説明

レンズユニット

【課題】レンズ鏡筒に保持されたプラスチック製の光学素子の黄変を抑制或いは防止できるレンズユニットを提供すること。
【解決手段】レンズユニット1のレンズ鏡筒2には、光軸Lに沿って前側から、ガラス製の第1レンズ3、プラスチック製の第2〜第4レンズ4、5、6、およびガラス製のフィルタ7が保持されている。これにより、プラスチック製の第2〜第4レンズ4、5、6は外気に晒されることが防止されている。また、プラスチック製の第2〜第4レンズ4、5、6のそれぞれの外周面には、内側から酸素透過防止膜45と反射防止膜46がこの順番で積層されている。これらの結果、第2〜第4レンズ4、5、6の酸化が抑制或いは防止されるので、レンズユニット1が高温環境下に長時間置かれた場合でも、第2〜第4レンズ4、5、6の黄変を抑制或いは防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒にガラス製光学素子とプラスチック製レンズを保持するレンズユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラや車載カメラに搭載されるレンズユニットは、特許文献1に記載されている。同文献のレンズユニットは、レンズ鏡筒に1枚のガラス製レンズ、2枚のプラスチック製レンズおよび1枚のガラス製フィルタを物体側からこの順番で保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−233512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
監視カメラや車載カメラは、屋外や車外に設置されて高温状態となることがある。従って、これらのカメラに搭載されるレンズユニットも高温状態となることがある。ここで、プラスチック製レンズは、高温環境下に長時間置かれると酸化して黄変するという問題があるので、レンズユニットがプラスチック製レンズを搭載している場合には、この黄変を抑制或いは防止する対策が求められる。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、レンズ鏡筒に保持されたプラスチック製レンズの黄変を抑制或いは防止できるレンズユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のレンズユニットは、
レンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒に保持されている2枚のガラス製光学素子と、
前記レンズ鏡筒内において、前記2枚のガラスレンズの間の閉鎖空間に配置されたプラスチック製レンズとを有し、
前記プラスチック製レンズの表面における少なくとも有効径部分には、酸素透過防止膜と反射防止膜が内側からこの順番で積層されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、プラスチック製レンズは、レンズ鏡筒と2枚のガラス製光学素子とによって形成される閉鎖空間内に位置しており、外気に晒されることが防止されている。従って、プラスチック製レンズの酸化を抑制することができる。ここで、レンズ鏡筒と2枚のガラス製光学素子によって形成された閉鎖空間内を完全な気密空間とすることは困難であり、閉鎖空間に外気(酸素)が侵入することを完全に防止することは難しいという問題があるが、かかる問題に対して、本発明ではプラスチック製レンズに酸素透過防止膜を設けている。従って、閉鎖空間に外気(酸素)が侵入しても、プラスチック製レンズの酸化が促進されることがない。よって、レンズユニットが高温環境下に長時間置かれた場合でもプラスチック製レンズの黄変を抑制或いは防止できる。
【0008】
ここで、プラスチック製のレンズの表面に反射防止膜が形成されている場合には、レンズユニットが高温環境下に長時間置かれると、レンズを形成する樹脂と反射防止膜の線膨張率の差から反射防止膜に亀裂が入ることがある。かかる問題に対して、本発明では、酸素透過防止膜に反射防止膜が積層されているので、反射防止膜に亀裂を防止することが可能となる。すなわち、反射防止膜の膜厚は反射防止の対象となる光の波長に依存するので、反射防止膜を厚くして亀裂を防止することができないが、酸素透過防止膜の厚さにはこのような依存性がないので、酸素透過防止膜を所望の厚さに形成することによってその強度を確保して、プラスチック製のレンズから反射防止膜への応力の伝播を抑制することができる。従って、酸素透過防止膜に反射防止膜を積層することにより、反射防止膜における亀裂の発生を抑制あるいは防止することができる。
【0009】
本発明において、前記酸素透過防止膜および前記反射防止膜のそれぞれは、前記プラスチック製レンズの表面の全体を被っていることが望ましい。このようにすれば、プラスチック製レンズの酸化を、より一層、抑制できる。
