説明

レバー入力装置

【課題】視覚的に特徴のある新しいコンセプトのレバー入力装置を提供する。
【解決手段】遊戯者が操作入力するためレバー51の上部に形成されたレバー操作部52と、レバー51を傾動可能に支持する支持部と、レバー51を初期姿勢に戻す付勢装置と、レバー51の傾きを検出する検出装置と、正逆回転可能なモータ56と、該モータ56の動力をレバー51に伝達する動力伝達機構57と、該動力伝達機構57による動力伝達経路の途中を継断するクラッチ58と、モータ56およびクラッチ58に対する動作信号を送信する制御装置と、を備える。レバー操作部52は遊戯者の頭部と同等またはそれを上回る大きさであって、尚かつ直立姿勢にある遊戯者が片手または両手で操作することが可能な高さにあり、遊戯者による当該レバー51への操作入力中あるいは操作入力以外の適時にモータ56の動力をレバー51に伝達するように制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバー入力装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、遊戯装置に所定の指示を入力するレバー入力装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
支点を中心として初期姿勢から傾動可能に支持されたレバーを傾動させることにより所定の指示を入力するレバー入力装置が、ゲーム装置などの遊戯装置において利用されている。
【0003】
このようなレバー入力装置としては、従来、フライトシミュレータ等に用いられる操縦桿のようなコントロールスティック(例えば特許文献1参照)、航空機などのシミュレータを実際に操縦しているような感覚を体感として表現することができるキックバック機構付きコントロールスティック(特許文献2参照)などが提案されている。また、入力装置(例えばハンドル)に伝達される力をシミュレートすることでより現実の乗物に近づくように設計された模擬入力装置(例えば特許文献3参照)、実際の感触を楽しむべく操作に応じて衝撃が生じるようにしたコントロールレバー(例えば特許文献4参照)なども提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−273840号公報
【特許文献2】特許第3331378号公報
【特許文献3】特許第3271324号公報
【特許文献4】実公平4−41899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の入力装置は、操縦桿のような実際の入力装置を模した形状ないし構造のもの、コントロールスティックのようにゲーム装置における実際の入力操作を考慮したものなどが一般的であり、コンセプトがまったく異なる、視覚的にも特徴のあるレバー入力装置は提案されていない。
【0006】
そこで、本発明は、視覚的に特徴のある新しいコンセプトのレバー入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。まず、上述のごとく実際の入力装置を模した形状ないし構造のレバー入力装置は、実際に体験する機会が少ない非日常的シーンを演出するというコンセプトの下、臨場感や疑似体験を重視して本物に似せて設計される傾向がある。また、熱狂的な達人や愛好者が興ずるようなゲーム装置の操作性を追求するというコンセプトの下では、操作性をより重視し、手に馴染みやすく操作しやすい形状ないし構造のレバー入力装置が設計される傾向がある。このような背景下で設計されるレバー入力装置は当然ながらレバーの頭部が遊戯者の掌に収まる大きさ、あるいは操縦桿などのように握りやすい大きさに形成されており、コンセプトから大きく逸脱するような斬新なレバー入力装置はこれまで皆無である。このような背景や経緯に照らし、視覚的な面を重視しつつ検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。
【0008】
本発明はかかる知見に基づくものであり、支点を中心として初期姿勢から傾動可能に支持されたレバーを傾動させることにより遊戯装置に所定の指示を入力するレバー入力装置において、遊戯者が操作入力するためレバーの上部に形成されたレバー操作部と、レバーを傾動可能に支持する支持部と、レバーを初期姿勢に戻す付勢装置と、レバーの傾きを検出する検出装置と、検出装置による検出信号を受信する制御装置と、を備え、レバー操作部に、遊戯者が片手または両手で入力可能な操作入力部が形成され、レバーのレバー操作部が遊戯者の頭部と同等またはそれを上回る大きさであって、尚かつ直立姿勢にある遊戯者が片手または両手で操作することが可能な高さにある、というものである。
【0009】
また、本発明は、支点を中心として初期姿勢から傾動可能に支持されたレバーを傾動させることにより遊戯装置に所定の指示を入力するレバー入力装置において、遊戯者が操作入力するためレバーの上部に形成されたレバー操作部と、レバーを傾動可能に支持する支持部と、レバーを初期姿勢に戻す付勢装置と、レバーの傾きを検出する検出装置と、動力をレバーに伝達する動力伝達機構と、該動力伝達機構による動力伝達経路の途中を継断するクラッチと、検出装置による検出信号を受信し、クラッチに対する動作信号を送信する制御装置と、を備え、レバー操作部に、遊戯者が片手または両手で入力可能な操作入力部が形成され、レバーのレバー操作部が遊戯者の頭部と同等またはそれを上回る大きさであって、尚かつ直立姿勢にある遊戯者が片手または両手で操作することが可能な高さにあり、遊戯者による当該レバーへの操作入力中あるいは操作入力以外の適時に動力をレバーに伝達するように制御を行う、というものである。
【0010】
さらに、本発明は、支点を中心として初期姿勢から傾動可能に支持されたレバーを傾動させることにより遊戯装置に所定の指示を入力するレバー入力装置において、遊戯者が操作入力するためレバーの上部に形成されたレバー操作部と、レバーを傾動可能に支持する支持部と、レバーを初期姿勢に戻す付勢装置と、レバーの傾きを検出する検出装置と、正逆回転可能なモータと、該モータの動力をレバーに伝達する動力伝達機構と、該動力伝達機構による動力伝達経路の途中を継断するクラッチと、検出装置による検出信号を受信し、モータおよびクラッチに対する動作信号を送信する制御装置と、を備え、レバーのレバー操作部が遊戯者の頭部と同等またはそれを上回る大きさであって、尚かつ直立姿勢にある遊戯者が片手または両手で操作することが可能な高さにあり、遊戯者による当該レバーへの操作入力中あるいは操作入力以外の適時にモータの動力をレバーに伝達するように制御を行う、というものである。
【0011】
このように、レバー操作部が遊戯者の頭部以上の大きさであるレバーによれば、従来の入力装置とは異なる操作感を醸し出すことができる。すなわち、従来のような、臨場感や疑似体験を重視して本物を模した入力装置、手に馴染みやすく操作しやすい形状ないし構造として操作性を追求した入力装置などとは異なり、このような大きなレバー操作部を介してレバー入力する際の操作感覚は従来とは明らかに異なる。具体的には、巨大なレバー操作部に対面した遊戯者は、例えば直立しながら両手(または片手)をレバー操作部上に置いた姿勢にて当該レバーを各方向に傾動させる動作をすることになり、素早い動作で確実に入力をするというよりは、むしろ腕全体(ひいては全身)を使ってレバー操作するかのような、従来とは異なる操作感覚、従来とは異なる新しい遊戯性や興趣性を覚えることができる。このような新しい操作感覚等は、家庭用ゲーム機器等においては実現することが困難であることから、この点で遊戯者に対する訴求力を発揮しうるものである。
【0012】
しかも、レバー操作部が遊戯者の頭部以上の大きさであるレバーは異形かつ突飛であるとの印象を与えうるものであり、遊戯者のみならず通行者や見物者の視覚に大きく訴えかけうる。また、周りの見物者などに対しては、遊戯者が巨大なレバーを操作しながら遊戯している様に興味を惹かれ、見入ってしまう場合も起こりうるなど、当該レバー入力装置は周囲への訴求効果をも発揮しうる。このような本発明を例えば巨大スクリーンに映像を映し出す大型ゲーム装置に適用すれば、筐体としても、また遊戯中における遊戯者の動作も目立つ装置を実現することが可能である。
【0013】
このようなレバー入力装置においては、遊戯者による当該入力以外の適時にモータの動力をレバーに伝達し、レバーを自動的に傾動動作させることが好ましい。この場合、レバーを、当該遊戯装置の正面から見て左右方向に傾動動作させることも好ましい。レバーを自動で傾動動作させていわば首振り運動させれば、当該レバーの外観が異形かつ突飛であることも相まって、通行者などの気を引くように効果的にアドバタイズする(広告する)ことができる。
