説明

レーザー溶接可能なポリエステル組成物およびレーザー溶接のための方法

熱可塑性ポリエステルとα−メチルスチレンコポリマーと、任意選択的に、1つまたは複数の無機補強剤および/または充填剤および他の添加剤とを含むレーザー溶接可能なポリエステル樹脂組成物および前記組成物から製造された物体をレーザー溶接するための方法。前記組成物は、改良された溶融流れおよび高温においての剛性を有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性ポリエステルとα−メチルスチレンコポリマーと、任意選択的に、1つまたは複数の無機充填剤または補強剤および他の添加剤とを含むレーザー溶接可能なポリエステル樹脂組成物に関する。本発明はさらに、ポリエステル樹脂組成物を含む物体をレーザー溶接するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
より複雑な部品に機械的に組み立てることができる成形プラスチック部品を製造することがしばしば望ましい。通常、プラスチック部品は、それらをグルーで接着するかまたはボルトで一体に締めるかもしくはスナップ嵌め接続を用いて組み立てられている。これらの方法は、それらは複雑な付加的な工程を組立方法に加えるという欠点がある。スナップ嵌め接続は、気密性および液密性ではないことが多く、複雑な設計を必要とする。より新規な技術は振動および超音波溶接であるが、これらはまた、複雑な部品設計および溶接装置を必要とすることがある。さらに、プロセスからの摩擦は、部品の内部を汚染することがある粉塵を生じることがある。これは、敏感な電気部品または電子部品が用いられる時に特に問題である。
【0003】
最近開発された技術はレーザー溶接である。この方法において、接合される2つのポリマー物体は、使用されるレーザーの波長においての光の透過率の異なったレベルを有する。1つの物体が、レーザー光の波長に対して少なくともある程度透明であり(「比較的透明な」物体と称される)、他方、第2の部品が入射放射線のかなりの部分を吸収する(「比較的不透明な」物体と称される)。物体の各々が、接合面を提供し、比較的透明な物体が、その前記接合面の反対側に衝突面を提供する。接合面を接触させ、このように接続部を形成する。レーザービームを比較的透明な物体の衝突面に向け、それが第1の物体を通過し、第2の物体の接合面を照射し、第1および第2の物体を前記接合面の前記接続部において溶接させる。一般に米国特許公報(特許文献1)(その内容を参照によって本願明細書に援用するものとする)を参照のこと。この方法は非常に清浄、簡単、かつ迅速でありうると共に、非常に強い、容易に再現可能な溶接および著しい設計の融通性を提供する。
【0004】
添加剤をポリエステル組成物に添加してそれらの性質を増強することがしばしば望ましい。例えば、特定の添加剤は組成物の溶融粘度および組成物から成形された部品の型の収縮度を低下させることができ、ならびに型からの部品の取出し性を改良することができる。これらの全てが、組成物の加工性の改良につながる場合がある。添加剤はまた、多くのエンジン室自動車用途のために必要とされる、ポリエステル組成物から作製された部品の高温曲げ弾性率および剛性を増加させることができる。しかしながら、材料が入射レーザー放射線を透過する度合いは、一部は、組成物の成分の化学組成に応じたものであり、多くの通常のポリエステル添加剤は、溶接が強いレーザー溶接を生じるために用いられる周波数のレーザー放射線に対して組成物を非常に不透明にする。溶融流量の増加、成形収縮の低下、良好な型取出し性、および高温剛性および耐クリープ性の増加したレーザー溶接可能なポリエステル組成物が本明細書において開示される。
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,893,959号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0207966号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書において、
(a)少なくとも1つの熱可塑性ポリエステル約30〜約99重量パーセントと、
(b)(i)少なくとも約10重量パーセントがα−メチルスチレンからなるスチレンモノマー約30〜約95重量パーセントと、
(ii)少なくとも1つの極性側基を含有する少なくとも1つのビニルモノマー約5〜約70重量パーセントと
を含むビニルモノマーを共重合することによって製造されたポリマー(ビニルモノマーを共重合することによって製造された前記ポリマーは任意選択的にジエンエラストマーにグラフトされてもよい)を含む少なくとも1つのα−メチルスチレンコポリマー約1〜約40重量パーセントと、
(c)少なくとも1つの無機充填剤または補強剤0〜約50重量パーセントと
を含み、
成分(a)〜(c)の上記のパーセントが組成物の全重量を基準にしていることを特徴とする、溶接可能なポリエステル組成物が開示および権利請求される。
【0007】
