説明

レンズアレイ素子、および画像表示装置

【課題】画面上の任意の位置に3次元表示領域を設ける。
【解決手段】
画面上の任意の位置に3次元表示領域を設け、その他を2次元表示領域とする場合には、Xライン発生部31およびYライン発生部32にて所定の電圧を発生させた状態で、第1の電極群16のXライン発生部31側のスイッチ33のうち、3次元表示領域に対応するもののみをオンとし、接地側のスイッチ34のうち、3次元表示領域に対応するものをオフとし、それ以外をオンする。また、第2の電極群19のYライン発生部32側のスイッチ35のうち、3次元表示領域に対応するもののみをオンとし、接地側のスイッチ36のうち、3次元表示領域に対応するもののみをオフとし、それ以外をオンとする。本発明は、ディスプレイを備える電子装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズアレイ素子、および画像表示装置に関し、特に、3次元表示を実現するためのレンズ効果の発生を電気的に制御するようにしたレンズアレイ素子、および画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、観察者の左右の眼に視差を生じさせた視差画像を見せることにより立体視を実現する方法が知られており、観察者が立体視を実現するための専用のメガネを用いる必要がある方法と当該メガネを必要としない方法とが知られている。
【0003】
当該メガネを必要とする方法は、例えば、映画館における上映設備やテレビジョン受像機に適用されている。当該メガネを必要としない方法は、テレビジョン受像機の他、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ネットブックコンピュータなどのような携帯可能な電子機器のディスプレイに適用されることが想定される。
【0004】
当該メガネを必要としない方法の具体的な実現方法としては、液晶ディスプレイなどの2次元表示装置の画面上に、2次元表示装置からの表示画像光を複数の視野角方向に偏向させる3次元表示用の光学デバイスとを組み合わせたものを挙げることができる。
【0005】
3次元表示用の光学デバイスとしては、複数のシリンドリカルレンズ(円筒レンズ)を並列配置したレンズアレイが知られている。例えば2眼式の立体視の場合、左右の眼に異なる視差画像を見せることにより観察者の視覚に対して立体感が得られる。よって、これを実現するため、2次元表示装置の表示面に対して、縦方向に延在するシリンドリカルレンズを横方向に複数並列配置し、2次元表示装置からの表示画像光を左右方向に偏向させ、左右の視差画像が適切に観察者の左右の眼に到達するようになされている。
【0006】
シリンドリカルレンズの他には、液晶レンズによる切り替え式のレンズアレイ素子(以下、液晶レンズアレイ素子と称する)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
この液晶レンズアレイ素子は、シリンドリカルレンズと同等のレンズ効果の有無を電気的に切り替えることができる。したがって、2次元表示装置の画面上に液晶レンズアレイ素子を設けることにより、レンズ効果無しの状態による2次元表示モードと、レンズ効果有りの状態による3次元表示モードの2つの表示モードを切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−9370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、液晶レンズアレイ素子を用いた3次元表示は、スマートフォン等の携帯可能な電子機器に適用することが想定される。その場合、全画面を一括して2次元表示モードまたは3次元表示モードに切り替えるだけでなく、画面上の任意の領域だけが3次元表示モードの領域となるように設定できれば便利である。
【0010】
一般に、3次元表示は2次元表示に比べて解像度が落ちるため、高い解像度が要求される映像部分については2次元表示モードとし、その他の部分については3次元表示モードとすることが考えられる。また、3次元表示でなくとも良い部分を含む映像素材を表示する領域を、部分的に2次元表示モードにすることが考えられる。例えば、字幕付きの映画を3次元表示する場合に、字幕の部分については2次元表示にすることなどが考えられる。