【0014】
上述のごとくレバーを自動的に傾動動作させている間に当該遊戯装置に対する外部入力があった場合、クラッチを切って動力伝達経路を断つことが好ましい。
【0015】
また、遊戯者による当該レバーへの操作入力中、遊戯装置における遊戯の進行状況に応じてモータの動力をレバーに断続的に伝達して当該レバーを振動させることが好ましい。この場合には、クラッチの伝達状態と切断状態とを繰り返すことによってモータの動力をレバーに断続的に伝達することができる。
【0016】
上述のごとくレバーを振動させる場合においては、レバーが傾動した状態にあって尚かつ遊戯装置における遊戯の進行状況が所定条件を満たす場合に、モータの動力をレバーに断続的に伝達することも好ましい。
【0017】
また、レバー操作部に、遊戯者が片手または両手で入力可能な操作入力部が形成されていることも好ましい。この場合、左手用操作入力部および右手用操作入力部は、レバーの前にて遊戯する際の遊戯者からみて等距離に配置されていることがさらに好ましい。
【0018】
また、上述したレバー入力装置は、当該遊戯装置にて一対が左右に配置されていることが好ましい。この場合のレバー入力装置は、互いに高さが異なっていてもよい。あるいは、レバー入力装置が、一人の遊戯者による同時操作が可能な間隔に配置されていてもよい。また、この場合において、左手用操作入力部および右手用操作入力部が遊戯者からみて非対称に形成されていることも好ましい。
【0019】
また、レバー入力装置に発光装置が設けられていることも好ましい。
【0020】
さらに、レバー入力装置は、縦置きされた画像表示部に映像を映し出す映像機器を備えた遊戯装置に設けられていることも好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、視覚的に特徴のある新しいコンセプトのレバー入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】遊戯装置の外観を示す全体斜視図である。
【図2】遊戯装置の正面図である。
【図3】遊戯装置のスクリーンを除いた背面図である。
【図4】遊戯装置の部分側面図である。
【図5】遊戯装置を斜め後方から見たときの斜視図である。
【図6】遊戯装置における照明ユニットの光軸と天板の傾斜角の関係を示す図である。
【図7】本発明にかかるレバー入力装置の一実施形態を示す正面図である。
【図8】レバー入力装置の左側面図である。
【図9】レバー入力装置の背面図である。
【図10】レバーが傾動した状態のレバー入力装置の背面図である。
【図11】レバー入力装置の斜視図である。
【図12】レバーが傾動した状態のレバー入力装置の斜視図である。
【図13】レバーの支持部の基本構造を説明するための斜視図である。
【図14】レバーの支持部の基本構造を説明するための斜視図である。
【図15】遊戯装置の制御装置等の構成例を示すブロック図である。
【図16】機械制御命令発行の一例を示すフローチャートである。
【図17】機械動作制御の一例を示すフローチャートである。
【図18】レバー入力装置の他の構成例を示す斜視図である。
【図19】図18に示すレバー入力装置の部分正面図である。
【図20】レバー入力装置のさらに他の構成例を示す(A)平面図と(B)正面図である。
【図21】左側のレバー入力装置および右側のレバー入力装置を連係させた構成のレバー入力装置の部分図である。
【図22】レバーを回動ないし回転させるようにしたレバー入力装置の構成例を示す平面図である。
【図23】レバーを回動ないし回転させるようにしたレバー入力装置の構成例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明に係るレバー入力装置の実施形態について説明する。以下では、レバー入力装置5を含む遊戯装置1についてまず説明し、その後、当該レバー入力装置5について詳細に説明する。
【0024】
まず、図1を参照して、遊戯装置1は、本体筐体部2と、本体筐体部2に連結され、スクリーン3を支持する支持体4とを含んで構成される。また、本体筐体部2には、遊戯者によって操作されるレバー入力装置5及び操作パネル6が設けられている。
【0025】
本体筐体部2は、遊戯装置1の中核コンポーネントであり、その内部に、電源ユニット、制御基板、冷却ファン、及びプロジェクタ等を収容している(図示せず)。制御基板の制御の下でプロジェクタから投影されるゲーム映像は、本体筐体部2の背面から出射して、スクリーン3に投影される。本体筐体部2の底面には、後述するように、レグアジャスタ機構23が設けられ、本体筐体部2自体の傾きを調整することで、プロジェクタの投影角度が調整できるようになっている。
【0026】
スクリーン3は、プロジェクタから出射される光を反射させて、ゲーム映像として映し出すためのプロジェクタ用スクリーンである。本実施形態のスクリーン3は、表面がフィルム加工された硬質の板状部材により構成されている。ただし、これに限定されず、布等の可撓性素材により構成してもよい。スクリーン3は、本体筐体部2の前面に立った遊戯者の視線方向に、その中心が位置するように、支持体4に取り付けられている。
【0027】
支持体4は、架台梁部41から立設する支持柱42を含んで構成され、これによって、スクリーン3を支持するとともに、本体筐体部2を連結し、固定する。支持体4には、スクリーン3を囲むように、左右の遮蔽幕7及び天板8が取り付けられている。これらは、スクリーン3に投影されたゲーム映像が外光によって影響を受けることで、視認性が低下しないようにするためである。また、遮蔽部材の一例として機能する遮蔽幕7は、本実施形態の遊戯装置1を隣接配置した場合に、他の遊戯装置1の全く関係ないゲーム映像を遮ることにも役立つ。
【0028】
天板8は、水平面に対して僅かに傾斜した角度で設けられる。天板8には、当該天板8に略沿って曲面を形成するように可撓性シート9が取り付けられている。可撓性シート9は、広告的内容の文字や絵柄をプリントすることができる。可撓性シート9は、本体筐体部2に設けられた照明ユニット2(図4参照)により、照らし出され、広告的機能を発揮する。
【0029】
次に、遊戯装置1の各部の詳細について説明する。
【0030】
図2は、本発明の一実施形態に係る遊戯装置1の正面図である。同図に示されるように、本体筐体部2は、中央に配置されるコントローラキャビネット21及びその左右に配置されるサイドキャビネット22A及び22Bとから構成される。
【0031】
コントローラキャビネット21の上面には、スピーカー62及び各種の操作ボタン63が配された操作パネル6が形成されている。なお、コントローラキャビネット21の前面に形成されているのは、遊戯者がゲームの開始に必要なコインを投入するためのコイン投入部64である。
【0032】
左右のサイドキャビネット22A及び22Bには、遊戯者によって揺動操作されるレバー入力装置5A及び5Bがそれぞれ設けられている。サイドキャビネット22A及び22Bは、それぞれ、レバー入力装置5A及び5Bの動きを検出し、操作信号を出力するセンサ機構及びレバー入力装置5に対して所定の動きを与える駆動機構が設けられている。本実施形態では、レバー入力装置5A及び5Bは、遊戯者の手で把持する程度の大きさのものではなく、遊戯者(幼児や子供)の背丈ほどの高さまで立直し、遊戯者の腕の動きを使って乃至は身体全体の動きを使って揺動操作する程度の大きさに設計されている。また、本実施形態では、大人の遊戯者と子供の遊戯者が一緒にゲームを楽しむことができるように、レバー入力装置5A及び5Bの軸の長さが異なっているが、同じ長さに設定してもよい。レバー入力装置5A及び5Bのそれぞれの軸部の上端部に設けられた球体表面には、操作ボタンが形成されていてもよい。レバー入力装置5の球体表面に設けられた操作ボタンは、操作パネル6に設けられた操作ボタン63と同じ機能が割り当てられても良いし、異なった機能が割り当てられても良い。遊戯者によるレバー入力装置5A及び5Bに対する入力操作に基づいて生成される操作信号は、コントローラキャビネット21内の制御基板に入力される。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態に係る遊戯装置1のスクリーンを除いた背面図である。同図に示されるように、本体筐体部2の背面には、透過窓24を有する扉が形成されている。透過窓24は、コントローラキャビネット21の内部に固定配置されたプロジェクタ26から出射される光を通すための窓である。透過窓24には、透明のガラスが嵌め込まれていることが好ましい。扉は、メンテナンスのため、取り外し可能に形成されている。
【0034】
