説明

レーザ光を利用した訓練システム

【課題】訓練中にリアルタイムで、訓練者の動作範囲を制限しないで、模擬銃の発光制御と操作情報取得とが可能な訓練システムを提供する。
【解決手段】第1無線方式の送信機14は、模擬銃20A〜20Cの発光パターン40を示すパケット化された信号50を送信する。模擬銃20A〜20Cに第2無線方式の別々のチャンネルがそれぞれ割り当てられる。模擬銃20A〜20Cにおいて、第1無線方式の受信機21A〜21Cが信号50を受信し、発光制御部22A〜22Cが信号50に基づいてレーザ発光器23A〜23Cの発光/不発光を制御し、センサ24A〜24Cが模擬銃20A〜20Cの操作情報を取得してデータ80A〜80Cを生成し、第2無線方式の送信機25A〜25Cが模擬銃20A〜20Cに割り当てられたチャンネルを用いてデータ80A〜80Cを送信する。第2無線方式の無線受信機15は、データ80A〜80Cを受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を利用した訓練システムに関し、特に、レーザ光を利用した射撃訓練システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、射撃ビデオゲーム機を開示している。射撃ビデオゲーム機は、ゲーム計算装置、模擬射撃器、ディスプレイ装置、カメラ、及び入力計算装置を備える。ゲーム計算装置はゲームソフトウエアに基づいて動作する。模擬射撃器は、可視光又は赤外線のような不可視光を出力する光源装置を装備している。模擬射撃器のトリガが操作されると、光源装置が発光する。ディスプレイ装置は、射撃目標物を表示する。カメラは模擬射撃器を撮影する。入力計算装置は、撮影された映像に基づいてディスプレイ上の命中点を計算する。ゲーム計算装置は、命中点位置に基づいて射撃目標物が命中されたかを確定する。模擬射撃器は、無線通信器を通じて指令信号を入力計算機に伝送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−349152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、訓練中にリアルタイムで、且つ、訓練者の動作範囲を制限しないで、模擬銃の発光の制御と模擬銃の操作情報の取得とが可能な訓練システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0006】
本発明による訓練システムは、複数の模擬銃(20A〜20C)と、前記複数の模擬銃の発光パターン(40)を示すパケット化された発光制御信号(50(51、53、55))を送信する第1無線方式の発光制御用無線送信機(14)と、前記第1無線方式とは別の第2無線方式の操作情報取得用無線受信機(15)とを具備する。前記複数の模擬銃の各々は、レーザ発光器(23A〜23C)と、前記発光制御信号を受信する前記第1無線方式の発光制御用無線受信機(21A〜21C)と、前記発光制御信号に基づいて前記レーザ発光器の発光/不発光を制御する発光制御部(22A〜22C)と、操作情報センサ(24A〜24C)と、前記第2無線方式の操作情報取得用無線送信機(25A〜25C)と備える。前記複数の模擬銃に前記第2無線方式の別々のチャンネルがそれぞれ割り当てられる。前記操作情報センサは、前記操作情報センサを備える模擬銃(20A〜20C)の操作情報を取得して前記操作情報を示す操作情報データ(80A〜80C)を生成する。前記操作情報取得用無線送信機は、前記操作情報取得用無線送信機を備える模擬銃(20A〜20C)に割り当てられたチャンネルを用いて前記操作情報データを送信する。前記操作情報取得用無線受信機は、前記操作情報データを受信する。
【0007】
前記発光制御信号は、前記複数の模擬銃と同数の複数ビットを含む。前記複数の模擬銃に前記複数ビットの別々のビットが割り当てられる。前記発光制御部は、前記発光制御部を備える模擬銃に割り当てられたビットの値に基づいて前記レーザ発光器の発光/不発光を制御する。
【0008】
