説明

レニン阻害剤

本発明は、式(I)のビフェニル化合物に関する。これらの化合物は、非ペプチド性低分子量のレニン阻害剤である。本発明はさらに、前記化合物を含有する医薬組成物、ならびにこれらの使用、ならびに心血管イベントおよび腎機能障害の治療方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
請求にかかる発明は、Merck & Co.,IncとActelion Pharmaceuticals Ltd.との間の共同研究契約の範囲内で進められた活動の結果としてなされた。本契約は2003年12月4日に発効された。本発明の分野を以下に記載する。
【0002】
本発明は、一般式(I)の新規レニン阻害剤に関する。本発明はまた、本化合物を調製する方法、1種以上の式(I)の化合物を含有する医薬組成物、特に心血管イベントおよび腎機能障害におけるレニン阻害剤としてのこれらの使用を含む関連態様に関する。
【背景技術】
【0003】
レニン−アンジオテンシン系(RAS)において、生物学的に活性なアンジオテンシンII(AngII)は2段階機序により生成される。高度に特異的な酵素であるレニンは、アンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンI(Ang I)に開裂させ、次いで、AngIは、特異性が小さいアンジオテンシン変換酵素(ACE)によりAngIIにさらに処理される。AngIIは、ATおよびATと称される少なくとも2種の受容体サブタイプに作用することが知られている。ATはAngIIの既知の機能の大部分を伝達すると考えられている一方、ATの役割は依然として不明である。
【0004】
RASの調節は、心血管疾患治療における主要な進歩を表している。ACE阻害剤およびAT遮断剤は、高血圧の治療に承認されている(Waeber B.ら、「The renin−angiotensin system:role in experimental and human hypertension」、Birkenhager W.H.、Reid J.L.(編):Hypertension、Amsterdam、Elsevier Science Publishing Co、1986、489−519頁;Weber M.A.、Am.J.Hypertens.、1992、5、247頁)。さらに、ACE阻害剤は、腎臓保護(Rosenberg M.E.ら、Kidney International、1994、45、403頁;Breyer J.A.ら、Kidney International、1994、45、156頁)に使用され、欝血性心不全(Vaughan D.E.ら、Cardiovasc.Res.、1994、28、159頁;Fouad−Tarazi F.ら、Am.J.Med、1988、84(増補3A)、83頁)および心筋梗塞(Pfeffer M.A.ら、N.Engl.J.Med.、1992、327、669頁)の予防に使用される。
【0005】
レニン阻害剤を開発する根拠は、レニンの特異性である(Kleinert H.D.、Cardiovasc.Drugs、1995、9、645頁)。レニンについて公知の唯一の基質はアンジオテンシノーゲンであり、アンジオテンシノーゲンは(生理学的条件下で)レニンによってのみ処理され得る。これに対し、ACEはAngIの他にブラジキニンを開裂させることもでき、セリンプロテアーゼであるキマーゼにより迂回され得る(Husain A.、J.Hypertens.、1993、11、1155頁)。したがって、患者において、ACEを阻害することによりブラジキニンが蓄積し、咳(5−20%)および潜在的に重篤な血管神経性浮腫(0.1−0.2%)が惹起される(Israili Z.H.ら、Annals of Internal Medicine、1992、117、234頁)。キマーゼはACE阻害剤によっては阻害されない。したがって、ACE阻害剤により治療された患者においてはAngIIの形成が依然として考えられる。一方、(例えば、ロサルタンによって)AT受容体を遮断することにより、他のAT受容体サブタイプ(例えば、AT)が、AT受容体の遮断により濃度が顕著に増大したAngIIに過剰に曝露される。要約すると、レニン阻害剤は、RASの遮断および安全性の面における効力に関して、ACE阻害剤およびAT遮断剤とは異なる薬学的プロファイルを示すことが予期される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Waeber B.ら、「The renin−angiotensin system:role in experimental and human hypertension」、Birkenhager W.H.、Reid J.L.(編):Hypertension、Amsterdam、Elsevier Science Publishing Co、1986、489−519頁
【非特許文献2】Weber M.A.、Am.J.Hypertens.、1992、5、247頁
【非特許文献3】Rosenberg M.E.ら、Kidney International、1994、45、403頁
【非特許文献4】Breyer J.A.ら、Kidney International、1994、45、156頁
【非特許文献5】Vaughan D.E.ら、Cardiovasc.Res.、1994、28、159頁
【非特許文献6】Fouad−Tarazi F.ら、Am.J.Med、1988、84(増補3A)、83頁
【非特許文献7】Pfeffer M.A.ら、N.Engl.J.Med.、1992、327、669頁
【非特許文献8】Kleinert H.D.、Cardiovasc.Drugs、1995、9、645頁
【非特許文献9】Husain A.、J.Hypertens.、1993、11、1155頁
【非特許文献10】Israili Z.H.ら、Annals of Internal Medicine、1992、117、234頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、非ペプチド性低分子量のレニン阻害剤の同定に関する。組織のレニン−キマーゼ系を活性化し、局所的機能、例えば腎臓、心臓および血管のリモデリング、アテローム性動脈硬化症、ならびにおそらく再狭窄を病態生理学的に変化させることができる、血圧調節を越えた適応症に活性である、長い作用持続時間の経口的に活性なレニン阻害剤を記載する。したがって、本発明は、これらの非ペプチドレニン阻害剤を記載する。
【0008】
本発明に記載の化合物は、レニン阻害剤の新規構造クラスを表す。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、ある種の化合物およびレニン系に関連することが知られている病態の治療を含む、レニン酵素の阻害におけるこれらの使用を対象とする。本発明は、式Iの化合物を含む:
本発明は、式(I)
【0010】
【化1】

の化合物および薬学的に許容されるこれらの塩、ならびにこれらの光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、例えばラセミ体、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ジアステレオマーラセミ体、ジアステレオマーラセミ体の混合物、メソ体、互変異性体、塩、溶媒和物、ならびに形態学的形態
[式中、
Arは、非置換もしくは置換のアリール環、またはO、SおよびNから選択される1個から2個のヘテロ原子を含有する非置換もしくは置換の5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、ここで、置換アリール環および置換ヘテロアリール環は、
1)OH、
2)CN、
3)ハロゲン、
4)N
5)NO
6)COOH、
7)OCFH、
8)CF
9)C−Cアルキル、
10)C−Cアルケニル、
11)C−Cアルコキシ、
12)C(O)NHC−Cアルキル
13)NHC(O)C−Cアルキル
14)S(O)−Cアルキル、
15)OCHCHOArおよび
16)CHCHCHOAr
からなる群から独立して選択される1個、2個または3個の置換基で置換されており、
ここで、置換基(9)−(14)は、非置換、または
a)OH、
b)COOH、
c)CN、
d)CF
e)C−Cアルキル、
f)C−Cアルコキシおよび
g)S(O)−Cアルキル
からなる群から独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されており;
Arは、置換アリール環、またはO、SおよびNから選択される1個から2個のヘテロ原子を含有する置換5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、ここで、環はArで置換されており、
1)OH、
2)CN、
3)ハロゲン、
4)N
5)NO
6)COOH、
7)OCFH、
8)CF
9)C−Cアルキル、
10)C−Cアルケニル、
11)C−Cアルコキシ、
12)C(O)NHC−Cアルキル、
13)NHC(O)C−Cアルキル、
14)S(O)−Cアルキル、
15)O−C−Cアルキルおよび
16)C(O)OC−Cアルキル
からなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよく、
ここで、置換基(9)−(16)は、非置換、または
a)OH、
b)COOH、
c)CN、
d)CF
e)C−Cアルキル、
f)C−Cアルコキシおよび
g)S(O)−Cアルキル
からなる群から独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されており;
Arは、置換アリール環、またはO、SおよびNから選択される1個から2個のヘテロ原子を含有する置換5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、ここで、環は、RおよびRで置換されており;ここで、ヘテロアリール環は、窒素原子が環原子である場合、窒素原子において場合によって酸化されており;
は、Ar−Ar結合に対してオルト位に存在し、
1)ハロゲン、
2)CF
3)CN、
4)(CH1−3OR
5)O(CH1−2OR
6)(CH1−3NHAc、
7)(CH1−3OC(O)NH
8)(CH1−3COOR
9)(CH1−3CN、
10)(CH1−3C(O)NH
11)S(O)−Cアルキル、
12)C−Cアルコキシ、
13)OCHPh、
14)CH−N−モルホリン、
15)CH=CHCOOR
16)CH−N−4−ピペリジノンおよび
17)(CH1−2C(O)NR
からなる群から選択され、
は、
1)水素、
2)OH、
3)CN、
4)ハロゲン、
5)N
6)NO
7)COOH、
8)OCFH、
9)CF
10)C−Cアルキル、
11)C−Cアルケニル、
12)C−Cアルコキシ、
13)C(O)NHC−Cアルキル、
14)NHC(O)C−Cアルキルおよび
15)S(O)−Cアルキル
からなる群から選択され、
ここで、置換基(10)−(15)は、非置換、または
a)OH、
b)COOH、
c)CN、
d)CF
e)C−Cアルキル、
f)S(O)−Cアルキルおよび
g)テトラゾリル
からなる群から独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されており;
およびRは、
1)水素、
2)CFH、
3)CHCF
4)C−Cアルキルおよび
5)C−Cアルケニル
からなる群から独立して選択され;
Arは、非置換もしくは置換のアリール環、またはO、SおよびNから選択される1個から2個のヘテロ原子を含有する非置換もしくは置換の5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、ここで、置換アリール環および置換ヘテロアリール環は、
1)CN、
2)ハロゲン、
3)N
4)NO
5)OCFH、
6)CF
7)C−Cアルキル、
8)C−Cアルケニル、
9)C−Cアルコキシおよび
10)S(O)−Cアルキル
からなる群から独立して選択される1個、2個または3個の置換基で置換されており、
ここで、置換基(7)−(10)は、非置換、または
a)OH、
b)COOH、
c)CN、
d)CF
e)C−Cアルコキシ、
f)S(O)−Cアルキル
からなる群から独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されており;
n=0、1または2である。]に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
式Iの化合物の一実施形態において、Arは、非置換もしくは置換のアリール環、または1個のNヘテロ原子を含有する非置換もしくは置換の6員ヘテロアリール環であり、ここで、置換アリール環および置換ヘテロアリール環は、ハロゲンおよび−OCHCHOArからなる群から独立して選択される1個または2個または3個の置換基で置換されており、全ての他の可変部は上記定義の通りである。
【0012】
式Iの化合物の別の実施形態において、Arは、置換アリール環、または1個のNヘテロ原子を含有する置換6員ヘテロアリール環であり、ここで、環は、Arで置換されており、ハロゲン、CF、C−Cアルキル、C−Cアルコキシおよび−C(O)OC−Cアルキルからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよく、全ての他の可変部は上記定義の通りである。
【0013】
式Iの化合物の別の実施形態において、Arは、置換アリール環、または1個のNヘテロ原子を含有する置換6員ヘテロアリール環であり、ここで、環は、RおよびRで置換されており、ここで、ヘテロアリール環のNヘテロ原子は、場合によって酸化されており、全ての他の可変部は上記定義の通りである。
【0014】
式Iの化合物の別の実施形態において、Rは、Ar−Ar結合に対してオルト位に存在し、
1)ハロゲン、
2)CF
3)CN、
4)(CH1−3OH、
5)(CH1−3OCH
6)O(CH1−2OCH
7)O(CH1−2OCHCH
8)(CH1−3NHAc、
9)(CH1−3OC(O)NH
10)(CH1−3COOCH
11)(CH1−3CN、
12)(CH1−3C(O)NH
13)S(O)CH
14)C−Cアルコキシ、
15)OCHPh、
16)CH−N−モルホリン、
17)CH=CHCOOR
18)CH−N−4−ピペリジノンおよび
19)(CH1−2C(O)N(CH
からなる群から選択され、全ての他の可変部は上記定義の通りである。
【0015】
式Iの化合物の別の実施形態において、Rは、水素、ハロゲンおよびC−Cアルキルからなる群から選択され、全ての他の可変部は上記定義の通りである。
【0016】
式Iの化合物の別の実施形態において、Arは、ハロゲンおよびC−Cアルキルからなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている置換フェニル環であり、全ての他の可変部は上記定義の通りである。式Iの化合物のこの実施形態のさらなる実施形態において、Arは、
【0017】
【化2】

