レーザダイオードをスライダ上で整列させるための方法および装置
【課題】レーザから導波路まで光の所望された結合を達成するために、レーザダイオードと導波路との間の適切な整列が必要である。加えて、コスト効率の良い態様においてこれを達成する必要がある。
【解決手段】構造はチャネル導波路36、およびチャネル導波路の入力面44に近接するポケット62を含む。出力面52を有するレーザ42が、ポケット内に位置決めされる。構造は、レーザまたはポケットの壁部74のいずれかに停止部64,66を含む。レーザの出力面および導波路の入力面が隙間によって分離されるように、停止部はレーザとポケットの壁部との間においてインタフェースに位置決めされる。
【解決手段】構造はチャネル導波路36、およびチャネル導波路の入力面44に近接するポケット62を含む。出力面52を有するレーザ42が、ポケット内に位置決めされる。構造は、レーザまたはポケットの壁部74のいずれかに停止部64,66を含む。レーザの出力面および導波路の入力面が隙間によって分離されるように、停止部はレーザとポケットの壁部との間においてインタフェースに位置決めされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、4/30/2010に提出され、その内容全体がここに引用により援用される、米国仮出願第61/330,067号の恩恵を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
熱補助された磁気記録(HAMR)は、一般に、局所的に記録媒体を加熱することにより、媒体の保磁力を低減して、印加される書込み磁界が、熱源によって引起された媒体の一時的な磁気鈍しの間において、媒体の磁化をより容易に方向付けることができるようにする概念を指す。厳密に制限された高パワーレーザ光点を、記録媒体の一部を加熱するために用いることができる。次いで、加熱された部分は、加熱された部分の磁化の方向を設定する磁界にさらされる。HAMRでは、周囲温度における媒体の保磁力は、記録中における保磁力よりはるかに高くなり得、それによって、はるかに高い記録密度およびはるかに小さなビットセルで、記録されたビットの安定性を可能にする。
【0003】
記録媒体上に光を向けるための1つの方策は、読取り書込みヘッド(「スライダ」とも呼ばれる)上に取付けたレーザダイオードを用いる。レーザダイオードは、スライダの空気軸受面に近接した小さなスポットに光を伝搬する平面導波路に、光を向ける。近接場トランスデューサ(NFT)を、さらに光を集光するために、含むことができる。近接場トランスデューサは、指定の光波長で局在表面プラズモン(LSP)状態に到達するために設計される。LSPでは、近接場トランスデューサを囲む高い場が、金属における電子の集合的な振動のために現れる。場の一部は近接する媒体内にトンネリングし、吸収にされ、記録のために媒体の温度を局所的に上昇させる。
【0004】
熱補助された磁気記録(HAMR)に対する大きな配慮は、光学的パワー源として用いられるレーザダイオードの位置である。1つの現在の設計はレーザダイオードをスライダの頂部に置く。レーザダイオードからの放射は、外部光学素子を用いて、合焦させられ導波路上で結合格子に向けられる。この方法は外部光学素子の開発を必要とし、スライダを1つずつ組立てることおよび能動的整列を用いることによって実現され得る。
【0005】
考えられ得るある実施例は、スライダの後縁内にレーザダイオードを統合し、導波路結合器を用いて、固浸ミラー(SIM)および/またはチャネル導波路のような光位置決め素子の組合せを用いながら、レーザを近接場トランスデューサに案内する。レーザから導波路まで光の所望された結合を達成するために、レーザダイオードと導波路との間の適切な整列が必要である。加えて、コスト効率の良い態様においてこれを達成する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
1つの局面では、ある装置は:チャネル導波路、およびチャネル導波路の入力面に近接するポケットを含む構造と;出力面を有し、ポケット内に位置決めされるレーザと;レーザおよびポケットの壁部の少なくとも1つの上の停止部とを含み、レーザの出力面および導波路の入力面が隙間によって分離されるように、停止部はレーザとポケットの壁部との間においてインタフェースに位置決めされる。
【0007】
別の局面では、ある方法は:チャネル導波路、およびチャネル導波路の入力面に近接するポケットを含む構造をあたえるステップと;出力面を有するレーザをポケット内に位置決めするステップと;レーザの出力面および導波路の入力面が隙間によって分離されるように、レーザおよびポケットの壁部の少なくとも1つの上の軸方向停止部がレーザとポケットの壁部との間のインタフェースに位置決めされるまで、レーザをポケットの壁部に向かって押進めるステップと;レーザとチャネル導波路との相対的位置を固定するステップとを含む。
【0008】
別の局面では、ある方法は、キャリヤウェハをヘッドウェハに対して位置決めして、キャリヤウェハの複数個のレーザダイオードの各々を、ヘッドウェハの複数個のスライダ部分の対応する1つの整列特徴と整列させるステップと;キャリヤウェハおよびヘッドウェハの少なくとも1つにおける開口部を介してキャリヤウェハとヘッドウェハとの間にガスを注入して、それらの間のはんだ表面上に優先的な表面状態を形成するステップと;リフロー動作を実行して、レーザダイオードを対応するスライダ部分に接合するステップとを含み、リフロー動作は、さらに、それらの間に、スライダ部分の整列特徴と協働して最終整列を引起す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例に従ってスライダを含むことができるディスクドライブの形でのデータ記憶装置の表現図である。
【図2】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図3】レーザダイオードおよびスライダの一部の等角図である。
【図4】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図5】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図6】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図7】スライダにおけるポケットの一部の等角図である。
【図8】ボンディングパッドを含む、スライダにおけるポケットの一部の断面図である。
【図9】ボンディングバンプを含む、スライダにおけるポケットの一部の断面図である。
【図10】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図11】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図12】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図13】複数個のレーザダイオードを含む第1のウェハ、および複数個のスライダを含む第2のウェハの断面図である。
【図14】複数個のレーザダイオードを含む第1のウェハ、および複数個のスライダを含む第2のウェハの断面図である。
【図15】複数個のレーザダイオードを含む第1のウェハ、および複数個のスライダを含む第2のウェハの断面図である。
【図16】例示的実施例に従うレーザダイオードの斜視図である。
【図17】例示的実施例に従うスライダへのレーザダイオードの組付けを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な記載
