルオキシ]−ピペリジン
【化47】

標題化合物を、実施例31の記載に準じて製造する。MS 402.0[M+H]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.24分。
【0182】
実施例37
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[3−(3−メトキシ−プロピル)−4−メチル−ベンジルオキシ]−ピペリジン
【化48】

標題化合物を、実施例31の記載に準じて製造する。MS 429.9[M+H]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA)5.56分。
【0183】
実施例38
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[3−(4−メトキシ−ブチル)−4−メチル−ベンジルオキシ]−ピペリジン
【化49】

標題化合物を、実施例31の記載に準じて製造する。MS 444.0[M+H]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.65分。
【0184】
実施例39
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[2−(3−メトキシ−プロピル)−ベンジルオキシ]−ピペリジントリフルオロ酢酸
【化50】

標題化合物を、生成物をHPLCで精製する以外実施例31の記載に準じて製造し、所望の生成物を含む合わせたフラクションを減圧下濃縮し、該化合物のアセトニトリル溶液を凍結乾燥して(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−[2−(3−メトキシ−プロピル)−ベンジルオキシ]−ピペリジントリフルオロ酢酸を得る:MS 416.2[M+H];Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.56分。
【0185】
実施例40
(3R,4R)−3−(1−ベンジル−シクロプロピルメチルオキシ)−4−ビフェニル−3−イル−ピペリジントリフルオロ酢酸
【化51】

標題化合物を、生成物をHPLCで精製する以外実施例31の記載に準じて製造し、所望の生成物を含む合わせたフラクションを減圧下濃縮し、該化合物のアセトニトリル溶液を凍結乾燥して:(3R,4R)−3−(1−ベンジル−シクロプロピルメチルオキシ)−4−ビフェニル−3−イル−ピペリジントリフルオロ酢酸を得る:MS 397.8[M+H];Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.67分。
【0186】
実施例41
(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−{1−[2−(3−メトキシ−プロピル)−ベンジル]−シクロプロピルメトキシ}−ピペリジンヒドロクロライド
【化52】

標題化合物の遊離塩基を、実施例31の記載に準じて製造する。化合物をHCl(1,4−ジオキサン中4M、2当量)で処理し、30分、RTで撹拌する。真空での溶媒の蒸発により、(3R,4R)−4−ビフェニル−3−イル−3−{1−[2−(3−メトキシ−プロピル)−ベンジル]−シクロプロピルメトキシ}−ピペリジンヒドロクロライドを得る:MS 470.1[M+H];Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.88分。
【0187】
実施例42
1−ブロモメチル−2−(3−メトキシ−プロポキシ)−4−メチル−ベンゼン:
A. トルエン−4−スルホン酸3−メトキシ−プロピルエステル
【化53】

3−メトキシ−1−プロパノール(6g、65.24mmol)、トリエチルアミン(27.5mL、195.7mmol)およびトシルクロライド(18.85g、97.9mmol)の塩化メチレン(50mL)溶液を、3時間、室温で窒素下撹拌する。混合物をHOに注ぎ、水性層を塩化メチレンで2回抽出する。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 4/1)で精製して、標題化合物をオレンジ色油状物として得る:MS 261.9[M+18];Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.21分。
【0188】
B. 2−(3−メトキシ−プロポキシ)−4−メチル−ベンズアルデヒド
2−ヒドロキシ−4−メチルベンズアルデヒド(3g、21.6mmol)、炭カリウム(14.9g、107.8mmol)および標題A化合物、トルエン−4−スルホン酸3−メトキシ−プロピルエステル(8.07g、32.4mmol)のDMF(50mL)溶液を、50℃で3時間撹拌する。溶媒を減圧下濃縮し、HOを添加し、水性層を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮して、標題化合物を30%の残存トシレートと共に得る:Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.25、5.39分。混合物をさらにそのまま次工程に使用する。
【0189】
C. [2−(3−メトキシ−プロポキシ)−4−メチル−フェニル]−メタノール
標題B化合物、2−(3−メトキシ−プロポキシ)−4−メチル−ベンズアルデヒド(3.7g、17.41mmol)の30mLのメタノール溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(1.03g、26.12mmol)を少しずつ添加する。反応混合物を30分、室温で撹拌する。水素化ホウ素ナトリウム(1.03g、26.12mmol)を添加し、混合物をさらに一晩撹拌して、反応を終了させる。HO添加後、水性層を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 4/1から1/2)で精製して、標題化合物を無色油状物として得る:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 2/1)=0.2。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):4.88分。
【0190】
D. 1−ブロモメチル−2−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンゼン
標題C化合物、[2−(3−メトキシ−プロポキシ)−4−メチル−フェニル]−メタノール(300mg、1.4mmol)の5mLのクロロホルム溶液に、トリメチルブロモシラン(0.28mL、2.1mmol)を、室温で撹拌しながら添加する。2時間後、溶媒を留去し、粗残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 1/1)で精製して、標題化合物を無色油状物として得る(0.4g)。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):4.70分。
【0191】
実施例43
1−ブロモメチル−2−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンゼン
【化54】

