説明

レンチキュラーレンズ付き印刷物、印刷物の製造方法

【課題】 既製のレンチキュラーレンズ板を用いずに、印刷工程のみで製造できる立体画像または形状変化画像のレンチキュラーレンズ付き印刷物と製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明のレンチキュラーレンズ付き印刷物1pは、印刷物の面の一部に、レンチキュラーレンズを用いた立体画像2または形状変化画像3を有する印刷物であって、当該レンチキュラーレンズが、シルクスクリーン印刷インキの印刷によって当該立体画像用絵柄または形状変化画像用絵柄の上に形成されたものであることを特徴とする。
立体画像用絵柄または形状変化画像用絵柄は、オフセット印刷であって、その印刷面に形成するレンチキュラーレンズは当該絵柄のピッチとレンチキュラーレンズのピッチが合致するように位置合わせして印刷した透明な紫外線硬化型シルクスクリーンインキの硬化物からなるレンズとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はレンチキュラーレンズ付き印刷物と当該印刷物の製造方法に関する。このような印刷物は立体画像または形状変化画像が部分的に形成されているので、観る者の注目を集め易く、ポスター等に使用して宣伝効果の高いものとなる。
また、絵本や雑誌、包装容器等に用いても利用価値の高いものとなる。したがって、本発明の利用分野は書籍や雑誌、ポスター等の製造、加工、出版の分野、あるいは包装や流通の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、立体画像を得るものとして、レンチキュラーレンズを用いた立体画像印刷物は良く知られている。これは、図6のように、二次元の左目用絵柄2Glおよび右目用絵柄2Grをレンチキュラーレンズ5のレンズピッチに合わせて交互にストライプ状に配置した立体画像用絵柄2Gを、レンチキュラーレンズ5の裏面に積層したものである。
一般に二次元画像から立体画像を得るには、ある定位置から見た右目用および左目用の画像が一組必要であり、レンチキュラーレンズによる立体画像印刷物でも、一組の左目用絵柄2Glおよび右目用絵柄2Grを帯状にレンチキュラーレンズ5のレンズピッチの1ピッチを2分するように分配して配置したものを用いる。また、視点の位置を左または右方向に移動させた時にまわりこんだ立体画像がみられるようにするには、左目用絵柄2Glおよび右目用絵柄2Grを、それぞれさらに細分して、異なる視点からの画像を帯状に配置すればよい。
【0003】
形状変化画像は、見る方向によって形状が2種以上に変化する画像であって、同様に帯状に細分化された画像がレンチキュラーレンズ板の下面に、レンチキュラーレンズのピッチに合致するように設けられている。このような立体画像または形状変化画像は、鑑賞媒体として葉書大からA4判程度の大きさのものに製造されるか、装飾媒体として比較的小サイズに形成されることが通常である。また、ポスターなどの大サイズの宣伝広告用印刷媒体の場合は、その一部に設けられるのが通常である。
それらの製造工程には、いずれの場合も特製したレンチキュラーレンズ板を、そのピッチがあらかじめレンズピッチに合致するように印刷した立体画像用絵柄または形状変化画像用絵柄に、位置合わせして貼り合わせする工程が含まれている。
【0004】
また、透明なプラスチック包装容器や透明カード体に同様に、立体画像または形状変化画像を設ける場合もあるが、その場合も透明プラスチック基材の表面または背面に印刷した立体画像用絵柄または形状変化画像用絵柄のピッチに合致するように、透明プラスチック基材表面にレンチキュラーレンズ板を貼り合わせして用いていた。あるいは、特殊な場合には、レンチキュラーレンズ板の裏面に直接絵柄を印刷する場合もあった。
このようなレンチキュラーレンズ板の従来例としては、レンズピッチが0.6mmで、レンズ板全体の厚みが、1.4mm程度のものが多用されている。
【0005】
例えば、特許文献1は、「立体・可変印刷物」、特許文献2は、「レンチキュラー印刷物」、特許文献3は、「立体用又は可変用印刷物」に関するが、いずれもレンチキュラーレンズシートを貼り合わせする工程が記載されている。特許文献4は、「立体又は可変印刷物の製造方法」について記載し、版胴とニップロールの間に電離放射線硬化型樹脂を供給してレンチキュラーレンズを形成した後、レンチキュラーレンズシートの非レンズ形成面に立体用又は可変用画像を印刷する製造方法を提案している。しかし、このような製造工程は、小ロットの印刷物には適合しないものである。
【0006】
【特許文献1】特許第3123527号公報
【特許文献2】特開平8−234335号公報
