レンズカバー製造方法
【課題】 、レンズカバー本体の端縁部に形成されるレンズシール足が、厚肉部分と、該厚肉部分のレンズカバー本体との接続部とを有している自動車用照明灯のレンズカバーを製造するレンズカバー製造方法において、所定の金型を用い、該金型のレンズシール足となるべき部分からレンズカバー本体となるべき部分に向けて溶融樹脂を流入させてレンズカバーを製造するときに、レンズカバー本体上に未充填部分が発生するのを防止する。
【解決手段】 成形機より溶融された樹脂が金型17aに注入され、レンズシール足へ流入し、さらにレンズシール足からレンズカバー本体(意匠)4に流入することによって、レンズカバーが製造されるが、本発明では、可動式ピン16を用いることによって、レンズシール足の厚肉部分におけるレンズシール足に沿った溶融樹脂の流入を制限する。
【解決手段】 成形機より溶融された樹脂が金型17aに注入され、レンズシール足へ流入し、さらにレンズシール足からレンズカバー本体(意匠)4に流入することによって、レンズカバーが製造されるが、本発明では、可動式ピン16を用いることによって、レンズシール足の厚肉部分におけるレンズシール足に沿った溶融樹脂の流入を制限する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用照明灯(例えば自動車用前照灯)のレンズカバーを製造するレンズカバー製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は自動車用前照灯の縱断面図、図2は図1の部分Eの拡大図である。図1を参照すると、自動車用前照灯は、筐体9にレンズカバー8が接合されて構成されている。
【0003】
ここで、レンズカバー8は、具体的にはポリカーボネートの樹脂材料で形成され、レンズカバー本体(意匠)4と、レンズカバー本体4の端縁部に形成される凸状のレンズシール足5とを有している。また、筐体9には、凹状のハウジング13が形成されており、図2に示すように、凹状のハウジング13に充填材12を塗布し、凸状のレンズシール足5を凹状のハウジング13に差し込むことで、凸状のレンズシール足5と凹状のハウジング13とを接合させることができる。このように、凸状のレンズシール足5と凹状のハウジング13とを接合させることによって、筐体9にレンズカバー8が接合される(すなわち、図2に示す図1の部分Eは、筐体9とレンズカバー8との接合部である)。
【0004】
上記のように、凸状のレンズシール足5と凹状のハウジング13とを接合させるとき、この接合部のシール性を確保するためには、一定以上のシール高さGが必要となるが、異型タイプの自動車用前照灯のレンズカバーでレンズカバー本体(意匠)が回り込むものは、レンズカバーの抜き方向10と凹状のハウジングの成形抜き方向11が異なる場合がある。この場合、成形抜き方向の違いから、接合部の開き角度が大きくなり、凸状のレンズシール足5の根元付近は、図2にFで示すように、製品の平均肉厚よりも厚い形状となる。図1,図2を例にとると、レンズカバーと凹状のハウジングの抜き角度差Dは17°であり、G=4mm,F=6.7mmである。このような製品の平均肉厚よりも厚いレンズシール足5の部分5aをレンズシール足5の厚肉部分と呼び、また、レンズシール足5の厚肉部分5aのレンズカバー本体(意匠)4との接続部5bを立壁と呼ぶ。なお、レンズシール足5の立壁5bの厚さHは2.5mm程度で、平均肉厚とほぼ等しい値としている。
【0005】
図3,図4は、上記のような自動車用前照灯のレンズカバー8の従来の製造方法を説明するための図である。なお、図3はレンズカバー8を正面から見た図、図4は図3のA−A線における断面図であり、図4にはレンズカバー8を製造するための金型6a,6bが示されている。ここで、金型6aは、固定側の金型であり、金型6bは、可動側の金型である。
【0006】
図3,図4を参照すると、上記のような自動車用前照灯のレンズカバー8は、射出成形法により製造される。すなわち、成形機(図示せず)より溶融された樹脂(具体的には、ポリカーボネート)が注入点1から金型6aに注入され、コールドランナー2、ゲート3を通り、レンズシール足5へ流入し、さらにレンズシール足5からレンズカバー本体(意匠)4に流入することによって、レンズカバー8が製造される。ここで、樹脂材料(ポリカーボネート)の樹脂温度は290℃程度、金型6a,6bの温度は80℃程度である。
【特許文献1】特開2001−14915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のように射出成形法によりレンズカバー8を製造する場合、ゲート3よりレンズシール足5に流入した溶融樹脂は、立壁5bよりも流動が容易な厚肉部分5aから先に流れる。図5は、溶融樹脂7をゲート3より充填開始直後0.5秒後のゲート3付近の樹脂流動解析結果を示す図(拡大図)である。図5から、立壁5bの方向の流動Jに比べてレンズシール足5に沿った流動Kは、流動長として20mm多く進む。溶融樹脂7のこの流動がさらに進んだ後、3秒後の流動先端は図6に13で示すようにレンズシール足5に沿って回り込み、5秒後ではさらにレンズカバー本体(意匠)4へ上がり、未充填の袋閉じ(図7に14で示す)を形成する。この現象により、レンズカバー本体(意匠)4上に未充填部分が発生し、また、その未充填部分のガスが急激に抜ける際の発熱によるシルバーストリークやウエルドラインが発生するという問題があった。
