説明

レンズ鏡筒

【課題】 レンズ鏡筒の防滴・防水を図るとともにレンズのスムーズな移動を確保し、さらに最前レンズの表面に付着した塵埃を自動的に除去してレンズの清浄化を可能とする。
【解決手段】 光軸方向に移動可能なレンズを備えるレンズ鏡筒であって、被写体側に位置する最前レンズL1を保持する保持部材にレンズ鏡筒の内外を連通する光軸方向の通気孔217を備え、通気孔217の前側開口に対向する位置に、当該通気孔217を通してレンズ鏡筒の内部から外部に通流する空気を最前レンズL1の前面に向けて導く空気整流手段5,7を備える。レンズを光軸方向に移動したときに、レンズ鏡筒内から通気孔217を通して外部に吹き出された空気は空気整流手段5,7によって最前レンズL1のレンズ面に投射され、最前レンズL1のレンズ面に付着した塵埃を除去し、当該レンズ面を清浄化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラのレンズ鏡筒に関し、特にレンズ鏡筒の最も前側(被写体側)に配置されたレンズの外部に露呈した表面に付着した塵埃を除去するための清浄構造を備えたレンズ鏡筒に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラのレンズ鏡筒は、大略円筒状をした鏡筒の内部に1枚以上のレンズを光軸方向に並んで内装している。被写体に近い最も前側のレンズ(以下、本明細書では最前レンズと称する)は前側表面が鏡筒の外部に露呈されるため、この表面に塵埃が付着され易く、撮影に影響を与える。最前レンズの表面を定期的あるいは塵埃が付着したときに撮影者がブロワ等で除去して清浄する必要がある。特に、近年ではレンズ鏡筒の防滴・防水性を高める一方でレンズ鏡筒の内外の通気性を確保したレンズ鏡筒が提案されているが、この種のレンズ鏡筒での最前レンズの表面への塵埃の付着が問題になっている。
【0003】
すなわち、レンズ鏡筒内への水分の侵入を防止して防滴・防水効果を得るためにレンズ鏡筒内を液密構造にすると、ズーミンクやフォーカシング時にレンズを移動させたときにレンズ鏡筒の内部容積の変化に伴って生じる内圧と外圧との差が生じてレンズのスムーズな移動の障害になる。このため、防滴・防水効果を損なうことなくレンズ鏡筒の内部と外部との通気を図るようにしたレンズ鏡筒が提案されている。特許文献1では、最前レンズのレンズ保持枠に通気孔を設け、この通気孔をゴアテックス(商標)と称する、通気を通過するが水分の通過を阻止する撥水性微多孔部材で覆い、しかもこの撥水性微多孔部材を覆う外観部材との間に隙間を設けた技術を提案している。特許文献1によれば、撥水性微多孔部材によって通気孔における防滴・防水効果を確保する一方で、当該通気孔を通してのレンズ鏡筒の内外での空気の移動を可能にし、スムーズなレンズ移動を確保している。
【特許文献1】特開2003−202480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1では、ズーミングやフォーカシング時にレンズ鏡筒を構成している複数のレンズが移動したときにレンズ鏡筒の内部の容積が変化したとき、特にレンズ鏡筒の容積が減少したときには、レンズ鏡筒の内部の空気を通気孔を介して外部に排出することでレンズのスムーズな移動を確保している。その際、通気孔及び撥水性微多孔部材を通過してレンズ鏡筒外に排出された空気が最前レンズの表面近傍領域において乱流を引起し、この乱流に巻き込まれた空気中の塵埃が最前レンズの表面に付着され易くなってしまう。これはレンズ鏡筒の容積が増加するときに通気孔を介して外部の空気をレンズ鏡筒内に吸入する際にも同様に最前レンズの表面近傍におい空気の乱流が生じることがあり、塵埃が最前レンズの表面に付着してしまうことがある。
【0005】
