レーザ描画装置
【課題】レーザ光を出射するレーザ装置とレーザ光を偏向する可動ミラーとを備えたレーザ描画装置において、内回り現象による印字品質の低下を防止する。
【解決手段】レーザ光を出射するレーザ装置と、前記レーザ光を偏向する可動ミラーと、描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する検出手段と、前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる調整手段と、前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する照射手段とを備える。
【解決手段】レーザ光を出射するレーザ装置と、前記レーザ光を偏向する可動ミラーと、描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する検出手段と、前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる調整手段と、前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する照射手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱により発色する性質を持つメディアにレーザ光で文字等を描画する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベア上を移動するコンテナ等のラベルとして、熱により発色する性質を持つメディア(発色を消去して繰り返し使えるリライタブルのものと、1回の書き込みしか行えないライトワンスのものが存在)を使用し、そのラベルにレーザ光を照射して部分的に加熱することで文字等を描画するレーザ描画装置が存在する。
【0003】
この種のレーザ描画装置は、レーザ装置から照射されるレーザ光を制御モータにより駆動される可動ミラーにより偏向する機構を備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のレーザ描画装置では、サーマルリライタブルメディア等に文字等をレーザ光による加熱で描く際、急角度のカーブ部ではレーザ光の移動制御が間に合わず、カーブの内側を回ってしまう「内回り現象」が発生するという問題があった。これは、制御モータや可動ミラーの慣性による積分作用により、移動速度が速くなると移動が追いつかなくなり、カーブ部ではカーブの半径が小さくなることによる。その結果、印字品質が低下してしまう。
【0005】
図1は「ぱ」という文字を描画した例を示しており、P1で示す半濁点の部分やP2で示すループする部分において、理想的には破線で示す描画となるべきものが、内回り現象により実線で示すようにつぶれてしまう。
【0006】
一方、特許文献1には、座標データをガルバノスキャナに与えるタイミングを遅延させる遅延手段を備えることで、内回り現象による印字品質の低下を抑えつつマーキングの高速化が可能なレーザマーキング装置が開示されている。しかし、座標データを与えるタイミングを制御することは制御処理を複雑化し、好ましくない。制御処理に手を加えず、描画命令のみを変更することで対応できることが好ましい。
【0007】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、レーザ光を出射するレーザ装置とレーザ光を偏向する可動ミラーとを備えたレーザ描画装置において、内回り現象による印字品質の低下を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、レーザ光を出射するレーザ装置と、前記レーザ光を偏向する可動ミラーと、描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する検出手段と、前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる調整手段と、前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する照射手段とを備えるレーザ描画装置を要旨としている。
【0009】
また、レーザ光を出射するレーザ装置と、前記レーザ光を偏向する可動ミラーとを備えたレーザ描画装置の制御方法であって、描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する工程と、前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる工程と、前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する工程とを備えるレーザ描画制御方法として構成することができる。
【0010】
また、レーザ光を出射するレーザ装置と、前記レーザ光を偏向する可動ミラーとを備えたレーザ描画装置の制御プログラムであって、前記レーザ描画装置の制御部を構成するコンピュータを、描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する手段、前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる手段、前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する手段として機能させるレーザ描画制御プログラムとして構成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のレーザ描画装置にあっては、急カーブ部分を自動的に検出し、レーザ光の移動速度を調整した描画命令をリアルタイムに生成し、その描画命令に従ったレーザ光の速度制御を行い、急カーブ部分をゆっくり回り正確に描画することで、内回り現象による印字品質の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】内回り現象の例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるレーザ描画装置の構成例を示す図である。
【図3】全体制御装置の構成例を示す図である。
【図4】全体制御装置のソフトウェア機能構成例を示す図である。
【図5】描画命令生成部への入力データの構造例を示す図である。
【図6】描画命令生成部からの出力データの構造例を示す図である。
【図7】手法Aの説明図である。
【図8】手法Bの説明図である。
【図9】手法Cの説明図である。
【図10】手法Dの説明図である。
【図11】実施形態の処理例を示すフローチャートである。
【図12】「描画命令を生成する」の処理例を示すフローチャートである。
【図13】「注目線分群に急カーブが含まれているかどうかを判定する」の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
【0014】
<構成>
図2は本発明の一実施形態にかかるレーザ描画装置1の構成例を示す図である。なお、描画対象のメディアとしてサーマルリライタブルメディアを例として説明するが、サーマルペーパのように書き換えが可能でないライトワンスのメディアに対しても適用することができる。
【0015】