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、画面上の任意の領域だけを3次元表示モードとし、その他の領域を2次元表示モードに設定可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の側面であるレンズアレイ素子は、間隔を空けて互いに対向配置された第1および第2の基板と、前記第1の基板上における前記第2の基板に対向する側に形成され、第1の方向に延在する複数の電極が幅方向に間隔を空けて並列配置されて成る第1の電極群と、前記第1の電極群に対して電圧を印加する第1の電圧発生部と前記第1の電極群の各電極と接続する第1のスイッチ群と、前記第2の基板上における前記第1の基板に対向する側に形成され、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する複数の電極が幅方向に間隔を空けて並列配置されて成る第2の電極群と、前記第2の電極群に対して電圧を印加する第2の電圧発生部と前記第2の電極群の各電極と接続する第2のスイッチ群と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、屈折率異方性を有する液晶分子を含み、前記第1の電極群と前記第2の電極群とに印加される電圧に応じて前記液晶分子の配列方向が変化することでレンズ効果が発生する液晶層とを備え、前記第1および第2のスイッチ群を切り替えることにより、前記液晶層の任意の領域のレンズ効果が変化する。
【0013】
前記第1および第2のスイッチ群を切り替えることにより、前記液晶層の任意の領域が、前記第1の電極群と前記第2の電極群とに印加される電圧の状態に応じて、レンズ効果の無い状態、または前記第1の方向に延在するようなシリンドリカルレンズ状のレンズ効果が発生するレンズ状態の一方の状態に電気的に切り替わるようにすることができる。
【0014】
前記第1の電極群を構成する複数の電極と前記第2の電極群を構成する複数の電極とが同電位であるとき、レンズ効果の無い状態となり、前記第1の電極群を構成する複数の電極のうち、前記シリンドリカルレンズのレンズピッチに相当する位置にある電極のみに選択的に駆動電圧を印加し、前記第2の電極群を構成する複数の電極のうち、前記シリンドリカルレンズのレンズピッチに相当する位置にある電極のみに選択的に駆動電圧を印加するとき、レンズ効果が発生するようにすることができる。
【0015】
前記第1の電極群は、第1の幅を有して前記第1の方向に延在する複数の第1の電極が並列配置された構成とされ、前記第2の電極群は、前記第1の幅よりも狭い第2の幅を有して前記第2の方向に延在する複数の第2の電極が並列配置された構成とされているようにすることができる。
【0016】
前記第1の電圧発生部および前記第2の電圧発生部は、互いに位相が180°異なる矩形波の電圧を印加するようにすることができる。
【0017】
前記第1の電圧発生部および前記第2の電圧発生部は、電圧振幅が同じ矩形波の電圧を印加するようにすることができる。
【0018】
本発明の第1の側面であるレンズアレイ素子においては、前記第1および第2のスイッチ群を切り替えることにより、液晶層の任意の領域のレンズ効果が変化する。
【0019】
本発明の第2の側面である表示装置は、画像表示を行う表示部と、前記表示部の表示面側に対向配置され、前記表示部からの光線の通過状態を選択的に変化させるレンズアレイ素子と、画面上に設ける3次元表示領域の位置を決定する決定手段と、スイッチを制御するスイッチ制御手段とを備え、前記レンズアレイ素子は、間隔を空けて互いに対向配置された第1および第2の基板と、前記第1の基板上における前記第2の基板に対向する側に形成され、第1の方向に延在する複数の電極が幅方向に間隔を空けて並列配置されて成る第1の電極群と、前記第1の電極群に対して電圧を印加する第1の電圧発生部と前記第1の電極群の各電極と接続する第1のスイッチ群と、前記第2の基板上における前記第1の基板に対向する側に形成され、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する複数の電極が幅方向に間隔を空けて並列配置されて成る第2の電極群と、前記第2の電極群に対して電圧を印加する第2の電圧発生部と前記第2の電極群の各電極と接続する第2のスイッチ群と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、屈折率異方性を有する液晶分子を含み、前記第1の電極群と前記第2の電極群とに印加される電圧に応じて前記液晶分子の配列方向が変化することでレンズ効果が発生する液晶層とを備え、前記スイッチ制御手段が、決定された前記3次元表示領域の位置に基づき、前記第1および第2のスイッチ群を切り替えることにより、前記液晶層の任意の領域のレンズ効果が変化する。
【0020】
前記スイッチ制御手段が、決定された前記3次元表示領域の位置に基づき、前記第1および第2のスイッチ群を切り替えることにより、前記液晶層の前記3次元表示領域に対応する領域が、前記第1の電極群と前記第2の電極群とに印加される電圧の状態に応じて、レンズ効果の無い状態、または前記第1の方向に延在するようなシリンドリカルレンズ状のレンズ効果が発生するレンズ状態の一方の状態に電気的に切り替わるようにすることができる。
【0021】
