説明

レーザーマーキングを施すための方法及びレーザーマーキングシステム

本発明は、閾値エネルギーレベル(T)で活性化されるようになっているレーザー感応領域が設けられた基材に、レーザーを使用してレーザーマーキングを施すための方法であって、レーザー感応領域全体を照射するエネルギー印加素子によって、レーザー感応領域にエネルギーを印加する工程と、レーザー感応領域の一部を、レーザーからの照射に曝す工程とを含み、エネルギー印加素子が、特定波長で集中される放射を出射するように構成され、放射を組み合わせることによって、レーザー感応領域が該放射の組み合わせが起こる部分で活性化されるように、閾値エネルギーレベル(T)を超えるエネルギーを発生させる方法に関する。本発明はまた、当該方法を実行するためのレーザーマーキングシステムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザーマーキングを施すための方法及びレーザーマーキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば包装材料等の基材に、英数字番号若しくはコード、二次元コード、シンボル、テキスト、又は画像等をマーキングするための様々な方法がある。そのうちの1つに、レーザー技術、すなわち、レーザーとレーザー感応インク、コーティング、又は顔料とを使用するものがある。以下、このような技術を「レーザーマーキング」と表す。
【0003】
特許文献1には、紙又は板紙のコア層を有する包装材料のレーザーマーキングが記載されている。
【0004】
レーザー感応インク又はコーティング(以下「インク」と表す)は、レーザー光吸収材と発色剤との混合物である。レーザー光に曝すことで、インクに含まれる光吸収材が光子エネルギーを吸収して発熱し、この熱が発色剤を刺激してその色を変化させる。
【0005】
包装材料等の基材には、レーザー感応領域、すなわち、上記のようなレーザー感応インク、コーティング又は顔料が設けられた領域が設けられている。レーザーであるマーキング機器によって、包装材料の各部分に特有の印刷若しくはマーキング及び/又は即座に変更することができる印刷を施すことができる。
【0006】
好ましくは、マーカー又はマーキング機器は、非常に高速且つ高解像度で印刷を行うことが可能であることが必要とされる。今日、毎秒1.2メートルの速度で包装材料のウェブを走行させる充填機が存在する。
【0007】
市場には、様々なレーザーマーキングシステムが出ている。しかしながら、これらのシステムは速度が遅過ぎるか解像度が低すぎる。高解像度の高速マーキングのためには、レーザーダイオードアレイが最良の選択のように思える。しかしながら、現在市場に出ているレーザーダイオードアレイは、0.5ワット前後又はそれ未満の効力を有する低エネルギーレーザーである。これでは不十分であることが立証されており、このパワーでは、毎秒1メートル超の速度でマーキングを行うのに十分ではないことが分かっている。
【0008】
更に、レーザーダイオードアレイを除いて、レーザーは、例えばガルバノスキャナー等の反射機器が必要である。このような機器もマーキングの速度及び解像度を制限する。現在、ガルバノスキャナーを備えるシステムは、毎秒1.2メートルといった高速でのマーキングには適用できない。
【0009】
今日、市場で入手できる高エネルギーレーザーダイオードアレイ(0.5ワット超の効力を有するレーザー)は存在しない。レーザーダイオードアレイを高エネルギーレーザーに変形させることもできようが、ダイオードをモノリシックアレイ内に互いに十分近接させて搭載することができないことも考えられるため、低解像度となってしまう。他の難点は、このようなレーザーの冷却システムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】スウェーデン特許公開公報第0800601号
【発明の概要】
【0011】
従って、本発明の目的は、低エネルギーレーザーを使用して、閾値エネルギーレベルで活性化されるようになっているレーザー感応領域が設けられた基材にレーザーマーキングを施すための方法を提供することである。本方法は、高速且つ高解像度でマーキングを施すことを可能にする。本方法は、レーザー感応領域全体を照射するエネルギー印加素子によって、レーザー感応領域にエネルギーを印加する工程と、レーザー感応領域の一部を、レーザーからの照射に曝す工程とを含み、エネルギー印加素子が、特定波長で集中される放射を出射するように構成され、これらの放射を組み合わせることによって、レーザー感応領域が該放射の組み合わせが起こる部分で活性化されるように、閾値エネルギーレベルを超えるエネルギーを発生させる。
【0012】
本発明の方法は、従属項2〜8において更に規定される。
【0013】
本発明はまた、レーザーマーキングシステムに関する。
【0014】
本レーザーマーキングシステムは、従属項10〜16において更に規定される。
【0015】
