説明

レボチロキシンナトリウムを含む医薬処方

【課題】ヒトを含む哺乳動物の甲状腺ホルモン障害の治療に有用な、安定なレボチロキシンナトリウムの医薬処方の提供。
【解決手段】本発明は、(a)有効量のレボチロキシンナトリウム、(b)125μm未満の平均粒度を有し、処方の総重量に基づいて60〜85%w/wの量で存在する微結晶セルロースおよび(c)処方の総重量に基づいて5〜30%w/wの量で存在するα化でんぷんを含む、安定な医薬処方を提供する。また、かかる処方の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトを含む哺乳動物の甲状腺ホルモン障害の治療に有用な、安定なレボチロキシンナトリウムの医薬処方に関する。また、本発明は、かかる処方の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レボチロキシンナトリウムは、甲状腺ホルモン障害の治療および/または予防に広く用いられている。レボチロキシンナトリウムは、現在、50μgおよび100μg錠剤の形態で、EltroxinTMの商標で市販されている。これらの錠剤は、レボチロキシンナトリウム、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、アカシア粉末、クエン酸ナトリウムおよび穀物デンプンを含有する。レボチロキシンナトリウムは、純粋な形態で比較的安定であるが、レボチロキシンナトリウムを含有する医薬処方は、特に、高レベルの光、熱、空気および湿気の条件下で、貯蔵寿命が比較的短い(「Kinetics of Degradation of Levothyroxin Sodium in Aqueous solutionおよびin Solid State」 , Chong Min Won , Pharmaceutical Research, Vol. 9 , No 1, (1992), 131-137を参照のこと)。したがって、本発明は、レボチロキシンナトリウムの安定な剤形を提供することに関する。また、速やかに分解し、それにより活性成分が直ちに放出されることを確実にし、美的に許容され、患者に気に入られる、固体剤形に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、レボチロキシンナトリウム、125μm未満の平均粒度を有する微結晶セルロースおよびα化でんぷんを含む医薬処方が、美的に許容され、患者に気に入られる、改善された安定性および崩壊特性を有する、固体剤形を与えることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明は、(a)有効量のレボチロキシンナトリウム、(b)125μm未満の平均粒度を有し、処方の総重量に基づいて60〜85%w/wの量で存在する微結晶セルロースおよび(c)処方の総重量に基づいて5〜30%w/wの量で存在するα化でんぷん、を含む医薬処方を提供する。本発明の医薬処方は、5℃および相対湿度60%で12ヶ月貯蔵した場合に、効力の減少が、5%未満、好ましくは4%未満、より好ましくは3%未満である程度に安定であるように改善された安定性を有する。本発明の医薬処方は、下記する実施例の項に記載された崩壊試験で試験した場合に、6分未満、好ましくは5分未満、より好ましくは4分未満の崩壊時間を有するように改善された崩壊特性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
レボチロキシンナトリウムの化学名は、(S)−2−アミノ−3−[4−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヨウドフェノキシ)−3,5−ジヨウドフェニル]プロピオン酸ナトリウムである。レボチロキシンナトリウムは、チロキシンのレボ−回転異性体のモノナトリウム塩である。レボチロキシンナトリウムは、1種以上の多形体、例えば1種以上の結晶形態、アモルファス形態、層形態、固溶体および/またはその混合物で存在していてもよい。レボチロキシンナトリウムすべてのかかる形態および/またはその混合物は、本発明に含まれる。好ましくは、本発明の医薬処方で用いられるレボチロキシンナトリウムは、水和物である。より好ましくは、本発明の医薬処方で用いられるレボチロキシンナトリウムは、五水和物である。
【0006】
好ましくは、レボチロキシンナトリウムは、処方の総重量に基づいて、1%w/w未満、より好ましくは0.01〜0.30%w/w、さらに好ましくは0.03〜0.25%w/w、最も好ましくは0.06〜0.20%w/w存在する。レボチロキシンナトリウムの最小量は、所望の薬理効果をもたらす程度の有効量である限りは、変更することができる。
【0007】
