説明

レーザアブレーション装置

【課題】 ターゲットから発生した活性粒子を効率良く前駆体に到達させることができるレーザアブレーション装置を提供する。
【解決手段】 レーザアブレーション装置1では、活性粒子Aを進入させる粒子進入口11が設けられた包囲部材8が、チャンバ2内において前駆体P、支持台6及びヒータ7を包囲している。これにより、ターゲットTから発生した活性粒子Aがチャンバ2の内面に付着しても、その粒子が、ヒータ7の熱や、加熱された前駆体P及び支持台6からの輻射熱によって、再蒸発することが抑制される。さらに、当該熱によってターゲットTが蒸発することも抑制される。そして、再蒸発によって不活性粒子が発生したとしても、包囲部材8によって遮られて、その不活性粒子が前駆体Pに到達し難くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザアブレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザアブレーション装置として、レーザ光をターゲットに照射することにより、ターゲットから活性粒子を発生させ、活性粒子を基板等の前駆体に付着させるものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−293960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したようなレーザアブレーション装置にあっては、ターゲットから発生した活性粒子が前駆体に到達せず、ターゲット及び前駆体を収容する筐体の内面に付着する場合がある。筐体の内面に活性粒子が付着すると、その粒子は、前駆体を加熱するためのヒータの熱によって再蒸発し、不活性粒子として浮遊する。これにより、ターゲットから発生した活性粒子が不活性粒子に衝突してエネルギーを失ったり(すなわち、不活性粒子になったり)、粒子同士が結合して不活性な分子になったりするなど、活性粒子の前駆体への到達が阻害されるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、ターゲットから発生した活性粒子を効率良く前駆体に到達させることができるレーザアブレーション装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のレーザアブレーション装置は、レーザ光をターゲットに照射することにより、ターゲットから活性粒子を発生させ、活性粒子を前駆体に付着させるレーザアブレーション装置であって、レーザ光を進入させる光進入口が設けられ、ターゲット及び前駆体を収容する筐体と、筐体内においてターゲットを支持する第1の支持部材と、筐体内において第1の支持部材に対向した状態で前駆体を支持する第2の支持部材と、第2の支持部材に支持された前駆体を加熱する第1の加熱手段と、活性粒子を進入させる粒子進入口が設けられ、筐体内において前駆体及び第2の支持部材を包囲する包囲部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このレーザアブレーション装置では、活性粒子を進入させる粒子進入口が設けられた包囲部材が、筐体内において前駆体及び第2の支持部材を包囲している。これにより、ターゲットから発生した活性粒子が筐体の内面に付着しても、その粒子が、加熱された前駆体からの輻射熱によって再蒸発することが抑制される。さらに、当該熱によってターゲットが蒸発することも抑制される。そして、再蒸発によって不活性粒子が発生したとしても、その不活性粒子が前駆体に到達し難くなる。よって、このレーザアブレーション装置によれば、ターゲットから発生した活性粒子を効率良く前駆体に到達させることができる。
【0008】
ここで、包囲部材は、筐体に熱的に接続されていることが好ましい。この構成によれば、包囲部材から筐体に熱が逃がされるので、包囲部材の内面に付着した粒子が再蒸発するのを抑制することができる。
【0009】
また、本発明のレーザアブレーション装置は、包囲部材を冷却する第1の冷却手段をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、包囲部材が積極的に冷却されるので、包囲部材の内面に付着した粒子が再蒸発するのをより確実に抑制することができる。
【0010】