A. 2−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンズアルデヒド
2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(1.5g、12.16mmol)、炭カリウム(8.4g、60.8mmol)およびトルエン−4−スルホン酸3−メトキシ−プロピルエステル(14.85g、60.8mmol)のDMF(30mL)溶液を、50℃で3時間撹拌する。溶媒を減圧下濃縮し、HOを添加し、水性層を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣のシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 4/1から1/2)での精製により、標題化合物を50%の残存トシレートと共に得る:MS 195.0[M+H]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.08分。混合物をさらにそのまま次工程に使用する。
【0192】
B. [2−(3−メトキシ−プロポキシ)−フェニル]−メタノール
標題化合物を、実施例42の標題C化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 2/1)=0.46。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):4.58分。
【0193】
C. 1−ブロモメチル−2−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンゼン
標題化合物を、実施例42の標題D化合物についての記載に準じて製造する:MS 275.7、277.8[M+18]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.84分。
【0194】
実施例44
4−ブロモメチル−1−メトキシ−2−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンゼン
【化55】

A. 4−メトキシ−3−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンズアルデヒド
3−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(3.04g、20mmol)および3−メトキシ−プロパノール(1.80g、20mmol)のTHF(150mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(5.24g、20mmol)を室温で窒素雰囲気下添加する。撹拌している混合物にジエチルアゾジカルボキシレート(3.11mL、20mmol)を10分にわたり、室温で添加し、得られる溶液をさらに20時間にわたり撹拌する。THFを減圧下除去し、残った残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 2/1)で精製して、標題化合物を得る:TLC、Rf(ヘキサン/EtOAc 2/1)=0.2。
【0195】
B. [4−メトキシ−3−(3−メトキシ−プロポキシ)−フェニル]−メタノール
標題A化合物、4−メトキシ−3−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンズアルデヒド(2.02g、8.9mmol)の60mLのTHF溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.74g、18.73mmol)を0℃で少しずつ添加する。反応混合物を6時間、室温で撹拌する。HO添加後、水性層を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮して、標題化合物を無色油状物として得る:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 1/1)=0.34。
【0196】
C. 4−ブロモメチル−1−メトキシ−2−(3−メトキシ−プロポキシ)−ベンゼン
標題化合物を、実施例42の標題D化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 1/1)=0.57。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):4.89分。
【0197】
実施例45
1−ブロモメチル−3−(4−メトキシ−ブチル)−ベンゼン
【化56】

A. (3−メトキシ−プロピル)−トリフェニル−ホスホニウムブロマイド
PPh(42.8g、163.2mmol)および1−ブロモ−3−メトキシプロパン(25g、163.3mmol)のトルエン(70mL)溶液を、150℃でオートクレーブ中、44時間加熱する。反応終了後、混合物を濾過し、沈殿をトルエンで洗浄し、高真空下で4時間乾燥させ、標題化合物を白色粉末として得る:Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.06分。
【0198】
B. 1−ブロモ−3−(4−メトキシ−ブト−1−エニル)−ベンゼン
撹拌しているNaHMDS(9.02g、49.2mmol)のTHF(50mL)溶液に、窒素雰囲気下0℃で標題A化合物、(3−メトキシ−プロピル)−トリフェニル−ホスホニウムブロマイド(20.4g、49.2mmol)のTHF溶液(50mL)を滴下する。得られる混合物を1時間、0℃で撹拌し、その後m−ブロモベンズアルデヒド(7g、37.8mmol)のTHF溶液(50mL)を添加する。反応混合物をさらに2時間、室温で撹拌し、飽和NHCl水性溶液に注ぎ、水性層をEtOAcで2回抽出する。合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣をエーテルに取り込み、トリフェニルホスフィンオキシド沈殿をセライトのパッドを通して濾取する。濾液を濃縮し、残存物質をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 95/5)で精製して、標題化合物(ZおよびE立体異性体混合物として)を黄色油状物として得る:Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):6.30分。
【0199】
C. 1−ブロモ−3−(4−メトキシ−ブチル)−ベンゼン
標題B化合物、1−ブロモ−3−(4−メトキシ−ブト−1−エニル)−ベンゼン(1.8g、7.46mmol)およびPd/c 5%(0.36g)のTHF(20mL)中の懸濁液を水素雰囲気下振盪する。反応終了後、混合物をセライトのパッドを通して濾過し、溶媒を減圧下蒸発させ、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 98/2)で精製して、標題化合物を黄色油状物として得る:MS 260.1、261.9[M+18]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):6.45分。
【0200】
D. 3−(4−メトキシ−ブチル)−ベンズアルデヒド
撹拌している標題C化合物、1−ブロモ−3−(4−メトキシ−ブチル)−ベンゼン(11g、45.24mmol)の200mLのTHF溶液に、n−ブチルリチウム(31.1mL、49.76mmol、ヘキサン中1.6M溶液)を30分にわたり、−72℃で滴下する。反応混合物をさらに5分、−72℃で撹拌し、その後DMF(7.67mL、99.52mmol)のTHF溶液(50mL)を45分にわたり添加する。反応混合物をさらに15分、−72℃、1時間、室温で撹拌し、水性2M HCl溶液に注ぐ。水性層をエーテルで2回抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣のシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 9/1)での精製により、標題化合物を黄色油状物として得る:MS 210.0[M+18];Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.35分。
【0201】
E. [3−(4−メトキシ−ブチル)−フェニル]−メタノール
標題D化合物、3−(4−メトキシ−ブチル)−ベンズアルデヒド(0.1g、0.52mmol)およびMeOH(0.063mL、1.56mmol)の2mLのTHF溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(20mg、0.52mmol)を少しずつ添加する。反応混合物を1時間、室温で撹拌し、水性1M HClに注ぐ。水性層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣のシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 3/1)での精製により、標題化合物を無色油状物として得る:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 2/1)=0.34。MS 212.1[M+18]。
【0202】
F. 1−ブロモメチル−3−(4−メトキシ−ブチル)−ベンゼン
標題化合物を、実施例42の標題D化合物についての記載に準じて、製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 1/1)=0.8。MS 273.9、276.0[M+18]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):6.10分。
【0203】
実施例46
1−ブロモメチル−3−(3−メトキシ−プロピル)−ベンゼン
【化57】