さらに、レーザー放射線を用いて第1のポリマー物体を第2のポリマー物体に溶接するための方法が開示および権利請求され、そこにおいて前記第1のポリマー物体が前記レーザー放射線に対して比較的透明であり、前記第2の物体が前記レーザー放射線に対して比較的不透明であり、前記第1および前記第2の物体が各々、接合面を提供し、前記第1の物体が、その前記接合面の反対側に衝突面を提供し、前記方法が、(1)前記第1および第2の物体の前記接合面を物理的に接触させてそれらの間に接続部を形成する工程と、(2)前記第1および第2の物体を前記レーザー放射線で照射して前記レーザー放射線が前記衝突面に衝突し、前記第1の物体を通過して前記第2の物体の前記接合面を照射し、前記第1および第2の物体を前記接合面の前記接続部において溶接させる工程とを含み、前記第1のポリマー物体が、
(a)少なくとも1つの熱可塑性ポリエステル約30〜約99重量パーセントと、
(b)(i)少なくとも約10重量パーセントがα−メチルスチレンからなるスチレンモノマー約30〜約95重量パーセントと、
(ii)少なくとも1つの極性側基を含有する少なくとも1つのビニルモノマー約5〜約70重量パーセントとを含むビニルモノマーを共重合することによって製造されたポリマー(ビニルモノマーを共重合することによって製造された前記ポリマーは任意選択的にジエンエラストマーにグラフトされてもよい)を含む少なくとも1つのα−メチルスチレンコポリマー約1〜約40重量パーセントと、
(c)少なくとも1つの無機充填剤または補強剤0〜約50重量パーセントと
を含むポリエステル組成物から形成され、成分(a)〜(c)の上記のパーセントが前記組成物の全重量を基準にしている。
【0008】
本発明の組成物から作製された物品および本発明の方法から作製されたレーザー溶接物品もまた、本明細書に開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の組成物は、少なくとも1つの熱可塑性ポリエステルと少なくとも1つのα−メチルスチレンコポリマーとを含む。本明細書中で用いられるとき、用語「α−メチルスチレンコポリマー」は、α−メチルスチレンと極性側基を含有する少なくとも1つのビニルモノマーとから誘導されたポリマーを指す。α−メチルスチレンコポリマーはまた、付加的なモノマーから誘導されてもよく、任意選択的にグラフトコポリマーの形であってもよい。
【0010】
いずれの熱可塑性ポリエステルを組成物中で用いてもよい。熱可塑性ポリエステルおよび/または熱可塑性ポリエステルコポリマーの混合物もまた、用いてもよい。本明細書中で用いられるとき、用語「熱可塑性ポリエステル」は、0.3以上の固有粘度を有し、概して、ジオールとジカルボン酸、またはそれらの反応性誘導体の直鎖飽和縮合物であるポリマーを包含する。好ましくは、それらは、8〜14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸と、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールおよび式HO(CHOH(nが2〜10の整数である)の脂肪族グリコールからなる群から選択される少なくとも1つのジオールとの縮合物を含む。ジオールの20モルパーセントまでが、アクゾ・ノーベル・ケミカルズ社(Akzo Nobel Chemicals, Inc.)製の商品名ジアノール(Dianol)(登録商標)220として販売されているエトキシ化ビスフェノールA、ヒドロキノン、ビフェノール、またはビスフェノールAなどの芳香族ジオールであってもよい。芳香族ジカルボン酸の50モルパーセントまでが8〜14個の炭素原子を有する少なくとも1つの異なった芳香族ジカルボン酸によって置換されてもよく、および/または20モルパーセントまでが2〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸によって置換されてもよい。コポリマーは、2つ以上のジオールまたはそれらの反応性の均等物、および少なくとも1つのジカルボン酸またはそれらの反応性の均等物、あるいは2つ以上のジカルボン酸またはそれらの反応性の均等物、および少なくとも1つのジオールまたはそれらの反応性の均等物から調製されてもよい。二官能性ヒドロキシ酸モノマー、例えばヒドロキシ安息香酸またはヒドロキシナフトエ酸またはそれらの反応性の均等物もまた、コモノマーとして用いられてもよい。
【0011】
好ましいポリエステルには、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(プロピレンテレフタレート)(PPT)、ポリ(1,4−ブチレンナフタレート)(PBN)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)、および前述の物質のコポリマーおよび混合物などがある。