【0008】
本発明は、レンズカバー本体と、レンズカバー本体の端縁部に形成されるレンズシール足とを有し、前記レンズシール足が、厚肉部分と、該厚肉部分のレンズカバー本体との接続部とを有している自動車用照明灯のレンズカバーを製造するレンズカバー製造方法において、所定の金型を用い、該金型のレンズシール足となるべき部分からレンズカバー本体となるべき部分に向けて溶融樹脂を流入させてレンズカバーを製造するときに、レンズカバー本体上に未充填部分が発生するのを有効に防止し、シルバーストリークやウエルドラインの発生を防止することの可能なレンズカバー製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、レンズカバー本体と、レンズカバー本体の端縁部に形成されるレンズシール足とを有し、前記レンズシール足が、厚肉部分と、該厚肉部分のレンズカバー本体との接続部とを有している自動車用照明灯のレンズカバーを製造するレンズカバー製造方法において、
所定の金型を用い、該金型のレンズシール足となるべき部分からレンズカバー本体となるべき部分に向けて溶融樹脂を流入させてレンズカバーを製造するときに、レンズシール足の厚肉部分におけるレンズシール足に沿った溶融樹脂の流入を制限することを特徴としている。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のレンズカバー製造方法において、レンズシール足の厚肉部分となるべき前記金型の部分に可動部材を設けることによって、レンズシール足の厚肉部分におけるレンズシール足に沿った溶融樹脂の流入を制限することを特徴としている。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のレンズカバー製造方法において、前記溶融樹脂は、ポリカーボネートであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1乃至請求項3記載の発明によれば、レンズカバー本体と、レンズカバー本体の端縁部に形成されるレンズシール足とを有し、前記レンズシール足が、厚肉部分と、該厚肉部分のレンズカバー本体との接続部とを有している自動車用照明灯のレンズカバーを製造するレンズカバー製造方法において、所定の金型を用い、該金型のレンズシール足となるべき部分からレンズカバー本体となるべき部分に向けて溶融樹脂を流入させてレンズカバーを製造するときに、レンズシール足の厚肉部分におけるレンズシール足に沿った溶融樹脂の流入を制限するので、レンズカバー本体上に未充填部分(ガス溜まり)が発生するのを有効に防止し、シルバーストリークやウエルドラインの発生を防止することが可能となり、良品のレンズカバーを生産効率良く製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下では、自動車用照明灯として自動車用前照灯のレンズカバーを製造する場合について説明する。
【0014】
本発明は、レンズカバー本体4と、レンズカバー本体4の端縁部に形成されるレンズシール足5とを有し、前記レンズシール足5が、厚肉部分5aと、該厚肉部分5aのレンズカバー本体4との接続部(立壁)5bとを有している図1に示したような自動車用照明灯のレンズカバー8を製造するレンズカバー製造方法において、
所定の金型を用い、該金型のレンズシール足5となるべき部分からレンズカバー本体4となるべき部分に向けて溶融樹脂(具体的には、ポリカーボネート)を流入させてレンズカバー8を製造するときに、レンズシール足5の厚肉部分5aにおけるレンズシール足5に沿った溶融樹脂の流入を制限することを特徴としている。
【0015】
より具体的に、本発明は、レンズシール足5の厚肉部分5aとなるべき前記金型の部分に可動部材を設けることによって、レンズシール足5の厚肉部分5aにおけるレンズシール足5に沿った溶融樹脂の流入を制限することを特徴としている。
【0016】
図8,図9は、自動車用前照灯のレンズカバー8の本発明による製造方法を説明するための図である。なお、図8はレンズカバー8を正面から見た図、図9は図8のB−B線における断面図であり、図9にはレンズカバー8を製造するための金型17a,17bが示されている。
【0017】
図9において、金型17aは、固定側の金型であり、金型17bは、可動側の金型である。また、15は油圧シリンダー、16は可動部材(具体的には可動式ピン)である。すなわち、可動式ピン16は、固定側の金型17aに装着され、油圧シリンダー15に接合されている。
【0018】
このような構成において、自動車用前照灯のレンズカバー8は、射出成形法により製造される。すなわち、基本的には前述したと同様に、成形機(図示せず)より溶融された樹脂(具体的には、ポリカーボネート)が注入点1から金型17aに注入され、コールドランナー2、ゲート3を通り、レンズシール足5へ流入し、さらにレンズシール足5からレンズカバー本体(意匠)4に流入することによって、レンズカバー8が製造されるが、本発明では、可動式ピン16を用いることによって、レンズシール足5の厚肉部分5aにおけるレンズシール足5に沿った溶融樹脂の流入を制限するようにしている。
【0019】