【0010】
本発明において、酸素がプラスチックレンズの表面に到達することを防止することができる酸素透過防止膜としては、SiO膜、或いは、SiO膜を採用することができる。SiO膜、或いは、SiO膜の屈折率は光学レンズを形成する樹脂の屈折率に近いので、SiO膜、或いは、SiO膜を酸素透過防止膜とすれば、レンズの光学特性を変化させることを防止或いは抑制できる。
【0011】
本発明において、前記閉鎖空間には、窒素ガスが充填されていることが望ましい。このようにすれば、プラスチック製レンズの酸化を更に抑制できる。また、窒素ガスは一般的に水分量が少ないので、高温環境下における膨張が少ない。よって、閉鎖空間に充填するのに適している。
【0012】
また、本発明において、前記閉鎖空間には、脱酸素剤を配置してもよい。このようにすれば、プラスチック製レンズの酸化を更に抑制できる。
【0013】
本発明において、前記プラスチック製レンズは、前記有効径部分から外れた外周縁の一部分に切り欠き部を備えていることが望ましい。このようにすれば、閉鎖空間内において、切り欠き部を介して空気を流通させることができるので、閉鎖空間の空気を窒素ガスに置換することが容易となる。また、切り欠き部を介して空気を流通させることができるので、閉鎖空間の空気を脱酸素剤に晒すことが容易となる。
【0014】
本発明において、前記プラスチック製レンズは、前記有効径部分よりも径方向外側に溝を備えていることが望ましい。このようにすれば、閉鎖空間内において、溝を介して空気を流通させることができるので、閉鎖空間の空気を窒素ガスに置換することが容易となる。また、溝を介して空気を流通させることができるので、閉鎖空間の空気を脱酸素剤に晒すことが容易となる。
【0015】
また、本発明において、閉鎖空間内における空気の流通を促進するためには、前記プラスチック製レンズは、前記有効径部分から外れた外周縁の一部分に切り欠き部と、前記有効径部分よりも径方向外側において前記切り欠き部から有効径部分に向かって延びており、当該切り欠き部と連通している溝とを備えていることが望ましい。このようにすれば、閉鎖空間内において、切り欠き部および溝を介して空気を流通させることができるので、閉鎖空間の空気を窒素ガスに置換することが容易となる。また、切り欠き部および溝を介して空気を流通させることができるので、閉鎖空間の空気を脱酸素剤に晒すことが容易となる。
【0016】
この場合において、閉鎖空間内に複数のプラスチック製レンズを配置する場合には、前記プラスチック製レンズとして、複数枚のプラスチック製レンズを備えており、前記複数枚のプラスチック製レンズは、光軸方向から見たときに前記切り欠き部が重なるように配列されている構成を採用することができる。
【0017】
本発明において、閉鎖空間に窒素ガスを充填するためには、前記レンズ鏡筒は、前記閉鎖空間内の空気を窒素ガスに置換するための気体流通口を備えており、前記気体流通口は、前記閉鎖空間内の空気が窒素ガスによって置換された後にシール部材によって塞がれている構成を採用することができる。
【0018】
本発明において、前記レンズ鏡筒の内周面には、第2の酸素透過防止膜が形成されていることが望ましい。このようにすれば、レンズ鏡筒を介して閉鎖空間内に酸素が侵入することを防止できる。
【0019】
この場合において、前記第2の酸素透過防止膜は、前記レンズ鏡筒の全面を被っている構成を採用してもよい。このようにすれば、閉鎖空間内に酸素が侵入することを確実に防止できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、プラスチック製レンズは、その表面の有効径部分に酸素透過防止膜を備えているとともに、レンズ鏡筒とガラス製光学素子とによって形成される閉鎖空間内に配置されて外気に晒されることが防止されている。この結果、レンズユニットが高温環境下に長時間置かれた場合でもプラスチック製レンズが酸化することが抑制されるので、その黄変を抑制或いは防止できる。また、本発明によれば、プラスチック製レンズの表面には、酸素透過防止膜と反射防止膜が内側からこの順番で積層されているので、酸素透過防止膜を所望の厚さに形成することによってその強度を確保して、プラスチック製のレンズから反射防止膜への応力の伝播を抑制することができる。この結果、反射防止膜における亀裂の発生を抑制あるいは防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係るレンズユニットの断面図である。
【図2】第2レンズの正面図および断面図である。
【図3】レンズユニットの組み立て方法の説明図である。
【図4】変形例1、2のレンズユニットの断面図である。
