説明

レーザ加工装置

【課題】加工動作中に常時ガルバノスキャナの振動特性を取得し、また取得データと加工条件から加工形状を推測することで、ガルバノスキャナの機能低下による加工形状不良が発生しないレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】指令信号と現在位置との偏差に基づいてミラーを揺動させるアクチュエータを動作させ、前記ミラーに入射する光の出射角を制御するガルバノスキャナ制御装置を持つレーザ加工装置において、偏差111の振動成分の特徴量を算出する偏差信号分析部207と、特徴量を記録する記憶部208と、記録された偏差波形の特徴量とレーザ光照射条件から加工形状を予測する加工形状推定部209と、予測された加工形状を使用者に伝える表示部210を持つことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ発振器から出力されたレーザ光を偏向してレーザ光を加工対象の所定の位置に照射し加工するレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光を偏向するガルバノスキャナを持つ装置の一例であるプリント配線板の穴明け用レーザ加工装置は、レーザ光を用いてプリント配線板に半導体素子等の実装や層間の電気的結合に使用する穴を明ける為の装置である。従来のプリント配線板穴明け用レーザ加工装置は、例えば特許文献1に記載されているように、レーザ発振器と、レーザ光の断面形状を形成するための断面形状形成装置と、レーザ光をプリント配線板上で二次元的に走査するための一対のガルバノスキャナと、レーザ光を集光するfθレンズと、プリント配線板を搭載して水平面内を二次元的に位置決めするためのXYテーブルサーボ機構を備えている。
【0003】
レーザ加工装置は通常、階層的に構成される数値制御(NC)装置であり、ガルバノスキャナ制御装置ではその最下層に位置する。上位階層の制御装置(以下、「上位制御装置」と呼ぶ。)では、プリント配線板のCAMデータ(Computer Aided Manufacturing)に基づき記述されたNCプログラムに従って、穴位置座標を順次ガルバノスキャナの角度指令データに変換し、ガルバノスキャナ制御装置に送る。ガルバノスキャナが目標角度に到達すると、レーザ光を照射して穴明け加工を実施する。そのため、角度指令データの送信とレーザ光の照射制御は上位制御装置内部で同期を取って行われる。
【0004】
図12は、従来のレーザ加工装置におけるガルバノスキャナサーボ機構の構成を表すブロック図であり、図13はガルバノスキャナの横断面図である。加工対象物の任意の位置にレーザ光を照射する場合、まず上位制御装置201は、NCプログラムに記述された穴位置座標から算出したガルバノスキャナの角度指令データ110を、ガルバノスキャナ制御装置20に送る。
【0005】
ガルバノスキャナ制御装置20では、受け取った角度指令データから検出されたガルバノスキャナの揺動角を減算した偏差111を算出する。偏差111は、補償要素202で制御演算処理をされて操作量112としてD/A変換器203へ送られ、アナログ信号(ガルバノスキャナの電流指令値113)となる。電流指令信号はアンプ60で増幅され、駆動電流114としてガルバノスキャナ30の電気揺動アクチュエータ部に印加され、揺動軸300が回転する。このとき、揺動角度は角度検出器308a,308bによって検出され、パルスカウンタ204によって、再びデジタル信号である出力パルス信号115へと変換され、フィードバックされる。
【0006】
これらの処理を繰り返す事により、ミラー50は徐々に目標角度に接近する。目標角度に到達したと目標到達判定部205が判定すると、上位制御装置201に移動完了信号117送信される。その後、プリント基板の材質等によってあらかじめ決められているレーザ光照射条件116(例えば、レーザ光ショット数やレーザ光照射時間)をレーザ光制御装置206に送信することでレーザ光が照射され、穴明け加工が行われる。
【0007】
ガルバノスキャナ30は永久磁石306a、306bとコイル305a、305b、アウタヨーク304a、304bで構成される磁気回路を持つ。永久磁石306a、306bは揺動軸300に接着されており、揺動軸は2つの軸受302a、302bで保持される。磁石と電流が印加されたコイルにより発生する力(ローレンツ力)が揺動軸300に加わり、揺動軸300が回転する。
【0008】
このようなガルバノスキャナ30は揺動軸300のねじれ方向に振動モードを持つため、これを制御する制御装置は通常、ノッチフィルタなどの振動抑制を目的とした補償要素を持っている。また、非特許文献1のように、振動モードを励起しにくい角度指令の算出方法も提案されている。
【0009】
ガルバノスキャナ30を長期間使用すると、永久磁石306a、306bやスケール307及び揺動軸300、またミラー50をミラーマウント301に固定するために用いる接着材が経時変化し、接着強度が低下することが知られている。また、微小角で高速な揺動運動を要求されるガルバノスキャナ30では、軸受302a、302bの摩耗や特性変化が起きやすい。その結果、ガルバノスキャナ30の振動特性が変動することにより、前述のノッチフィルタや角度指令で対象としたガルバノスキャナ30の周波数と不一致となるため、サーボ系の安定性が劣化したり角度決め時にミラー50が振動したりする問題があった。このため、従来のガルバノスキャナ制御装置では、所定のタイミングで機械振動特性を取得し、周波数領域でモード特性を同定して補償要素に用いている周波数設定値を補正する補正手段を持っていた(例えば特許文献3)。また、軸受の劣化については、ガルバノスキャナに一定の電流を加え、測定位置における検出角度の変動を検証することで、ガルバノスキャナの軸受劣化を判定する手法が提案されている(例えば特許文献4)。
一方、時間領域のデータから直接振動成分を分析する手法がいくつか提案されている(非特許文献2および3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−137074号公報