すなわち、本発明において、射出成形法によりレンズカバー8を製造する場合、可動式ピン16は、成形機(図示せず)からの溶融樹脂(具体的には、ポリカーボネート)の射出時には、図10に示すように、完全に挿入されて可動側の金型17bに接する状態にある。この状態から、油圧シリンダー15を駆動すると、可動式ピン16は、図11に示すように、矢印19の方向へ移動(可動)し、可動式ピン16の先端と可動側の金型17bとの間に0.8mm程度の隙間21が生じて、その部分に溶融樹脂が流入し、レンズシール足5を形成する。ここで、可動式ピン16の可動タイミングは、レンズカバー本体(意匠)4へ樹脂が充填された後、可動式ピン16の部分の樹脂が十分に溶融状態にある間に可動させなければならない。具体的には、例えば、充填完了の0.5秒前までに(充填時間が5秒の場合、射出してから4.5秒後までに)、可動式ピン16を可動させる必要がある。
【0020】
図12〜図15は、可動式ピンが無い従来の製造方法による製品(レンズカバー8)への樹脂流入挙動を示す図である。すなわち、図12には、可動式ピン無しの場合の充填開始から0.5秒後の樹脂7の充填状態が示されており、ゲート3への樹脂流入方向がPとして表されている。ゲート3を通過して製品(レンズカバー8)へ流入した樹脂は、レンズカバー本体(意匠)4の方向J0およびレンズシール足5の方向K0へ拡がる。このときのレンズカバー本体(意匠)4の方向J0の樹脂7の流動先端J1は、レンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動先端K1に比べて19mm短い。図13には、さらに充填開始から1秒後の樹脂7の充填状態が示されており、充填開始から1秒後では、レンズカバー本体(意匠)4の方向J0の樹脂7の流動先端J2は、レンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動先端K2に比べて22mm短い。また、図14、図15には、充填開始から2秒後、4秒後の樹脂7の充填状態がそれぞれ示されており、充填開始から2秒後では、レンズカバー本体(意匠)4の方向J0の樹脂7の流動先端J3は、レンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動先端K3に比べて47mm短かくなり、充填開始から4秒後では、レンズカバー本体(意匠)4の方向J0の樹脂7の流動先端J4は、レンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動先端K4に比べて104mm短かくなり、レンズカバー本体(意匠)4の方向J0の樹脂7の流動先端とレンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動先端との差は大きく開き、レンズカバー本体(意匠)4の方向J0の樹脂7の流動は、レンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動に比べて遅れる。すると、レンズシール足5から流れ込んだ(回り込んだ)樹脂7にレンズカバー本体(意匠)4の未充填部分は囲われて、レンズカバー本体(意匠)4の未充填部分のガスが急激に抜ける際の発熱によるシルバーストリークやウエルドラインによって、外観が損なわれてしまう。
【0021】
これに対し、図16〜図19は、可動式ピン16が有る本発明の製造方法による製品(レンズカバー8)への樹脂流入挙動を示す図である。すなわち、図16には、可動式ピン16が有る場合の充填開始から0.5秒後の樹脂7の充填状態が示されており、ゲート3への樹脂流入方向がQとして表されている。ゲート3を通過して製品(レンズカバー8)へ流入した樹脂7は、レンズカバー本体(意匠)4の方向L0およびレンズシール足5の方向M0へ拡がる。但し、本発明では、可動式ピン16がレンズシール足5に挿入されているために、レンズシール足5から一度離れた樹脂7がレンズシール足5に再流入する流動M0となる。これによって、レンズシール足5の方向M0の流動抵抗が増加し、流動抵抗の低いレンズカバー本体(意匠)4の方向L0へ多くの樹脂7が流動する。この結果、レンズカバー本体(意匠)4の方向L0の流動先端L1は、レンズシール足5の方向M0の流動先端M1に比べて62mm長い。図17には、さらに充填開始から1秒後の樹脂7の充填状態が示されており、充填開始から1秒後では、レンズカバー本体(意匠)4の方向L0の樹脂7の流動先端L2は、レンズシール足5の方向M0の樹脂7の流動先端M2に比べて64mm長い。また、図18、図19には、充填開始から2秒後、4秒後の樹脂7の充填状態がそれぞれ示されており、充填開始から2秒後では、レンズカバー本体(意匠)4の方向L0の樹脂7の流動先端L3は、レンズシール足5の方向M0の樹脂7の流動先端M3に比べて46mm長く、充填開始から4秒後では、レンズカバー本体(意匠)4の方向L0の樹脂7の流動先端L4は、レンズシール足5の方向M0の樹脂7の流動先端M4に比べて20mm長く、そのためレンズシール足5からレンズカバー本体(意匠)4への樹脂7の回り込みはなく、可動式ピンが無い従来の製造方法による不具合は回避される。
【0022】
図20には、レンズカバー本体(意匠)4の方向の樹脂7の流動長とレンズシール足5の方向の樹脂7の流動長との差を、充填開始からの時間で比較した結果が示されている。従来の製造方法では、充填開始から0.5秒後には、すでにレンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動長が長く、レンズシール足5の先流れを防止するには、できるだけ流動初期に可動式ピン16を設けて樹脂7の流れを阻止することが有効である。なお、図16の例の場合は、ゲート3から可動式ピン16までの距離Rは10mmである。