であり、全ての他の可変部は上記定義の通りである。
【0018】
上記式Iの化合物および薬学的に許容されるこれらの塩は、レニン阻害剤である。本化合物は、レニンを阻害し、高血圧などの病態を治療するのに有用である。
【0019】
式(I)の化合物に対するあらゆる表記はまた、このような化合物の光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、例えばラセミ体、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ジアステレオマーラセミ体、ジアステレオマーラセミ体の混合物、メソ体および互変異性体、ならびに塩(特に薬学的に許容される塩)および溶媒和物(水和物を含む。)、ならびに形態学的形態を必要に応じて便宜的に意味すると解されるべきである。本発明は、これら全ての形態を包含する。混合物は、自体公知の手段、例えばカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または結晶化において分離される。本発明の化合物は、キラル中心を有することができ、例えば1個のキラル中心(2種の立体異性体(R)および(S)を提供する。)または2個のキラル中心(最大4種の立体異性体(R,R)、(S,S)、(R,S)、(S,R)を提供する。)を有することができる。本発明は、これらの光学異性体およびこれらの混合物全てを含む。特に記載のない限り、1種の異性体に対する表記は考えられる異性体のいずれにも当てはまる。異性体組成が明示されていない場合は、考えられる全ての異性体が含まれる。
【0020】
式Iに定義の化合物の互変異性体も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、カルボニル−CHC(O)−基(ケト体)を含む化合物は、互変異性に供してヒドロキシル−CH=C(OH)−基(エノール体)を形成させることができる。ケト体およびエノール体は、両方とも本発明の範囲内に含まれる。
【0021】
さらに、炭素−炭素二重結合を有する化合物がZ体およびE体で生じ得、この化合物の全ての異性形態が本発明に含まれる。
【0022】
本発明の化合物は、1個以上の部位、例えば酸素(ヒドロキシル縮合)、硫黄(スルフィドリル縮合)および/または窒素を介してニトロソ化された式(I)のニトロソ化化合物をも含む。本発明のニトロソ化化合物は、当業者に公知の慣用の方法を使用して調製することができる。例えば、化合物をニトロソ化する公知の方法は、第5,380,758号、第5,703,073号、第5,994,294号、第6,242,432号および第6,218,417号;WO98/19672およびOaeら、Org.Prep.Proc.Int.、15(3):165−198頁(1983)に記載されている。
【0023】
塩は、好ましくは式(I)の化合物の薬学的に許容される塩である。表現「薬学的に許容される塩」は、生物体に毒性を示さない無機酸もしくは有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、亜リン酸、亜硝酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、安息香酸、マンデル酸、桂皮酸、パモ酸、ステアリン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、トリフルオロ酢酸などとの塩、または式(I)の化合物が酸性である場合、無機塩基、例えばアルカリもしくはアルカリ土類塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどとの塩を包含する。薬学的に許容される塩の他の例については、特に「Salt selection for basic drugs」、Int.J.Pharm.(1986)、33、201−217頁を参照することができる。
【0024】
本発明はまた、プロドラッグとして作用する式(I)の化合物の誘導体を含む。これらのプロドラッグは、患者への投与に続き、通常の代謝プロセスにより体内で式Iの化合物に変換される。このようなプロドラッグは、式Iの化合物の薬物吸収を改善するためのバイオアベイラビリティの向上(以下の表4を参照のこと。)、組織特異性および/または細胞送達を示すプロドラッグを含む。このようなプロドラッグの作用は、物理化学的特性、例えば親油性、分子量、電荷および薬物の浸透特性を決定する他の物理化学的特性の改変から得ることができる。
【0025】
式Iにおいて上記および下記に使用の一般用語は、好ましくは、本開示内で、特に記載のない限り以下の意味を有する。複数の形態が化合物、塩、医薬組成物、疾患などについて使用される場合、この形態は単一の化合物、塩などをも意味するものとする。
【0026】
用語「アルキル」は、単独で、または他の基との組合せにおいて、特に記載のない限り、1個から6個の炭素原子を有する飽和の直鎖および分枝鎖基(「C1−6アルキル」または「C−Cアルキル」により表すことができる。)を意味する。意図される意味がこれ以外の場合、例えば、炭素原子数が1個から4個の炭素原子の範囲内である場合、この意味は、「C1−4アルキル」または「C−Cアルキル」のような様式で表される。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルである。メチル、エチルおよびイソプロピル基が好ましい。化合物の構造表現は、末端メチル基を「−CH」、「Me」または
【0027】
【化3】

として示すことができ、すなわち、これらは等価の意味を有する。
【0028】
用語「アルケニル」は、単独で、または他の基との組合せにおいて、特に記載のない限り、2個から6個の炭素原子を有する不飽和(すなわち、少なくとも1個の二重結合を有する。)の直鎖および分枝鎖基(「C2−6アルケニル」または「C−Cアルケニル」により表すことができる。)を意味する。意図される意味がこれ以外の場合、例えば、炭素原子数が2個から4個の炭素原子の範囲内である場合、この意味は、「C2−4アルケニル」または「C−Cアルケニル」のような様式で表される。
【0029】
用語「アルコキシ」は、単独で、または他の基との組合せにおいて、R−O−基(式中、Rはアルキル基である。)を意味する。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシである。
【0030】
用語「ヒドロキシ−アルキル」は、単独で、または他の基との組合せにおいて、HO−R−基(式中、Rはアルキル基である。)を意味する。ヒドロキシ−アルキル基の例は、HO−CH−、HO−CHCH−、HO−CHCHCH−およびCHOH(OH)−である。
【0031】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味し、好ましくはフッ素、塩素または臭素を意味し、特にフッ素または塩素を意味する。
【0032】
用語「シクロアルキル」は、単独で、または他の基との組合せにおいて、特に記載のない限り、3個から8個の炭素原子を有する飽和環式炭化水素環系、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを意味する。この飽和環式炭化水素環系は、「C3−8シクロアルキル」または「C−Cシクロアルキル」により表すことができる)。意図される意味がこれ以外の場合、例えば、炭素原子数が3個から6個の炭素原子の範囲内である場合、この意味は、「C3−6シクロアルキル」または「C−Cシクロアルキル」のような様式で表される。
【0033】
用語「アリール」は、単独で、または組合せにおいて、フェニル、ナフチルまたはインダニル基に関し、好ましくはフェニル基に関する。略語「Ph」はフェニルを表す。
【0034】
用語「ヘテロアリール」は、単独で、または組合せにおいて、1個から4個の窒素原子を含有する6員芳香族環;1個から3個の窒素原子を含有するベンゾ縮合6員芳香族環;1個の酸素、1個の窒素または1個の硫黄原子を含有する5員芳香族環;1個の酸素、1個の窒素または1個の硫黄原子を含有するベンゾ縮合5員芳香族環;酸素、窒素および硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を含有する5員芳香族環、ならびにこのような環のベンゾ縮合誘導体;3個の窒素原子を含有する5員芳香族環およびこれらのベンゾ縮合誘導体;テトラゾリル環;チアジニル環;またはクマリニルを意味する。このような環系の例は、フラニル、チエニル、ピロリル、ピリジニル、ピリミジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾリル、トリアジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾチエニル、キナゾリニルおよびキノキサリニルである。
【0035】
式Iの化合物および薬学的に許容されるこれらの塩の具体例は、以下の列記されるものを含む:
【0036】
【化4】





【0037】
本発明はまた、薬学的に許容される担体および式Iの化合物または薬学的に許容されるこれらの結晶形態もしくは水和物を含む医薬配合物を包含する。好ましい実施形態は、第2の薬剤をさらに含む、式Iの化合物の医薬組成物である。
【0038】
略語リスト:
ABTS 2,2'−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)2NH
Boc t−ブトキシカルボニル
BSA ウシ血清アルブミン
CBr 四臭化炭素
CHCl ジクロロメタン
DIBAH 水素化ジイソブチルアルミニウム
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDTA エチレンジアミン四酢酸
EIA 酵素免疫測定法
Et ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
Hex ヘキサン
HMPA ヘキサメチルホスホルアミド
LiHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド
MeOH メタノール
MgSO 硫酸マグネシウム
NBS N−ブロモスクシンイミド
NHCl 塩化アンモニウム
NaBH 水素化ホウ素ナトリウム
NaHCO 重炭酸ナトリウム
NaCO 炭酸ナトリウム
NaSO 硫酸ナトリウム
PBS リン酸緩衝生理食塩水
PPh3 トリフェニルホスフィン
S−PHOS ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−6’−ジメトキシ−1−1’−ビフェニル
TBS tert−ブチルジメチルシリル
TBSO tert−ブチルジメチルシリルオキシ
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
Tol トルエン
【0039】
特段の記載がない限り、本に引用される全範囲が包括的である。例えば、C−Cアルキルと記載されるアルキル基は、このアルキル基が1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を含有することができることを意味する。
【0040】
任意の可変部が本発明の化合物を表現および説明する任意の成分または任意の式において1回以上生じる場合、各出現時のこの定義は、あらゆる他の出現時のこの定義から独立している。また、置換基および/または可変部の組合せは、このような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
【0041】
用語「置換されている」(例えば、「・・・1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキル」におけるような)は、指定の置換基による一置換および多置換を、このような単一置換および複数置換(同一部位における複数置換を含む。)が化学的に許容される程度に含む。
【0042】
ピリジル−N−オキシド部分を有する本発明の化合物において、このピリジル−N−オキシド部は、等価の意味を有する慣用表示、例えば
【0043】
【化5】

を使用して構造的に表現される。
【0044】
本発明はまた、上記定義の化合物をヒトまたは動物に投与することを含む、高血圧、欝血性心不全、肺高血圧、収縮期高血圧、腎機能障害、腎虚血、腎不全、腎線維症、心機能障害、心肥大、心線維症、心筋虚血、心筋症、糸球体腎炎、腎仙痛、糖尿病に起因する合併症、例えば腎症、脈管障害および神経障害、緑内障、眼圧亢進、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、血管または心臓の術後合併症、勃起不全、高アルドステロン症、肺線維症、強皮症、不安症、認知障害、免疫抑制剤による治療の合併症に関連する疾患、ならびにレニン−アンジオテンシン系に関連することが知られている他の疾患を治療および/または予防する方法に関する。
【0045】
別の実施形態において、本発明は、高血圧、欝血性心不全、肺高血圧、腎機能障害、腎虚血、腎不全、腎線維症、心機能障害、心肥大、心線維症、心筋虚血、心筋症、糖尿病に起因する合併症、例えば腎症、脈管障害および神経障害に関連する疾患を治療および/または予防する方法に関する。
【0046】
別の実施形態において、本発明は、レニン−アンジオテンシン系の調節不全に伴う疾患を治療および/または予防する方法、ならびに上記疾患を治療する方法に関する。
【0047】
本発明はまた、上記疾患を治療および/または予防する医薬品の調製のための、式(I)の化合物の使用に関する。
【0048】
式(I)の化合物または上記医薬組成物は、ACE阻害剤、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、血管拡張剤、カルシウムアンタゴニスト、カリウム活性化物質、利尿薬、交感神経遮断薬、ベータ−アドレナリンアンタゴニスト、アルファ−アドレナリンアンタゴニストを含む、他の薬理学的に有効な化合物と組み合わせても有用、または上記疾患の予防もしくは治療に有益な他の薬物と組み合わせても有用である。
【0049】
式Iの化合物に関する用語「投与」およびこの変形(例えば、化合物を「投与する」)は、治療または予防が必要とされる個体に化合物または該化合物のプロドラッグを提供することを意味する。本発明の化合物またはこのプロドラッグが1種以上の他の有効薬剤(例えば、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、ACE阻害剤などの薬剤または血圧を降下させることが知られている他の有効薬剤)と組み合わせて提供される場合、「投与」およびこの変形は、化合物またはプロドラッグおよび他の薬剤を同時に、または異なる時間に提供することを含むとそれぞれ解される。組合せ薬剤が同時投与される場合、組合せ薬剤は単一組成物として一緒に投与することができ、または別個に投与することができる。
【0050】
本において使用される用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物および特定の成分を特定の量で組み合わせることから直接的または間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。
【0051】
「薬学的に許容される」は、医薬組成物の成分が、互いに適合性でなければならず、このレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0052】
本において使用される用語「対象」は、治療、観察または実験の目的である動物を意味し、好ましくは哺乳動物を意味し、最も好ましくはヒトを意味する。
【0053】
本において使用される用語「有効量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床家により求められている、組織、系、動物またはヒトにおいて生物学的または医学的応答を誘発する有効化合物または医薬剤の量を意味する。一実施形態において、有効量は、治療されている疾患または病態の症状を緩和する「治療有効量」である。別の実施形態において、有効量は、防止されている疾患または病態の症状を予防する「予防有効量」である。この用語は、本において、レニンを阻害し、これにより、求められている応答を誘発させるのに十分な有効化合物の量(すなわち、「阻害有効量」)をも含む。有効化合物(すなわち、有効成分)が塩として投与される場合、有効成分の量という表記は、化合物の遊離形態(すなわち、非塩形態)に対するものである。
【0054】
好ましい実施形態において、この量は1日当たり1mgから1000mgである。特に好ましい実施形態において、この量は1日当たり1mgから500mgである。さらに特に好ましい実施形態において、この量は1日当たり1mgから200mgである。
【0055】
本発明の(すなわち、レニンを阻害する)方法において、場合によって塩の形態である式Iの化合物を、有効薬剤を薬剤作用部位と接触させる任意の手段により投与することができる。本発明の化合物は、個々の治療剤として、または治療剤の組合せにおいて、医薬に関連する使用に利用可能な任意の慣用手段により投与することができる。本発明の化合物は、単独で投与することができるが、典型的には、選択される投与経路および標準的な医薬実務に基づいて選択される医薬担体とともに投与される。本発明の化合物は、化合物の有効量、ならびに慣用の非毒性の薬学的に許容される担体、補助剤およびビヒクルを含有する医薬組成物の単位投与量の形態で、例えば経口投与、非経口投与(皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射または注入技術を含む。)、吸入噴霧投与または直腸投与することができる。経口投与に好適な液体製剤(例えば、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤など)は、当該分野において公知の技術により調製することができ、通常の媒体、例えば水、グリコール、油、アルコールなどのいずれかを使用することができる。経口投与に好適な固体製剤(例えば、散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤)は、当該分野で公知の技術により調製することができ、固体賦形剤、例えばデンプン、糖、カオリン、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを使用することができる。非経口組成物は、当該分野において公知の技術により調製することができ、典型的には、担体として滅菌水を使用し、他の成分、例えば溶解助剤を場合によって使用することができる。注射液剤は、当該分野で公知の方法により調製することができ、ここで、担体は、生理食塩水、グルコース溶液または生理食塩水およびグルコースの混合物を含有する溶液を含む。本発明に使用される医薬組成物の調製に使用するのに好適な方法および前記組成物に使用するのに適切な成分のさらなる記載は、Remington's Pharmaceutical Sciences、18版、A.R.Gennaro編、Mack Publishing Co.、1990に提供されている。
【0056】
合成方法
本発明の化合物は、下記に示され、記載されている例示の合成反応スキームに表現されている種々の方法により作製することができる。これらの化合物の調製において使用される出発材料および試薬は、一般に、供給業者、例えばAldrich Chemical Co.から入手可能、または当業者に公知の方法により、参考文献、例えばFieserおよびFieser's Reagents for Organic Synthesis;Wiley & Sons:New York、1−21巻;R.C.LaRock、Comprehensive Organic Transformations、増補2版 Wiley−VCH、New York 1999;Comprehensive Organic Synthesis、B.TrostおよびI.Fleming(編)1−9巻 Pergamon、Oxford、1991;Comprehensive Heterocyclic Chemistry、A.R.KatritzkyおよびC.W.Rees(編)Pergamon、Oxford 1984、1−9巻;Comprehensive Heterocyclic Chemistry II、A.R.KatritzkyおよびC.W.Rees(編)Pergamon、Oxford 1996、1−11巻;およびOrganic Reactions、Wiley & Sons:New York、1991、1−40巻に記載の手順に従って調製される。以下の合成反応スキームおよび実施例は、本発明の化合物を合成することができるいくつかの方法を単に例示するためのものにすぎず、本出願に含まれる開示を参照して、これらの合成反応スキームの種々の改変をなすことができ、当業者に示唆される。
【実施例】
【0057】
合成反応スキームの出発材料および中間体は、限定されるものではないが、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含む慣用の技術を使用して所望により単離および精製することができる。このような材料は、物理定数およびスペクトルデータを含め、慣用の手段により特性決定することができる。
【0058】
特に記載のない限り、実験手順を以下の条件下で実施した。溶媒の蒸発は、ロータリーエバポレーターを使用し、減圧(600−4000パスカル:4.5−30mmHg)下で、最高60℃の浴温度により実施した。反応は、特に記載のない限り、典型的には窒素雰囲気下で周囲温度で実行する。無水溶媒、例えばTHF、DMF、EtO、DMEおよびトルエンは、市販グレードである。試薬は市販グレードであり、さらに精製することなく使用した。フラッシュクロマトグラフィーは、シリカゲル(230−400メッシュ)上で実行する。反応過程を薄層クロマトグラフィー(TLC)または核磁気共鳴(NMR)分光法により追跡し、所与の反応時間は単に例示するためのものにすぎない。全ての最終生成物の構造および純度をTLC、質量分析法、H NMRおよび高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により確認した。化学記号は、これらの通常の意味を有する。以下の略語も使用した:v(体積)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq.(当量)。特に記載がない限り、下記の全ての可変部は上記の意味を有する。
【0059】
本発明の化合物は、スキーム1に記載の以下の一般方法により調製することができる。例えば、LiHMDS/HMPAを使用してベンジルニトリルIIIを脱保護し、次いでタイプII(式中、Xは、臭化物またはヨウ化物であってよい。)の活性化ベンジル部分を添加することにより、中間体IVを得ることができる。中間体IVは、パラジウムにより触媒されるSuzukiカップリングを介し、適切なボロン酸Vを使用してVIIに変換することができる。最後に、ニトリルVIIを種々の条件(水素化、CoCl/NaBH、NiCl/NaBH)下で還元して化合物Iを得ることができる。代替的に、ベンジルニトリルIIIを、VIとのSuzukiカップリングを介してビアリールニトリルVIIIにホモログ化することができる。次いで、ビアリールを上記の通りベンジル化して先行中間体VIIを生成することができる。考えられる第3の経路は、CoCl/NaBHを使用してニトリルIVを選択的に還元し、次いで、得られたアミンをカルバミン酸t−ブチルとして保護してIXを提供することを含む。保護アミンIXは、パラジウムにより触媒されるピナコールジボランとのカップリングを使用して対応するボロン酸ピナコール誘導体Xに変換することができる。最後に、ボロン酸ピナコールXを適切な臭化アリールVとSuzukiカップリングさせ、次いでカルバミン酸t−ブチル保護基を脱保護することによりIを提供する。スキーム1に記載の第4の経路も、2段階手順において先行中間体IXを導くことができる。最初に、アルデヒドXIとベンジルニトリルIIIとのKnoevenagelタイプの縮合により不飽和類似体XIIを得ることができ、VIIを上記条件下で最終的に還元してIXを生じさせることができる。
【0060】
【化6】