本発明の第2の側面である表示装置は、前記3次元表示領域の位置を指定するユーザからの操作を入力する入力手段をさらに備えることができ、前記決定手段は、入力された前記ユーザからの操作に基づき、前記3次元表示領域の位置を決定するようにすることができる。
【0022】
本発明の第2の側面である画像表示装置においては、スイッチ制御手段が、決定された3次元表示領域の位置に基づき、第1および第2のスイッチ群を切り替えることにより、液晶層の任意の領域のレンズ効果が変化する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の第1の側面によれば、画面上の任意の領域だけを3次元表示モードとし、その他の領域を2次元表示モードに設定可能なレンズ効果を得ることができる。
【0024】
本発明の第2の側面によれば、画面上の任意の領域だけを3次元表示モードとし、その他の領域を2次元表示モードに設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を適用した電子装置の外観図である。
【図2】液晶レンズアレイ素子の構成例を示す断面図である。
【図3】液晶レンズアレイ素子の第1の電極群を示す断面図である。
【図4】液晶レンズアレイ素子の第1および第2の電極群を示す斜視図である。
【図5】液晶レンズアレイ素子を制御するための構成例を示すブロック図である。
【図6】画面全体を2次元表示モードとする場合のスイッチの切り替え制御の状態を示す図である。
【図7】画面上の任意の領域のみを3次元表示モードとする場合のスイッチの切り替え制御の状態を示す図である。
【図8】ディスプレイの利用状態に対応するスイッチの切り替え制御の状態をまとめた図である。
【図9】Xライン発生部およびYライン発生部における発生電圧の波形を示す図である。
【図10】表示パネルの一例を示す図である。
【図11】第1乃至第3の実施例に対応する第1の電極群と第2の電極群の角度を示す図である。
【図12】第1乃至第3の実施例におけるパラメータの値を示す図である。
【図13】3次元表示の評価方法を説明する図である。
【図14】第1乃至第3の実施例に対する評価を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
<1.実施の形態>
[電子装置の構成例]
図1は、本発明の実施の形態である電子装置の外観を示している。この電子装置1には、ディスプレイ2が設けられている。ディスプレイ2は、2次元表示装置である表示パネル20と、その画面上に設けられた液晶レンズアレイ素子10(いずれも図2)とにより構成される。
【0028】
この電子装置1は、同図Aに示されるように、画面の全体を2次元表示モードとして使用することができる。また、画面の全体を3次元表示モードとして使用することができる。さらに、同図Bに示されるように、画面上の任意の領域を3次元表示モードとし、その他の領域を2次元表示モードとして使用することができる。
【0029】
3次元表示モードとする領域(以下、3次元表示領域と称する)は、ユーザが指定することができる。具体的には、例えば、画面上の2点を結ぶ線を対角線とする矩形を3次元表示領域としたり、カーソルをドラッグした状態で移動させることにより3次元表示領域を指定したりすることができる。
【0030】
[液晶レンズアレイ素子10の構成例]
図2および図3は、ディスプレイ2を構成する液晶レンズアレイ素子10の断面図を示している。なお、図2は、XZ平面の断面図であり、図3は、YZ平面の断面図である。ただし、図3については、第1の基板14側についてのみ図示している。
【0031】
同図に示すように、液晶レンズアレイ素子10は、表示パネル20の表示面20A上に設けられる。
【0032】
液晶レンズアレイ素子10は、表示モード(2次元表示モード、または3次元表示モード)に応じてレンズ効果を制御することで、表示パネル20からの光線の通過状態を選択的に変化させる。表示パネル20は、例えば液晶表示ディスプレイ、有機ELなどで構成することができる。そして、表示パネル20は、2次元表示モードの領域には2次元画像データに基づく映像表示を行い、3次元表示モードの領域には3次元画像データに基づく映像表示を行う。なお、3次元画像データとは、例えば、3次元表示における複数の視野角方向に対応した複数の視差画像を含むデータであり、2眼式の3次元表示を行う場合、右眼表示用と左眼表示用の視差画像のデータを指す。
【0033】
液晶レンズアレイ素子10は、間隔dを空けて互いに対向配置された第1の基板14および第2の基板17、並びにそれらの間に配置された液晶層11を備えている。
【0034】
第1の基板14および第2の基板17は、例えば、ガラス材料または樹脂材料などより成る透明基板である。第1の基板14上における第2の基板17に対向する側には、第1の方向(同図のX軸方向)に延在する複数の透明電極が幅方向(同図のY軸方向)に間隔を空けて並列配置された第1の電極群16が形成されている。第1の基板14上にはまた、第1の電極群16を介して配向膜15が形成されている。
