説明

レバーホイスト

【課題】荷物に疵や汚損を生じることがなく、しかも、全体を軽量化できるレバーホイストを提供する。
【解決手段】ホイスト本体1と、ホイスト本体1に回転自在に支持されかつ索体2が巻き掛けられたプーリ3と、該プーリ3の回転軸4を回動操作する操作レバー5と、該操作レバー5の回動運動をプーリ3の回転軸4に正転と逆転とに切り替え可能に伝達する駆動用ラチェット機構6と、操作レバー5の停止時に前記プーリ3の逆転を阻止する逆転阻止用ラチェット機構7とを備えたレバーホイストにおいて、前記索体2がロープで形成されており、該ロープ2と接してプーリ3に対するロープ2の外れを防止するロープガイド8、8aが前記ホイスト本体1に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバーを手動操作して物品の昇降や積荷の引き締めなどを行うために使用されるレバーホイストに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のレバーホイストとして、チェーンを使用するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−157986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、チェーンを使用するレバーホイストは、チェーンによって荷物に疵が発生したり、チェーンの錆によって荷物を汚損させ、また、チェーンが重いためレバーホイスト全体が大重量となるなどの問題点があった。
本発明は、従来のチェーンレバーホイストの上記問題点に鑑みて開発されたもので、その目的とするところは、荷物に疵や汚損を生じることがなく、しかも、全体を軽量化できるレバーホイストを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するために本発明は、ホイスト本体と、ホイスト本体に回転自在に支持されかつ索体が巻き掛けられたプーリと、該プーリの回転軸を回動操作する操作レバーと、該操作レバーの回動運動をプーリの回転軸に正転と逆転とに切り替え可能に伝達する駆動用ラチェット機構と、操作レバーの停止時に前記プーリの逆転を阻止する逆転阻止用ラチェット機構とを備えたレバーホイストにおいて、
前記索体がロープで形成されており、該ロープと接してプーリに対するロープの外れを防止するロープガイドが前記ホイスト本体に設けられていることを特徴としている。
【0005】
本発明において、プーリの回転軸の正転方向とは、荷物巻き上げ方向を指し、逆転方向とは、荷物巻き下ろし方向を指すものとする。
上記構成によれば、プーリに対するロープの滑りを防止し、しかも、操作レバーの往復回動操作によって、疵や損傷を与えることなく荷物を軽快、円滑に巻き上げるだけでなく、巻き下ろすことができる。
前記プーリには、ロープを案内するV溝の両側の溝側面に、凹条と凸条とが周方向に交互に配置されており、両側の溝側面の凹条と凸条とのピッチが周方向に半ピッチずれて配置されていることが望ましい。
【0006】
上記構成によれば、プーリのV溝の両側の溝側面の凹条と凸条とによって、ロープがプーリにジグザグ状に案内され、プーリに対するロープの密着面積及び摩擦抵抗を大きくしてプーリに対するロープの滑りを防止することができる。
前記プーリの凹条と凸条は、ロープに対する摩擦抵抗が、プーリの正転方向への滑りに対しては小さく、プーリの逆転方向への滑りに対しては大きくなる傾斜面を備えていることが望ましい。
上記構成によれば、プーリの逆転方向への滑り、即ち、荷物巻き下ろし方向へのロープの滑りに対する摩擦抵抗が、プーリの正転方向への滑り、即ち、荷物巻き上げ方向へのロープの滑りに対する摩擦抵抗よりも大きくしてあることによって、荷物の自重落下方向のプーリに対するロープの滑りを強く防止させることができ、安全性が確保されている。
【0007】
前記ロープガイドの一方は、プーリに巻き掛けられたロープの荷物吊り下げ側において、前記プーリの少なくとも半周分を取り巻くようにロープと当接するホイスト本体の壁面で構成されていることが望ましい。
上記構成によれば、ロープがプーリから外れることが防止され、プーリにしっかりと密着せしめられるため、プーリに対するロープの滑りを一層強く防止させることができる。
前記ロープは、繊維紐で形成されているものを用いることが望ましい。