上記訓練システムは、前記レーザ発光器が出力するレーザ光線(200A〜200C)を反射する反射点(111、132、153)が写った画像(91、93、95)を取得するカメラ(16)と、前記発光パターンと前記画像とに基づいて前記複数の模擬銃のそれぞれの複数の狙い点を検出する画像処理部(12)とを更に具備する。
【0009】
上記訓練システムは、前記画像処理部による前記複数の狙い点の検出結果(60)に基づいて前記発光パターンを決定する発光パターン決定部(11)を更に具備する。
【0010】
上記訓練システムは、前記操作情報データの送信に用いられたチャンネルに基づいて前記操作情報データを前記複数の狙い点のうちの一つを示すデータ(70A〜70C)と関連付けて記憶する記憶部(13)を更に具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、訓練中にリアルタイムで、且つ、訓練者の動作範囲を制限しないで、模擬銃の発光の制御と模擬銃の操作情報の取得とが可能な訓練システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る訓練システムの概略図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る訓練システムの動作を示すタイミングチャートである。
【図3】図3は、第1の実施形態に係る訓練システムが備えるカメラが取得する画像群の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して、本発明による訓練システムを実施するための形態を以下に説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る訓練システムの構成を説明する。訓練システムは、複数の模擬銃20A〜20Cと、コンピュータ10と、発光制御用無線送信機14と、操作情報取得用無線受信機15と、カメラ16と、スクリーン17とを備える。カメラ16は、例えば、CCDカメラである。発光制御用無線送信機14は、第1無線方式の無線送信機である。第1無線方式は、微弱無線のような応答性の高い無線方式である。操作情報取得用無線受信機15は、第1無線方式とは別系統の第2無線方式の無線受信機である。第2無線方式は、Bluetooth(登録商標)のような複数チャンネルを有する無線方式である。ここでは、訓練システムに接続される模擬銃の数が3の場合を説明するが、訓練システムに接続される模擬銃の数は3に限定されない。
【0015】
模擬銃20Aは、発光制御用無線受信機21Aと、発光制御部22Aと、レーザ発光器23Aと、操作情報センサ24Aと、操作情報取得用無線送信機25Aとを備える。発光制御用無線受信機21Aは、第1無線方式の無線受信機である。操作情報取得用無線送信機25Aは、第2無線方式の無線送信機である。模擬銃20Bは、発光制御用無線受信機21Bと、発光制御部22Bと、レーザ発光器23Bと、操作情報センサ24Bと、操作情報取得用無線送信機25Bとを備える。発光制御用無線受信機21Bは、第1無線方式の無線受信機である。操作情報取得用無線送信機25Bは、第2無線方式の無線送信機である。模擬銃20Cは、発光制御用無線受信機21Cと、発光制御部22Cと、レーザ発光器23Cと、操作情報センサ24Cと、操作情報取得用無線送信機25Cとを備える。発光制御用無線受信機21Cは、第1無線方式の無線受信機である。操作情報取得用無線送信機25Cは、第2無線方式の無線送信機である。
【0016】
本実施形態に係る訓練システムに接続される模擬銃20A〜20Cには、第2無線方式の別々のチャンネルがそれぞれ割り当てられている。模擬銃20Aには第2無線方式の第1チャンネルが割り当てられている。模擬銃20Bには第2無線方式の第2チャンネルが割り当てられている。模擬銃20Cには第2無線方式の第3チャンネルが割り当てられている。
【0017】
コンピュータ10は、CPUと、記憶装置と、入出力装置のようなハードウエア資源を備える。CPUが記憶装置に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、発光パターン決定部11、画像処理部12、及び記憶部13が実現される。
【0018】
尚、発光パターン決定部11、画像処理部12、及び記憶部13は、専用の装置又は回路として提供されてもよい。