A. (2−メトキシ−エチル)−トリフェニル−ホスホニウムブロマイド
標題化合物を、実施例45の標題C化合物についての記載に準じて製造する:Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.09分。
【0204】
B. 1−ブロモ−3−(3−メトキシ−プロペニル)−ベンゼン
標題化合物を、実施例45の標題B化合物についての記載に準じて製造する:Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.97分。
【0205】
C. 1−ブロモ−3−(3−メトキシ−プロピル)−ベンゼン
標題化合物を、実施例45の標題C化合物についての記載に準じて製造する:MS 226.9、228.9[M+H]。
【0206】
D. 3−(3−メトキシ−プロピル)−ベンズアルデヒド
標題化合物を、実施例45の標題D化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 5/1)=0.37。MS 195.9[M+18]。
【0207】
E. [3−(3−メトキシ−プロピル)−フェニル]−メタノール
標題化合物を、実施例45の標題E化合物についての記載に準じて製造する:MS 198[M+18];TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 2/1)=0.33。
【0208】
F. 1−ブロモメチル−3−(3−メトキシ−プロピル)−ベンゼン
標題化合物を、実施例45の標題F化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 1/1)=0.85;MS 261.9、262.8[M+18];Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.85分。
【0209】
実施例47
1−ブロモメチル−3−(2−メトキシ−エチル)−ベンゼン
【化58】

A. メトキシメチル−トリフェニル−ホスホニウムブロマイド
標題化合物を、実施例45の標題A化合物についての記載に準じて製造する:Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):4.83分。
【0210】
B. 1−ブロモ−3−(2−メトキシ−ビニル)−ベンゼン
標題化合物を、実施例45の標題B化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 9/1)=0.65。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):6.01および6.09分。
【0211】
C. 1−ブロモ−3−(2−メトキシ−エチル)−ベンゼン
標題化合物を、実施例45の標題C化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 9/1)=0.6。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.75分。
【0212】
D. 3−(2−メトキシ−エチル)−ベンズアルデヒド
標題化合物を、実施例45の標題D化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 5/1)=0.37。MS 182.1[M+18]。
【0213】
E. [3−(2−メトキシ−エチル)−フェニル]−メタノール
標題化合物を、実施例45の標題E化合物についての記載に準じて製造する:MS 183.9[M+18]。TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 2/1)=0.22。
【0214】
F. 1−ブロモメチル−3−(2−メトキシ−エチル)−ベンゼン
標題化合物を、実施例45の標題F化合物についての記載に準じて製造する:MS 246.0、247.8[M+18];Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.52分。
【0215】
実施例48
4−ブロモメチル−2−(3−メトキシ−プロピル)−1−メチル−ベンゼン
【化59】