【0061】
出発材料II、III、VおよびXIの例を以下に記載する:
【0062】
【表1】

【0063】
II.1;1,3−ジクロロ−2−{2−[4−(ヨードメチル)フェノキシ]エトキシ}−5−メチルベンゼン
段階1:2−(2,4−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エタノール
2,6−ジクロロ−4−メチルフェノール(1当量)、炭酸エチレン(1当量)およびイミダゾール(0.5%ローディング)を合わせ、150℃で4時間加熱して表題化合物を褐色油状物として得た。
【0064】
段階2:4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンズアルデヒド
前段階からの2−(2,4−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エタノール(1当量)および4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1当量)を、新たに脱酸素した3:1(v/v)トルエン:THF中で合わせた(0.3M)。次いで、この溶液に1,1’−(アゾジカルボニル)−ジピペリジン(1.2当量)を添加し、最後にトリブチルホスフィン(1.2当量)を添加した。得られた橙色溶液を80℃で4時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、エーテルにより希釈し、1N水性NaOHにより洗浄した。水性洗液をエーテルにより逆抽出し、合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥させた。濾液を濾過し、真空中で濃縮することにより、黄色半固体を得た。こうして得られた粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、Hex:EtOAc;0%から20%)を用いて精製することにより、表題化合物を白色針状物として得た。
【0065】
段階3:{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}メタノール
段階2からのアルデヒド(1当量)のTHF/MeOHの混合物中(2/1、0.21M)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(1.5当量)を分けて添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、1NのHClによりゆっくりとクエンチし、最後に真空中で濃縮した。残留水相をジエチルエーテルにより2回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を10%のEtO/Hex中で4時間撹拌し、次いで濾過することにより、所望のアルコールを白色結晶性固体として得た。
【0066】
段階4:表題化合物II.1
トリフェニルホスフィン(1.1当量)およびヨウ素(1.1当量)のCHCl中(0.12M)室温溶液に、段階3からのアルコール(1当量)およびイミダゾール(1.1当量)のCHCl中(0.12M)溶液を2時間にわたり添加した。最終混合物を室温で14時間撹拌した。得られた懸濁液にシリカゲルを添加し、混合物を真空中で蒸発させた。残留物をシリカゲルのパッド上に置き、Hex/EtOAc10%により溶出させることにより、蒸発後に表題化合物を白色固体として得た。
【0067】
II.2;1,3−ジクロロ−2−{2−[4−(ブロモメチル)フェノキシ]エトキシ}−5−メチルベンゼン
II.1の段階3からの{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}メタノール(1当量)のCHCl中(0.1M)室温溶液に、トリメチルシリルブロミド(1.05当量)のCHCl中(1.0M)溶液を添加した。最終混合物を室温で1時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。得られた懸濁液にシリカゲルを添加し、混合物を真空中で蒸発させた。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/EtO5%により溶出させて精製することにより所望の化合物を結晶性白色固体として得た。
【0068】
【表2】

【0069】
III.1;(4−ブロモ−2−メチルフェニル)アセトニトリル
段階1:(4−ブロモ−2−メチルフェニル)メタノール
ボランジメチルスルフィド錯体(2.5当量)を、市販の4−ブロモ−2−メチル安息香酸(1当量)のTHF中(0.3M)撹拌溶液に添加した。混合物を、凝縮器を用いずに3時間還流させ、SMeを排出させておいた。最終反応濃度は0.5Mであった。混合物を0℃に冷却し、HCl1Nをゆっくりと添加することによりクエンチした。得られた混合物をEtOにより抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して所望の材料を黄色固体として得た。
【0070】
段階2:4−ブロモ−1−(ブロモメチル)−2−メチルベンゼン
臭化水素酸(濃度、2当量)を、段階1からのアルコール(1当量)の酢酸中(0.22M)撹拌溶液に添加した。混合物を50℃で12時間撹拌し、室温に冷却し、水中に注ぎ、EtOにより抽出した。有機抽出物を水、水性炭酸水素ナトリウム(3×)、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して所望の臭化ベンジルを淡黄色固体として得た。
【0071】
段階3:(4−ブロモ−2−メチルフェニル)アセトニトリル
KCN(1.4当量)を、臭化ベンジルのDMF中(0.22M)および少量の水(1%)中撹拌溶液に添加した。懸濁液を80℃で72時間撹拌した。反応を小アリコートのNMRによりモニタリングした。最終混合物を室温に冷却し、水中に注ぎ、EtOにより抽出した。有機抽出物を水(2×)、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ヘキサン/EtOAc(5%、次いで10%)により溶出させて精製して表題化合物III.1を黄色固体として生じさせた。
【0072】
III.2;[4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトニトリル
段階1:4−ブロモ−1−(ブロモメチル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン
市販の4−ブロモ−1−メチル−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(1当量)、NBS(1.1当量)および過酸化ベンゾイルの触媒量のCCl中(0.21M)溶液を、150Wのスポットランプ下で室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hexにより溶出させて精製することにより所望の材料を油状物として得た。
【0073】
段階2:[4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトニトリル
段階1からの臭化ベンジル(1当量)およびKCN(1.1当量)のMeOH中(0.32M)混合物を、マイクロ波(Smith Creator;Personal Chemistry)に)80℃で20分間供した。混合物を室温に冷却し、濃縮し、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/EtOAc5%により溶出させて精製することにより表題化合物III.2をオフホワイト色固体として得た。
【0074】
III.3;(4−ブロモ−2−クロロフェニル)アセトニトリル
段階1:(4−ブロモ−2−クロロフェニル)メタノール
III.1の段階1に記載の手順により、市販の4−ブロモ−2−クロロ安息香酸から出発して調製した。所望の材料を、Hex中での粉砕による後処理に続き精製して白色固体を得た。
【0075】
段階2:4−ブロモ−1−(ブロモメチル)−2−クロロベンゼン
段階1からのベンジルアルコール(1当量)のCHCl中(0.1M)0℃溶液に、CBr(1.2当量)およびPPh(1.2当量)を添加した。混合物を室温で12時間撹拌し、濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hexにより溶出させて精製することにより所望の化合物をオフホワイト色固体として得た。
【0076】
段階3:(4−ブロモ−2−クロロフェニル)アセトニトリル
III.1の段階3に記載の手順により、段階2に記載の臭化ベンジルから出発して調製した。
【0077】
III.4:(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)アセトニトリル
III.1の段階2および3に記載の手順により、市販の(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)メタノールから出発して調製した。
【0078】
III.5:メチル2−ブロモ−5−(シアノメチル)ベンゾエート
段階1:メチル2−ブロモ−5−(ブロモメチル)ベンゾエート
III.2の段階1に記載の手順により、市販のメチル2−ブロモ−5−メチルベンゾエートから出発して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/EtOAc10%により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0079】
段階2:メチル2−ブロモ−5−(シアノメチル)ベンゾエート
III.2の段階2に記載の手順により、段階1からの臭化ベンジルから出発して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOからのCombi Flash)により、Hex/EtOPAc10%から30%により溶出させて精製することにより所望の化合物を白色固体として得た。
【0080】
【表3】