図2において、レーザ描画装置1は、装置全体を制御する全体制御装置11と、レーザ光を照射するレーザ照射部12とを有する。また、レーザ照射部12は、レーザ光を発生するレーザ発振器(レーザ装置)13と、レーザ光のスポット径を調整(スポット径が大きくなるよう調整)するスポット径調整レンズ14と、レーザ光の照射方向を変える方向制御ミラー(可動ミラー)15と、方向制御ミラー15を駆動する方向制御モータ16と、方向制御ミラー15により方向の変えられたレーザ光をサーマルリライタブルメディア2上に収束させる焦点距離調整レンズ17とを有している。
【0016】
レーザ発振器13は、半導体レーザ(LD(Laser Diode))が一般に用いられるが、気体レーザ発振器、固体レーザ発振器、液体レーザ発振器等であってもよい。方向制御モータ16は、方向制御ミラー15の反射面の向きを2軸に制御する例えばサーボモータである。方向制御モータ16と方向制御ミラー15とによりガルバノミラーを構成する。
【0017】
サーマルリライタブルメディア2は、例えばロイコ染料と顕色剤が分離した状態で膜を形成し、そこに所定温度Taの熱を加え急冷することでロイコ染料と顕色在が結合して発色し、所定温度Taよりも低い所定温度Tbを加えるとロイコ染料と顕色剤が分離した状態に戻ることで消色するメディア、例えば書き換え可能な感熱タイプの紙である。
【0018】
図3は全体制御装置11の構成例を示す図である。ここでは、主にソフトウェアによって全体制御装置11を実装する場合のハードウェア構成を示しており、コンピュータを実体としている。コンピュータを実体とせず全体制御装置11を実現する場合、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定機能向けに製造されたICを利用する。
【0019】
全体制御装置11は、CPU111、メモリ112、記憶装置113、入力装置114、ディスプレイ115、CD/DVDドライブ116およびネットワーク装置117を有している。ハードディスクドライブ等の記憶装置113には、ストロークフォントおよびアウトラインフォントの一連の文字のフォントデータを記憶するフォントデータDB1131と、フォントデータから重複を排除した描画命令を生成しレーザ照射部12(図2)を制御する文字描画プログラム1132が記憶されている。
【0020】
CPU111は、記憶装置113から文字描画プログラム1132を読み出して実行し、後述する手順で、サーマルリライタブルメディア2に文字を描画する。メモリ112は、DRAMなどの揮発性メモリで、CPU111が文字描画プログラム1132を実行する際の作業エリアとなる。入力装置114は、マウスやキーボードなどレーザ照射部12を制御する指示をユーザが入力するための装置である。ディスプレイ115は、例えば文字描画プログラム1132が指示する画面情報に基づき所定の解像度や色数で、GUI(Graphical User Interface)画面を表示するユーザインタフェースとなる。例えば、サーマルリライタブルメディア2に描画する文字の入力欄等が表示される。
【0021】
CD/DVDドライブ116は、CD/DVD31を脱着可能に構成され、CD/DVD31からデータを読み出し、また、データを書き込む。フォントデータDB1131および文字描画プログラム1132は、CD/DVD31に記憶された状態で配布され、CD/DVD31から読み出されて記憶装置113にインストールされる。CD/DVD31は、この他、ブルーレイディスク、SDカード、メモリースティック(登録商標)、マルチメディアカード、xDカード等、不揮発性のメモリで代用することができる。
【0022】
ネットワーク装置117は、LANやインターネットなどのネットワークに接続するためのインターフェイス(例えばイーサネット(登録商標)カード)であり、OSI基本参照モデルの物理層、データリンク層に規定されたプロトコルに従う処理を実行して、レーザ照射部12に文字コードに応じた描画命令を送信することを可能とする。フォントデータDB1131および文字描画プログラム1132は、ネットワークを介して接続した所定のサーバからダウンロードすることができる。なお、ネットワーク経由でなく、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、ワイヤレスUSB、Bluetooth等で直接、全体制御装置11とレーザ照射部12を接続してもよい。
【0023】
サーマルリライタブルメディア2に描画される描画対象の文字は、例えばリスト状に記憶装置113に記憶されているか、入力装置114から入力される。文字は、UNICODEやJISコードなどの文字コードで特定され、全体制御装置11は文字コードに対応する文字のフォントデータをフォントデータDB1131から読み出し、それを描画命令に変換することでレーザ照射部12を制御する。
【0024】
図4は全体制御装置11のソフトウェア機能構成例を示す図である。
【0025】
図4において、全体制御装置11は、描画命令生成部1111と描画命令実行部1114とを備える。描画命令生成部1111は、急カーブ検出部1112と描画命令調整部1113とを備える。
【0026】
描画命令生成部1111は、描画命令実行部1114が解釈・実行可能な描画命令(レーザ制御データ)を生成する機能を有している。
【0027】
急カーブ検出部1112は、描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データの中に急カーブ(屈曲部)が含まれていることを検出する機能を有している。
【0028】
描画命令調整部1113は、検出された急カーブ部について、レーザ光の移動速度と照射パワーを調整した描画命令を生成する機能を有している。
【0029】
描画命令実行部1114は、CPU111の生成した描画命令を解釈し、実行する機能を有している。
【0030】
図5は描画命令生成部1111への入力データの構造例を示す図である。入力データは、図5(a)に示すように、「描画要素配列」「閾値(角度)」「閾値(長さ)」「対象線分数」「速度調整係数」「パワー調整係数」等の項目を含んでいる。「描画要素配列」は、描画要素(情報)の配列である。「閾値(角度)」は、累積角度がこの値を超えたら急カーブと判定する限界を定める角度である。「閾値(長さ)」は、ストロークの長さがこの値より小さいものを「短いストローク」と判定する限界を定める長さである。「対象線分数」は、処理中の線分数がこの数を超えた場合は、前方のものから順に処理対象からはずす限界を定める数である。「速度調整係数」は、急カーブ部分のレーザの移動速度を調整する係数である。「パワー調整係数」は、急カーブ部分のレーザパワーを調整する係数である。
【0031】
「描画要素配列」に含まれる個々の描画要素は、図5(b)に示すように、「描画要素種別」「始点X座標」「始点Y座標」「終点X座標」「終点Y座標」「制御点X座標」「制御点Y座標」等の項目を含んでいる。なお、線分群の先頭の描画要素の前に、線分群の通し番号と、その線分群に属する線分の総数が付加される。
「描画要素種別」は、直線か曲線かを表す情報である。「始点X座標」は、描画要素の始点のX座標である。「始点Y座標」は、描画要素の始点のY座標である。「終点X座標」は、描画要素の終点のX座標である。「終点Y座標」は、描画要素の終点のY座標である。「制御点X座標」は、曲線の制御点のX座標である。「制御点Y座標」は、曲線の制御点のY座標である。
【0032】
図6は描画命令生成部1111からの出力データの構造例を示す図である。出力データは、図6(a)に示すように、描画命令実行部1114への入力データとなる描画命令群である「描画命令配列」を含んでいる。