【図5】変形例3、4のレンズユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(全体構成)
以下に図面を参照して本発明の実施の形態に係るレンズユニットを説明する。図1はレンズユニット1を、その中心線を含む面で切断したときの断面図である。図1のX−X線はレンズユニット1の中心線であるとともに、レンズユニット1の光軸Lである。
【0023】
本例のレンズユニット1は広角レンズであり、監視カメラや車載カメラに搭載される。図1に示されるように、レンズユニット1は、レンズ鏡筒2と、レンズ鏡筒2に保持されている5枚の光学素子、すなわち、第1レンズ(ガラス製光学素子)3、第2レンズ(プラスチック製レンズ)4、第3レンズ(プラスチック製レンズ)5、第4レンズ(プラスチック製レンズ)6、および、フィルタ(ガラス製光学素子)7を有している。レンズ鏡筒2内において、第1レンズ3とフィルタ7の間の閉鎖空間S内には、窒素ガスが充填されている。
【0024】
レンズ鏡筒2は、物体の光が前端から入射して後端から出射するように筒状に形成されている。レンズ鏡筒2の後側には半径方向に縮小するように形成された縮径部10が設けられている。レンズ鏡筒2はガラスフィラー入りの樹脂製である。樹脂としては、ポリフタルアミドやPBT(Polybutyleneterephthalate:ポリブチレンテレフタレート)が用いられている。
【0025】
レンズ鏡筒2の内周面には、前端から縮径部10に向かって、円環状の第1レンズ支持面11、第2レンズ支持面12、第3レンズ支持面13、および、第4レンズ支持面14が形成されている。第2レンズ支持面12の内径は第1レンズ支持面11よりも小さく、第1レンズ支持面11と第2レンズ支持面12の間には第1円環状段部15、および、第2円環状段部16が形成されている。第1円環状段部15は光軸Lと直交して前方を向く第1円環状端面17を備えている。第2円環状段部16は第1円環状端面17の内周縁と第2レンズ支持面12の間に形成されており、第1円環状端面17と第2レンズ支持面12を連続させている。第3レンズ支持面13の内径は第2レンズ支持面12よりも小さく、第2レンズ支持面12と第3レンズ支持面13との間には第3円環状段部18が形成されている。第4レンズ支持面14の内径は第3レンズ支持面13よりも小さく、第3レンズ支持面13と第4レンズ支持面14との間には第4円環状段部19が形成されている。また、縮径部10の内径は第4レンズ支持面14よりも小さく、第4レンズ支持面14と縮径部10との間は第5円環状段部20となっている。第5円環状段部20は光軸Lと直交して前方を向く第2円環状端面21を備えている。レンズ鏡筒2の後端の円環状後端面22には、同軸上に円形凹部が形成されており、この円形凹部はフィルタ固定部23となっている。
【0026】
ここで、レンズ鏡筒2には、その全面(表面の全体)に渡って酸素透過防止膜(第2の酸素透過防止膜)24が形成されている。酸素透過防止膜24は、金属膜であり、本例では、アルミニウム膜となっている。また、第2の酸素透過防止膜は、酸素ガスバリア塗布剤あるいはガスバリア性の粘度フィルムの溶液へジャブ漬けした後、脱水反応により成膜してもよい。
【0027】
第1レンズ支持面11にはガラス製の第1レンズ3が支持されている。第1レンズ3の前面30はレンズ鏡筒2から外側に露出している。第1レンズ3の後面の外周縁には円環状段部からなるOリング装着部31が形成されている。Oリング装着部31と第1円環状段部15との間にはOリング32が配置されており、このOリング32はOリング装着部31とレンズ鏡筒2の第1円環状段部15の間において光軸Lと直交する径方向に押し潰されている。
【0028】
第2レンズ支持面12には第2レンズ4が支持されている。第3レンズ支持面13には第3レンズ5が支持されている。第4レンズ支持面14には第4レンズ6が支持されている。第2〜第4レンズ4、5、6はプラスチック製レンズである。第3レンズ5と第4レンズ6の間には絞り8が配置されている。絞り8は、PET(延伸ポリエステル)等のプラスチック製、或いはカーボン製の円形の平板であり、第3レンズ支持面13に支持されている。絞り8には、開口径を規定している開口部34の外側に、この開口部34とは連続しないスリット(不図示)が形成されている。
【0029】
第4レンズ6の後面の周縁部分は第5円環状段部20の第2円環状端面21に当接している。絞り8は、第4レンズ6の前面の周縁部分と第3レンズ5の後面の周縁部分によって挟まれた状態となっている。第3レンズ5の前面の周縁部分は第2レンズ4の後面の周縁部分に当接しており、第2レンズ4の前面の周縁部分は第1レンズ3の後面の周縁部分に当接している。ここで、レンズ鏡筒2の前端には、第1レンズ3の前面30の周縁部分を係止するためのカシメ部35が設けられている。カシメ部35がカシメられることによって、第1〜第4レンズ3〜6および絞り8は、光軸L方向の位置決めが成された状態で、かつ、各レンズ3〜6の周縁部分(フランジ部分)を介して加圧された状態で、レンズ鏡筒2に固定される。