【0081】
V.1;3−(2−ブロモフェニル)プロパン−1−オール
ボラン−ジメチルスルフィド錯体(2.2当量)を、市販の3−(2−ブロモフェニル)プロパン酸(1当量)のTHF中(0.15M)撹拌溶液に添加した。混合物を、凝縮器を用いずに3時間還流させ、SMeを排出させておいた。最終反応濃度は0.3Mであった。混合物を0℃に冷却し、HCl1Nをゆっくりと添加することによりクエンチした。得られた混合物をEtOにより抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して所望の材料を黄色固体として得た。
【0082】
V.2;2−(2−ブロモフェニル)エチルメチルエーテル
市販の2−(2−ブロモフェニル)エタノール(1当量)のTHF/DMF中(4/1;0.12M)0℃溶液に、NaH(油中60%分散液;1.5当量)を添加した。次いで、混合物を30分間撹拌し、ヨードメタン(2当量)を添加した。最終混合物を室温で12時間撹拌し、飽和水性NHCl中に注ぎ、次いでEtOにより抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOからのCombi Flash)により、Hex/EtOAc0%から50%により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0083】
V.3;3−(2−ブロモフェニル)プロピルメチルエーテル
V.2に記載の手順により、アルコールV.1から出発して調製した。
【0084】
V.4;1−ヨード−2−(2−メトキシエトキシ)ベンゼン
市販の2−ヨードフェノール(1当量)および2−ブロモエチルメチルエーテル(1.1当量)のDMF中(0.21M)0℃溶液に、CsCO(1.5当量)を添加した。混合物を50℃で6時間撹拌し、室温に冷却し、水中に注ぎ、EtOにより抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/EtOAc10%により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0085】
V.5;1−ヨード−2−(3−メトキシプロポキシ)ベンゼン
V.4に記載の手順により調製したが、1−ブロモ−3−メトキシプロパンを出発材料として使用した。
【0086】
V.6:3−(2−ブロモフェニル)プロパンニトリル
市販の2−(2−ブロモフェニル)エタノール(1当量)のベンゼン中(0.064M)室温溶液に、アセトンシアノヒドリン(1.5当量)、1−1’(アゾジカルボニル)ジピペリジン(1.5当量)を添加し、次いで5分間にわたりトリフェニルホスフィン(1.5当量)を滴加した。混合物を室温で12時間撹拌し、ヘキサンにより希釈し(0.03M)、シリカゲルのパッド上で濾過した。所望の材料を含有する分画を合わせ、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から30%、30分間)により溶出させて2回目の精製を行うことにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0087】
V.7;2−(2−ブロモフェニル)エチルカルバメート
市販の2−(2−ブロモフェニル)エタノール(1当量)のベンゼン中(0.85M)室温溶液に、シアン酸ナトリウム(2.1当量)を添加し、次いでTFA(2.2当量)を滴加した。混合物を室温で6時間撹拌し、水性NaOH(1N)中に注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。EtO中での再結晶により、所望の化合物を白色固体として得た。
【0088】
V.8;4−(2−ブロモフェニル)ブタンニトリル
V.6に記載の手順により調製したが、V1を出発材料として使用した。
【0089】
V.9;3−(2−ブロモフェニル)プロピルカルバメート
V.7に記載の手順により調製したが、V1を出発材料として使用した。
【0090】
V.10;3−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)プロピルメチルエーテル
段階1:エチル3−(2−ブロモ−6−メチルフェニル)プロパノエート
市販のエチル(2E)−3−(2−ブロモ−6−メチルフェニル)アクリレート(1当量)のトルエン中(0.1M)還流溶液に、ベンゼンスルホニルヒドラジド(3当量)を添加した。反応混合物を3時間還流させ、室温に冷却し、EtOにより希釈した。有機相を水性の1NのNaOH、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から20%、30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0091】
段階2:3−(2−ブロモ−6−メチルフェニル)プロパン−1−オール
段階1からのエステル(1当量)のTHF中(0.07M)−78℃溶液に、DIBAL−H(2.1当量)を滴加した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、ゆっくりと0℃に加温し、水性の1NのHClによりクエンチし、最後にEtOにより希釈した。有機抽出物を水性の6NのHCl、水、飽和水性NaHCO、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から50%、30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0092】
段階3:3−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)プロピルメチルエーテル
V.2に記載の手順により、段階2に記載のアルコールから出発して調製した。
【0093】
V.11;3−(2−ブロモフェニル)プロパンアミド
市販の3−(2−ブロモフェニル)プロパン酸(1当量)のCHCl中(0.22M)室温溶液に、塩化オキサリル(16当量)およびDMFの触媒量を添加した。混合物を2時間撹拌し、トルエンにより希釈し(0.022M)、濃縮した。CHCl中で希釈した0℃の残留物(0.1M)に、アンモニア(ジオキサン中0.5M(3当量)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、濃縮し、水性NaOH1Nによりクエンチし、次いでEtOAcにより抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。Et2O/ヘキサン(1:1)中での再結晶により、所望の化合物を白色固体として得た。
【0094】
V.12;3−(2−ブロモフェニル)−N,N−ジメチルプロパンアミド
V.11に記載の手順により調製したが、THF中のジメチルアミン(2M)を試薬として使用した。
【0095】
V.13;N−(2−ブロモベンジル)アセトアミド
市販の1−(2−ブロモフェニル)メタンアミン塩酸塩(1当量)のCHCl中(0.3M)室温溶液に、トリエチルアミン(2.1当量)を添加し、次いで無水酢酸(1.1当量)を添加した。混合物を室温で6時間撹拌し、水性HCl(0.5N)中に注ぎ、CHClにより抽出した。有機抽出物をMgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して所望の化合物を白色固体として得た。
【0096】
V.14;N−[2−(2−ブロモフェニル)エチル]アセトアミド
V.13に記載の手順により調製したが、市販の2−(2−ブロモフェニル)エタンアミンを試薬として使用した。
【0097】
V.15;N−[3−(2−ブロモフェニル)プロピル]アセトアミド
段階1:3−(2−ブロモフェニル)プロパン−1−アミン
V.1に記載の手順により、アミドV11を出発材料として使用して調製した。
【0098】
段階2:3−(2−ブロモフェニル)プロパン−1−アミン
V.13に記載の手順により調製したが、段階1からのアミンを出発材料として使用した。
【0099】
V.16;2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−3−イルトリフルオロメタンスルホネート
段階1:3−メトキシ−2−(3−メトキシプロプ−1−イン−1−イル)ピリジン
市販の2−クロロ−3エトキシピリジン(1当量)のアセトアミド中(1.9M)溶液に、PdCl2(CH3CN)2(0.015当量)、Cs2CO3(2.4当量)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−6’−ジメトキシ−1−1’−ビフェニル(S−PHOS;0.044当量)を添加した。懸濁液を5分間超音波処理し、次いで3−メトキシプロプ−1−イン(1.7当量)を添加した。最終混合物を100℃で12時間撹拌し、室温に冷却し、ジエチルエーテルにより希釈した。有機分画を水、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、CHCl/アセトン5%により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0100】
段階2:3−メトキシ−2−(3−メトキシプロピル)ピリジン
段階1からのアルキンのEtOAc中(0.2M)溶液に、Pd/C10%(0.1当量)を添加した。混合物を水素雰囲気下で12時間撹拌した。混合物をセライト上で濾過し、濃縮して所望の化合物を黄色油状物として得た。
【0101】
段階3:2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−3−オール
段階2からのメトキシピリジンのDMF中(0.35M)溶液に、エタンチオール(3当量)およびNaH(60%分散液;3当量)を添加した。最終混合物を150℃で1時間撹拌し、室温に冷却し、飽和水性NHClによりクエンチし、EtO/EtOAc(1/1)により抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、CHCl/アセトン20%から50%により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0102】
段階4:2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−3−イルトリフルオロメタンスルホネート
段階3からのフェノールのCHCl中(0.13M)0℃溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(1.5当量)および無水トリフレート(1.1当量)を添加した。最終混合物を0℃で2時間撹拌し、飽和水性NaHCOによりクエンチし、EtOAcにより抽出した。有機抽出物をブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から75%、30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0103】
V.17;5−ブロモ−2−メトキシ−4−(3−メトキシプロピル)ピリジン
段階1:5−ブロモ−2−メトキシイソニコチンアルデヒド
ジイソプロピルアミンのTHF中(0.1M)0℃溶液に、n−BuLi(1.1当量)を添加した。溶液を30分間撹拌し、次いで市販の5−ブロモ−2−メトキシピリジンのTHF中(0.1M)−78℃溶液中にカニューレ添加した。得られた溶液を−78℃で30分間撹拌し、次いでDMF(1.5当量)を添加した。最終反応混合物を0℃に加温しておいてから、この混合物を飽和水性NHClによりクエンチし、次いでEtOAcにより抽出した。有機抽出物を飽和NaHCO、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から50%、30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を白色固体として得た。
【0104】
段階2:エチル(2E)−3−(5−ブロモ−2−メトキシピリジン−4−イル)アクリレート
段階1からの5−ブロモ−2−メトキシイソニコチンアルデヒド(1当量)およびホスホノ酢酸トリエチル(1.1当量)の0℃溶液に、カリウムtert−ブトキシド(THF中1.0M;1.1当量)を添加した。反応混合物を室温に加温しておき、1時間撹拌した。反応物を飽和水性NHClによりクエンチし、次いでEtOAcにより抽出した。有機抽出物を飽和NaHCO、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から50%、30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0105】
段階3:エチル3−(5−ブロモ−2−メトキシピリジン−4−イル)プロパノエート
段階2からのエチル(2E)−3−(5−ブロモ−2−メトキシピリジン−4−イル)アクリレート(1当量)のトルエン中(0.23M)110℃溶液に、ベンゼンスルホニルヒドラジド(3当量)を添加した。反応混合物を110℃で3時間撹拌し、室温に冷却し、EtOにより希釈した。有機相を飽和NaOH(1N)、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から50%、30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0106】
段階4:3−(5−ブロモ−2−メトキシピリジン−4−イル)プロパン−1−オール
段階3からのエチル3−(5−ブロモ−2−メトキシピリジン−4−イル)プロパノエート(1当量)のTHF中(0.18M)−78℃溶液に、DIBAH(2.5当量)を添加した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで0℃で2時間撹拌した。反応物をHCl(1N)により0℃でクエンチし、次いでEtOにより希釈した。有機抽出物を水、飽和NaHCO、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から75%、30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0107】
段階5:5−ブロモ−2−メトキシ−4−(3−メトキシプロピル)ピリジン(V.17)
段階4からの3−(5−ブロモ−2−メトキシピリジン−4−イル)プロパン−1−オール(1当量)のDMF中(0.16M)0℃溶液に、NaH(油中60%分散液;1.1当量)を添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いでヨードメタン(1.05当量)を添加し、最終混合物を室温で3時間撹拌した。反応物を飽和水性NHClによりクエンチし、次いでEtOにより抽出した。有機抽出物を水、飽和NaHCO、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から50%、30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0108】
(実施例1)
2−(2’−クロロ−3−メチル−ビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチル−フェノキシ)−エトキシ]−フェニル}−プロピルアミン
【0109】
【化7】

【0110】
段階1:(2’−クロロ−3−メチルビフェニル−4−イル)メタノール
ベンジルニトリルIII.1(段階1)からの(4−ブロモ−2−メチルフェニル)メタノール(1当量)および2−クロロフェニルボロン酸(1.2当量)のn−プロパノール中(0.1M)溶液に、酢酸パラジウム/トリフェニルホスフィン(1:3;0.05当量)および水性NaCO(2M;3当量)を添加した。混合物を80℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、水中に注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機抽出物をブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から75%、30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0111】
段階2:(2’−クロロ−3−メチルビフェニル−4−イル)メチルメタンスルホネート
段階1からの(2’−クロロ−3−メチルビフェニル−4−イル)メタノールのCHCl中(0.13M)0℃溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(1.5当量)を添加し、次いで塩化メタンスルホニル(1.1当量)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、水中に注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して表題化合物を得、この化合物を次の段階にこのまま使用した。
【0112】
段階3:(2’−クロロ−3−メチルビフェニル−4−イル)アセトニトリル
KCN(1.1当量)を、段階2からの(2’−クロロ−3−メチルビフェニル−4−イル)メチルメタンスルホネート(1当量)のDMF中(0.13M)撹拌溶液に添加した。懸濁液を80℃で12時間撹拌した。最終混合物を室温に冷却し、水中に注ぎ、EtOにより抽出した。有機抽出物を水(2×)、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から50%、30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物をベージュ色固体として得た。
【0113】
段階4:2−(2’−クロロ−3−メチルビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル
段階1からの(2’−クロロ−3−メチルビフェニル−4−イル)アセトニトリル(1当量)のTHF中(0.10M)−78℃溶液に、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA;4当量)を添加し、次いでリチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS;1.2当量)を添加した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌した。得られた溶液に、1,3−ジクロロ−2−{2−[4−(ヨードメチル)フェノキシ]エトキシ}−5−メチルベンゼン(II.1;1.05当量)の溶液を10分間にわたりカニューレ添加した。最終混合物を0℃にゆっくり加温しておき、さらに2時間撹拌し、飽和水性NHCl中に注ぎ、最後にEtOAcにより抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から20%、30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0114】
段階5:実施例1
段階4からの2−(2’−クロロ−3−メチルビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル(1当量)のMeOH/THF中(4:1;0.08M)室温溶液に、塩化第一コバルト六水和物(CoCl.6HO;2当量)を添加し、次いで水素化ホウ素ナトリウム(10当量)を分けて添加した。最終黒色混合物を室温で12時間撹拌し、水性NaOH(1N)中に注ぎ、EtOAcにより希釈した。沈殿物をセライト上で濾別し、有機抽出物を飽和水性NaHCO、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、CHCl/MeOH(NH 2M)4%により溶出させて精製することにより表題化合物を無色油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.52−7.48(m,1H);7.40−7.25(m,6H);7.11(s,2H);6.98(d,2H);6.80(d,2H);4.39−4.32(m,4H);3.35(m,1H);3.10(m,2H);3.0−2.75(m,4H);2.30(s,3H);2.20(s,3H)。
【0115】
(実施例2)
3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(2−メトキシエチル)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロパン−1−アミン
【0116】
【化8】

【0117】
段階1:2−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル
実施例1の段階4に記載の手順により、(4−ブロモ−2−メチルフェニル)アセトニトリル(III.1)を出発材料として使用して調製した。
【0118】
段階2:tert−ブチル(2−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメート
段階1からの2−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル(1当量)のMeOH/THF中(6:1;0.2M)室温溶液に、塩化第一コバルト六水和物(CoCl.6HO;2当量)を添加し、次いで水素化ホウ素ナトリウム(5当量)を30分間にわたり分けて添加した。最終黒色混合物を室温で3時間撹拌し、水性の1NのHCl中に注ぎ、濃縮した(初期容量の1/3)。得られた沈殿物を濾過し、EtOAc中で懸濁させ、混合物を水性NaOH(1N)により中和(pH=10)した。有機抽出物をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。CHCl中に溶解させた残留物(0.2M)に、ジイソプロピルエチルアミン(4当量)および二炭酸ジ−tert−ブチル(2当量)を添加した。混合物を室温で12時間撹拌し、水性HCl(1N)中に注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/EtOAc(10%および15%)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0119】
段階3:[2−(2−メトキシエチル)フェニル]ボロン酸
2−(2−ブロモフェニル)エチルメチルエーテル(V.2;1当量)のTHF中(0.16M)−78℃溶液に、n−ブチルリチウム(2.5M;1.1当量)を添加した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いでトリイソ−プロピルボレート(1.2当量)を添加し、最終混合物を室温にゆっくりと加温しておき、1時間撹拌した。反応物を水性HCl(1N)の添加によりクエンチし、EtOAcにより抽出した。有機抽出物をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して所望の材料を泡状物として得、この材料をこのまま使用した。
【0120】
段階4:tert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(2−メトキシエチル)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメート
実施例1の段階1に記載の手順により、段階3からの[2−(2−メトキシエチル)フェニル]ボロン酸および段階2からのtert−ブチル(2−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。
【0121】
段階5:実施例2
段階4からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(2−メトキシエチル)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメート(1当量)のCHCl中(0.06M)室温溶液に、ジオキサン中HCl4M(30当量)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで濃縮乾固した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、CHCl/MeOH(NH 2M)4%より溶出させて精製することにより表題化合物を無色油状物として得た。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ 7.46−7.20(m,6H);7.22−7.12(m,2H);7.07−6.97(m,3H);6.81(d,2H);4.39−4.32(m,4H);3.60(s,3H);3.55−3.45(m,2H);3.31−3.19(m,1H);3.0−2.75(m,6H);2.45(t,2H);2.32(s,3H);2.20(s,3H)。
【0122】
(実施例3)
3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロパン−1−アミン
【0123】
【化9】