本発明の目的は、レンズ鏡筒の防滴・防水を図るとともにレンズのスムーズな移動を確保したレンズ鏡筒において、最前レンズの表面に付着した塵埃を自動的に除去してレンズの清浄化を可能にしたレンズ鏡筒を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光軸方向に移動可能なレンズを備えるレンズ鏡筒であって、被写体側に位置する最前レンズを保持する保持部材にレンズ鏡筒の内外を連通する光軸方向の通気孔を備え、通気孔の前側開口に対向する位置に当該通気孔を通してレンズ鏡筒の内部から外部に通流する空気を最前レンズの前面に向けて導く空気整流手段を備える。ここで、空気整流手段は最前レンズの前面に対して光軸方向に傾斜した方向に空気を導く構成とする。また、通気孔には空気は通過するが水分の通過を阻止する防水通気材を配設している。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、レンズを光軸方向に移動するときには、レンズ鏡筒内の空気が通気孔を通して吸入、排出されるので、レンズ鏡筒内が負圧、正圧になることがなく、レンズのスムーズな移動が可能になる。また、通気孔に設けた防水水気材によりレンズ鏡筒内への水分の侵入が防止でき、防水性、防塵性が高められる。さらに、通気孔から吹き出された空気は空気整流手段によって最前レンズのレンズ面に投射された後、当該前面に沿って流れるので、最前レンズのレンズ面に付着した塵埃を除去することができ、レンズ面の清浄化が可能になると同時に整流によって空気中の塵埃が最前レンズのレンズ面に付着し難くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のレンズ鏡筒の好ましい形態としては、通気孔は最前レンズの周囲位置に配設され、空気整流手段は最前レンズの周縁部に沿って延設される環状部材で構成される。例えば、通気孔は円周方向の少なくとも1箇所に開口され、レンズの保持部材には通気孔に連通して光軸方向に凹設され、円周方向に延長される凹溝と、凹溝の内径側の円周方向の複数箇所に設けられて当該凹溝内部につながる切欠部とを備え、空気整流手段は凹溝及び切欠部の前面側を覆う位置に設けられた構成とすることで、空気を最前レンズの周囲からレンズ面に吹き付け、さらに周囲から中心方向に向けて流すことができ、レンズ面の広い範囲を効果的に清浄化できる。
【0009】
空気整流手段はレンズ鏡筒の前面の少なくとも一部を覆い隠すための化粧環で構成される。レンズ鏡筒に通常設けられる化粧環を利用して空気整流手段を構成することができ、既存のレンズ鏡筒への本発明の適用が可能になる。また、最前レンズの周縁部をレンズ保持部材に保持させるためのレンズ押え環を備えており、このレンズ押え環と化粧環との間に最前レンズの前面に向けて方向付けられた微小な空隙を構成する。この微小な空隙によって最前レンズの前面向けて吹き出される空気の流速を高め、レンズ清浄効果を高めることができる。さらに、最前レンズが光軸方向に移動可能であり、最前レンズを保持するレンズ保持部材に通気孔が開口されることで、当該最前レンズの移動により自身の前面を効果的に清浄化できる。
【実施例1】
【0010】
次に、本発明の実施例1について図面を参照して説明する。図1は本発明を2群構成のレンズ鏡筒に適用した実施例の光軸Oxに沿った縦断面図、図2は当該レンズ鏡筒の要部の部分分解斜視図である。レンズ鏡筒の固定環1の被写体側に面した最前レンズとして第1レンズL1が内装され、その背後に第2レンズL2が内装されている。前記固定環1は後端部において同心に連結された外環11と内環12とで構成されており、第2レンズL2は第2レンズ枠22により前記内環12の後端部に固定的に支持されている。なお、前記固定環1の後端部にはバヨネット片が設けられており、カメラ本体に設けたレンズマウントに対してレンズ鏡筒を着脱可能とされているがここではバヨネット片の図示は省略している。前記外環11と内環12との間にはフォーカスカム環3が内挿されており、このフォーカスカム環3には前記固定環1の外周面に沿って延長され、レンズ鏡筒のピント調整(フォーカス調整)時に手操作により光軸回りに回動操作されるフォーカス操作環4が一体的に設けられている。前記内環12には光軸方向に延びる真直な直進溝121が開口され、前記フォーカスカム環3には所要形状をしたカム溝31が開口されている。
【0011】
前記内環12の内側には前記第1レンズL1が第1レンズ枠21によって光軸方向に移動可能に支持されている。第1レンズ枠21は断面形状が光軸方向に沿った大略クランク状に形成されており、径寸法が大きくされた前端部211の外周面が、径寸法が大きくされた前記内環12の前端部122の内周面に摺接した状態で光軸方向に摺動可能とされている。また、前記第1レンズ枠21の円周複数箇所には外形方向に向けてローラ212が突出されており、このローラ212は前記内環12に設けた光軸方向の直進溝121を貫通し、さらに前記フォーカスカム環3のカム溝31を貫通されている。これにより、フォーカスカム環3が光軸回りに回動されると、カム溝31と直線溝121との光軸方向の交差位置が変化されるため、ローラ212はカム溝31の形状に伴って直進溝121内で光軸方向に移動され、ローラ212と一体の第1レンズ枠21、すなわち第1レンズL1が光軸方向に移動され、フォーカス調整が行われる。