本体筐体部2の背面には、アーム251を介してハロゲンランプ等の光源を収容した2個の照明ユニット25が、出射口を上方に向けて取り付けられている(図4参照)。照明ユニット25から出射した光は、支持体4の天板8に取り付けられた可撓性シート9に照射される。アーム251の長さは、照明ユニット25から出射した光が本体筐体部2の一部に当たって影を形成しないように、設定される。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態に係る遊戯装置1の部分側面図である。同図では、コントローラキャビネット21の側壁を取り外した状態で、コントローラキャビネット21の内部を示している。
【0036】
同図に示されるように、コントローラキャビネット21の内部には、プロジェクタ26が固定配置されている。また、プロジェクタ26の発する熱を外部に排出する冷却ファンが設けられても良い。
【0037】
本体筐体部2の底面には、複数のレグアジャスタ機構23が設けられ、設置面に対して本体筐体部2を支持する。本実施形態では、4個のレグアジャスタ機構23が、本体筐体部2の底面のコーナー近傍部位のそれぞれに取り付けられている。
【0038】
具体的には、サイドキャビネット22の底面の所定の部位に設けられたボルト穴(図示せず)に対応するように、第1の固定ナット231が溶接等により固着され、フット部232を有するアジャスタボルト233が螺挿されている。フット部232には、第2の固定ナット234が溶接等により固着されている。また、アジャスタボルト233には、緩み止めナット235が螺合されている。
【0039】
従って、第2の固定ナット234が回動される、その回動方向に応じてアジャスタボルト233が伸縮し、支持長が変化する。そして、第2の固定ナットの回動が抑止され、緩み止めナット235が締め付けられ、その結果、アジャスタボルト233が所定の支持長で固定される。
【0040】
このようにして、レグアジャスタ機構23は、設置面から本体筐体部2の底面までの高さを調節することができる。従って、作業者は、それぞれのレグアジャスタ機構23の支持長を変えることで、本体筐体部2の傾きを自在に調整でき、結果として、スクリーン3に対して本体筐体部2の内部に固定設置されたプロジェクタ26の投影角度を調整できることになる。これにより、作業者に本体筐体部2の扉を開けさせて、プロジェクタ26自体の傾き角を調整させる必要がなくなる。
【0041】
また、本体筐体部2の左右両側の底部には、支持体4に継合するための継合プレート27が取り付けられている。継合プレート27には、ボルトを挿通するための複数の縦長の長穴271が形成されており、複数の長穴271のいくつかが、支持体4の架台梁部41に設けられた複数のボルト穴に合わされてボルト締めされる。
【0042】
上述したように、本実施形態の遊戯装置1は、プロジェクタ26の投影角度を設定するために、レグアジャスタ機構23によって、設置面に対する本体筐体部2の傾きを調整可能にしている。従って、継合プレート27の長穴271は、本体筐体部2の高さ変位量に基づくボルト挿通位置のずれを吸収することに寄与する。
【0043】
図5は、本発明の一実施形態に係る遊戯装置1を斜め後方から見たときの斜視図である。同図では、便宜上、遮蔽幕7を省略している。
【0044】
支持体4は、大型のスクリーン3を支持する構造体である。支持体4は、一対の架台梁部41と、左右一対の架台梁部41のそれぞれの一端部に継合され、そこから立設する左右一対の支持柱42とを含み、一対の支持柱42に、スクリーン3が締結部材により継合されている。一対の架台梁部41の他端部は、本体筐体部2の継合プレートを継合している。
【0045】
一対の架台梁部41の間には補強部材43が配設され、一対の架台梁部41を連結している。また、一対の支持柱42の間には補強板44が配設されている。補強板44は、支持柱42を連結し、支持体4の強度を高めるとともに、遊戯装置1の背後を覆い隠す化粧板の役目を果たす。
【0046】
一対の支持柱42のそれぞれの先端部には、ブラケット45が取り付けられ、一対の片持ち梁46が継合されている。片持ち梁46は、本体筐体部2側に向けて斜め上方に延伸する。片持ち梁46し、天板8を支持している。
【0047】
水平面に対する片持ち梁46の傾斜角度は、スクリーン3に差し込む上方からの外光の遮蔽を考慮しつつ、天板8から懸架される可撓性シート9の弛み具合(曲面)との関係で規定されることが好ましい。
【0048】
図6は、本発明の一実施形態に係る遊戯装置1における照明ユニット25の光軸と天板8の傾斜角の関係を示す図である。
【0049】
即ち、同図に示されるように、支持柱42から延出する片持ち梁46に取り付けられた天板8は、水平面に対して角度θで傾斜している。従って、天板8の前後端部に貼着された可撓性シート9は、自重により、曲面を形成するように弛み、中心よりもやや後方(スクリーン3側)に最下点Pが位置する。つまり、最下点Pよりも後方の可撓性シート9の領域は、その法線ベクトルがスクリーン3の方向に向いている。従って、かかる領域に対して、下方から照明を当てた場合、その反射光がスクリーン3に向かってしまう。
【0050】
従って、本実施形態では、照明ユニット25の光軸C上の点が、最下点Pよりも前方(本体筐体部2側)の領域に位置するように、照明ユニット25の方向が設定される。これにより、照明ユニット25によって可撓性シート9に照射された光の中心光は、スクリーン3から遠ざかる方向に反射することになる。
【0051】
また、最下点Pよりも後方の可撓性シート9の領域は、遊戯装置1を臨む人々の目からは見えにくい。従って、かかる領域の全部又は一部に、光を吸収する塗料を塗布し又はフィルムを貼着してもよい。これにより、照明ユニット25が可撓性シート9に照射した光のうち、スクリーン3に向かう反射光の量を抑えることができ、スクリーン3上に投影されるゲーム映像の視認性の低下を防止することができる。
【0052】
続いて、本実施形態の遊戯装置1におけるレバー入力装置5について説明する(図11等参照)。
【0053】
レバー入力装置5は、サイドキャビネット22(22A,22B)に設けられた支点を中心として初期姿勢から傾動可能に支持されたレバーを傾動させることにより、遊戯装置1に所定の指示を入力する装置である。本実施形態のレバー入力装置5は、遊戯者からみて左側のレバー入力装置5Aおよび右側のレバー入力装置5Bの一対からなる。各レバー入力装置5A,5Bは、それぞれ対応する左側のサイドキャビネット22Aおよび右側のサイドキャビネット22Bに設けられている(図1参照)。本実施形態におけるこれら一対のレバー入力装置5A,5Bは、レバーの長さは異なる以外、同様の構造となっている。以下では、これら一対のレバー入力装置5A,5Bのうちの一方(例えば左側のレバー入力装置5A)について説明する(図11等参照)。また、以下では、レバー入力装置5の一例として、アクチュエータ等の動力を利用して動作等をさせることが可能なレバー入力装置5について説明する。
【0054】
本実施形態のレバー入力装置5は、レバー51、レバー操作部52、支持部53、付勢装置54、検出装置55、モータ56、動力伝達機構57、クラッチ58等を備えている。
【0055】
レバー51は、遊戯者による入力操作に従い傾動し、当該傾動動作に応じて遊戯装置1に操作信号を入力するための筒状の部材である。本実施形態のレバー51は、後述するように大きく形成されているレバー操作部52に対応して太めに形成されている。また、レバー51は、遊戯者の操作入力がない中立時に直立した状態となるように形成されている(図11等参照)。
【0056】
レバー操作部52は、レバー51の上部に形成され、遊戯者が触れて操作入力する部分である(図11等参照)。本実施形態では、このレバー操作部52を球状に形成し、尚かつ、遊戯者ら人間頭部の一般的な大きさを上回る大きさ(一例として、直径30cm程度)としている(図11等参照)。このように頭部を上回る大きさとされた球状のレバー51と、上述のように太めに形成されたレバー51とは、両者が組み合わされた際、従来のアーケード型テレビゲーム装置などにおいて一般的に利用されていた直立型のレバー入力装置のおよそ相似形となるような構成比率で形成されている。このため、本実施形態のレバー51およびレバー操作部52は、例えばアーケード型のゲーム装置(遊戯装置1)に設置された場合に、一見して従来のレバー入力装置に似ているが装置自体がかなり大きく、当該装置が視界に入った通行者らの興味を引くという訴求力を発揮する。
【0057】
また、レバー入力装置5は、レバー操作部52が、直立姿勢にある遊戯者が片手または両手で操作することが可能な高さに設けられている(図1等参照)。このようなレバー操作部52は、後述する左ボタン521Lおよび右ボタン521Rと相まって、直立姿勢で両手を各ボタン521L,521Rに置くという遊戯姿勢を遊戯者に示唆する。
