説明

レボドパの輸液および注射液

【課題】レボドパのバイオアベイラビリティを増加させる輸液または注射液の提供。
【解決手段】少なくとも10mg/mLのレボドパ、または少なくとも5mg/mLのレボドパおよび少なくとも0.5mg/mLの少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビターを含有するレボドパの輸液または注射液。溶液はさらに、緩衝剤、グルコース等の生理学的に許容し得る糖、および塩酸等の生理学的に許容し得る酸を含有し、場合により安定化剤を含有していてよく、pHは6以下である。さらに、レボドパ代謝酵素インヒビターとともに、レボドパの輸液または注射液を含む使い捨て注射器。および、レボドパ代謝酵素インヒビターとともに、レボドパの輸液または注射液を含む輸液ポンプカセット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、場合により少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビターを含有してなる、レボドパの輸液または注射液に関する。本発明はさらに、場合によりさらに少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビターを含有する、治療上有効量のレボドパの輸液または注射液を含む使い捨て注射器並びに輸液ポンプカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病(PD)はごく一般的な疾患であり、西洋では10,000人中15人を超える人が罹患している。発症年齢は通常55歳から60歳である。この疾患は、黒質投射ニューロンの大きな欠失と、それに続くドーパミン[3,4−ジヒドロキシフェニルエチルアミン]の欠失によって引き起こされる硬直と震えによって特徴付けられる(1)。ドーパミンニューロンのおよそ80%が欠失するとパーキンソン病の症状が現れる。
【0003】
チロシンヒドロキシラーゼは、チロシンをレボドパ[レボドパ=3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン]に変換する酵素であり(2)、これは次に脳と末梢循環の両方に存在するドーパデカルボキシラーゼ(DDC)によってドーパミンに代謝される。ドーパミンは、モノアミノオキシダーゼ(MAO)およびカテコール−o−メチルトランスフェラーゼ(COMT)という2種類の酵素によって、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、3−メトキシチラミンおよびホモバニリン酸(HVA)に代謝される(3)。
【0004】
レボドパは、現在もパーキンソン病の最も重要な治療剤であり、断続的な経口投与によるレボドパ治療は、この疾患の初期の段階では症状を良好に緩和する。ニューロンの大きい欠失にもかかわらず、保存量は投薬までの間もまだ十分であり、シナプス間隙へのドーパミンの一定の放出が可能である。一方、経口投与されたレボドパは、最初の通過の際、脳に達するまでに90%が代謝される。バイオアベイラビリティーは、カルビドパ[L−2−ヒドラジノ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン酸]またはベンセラジド[2−アミノ−3−ヒドロキシ−N’−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)プロピオノヒドラジド]等のDDCインヒビターを同時に投与することにより増大させることができ、これらインヒビターはいずれもDDCの代謝に関してレボドパと競合して、ドーパミンに代謝される前により多くのレボドパを脳に投与することが可能である。
【0005】
レボドパは中性アミノ酸であり、中枢神経系に達する前に血液脳関門を通過する。この輸送はエネルギーを消費する。レボドパの半減期は短く30〜60分である。ドーパデカルボキシラーゼ(DDC)という酵素の影響で、さらに多くのレボドパがドーパミンに代謝される。この酵素は多くの臓器にみられるが、特に、筋肉、赤血球細胞、およびメラニン色素の形成においてこの酵素が重要な成分となっている皮膚にみられる(5)。単独で取り込まれたレボドパは、90%以上が脳に達するまでに代謝される(6)。
【0006】
レボドパのバイオアベイラビリティーを増大させ、その系に対するレボドパの副次的影響を減少するために、レボドパは、同じ経口投与剤形中でデカルボキシラーゼインヒビター(ベンセラジドまたはカルビドパ)と組合せて投与される。小腸および血液脳関門の両方において、レボドパは、酵素輸送について、例えば高タンパクの食事に由来する他のアミノ酸と競合しなければならない(7)。レボドパは、小腸でおよそ3分の1が吸収される。脳室内の排出量が変動するため、レボドパの取込量が同じでも、その患者の血清濃度は大きく変動する。しかしながら、レボドパの半減期はドーパデカルボキシラーゼの阻害では大きくは増大せず、これはレボドパの代謝がより小さなCOMT経路へと追いやられていることを示している。これは、代謝物質である3−O−メチルドーパ(OMD)の形成につながり(9)、その半減期が長いために血漿中に蓄積し、レボドパと比較して明かに高いレベルに達する(10)。代謝物質のOMDもまた中性アミノ酸であり、これら2つの関門の通過に関してレボドパと競合する。