図1は、実施例に従って構築されるスライダを含むことができるディスクドライブ10の形でのデータ記憶装置の表現図である。ディスクドライブ10は、ディスクドライブのさまざまな構成要素を含むようサイズ決めされ構成されたハウジング12(この図においては、上側部分が取外され、下側部分が可視である)を含む。ディスクドライブ10は、ハウジング内において少なくとも1つの磁気記憶媒体16で回転するためのスピンドルモータ14を含む。少なくとも1つのアーム18がハウジング12内に含まれ、各アーム18は、記録ヘッドまたはスライダ22を有する第1の端部20、および軸受26によってシャフト上で旋回するよう取付けた第2の端部24を有する。アクチュエータモータ28は、アームの第2の端部24に位置して、アーム18を旋回させて、ディスク16の所望のトラック27の上に記録ヘッド22を位置決めする。アクチュエータモータ28は、この図において示されないが、当技術分野において周知のコントローラによって規制される。
【0011】
熱補助された磁気記録(HAMR)に対しては、電磁放射、たとえば、可視光、赤外線光または紫外線光を記録媒体の表面上に向けて、媒体の局所化された領域の温度を上昇させて、加熱された領域の磁化の切換を容易にする。HAMR記録ヘッドの最近の設計は、記録媒体の局所化された加熱のために、記録媒体に光を案内するよう、スライダ上に薄膜導波路を含む。記録ヘッドの空気軸受面に位置決めされた近接場トランスデューサを用いて、電磁放射を記録媒体上の小さなスポットに向けることができる。
【0012】
一実施例に従って構築されたHAMR記憶装置では、レーザダイオードチップがスライダ上に位置決めされる。レーザダイオード出力および導波路の精密な整列は、停止部および段差のような特別に設計された特徴を有するレーザダイオードベッド(キャビティまたはポケットとも呼ばれる)を用いることによって達成される。
【0013】
図2は、熱補助された磁気記録で用いられるスライダの例の断面図である。スライダ30は、基板32、基板上のベースコート34、ベースコート上の導波路36、および導波路に近接して位置決めされる書込み磁極38を含む。コイル40は、書込み磁極を次々に回す導体を含む。レーザダイオード42は、導波路の入力面44上に光を向けるよう、スライダ上に位置決めされる。次いで、光は、導波路を通過し、スライダの空気軸受面50に近接して位置決めされる記憶媒体48の一部46を加熱するよう用いられる。光は、さらに熱効果を制御するために、近接場トランスデューサとともに用いられてもよい。レーザダイオードの出力面52を導波路の入力面と整列させて、レーザダイオードから導波路まで光の高効率結合を達成することは、望ましい。加えて、レーザダイオードの出力面52と導波路の入力面との間の物理接触は、そのような接触から生じるかもしれない面への損傷を防ぐよう回避されることになる。
【0014】
1つの局面では、熱補助された磁気記録(HAMR)のためのスライダ上のレーザダイオードおよび導波路の整列のための方法。スライダは、レーザダイオードがスライダ上に置かれるとき、レーザダイオードおよびチャネル導波路の受動的整列のための幾何学的な特徴を含む。
【0015】
図3は、前側面停止部64および66を有するポケット62(ベッドまたはキャビティとも呼ばれる)を有するスライダ60の一部の例を示す。スライダは、ポケットに近接した入力面70を有する平面導波路部分68を含む。入力面はポケットの壁部74における凹部72中にあり、停止部64および66は凹部の両側にある。レーザダイオード76は、レーザチップの形式であり得、レーザが電磁放射、たとえば可視光、赤外線光または紫外線光を発する出力面78を含む。レーザダイオードはポケットにおいて位置決めされ、停止部64および66と当接するまで、導波路に向かって移動させることができる。停止部は、レーザ出力面と導波路入力面との間の接触を防ぐ。
【0016】
図3の装置については、整列は、ポケットにレーザダイオードを置き、レーザダイオードを停止部へと前に押すことによって、レーザの出力面と導波路の入力面との間において達成される。導波路側の入力面は垂直エッチングプロセスによって形成することができ、レーザダイオードの活性出力領域(つまり出力面)より広くなり得る。この設計は、レーザダイオードの出力面と導波路の入力面との間の距離の精密な制御を可能にする。レーザダイオードの出力面と導波路の入力面との間の距離80は、ポケットの壁部における凹部の深さで規定される。したがって、レーザダイオードの活性領域は導波路との機械的な接触になく、損傷を受けないままである。
【0017】
横方向(つまりX方向)における、レーザ出力面と導波路入力面との間の相対的位置は、ポケットの壁部におけるエッチングされた段差およびレーザダイオード上の1つ以上の停止部で制御することができる。これは図4で示される実施例において示され、そこではスライダ90の一部は導波路92およびポケット94を含む。この例では、レーザダイオード96は1つ以上の停止部98および突き出す部分100を含む。レーザダイオード側の停止部は、レーザ出力面102の両側に位置決めされた突起であり得る。代替的に、停止部はレーザダイオードの側部の部分であって、出力面はその側部において窪ませられ得る。この構造では、レーザダイオード上の停止部と出力面との間の距離は、フォトリソグラフィプロセスによって規定することが考えられ得る。したがって、幾何学的な距離制御はフォトリソグラフィプロセスの精度と同じであり、それは50nm未満であり得る。
【0018】
横方向整列(つまりZ方向における)に備える構造が図5において示される。構造は、ポケットのベースにおける1つ以上のエッチングされた溝、およびレーザチップ上のメサ構造を含む。図5の実施例では、レーザダイオード110は、ポケット116のベースまたは底部で溝114内に嵌まる、長手方向に延在するメサまたは突起112を含む。メサを用いて、単一モードレーザダイオードのための光学的および電流の閉込めを規定することが考えられ得る。この構成では、突出するメサの中央の部分は活性レーザ量子井戸を含む。外側領域(それは機械的参照のために用いられる)は、レーザのベース基板材料までエッチング除去される。
【0019】
図6は、別の実施例に従って構築されたスライダ120の一部の概略図である。図6の実施例では、垂直方向(つまりY方向)における整列は、ボンディングプロセス(そこにおいては、レーザダイオード122はボンディング化合物124によってスライダポケットにおいて取付けられる)中に制御される。スライダは、エッチングされた停止部126および128を含んで、ボンディング化合物の厚みの精密な制御なしで垂直距離制御をあたえる。レーザダイオードチップの反復可能な垂直位置を得る1つの態様は、それをボンディングプロセス中に下に保持することである。レーザチップの保持に対する別の方策は、ボンディング中にボンディング化合物の表面張力を用いることである。この方策は2ステッププロセスであると考えることができる。第1のステップは2〜5ミクロンの粗い公差でポケットにレーザダイオードチップを置くことである。第2のステップでは、表面張力を用いて、ボンディング化合物を用いるリフロープロセスの結果、レーザダイオードおよびチャネル導波路を精密に整列させることが考えられる。
【0020】
図7は、停止部144および146を有するポケット142を有するスライダ140の一部の例を示す。スライダは、ポケットに近接した入力面150を有する平面導波路部分148を含む。入力面はポケットの壁部154における凹部152にあり、停止部144および146は凹部の両側にある。レーザダイオード156は、レーザチップの形式であり得、レーザが電磁放射、たとえば可視光、赤外線光または紫外線光を発する出力面158を含む。レーザダイオードはポケットにおいて位置決めされ、停止部144および146と当接するまで、導波路に向かって移動させることができる。停止部は、レーザ出力面と導波路入力面との間の接触を防ぐ。