好ましくは、微結晶セルロースは、≦100μmの平均粒度、より好ましくは≦75μm、さらにより好ましくは≦50μmの平均粒度を有する。好ましくは、微結晶セルロースは、微結晶セルロースグレード101、102または103、より好ましくはグレード101または102、最も好ましくはグレード101から選択される。「グレード101」なる用語は、本明細書において用いられる場合、European Pharmacopeia (2002)に従って、公称平均粒度50μmおよび含水量≦5.0%を有する物質を意味する。「グレード102」なる用語は、本明細書において用いられる場合、European Pharmacopeia (2002)に従って、公称平均粒度100μmおよび含水量≦5.0%を有する物質を意味する。「グレード103」なる用語は、本明細書において用いられる場合、European Pharmacopeia (2002)に従って、公称平均粒度50μmおよび含水量≦3.0%を有する物質を意味する。「グレード200」なる用語は、本明細書において用いられる場合、European Pharmacopeia (2002)に従って、公称平均粒度180μmおよび含水量≦5.0%を有する物質を意味する。好ましくは、微結晶セルロースは、FMC Corporation、JRS RettenmaierまたはSahne(Germany)またはWei Ming(Taiwan)、より好ましくはWei Ming(Taiwan)から供給される。
好ましくは、微結晶セルロースは、処方の総重量に基づいて、60〜85%w/w、より好ましくは65〜80%w/w、最も好ましくは70〜80%w/wの量で存在する。
【0008】
「α化でんぷん」なる用語は、本明細書において用いられる場合、典型的には、約5%の遊離アミロース、15%の遊離アミロペクチンおよび80%の未修飾でんぷんを含有する、部分α化でんぷんを意味する。一部またはすべてのでんぷん粒を破壊するために、湿らせたでんぷんを機械的な圧力下に付すことにより製造される。得られた物質をすりつぶし、その含水量を、良好な流動特性および圧縮特性を有するように調節する。部分α化したでんぷん、例えばStarch 1500(Colorcon)の典型的な冷水溶解度は10〜20%である。さらに、α化でんぷんは、European Pharmacopeia (2002)において定義されている(出典明示により本明細書に組み入れる)。好ましくは、α化でんぷんは、処方の総重量に基づいて、5〜30%w/w、より好ましくは10〜30%w/w、最も好ましくは15〜25%w/w存在する。
【0009】
好ましくは、微結晶セルロース:α化でんぷんの比は、2:1〜15:1であり、より好ましくは、2.5:1〜8:1、最も好ましくは3:1〜5:1である。
好ましくは、微結晶セルロースおよびα化でんぷんは水を含有する。好ましくは、水は、処方の総重量に基づいて3〜6%w/w、より好ましくは約4.5%(例えば、4.5%〜5.0%)を構成する。
【0010】
好ましくは、医薬処方は、1種以上の流動促進剤/滑沢剤を含む。本発明で用いるのに適した流動促進剤/滑沢剤は、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウムフマル酸塩およびラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムを含む。好ましくは、流動促進剤/滑沢剤は、1種以上のコロイド状二酸化ケイ素、タルクおよびステアリン酸マグネシウムから選択される。
【0011】
好ましくは、流動促進剤/滑沢剤は、処方の総重量の1〜10%の量、より好ましくは処方の総重量の2〜9%、最も好ましくは処方の総重量の3〜8%の量で存在する。
好ましくは、タルクは、処方の総重量の1〜5%の量、より好ましくは処方の総重量の2〜4%、最も好ましくは処方の総重量の2.5〜3.5%の量で存在する。
【0012】
好ましくは、コロイド状無水シリカは、処方の総重量の1〜5%の量、より好ましくは処方の総重量の1〜3%、最も好ましくは処方の総重量の1.5〜2.5%の量で存在する。
好ましくは、ステアリン酸マグネシウムは、処方の総重量の0.1〜5%の量、より好ましくは処方の総重量の0.5〜4%、最も好ましくは処方の総重量の0.8〜1.5%の量で存在する。
好ましくは、医薬処方のpHは、10:1の水:医薬処方比で水に懸濁した場合、pH6.8〜8.2の範囲、好ましくはpH7.2〜7.8である。
【0013】
本発明の処方は、望ましい場合、さらに、1種以上の医薬上許容される賦形剤を含んでいてもよい。すべてのかかる賦形剤は、処方の他の成分と適合し、患者を傷つけないという意味で、「医薬上許容され」なければならない。医薬上許容される賦形剤は、着色剤、フレーバー、例えばメントール、甘味剤、例えばマンニトール、保存剤、安定化剤、酸化防止剤および当業者に公知である他のいずれもの賦形剤を含みうる。
本発明は、上記した特定の好ましい群のすべての組み合わせを包含すると理解されるべきである。
【0014】
本発明は、医薬治療において、例えば動物、例えば哺乳動物、例えばヒトの甲状腺ホルモン障害の治療に用いるための医薬処方を提供する。レボチロキシンおよび他の甲状腺ホルモンは、甲状腺機能低下症、粘液水腫、クレチン症および肥満症、好ましくは甲状腺機能低下症を含む種々の病態のために、甲状腺機能が減少した場合、または完全に消失した場合の、ホルモン補充療法として提供されることが知られている。
【0015】