添付の図面を参照しながら、実施例をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るエネルギーレベルを示す概略図を示す。
【図2】現時点で好適な実施例を示す概略図を示す。
【実施例】
【0017】
冒頭で述べたように、レーザー感応インク又はコーティング(以下「インク」と表す)は、一般的に、レーザー光吸収材と発色材との混合物である。レーザー光に曝すことで、インクに含まれる光吸収材が光子エネルギーを吸収して発熱し、この熱が発色剤を刺激又は活性化して、その色を変化させる。このようにして、マーキングが基材に施される。
【0018】
一部のレーザー感応インクは、熱によって活性化される感熱インクであり、また一部は、ある波長に曝すと活性化される波長感応インクである。本明細書において「照射」という表現を使用するが、この表現が、照射を施す源に応じて、熱放射の形態の照射と特定波長放射の形態の照射との両方を包含することは理解されたい。
【0019】
インクを活性化、すなわち、インクを変色させるためには、ある程度の量のエネルギーが必要である。基本原理を例示する図1は、基材のレーザー感応領域に付与されるエネルギーを示す。基材は、好ましくは、レーザーマーキングが該基材の特定の領域又は所定の領域に施されるように、レーザー放射に対して感応性を有さない領域も備える。色の変化は、符号Tで示す閾値レベルで起こり始める。例えば、包装材料のウェブの速度が最大で毎秒1.2メートルの高速充填機では、今日の低エネルギーレーザーを使用して必要なエネルギーを付与することは困難であることが分かっている。
【0020】
本発明の方法において、これは、エネルギー印加素子の照射によってレーザー感応領域にエネルギーを印加する工程と、該レーザー感応領域をレーザーからの照射に曝す工程とによって解決される。これらの照射を組み合わせることによって、エネルギーが、該放射の組み合わせが起こる位置でレーザー感応領域が活性化されるように閾値エネルギーレベルTを超えるエネルギーを発生させる。
【0021】
図1に示す実施例において、レーザー感応領域には、閾値エネルギーレベルTよりも低いエネルギーレベルまで予めエネルギーが印加されている。これは、レーザー感応インクには必要なエネルギーの大部分が「予め与えられて」いることを意味する。しかしながら、マーキングすべき部分だけでなく感応領域全体にエネルギーが印加されてしまうため、閾値レベルTまでエネルギーを付与せずにそのレベルまである程度のマージンを維持するのが好ましい。
【0022】
上記の予めエネルギーを印加する工程の後、レーザー感応領域を、実際のマーキングを作成するレーザーからの放射に曝してもよい。これにより、該レーザーによって、閾値エネルギーレベルTを少なくとも超えるために必要な、すなわち、レーザー感応領域を活性化させるために必要な残りのエネルギーが付与される。このエネルギー量は、図1において符号Lで表わされている。このエネルギーは、レーザー感応領域における色の変化が望まれる点、すなわち、マーキングを作成すべき点にのみ照射される。レーザーによって、閾値エネルギーレベルTを超えるのに十分なエネルギーが付与される。好ましくは、色の変化が起こること及びマークと背景との所望のコントラストに達することを確実にするために相当量のマージンを有するレベルを超えるのに十分なエネルギーが付与される。
【0023】
予めエネルギーを印加する工程において基材のレーザー感応領域に吸収されたエネルギーは、その材料内に留まることはなく急速に消失する。従って、予めエネルギーを印加する工程は、基材をレーザーに曝す直前に行うと有利である。
【0024】
本発明の方法を使用する際、幾つかの種類のレーザーを使用して高速且つ高解像度のマーキングを作成してもよい。使用し得るレーザーの種類の1つは、近赤外線であり、例えば、レーザーダイオードアレイ、ファイバー結合ダイオードアレイ、又はファイバーレーザーである。レーザーダイオードアレイは、近接させた幾つかのダイオードからなり、650〜5500nmの波長帯で動作させることができる。更に、CO2レーザーやNd:YAGレーザーを代わりに使用してもよい。
【0025】
本方法によれば、エネルギーを印加する工程は、エネルギー印加素子によって行われる。エネルギーの印加は、例えば、赤外線放射源又はレーザーのいずれによって行なってもよい。また、例えば高温空気や高温流体等の他のエネルギー印加源も可能である。エネルギー印加素子を選択する際の一観点は、
好ましくはエネルギーをレーザー感応領域に対して均一に広げるべきであるということである。別の観点は、閾値エネルギーレベルTを誤って超えないように、エネルギー印加素子から付与されるエネルギー量を制御できる可能性である。全体的に見て、エネルギー印加素子は、レーザー感応インクの組成並びにエネルギーを印加する基材の構造及び感応度に応じて選択すべきである。波長感応インクを使用する場合、源は、好ましくはワイドレーザー光又は赤外線光源である。
【0026】