また、本発明のレーザアブレーション装置は、一端が光進入口に接続されかつ他端が筐体外に位置した状態で筐体に取り付けられ、他端から一端に向かってレーザ光を通過させる光通路と、光通路の内面に形成された複数の突起と、突起を冷却する第2の冷却手段と、他端を塞ぐ光透過部材と、光通路の外側から光透過部材を加熱する第2の加熱手段と、をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、光進入口を介して光通路内に進入した活性粒子や不活性粒子が、冷却された突起によってトラップされるので、活性粒子や不活性粒子が光透過部材に到達し難くなる。そして、活性粒子や不活性粒子が光透過部材に到達したとしても、光透過部材が光通路の外側から加熱されるので、活性粒子や不活性粒子が再蒸発させられる。従って、活性粒子や不活性粒子が光透過部材に付着してレーザ光の透過を妨げるのを防止することができる。
【0011】
また、本発明のレーザアブレーション装置は、ターゲットがセレンからなる場合に特に有効である。セレンは蒸気圧が高く、反応性が低いものの、レーザアブレーションによって蒸発させ、活性化することができる。そして、蒸発して活性化されたセレン粒子を活性粒子として効率良く前駆体に到達させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ターゲットから発生した活性粒子を効率良く前駆体に到達させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態のレーザアブレーション装置の断面図である。
【図2】実施例のレーザアブレーション装置によって光吸収層が形成されるまでの各工程を示す断面図である。
【図3】実施例のレーザアブレーション装置によって形成された光吸収層をX線回折装置で分析した結果を示すグラフである。
【図4】比較例のレーザアブレーション装置の断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態のレーザアブレーション装置の断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態のレーザアブレーション装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1に示されるように、レーザアブレーション装置1は、レーザ光LをターゲットTに照射することにより、蒸発によってターゲットTから活性粒子Aを発生させ、活性粒子Aを前駆体Pに付着させる装置である。ここでは、ターゲットTはセレン(Se)からなり、活性粒子Aは活性化されたセレン粒子である。また、前駆体Pは、青板ガラス基板上に積層された銅(Cu)−ガリウム(Ga)層及びインジウム(In)層である。つまり、レーザアブレーション装置1においては、前駆体Pと活性粒子Aとが反応して、光吸収層であるCIGS(Cu−In−Ga−Se)層が形成される。
【0016】
レーザアブレーション装置1は、ターゲットT及び前駆体Pを収容するチャンバ(筐体)2を備えている。チャンバ2は、例えばステンレス(SUS304)からなり、軸線ALを中心線とする円筒状に形成されている。チャンバ2の側壁2aには、レーザ光Lを進入させる光進入口3が設けられている。チャンバ2の下壁2bには、チャンバ2内を真空引きするための排気口4が設けられている。
【0017】
チャンバ2内における下壁2b側の領域には、ターゲットTを支持する支持台(第1の支持部材)5が設置されている。支持台5は、軸線ALを中心線として回転するように構成されている。チャンバ2内における上壁2c側の部分には、前駆体Pを支持する支持台(第2の支持部材)6が設置されている。支持台6は、支持台5に対向した状態で、軸線ALを中心線として回転するように構成されている。支持台6の裏面(すなわち、上面)には、ヒータ(第1の加熱手段)7が取り付けられている。ヒータ7は、支持台6を介して、支持台6に支持された前駆体Pを加熱する。
【0018】