同様に好ましいのは、1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート/イソフタレートコポリマーの他、イソフタル酸、ビ安息香酸、1,5−、2,6−、および2,7−ナフタレンジカルボン酸を含むナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、エチレン−ビス−p−安息香酸、1,4−テトラメチレンビス(p−オキシ安息香)酸、エチレンビス(p−オキシ安息香)酸、1,3−トリメチレンビス(p−オキシ安息香)酸、および1,4−テトラメチレンビス(p−オキシ安息香)酸などの芳香族ジカルボン酸から誘導された他の直鎖ホモポリマーエステル、および2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、および例えばエチレングリコールなどの、一般式HO(CHOH(nが2〜10の整数である)の脂肪族グリコール、1,3−トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレングリコール、−1,6−ヘキサメチレングリコール、1,8−オクタメチレングリコール、1,10−デカメチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、および1,4−ブチレングリコールからなる群から選択されるグリコールである。アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの1つまたは複数の脂肪酸の、上記のように、20モルパーセントまでが存在しうる。同様に好ましいのは、1,4−ブタンジオール、エトキシ化ビスフェノールA、およびテレフタル酸またはそれらの反応性の均等物から誘導されたコポリマーである。同様に好ましいのは、PET、PBT、およびPPTのうちの少なくとも2つのランダムコポリマー、およびPET、PBT、およびPPTのうちの少なくとも2つの混合物、および前述の物質の任意の混合物である。
【0012】
塩化メチレンとトリフルオロ酢酸との3:1容積比の混合物中で30℃において少なくとも約0.5の固有粘度(IV)を有するポリ(エチレンテレフタレート)を使用することが特に好ましい。0.80〜1.0の範囲の、より高い固有粘度を有するPETが引張強さおよび伸びの増加などの増強された機械的性質を必要とする適用において用いられてもよい。
【0013】
熱可塑性ポリエステルはまた、ポリ(アルキレンオキシド)軟質セグメントを含有するコポリマーの形であってもよい。ポリ(アルキレンオキシド)セグメントは、熱可塑性ポリエステル100重量部当たり約1〜約15重量部で存在するべきである。ポリ(アルキレンオキシド)セグメントは、約200〜約3,250の範囲、または好ましくは約600〜約1,500の範囲の数平均分子量を有する。好ましいコポリマーは、PETまたはPBT鎖に導入されたポリ(エチレンオキシド)を含有する。導入方法は当業者に公知であり、重合反応の間、コモノマーとしてポリ(アルキレンオキシド)軟質セグメントを用いてポリエステルを形成する工程を包含しうる。PETを、PBTと少なくとも1つのポリ(アルキレンオキシド)とのコポリマーとブレンドしてもよい。また、ポリ(アルキレンオキシド)をPET/PBTコポリマーとブレンドしてもよい。ポリ(アルキレンオキシド)軟質セグメントを組成物のポリエステル部分に含有することによってポリエステルの結晶速度を促進することができる。
【0014】
熱可塑性ポリエステルは好ましくは、組成物の全重量を基準にして約30〜約99重量パーセント、あるいはより好ましくは約50〜約90重量パーセントで存在する。
【0015】
α−メチルスチレンコポリマーは、少なくとも約10重量パーセントがα−メチルスチレンであるスチレンモノマーを含むモノマーを、極性側基を含有する少なくとも1つのビニルモノマーと共重合することによって製造されたポリマーである。用語「スチレンモノマー」は、スチレンまたは置換スチレンを意味する。スチレンモノマーの例は、スチレン、例えばα−アルキル置換スチレンなどのアルキル置換スチレン、およびアルコキシ置換スチレンである。極性側基の例には、ニトリル、エステル、カルボン酸、無水物の他、グリシジルなどのエポキシ基がある。また、2つの極性側基が存在してもよい。極性側基を含有するビニルモノマーの例には、アクリロニトリル、ブチルアクリレートなどのアクリレート、メチルメタクリレートおよびグリシジルメタクリレートなどのメタクリレート、無水マレイン酸などの無水物、およびフマル酸およびマレイン酸などの二酸などがある。好ましいビニルモノマーはアクリロニトリルである。
【0016】
α−メチルスチレンコポリマーはまた、少なくとも約10重量パーセントがα−メチルスチレンであるスチレンモノマーを含むモノマーを、極性側基を含有する少なくとも1つのビニルモノマーと共重合することによって製造されたポリマーを、ジエンエラストマーにグラフトすることによって製造されたグラフトコポリマーの形であってもよい。「ジエンエラストマー」は、ジエンと、任意選択的に、他のモノマーとの重合によって製造されたエラストマーを意味する。ジエンの例には、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサンジエン、ジシクロペンタジエン、および5−エチリデン−2−ノルボルネンなどがある。好ましいジエンエラストマーの例は、ポリ(1,3−ブタジエン)およびEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンポリマー)である。α−メチルスチレンコポリマーがグラフトコポリマーであるとき、ジエンエラストマーは好ましくは、α−メチルスチレンコポリマーを約10〜約60重量パーセントで含む。
