説明

レーザーマーキング装置

【課題】レーザーの散乱光の漏洩が抑制されており、小型化可能なレーザーマーキング装置を提供する。
【解決手段】レーザーマーキング装置1は、載置板10と、レーザー光源13と、カバー15と、当接機構12とを備える。載置板10は、ワーク11が載置される載置部10aを有する。レーザー光源13は、載置板10の上方に配されている。レーザー光源13は、ワーク11にレーザー光を照射する。カバー15は、レーザー光源13と載置部10aとの間に配されている。カバー15は、レーザー光源13から載置部10aの上に配されたワーク11に向けて出射されるレーザー光を包囲している。カバー15には、ワーク11に臨む開口部15bが設けられている。当接機構12は、ワーク11を開口部15bに当接させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザーマーキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品などのワークに、レーザー光を用いて文字や図形などのマークを付与するレーザーマーキング装置が用いられている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−263867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のレーザーマーキング装置では、ワークと上面カバーとの間に隙間が存在している。このため、ワークと上面カバーとの間の隙間から、レーザーの散乱光が漏洩する。このため、このレーザーの散乱光がレーザーマーキング装置から漏洩しないように、遮光カバーを設ける必要がある。従って、レーザーマーキング装置が大型化するという問題がある。
【0005】
本発明は、レーザーの散乱光の漏洩が抑制されており、小型化可能なレーザーマーキング装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るレーザーマーキング装置は、載置板と、レーザー光源と、カバーと、当接機構とを備える。載置板は、ワークが載置される載置部を有する。レーザー光源は、載置板の上方に配されている。レーザー光源は、ワークにレーザー光を照射する。カバーは、レーザー光源と載置部との間に配されている。カバーは、レーザー光源から載置部の上に配されたワークに向けて出射されるレーザー光を包囲している。カバーには、ワークに臨む開口部が設けられている。当接機構は、ワークを開口部に当接させる。
【0007】
本発明に係るレーザーマーキング装置のある特定の局面では、レーザーマーキング装置は、制御部をさらに備える。制御部は、当接機構にワークを開口部に当接させた状態でレーザー光源からレーザー光を出射させる。
【0008】
本発明に係るレーザーマーキング装置の別の特定の局面では、載置板の載置部上に載置されたワークに臨む貫通孔が載置部に形成されている。当接機構は、貫通孔に気体を供給することによりワークを開口部側に移動させる機構である。
【0009】
本発明に係るレーザーマーキング装置の他の特定の局面では、当接機構は、ワークを開口部側に突き上げるプローブを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、レーザーの散乱光の漏洩が抑制されており、小型化可能なレーザーマーキング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーザーマーキング装置の模式的側面図である。
【図2】参考例に係るレーザーマーキング装置の模式的側面図である。
【図3】変形例に係るレーザーマーキング装置の模式的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
【0013】
また、実施形態等において参照する各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照することとする。また、実施形態等において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
【0014】
図1は、本実施形態に係るレーザーマーキング装置1の模式的側面図である。レーザーマーキング装置1は、載置板10を有する。載置板10は、ワーク11が載置される載置部10aを有する。載置部10aには、載置部10aに載置されたワーク11に臨む貫通孔10bが形成されている。貫通孔10bには、当接機構を構成しているブロア12が接続されている。ブロア12は、貫通孔10bに空気などの気体を供給する。
【0015】
載置板10の載置部10aの上方には、レーザー光源13が配されている。レーザー光源13は、ワーク11にレーザー光を照射し、マーキングを行うためのものである。レーザー光源13は、ワーク11の種類や構成材料等に応じて適宜選択することができる。
【0016】