【0033】
「描画命令配列」に含まれる個々の描画命令は、図6(b)に示すように、「移動後X座標」「移動後Y座標」「レーザ点灯有無」「レーザ移動速度」「レーザ照射パワー」等の項目を含んでいる。「移動後X座標」は、レーザ光を移動させる先のX座標である。「移動後Y座標」は、レーザ光を移動させる先のY座標である。「レーザ点灯有無」は、レーザ光を射出するか否かの情報である。「レーザ移動速度」は、レーザ光を移動させる速度である。「レーザ照射パワー」は、レーザ光のパワーである。
【0034】
<急カーブ検出の手法>
以下では屈曲部が線分(直線)で構成されている場合について説明するが、屈曲部が曲線で構成されている場合は、曲線を直線で近似する前処理を行ってから同様に処理を行うことができる。
【0035】
手法A:隣接する線分の成す角の補角の和が閾値を超えた場合に急カーブとみなす。急カーブ検出の基本となる。
【0036】
図7(a)は手法Aの一例を示しており、
θ1+θ2+θ3 > 閾値
であれば、急カーブと判定する。
【0037】
図7(b)のように急カーブが連続する場合は、補角の累積の途中で閾値を超えたら急カーブとみなし、処理を途中で打ち切り、改めて処理を再開する。全てを合計すると、逆向きのカーブで補角の累積が相殺され、合計角度が小さくなって急カーブを検出できなくなってしまうためである。
【0038】
手法B:処理の対象とする線分の長さをある長さ以内に制限する。すなわち、短い線分のみを処理の対象にする。手法Aでは全ての線分に対して処理を行うため性能的なロスがあるが、調整を必要とするような急カーブ部分の線分は短いため、急カーブでない部分の演算を減らし、処理速度を上げることができる。
【0039】
図8(a)は3本以上の長い線分で構成される急カーブを示しているが、線分間の距離が大きく、内回り現象は発生しないので、調整する必要がない。
【0040】
図8(b)は2本の長い線分で構成される急カーブを示しているが、内回り現象は発生しないので、調整する必要がない。
【0041】
手法C:短い線分の前または後の一方または両方の長い線分を処理の対象に含める。手法Bでは長い線分が急カーブの一部となっている場合に検出できない場合があるが、短い線分の前または後の一方または両方の長い線分を処理の対象に含めることで、長い線分と次の短い線分が急カーブの始まり(終わり)になっている場合でも急カーブを検出することができる。
【0042】
図9は短い線分の前後の長い線分が急カーブの一部になっている場合であるが、前後の長い線分との角度も考慮することで急カーブを検出することができる。
【0043】
手法D:処理の対象とする線分の数をある大きさ以内に制限する。手法A、B、Cでは大きな円弧を急カーブと判定してしまう場合があるが、処理の対象とする線分の数をある大きさ以内に制限することで、大きな円(弧)などを急カーブと判断してしまわないようにし、検出精度を上げることができる。
【0044】
図10(a)は短い線分が大きい半径でカーブしており、単純に累積すると閾値を超えて急カーブと判定してしまうが、線分の数を制限すれば、1つ1つの角度は小さいので角度の和が閾値を超えない。
【0045】
図10(b)は短い線分が小さい半径でカーブしており、少ない線分数でも角度の和が大きいため急カーブと判定される。
【0046】
上記の手法の有効な組み合わせは次のようになる。
【0047】
A:急カーブ検出の基本である。
【0048】
A+B:Aのみに比べ、処理速度が速くなる。
【0049】
A+D:Aのみに比べ、検出精度が上がる。
【0050】
A+B+C:A+Bに比べ、検出精度が上がる
A+B+D:A+Bに比べ、検出精度が上がる。
【0051】
A+B+C+D:A+B+Cに比べ、検出精度が更に上がる。
【0052】
なお、A+CとA+C+Dがないのは、CはBを前提としているからである。
【0053】
<動作>
図11は上記の実施形態の処理例を示すフローチャートである。
【0054】
図11において、処理を開始すると(ステップS101)、全体制御装置11の描画命令生成部1111(図4)は、描画命令を生成する(ステップS102)。描画命令生成部1111は、この処理の中で急カーブ検出と急カーブ部分への調整を行う。処理の詳細については後述する。
【0055】
次いで、描画命令実行部1114は、描画命令生成部1111が生成した描画命令を解釈し実行する(ステップS103)。すなわち、レーザ光を制御して描画を行う。
【0056】
そして、処理を終了する(ステップS104)。
【0057】
図12は「描画命令を生成する」(図11のステップS102)の処理例を示すフローチャートである。
【0058】
図12において、「描画命令を生成する」処理を開始すると(ステップS111)、描画命令生成部1111は、描画する文字や図形が曲線で構成されている場合は、曲線を近似した線分に置換する(ステップS112)。
【0059】
次いで、描画命令生成部1111は、最初の線分群を注目線分群とする(ステップS113)。すなわち、内部的に管理している記憶領域に、注目線分群を識別する線分群の通し番号を記録する。
【0060】
次いで、描画命令生成部1111は、線分群が終了したか否か判断する(ステップS114)。すなわち、描画要素配列に含まれる全ての線分群を処理したか否かで判断する。
【0061】
線分群が終了していないと判断した場合(ステップS114のNo)、描画命令生成部1111は、急カーブ検出部1112により、注目線分群に急カーブが含まれているかどうかを判定する(ステップS115)。処理の詳細については後述する。
【0062】
次いで、描画命令生成部1111は、急カーブ検出部1112の検出結果に基づき、注目線分群に急カーブが含まれているか否かにより処理を分岐する(ステップS116)。
【0063】
注目線分群に急カーブが含まれている場合(ステップS116のYes)、描画命令生成部1111は、描画命令調整部1113により、急カーブ部分について、内部的に保持された通常値に対し、速度調整係数とパワー調整係数でレーザ移動速度とレーザ照射パワーを補正した描画命令を生成する(ステップS117)。
【0064】
次いで、描画命令生成部1111は、急カーブでない部分について、通常のレーザ移動速度とレーザ照射パワーで描画命令を生成する(ステップS118)。
【0065】
また、注目線分群に急カーブが含まれていない場合(ステップS116のNo)、描画命令生成部1111は、注目線分群の全体について、通常のレーザ移動速度とレーザ照射パワーで描画命令を生成する(ステップS119)。
【0066】
次いで、描画命令生成部1111は、次の線分群を注目線分群とし(ステップS120)、線分群が終了したか否かの判断(ステップS114)に戻る。
【0067】
そして、線分群が終了したと判断した場合(ステップS114のYes)、処理を終了する(ステップS121)。
【0068】
図13は「注目線分群に急カーブが含まれているかどうかを判定する」(図12のステップS115)の処理例を示すフローチャートである。なお、前述した手法A〜Dを適用した場合について説明するが、特定の手法を用いない場合は対応する処理を除去すればよい。
【0069】
図13において、「注目線分群に急カーブが含まれているかどうかを判定する」の処理を開始すると(ステップS131)、急カーブ検出部1112は、線分群から短い線分を探す(ステップS132)。短い線分かどうかは線分のX座標およびY座標から判断することができる。
【0070】