A. 5−ブロモ−2−メチル−ベンズアルデヒド
撹拌しているアルミニウムクロライド(57.93g、434.46mmol)の塩化メチレン(200mL)溶液に、0℃で45分にわたりo−メチルベンズアルデヒド(30g、249.69mmol)を添加する。得られる褐色混合物にさらに臭素(12.71mL、249.69mmol)の塩化メチレン溶液(200mL)を3時間にわたり添加し、反応混合物を室温で一晩放置する。反応混合物を次いで氷(600g)に注ぎ、水性層を塩化メチレンで2回抽出する。合わせた有機抽出物をNaHCOの飽和水性溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣をヘキサンに取り込み、沈殿を濾過し、ヘキサンで洗浄し(このプロトコールを2回繰り返す)、高真空下で乾燥させて標題化合物を、2個の位置異性体の混合物として得る:5−ブロモ−2−メチル−ベンズアルデヒドおよび3−ブロモ−2−メチル−ベンズアルデヒドを80/20比率:MS 197.0、199.0[M−H]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.52分。
【0216】
B. 4−ブロモ−2−(3−メトキシ−プロペニル)−1−メチル−ベンゼン
標題化合物を、実施例45の標題B化合物についての記載に準じて、(2−メトキシ−エチル)−トリフェニル−ホスホニウムブロマイド(実施例46で製造)および標題A化合物、5−ブロモ−2−メチル−ベンズアルデヒド(20%の3−ブロモ−2−メチル−ベンズアルデヒド含有)(6g、30.14mmol)を使用して、製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 9/1)=0.48。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):6.26、6.34分。
【0217】
C. 4−ブロモ−2−(3−メトキシ−プロピル)−1−メチル−ベンゼン
標題化合物を、実施例45の標題C化合物についての記載に準じて製造する:MS 243.0、245.0[M−H]。TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 9/1)=0.63。
【0218】
D. 3−(3−メトキシ−プロピル)−4−メチル−ベンズアルデヒド
標題化合物を、実施例45の標題D化合物についての記載に準じて製造する:MS 192.9[M+H]、210.0[M+18]。
【0219】
E. [3−(3−メトキシ−プロピル)−4−メチル−フェニル]−メタノール
標題化合物を、実施例45の標題E化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 2/1)=0.38;MS 212.2[M+18]。
【0220】
F. 4−ブロモメチル−2−(3−メトキシ−プロピル)−1−メチル−ベンゼン
標題化合物を、実施例45の標題F化合物についての記載に準じて製造する:MS 273.9、276[M+18]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):6.09分。
【0221】
実施例49
4−ブロモメチル−2−(4−メトキシ−ブチル)−1−メチル−ベンゼン
【化60】

A. 4−ブロモ−2−(4−メトキシ−ブト−1−エニル)−1−メチル−ベンゼン
標題化合物を、実施例45の標題B化合物についての記載に準じて、(3−メトキシ−プロピル)−トリフェニル−ホスホニウムブロマイドおよび5−ブロモ−2−メチル−ベンズアルデヒド(実施例48で製造;20%の3−ブロモ−2−メチル−ベンズアルデヒド含有)を使用して製造する:Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):6.60分。
【0222】
B. 4−ブロモ−2−(4−メトキシ−ブチル)−1−メチル−ベンゼン
標題化合物を、実施例45の標題C化合物についての記載に準じて製造する:Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):6.72分。
【0223】
C. 3−(4−メトキシ−ブチル)−4−メチル−ベンズアルデヒド
標題化合物を、実施例45の標題D化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 9/1)=0.5;MS 224.1[M+18]。
【0224】
D. [3−(4−メトキシ−ブチル)−4−メチル−フェニル]−メタノール
標題化合物を、実施例45の標題E化合物についての記載に準じて製造する:MS 225.9[M+18];TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 2/1)=0.4。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):5.04分。
【0225】
E. 4−ブロモメチル−2−(4−メトキシ−ブチル)−1−メチル−ベンゼン
標題化合物を、実施例45の標題F化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 1/1)=0.85;MS 288.0、289.8[M+18];Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):6.35分。
【0226】
実施例50
1−ブロモメチル−2−(3−メトキシ−プロピル)−ベンゼン
【化61】

A. 3−(2−ヒドロキシメチル−フェニル)−プロパン−1−オール(Malandra, J. L.;Trahanovski, W. S. JOC 1995, 60, 261-263)
1,2−ジヒドロナフタレン(6.5g、50mmol)の塩化メチレン(200mL)中、オゾンを−75℃で青色になるまでバブリングする。過剰のオゾンを、次いで、窒素を溶液を通して、青色がなくなるまでバブリングすることにより消失させる。反応混合物を室温にし、溶媒を真空下で一部除去する。得られるオゾン化物をTHF(50mL)に溶解し、この溶液を0℃でLiAlH(55mL、55mmol、THF中1M)のTHF(125mL)溶液に滴下する。反応混合物をさらに4時間、室温で撹拌し、および湿ったNaSOを、Hの発生が止むまで反応混合物に添加する。混合物を濾取し、白色固体をEtOAcで洗浄する。濾液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣のシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 4/1からEtOAc/MeOH 95/5)での精製により、標題化合物を得る:TLC、Rf(AcOEt)=0.40。MS 183.9[M+18]。
【0227】
B. [2−(3−メトキシ−プロピル)−フェニル]−メタノール
標題A化合物、3−(2−ヒドロキシメチル−フェニル)−プロパン−1−オール(14.9g、90mmol)およびプロトン−スポンジ(25g、1.3当量)の塩化メチレン(500mL)中の懸濁液に、0℃で窒素下、トリメチルオキソニウム−テトラフルオロボレート(17.3g、117mmol)を添加する。反応混合物をさらに5時間、室温で撹拌し、その後濾過する。濾液を水に注ぎ、水性層を塩化メチレンで2回抽出する。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮する。残渣のシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 7/3から1/1までおよびAcOEt/MeOH 9/1まで)での精製により、標題化合物を得る:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 4/1)=0.57。MS 198.0[M+18]。
【0228】
C. 1−ブロモメチル−2−(3−メトキシ−プロピル)−ベンゼン
標題化合物を、実施例42の標題D化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 95/5)=0.4。MS 259.8、261.9[M+18]。
【0229】
実施例51
(1−ブロモメチル−シクロプロピルメチル)−ベンゼン
【化62】

A. シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル
tert−ブタノール(9.4mL、100mmol)の50mLの無水THF溶液に、窒素下、数分間、n−ブチルリチウム(69mL、110mmol、ヘキサン中1.6M溶液)を添加する。30分後、得られる溶液をシクロプロパンカルボニルクロライド(10mL、110mmol)のTHF溶液(40mL)の滴下により処理する。反応混合物をさらに還流温度で1時間撹拌し、氷浴で0℃に冷却し、水の添加によりゆっくり加水分解する。水性層をエーテルで2回抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣を真空蒸留(bp=70℃、76mmHg)により精製し、標題化合物を黄色油状物として得る。
【0230】
B. 1−ベンジル−シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル
撹拌しているLDA(11mL、22mmol、THF中2M)のTHF(40mL)溶液に、窒素下、−75℃で標題A化合物、シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル(2.85g、20mmol)のTHF溶液(10mL)を滴下する。得られる混合物を5時間、−75℃で撹拌し、その後ベンジルブロマイド(3.8mL、32mmol)のTHF溶液(10mL)を添加する。反応混合物を室温に一晩放置し、飽和NHCl水性溶液に注ぐ。水性層をEtOAcで2回抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣のシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 97/3)での精製により、標題化合物を得る:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 95/5)=0.47;MS 249.9[M+18]。
【0231】
C. (1−ベンジル−シクロプロピル)−メタノール
撹拌している標題B化合物、1−ベンジル−シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル(0.232g、1mmol)のTHF(8mL)溶液に、窒素下、−50℃でLiAlH(3mL、3mmol、THF中1m)を滴下する。得られる混合物をさらに1時間、−50℃で撹拌し、次いでゆっくり室温にし、飽和NaHCO水性溶液に注ぐ。水性層をEtOAcで2回抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣のシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 4/1から1/1)での精製により、標題化合物を得る:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 1/1)=0.52。MS 180.0[M+18]。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):4.95分。
【0232】
D. (1−ブロモメチル−シクロプロピルメチル)−ベンゼン
標題C化合物、(1−ベンジル−シクロプロピル)−メタノール(0.8g、4.93mmol)、ピリジン(994μL、12.3mmol)およびCBr(1.8g、5.42mmol)の塩化メチレン(25mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(1.8g、6.9mmol)を0℃で撹拌しながら添加する。反応終了後、混合物をNaHCOの飽和水性溶液に注ぐ。水性層を塩化メチレンで2回抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣をエーテルに取り込み、トリフェニルホスフィンオキシド沈殿を濾取する。濾液を減圧下濃縮し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 9/1)で精製して、標題化合物を得る:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 99/1)=0.54。Rt(HPLC、Nucleosil C18、10:90−100:0 CHCN/HO+0.1%TFA、5分以内、次いで100%CHCN+0.1%TFA):6.41分。
【0233】
実施例52
1−(1−ブロモメチル−シクロプロピルメチル)−2−(3−メトキシ−プロピル)−ベンゼン
【化63】

A. 1−[2−(3−メトキシ−プロピル)−ベンジル]−シクロプロパンカルボン酸tert−ブチルエステル
標題化合物を、実施例51の標題B化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 95/5)=0.2。MS 322.2[M+18]。
【0234】
B. {1−[2−(3−メトキシ−プロピル)−ベンジル]−シクロプロピル}−メタノール
標題化合物を、実施例51の標題C化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 1/1)=0.42。
【0235】
C. 1−(1−ブロモメチル−シクロプロピルメチル)−2−(3−メトキシ−プロピル)−ベンゼン
標題化合物を、実施例51の標題D化合物についての記載に準じて製造する:TLC、Rf(ヘキサン/AcOEt 95/5)=0.52。