チャンバ2内には、前駆体P、支持台6及びヒータ7を包囲する包囲部材8が配置されている。包囲部材8は、例えばステンレス(SUS304)からなり、軸線ALを中心線とする円筒状に形成されている。包囲部材8の側壁8aには、その外面を覆うように冷却ジャケット(第1の冷却手段)9が取り付けられている。冷却ジャケット9は、水等の冷媒を貯留して、包囲部材8を冷却する。包囲部材8の下壁8bには、ターゲットTから前駆体Pに向かって進行する活性粒子Aを包囲部材8内に進入させる粒子進入口11が設けられている。粒子進入口11は、支持台5と支持台6との間に位置し、支持台5と支持台6とが対向する方向(すなわち、軸線AL方向)から見た場合に支持台6或いはヒータ7に含まれる大きさに形成されている。包囲部材8の側壁8aの上端部は、チャンバ2の上壁2cに固定されている。これにより、包囲部材8とチャンバ2とは、熱的に接続されている。
【0019】
チャンバ2の側壁2aには、レーザ光源から出射されたレーザ光Lを通過させる光通路12が取り付けられている。光通路12は、例えばステンレス(SUS304)からなり、円筒状に形成されている。光通路12の一端12aは、チャンバ2の光進入口3に接続されている。光通路12の他端12bは、チャンバ2外に位置しており、例えばサファイアからなる光透過部材13によって塞がれている。光透過部材13の外側には、レーザ光Lを集光するレンズ14が配置されている。これにより、レーザ光源から出射されたレーザ光Lは、レンズ14及び光透過部材13を透過した後、他端12bから一端12aに向かって光通路12を通過し、光進入口3を介してチャンバ2内に進入する。このとき、レーザ光Lは、レンズ14によって、支持台5に支持されたターゲットTに集光される。
【0020】
光通路12の側壁12cの内面には、熱伝導性の高い材料(例えば銅)からなるフィン状の突起15が複数形成されている。各突起15は、先端に近付くほど光通路12の一端12aに近付くように傾斜している。光通路12の側壁12cには、その外面を覆うように冷却ジャケット(第2の冷却手段)16が取り付けられている。冷却ジャケット16は、水等の冷媒を貯留して、光通路12の側壁12cを介して各突起15を冷却する。光透過部材13の外面には、ヒータ(第2の加熱手段)17が取り付けられている。ヒータ17は、光通路12の外側から光透過部材13を加熱する。
【0021】
以上のように構成されたレーザアブレーション装置1においては、チャンバ2内が真空引きされた状態で、支持台5に支持されたターゲットTにレーザ光Lが照射される。これにより、セレンからなるターゲットTの一部が蒸発して、活性化されたセレン粒子である活性粒子Aが発生する。ターゲットTから発生した活性粒子Aは、粒子進入口11を介して包囲部材8内に進入し、支持台6に支持された前駆体Pに向かって進行する。このとき、ターゲットT及び前駆体Pはそれぞれ支持台5,6によって回転させられている。また、前駆体Pはヒータ7によって加熱されている。そして、活性化されたセレン粒子である活性粒子Aが、銅−ガリウム層及びインジウム層である前駆体Pに到達して付着すると、前駆体Pと活性粒子Aとが反応して、光吸収層であるCIGS層が形成される。
【0022】
以上説明したように、レーザアブレーション装置1では、活性粒子Aを進入させる粒子進入口11が設けられた包囲部材8が、チャンバ2内において前駆体P、支持台6及びヒータ7を包囲している。これにより、ターゲットTから発生した活性粒子Aがチャンバ2の内面に付着しても、その粒子が、ヒータ7の熱や前駆体P及び支持台6からの輻射熱によって再蒸発することが抑制される。さらに、当該熱によってターゲットTが蒸発することも抑制される。そして、再蒸発によって不活性粒子が発生したとしても、包囲部材8によって遮られて、その不活性粒子が前駆体Pに到達し難くなる。よって、レーザアブレーション装置1によれば、ターゲットTから発生した活性粒子Aを効率良く前駆体Pに到達させることができる。
【0023】
ここで、ターゲットTがセレンからなる場合、セレンは、1原子分子がいくつか固まって蒸気になることから蒸気圧が高く、中性原子として安定していることから反応性が低いものの、レーザアブレーションによって蒸発させ、イオンに解離することで活性化することができる。そして、蒸発して活性化されたセレン粒子を活性粒子Aとして効率良く前駆体Pに到達させることができる。
【0024】
また、包囲部材8が冷却ジャケット9によって積極的に冷却されるので、包囲部材8の内面に付着した粒子が再蒸発して不活性粒子が発生するのを確実に抑制することができる。なお、冷却ジャケット9が存在しなくても、包囲部材8がチャンバ2に熱的に接続されており、包囲部材8からチャンバ2に熱が逃がされるので、包囲部材8の内面に付着した粒子が再蒸発して不活性粒子が発生するのを抑制することができる。