【0017】
スチレンモノマーは好ましくは、スチレンモノマーと極性側基を有するビニルモノマーとの全量の約30〜約95重量パーセントを含む。ビニルモノマーは好ましくは、スチレンモノマーと極性側基を有するビニルモノマーとの全量の約5〜約70重量パーセントを含む。スチレンモノマーの少なくとも約40重量パーセントがα−メチルスチレンであるのが好ましく、少なくとも約60重量パーセントがα−メチルスチレンであるのがより好ましい。
【0018】
α−メチルスチレンコポリマーは、乳化重合などの当業者に公知のいずれの方法によって製造されてもよい。α−メチルスチレンコポリマーは好ましくは、組成物の全重量を基準にして約1〜約40重量パーセント、あるいはより好ましくは約5〜約25重量パーセントで存在する。好ましいα−メチルスチレンコポリマーは、アクリロニトリル/α−メチルスチレンランダムコポリマー、アクリロニトリル/アクリレート/α−メチルスチレンランダムターポリマー、EPDMにグラフトされたアクリロニトリル/α−メチルスチレンポリマー、ポリ(1,3−ブタジエン)にグラフトされたアクリロニトリル/α−メチルスチレンポリマー、およびポリ(1,3−ブタジエン)にグラフトされたメチルメタクリレート/α−メチルスチレンポリマーである。
【0019】
さらに、本発明の組成物は、ガラス繊維、中空球、ビード、フレーク、または粉砕ガラス、マイカ、ウォラストナイト、タルク、および炭酸カルシウムなどの少なくとも1つの無機充填剤および/または補強剤を組成物の全重量を基準にして、任意選択的に約50重量パーセントまで含んでもよい。存在するとき、無機充填剤および/または補強剤は好ましくは、約10〜約45重量パーセントで存在する。
【0020】
本発明の組成物は、任意選択的に、少なくとも2個のエポキシ基を含む少なくとも1つのエポキシ化合物をさらに含んでもよい。好ましいエポキシ化合物には、テトラ−(p−ヒドロキシルフェニル)エタンのテトラギシジル(tetragycidyl)エーテル(シェル・ケミカル・カンパニー(Shell Chemical Co.)からエポン(EPON)(登録商標)1031として入手可能)、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとの縮合物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、1,1,1−トリス−(p−ヒドロキシフェニル)エタングリシジルエーテル、およびEHPE3150、すなわち、1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンと2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールとの反応生成物を含有する、ダイセル・ケミカル・インダストリーズ社(Daicel Chemical Industries, Inc.)の製品などがある。使用されるとき、エポキシ化合物は、組成物の全重量を基準にして約0.1〜約5重量パーセントで存在する。
【0021】
本発明の組成物は任意選択的に、少なくとも1つのビニル芳香族化合物と少なくとも1つの共役ジエンとから誘導された1つまたは複数のエポキシ化ブロックコポリマーで耐衝撃性を改良されてもよい。これらのエポキシ化ブロックコポリマーは、米国特許公報(特許文献2)(その内容を参照によって本願明細書に援用するものとする)に記載されている。エポキシ化ブロックコポリマーは、(i)少なくとも1つの芳香族ビニル化合物から誘導された少なくとも1つのポリマーブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエンから誘導された少なくとも1つのポリマーブロック(B)とを含むブロックコポリマー、または(ii)(i)の部分水素化生成物であるブロックコポリマーをエポキシ化することによって得られる。ポリマーブロック(A)の調製に使用するための適した芳香族ビニル化合物の例には、スチレン、α−アルキル置換スチレンなどのアルキル置換スチレン、アルコキシ置換スチレン、ビニルナフタレン、アルキル置換ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、およびビニルトルエンなどがある。スチレンが好ましい。ポリマーブロック(B)の調製に使用するための適した共役ジエンの例には、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、およびフェニル−1,3−ブタジエンなどがある。好ましいのは1,3−ブタジエンであり、イソプレンが好ましい。ブロックコポリマーは、A−B−A、B−A−B、B−A−B−AA−B−A−B−A等の形であってもよく、「A」は少なくとも1つの芳香族ビニル化合物から誘導されたポリマーブロック(A)を表し、「B」は少なくとも1つの共役ジエンから誘導されたポリマーブロック(B)を表す。ブロックコポリマーは、直鎖状、分岐状、ラジアル、または組合せであってもよい。好ましいブロックコポリマーはスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーである。使用されるとき、エポキシ化ブロックコポリマーは好ましくは、組成物の全重量を基準にして約2〜約25重量パーセントで存在する。