【0030】
フィルタ固定部23には、円形のガラス製のダミーガラス、或いは、フィルタ7が後側から嵌め込まれ、接着剤によって固定されている。フィルタ7は特定の周波数成分を除去する目的でガラスに多層膜を蒸着させたものである。本例のフィルタ7は赤外線除去フィルタ(IRCF:Infrared Cut Filter)である。
【0031】
ここで、フィルタ7が接着剤によってフィルタ固定部23に固定されると共に、カシメ部35のカシメによって第1〜第4レンズ3〜6および絞り8がレンズ鏡筒2に固定されるとレンズ鏡筒2、第1レンズ3およびフィルタ7によって囲まれた閉鎖空間Sは気密状態となる。
【0032】
(第2〜第4レンズ)
図2(a)は第2レンズ4の平面図であり、図2(b)は第2レンズ4の断面図であり、図2(c)は反射防止膜がレンズ表面を部分的に被う例を示す第2レンズ4の断面図である。なお、第3レンズ5および第4レンズ6は、レンズ面の形状を除いて第2レンズ4と同様の構成を備えているので、第2レンズ4を説明して、第3レンズ5および第4レンズ6の説明を省略する。
【0033】
第2レンズ4は、非結晶ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂などからなり、射出成形により製造されている。図2(a)に示すように、第2レンズ4は、全体として円形の平面形状をしており、有効径部分40から外れた外周縁の一部分に直線状に切り欠かれた切り欠き部41と、有効径部分40よりも径方向外側において切り欠き部41から有効径部分に向かって延びている溝42とを備えている。溝42は、第2レンズ4の前面に一定幅および一定深さで直線状に形成されており、外周側の端が切り欠き部41と連通している。切り欠き部41における溝42の外周側には射出成形にゲートが接続されたゲート跡部43が残っている。ここで、溝42は光軸L方向に貫通させることなく形成されている。溝42が光軸方向に貫通すると、成形時に樹脂の充填が2方向から行われ、ウェールドなどの問題が生じ、また、レンズの有効面の精度の劣化も生じるためである。なお、溝42は、第2レンズ4の前面と後面の両面に設けてもよい。
【0034】
第2レンズ4の外周面には、図2(b)に模式的に示すように、第2レンズ4の表面から酸素透過防止膜45と反射防止膜46がこの順番で積層されている。酸素透過防止膜45は第2レンズ4の全面に形成されている。酸素透過防止膜45は、例えば、酸素ガスバリア塗布剤あるいはガスバリア性の粘度フィルムの溶液へジャブ漬けした後、脱水反応により成膜する。或いは、酸素透過防止膜45は、SiO、SiO2、の蒸着によって形成される。酸素透過防止膜45が緻密なSiO膜の場合には、膜厚として40nm以上あれば、ある程度の酸素透過防止の効果が得られる。また、酸素透過防止膜45は反射防止膜46の下層に形成されるものであり、かつ、緻密なSiO膜の屈折率は光学レンズを形成する樹脂の屈折率に近いので、膜厚を厚くしても反射防止機能への影響が少ない。従って、必要に応じて、酸素透過防止膜45をより厚くすること可能である。
【0035】
反射防止膜46は表面での光の反射を減少させるために単層の薄膜や多層膜を蒸着させたものである。反射防止膜46としては、酸化ジルコニウム膜、或いは、酸化チタン膜を用いることができる。反射防止膜46は酸素透過防止膜45の表面に積層されて、第2レンズ4の全面を被っている。反射防止膜46の膜厚は、反射を減少させる対象となる波長に依存するが、600nm前後である。
【0036】
なお、反射防止膜46は、図2(c)に示すように、酸素透過防止膜45の上層において、第2レンズ4の有効径部分40を含む表面部分を被うように部分的に設けてもよい。また、反射防止膜46としては、塗布型のARコート膜も使用できる。ここで、塗布型のARコート膜は酸素透過を防ぐガスバリアの機能は低く、高温保存では黄変が発生することがあるが、酸素透過防止膜をARコート膜の下に成膜することにより、レンズの黄変の発生が防止或いは抑制されるので、反射防止膜46として塗布型のARコート膜を使うことができる。また、酸素透過防止膜45を塗布型ガスバリア積層体あるいはガスバリア性の粘度フィルムにより形成し、反射防止膜46を塗布型のARコート膜から形成する場合には、酸素透過防止膜45と反射防止膜46が塗布工程で一貫して生成できるため、生産の効率を上げることができる。
【0037】