上記構成によれば、ロープ自体の摩擦抵抗を大きくすることができると共に、荷物に疵や損傷を与えることが防止され、しかも、レバーホイストを軽量化することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、荷物に疵や汚損を生じることがなく、しかも、全体を軽量化できるレバーホイストを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係るレバーホイストの実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明のレバーホイストは、図1に示すように、ホイスト本体1と、ホイスト本体1に回転自在に支持されかつ索体2が巻き掛けられたプーリ3と、該プーリ3の回転軸4を回動操作する操作レバー5と、該操作レバー5の回動運動をプーリ3の回転軸4に正転と逆転とに切り替え可能に伝達する駆動用ラチェット機構6と、操作レバー5の停止時に前記プーリ3の逆転を阻止する逆転阻止用ラチェット機構7とを備えている。
ホイスト本体1は、一対の側板1a、1bを備え、これら一対の側板1a、1b間にプーリ3が回転自在に支持されている。このプーリ3に巻き掛けられた前記索体2は、ロープで形成されており、このロープ2は、丸紐編みの繊維紐(例えば、ポリエステル、ナイロン、その他の合成繊維からなる組紐)で形成されたものが使用されているが、これに限定されるものではなく、撚り紐状であってもよい。
【0010】
前記ホイスト本体1には、図2に示すように、前記ロープ2と接してプーリ3に対するロープ2の外れを防止するロープガイド8、8aが設けられている。一方のロープガイド8は、プーリ3に巻き掛けられたロープ2の荷物吊り下げ側において、プーリ3の少なくとも半周分を取り巻くようにロープ2と当接するホイスト本体1の壁面で連続して形成されている。この壁面は、一対の側板1a、1bの一方に形成されているが、双方に形成されていてもよい。他方のロープガイド8aは、プーリ3に巻き掛けられたロープ2の荷物が吊り下げられない側のロープ2がプーリ3から外れないように保持させるためにホイスト本体1の下部のロープ導出部の一方の側に円柱形状の部材として設けられている。上記ロープガイド8,8aによるロープ2の外れ防止範囲は、プーリ3の周方向の3/4周分に及ぶもので、残りはロープ2の導出部としてプーリ3の下方にあり、プーリ3に対するロープ2の接触面積を大きくしている。なお、ホイスト本体1の上端には、吊り下げ用ピン10を介して上フック16が取り付けられている。
【0011】
前記プーリ3は、図1、図5、図6に示すように、ロープ2を案内するV溝3aの両側の溝側面3b、3cに、凹条3dと凸条3eとが周方向に交互に配置されており、両側の溝側面3b、3cの凹条3dと凸条3eとのピッチPが周方向に半ピッチ1/2Pずれて配置されている。そして、凸条3eと対応する凹条3dの中央部には、小凸条3fが形成されている。
前記プーリ3の凹条3dと凸条3eは、図5及び図6に示すように、プーリ3の逆転方向の回転に対して中心部に巻き込む方向の渦巻き曲線に沿って形成されており、特に、ロープ2に対する滑り摩擦抵抗が、プーリ3の正転方向R1への滑りに対しては小さく、プーリ3の逆転方向R2への滑りに対しては大きくなる傾斜面3g、3hとして形成されている。
【0012】
前記プーリ3は、図1に示すように、一体の回転軸4を備えている。この回転軸4には、操作レバー5が駆動用ラチェット機構6を介して装着されており、さらに、この駆動用ラチェット機構6と関連して前記操作レバー5の停止時に前記プーリ3の逆転を阻止する逆転阻止用ラチェット機構7が回転軸4に装着されている。
逆転阻止用ラチェット機構7は、図1及び図3に示すように、回転軸4のスプライン軸部4aに一体回転するようにスプライン嵌合されたディスクハブ7aと、両側にブレーキ板7b、7cが配置されて前記ディスクハブ7a上に遊嵌配置されたラチェット車7dと、該ラチェット車7dの外周のラチェット歯7d1に係脱可能とされ、該ラチェット車7dの逆転R2を阻止し、正転R1を許容するべく前記ホイスト本体1に枢軸7eを介して設置されたラチェット爪7fと、該ラチェット爪7fをラチェット車7dのラチェット歯7d1に弾性的に係合させるスプリング7gとを備えている。上記枢軸7eは、ホイスト本体1の一対の側板1a、1bを締結する締結具9と一体に形成されている。
【0013】