【0023】
上述のように、本発明では、所定の金型17a,17bを用い、該金型17a,17bのレンズシール足5となるべき部分からレンズカバー本体4となるべき部分に向けて溶融樹脂7(具体的には、ポリカーボネート)を流入させてレンズカバー8を製造するときに、レンズシール足5の厚肉部分5aにおけるレンズシール足5に沿った溶融樹脂7の流入を制限するので(より具体的に、レンズシール足5の厚肉部分5aとなるべき金型17a,17bの部分に可動部材(可動式ピン)16を設けることによって、レンズシール足5の厚肉部分5aにおけるレンズシール足5に沿った溶融樹脂7の流入を制限するので)、レンズカバー本体上に未充填部分(ガス溜まり)が発生するのを有効に防止し、シルバーストリークやウエルドラインの発生を防止することが可能となり、良品のレンズカバーを製造することができる。
【0024】
なお、本発明を用いずにレンズカバー本体上の未充填部分(ガス溜まり)の発生を防止するのに、レンズシール足5の厚肉部分5a並びに立壁5bやレンズカバー本体4の肉厚を厚くすることも考えられるが、この場合には、原材料が多くかかる他、肉厚が増すことで成形時の冷却時間が長くなり、生産効率が低下してしまうので、レンズカバーを製造するのには、原材料が多くかからず、生産効率も低下させない本発明を用いるのが望ましい。
【0025】
なお、上述の例では、自動車用照明灯として自動車用前照灯のレンズカバーを製造する場合について説明したが、自動車用照明灯として自動車用前照灯以外の照明灯のレンズカバーを製造する場合にも本発明を同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】自動車用前照灯の縱断面図である。
【図2】図1の部分Eの拡大図である。
【図3】自動車用前照灯のレンズカバーの従来の製造方法を説明するための図である。
【図4】自動車用前照灯のレンズカバーの従来の製造方法を説明するための図である。
【図5】レンズカバーの従来の製造方法の問題点を説明するための図である。
【図6】レンズカバーの従来の製造方法の問題点を説明するための図である。
【図7】レンズカバーの従来の製造方法の問題点を説明するための図である。
【図8】自動車用前照灯のレンズカバーの本発明による製造方法を説明するための図である。
【図9】自動車用前照灯のレンズカバーの本発明による製造方法を説明するための図である。
【図10】自動車用前照灯のレンズカバーの本発明による製造方法を説明するための図である。
【図11】自動車用前照灯のレンズカバーの本発明による製造方法を説明するための図である。
【図12】可動式ピンが無い従来の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図13】可動式ピンが無い従来の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図14】可動式ピンが無い従来の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図15】可動式ピンが無い従来の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図16】可動式ピンが有る本発明の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図17】可動式ピンが有る本発明の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図18】可動式ピンが有る本発明の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図19】可動式ピンが有る本発明の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図20】レンズカバー本体(意匠)の方向の樹脂の流動長とレンズシール足の方向の樹脂の流動長との差を、充填開始からの時間で比較した結果を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
1 注入点
2 コールドランナー
3 ゲート
4 レンズカバー本体(意匠)
5 レンズシール足
5a 厚肉部分
5b 立壁
7 溶融樹脂
8 レンズカバー
9 筐体
12 充填材
13 凹状のハウジング
15 油圧シリンダー
16 可動部材(可動式ピン)
17a 固定側の金型
17b 可動側の金型
21 隙間
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用照明灯(例えば自動車用前照灯)のレンズカバーを製造するレンズカバー製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は自動車用前照灯の縱断面図、図2は図1の部分Eの拡大図である。図1を参照すると、自動車用前照灯は、筐体9にレンズカバー8が接合されて構成されている。
【0003】