【特許文献2】特開2008−43133号公報
【特許文献3】特開2009−192837号公報
【特許文献4】特開平11−120724号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】平田、他:「終端状態制御によるガルバノスキャナのナノスケールサーボ制御」、電学論D、119巻9号、pp.938−944、2009
【非特許文献2】天野、他:「プローニー解析に基づく励磁系の同定と比率加算形PSSの自動設計方法」、電学論B、118巻7/8号、pp.892−898、平成10年
【非特許文献3】沼里、他:「磁気ディスク装置におけるヘッド位置決め誤差の解析手法(セトリング応答解析)」、日本機械学会論文集(C論)、65巻638号、pp.4093−4099、平成10年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、これらの手法は通常の加工とは異なるプロセスとなり、測定を行う度に加工を中断する必要があるので加工スループットが低下するという問題があった。つまり、振動特性や軸受劣化の測定を頻繁に実施すると、それだけ加工タクトが低下してしまい、逆に測定間隔を延ばすと急激な加工性能劣化に対応できない問題があった。また、接着強度の経時変化や軸受の劣化が実際の加工形状に与える影響は未考慮であり、事前に設定した機械特性変動の閾値で一律に補償要素の再調整やガルバノスキャナの交換を判定するため、加工形状に問題が無いケースでも再調整や交換を要求されることがある。
【0013】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、加工動作中に常時ガルバノスキャナの振動特性を取得することを特徴としており、また取得データと加工条件から加工形状を推測することで、ガルバノスキャナの機能低下による加工形状不良が発生しないレーザ加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のレーザ加工装置は、角度指令と検出角度との偏差に基づいてミラーを揺動させるアクチュエータを動作させ、前記ミラーに入射する光の出射角を制御するガルバノスキャナ制御装置をもつレーザ加工装置において、偏差に発生する振動成分の周波数と減衰率を算出する偏差信号分析部と、振動周波数と減衰率を記録する記憶部と、振動の特徴量と加工条件から加工形状を推測する加工形状推測部を持ち、推測した加工形状を出力する表示部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、加工条件と動作中に発生した偏差の振動成分を分析して加工形状を推測することができ、機械特性が劣化したガルバノスキャナに起因する加工形状不良の発生を避けることができる。また、使用者が加工形状の推移を常時知ることで、ガルバノスキャナのメンテナンスや交換時期を容易に把握できるようになるという効果を有する。また、加工形状に問題が無いケースでは従来では交換を要求されることがあったが、本発明によれば、このようなケースでは交換を要求されること無く、ガルバノスキャナの耐用期間が向上すると言った効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るガルバノスキャナ制御装置を構成するガルバノスキャナサーボ機構のブロック線図である。
【図2】本発明に係る実施例1の記憶部の構成図である。
【図3】本発明に係る偏差波形の模式図である。
【図4】ガルバノスキャナの周波数特性図である。
【図5】本発明に係る形状推定部で推定した加工形状の一例を示す模式図である。
【図6】本発明に係る実施例2の記憶部の構成図である。
【図7】ガルバノスキャナを長時間稼動した場合の、f1の低下を示す模式図である。
【図8】本発明に係る実施例3の記憶部の構成図である。
【図9】ガルバノスキャナを長時間稼動した場合の、目標角度に対する低域成分のみの偏差を示す模式図である。
【図10】本発明に係る実施例4のガルバノスキャナ制御装置を構成するガルバノスキャナサーボ機構のブロック線図である。
【図11】本発明に係る実施例4で周波数成分ごとに分離された偏差波形を表す模式図である。
【図12】従来のレーザ加工機における、ガルバノスキャナ制御装置を構成するガルバノスキャナサーボ機構のブロック線図である。
【図13】ガルバノスキャナの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
図1は本発明に係るガルバノスキャナ制御装置を構成するガルバノスキャナサーボ機構のブロック線図である。
なお、図12と同等の機能のものは同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本発明は、偏差111に発生する振動成分を分析する偏差信号分析部207と、振動成分の周波数や減衰率といった特徴量118を記録するための記憶部208、また上位制御装置201からレーザ光制御装置206に送信されるレーザ照射条件116と記憶部208に記録された振動の特徴量119から加工形状を推定する加工形状推定部209を持ち、加工形状を表示する表示部210を持つことを特徴とする。
【0018】
まず、偏差信号分析部207について説明する。偏差信号分析部207は、偏差信号に重畳する振動の周波数や減衰率といった特徴量を周波数解析手法を用いて算出する。時系列データからモード特性を同定する手法はイブラヒム法やプロニー法があるが、ここではプロニー法を用いた場合について説明する。
【0019】
プロニー法は、採取した時系列データを振幅、位相、減衰、振動周波数からなる指数関数に近似することによって、信号を解析する手法である。プロニー法によるモード分析方法の概要を以下に述べる。取得された1回の移動動作時に所定の回数取得した(例えば1回の角度指令毎に500回取得する)偏差信号y(k)、(k=1,2、・・・N-1)を次式の形で推定する。
【数1】