一好適な実施例において、赤外線光源をエネルギー印加素子として使用してもよい。そのような赤外線光源によって、狭い周波数間隔で電磁放射を付与することができ、出射されたエネルギーの大部分がピーク波長において集中する。例えば、市販のIR発光ダイオードは、2.6ミクロンのピーク波長を有し、そのエネルギーは、1.9〜3.3ミクロンのガウス分布に従って分配される。異なるピーク波長及び異なるFWHMを有するように設計された他の赤外線光源も当該技術分野において公知である。
【0027】
赤外線加熱は、電磁波の形態の熱エネルギーの伝達である。高温源、例えば、石英ランプや石英管、金属棒は、分子の振動及び回転によって電磁放射を発生させる。源は、対象物に向けてピーク波長で放射線を出射する。対象物は、ある波長の放射線を吸収して他の周波数の放射線を反射又は再放射することができる。該対象物内部で熱を生成するのは、吸収された放射線である。この種の加熱器の効率は、80%超のものもある。赤外線加熱は、効率、波長、及び反射率で異なる。これらの特徴によって、加熱器は区別され、ある用途において
それらの幾つかは他の加熱器よりも効率的になる。赤外線加熱の用途において有用な波長帯の範囲は、電磁スペクトルで0.7〜10マイクロメートル(μm)の範囲内であり、短波長(0.72〜1.5μm)、中波長(1.5〜5.6μm)、及び長波長(5.6〜10μm)の3つのグループに分けられる。短波長及び中波長の赤外線源が、ダイオードアレイレーザー及びファイバー結合ダイオードアレイレーザーと適切に組み合わせることができ、後者の場合、0.65〜5.6マイクロメートル(μm)の範囲の波長の放射線を出射することが分かっている。
【0028】
ここまでレーザー感応インクについて説明してきた。しかしながら、レーザー感応領域に設けられるレーザー感応性は、インク又はコーティングの塗布によって設ける必要はない。レーザー感応領域は、基材にレーザー感応顔料を塗布することによって設けてもよい。紙又は板紙のコアとポリマーの外層とを有する包装材料ラミネートの例では、レーザー感応インク又はコーティングは、それが最外層のポリマー層によって保護されるように設けてもよい。顔料の場合はその代わりに、該顔料を、包装ラミネートの保護ポリマー層に埋設してもよい。従って、どちらの場合も、レーザー感応領域はポリマー層によって保護される。これらのような実施例は、IR源のピーク出射波長が吸収されることなくポリマー層内を通過するようにエネルギー印加素子を選択することができるという点で更に有利である。従って、ポリマー層における放熱が無い、又は、非常に少なくて済み、出射されたエネルギーの大部分がレーザー感応領域の活性成分によって吸収される。その結果、エネルギー印加素子のピーク波長を、レーザー感応インクの活性成分を活性化又は刺激するのに必要な波長と、また、保護ポリマー層の透過スペクトルに対して調和させることが好ましい。この特定の実施例は、基材をマーキングするために使用されるエネルギーを全体的に低減することに寄与する。
【0029】
例えば、保護ポリマー層がLDPEからなる場合、このような層は、例えば約3〜3.5ミクロンで吸収が増加する。従って、レーザー感応インクを含む必要な機器を選択する際にはこれらの波長は避けるべきである。同じことが、保護層がポリプロピレンからなる場合にも言える。
【0030】
特定の実施例によれば、レーザー102を使用して基材にレーザーマーキングを施す方法が提供される。基材103には、少なくともある1つの波長に対して相当な吸収度を有するポリマー層によって保護されたレーザー感応領域が設けられており、該レーザー感応領域が閾値エネルギーレベルTで活性化されるようになっている。本方法は、
レーザー感応領域の全体を照射するエネルギー印加素子101によって、レーザー感応領域にエネルギーを印加する工程と、
レーザー感応領域の一部を、レーザー102からの照射に曝す工程と
を含み、
上記エネルギー印加素子は、前記保護層の吸収波長と異なる特定波長で集中される放射を出射するように構成され、放射を組み合わせることによって、レーザー感応領域が当該放射の組み合わせが起こる部分で活性化されるように閾値エネルギーレベルTを越えるエネルギーを発生させる。
【0031】
エネルギー印加素子の特定出射波長は、レーザーの出射波長に近接しているか又は等しくてもよい。「近接」という表現は、この文脈において、エネルギー印加素子の出射放射が、ある程度レーザーの出射波長に重なるというように解釈すべきである。
【0032】
本発明はまた、レーザー感応領域が設けられた基材にレーザーマーキングを施すためのレーザーマーキングシステムを含む。このシステムを図2に概略的に示す。このシステムは、前述の方法を実行するように設計されており、詳細に説明はしない。方法に関する説明を参照のこと。
【0033】
簡潔に言うと、本システムの実施例は、閾値エネルギーレベルTよりも低いエネルギーレベルまで、レーザー感応領域に対して予めエネルギーを印加するエネルギー印加素子101を備える。更に、本システムは、レーザー感応領域を活性化させるために少なくとも閾値エネルギーレベルTを超えるのに必要な残りのエネルギーを付与することが可能なレーザー102を備える。
