説明

レンズシート、及びEL発光装置

【課題】単位レンズを小型化した場合でも輝度上昇率が低下せず、見る角度による色度の変化も目立たないレンズシート及びこのレンズシートを使用したEL発光装置を提供する。
【解決手段】凸レンズ状の単位レンズ2を六方充填配置状に配列したレンズアレイが表面側に設けられており、レンズアレイを各単位レンズ2に区切る六角格子3の最長の対角線4の長さL1に対する、該最長の対角線4が単位レンズ2と重複する部分の長さL2の割合L2/L1が87〜93%であるレンズシート及びこれを貼着したEL発光装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はEL発光装置のガラス基板の表面に貼り付けて光の出射効率を上げるためのレンズシート及びこのレンズシートを貼り付けたEL発光装置に係り、特に単位レンズを小型化した場合でも輝度上昇率が低下せず、見る角度を変えた場合の色度の変化も目立たないレンズシート及びこのレンズシートを貼り付けたEL発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、情報機器、特に携帯情報機器のための表示装置としては、液晶表示装置が多用されている。近年、表示装置の軽量化、薄型化、省電力化の要求が厳しくなってきているが、このような要求を満たすために、バックライトとしてEL発光装置の使用が進められている。
EL発光装置は初めから面光源として発光するため、点光源や線光源を面光源に変更するための導光板や拡散板等が不要なので、軽量化や薄型化を進める点で優れている。一方、EL発光装置に通電するための透明電極は屈折率が高いため、透明電極とガラス基板の間、及びガラス基板と大気の間で全反射を起こしやすく、光の出射効率が悪いという欠点がある。従って、EL発光装置は高輝度化や省力化の点で改良の余地が大きい。
【0003】
光の出射効率を高める技術としては、例えば特許文献1に記載されているように、光学機能を有する立体模様(以下、単位レンズと称することがある)が表面に設けられた光学シートをガラス基板に貼り付ける方法がある。しかしながら、単位レンズがプリズム状、半円柱状、ピラミッド状、三角錐状、六角錐状等、レンズシートの全面を隙間無く埋め尽くすことができる形状の場合は、見る方向によって画面の色度が変化する現象が生じるので、平面視円形の単位レンズが多数配列された、所謂マイクロレンズシートが好ましく使用される。
また、マイクロレンズシートにも単位レンズがランダムに配置されたものと、格子状や六方充填配置状のように規則的に配列されたものがあるが、光を効率よく取り出しやすい点で、規則的に配列されたものが好まれている。
【0004】
一方、マイクロレンズシートの単位レンズが規則的に配列されている場合、液晶装置の画素が設けられるピッチの大きさとバックライトに用いるマイクロレンズシートの単位レンズの配列ピッチの大きさが同程度であれば、マイクロレンズの単位レンズを通過した光がうまく画素を照射できず、部分的に暗くなってしまう場合がある。この現象を避けるためには液晶装置の画素とマイクロレンズの単位レンズを一対一で対応するように精密に位置あわせをする方法が考えられるが、非常に精密な加工技術が必要になるので、コスト高になる。
そこで、廉価製品用のマイクロレンズシートとして、単位レンズの配列ピッチを液晶装置の画素が設けられるピッチの大きさの数分の一〜数十分の一程度とし、マイクロレンズシートをどの位置に配置しても、いずれかの単位レンズを通過した光で液晶の画素を照射できるようにする方法が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−197364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなマイクロレンズシートは、通常、単位レンズの形状の雌型が刻設された原版の上に樹脂を供給し、必要に応じてロール等による押圧力をかけて厚さを均一にし、供給した樹脂に適した方法(例えば、紫外線硬化樹脂の場合は紫外線照射、熱可塑性樹脂の場合は冷却)で硬化することにより製造されるが、樹脂の肉回り性や原版の加工精度の問題で、配列した単位レンズの間には、1〜数ミクロン程度の隙間が生じる。