次いで、急カーブ検出部1112は、短い線分が見つかったか否かにより処理を分岐する(ステップS133)。
【0071】
短い線分が見つかった場合(ステップS133のYes)、急カーブ検出部1112は、見つかった短い線分を注目線分にする(ステップS134)。前後の長い線分を処理に含める場合は、見つかった短い線分群の前の線分を注目線分にする。すなわち、内部的に管理している記憶領域に、注目線分を識別する線分の番号を記録する。
【0072】
次いで、急カーブ検出部1112は、線分群が終了したか否か判断する(ステップS135)。
【0073】
線分群が終了していないと判断した場合(ステップS135のNo)、急カーブ検出部1112は、続いて、短い線分が終了したか否か、すなわち、短い線分から長い線分につながったか否か判断する(ステップS136)。前後の長い線分を処理に含める場合は、最後の短い線分の次の線分の処理終了後に、線分群終了を判定する。
【0074】
短い線分が終了していないと判断した場合(ステップS136のNo)、急カーブ検出部1112は、注目線分と次の線分の成す角の補角を求める(ステップS137)。2つの線分のX座標およびY座標から補角を算出することができる。
【0075】
次いで、急カーブ検出部1112は、求めた補角を内部の記憶領域に格納し、格納数が(処理の対象とする線分の数−1)を超える場合は最も古い補角を捨てる(ステップS138)。
【0076】
次いで、急カーブ検出部1112は、記憶領域に格納されている補角の合計を求める(ステップS139)。
【0077】
次いで、急カーブ検出部1112は、補角の合計が閾値を超えるか否か判断する(ステップS140)。
【0078】
補角の合計が閾値を超えないと判断した場合(ステップS140のNo)、急カーブ検出部1112は、次の線分を注目線分とし(ステップS141)、線分群が終了したか否かの判断(ステップS135)に戻る。
【0079】
補角の合計が閾値を超えると判断した場合(ステップS140のYes)、急カーブを含むという結果を出力し、処理を終了する(ステップS142)。
【0080】
また、短い線分が見つからなかった場合(ステップS133のNo)および線分群が終了してたと判断した場合(ステップS135のYes)、急カーブを含まないという結果を出力し、処理を終了する(ステップS143)。
【0081】
<総括>
以上説明したように、本実施形態によれば次のような利点がある。
(1)急カーブ部分を自動的に検出し、レーザ光の移動速度を調整した描画命令をリアルタイムに生成し、その描画命令に従ったレーザ光の速度制御を行い、急カーブ部分をゆっくり回り正確に描画することで、内回り現象による印字品質の低下を防止することができる。
(2)急カーブ部で速度を落とすことで「内回り現象」は防止できるものの、急カーブ部での蓄熱によりサーマルリライタブルメディア等を劣化させてしまうことがあるが、レーザ光の照射位置の移動速度に連動してレーザ光のパワーを調整することで、メディアの劣化を防止することができる。
(3)隣接する2つの線分または曲線の成す角度の補角の和が閾値を超えた場合に急カーブとみなすことで、急カーブ部を有効に検出することができる。
(4)線分または曲線の長さが規定の長さよりも短いものだけを判定の対象とすることで、急カーブでない部分の演算を減らし、処理速度を上げることができる。
(5)短い線分または曲線の前または後の一方または両方の長い線分または曲線も判定の対象に用いることで、長い線分と次の短い線分が急カーブの始まり(終わり)になっている場合でも急カーブを検出することができる。
(6)判定の対照とする線分または曲線の数を制限することで、大きな円(弧)などを急カーブと判断してしまわないようにし、検出精度を上げることができる。
【0082】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0083】
1 レーザ描画装置
11 全体制御装置
111 CPU
1111 描画命令生成部
1112 急カーブ検出部
1113 描画命令調整部
1114 描画命令実行部
112 メモリ
113 記憶装置
1131 フォントデータDB
1132 文字描画プログラム
114 入力装置
115 ディスプレイ
116 CD/DVDドライブ
117 ネットワーク装置
12 レーザ照射部
13 レーザ発振器
14 スポット径調整レンズ
15 方向制御ミラー
16 方向制御モータ
17 焦点距離調整レンズ
2 サーマルリライタブルメディア
31 CD/DVD
【先行技術文献】
【特許文献】
【0084】
【特許文献1】特開2002−292482号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱により発色する性質を持つメディアにレーザ光で文字等を描画する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベア上を移動するコンテナ等のラベルとして、熱により発色する性質を持つメディア(発色を消去して繰り返し使えるリライタブルのものと、1回の書き込みしか行えないライトワンスのものが存在)を使用し、そのラベルにレーザ光を照射して部分的に加熱することで文字等を描画するレーザ描画装置が存在する。
【0003】
この種のレーザ描画装置は、レーザ装置から照射されるレーザ光を制御モータにより駆動される可動ミラーにより偏向する機構を備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のレーザ描画装置では、サーマルリライタブルメディア等に文字等をレーザ光による加熱で描く際、急角度のカーブ部ではレーザ光の移動制御が間に合わず、カーブの内側を回ってしまう「内回り現象」が発生するという問題があった。これは、制御モータや可動ミラーの慣性による積分作用により、移動速度が速くなると移動が追いつかなくなり、カーブ部ではカーブの半径が小さくなることによる。その結果、印字品質が低下してしまう。
【0005】
図1は「ぱ」という文字を描画した例を示しており、P1で示す半濁点の部分やP2で示すループする部分において、理想的には破線で示す描画となるべきものが、内回り現象により実線で示すようにつぶれてしまう。
【0006】
一方、特許文献1には、座標データをガルバノスキャナに与えるタイミングを遅延させる遅延手段を備えることで、内回り現象による印字品質の低下を抑えつつマーキングの高速化が可能なレーザマーキング装置が開示されている。しかし、座標データを与えるタイミングを制御することは制御処理を複雑化し、好ましくない。制御処理に手を加えず、描画命令のみを変更することで対応できることが好ましい。
【0007】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、レーザ光を出射するレーザ装置とレーザ光を偏向する可動ミラーとを備えたレーザ描画装置において、内回り現象による印字品質の低下を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、レーザ光を出射するレーザ装置と、前記レーザ光を偏向する可動ミラーと、描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する検出手段と、前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる調整手段と、前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する照射手段とを備えるレーザ描画装置を要旨としている。