【0025】
また、チャンバ2の光進入口3を介して光通路12内に進入した活性粒子Aや不活性粒子が、冷却ジャケット16によって冷却された突起15にトラップされるので、活性粒子Aや不活性粒子が光透過部材13に到達し難くなる。そして、活性粒子Aや不活性粒子が光透過部材13に到達したとしても、ヒータ17によって光透過部材13が光通路12の外側から加熱されるので、活性粒子Aや不活性粒子が再蒸発させられる。従って、活性粒子Aや不活性粒子が光透過部材13に付着してレーザ光Lの透過を妨げるのを防止することができる。
【0026】
なお、ヒータ17を光通路12の外側に配置し、光透過部材13を光通路12の外側から加熱するようにすることで、光透過部材13に突起15を近接させつつ、突起15を効率良く冷却して、活性粒子Aや不活性粒子のトラップの確実化を図ることができる。また、サファイアは、例えば石英に比べ、熱伝導性が高く、融点が高く、硬く、熱衝撃に強く、他の物質(例えばセレン)との反応性が低いことから、光透過部材13の材料として好適である。
【0027】
次に、本発明の実施例について説明する。まず、前駆体Pを準備した。具体的には、図2の(a)に示されるように、外形20mm×20mm、厚さ1mmの青板ガラス基板をRFマグネトロンスパッタ装置に設置し、純アルゴンガスを流量10sccmで流しながら、RFパワー100Wで銅−ガリウム合金(組成比83:17)の成膜を6分30秒間行うことにより、銅−ガリウム層を形成した。続いて、図2の(b)に示されるように、同一雰囲気中でインジウムの成膜を6分30秒間行うことにより、銅−ガリウム層及びインジウム層の積層構造を形成し、これを前駆体Pとした。
【0028】
続いて、上述したレーザアブレーション装置1を用いて、光吸収層であるCIGS層を形成した。具体的には、冷却ジャケット9で包囲部材8を冷却し、ヒータ7の温度を室温から25℃/分の昇温速度で上昇させ、500℃に保持した。続いて、セレンからなるターゲットTを支持した支持台5、及び前駆体Pを支持した支持台6を回転させつつ、レーザ光Lの照射として、エネルギー150mJ、発振周波数20HzでのKrFエキシマレーザ(波長248nm)の照射をターゲットTに対して1時間行うことにより、図2の(c)に示されるように、活性化されたセレン粒子である活性粒子Aの成膜を前駆体Pに対して行った。これにより、図2の(d)に示されるように、前駆体Pと活性粒子Aとが反応して、光吸収層であるCIGS層が形成された。そのCIGS層をX線回折装置で分析した結果は、図3に示されるとおりである。
【0029】
次に、比較例のレーザアブレーション装置について説明する。図4の(a)に示されるように、比較例のレーザアブレーション装置100は、包囲部材8、冷却ジャケット9、突起15、冷却ジャケット16及びヒータ17が存在しない点で、上述したレーザアブレーション装置1と主に相違している。このようなレーザアブレーション装置100では、ターゲットTから発生した活性粒子Aが前駆体Pに到達せず、チャンバ2の内面に付着する。そして、付着した粒子は、前駆体Pを加熱するためのヒータ7の熱によって再蒸発し、不活性粒子Iとして浮遊する。これにより、ターゲットTから発生した活性粒子Aが不活性粒子Iに衝突してエネルギーを失ったり(すなわち、不活性粒子Iになったり)、粒子同士が結合して不活性な分子になったりするなど、活性粒子Aの前駆体Pへの到達が阻害されてしまう。
【0030】
また、図4の(b)に示されるように、比較例のレーザアブレーション装置200は、包囲部材8、冷却ジャケット9、突起15、冷却ジャケット16及びヒータ17が存在せず、チャンバ2の側壁2aにその外面を覆うように冷却ジャケット201が取り付けられている点で、上述したレーザアブレーション装置1と主に相違している。冷却ジャケット201は、水等の冷媒を貯留して、チャンバ2の側壁2aを冷却する。このようなレーザアブレーション装置200では、チャンバ2の内面に付着した粒子の再蒸発が多少は抑制され得るものの、ヒータ7の熱や前駆体P及び支持台6からの輻射熱によってターゲットTが蒸発してしまう。しかも、チャンバ2の内面に付着した粒子が再蒸発によって浮遊すると、チャンバ2の内面とターゲットTとの間に隔てるものが存在しないため、その不活性粒子が前駆体Pに到達し易くなる。これにより、ターゲットTから発生した活性粒子Aの前駆体Pへの到達が阻害されてしまう。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図5に示されるように、光透過部材13を加熱するために、ヒータ17に代えて、加熱用の光(例えば赤外線)L1を投光するランプヒータ(第2の加熱手段)21を用いてもよい。ランプヒータ21による遠隔からの光透過部材13の加熱は、レーザ光L及び加熱用の光L1の一方を透過しかつ他方を反射するミラー22を用いることで実現することができる。