【0021】
図7の例については、整列は、ポケットにレーザダイオードを置き、レーザダイオードを停止部へと前に押すことによって、レーザの出力面と導波路の入力面との間において達成される。導波路側の入力面は垂直エッチングプロセスによって形成することができ、レーザダイオードの活性出力領域(つまり出力面)より広くなり得る。この設計は、レーザダイオードの出力面と導波路の入力面との間の距離の精密な制御を可能にする。より具体的には、レーザダイオードの出力面と導波路の入力面との間の距離160は、ポケットの壁部における凹部の深さで規定される。したがって、レーザダイオードの活性領域は導波路との機械的な接触になく、損傷を受けないままである。
【0022】
複数個のはんだバンプ162がポケット142の底部164上に位置決めされる。レーザダイオードコンタクトパッド164もポケットの底部上に位置決めされ、図7において示された形状を有し得る。ポケットの底部のコンタクトパッド166はヒートシンクとして役立つ。最終のレーザダイオードチップ位置は、濡れ領域の位置、ポケットの底部とレーザダイオードとの間のボンディング化合物(共晶)材料の量、および停止部設計に依存する。図7の構造は、フリップチップボンディング方法において用いることができる。ボンディング化合物の例ははんだおよびエポキシを含む。
【0023】
図8−図12は、停止部に向かってレーザダイオードを押進めるためにどのようにボンディングプロセスを用いることができるか示す。図8は、スライダ170においてポケットの底部の一部の断面図を示す。シード層172はポケットの底部上に位置決めされる。複数個の導体パッド174がシード層の上の絶縁体174における開口部上に位置決めされる。コンタクトパッドは、十分なはんだバンプの形成を可能にする、濡れ性を有する「バンプ下地金属」(UBM)材料、たとえばAu、Cu、Ni、Cr、Ti、TiWから形成される。絶縁材料176は、コンタクトパッド間に位置決めされる。コンタクトパッドは、単に位置決め用、またはさらに電気的接点用に用いられてもよい。
【0024】
図9は、コンタクトパッド174上に複数個のボンディング化合物(たとえば共晶材料)バンプ178の追加を伴う、図8の構造の断面図を示す。
【0025】
図10は、シード層182を底面上に有するレーザダイオード180、およびシード層上に位置決めされた複数個のコンタクトパッド184の追加をともなう、図9の構造の断面図を示す。絶縁材料186は、コンタクトパッド間に位置決めされる。レーザダイオード上のコンタクトパッドの位置は、配置公差のため、ポケットにおけるコンタクトパッドに関して固有にオフセットされる。
【0026】
図11は材料リフロー(たとえばはんだリフロー)による自己整列を示し、そこでは、レーザダイオードは、スライダにおける所望の基準面に関してオフセットされ、再度流れる共晶材料の表面張力が、矢印188によって示される力を生み出す。
【0027】
図12は、共晶材料の凝固に続く、図11の構造の断面図を示す。図8−図12から、ボンディング化合物の表面張力を用いて、レーザダイオード上のコンタクトパッドをポケットにおけるコンタクトパッドと整列させることができることが理解できる。ダイオードおよびポケット上のコンタクトパッドの相対的位置を選択することによって、表面張力を用いて、レーザを図3および図7における停止部と接触させることができる。加えて、バンプは、自己整列平衡に到達する前に、レーザを機械的な停止部に駆動するよう、意図的にオフセットさせることができる。
【0028】
ある実施例では、複数のレーザチップを同時に複数のスライダに接合することができる。レーザダイオード出力面およびチャネル導波路の入力面の精密な整列は、停止部および段差のような特別に設計された特徴を有するレーザダイオードベッドを用いることによって達成される。レーザダイオードの配置の直後に、はんだリフローが、単一のツールで続き、したがって、上に記載されたこれらの2つのプロセスステップは、効果的に1つの製造ステップになる。この方法は図13−図15に示される。
【0029】
図13は、複数個のスライダ部分202を含む第1のウェハ200(ヘッドウェハとも呼ばれる)、および複数個のレーザダイオード206を含む第2のウェハ204(キャリヤウェハとも呼ばれる)の断面図である。スライダ部分は、複数個のはんだバンプ210を各々が有するベッド208を含む。キャリヤウェハは、水素ラジカル源214からの水素ラジカルの通過を可能にする複数個の開口部212を含む。レーザダイオードの各々は複数個のはんだバンプ216をさらに含む。図13に示されるように、2つのウェハが分離されるとき、水素ラジカルは、はんだバンプを清浄にするために清浄機能を実行する。水素ラジカルは大気のプラズマのようなプロセスを用いて形成することができる。代替的に、(蟻酸のような)活性ガスを用いて、はんだ表面上に優先的な表面状態を形成してもよい。
【0030】
図14は図13の構造を示し、そこでは、ベッドおよびダイオードにおけるはんだバンプが合併するように、第2のウェハを第1のウェハに向かって移動させている。図14で示されたステップでは、表面張力を用いて、レーザダイオード出力面および導波路入力面の最終的な相対的位置を規定する停止部にレーザダイオードを向かわせる。
【0031】
図15は図14の構造を示し、そこでは、キャリヤウェハを第1のウェハから遠ざかるように移動させ、レーザダイオードを第1のウェハに取付けたまま残す。
【0032】
一実施例では、AlTiCヘッドウェハは、レーザダイオードを受けるよう、導波路要素およびエッチングされたベッド(またはポケット)をともなって製作される。これらのポケットは、機械的な停止部および/またははんだバンプのような受動的整列のための特徴を含んでもよい。エッチングされたポケットは、レーザダイオードチップの最終的な位置を規定する。キャリヤウェハは、水素ラジカルおよび/または蟻酸蒸気のような化学的活性物質の流れを可能にするよう、穴を含む。エッチングされたポケットのサイズは高速ピックアンドプレイスツールの配置精度と一致すべきである。ポケット位置はヘッドウェハにおけるスライダ部分の位置と一致する。キャリヤウェハのサイズはヘッドウェハと同じか、またはより大きくあり得る。
【0033】
レーザダイオードは、高速ピックアンドプレイスツールを用いて、キャリヤウェハ上のポケットに入れることができる。レーザダイオードは、初めに、機械的な取付けなしで、キャリヤウェハ上でポケットにある。振動または正しくない水平の向きによって引起される、考えられ得るレーザチップ移動は、キャリヤウェハポケット壁部によって制限される。レーザチップの自由な移動を利用して、ポケット壁部を機械的停止部として用いることにより、配置工具位置変動を低減することが考えられる。
【0034】
化学的活性物質源は、キャリヤウェハと一致するサイズを有することができる。この化学的活性物質源の一例は市販の大気プラズマツールである。
【0035】
レーザダイオードおよびスライダを組付けるプロセスは、図13−図15に示されるように、図17のフローチャートに示されるステップを含む。最初に、キャリヤウェハは、たとえば数ミリメートルの間隔で、ヘッドウェハの近くに位置決めされる(230)(図13を参照)。化学的活性物質源は、キャリヤウェハにおける穴を介する化学的活性物質の流れをあたえるよう、キャリヤウェハの近くに位置決めされる(232)。化学的活性物質源がオンに切換えられ(234)、ウェハははんだ融点より上に加熱される。ある時間が、はんだリフローおよびはんだ表面の前清浄のため取られて(236)、はんだ表面から酸化物を取除く。ウェハ間の隙間は、両方のウェハ上のはんだに清浄化物質が同時にアクセス可能なように選択されるべきである。