【0035】
同様に、第2の基板17上における第1の基板14に対向する側には、第1の方向とは異なる第2の方向(同図のY軸方向)に延在する複数の透明電極が幅方向(同図のX軸方向)に間隔を空けて並列配置されてなる第2の電極群19が形成されている。第2の基板17上にはまた、第2の電極群19を介して配向膜18が形成されている。
【0036】
液晶層11は、液晶分子13を含み、第1の電極群16と第2の電極群19とに印加される電圧に応じて液晶分子13の配列方向が変化することでレンズ効果が制御されるようになされている。また、液晶層11は、第1の電極群16と第2の電極群19とに印加される電圧の状態に応じて、液晶レンズアレイ素子10を領域毎に、レンズ効果の無い状態と、レンズ効果のある状態との2つの状態に電気的に切り替えることができる。
【0037】
液晶分子13は、屈折率異方性を有し、例えば長手方向と短手方向とで通過光線に対して屈折率の異なる屈折率楕円体の構造を有している。レンズ効果のある状態とは、第1の方向に延在するような第1のシリンドリカルレンズ状のレンズ効果が発生する状態である。
【0038】
以下、本実施の形態では、上記第1の方向を図1のX方向(紙面の横方向)、上記第2の方向を図1のY方向(紙面に直交する方向)として説明する。X方向とY方向は、基板面内で互いに直交する方向である。
【0039】
第1の基板14に設けられた第1の電極群16は、複数の透明電極として、幅Lrの複数の電極16Lが間隔Srを空けて並列配置して構成されている。電極16Lは、幅Lrを有して第1の方向(X方向)に延在している。また、電極16Lは、レンズ効果として発生するシリンドリカルレンズのレンズピッチpに相当する周期間隔で、複数、並列配置されている。
【0040】
同様に、第2の基板17に設けられた第2の電極群19は、複数の透明電極として、幅Lcの複数の電極19Sが間隔Scを空けて並列配置して構成されている。電極19Sは、幅Lcを有して第2の方向(X方向)に延在している。また、電極19Sは、レンズ効果として発生するシリンドリカルレンズのレンズピッチpに相当する周期間隔で、複数、並列配置されている。
【0041】
[液晶レンズアレイ素子10の電極構造]
図4は、第1の電極群16および第2の電極群19のそれぞれに設けられたスイッチの構成を示している。
【0042】
第1の電極群16を構成する各電極16Lの一端は、スイッチ33を介して、第1の電極群16に対して所定の電圧を印加するためのXライン発生部31に接続されており、他端はスイッチ34を介して接地されている。
【0043】
第2の電極群19を構成する各電極19Sの一端は、スイッチ35を介して、第2の電極群19に対して所定の電圧を印加するためのYライン発生部32に接続されており、他端はスイッチ36を介して接地されている。
【0044】
上述した構成において、Xライン発生部31およびYライン発生部32により所定の電圧を発生し、スイッチ33乃至36を適切に切り替えることにより、液晶レンズアレイ素子10の任意の領域を3次元表示モードとし、その他の領域を2次元表示モードに設定することができる。
【0045】
なお、Xライン発生部31およびYライン発生部32により所定の電圧を発生しないことにより、すなわち、液晶レンズアレイ素子10に電力を供給しないことにより、液晶レンズアレイ素子10の全領域を2次元表示モードに設定することができる。
【0046】
電子装置1の一般的な使用状況を考慮した場合、液晶レンズアレイ素子10の全領域を2次元表示モードに設定した状態が、使用時間のうちの最も長い時間を占めるものと想定される。したがって、液晶レンズアレイ素子10に常時電力を給電する場合に比較して、電力の消費を抑えることができる。
【0047】
[液晶レンズアレイ素子10の製造]
液晶レンズアレイ素子10の製造を行う場合には、ガラス材料などから成る第1の基板14および第2の基板17のそれぞれに、例えばITO(IndiumTin Oxide)膜などの透明導電膜を所定のパターンで形成して第1の電極群16および第2の電極群19を形成する。配向膜15および18は、ポリイミド等の高分子化合物を布で一方向に擦るラビング法や、SiO等の斜方蒸着法などにより形成する。これにより、液晶分子13の長軸を一方向に配向させることができる。
【0048】
配向膜15,18上には、第1の基板14と第2の基板17との間隔dを一様に保つために、シール材にガラス材料または樹脂材料からなるスペーサ12を分散配置させたものを印刷する。そして、第1の基板14と第2の基板17とを貼り合わせ、スペーサ入りのシール材を硬化させる。その後に、所定の液晶材料をシール材開口部から第1の基板14と第2の基板17との間に注入し、シール材開口部を封止する。そして、液晶組成物を等方相まで加熱してから、徐冷することにより、液晶レンズアレイ素子10を完成させる。
【0049】