【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

〔式中、
は−CH−X、−O−Xまたは−S(O)0−2−Xであるか;または
は−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで
は水素または低級アルキルであり;そして
Xは−(CH)−(CR10)−(CH)−Z−(CH)−Wであり、ここで
m、nおよびqは、独立して0または1から5の整数であり;
pは0または1であり;
およびR10は、独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびR10は一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している炭素原子と一体となって3−から6−員環を形成し;
Zは結合であるか;または
ZはO、S(O)0−2、または−NR11−であり、ここで、
11は水素または低級アルキルである。ただし、m、nおよびpが全て0であるとき、Rは−CH−Xであり;
Wはアリールまたはヘテロシクリルであり;
は水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシまたは低級アルコキシであり;
Lは結合であるか;または
Lは−(CH)−O−(CH)−であり、ここで、
sおよびvは、独立して0または1から3の整数であるか;または
Lは−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−OC(O)NR12−、−NR12−、−NR13C(O)−、−NR13C(O)O−または−NR13C(O)NR12−であり、ここで、
12およびR13は、独立して水素または低級アルキルであり;
は水素、ヒドロキシ、ハロゲンまたはシアノである。ただし、Lは結合であるか;または
は所望により置換されていてよい低級アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールまたはヘテロシクリルであるか;または
およびR12は一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している窒素原子と一体となって5−から6−員環を形成し;
は水素、所望により置換されていてよい低級アルキルまたはアリールであり;
およびRは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって5−から6−員芳香族性またはヘテロ芳香環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子に結合するか;または
およびRは一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している炭素原子と一体となって縮合5−から7−員環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子に結合しているか;または
C−RおよびC−Rは窒素で置換されていてよく;
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシ、シクロアルキル、アルカノイル、アルキルオキシアルコキシ、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルバモイル、チオール、アルキルチオ、アルキルチオノ、スルホニル、スルホンアミド、スルファモイル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、アルケニル、アルキニル、アラルコキシ、ヘテロシクリル(インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル、ピペリジル、モルホリニルおよびテトラゾリルを含む)であるか;または
およびRは一体となってO、S(O)0−2、−NR14−、−(CH)1−2−、−O−CH−、−CH−O−、−S(O)0−2−CH−、−CH−S(O)0−2−、−NR14−CH−、−CH−NR14−、−S(O)0−2−NR14−または−NR14−S(O)0−2−であり、ここで、
14は水素または低級アルキルである。ただし、Rは2'位に位置するか;または
C−Rは窒素で置換されていてよく;
Yは−(CH)−、−O−(CH)−、−(CH)−O−、−S0−2−(CH)−または−(CH)−S0−2−であり、ここで、
rは0または1から3の整数であり;
Qは、それが結合している原子と一体となって5−から6−員単環式芳香族性またはヘテロ芳香環を形成するか;または
Qは、それが結合している原子と一体となって7−から12−員二環式芳香族性またはヘテロ環式環を形成する。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が−CH−X、−O−Xまたは−S(O)0−2−Xであるか;または
が−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで、
が水素または低級アルキルであり;そして
Xが−(CH)−(CR10)−(CH)−Z−(CH)−Wであり、ここで、
mおよびnが、独立して0または1から5の整数であり;
pが0または1であり;
qが0であり;
およびR10が、独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびR10が一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している炭素原子と一体となって3−から6−員環を形成し;
Zが結合であるか;または
ZがO、S(O)0−2、または−NR11−であり、ここで、
11が水素または低級アルキルである。ただし、m、nおよびpが全て0であるときRは−CH−Xであり;
Wがアリールまたはヘテロシクリルであり;
が水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシまたは低級アルコキシであり;
Lが結合であるか;または
Lが−(CH)−O−(CH)−であり、ここで、
sおよびvが0であるか;または
Lが−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−OC(O)NR12−、−NR12−、−NR13C(O)−、−NR13C(O)O−または−NR13C(O)NR12−であり、ここで、
12およびR13が、独立して水素または低級アルキルであり;
が水素、ハロゲンまたはシアノである。ただし、Lは結合であるか;または
が所望により置換されていてよい低級アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールまたはヘテロシクリルであるか;または
およびR12が一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している窒素原子と一体となって5−から6−員環を形成し;
が水素、所望により置換されていてよい低級アルキルまたはアリールであり;
およびRは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって5−から6−員芳香族性またはヘテロ芳香環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子に結合するか;または
およびRは一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している炭素原子と一体となって縮合5−から7−員環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子に結合するか;または
が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい、低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRが一体となってO、S(O)0−2、−NR14−、−(CH)1−2−、−O−CH−、−CH−O−、−S(O)0−2−CH−、−CH−S(O)0−2−、−NR14−CH−、−CH−NR14−、−S(O)0−2−NR14−または−NR14−S(O)0−2−であり、ここで、
14が水素または低級アルキルである。ただし、Rは2'位に位置し;
Yが−(CH)−であり、ここで、
rが0であり;
Qが、それが結合している炭素原子と一体となって5−から6−員単環式芳香族性またはヘテロ芳香環を形成するか;または
Qが、それが結合している炭素原子と一体となって9−から10−員二環式芳香族性またはヘテロ環式環を形成する;
請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】