【0036】
次に、ウェハを接触させて(238)、両方のウェハ上のはんだが互いに接触するようにする(さらに図14を参照)。小間隙がはんだへのアクセスを制限するまで、清浄化プロセスはボンディング直前まで継続する。機械的な停止部との受動的整列の場合には、付加的な移動を適用して(240)、レーザダイオードチップを押してヘッドウェハ上の停止部と接触させ、ヒータをオフに切換えてもよい(242)。はんだ凝固中、レーザを停止部に向かって押し続ける(244)。凝固の後、キャリヤウェハは解放される(250)(さらに図15を参照)。自己整列のためのはんだバンプを用いる場合、レーザは浮遊することを許され(246)、ヒータがオフに切換えられる(248)。レーザははんだ凝固中は浮遊しているべきである。
【0037】
ボンドパッド外形およびレイアウトはレーザダイオードの自己整列特性上大きな効果がある。第1に、はんだアレイのサイズ、形状および量は、整列特性に直接影響する。名目上のレイアウトが図16に示され、中央ヒートシンク接続222および外側整列パッド224をともなうエッジ発光レーザダイオード220のための自己整列ボンドパッドレイアウトの例を示す。パッドレイアウトは、はんだ自己整列、電気接点、およびスライダ/ヘッド構造による熱の冷却をあたえるよう、はんだ自己整列バンプおよび細長いヒートシンク接続の組合せを含む。
【0038】
いくつかの実施例が記載されたが、特許請求の範囲から逸脱せずに、記載された実施例へのさまざまな変更を行うことができることは当業者には明らかである。上に記載された実現例および他の実現例は、特許請求の範囲内である。
【符号の説明】
【0039】
36 チャネル導波路、44 入力面、62 ポケット、52 出力面、42 レーザ、74 ポケットの壁部、64,66 停止部、72 隙間。
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、4/30/2010に提出され、その内容全体がここに引用により援用される、米国仮出願第61/330,067号の恩恵を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
熱補助された磁気記録(HAMR)は、一般に、局所的に記録媒体を加熱することにより、媒体の保磁力を低減して、印加される書込み磁界が、熱源によって引起された媒体の一時的な磁気鈍しの間において、媒体の磁化をより容易に方向付けることができるようにする概念を指す。厳密に制限された高パワーレーザ光点を、記録媒体の一部を加熱するために用いることができる。次いで、加熱された部分は、加熱された部分の磁化の方向を設定する磁界にさらされる。HAMRでは、周囲温度における媒体の保磁力は、記録中における保磁力よりはるかに高くなり得、それによって、はるかに高い記録密度およびはるかに小さなビットセルで、記録されたビットの安定性を可能にする。
【0003】
記録媒体上に光を向けるための1つの方策は、読取り書込みヘッド(「スライダ」とも呼ばれる)上に取付けたレーザダイオードを用いる。レーザダイオードは、スライダの空気軸受面に近接した小さなスポットに光を伝搬する平面導波路に、光を向ける。近接場トランスデューサ(NFT)を、さらに光を集光するために、含むことができる。近接場トランスデューサは、指定の光波長で局在表面プラズモン(LSP)状態に到達するために設計される。LSPでは、近接場トランスデューサを囲む高い場が、金属における電子の集合的な振動のために現れる。場の一部は近接する媒体内にトンネリングし、吸収にされ、記録のために媒体の温度を局所的に上昇させる。
【0004】
熱補助された磁気記録(HAMR)に対する大きな配慮は、光学的パワー源として用いられるレーザダイオードの位置である。1つの現在の設計はレーザダイオードをスライダの頂部に置く。レーザダイオードからの放射は、外部光学素子を用いて、合焦させられ導波路上で結合格子に向けられる。この方法は外部光学素子の開発を必要とし、スライダを1つずつ組立てることおよび能動的整列を用いることによって実現され得る。
【0005】
考えられ得るある実施例は、スライダの後縁内にレーザダイオードを統合し、導波路結合器を用いて、固浸ミラー(SIM)および/またはチャネル導波路のような光位置決め素子の組合せを用いながら、レーザを近接場トランスデューサに案内する。レーザから導波路まで光の所望された結合を達成するために、レーザダイオードと導波路との間の適切な整列が必要である。加えて、コスト効率の良い態様においてこれを達成する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
1つの局面では、ある装置は:チャネル導波路、およびチャネル導波路の入力面に近接するポケットを含む構造と;出力面を有し、ポケット内に位置決めされるレーザと;レーザおよびポケットの壁部の少なくとも1つの上の停止部とを含み、レーザの出力面および導波路の入力面が隙間によって分離されるように、停止部はレーザとポケットの壁部との間においてインタフェースに位置決めされる。
【0007】
別の局面では、ある方法は:チャネル導波路、およびチャネル導波路の入力面に近接するポケットを含む構造をあたえるステップと;出力面を有するレーザをポケット内に位置決めするステップと;レーザの出力面および導波路の入力面が隙間によって分離されるように、レーザおよびポケットの壁部の少なくとも1つの上の軸方向停止部がレーザとポケットの壁部との間のインタフェースに位置決めされるまで、レーザをポケットの壁部に向かって押進めるステップと;レーザとチャネル導波路との相対的位置を固定するステップとを含む。
【0008】
別の局面では、ある方法は、キャリヤウェハをヘッドウェハに対して位置決めして、キャリヤウェハの複数個のレーザダイオードの各々を、ヘッドウェハの複数個のスライダ部分の対応する1つの整列特徴と整列させるステップと;キャリヤウェハおよびヘッドウェハの少なくとも1つにおける開口部を介してキャリヤウェハとヘッドウェハとの間にガスを注入して、それらの間のはんだ表面上に優先的な表面状態を形成するステップと;リフロー動作を実行して、レーザダイオードを対応するスライダ部分に接合するステップとを含み、リフロー動作は、さらに、それらの間に、スライダ部分の整列特徴と協働して最終整列を引起す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例に従ってスライダを含むことができるディスクドライブの形でのデータ記憶装置の表現図である。
【図2】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図3】レーザダイオードおよびスライダの一部の等角図である。
【図4】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図5】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図6】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図7】スライダにおけるポケットの一部の等角図である。
【図8】ボンディングパッドを含む、スライダにおけるポケットの一部の断面図である。
【図9】ボンディングバンプを含む、スライダにおけるポケットの一部の断面図である。
【図10】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図11】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図12】レーザダイオードおよびスライダの一部の断面図である。