【0007】
レボドパ治療が関係する薬物動態学的および薬力学的問題は、治療からおよそ5年後にジスキネジー(不随意運動)から無運動(運動の全体的な阻害)までの変動(fluctuation)の形で現れる。臨床的な変動が始まると、血漿濃度の減少と投与したレボドパ用量に対する臨床応答の低下との間にはっきりとした相似がみとめられる。やがて、疾患が進行するにつれて、レボドパの血漿濃度には目立った関係なしに、急な「オン−オフ」の変動がみとめられる。これは、血漿と末梢神経系(CNS)の濃度レベルに約90分間のある一定の遅れが存在しており、CNS濃度の濃度レベルが臨床状態に直接関連していることにより説明することができる。
【0008】
しかし、罹患して5〜10年経つと、ニューロンの継続的な欠失のため、患者の保存容量は幾分減少し、「wearing off」の問題が生じる。この段階になると、ドーパミンの保存容量は、次の投与時間まで十分でなく、レボドパをさらに短い間隔で投与しなければならない。
【0009】
疾患の後期になると、ドーパミンの投与頻度を増やしても、ジスキネジーおよび動作緩慢(部分的な動作阻害)の両方についても変動が生じ、時として薬物の摂取と外見上関係がない。これは、シナプス後受容体が超感受性になって治療濃度域が狭くなることにより引き起こされると考えられる。そのため有効量と過剰用量との差が一層小さくなる。
【0010】
レボドパは中性アミノ酸に属し、経口投与では、競合的能動輸送(competitive active transport)を介しておよそ3分の1しか小腸で吸収されない。総用量の約10%が血液循環に入ることが示されている。日中のおよび個々の投与時間近くの高タンパクの食事を避けることにより、小腸からのレボドパ吸収を促進させ変動をある一定の程度まで緩和することが可能である。レボドパの血清濃度と臨床的な変動との間に直接の関係が常にあるわけではない。これは恐らく、血液脳関門の通過が、他の中性アミノ酸ともそこで競合する能動輸送によっても起こるという事実によるものであろう。レボドパの分析方法の概説は公開されている(11)。
【0011】
断続的に刺激するとシナプス後ドーパミンレセプターが超過敏性になること、並びに、レボドパによりこれらレセプターを持続的に刺激することにより感受性を低下させることが可能であることは、実験により証明が可能である。ヒトの患者にそのような処置を行うことによって治療濃度域が広がり、臨床的な変動が減少する (12)が、レボドパは中性付近のpHの水溶液中では不溶性であるために不可能であった。
【0012】
パーキンソン病の治療のためのレボドパの経口投与剤形が1960年代から用いられており、疾患の進行およびその処置については上記に従う。患者の処置の改善のために
ドーパミンアゴニストや酵素インヒビターのような新しい治療法が開発されている。しかしながら、これらはこれまでのレボドパ治療が直面する問題のすべてを解決することはできなかった。
【0013】
カルビドパを含有する粘稠なゲルの形態の新しいレボドパ製剤、Duodopa(登録商標)、は、近年、パーキンソン病の治療用としてNeoPharma AB, Uppsala, Swedenから入手できるようになった。この治療は、経鼻十二指腸プローブまたは経皮プローブによって十二指腸に直接投与される。このシステムはレボドパの連続投与が可能であるが、胃輸送バリアの制限は依然としてある。
【0014】
中性pHでのレボドパの溶解度が低いために、現在、静脈内、皮下または鞘内投与のための商業的に入手可能な医薬調製物は存在していない。中性付近のpHで治療効果を得るために大量のレボドパ含有液剤が必要であり、さらにレボドパは急速に自己酸化する。一方、スウェーデン特許512655は、5mg/mLレボドパを唯一の活性成分として含有するレボドパ輸液の製造を開示する。レボドパを塩酸に溶解しグルコースで希釈されているが、5mg/mLを超える高い濃度ではレボドパは沈殿する。例えば日用量600mgのレボドパには、120mLの輸液が患者に必要である。1日の容量が少なく治療上有効な輸液または注射液を提供することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の記載
本発明は、少ない1日容量で治療上有効な輸液または注射液を提供する。これは、最初にレボドパを生理学的に許容し得る酸に溶解させた後、有機の緩衝剤と、グルコース等の少量の生理学的に許容し得る糖を同時に添加して、レボドパの沈殿が生じないようにすることにより達成される。溶液中のレボドパの濃度が高いほど、糖溶液の添加はゆっくりとおこなう。