【0034】
エネルギー印加素子101とレーザー102とは、基材103、例えば包装材料のウェブが、レーザー102を通過する直前にエネルギー印加素子101を通過するように、互いに対して位置付けられる。ウェブの移動方向を、矢印Xで表わす。
【0035】
以下、幾つかの実施例に係るレーザーマーキング方法の例として、2つの異なる実験について説明する。両方の設定において、ピーク出射波長が1000nmのIRハロゲンランプをエネルギー印加素子として使用し、1070nmで動作するレーザーをマーキングシステムにおいて使用した。どちらも1070nmの吸収放射によって活性化する2種類の異なるレーザー感応インクを使用した。活性化は、色が透明から黒へ変化することによって示される。どちらの実験も、IRハロゲンランプを使用せずに光学濃度を測定するバックグラウンド測定を基準にして行った。
【0036】
例1:
基材のうち8mm×7mmの領域をインクAでコーティングした。レーザーのエネルギー密度を1.4J/cmと2.0J/cmとにそれぞれ設定し、IRハロゲンランプの出力密度を0.79W/cmに設定した。そして、それら異なるレーザーエネルギー密度について、光学濃度を対IR暴露時間で測定した。試験結果は、IRエネルギー印加素子と共に1.4J/cmのレーザーのエネルギー密度を利用することによって0.6の光学濃度が得られたことを示した。これは、2.6J/cmのバックグラウンドレーザーエネルギー密度を使用した場合、すなわち、マーキングに必要なレーザーエネルギーが46%減少したことに対応している。
【0037】
更に、試験結果は、IRエネルギー印加素子と共に2.0J/cmのレーザーのエネルギー密度を利用することによって0.75の光学濃度が得られたことを示した。これは、2.8J/cmのバックグラウンドレーザーエネルギー密度を使用した場合、すなわち、マーキングに必要なレーザーエネルギーが29%減少したことに対応している。
【0038】
例2:
基材のうち8mm×7mmの領域をインクBでコーティングした。レーザーのエネルギー密度をそれぞれ0.38J/cmと0.6J/cmとに設定し、IRハロゲンランプの出力密度を0.79W/cmに設定した。そして、それら異なるレーザーエネルギー密度について、光学濃度を対IR暴露時間で測定した。試験結果は、IRエネルギー印加素子と共に0.38J/cmのレーザーのエネルギー密度を利用することによって1.0の光学濃度が得られたことを示した。これは、0.6J/cmのバックグラウンドレーザーエネルギー密度を使用した場合、すなわち、マーキングに必要なレーザーエネルギーが36%減少したことに対応している。
【0039】
更に、試験結果は、IRエネルギー印加素子と共に0.6J/cmのレーザーのエネルギー密度を利用することによって2.2の光学濃度が得られたことを示した。これは、1.4J/cmのバックグラウンドレーザーエネルギー密度を使用した場合、すなわち、マーキングに必要なレーザーエネルギーが57%減少したことに対応している。
【0040】
以上、本発明を現時点で好適な実施例に関して説明したが、添付の特許請求の範囲において規定される本発明の目的及び範囲から逸脱することなく種々の変更及び変形を行うことが可能であることは理解されよう。
【0041】
エネルギー印加素子101を用いてエネルギーを印加する工程を、基材をレーザー102に曝す前に行うことについて説明した。しかしながら、その代わりに、エネルギー印加素子101を用いてエネルギーを印加する工程は、基材をレーザー102に曝した後に行ってもよいことは理解されるべきである。このことは、基材103が反対方向に移動するように図2における矢印Xを反転させることによって示すことができる。他の代替案としては、エネルギー印加素子101とレーザー102との両方によってレーザー感応領域を同時に照射することや、各源のそれぞれからの照射を少なくとも部分的に互いに重なるようにすることがある。レーザーマーキングシステムは、もちろん対応するように変更してもよい。
【0042】
実施例において、基材が包装材料のウェブである場合について説明した。もちろん、基材は、例えばパッケージやパレット、二次パッケージ、(幾つかのパッケージからなる)ファミリーパック、又はその他任意の製品等、任意の他の種類の対象物であってもよい。このような観点から、レーザー感応領域は、パッチとして、又は、他の適切な手段によって配置してもよい。
【0043】
更に、基材が走行している場合、また、マーキングを移動させながら施す場合について説明した。もちろん、その代りに、マーキングを施す基材は固定されてもよいし、低速で移動させてもよいし、1度に1段ずつインデックスすることにより移動させてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閾値エネルギーレベル(T)で活性化されるようになっているレーザー感応領域が設けられた基材(103)に、レーザー(102)を使用してレーザーマーキングを施すための方法であって、
