説明

レンガ用補修材

【課題】レンガ構造物の表面の風合いを活かしつつ、そのレンガ面を補修することができるレンガ用補修材を提供する。
【解決手段】レンガの表面又は欠損部に塗装され、当該レンガの色調に補修するレンガ用補修材であって、水性の合成樹脂エマルジョンと、石英を主成分とした体質顔料と、着色顔料と、を含んで成り、所望のレンガ色調に調製可能とされたものであり、レンガ構造物の表面に下地層を形成する下地層形成工程(シーラー塗布工程S4、プライマー塗布工程S6及び中塗り工程S7)と、該下地層形成工程で形成された下地層の表面に落書きの除去を容易とし得る落書き防止塗料を塗布することにより、落書き防止層を形成する落書き防止層形成工程S8とを有した表面処理方法におけるレンガ用補修材充填工程S5に適用されるべきものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンガの表面又は欠損部に塗装され、当該レンガの色調に補修するレンガ用補修材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時において、橋脚や塀などのコンクリート躯体や他の建築物又は構造物の表面に対し油性塗料などで落書きされてしまう事例が社会問題化しており、落書きを容易且つ早急に除去し得る要求が高まっている。例えば、特許文献1には、処理対象のコンクリート躯体の表面にプライマー、中塗りクリア塗料を塗装した後、落書き及び貼り紙を除去し易い機能を有する上塗りクリア塗料を塗布することにより、所定長さに切り取った梱包用布粘着テープを用いて落書きを除去することが提案されている。
【特許文献1】特開2005−262134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の如き方法においては、以下の如き問題があった。即ち、レンガ構造物(レンガを積み重ねて成る建物や塀などの躯体)においては、通常、その表面にレンガを区画する目地が形成されており、当該目地とレンガ面との間に数ミリ程度の段差が生じている。然るに、レンガ面に落書きされると、シンナー等の溶剤で当該落書きを除去する必要がある。
【0004】
しかして、レンガ面に施された落書きを溶剤等で除去するには、多大な労力を要するとともに溶剤がレンガに染み込んでしまい、落書きの痕跡が残ってしまう虞がある。このように、落書きの痕跡が残ってしまうと、レンガ構造物の風合いが損なわれてしまい、見苦しいものとなってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、レンガ構造物の表面の風合いを活かしつつ、そのレンガ面を補修することができるレンガ用補修材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、レンガの表面又は欠損部に塗装され、当該レンガの色調に補修するレンガ用補修材であって、水性の合成樹脂エマルジョンと、体質顔料と、着色顔料と、を含んで成り、所望のレンガ色調に調製可能とされたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のレンガ用補修材において、全体の固形分が50%以上とされるとともに、このうち前記体質顔料及び着色顔料の固形分が60%以上であることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のレンガ用補修材において、前記体質顔料は、粒子径が50μm未満の第1体質顔料と、モード径が70〜300μmの第2体質顔料とから成るとともに、第1体質顔料が100重量部に対して第2体質顔料が5〜500重量部とされたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るレンガ用補修材によれば、水性の合成樹脂エマルジョンと、体質顔料と、着色顔料と、を含んで成り、所望のレンガ色調に調製可能とされたので、色調は勿論、光沢や質感等も補修対象周囲のレンガ面と略合致させることができ、レンガ構造物の表面の風合いを活かしつつ、そのレンガ面を補修することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るレンガ用補修材は、レンガの表面又は欠損部に塗装され、当該レンガの色調に補修するためのものであり、レンガ構造物の表面(レンガ面)を処理して、落書きの除去を容易とし得るための表面処理方法に適用可能とされたものである。かかる表面処理方法は、比較的表面の粗度が悪い既設のレンガ構造物の表面と、比較的表面の粗度が良好な新設のレンガ構造物の表面との両者に適用できるものである。