【0016】
発明の背景で言及したように、レボドパのバイオアベイラビリティーは、レボドパ代謝酵素インヒビターを同時に投与することにより増大させることができる。したがって、本発明の輸液または注射液中のレボドパの濃度は、少なくとも0.5mg/mLの少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビターを共に含有するならば、5mg/mLまで低い濃度にすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって、本発明は、
a1)少なくとも10mg/mLのレボドパ、またはa2)少なくとも5mg/mLのレボドパおよび少なくとも0.5mg/mLの少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビター、
b)緩衝剤、
c)生理学的に許容し得る糖、および
d)生理学的に許容し得る酸を含有し、
該溶液のpHが6以下である、レボドパの輸液または注射液に関する。
【0018】
このように、10mg/mLの本発明のレボドパを含有する溶液を1日に600 mgのレボドパを必要とする患者に投与する場合、総容量は、従来の5mg/mLのレボドパ溶液と比較して半減し、1日に必要な容量はわずか60mLである。容量のこの減少により、より小さな輸液ポンプカセットの使用が可能になる、あるいは、そのカセットでより多くの用量の投与が可能である。これは、注射器のような他の投与手段にもあてはまる。
【0019】
本発明の溶液中の緩衝剤の例は、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール(トロメタモール)およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)である。本発明の態様において、溶液はさらにピロ亜硫酸ナトリウム等の安定化剤を含有してなる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の好ましい態様では、溶液の容量は、注射器または持続点滴静注および/または皮下および/または鞘内投与に適合している。現在では、従来の注射針以外にも、患者への溶液の投与に輸注ポンプが用いられており、これらを本発明のレボドパの輸液または注射液と共に用いることも可能である。
【0021】
本実験では、Smiths Medical SverIgE AB(Sollentuna, Sweden)のPCAポンプCADDシステムを、本発明のレボドパ輸液の投与に用いる。このシステムは、カセット(最大100mL)内の輸液による輸注と、アダプターによりポンプシステムに連結されたボトル内の輸液による輸注の、どちらにも用いることができる。皮下輸注については、Disetronicポンプシステム(Disetronic Medical Systems AB, Sweden)を用いることができる。このシステムの利点は、ポンプのサイズが小さいことと、様々な活性成分を相互に干渉することなく用いることが可能であることである。輸液の最大量は20mLである。鞘内投与については、Medtronicポンプシステム(Medtronic AB, Jarfalla, Sweden)を用いることができる。このポンプは皮下に埋設し、通常、医療スタッフが補給を行う。
【0022】
本発明のさらなる態様では、生理学的に許容し得る糖は、デキストラン(例えばデキストラン70、60または40)、マンニトールおよびグルコースから選択され、ここではグルコースが好ましい。
【0023】
さらに別の態様では、本発明の輸液または注射液のpHは3〜6の範囲である。
【0024】
本発明のさらなる態様では、a2)のレボドパの量は、5mg/mL〜25mg/mLの範囲、レボドパ代謝酵素インヒビターの量は、0.5mg/mL〜6.25mg/mLの範囲から選択される。
【0025】
本発明のさらなる態様では、輸液または注射液中のレボドパ代謝酵素インヒビターは、ドーパ脱炭酸酵素(DDC)インヒビター、カテコール−o−メチルトランスフェラーゼ(COMT)インヒビター、および酵素モノアミノオキシダーゼ(MAO−B)インヒビターからなる群から選択される。
【0026】
好ましい態様では、DDC−インヒビターは、L−2−ヒドラジノ−3−(3,4−ジヒドロキシ−フェニル)−2−メチルプロパン酸(カルビドパ)または2−アミノ−3−ヒドロキシ−N’−(2,3,4−トリヒドロキシ−ベンジル)プロピオノヒドラジド(ベンセラジド)である。
【0027】
さらなる好ましい態様では、COMTインヒビターは(E)−2−シアノ−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−N,N−ジエチル−2−プロパンアミド(エンタカポン)である。