なお、液晶レンズアレイ素子10においては、液晶分子13の屈折率異方性Δnが大きいほど、より大きいレンズ効果を得ることができるので、液晶材料をそのような内容組成にすることが好ましい。一方で、屈折率異方性Δnが大きい液晶組成物の場合、かえって液晶組成物の物性を損ね、粘性が増加してしまう。これにより、基板間への注入が困難となったり、低温では結晶に近い状態になったり、内部電界が増大し、液晶素子の駆動電圧が高くなってしまうことがある。このため、液晶材料の内容組成は、製造性とレンズ効果との双方を考慮して決定することが好ましい。液晶材料の具体的な内容組成については、後述する実施例において詳述する。
【0050】
[液晶レンズアレイ素子制御部40の構成例]
次に、図5は、液晶レンズアレイ素子10を制御するために電子装置1の内部に設けられる液晶レンズアレイ素子制御部の構成例を示している。
【0051】
この液晶レンズアレイ素子制御部40は、操作入力部41、統制部42、スイッチ制御部43、Xライン電圧制御部44、およびYライン電圧制御部45から構成される。
【0052】
操作入力部41は、マウス、パッチパネルなどからなり、画面上に設ける3次元表示領域を指定するユーザの操作を受け付けて、その操作に応じた操作信号を統制部42に出力する。
【0053】
統制部42は、操作入力部41からの操作信号に従い、3次元表示領域を決定する。なお、ユーザの操作に基づく操作信号に依存せず、実行中のアプリケーションからの制御に従って、3次元表示領域を決定することもできる。さらに、統制部42は、決定した3次元表示領域に基づいて、スイッチ制御部43、Xライン電圧制御部44、およびYライン電圧制御部45を制御する。
【0054】
スイッチ制御部43は、統制部42からの制御に従い、第1の電極群16を構成する電極16Lおよび第2の電極群19を構成する電極19Sに接続されているスイッチ33乃至36を切り替える。
【0055】
Xライン電圧制御部44は、統制部42からの制御に従い、Xライン発生部31を制御して所定の電圧を発生させる。Yライン電圧制御部45は、統制部42からの制御に従い、Yライン発生部31を制御して所定の電圧を発生させる。
【0056】
[表示モードに対応するスイッチ制御]
次に、表示モード(2次元表示モード、または3次元表示モード)に対応するスイッチ33乃至36の状態について、図6および図7を参照して説明する。
【0057】
図6Aに示すように、ディプレイ2の全面を2次元表示モードとする場合には、液晶レンズアレイ素子10をレンズ効果のない状態とする。すなわち、同図Bに示すように、スイッチ33乃至36を全てオフとすればよい。当然ながら、Xライン発生部31およびYライン発生部32にて電圧を発生させる必要はない。また、接地側のスイッチ34および36については、オンとしてもよい。
【0058】
図7Aに示すように、ディプレイ2の画面上の任意の位置に3次元表示領域を設け、その他を2次元表示領域とする場合には、Xライン発生部31およびYライン発生部32にて所定の電圧を発生させた状態で、同図Bに示すように、スイッチ33乃至36を切り替える。すなわち、第1の電極群16のXライン発生部31側のスイッチ33のうち、3次元表示領域に対応するもののみをオンとし、接地側のスイッチ34のうち、3次元表示領域に対応するものをオフとし、それ以外をオンする。また、第2の電極群19のYライン発生部32側のスイッチ35のうち、3次元表示領域に対応するもののみをオンとし、接地側のスイッチ36のうち、3次元表示領域に対応するもののみをオフとし、それ以外をオンとする。
【0059】
なお図示は省略するが、ディプレイ2の画面全体を3次元表示領域とする場合には、Xライン発生部31およびYライン発生部32にて所定の電圧を発生させた状態で、第1の電極群16のXライン発生部31側のスイッチ33を全てオンとし、接地側のスイッチ34を全てオフとする。また、第2の電極群19のYライン発生部32側のスイッチ35を全てオンとし、接地側のスイッチ36を全てオフとすればよい。
【0060】
図8は、図6および図7に示された、液晶レンズアレイ素子10における各電極の電圧印加の状態と発生するレンズ効果との対応関係を示している。
【0061】
以上に説明したように、本実施の形態における液晶レンズアレイ素子10によれば、ディスプレイ2の画面上の任意の位置に3次元表示領域を設けることができる。
【0062】
[Xライン発生部31およびYライン発生部32における発生電圧]
次に、Xライン発生部31およびYライン発生部32のそれぞれにおいて発生される電圧について、図9を参照して説明する。
【0063】
図9は、Xライン発生部31およびYライン発生部32が発生する電圧波形の一例を示している。同図に示されるように、Xライン発生部31は、例えば30Hz以上の矩形波の電圧を+Vx,−Vx,+Vx,−Vx,・・・の順に発生する。これに対して、Yライン発生部32は、同じ周期の矩形波の電圧を−Vy,+Vy,−Vy,+Vy,・・・の順に発生する。すなわち、Xライン発生部31とYライン発生部32は、振幅がほぼ等しい(Vx=Vy)電圧を、位相を180°ずらして発生する。