【0011】
本実施形態に係る表面処理方法について、図1のフローチャートに基づいて説明する。
まず、処理対象の表面(レンガ面から成る表面)に付されてしまった既存の落書きを除去し(S1)、当該表面に付着した汚れを高圧水洗浄機等で除去して洗浄(S2)する。尚、新設の構造物など落書きが未だ付されていないものにおいては、S1は省略される。その後、レンガ面から成る表面に大きな不陸部分(表面の広い範囲に亘る凹凸部であって面の歪みを指す)がある場合は、その不陸部分に対して平滑化処理する(S3:平滑化処理工程)。
【0012】
平滑化処理工程S3は、処理対象の表面に対して樹脂モルタルを金鏝で扱いて平滑化処理するものであり、大きな不陸部分がない場合は省略される。ここで用いられる樹脂モルタルは、普通ポルトランドセメントに軽量骨材、繊維、混和剤等を配合した既調合モルタルを水性のアクリル樹脂エマルジョン、エチレン・酢酸ビニル樹脂エマルジョン、スチレン・ブタジエン樹脂エマルジョン等と混練して平滑化する下地処理材のことをいい、例えばニチエー吉田(株)製のNY−調合樹脂モルタルが挙げられる。
【0013】
その後、図2に示すように、上記平滑化処理工程S3が施された表面1aに対し、透明なシーラーを塗布(S4:シーラー塗布工程)し、シーラー層2を形成する。かかるシーラーは、乾燥後において透明なものとされ、例えば水性のアクリル樹脂エマルジョン、エチレン・酢酸ビニル樹脂エマルジョン、スチレン・ブタジエン樹脂エマルジョン或いはシリコン樹脂エマルジョン等を用いることができる。尚、図中符号1は、レンガ面を有する躯体(レンガ構造物)を示している。
【0014】
上記シーラー塗布工程S4の後、図3に示すように、レンガ面から成る表面1aにおける微小凹部若しくは欠損部に対し、当該レンガ面と略同色に調製されたレンガ用補修材3を充填して平滑化する(S5:レンガ用補修材充填工程)。レンガ面の微小凹部とは、風化等による浸食された部位を指し、微小欠損部とは、物との干渉により欠損等した部位を指すが、何れも平滑化処理工程S3にて平滑化されるべき不陸部分(面の歪み)とは異なり、処理対象面の表面粗さに影響を及ぼすような微小な凹部を言うものとする。
【0015】
ここで、本実施形態において用いられるレンガ用補修材3は、固結材としての水性の合成樹脂エマルジョンと、石英を主成分とした体質顔料と、水分散した着色顔料とを含んで成り、所望のレンガ色調に調製可能とされたものである。尚、その他の成分として、分散剤、湿潤剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤、pH調製剤等を含み、これらと上記合成樹脂エマルジョン、体質顔料及び着色顔料とを混練して所望のレンガの色調に調製され得るようになっている。
【0016】
体質顔料は、所謂増量材或いは補強材と称されるもので、粒子径が50μm未満の第1体質顔料と、モード径が70〜300μmの第2体質顔料とから成るとともに、第1体質顔料が100重量部に対して第2体質顔料が5〜500重量部とされたものである。例えば、体質顔料は、粒子径が50μm未満のシリカフラワー♯250(東海リテック(株)製)(第1体質顔料)から主に成り、石英を主成分とする岩石を粉砕処理した後、100メッシュ篩を通過したものであるとともに、その約90%の粒子径は44μm以下のものである。また、体質顔料は、上記第1体質顔料としてのシリカフラワー♯250に加え、第2体質顔料としてモード径が70〜300μmの珪砂8号又は7号(東海リテック(株)製)、又はシラックスPB−09L((株)シラックスウ製)を所定量含有したものが好ましい。尚、第2体質顔料として、モード径が70〜300μmのフィライトFG(日本フィライト(株)製)を使用することもできる。
【0017】
水分散した着色顔料としては、例えば酸化鉄、二酸化チタン、カーボンブラック、マンガン化合物、コバルト化合物、酸化クローム等の顔料を微粉砕し、水に分散させたものを用いるのが好ましい。更に、水性の合成樹脂エマルジョンとしては、アクリル樹脂エマルジョン、スチレン・アクリル樹脂エマルジョン、シリコン・アクリル樹脂エマルジョンを用いるのが好ましい。