【0009】
また、レーザ光を出射するレーザ装置と、前記レーザ光を偏向する可動ミラーとを備えたレーザ描画装置の制御方法であって、描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する工程と、前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる工程と、前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する工程とを備えるレーザ描画制御方法として構成することができる。
【0010】
また、レーザ光を出射するレーザ装置と、前記レーザ光を偏向する可動ミラーとを備えたレーザ描画装置の制御プログラムであって、前記レーザ描画装置の制御部を構成するコンピュータを、描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する手段、前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる手段、前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する手段として機能させるレーザ描画制御プログラムとして構成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のレーザ描画装置にあっては、急カーブ部分を自動的に検出し、レーザ光の移動速度を調整した描画命令をリアルタイムに生成し、その描画命令に従ったレーザ光の速度制御を行い、急カーブ部分をゆっくり回り正確に描画することで、内回り現象による印字品質の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】内回り現象の例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるレーザ描画装置の構成例を示す図である。
【図3】全体制御装置の構成例を示す図である。
【図4】全体制御装置のソフトウェア機能構成例を示す図である。
【図5】描画命令生成部への入力データの構造例を示す図である。
【図6】描画命令生成部からの出力データの構造例を示す図である。
【図7】手法Aの説明図である。
【図8】手法Bの説明図である。
【図9】手法Cの説明図である。
【図10】手法Dの説明図である。
【図11】実施形態の処理例を示すフローチャートである。
【図12】「描画命令を生成する」の処理例を示すフローチャートである。
【図13】「注目線分群に急カーブが含まれているかどうかを判定する」の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
【0014】
<構成>
図2は本発明の一実施形態にかかるレーザ描画装置1の構成例を示す図である。なお、描画対象のメディアとしてサーマルリライタブルメディアを例として説明するが、サーマルペーパのように書き換えが可能でないライトワンスのメディアに対しても適用することができる。
【0015】
図2において、レーザ描画装置1は、装置全体を制御する全体制御装置11と、レーザ光を照射するレーザ照射部12とを有する。また、レーザ照射部12は、レーザ光を発生するレーザ発振器(レーザ装置)13と、レーザ光のスポット径を調整(スポット径が大きくなるよう調整)するスポット径調整レンズ14と、レーザ光の照射方向を変える方向制御ミラー(可動ミラー)15と、方向制御ミラー15を駆動する方向制御モータ16と、方向制御ミラー15により方向の変えられたレーザ光をサーマルリライタブルメディア2上に収束させる焦点距離調整レンズ17とを有している。
【0016】
レーザ発振器13は、半導体レーザ(LD(Laser Diode))が一般に用いられるが、気体レーザ発振器、固体レーザ発振器、液体レーザ発振器等であってもよい。方向制御モータ16は、方向制御ミラー15の反射面の向きを2軸に制御する例えばサーボモータである。方向制御モータ16と方向制御ミラー15とによりガルバノミラーを構成する。
【0017】
サーマルリライタブルメディア2は、例えばロイコ染料と顕色剤が分離した状態で膜を形成し、そこに所定温度Taの熱を加え急冷することでロイコ染料と顕色在が結合して発色し、所定温度Taよりも低い所定温度Tbを加えるとロイコ染料と顕色剤が分離した状態に戻ることで消色するメディア、例えば書き換え可能な感熱タイプの紙である。
【0018】
図3は全体制御装置11の構成例を示す図である。ここでは、主にソフトウェアによって全体制御装置11を実装する場合のハードウェア構成を示しており、コンピュータを実体としている。コンピュータを実体とせず全体制御装置11を実現する場合、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定機能向けに製造されたICを利用する。
【0019】
全体制御装置11は、CPU111、メモリ112、記憶装置113、入力装置114、ディスプレイ115、CD/DVDドライブ116およびネットワーク装置117を有している。ハードディスクドライブ等の記憶装置113には、ストロークフォントおよびアウトラインフォントの一連の文字のフォントデータを記憶するフォントデータDB1131と、フォントデータから重複を排除した描画命令を生成しレーザ照射部12(図2)を制御する文字描画プログラム1132が記憶されている。
【0020】
CPU111は、記憶装置113から文字描画プログラム1132を読み出して実行し、後述する手順で、サーマルリライタブルメディア2に文字を描画する。メモリ112は、DRAMなどの揮発性メモリで、CPU111が文字描画プログラム1132を実行する際の作業エリアとなる。入力装置114は、マウスやキーボードなどレーザ照射部12を制御する指示をユーザが入力するための装置である。ディスプレイ115は、例えば文字描画プログラム1132が指示する画面情報に基づき所定の解像度や色数で、GUI(Graphical User Interface)画面を表示するユーザインタフェースとなる。例えば、サーマルリライタブルメディア2に描画する文字の入力欄等が表示される。
【0021】
CD/DVDドライブ116は、CD/DVD31を脱着可能に構成され、CD/DVD31からデータを読み出し、また、データを書き込む。フォントデータDB1131および文字描画プログラム1132は、CD/DVD31に記憶された状態で配布され、CD/DVD31から読み出されて記憶装置113にインストールされる。CD/DVD31は、この他、ブルーレイディスク、SDカード、メモリースティック(登録商標)、マルチメディアカード、xDカード等、不揮発性のメモリで代用することができる。
【0022】
ネットワーク装置117は、LANやインターネットなどのネットワークに接続するためのインターフェイス(例えばイーサネット(登録商標)カード)であり、OSI基本参照モデルの物理層、データリンク層に規定されたプロトコルに従う処理を実行して、レーザ照射部12に文字コードに応じた描画命令を送信することを可能とする。フォントデータDB1131および文字描画プログラム1132は、ネットワークを介して接続した所定のサーバからダウンロードすることができる。なお、ネットワーク経由でなく、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、ワイヤレスUSB、Bluetooth等で直接、全体制御装置11とレーザ照射部12を接続してもよい。