【特許文献3】特開平9−237055号公報
【特許文献4】特開2002−365405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のようなレンチキュラーレンズ板の貼り合わせは、レンズ板の製造や裁断、貼り合わせ工程等の工程を必然的に招来し印刷物をコスト高なものにしていた。特に、レンズ板の製造は、特別な材料や製造装置を必要とし、目的に合うレンズ板は、一般には容易に入手できないか入手しても高価なものとなっていた。また、レンチキュラーレンズ板の使用は自由な画像外形形状の制限を生じ、貼り合わせ精度の問題から立体画像または形状変化画像の品質にも影響する問題があった。
そこで、本発明は、簡易な工程で品質の高い立体画像または形状変化画像を有する印刷物を実現することを研究して本発明の完成に至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第1は、印刷物の面の一部に、レンチキュラーレンズを用いた立体画像または形状変化画像を有する印刷物であって、当該レンチキュラーレンズが、シルクスクリーン印刷インキの印刷によって当該立体画像用絵柄または形状変化画像用絵柄の上に形成されたものであることを特徴とするレンチキュラーレンズ付き印刷物、にある。
【0009】
本発明の要旨の第2は、印刷物の面の一部に、レンチキュラーレンズを用いた立体画像または形状変化画像を有する印刷物であって、当該レンチキュラーレンズが、印刷材料面に印刷したオフセット印刷による立体画像用絵柄または形状変化画像用絵柄の上に、当該絵柄のピッチとレンチキュラーレンズのピッチが合致するように位置合わせして印刷した紫外線硬化型シルクスクリーンインキの硬化物からなることを特徴とするレンチキュラーレンズ付き印刷物、にある。
【0010】
上記のレンチキュラーレンズ付き印刷物において、1のレンチキュラーレンズの曲面部分の高さが、レンチキュラーレンズ幅の8%〜15%であるようにすれば、立体画像の観察に好適である。また、立体画像または形状変化画像を有する印刷物の印刷材料は、白色の紙または合成紙とすることも透明なプラスチック材料とすることもできる。
また、立体画像または形状変化画像を有する印刷物の面に透明なプラスチックシートが接着され、当該プラスチックシート面にシルクスクリーン印刷によるレンチキュラーレンズが印刷されている、ようにすれば、レンズ層の印刷厚みに代替することができる。
また、立体画像用のレンチキュラーレンズが印刷物を人間が観察する際の両眼を結ぶ線に直交する方向に長さ方向を有するものとし、形状変化画像用のレンチキュラーレンズが両眼を結ぶ線に平行する方向に長さ方向を有するものとすれば、垂直に吊るす等した印刷物を人間が起立して観察する際に、見やすい印刷物となる。
【0011】
本発明の要旨の第3は、印刷物の面の一部に、レンチキュラーレンズシートを用いた立体画像または形状変化画像を有する印刷物の製造方法であって、(1)印刷材料面に精細オフセット印刷により立体画像用または形状変化画像用絵柄を印刷する工程、(2)当該立体画像用または形状変化画像用絵柄印刷面に均一厚みのベース層を紫外線硬化型インキによるシルクスクリーン印刷を行う工程、(3)当該立体画像用または形状変化画像用絵柄のピッチとレンチキュラーレンズのピッチが合致するように位置合わせして紫外線硬化型インキによりレンチキュラーレンズの印刷をシルクスクリーン印刷により行う工程、とを有することを特徴とする印刷物の製造方法、にある。
【0012】
本発明の要旨の第4は、印刷物の面の一部に、レンチキュラーレンズシートを用いた立体画像と形状変化画像の双方を有する印刷物の製造方法であって、(1)印刷材料面に精細オフセット印刷により立体画像用と形状変化画像用絵柄の双方を印刷する工程、(2)当該立体画像用と形状変化画像用絵柄印刷面に均一厚みのベース層を紫外線硬化型インキによるシルクスクリーン印刷を行う工程、(3)当該立体画像用絵柄のピッチとレンチキュラーレンズのピッチが合致するように位置合わせして紫外線硬化型インキによりレンチキュラーレンズの印刷をシルクスクリーン印刷により行う工程、(4)当該形状変化画像用絵柄のピッチとレンチキュラーレンズのピッチが合致するように位置合わせし、かつ前記立体画像用絵柄のレンチキュラーレンズの方向と直交するようにして紫外線硬化型インキによりレンチキュラーレンズの印刷をシルクスクリーン印刷により行う工程、とを有することを特徴とする印刷物の製造方法、にある。
【0013】