【0020】
ここで、導出するモード数n、サンプリング間隔t、固有値si、初期値Biであり、モード減衰率σi、減衰角振動数ωdである。Ziは次に示すn次の多項式の解として与えられる。
【数2】

【0021】
一方、式1と式2より多項式の係数a1〜anは次式で表される。
【数3】

【0022】
したがって、取得した偏差から式3を作り、最小二乗法を用いてa1〜anを求め、式2を解けばZiが得られ、固有値siが算出できる。次に、式1よりBiについて次の関係が導出される。
【数4】

【0023】
これから最小二乗法を用いてBiが計算できる。以上より、振幅Ai、位相φi,モード減衰比ζi、不減衰振動周波数fdiは式5に帰着する。
【数5】

【0024】
次に、実際の偏差についてプロニー法を適用してモード特性の同定を行う。分析に用いた偏差波形を図3に示す。図3は長期間動作させたガルバノスキャナの偏差波形であり、特徴としてだらだらとしてなかなかセトリングしない遅いモードと、減衰が小さい高調波成分が重畳していることが確認できる。
【0025】
プロニー法ではステップ状の波形を同定すると、階段状の成分により高周波域での同定精度が落ちるため、ここでは目標値に対して偏差が所定の範囲内に入った後の波形を用いる。図3のA区間をプロニー法により分離した代表的なモードを、表1に示す。なお、周波数は図4に示すガルバノスキャナの周波数特性のf1で規格化している。
【表1】