【0064】
画面上の任意の位置を3次元表示領域とする場合には、液晶層11を挟む上下の透明電極間で、液晶分子13の配列に変化を生じさせることが可能となるような所定の電位差が生じるようにする。
【0065】
具体的には、第1の電極群16を構成する各電極16LのXライン発生部31側のスイッチ33のうち、3次元表示領域に対するものをオンとして、共通の電圧(振幅Vx)が印加されるようにする。また、第2の電極群19を構成する電極19SのYライン発生部32側のスイッチ35のうち、3次元表示領域に対するものをオンとして、共通の電圧(振幅Vy)が印加されるようにする。さらに、スイッチ34およびスイッチ36を全てオフとする。
【0066】
ここで、Xライン発生部31とYライン発生部32が、同図Aに示されたように電圧を発生すると、第2の電極群19の電極19Sと、第1の電極群16との電極間には(Vx+Vy)の振幅電圧を有する矩形波が印加されることになる。一方、第2の電極群19の電極19Sがない部分と、第1の電極群16との電極間には、Vx=Vy=(Vx+Vy)/2の振幅電圧を有する矩形波が印加されることになる。このとき、電極19Sに対応する部分では、その振幅電圧が液晶の閾値電圧以下であれば、液晶分子13の動きが実際には起きないが、第2の電極19SXによる横電界によって初期の液晶分子13の配向分布、すなわち屈折率分布を引き起こすことができる。
【0067】
なお、液晶層3の全体をレンズ効果の無い状態にする場合には、第1の電極群16を構成する複数の電極と第2の電極群19を構成する複数の透極とがすべて同電位(0V)となるような電圧状態とすればよい。すなわち、図4に示されたように、Xライン発生部31およびYライン発生部32の発生電圧を0Vとして各電極を接地する。この場合、液晶分子13が配向膜15,18によって規定される所定の方向に一様に配列されるので、レンズ効果の無い状態となる。
【実施例】
【0068】
次に、本実施の形態である電子装置1の具体的な実施例について説明する。
【0069】
液晶レンズアレイ素子10については、上述したように、ガラス材料などからなる第1の基板14と第2の基板17の間に、ITOからなる第1の電極群16と第2の電極群19を、周知のフォトリソ法とウェットエッチングまたはドライエッチングとにより形成させる。その電極上にポリイミドをそれぞれスピンコートして焼成することにより、配向膜15,18を形成する。
【0070】
材料の焼成後には、配向膜15,18の表面をラビング処理し、さらにはIPA等で洗浄し、加熱乾燥させる。冷却後、ラビング方向が向き合うように第1の基板14と第2の基板17を約30乃至50μmの間隔で貼り合わせる。この間隔は、スペーサを全面に分散させることにより保持する。その後、シール材開口部から真空注入法によって、液晶材料を注入し、シール材開口部を封止する。そして、等方相まで液晶セルを加熱してから徐冷する。
【0071】
液晶層11に用いる液晶材料は代表的なネマティック液晶であるMBBA(p-methoxybenzylidene-p’-butylaniline)を用いる。なお、屈折率異方性Δnは、20℃で0.255である。
【化1】

【0072】
表示パネル20については、1画素の大きさが70.5μmのTFT-LCDパネルを用いた。この表示パネル20は、図10に示されるように、R,G,Bの各画素がマトリクス状に配置されている。また、液晶レンズアレイ素子10によって形成されるシリンドリカルレンズのピッチpに対して、表示パネル20の画素数がN(2以上の数)個となるようになされている。3次元表示モードの領域では、このN個分の光線数(視線数)を提示することになる。また、表示パネル20としては、3インチのWVGA(864×480画素)規格のものを用いた。
【0073】
図11は、後述する第1乃至第3の実施例に対応する液晶レンズアレイ素子10の電極構造を示しており、同図Aは第2の基板17側の電極構造、同図Bは第1の基板14側の電極構造を示している。同図に示すとおり、第1乃至第3の実施例では、第1の基板14の電極と第2の基板17の電極とが直交するように形成されている。
【0074】
図12は、第1乃至第3の実施例に対応する各種設計パラメータの値を示している。Nは表示パネル20のレンズピッチpに対する画素数であり、Lcは第2の電極群19を構成する電極19Sの幅、Scは電極19Sどうしの間隔、Lrは第1の電極群16を構成する電極16Lの幅、Srは電極16Lどうしの間隔をμmの単位で示している。
【0075】
なお、Xライン発生部31およびYライン発生部32から供給する電力は、30Hz以上の矩形波を用い、その振幅電圧は5乃至10V程度として、レンズピッチpや間隔dに応じて調整するものとする。通常、間隔dが厚くなるほど、振幅電圧を高く設定する必要がある。