【図13】複数個のレーザダイオードを含む第1のウェハ、および複数個のスライダを含む第2のウェハの断面図である。
【図14】複数個のレーザダイオードを含む第1のウェハ、および複数個のスライダを含む第2のウェハの断面図である。
【図15】複数個のレーザダイオードを含む第1のウェハ、および複数個のスライダを含む第2のウェハの断面図である。
【図16】例示的実施例に従うレーザダイオードの斜視図である。
【図17】例示的実施例に従うスライダへのレーザダイオードの組付けを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な記載
図1は、実施例に従って構築されるスライダを含むことができるディスクドライブ10の形でのデータ記憶装置の表現図である。ディスクドライブ10は、ディスクドライブのさまざまな構成要素を含むようサイズ決めされ構成されたハウジング12(この図においては、上側部分が取外され、下側部分が可視である)を含む。ディスクドライブ10は、ハウジング内において少なくとも1つの磁気記憶媒体16で回転するためのスピンドルモータ14を含む。少なくとも1つのアーム18がハウジング12内に含まれ、各アーム18は、記録ヘッドまたはスライダ22を有する第1の端部20、および軸受26によってシャフト上で旋回するよう取付けた第2の端部24を有する。アクチュエータモータ28は、アームの第2の端部24に位置して、アーム18を旋回させて、ディスク16の所望のトラック27の上に記録ヘッド22を位置決めする。アクチュエータモータ28は、この図において示されないが、当技術分野において周知のコントローラによって規制される。
【0011】
熱補助された磁気記録(HAMR)に対しては、電磁放射、たとえば、可視光、赤外線光または紫外線光を記録媒体の表面上に向けて、媒体の局所化された領域の温度を上昇させて、加熱された領域の磁化の切換を容易にする。HAMR記録ヘッドの最近の設計は、記録媒体の局所化された加熱のために、記録媒体に光を案内するよう、スライダ上に薄膜導波路を含む。記録ヘッドの空気軸受面に位置決めされた近接場トランスデューサを用いて、電磁放射を記録媒体上の小さなスポットに向けることができる。
【0012】
一実施例に従って構築されたHAMR記憶装置では、レーザダイオードチップがスライダ上に位置決めされる。レーザダイオード出力および導波路の精密な整列は、停止部および段差のような特別に設計された特徴を有するレーザダイオードベッド(キャビティまたはポケットとも呼ばれる)を用いることによって達成される。
【0013】
図2は、熱補助された磁気記録で用いられるスライダの例の断面図である。スライダ30は、基板32、基板上のベースコート34、ベースコート上の導波路36、および導波路に近接して位置決めされる書込み磁極38を含む。コイル40は、書込み磁極を次々に回す導体を含む。レーザダイオード42は、導波路の入力面44上に光を向けるよう、スライダ上に位置決めされる。次いで、光は、導波路を通過し、スライダの空気軸受面50に近接して位置決めされる記憶媒体48の一部46を加熱するよう用いられる。光は、さらに熱効果を制御するために、近接場トランスデューサとともに用いられてもよい。レーザダイオードの出力面52を導波路の入力面と整列させて、レーザダイオードから導波路まで光の高効率結合を達成することは、望ましい。加えて、レーザダイオードの出力面52と導波路の入力面との間の物理接触は、そのような接触から生じるかもしれない面への損傷を防ぐよう回避されることになる。
【0014】
1つの局面では、熱補助された磁気記録(HAMR)のためのスライダ上のレーザダイオードおよび導波路の整列のための方法。スライダは、レーザダイオードがスライダ上に置かれるとき、レーザダイオードおよびチャネル導波路の受動的整列のための幾何学的な特徴を含む。
【0015】
図3は、前側面停止部64および66を有するポケット62(ベッドまたはキャビティとも呼ばれる)を有するスライダ60の一部の例を示す。スライダは、ポケットに近接した入力面70を有する平面導波路部分68を含む。入力面はポケットの壁部74における凹部72中にあり、停止部64および66は凹部の両側にある。レーザダイオード76は、レーザチップの形式であり得、レーザが電磁放射、たとえば可視光、赤外線光または紫外線光を発する出力面78を含む。レーザダイオードはポケットにおいて位置決めされ、停止部64および66と当接するまで、導波路に向かって移動させることができる。停止部は、レーザ出力面と導波路入力面との間の接触を防ぐ。
【0016】
図3の装置については、整列は、ポケットにレーザダイオードを置き、レーザダイオードを停止部へと前に押すことによって、レーザの出力面と導波路の入力面との間において達成される。導波路側の入力面は垂直エッチングプロセスによって形成することができ、レーザダイオードの活性出力領域(つまり出力面)より広くなり得る。この設計は、レーザダイオードの出力面と導波路の入力面との間の距離の精密な制御を可能にする。レーザダイオードの出力面と導波路の入力面との間の距離80は、ポケットの壁部における凹部の深さで規定される。したがって、レーザダイオードの活性領域は導波路との機械的な接触になく、損傷を受けないままである。
【0017】
横方向(つまりX方向)における、レーザ出力面と導波路入力面との間の相対的位置は、ポケットの壁部におけるエッチングされた段差およびレーザダイオード上の1つ以上の停止部で制御することができる。これは図4で示される実施例において示され、そこではスライダ90の一部は導波路92およびポケット94を含む。この例では、レーザダイオード96は1つ以上の停止部98および突き出す部分100を含む。レーザダイオード側の停止部は、レーザ出力面102の両側に位置決めされた突起であり得る。代替的に、停止部はレーザダイオードの側部の部分であって、出力面はその側部において窪ませられ得る。この構造では、レーザダイオード上の停止部と出力面との間の距離は、フォトリソグラフィプロセスによって規定することが考えられ得る。したがって、幾何学的な距離制御はフォトリソグラフィプロセスの精度と同じであり、それは50nm未満であり得る。
【0018】
横方向整列(つまりZ方向における)に備える構造が図5において示される。構造は、ポケットのベースにおける1つ以上のエッチングされた溝、およびレーザチップ上のメサ構造を含む。図5の実施例では、レーザダイオード110は、ポケット116のベースまたは底部で溝114内に嵌まる、長手方向に延在するメサまたは突起112を含む。メサを用いて、単一モードレーザダイオードのための光学的および電流の閉込めを規定することが考えられ得る。この構成では、突出するメサの中央の部分は活性レーザ量子井戸を含む。外側領域(それは機械的参照のために用いられる)は、レーザのベース基板材料までエッチング除去される。
【0019】
図6は、別の実施例に従って構築されたスライダ120の一部の概略図である。図6の実施例では、垂直方向(つまりY方向)における整列は、ボンディングプロセス(そこにおいては、レーザダイオード122はボンディング化合物124によってスライダポケットにおいて取付けられる)中に制御される。スライダは、エッチングされた停止部126および128を含んで、ボンディング化合物の厚みの精密な制御なしで垂直距離制御をあたえる。レーザダイオードチップの反復可能な垂直位置を得る1つの態様は、それをボンディングプロセス中に下に保持することである。レーザチップの保持に対する別の方策は、ボンディング中にボンディング化合物の表面張力を用いることである。この方策は2ステッププロセスであると考えることができる。第1のステップは2〜5ミクロンの粗い公差でポケットにレーザダイオードチップを置くことである。第2のステップでは、表面張力を用いて、ボンディング化合物を用いるリフロープロセスの結果、レーザダイオードおよびチャネル導波路を精密に整列させることが考えられる。