【0022】
本発明の組成物は任意選択的に、オリゴマー芳香族ホスフェートまたはメラミンピロホスフェートなどの少なくとも1つの難燃剤を約5〜約25重量パーセントで含有してもよく、それらのどちらも、同じく、ノボラックと共に用いられてもよい。難燃剤はまた、アンチモン相乗剤なしに使用された臭素化ポリスチレンおよび/またはポリ(臭素化スチレン)であってもよい。難燃剤の使用によって、この組成物から作製された部品の光透過率をレーザー溶接が実行不可能である程度まで低減しないのが好ましい。
【0023】
本発明の組成物はまた、任意選択的に、上記の成分の他に、核剤、熱安定剤、酸化防止剤、染料、顔料、離型剤、潤滑剤、紫外線安定剤、(ペイント)定着剤等の添加剤を含有してもよい。使用されるとき、前述の添加剤は、組み合わせて、組成物の全重量を基準にして約0.1〜約5重量パーセントで存在するのが好ましい。これらの付加的な添加剤の使用によって、この組成物から作製された部品の光透過率をレーザー溶接が実行不可能である程度まで低減しないのが好ましい。
【0024】
本発明の組成物は、溶融混合ブレンドの形であり、そこにおいてポリマー成分の全てが互いによく分散され、ブレンドが統一された全体を形成するように、非ポリマー成分の全てがポリマー母材中に均質に分散され、バインドされる。いずれかの溶融混合方法を用いて成分材料を配合することによって前記ブレンドを得ることができる。成分材料を一軸または二軸スクリュー押出機、ブレンダー、ニーダー、バンバリーミキサ等の溶融ミキサを用いて均質になるまで混合して樹脂組成物を生じさせてもよい。あるいは、材料の一部を溶融ミキサ内で混合してもよく、次いで材料の残りを添加して、均質になるまでさらに溶融混合してもよい。本発明のポリエステル樹脂組成物の製造時の混合順序は、当業者によって理解されるように、個々の成分を一回で溶融することができるような順序であってもよく、あるいは充填剤および/または他の成分がサイドフィーダー等から供給されてもよい。
【0025】
当業者に公知の方法、例えば、射出成形、ブロー成形、射出ブロー成形、または押出を用いて本発明の組成物を物体に形成してもよい。レーザー溶接方法においてこの物体は、他の物体にレーザー溶接することができ、比較的透明な物体であってもよい。本発明のレーザー溶接方法において使用するための好ましいレーザーは、800nm〜1200nmの範囲内の波長のいずれかのレーザーである。好ましいレーザーのタイプの例はYAGおよびダイオードレーザーである。
【0026】
本発明は、本発明の方法から作製された一切のレーザー溶接物品を包含する。有用な物品は、電気および電子センサハウジングなどの自動車部品およびプリンター、複写機、ファクシミリ等のオフィス機器のための部品である。
【実施例】
【0027】
(試料の調製および物理的試験)
表1に示された成分を250℃の温度において二軸スクリュー押出機(ワーナー&フライダー(Werner & Pfleiderer)ZSK−40)を用いて溶融混合して樹脂組成物を生じた。押出機を出ると、ポリマーをダイを通過させてストランドを形成し、急冷タンク内で冷凍し、次いで細断してペレットを作製した。
【0028】
得られた樹脂組成物を用いて4mmのISO多目的バーを成形した。この試験片を用いて成形し放しの乾燥した23℃の試料の機械的性質を測定した。以下の試験手順を用いた。
引張強さおよび破断点伸び:ISO527−1/2
曲げ弾性率および強さ:ISO178
ノッチ付きおよびノッチなしアイゾット衝撃強さ:ISO180
【0029】
曲げ弾性率もまた、恒温チャンバ内に110℃に保持された試料で測定した。
【0030】
溶融粘度を270℃および989.5s−1の剪断速度においてケイネス(Kayeness)LCR6000細管レオメーターで測定した。
【0031】
(光透過率)
シマズ(Shimadzu)(登録商標)UV−3100スペクトロフォトメータを用いて光透過率を測定した。940nmの光源を厚さ1mmまたは2mmのどちらかの成形試料に向け、および拡散光透過率を直径120mmの積分球内で測定した。
【0032】
(レーザー溶接強度)
図面、特に図1〜3を参照して、本明細書に記載されたように溶接強度を測定するために用いられた試験片11の幾何学形状が開示されている。試験片11は、70mm×18mm×3mmの寸法を有し、深さ20mmのハーフラップを一方の端部に有する略矩形の形状である。ハーフラップが接合面13および肩部15を画定する。
【0033】
図4を参照すると、一対の試験片11’および11’’が示され、それぞれ、比較的透明なポリマー物体および比較的不透明なポリマー物体である。試験片11’および11’’の接合面13’および13’’は、それらの間に接続部17を形成するために接触されている。比較的透明な試験片11’は、矢印Aの方向に移動するレーザー放射線19によって衝突される衝突面14’を画定する。レーザー放射線19は比較的透明な試験片11’を通過し、比較的不透明な試験片11’’の接合面13’’を照射し、試験片11’と11’’とを接続部17において一体に溶接させ、このように、21に略示された試験バーを形成する。