【0026】
表1から、図3の波形には1.過減衰とf1よりも低い成分、2.f1周波数の成分、3.f1より高い成分で構成されていることが分かる。これらは調査の結果、それぞれベアリングの特性劣化、ミラー及びミラー周りの特性劣化、スケール周りの特性劣化により発生することが分かっている。特にベアリングの特性劣化では、図4に示す周波数特性には顕著に表れないが、本発明では偏差波形から振動成分を分析することで劣化の程度が明確になるため、ベアリングの劣化を知るためには本発明が有効である。
【0027】
偏差信号分析部で導出したモードは図2に示す通り、事前に図4の周波数特性から設定される周波数条件によって、3つの成分(低域:ベアリングの特性劣化成分、中域:ミラー及びミラー周りの特性劣化成分、高域:スケール周りの特性劣化成分)ごとに記憶部208に記憶する。本発明では、例えば周波数条件を式6のように、低域はf1の50%まで、中域・高域は各振動モードの共振周波数の±10%の範囲で設定すると良いことを見出した。
【数6】

【0028】
次に、加工形状推定部209について説明する。加工形状推定部209は、記憶部208に記憶された振動成分の特徴量119とレーザ照射条件116から、予想される加工時の中心座標のズレを算出することで加工形状を推定する。例として、加工条件が3ショット連続、初期ショットが移動開始(図1で上位制御系から角度指令信号110が送られた瞬間)からt1秒後に行われ、ショット間インターバルがt2、t3である場合の推定方法を説明する。それぞれのショットにおける中心からのズレ量e1〜e3は式7で表される。各符号は、式5と同様である。
【数7】