【0028】
さらなる好ましい態様では、MAO−Bインヒビターは、(R)−N,α−ジメチル−N−(2−プロピニル)フェネチルアミン(セレギリン)である。
【0029】
本発明の好ましいレボドパの輸液または注射液に含まれる生理学的に許容し得る酸は塩酸または酢酸である。
【0030】
酸の溶液が静脈内輸注にしばしば用いられる。3より低いpHは、血管の炎症や静脈血栓症を生じることが知られている。但し、グルコース溶液は、副作用なしに低いpH(3.5)にすることができる。塩酸や酢酸等の弱い酸は、3より高いpHで静注に使用できる。レボドパは低いpHで容易に溶解する。しかし、すぐ結晶化するわけではないが、高いpHでは結晶化する。
【0031】
本発明のさらなる態様は、緩衝剤および生理学的に許容し得る糖を含有する生理学的に許容し得る酸に溶解している、pH6以下の、治療上有効量のレボドパの輸液または注射液を含んでなる使い捨て注射器に関する。治療上の有効量は、患者の状態に基づいて経験的に決定されるか、または製造業者によって標準的な用量が推奨され、好ましくは少なくとも10mg/mLのレボドパ濃度を有する溶液から構成され、生理学的に許容し得る糖は好ましくはデキストラン(例えばデキストラン70、60または40)、マンニトールまたはグルコース(好ましくはグルコース)から選択され、溶液のpHは6以下であり、好ましくは溶液のpHは3〜6の範囲である。
【0032】
本発明のこの態様の別法として、使い捨て注射器中の輸液または注射液はさらに少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビターを、レボドパの量と相まって治療上有効量の溶液となるような量で含有してなる。この場合、治療上の有効量は、好ましくは少なくとも5mg/mLのレボドパおよび少なくとも0.5mg/mLの少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビターを有する溶液から構成される(例えば、レボドパは5mg/mL〜25mg/mLの範囲、およびレボドパ代謝酵素インヒビターの量0.5mg/mL〜6.25mg/mLの範囲)。
【0033】
本発明の注射器には、典型的には1〜10mLの本発明の輸液または注射液が入っている。
【0034】
本発明のさらなる態様は、緩衝剤および生理学的に許容し得る糖を含有する生理学的に許容し得る酸に溶解している、pH6以下の、治療上有効量のレボドパの輸液または注射液を含む輸液ポンプカセットに関する。治療上の有効量は患者の状態に基づいて経験的に決定されるか、または製造業者により標準の用量が推奨され、好ましくは少なくとも10mg/mLのレボドパ濃度を有する溶液から構成され、生理学的に許容し得る糖は好ましくはデキストラン(例えばデキストラン70、60または40)、マンニトールまたはグルコース(好ましくはグルコース)から選択され、溶液のpHは6以下であり、好ましくは溶液のpHは3〜6の範囲である。
【0035】
本発明のこの態様の別法として、輸液ポンプカセットはさらに少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビターを、レボドパの量と相まって治療上有効量の溶液となるような量で含有してなる。この場合、治療上の有効量は、好ましくは少なくとも5mg/mLのレボドパおよび少なくとも0.5mg/mLの少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビターを有する溶液から構成される(例えば、レボドパは5mg/mL〜25mg/mLの範囲、およびレボドパ代謝酵素インヒビターの量0.5mg/mL〜6.25mg/mLの範囲)。
【0036】
カセットの大きさと形状は、本発明の輸液または注射液の投与に実際に用いる輸注ポンプシステムによって変更する。
【実施例】
【0037】
輸液または注射液の製造およびその使用の例を記載することにより、本発明をここに説明するが、その開示は本発明の範囲の限定を意図するものではないと理解されるべきである。
【0038】
場合によりカルビドパを含有する高濃度レボドパ溶液
輸液の調製に用いられるAddex(登録商標)−Thamは、Fresenius Kabi AB(Uppsala Sweden)から販売されている高濃度の輸液である。活性成分はトロメタモール、即ち2−アミノ−2−ヒドロキシメチルプロパン−1,3−ジオール(トリス−ヒドロキシメチル−アミノ−メタン)であり、TRISまたはTHAMとも称され、有機の緩衝剤である。THAMはプロトン受容体、即ち弱い塩基として機能する。
【0039】
レボドパ100mg/mLのストック溶液
レボドパ 10g
HCl(1モル/L) 31g
ピロ硫酸ナトリウム 1g
注射水を加えて100mLとする