【0058】
レバー操作部52には、当該レバー操作部52上に置いた両手の一方または両方によって特定の操作入力を行うための左手用/右手用操作入力部が設けられている。例えば本実施形態では、左手用操作入力部としての左ボタン521Lと、右手用操作入力部としての右ボタン521Rとを、レバー操作部52の中央左右寄りの位置に配置している(図7等参照)。これら左ボタン521Lおよび右ボタン521Rは、レバー51およびレバー操作部52の前で遊戯する遊戯者からみて等距離に配置されていることが好ましく、あるいは非対称に配置されていることも好ましい。本実施形態では、レバー51およびレバー操作部52の正面に直立した姿勢の遊戯者からみて両方のボタン521L,521Rが等距離になるよう、これら左ボタン521Lおよび右ボタン521Rをレバー操作部52の中央に関して左右対称となる位置に配置している。また、前後方向の配置に関し、本実施形態では、これら左ボタン521Lおよび右ボタン521Rをレバー操作部52の中央からやや遊戯者寄りとなる位置に配置し、遊戯者が操作しやすいようにして操作性の向上を図っている(図8等参照)。なお、特に図示していないが、左ボタン521Lおよび右ボタン521Rの入力信号を伝送する信号線は、筒状となっているレバー51の内部に配線されている。また、左ボタン521Lおよび右ボタン521Rを非対称に配置する場合の形態例を示しておくと、携帯可能なポータブルゲーム機器における配列を模擬して例えば6個のボタンからなる右ボタン521Rを右側のレバー51のレバー操作部52にのみ配列すること等がある。
【0059】
なお、特に図示はしていないが、上述の左ボタン521Lおよび右ボタン521Rを透光性樹脂で形成するとともに発光装置を内蔵させ、適宜内部から発光させるようにしてもよい。あるいは、レバー操作部52における左ボタン521Lおよび右ボタン521R以外の箇所の一部または全部を透光性樹脂で形成し、発光装置を埋め込んで発光させるようにしてもよい。
【0060】
支持部53は、レバー51を傾動可能に支持する部材である。例えば本実施形態では、当該レバー51の前後方向(遊戯者がいる手前側とスクリーン3のある奥側とを結ぶ方向)の傾動動作と左右方向(遊戯者から見た左右の方向)の傾動動作を独立に許容する自在支持装置を用い、レバー51を傾動自在に支持するユニバーサルアタッチメントを構成している。この自在支持装置の一例を簡単に示しておくと、まず筐体59に対してフレーム531を一方向(例えば左右方向)へ回転可能に取り付け、さらにこのフレーム531に対してレバー51を別方向(例えば前後方向)へ回転可能に取り付けることによって自在支持構造を構成することができる(図13、図14参照)。フレーム531は、例えば前後方向に延びる支持軸532を介して筐体59に回転可能に取り付けられる。この支持軸532はフレーム531に一体化されており、レバー51の傾動時にともに回転する。また、レバー51は、例えば左右方向に延びる支持軸533を介してフレーム531に回転可能に取り付けられる。
【0061】
付勢装置54は、傾動したレバー51に対して初期位置に戻る方向へ付勢する部材である。このような付勢部材の具体例は特に限定されることはなく種々のものが採用され得るが、例えば本実施形態では、防振ゴム等として利用可能なゴム部材を付勢部材54として利用している。この付勢装置54は、その上端にレバー51の下端が取り付けられた状態で、筐体59を構成する内部プレート592の中央に配置されている。このような付勢装置54は、レバー51の傾動に従い弾性変形し、レバー51を初期の直立姿勢に戻すように付勢する(図13、図14参照)。
【0062】
検出装置55は、レバー51(レバー入力装置5)の傾きを検出する装置である(図8参照)。検出装置55の具体例は特に限定されることはなく、例えば傾動時にレバー51が接触する位置に設けられたリミットスイッチなどを利用することができるが、本実施形態では発光素子と受光素子からなる光センサを利用し、レバー51が所定の傾きを超えて傾動したかどうかを検出することとしている。特に詳しく図示してはいないが、光センサは、レバー51の前方向の傾動、後方向の傾動、左方向の傾動、そして右方向の傾動のそれぞれを独立して検出するべく4組が設けられている。レバー51の例えば前方向への傾動を検出する光センサ(発光素子、受光素子)は、所定の傾きを超えて傾動したレバー51の一部が遮光するように配置されている。なお、上述のように、本実施形態ではレバー51が所定の傾きを超えて傾動したかどうかを検出しているが、ロータリーエンコーダを含む光学センサやポテンショメータといった変位センサなどを用いてレバー51の傾動量(角度)を検出することもできる。
【0063】
モータ56は、レバー入力装置5のレバー51を自動動作させる際の動力源、さらには該レバー入力装置5のレバー51を振動させる際の動力源として設けられているアクチュエータである。例えば筐体59の下部に配置されたモータ56の動力は、動力伝達機構57およびクラッチ58を介してレバー51へと伝達される(図12等参照)。本実施形態では、例えば、CPU(制御装置)60からの機械制御出力信号に応じて正逆回転するACモータを用いている。なお、符号561は、モータ56と電気接続されているモータコンデンサである(図8等参照)。本実施形態では動力源としてモータ56を例示しているが、この他、ソレノイドコイル、油圧ないし空気圧のアクチュエータなどを駆動源として用いることができる。
【0064】
動力伝達機構57は、モータ56の動力をレバー51に伝達する、減速装置を兼ねた機構である。本実施形態では、ベルト(図示省略)、プーリ572、クラッチ58、伝達軸574、別のベルト(図示省略)、別のプーリ(図示省略)、短リンク576、長リンク578、そしてレバー51へと動力が伝達される動力伝達機構57を構成している(図8等参照)。
【0065】
すなわち、まず、モータ56の回転軸のプーリ(図示省略)およびクラッチ58の入力軸のプーリ572にはベルト(図示省略)が巻き掛けられており、このベルトがプーリ572を介してクラッチ58へと動力を伝達する。クラッチ8の出力側には伝達軸574が接続されており、この伝達軸574の回転は、別のベルトおよび別のプーリを介して短リンク576へと伝達される。
【0066】
短リンク576は、筐体59に回転可能に取り付けられているレバーである。この短リンク576の揺動端には、長リンク578と係合するための突起576aが形成されている(図10等参照)。
【0067】
長リンク578は、その一端を支持部53の支持軸532に固定されており、当該支持軸532を中心としてレバー51およびフレーム531と同量だけ傾動(揺動)するように設けられている(図9、図10等参照)。この長リンク578の他端(下側の揺動端)には、短リンクの突起576aがスライド可能な状態で係合する長孔578aが形成されている。
【0068】
クラッチ58は、上述したモータ56とレバー51との間における動力伝達経路の途中を継断し、動力の接続状態と切断状態とを適宜切り替えるための機械要素である。本実施形態のクラッチ58は、CPU(制御装置)60からの機械制御出力信号に応じて継断する。
【0069】
CPU60は、各種受信信号(例えば検出装置55による検出信号など)を受信し、上述したモータ56、クラッチ58などの各種装置に対する動作信号(機械制御出力信号など)を送信する制御装置である。例えば本実施形態のCPU60は、入力部(例えば検出装置55)からの信号入力や、記憶部61から読み込んだプラグラムやデータなどに基づいて演算処理を実行する中央演算部600の機能のほか、通信制御部602、画像処理部604、音声処理部606、機械制御処理部608としての各機能を有する(図15参照)。通信制御部602は、例えばWANやLAN等のネットワークシステムに接続して通信する際の通信制御を実行する。画像処理部604は、画像表示部(スクリーン3)に表示する画像の処理を実行する。音声処理部606は、スピーカー62等からの音声出力の処理を実行する。機械制御処理部608は、モータ56やクラッチ58等の要素に対する制御処理を実行する。このようなCPU60は、CISC(Complex Instruction Set Computer、複合命令セットコンピュータ)方式やRISC(Reduced Instruction Set Computer、縮小命令セットコンピュータ)方式のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Siganl Processor)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサー)等である演算・制御能力を備えている。なお、CPU60に、記憶部61やGPU(グラフィックプロセッサ)、オーディオプロセッサ等の機能を備えることも可能である。