【0018】
上記の如きレンガ用補修材3を欠損部に充填させるレンガ用補修材充填工程S5を経ることにより、落書き防止処理作業の過程で、レンガ面を修復することができ、その風合いを向上させることができる。塗布されたシーラーの乾燥後、図4に示すように、上記シーラー塗布工程S4及びモルタル充填工程S5が施された表面に対し、接着性を有して形成されるプライマーを塗布(S6:プライマー塗布工程)し、プライマー層4を形成する。かかるプライマーは、乾燥後において透明なものとされ、水系のものでは、例えばアクリル樹脂エマルジョン、エチレン・酢酸ビニル樹脂エマルジョン、スチレン・ブタジエン樹脂エマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン等を用いることができ、溶剤系のものでは、例えばアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等を用いることができる。
【0019】
塗布されたプライマーの乾燥後、図5に示すように、プライマー塗布工程S6が施された表面に対し、所定の硬度が得られる中塗り材を塗布(S7:中塗り工程)し、中塗り層5を形成する。かかる中塗り材は、乾燥後において透明なものとされ、耐候性のよいフッ素樹脂(例えば、ニチエー吉田(株)製のNY−8090)、或いはアクリルシリコーン樹脂(例えば、ニチエー吉田(株)製のNY−9090)を用いることができる。また、中塗り材として2液溶剤型樹脂を用いるのが好ましく、当該中塗り材を2〜3回重ね塗りして中塗り層5を形成するのが落書き除去性を向上させる上で好ましい。
【0020】
塗布された中塗り材の乾燥後、図6に示すように、中塗り工程S7が施された表面に対し、落書きの除去を容易とし得る落書き防止塗料を塗布(S8:落書き防止層形成工程)し、透明な落書き防止層6を形成する。かかる落書き防止塗料は、ニチエー吉田(株)製の2液硬化型シリコーン金属キレート化合物から成るNY−3000SG(溶剤系)を用いることができ、総合塗膜としての表面粗さとしてPRtで60μm以下、硬度でH〜5Hが得られることにより落書き除去性に優れた落書き防止層6となっている。
【0021】
以上で落書きの除去を容易とし得る一連の表面処理工程が終了する。尚、シーラー塗布工程S4、プライマー塗布工程S6及び中塗り工程S7は、本発明において、レンガ構造物の表面(レンガ面)に下地層(シーラー層2、プライマー層4及び中塗り層5)を形成する下地層形成工程を成すものであり、当該下地層形成工程にて形成される下地層は、透明故、表面の風合いが残されて平滑化されつつ防水し得るものとなっている。
【0022】
上記実施形態によれば、下地層(シーラー層2、プライマー層4及び中塗り層5)の表面に落書きの除去を容易とし得る落書き防止塗料を塗布するとともに、下地層形成工程(シーラー塗布工程S4、プライマー塗布工程S6及び中塗り工程S7)の下地層(シーラー層2、プライマー層4及び中塗り層5)、及び落書き防止層形成工程S8の落書き防止層6が何れも透明な層から成るので、レンガ構造物の表面1aの風合いを活かしつつ、表面処理後になされた落書きを容易に且つ早急に除去することができる。
【0023】
また、下地層形成工程(シーラー塗布工程S4、プライマー塗布工程S6及び中塗り工程S7)にて形成される下地層(シーラー層2、プライマー層4及び中塗り層5)は、表面が平滑化されつつ防水し得るものであるので、表面処理後になされた落書きをより容易に且つ早急に除去することができる。更に、下地層(シーラー層2、プライマー層4及び中塗り層5)のシーラー、プライマー及び中塗り材が透明な層を形成するので、よりレンガ構造物の表面の風合いを活かしつつ、表面処理後になされた落書きを容易に且つ早急に除去することができる。
【0024】
次に、本発明に係る実施例について説明する。
(実施例1)
粒子径が50μm未満のシリカフラワー♯250(第1体質顔料)を95重量部と着色顔料5重量部に対して珪砂8号(モード径:105μm)(第2体質顔料)を100重量部、合成樹脂エマルジョン(固形分)を16重量部、その他の成分を1.3重量部、水を56.8重量部混練して実施例1に係るレンガ用補修材を得た。この実施例1においては、全体の固形分が79.3%とされるとともに、このうち体質顔料及び着色顔料の固形分が92.0%となっている。