【化2】

〔式中、
、R、L、R、R、R、R、RおよびQは、請求項2で定義の意味を有する。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】

【化3】

〔式中、
、R、L、R、R、R、R、RおよびQは、請求項2で定義の意味を有する。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項2記載の化合物。
【請求項5】
が−CH−X、−O−Xまたは−S−Xであるか;または
が−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで、
が水素または低級アルキルであり;そして
Xが−(CH)−(CR10)−(CH)−Z−Wであり、ここで、
mおよびnが、独立して0または1もしくは2の整数であり;
pが0または1であり;
およびR10が、独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびR10が一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している炭素原子と一体となって3−から6−員環を形成し;
Zが結合であるか;または
ZがO、S(O)0−2、または−NR11−であり、ここで、
11が水素または低級アルキルである。ただし、m、nおよびpが全て0であるとき、Rは−CH−Xであり;
Wがアリールまたはヘテロシクリルであり;
が水素、ハロゲンまたはヒドロキシであり;
Lが結合であり;
が水素またはハロゲンであり;
が水素、所望により置換されていてよい低級アルキルまたはアリールであり;
およびRが、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであり;
が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRが一体となってO、S(O)0−2、−NR14−、−(CH)1−2−、−O−CH−、−CH−O−、−S(O)0−2−CH−、−CH−S(O)0−2−、−NR14−CH−、−CH−NR14−、−S(O)0−2−NR14−または−NR14−S(O)0−2−であり、ここで、
14が水素または低級アルキルである。ただし、Rは2'位に位置し;
Qが、それが結合している原子と一体となって5−から6−員単環式芳香族性またはヘテロ芳香環を形成するか;または
Qが、それが結合している原子と一体となって9−から10−員二環式芳香族性またはヘテロ環式環を形成する;
請求項4の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
が−CH−X、−O−Xまたは−S−Xであるか;または
が−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで、
が水素または低級アルキルであり;そして
Xが−(CH)−(CR10)−(CH)−Z−Wであり、ここで、
mおよびnが、独立して0または1もしくは2の整数であり;
pが0または1であり;
およびR10が、独立して水素または低級アルキルであるか;または
Zが結合であるか;または
ZがO、S(O)0−2、または−NR11−であり、ここで、
11が水素または低級アルキルである。ただし、m、nおよびpが全て0であるとき、Rは−CH−Xであり;
Wがアリールまたはヘテロシクリルであり;
が水素、ハロゲンまたはヒドロキシであり;
Lが結合であり;
が水素またはハロゲンであり;
が水素であり;
およびRが、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであり;
が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRが一体となってO、S(O)0−2、−NR14−、−(CH)1−2−、−O−CH−、−CH−O−、−S(O)0−2−CH−、−CH−S(O)0−2−、−NR14−CH−、−CH−NR14−、−S(O)0−2−NR14−または−NR14−S(O)0−2−であり、ここで、
14が水素または低級アルキルである。ただし、Rは2'位に位置し;
Qが、それが結合している原子と一体となって5−から6−員単環式芳香族性またはヘテロ芳香環を形成するか;または
Qが、それが結合している原子と一体となって9−から10−員二環式芳香族性またはヘテロ環式環を形成する;
請求項5の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
が−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで、
が水素または低級アルキルである;
請求項6の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
Qが、それが結合している炭素原子と一体となってピリジルまたはピリミジニル環を形成する;
請求項6の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
Qが、それが結合している炭素原子と一体となってチエニル、フリル、ピロリルまたはインドリル環を形成する;
請求項6の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】

【化4】

〔式中、
は−CH−X、−O−Xまたは−S−Xであるか;または
は−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで、
は水素または低級アルキルであり;そして
Xは−(CH)−(CR10)−(CH)−Z−Wであり、ここで、
m、nおよびpは、独立して0または1であり;
は水素であり;
10は水素または低級アルキルであり;
Zは結合であるか;または
ZはO、S(O)0−2、または−NR11−であり、ここで、
11は水素または低級アルキルである。ただし、m、nおよびpが全て0であるとき、Rは−CH−Xであり; Wはアリールまたはヘテロシクリルであり;
は水素であり;
は水素またはハロゲンであり;
およびRは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキル;
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRが一体となってO、S(O)0−2、−NR14−、−(CH)1−2−、−O−CH−、−CH−O−、−S(O)0−2−CH−、
−CH−S(O)0−2−、−NR14−CH−、−CH−NR14−、−S(O)0−2−NR14−または−NR14−S(O)0−2−であり、ここで、
14は水素または低級アルキルである。ただし、Rは2'位に位置し;
15は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルである。〕
の化合物である、請求項5記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
が−O−Xまたは−S−Xであり;そして
Xが−(CH)−(CR10)−(CH)−Z−Wであり、ここで、
mが1であり;
nおよびpが0であり; Zが結合であり;
Wがアリールまたはヘテロシクリルであり;
が水素またはハロゲンであり;
が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであり;
が水素であり;
が水素であり;
15が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルである;
請求項10記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
が水素である;
請求項11記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
Wが単環式アリールである;
請求項12記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
pが1であり;
およびR10は一体となってアルキレンであり、それは、それらが結合している炭素原子と一体となって3−から6−員環を形成する;
請求項5記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】