【0019】
次に、図1を参照して、第1の実施形態に係る訓練システムの処理を説明する。訓練システムは、図示されない第1乃至第3訓練者の射撃訓練のために利用される。第1乃至第3訓練者は、それぞれ、模擬銃20A〜20Cを携行して操作する。訓練システムの処理は、訓練用映像表示処理と、狙い点取得処理と、操作情報取得処理と、情報結合処理とを含む。
【0020】
はじめに、訓練用映像表示処理を説明する。図示されない映像投影器がスクリーン17に訓練用映像を映写する。
【0021】
次に、狙い点取得処理を説明する。狙い点取得処理では、模擬銃20A〜20Cのそれぞれの狙い点の位置情報を取得する。発光パターン決定部11は、露光制御信号30を一定周期でカメラ16に出力し、模擬銃20A〜20Cの発光パターン40を一定周期で発光制御用無線送信機14及び画像処理部12に出力する。発光パターン40は、模擬銃20A〜20Cの各々について発光か不発光かを指定する。露光制御信号30の出力周期と発光パターン40の出力周期は同じである。カメラ16は、露光制御信号30に基づいて、スクリーン17を一定周期で撮影してスクリーン17の画像91、93、95を取得する。スクリーン17の撮影周期は露光制御信号30の出力周期と同じである。発光制御用無線送信機14は、発光パターン40を示す発光制御信号50を一定周期で出力する。発光制御信号50の出力周期は発光パターン40の出力周期と同じである。発光制御信号50は、パケット化された信号であり、本実施形態に係る訓練システムに接続される模擬銃20A〜20Cの数と同数の複数ビットを含む。模擬銃20A〜20Cには、複数ビットの別々のビットが割り当てられる。模擬銃20Aには、発光制御信号50の第1ビットが割り当てられている。模擬銃20Bには、発光制御信号50の第2ビットが割り当てられている。模擬銃20Cには、発光制御信号50の第3ビットが割り当てられている。
【0022】
模擬銃20Aにおいて、発光制御用無線受信機21Aは、発光制御信号50を受信する。発光制御部22Aは、発光制御信号50に基づいてレーザ発光器23Aの発光/不発光を制御する。レーザ発光器23Aは、発光するとレーザ光線200Aを出力する。模擬銃20Bにおいて、発光制御用無線受信機21Bは、発光制御信号50を受信する。発光制御部22Bは、発光制御信号50に基づいてレーザ発光器23Bの発光/不発光を制御する。レーザ発光器23Bは、発光するとレーザ光線200Bを出力する。模擬銃20Cにおいて、発光制御用無線受信機21Cは、発光制御信号50を受信する。発光制御部22Cは、発光制御信号50に基づいてレーザ発光器23Cの発光/不発光を制御する。レーザ発光器23Cは、発光するとレーザ光線200Cを出力する。ここで、レーザ光線200A〜200Cの波長は同一である。また、レーザ光線200A〜200Cが訓練者に見えないようにするために、レーザ光線200A〜200Cが赤外線のような不可視光のレーザ光線であることが好ましい。
【0023】
図2を参照して、カメラ16の動作と、模擬銃20A〜20Cの発光動作(レーザ光線出力動作)を詳細に説明する。
【0024】
カメラ16は、時間T1に露光してスクリーン17の画像91を取得して画像処理部12に出力し、時間T3に露光してスクリーン17の画像93を取得して画像処理部12に出力し、時間T5に露光してスクリーン17の画像95を取得して画像処理部15に出力する。
【0025】
発光制御信号50は、発光制御信号51、53、55を含んでいる。発光制御用無線送信機14は、時間T0に発光制御信号51を出力し、時間T2に発光制御信号53を出力し、時間T4に発光制御信号55を出力する。発光制御信号51において、模擬銃20Aに割り当てられた第1ビットの値は1(発光)であり、模擬銃20Bに割り当てられた第2ビットの値は0(不発光)であり、模擬銃20Cに割り当てられた第3ビットの値は0である。発光制御信号53の第1〜第3ビットの値はそれぞれ0,1,0である。発光制御信号55の第1〜第3ビットの値はそれぞれ0,0,1である。
【0026】