【0032】
また、図6に示されるように、光透過部材13を加熱するために、ヒータ17に代えて、加熱用のレーザ光L2を出射するCO、YAG、半導体レーザ等のレーザ発振器(第2の加熱手段)23を用いてもよい。レーザ発振器23による遠隔からの光透過部材13の加熱は、加熱用のレーザ光L2を光透過部材13に対してスキャンするガルバノミラー24を用いることで実現することができる。
【0033】
また、ターゲットTはセレンからなるものに限定されず、硫黄(S)やテルル(Te)等、カルコゲナイド系の材料からなるものであってもよい。また、突起15は、光通路12の内面に対して着脱自在であってもよい。さらに、突起15は、チャンバ2の内面や包囲部材8の内面及び外面に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1…レーザアブレーション装置、2…チャンバ(筐体)、3…光進入口、5…支持台(第1の支持部材)、6…支持台(第2の支持部材)、7…ヒータ(第1の加熱手段)、8…包囲部材、9…冷却ジャケット(第1の冷却手段)、11…粒子進入口、12…光通路、12a…一端、12b…他端、13…光透過部材、15…突起、16…冷却ジャケット(第2の冷却手段)、17…ヒータ(第2の加熱手段)、21…ランプヒータ(第2の加熱手段)、23…レーザ発振器(第2の加熱手段)、L…レーザ光、P…前駆体、T…ターゲット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光をターゲットに照射することにより、前記ターゲットから活性粒子を発生させ、前記活性粒子を前駆体に付着させるレーザアブレーション装置であって、
前記レーザ光を進入させる光進入口が設けられ、前記ターゲット及び前記前駆体を収容する筐体と、
前記筐体内において前記ターゲットを支持する第1の支持部材と、
前記筐体内において前記第1の支持部材に対向した状態で前記前駆体を支持する第2の支持部材と、
前記第2の支持部材に支持された前記前駆体を加熱する第1の加熱手段と、
前記活性粒子を進入させる粒子進入口が設けられ、前記筐体内において前記前駆体及び前記第2の支持部材を包囲する包囲部材と、を備えることを特徴とするレーザアブレーション装置。
【請求項2】
前記包囲部材は、前記筐体に熱的に接続されていることを特徴とする請求項1記載のレーザアブレーション装置。
【請求項3】
前記包囲部材を冷却する第1の冷却手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載のレーザアブレーション装置。
【請求項4】
一端が前記光進入口に接続されかつ他端が前記筐体外に位置した状態で前記筐体に取り付けられ、前記他端から前記一端に向かって前記レーザ光を通過させる光通路と、
前記光通路の内面に形成された複数の突起と、
前記突起を冷却する第2の冷却手段と、
前記他端を塞ぐ光透過部材と、
前記光通路の外側から前記光透過部材を加熱する第2の加熱手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のレーザアブレーション装置。
【請求項5】
前記ターゲットはセレンからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のレーザアブレーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−41615(P2012−41615A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185250(P2010−185250)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】