【0070】
記憶部61には、例えばプログラムとデータ、さらには、遊戯装置1をコンピュータとして機能させるためのOS(Operating System)が備えられている。プログラム等は、OSの各種API(Application Programming Interface)により、遊戯装置1の各機能にアクセス可能である。このような記憶部61は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の主記憶用に使われる高速な記憶手段と、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)、磁気テープ装置、光ディスク装置等の補助記憶手段を含んで構成される。本実施形態の遊戯装置1における記憶部61には、プログラムと、データとが備えられている。また、この記憶部61には、遊戯装置1をコンピュータとして機能させるためのOS(Operating System、図示せず)が備えられていてもよい。
【0071】
プログラムは、CPU60が遊戯装置1を実行するためのゲームプログラムである。なお、プログラム自体を、サーバからダウンロードしてアップデートしたり、ゲーム開始時にダウンロードしたりするような構成にすることも可能である。また、データは、このゲームプログラム用の各種データであり、各キャラクタの表示用ポリゴンデータ、音楽データ等のゲーム実行に必要なデータを備えている。また難易度の設定等の情報も記憶することができる。
【0072】
なお、遊戯装置1には、必要に応じて通信I/FやペリフェラルI/F、オーディオプロセッサが設けられる。通信I/F(図示省略)は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(ワイド・エリア・ネットワーク)等のネットワークに接続するための(例えば、WiMax(登録商標)、c.Link(登録商標)、HDMI(登録商標)、有線/無線LAN、電話線、携帯電話網、PHS網、電灯線ネットワーク、IEEE1394等)インタフェイスである。ペリフェラルI/F(図示省略)は、各種周辺機器(ペリフェラル)に接続するための、USB、IEEE1394、シリアル、パラレル、赤外線、無線等のインタフェイスを提供する部位である。このペリフェラルI/Fによって接続される各種周辺機器として、遊戯装置1においては、各種ボタンスイッチ、コイン投入装置、電源スイッチなどを用いることができる。また、スティック型コントローラー、振動装置等のフォースフィードバック装置、タッチパッド、タッチパネル、キーボード、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス等を接続して用いることもできる。また、ペリフェラルI/Fは、電子スイッチ等を制御することもでき、各種周辺機器の電源をオン/オフにして消費電力を抑えることもできる。
【0073】
オーディオプロセッサ(図示省略)は、音楽や音声や効果音を出力するためのPCM(Wave)音源等を備えたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等である。オーディオプロセッサは、物理演算音源、FM音源等の計算を行い、残響や反射等の各種音声効果を計算することもできる。オーディオプロセッサの出力は、D/A(デジタル・アナログ)変換され、デジタルアンプ等に接続されて、スピーカー62などの音声出力部で音楽や音声や効果音として再生される。オーディオプロセッサは、音楽や音声や効果音のためのデジタル変換されたデータを記憶している記憶媒体(オーディオメモリ)を備えていてもよい。
【0074】
次に、本実施形態の遊戯装置1におけるモータ56、クラッチ58等の制御例を示す(図16等参照)。本実施形態の遊戯装置1においては、遊戯者によるレバー51(レバー入力装置5)への操作入力中あるいは操作入力以外の適時にモータ56やクラッチ58を制御し、種々の態様でモータ56の動力をレバー51に伝達するようにしている。
【0075】
<モータ56、クラッチ58等の第1の制御例>
所定の条件下、レバー51(レバー入力装置5)を自動的に傾動動作させることが好ましい。本実施形態では、遊戯者らによる外部からの入力がない状態(無入力シーン)で一定時間経過した後、当該レバー51を、遊戯装置1の正面から見て左右方向に傾動動作させる。上述したようにレバー操作部52が遊戯者の頭部以上の大きさであり全体として異形かつ突飛であるとの印象を与えうるレバー入力装置5であることから、このようにレバー51を自動で傾動動作させる首振り運動をさせた場合、遊戯者のみならず通行者や見物者の視覚に大きく訴えかける広告機能(アドバタイズ機能)を発揮することが期待できる。
【0076】
また、このような広告機能(アドバタイズ機能)を発揮する運動には、スクリーン3に映し出されている画面の切り替わり、当該画面内の表示物の動き、スピーカー62から流れる音楽などに合わせた動きとしてもよい。すなわち、
・タイトル画面などでロゴの演出に合わせた首振り運動
・音楽に合わせた首振り運動
・リプレイシーン(遊戯内容を再び画面に映し出すこと、またはその映像)などで、移動再現体の動作に合わせた首振り運動
などに合わせてレバー51を運動させることも好ましい。
【0077】
また、本実施形態では、このようにレバー51を自動的に傾動動作させている間に当該遊戯装置1に対する外部入力があった場合等において、クラッチ58を切って動力伝達経路を断つようにしている。例示すれば、
・無入力シーンにおいて、コイン投入による一定時間の動作中止
・無入力シーンにおいて、遊戯者の入力受付(例えば、遊戯者がレバー入力装置5に触れるなど)による、一定時間の動作中止
・無入力シーンにおいて、ゲーム終了後一定時間経過後の動作中止
・無入力シーンにおいて、オペレーターの設定による、動作自体のオン/オフ
などがある。
【0078】
なお、ここでいうオペレーターとは、例えばゲーム店(アミューズメントアーケード)の店員など、当該遊戯装置1に対してマスター操作盤(本明細書では詳しい説明をしない)などを介してあらかじめ所定の設定操作を行ったり、保守点検を行ったりする権限を有する者をいう(ゲーム管理者あるいはアテンダントともいう)。
【0079】
<モータ56、クラッチ58等の第2の制御例>
遊戯中における遊戯者による当該レバー入力装置5への操作入力中、遊戯の進行状況に応じてモータ56やクラッチ58等を制御し、当該モータ56の動力をレバー入力装置5に断続的に伝達してレバー51を振動させる。この場合、クラッチ58の継断(伝達状態と切断状態)を繰り返すことによってモータ56の動力をレバー操作部52に断続的に伝達することができる。
【0080】
このようにレバー51を振動させる場面としては、例えば、レバー51が傾動した状態にあって尚かつ遊戯装置1における遊戯の進行状況が所定条件を満たす場合に、モータ56の動力をレバー操作部52に断続的に伝達する。あるいは、遊戯者の入力やゲーム(例えば、操作オブジェクトたる種々の形状のブロックを左回転あるいは右回転させながら左右方向および下方向へと移動させ、既に積まれている他のブロック塊に適宜組み合わせるゲーム、など)の進行状況に応じて、以下のようにレバー51を振動させてもよい。すなわち、例示すれば、
・操作オブジェクトの接地ないしはブロック塊への接触の際に振動
・操作オブジェクトの他のオブジェクトへの衝突により振動
・操作オブジェクトの好適な操作により加点された場合に振動
・操作オブジェクトもしくは場面が破壊された場合(一例として、当該ゲームの終了に伴い既存オブジェクトすべてが壊されるという演出)に伴い振動
・操作オブジェクトを移動可能範囲外に進めようとした場合に振動
・遊戯者が、何らかの攻撃を受けた場合に振動
・対戦形式の場合、遊戯者の勝敗が決まった場合に振動
・ゲームのモード選択などにおいて、入力に応じて振動
・ゲームの結果表示において、成果に応じて表示
・ゲーム続行不可能になった場合に振動
などがある。レバー51を振動させる場面と振動パターンの組み合わせによっては、遊戯の進行が邪魔されているかのような感覚を遊戯者に与えることも可能である。
【0081】
これらの振動は、オペレーターによりオン/オフまたは強弱が設定可能であることが好ましい。また、遊戯の成果や結果に応じて振動の強さがリニアに変化するものであることも好ましい。さらには、振動をより効果的に制御するため、遊戯者による操作入力の方向によって、モータ56の正回転・逆回転の向きを設定し、効果的な振動を体験させるようにすることも好ましい。
【0082】
<モータ56、クラッチ58等の制御時における、機械制御命令発行のフロー例>