時間T1において、発光制御部22Aは発光制御信号51の第1ビットの値に基づいてレーザ発光器23Aを発光させ、発光制御部22Bは発光制御信号51の第2ビットの値に基づいてレーザ発光器23Bを発光させず、発光制御部22Cは発光制御信号51の第3ビットの値に基づいてレーザ発光器23Cを発光させない。時間T3において、発光制御部22Aは発光制御信号53の第1ビットの値に基づいてレーザ発光器23Aを発光させず、発光制御部22Bは発光制御信号53の第2ビットの値に基づいてレーザ発光器23Bを発光させ、発光制御部22Cは発光制御信号53の第3ビットの値に基づいてレーザ発光器23Cを発光させない。時間T5において、発光制御部22Aは発光制御信号55の第1ビットの値に基づいてレーザ発光器23Aを発光させず、発光制御部22Bは発光制御信号55の第2ビットの値に基づいてレーザ発光器23Bを発光させず、発光制御部22Cは発光制御信号55の第3ビットの値に基づいてレーザ発光器23Cを発光させる。
【0027】
尚、模擬銃20A〜20Cの発光タイミングとカメラ16の露光タイミングとが発光パターン決定部11によって同期されている。また、模擬銃20A〜20Cの発光タイミングが発光制御用無線受信機21A〜21C及び発光制御部22A〜22Cにおける処理時間だけ発光制御信号50の送信タイミングに対して遅れるが、この遅れは図2に示す場合に限定されない。
【0028】
図3を参照して、画像処理部12の動作を説明する。
【0029】
画像91には、スクリーン17上の反射点111が写っている。画像処理部12は、画像91と、発光制御信号51に対応する発光パターン40とに基づいて、模擬銃20Aの狙い点を検出する。より具体的には、画像処理部12は、画像91及び発光制御信号51に対応する発光パターン40から、模擬銃20Aが時間T1に出力したレーザ光線200Aにより反射点111が生じたことがわかる。画像処理部12は、反射点111を時間T1における模擬銃20Aの狙い点として検出する。
【0030】
画像93には、スクリーン17上の反射点132が写っている。画像処理部12は、画像93と、発光制御信号53に対応する発光パターン40とに基づいて、模擬銃20Bの狙い点を検出する。より具体的には、画像処理部12は、画像93及び発光制御信号53に対応する発光パターン40から、模擬銃20Bが時間T3に出力したレーザ光線200Bにより反射点132が生じたことがわかる。画像処理部12は、反射点132を時間T3における模擬銃20Bの狙い点として検出する。
【0031】
画像95には、スクリーン17上の反射点153が写っている。画像処理部12は、画像95と、発光制御信号55に対応する発光パターン40とに基づいて、模擬銃20Cの狙い点を検出する。より具体的には、画像処理部12は、画像95及び発光制御信号55に対応する発光パターン40から、模擬銃20Cが時間T5に出力したレーザ光線200Cにより反射点153が生じたことがわかる。画像処理部12は、反射点153を時間T5における模擬銃20Cの狙い点として検出する。
【0032】
図1を参照して、画像処理部12は、模擬銃20Aの狙い点を示す狙い点データ70Aと、模擬銃20Bの狙い点を示す狙い点データ70Bと、模擬銃20Cの狙い点を示す狙い点データ70Cとを記憶部13に出力する。狙い点データ70Aは、模擬銃20AのID情報と、模擬銃20Aの狙い点の位置情報と、その狙い点についての時間情報とを含む。狙い点データ70Bは、模擬銃20BのID情報と、模擬銃20Bの狙い点の位置情報と、その狙い点についての時間情報とを含む。狙い点データ70Cは、模擬銃20CのID情報と、模擬銃20Cの狙い点の位置情報と、その狙い点についての時間情報とを含む。
【0033】
画像処理部12は、狙い点の検出結果60を発光パターン決定部11に出力する。発光パターン決定部11は、予め定められたレーザ発光制御アルゴリズムに基づいて発光パターン40を決定してもよく、検出結果60に基づいて発光パターン40を決定してもよい。発光パターン決定部11は、レーザ発光器23A〜23Cが同時に発光するように発光パターン40を決定してもよい。
【0034】