【0124】
段階1:[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]ボロン酸
実施例2の段階3に記載の手順により、3−(2−ブロモフェニル)プロピルメチルエーテル(V.3)を出発材料として使用して調製した。
【0125】
段階2:tert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメート
実施例1の段階1に記載の手順により、段階1からの[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]ボロン酸および実施例2の段階2からのtert−ブチル(2−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。
【0126】
段階3:実施例3
実施例2の段階5に記載の手順により、段階2からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ 7.42(d,1H);7.33−7.18(m,5H);7.14(m,2H);7.04−6.97(m,3H);6.80(d,2H);4.34(dd,4H);3.61−3.45(m,3H);3.27−3.19(m,3H);3.17(s,3H);2.95−2.80(m,3H);2.67(m,2H);2.30(s,3H);2.17(s,3H);1.73−1.65(m,2H)。
【0127】
(実施例4)
3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(2−メトキシエトキシ)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロパン−1−アミン
【0128】
【化10】

【0129】
段階1:[2−(2−メトキシエトキシ)フェニル]ボロン酸
実施例2の段階3に記載の手順により、1−ヨード−2−(2−メトキシエトキシ)ベンゼン(V.4)を出発材料として使用して調製した。
【0130】
段階2:tert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(2−メトキシエトキシ)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメート
実施例1の段階1に記載の手順により、段階1からの[2−(2−メトキシエトキシ)フェニル]ボロン酸および実施例2の段階2からのtert−ブチル(2−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。
【0131】
段階3:実施例4
実施例2の段階5に記載の手順により、段階2からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(2−メトキシエトキシ)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ 7.40(s,2H)、7.34(d,2H)、7.29(dd,1H)、7.25(s,2H)、7.09−7.00(m,4H)、6.81(d,2H)、4.38−4.32(m,4H)、4.13(t,2H)、3.67(t,2H)、3.56(m,1H)、3.46(m,2H)、3.32(s,3H)、3.20(dd,1H)、2.87(dd,1H)、2.32(s,3H)、2.22(s,3H)。LRMS ESI[M+H];594.0
【0132】
(実施例5)
3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロパン−1−アミン
【0133】
【化11】

【0134】
段階1:[2−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]ボロン酸
実施例2の段階3に記載の手順により、1−ヨード−2−(3−メトキシプロポキシ)ベンゼン(V.5)を出発材料として使用して調製した。
【0135】
段階2:tert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(2−メトキシエトキシ)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメート
実施例1の段階1に記載の手順により、段階1からの[2−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]ボロン酸および実施例2の段階2からのtert−ブチル(2−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。
【0136】
段階3:実施例5
実施例2の段階5に記載の手順により、段階2からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ 7.41(d,1H)、7.36(d,1H)、7.32−7.24(m,5H)、7.08−7.04(m,4H)、7.01(t,1H)、6.81(d,1H)、4.38−4.32(m,4H)、4.07(t,2H)、3.57−3.54(m,1H)、3.49−3.46(m,4H)、3.27(s,3H)、3.21(dd,1H)、2.89(dd,1H)、2.31(s,3H)、2.22(s,3H)、1.97−1.92(m,2H)。LRMS ESI[M+H];608.0
【0137】
(実施例6)
2−(2’−クロロビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパン−1−アミン
【0138】
【化12】

【0139】
段階1:2−(4−ブロモフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル
実施例1の段階4に記載の手順により、市販の(4−ブロモフェニル)アセトニトリルおよび1,3−ジクロロ−2−{2−[4−(ブロモメチル)フェノキシ]エトキシ}−5−メチルベンゼン(II.2)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/EtOAc15%により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0140】
段階2:2−(2’−クロロビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル
段階1からの2−(4−ブロモフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル(1当量)、2−クロロフェニルボロン酸(2当量)のn−プロパノール:ジオキサン中(1:2;0.17M)室温溶液に、酢酸パラジウム/トリフェニルホスフィン(1:3;0.05当量)および水性NaCO(2M;4当量)を添加した。混合物をマイクロ波(Smith Creator;Personal Chemistry)中で150℃で30分間撹拌し、室温に冷却し、水中に注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/EtOAc5%により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0141】
段階3:実施例6
実施例1の段階5に記載の手順により、段階2からの2;2−(2’−クロロビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリルを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d)δ 7.52(d,1H)、7.3−7.51(m,7H)、7.25(s,2H)、7.08(d,2H)、6.81(d,2H)、4.3−4.4(m,4H)、2.7−3.1(m,5H)、2.3(s,3H)。LRMS ESI[M+H];540.1
【0142】
(実施例7)
2−(2’−クロロ−3−フルオロビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパン−1−アミン
【0143】
【化13】

【0144】
段階1:2−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル
実施例1の段階4に記載の手順により、市販の(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アセトニトリルおよび1,3−ジクロロ−2−{2−[4−(ヨードメチル)フェノキシ]エトキシ}−5−メチルベンゼン(II.1)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/Tol50%により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0145】
段階2:2−(2’−クロロビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル
段階1からの2−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル(1当量)および2−クロロフェニルボロン酸(2当量)のtert−ブタノール中(0.16M)室温溶液に、酢酸パラジウム/トリフェニルホスフィン(1:3;0.05当量)および水性NaCO(2M;4当量)を添加した。混合物を80℃で12時間撹拌し、室温に冷却し、水中に注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機抽出物をブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/Tol(55%から65%)により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0146】
段階3:実施例7
実施例1の段階5に記載の手順により、段階2からの2;2−(2’−クロロビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリルを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d)δ 7.05−7.6(m,11H)、6.82(d,2H)、4.3−4.4(m,4H)、2.8−3.65(m,5H)、2.30(s,3H)。LRMS ESI[M+H];558.0
【0147】
(実施例8)
2−(2’−クロロ−3−メトキシビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパン−1−アミン
【0148】
【化14】

【0149】
段階1:2−(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル
実施例1の段階4に記載の手順により、(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)アセトニトリル(III.4)および1,3−ジクロロ−2−{2−[4−(ヨードメチル)フェノキシ]エトキシ}−5−メチルベンゼン(II.1)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/Tol50%から75%により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0150】
段階2:2−(2’−クロロ−3−メトキシビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル
実施例7の段階2に記載の手順により、段階1からの2−(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリルを出発材料として使用して調製した。
【0151】
段階3:実施例8
実施例1の段階5に記載の手順により、段階2からの2−(2’−クロロ−3−メトキシビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリルを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d)δ 7.2−7.6(m,7H)、6.8−7.1(m,6H)、4.3−4.4(m,4H)、3.84(s,3H)、2.8−3.75(m,5H)、2.30(s,3H)。LRMS ESI[M+H];570.1
【0152】
(実施例9)
メチル3−[4’−(2−アミノ−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−3’−メチルビフェニル−2−イル]プロパノエート
【0153】
【化15】

【0154】
段階1:tert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメート
実施例2;段階2からのtert−ブチル(2−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメート(1当量)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.1当量)のDMF中(0.08M)溶液に、パラジウムジクロリドジフェニルホスフィノフェロセン(PdCl(dppf);0.05当量)および無水酢酸カリウム(3当量)を添加した。混合物を70℃で12時間撹拌し、次いで追加量のPdCl(pddf)(0.025当量)およびKOAc(1.5当量)を添加した。得られた混合物を70℃でさらに12時間撹拌し、室温に冷却し、EtOAcにより希釈し(0.02M)、シリカゲルのプラグ上で濾過した。得られた溶液を濃縮し、水中に注ぎ、EtO/EtOAc(3/1)により抽出した。有機抽出物を水(2×)、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/EtOAc(10−20%)により溶出させて迅速に精製することにより所望の化合物を泡状物として得た。
【0155】
段階2:メチル3−[4’−(2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−3’−メチルビフェニル−2−イル]プロパノエート
実施例1の段階1に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよび市販のメチル3−(2−ブロモフェニル)プロパノエートを出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から50% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を泡状物として得た。
【0156】
段階3:実施例9
実施例2の段階5に記載の手順により、段階2からのメチル3−[4’−(2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−3’−メチルビフェニル−2−イル]プロパノエートを出発材料として使用して調製した。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ 7.46−7.20(m,6H);7.22−7.12(m,2H);7.07−6.97(m,3H);6.81(d,2H);4.39−4.32(m,4H);3.60(s,3H);3.55−3.45(m,2H);3.31−3.19(m,1H);3.0−2.75(m,6H);2.45(t,2H);2.32(s,3H);2.20(s,3H)。
【0157】
(実施例10)
2−(2’,3−ジクロロビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパン−1−アミン
【0158】
【化16】

【0159】
段階1:2−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル
実施例1の段階4に記載の手順により、(4−ブロモ−2−クロロフェニル)アセトニトリル(III.3)および1,3−ジクロロ−2−{2−[4−(ヨードメチル)フェノキシ]エトキシ}−5−メチルベンゼン(II.1)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/Tol(50%から75%)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0160】
段階2:2−(2’,3−ジクロロビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル
実施例7の段階2に記載の手順により、段階1からの2−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリルを出発材料として使用して調製した。
【0161】
段階3:実施例10
実施例1の段階5に記載の手順により、段階2からの2−(2’,3−ジクロロビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリルを出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、CHCl/MeOH(NH3 2M)2%により溶出させて精製することにより表題化合物を無色油状物として得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ 7.4−7.6(m,7H)、7.27(s,2H)、7.1(d,2H)、6.85(d,2H)、4.3−4.4(m,4H)、2.9−3.7(m,5H)、2.30(s,3H)。LRMS ESI[M+H];575.8
【0162】
(実施例11)
3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[6−[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]プロパン−1−アミン
【0163】
【化17】

【0164】
段階1:メチル6−[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)ニコチネート
実施例1の段階1に記載の手順により、市販のメチル6−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ニコチネートおよび実施例3の段階1からの[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]ボロン酸を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/EtOAc10%により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0165】
段階2:[6−[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メタノール
段階1からのメチル6−[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)ニコチネート(1当量)のMeOH中(0.14M)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(9.3当量)を分けて添加した。混合物を65℃で12時間撹拌し、室温に冷却し、水中に注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機抽出物をブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/EtOAc20%により溶出させて精製することにより所望の化合物を油状物として得た。
【0166】
段階3:5−(ブロモメチル)−2−[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)ピリジン
段階2からの[6−[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メタノール(1当量)のCHCl中(0.1M)0℃溶液に、1−2ビス(ジフェニルホスフィン)エタン(1当量)およびCBr(1当量)を添加した。混合物を0℃で45分間撹拌し、Hex/EtOAc10%により希釈し、セライト中で濾過し、濃縮することにより、所望の化合物を油状物として得た。
【0167】
段階4:[6−[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]アセトニトリル
段階1からの5−(ブロモメチル)−2−[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)ピリジン(1当量)およびKCN(5当量)のMeOH中(0.08M)混合物を、室温で48時間撹拌した。混合物を濃縮し、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/EtOAc30%により溶出させて精製することにより表題の所望材料をオフホワイト色固体として得た。
【0168】
段階5:3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[6−[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]プロパンニトリル
実施例1の段階4に記載の手順により、段階4からの[6−[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]アセトニトリルを出発材料として使用して調製した。
【0169】
段階6:実施例11
段階5からの3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[6−[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]プロパンニトリル(1当量)のEtOH中(0.05M)0℃溶液に、塩化ニッケル(NiCl;1当量)を添加し、次いで水素化ホウ素ナトリウム(3当量)を分けて添加した。最終混合物を室温で2時間撹拌し、濃縮アンモニア中に注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、EtOAc/MeOH(NH 2M)10%により溶出させて精製することにより表題化合物を無色油状物として得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ 8.91(s,1H)、7.63(s,1H)、7.44−7.32(m,4H)、7.19(s,2H)、7.02(d,2H)、6.80(d,2H)、4.34−4.27(m,4H)、3.56−3.49(m,1H)、3.27−3.15(m,6H)、3.11(d,2H)、3.06−2.99(m,1H)、2.80−2.70(m,2H)、2.29(s,3H)、1.71−1.64(m,2H)。
【0170】
(実施例12)
3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3,6’−ジメチルビフェニル−4−イル]プロパン−1−アミン
【0171】
【化18】

【0172】
段階1:[2−(3−メトキシプロピル)−6−メチルフェニル]ボロン酸
実施例2の段階3に記載の手順により、3−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)プロピルメチルエーテル(V.10)を出発材料として使用して調製した。所望の材料をHex/EtOAc中での結晶化により精製した。
【0173】
段階2:tert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3,6’−ジメチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメート
実施例2の段階2からのtert−ブチル(2−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメート(1当量)および段階1からの[2−(3−メトキシプロピル)−6−メチルフェニル]ボロン酸(1.1当量)の1−2ジメトキシエタン/水中(6/1;0.1M)室温溶液に、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(0.05当量)および水酸化バリウム(1.5当量)を添加した。混合物を80℃で5時間撹拌し、室温に冷却し、水中に注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機抽出物をブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から70% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0174】
段階3:実施例12
実施例2の段階5に記載の手順により、段階2からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3,6’−ジメチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメート)を出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ 7.45−7.37(m,1H);7.25(s,2H);7.20−7.07(m,3H);7.05−6.95(m,3H);6.83−6.76(m,3H);4.38−4.31(m,4H);3.62−3.45(m,4H);3.28−3.13(m,6H);2.95−2.80(m,3H);2.44−2.37(m,2H);2.31(s,3H);2.10(s,3H);1.99(s,3H);1.66−1.59(m,2H)。
【0175】
(実施例13)
3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−イル]プロパン−1−アミン
【0176】
【化19】

【0177】
段階1:2−[4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリル
実施例1の段階4に記載の手順により、[4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトニトリル(III.2)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から15% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0178】
段階2:3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−イル]プロパンニトリル
実施例7の段階2に記載の手順により、段階1からの2−[4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパンニトリルおよび実施例3の段階1からの[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]ボロン酸を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(5%から10% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0179】
段階3:実施例13
実施例11の段階6に記載の手順により、段階2からの3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−イル]プロパンニトリルを出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、EtOAc/MeOH5%により溶出させて精製することにより所望の化合物を泡状物として得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ 7.71(d,1H)、7.59(d,1H)、7.54−7.53(m,1H)、7.35−7.33(m,2H)、7.30−7.25(m,1H)、7.21−7.18(m,3H)、7.05−7.015(m,2H)、6.82−6.79(m,2H)、4.35−4.29(m,4H)、3.54−3.46(m,1H)、3.26−3.22(m,2H)、3.21(s,3H)、3.06−2.99(m,3H)、2.94(dd,1H)、2.66−2.62(m,2H)、2.30(s,3H)、1.70−1.63(m,2H)。LRMS ESI[M+1};645.9
【0180】
(実施例14)
3−[4’−(2−アミノ−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−3’−メチルビフェニル−2−イル]プロパンニトリル
【0181】
【化20】