100mL容のフラスコ内でレボドパをHCl溶液に溶解する。ピロ硫酸ナトリウムを10mL容の注射バイアル中に秤りとり、滅菌水2mLを加えて溶解させる。レボドパを入れたフラスコに水50mLを加えた後、ピロ硫酸ナトリウム溶液を添加する。混合物を100mL容のメスフラスコに入れ、注射水を100mLの印まで加える。得られた溶液を100mLのインジェクション・フラスコに滅菌フィルターで濾過し入れる。Sterivex GV−フィルター0.22μmを用いた。
【0040】
レボドパ(10mg/mL)−溶液
レボドパ(100mg/mLのストック溶液1) 40mL
Addex-Tham 5.5〜6mL
グルコース(50mg/mL)を加えて200mLにする
Addex-Thamをレボドパ溶液に加えた。グルコース(50mg/mL)を、約10mLずつ攪拌しながら200mLになるまでゆっくりと加えた。溶液のpHは3.5〜4であり、品質保持期限は3日よりも長かった。
【0041】
レボドパ(50mg/mLのストック溶液2)+カルビドパ
レボドパ 5g
カルビドパ 0.5g
HCl(1モル/L) 36g
ピロ硫酸ナトリウム 0.5g
注射水を加えて100mLにする
100mL容のフラスコ内でレボドパをHCl溶液に溶解する。ピロ硫酸ナトリウムを10mL容の注射バイアル中に秤りとり、滅菌水2mLを加えて溶解させる。レボドパを入れたフラスコに水50mLを加えた後、ピロ硫酸ナトリウム溶液を添加する。混合物を100mL容のメスフラスコに入れ、注射水を100mLの印まで加える。得られた溶液を100mLのインジェクション・フラスコに滅菌フィルターで濾過して入れる。Sterivex GV−フィルター0.22μmを用いた。
【0042】
レボドパ(5mg/mL)−カルビドパ0.5mg/mLを含有する溶液
レボドパ(50mg/mLストック溶液2) 20mL
Addex-Tham 3mL
グルコース(50mg/mL)を加えて200mLにする
Addex-Thamをレボドパ溶液に加えた。グルコース(50mg/mL)を合計の容量が200mLになるまで加えた。溶液のpHは3.5〜4であり、品質保持期限は3日よりも長かった。
【0043】
レボドパ(10mg/mL)−カルビドパ1mg/mLを含有する溶液
レボドパ(50mg/mLストック溶液2) 40mL
Addex-Tham 5.5〜6mL
グルコース(50mg/mL)を加えて200mLにする
Addex-Thamをレボドパストック溶液2に加えた。グルコース(50mg/mL)を約10mLずつ攪拌しながら合計の容量が200mLになるまでゆっくりと加えた。溶液のpHは3.5〜4であり、品質保持期限は3日よりも長かった。
【0044】
本発明のレボドパ溶液を用いた実験
溶解度
レボドパは、沈殿することなく100mg/mLまでHClに溶解させることができる。本発明に従うやりかたでグルコースを用いてpHを高めてもなお安定な溶液を得るために、10mg/mLレボドパ、および2mg/mLカルビドパを添加した20mg/mLレボドパを入手することが可能である。沈殿は3mg/mLカルビドパが存在する30mg/mLレボドパでみられた。
【0045】
レボドパ溶液の調製
本発明の溶液の製造工程は、グルコースの添加まではある程度迅速に行う。最初にグルコース溶液の容量の約半分を加え、次いで、pHが許容範囲(例えばpH3〜6)になるまで攪拌を続けながらおよそ10分間隔で残りの容量を一滴ずつ加える。
【0046】
安定性
5mg/mLレボドパおよび0.5mgカルビドパの溶液を60℃に加熱し、36時間静置した後、室温にて1週間放置したが、褪色または沈殿の兆候はみとめられなかった。
【0047】
グルコースとマンニトールの比較
マンニトールをグルコースの代わりに本発明のレボドパ溶液に用いることができるが、グルコースと比べてかなり不安定で2〜3時間で沈殿が生じた。
【0048】
本発明の輸液の種々の応用
これまでに、個々の実験で、交代性ジスキネジー(alternating dyskinesia)および動作緩慢を伴う変動は減退し、経口および静脈内レボドパ投与による治療中は消失もし得ることが示されている(12)。今のところ、従来の溶液を用いたレボドパの持続点滴静注治療について、長期間の効果に関する研究はなされていない。レボドパに必要なその後の古典的経口治療についても検討されていない。
【0049】
予備実験において、我々はここに、レボドパによる静脈内治療中に動作緩慢および上記のすべてのジスキネジーがいずれも減退し、この効果が5ヶ月経過後もなお続くことを示すことができた。さらに、患者は、低用量で且つ単独投与での低減レボドパ経口治療を行うことができた。
【0050】
治療オプション
10日間にわたる12時間の連続的または断続的な静脈内レボドパ輸注または注射は、臨床的な変動の治療に有効である。この効果はレボドパの治療間隔を長くすることに起因する。この治療はまた、少なくとも5ヶ月の長期に渡り効果が持続する。
【0051】
皮下組織への輸注により、低いレボドパ日用量および連続投与の両方によって、臨床的な変動を回避することができた。