【0023】
サーマルリライタブルメディア2に描画される描画対象の文字は、例えばリスト状に記憶装置113に記憶されているか、入力装置114から入力される。文字は、UNICODEやJISコードなどの文字コードで特定され、全体制御装置11は文字コードに対応する文字のフォントデータをフォントデータDB1131から読み出し、それを描画命令に変換することでレーザ照射部12を制御する。
【0024】
図4は全体制御装置11のソフトウェア機能構成例を示す図である。
【0025】
図4において、全体制御装置11は、描画命令生成部1111と描画命令実行部1114とを備える。描画命令生成部1111は、急カーブ検出部1112と描画命令調整部1113とを備える。
【0026】
描画命令生成部1111は、描画命令実行部1114が解釈・実行可能な描画命令(レーザ制御データ)を生成する機能を有している。
【0027】
急カーブ検出部1112は、描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データの中に急カーブ(屈曲部)が含まれていることを検出する機能を有している。
【0028】
描画命令調整部1113は、検出された急カーブ部について、レーザ光の移動速度と照射パワーを調整した描画命令を生成する機能を有している。
【0029】
描画命令実行部1114は、CPU111の生成した描画命令を解釈し、実行する機能を有している。
【0030】
図5は描画命令生成部1111への入力データの構造例を示す図である。入力データは、図5(a)に示すように、「描画要素配列」「閾値(角度)」「閾値(長さ)」「対象線分数」「速度調整係数」「パワー調整係数」等の項目を含んでいる。「描画要素配列」は、描画要素(情報)の配列である。「閾値(角度)」は、累積角度がこの値を超えたら急カーブと判定する限界を定める角度である。「閾値(長さ)」は、ストロークの長さがこの値より小さいものを「短いストローク」と判定する限界を定める長さである。「対象線分数」は、処理中の線分数がこの数を超えた場合は、前方のものから順に処理対象からはずす限界を定める数である。「速度調整係数」は、急カーブ部分のレーザの移動速度を調整する係数である。「パワー調整係数」は、急カーブ部分のレーザパワーを調整する係数である。
【0031】
「描画要素配列」に含まれる個々の描画要素は、図5(b)に示すように、「描画要素種別」「始点X座標」「始点Y座標」「終点X座標」「終点Y座標」「制御点X座標」「制御点Y座標」等の項目を含んでいる。なお、線分群の先頭の描画要素の前に、線分群の通し番号と、その線分群に属する線分の総数が付加される。
「描画要素種別」は、直線か曲線かを表す情報である。「始点X座標」は、描画要素の始点のX座標である。「始点Y座標」は、描画要素の始点のY座標である。「終点X座標」は、描画要素の終点のX座標である。「終点Y座標」は、描画要素の終点のY座標である。「制御点X座標」は、曲線の制御点のX座標である。「制御点Y座標」は、曲線の制御点のY座標である。
【0032】
図6は描画命令生成部1111からの出力データの構造例を示す図である。出力データは、図6(a)に示すように、描画命令実行部1114への入力データとなる描画命令群である「描画命令配列」を含んでいる。
【0033】
「描画命令配列」に含まれる個々の描画命令は、図6(b)に示すように、「移動後X座標」「移動後Y座標」「レーザ点灯有無」「レーザ移動速度」「レーザ照射パワー」等の項目を含んでいる。「移動後X座標」は、レーザ光を移動させる先のX座標である。「移動後Y座標」は、レーザ光を移動させる先のY座標である。「レーザ点灯有無」は、レーザ光を射出するか否かの情報である。「レーザ移動速度」は、レーザ光を移動させる速度である。「レーザ照射パワー」は、レーザ光のパワーである。
【0034】
<急カーブ検出の手法>
以下では屈曲部が線分(直線)で構成されている場合について説明するが、屈曲部が曲線で構成されている場合は、曲線を直線で近似する前処理を行ってから同様に処理を行うことができる。
【0035】
手法A:隣接する線分の成す角の補角の和が閾値を超えた場合に急カーブとみなす。急カーブ検出の基本となる。
【0036】
図7(a)は手法Aの一例を示しており、
θ1+θ2+θ3 > 閾値
であれば、急カーブと判定する。
【0037】
図7(b)のように急カーブが連続する場合は、補角の累積の途中で閾値を超えたら急カーブとみなし、処理を途中で打ち切り、改めて処理を再開する。全てを合計すると、逆向きのカーブで補角の累積が相殺され、合計角度が小さくなって急カーブを検出できなくなってしまうためである。
【0038】
手法B:処理の対象とする線分の長さをある長さ以内に制限する。すなわち、短い線分のみを処理の対象にする。手法Aでは全ての線分に対して処理を行うため性能的なロスがあるが、調整を必要とするような急カーブ部分の線分は短いため、急カーブでない部分の演算を減らし、処理速度を上げることができる。
【0039】
図8(a)は3本以上の長い線分で構成される急カーブを示しているが、線分間の距離が大きく、内回り現象は発生しないので、調整する必要がない。
【0040】
図8(b)は2本の長い線分で構成される急カーブを示しているが、内回り現象は発生しないので、調整する必要がない。
【0041】
手法C:短い線分の前または後の一方または両方の長い線分を処理の対象に含める。手法Bでは長い線分が急カーブの一部となっている場合に検出できない場合があるが、短い線分の前または後の一方または両方の長い線分を処理の対象に含めることで、長い線分と次の短い線分が急カーブの始まり(終わり)になっている場合でも急カーブを検出することができる。
【0042】
図9は短い線分の前後の長い線分が急カーブの一部になっている場合であるが、前後の長い線分との角度も考慮することで急カーブを検出することができる。
【0043】
手法D:処理の対象とする線分の数をある大きさ以内に制限する。手法A、B、Cでは大きな円弧を急カーブと判定してしまう場合があるが、処理の対象とする線分の数をある大きさ以内に制限することで、大きな円(弧)などを急カーブと判断してしまわないようにし、検出精度を上げることができる。
【0044】
図10(a)は短い線分が大きい半径でカーブしており、単純に累積すると閾値を超えて急カーブと判定してしまうが、線分の数を制限すれば、1つ1つの角度は小さいので角度の和が閾値を超えない。
【0045】
図10(b)は短い線分が小さい半径でカーブしており、少ない線分数でも角度の和が大きいため急カーブと判定される。
【0046】
上記の手法の有効な組み合わせは次のようになる。
【0047】
A:急カーブ検出の基本である。
【0048】
A+B:Aのみに比べ、処理速度が速くなる。
【0049】
A+D:Aのみに比べ、検出精度が上がる。
【0050】
A+B+C:A+Bに比べ、検出精度が上がる
A+B+D:A+Bに比べ、検出精度が上がる。
【0051】
A+B+C+D:A+B+Cに比べ、検出精度が更に上がる。
【0052】
なお、A+CとA+C+Dがないのは、CはBを前提としているからである。
【0053】
<動作>
図11は上記の実施形態の処理例を示すフローチャートである。
【0054】