【0034】
本発明によって、実施例1〜4に開示された組成物を乾燥させ、試験片に成形し、24時間、23℃および65%の相対湿度において状態調節した。(比較例1〜6に開示されているように)比較として、本発明の範囲外の組成物もまた、試験片11に成形した。カーボンブラックと10重量パーセントEBAGMA(以下の表1に用いられた用語の一覧に定義された)とを含有する30%ガラス強化ポリ(ブチレンテレフタレート)から製造された比較的不透明な組成物を、同様に乾燥させ、試験片11’’に成形した。次に、試験片11’と11’’および試験片11と11’’を、それらの間に0.3MPaのクランプ圧力を加えて、上記のように一体に溶接して試験バー21を形成した。表1に示された出力で作動するロフィン・シナルレーザー(Rofin−Sinar Laser GmbH)製の940nmダイオードレーザーでレーザー放射線を、試験片11’および11の幅にわたって5m/分においてシングルパスで走査した。試験バーを24時間、23℃および65%相対湿度においてさらに状態調節した。試験バーの肩部においてクランプされたインストロン(Instron)(登録商標)試験機を用い、試験バー21の長手方向に引張力を加えて試験片11’と11’’および11と11’’を分離するために必要とされる力を測定した。インストロン(登録商標)試験機を、5mm/分の速度において作動した。結果を表1に示す。
【0035】
以下の用語を表1で用いた。
PBT Aは、13モルパーセントのアジピン酸から誘導されたポリ(ブチレンテレフタレート)コポリマーであるクラスティン(Crastin)(登録商標)6155を指す。それは本願特許出願人によって製造されている。
PBT Bは、エトキシ化ビスフェノールAである7.5モルパーセントのジアノール(Dianol)220から誘導されたクラスティン(Crastin)(登録商標)6150、ポリ(ブチレンテレフタレート)コポリマーを指す。それは本願特許出願人によって製造されている。
PBT Cは、本願特許出願人によって製造されたクラスティン(Crastin)(登録商標)6003、ポリ(ブチレンテレフタレート)ホモポリマーを指す。
AN−MSは、日本、大阪のUMGABS株式会社によって製造されたS700N、ランダムアクリロニトリル/α−メチルスチレンコポリマーを指す。
EBAGMAは、66.75重量パーセントのエチレン、28重量パーセントのn−ブチルアクリレート、および5.25重量パーセントのグリシジルメタクリレートから製造されたエチレン/n−ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレートターポリマーを指す。それは、ASTM方法D1238によって測定された時に12g/10分のメルトインデックスを有する。
EPDMは、本願特許出願人によって製造されたノーデル(Nordel)IP3745P、EPDMエラストマーを指す。
イラガノックス(Iraganox)(登録商標)1010は、ニューヨーク州、タリータウンのチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals,Inc.,Tarrytown,NY)によって製造された酸化防止剤を指す。
EHPE3150は、1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンと2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールとの反応生成物である脂肪族エポキシ化合物を指す。それは日本、大阪のダイセル化学工業株式会社によって製造されている。
ワックス(Wax)OPは、クラリアント・コーポレーション(Clariant Corp.)から入手可能な潤滑剤を指す。
ペンタエリトリトールテトラステアレートは、コグニス(Cognis)によって製造されたロキシオール(Loxiol)(登録商標)VPG861である。
ガラス繊維は、日本、東京の旭硝子株式会社によって製造されたアサヒ(Asahi)FT592を指す。
【0036】
実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例4、および実施例4と比較例6との比較は、ポリ(アクリロニトリル/α−メチルスチレン)を熱可塑性ポリエステルに添加することによって、レーザー溶接適性および他の物理的性質を維持したまま、ポリ(アクリロニトリル/α−メチルスチレン)を添加しないポリエステル組成物の場合よりも低い溶融粘度および110℃において、より高い曲げ弾性率を有する組成物を生じることを示した。実施例2と比較例2および3との比較は、ポリ(アクリロニトリル/α−メチルスチレン)ではなく、強化剤EBAGMAをポリエステル組成物に添加することによって、どちらの添加剤も含有しないポリエステル組成物に対して溶融粘度の増加および110℃においての曲げ弾性率の大幅に減少した組成物を生じることを示した。実施例3と比較例4および5との比較は、ポリ(アクリロニトリル/α−メチルスチレン)ではなく、EPDMゴムをポリエステル組成物に添加することによって、どちらの添加剤も含有しないポリエステル組成物に対して110℃においての曲げ弾性率の大幅に減少した組成物を生じることを示した。ポリ(アクリロニトリル/α−メチルスチレン)の添加と異なり、EPDMゴムの添加は組成物の溶融粘度にほとんど影響を与えない。さらに、比較例5の組成物は、試料の表面が炭化するような高いレーザー出力レベルを用いてレーザー溶接できるにすぎない。