【0052】
この方法は、診断的な静脈内レボドパ試験に非常に適している。同等の利点を有する診断的方法は他に存在しない。
【0053】
レボドパ治療の新しい方法
本発明のレボドパ溶液は、輸液または注射液として種々の組織または血液内へ投与することができる。いくつかの利点がある:
-濃度が10mg/mL、あるいは溶液がさらに0.5 mg/mLまたはそれ以上の少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビターを含有する場合5mg/mLと高いため、従来のレボドパ溶液と比べて容量が小さい。
-効果が持続する期間が少なくとも5ヶ月と長い。
-レボドパ溶液に添加する、ドーパデカルボキシラーゼインヒビター等のレボドパ代謝酵素インヒビターは0.5 mg/mLまたはそれ以上であり、意識のない患者にも2種類の活性成分の同時投与が可能である。
-胃の輸送障壁に干渉されない。
-血液または組織への直接の輸注または注射により、レボドパ濃度の調節が迅速で簡便である。
-治療後の1日の経口レボドパ用量が減り、その後の副作用のリスクが減少する。
-細胞への輸注または注射による神経伝達物質ドーパミンの動的生理的放出が「正常な」状態と類似している。
【0054】
これらの利点から、本発明のレボドパ溶液の使用は、従来の経口レボドパ調製物と区別される。
【0055】
さらなる利点は、本発明のレボドパ溶液は、すべてのタイプの静注に用いられている標準的な注射針(Venflon(登録商標))により輸注として投与することができるので、外科的介入を必要としないということである。
【0056】
腹部皮下組織への輸注または注射は、患者がセットし得る、注射器の針を介して行われる。ドーパミンアゴニストアポモルフィンによる治療やインスリンによる治療に用いられるのと同じ輸注または注射方法を、本発明の輸液または注射液に使用することができる。
【0057】
患者が道中で動作緩慢または無運動になると感じる場合に、患者が使い捨ての「緊急用注射器」として携帯し得る注射器を用い本発明のレボドパ溶液を患者自身で容易に投与することができるということは、患者の生活の行動範囲を広げることに役立つであろう。この場合、恐らく輸液または注射液にレボドパ代謝酵素インヒビターを含有させる必要はない。したがって、本発明は、緩衝剤およびグルコースを含有する生理学的に許容し得る酸に溶解している、pH3〜6の範囲の、場合によりさらにレボドパ代謝酵素インヒビターを含んでいてもよい、治療上有効量のレボドパの輸液または注射液を含む使い捨て注射器を包含する。
【0058】
本発明のレボドパ溶液は、少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビター、例えばドーパデカルボキシラーゼインヒビターをその溶液に添加することにより、有意な改善がなされている。これにより、治療が簡便になり、ドーパデカルボキシラーゼインヒビターによる経口治療が不要になる。増大したレボドパ濃度は、レボドパ輸注または注射の日用量に必要な容量を減らし、より小さいポンプの使用を可能にし、患者のその後の行動範囲を広げる。治療は、病棟内、外来診察室のいずれでも行うことができる。
【0059】
このように、本発明のレボドパ溶液は、患者が使用する輸注ポンプに適合した、すぐに使えるカセットとして投与することができる。
【0060】
レボドパ治療に対する患者の治療応答の試験
レボドパでの治療に対する治療応答と組み合わせて、臨床症状によるパーキンソン病(PD)の診断を行う。これまで、患者には経口治療のみが行われてきた。このことは、患者の治療応答が治療を2〜3ヶ月の間行ってから現れることを意味する。治療応答はそれぞれ個別的であることが多く、特定の陽性の効果は、特にその差が日によって非常に小さい場合は評価することが困難である。
【0061】
本発明のレボドパ溶液は、レボドパ代謝酵素インヒビターの有無にかかわらず、レボドパの静脈内投与が可能であり、1〜2日以内に陽性の応答を示すことが可能である。
【0062】
以下の試験方法を用いることができる:
a.予め決まった用量のレボドパを患者に静脈内投与する。
b.用量を連続的に増加させる。例えば、最初は1時間あたり6mLとし、30分ごとに5mg/mLのレボドパを含む溶液を1mL増加させるまたは10mg/mLレボドパを含む溶液の半量を増加させる。
c.陽性の応答は臨床症状に対する効果としてみとめられる。
d.レボドパの血漿濃度を測定する試験を行い(例えば、参考文献11、13、14または15を参照)、この数値を治療閾値の値を求めるために用いる。
e.輸注速度を副作用が認められるまでさらに増大する。
f.新たに血漿濃度の値を測定し、治療閾値の値と副作用の値との間を治療間隔(therapeutic interval)と称する。
【0063】
治療間隔の大きさは、診断目的およびそれまでに行ったレボドパ治療を評価する目的で用いることができる。
【0064】