上記印刷物の製造方法において、(2)の工程に替えて、当該立体画像用または形状変化画像用絵柄印刷面に均一厚みの透明プラスチックシートを接着する工程、を設ければ、シルクスクリーン印刷のベース層に代替できる。また、シルクスクリーン印刷版面におけるレンチキュラーレンズ印刷部の幅を、立体画像または形状変化画像のピッチの80%〜90%のピッチ幅とすれば、適切なレンチキュラーレンズの高さが得られる。
さらに、立体画像用のレンチキュラーレンズを印刷物を人間が観察する際の両眼を結ぶ線に直交する方向に長さ方向を有するように印刷し、形状変化画像用のレンチキュラーレンズを両眼を結ぶ線に平行する方向に長さ方向を有するように印刷すれば、双方の画像の観察を良好にできる。
【発明の効果】
【0014】
(1)本発明のレンチキュラーレンズ付き印刷物は、レンズシートが立体画像用絵柄または形状変化画像用絵柄の上にシルクスクリーン印刷により印刷して形成されているので、レンズシートの厚みを薄くし体裁のよい印刷物にすることができる。
(2)レンチキュラーレンズ自体をシルクスクリーン印刷で印刷できるので、レンチキュラーレンズの設計やレンズを設ける部分の外形を任意の形状にすることができる。
(3)ベース層、レンズ層共にシルクスクリーン印刷で行う場合には、完全スポット加工が可能となり、連続した工程で印刷物を製造できる。
(4)別途の工程によるレンチキュラーレンズシートの製造やレンズシートの裁断、貼り合わせ工程を必要としないので、印刷物の製造コストを低減できる。
(5)請求項5の発明のように、ベース層をプラスチックシートで代替する場合にも、全面にレンチキュラーレンズシートを貼着する場合に比較して、体裁がよく、かつコストを低減した印刷物にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明のレンチキュラーレンズ付き印刷物とその製造方法について説明する。図1は、レンチキュラーレンズ付き印刷物の例を示す図、図2は、立体画像印刷物の断面を示す図、図3は、レンチキュラーレンズ用パターンの例を示す図、図4は、立体画像の製版工程を説明する図、図5は、スクリーン印刷版製版工程を説明する図、である。
【0016】
レンチキュラーレンズ付き印刷物は各種の用途に用いられるが、例えば図1のように、ポスター1pの形態にすることができる。図1の場合、立体画像2と形状変化画像3部分がポスター1pの通常の印刷絵柄4中に形成されている。
通常の印刷絵柄4は、立体画像用絵柄または形状変化用絵柄と共にオフセット印刷されるが、少なくとも立体画像用または形状変化画像用絵柄部分は、精細または高精細なオフセット印刷、特には後述するFMスクリーン印刷を用いるのが好ましい。高精細な場合、スクリーン線数では、300線以上のものとなる。
【0017】
紙に印刷する場合、レンチキュラーレンズの長さ方向は紙の流れ方向(抄紙方向)に直交する方向に形成するのが好ましく、立体画像用絵柄もその方向に一致するように印刷する。紙の流れ方向(抄紙方向)に直交する幅方向はオフセット印刷による吸湿により伸縮を生じ易くレンズピッチと絵柄が一致し難くなるからである。合成紙の場合は伸縮は生じない。紙でもドライオフセットの場合は伸縮の影響は少ない。したがって、縦横双方向のレンチキュラーレンズが用いられる場合は、合成紙を用いるのが好ましい。
【0018】
立体画像2部分は、図中の破線で示すようにレンチキュラーレンズの方向が、印刷物を人間が観察する際の両眼を結ぶ線に直交する方向に長さ方向を有するように配置する。
すなわち、図1のポスター1pにおいて、上辺Uと下辺Dが垂直になるように吊るした場合は、立体画像2部分のレンチキュラーレンズ5は鉛直方向に長さ方向を有することになる。立体画像2は人間が起立して観察した際に、両眼の視差により立体視できるように印刷されているからである。印刷物を平面に置いて観察する場合は、印刷物の遠方側から手前に向けてレンチキュラーレンズが長さ方向を持つべきことは容易に類推できる。
【0019】
一方、形状変化画像3部分は、左右両眼の視差により立体視するものではなく、両眼の視角により異なる画像が現れる印刷物であって、視角の変化により1の画像と異なる画像(隠し画像ともいう。)が現れるものをいう。この場合は、一定の視角で左右両眼に対して同一に出現する画像が求められる。拡大率の高い精密レンズの場合は、数種の隠し画像を持ち得るが、本発明の場合は、2〜3の形状変化画像に限定される。形状変化画像3部分のレンチキュラーレンズは両眼を結ぶ線に平行する方向に長さ方向を有するように配置される。すなわち、上記のようにポスター1pを上辺Uと下辺Dが垂直になるように吊るした場合は、形状変化画像3部分のレンチキュラーレンズは水平方向に長さ方向を有することになる。もっとも、印刷物1が鉛直に吊るす用途に限られず、各種の状態で観察される場合は、特にこのような条件を考慮しなくてもよい。
【0020】