ここで、レンズカバー8は、具体的にはポリカーボネートの樹脂材料で形成され、レンズカバー本体(意匠)4と、レンズカバー本体4の端縁部に形成される凸状のレンズシール足5とを有している。また、筐体9には、凹状のハウジング13が形成されており、図2に示すように、凹状のハウジング13に充填材12を塗布し、凸状のレンズシール足5を凹状のハウジング13に差し込むことで、凸状のレンズシール足5と凹状のハウジング13とを接合させることができる。このように、凸状のレンズシール足5と凹状のハウジング13とを接合させることによって、筐体9にレンズカバー8が接合される(すなわち、図2に示す図1の部分Eは、筐体9とレンズカバー8との接合部である)。
【0004】
上記のように、凸状のレンズシール足5と凹状のハウジング13とを接合させるとき、この接合部のシール性を確保するためには、一定以上のシール高さGが必要となるが、異型タイプの自動車用前照灯のレンズカバーでレンズカバー本体(意匠)が回り込むものは、レンズカバーの抜き方向10と凹状のハウジングの成形抜き方向11が異なる場合がある。この場合、成形抜き方向の違いから、接合部の開き角度が大きくなり、凸状のレンズシール足5の根元付近は、図2にFで示すように、製品の平均肉厚よりも厚い形状となる。図1,図2を例にとると、レンズカバーと凹状のハウジングの抜き角度差Dは17°であり、G=4mm,F=6.7mmである。このような製品の平均肉厚よりも厚いレンズシール足5の部分5aをレンズシール足5の厚肉部分と呼び、また、レンズシール足5の厚肉部分5aのレンズカバー本体(意匠)4との接続部5bを立壁と呼ぶ。なお、レンズシール足5の立壁5bの厚さHは2.5mm程度で、平均肉厚とほぼ等しい値としている。
【0005】
図3,図4は、上記のような自動車用前照灯のレンズカバー8の従来の製造方法を説明するための図である。なお、図3はレンズカバー8を正面から見た図、図4は図3のA−A線における断面図であり、図4にはレンズカバー8を製造するための金型6a,6bが示されている。ここで、金型6aは、固定側の金型であり、金型6bは、可動側の金型である。
【0006】
図3,図4を参照すると、上記のような自動車用前照灯のレンズカバー8は、射出成形法により製造される。すなわち、成形機(図示せず)より溶融された樹脂(具体的には、ポリカーボネート)が注入点1から金型6aに注入され、コールドランナー2、ゲート3を通り、レンズシール足5へ流入し、さらにレンズシール足5からレンズカバー本体(意匠)4に流入することによって、レンズカバー8が製造される。ここで、樹脂材料(ポリカーボネート)の樹脂温度は290℃程度、金型6a,6bの温度は80℃程度である。
【特許文献1】特開2001−14915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のように射出成形法によりレンズカバー8を製造する場合、ゲート3よりレンズシール足5に流入した溶融樹脂は、立壁5bよりも流動が容易な厚肉部分5aから先に流れる。図5は、溶融樹脂7をゲート3より充填開始直後0.5秒後のゲート3付近の樹脂流動解析結果を示す図(拡大図)である。図5から、立壁5bの方向の流動Jに比べてレンズシール足5に沿った流動Kは、流動長として20mm多く進む。溶融樹脂7のこの流動がさらに進んだ後、3秒後の流動先端は図6に13で示すようにレンズシール足5に沿って回り込み、5秒後ではさらにレンズカバー本体(意匠)4へ上がり、未充填の袋閉じ(図7に14で示す)を形成する。この現象により、レンズカバー本体(意匠)4上に未充填部分が発生し、また、その未充填部分のガスが急激に抜ける際の発熱によるシルバーストリークやウエルドラインが発生するという問題があった。
【0008】
本発明は、レンズカバー本体と、レンズカバー本体の端縁部に形成されるレンズシール足とを有し、前記レンズシール足が、厚肉部分と、該厚肉部分のレンズカバー本体との接続部とを有している自動車用照明灯のレンズカバーを製造するレンズカバー製造方法において、所定の金型を用い、該金型のレンズシール足となるべき部分からレンズカバー本体となるべき部分に向けて溶融樹脂を流入させてレンズカバーを製造するときに、レンズカバー本体上に未充填部分が発生するのを有効に防止し、シルバーストリークやウエルドラインの発生を防止することの可能なレンズカバー製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、レンズカバー本体と、レンズカバー本体の端縁部に形成されるレンズシール足とを有し、前記レンズシール足が、厚肉部分と、該厚肉部分のレンズカバー本体との接続部とを有している自動車用照明灯のレンズカバーを製造するレンズカバー製造方法において、
所定の金型を用い、該金型のレンズシール足となるべき部分からレンズカバー本体となるべき部分に向けて溶融樹脂を流入させてレンズカバーを製造するときに、レンズシール足の厚肉部分におけるレンズシール足に沿った溶融樹脂の流入を制限することを特徴としている。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のレンズカバー製造方法において、レンズシール足の厚肉部分となるべき前記金型の部分に可動部材を設けることによって、レンズシール足の厚肉部分におけるレンズシール足に沿った溶融樹脂の流入を制限することを特徴としている。