【0007】
一方、液晶表示装置の高解像度化や小型化が進む中、マイクロレンズシートの単位レンズの配列ピッチも一層小さくすることが望まれるが、上記したような単位レンズ間に生じる隙間の幅は一定なので、配列ピッチを小さくすればするほど当該隙間が占める割合が大きくなり、輝度が低下する傾向が生じる。単位レンズの形状を正三角形、正四角形、正六角形のように隙間無く敷き詰めることができる形状にすれば、輝度の低下は抑えられるが、上述の通り、見る角度によって色度が変化する現象が目立つようになる。
【0008】
このような現状に鑑み、本発明は配列ピッチを小さくしても効率よく光を取り出すことができ、且つ見る角度を変えた場合の色度の変化も目立たないEL発光装置を得ることができるレンズシート及びこのレンズシートを貼り付けたEL発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の特徴の第1は、EL発光装置の光の出射面に貼着するレンズシートであって、凸レンズ状の単位レンズを六方充填配置状に配列したレンズアレイが表面側に設けられており、レンズアレイを各単位レンズに区切る六角格子の最長の対角線の長さL1に対する、該最長の対角線が単位レンズと重複する部分の長さL2の割合L2/L1が87〜93%であるレンズシートを内容とする。
【0010】
本発明の特徴の第2は、単位レンズの平面形状における六角格子の頂点に近接する部分の曲率半径が、六角格子の内接円の半径の二分の一以上である上記のレンズシートを内容とする。
【0011】
本発明の特徴の第3は、ガラス基板の出光面側に上記のレンズシートが貼着されているEL発光装置を内容とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のレンズシートによれば、レンズアレイを各単位レンズに区切る六角格子の最長の対角線の長さL1に対する、該最長の対角線が単位レンズと重複する部分の長さL2の割合L2/L1を87%以上とすることにより、単位レンズの大きさを小さくして、隣接する単位レンズ間の隙間が占める割合が大きくなった場合でも、輝度の低下を抑えることができる。
また、この割合が93%以下とすることにより、見る角度が異なることによる色度の変化が目立たない範囲に抑えられる。
更に、六角格子の頂点付近における単位レンズの曲率半径を六角格子の内接円の半径の二分の一以上とすれば、色度の変化は一層抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は本発明のレンズシートに設けられたレンズアレイを示す概略説明図である。
【図2】図2は本発明のレンズシートに配列された単位レンズの形状を示す概略説明図である。
【図3】図3は本発明のレンズシートに配列可能な単位レンズの別の例を示す概略説明図である。
【図4】図4は本発明のレンズシートに配列可能な単位レンズのさらに別の例を示す概略説明図である。
【図5】図5は本明細書において使用する寸法関係を示す語の示す場所を説明する概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のレンズシートは、EL発光装置の光の出射面に貼着するものであって、図1、図2及び図5に示すとおり、凸レンズ状の単位レンズ2を六方充填配置状に配列したレンズアレイ1が表面側に設けられており、レンズアレイ1を各単位レンズ2に区切る六角格子3の最長の対角線4の長さL1に対する、該最長の対角線4が単位レンズ2と重複する部分の長さL2の割合L2/L1が87〜93%であることを特徴とする。
また、本発明のEL発光装置は、ガラス基板の出光面側に上記のレンズシートが貼着されていることを特徴とする。
【0015】
本発明において、レンズシートの表面側にはレンズアレイ1が設けられている。このレンズアレイ1は、図1に示したように、凸レンズ状の単位レンズ2を六方充填配置状に配置したものである。各単位レンズ2間の間隔は狭い方が好ましく、理想的にはレンズ間の間隔がゼロであれば最も好ましいが、現実的には、樹脂の肉回り性や原版の加工精度により1〜数μm程度の隙間が生じる。しかし、本発明において、この程度の隙間であれば許容される。