ここで、プラスチック製のレンズの表面に反射防止膜46が形成されている場合には、レンズユニット1が高温環境下に長時間置かれると、レンズを形成する樹脂と反射防止膜46の線膨張率の差から、反射防止膜46に亀裂が入ることがある。かかる問題に対して、本例では、酸素透過防止膜45に反射防止膜46が積層されているので、反射防止膜46の亀裂を抑制することが可能となる。すなわち、反射防止膜46の膜厚は反射防止の対象となる光の波長に依存するので、反射防止膜46を厚くして亀裂を防止することができないが、酸素透過防止膜45の厚さにはこのような依存性がないので、酸素透過防止膜45を所望の厚さに形成することによってその強度を確保して、プラスチック製のレンズから反射防止膜46への応力の伝播を抑制することができる。従って、強度を確保した酸素透過防止膜45に反射防止膜46を積層すれば、反射防止膜46における亀裂の発生を抑制あるいは防止することができる。
【0038】
より詳細には、酸素透過防止膜45を、SiO膜とした場合には、プラスチック製のレンズの表面と反射防止膜46との間に剛体膜が形成される。すなわち、珪素と酸素の結合の手に空きがなく、剛性の高い膜が形成される。従って、高温環境下において、プラスチック製のレンズの内部に発生する応力を、この剛体膜の内部に閉じ込めて、反射防止膜46まで伝播させないようにすることができる。この結果、反射防止膜46における亀裂の発生を抑制あるいは防止することができる。また、酸素透過防止膜45を、SiO膜とした場合には、プラスチック製のレンズの表面と反射防止膜46との間に応力緩和膜が形成される。すなわち、珪素と酸素の結合の手が空いており、結合の緩い膜が形成される。従って、高温環境下において、プラスチック製のレンズの内部に発生する応力を、この応力緩和膜によって緩和して、反射防止膜46まで伝わる応力を低減できる。この結果、反射防止膜46における亀裂の発生を抑制あるいは防止することができる。
【0039】
また、本例では、酸素透過防止膜45として、第2〜第4レンズ4、5、6を形成する樹脂の屈折率に近い屈折率を備えるSiO膜或いはSiO膜を採用しているので、酸素透過防止膜45を形成することによって、第2〜第4レンズ4、5、6の光学特性が変化することを防止或いは抑制できる。
【0040】
(レンズユニットの組み立て方法)
図3は、レンズユニット1の組み立て方法の説明図である。レンズユニット1は、空気吸引口50および窒素導入口51を備える作業槽52内で組み立てられる。レンズユニット1を組み立てる際には、まず、レンズ鏡筒2のフィルタ固定部23に接着剤を用いてフィルタ7を固定する。また、第1レンズ3はそのOリング装着部31にOリング32を装着した状態としておく。
【0041】
次に、縮径部10を下側にして、レンズ鏡筒2内に、第4レンズ6、絞り8、第3レンズ5、第2レンズ4をこの順番で上から挿入する。これにより、第4レンズ6が第2円環状端面21および第4レンズ支持面14に支持され、絞り8が第3レンズ支持面13および第4レンズ6によって支持され、第3レンズ5が絞り8および第3レンズ支持面13によって支持され、第2レンズ4が第2レンズ支持面12および第3レンズ5によって支持される。ここで、第2〜第4レンズ4、5、6は、切り欠き部41が光軸L回りの同一の角度位置となるようにレンズ鏡筒2内に挿入される。すなわち、第2〜第4レンズ4、5、6は、切り欠き部41および溝42が光軸L方向から見たときに重なるように配列される。また、絞り8は、そのスリットが第4レンズ6の溝42と重なるようにしてレンズ鏡筒2に挿入される。
【0042】
その後、空気吸引口50を介して作業槽52の真空引きを行い、次に、窒素導入口51から窒素ガスを導入して、作業槽52内の空気を窒素ガスに置換する。そして、作業槽52内が窒素ガス雰囲気とされた後に、Oリング32が装着された第1レンズ3をレンズ鏡筒2に挿入する。これにより、レンズ鏡筒2、第1レンズ3およびフィルタ7によって囲まれた閉鎖空間Sは、窒素ガスが充填された状態となる。
【0043】
しかる後に、レンズ鏡筒2の前端のカシメ部35をカシメることによって、第1〜第4レンズ3〜6および絞り8をレンズ鏡筒2に固定し、これによりレンズユニット1が完成する。
【0044】
ここで、本例では、第2〜第4レンズ4、5、6が切り欠き部41と溝42を備えており、絞り8がスリットを備えており、第2〜第4レンズ4、5、6および絞り8がレンズ鏡筒2に挿入された状態では、各切り欠き部41とスリットが光軸L方向から見たときに重なっている。従って、レンズ鏡筒2内において切り欠き部41を介して空気を流通させることが可能となっている。また、切り欠き部41と溝42が連通しているので、切り欠き部41から溝42を介して、第1レンズ3の有効径部分と第2レンズ4の有効径部分40の間に形成されている空間、および、第2〜第4レンズ4、5、6の各有効径部分40の間に形成されている空間にまで空気を流通させることが可能となっている。従って、作業槽52内の空気を窒素ガスに置換する際に、レンズ鏡筒2内の空気を窒素ガスに置換することが容易であり、レンズ鏡筒2内の空気が窒素ガスに確実に置換される。