次に、図1を参照して、操作情報取得処理を説明する。操作情報センサ24Aは、模擬銃20Aの操作情報を取得し、操作情報を示す操作情報データ80Aを生成する。模擬銃20Aの操作情報は、例えば、トリガの操作情報、装填の情報等を含む。操作情報取得用無線送信機25Aは、模擬銃20Aに割り当てられた第1チャンネルを用いて操作情報データ80Aを送信する。操作情報センサ24Bは、模擬銃20Bの操作情報を取得し、操作情報を示す操作情報データ80Bを生成する。模擬銃20Bの操作情報は、例えば、トリガの操作情報、装填の情報等を含む。操作情報取得用無線送信機25Bは、模擬銃20Bに割り当てられた第2チャンネルを用いて操作情報データ80Bを送信する。操作情報センサ24Cは、模擬銃20Cの操作情報を取得し、操作情報を示す操作情報データ80Cを生成する。模擬銃20Cの操作情報は、例えば、トリガの操作情報、装填の情報等を含む。操作情報取得用無線送信機25Cは、模擬銃20Cに割り当てられた第3チャンネルを用いて操作情報データ80Cを送信する。操作情報取得用無線受信機15は、操作情報データ80A〜80Cを受信する。
【0035】
次に、図1を参照して、情報結合処理を説明する。記憶部13は、操作情報データ80Aの送信に用いられた第1チャンネルに基づいて操作情報データ80Aを狙い点データ70Aと関連付けて記憶する。記憶部13は、操作情報データ80Bの送信に用いられた第2チャンネルに基づいて操作情報データ80Bを狙い点データ70Bと関連付けて記憶する。記憶部13は、操作情報データ80Cの送信に用いられた第3チャンネルに基づいて操作情報データ80Cを狙い点データ70Cと関連付けて記憶する。
【0036】
本実施形態によれば、模擬銃20A〜20Cの発光(レーザ光線200A〜200Cの出力)が無線を介して制御され、模擬銃20A〜20Cの操作情報が無線を介して取得される。そのため、訓練中にリアルタイムで、且つ、訓練者の動作範囲を制限しないで、模擬銃の発光の制御及び模擬銃の操作情報の取得が可能である。
【0037】
本実施形態によれば、発光制御用無線送信機14から送信される発光制御信号50(51、53、55)に基づいて模擬銃20A〜20Cの発光が制御される。したがって、模擬銃20A〜20Cの発光を集中制御することができる。
【0038】
本実施形態によれば、発光制御信号50(51、53、55)がパケット化された信号であるため、同一の発光制御信号50(51、53、55)で模擬銃20A〜20Cの発光を別々に制御することができる。そのため、本実施形態に係る訓練システムの発光制御系の構成が単純化される。
【0039】
本実施形態によれば、発光制御信号50の送信に用いられる第1無線方式とは別系統の第2無線方式で操作情報データ80A〜80Cが送信され、操作情報データ80A〜80Cが別々のチャンネルで送信される。したがって、混線することなく模擬銃20A〜20Bの操作情報を常時取得することができる。
【0040】
本実施形態によれば、発光制御信号50(51、53、55)の第1〜第3ビットの値に基づいて模擬銃20A〜20Cの発光を制御している。そのため、訓練システムに接続される模擬銃の数が増加しても、発光制御信号50(51、53、55)のビット数を増やすだけで増加した模擬銃の発光を制御することができる。したがって、訓練システムに多数の模擬銃を低コストで接続することができる。尚、一つのビットが時間幅の非常に短いパルス信号となっているため、一つの発光制御信号50の送信を短時間で完了することができる。そのため、訓練システムに接続される模擬銃の数が多少増加しても狙い点の検出間隔は長くならない。
【0041】
本実施形態によれば、レーザ光線の反射点が写った画像91、93、95と発光パターン40とに基づいて模擬銃20A〜20Cのそれぞれの狙い点を検出する。そのため、レーザ光線200A〜200Cの波長が同一であっても模擬銃20A〜20Cのそれぞれの狙い点を検出できる。レーザ光線200A〜200Cとして異なる波長のレーザ光線を用いて模擬銃20A〜20Cのそれぞれの狙い点を検出する方法も考えられるが、この方法ではコストが増加し、且つ、訓練システムに接続可能な模擬銃の数が本実施形態に比べて制限される。
【0042】
本実施形態によれば、発光パターン決定部11が検出結果60に基づいて発光パターン40を決定してもよい。この場合、狙い点の検出結果を狙い点取得処理にフィードバックすることができる。
【0043】