【0182】
段階1:tert−ブチル(2−[2’−(2−シアノエチル)−3−メチルビフェニル−4−イル]−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル}カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよび3−(2−ブロモフェニル)プロパンニトリル(V.6)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0183】
段階2:実施例14
段階1からのtert−ブチル(2−[2’−(2−シアノエチル)−3−メチルビフェニル−4−イル]−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル}カルバメート(1当量)のアセトニトリル中(0.05M)室温溶液に、ヨードトリメチルシラン(2当量)を添加した。反応混合物を室温で10分間撹拌し、飽和水性NaHCO中に注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機抽出物をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、CHCl/MeOH(NH 2M)4%により溶出させて精製することにより表題化合物を泡状物として得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ 7.38−7.25(m,5H)、7.16(dd,1H)、7.13(s,2H)、7.03(d,1H)、6.98(d,2H)、6.84(d,2H)、4.38−4.32(m,4H)、3.34−3.30(m,1H)、3.10−2.94(m,3H)、3.01(t,2H)、2.81(dd,1H)、2.37(t,2H)、2.30(s,3H)、2.19(s,3H)。LRMS ESI[M+H];572.9
【0184】
(実施例15)
3−[4’−(2−アミノ−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−3’−メチルビフェニル−2−イル]ブタンニトリル
【0185】
【化21】

【0186】
段階1:tert−ブチル(2−[2’−(2−シアノプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよび3−(2−ブロモフェニル)ブタンニトリル(V.8)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0187】
段階2:実施例15
実施例14の段階2に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル(2−[2’−(2−シアノプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,CDCl):δ 7.34−7.23(m,5H)、7.17(dd,1H)、7.12(s,2H)、7.02(d,1H)、6.99(d,2H)、6.82(d,2H)、4.38−4.31(m,4H)、3.36−3.31(m,1H)、3.09−3.03(m,2H)、2.94(dd,1H)、2.86−2.77(m,3H)、2.30(s,3H)、2.21(s,3H)、2.18(t,2H)。1.79−1.71(m,2H)。LRMS ESI[M+H];587.1
【0188】
(実施例16)
3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−[2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−3−イル]−2−メチルフェニル}プロパン−1−アミン
【0189】
【化22】

【0190】
段階1:tert−ブチル(3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−[2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−3−イル]−2−メチルフェニル}プロピル)カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよび2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−3−イルトリフルオロメタンスルホネート(V.16)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0191】
段階2:実施例16
実施例2の段階5に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル(3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−[2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−3−イル]−2−メチルフェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.54(td,1H)、7.53−7.49(m,1H)、7.34−7.28(m,1.H)、7.18(dd,2H)、7.11(s,2H)、7.04(s,1H)、7.01−6.93(m,2H)、6.80(dd,2H)、4.38−4.31(m,4H)、3.36(t,2H)、3.36−3.19(m,4H)、3.05(d,2H)、2.97−2.74(m,4H)、2.29(s,3H)、2.19(s,3H)、2.07−1.83(m,2H)。
【0192】
(実施例17)
2−[4’−(2−アミノ−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−3’−メチルビフェニル−2−イル]エタノール
【0193】
【化23】

【0194】
段階1:tert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよび市販の2−(2−ブロモフェニル)エタノールを出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0195】
段階2:実施例17
実施例2の段階5に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,CDCl):δ 7.38−7.24(m,5H)、7.19(dd,1H)、7.12(s,2H)、7.05(d,1H)、6.96(d,2H)、6.79(d,2H)、4.38−4.29(m,4H)、3.68(t,2H)、3.29−3.21(m,1H)、3.04−3.02(m,2H)、2.89(t,2H)、2.87−2.70(m,1H)、2.78(dd,1H)、2.28(s,3H)、2.15(s,3H)。LRMS ESI[M+H];564.0
【0196】
(実施例18)
2−[4’−(2−アミノ−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−3’−メチルビフェニル−2−イル]プロパン−1−オール
【0197】
【化24】

【0198】
段階1:tert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよび市販の3−(2−ブロモフェニル)プロパン−1−オールを出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0199】
段階2:実施例18
実施例2の段階5に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2’−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロピル}カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ 7.31−7.18(m,6H)、7.12(s,2H)、7.04(d,1H)、6.95(d,2H)、6.79(d,2H)、4.38−4.28(m,4H)、3.44(t,2H)、3.43−3.38(m,1H)、3.16−3.08(m,2H)、2.91(dd,1H)、2.81(dd,1H)、2.69(t,2H)、2.30(s,3H)、2.16(s,3H)、1.69−1.61(m,2H)。LRMS ESI[M+H];577.9
【0200】
(実施例19)
2−[4’−(2−アミノ−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−3’−メチルビフェニル−2−イル]エチルカルバメート
【0201】
【化25】

【0202】
段階1:tert−ブチル(2−(2’−{2−[(アミノカルボニル)オキシ]エチル}−3−メチルビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよび2−(2−ブロモフェニル)エチルカルバメート(V.7)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0203】
段階2:実施例19
実施例2の段階5に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル(2−(2’−{2−[(アミノカルボニル)オキシ]エチル}−3−メチルビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,CDCl):δ 7.32−7.24(m,5H)、7.19(d,1H)、7.13(s,2H)、7.05(d,1H)、6.97(d,2H)、6.80(d,2H)、4.38−4.30(m,4H)、4.05−3.98(m,2H)、3.41−3.35(m,1H)、3.12(dd,1H)、3.07(dd,1H)、2.99−2.80(m,4H)、2.29(s,3H)、2.18(s,3H)。LRMS ESI[M+H];606.9
【0204】
(実施例20)
2−[4’−(2−アミノ−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−3’−メチルビフェニル−2−イル]プロピルカルバメート
【0205】
【化26】

【0206】
段階1:tert−ブチル(2−(2’−{2−[(アミノカルボニル)オキシ]プロピル}−3−メチルビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよび2−(2−ブロモフェニル)プロピルカルバメート(V.9)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0207】
段階2:実施例20
実施例2の段階5に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル(2−(2’−{2−[(アミノカルボニル)オキシ]プロピル}−3−メチルビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.32−7.22(m,5H)、7.19(d,1H)、7.11(s,2H)、7.06(d,1H)、6.97(d,2H)、6.81(d,2H)、4.91(br s,2H)、4.39−4.31(m,4H)、3.95−3.84(m,2H)、3.39−3.33(m,1H)、3.13−3.05(m,2H)、2.90(dd,1H)、2.82(dd,1H)、2.79−2.58(m,2H)、2.30(s,3H)、2.18(s,3H)、1.73−1.62(m,2H)。LRMS ESI[M+H];620.9
【0208】
(実施例21)
3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−[2−(3−メトキシプロピル)−1−オキシドピリジン−3−イル]−2−メチルフェニル}プロパン−1−アミン
【0209】
【化27】

【0210】
段階1:tert−ブチル(3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−[2−(3−メトキシプロピル)−1−オキシドピリジン−3−イル]−2−メチルフェニル}プロピル)カルバメート
実施例16の段階1からのtert−ブチル(3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−[2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−3−イル]−2−メチルフェニル}プロピル)カルバメート(1当量)のCHCl中(0.03M)室温溶液に、m−クロロペルオキシ安息香酸(1.1当量)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、飽和水性NaHCO中に注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機抽出物を飽和水性NaHCO、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、CHCl/MeOH5%により溶出させて精製することにより表題化合物を泡状物として得た。
【0211】
段階2:実施例21
実施例2の段階5に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル(3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−[2−(3−メトキシプロピル)−1−オキシドピリジン−3−イル]−2−メチルフェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d)δ 8.20(m,1H)、7.50(m,1H)、7.32−7.22(m,3H)、7.18(m,1H)、7.11(s,1H)、7.04(m,3H)、6.80(m,2H)、4.38−4.31(m,4H)、3.6−3.45(m,3H)、3.35−3.25(m,2H)、3.18(m,3H)、2.97−2.74(m,4H)、2.29(s,3H)、2.19(s,3H)、1.9−1.83(m,2H)。
【0212】
(実施例22)
メチル4−(2−アミノ−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−2’−(3−メトキシプロピル)ビフェニル−2−カルボキシレート
【0213】
【化28】

【0214】
段階1:メチル2−ブロモ−5−(ブロモメチル)ベンゾエート
III.2の段階1に記載の手順により、市販のメチル2−ブロモ−5−メチルベンゾエートを出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から10% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得、この化合物を冷却により結晶化した。
【0215】
段階2:メチル2−ブロモ−5−(シアノメチル)ベンゾエート
III.2の段階2に記載の手順により、段階1からのメチル2−ブロモ−5−(ブロモメチル)ベンゾエートを出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から20% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を白色固体として得た。
【0216】
段階3:メチル2−ブロモ−5−(1−シアノ−2−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}エチル)ベンゾエート
実施例1の段階4に記載の手順により、段階2からの2;メチル2−ブロモ−5−(シアノメチル)ベンゾエートを出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/EtOAc10%により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0217】
段階4:メチル4−(1−シアノ−2−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}エチル)−2’−(3−メトキシプロピル)ビフェニル−2−カルボキシレート
実施例7の段階2に記載の手順により、段階3からのメチル2−ブロモ−5−(1−シアノ−2−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}エチル)ベンゾエートおよび実施例3の段階1からの[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]ボロン酸を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、Hex/EtOAc(5%、次いで10%)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0218】
段階5:実施例22
実施例11の段階6に記載の手順により、段階4からのメチル4−(1−シアノ−2−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}エチル)−2’−(3−メトキシプロピル)ビフェニル−2−カルボキシレートを出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、EtOAc/MeOH10%により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た(1:1の回転異性体混合物)。H NMR(500MHz,CDOD):δ 7.78(d,0.5H)、7.65(d,0.5H)、7.45(dd,0.5H)、7.31(dd,0.5H)、7.29−7.25(m,2H)、7.23−7.13(m,4H)、7.03−6.97(m,3H)、6.82−6.78(m,2H)、4.35−4.27(m,4H)、3.562(s,1.5H)、3.54(s,1.5H)、3.24−3.18(m,5H)、3.12−3.01(m,4H)、2.88−2.80(m,1H)、2.56−2.46(m,1H)、2.45−2.37(m,1H)、2.30(s,3H)、1.66−1.57(m,2H)。
【0219】
(実施例23)
3−[4’−(2−アミノ−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−3’−メチルビフェニル−2−イル]プロパンアミド
【0220】
【化29】

【0221】
段階1:tert−ブチル(2−(2’−{2−[(アミノカルボニル)オキシ]プロピル}−3−メチルビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよび3−(2−ブロモフェニル)プロパンアミド(V.11)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0222】
段階2:実施例23
実施例2の段階5に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル(2−(2’−{2−[(アミノカルボニル)オキシ]プロピル}−3−メチルビフェニル−4−イル)−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,C):δ 7.34−7.29(m,5H)、7.22(d,1H)、7.16(s,2H)、7.07(s,1H)、7.01(d,2H)、6.85(d,2H)、5.61(br s,1H)、5.37(br s,1H)、4.40−4.35(m,4H)、3.40−3.32(m,1H)、3.15−2.95(m,5H)、2.85(dd,1H)、2.33(s,3H)、2.28(t,2H)、2.22(s,3H)。
【0223】
(実施例24)
3−[4’−(2−アミノ−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−3’−メチルビフェニル−2−イル]−N−N−ジメチルプロパンアミド
【0224】
【化30】

【0225】
段階1:tert−ブチル(3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{2’−[3−(ジメチルアミノ)−3−オキソプロピル]−3−メチルビフェニル−4−イル}プロピル)カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよび3−(2−ブロモフェニル)−N,N−ジメチルプロパンアミド(V.12)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0226】
段階2:実施例24
実施例2の段階5に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル(3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{2’−[3−(ジメチルアミノ)−3−オキソプロピル]−3−メチルビフェニル−4−イル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,C):δ 7.40−7.22(m,6H)、7.16(s,2H)、7.03(s,1H)、7.02(d,2H)、6.85(d,2H)、4.40−4.35(m,4H)、3.45−3.41(m,1H)、3.15−3.07(m,2H)、3.01−2.94(m,3H)、2.91(s,3H)、2.87(dd,1H)、2.74(s,3H)、2.41(t,2H)、2.33(s,3H)、2.24(s,3H)。
【0227】
(実施例25)
4−(2−アミノ−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−2’−(3−メトキシプロピル)ビフェニル−2−カルボン酸
【0228】
【化31】

【0229】
メチル4−(2−アミノ−1−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]ベンジル}エチル)−2’−(3−メトキシプロピル)ビフェニル−2−カルボキシレート(1.0当量;実施例22)のTHF/MeOH中(1/1;0.09M)溶液に、水性水酸化ナトリウム(1N;3当量)を添加した。混合物をマイクロ波(Smith Creator;Personal Chemistry)中で)120℃で80分間撹拌した。得られた混合物を室温に冷却し、過剰の酢酸によりクエンチし、濃縮した。残留物をEtOAcにより希釈し、水、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、CHCl/MeOH(NH;2M)5%により溶出させて精製することにより表題化合物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.50(br s,0.5H)、7.44(br s,0.5H)、7.25−7.11(m,6H)、7.11−7.03(m,4H)、6.87−6.81(m,2H)、4.36−4.27(m,4H)、3.30−3.21(m,8H)、3.01−2.91(m,2H)、2.65−2.53(m,2H)、2.30(s,3H)、1.77−1.64(m,2H)(回転異性体の混合物)。LRMS ESI[M+H];622.2
【0230】
(実施例26)
3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−[6−メトキシ−4−(3−メトキシプロピル)ピリジン−3−イル]−2−メチルフェニル}プロパン−1−アミン
【0231】
【化32】