【0045】
なお、作業槽52内を予め窒素ガス雰囲気としておいて、その中でレンズユニット1を組み立てても、レンズ鏡筒2、第1レンズ3およびフィルタ7によって囲まれた閉鎖空間Sを窒素ガスが充填された状態とすることができる。
【0046】
(作用効果)
以上、本例によれば、プラスチック製の第2〜第4レンズ4、5、6は、レンズ鏡筒2の内側において、ガラス製の第1レンズ3およびフィルタ7の間に形成された閉鎖空間Sに位置しており、外気に晒されることが防止されている。従って、プラスチック製レンズの酸化を抑制することができる。ここで、レンズ鏡筒2と2枚のガラス製光学素子(第1レンズ3、フィルタ7)によって形成された閉鎖空間S内を完全な気密空間とすることは困難であり、閉鎖空間Sに外気(酸素)が侵入することを完全に防止することは難しいという問題がある。すなわち、本例のように、レンズ鏡筒2が樹脂製の場合には、空気が樹脂を浸透して閉鎖空間S内に侵入することもある。かかる問題に対して、本例では、第2〜第4レンズ4、5、6に酸素透過防止膜45を設けている。従って、閉鎖空間Sに外気(酸素)が侵入しても、第2〜第4レンズ4、5、6の酸化が促進されることがない。よって、レンズユニット1が高温環境下に長時間置かれた場合でも、第2〜第4レンズ4、5、6の黄変を抑制或いは防止できる。
【0047】
また、本例では、酸素透過防止膜45および反射防止膜46のそれぞれは、第2〜第4レンズ4、5、6の表面の全体を被っているので、第2〜第4レンズ4、5、6の酸化を、より、抑制できる。
【0048】
さらに、閉鎖空間Sには窒素ガスが充填されているので、第2〜第4レンズ4、5、6の酸化を更に抑制できる。ここで、窒素ガスは一般的に水分量が少ないので、高温環境下における膨張が少ない。よって、閉鎖空間Sに充填するのに適している。
【0049】
また、上記の例では、レンズ鏡筒2の全面が酸素透過防止膜24によって覆われているので、レンズ鏡筒2を介して閉鎖空間S内に酸素が侵入することを防止できる。よって、第2〜第4レンズ4、5、6の酸化を確実に抑制できる。
【0050】
なお、上記の例では、酸素透過防止膜45は、第2〜第4レンズ4、5、6の全面を被っているが、少なくとも各レンズの表面の有効径部分40を覆っていれば、当該有効径部分40における黄変を防止或いは抑制できる。従って、酸素透過防止膜45および反射防止膜46をプラスチック製レンズの表面に設ける態様としては、図2(b)に示すように、酸素透過防止膜45および反射防止膜46をプラスチック製レンズの表面の全体に設ける構成、および、図2(c)に示すように、酸素透過防止膜45をプラスチック製レンズの表面の全体に設けるとともに反射防止膜46を有効径部分40を被うように部分的に設ける構成に加えて、酸素透過防止膜45および反射防止膜46をプラスチック製レンズの表面の有効径部分40を被うように部分的に設ける構成を採用できる。
【0051】
また、レンズ鏡筒2の内周面、すなわち、第1〜第4レンズ3〜6およびフィルタ7が固定されている側の面にのみ酸素透過防止膜24を形成しておいても、レンズ鏡筒2を介して閉鎖空間S内に酸素が侵入することを防止できるので、第2〜第4レンズ4、5、6の酸化を抑制できる。
【0052】
また、酸素透過防止膜45は、透明な酸化物から形成することができ、例えば、TiO、TiOの蒸着によって形成されていてもよい。
【0053】
(変形例1、2)
図4(a)は変形例1のレンズユニットの断面図であり、図4(b)は変形例2のレンズユニットの断面図である。なお、変形例1、2のレンズユニット1A、1Bは実施例のレンズユニット1と対応する構成を備えているので、対応する部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0054】
図4(a)に示すように、変形例1のレンズユニット1Aは、第2環状段部の外周側に窒素導入口60と、空気排出口61を備えている。窒素導入口60と空気排出口61は光軸L回りに180度離れた位置に形成されている。
【0055】