図1において、略円形で示した枠C内にはレンチキュラーレンズ5が垂直に配列している。ポスター1pを観察する際に、両眼をポスター1pのほぼ中心に置いた場合は、ビール缶の立体画像2は枠Cの中央にみえるが、両眼を左右に動かした場合は立体画像2も左右に移動する。絵柄が動けるように、立体画像用絵柄とレンチキュラーレンズは幅広に設けられている。すなわち、レンチキュラーレンズは実際のビール缶の絵柄の実像幅よりは左右に広く設けている。枠Cは便宜的に円形に描いているが、実際は左右に広い形状になる。形状変化画像3の場合も同様であるが、図1の場合、上下方向に広がっている。
【0021】
図2は、印刷物の断面を示す図であって、用紙10の上にレンチキュラーレンズ付き印刷物を形成した場合のレンチキュラーレンズ5の長さ方向に直交する断面が図示されている。印刷物1は白色等の用紙10の上に立体画像用絵柄2Gが印刷されている。立体画像用絵柄2Gは、レンチキュラーレンズ5のピッチpに合致するように印刷される。
両眼の視差により立体感を生じるように、右目用絵柄2Grと左目用絵柄2Glとが1のレンズピッチ内に並列して印刷されている。右目用絵柄2Grは右目用原稿の幅を圧縮し、左目用絵柄2Glは左目用原稿の幅を圧縮し、それぞれを分断して得られたものである。レンズ5Lを透して観察した場合は、右目では右目用絵柄2Grが、レンズピッチpとほぼ一致する程度に拡大して観察される。左側も同様である。視角により連続した絵柄変化が生じるようにするにはさらに細分化された絵柄が1ピッチ内に設けられる。
形状変化画像用絵柄3Gの場合も同様であるが、視角によって1の視角からは、例えばAの絵柄、他の視角からはBの絵柄が観察できるようにされている。
【0022】
立体画像用絵柄2Gの面上には、レンチキュラーレンズ5の層が設けられるが、ベース層5bを介してレンズ層5aを設ける。あるいは、ベース層5bを印刷して設ける代わりに、適宜な厚みの透明プラスチックシートを立体画像の外形形状に裁断して、あるいは全面に立体画像用絵柄2G面に接着するものであってもよい。
ベース層または透明シートの厚みは、レンズピッチの1.5〜2.5倍(約2倍)程度の厚みがあることが好ましい。ベース層が薄いと同一レンズピッチ内絵柄からの反射が得られないからである。当該ベース層5bは、レンズ層5aと同質の材料を用いてもよいが、レンズ層部分よりは屈折率の高い材料を用いれば厚みを薄くできる。入射光Iの屈折効率を高め、薄層であっても同一ピッチ内の絵柄から反射を生じさせられるからである。
【0023】
ベース層5bの上面に、レンズ層5aの印刷を行う。この工程もシルクスクリーン印刷により行う。シルクスクリーン印刷の版面上のレンズ幅は、インキが転移し乾燥または硬化した際のレンズ幅よりは狭い幅にする。印刷直後はインキは多少流動性を有するので、流動して隣接するレンズ間の間隙が塞がれるからである。当初からレンズピッチpで印刷すれば平面な印刷になってしまう。必要なレンズピッチpに対する版面でのレンズ印刷幅の比は、後述のように80%〜90%程度であるが、印刷条件を考慮して適切な数値を見だす必要がある。また、レンチキュラーレンズのレンズ5の断面において、ベース層上であって曲面を有する部分の高さh(図2)は、ピッチpの8%〜15%程度にすれば、立体画像または形状変化画像の再現のためには好適である。
【0024】
本発明の印刷物は以上のように、レンチキュラーレンズ5自体、あるいはレンズ層5aをシルクスクリーン印刷で印刷して形成できるので、レンズを設ける部分の外形を、例えば、図1においてビール缶の外観形状にするように、任意の形状にすることができ、従来のようにレンチキュラーレンズシートの裁断のような工程を必要としない。また、ベース層、レンズ層共にシルクスクリーン印刷で行うことにより、完全スポット(部分)加工が可能となる。
【0025】
<使用材料の実施形態について>
印刷材料としては、通常の出版印刷に用いられる各種の用紙であって表面性状の優れたものが用いられる。例えば、ミラーコート紙、コート紙、上質紙等であるが、包装材料に用いられるカートン用紙や板紙であってもよい。また、合成紙(商品名として、「ユポ(商標)」「ピーチコート(商標)」等)であってもよい。透明プラスチックシート材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、等を用いることができる。
【0026】
次に、レンチキュラーレンズレンズ付き印刷物の製造方法について説明する。
本発明の印刷物の全製造工程は、(1)通常の印刷絵柄、立体画像、形状変化画像の印刷、(2)レンチキュラーレンズのベース層のシルクスクリーン印刷、(3)レンズ層のシルクスクリーン印刷、の工程で行われる。ただし、ベース層のシルクスクリーン印刷は、透明プラスチックシートを接着する場合は省略できる。また、立体画像と形状変化画像の双方の絵柄を有する場合、レンズ層の印刷は、2回の工程で行うことが好ましい。