【0025】
(実施例2)
粒子径が50μm未満のシリカフラワー♯250(第1体質顔料)を95重量部と着色顔料5重量部に対して珪砂7号(モード径:149μm)(第2体質顔料)を22重量部、合成樹脂エマルジョン(固形分)を16重量部、その他の成分を5.7重量部、水を67.4重量部混練して実施例2に係るレンガ用補修材を得た。この実施例2においては、全体の固形分が68.1%とされるとともに、このうち体質顔料及び着色顔料の固形分が84.9%となっている。
【0026】
(実施例3)
粒子径が50μm未満のシリカフラワー♯250(第1体質顔料)を95重量部と着色顔料5重量部に対してシラックスPB−09L(モード径:210〜297μm)(第2体質顔料)を5.3重量部、合成樹脂エマルジョン(固形分)を16重量部、その他の成分を0.9重量部、水を36.5重量部混練して実施例3に係るレンガ用補修材を得た。この実施例3においては、全体の固形分が77.0%とされるとともに、このうち体質顔料及び着色顔料の固形分が86.2%となっている。
【0027】
(実施例4)
粒子径が50μm未満のシリカフラワー♯250(第1体質顔料)を95重量部と着色顔料5重量部に対して珪砂8号(モード径:105μm)(第2体質顔料)を460.0重量部、合成樹脂エマルジョン(固形分)を16重量部、その他の成分を4.1重量部、水を232.0重量部混練して実施例4に係るレンガ用補修材を得た。この実施例4においては、全体の固形分が71.4%とされるとともに、このうち体質顔料及び着色顔料の固形分が96.5%となっている。
【0028】
(実施例5)
粒子径が50μm未満のシリカフラワー♯250(第1体質顔料)を95重量部と着色顔料5重量部に対して珪砂8号(モード径:105μm)(第2体質顔料)を22.0重量部、合成樹脂エマルジョン(固形分)を76.0重量部、その他の成分を4.4重量部、水を201重量部混練して実施例5に係るレンガ用補修材を得た。この実施例5においては、全体の固形分が50.2%とされるとともに、このうち体質顔料及び着色顔料の固形分が60.3%となっている。
【0029】
(比較例1)
粒子径が50μm未満のシリカフラワー♯250を95重量部と着色顔料5重量部に対して、合成樹脂エマルジョン(固形分)を16.0重量部、その他の成分を5.5重量部、水を71.0重量部混練して比較例1に係るレンガ用補修材を得た。この比較例1においては、全体の固形分が63.1%とされるとともに、このうち体質顔料及び着色顔料の固形分が82.3%となっている。
【0030】
(比較例2)
粒子径が50μm未満のシリカフラワー♯250を95重量部と着色顔料5重量部に対して珪砂5号(モード径:420μm)を22.0重量部、合成樹脂エマルジョン(固形分)を16.0重量部、その他の成分を3.7重量部、水を62.5重量部混練して比較例2に係るレンガ用補修材を得た。この比較例2においては、全体の固形分が70.4%とされるとともに、このうち体質顔料及び着色顔料の固形分が86.1%となっている。
【0031】
(比較例3)
粒子径が50μm未満のシリカフラワー♯250を95重量部と着色顔料5重量部に対して珪砂8号(モード径:105μm)を22.0重量部、合成樹脂エマルジョン(固形分)を122.3重量部、その他の成分を7.4重量部、水を260.0重量部混練して比較例3に係るレンガ用補修材を得た。この比較例3においては、全体の固形分が49.2%とされるとともに、このうち体質顔料及び着色顔料の固形分が48.5%となっている。
【0032】
(比較例4)
粒子径が50μm未満のシリカフラワー♯250を95重量部と着色顔料5重量部に対して珪砂8号(モード径:105μm)を700.0重量部、合成樹脂エマルジョン(固形分)を16.0重量部、その他の成分を4.3重量部、水を307.0重量部混練して比較例4に係るレンガ用補修材を得た。この比較例4においては、全体の固形分が72.8%とされるとともに、このうち体質顔料及び着色顔料の固形分が97.5%となっている。
【0033】
上記の如き実施例1〜5、比較例1〜4において、その仕上がり感につき以下の如き評価を行った。