前記レーザー感応領域全体を照射するエネルギー印加素子(101)によって、前記レーザー感応領域にエネルギーを印加する工程と、
前記レーザー感応領域の一部を、前記レーザー(102)からの照射に曝す工程と
を含み、
前記エネルギー印加素子が、特定波長で集中される放射を出射するように構成され、前記放射を組み合わせることによって、前記レーザー感応領域が前記放射の組み合わせが起こる部分で活性化されるように、前記閾値エネルギーレベル(T)を越えるエネルギーを発生させる方法。
【請求項2】
前記エネルギー印加素子(101)を用いてエネルギーを印加する工程は、前記基材(103)を前記レーザー(102)に曝す前に行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レーザー(102)は近赤外線型である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記レーザー(102)はダイオードアレイレーザーである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記レーザー(102)はファイバーレーザーである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記エネルギー印加素子(101)は赤外線放射源又はレーザー光である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エネルギーを印加する工程は赤外線放射源によって行われ、前記赤外線放射源は、0.65〜5.6マイクロメートル(μm)の範囲の波長で放射を出射するように設けられ、前記レーザー(102)は、0.65〜5.6マイクロメートル(μm)の範囲の波長で放射を出射するように設けられている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記レーザー感応領域は、レーザー感応インク又はコーティング又は顔料を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
閾値エネルギーレベル(T)で活性化されるようになっているレーザー感応領域が設けられた基材(103)に、レーザー(102)を使用してレーザーマーキングを施すためのレーザーマーキングシステムであって、
前記レーザー感応領域全体を照射するようになっているエネルギー印加素子(101)と、
前記レーザー感応領域の一部を照射するようになっているレーザー(102)と
を備え、
前記放射を組み合わせることによって、前記レーザー感応領域が前記放射の組み合わせが起こる部分で活性化されるように、前記閾値エネルギーレベル(T)を越えるエネルギーを発生させるシステム。
【請求項10】
前記レーザー(102)は近赤外線型である、請求項9に記載のレーザーマーキングシステム。
【請求項11】
前記レーザー(102)はダイオードアレイレーザーである、請求項9に記載のレーザーマーキングシステム。
【請求項12】
前記レーザー(102)は、ファイバーレーザー又はファイバー結合ダイオードアレイレーザーである、請求項9に記載のレーザーマーキングシステム。
【請求項13】
前記エネルギー印加素子(101)は、赤外線光源、レーザービーム、フラッシュランプ、及び高温空気又は高温流体のいずれかである、請求項9に記載のレーザーマーキングシステム。
【請求項14】
前記レーザー感応領域は、レーザー感応インク又はコーティング又は顔料を含む、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記基材(103)は、毎秒0.2〜15メートルの範囲の速度で前記レーザーマーキングシステムを通過するように設けられる包装材料のウェブである、請求項9〜14のいずれか一項に記載のレーザーマーキングシステム。
【請求項16】
前記エネルギー印加素子(101)と前記レーザー(102)とは、前記基材(103)が前記レーザー(102)を通過する前に前記エネルギー印加素子(101)を通過するように、互いに対して位置付けられる、請求項9〜15のいずれか一項に記載のレーザーマーキングシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−505154(P2013−505154A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530168(P2012−530168)
【出願日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005818
【国際公開番号】WO2011/035909
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】