【0012】
前記フォーカス操作環4の内周面には前記内環12の前端部122の外周面に摺接する箇所にシールリング41が設けられて、両者間を気密及び液密に封止している。同様に、前記外環11の外周面には前記フォーカス操作環4の内周面に摺接する箇所にシールリング111が設けられて、両者間を気密及び液密に封止している。さらに、前記内環12の前端部122の内周面には前記第1レンズ枠21の前端部211の外周面に摺接する箇所にシールリング123が設けられて、両者間を気密及び液密に封止している。したがって、フォーカス操作環4、固定環1、第1レンズ枠21の相互の摺接部分はこれらシールリング41,111,123によって封止されることになり、これによりレンズ鏡筒内は外部との間に気密性が保持され、レンズ鏡筒内に外部から水分や塵埃が侵入することが防止される。
【0013】
図3は前記第1レンズ枠21の要部の破断斜視図であり、図3を併せて参照して説明すると、前記第1レンズL1を第1レンズ枠21に保持するために、第1レンズ枠21の後端部に内フランジ213を設けておき、第1レンズ枠21の前側から内挿した第1レンズL1の後面周縁部を当該内フランジ213に当接させている。また、第1レンズ枠21の前端部211の後端に径方向に連続する段部215の内径部214には、内面に円環状をしたレンズ押え環5を螺合させ、このレンズ押え環5により第1レンズL1の前面周縁部を前記内フランジ213との間に挟持する構成がとられている。前記レンズ押え環5は断面形状が三角形をしており、特に前面5aは外径側から内径側に向けて傾斜した傾斜面となるように形成されている。
【0014】
また、前記第1レンズ枠21の前記段部215の光軸方向の前面には光軸方向に凹設した凹溝216が円周方向に沿って円環状に形成されており、この凹溝216の底面の円周方向の複数箇所には、当該段部215を光軸方向に貫通する複数の通気孔217が開口されている。また、前記凹溝216の内周側には前記複数の通気孔217に対応する複数の箇所に内径側の領域に向けて凹溝216を連通させるための切欠部218が設けられている。前記凹溝216内の底面には凹溝216と同径の円環板状をした防水通気板6が接着剤等によって貼り付けられている。この防水通気板6は前述したゴアテックスのように空気は通過するが水分は通過しない素材で形成されたものである。
【0015】
さらに、前記第1レンズ枠21の前端部211の内周面には化粧環7が螺合され、この化粧環7によって第1レンズ枠21の段部215に形成された前記凹溝216、通気孔217、切欠部218及び防水通気板6にわたる領域を覆い隠し、外観上の見栄えを高めている。前記化粧環7は断面形状が大略三角形をしており、内径に向けて傾斜された前面7aは階段状に装飾が施され、光軸に対してほぼ垂直な後面7bは前記第1レンズ枠21の段部215の前端面に密接されている。また、化粧環7の内縁部71は前記レンズ押え環5の外径縁に近接する位置まで延出されている。この実施例1では、前記化粧環7は単独で、あるいは前記レンズ押え環5と共に前記通気孔217を通流する空気の流れを整流するための空気整流手段を構成することになる。
【0016】
このレンズ鏡筒では、フォーカス調整を行う際には、フォーカス操作環4を手操作により回動すると、これと一体のフォーカスカム環3が光軸回りに回動される。これにより図4に示すように、フォーカスカム環3のカム溝31と内環12の直線溝121との交差点が変化されるため、ローラ212はカム溝31の形状に伴って直進溝121内で光軸方向に移動され、ローラ212と一体の第1レンズ枠21、すなわち第1レンズL1が光軸方向に移動され、フォーカス調整が行われる。このとき、第1レンズL1が第2レンズL2から離れる方向、すなわちレンズ鏡筒の前方に移動すると、第1レンズL1と第2レンズL2との間隔が長くなり、レンズ鏡筒内における第1レンズL1と第2レンズL2との間の容積が増加される。また、第1レンズL1が第2レンズL2に近づく方向、すなわちレンズ鏡筒の後方に移動すると、第1レンズL1と第2レンズL2との光軸方向の間隔が短くなり、レンズ鏡筒内における第1レンズL1と第2レンズL2との間の容積が低減される。