【0232】
段階1:tert−ブチル(3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−[6−メトキシ−4−(3−メトキシプロピル)ピリジン−3−イル]−2−メチルフェニル}プロピル)カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよび5−ブロモ−2−メトキシ−4−(3−メトキシプロピル)ピリジン(V.17)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0233】
段階2:実施例26
実施例2の段階5に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル(3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−[6−メトキシ−4−(3−メトキシプロピル)ピリジン−3−イル]−2−メチルフェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d)δ 7.92(s,1H)、7.47−7.38(m,1H)、7.24(s,2H)、7.13(d,1H)、7.01(d,3H)、6.80(d,2H)、6.70(s,1H)、4.35(m,4H)、3.91(s,3H)、3.61−3.43(m,3H)、3.24(m,3H)、3.20(s,3H)、2.90(m,1H)、2.71−2.59(m,2H)、2.31(s,3H)、2.17(s,3H)、1.74−1.63(m,2H)。
【0234】
(実施例27)
2−{2’−[(アセチルアミノ)メチル]−3−メチルビフェニル−4−イル}−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパン−1−アミン塩酸塩
【0235】
【化33】

【0236】
段階1:tert−ブチル(2−{2’−[(アセチルアミノ)メチル]−3−メチルビフェニル−4−イル}−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよびN−(2−ブロモベンジル)アセトアミド(V.13)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から100% 15分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0237】
段階2:実施例27
実施例2の段階5に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル(2−{2’−[(アセチルアミノ)メチル]−3−メチルビフェニル−4−イル}−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。フラッシュクロマトグラフィーに続き、所望の材料(無色油状物)をCHCl/EtO(1/1)中で溶解させた。HCl(ジオキサン中4M)を過剰に添加し、得られた懸濁液をEtOにより粉砕して濾過後に表題化合物をオフホワイト色固体として得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ 7.45(d,1H)、7.41−7.33(m,3H)、7.24(d,2H)、7.21(s,2H)、7.07(s,1H)、6.99(d,2H)、6.83(d,2H)、4.35−4.29(m,6H)、4.23(d,1H)、3.68−3.50(m,1H)、3.41−3.34(m,1H)、3.02(dd,1H)、2.87(dd,1H)、2.30(s,3H)、2.14(s,3H)、1.90(s,3H)。
【0238】
(実施例28)
2−{2’−[3−(アセチルアミノ)プロピル]−3−メチルビフェニル−4−イル}−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパン−1−アミン塩酸塩
【0239】
【化34】

【0240】
段階1:tert−ブチル(2−{2’−[(アセチルアミノ)プロピル]−3−メチルビフェニル−4−イル}−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよびN−[3−(2−ブロモフェニル)プロピル]アセトアミド(V.15)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から100% 15分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0241】
段階2:実施例28
実施例2の段階5に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル(2−{2’−[(アセチルアミノ)プロピル]−3−メチルビフェニル−4−イル}−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。フラッシュクロマトグラフィーに続き、所望の材料(無色油状物)をCHCl/EtO(1/1)中で溶解させた。HCl(ジオキサン中4M)を過剰に添加し、得られた懸濁液をEtOにより粉砕して濾過後に表題化合物をオフホワイト色塩として得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ 7.45(d,1H)、7.31−7.11(m,7H)、7.06(s,1H)、6.98(d,2H)、6.83(d,2H)、4.33(brd,4H)、3.55−3.49(m,1H)、3.44−3.34(m,2H)、3.07−3.01(m,3H)、2.86(dd,1H)、2.66−2.63(m,2H)、2.31(s,3H)、2.14(s,3H)、1.90(s,3H)、1.65−1.61(m,2H)。
【0242】
(実施例29)
3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−[3−(3−メトキシプロピル)ピリジン−2−イル]−2−メチルフェニル}プロパン−1−アミン
【0243】
【化35】

【0244】
段階1:tert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−(3−ホルミルピリジン−2−イル)−2−メチルフェニル]プロピル}カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよび市販の2−ブロモニコチンアルデヒドを出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0245】
段階2:tert−ブチル[3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−(4−{3−[(1E/Z)−3−メトキシプロプ−1−エン−1−イル]ピリジン−2−イル}−2−メチルフェニル)プロピル]カルバメート
(2−メトキシエチル)(トリフェニル)ホスホニウムブロミド(1.1当量)のTHF中(0.1M)−78℃溶液に、n−BuLi(Hex中2.5M;1.1当量)を添加した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、この混合物に、段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[4−(3−ホルミルピリジン−2−イル)−2−メチルフェニル]プロピル}カルバメート(1当量)のTHF中(0.1M)溶液をカニューレ添加した。最終混合物を室温にゆっくりと加温しておき、さらに1時間撹拌した。反応物を水によりクエンチし、EtOAcにより抽出した。有機抽出物をNaHCO、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0246】
段階3:tert−ブチル(3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−[3−(3−メトキシプロピル)ピリジン−2−イル]−2−メチルフェニル}プロピル)カルバメート
段階2からのtert−ブチル[3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−(4−{3−[(1E/Z)−3−メトキシプロプ−1−エン−1−イル]ピリジン−2−イル}−2−メチルフェニル)プロピル]カルバメート(1当量)のトルエン中(0.1M)還流溶液に、ベンゼンスルホニルヒドラジド(3当量)を添加した。反応混合物を3時間還流させ、室温に冷却し、EtOAcにより希釈した。有機相を飽和NaHCO、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0247】
段階4:実施例29
実施例2の段階5に記載の手順により、段階3からのtert−ブチル(3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−{4−[3−(3−メトキシプロピル)ピリジン−2−イル]−2−メチルフェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ 8.48(dd,1H);7.72(dd,1H);7.49(d,1H);7.35−7.22(m,4H);7.21(s,1H);7.08(d,2H);6.81(d,2H);4.40−4.32(m,4H);3.80−3.60(m,3H);3.40−3.30(m,5H);3.10−2.75(m,6H);2.32(s,3H);2.20(s,3H);1.79−1.70(m,2H)。
【0248】
(実施例30)
2−{2’−[2−(アセチルアミノ)エチル]−3−メチルビフェニル−4−イル}−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロパン−1−アミニウムクロリド
【0249】
【化36】

【0250】
段階1:tert−ブチル(2−{2’−[(アセチルアミノ)エチル]−3−メチルビフェニル−4−イル}−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメート
実施例7の段階2に記載の手順により、実施例9の段階1からのtert−ブチル{3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}−2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}カルバメートおよびN−[3−(2−ブロモフェニル)エチル]アセトアミド(V.11)を出発材料として使用して調製した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から100% 15分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0251】
段階2:実施例30
実施例2の段階5に記載の手順により、段階1からのtert−ブチル(2−{2’−[(アセチルアミノ)エチル]−3−メチルビフェニル−4−イル}−3−{4−[2−(2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ)エトキシ]フェニル}プロピル)カルバメートを出発材料として使用して調製した。フラッシュクロマトグラフィーに続き、所望の材料(無色油状物)をCHCl/EtO(1/1)中で溶解させた。HCl(ジオキサン中4M)を過剰に添加し、得られた懸濁液をEtOにより粉砕して濾過後に表題化合物をオフホワイト色塩として得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ 7.46(d,1H)、7.32−7.25(m,4H)、7.20−7.18(m,3H)、7.06(s,1H)、7.00(d,2H)、6.82(d,2H)、4.35−4.31(m,4H)、3.57−3.52(m,1H)、3.42−3.32(m,2H)、3.17(d,1H)、3.16(d,1H)、3.02(dd,1H)、2.88(dd,1H)、2.84−2.78(m,2H)、2.30(s,3H)、2.14(s,3H)、1.85(s,3H)。
【0252】
(実施例31)
2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]−3−ピリジン−3−イルプロパン−1−アミンビス塩酸塩
【0253】
【化37】

【0254】
段階1:2−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−ピリジン−3−イルプロパンニトリル
THF中(0.18M)の(4−ブロモ−2−メチルフェニル)アセトニトリル(III.1;1当量)およびヘキサメチルホスホルアミド(HMPA;3.3当量)の−78℃溶液に、リチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS;1.9当量)を添加した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌した。得られた溶液に、3−(ブロモメチル)ピリジン臭化水素塩(0.8当量)のTHF中(0.1M)懸濁液をカニューレ添加した。最終混合物を0℃にゆっくりと加温しておき、2時間撹拌し、室温に加温し、次いでさらに2時間撹拌した。得られた混合物を飽和水性NaHCO中に注ぎ、最後にEtOAcにより抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から60% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0255】
段階2:2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]−3−ピリジン−3−イルプロパンニトリル
段階1からの2−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−ピリジン−3−イルプロパンニトリル(1当量)および実施例3の段階1からの[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]ボロン酸(1.2当量)のDME中(0.1M)室温溶液に、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(Pd(PPh;0.05当量)およびCsF(2.4当量)を添加した。混合物を2時間還流させ、室温に冷却し、水中に注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機抽出物を水、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から65% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を得た。
【0256】
段階3:tert−ブチル{2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]−3−ピリジン−3−イルプロピル}カルバメート
段階2からの2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]−3−ピリジン−イルプロパンニトリル(1当量)のEtOH/THF中(3:1;0.1M)室温溶液に、塩化第一コバルト六水和物(CoCl.6HO;2当量)を添加し、次いで(BOC)O(2当量)を添加し、最後に水素化ホウ素ナトリウム(10当量)を分けて添加した。最終黒色混合物を室温で3時間撹拌し、HCl(1N)によりクエンチした。飽和水性NaCOを使用してpHを8に調節し、得られた混合物をEtOAcにより数回抽出した。合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(10%から75% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0257】
段階4:実施例31
段階3からのtert−ブチル{2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]−3−ピリジン−3−イルプロピル}カルバメート(1当量)のCHCl中(0.1M)溶液に、ZnBr(10当量)を添加した。混合物を30分間超音波処理し、シリカゲルのプラグ上で濾過した。この混合物をCHCl/MeOH(NH 2M)10%により洗浄し、合わせた分画を濃縮した。残留物を逆相HPLC(C18カラム;勾配40%から90%のCHCN/HO/TFA0.1%)により精製した。所望の材料を含有する分画を合わせ、濃縮し、NaOH(1N)により中和し、CHClにより抽出した。合わせた抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をCHCl中で溶解させ、HCl(ジオキサン中4N;4当量)により酸性化し、得られた懸濁液をEtOの添加により粉砕して濾過後に表題化合物を淡黄色固体として得た。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ 8.71(d,1H)、8.67(s,1H)、8.27(br s,3H)、7.98(d,1H)、7.56(brt,1H)、7.47(d,1H)、7.31(s,1H)、7.30(s,1H)、7.28−7.22(m,1H)、7.18(d,1H)、7.12(d,1H)、7.02(s,1H)、3.74−3.64(m,1H)、3.45(brdd,1H)、3.21−3.17(m,4H)、3.13(s,3H)、3.04(dd,1H)、2.61−2.50(m,2H)、2.08(s,3H)、1.65−1.55(m,2H)。
【0258】
(実施例32)
3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロパン−1−アミン
【0259】
【化38】

【0260】
段階1:[2’−(3−メトキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]アセトニトリル
(4−ブロモ−2−メチルフェニル)アセトニトリル(1当量)および実施例3の段階1からの[2−(3−メトキシプロピル)フェニル]ボロン酸のDMF中(0.22M)溶液に、水性NaCO(2M;3当量)を添加した。窒素をこの溶液中で15分間バブリングしてから、PdCl(dppf)(0.05当量)を添加した。最終混合物を90℃で12時間撹拌し、室温に冷却し、水中に注ぎ、EtOにより抽出した。有機抽出物を水、HCl(0.01M)、ブラインにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(5%から30% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0261】
段階3:3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロパンニトリル
段階1からの[2’−(3−メトキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]アセトニトリル(1.2当量)のTHF中(0.02M)−78℃溶液に、リチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS;1.3当量)を添加した。反応混合物を−78℃で15分間撹拌した。得られた溶液に、臭化3,5−ジフルオロベンジル(1当量)のTHF中(0.04M)溶液をカニューレ添加した。最終混合物を室温にゆっくりと加温しておき、次いでさらに4時間撹拌した。得られた混合物を飽和水性NHCl中に注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ISCOによるCombi−Flash)により、Hex/EtOAc(0%から50% 30分間)により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。
【0262】
段階4:実施例32
段階3からの3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−[2’−(3−メトキシプロピル)−3−メチルビフェニル−4−イル]プロパンニトリル(1当量)のTHF中(0.1M)溶液に、ボラン−ジメチルスルフィド錯体(5当量)を添加した。混合物を、凝縮器を用いずに5時間還流させてジメチルスルフィドを放出させた。最終濃度は0.2Mであった。混合物を室温に冷却し、HCl(1N)によりゆっくりとクエンチした。NaOH(1N)を使用してpHを10に設定し、最後に混合物をCHClにより抽出した。有機抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、CHCl/MeOH(NH;2M)5%により溶出させて精製することにより所望の化合物を無色油状物として得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ 7.42(d,1H)、7.30−7.26(m,2H)、7.23−7.20(m,2H)、7.12(d,1H)、7.04(s,1H)、6.76−6.72(m,1H)、6.66−6.63(m,2H)、3.53−3.50(m,1H)、3.25−3.20(m,7H)、3.15(dd,1H)、2.88(dd,1H)、2.65(d,1H)、2.64(d,1H)、2.12(s,3H)、1.70−1.65(m,2H)。
【0263】
以下の実施例は、実施例7の段階2および実施例2の段階5に記載の手順により、市販または外注のボロン酸を使用して調製した。
【0264】
【表4】