【0027】
(1)立体画像の製版・印刷工程
図4のように、2次元の右目用原稿2GOrおよび左目用原稿2GOlを元にして、レンチキュラーレンズのレンズピッチに合わせて交互にストライプ状に配置した立体画像用帯状画像2GSr,2GSlを準備する。一般に二次元画像から立体画像を得るには、最低限、ある位置から見た右目用原稿と左目用原稿が一組必要であり、通常レンズピッチの1ピッチを2分するように、右目用原稿2GOrおよび左目用原稿2GOlを分配して配置する(図4(a))。
視点の位置を左または右方向に移動させた時に回りこんだ立体画像が見られるようにするには、右目用原稿および左目用原稿を、それぞれさらに細分して、異なる視点からの絵柄を帯状に配置する必要がある。
【0028】
立体画像用絵柄の印刷は、高精細のオフセット印刷で行うのが好ましい。通常のオフセット印刷では、画像の濃度階調表現は網点の大小によって表現するが、立体画像印刷物ではこの網点によってモアレが発生し易い。すなわち、網点は、ドットとドットの間隔が一定で規則的に配置され、その配置の規則性のゆえに複数の網点を重ね合わせたときにモアレが発生し易いからである。したがって、従来より通常のカラー印刷でも、カラー原稿を色分解して色分解版とし、次いで各色分解版を網点分解して網点面積の大小による網点階調の網点画像とする際に、各色毎の網目スクリーンの角度をずらすことで、モアレの発生を極力小さくするようにしている。
【0029】
しかし、レンチキュラーレンズを使用する立体画像印刷においては、断面がかまぼこ状のレンズが一定ピッチで二次元配列しているため、さらにモアレが発生し易く、網目スクリーン角度の設定が一層難しくなる問題がある。
また、立体画像印刷では、複数の視差を持った画像を圧縮して一枚の画像サイズにする必要があり、通常の印刷物と同一線数の網目スクリーンを用いても、立体画像印刷物では解像度が落ちてしまう。すなわち、1/2に圧縮するならば(図4(b))、使用する網目スクリーンの線数を2倍のものを使用した場合に、通常印刷物と同じ解像度となる。
【0030】
前記のように、右目用原稿と左目用原稿を、それぞれを分断し(図4(c))、さらに1レンズピッチ毎に、右目用帯状画像2GSrと左目用帯状画像2GSlを組み合わせし、全体を交互に配列して連結し、一つの立体視用画像となる(図4(d))。
ここまでの画像処理は連続階調に対する処理である。次に、立体視用画像を印刷原版として作成する際には、FM(周波数変調)スクリーニング法を用いるのが好ましい。
【0031】
FMスクリーニング法は、画像の濃淡を網点の大小で表現するのではなく、1〜50μm程度の一定の大きさを有する網点の密度の粗蜜で表現するものである。すなわち、高濃度領域では、網点が重なり合うか接近するため高濃度となり、明るい領域では網点が粗になるので、低濃度となるものである。このFMスクリーニング法による印刷物は網点の位置に規則性が無いので、モアレが発生し難い利点がある。
FMスクリーニング法の詳細については、例えば、大友誠「各社FM法の特徴と今後」(株式会社印刷出版研究所発行、印刷情報「54巻4号、4〜10頁、1994年」)等に報告され、特開平9−61950号公報等にも記載されている。
【0032】
(2)スクリーン印刷版の準備
スクリーン印刷版は感光材料を塗工したスクリーン生地を使用する。レンズ層印刷版用スクリーン生地はメッシュ数が、300から450程度であって厚みの薄手のものを使用する。ベース層印刷版はもっと粗いものでよい。スクリーン生地材料は通常ポリエステルやナイロン、あるいはステンレス材料が用いられるが、いずれであっても構わない。
この生地の上に、図3のようなライン−アンド−スペースからなるパターンのポジフィルム6を密着して露光し、その後現像することにより所定ピッチで所定開口幅を有するスクリーン印刷版が得られる。スクリーン生地の縦横のメッシュのいずれかの方向がレンチキュラーレンズの長さ方向に一致するようにする。
【0033】
スクリーン印刷版の開口の繰り返しピッチpは、0.25〜1.5mm程度にするのが好ましい。0.3mmピッチの場合は、その20%が遮蔽部、80%が開口部とした場合に好結果が得られ、ピッチが大きくなる場合は遮蔽部比率は漸減させ、1.5mmピッチの場合は、その10%が遮蔽部、90%が開口部とした場合に好結果が得られることが確認されている。上記の中間のピッチの場合であっても80〜90%が適切な範囲と考えられる。ポジフィルムのパターンが、ほぼそのままスクリーン印刷版のパターンに再現されるので、ポジフィルム6も同一の基準で作製すればよい。