【0017】
第1レンズL1がレンズ鏡筒の前方に移動されてレンズ鏡筒内の容積が増加される際には、図1に破線矢印で示すようにレンズ鏡筒の外部空気は化粧環7の内端部71とレンズ押え環5の前面5aとの隙間を通り、化粧環7と第1レンズ枠21の切欠部218を通って凹溝216に流れ込み、この凹溝216から防水通気板6を通過し、通気孔217を通ってレンズ鏡筒内に吸気される。このとき、防水通気板6によって外部の水分がレンズ鏡筒内に侵入されることはない。また、同時に防水通気板6によって外部の塵埃がレンズ鏡筒内に侵入されることもない。これにより、第1レンズL1の移動に伴ってレンズ鏡筒の内外での空気の流通が確保され、レンズ鏡筒内が負圧になることはなく、第1レンズL1によるフォーカス調整がスムーズに行われ、フォーカス操作環4の軽快な操作が可能になる。
【0018】
一方、第1レンズL1がレンズ鏡筒の後方に移動されてレンズ鏡筒内の容積が低減される際には、図4に実線矢印で示すように、レンズ鏡筒の内部空気は通気孔217を通り、防水通気板6を通過して凹溝216内に流れ込み、当該凹溝216内を円周方向に沿って流れた後、円周複数箇所の切欠部218を通り、化粧環7とレンズ押え環5との隙間を通ってレンズ鏡筒外に排気される。これにより、第1レンズL1の移動に伴ってレンズ鏡筒内の空気圧が増加することはなく、第1レンズL1によるフォーカス調整がスムーズに行われ、フォーカス操作環4の軽快な操作が可能になる。
【0019】
また、このときレンズ鏡筒内の空気は前述のようにしてレンズ鏡筒外に排気されるが、化粧環7の内縁部71はレンズ押え環5の前面5aに近接された位置にあり、しかもレンズ押え環5の前面5aは第1レンズL1のレンズ面に向けて傾斜した傾斜面として形成されているので、凹溝216の切欠部218から排気される空気はレンズ押え環5の前面5aの傾斜に沿った方向、すなわち第1レンズL1のレンズ面に外周斜め方向から吹き出されることになる。そして、吹き出された空気は第1レンズL1のレンズ面に投射された後、当該レンズ面に沿って中心方向に向けて流れる。このとき、空気流によって第1レンズL1のレンズ面に付着した塵埃を除去し、当該レンズ面を清浄化することができる。また、このようにして第1レンズL1のレンズ面に吹き出される空気は、外周から中心に向けて求心状に向けて整流された状態となるので、第1レンズL1のレンズ面に沿った領域に空気の乱流が生じるようなこともなく、空気中の塵埃が第1レンズL1のレンズ面に付着し難くなる。
【0020】
以上のように、実施例1では、特に第1レンズL1を光軸方向の後方に移動させる際には、フォーカス操作環4のスムーズな操作を可能とする一方で、レンズ鏡筒内の空気を通気孔217−防水通気板6−凹溝216−切欠部218を通し、さらに化粧環7とレンズ押え環5との間の隙間から第1レンズL1のレンズ面に向けて投射させ、当該レンズ面に付着した塵埃を除去し、清浄化することができる。
【0021】
ここで、図5に示すように、化粧環7の内縁部71をレンズ押え環5の前面5aの外径側の領域を覆う位置まで延長し、両者間に所要の長さの空隙dを構成するようにしてもよい。このようにすればレンズ鏡筒内から凹溝216ないし切欠部218を通して吹き出される空気は、化粧環7とレンズ押え環5とで構成される微小な空隙dを通過する際にベルヌーイ効果によって空気の流速が高められ第1レンズL1のレンズ面に対して高い流速で投射されることになり、塵埃の除去効果を高めることが可能になる。
【0022】
また、図示は省略するが、凹溝216に形成する切欠部218は、通気孔217よりも多い数だけ設けた上で円周方向に等間隔に配置してもよく、レンズ鏡筒内から凹溝216にまで通流された空気を凹溝216内で円周方向に均等化した上で円周方向の多数の箇所から第1レンズL1のレンズ面に向けて吹き出すようにしてもよい。第1レンズL1のレンズ面に対して隙間なく全ての領域に空気を投射させることができ、塵埃の除去効果が高められる。逆に、凹溝216に形成する切欠部218は、通気孔217よりも少ない数でもよく、この場合空気の吹き出す力が大きくなるので付着力の強い塵埃でも取り除くことが可能になる。
【0023】