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のレンズカバー製造方法において、前記溶融樹脂は、ポリカーボネートであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1乃至請求項3記載の発明によれば、レンズカバー本体と、レンズカバー本体の端縁部に形成されるレンズシール足とを有し、前記レンズシール足が、厚肉部分と、該厚肉部分のレンズカバー本体との接続部とを有している自動車用照明灯のレンズカバーを製造するレンズカバー製造方法において、所定の金型を用い、該金型のレンズシール足となるべき部分からレンズカバー本体となるべき部分に向けて溶融樹脂を流入させてレンズカバーを製造するときに、レンズシール足の厚肉部分におけるレンズシール足に沿った溶融樹脂の流入を制限するので、レンズカバー本体上に未充填部分(ガス溜まり)が発生するのを有効に防止し、シルバーストリークやウエルドラインの発生を防止することが可能となり、良品のレンズカバーを生産効率良く製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下では、自動車用照明灯として自動車用前照灯のレンズカバーを製造する場合について説明する。
【0014】
本発明は、レンズカバー本体4と、レンズカバー本体4の端縁部に形成されるレンズシール足5とを有し、前記レンズシール足5が、厚肉部分5aと、該厚肉部分5aのレンズカバー本体4との接続部(立壁)5bとを有している図1に示したような自動車用照明灯のレンズカバー8を製造するレンズカバー製造方法において、
所定の金型を用い、該金型のレンズシール足5となるべき部分からレンズカバー本体4となるべき部分に向けて溶融樹脂(具体的には、ポリカーボネート)を流入させてレンズカバー8を製造するときに、レンズシール足5の厚肉部分5aにおけるレンズシール足5に沿った溶融樹脂の流入を制限することを特徴としている。
【0015】
より具体的に、本発明は、レンズシール足5の厚肉部分5aとなるべき前記金型の部分に可動部材を設けることによって、レンズシール足5の厚肉部分5aにおけるレンズシール足5に沿った溶融樹脂の流入を制限することを特徴としている。
【0016】
図8,図9は、自動車用前照灯のレンズカバー8の本発明による製造方法を説明するための図である。なお、図8はレンズカバー8を正面から見た図、図9は図8のB−B線における断面図であり、図9にはレンズカバー8を製造するための金型17a,17bが示されている。
【0017】
図9において、金型17aは、固定側の金型であり、金型17bは、可動側の金型である。また、15は油圧シリンダー、16は可動部材(具体的には可動式ピン)である。すなわち、可動式ピン16は、固定側の金型17aに装着され、油圧シリンダー15に接合されている。
【0018】
このような構成において、自動車用前照灯のレンズカバー8は、射出成形法により製造される。すなわち、基本的には前述したと同様に、成形機(図示せず)より溶融された樹脂(具体的には、ポリカーボネート)が注入点1から金型17aに注入され、コールドランナー2、ゲート3を通り、レンズシール足5へ流入し、さらにレンズシール足5からレンズカバー本体(意匠)4に流入することによって、レンズカバー8が製造されるが、本発明では、可動式ピン16を用いることによって、レンズシール足5の厚肉部分5aにおけるレンズシール足5に沿った溶融樹脂の流入を制限するようにしている。
【0019】
すなわち、本発明において、射出成形法によりレンズカバー8を製造する場合、可動式ピン16は、成形機(図示せず)からの溶融樹脂(具体的には、ポリカーボネート)の射出時には、図10に示すように、完全に挿入されて可動側の金型17bに接する状態にある。この状態から、油圧シリンダー15を駆動すると、可動式ピン16は、図11に示すように、矢印19の方向へ移動(可動)し、可動式ピン16の先端と可動側の金型17bとの間に0.8mm程度の隙間21が生じて、その部分に溶融樹脂が流入し、レンズシール足5を形成する。ここで、可動式ピン16の可動タイミングは、レンズカバー本体(意匠)4へ樹脂が充填された後、可動式ピン16の部分の樹脂が十分に溶融状態にある間に可動させなければならない。具体的には、例えば、充填完了の0.5秒前までに(充填時間が5秒の場合、射出してから4.5秒後までに)、可動式ピン16を可動させる必要がある。
【0020】
図12〜図15は、可動式ピンが無い従来の製造方法による製品(レンズカバー8)への樹脂流入挙動を示す図である。すなわち、図12には、可動式ピン無しの場合の充填開始から0.5秒後の樹脂7の充填状態が示されており、ゲート3への樹脂流入方向がPとして表されている。ゲート3を通過して製品(レンズカバー8)へ流入した樹脂は、レンズカバー本体(意匠)4の方向J0およびレンズシール足5の方向K0へ拡がる。このときのレンズカバー本体(意匠)4の方向J0の樹脂7の流動先端J1は、レンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動先端K1に比べて19mm短い。図13には、さらに充填開始から1秒後の樹脂7の充填状態が示されており、充填開始から1秒後では、レンズカバー本体(意匠)4の方向J0の樹脂7の流動先端J2は、レンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動先端K2に比べて22mm短い。