90×150×6mmのストレート板に固形分を20%に調製した水性のアクリル樹脂エマルジョンを刷毛塗りし、1日以上放置した面に25mm幅の布テープを2枚重ねして150mmの長さで貼り付けた。この布テープと40mmの間隔をおいて実施例1〜5、比較例1〜4における補修材を置き、コテでしごいて平坦とした後、1日放置して市販のレンガの仕上がり状態と比較した。
【0034】
以下の表1に実施例1〜5についての評価、表2に比較例1〜4についての評価を示す。尚、評価は、外観及び指触りが市販のレンガと似ているものには丸印、外観及び指触りが市販のレンガとは異なるものにはバツ印を付してある。
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

【0037】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば処理対象の表面(レンガ面)に付されてしまった既存の落書きを除去する工程(S1)において、液体状など流動性に富んだ落書き除去剤を使用することができる。この場合、落書きが付された表面に対して除去剤を単にかければ、その落書きを除去することができるので、落書き除去作業をよりスムーズに行うことができ、作業性を向上させることができる。
【0038】
また、本実施形態においては、微小欠損部にレンガ用補修材を充填しているが、落書きを除去した略平坦なレンガ面に薄くレンガ用補修材を塗装して補修するものとしてもよい。その場合、微小欠損部に充填するものに比べ、それほど固形分が高くなくてもよく、通常の塗料のようにレンガの風合いを醸し出せればよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
水性の合成樹脂エマルジョンと、体質顔料と、着色顔料と、を含んで成り、所望のレンガ色調に調製可能とされたレンガ用補修材であれば、他の表面処理工程に適用したものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態に係るレンガ用補修材が適用されるレンガ構造物の表面処理方法を示すフローチャート
【図2】同表面処理方法におけるシーラー塗布工程が施された状態を示す断面模式図
【図3】同表面処理方法におけるレンガ用補修材充填工程が施された状態を示す断面模式図
【図4】同表面処理方法におけるプライマー塗布工程が施された状態を示す断面模式図
【図5】同表面処理方法における中塗り工程が施された状態を示す断面模式図
【図6】同表面処理方法における落書き防止層形成工程が施された状態を示す断面模式図
【符号の説明】
【0041】
1 レンガ構造物(レンガ面を有する躯体)
1a 表面(レンガ面)
2 シーラー層(下地層)
3 レンガ用補修材
4 プライマー層(下地層)
5 中塗り層(下地層)
6 落書き防止層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンガの表面又は欠損部に塗装され、当該レンガの色調に補修するレンガ用補修材であって、
水性の合成樹脂エマルジョンと、体質顔料と、着色顔料と、を含んで成り、所望のレンガ色調に調製可能とされたことを特徴とするレンガ用補修材。
【請求項2】
全体の固形分が50%以上とされるとともに、このうち前記体質顔料及び着色顔料の固形分が60%以上であることを特徴とする請求項1記載のレンガ用補修材。
【請求項3】
前記体質顔料は、粒子径が50μm未満の第1体質顔料と、モード径が70〜300μmの第2体質顔料とから成るとともに、第1体質顔料が100重量部に対して第2体質顔料が5〜500重量部とされたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレンガ用補修材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−51987(P2009−51987A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222086(P2007−222086)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(000110815)ニチエー吉田株式会社 (7)
【Fターム(参考)】