【0016】
単位レンズ2の形状は凸レンズ状であり、即ち、平面視が円形に近い形状で、断面視が頂点の部分で水平であり、縁の部分に近づくほど勾配が急になる形状である。
但し、平面視の形状は完全な円形でなく、レンズアレイ1を単位レンズ2に区切る六角格子3の理想的な内接円5に対して、当該六角格子3の頂点に近い部分で外側に突出した部分が6箇所ある正六角形にも近い形状でもある。即ち、図2に示すように、六角格子3の最長の対角線4の長さL1に対する、該最長の対角線4が単位レンズ2と重複する部分の長さL2の割合L2/L1(図5参照。以下、対角部におけるレンズの割合と称する)が87〜93%とされている。
なお、ここで言う最長の対角線4とは、図5に示すように、六角格子3の9本の対角線のうち、六角形の中心点を通る3本の対角線のことをいう。
【0017】
本発明において、対角部におけるレンズの割合が87%未満であれば、通常の断面視で円形の凸レンズを配列したマイクロレンズシートと輝度上昇率の点で大差がなく、また、単位レンズ2を小さくして各単位レンズ2の間隔の割合が単位レンズ2の大きさに対して大きくなった場合でも、輝度の低下を防ぐ効果は薄い。一方、対角部におけるレンズの割合が93%を超えると六角格子3の頂点に近い部分の曲率半径が小さくなりすぎ、見る角度による色度の変化が目立ち始めるので、好ましくない。
なお、対角部におけるレンズの割合を93%以下にするだけでなく、図3に示すように、六角格子3の頂点に近い部分の単位レンズ2の曲率半径を六角格子3の内接円5の半径の二分の一以上にすれば、見る角度による色度の変化がより目立ち難くなる。
また、図4に示すように、単位レンズ2の縁部であって、六角格子3の辺と近接する部分に浅い窪みを設ければ、見る角度による色度の変化が一層目立ち難くなる。
【0018】
本発明においてレンズシートの素材として用いる樹脂は、透明な樹脂であれば特に限定されず、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリイミド等が挙げられる。
【0019】
本発明のレンズシートの表面側にレンズアレイ1を設ける方法は特に限定されず、例えばシート状に押し出された樹脂を2つの金属製冷却ロールで挟圧する方法において、片方の金属製冷却ロールの表面にレンズアレイ1の雌型を刻設しておく方法、シート状に押し出された樹脂を金属製冷却ロールとゴムロールで挟圧する方法において、金属製冷却ロールの表面にレンズアレイ1の雌型を刻設する、或いは、ゴムロール側にレンズアレイ1の雌型が転写された型フィルムを配置する方法等が例示できる。
【0020】
また、レンズアレイ1の雌型が刻設された型の上に放射線硬化型の樹脂を注入又は塗工した後、熱又は紫外線や電子線等、使用する樹脂の特性に合致した活性放射線によって固化して製造する方法でもよい。
【0021】
レンズシートのレンズアレイ1が設けられていない面は、実質的に平面である。しかし、EL発光層を形成したガラス基板との接合面の剥離強度や接着強度の向上等のために、レンズアレイ1が設けられていない面を微細な凹凸構造面としてもよい。
【0022】
本発明のレンズシートは、そのレンズアレイ1が設けられた面を光の出射側に向けて、EL発光装置のガラス基板の出射面に光学的に一体化される。これにより、光の出射効率が向上し、輝度が上昇する。
なお、本発明で使用するEL発光装置は、発光層の種類により、無機ELと有機ELに分けられるが、本発明においてはいずれのELも使用できる。その構造は、発光層の種類により若干が異なるが、通常、ガラス基板上のITO透明電極の上に薄膜の発光層が設けられ、その上に背面の金属電極が設けられている。一般に、発光層で発光した光は、ITO透明電極及びガラス基板を通して出射される。
【0023】
EL発光装置にレンズシートを貼着する方法としては、レンズシートの裏面とEL発光装置のガラス基板の出光面の間の空気を排除してを密着させることができる方法であれば、他は特に限定されないが、ガラス基板かレンズシートと同等の屈折率を有する粘着剤、接着剤を介して固定すればよい。