上記逆転阻止用ラチェット機構7は、図1に示すように、カバー11で被覆されており、このカバー11は、ホイスト本体1の締結具9によってホイスト本体1の片側に締結されている。このカバー11には、ラチェット爪7fを外部から操作するための開口部(図示省略)が適宜形成されている。なお、ホイスト本体1の他側にもカバー11aが設置されている。
駆動用ラチェット機構6は、図1及び図4に示すように、前記ディスクハブ7aと対向して前記回転軸4の雄ねじ部4bに螺合装着され、前記回転軸4の逆転R2時には前記ラチェット車7dを前記ブレーキ板7b、7cを介して前記ディスクハブ7aに圧接して該ディスクハブ7aと一体化させる方向に螺動し、前記回転軸4の正転R1時には前記ラチェット車7dを前記ディスクハブ7aから切り離す方向に螺動する駆動用ラチェット車6aと、該駆動用ラチェット車6aの外周のラチェット歯6a1に係脱可能とされたラチェット爪6bと、該ラチェット爪6bを駆動用ラチェット車6aのラチェット歯6a1に弾性的に係合させるスプリング6cと、該ラチェット爪6bの切替ハンドル6dと、前記ディスクハブ7aと駆動用ラチェット車6aとの間に圧縮介在させたスプリング6eとを備えている。このスプリング6eは、ディスクハブ7aとラチェット車7dとがブレーキ板7b、7cを介して圧接されてブレーキが掛かった状態から緩められる動作を円滑にするために設置されているものである。
【0014】
上記駆動用ラチェット車6aとラチェット爪6bからなる駆動用ラチェット機構6は、操作レバー5の往復回転運動を正転R1又は逆転R2のいずれか一方向への回転運動に変換して駆動用ラチェット車6aに伝達するものである。この駆動用ラチェット車6aの回転方向は、ラチェット爪6bを切り替えることによって選定される。
操作レバー5は、図1に示すように、駆動用ラチェット車6aの外周円筒部6a2に正逆回転方向へ往復回動操作可能に外嵌されており、カバー11とハンドホイール12とに軸方向から挟まれて位置決めされている。
【0015】
ハンドホイール12は、回転軸4の円筒軸部4cに遊嵌されており、回転軸4の端部の雄ねじ部4dに螺合締結されたナット13によりチェックワッシャー14を介して軸方向に位置決めされている。
ナット13は、回転軸4に対して割りピン15で回り止めされている。割りピン15は、回転軸4を貫通してナット13の溝に掛止されている。
チェックワッシャー14は、回転軸4の角軸部4eに嵌合され、外周部に爪14aを有し、この爪14aがハンドホイール12の内周面の周方向1カ所に形成された突部12aに係合することでハンドホイール12の回転軸4に対する自由回転が1回転以内に規制されている。
【0016】
ハンドホイール12は、駆動用ラチェット車6aの内周のスプライン孔6a3にスプライン嵌合されている。
前記ラチェット爪6bは、図1及び図4に示すように、操作レバー5に切替ハンドル6dの軸6eを介して中立、正転、逆転の3位置に切替操作可能に装着されている。該ラチェット爪6bは、切替ハンドル6dの軸6fに対して中立位置を中心として正転R1方向と逆転R2方向とに対称な二股爪形状とされており、正転位置では一方の爪6b1が駆動用ラチェット車6aのラチェット歯6a1と係合して操作レバー5の往復回動操作力のうち、正転R1方向への回転力だけを駆動用ラチェット車6aに伝達し、他方向には該爪6b1がラチェット歯6a1上を滑って空戻りし、また、逆転位置では他方の爪6b2が駆動用ラチェット車6aのラチェット歯6a1と係合して操作レバー5の往復回動操作力のうち、逆転R2方向への回転力だけを駆動用ラチェット車6aに伝達し、他方向には該爪6b2がラチェット歯6a1上を滑って空戻りし、中立位置では、両方の爪6b1,6b2がいずれもラチェット歯6a1と係合しない位置に保持されるように構成されている。
【0017】
ラチェット爪6bを上記3位置に位置決め保持させるため、位置決め凹部6g1,6g2,6g3がラチェット爪6bに形成されており、これに対応して、操作レバー5には、スプリング6cで付勢されたボール6hが設けられている。
本発明に係るレバーホイストは、以上の構成からなり、次にその動作を説明する。