ポジフィルムが、図3のように、スクリーン版の開口部が遮光部(黒色)である場合には、感光性スクリーン材料はネガ型の材料を用いる。
【0034】
図5は、スクリーン印刷版製版工程を説明する図であって、図5(a)は、ポジフィルム6をスクリーン生地7に露光する状態、図5(b)は、露光、現像後の印刷スクリーン版7を示す図である。図中、7mはスクリーンメッシュを意味する。
レンチキュラーレンズ5のレンズ層5aに厚みを持たせるためには、図5のように、感光性スクリーン生地7の背面(ポジフィルム6を密着する側とは反対側の面)に、均一な厚みの密着性感光フィルム(スクリーンメッシュが入っていない材料)8を抱き合わせて(重ねて)露光し製版するのが好ましい。感光性スクリーン生地7と感光フィルム8は同種の感光材料のものを使用する。これにより、スクリーン生地7の背面に感光フィルム8の厚みに相当するスクリーンインキ保持層が密着して形成され、インキの転移量を増大させることができる。
【0035】
(3)レンチキュラーレンズの印刷
レンチキュラーレンズ5のシルクスクリーン印刷には、紫外線硬化型のインキを好ましく使用できる。印刷後、短時間に硬化させるためである。透明性のある材料が望まれるので、インキといっても着色料を含まない無色透明なものを使用する。
ベース層5bは、レンチキュラーレンズを設ける部分の外形に合わせて均一な厚みの層を印刷する。この印刷版にはレンズパターンを設けないものを使用する。当該インキは、レンズ層のインキと同質のものでよく、あるいはより屈折率の高い樹脂からなるインキであればさらに好ましい。
【0036】
レンチキュラーレンズのレンズ層5aの印刷は、スクリーン版のレンチキュラーレンズ5の長さ方向にスキージーが走行するように版を取り付けする。従って、立体画像と形状変化画像用のレンチキュラーレンズは同時の工程で印刷することはできず、双方のレンチキュラーレンズを設ける場合は、それぞれの版を製造し、別の工程で片方のレンチキュラーレンズを印刷した後、紫外線硬化させた後、印刷紙の方向を90度回転してから他方のレンチキュラーレンズを印刷する必要が生じる。双方のレンチキュラーレンズ5を一度に印刷すると、スキージーの走行方向に直交するレンチキュラーレンズは良好な形状に印刷できないからである。
【0037】
印刷後は、印刷面のインキが多少流動するので、レンズ間の間隙が狭まるか接触して隙間が塞がれる。多少隙間が残ってもよい。ただし、インキの粘度を余り小さくすると平坦なレンズ面になってしまうので、適当なインキ粘度を保持するように調整する必要がある。印刷後は、UVライトを照射してレンチキュラーレンズを硬化させる。これにより、レンチキュラーレンズ付き印刷物1が完成する。
【実施例1】
【0038】
以下、図1、図2、図3、図5等を参照して本発明の実施例を説明するが、各図に対応する符号には、同一符号を付して説明している。
印刷材料10に、オフセット印刷用紙[王子製紙株式会社製「OKスーパーポスト紙」(180kg/46判)]を使用し、その面に高精細オフセット印刷(FMスクリーン印刷)により、通常の印刷絵柄4と当該絵柄4中に組み込みした立体画像2用絵柄を有する中吊り広告用ポスター1pを印刷した。立体画像2用絵柄はビール缶の絵柄であり、右目用絵柄2Grと左目用絵柄2Glを1のレンズピッチ内に配分されて印刷されるようにした。なお、印刷インキにはオフセット印刷用枚葉インキ[ザ・インクテック株式会社製「エイクロス」]を使用した。
【0039】
レンチキュラーレンズ用のポジフィルム6としては、図3のように、ライン−アンド−スペースからなるストライプ状パターンを用いた。遮光部dの幅を200μm、透明部tの幅を50μmとし、繰り返しピッチpが、250μmになるようにした。
レンチキュラーレンズ印刷用スクリーン版には、メッシュ数420の感光性スクリーン生地(厚み;60μm)を使用し、その一方側面に、厚み20μmの密着性感光フィルム8を密着した状態で、感光フィルム8とは反対側面のスクリーン生地7面に、上記ポジフィルム6を密着して露光した(図5参照)。その後、水現像して乾燥し、レンズ層印刷用スクリーン版が完成した。
【0040】
レンチキュラーレンズのベース層5b印刷のためのスクリーン版は、メッシュ数80の感光性スクリーン生地(厚み;170μm)を使用して同様に製版したが、ポジフィルム6にはレンズ部分の外形形状のみを設けた。なお、厚み30μmの密着性感光フィルム8を密着した状態にして同様に使用した。
【0041】