【0020】
図7は、停止部144および146を有するポケット142を有するスライダ140の一部の例を示す。スライダは、ポケットに近接した入力面150を有する平面導波路部分148を含む。入力面はポケットの壁部154における凹部152にあり、停止部144および146は凹部の両側にある。レーザダイオード156は、レーザチップの形式であり得、レーザが電磁放射、たとえば可視光、赤外線光または紫外線光を発する出力面158を含む。レーザダイオードはポケットにおいて位置決めされ、停止部144および146と当接するまで、導波路に向かって移動させることができる。停止部は、レーザ出力面と導波路入力面との間の接触を防ぐ。
【0021】
図7の例については、整列は、ポケットにレーザダイオードを置き、レーザダイオードを停止部へと前に押すことによって、レーザの出力面と導波路の入力面との間において達成される。導波路側の入力面は垂直エッチングプロセスによって形成することができ、レーザダイオードの活性出力領域(つまり出力面)より広くなり得る。この設計は、レーザダイオードの出力面と導波路の入力面との間の距離の精密な制御を可能にする。より具体的には、レーザダイオードの出力面と導波路の入力面との間の距離160は、ポケットの壁部における凹部の深さで規定される。したがって、レーザダイオードの活性領域は導波路との機械的な接触になく、損傷を受けないままである。
【0022】
複数個のはんだバンプ162がポケット142の底部164上に位置決めされる。レーザダイオードコンタクトパッド164もポケットの底部上に位置決めされ、図7において示された形状を有し得る。ポケットの底部のコンタクトパッド166はヒートシンクとして役立つ。最終のレーザダイオードチップ位置は、濡れ領域の位置、ポケットの底部とレーザダイオードとの間のボンディング化合物(共晶)材料の量、および停止部設計に依存する。図7の構造は、フリップチップボンディング方法において用いることができる。ボンディング化合物の例ははんだおよびエポキシを含む。
【0023】
図8−図12は、停止部に向かってレーザダイオードを押進めるためにどのようにボンディングプロセスを用いることができるか示す。図8は、スライダ170においてポケットの底部の一部の断面図を示す。シード層172はポケットの底部上に位置決めされる。複数個の導体パッド174がシード層の上の絶縁体174における開口部上に位置決めされる。コンタクトパッドは、十分なはんだバンプの形成を可能にする、濡れ性を有する「バンプ下地金属」(UBM)材料、たとえばAu、Cu、Ni、Cr、Ti、TiWから形成される。絶縁材料176は、コンタクトパッド間に位置決めされる。コンタクトパッドは、単に位置決め用、またはさらに電気的接点用に用いられてもよい。
【0024】
図9は、コンタクトパッド174上に複数個のボンディング化合物(たとえば共晶材料)バンプ178の追加を伴う、図8の構造の断面図を示す。
【0025】
図10は、シード層182を底面上に有するレーザダイオード180、およびシード層上に位置決めされた複数個のコンタクトパッド184の追加をともなう、図9の構造の断面図を示す。絶縁材料186は、コンタクトパッド間に位置決めされる。レーザダイオード上のコンタクトパッドの位置は、配置公差のため、ポケットにおけるコンタクトパッドに関して固有にオフセットされる。
【0026】
図11は材料リフロー(たとえばはんだリフロー)による自己整列を示し、そこでは、レーザダイオードは、スライダにおける所望の基準面に関してオフセットされ、再度流れる共晶材料の表面張力が、矢印188によって示される力を生み出す。
【0027】
図12は、共晶材料の凝固に続く、図11の構造の断面図を示す。図8−図12から、ボンディング化合物の表面張力を用いて、レーザダイオード上のコンタクトパッドをポケットにおけるコンタクトパッドと整列させることができることが理解できる。ダイオードおよびポケット上のコンタクトパッドの相対的位置を選択することによって、表面張力を用いて、レーザを図3および図7における停止部と接触させることができる。加えて、バンプは、自己整列平衡に到達する前に、レーザを機械的な停止部に駆動するよう、意図的にオフセットさせることができる。
【0028】
ある実施例では、複数のレーザチップを同時に複数のスライダに接合することができる。レーザダイオード出力面およびチャネル導波路の入力面の精密な整列は、停止部および段差のような特別に設計された特徴を有するレーザダイオードベッドを用いることによって達成される。レーザダイオードの配置の直後に、はんだリフローが、単一のツールで続き、したがって、上に記載されたこれらの2つのプロセスステップは、効果的に1つの製造ステップになる。この方法は図13−図15に示される。
【0029】
図13は、複数個のスライダ部分202を含む第1のウェハ200(ヘッドウェハとも呼ばれる)、および複数個のレーザダイオード206を含む第2のウェハ204(キャリヤウェハとも呼ばれる)の断面図である。スライダ部分は、複数個のはんだバンプ210を各々が有するベッド208を含む。キャリヤウェハは、水素ラジカル源214からの水素ラジカルの通過を可能にする複数個の開口部212を含む。レーザダイオードの各々は複数個のはんだバンプ216をさらに含む。図13に示されるように、2つのウェハが分離されるとき、水素ラジカルは、はんだバンプを清浄にするために清浄機能を実行する。水素ラジカルは大気のプラズマのようなプロセスを用いて形成することができる。代替的に、(蟻酸のような)活性ガスを用いて、はんだ表面上に優先的な表面状態を形成してもよい。
【0030】
図14は図13の構造を示し、そこでは、ベッドおよびダイオードにおけるはんだバンプが合併するように、第2のウェハを第1のウェハに向かって移動させている。図14で示されたステップでは、表面張力を用いて、レーザダイオード出力面および導波路入力面の最終的な相対的位置を規定する停止部にレーザダイオードを向かわせる。
【0031】
図15は図14の構造を示し、そこでは、キャリヤウェハを第1のウェハから遠ざかるように移動させ、レーザダイオードを第1のウェハに取付けたまま残す。
【0032】
一実施例では、AlTiCヘッドウェハは、レーザダイオードを受けるよう、導波路要素およびエッチングされたベッド(またはポケット)をともなって製作される。これらのポケットは、機械的な停止部および/またははんだバンプのような受動的整列のための特徴を含んでもよい。エッチングされたポケットは、レーザダイオードチップの最終的な位置を規定する。キャリヤウェハは、水素ラジカルおよび/または蟻酸蒸気のような化学的活性物質の流れを可能にするよう、穴を含む。エッチングされたポケットのサイズは高速ピックアンドプレイスツールの配置精度と一致すべきである。ポケット位置はヘッドウェハにおけるスライダ部分の位置と一致する。キャリヤウェハのサイズはヘッドウェハと同じか、またはより大きくあり得る。
【0033】
レーザダイオードは、高速ピックアンドプレイスツールを用いて、キャリヤウェハ上のポケットに入れることができる。レーザダイオードは、初めに、機械的な取付けなしで、キャリヤウェハ上でポケットにある。振動または正しくない水平の向きによって引起される、考えられ得るレーザチップ移動は、キャリヤウェハポケット壁部によって制限される。レーザチップの自由な移動を利用して、ポケット壁部を機械的停止部として用いることにより、配置工具位置変動を低減することが考えられる。