【0037】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本明細書に記載されたように溶接強度を測定するための試験片11の側面図である。
【図2】本明細書に記載されたように溶接強度を測定するための試験片11の平面図である。
【図3】本明細書に記載されたように溶接強度を測定するための試験片11の斜視図である。
【図4】それらの各接合面を接触させ、レーザー溶接のために所定の位置に配置された試験片、比較的透明な物体11’および比較的不透明な物体11’’の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1つの熱可塑性ポリエステル約30〜約99重量パーセントと、
(b)(i)少なくとも約10重量パーセントがα−メチルスチレンからなるスチレンモノマー約30〜約95重量パーセントと、
(ii)少なくとも1つの極性側基を含有する少なくとも1つのビニルモノマー約5〜約70重量パーセントと
を含むビニルモノマーを共重合することによって製造されたポリマー(ビニルモノマーを共重合することによって製造された前記ポリマーは任意選択的にジエンエラストマーにグラフトされてもよい)を含む少なくとも1つのα−メチルスチレンコポリマー約1〜約40重量パーセントと、
(c)少なくとも1つの無機充填剤または補強剤0〜約50重量パーセントと
を含み、
成分(a)〜(c)の上記のパーセントが組成物の全重量を基準にしていることを特徴とするレーザー溶接可能なポリエステル組成物。
【請求項2】
前記熱可塑性ポリエステルがポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(プロピレンテレフタレート)(PPT)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)、PET、PBT、PPT、およびPCTのうちの少なくとも2つのコポリマー、PET、PBT、PPT、およびPCTのうちの少なくとも2つの混合物、および前述の物質の任意の混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
極性側基を含有する前記ビニルモノマーがアクリロニトリルであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記スチレンモノマーの少なくとも約40重量パーセントがα−メチルスチレンであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記スチレンモノマーの60〜100重量パーセントがα−メチルスチレンであることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも2個のエポキシ基を含むエポキシ化合物を、組成物の全重量を基準にして約0.1〜約5重量パーセントでさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
(i)少なくとも1つの芳香族ビニル化合物から誘導された少なくとも1つのポリマーブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエンから誘導された少なくとも1つのポリマーブロック(B)とを含むブロックコポリマー、または(ii)(i)の部分水素化生成物であるブロックコポリマー、をエポキシ化することによって得られるエポキシ化ブロックコポリマーを、組成物の全重量を基準にして約2〜約25重量パーセントでさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
(i)少なくとも1つの芳香族ビニル化合物から誘導された少なくとも1つのポリマーブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエンから誘導された少なくとも1つのポリマーブロック(B)とを含むブロックコポリマー、または(ii)(i)の部分水素化生成物であるブロックコポリマー、をエポキシ化することによって得られるエポキシ化ブロックコポリマーを、組成物の全重量を基準にして約2〜約25重量パーセントでさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の組成物から作製されることを特徴とする物品。
【請求項10】