本発明のレバーホイストは、ホイスト本体1の上端の吊り下げ用ピン10に連結した上フック16またはS字フック等を介して適当な吊り下げ部材に吊り下げ掛止しておき、図2の左側から導出されているロープ2の下端部に荷物を連結して使用される。ロープ2の引き出し長さは、駆動用ラチェット機構6のラチェット爪6bを切替ハンドル6dにより中立位置に切り替えておき、この状態でハンドホイール12を逆転R2方向に回動させて駆動用ラチェット車6aを一体的に逆転方向に回動させることにより、逆転阻止用ラチェット機構7のラチェット車7dのブレーキを緩めてディスクハブ7aをフリーにし、この状態でロープ2を自由に引き出すことができ、荷物を連結すればよい。
【0018】
プーリ3は、V溝3aの両側の溝側面3b、3cの凹状3dと凸状3eとが周方向に交互に配置され、しかも、両側の溝側面3b、3cで半ピッチずれて配置され、さらに、凸条3eに対応する凹条3dの中央部には小凸条3fを設けているため、ロープ2がプーリ3にジグザグ状に案内され、しかも、ホイスト本体1のロープガイド8によって、ロープ2がプーリ3から外れることが防止され、プーリ3にしっかりと密着せしめられるとともに、凸条3eと凹条3dの中央部の小凸条3fとでロープ2をしっかりと挟持する。これによって、プーリ3に対するロープ2の密着面積及び摩擦抵抗が増大され、プーリ3に対するロープ2の滑りが防止されている。
【0019】
この状態でラチェット爪6bを正転位置に切り替えて操作レバー5を往復回動させると、駆動用ラチェット車6aが正転R1方向に回転し、回転軸4上で駆動用ラチェット車6aがディスクハブ7aに接近する方向に螺動する。これにより、逆転阻止用ラチェット機構7のラチェット車7dは、ブレーキ板7b、7cを介してディスクハブ7aのフランジ部7a1に向けて押し付けられ、しかも、ラチェット車7dの両側に配置されたブレーキ板7b、7cにより滑りが防止されてラチェット車7dがディスクハブ7a及び駆動用ラチェット車6aと一体化される。
【0020】
この結果、操作レバー5の往復回動操作で、回転軸4が正転R1方向に一定角度ずつ回動を反復継続してプーリ3を荷物巻き上げ方向に回転させ、このプーリ3によりロープ2を一体的に荷物巻き上げ方向に巻き上げてこのロープ2に吊り下げられた荷物を持ち上げることができる。なお、逆転阻止用ラチェット機構7のラチェット爪7fは、ラチェット車7dの正転R1方向の回転を許容する構成とされており、ラチェット車7dのラチェット歯7d1がラチェット爪7fをスプリング7gに抗して逃がしながら正転R1方向に回転していく。
【0021】
上記操作レバー5の往復回動操作の一方(往工程)で駆動用ラチェット車6aを回動させているが、戻り(復工程)では駆動用ラチェット車6aがフリーとなる。このとき、荷物の自重によりロープ2を通してプーリ3が荷物巻き下ろし方向に回動しようとするが、プーリ3のこの方向の回転(逆転)は、回転軸4と螺合する駆動用ラチェット車6aがブレーキ板7b、7cを介して逆転阻止用ラチェット機構7のラチェット車7dをディスクハブ7aに更に強く押し付ける方向に螺動することになり、このラチェット車7dと回転軸4及びプーリ3の一体化が一層強くなり、しかも、このラチェット車7dの荷物巻き下ろし方向の回転(逆転)は、ホイスト本体1に設置されたラチェット爪7fによって確実に阻止される。
【0022】
次に、荷物巻き下ろし操作について説明する。
この時は、操作レバー5に設置したラチェット爪6bを逆転位置に切り替えて操作レバー5を往復回動操作する。これにより、操作レバー5の一方(往工程)で駆動用ラチェット機構6の駆動用ラチェット車6aを逆転R2方向に一定角度ずつ回転させる。駆動用ラチェット車6aのこの方向の回転は、回転軸4上で駆動用ラチェット車6aを逆転阻止用ラチェット機構7のディスクハブ7aから離隔する方向へ螺動させブレーキ板7b、7cによるブレーキが緩められることになる。
【0023】
その結果、逆転阻止用ラチェット機構7のラチェット車7dとディスクハブ7aとの一体化が解除される。これにより、逆転阻止用ラチェット機構7による逆転阻止作用が無効化され、ディスクハブ7aと回転軸4及びプーリ3が荷物の自重により荷物巻き下ろし方向(逆転方向)へ回動することになる。しかし、回転軸4のこの方向の回転(逆転)は、回転軸4と螺合する駆動用ラチェット車6aがブレーキ板7b、7cを介してラチェット車7dをディスクハブ7aに向けて押し付ける方向に螺動することになり、このラチェット車7dと回転軸4及びプーリ3が再び一体化され、逆転阻止用ラチェット機構7の逆転阻止作用が復活し、ラチェット車7dの荷物巻き下ろし方向の回転(逆転)がホイスト本体1に設置されたラチェット爪7fによって阻止される。
【0024】