ベース層5bの印刷には、透明なポリエステル樹脂系紫外線硬化型シルクスクリーンインキ(十条ケミカル株式会社製「4100RLB」)を使用し、上記ベース層5b印刷用スクリーン版を用いて3回刷りし、硬化後に均一な350μmの厚みになるようにした。 次に、ベース層5bの面上であって、立体画像2用絵柄の上に、上記レンズ層5a印刷用スクリーン版を用いて、透明なポリエステル樹脂系紫外線硬化型シルクスクリーンインキ(十条ケミカル株式会社製「4100RLB」)によりレンズ層5aの硬化後の高さhが30μmになるように印刷した。
レンズ断面において曲面を有する部分の高さhは、いずれも30μmであり、レンズピッチpが、250μmであるので、レンズピッチpに対する高さhの比率は、12.0%となる。
【実施例2】
【0042】
印刷材料にポリスチレンベースの合成紙[日清紡績株式会社製「ピーチコートWG−220」(180kg/46判)]を使用し、その面に高精細オフセット印刷(FMスクリーン印刷)により、図1のように、通常の印刷絵柄4と当該絵柄4中に組み込みした立体画像2用絵柄と形状変化画像3用絵柄を有する屋外広告用ポスター1pを印刷した。
立体画像2用絵柄はビール缶の絵柄であり、右目用絵柄2Grと左目用絵柄2Glを1のレンズピッチ内に配分されて印刷されるようにした。形状変化画像3用絵柄には、「新発売」と「ABCビールの銘柄」の文字が視角により交互に現れる絵柄とした。
印刷インキには、紫外線硬化型オフセット枚葉インキ[ザ・インクテック株式会社製「UVカード」]を使用した。
【0043】
レンチキュラーレンズ用のポジフィルム6としては、図3のように、ライン−アンド−スペースからなるストライプ状パターンを用いた。遮光部dの幅を425μm、透明部tの幅を75μmとし、繰り返しピッチpが、500μmになるようにした。
レンチキュラーレンズ印刷用スクリーン版(立体画像用と形状変化画像用の2版)には、メッシュ数380の感光性スクリーン生地(厚み;64μm)を使用し、その一方側面に、厚み40μmの密着性感光フィルム8を密着した状態で、感光フィルム8とは反対側面のスクリーン生地7面に、上記ポジフィルム6を密着して露光した(図5参照)。その後、水現像して乾燥し、レンズ層印刷用スクリーン版が完成した。
【0044】
ベース層5bとして、厚み1000μmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)シートを使用し、前記合成紙の用紙全面に透明接着剤で接着した。次に、ベース層5bの面上であって、立体画像用絵柄2Gと形状変化画像用絵柄3Gの上に位置合わせして、透明なポリエステル樹脂系紫外線硬化型シルクスクリーンインキ(十条ケミカル株式会社製「4100RLB」)によりレンズ層5aの印刷を2回の工程で(印刷方向を変えて)印刷した。レンズ層5aは、硬化後のレンズ高さhが、50μmの厚みでインキが転移した。レンズピッチpが、500μmであるので、レンズピッチpに対するレンズ高さhの比率は、10.0%となる。
【0045】
実施例1のレンチキュラーレンズ付き印刷物1は、立体画像2を良好に観察でき、吊り下げ広告用として好適な印刷物であった。
実施例2のレンチキュラーレンズ付き印刷物1は、立体画像2と形状変化画像3を明瞭に観察でき、屋外広告用ポスターとして好適な印刷物であった。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上の説明においては、ポスター等の表示用印刷物について主として説明しているが、各種包装用紙カートン、プラスチック基材包装材料の印刷物にも好適に利用できるものであって、これらが本発明範囲から除外されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】レンチキュラーレンズ付き印刷物の例を示す図である。
【図2】立体画像印刷物の断面を示す図である。
【図3】レンチキュラーレンズ用パターンの例を示す図である。
【図4】立体画像の製版工程を説明する図である。
【図5】スクリーン印刷版製版工程を説明する図である。
【図6】従来のレンチキュラーレンズ付き印刷物の例を説明する図である。
【符号の説明】
【0048】
1 印刷物
1p ポスター
2 立体画像
3 形状変化画像
4 通常の印刷絵柄
5 レンチキュラーレンズ
5a レンズ層
5b ベース層
6 ポジフィルム
7 スクリーン版、スクリーン生地
8 感光フィルム
10 印刷材料、用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物の面の一部に、レンチキュラーレンズを用いた立体画像または形状変化画像を有する印刷物であって、当該レンチキュラーレンズが、シルクスクリーン印刷インキの印刷によって当該立体画像用絵柄または形状変化画像用絵柄の上に形成されたものであることを特徴とするレンチキュラーレンズ付き印刷物。