【0034】
化学的活性物質源は、キャリヤウェハと一致するサイズを有することができる。この化学的活性物質源の一例は市販の大気プラズマツールである。
【0035】
レーザダイオードおよびスライダを組付けるプロセスは、図13−図15に示されるように、図17のフローチャートに示されるステップを含む。最初に、キャリヤウェハは、たとえば数ミリメートルの間隔で、ヘッドウェハの近くに位置決めされる(230)(図13を参照)。化学的活性物質源は、キャリヤウェハにおける穴を介する化学的活性物質の流れをあたえるよう、キャリヤウェハの近くに位置決めされる(232)。化学的活性物質源がオンに切換えられ(234)、ウェハははんだ融点より上に加熱される。ある時間が、はんだリフローおよびはんだ表面の前清浄のため取られて(236)、はんだ表面から酸化物を取除く。ウェハ間の隙間は、両方のウェハ上のはんだに清浄化物質が同時にアクセス可能なように選択されるべきである。
【0036】
次に、ウェハを接触させて(238)、両方のウェハ上のはんだが互いに接触するようにする(さらに図14を参照)。小間隙がはんだへのアクセスを制限するまで、清浄化プロセスはボンディング直前まで継続する。機械的な停止部との受動的整列の場合には、付加的な移動を適用して(240)、レーザダイオードチップを押してヘッドウェハ上の停止部と接触させ、ヒータをオフに切換えてもよい(242)。はんだ凝固中、レーザを停止部に向かって押し続ける(244)。凝固の後、キャリヤウェハは解放される(250)(さらに図15を参照)。自己整列のためのはんだバンプを用いる場合、レーザは浮遊することを許され(246)、ヒータがオフに切換えられる(248)。レーザははんだ凝固中は浮遊しているべきである。
【0037】
ボンドパッド外形およびレイアウトはレーザダイオードの自己整列特性上大きな効果がある。第1に、はんだアレイのサイズ、形状および量は、整列特性に直接影響する。名目上のレイアウトが図16に示され、中央ヒートシンク接続222および外側整列パッド224をともなうエッジ発光レーザダイオード220のための自己整列ボンドパッドレイアウトの例を示す。パッドレイアウトは、はんだ自己整列、電気接点、およびスライダ/ヘッド構造による熱の冷却をあたえるよう、はんだ自己整列バンプおよび細長いヒートシンク接続の組合せを含む。
【0038】
いくつかの実施例が記載されたが、特許請求の範囲から逸脱せずに、記載された実施例へのさまざまな変更を行うことができることは当業者には明らかである。上に記載された実現例および他の実現例は、特許請求の範囲内である。
【符号の説明】
【0039】
36 チャネル導波路、44 入力面、62 ポケット、52 出力面、42 レーザ、74 ポケットの壁部、64,66 停止部、72 隙間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル導波路、およびチャネル導波路の入力面に近接したポケットを含む構造と;
出力面を有し、ポケット内に位置決めされるレーザと;
レーザおよびポケットの壁部の少なくとも1つの上の停止部とを含み、
レーザの出力面および導波路の入力面が隙間によって分離されるように、停止部はレーザとポケットの壁部との間においてインタフェースに位置決めされる、装置。
【請求項2】
停止部はポケットの壁部における凹部に近接する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
停止部はレーザの出力面に近接する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
レーザの上の第1の複数個のパッドと;
ポケットにおける第2の複数個のパッドと;
第1および第2の複数個のパッドの個々のパッド間に位置決めされるボンディング材料とをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
複数の複数個のパッドの間の相対的な整列は、所望の基準面に関してオフセットされる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
レーザとポケットの底部との間において位置決めされたヒートシンクをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
ポケットの底部における溝と;
レーザから溝内に延在するメサとをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
ポケットおよびレーザの縁部間に付加的な停止部をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
チャネル導波路、およびチャネル導波路の入力面に近接するポケットを含む構造をあたえるステップと;
出力面を有するレーザをポケット内に位置決めするステップと;
レーザの出力面および導波路の入力面が隙間によって分離されるように、レーザおよびポケットの壁部の少なくとも1つの上の軸方向停止部がレーザとポケットの壁部との間のインタフェースに位置決めされるまで、レーザをポケットの壁部に向かって押進めるステップと;
レーザとチャネル導波路との相対的位置を固定するステップとを含む、方法。
【請求項10】
停止部はポケットの壁部における凹部に近接する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
レーザをポケットの壁部に向かって押進めるステップは、表面張力を用いてレーザを壁部に向かって押して、レーザの出力面をチャネル導波路の入力面と整列させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
意図的なレーザオフセットを用いて、横方向整列を、停止部との接触に先立って生じさせる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
軸方向におけるレーザと停止部との間の接触が、完全な整列に先立って達せられるように、レーザパッドと基板パッドとの間の相対的な整列がオフセットされる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
はんだが緊張状態にされ、垂直停止部に抗してレーザを引くように、はんだリフロー高さは垂直停止部高さより低い、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ポケットとレーザとの間の隙間に水素ラジカルおよび表面活性化ガスの少なくとも1つを注入するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
キャリヤウェハをヘッドウェハに対して位置決めして、キャリヤウェハの複数個のレーザダイオードの各々を、ヘッドウェハの複数個のスライダ部分の対応する1つの整列特徴と整列させるステップと;
キャリヤウェハおよびヘッドウェハの少なくとも1つにおける開口部を介してキャリヤウェハとヘッドウェハとの間にガスを注入して、それらの間のはんだ表面上に優先的な表面状態を形成するステップと;
リフロー動作を実行して、レーザダイオードを対応するスライダ部分に接合するステップとを含み、リフロー動作は、さらに、それらの間に、スライダ部分の整列特徴と協働して最終整列を引起す、方法。
【請求項17】
整列特徴は、スライダ部分上のポケットおよびレーザダイオードの出力面とスライダ部分の入力面との間の機械的な停止部の少なくとも1つを含み、機械的な停止部は、少なくとも最終整列に続いて、隙間により入力面と出力面とを分離する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