図16に示すフローを参照しつつ、モータ56、クラッチ58等の制御時における機械制御命令発行の一例を説明する。
【0083】
まず、遊戯装置1において入力があったら(ステップSP1)、CPU60の中央演算部600にて処理を実施する(ステップSP2)。ここでいう入力とは、後述する機械制御を伴う入力および機械制御を伴わない入力の両方を含む一般的な入力である。
【0084】
次に、上記の入力が、機械制御を伴う入力、機械制御を伴わない入力のいずれなのかを判断する(ステップSP3)。機械制御を伴わない入力とは、例えば、<モータ56、クラッチ58等の第2の制御例>において説明したような、遊戯中における遊戯者によるレバー入力装置5への操作入力など、主として遊戯装置1の外部からのイベントをいう。一方、機械制御を伴う入力とは、例えば、<モータ56、クラッチ58等の第1の制御例>において説明したような、遊戯者らによる外部からの入力がない状態(無入力シーン)で一定時間経過したときにレバー51を自動で首振り運動をさせる場合の当該制御など、主として、遊戯装置1のCPU60における内部イベントをいう。
【0085】
上記入力が機械制御を伴う入力ではない場合(ステップSP3にてNO)、続いて、機械制御を伴うシーンであるかどうかを判断する(ステップSP4)。ここでいう機械制御を伴うシーンとは、例えば、上述したようにレバー51を自動で首振り運動させる際のシーケンスなどをいう。機械制御を伴うシーン(シーケンス)ではない場合(ステップSP4にてNO)、一例として、スクリーン3においてロゴなどの待受画面を映し出すシーンに移行する場合、モータ56、クラッチ58等の制御は行わず、入力待ち(アイドリング)のステップ(ステップSP1)にリターンする。
【0086】
一方、機械制御を伴うシーン(シーケンス)である場合(ステップSP4にてYES)、一例として、上述のようにレバー51を自動で首振り運動をさせる場合、クラッチ58の制御を実施するかどうかを判断する(ステップSP5)。この判断は、例えばレバー51を自動で首振り運動させる際、複数パターンのうちの所定の動作を実現するために当該クラッチ58の制御を実施する必要があるかどうかに基づく。クラッチ制御を実施する場合(ステップSP5にてYES)、所定のクラッチ制御命令を発行し(ステップSP6)、後述するカウンタに所定値を加える。クラッチ制御を実施しない場合(ステップSP5にてNO)、次のステップでモータ56の制御を実施するかどうかを判断する(ステップSP7)。
【0087】
ステップSP7におけるモータ制御を実施するかどうかの判断は、機械制御を伴うシーン(シーケンス)に移行する場合に当該モータ56の制御が必要かどうかに基づく。例えば、遊戯装置1の発光装置(図示省略)を発光させたりスピーカー62から所定の音声を出力したりするだけの場合には、モータ制御は実施せずともよい(ステップSP7にてNO)。一方、モータ制御を実施する場合には(ステップSP7にてYES)、所定のモータ制御命令を発行し(ステップSP8)、後述するカウンタに所定値を加える。
【0088】
次に、上記の入力が、機械制御を伴う入力である場合(ステップSP3にてYES)について説明する。この場合、本実施形態では、レバー51を振動させるための制御を実施するため、まずはクラッチ58の制御を実施するかどうかを判断する(ステップSP9)。この判断は、例えば後述の<モータ56、クラッチ58を利用した振動パターン例>にて例示するように、複数パターンのうちの所定の振動を実現するために当該クラッチ58の制御を実施する必要があるかどうかに基づく。クラッチ制御を実施する場合(ステップSP9にてYES)、所定のクラッチ制御命令を発行し(ステップSP10)、後述するカウンタに所定値を加える。クラッチ制御を実施しない場合(ステップSP9にてNO)、次のステップでモータ56の制御を実施するかどうかを判断する(ステップSP11)。
【0089】
ステップSP11におけるモータ制御を実施するかどうかの判断は、レバー51に所定の振動をさせる場合に当該モータ56の制御が必要かどうかに基づく。例えばモータ56の回転数を変える必要がある場合などにおいては(ステップSP11にてYES)、モータ制御命令を発行し(ステップSP12)、後述するカウンタに所定値を加える。一方、例えばモータ56の回転数は変えずともクラッチ58の制御のみで所定の振動を実現できる場合などにおいては(ステップSP11にてNO)、モータ制御命令を発行せずに入力待ち(アイドリング)のステップ(ステップSP1)にリターンする。
【0090】
<モータ56、クラッチ58等の制御時における、機械動作制御のフロー例>
図17に示すフローを参照しつつ、モータ56、クラッチ58等の制御時における機械動作制御の一例を説明する。
【0091】
遊戯装置1において入力があったら(ステップSP21)、CPU60の中央演算部600にて処理を実施する(ステップSP22)。上述したように、ここでいう入力とは、機械制御を伴う入力および機械制御を伴わない入力の両方を含む一般的な入力である。
【0092】
次に、機械制御カウンタが0を超えているかどうかを判断する(ステップSP23)。0を超えていなければ(ステップSP23にてNO)、入力待ち(アイドリング)のステップ(ステップSP21)にリターンする。0を超えていれば(ステップSP23にてYES)、次のステップで制御ブランクカウンタが0を超えているかどうかを判断する(ステップSP24)。
【0093】
ステップSP24で制御ブランクカウンタが0を超えていれば(ステップSP24にてYES)、ステップSP37にてクラッチ制御を実施するかどうかを判断する。一方、ステップSP24で制御ブランクカウンタが0を超えていなければ(ステップSP24にてNO)、ステップSP25にてモータ56の逆回転制御カウンタが0を超えているかどうかを判断する(ステップSP25)。
【0094】
ステップSP25で逆回転制御カウンタが0を超えていれば(ステップSP25にてYES)、ステップSP32にてクラッチ制御を実施するかどうかを判断する。一方、ステップSP25で逆回転制御カウンタが0を超えていなければ(ステップSP25にてNO)、ステップSP26にてモータ56の正回転制御カウンタが0を超えているかどうかを判断する(ステップSP26)。
【0095】
ステップSP26で正回転制御カウンタが0を超えていれば(ステップSP26にてYES)、ステップSP27にてクラッチ制御を実施するかどうかを判断する。一方、ステップSP26で正回転制御カウンタが0を超えていなければ(ステップSP26にてNO)、入力待ち(アイドリング)のステップ(ステップSP21)にリターンする。
【0096】
ステップSP27でクラッチ制御を実施する場合は(ステップSP27にてYES)、所定のクラッチ制御命令を発行し(ステップSP28)、ステップSP29にて正回転制御を実施するかどうかを判断する。一方、クラッチ制御を実施しない場合は(ステップSP27にてNO)、クラッチ制御命令を発行せずにステップSP29にて正回転制御を実施するかどうかを判断する。
【0097】
ステップSP29で正回転制御を実施する場合は(ステップSP29にてYES)、所定の正回転制御命令を発行し(ステップSP30)、正回転制御カウンタの値から例えば1を引く(ステップSP31)。一方、正回転制御を実施しない場合は(ステップSP29にてNO)、クラッチ制御命令を発行せずに、正回転制御カウンタの値から例えば1を引く(ステップSP31)。
【0098】
また、上述のステップSP25で逆回転制御カウンタが0を超えていれば(ステップSP25にてYES)、クラッチ制御を実施するかどうかを判断する(ステップSP32)。クラッチ制御を実施する場合は(ステップSP32にてYES)、所定のクラッチ制御命令を発行し(ステップSP33)、ステップSP34にて逆回転制御を実施するかどうかを判断する。一方、クラッチ制御を実施しない場合は(ステップSP32にてNO)、クラッチ制御命令を発行せずにステップSP34にて逆回転制御を実施するかどうかを判断する。
【0099】
ステップSP34で逆回転制御を実施する場合は(ステップSP34にてYES)、所定の逆回転制御命令を発行し(ステップSP35)、逆回転制御カウンタの値から例えば1を引く(ステップSP36)。一方、逆回転制御を実施しない場合は(ステップSP34にてNO)、逆回転制御命令を発行せずに、逆回転制御カウンタの値から例えば1を引く(ステップSP36)。
【0100】
また、上述のステップSP24で制御ブランクカウンタが0を超えていれば(ステップSP24にてYES)、クラッチ制御を実施するかどうかを判断する(ステップSP37)。クラッチ制御を実施する場合は(ステップSP37にてYES)、所定のクラッチ制御命令を発行し(ステップSP38)、制御ブランクカウンタの値から例えば1を引く(ステップSP39)。一方、クラッチ制御を実施しない場合は(ステップSP37にてNO)、クラッチ制御命令を発行せずに、制御ブランクカウンタの値から例えば1を引く(ステップSP39)。