具体的には、光学用の接着剤や粘着剤をレンズシートの裏面かEL発光装置のガラス基板の出光面のいずれか一面に塗布して他の面と貼着する方法が例示できる。この場合、離型紙上に用意された両面の接着剤や粘着剤を貼着する面のいずれかに貼合した上で離型紙を除き、他の面と貼合する方法も好適に用いられる。また、レンズシートを貼着したEL発光装置をオートクレーブ中で加圧することにより、貼着の強度を高めるとともに、レンズシートとEL発光装置の間の空気を完全に排除することができる。
【0024】
EL発光装置にレンズシートを貼着するための接着剤や粘着剤は、光学用で透明度の高いものが好ましい。屈折率については特に限定されず、通常の高分子材料であれば使用可能であるが、EL発光層のガラス基板の屈折率と同等かまたはより高く、且つレンズシートを構成する材料の屈折率と同等かまたはより低くすれば、接合面における全反射によるロスを最小限にできるため好ましい。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
【0026】
(実施例1)
レンズシートの素材として帝人化成株式会社製のポリカーボネートの透明樹脂「パンライトL−1225Y(商品名)」を用い、これを樹脂温度300℃でTダイよりシート状に押し出し、押し出されたシート状溶融樹脂を、金属製の冷却ロールとゴムロールの間に狭圧する方法でレンズシートを製造した。冷却ロールとしては、単位レンズが六方充填配列状に配列されたレンズアレイの雌型が刻設されたものを使用した。
レンズアレイ1を構成する単位レンズ2の形状は、最長の対角線の長さL1が12.13μmで内接円5の直径が10.51μmである六角格子に収まる凸レンズ状であるが、六角格子の理想的な内接円に対して、当該六角格子の頂点に近い部分で外側に出っ張り、辺に近い部分で内側に引っ込んだ、六角形に近い形状であった。具体的には、六角形の中心点と辺の中点を結ぶ線6と単位レンズの重複部分(以後、この部分を横断線と称することがある)の長さL3(図5参照)は9.49μmであり、最長の対角線L1と単位レンズ2の重複部分の長さL2が10.84μm(最長の対角線の長さL1の89.37%、即ちL2/L1=89.37%)であった。
なお、得られたレンズシートの厚さは240μmであり、そのうちレンズアレイの高さ(高低差)は5.2μmであった。
【0027】
(比較例1)
直径10〜20μmの樹脂ビーズを樹脂シートにバインダーで接着した市販の拡散シート(恵和株式会社製、型番:BS−702)を比較例1のレンズシートとした。
【0028】
(比較例2)
単位レンズ2の形状を直径9.50μmの真円形とした他は、実施例1と同様にして比較例2のレンズシートを得た。
【0029】
(比較例3)
単位レンズ2の形状を、L2に相当する最長の対角線の長さが11.53μm(L2/L1=95.05%)、横断線の長さが9.50μmの六角形状とした他は、実施例1と同様にして比較例3のレンズシートを得た。
【0030】
(参考例)
六角格子の大きさを、最長の対角線の長さL1が93.0μmで内接円5の直径を80.5μmとし、単位レンズ2の形状を直径79.5μmの真円形とした他は、実施例1と同様にして参考例のレンズシートを得た。
なお、参考例は、単位レンズ2が十分に大きいため、単位レンズ2間に1〜数μm程度の隙間が生じても輝度低下などの問題が殆ど目立たないレンズシートの例であり、その正面輝度の高さや見る角度による色調の安定性は本発明の目標となる。
【0031】
(特性の評価)
2.8インチで2波長白色のEL発光装置(東北デバイス社製)の表面にエアギャップを埋めるための接触液(屈折率1.53)を介して上記実施例、比較例、参考例のレンズシートを貼着し、目視で評価した。
評価の結果、実施例のレンズシートについては、レンズアレイの大きさが参考例の場合よりも非常に小さいにもかかわらず、正面の明るさ及び見る角度による色調の変化も参考例の場合と遜色が無かった。
これに対し、比較例1のレンズシートについては、色調の変化については参考例と大差無かったが、正面の明るさで非常に劣っていた。これは、比較例1のレンズアレイがランダムに設けられているのでレンズアレイの間隔が非常に広く、レンズアレイを通る光の割合が減って集光能率が下がるのが原因であると考えられる。