【0029】
求められた中心からのズレ量と加工条件のレーザ光の径により、図5のように加工形状が推測できる。この推測された加工形状を、表示部210に表示する。
移動量によって振動の程度が異なる場合、例えば移動量に基づいていくつかの区分に分けて評価することで推定精度が向上する。
実際のレーザ加工装置の場合、多くは2つ以上のガルバノスキャナを用いる。そのため、初期ショットの照射が移動距離の長いガルバノスキャナに依存する。この場合、すべての組み合わせに対して評価してもよいが、初期ショットの時間を振ってe1〜e3の距離(差分)が最大となる場合を求め、予想される最大のズレ量として簡易的に把握することも可能である。
【0030】
また、本発明では特性劣化毎に振動成分を求めているため、例えばミラーやスケールに関するパラメータを再調整することによる特性改善の程度を推定することも可能である。
【実施例2】
【0031】
図6は本発明にかかる実施例2の記憶部208を示し、図2とは例えば1分おきや1日おきでデータを取得し、保存するデータを時系列で保存している点が異なる。ガルバノスキャナの特性変動を時系列に記憶し、偏差信号に発生する振動の特徴量の変動を一次式で近似することで、将来の加工形状を予測して表示部210に表示することが可能となる。
【0032】
将来の加工形状推定について説明する。図7は中域の振動周波数変動を示すが、振動周波数が直線的に低下していることが分かる。最小二乗法で一次式g(t)を求め、時刻ta6における振動周波数f1aを算出する。予測された振動周波数f1aを用いて加工形状推定部209で推定することで、将来の加工形状が予測可能となることで、加工不良の発生率を抑制することができる。
【0033】
ここでは一次式への近似での予測を説明したが、必要に応じて高次多項式に近似して予測することも可能である。また、周波数だけでなく、振幅や位相、減衰の変動に関して推定することも可能である。
【実施例3】
【0034】
図8は本発明にかかる実施例3の記憶部を示し、図2とは保存するデータに目標角度を合わせて保存している点が異なる。例えば、実施例1のようなデータを複数回取得し、その結果を移動角度で整理するものである。
ガルバノスキャナのように、微小角の揺動運動を繰り返し行う場合、軸受の劣化は特定位置で激しく生じることが多い。そのため、中心付近での測定のみでは特性変動を捉えられない可能性がある。
【0035】
図9は、一例として本実施例を用いてある時刻での低域成分のみの偏差を、目標角度毎に算出した結果を示している。図9では、特にB区間において低域の偏差が大きくなっており、この区間で加工を行った場合に加工精度が悪くなることが分かる。図9の結果を表示部に表示することで、使用者にガルバノスキャナの交換や再調整を促すことができる。
【実施例4】
【0036】
図10は本発明に係る実施例4のガルバノスキャナ制御装置を示し、振動成分を周波数帯域毎に分離するバンドパスフィルタ211を備え、偏差が事前に決められた範囲外になったと判別する偏差信号判別器212と、判別した結果を表示する表示部210を備えていることを特徴とする。
【0037】
バンドパスフィルタ211の設定周波数は、例えば式6のように設定する。図11は、分離された(a)低域、(b)中域、(c)高域の振動成分121である。これらの振動成分が、あらかじめ設定された振幅を超えた場合に偏差信号判別器212は注意信号122を発し、表示部210にその旨が表示される。
【0038】
以上より、本発明は偏差波形より機械特性の劣化による加工形状の悪化を常時監視することができる。なお、中域ではメンテナンスを実施したり、低域ではガルバノスキャナの交換を促したりと、周波数帯域毎に異なった対策を表示することも可能である。
【0039】
以上のように本発明の実施例1から実施例4によれば、
1)偏差波形より機械特性の劣化による加工形状の悪化を常時監視することができる。
2)周波数帯域毎に異なった対策を行うことが可能となる。例えば低域で悪化した傾向が見られる場合にはガルバノスキャナを交換したり、中域で悪化傾向が見られる場合はメンテナンスを実施したりすると言う風に要因別に個別の対策のみで済ますことができ、作業の簡略化に大きな効果がある。
3)従来技術と比較して、加工中であっても状態を監視できるので、従来のように一定周期で検査のために加工を止めたりする必要が無いのでタクトタイムの向上が可能となる。
等の効果を奏する。
【0040】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された発明の技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。
【符号の説明】
【0041】
20 ガルバノスキャナ制御装置
30 ガルバノスキャナ
50 ミラー
207 偏差信号分析部
208 記憶部
209 加工形状推定部
210 表示部
300 揺動軸
307 スケール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指令信号と現在位置との偏差に基づいてミラーを揺動させるアクチュエータを動作させ、前記ミラーに入射する光の出射角を制御するガルバノスキャナ制御装置を持つレーザ加工装置において、偏差の振動成分の特徴量を算出する偏差信号分析部と、特徴量を記録する記憶部と、記録された偏差波形の特徴量とレーザ光照射条件から加工形状を予測する加工形状推定部と、予測された加工形状を使用者に伝える表示部を持つことを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
前記特徴量は、偏差の振動周波数と減衰率であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記記憶部のデータは、時系列で保存されることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記加工形状推定部は、前記記憶部の時系列データより加工形状を予測することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
前記記憶部のデータは、指令信号に基づく目標角度と偏差信号の特徴量を合わせて記録することを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
指令信号と現在位置との偏差に基づいてミラーを揺動させるアクチュエータを動作させ、前記ミラーに入射する光の出射角を制御するガルバノスキャナ制御装置を持つレーザ加工装置において、偏差の振動成分を周波数帯域毎に分離するデジタルフィルタと、周波数帯域毎の偏差が事前に決められた範囲外になったと判別する偏差信号判別器と、判別した結果を表示する表示部を備えていることを特徴とするレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−213790(P2012−213790A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80688(P2011−80688)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000233332)日立ビアメカニクス株式会社 (237)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【Fターム(参考)】