本例のレンズユニット1Aでは、まず、第1〜第4レンズ3〜6、フィルタ7、および、絞り8の全てをレンズ鏡筒2に組み付ける。その後に、レンズ鏡筒2、第1レンズ3およびフィルタ7によって囲まれた閉鎖空間Sの空気を窒素ガスに置換する。すなわち、窒素導入口60から閉鎖空間S内に窒素ガスを導入しながら、空気排出口61から閉鎖空間S内の空気を排出して、閉鎖空間S内の空気を窒素ガスに置換する。しかる後に、窒素導入口60と空気排出口61を樹脂製のシール部材62で塞ぐ。空気排出口61を塞ぐ際には、例えば、空気排出口61と嵌合する樹脂製のシール部材62を用意して、空気排出口61の外側から栓をする。また、窒素導入口60を塞ぐ際には、窒素ガスを閉鎖空間Sに導入するための導入ノズルにおいて窒素ガスと樹脂接着剤を合流させて、樹脂接着剤を窒素導入口60内に充填してシール部材62とする。本例においても閉鎖空間Sが窒素ガスで満たされているので、レンズユニット1Aが高温環境下に長時間置かれた場合でも、第2〜第4レンズ4、5、6の黄変を抑制或いは防止できる。また、第2〜第4レンズ4、5、6が切り欠き部41と、この切り欠き部41に連通する溝42を備えており、レンズ鏡筒2内において切り欠き部41および溝42を介して空気を流通させることが可能となっている。従って、レンズ鏡筒2内の空気を窒素ガスに置換することが容易であり、レンズ鏡筒2内の空気が窒素ガスに確実に置換される。
【0056】
図4(b)に示すように、変形例2のレンズユニット1Bは、縮径部10を光軸L方向に貫通しており、開口がレンズ鏡筒2の後端の円環状後端面22に露出する1つの気体流通口65を備えている。気体流通口65は光軸L回りにおいて、第2〜第4レンズ4〜6の各溝42が配置される角度位置に形成されている。
【0057】
本例のレンズユニット1Bでも、まず、第1〜第4レンズ3〜6、フィルタ7、および、絞り8の全てをレンズ鏡筒2に組み付ける。次に、レンズ鏡筒2、第1レンズ3およびフィルタ7によって囲まれた閉鎖空間Sの空気を窒素ガスに置換する。すなわち、気体流通口65を利用して閉鎖空間Sの真空引きを行い、その後に、気体流通口65から閉鎖空間S内に窒素ガスを充填する。しかる後に、空気流通口をシール部材66で塞ぐ。空気流通口を塞ぐ際には、窒素ガスを閉鎖空間Sに導入するための導入ノズルにおいて窒素ガスと樹脂接着剤を合流させて、樹脂接着剤を空気流通口内に充填してシール部材66とする。本例においても閉鎖空間Sが窒素ガスで満たされているので、レンズユニット1Bが高温環境下に長時間置かれた場合でも、第2〜第4レンズ4、5、6の黄変を抑制或いは防止できる。また、第2〜第4レンズ4、5、6が切り欠き部41と、この切り欠き部41に連通する溝42を備えており、レンズ鏡筒2内において切り欠き部41および溝42を介して空気を流通させることが可能となっている。従って、レンズ鏡筒2内の空気を窒素ガスに置換することが容易であり、レンズ鏡筒2内の空気が窒素ガスに確実に置換される。
【0058】
(変形例3、4)
図5(a)は変形例3のレンズユニットの断面図であり、図5(b)は変形例4のレンズユニットの断面図である。なお、変形例3、4のレンズユニット1C、1Dは実施例のレンズユニット1と対応する構成を備えているので、対応する部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0059】
変形例3、4のレンズユニット1C、1Dは、レンズ鏡筒2、第1レンズ3およびフィルタ7によって囲まれた閉鎖空間S内は窒素ガスが充填されておらず、その代わりに、閉鎖空間S内には、脱酸素剤70が配置されている。脱酸素剤70は、例えば、鉄などの金属粉を樹脂などに混ぜ込んで円環状に成形したものである。脱酸素剤70の断面形状は矩形であり、図5(a)に示す変形例3のレンズユニット1Cでは、第1円環状段部15の円環状端面17上に配置されて第1レンズ3の外周縁部分およびOリング32に当接している。図5(b)に示す変形例4のレンズユニット1Dでは、第1円環状段部15の円環状端面17に形成された矩形の凹部71内に配置されて、第1レンズ3の外周縁部分およびOリング32に当接している。
【0060】
変形例3、4のレンズユニット1C、1Dによれば、閉鎖空間S内に脱酸素剤70が配置されているので、閉鎖空間S内の空気を窒素ガスに置換しなくても、第2〜第4レンズ4、5、6の酸化を抑制できる。また、変形例3、4のレンズユニット1C、1Dによれば、閉鎖空間S内に空気(酸素)が侵入した場合でも、この空気(酸素)を除去できる。ここで、第2〜第4レンズ4、5、6は切り欠き部41と、この切り欠き部41に連通する溝42を備えているので、閉鎖空間S内の空気は切り欠き部41および溝42を介して流通して脱酸素剤70に良く晒される。また、Oリング32と脱酸素剤70が当接しており、脱酸素剤70によってOリング32が光軸L方向に変位することが防止されている。なお、レンズ鏡筒2の成形時に円環状に形成した脱酸素剤70をインサート成形してもよい。
【0061】
ここで、変形例3、4において、レンズ鏡筒2内に窒素ガスを充填してもよい。このようにすれば、さらに黄変を抑制或いは防止する機能を高めることもできる。
【0062】
(その他の実施の形態)
上記の例において、レンズ鏡筒2を脱酸素剤を混入した樹脂から成形してもよい。このようにすれば、レンズ鏡筒2の樹脂を浸透して酸素が閉鎖空間S内に侵入することを防止できる。また、閉鎖空間S内に空気(酸素)が侵入した場合でも、この空気(酸素)を除去できる。