【化5】

〔式中、
は−CH−X、−O−Xまたは−S−Xであるか;または
は−NR−X、−NRC(O)−Xまたは−NRS(O)−Xであり、ここで、
は水素または低級アルキルであり;そして
Xは−(CH)−CR10−(CH)−Z−Wであり、ここで、
mおよびnは1であり;
Zは結合であるか;または
ZはO、S(O)0−2、または−NR11−であり、ここで、
11は水素または低級アルキルである。ただし、m、nおよびpが全て0であるとき、Rは−CH−Xであり;
Wはアリールまたはヘテロシクリルであり;
は水素であり;
は水素またはハロゲンであり;
およびRは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであり;
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであるか;または
およびRが一体となってO、S(O)0−2、−NR14−、−(CH)1−2−、−O−CH−、−CH−O−、−S(O)0−2−CH−、−CH−S(O)0−2−、−NR14−CH−、−CH−NR14−、−S(O)0−2−NR14−または−NR14−S(O)0−2−であり、ここで、
14は水素または低級アルキルである。ただし、Rは2'位に位置し;
15は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルである。〕
の化合物である、請求項5記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
が−O−Xまたは−S−Xであり;そして
Xが−CH−CR10−CH−Z−Wであり、ここで、
Zが結合であり;
Wがアリールであり;
が水素であり;
が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルであり;
が水素であり;
が水素であり;
15が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、所望により置換されていてよい低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロアルキルである;
請求項15記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
哺乳動物におけるレニン活性の阻害法であって、それを必要とする哺乳動物に治療的有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項18】
哺乳動物におけるレニン活性と関連する状態を予防および/または処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物に治療的有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項19】
該化合物を治療的有効量の抗糖尿病剤、抗高脂血症剤、抗肥満剤または抗高血圧剤と組み合わせて投与することを含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
高血圧、アテローム性動脈硬化症、不安定冠状動脈症候群、鬱血性心不全、心肥大、心線維症、梗塞後心筋症、不安定冠状動脈症候群、拡張期機能不全、慢性腎臓病、肝線維症、腎症、脈管障害およびニューロパシーのような糖尿病に起因する合併症、冠血管の疾患、血管形成術後再狭窄、上昇した眼内圧、緑内障、異常な血管増殖、高アルドステロン症、認知障害、アルツハイマー、認知症、不安状態および認知の障害の処置法であって、それを必要とする哺乳動物に治療的有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項21】
治療的有効量の請求項1記載の化合物を1個またはそれ以上の薬学的に許容される担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項22】
治療的有効量の請求項1記載の化合物を、治療的有効量の抗糖尿病剤、抗高脂血症剤、抗肥満剤または抗高血圧剤と組み合わせて含む、医薬組成物。
【請求項23】
高血圧、アテローム性動脈硬化症、不安定冠状動脈症候群、鬱血性心不全、心肥大、心線維症、梗塞後心筋症、不安定冠状動脈症候群、拡張期機能不全、慢性腎臓病、肝線維症、腎症、脈管障害およびニューロパシーのような糖尿病に起因する合併症、冠血管の疾患、血管形成術後再狭窄、上昇した眼内圧、緑内障、異常な血管増殖、高アルドステロン症、認知障害、アルツハイマー、認知症、不安状態および認知の障害の処置のための、請求項21または22記載の医薬組成物。
【請求項24】
医薬として使用するための、請求項21または22記載の医薬組成物。
【請求項25】
レニン活性と関連する状態の処置用医薬の製造のための、請求項21または22記載の医薬組成物の使用。
【請求項26】
レニン活性と関連する状態の処置用医薬組成物の製造のための、請求項1記載の化合物の使用。
【請求項27】
レニン活性と関連する状態が高血圧、アテローム性動脈硬化症、不安定冠状動脈症候群、鬱血性心不全、心肥大、心線維症、梗塞後心筋症、不安定冠状動脈症候群、拡張期機能不全、慢性腎臓病、肝線維症、腎症、脈管障害およびニューロパシーのような糖尿病に起因する合併症、冠血管の疾患、血管形成術後再狭窄、上昇した眼内圧、緑内障、異常な血管増殖、高アルドステロン症、認知障害、アルツハイマー、認知症、不安状態および認知の障害から選択される、請求項25または26記載の使用。
【請求項28】
医薬として使用するための、請求項1記載の化合物。


【公表番号】特表2007−512282(P2007−512282A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540386(P2006−540386)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013410
【国際公開番号】WO2005/051911
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】