したがって、静脈内レボドパ試験は、次の目的に適している:
1)パーキンソン病が疑われる新たな患者
2)既に診断された患者における投与計画の評価
3)パーキンソン病の診断が疑わしい場合の患者における診断テスト、
4)脳深部刺激法(DBS)について評価される患者のテスト。
【0065】
予備実験結果
レボドパの持続注入
1日12時間のレボドパ持続注入をPD患者に対し10日間行った。レボドパの日用量は608mgであり、注入速度は51mg/hであった。患者の50%にカルビドパを、50%の患者にベンセラジドの伝統的経口投与を行った。
【0066】
17人の患者の結果を予備的にまとめると、交代性ジスキネジーおよび動作緩慢を有する患者の臨床的変動における顕著な減少を示した。これは、治療期間後数ヶ月間、患者の自足が増大したとともに患者の生活の質が明らかに改善した。この予備実験の結果を以下の症例によって説明する。
【0067】
実験に参加したのは、重いジスキネジーを伴うパーキンソン病に20年間罹患している65歳の女性であり、合計して1日に5時間は動くことができない。患者は、ジスキネジーでない状態のときは、1日に合計7時間、重篤な動作緩慢にも悩まされていた。患者は、これらの状態にあるときは、衛生面、着衣動作および食事は全面的にヘルパーに依存していた。患者は、Zimmer frameの助けを借りて動き回れる朝の1時間を除いて、一日の多くの時間を車椅子で過ごした。輸注治療の間、ジスキネジーはほぼ完全に消え、輸注の速度を上げようとしたごく稀な場合にだけみとめられた。輸注期間の間は硬直がいくらか残ったが、支障をきたすほどではなかった。患者は、衛生面、着衣動作の面で部分的な助けを必要としたが、自分で食事をし、Zimmerframeを使って歩いた。その後6ヶ月間、患者は屋内では補助手段なしで歩くことができたが、自信を持たせるために屋外では車椅子を使用した。患者は自分で着衣動作と衛生面の管理をし、簡単な家事もした。検査では、患者に硬直が多少残っていたが、動けなかったことからすれば許容されるものであった。患者は、輸注を行ってからはジスキネジーにはならなかった。
【0068】
他の患者は、上記の患者と同様、レボドパの持続点滴静注による治療の間とその後でパーキンソン病の症状の明らかな改善を示した。個人差があり、この予備実験では治療の効果の長さをしっかりと評価するには総合的に十分とはいえない。しかし、この予備実験の結果は、およそ6ヶ月間ははっきりと改善した臨床像を示した。但し、多くの患者は、確実な結論が出る前に治療を受けなければならない。血漿中のレボドパの解析結果は、治療間隔の拡大を示したが、均等分布はなかった。実験は、レボドパの静脈内輸注による治療により、その後の治療経過で必要とされる経口用量が減少したことを示した。17人の患者の試験群の平均値は、治療前の用量が1003 mg/日であり、治療後の用量が773 mg/日であった。経口レボドパの組み合わせを、標準的な調製物中および徐放性の調製物中、輸注治療の前に数名の患者によって試みたものの、効果はなかった。この輸注はまた、重篤なジスキネジーから全体的な無動症への急速なシフトを除去した。この長期間の効果は輸注完了後の6〜10ヶ月の間も安定であった。最後に、特に、この治療は生活の質の大きな改善をもたらした。
【0069】
集中治療室および外科手術における静脈内レボドパ治療
外科手術を受けているPD患者または集中治療室で処置を受けている重篤な病気の患者の場合は経口投与が適さないことが多い。レボドパによる静脈内治療は、これらの患者の正常な運動機能を確実にし、より有効に速く動くことができるようにすることが可能である。PDの患者は、術後のリハビリが困難なために外科手術には適さないとされる場合がある。手術前の静脈内のレボドパ治療によってこのような場合の治療の可能性が高くなる。
【0070】
皮下輸注
皮下輸注による試験を行った。測定可能な濃度でのレボドパの血液中への速い分配、および患者に対する陽性の臨床的効果が示された。
【0071】
1人の患者を3日間連続でレボドパを連続輸注することにより皮下的に処置した。この治療は、良好な臨床効果と、1時間毎に採取した血液サンプルにおいて測定可能なレボドパの血中濃度をもたらした。
【0072】
連続的なレボドパ輸注により、この患者をもう1日静脈内治療した。
【0073】
この患者は、皮下輸注に対して用量依存的応答を示したが、連続輸注した日にはレボドパ血中濃度の変動が多少みられた。
【0074】
参考文献
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11. Dizdar N, Henriksson A and Kagedal B: Determination of L-3,4-dihydroxyphenylalanine in biological fluids and tissues. J Chromatography 1991; 565: 1-26.