【0101】
<モータ56、クラッチ58を利用した振動パターン例>
本実施形態の遊戯装置1においては、モータ56の正回転/逆回転と、クラッチ58のオン(ON)/オフ(OFF)の組み合わせに応じて、レバー入力装置5のレバー51に対する複数パターンの振動を実現することができる。以下、これらの組み合わせによる振動のパターンを例示する。なお、以下で用いる「フレーム」は、16msに相当する。
【0102】
・クラッチON→(1)正回転n1フレーム→(2)逆回転n2フレーム→(1)へ
・クラッチON→(1)逆回転n1フレーム→(2)正回転n2フレーム→(1)へ
・クラッチON→(1)正回転n1フレーム→(2)ブランクn2フレーム→(1)へ
・クラッチON→(1)逆回転n1フレーム→(2)ブランクn2フレーム→(1)へ
・クラッチON→(1)正回転n1フレーム→(2)ブランクn2フレーム→逆回転n3フレーム→(1)へ
・クラッチON→(1)逆回転n1フレーム→(2)ブランクn2フレーム→正回転n3フレーム→(1)へ
・クラッチON→(1)正回転n1フレーム→(2)ブランクn2フレーム→逆回転n3フレーム→(2)ブランクn4フレーム→(1)へ
・クラッチON→(1)逆回転n1フレーム→(2)ブランクn2フレーム→正回転n3フレーム→(2)ブランクn4フレーム→(1)へ
・クラッチON→(1)正回転n1フレーム→クラッチOFF→(2)ブランクn2フレーム→(1)へ
・クラッチON→(1)逆回転n1フレーム→クラッチOFF→(2)ブランクn2フレーム→(1)へ
・クラッチON→(1)正回転n1フレーム→クラッチOFF→(2)ブランクn2フレーム→クラッチON→(3)逆回転n3フレーム→クラッチON→(1)へ
・クラッチON→(1)逆回転n1フレーム→クラッチOFF→(2)ブランクn2フレーム→クラッチON→(3)正回転n3フレーム→クラッチON→(1)へ
・クラッチON→(1)正回転n1フレーム→クラッチOFF→(2)ブランクn2フレーム→クラッチON→(3)逆回転n3フレーム→(1)クラッチOFF→(2)ブランクn4フレーム→クラッチON→(1)へ
・クラッチON→(1)逆回転n1フレーム→クラッチOFF→(2)ブランクn2フレーム→クラッチON→(3)正回転n3フレーム→(1)クラッチOFF→(2)ブランクn4フレーム→クラッチON→(1)へ
【0103】
以上、ここまで説明した本実施形態の遊戯装置1は、特に以下の点で特徴的である。
【0104】
まず、レバー操作部52が遊戯者の頭部以上の大きさであるレバー入力装置5であることから、従来の入力装置とは異なる操作感を醸し出すことができる。すなわち、このような大きなレバー操作部52を介してレバー入力する際の操作感覚は従来とは異なるものであり、当該巨大なレバー操作部52に対面した遊戯者は、例えば直立しながら両手をレバー操作部52上に置いた姿勢にてレバー51を各方向に傾動させる動作をすることになり、素早い動作で確実に入力をするというよりは、むしろ腕全体ひいては全身を使ってレバー操作するかのような従来とは異なる操作感覚、従来とは異なる新しい遊戯性や興趣性を与えられる。
【0105】
また、このようなレバー入力装置5は、周りの見物者などに対しては、遊戯者が巨大なレバー入力装置5を操作しながら遊戯している様に興味を惹かれ、見入ってしまう状況をつくりだすなど、周囲への訴求効果をも発揮しうる。しかも、大画面スクリーン3に映像を映し出す遊戯装置1にこのようなレバー入力装置5を適用した本実施形態によれば、遊戯中であるか否かにかかわらず見物者などに対して高い訴求効果をもたらす全体としても目立つ遊戯装置1を実現することが可能である。
【0106】
また、本実施形態の遊戯装置1においては、モータ56の動力を利用して、好ましくはこれとクラッチ58の動作との組み合わせを利用して種々の振動パターンを実現している点も特徴的である。すなわち、モータ56の正回転/逆回転と、クラッチ58のオン/オフの組み合わせに応じてレバー51を複数パターンで振動させることができ、組み合わせによっては細かく強い振動を与えることも可能である。また、応答性に劣るなど動作精度の低いモータ56を採用した場合に当該モータ56を制御するだけでは実現が難しい細かな振動も、クラッチ58のオン/オフ制御を組み合わせることで、比較的簡易な装置でありながらも発生可能となる十分に細かなパルス信号を利用して実現することが可能となる。
【0107】
しかも、本実施形態の遊戯装置1においては、防振ゴム等として利用可能な、比較的剛性の高いゴム部材を付勢部材54として利用しており、当該付勢部材54の高い復元力(センタリング抗力)を利用して、より細かな振動を実現することができる。とくに、モータ56の正回転/逆回転の切り替え時、動力伝達機構57中の遊びやバックラッシ等の影響で十分な振動を実現することが難しいような場合において、このような剛性が比較的高い付勢部材54との組み合わせは有効である。
【0108】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態においては、レバー51を振動させる場面と振動パターンの組み合わせによっては、遊戯の進行が邪魔されているかのような感覚を遊戯者に与えることができる旨を説明したが、これに関連して、レバー51の横方向(左右方向)の操作に対してモータ56を利用して力を与える(操作を邪魔する)ようにすることもできる。例示すれば、レバー51の基端(下端)に例えば扇状の被駆動部材511を設けるとともに、この被駆動部材511の円弧状の下端に伝達ベルト512を接触させる。さらに、この伝達ベルト512を適度な張力でプーリ513およびモータ56の駆動軸に巻き掛けた構成とする(図18、図19参照)。遊戯者が例えばレバー51を右方向に操作しようとする際、モータ56を作動させてこれとは逆方向の半力(この場合、左方向へ力)を作用させることにより、遊戯の進行が邪魔されているかのような感覚を遊戯者に与えることができる。この場合、被駆動部材511と伝達ベルト512とを適度に滑らせるようにすることも好ましい。また、モータ56に例えばサーボモータを用いればより細かい制御(振動)を行うことが可能となる。この他、操作を邪魔するような力の与え方としては、モータ(ACモータ)56とクラッチ58とを組み合わせて力を与えてもよいし、クラッチ58のみによりブレーキないしはロックをかけて操作感覚を重くするような力を与えてもよい。
【0109】
また、遊戯者からみて左側のレバー入力装置5Aおよび右側のレバー入力装置5Bをリンクさせ、単一のモータ56を両レバー入力装置5A,5Bの共通の動力源としてもよい(図20参照)。リンクは、例えば複数の伝達ベルト512、プーリ513、リンク途中に介在するクラッチ514などで構成することができる。このような構成の遊戯装置1においては、例えば、クラッチ514を利用し、動作させたい側のレバー入力装置5のみをリンクさせ、レバー51へのリアクションを行う遊戯モード(通常リアクションモード)、両側のクラッチ514を接続状態として両レバー入力装置5を一定時間連動させるモード(左右連結モード)などを実施することができる。
【0110】
また、複数の遊戯者により、左側のレバー入力装置5Aおよび右側のレバー入力装置5Bのそれぞれを同時に使う遊戯(同時プレイ)を行う際、相手の操作が手を通して伝わるように、左側のレバー入力装置5Aおよび右側のレバー入力装置5Bを連係部材515を介して連係させた構成としてもよい(図21参照)。連結部材515の具体例としては、互いの操作量の差が大きいほど強い反力を作用させるばね部材、レバー51を動かしたときだけ反力を作用させるトルクリミッタ、操作速度に応じた反力を作用させるダンパーなどを挙げることができる。これら連係部材515による反力は、操作の大きな邪魔にはならない程度の大きさであることが好ましい。
【0111】
また、上述した実施形態ではレバー51が傾動するレバー入力装置5を説明したが、当該レバー51を当該レバー51の長軸(レバー軸)を中心に回動ないし回転させるようにしてもよい。例示すれば、レバー51の下部に水平方向に延びる水平リンク516を設け、外部モータ(例えばACモータ)517の駆動リンク518とこの水平リンク516を接続リンク518で接続した構成がある(図22、図23参照)。この構成においては、モータ517を一定方向に回転させることで、レバー軸を中心に一定範囲の角度内で回動運動をさせることができる。また、外部モータ7157等で駆動するか否かにかかわらず、レバー51を回動(旋回)可能とし、遊戯者による操作運動に当該レバー51の回動(旋回)を含めるようにしてもよい。