本実施形態によれば、関連付けられた操作情報データ80A及び狙い点データ70Aに基づいて模擬銃20Aを携行して操作する第1訓練者を評価し、関連付けられた操作情報データ80B及び狙い点データ70Bに基づいて模擬銃20Bを携行して操作する第2訓練者を評価し、関連付けられた操作情報データ80C及び狙い点データ70Cに基づいて模擬銃20Cを携行して操作する第3訓練者を評価することができる。
【0044】
本実施形態に係る訓練システムは、射撃訓練システムとして十分な応答性を有している。
【0045】
以上、実施の形態を参照して本発明による訓練システムを説明したが、本発明による訓練システムは上記実施形態に限定されない。上記実施形態に様々な変更を行うことが可能である。例えば、操作情報取得用無線受信機15は、第1〜第3チャンネルに対応する1台の無線受信機でも、第1〜第3チャンネルにそれぞれ対応する3台の無線受信機でもよい。
【符号の説明】
【0046】
10…コンピュータ
11…発光パターン決定部
12…画像処理部
13…記憶部
14…発光制御用無線送信機
15…操作情報取得用無線受信機
16…カメラ
17…スクリーン
20A〜20C…模擬銃
21A〜21C…発光制御用無線受信機
22A〜22C…発光制御部
23A〜23C…レーザ発光器
24A〜24C…操作情報センサ
25A〜25C…操作情報取得用無線送信機
30…露光制御信号
40…発光パターン
50(51、53、55)…発光制御信号
60…検出結果
70A〜70C…狙い点データ
80A〜80C…操作情報データ
90〜95…画像
111、132、153…反射点
200A〜200C…レーザ光線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の模擬銃と、
前記複数の模擬銃の発光パターンを示すパケット化された発光制御信号を送信する第1無線方式の発光制御用無線送信機と、
前記第1無線方式とは別系統の第2無線方式の操作情報取得用無線受信機と
を具備し、
前記複数の模擬銃の各々は、
レーザ発光器と、
前記発光制御信号を受信する前記第1無線方式の発光制御用無線受信機と、
前記発光制御信号に基づいて前記レーザ発光器の発光/不発光を制御する発光制御部と、
操作情報センサと、
前記第2無線方式の操作情報取得用無線送信機と
を備え、
前記複数の模擬銃に前記第2無線方式の別々のチャンネルがそれぞれ割り当てられ、
前記操作情報センサは、前記操作情報センサを備える模擬銃の操作情報を取得して前記操作情報を示す操作情報データを生成し、
前記操作情報取得用無線送信機は、前記操作情報取得用無線送信機を備える模擬銃に割り当てられたチャンネルを用いて前記操作情報データを送信し、
前記操作情報取得用無線受信機は、前記操作情報データを受信する
訓練システム。
【請求項2】
請求項1の訓練システムであって、
前記発光制御信号は、前記複数の模擬銃と同数の複数ビットを含み、
前記複数の模擬銃に前記複数ビットの別々のビットが割り当てられ、
前記発光制御部は、前記発光制御部を備える模擬銃に割り当てられたビットの値に基づいて前記レーザ発光器の発光/不発光を制御する
訓練システム。
【請求項3】
請求項1又は2の訓練システムであって、
前記レーザ発光器が出力するレーザ光線を反射する反射点が写った画像を取得するカメラと、
前記発光パターンと前記画像とに基づいて前記複数の模擬銃のそれぞれの複数の狙い点を検出する画像処理部と
を更に具備する
訓練システム。
【請求項4】
請求項3に記載の訓練システムであって、
前記画像処理部による前記複数の狙い点の検出結果に基づいて前記発光パターンを決定する発光パターン決定部を更に具備する
訓練システム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の訓練システムであって、
前記操作情報データの送信に用いられたチャンネルに基づいて前記操作情報データを前記複数の狙い点のうちの一つを示すデータと関連付けて記憶する記憶部を更に具備する
訓練システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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