【0063】
また、上記実施例においてレンズは、外周縁の一部分に直線状に切り欠かれた切り欠き部を有しているが、曲線状の切り欠き部でもよく、空気の流通を容易とする形状であればよい。また、レンズに切り欠きを設けるのではなく、レンズ鏡筒2の内壁に光軸L方向の溝を設けることにより、隣り合うレンズにより形成された空間の空気を流通を容易にさせるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1・・レンズユニット、2・・レンズ鏡筒、3・・第1レンズ(ガラス製光学素子)、4・・第2レンズ(プラスチック製レンズ)、5・・第3レンズ(プラスチック製レンズ)、6・・第4レンズ(プラスチック製レンズ)、7・・フィルタ(ガラス製光学素子)、10・・縮径部、11〜14・・第1〜第4レンズ支持面、15・16・・第1、第2円環状段部、17・・第1円環状端面、18〜20・・第3〜第5円環状段部、21・・第2円環状端面、22・・円環状後端面、23・・フィルタ固定部、24・・酸素透過防止膜(第2の酸素透過防止膜)、30・・第1レンズの前面、31・・Oリング装着部、32・・Oリング、34・・開口部、35・・カシメ部、40・・有効径部分、41・・第1レンズの切り欠き部、42・・溝、43・・ゲート跡部、45・・酸素透過防止膜、46・・反射防止膜、50・・空気吸引口、51・・窒素導入口、52・・作業槽、60・・窒素導入口、61・・空気排出口、62・・シール部材、65・・気体流通口、66・・シール部材、70・・脱酸素剤、71・・凹部、L・・光軸、S・・閉鎖空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒に保持されている2枚のガラス製光学素子と、
前記レンズ鏡筒内において、前記2枚のガラスレンズの間の閉鎖空間に配置されたプラスチック製レンズとを有し、
前記プラスチック製レンズの表面における少なくとも有効径部分には、酸素透過防止膜と反射防止膜が内側からこの順番で積層されていることを特徴とするレンズユニット。
【請求項2】
請求項1において、
前記酸素透過防止膜および前記反射防止膜のそれぞれは、前記プラスチック製レンズの表面の全体を被っていることを特徴とするとするレンズユニット。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記酸素透過防止膜は、SiO膜、或いは、SiO膜であることを特徴とするレンズユニット。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記閉鎖空間には、窒素ガスが充填されていることを特徴とするレンズユニット。
【請求項5】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記閉鎖空間には、脱酸素剤が配置されていることを特徴とするレンズユニット。
【請求項6】
請求項4または5において、
前記プラスチック製レンズは、前記有効径部分から外れた外周縁の一部分に切り欠き部を備えていることを特徴とするレンズユニット。
【請求項7】
請求項4または5において、
前記プラスチック製レンズは、前記有効径部分よりも径方向外側に溝を備えていることを特徴とするレンズユニット。
【請求項8】
請求項4または5において、
前記プラスチック製レンズは、前記有効径部分から外れた外周縁の一部分に切り欠き部と、前記有効径部分よりも径方向外側において前記切り欠き部から有効径部分に向かって延びており、当該切り欠き部と連通している溝とを備えていることを特徴とするレンズユニット。
【請求項9】
請求項6または8において、
前記プラスチック製レンズとして、複数枚のプラスチック製レンズを備えており、
前記複数枚のプラスチック製レンズは、光軸方向から見たときに前記切り欠き部が重なるように配列されていることを特徴とするレンズユニット。
【請求項10】
請求項4において、
前記レンズ鏡筒は、前記閉鎖空間内の空気を窒素ガスに置換するための気体流通口を備えており、
前記気体流通口は、前記閉鎖空間内の空気が窒素ガスによって置換された後にシール部材によって塞がれていることを特徴とするレンズユニット。
【請求項11】
請求項1ないし10のうちのいずれかの項において、
前記レンズ鏡筒の内周面には、第2の酸素透過防止膜が形成されていることを特徴とするレンズユニット。
【請求項12】
請求項11において、
前記第2の酸素透過防止膜は、前記レンズ鏡筒の全面を被っていることを特徴とするレンズユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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