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15. Dizdar N, Arstrand K, and Kagedal B. Analysis of L-dopa in human serum. BioTechniques 2002; 33 (5): 1000-1004.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a1)少なくとも10mg/mLのレボドパ、またはa2)少なくとも5mg/mLのレボドパおよび少なくとも0.5mg/mLの少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビター、
b)緩衝剤、
c)生理学的に許容し得る糖、および
d)生理学的に許容し得る酸を含有し、
該溶液のpHが6以下である、レボドパの輸液または注射液。
【請求項2】
生理学的に許容し得る糖がグルコースである請求項1記載の輸液または注射液。
【請求項3】
溶液のpHが3〜6の範囲である請求項1または2記載の輸液または注射液。
【請求項4】
安定化剤をさらに含有する請求項1〜3のいずれかに記載の輸液または注射液。
【請求項5】
溶液の容積が、注射器あるいは持続点滴静注および/または皮下投与および/または鞘内投与に適合している請求項1〜4のいずれかに記載の輸液または注射液。
【請求項6】
レボドパ代謝酵素インヒビターがドーパ脱炭酸酵素(DDC)インヒビター、カテコール−o−メチルトランスフェラーゼ(COMT)インヒビター、およびモノアミノオキシダーゼ(MAO−B)インヒビターからなる群から選択される請求項1〜5のいずれかに記載の輸液または注射液。
【請求項7】
DDC−インヒビターがL−2−ヒドラジノ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン酸(カルビドパ)である請求項6記載の輸液または注射液。
【請求項8】
DDCインヒビターが2−アミノ−3−ヒドロキシ−N’−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)プロピオノヒドラジド(ベンセラジド)である請求項6記載の輸液または注射液。
【請求項9】
COMTインヒビターが(E)−2−シアノ−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−N,N−ジエチル−2−プロパンアミド(エンタカポン)である請求項6記載の輸液または注射液。
【請求項10】
MAO−Bインヒビターが(R)−N,[α]−ジメチル−N−(2−プロピニル)フェネチルアミン(セレギリン)である請求項6記載の輸液または注射液。
【請求項11】
生理学的に許容し得る酸が塩酸である請求項1〜10のいずれかに記載の輸液または注射液。
【請求項12】
生理学的に許容し得る酸が酢酸である請求項1〜10のいずれかに記載の輸液または注射液。
【請求項13】
緩衝剤および生理学的に許容し得る糖を含有する生理学的に許容し得る酸に溶解している、pH6以下の治療上有効量のレボドパの輸液または注射液を含む使い捨て注射器。
【請求項14】
さらに少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビターを、レボドパの量と相まって治療上有効な量の溶液となるような量で含んでなる、請求項13記載の使い捨て注射器。
【請求項15】
緩衝剤および生理学的に許容し得る糖を含有する生理学的に許容し得る酸に溶解している、pH6以下の、治療上有効量のレボドパの輸液または注射液を含む輸液ポンプカセット。
【請求項16】
さらに少なくとも1つのレボドパ代謝酵素インヒビターを、レボドパの量と相まって治療上有効な量の溶液となるような量で含んでなる、請求項15記載の輸液ポンプカセット。

【公開番号】特開2013−28609(P2013−28609A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−183865(P2012−183865)
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【分割の表示】特願2007−521433(P2007−521433)の分割
【原出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(507012526)ディズリン・メディカル・デザイン・アクチボラゲット (2)
【氏名又は名称原語表記】DIZLIN MEDICAL DESIGN AB
【Fターム(参考)】