【請求項2】
印刷物の面の一部に、レンチキュラーレンズを用いた立体画像または形状変化画像を有する印刷物であって、当該レンチキュラーレンズが、印刷材料面に印刷したオフセット印刷による立体画像用絵柄または形状変化画像用絵柄の上に、当該絵柄のピッチとレンチキュラーレンズのピッチが合致するように位置合わせして印刷した紫外線硬化型シルクスクリーンインキの硬化物からなることを特徴とするレンチキュラーレンズ付き印刷物。
【請求項3】
1のレンチキュラーレンズの曲面部分の高さが、レンチキュラーレンズピッチ幅の8%〜15%であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレンチキュラーレンズ付き印刷物。
【請求項4】
立体画像または形状変化画像を有する印刷物の印刷材料が白色の紙または合成紙であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレンチキュラーレンズ付き印刷物。
【請求項5】
立体画像または形状変化画像を有する印刷物の面に透明なプラスチックシートが接着され、当該プラスチックシート面にシルクスクリーン印刷によるレンチキュラーレンズが印刷されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレンチキュラーレンズ付き印刷物。
【請求項6】
立体画像用のレンチキュラーレンズが印刷物を人間が観察する際の両眼を結ぶ線に直交する方向に長さ方向を有するものであり、形状変化画像用のレンチキュラーレンズが両眼を結ぶ線に平行する方向に長さ方向を有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレンチキュラーレンズ付き印刷物。
【請求項7】
印刷物の面の一部に、レンチキュラーレンズシートを用いた立体画像または形状変化画像を有する印刷物の製造方法であって、(1)印刷材料面に精細オフセット印刷により立体画像用または形状変化画像用絵柄を印刷する工程、(2)当該立体画像用または形状変化画像用絵柄印刷面に均一厚みのベース層を紫外線硬化型インキによるシルクスクリーン印刷を行う工程、(3)当該立体画像用または形状変化画像用絵柄のピッチとレンチキュラーレンズのピッチが合致するように位置合わせして紫外線硬化型インキによりレンチキュラーレンズの印刷をシルクスクリーン印刷により行う工程、とを有することを特徴とする印刷物の製造方法。
【請求項8】
印刷物の面の一部に、レンチキュラーレンズシートを用いた立体画像と形状変化画像の双方を有する印刷物の製造方法であって、(1)印刷材料面に精細オフセット印刷により立体画像用と形状変化画像用絵柄の双方を印刷する工程、(2)当該立体画像用と形状変化画像用絵柄印刷面に均一厚みのベース層を紫外線硬化型インキによるシルクスクリーン印刷を行う工程、(3)当該立体画像用絵柄のピッチとレンチキュラーレンズのピッチが合致するように位置合わせして紫外線硬化型インキによりレンチキュラーレンズの印刷をシルクスクリーン印刷により行う工程、(4)当該形状変化画像用絵柄のピッチとレンチキュラーレンズのピッチが合致するように位置合わせし、かつ前記立体画像用絵柄のレンチキュラーレンズの方向と直交するようにして紫外線硬化型インキによりレンチキュラーレンズの印刷をシルクスクリーン印刷により行う工程、とを有することを特徴とする印刷物の製造方法。
【請求項9】
前記印刷物の製造方法における(2)の工程に替えて、当該立体画像用または形状変化画像用絵柄印刷面に均一厚みの透明プラスチックシートを接着する工程、を設けることを特徴とする請求項7または請求項8記載の印刷物の製造方法。
【請求項10】
シルクスクリーン印刷版面におけるレンチキュラーレンズ印刷部の幅を、立体画像または形状変化画像のピッチの80%〜90%のピッチ幅とすることを特徴とする請求項7または請求項8記載の印刷物の製造方法。
【請求項11】
立体画像用のレンチキュラーレンズを印刷物を人間が観察する際の両眼を結ぶ線に直交する方向に長さ方向を有するように印刷し、形状変化画像用のレンチキュラーレンズを両眼を結ぶ線に平行する方向に長さ方向を有するように印刷することを特徴とする請求項7または請求項8記載の印刷物の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−1153(P2006−1153A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180527(P2004−180527)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】