図11において、処理を開始すると(ステップS101)、全体制御装置11の描画命令生成部1111(図4)は、描画命令を生成する(ステップS102)。描画命令生成部1111は、この処理の中で急カーブ検出と急カーブ部分への調整を行う。処理の詳細については後述する。
【0055】
次いで、描画命令実行部1114は、描画命令生成部1111が生成した描画命令を解釈し実行する(ステップS103)。すなわち、レーザ光を制御して描画を行う。
【0056】
そして、処理を終了する(ステップS104)。
【0057】
図12は「描画命令を生成する」(図11のステップS102)の処理例を示すフローチャートである。
【0058】
図12において、「描画命令を生成する」処理を開始すると(ステップS111)、描画命令生成部1111は、描画する文字や図形が曲線で構成されている場合は、曲線を近似した線分に置換する(ステップS112)。
【0059】
次いで、描画命令生成部1111は、最初の線分群を注目線分群とする(ステップS113)。すなわち、内部的に管理している記憶領域に、注目線分群を識別する線分群の通し番号を記録する。
【0060】
次いで、描画命令生成部1111は、線分群が終了したか否か判断する(ステップS114)。すなわち、描画要素配列に含まれる全ての線分群を処理したか否かで判断する。
【0061】
線分群が終了していないと判断した場合(ステップS114のNo)、描画命令生成部1111は、急カーブ検出部1112により、注目線分群に急カーブが含まれているかどうかを判定する(ステップS115)。処理の詳細については後述する。
【0062】
次いで、描画命令生成部1111は、急カーブ検出部1112の検出結果に基づき、注目線分群に急カーブが含まれているか否かにより処理を分岐する(ステップS116)。
【0063】
注目線分群に急カーブが含まれている場合(ステップS116のYes)、描画命令生成部1111は、描画命令調整部1113により、急カーブ部分について、内部的に保持された通常値に対し、速度調整係数とパワー調整係数でレーザ移動速度とレーザ照射パワーを補正した描画命令を生成する(ステップS117)。
【0064】
次いで、描画命令生成部1111は、急カーブでない部分について、通常のレーザ移動速度とレーザ照射パワーで描画命令を生成する(ステップS118)。
【0065】
また、注目線分群に急カーブが含まれていない場合(ステップS116のNo)、描画命令生成部1111は、注目線分群の全体について、通常のレーザ移動速度とレーザ照射パワーで描画命令を生成する(ステップS119)。
【0066】
次いで、描画命令生成部1111は、次の線分群を注目線分群とし(ステップS120)、線分群が終了したか否かの判断(ステップS114)に戻る。
【0067】
そして、線分群が終了したと判断した場合(ステップS114のYes)、処理を終了する(ステップS121)。
【0068】
図13は「注目線分群に急カーブが含まれているかどうかを判定する」(図12のステップS115)の処理例を示すフローチャートである。なお、前述した手法A〜Dを適用した場合について説明するが、特定の手法を用いない場合は対応する処理を除去すればよい。
【0069】
図13において、「注目線分群に急カーブが含まれているかどうかを判定する」の処理を開始すると(ステップS131)、急カーブ検出部1112は、線分群から短い線分を探す(ステップS132)。短い線分かどうかは線分のX座標およびY座標から判断することができる。
【0070】
次いで、急カーブ検出部1112は、短い線分が見つかったか否かにより処理を分岐する(ステップS133)。
【0071】
短い線分が見つかった場合(ステップS133のYes)、急カーブ検出部1112は、見つかった短い線分を注目線分にする(ステップS134)。前後の長い線分を処理に含める場合は、見つかった短い線分群の前の線分を注目線分にする。すなわち、内部的に管理している記憶領域に、注目線分を識別する線分の番号を記録する。
【0072】
次いで、急カーブ検出部1112は、線分群が終了したか否か判断する(ステップS135)。
【0073】
線分群が終了していないと判断した場合(ステップS135のNo)、急カーブ検出部1112は、続いて、短い線分が終了したか否か、すなわち、短い線分から長い線分につながったか否か判断する(ステップS136)。前後の長い線分を処理に含める場合は、最後の短い線分の次の線分の処理終了後に、線分群終了を判定する。
【0074】
短い線分が終了していないと判断した場合(ステップS136のNo)、急カーブ検出部1112は、注目線分と次の線分の成す角の補角を求める(ステップS137)。2つの線分のX座標およびY座標から補角を算出することができる。
【0075】
次いで、急カーブ検出部1112は、求めた補角を内部の記憶領域に格納し、格納数が(処理の対象とする線分の数−1)を超える場合は最も古い補角を捨てる(ステップS138)。
【0076】
次いで、急カーブ検出部1112は、記憶領域に格納されている補角の合計を求める(ステップS139)。
【0077】
次いで、急カーブ検出部1112は、補角の合計が閾値を超えるか否か判断する(ステップS140)。
【0078】
補角の合計が閾値を超えないと判断した場合(ステップS140のNo)、急カーブ検出部1112は、次の線分を注目線分とし(ステップS141)、線分群が終了したか否かの判断(ステップS135)に戻る。
【0079】
補角の合計が閾値を超えると判断した場合(ステップS140のYes)、急カーブを含むという結果を出力し、処理を終了する(ステップS142)。
【0080】
また、短い線分が見つからなかった場合(ステップS133のNo)および線分群が終了してたと判断した場合(ステップS135のYes)、急カーブを含まないという結果を出力し、処理を終了する(ステップS143)。
【0081】
<総括>
以上説明したように、本実施形態によれば次のような利点がある。
(1)急カーブ部分を自動的に検出し、レーザ光の移動速度を調整した描画命令をリアルタイムに生成し、その描画命令に従ったレーザ光の速度制御を行い、急カーブ部分をゆっくり回り正確に描画することで、内回り現象による印字品質の低下を防止することができる。
(2)急カーブ部で速度を落とすことで「内回り現象」は防止できるものの、急カーブ部での蓄熱によりサーマルリライタブルメディア等を劣化させてしまうことがあるが、レーザ光の照射位置の移動速度に連動してレーザ光のパワーを調整することで、メディアの劣化を防止することができる。
(3)隣接する2つの線分または曲線の成す角度の補角の和が閾値を超えた場合に急カーブとみなすことで、急カーブ部を有効に検出することができる。
(4)線分または曲線の長さが規定の長さよりも短いものだけを判定の対象とすることで、急カーブでない部分の演算を減らし、処理速度を上げることができる。
(5)短い線分または曲線の前または後の一方または両方の長い線分または曲線も判定の対象に用いることで、長い線分と次の短い線分が急カーブの始まり(終わり)になっている場合でも急カーブを検出することができる。
(6)判定の対照とする線分または曲線の数を制限することで、大きな円(弧)などを急カーブと判断してしまわないようにし、検出精度を上げることができる。
【0082】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0083】
1 レーザ描画装置
11 全体制御装置
111 CPU
1111 描画命令生成部
1112 急カーブ検出部
1113 描画命令調整部