実施例1では、本発明の最前レンズに相当する第1レンズを光軸方向に移動させているが、第1レンズは固定で第2レンズを移動させる構成のレンズ鏡筒についても同様に適用することができる。また、1つ或いは1群以上のレンズを備えるレンズ鏡筒であって、いずれかのレンズを光軸方向に移動させることによってレンズ鏡筒内の容積が変化する際の負荷を軽減するための通気孔をレンズ鏡筒の前面に備えるレンズ鏡筒であれば本発明を同様に適用することができる。
【0024】
実施例1では第1レンズがフォーカス調整用のレンズのレンズ鏡筒であるが、ズーミング調整用のレンズとして構成されたレンズ鏡筒についても本発明を同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1のレンズ鏡筒の一部の断面図である。
【図2】実施例1の要部の概略構成を示す分解斜視図である。
【図3】第1レンズ枠の要部の破断斜視図である。
【図4】レンズを移動した状態の図1と同様の断面図である。
【図5】化粧環の変形例の要部の断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 固定環
3 フォーカムカム環
4 フォーカス操作環
5 レンズ押え環(空気整流手段)
6 防水通気板
7 化粧環(空気整流手段)
11 外環
12 内環
21 第1レンズ枠
22 第2レンズ枠
31 カム溝
121 直進溝
212 ローラ
216 凹溝
217 通気孔
218 切欠部
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸方向に移動可能なレンズを備えるレンズ鏡筒であって、被写体側に位置する最前レンズを保持するレンズ保持部材にレンズ鏡筒の内外を連通する光軸方向の通気孔を備え、前記通気孔の前側開口に対向する位置に前記通気孔を通してレンズ鏡筒の内部から外部に通流する空気を前記最前レンズの前面に向けて導く空気整流手段を備えることを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項2】
前記空気整流手段は前記最前レンズの前面に対して光軸方向に傾斜した方向に空気を導く構成であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項3】
前記通気孔には空気は通過するが水分の通過を阻止する防水通気材を配設していることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
前記通気孔は前記最前レンズの周囲位置に配設され、前記空気整流手段は前記最前レンズの周縁部に沿って延設される環状部材で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
【請求項5】
前記通気孔は円周方向の少なくとも1箇所に開口され、前記保持部材には前記通気孔に連通して光軸方向に凹設され、円周方向に延長される凹溝と、前記凹溝の内径側の円周方向の複数箇所に設けられて当該凹溝内部につながる切欠部とを備え、前記空気整流手段は前記凹溝及び前記切欠部の前面側を覆う位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のレンズ鏡筒。
【請求項6】
前記空気整流手段はレンズ鏡筒の前面の少なくとも一部を覆い隠すための化粧環で構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
【請求項7】
前記最前レンズの周縁部を前記レンズ保持部材に保持させるためのレンズ押え環を備えており、このレンズ押え環と前記化粧環との間に前記最前レンズの前面に向けて方向付けられた微小な空隙を構成していることを特徴とする請求項6に記載のレンズ鏡筒。
【請求項8】
前記最前レンズが光軸方向に移動可能であり、前記最前レンズを保持するレンズ保持部材に通気孔が開口されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
【請求項9】
前記最前レンズはフォーカス調整レンズ又はズーミング調整レンズであることを特徴とする請求項8に記載のレンズ鏡筒。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−151820(P2008−151820A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−336538(P2006−336538)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】