【0265】
生物学的活性を実証するアッセイ
ヒト組換えレニンの阻害
酵素的インビトロアッセイを384ウェルポリプロピレンプレート(Nunc)中で実施した。アッセイ緩衝液は、1mMのEDTAおよび0.1%のBSAを含むPBS(Gibco BRL)からなるものであった。反応混合物は、DMSO中の1ウェル当たり47.5μLの酵素混合物および2.5μLのレニン阻害剤から構成されるものであった。酵素混合物を4℃で予備混合し、酵素混合物は、以下の成分からなる:
・ヒト組換えレニン(40pM)
・合成ヒトアンジオテンシン(1−14)(0.5μM)
・硫酸ヒドロキシキノリン(1mM)
次いで、混合物を37℃で3時間温置した。酵素反応を、反応プレートを湿潤氷上に配置することにより停止させた。
【0266】
酵素的活性およびこの阻害を求めるため、蓄積したAngIを384ウェルプレート(Nunc)中で酵素免疫測定法(EIA)により検出した。5μLの反応混合物または標準液を、AngIおよびウシ血清アルブミンの共有結合複合体(AngI−BSA)が事前にコートされている免疫プレートに移した。0.01%のTween20を含む75μLの上記アッセイ緩衝液中のAngI−抗体を添加し、プレートを4℃で一晩温置した。
【0267】
代替プロトコールを、最終濃度0.02NのHClにより酵素的反応を停止させることにより使用することもできた。5μLの反応混合物または標準液を免疫プレートに移し、0.01%のTween20を含む75μLの上記アッセイ緩衝液中のAngI−抗体を添加し、プレートを室温で4時間温置した。
【0268】
プレートを、0.01%のTween20を含むPBSで3回洗浄し、次いで抗ウサギ−ペルオキシダーゼ結合抗体(WA934、Amersham)とともに室温で2時間温置した。プレートを3回洗浄した後、ペルオキシダーゼ基質のABTS((2,2'−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)2NH)を添加し、プレートを室温で60分間温置した。プレートをマイクロプレートリーダーにおいて405nmで評価した。阻害率を各濃度点について計算し、酵素活性を50%だけ阻害するレニン阻害濃度(IC50)を求めた。全試験化合物のIC50値は1μM未満であった。
【0269】
ヒト血漿におけるレニンの阻害
酵素的インビトロアッセイを384ウェルポリプロピレンプレート(Nunc)中で実施した。アッセイ緩衝液は、1mMのEDTAおよび0.1%のBSAを含むPBS(Gibco BRL)からなるものであった。反応混合物は、DMSO中の1ウェル当たり80μLのヒト血漿、酵素、AngI−抗体の混合物および5μLのレニン阻害剤から構成されるものであった。ヒト血漿混合物を4℃で予備混合し、ヒト血漿混合物は、
・10名の正常ドナーから得られたヒト血漿
・ヒト組換えレニン(3pM)
・AngI−抗体
からなる。
【0270】
次いで、混合物を37℃で2時間温置した。
【0271】
酵素的活性およびこの阻害を求めるため、蓄積したAngIを384ウェルプレート(Nunc)中で酵素免疫測定法(EIA)により検出した。10μLの反応混合物または標準液を、AngIおよびウシ血清アルブミンの共有結合複合体(AngI−BSA)が事前にコートされている免疫プレートに移した。70μLのアッセイ緩衝液を添加し、プレートを4℃で一晩温置した。プレートを、0.01%のTween20を含むPBSにより3回洗浄し、次いで抗ウサギ−ペルオキシダーゼ結合抗体(WA934、Amersham)とともに室温で2時間温置した。プレートを3回洗浄した後、ペルオキシダーゼ基質のABTS((2,2'−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)2NH)を添加し、プレートを室温で60分間温置した。プレートをマイクロプレートリーダーにより405nmで評価した。阻害率を各濃度点について計算し、酵素活性を50%だけ阻害するレニン阻害濃度(IC50)を求めた。全試験化合物のIC50値は10μM未満であった。
【0272】
【表5】

【0273】
インビボ動物モデル−雌性二重トランスジェニックラットをRCC Ltd、Fullingsdorf、Switzerlandから購入した。全動物を同一条件下で維持し、通常のペレット化ラット飼料および水を自由に摂取させた。ラットを最初にエナラプリル(1mg/kg/日)により2ヵ月間処置した。エナラプリル処置を中止して約2週間後、二重トランスジェニックラットは高血圧になり、160−170mmHgの範囲の平均動脈圧に達する。
【0274】
送信機移植−ラットを90mg/kgのKetamin−HCl(Ketavet、Parke−Davis、Berlin FRG)および10mg/kgのキシラジン(xylazin)(Rompun、Bayer、Leverkusen、FRG)の混合物により腹腔内麻酔した。圧力送信機を無菌条件下で腹腔内に移植し、検出カテーテルを下行大動脈中に腎動脈下で上流に向けて配置した。送信機を腹部筋系に縫合し、皮膚を閉じた。
【0275】
遠隔測定システム−遠隔測定装置をData Sciences(St.Paul、MN)から入手した。移植されるセンサは、真空と比較した絶対動脈圧を計測する極めて安定な低コンダクタンスひずみゲージ式圧力変換器に接続された液体充填カテーテル(直径0.7mm、長さ8cm;モデルTA11PA−C40)および無線送信機からなるものであった。カテーテルの先端に、血液逆流を防止する粘稠性ゲルを充填し、血栓形成を阻害する抗血栓性皮膜を被覆した。移植片(長さ=2.5cm、直径=1.2cm)は重量9gであり、典型的な電池寿命は6ヵ月である。受信機プラットフォーム(RPC−1、Data Sciences)により、無線信号を専用パーソナルコンピュータ(Compaq、deskpro)に送信されるデジタル化入力に接続した。動脈圧を、周囲圧力基準(APR−1、Data Sciences)からの入力を使用して較正した。収縮期血圧、平均血圧および拡張期血圧を水銀柱ミリメートル(mmHg)で表した。
【0276】
血行力学的計測−圧力送信機が移植された二重トランスジェニックラットに、ビヒクルまたは10mg/kgの試験物質(1群当たりn=6)を強制経口投与し、平均動脈圧を連続的にモニタリングした。試験物質の効果を、対照群に対する処置群における平均動脈圧(MAP)の最大減少として表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

を有する式Iの化合物もしくは薬学的に許容されるこの塩、またはこの光学異性体
[式中、
Arは、非置換もしくは置換のアリール環、またはO、SおよびNから選択される1個から2個のヘテロ原子を含有する非置換もしくは置換の5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、ここで、置換アリール環および置換ヘテロアリール環は、
1)OH、
2)CN、
3)ハロゲン、
4)N
5)NO
6)COOH、
7)OCFH、
8)CF
9)C−Cアルキル、
10)C−Cアルケニル、
11)C−Cアルコキシ、
12)C(O)NHC−Cアルキル
13)NHC(O)C−Cアルキル
14)S(O)−Cアルキル、
15)OCHCHOArおよび
16)CHCHCHOAr
からなる群から独立して選択される1個、2個または3個の置換基で置換されており、
ここで、置換基(9)−(14)は、非置換、または
a)OH、
b)COOH、
c)CN、
d)CF
e)C−Cアルキル、
f)C−Cアルコキシおよび
g)S(O)−Cアルキル
からなる群から独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されており;
Arは、置換アリール環、またはO、SおよびNから選択される1個から2個のヘテロ原子を含有する置換5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、ここで、環はArで置換されており、ならびに
1)OH、
2)CN、
3)ハロゲン、
4)N
5)NO
6)COOH、
7)OCFH、
8)CF
9)C−Cアルキル、
10)C−Cアルケニル、
11)C−Cアルコキシ、
12)C(O)NHC−Cアルキル、
13)NHC(O)C−Cアルキル、
14)S(O)−Cアルキル、
15)O−C−Cアルキルおよび
16)C(O)OC−Cアルキル
からなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよく、
ここで、置換基(9)−(16)は、非置換、または
a)OH、
b)COOH、
c)CN、
d)CF
e)C−Cアルキル、
f)C−Cアルコキシおよび
g)S(O)−Cアルキル
からなる群から独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されており;
Arは、置換アリール環、またはO、SおよびNから選択される1個から2個のヘテロ原子を含有する置換5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、ここで、環は、RおよびRで置換されており、ならびにここで、ヘテロアリール環のNヘテロ原子は、場合によって酸化されており;
は、Ar−Ar結合に対してオルト位に存在し、および
1)ハロゲン、
2)CF
3)CN、
4)(CH1−3OR
5)O(CH1−2OR
6)(CH1−3NHAc、
7)(CH1−3OC(O)NH
8)(CH1−3COOR
9)(CH1−3CN、
10)(CH1−3C(O)NH
11)S(O)−Cアルキル、
12)C−Cアルコキシ、
13)OCHPh、
14)CH−N−モルホリン、
15)CH=CHCOOR
16)CH−N−4−ピペリジノンおよび
17)(CH1−2C(O)NR
からなる群から選択され、
は、
1)水素、
2)OH、
3)CN、
4)ハロゲン、
5)N
6)NO
7)COOH、
8)OCFH、
9)CF
10)C−Cアルキル、
11)C−Cアルケニル、
12)C−Cアルコキシ、
13)C(O)NHC−Cアルキル、
14)NHC(O)C−Cアルキルおよび
15)S(O)−Cアルキル
からなる群から選択され、
ここで、置換基(10)−(15)は、非置換、または
a)OH、
b)COOH、
c)CN、
d)CF
e)C−Cアルキル、
f)S(O)−Cアルキルおよび
g)テトラゾリル
からなる群から独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されており;
およびRは、
1)水素、
2)CFH、
3)CHCF
4)C−Cアルキルおよび
5)C−Cアルケニル
からなる群から独立して選択され;
Arは、非置換もしくは置換のアリール環、またはO、SおよびNから選択される1個から2個のヘテロ原子を含有する非置換もしくは置換の5員もしくは6員のヘテロアリール環であり、ここで、置換アリール環および置換ヘテロアリール環は、
1)CN、
2)ハロゲン、
3)N
4)NO
5)OCFH、
6)CF
7)C−Cアルキル、
8)C−Cアルケニル、
9)C−Cアルコキシおよび
10)S(O)−Cアルキル
からなる群から独立して選択される1個、2個または3個の置換基で置換されており、
ここで、置換基(7)−(10)は、非置換、または
a)OH、
b)COOH、
c)CN、
d)CF
e)C−Cアルコキシ、
f)S(O)−Cアルキル
からなる群から独立して選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されており;ならびに
n=0、1または2である。]。
【請求項2】
Arが、非置換もしくは置換のアリール環、または1個のNヘテロ原子を含有する非置換もしくは置換の6員ヘテロアリール環であり、ここで、置換アリール環および置換ヘテロアリール環が、ハロゲンおよび−OCHCHOArからなる群から独立して選択される1個または2個または3個の置換基で置換されている、請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項3】
Arが、置換アリール環、または1個のNヘテロ原子を含有する置換6員ヘテロアリール環であり、ここで、環が、Arで置換されており、ならびにハロゲン、CF、C−Cアルキル、C−Cアルコキシおよび−C(O)OC−Cアルキルからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよい、請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項4】
Arが、置換アリール環、または1個のNヘテロ原子を含有する置換6員ヘテロアリール環であり、ここで、環が、RおよびRで置換されており、ならびにここで、ヘテロアリール環のNヘテロ原子が、場合によって酸化されている、請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項5】
が、Ar−Ar結合に対してオルト位に存在し、および
1)ハロゲン、
2)CF
3)CN、
4)(CH1−3OH、
5)(CH1−3OCH
6)O(CH1−2OCH
7)O(CH1−2OCHCH
8)(CH1−3NHAc、
9)(CH1−3OC(O)NH
10)(CH1−3COOCH
11)(CH1−3CN、
12)(CH1−3C(O)NH
13)S(O)CH
14)C−Cアルコキシ、
15)OCHPh、
16)CH−N−モルホリン、
17)CH=CHCOOR
18)CH−N−4−ピペリジノンおよび
19)(CH1−2C(O)N(CH
からなる群から選択される、請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項6】
が、水素、ハロゲンおよびC−Cアルキルからなる群から選択される、請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項7】
Arが、ハロゲンおよびC−Cアルキルからなる群から独立して選択される3個の置換基で置換されている置換フェニル環である、請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項8】
Arが、
【化2】

である、請求項7の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項9】
【化3】





からなる群から選択される、請求項1の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるこの塩の有効量および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項11】
高血圧、欝血性心不全、肺高血圧、腎機能障害、腎虚血、腎不全、腎線維症、心機能障害、心肥大、心線維症、心筋虚血、心筋症、糸球体腎炎、腎仙痛、糖尿病に起因する合併症、例えば腎症、脈管障害および神経障害、緑内障、眼圧亢進、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、血管または心臓の術後合併症、勃起不全、高アルドステロン症、肺線維症、強皮症、不安症、認知障害、免疫抑制剤による治療の合併症に関連する疾患、ならびにレニン−アンジオテンシン系に関連することが知られている他の疾患を治療または予防する医薬品の製造のための、請求項1に記載の化合物または請求項10に記載の組成物の使用。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物の薬学有効量を患者に投与することを含む、高血圧、欝血性心不全、肺高血圧、腎機能障害、腎虚血、腎不全、腎線維症、心機能障害、心肥大、心線維症、心筋虚血、心筋症、糸球体腎炎、腎仙痛、糖尿病に起因する合併症、例えば腎症、脈管障害および神経障害、緑内障、眼圧亢進、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、血管または心臓の術後合併症、勃起不全、高アルドステロン症、肺線維症、強皮症、不安症、認知障害、免疫抑制剤による治療の合併症に関連する疾患、ならびにレニン−アンジオテンシン系に関連することが知られている他の疾患を治療または予防する方法。

【公表番号】特表2010−536800(P2010−536800A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521272(P2010−521272)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【国際出願番号】PCT/CA2008/001482
【国際公開番号】WO2009/023964
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(305042057)メルク フロスト カナダ リミテツド (99)
【Fターム(参考)】