上記のように荷物の巻き下ろし時には、操作レバー5で逆転阻止用ラチェット機構7の逆転阻止作用を無効化するべくブレーキを緩め、この緩めに応じた量だけプーリ3を逆転方向に荷物の自重で回動させ、この回動を利用して再びブレーキを作用させて逆転阻止用ラチェット機構7の逆転阻止作用を復活させ、これを繰り返しながら荷物を少しずつ安全に巻き下ろすことになる。
以上の通り、本発明のレバーホイストによれば、プーリ3に対するロープ2の滑りを防止し、しかも、操作レバー5の往復回動操作によって、疵や損傷を与えることなく荷物を軽快、円滑に巻き上げるだけでなく、安全に巻き下ろしすることができる。
【0025】
本発明の実施形態は、以上の構成と動作からなるが、本発明は上記実施形態にのみ制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内で自由に変形して実施することができる。例えば、トラックの荷台に積み込んだ荷物をロープで緊締する場合にロープの締め付けを行う、いわゆる、荷締機として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るレバーホイストの縦断側面図である。
【図2】ホイスト本体の一方の側板を除去した状態の正面図である。
【図3】逆転阻止用ラチェット機構の正面図である。
【図4】駆動用ラチェット機構の正面図である。
【図5】プーリの溝側面の正面図である。
【図6】プーリのV溝の展開平面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ホイスト本体
2 索体(ロープ)
3 プーリ
4 回転軸
5 操作レバー
6 駆動用ラチェット機構
7 逆転阻止用ラチェット機構
8 ロープガイド
9 締結具
10 吊り下げ用ピン
11 カバー
12 ハンドホイール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイスト本体(1)と、ホイスト本体(1)に回転自在に支持されかつ索体(2)が巻き掛けられたプーリ(3)と、該プーリ(3)の回転軸(4)を回動操作する操作レバー(5)と、該操作レバー(5)の回動運動をプーリ(3)の回転軸(4)に正転と逆転とに切り替え可能に伝達する駆動用ラチェット機構(6)と、操作レバー(5)の停止時に前記プーリ(3)の逆転を阻止する逆転阻止用ラチェット機構(7)とを備えたレバーホイストにおいて、
前記索体(2)がロープで形成されており、該ロープ(2)と接してプーリ(3)に対するロープ(2)の外れを防止するロープガイド(8)(8a)が前記ホイスト本体(1)に設けられていることを特徴とするレバーホイスト。
【請求項2】
前記プーリ(3)には、ロープ(2)を案内するV溝(3a)の両側の溝側面(3b)(3c)に、凹条(3d)と凸条(3e)とが周方向に交互に配置されており、両側の溝側面(3b)(3c)の凹条(3d)と凸条(3e)とのピッチが周方向に半ピッチずれて配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレバーホイスト。
【請求項3】
前記プーリ(3)の凹条(3d)と凸条(3e)は、ロープ(2)に対する摩擦抵抗が、プーリ(3)の正転方向への滑りに対しては小さく、プーリ(3)の逆転方向への滑りに対しては大きくなる傾斜面を備えていることを特徴とする請求項2に記載のレバーホイスト。
【請求項4】
前記ロープガイド(8)(8a)の一方は、プーリに巻き掛けられたロープの荷物吊り下げ側において前記プーリ(3)の少なくとも半周分を取り巻くようにロープ(2)と当接するホイスト本体(1)の壁面で構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のレバーホイスト。
【請求項5】
前記ロープ(2)は、繊維紐で形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のレバーホイスト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−31114(P2007−31114A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−219396(P2005−219396)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(390037534)オーエッチ工業株式会社 (11)