また、図14、図15には、充填開始から2秒後、4秒後の樹脂7の充填状態がそれぞれ示されており、充填開始から2秒後では、レンズカバー本体(意匠)4の方向J0の樹脂7の流動先端J3は、レンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動先端K3に比べて47mm短かくなり、充填開始から4秒後では、レンズカバー本体(意匠)4の方向J0の樹脂7の流動先端J4は、レンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動先端K4に比べて104mm短かくなり、レンズカバー本体(意匠)4の方向J0の樹脂7の流動先端とレンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動先端との差は大きく開き、レンズカバー本体(意匠)4の方向J0の樹脂7の流動は、レンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動に比べて遅れる。すると、レンズシール足5から流れ込んだ(回り込んだ)樹脂7にレンズカバー本体(意匠)4の未充填部分は囲われて、レンズカバー本体(意匠)4の未充填部分のガスが急激に抜ける際の発熱によるシルバーストリークやウエルドラインによって、外観が損なわれてしまう。
【0021】
これに対し、図16〜図19は、可動式ピン16が有る本発明の製造方法による製品(レンズカバー8)への樹脂流入挙動を示す図である。すなわち、図16には、可動式ピン16が有る場合の充填開始から0.5秒後の樹脂7の充填状態が示されており、ゲート3への樹脂流入方向がQとして表されている。ゲート3を通過して製品(レンズカバー8)へ流入した樹脂7は、レンズカバー本体(意匠)4の方向L0およびレンズシール足5の方向M0へ拡がる。但し、本発明では、可動式ピン16がレンズシール足5に挿入されているために、レンズシール足5から一度離れた樹脂7がレンズシール足5に再流入する流動M0となる。これによって、レンズシール足5の方向M0の流動抵抗が増加し、流動抵抗の低いレンズカバー本体(意匠)4の方向L0へ多くの樹脂7が流動する。この結果、レンズカバー本体(意匠)4の方向L0の流動先端L1は、レンズシール足5の方向M0の流動先端M1に比べて62mm長い。図17には、さらに充填開始から1秒後の樹脂7の充填状態が示されており、充填開始から1秒後では、レンズカバー本体(意匠)4の方向L0の樹脂7の流動先端L2は、レンズシール足5の方向M0の樹脂7の流動先端M2に比べて64mm長い。また、図18、図19には、充填開始から2秒後、4秒後の樹脂7の充填状態がそれぞれ示されており、充填開始から2秒後では、レンズカバー本体(意匠)4の方向L0の樹脂7の流動先端L3は、レンズシール足5の方向M0の樹脂7の流動先端M3に比べて46mm長く、充填開始から4秒後では、レンズカバー本体(意匠)4の方向L0の樹脂7の流動先端L4は、レンズシール足5の方向M0の樹脂7の流動先端M4に比べて20mm長く、そのためレンズシール足5からレンズカバー本体(意匠)4への樹脂7の回り込みはなく、可動式ピンが無い従来の製造方法による不具合は回避される。
【0022】
図20には、レンズカバー本体(意匠)4の方向の樹脂7の流動長とレンズシール足5の方向の樹脂7の流動長との差を、充填開始からの時間で比較した結果が示されている。従来の製造方法では、充填開始から0.5秒後には、すでにレンズシール足5の方向K0の樹脂7の流動長が長く、レンズシール足5の先流れを防止するには、できるだけ流動初期に可動式ピン16を設けて樹脂7の流れを阻止することが有効である。なお、図16の例の場合は、ゲート3から可動式ピン16までの距離Rは10mmである。
【0023】
上述のように、本発明では、所定の金型17a,17bを用い、該金型17a,17bのレンズシール足5となるべき部分からレンズカバー本体4となるべき部分に向けて溶融樹脂7(具体的には、ポリカーボネート)を流入させてレンズカバー8を製造するときに、レンズシール足5の厚肉部分5aにおけるレンズシール足5に沿った溶融樹脂7の流入を制限するので(より具体的に、レンズシール足5の厚肉部分5aとなるべき金型17a,17bの部分に可動部材(可動式ピン)16を設けることによって、レンズシール足5の厚肉部分5aにおけるレンズシール足5に沿った溶融樹脂7の流入を制限するので)、レンズカバー本体上に未充填部分(ガス溜まり)が発生するのを有効に防止し、シルバーストリークやウエルドラインの発生を防止することが可能となり、良品のレンズカバーを製造することができる。
【0024】
なお、本発明を用いずにレンズカバー本体上の未充填部分(ガス溜まり)の発生を防止するのに、レンズシール足5の厚肉部分5a並びに立壁5bやレンズカバー本体4の肉厚を厚くすることも考えられるが、この場合には、原材料が多くかかる他、肉厚が増すことで成形時の冷却時間が長くなり、生産効率が低下してしまうので、レンズカバーを製造するのには、原材料が多くかからず、生産効率も低下させない本発明を用いるのが望ましい。
【0025】
なお、上述の例では、自動車用照明灯として自動車用前照灯のレンズカバーを製造する場合について説明したが、自動車用照明灯として自動車用前照灯以外の照明灯のレンズカバーを製造する場合にも本発明を同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】自動車用前照灯の縱断面図である。
【図2】図1の部分Eの拡大図である。
【図3】自動車用前照灯のレンズカバーの従来の製造方法を説明するための図である。
【図4】自動車用前照灯のレンズカバーの従来の製造方法を説明するための図である。
【図5】レンズカバーの従来の製造方法の問題点を説明するための図である。