また、比較例2については、色調の変化については参考例と大差無かったが、正面の明るさで劣っていた。これは、レンズアレイの間の間隔は参考例と同程度であるが、レンズアレイが参考例のものよりも小さいので、レンズアレイ間の間隔の比率が大きくなり、その分、集光能率が下がったのが原因と考えられる。
比較例3については、正面の明るさについては参考例と大差なかったが、見る角度による色調の変化が目立っていた。これは、レンズアレイ間の隙間の比率が大きくなった分については、六角形の角の部分が参考例の場合より張り出しているので相殺され、集光能率の低下は抑えられているが、角の部分で屈折した光が不均一に拡散されるので色調の変化が大きくなると考えられる。
実施例、比較例1、参考例、及びレンズシートを貼着しないEL発光装置(対照例)については、以下の方法で輝度及び色度を測定した。
【0032】
(輝度の測定)
色彩輝度計(株式会社トプコンテクノハウス製、型番:TOPCON BM−5A)をEL発光装置の正面600mmの位置に設置し、輝度を測定した。輝度、及び対照例を基準とした輝度上昇率を表1に示す。
【0033】
色彩輝度計(株式会社トプコンテクノハウス製、型番:TOPCON BM−5A)をEL発光装置の正面600mmの位置に設置し、色度を測定した。結果を表1に示す。なお、色度はCIE Yxy表色系によるxの値とyの値により示す。
また、色彩輝度計を上記の位置から動かさず、EL発光装置の向きを左右に10°刻みで60°まで傾けて、それぞれの角度で色度を測定し、x値及びy値のそれぞれについて、正面での測定値と、該正面での測定値からの差(変化量)の最大値及び最小値を算定した。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0035】
以上説明したように、本発明のレンズシート及びこれを用いたEL発光装置によれば、単位レンズを小さくした場合でも輝度は単位レンズが大きい場合と比較して低下せず、見る角度を変えた場合の色度の変化も小さいので、例えば、液晶表示装置のバックライト等として用いるEL発光装置及びこれに用いるレンズシートとして頗る有用である。
【符号の説明】
【0036】
1 レンズアレイ
2 単位レンズ
3 六角格子
4 最長の対角線
4h 対角部における単位レンズの上限
4l 対角部における単位レンズの下限
5 内接円
5’ 半径が内接円の半径の二分の一以上の円
6 六角形の中心点と辺の中点を結ぶ線
L1 六角格子の最長の対角線の長さ
L2 最長の対角線が単位レンズと重複する部分の長さ
L3 六角形の中心点と辺の中点を結ぶ線と単位レンズの重複部分の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EL発光装置の光の出射面に貼着するレンズシートであって、
凸レンズ状の単位レンズを六方充填配置状に配列したレンズアレイが表面側に設けられており、
レンズアレイを各単位レンズに区切る六角格子の最長の対角線の長さL1に対する、該最長の対角線が単位レンズと重複する部分の長さL2の割合L2/L1が87〜93%であることを特徴とするレンズシート。
【請求項2】
単位レンズの平面形状における六角格子の頂点に近接する部分の曲率半径が、六角格子の内接円の半径の二分の一以上であることを特徴とする請求項1に記載のレンズシート。
【請求項3】
ガラス基板の出光面側に請求項1又は2に記載のレンズシートが貼着されていることを特徴とするEL発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−68872(P2013−68872A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208660(P2011−208660)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000166649)五洋紙工株式会社 (43)
【Fターム(参考)】