レーザー光源13と載置部10aとの間には、カバー15が配されている。カバー15は、レーザー光源13から出射されたレーザー光の散乱光がレーザーマーキング装置1から漏洩しないように散乱光を遮蔽する部材である。カバー15は、レーザー光源13から、載置部10aの上に載置されたワーク11に向けて出射されるレーザー光を包囲するように設けられている。具体的には、レーザー光を包囲する側壁部15aと、側壁部15aの載置部10a側の端部に設けられており、載置部10aの上に配されたワーク11に臨む開口15cを有する開口部15bとを有する。載置部10aにワーク11が載置された状態では、開口部15bとワーク11との上面との間には隙間が設けられている。即ち、載置部10aにワーク11が載置された状態では、開口部15bとワーク11との上面とは離間している。
【0017】
また、レーザーマーキング装置1は、制御部16をさらに備えている。制御部16は、レーザー光源13、当接機構を構成しているブロア12及び搬送機構17を制御する。
【0018】
次に、レーザーマーキング装置1の動作について説明する。
【0019】
まず、載置部10aの上にワーク11が載置される。
【0020】
次に、制御部16により、ブロア12が駆動され、貫通孔10bに気体が供給される。これにより、ワーク11が開口部15b側に移動し、開口部15bに当接する。これにより、ワーク11とカバー15との間の隙間が消滅する。その状態で、制御部16は、レーザー光源13にレーザー光を照射させる。これにより、ワーク11の表面にマークが形成される。
【0021】
その後、制御部16は、ブロア12をオフし、ワーク11を載置部10aの上に位置させる。次に、制御部16は、搬送機構17に、マーキングされたワーク11を搬送させる。
【0022】
ところで、図2に示すように、当接機構を構成しているブロアが設けられていない場合は、カバー115とワーク111との間の隙間からワーク111の上面において反射されたレーザー光の散乱光が漏洩する。このため、カバー115の外側に、さらにカバー116を設ける必要がある。
【0023】
それに対して本実施形態では、当接機構を構成しているブロア12によってワーク11が開口部15bに当接しており、ワーク11とカバー15との間に隙間がない状態でレーザーマーキングが行われる。このため、さらなるカバーを別途に設けなくてもレーザー光の散乱光の漏洩を好適に抑制することができる。従って、レーザーマーキング装置1を小型化することができる。
【0024】
また、レーザーマーキングを開口部15bに当接させた状態で行うため、レーザー照射時のレーザー光源13に対するワーク11の位置決め精度を高めることができる。従って、高い形状精度でマークをワーク11に形成することができる。
【0025】
なお、本実施形態では、ブロア12により当接部材を構成する例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。
【0026】
例えば、図3に示すように、当接機構22を、ワーク11を開口部15b側に突き上げるプローブ22aと、プローブ22aを駆動させるアクチュエータとにより構成してもよい。
【符号の説明】
【0027】
1…レーザーマーキング装置
10…載置板
10a…載置部
10b…貫通孔
11…ワーク
12…ブロア
13…レーザー光源
15…カバー
15a…側壁部
15b…開口部
15c…開口
16…制御部
17…搬送機構
22…当接機構
22a…プローブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークが載置される載置部を有する載置板と、
前記載置板の上方に配されており、前記ワークにレーザー光を照射するレーザー光源と、
前記レーザー光源と前記載置部との間に配されており、前記レーザー光源から前記載置部の上に配されたワークに向けて出射されるレーザー光を包囲し、前記ワークに臨む開口部が設けられたカバーと、
前記ワークを前記開口部に当接させる当接機構と、
を備える、レーザーマーキング装置。
【請求項2】
前記当接機構に前記ワークを前記開口部に当接させた状態で前記レーザー光源からレーザー光を出射させる制御部をさらに備える、請求項1に記載のレーザーマーキング装置。
【請求項3】
前記載置板の載置部上に載置されたワークに臨む貫通孔が前記載置部に形成されており、
前記当接機構は、前記貫通孔に気体を供給することにより前記ワークを前記開口部側に移動させる機構である、請求項1または2に記載のレーザーマーキング装置。
【請求項4】
前記当接機構は、前記ワークを前記開口部側に突き上げるプローブを有する、請求項1または2に記載のレーザーマーキング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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