リフロー動作は、さらに、レーザダイオードとスライダ部分との間のはんだバンプの表面張力に応答して、最終整列を引起す、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
リフロー動作中にキャリヤウェハをレーザダイオードから解放し、それによって、リフロー動作に続くはんだ凝固中にレーザダイオードが浮遊することを可能にするステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
キャリヤウェハをヘッドウェハ対して位置決めするステップは、レーザダイオードとスライダ部分との間において間隔を残すステップを含み、前記方法はリフロー動作中にレーザダイオードをスライダ部分と接触させるステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
ガスは、水素ラジカルおよび表面活性化ガスの少なくとも1つを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項1】
チャネル導波路、およびチャネル導波路の入力面に近接したポケットを含む構造と;
出力面を有し、ポケット内に位置決めされるレーザと;
レーザおよびポケットの壁部の少なくとも1つの上の停止部とを含み、
レーザの出力面および導波路の入力面が隙間によって分離されるように、停止部はレーザとポケットの壁部との間においてインタフェースに位置決めされる、装置。
【請求項2】
停止部はポケットの壁部における凹部に近接する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
停止部はレーザの出力面に近接する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
レーザの上の第1の複数個のパッドと;
ポケットにおける第2の複数個のパッドと;
第1および第2の複数個のパッドの個々のパッド間に位置決めされるボンディング材料とをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
複数の複数個のパッドの間の相対的な整列は、所望の基準面に関してオフセットされる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
レーザとポケットの底部との間において位置決めされたヒートシンクをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
ポケットの底部における溝と;
レーザから溝内に延在するメサとをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
ポケットおよびレーザの縁部間に付加的な停止部をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
チャネル導波路、およびチャネル導波路の入力面に近接するポケットを含む構造をあたえるステップと;
出力面を有するレーザをポケット内に位置決めするステップと;
レーザの出力面および導波路の入力面が隙間によって分離されるように、レーザおよびポケットの壁部の少なくとも1つの上の軸方向停止部がレーザとポケットの壁部との間のインタフェースに位置決めされるまで、レーザをポケットの壁部に向かって押進めるステップと;
レーザとチャネル導波路との相対的位置を固定するステップとを含む、方法。
【請求項10】
停止部はポケットの壁部における凹部に近接する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
レーザをポケットの壁部に向かって押進めるステップは、表面張力を用いてレーザを壁部に向かって押して、レーザの出力面をチャネル導波路の入力面と整列させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
意図的なレーザオフセットを用いて、横方向整列を、停止部との接触に先立って生じさせる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
軸方向におけるレーザと停止部との間の接触が、完全な整列に先立って達せられるように、レーザパッドと基板パッドとの間の相対的な整列がオフセットされる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
はんだが緊張状態にされ、垂直停止部に抗してレーザを引くように、はんだリフロー高さは垂直停止部高さより低い、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ポケットとレーザとの間の隙間に水素ラジカルおよび表面活性化ガスの少なくとも1つを注入するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
キャリヤウェハをヘッドウェハに対して位置決めして、キャリヤウェハの複数個のレーザダイオードの各々を、ヘッドウェハの複数個のスライダ部分の対応する1つの整列特徴と整列させるステップと;
キャリヤウェハおよびヘッドウェハの少なくとも1つにおける開口部を介してキャリヤウェハとヘッドウェハとの間にガスを注入して、それらの間のはんだ表面上に優先的な表面状態を形成するステップと;
リフロー動作を実行して、レーザダイオードを対応するスライダ部分に接合するステップとを含み、リフロー動作は、さらに、それらの間に、スライダ部分の整列特徴と協働して最終整列を引起す、方法。
【請求項17】
整列特徴は、スライダ部分上のポケットおよびレーザダイオードの出力面とスライダ部分の入力面との間の機械的な停止部の少なくとも1つを含み、機械的な停止部は、少なくとも最終整列に続いて、隙間により入力面と出力面とを分離する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
リフロー動作は、さらに、レーザダイオードとスライダ部分との間のはんだバンプの表面張力に応答して、最終整列を引起す、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
リフロー動作中にキャリヤウェハをレーザダイオードから解放し、それによって、リフロー動作に続くはんだ凝固中にレーザダイオードが浮遊することを可能にするステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
キャリヤウェハをヘッドウェハ対して位置決めするステップは、レーザダイオードとスライダ部分との間において間隔を残すステップを含み、前記方法はリフロー動作中にレーザダイオードをスライダ部分と接触させるステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
ガスは、水素ラジカルおよび表面活性化ガスの少なくとも1つを含む、請求項20に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−234615(P2012−234615A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−98551(P2012−98551)
【出願日】平成24年4月24日(2012.4.24)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月24日(2012.4.24)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】
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