レーザー放射線を用いて第1のポリマー物体を第2のポリマー物体に溶接するための方法であって、前記第1のポリマー物体が前記レーザー放射線に対して比較的透明であり、前記第2の物体が前記レーザー放射線に対して比較的不透明であり、前記第1および前記第2の物体が各々、接合面を提供し、前記第1の物体が、その前記接合面の反対側に衝突面を提供し、前記方法が、(1)前記第1および第2の物体の前記接合面を物理的接触させてそれらの間に接続部を形成する工程と、(2)前記第1および第2の物体を前記レーザー放射線で照射して前記レーザー放射線が前記衝突面に衝突し、前記第1の物体を通過して前記第2の物体の前記接合面を照射し、前記第1および第2の物体を前記接合面の前記接続部において溶接させる工程とを含み、前記第1のポリマー物体が、
(a)少なくとも1つの熱可塑性ポリエステル約30〜約99重量パーセントと、
(b)(i)少なくとも約10重量パーセントがα−メチルスチレンからなるスチレンモノマー約30〜約95重量パーセントと、
(ii)少なくとも1つの極性側基を含有する少なくとも1つのビニルモノマー約5〜約70重量パーセントと
を含むビニルモノマーを共重合することによって製造されたポリマー(ビニルモノマーを共重合することによって製造された前記ポリマーは任意選択的にジエンエラストマーにグラフトされてもよい)を含む少なくとも1つのα−メチルスチレンコポリマー約1〜約40重量パーセントと、
(c)少なくとも1つの無機充填剤または補強剤0〜約50重量パーセントと
を含むポリエステル組成物から形成され、
成分(a)〜(c)の上記のパーセントが前記組成物の全重量を基準にしていることを特徴とする方法。
【請求項11】
前記熱可塑性ポリエステルがポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(プロピレンテレフタレート)(PPT)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)、PET、PBT、PPT、およびPCTのうちの少なくとも2つのコポリマー、PET、PBT、PPT、およびPCTのうちの少なくとも2つの混合物、および前述の物質の任意の混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項12】
極性側基を含有する前記ビニルモノマーがアクリロニトリルであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記スチレンモノマーの少なくとも約40重量パーセントがα−メチルスチレンであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記スチレンモノマーの60〜100重量パーセントがα−メチルスチレンであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記ポリエステル組成物が、少なくとも2個のエポキシ基を含むエポキシ化合物を、組成物の全重量を基準にして約0.1〜約5重量パーセントでさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記ポリエステル組成物が、(i)少なくとも1つの芳香族ビニル化合物から誘導された少なくとも1つのポリマーブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエンから誘導された少なくとも1つのポリマーブロック(B)とを含むブロックコポリマー、または(ii)(i)の部分水素化生成物であるブロックコポリマー、をエポキシ化することによって得られるエポキシ化ブロックコポリマーを、前記組成物の全重量を基準にして約2〜約25重量パーセントでさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記ポリエステル組成物が、(i)少なくとも1つの芳香族ビニル化合物から誘導された少なくとも1つのポリマーブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエンから誘導された少なくとも1つのポリマーブロック(B)とを含むブロックコポリマー、または(ii)(i)の部分水素化生成物であるブロックコポリマー、をエポキシ化することによって得られるエポキシ化ブロックコポリマーを、組成物の全重量を基準にして約2〜約25重量パーセントでさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
請求項10に記載の方法から作製されることを特徴とするレーザー溶接物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−517966(P2007−517966A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549479(P2006−549479)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/000687
【国際公開番号】WO2005/068555
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】