上記した各々の効用および適用に関して、レボチロキシンナトリウムの必要量は、治療すべき症状の重症度および受容者の特性を含む多くの因子に依存し、最終的に主治医または獣医の判断により決定されるだろう。典型的には、医師は、個々に最も適した投与量を決定するだろう。特定の個体に関する特定の投与量レベルおよび投与の頻度は変更され得、使用される特定の化合物の活性、代謝安定性およびその化合物の作用の長さ、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与経路および回数、排泄の割合、薬物の組み合わせ、特定の症状の重症度および個々が経験した治療を含む、種々の因子に依存するだろう。一般的には、しかしながら、それらの各々の効用および適用に関して、適当な有効投与量は、患者の体重1kgあたり1.0〜6.0μg/日、好ましくは重1kgあたり1.5〜5.0μg/日(特記しない限り、すべての重さは、活性成分の遊離塩基に対して計算する)の範囲であるだろう。
【0016】
望ましい投与量は、好ましくは、1日にわたって、適当な間隔で投与される、1、2、3または4のサブ投与として提供される。これらのサブ投与は、例えば単位剤形あたり約10〜300μg、好ましくは10〜200μg、より好ましくは25〜150μg、最も好ましくは50μg〜100μgの活性成分を含有する単位剤形で投与されうる。
【0017】
例えば、50μgの錠剤は、0.0425〜0.0575mgのレボチロキシンナトリウム、50〜60mgの微結晶セルロース、12〜17mgのα化でんぷん、2〜3mgのタルク、1〜2mgのコロイド状無水シリカおよび0.5〜1mgのステアリン酸マグネシウムを含みうる。100μgの錠剤は、0.085〜0.115mgのレボチロキシンナトリウム、100〜120mgの微結晶セルロース、24〜34mgのα化でんぷん、4〜6mgのタルク、2〜4mgのコロイド状無水シリカおよび1〜2mgのステアリン酸マグネシウムを含みうる。
【0018】
医薬処方は、好ましくは錠剤の形態で、好ましくは経口にて投与される。しかしながら、錠剤に加えて、また、本発明の組成物は、カプセル、カプレット、ジェルキャップ、丸薬および医薬分野で公知の他の経口投与剤形で投与されてもよい。
【0019】
「治療」およびその誘導体、例えば「治療する」なる用語は、本明細書において用いられる場合、治療および予防の両方を含む。予防は、甲状腺機能低下症のようなかかる症状に対する保護に関する意味を有する。
【0020】
本発明のさらなる態様は、本発明の医薬処方の製造方法を提供する。
錠剤は、湿式造粒法または直接圧縮法のいずれでも製造することができる。好ましくは、慣用的な高速ロータリープレスを用いる直接圧縮法を用いる。
【0021】
好ましくは、医薬処方は、レボチロキシンナトリウムの粉末の初期調製物を製造し、ついで、該粉末を、錠剤処方に組み入れる。レボチロキシンナトリウムの粉末は、レボチロキシンナトリウムおよび適当な担体、例えば微結晶セルロースを含み、ここに、レボチロキシンナトリウムは、最終錠剤処方よりも粉末において高い濃度で存在する。好ましくは、粉末は、粉末の総重量の2〜3%w/wのレボチロキシンナトリウムを含む。粉末を用いる製剤により、ブレンド中の低濃度の薬剤の分布および錠剤の均一性が改善され、すなわち均質に混入される。
【0022】
好ましくは、該方法は、(a)レボチロキシンナトリウムの粉末を調製し、(b)粉末を医薬処方の残りの成分と混合し、(c)圧搾する工程を含む。
【0023】
レボチロキシンナトリウムは、家畜の甲状腺から得ることができ、あるいは、別法として、該ホルモンは、合成により調製することができる。活性成分の製造方法は、Hagers Handbuch der pharmazeutischen Praxis, - 5., vollst. Neubearb., Bd.8.Stoffe: E-0 / F... Von Bruchhausen; (Hrgs.)Bearb... von M. Albinus -1993, Springer-Verlag Berlin Heidelberg 1993, pages 733 - 734; S. Rolski, Chemia srodkow leczniczych, str. 654-655, PZWL, Warszawa 1968に開示されている(これらは出典明示により本明細書に組み入れる)。
【0024】
処方を、後に密封する容器に入れてもよい。容器は、例えば、LDPE不正開封防止スナップ式の蓋により密封することができる。単回投与または複数回投与用の容器であってもよい。容器は、ボトル、ジャー、バッグまたはサシェであってもよい。サシェ、特にホイルサシェ(ホイル−ホイルブリスター)が、単回投与包装に特に適している。ボトルは、特に高密度のポリエチレン(HDPE)またはポリプロピレン(PP)ボトルは、複数回投与に特に適している。
【0025】
以下の実施例は、本発明の態様を説明するものであるが、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【実施例1】
【0026】
実施例
実施例1:レボチロキシンナトリウム錠剤の調製
(a)処方
【表1】