1114 描画命令実行部
112 メモリ
113 記憶装置
1131 フォントデータDB
1132 文字描画プログラム
114 入力装置
115 ディスプレイ
116 CD/DVDドライブ
117 ネットワーク装置
12 レーザ照射部
13 レーザ発振器
14 スポット径調整レンズ
15 方向制御ミラー
16 方向制御モータ
17 焦点距離調整レンズ
2 サーマルリライタブルメディア
31 CD/DVD
【先行技術文献】
【特許文献】
【0084】
【特許文献1】特開2002−292482号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射するレーザ装置と、
前記レーザ光を偏向する可動ミラーと、
描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する検出手段と、
前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる調整手段と、
前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する照射手段と
を備えたことを特徴とするレーザ描画装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザ描画装置において、
前記調整手段は、前記レーザ光の照射位置の移動速度に連動して、前記レーザ光のパワーを調整する
ことを特徴とするレーザ描画装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載のレーザ描画装置において、
前記検出手段は、隣接する2つの線分または曲線の成す角度の補角の和が閾値を超えた場合に屈曲部であると検出する
ことを特徴とするレーザ描画装置。
【請求項4】
請求項3に記載のレーザ描画装置において、
前記検出手段は、線分または曲線の長さが規定の長さよりも短いものだけを判定の対象とする
ことを特徴とするレーザ描画装置。
【請求項5】
請求項4に記載のレーザ描画装置において、
前記検出手段は、短い線分もしくは曲線の前、後もしくは両方の長い線分もしくは曲線を判定の対象に用いる
ことを特徴とするレーザ描画装置。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれか一項に記載のレーザ描画装置において、
前記検出手段は、判定の対照とする線分または曲線の数を制限する
ことを特徴とするレーザ描画装置。
【請求項7】
レーザ光を出射するレーザ装置と、前記レーザ光を偏向する可動ミラーとを備えたレーザ描画装置の制御方法であって、
描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する工程と、
前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる工程と、
前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する工程と
を備えたことを特徴とするレーザ描画制御方法。
【請求項8】
レーザ光を出射するレーザ装置と、前記レーザ光を偏向する可動ミラーとを備えたレーザ描画装置の制御プログラムであって、
前記レーザ描画装置の制御部を構成するコンピュータを、
描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する手段、
前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる手段、
前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する手段
として機能させるレーザ描画制御プログラム。
【請求項1】
レーザ光を出射するレーザ装置と、
前記レーザ光を偏向する可動ミラーと、
描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する検出手段と、
前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる調整手段と、
前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する照射手段と
を備えたことを特徴とするレーザ描画装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザ描画装置において、
前記調整手段は、前記レーザ光の照射位置の移動速度に連動して、前記レーザ光のパワーを調整する
ことを特徴とするレーザ描画装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載のレーザ描画装置において、
前記検出手段は、隣接する2つの線分または曲線の成す角度の補角の和が閾値を超えた場合に屈曲部であると検出する
ことを特徴とするレーザ描画装置。
【請求項4】
請求項3に記載のレーザ描画装置において、
前記検出手段は、線分または曲線の長さが規定の長さよりも短いものだけを判定の対象とする
ことを特徴とするレーザ描画装置。
【請求項5】
請求項4に記載のレーザ描画装置において、
前記検出手段は、短い線分もしくは曲線の前、後もしくは両方の長い線分もしくは曲線を判定の対象に用いる
ことを特徴とするレーザ描画装置。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれか一項に記載のレーザ描画装置において、
前記検出手段は、判定の対照とする線分または曲線の数を制限する
ことを特徴とするレーザ描画装置。
【請求項7】
レーザ光を出射するレーザ装置と、前記レーザ光を偏向する可動ミラーとを備えたレーザ描画装置の制御方法であって、
描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する工程と、
前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる工程と、
前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する工程と
を備えたことを特徴とするレーザ描画制御方法。
【請求項8】
レーザ光を出射するレーザ装置と、前記レーザ光を偏向する可動ミラーとを備えたレーザ描画装置の制御プログラムであって、
前記レーザ描画装置の制御部を構成するコンピュータを、
描画する形状を複数の線分または曲線の繋がりで定義する描画データから、前記線分または前記曲線が規定の角度よりも大きい角度の屈曲部を形成する線分または曲線を検出する手段、
前記屈曲部を形成する前記線分または前記曲線の描画命令における前記レーザ光の照射位置の移動速度を低減させる手段、
前記描画命令に基づいて、前記可動ミラーを駆動するとともに、前記レーザ光を描画対象物に照射する手段
として機能させるレーザ描画制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−143777(P2012−143777A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3373(P2011−3373)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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