【0112】
また、上述したレバー入力装置5は、左側のレバー入力装置5Aのほうが右側のレバー入力装置5Bよりも高く設定されているものであったが(図2等参照)、もちろん、両レバー入力装置5を同じ高さに設定してもよい。また、両レバー入力装置5A,5Bが、一人の遊戯者による同時操作が可能な間隔に配置されていてもよい。この場合、一人の遊戯者が左右のレバー入力装置5A,5Bを同時に使用するという遊戯を設定してもよい。なお、本実施形態におけるように一方のレバー入力装置5が他方のレバー入力装置5よりも低い遊戯装置1においては、高さ調整をしなくても子供などが少なくとも一方のレバー入力装置5を使って遊戯できるという利点がある。
【0113】
また、上述した実施形態では、左手用/右手用操作入力部の具体例として左ボタン521Lおよび右ボタン521Rを説明したがこれらは一例にすぎない。このようなボタンの他、例えばハンドル、レバー、グリップなどからなる左手用/右手用操作入力部をレバー入力装置5のレバー操作部52に形成してもよい。
【0114】
また、遊戯装置1におけるスクリーン3は画像表示部の一例であり、この他、液晶ディスプレイ、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の表示手段を採用した遊戯装置1とすることもできる。このような画像表示部には、遊戯に関連した具体的なゲーム上の展開やスコア等に加え、設定画面等についても表示することができる。
【0115】
また、複数の遊戯装置1どうしを接続して通信可能とすることもできる。この場合の遊戯装置1は、通信I/Fを介して他の遊戯装置1やサーバと通信することができるように設定され、これにより、例えば、通信可能に接続されている他の遊戯装置1のプレイヤーとのいわゆる対戦ゲーム(対戦などの競争を行うゲーム)や協調ないし協力して行うゲームをすることができる。また、複数の遊戯装置1が通信可能に接続されることで、サーバを介して、ゲームスコア(点数、得点等)の集計や、他の遊戯施設に配置された遊戯装置1との間で対戦ゲームを行ったり、ランキングを集計したりすることが可能である。
【0116】
なお、本実施形態では遊戯装置1の具体例としてゲーム装置を説明したがこれは好適な一例にすぎず、ゲーム装置以外の装置(例えばカラオケ等の装置、バーチャル体験をする装置、運動を行える装置、通信装置など)にも本発明を適用することが当然に可能である。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、ある支点を中心として初期姿勢から傾動可能に支持されたレバー51を傾動させることにより所定の指示を入力するレバー入力装置5に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0118】
1…遊戯装置、2…本体筐体部、3…スクリーン(画像表示部)、4…支持体、5(5A,5B)…レバー入力装置、6…操作パネル、7…遮蔽幕、8…天板、9…可撓性シート、21…コントローラキャビネット、22A,22B…サイドキャビネット、23…レグアジャスタ機構、24…透過窓、25…照明ユニット、26…プロジェクタ、27…継合プレート、51…レバー、52…レバー操作部、53…支持部、54…付勢装置、55…検出装置、56…モータ、57…動力伝達機構、58…クラッチ、59…筐体、60…CPU(制御装置)、61…RAM、62…スピーカー、63…操作ボタン、64…コイン投入部、511…被駆動部材、512…伝達ベルト、513…プーリ、クラッチ514、515…連係部材、516…水平リンク、517…モータ、521L…左ボタン(左手用操作入力部)、521R…右ボタン(右手用操作入力部)、531…フレーム、532…支持軸、533…支持軸、561…モータコンデンサ、572…プーリ、574…伝達軸、576…短リンク、576a…突起、578…長リンク、578a…長孔、592…内部プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支点を中心として初期姿勢から傾動可能に支持されたレバーを傾動させることにより遊戯装置に所定の指示を入力するレバー入力装置において、
遊戯者が操作入力するため前記レバーの上部に形成されたレバー操作部と、
前記レバーを傾動可能に支持する支持部と、
前記レバーを初期姿勢に戻す付勢装置と、
前記レバーの傾きを検出する検出装置と、
前記検出装置による検出信号を受信する制御装置と、
を備え、
前記レバー操作部に、遊戯者が片手または両手で入力可能な操作入力部が形成され、
前記レバーのレバー操作部が遊戯者の頭部と同等またはそれを上回る大きさであって、尚かつ直立姿勢にある遊戯者が片手または両手で操作することが可能な高さにある、レバー入力装置。
【請求項2】
支点を中心として初期姿勢から傾動可能に支持されたレバーを傾動させることにより遊戯装置に所定の指示を入力するレバー入力装置において、
遊戯者が操作入力するため前記レバーの上部に形成されたレバー操作部と、
前記レバーを傾動可能に支持する支持部と、
前記レバーを初期姿勢に戻す付勢装置と、
前記レバーの傾きを検出する検出装置と、
動力を前記レバーに伝達する動力伝達機構と、
該動力伝達機構による動力伝達経路の途中を継断するクラッチと、
前記検出装置による検出信号を受信し、前記クラッチに対する動作信号を送信する制御装置と、
を備え、
前記レバー操作部に、遊戯者が片手または両手で入力可能な操作入力部が形成され、
前記レバーのレバー操作部が遊戯者の頭部と同等またはそれを上回る大きさであって、尚かつ直立姿勢にある遊戯者が片手または両手で操作することが可能な高さにあり、遊戯者による当該レバーへの操作入力中あるいは操作入力以外の適時に動力を前記レバーに伝達するように制御を行う、レバー入力装置。
【請求項3】
支点を中心として初期姿勢から傾動可能に支持されたレバーを傾動させることにより遊戯装置に所定の指示を入力するレバー入力装置において、
遊戯者が操作入力するため前記レバーの上部に形成されたレバー操作部と、
前記レバーを傾動可能に支持する支持部と、
前記レバーを初期姿勢に戻す付勢装置と、
前記レバーの傾きを検出する検出装置と、
正逆回転可能なモータと、
該モータの動力を前記レバーに伝達する動力伝達機構と、
該動力伝達機構による動力伝達経路の途中を継断するクラッチと、
前記検出装置による検出信号を受信し、前記モータおよび前記クラッチに対する動作信号を送信する制御装置と、
を備え、
前記レバーのレバー操作部が遊戯者の頭部と同等またはそれを上回る大きさであって、尚かつ直立姿勢にある遊戯者が片手または両手で操作することが可能な高さにあり、遊戯者による当該レバーへの操作入力中あるいは操作入力以外の適時に前記モータの動力を前記レバーに伝達するように制御を行う、レバー入力装置。
【請求項4】
遊戯者による当該入力以外の適時に前記モータの動力を前記レバーに伝達し、前記レバーを自動的に傾動動作させる、請求項3に記載のレバー入力装置。
【請求項5】
前記レバーを、当該遊戯装置の正面から見て左右方向に傾動動作させる、請求項4に記載のレバー入力装置。
【請求項6】
前記レバーを自動的に傾動動作させている間に当該遊戯装置に対する外部入力があった場合、前記クラッチを切って前記動力伝達経路を断つ、請求項4または5に記載のレバー入力装置。
【請求項7】
遊戯者による当該レバーへの操作入力中、前記遊戯装置における遊戯の進行状況に応じて前記モータの動力を前記レバーに断続的に伝達して当該レバーを振動させる、請求項3から6のいずれか一項に記載のレバー入力装置。
【請求項8】
前記クラッチの伝達状態と切断状態とを繰り返すことによって前記モータの動力を前記レバーに断続的に伝達する、請求項7に記載のレバー入力装置。
【請求項9】
前記レバーが傾動した状態にあって尚かつ前記遊戯装置における遊戯の進行状況が所定条件を満たす場合に、前記モータの動力を前記レバーに断続的に伝達する、請求項7または8に記載のレバー入力装置。
【請求項10】
前記レバー操作部に、遊戯者が片手または両手で入力可能な操作入力部が形成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のレバー入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−24693(P2011−24693A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171636(P2009−171636)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】