【図6】レンズカバーの従来の製造方法の問題点を説明するための図である。
【図7】レンズカバーの従来の製造方法の問題点を説明するための図である。
【図8】自動車用前照灯のレンズカバーの本発明による製造方法を説明するための図である。
【図9】自動車用前照灯のレンズカバーの本発明による製造方法を説明するための図である。
【図10】自動車用前照灯のレンズカバーの本発明による製造方法を説明するための図である。
【図11】自動車用前照灯のレンズカバーの本発明による製造方法を説明するための図である。
【図12】可動式ピンが無い従来の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図13】可動式ピンが無い従来の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図14】可動式ピンが無い従来の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図15】可動式ピンが無い従来の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図16】可動式ピンが有る本発明の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図17】可動式ピンが有る本発明の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図18】可動式ピンが有る本発明の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図19】可動式ピンが有る本発明の製造方法による製品(レンズカバー)への樹脂流入挙動を示す図である。
【図20】レンズカバー本体(意匠)の方向の樹脂の流動長とレンズシール足の方向の樹脂の流動長との差を、充填開始からの時間で比較した結果を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
1 注入点
2 コールドランナー
3 ゲート
4 レンズカバー本体(意匠)
5 レンズシール足
5a 厚肉部分
5b 立壁
7 溶融樹脂
8 レンズカバー
9 筐体
12 充填材
13 凹状のハウジング
15 油圧シリンダー
16 可動部材(可動式ピン)
17a 固定側の金型
17b 可動側の金型
21 隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズカバー本体と、レンズカバー本体の端縁部に形成されるレンズシール足とを有し、前記レンズシール足が、厚肉部分と、該厚肉部分のレンズカバー本体との接続部とを有している自動車用照明灯のレンズカバーを製造するレンズカバー製造方法において、
所定の金型を用い、該金型のレンズシール足となるべき部分からレンズカバー本体となるべき部分に向けて溶融樹脂を流入させてレンズカバーを製造するときに、レンズシール足の厚肉部分におけるレンズシール足に沿った溶融樹脂の流入を制限することを特徴とするレンズカバー製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のレンズカバー製造方法において、レンズシール足の厚肉部分となるべき前記金型の部分に可動部材を設けることによって、レンズシール足の厚肉部分におけるレンズシール足に沿った溶融樹脂の流入を制限することを特徴とするレンズカバー製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のレンズカバー製造方法において、前記溶融樹脂は、ポリカーボネートであることを特徴とするレンズカバー製造方法。
【請求項1】
レンズカバー本体と、レンズカバー本体の端縁部に形成されるレンズシール足とを有し、前記レンズシール足が、厚肉部分と、該厚肉部分のレンズカバー本体との接続部とを有している自動車用照明灯のレンズカバーを製造するレンズカバー製造方法において、
所定の金型を用い、該金型のレンズシール足となるべき部分からレンズカバー本体となるべき部分に向けて溶融樹脂を流入させてレンズカバーを製造するときに、レンズシール足の厚肉部分におけるレンズシール足に沿った溶融樹脂の流入を制限することを特徴とするレンズカバー製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のレンズカバー製造方法において、レンズシール足の厚肉部分となるべき前記金型の部分に可動部材を設けることによって、レンズシール足の厚肉部分におけるレンズシール足に沿った溶融樹脂の流入を制限することを特徴とするレンズカバー製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のレンズカバー製造方法において、前記溶融樹脂は、ポリカーボネートであることを特徴とするレンズカバー製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−129822(P2009−129822A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305931(P2007−305931)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
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