【0027】
製造方法
レボチロキシンナトリウム錠剤を、下記工程を含む直接圧縮法により製造した:
−レボチロキシンナトリウム粉末を、微結晶セルロースの一部と一緒に単純混合することにより調製すること;
−残りの微結晶セルロースおよびα化でんぷんを、レボチロキシンナトリウム粉末と混合し、活性基質の均一な内容物を得ること;
−タルク、二酸化ケイ素コロイド状およびステアリン酸マグネシウムを添加し、ついで、混合して、粉末混合物を調製すること;
−少なくとも3Kpの破砕強度および3.5〜10Kpの結果として生じた強度でレボチロキシンナトリウム錠剤を圧縮すること。
【0028】
(b)処方
【表2】

【0029】
製造方法
実施例1(b)の製造方法は、残りの微結晶セルロースおよびコロイド状二酸化ケイ素の予め形成した混合物を、レボチロキシンナトリウム粉末およびα化でんぷんとブレンドする前に形成しておく点で実施例1(a)とは異なる。
【0030】
実施例2:レボチロキシンナトリウム錠剤の安定性
レボチロキシンナトリウム錠剤の比較安定性試験は、(i)40℃/75%RH、(ii)30℃/60%RHおよび(iii)25℃/60%RHで錠剤を貯蔵した後の、レボチロキシンナトリウムおよび総不純物の含有量の試験に基づく。適当なHPLC方法を適用した。安定性を、レボチロキシンナトリウム含有量および総不純物含有量に関して測定した:
【0031】
総不純物含有量は、50μg/mlの試料濃度、試料溶媒:メタノールおよび0.02MのNaOH水溶液(1:1)、注入量100μlおよび相流速1.5ml/分で、British Pharmacopoeia 2002のレボチロキシンナトリウム錠剤に関するアッセイ方法を用いて測定した。
【0032】
レボチロキシンナトリウム含有量は、試料濃度50μg/ml、試料溶媒:メタノールおよび0.02MのNaOH水溶液(1:1)および相流速1.5ml/分を用いるBritish Pharmacopoeia 2002のレボチロキシンナトリウム錠剤のアッセイ方法を用いて測定した。
【0033】
これらの安定性試験の結果を表(A)〜(C)に示す。
結果
(A)レボチロキシンナトリウム錠剤の安定性:実施例1(b)に従って製造したレボチロキシンナトリウム錠剤とEltroxinTM錠剤との比較
データは、貯蔵後3〜9ヶ月で、レボチロキシンナトリウム含有量は、EltroxinTMの市販の処方中よりも、実施例1(b)の錠剤が高く、総不純物は、EltroxinTMの市販の処方中よりも、実施例1(b)の錠剤が低いことを示している。
【0034】
(B)レボチロキシンナトリウム錠剤の安定性:微結晶セルロース粒度の効果
データは、平均粒度180μmと比較して、平均粒度50μmまたは100μmを有する微結晶セルロースをレボチロキシンナトリウム処方に用いた場合に、より高いレボチロキシンナトリウム含有量が維持され、総不純物がより低かったことを示す。
【0035】
(C)レボチロキシンナトリウム錠剤の安定性:含水量の効果
データは、錠剤の初期含水量2.4または2.7%である場合と比較して、初期含水量4.1または4.7%である場合に、より高いレボチロキシンナトリウム含有量が3ヶ月貯蔵後の錠剤において維持されたことを示す。
【表3】