【0076】
次に、第1乃至第3の実施例に対する評価について説明する。なお、現状においては、3次元表示の良し悪しを判断するための明確な判断基準が一般化されていないため、ここでは、以下に示す簡略的な手法によって、3次元表示として認識できるか否かを判断基準とするようにした。
【0077】
図13は、第1乃至第3の実施例における3次元表示の見え方の評価の概念を示している。同図に示すように、液晶レンズアレイ素子10によって発生する1つのシリンドリカルレンズに対して、青色1画素、赤色1画素の計2画素分が対応している。同図に示されたように、表示パネル20に対して、右眼と左眼にそれぞれ青と赤の色が見えるように表示パターンを出力して表示させる。そして、左右の眼の位置に相当するところにカメラを配置して撮影し、それぞれ、赤と青に分離して見えるか否かを判断基準とした。なお、2次元表示モードの領域については、赤と青が混合して紫として見えることになる。
【0078】
駆動振幅電圧については、少しずつ上げるようにし、その電圧を上げてもほとんど視認性が変わらなくなる飽和直前の電圧値を駆動電圧とする。なお、各電極に印加する矩形波の電圧振幅VはV=2Vx=2Vyとした。また、0Vを印加することで、3次元表示モードから2次元表示モードへと変化するのときの時間(2D切替応答時間)も評価の対象として観測した。
【0079】
第1乃至第3の各実施例を、以下の3種類の使用状態に評価した結果は次のとおりである。
【0080】
使用状態1(画面全体を2次元表示領域とした場合)
第1乃至第3の実施例のいずれも、視感評価として、全面紫色となり、液晶レンズアレイ素子10を表示パネル20上に配置していない場合とほぼ同様の2次元表示が確認できる。
【0081】
使用状態2(画面全体を3次元表示領域とした場合)
第1乃至第3の実施例のいずれも、左眼位置では赤、右眼位置では青を観測することができる。すなわち、液晶レンズアレイ素子10により3次元表示モードが実現されていることが確認できる。
【0082】
使用状態3(所定の領域(300×225画素)を3次元表示領域とし、その他を2次元表示領域とした場合)
第1乃至第3の実施例のいずれも、2次元表示領域については、全面紫色として視認され、液晶レンズアレイ素子10を表示パネル20上に配置していない場合とほぼ同様の2次元表示が確認できる。また、3次元表示領域については、左眼位置では赤、右眼位置では青を観測することができる。すなわち、液晶レンズアレイ素子10により3次元表示モードが実現されていることが確認できる。
【0083】
図14は、上述した使用状態1乃至3における各評価をまとめて示している。同図においては、2次元表示および3次元表示の評価を、最も良い方から順に2重丸◎、1重丸○、三角△、バツ×として4段階で示している。2重丸◎は、赤と青に十分に分離して観察できたことを示す。三角△は、赤と青に分離する限界の状態のように観察されたことを示している。1重丸○は、2重丸◎と三角△の中間の見え方であったことを示している。
【0084】
以上に説明したように、いずれの実施例においても、画面上の任意の位置に設けた3次元表示領域にて良好な3次元表示が実現されることがわかる。
【0085】
なお、上述した説明においては、画面上の1箇所だけに3次元表示領域を設けるようにしたが、画面上の異なる複数の位置に3次元表示領域を設けることも可能である。
【0086】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 電子装置, 2 ディスプレイ, 10 液晶レンズアレイ素子, 14 第1の基板, 15 配向膜, 16 第1の電極群, 17 第2の基板, 18 配向膜, 19 第2の電極群, 20 表示パネル, 31 Xライン発生部, 32 Yライン発生部, 33乃至36 スイッチ, 40 液晶レンズアレイ素子制御部, 41 操作入力部, 42 統制部, 43 スイッチ制御部, 44 Xライン電圧制御部, 45 Yライン電圧制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を空けて互いに対向配置された第1および第2の基板と、
前記第1の基板上における前記第2の基板に対向する側に形成され、第1の方向に延在する複数の電極が幅方向に間隔を空けて並列配置されて成る第1の電極群と、
前記第1の電極群に対して電圧を印加する第1の電圧発生部と前記第1の電極群の各電極と接続する第1のスイッチ群と、
前記第2の基板上における前記第1の基板に対向する側に形成され、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する複数の電極が幅方向に間隔を空けて並列配置されて成る第2の電極群と、
前記第2の電極群に対して電圧を印加する第2の電圧発生部と前記第2の電極群の各電極と接続する第2のスイッチ群と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、屈折率異方性を有する液晶分子を含み、前記第1の電極群と前記第2の電極群とに印加される電圧に応じて前記液晶分子の配列方向が変化することでレンズ効果が発生する液晶層と
を備え、
前記第1および第2のスイッチ群を切り替えることにより、前記液晶層の任意の領域のレンズ効果が変化する
レンズアレイ素子。
【請求項2】
前記第1および第2のスイッチ群を切り替えることにより、前記液晶層の任意の領域が、前記第1の電極群と前記第2の電極群とに印加される電圧の状態に応じて、レンズ効果の無い状態、または前記第1の方向に延在するようなシリンドリカルレンズ状のレンズ効果が発生するレンズ状態の一方の状態に電気的に切り替わる
請求項1に記載のレンズアレイ素子。
【請求項3】
前記第1の電極群を構成する複数の電極と前記第2の電極群を構成する複数の電極とが同電位であるとき、レンズ効果の無い状態となり、
前記第1の電極群を構成する複数の電極のうち、前記シリンドリカルレンズのレンズピッチに相当する位置にある電極のみに選択的に駆動電圧を印加し、前記第2の電極群を構成する複数の電極のうち、前記シリンドリカルレンズのレンズピッチに相当する位置にある電極のみに選択的に駆動電圧を印加するとき、レンズ効果が発生する
請求項2に記載のレンズアレイ素子。
【請求項4】
前記第1の電極群は、第1の幅を有して前記第1の方向に延在する複数の第1の電極が並列配置された構成とされ、
前記第2の電極群は、前記第1の幅よりも狭い第2の幅を有して前記第2の方向に延在する複数の第2の電極が並列配置された構成とされている
請求項1乃至3に記載のレンズアレイ素子。
【請求項5】
前記第1の電圧発生部および前記第2の電圧発生部は、互いに位相が180°異なる矩形波の電圧を印加する
請求項1乃至4に記載のレンズアレイ素子。
【請求項6】
前記第1の電圧発生部および前記第2の電圧発生部は、電圧振幅が同じ矩形波の電圧を印加する
請求項5に記載のレンズアレイ素子。
【請求項7】
画像表示を行う表示部と、
前記表示部の表示面側に対向配置され、前記表示部からの光線の通過状態を選択的に変化させるレンズアレイ素子と、
画面上に設ける3次元表示領域の位置を決定する決定手段と、
スイッチを制御するスイッチ制御手段と
を備え、
前記レンズアレイ素子は、
間隔を空けて互いに対向配置された第1および第2の基板と、
前記第1の基板上における前記第2の基板に対向する側に形成され、第1の方向に延在する複数の電極が幅方向に間隔を空けて並列配置されて成る第1の電極群と、
前記第1の電極群に対して電圧を印加する第1の電圧発生部と前記第1の電極群の各電極と接続する第1のスイッチ群と、
前記第2の基板上における前記第1の基板に対向する側に形成され、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する複数の電極が幅方向に間隔を空けて並列配置されて成る第2の電極群と、
前記第2の電極群に対して電圧を印加する第2の電圧発生部と前記第2の電極群の各電極と接続する第2のスイッチ群と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、屈折率異方性を有する液晶分子を含み、前記第1の電極群と前記第2の電極群とに印加される電圧に応じて前記液晶分子の配列方向が変化することでレンズ効果が発生する液晶層と
を備え、
前記スイッチ制御手段が、決定された前記3次元表示領域の位置に基づき、前記第1および第2のスイッチ群を切り替えることにより、前記液晶層の任意の領域のレンズ効果が変化する
画像表示装置。
【請求項8】
前記スイッチ制御手段が、決定された前記3次元表示領域の位置に基づき、前記第1および第2のスイッチ群を切り替えることにより、前記液晶層の前記3次元表示領域に対応する領域が、前記第1の電極群と前記第2の電極群とに印加される電圧の状態に応じて、レンズ効果の無い状態、または前記第1の方向に延在するようなシリンドリカルレンズ状のレンズ効果が発生するレンズ状態の一方の状態に電気的に切り替わる
請求項7に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記3次元表示領域の位置を指定するユーザからの操作を入力する入力手段を
さらに備え、
前記決定手段は、入力された前記ユーザからの操作に基づき、前記3次元表示領域の位置を決定する
請求項7または8に記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−3072(P2012−3072A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−138520(P2010−138520)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】