【表4】

【表5】

【0036】
実施例3:レボチロキシンナトリウム錠剤の崩壊
実施例1(b)に従って調製したレボチロキシンナトリウム錠剤の崩壊を、British Pharmacopeia (BP) 2002 (General Monograph for Tablets, Uncoated Tablets, Disintegration Test)に従って試験した。
【0037】
結果を表(D)に示す:
(D)レボチロキシンナトリウム錠剤の崩壊
【表6】

【0038】
結果
(D)レボチロキシンナトリウム錠剤の崩壊
データは、実施例1(b)に従って調製した錠剤の崩壊が、非常に速い(4分未満)ことを示す。非コート錠剤に関する薬局方は、単に15分未満の崩壊時間を要求しているだけである。
【0039】
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって、「含む」なる用語は、文脈に沿っている限り、他のすべての整数または工程または整数および工程の群を排除するわけではないが、規定の整数または工程または整数および工程の群を包含すること意味することは理解されるだろう。
【0040】
発明の詳細な記載および特許請求の範囲が一部を構成する本出願は、後願に関する限り優先権の基礎として用いることができる。かかる後願の請求項は、いずれもの新規な特徴または本明細書に記載された特徴の組み合わせを対象にすることができる。これは、製品、組成物、方法または使用クレームの形態をとってもよく、一例として、限定するものではないが、1個以上の本願請求項を含んでいてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)有効量のレボチロキシンナトリウム、(b)125μm未満の平均粒度を有し、処方の総重量に基づいて60〜85%w/wの量で存在する微結晶セルロースおよび(c)処方の総重量に基づいて5〜30%w/wの量で存在するα化でんぷんを含む、医薬処方。
【請求項2】
微結晶セルロースが100μm以下の平均粒度を有する、請求項1記載の医薬処方。
【請求項3】
微結晶セルロース:α化でんぷんの比が2:1〜15:1の範囲である、請求項1または請求項2記載の医薬処方。
【請求項4】
微結晶セルロースおよびα化でんぷんが、処方の総重量に基づいて3〜6%w/wの水を含む、前記請求項1〜3いずれか1項記載の医薬処方。
【請求項5】
レボチロキシンナトリウムが水和している、前記請求項1〜4いずれか1項記載の医薬処方。
【請求項6】
レボチロキシンナトリウムが五水和物である、請求項5記載の医薬処方。
【請求項7】
さらに、1種以上の流動促進剤/滑沢剤を含む、前記請求項1〜6いずれか1項記載の医薬処方。
【請求項8】
流動促進剤/滑沢剤が、コロイド状無水シリカ、タルクおよび/またはステアリン酸マグネシウムから選択される、請求項7記載の医薬処方。
【請求項9】
医薬処方を25℃および相対湿度60%で12ヶ月貯蔵した場合、効力の減少が5%未満である程度に安定な、請求項1〜8いずれか1項記載の医薬処方。
【請求項10】
単位剤形である、請求項1〜9いずれか1項記載の医薬処方。
【請求項11】
単位剤形が錠剤である、請求項10記載の医薬処方。
【請求項12】
医薬治療で用いるための、請求項1〜11いずれか1項記載の医薬処方。
【請求項13】
哺乳動物、例えばヒトにおける、甲状腺ホルモン障害の治療において用いるための、請求項1〜11いずれか1項記載の医薬処方。
【請求項14】
哺乳動物、例えばヒトにおける、甲状腺ホルモン障害の治療用の医薬の製造における、請求項1〜11いずれか1項記載の医薬処方の使用。
【請求項15】
請求項1〜11いずれか1項記載の医薬処方を投与することを含む、甲状腺ホルモン障害の治療方法。
【請求項16】
(a)レボチロキシンナトリウムの粉末を調製し、(b)粉末を医薬処方の残りの成分と混合し、(c)圧搾することを含む、請求項1〜11いずれか1項記載の医薬処方の製造方法。

【公開番号】特開2011−213736(P2011−213736A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−160067(P2011−160067)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【分割の表示】特願2006−518170(P2006−518170)の分割
【原出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】