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レーザ溶着密封容器及びその製造方法
説明

レーザ溶着密封容器及びその製造方法

【課題】フランジ部付容器及び該フランジ部付容器の開口部を覆う蓋を、レーザの反射或 いは屈折によるレーザの発熱効率の低下及び溶着位置のずれを生じることなく、レーザ溶着により効率よく密封可能な密封容器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】フランジ部付容器及び該フランジ部付容器の開口部を覆う蓋を、フランジ部でレーザ溶着により一体的に密封して成る密封容器において、前記容器のフランジ部下面の外周端又は蓋の上面の外周端の何れか一方に、入射角度が実質的に0度となるようにレーザを受けるレーザ照射面が形成されており、該レーザ照射面が密封容器の水平方向に対して傾斜していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ溶着により密封される密封容器及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、レーザ溶着を効率的に行うことが可能なフランジ部付容器及び蓋から成る密封容器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器を蓋材で密封する方法としては、一般に容器及び蓋材の当接面に接着剤を施して接着する方法の他、容器及び蓋材の当接面をヒートシール性樹脂から形成し、一般的なヒートシールバーを用いて溶着させて密封することが行われている。この方法は簡便な方法であることから一般的に広く採用されているが、熱溶着工程、及びその後に行われる冷却工程に時間がかかるため、生産効率の向上が望まれている。
またヒートシールバーを用いるヒートシール方式においては、溶着部分にある程度の面積が必要であると共に、溶着面が平面状であることが必要である。また溶着部分の外面からシール面に熱が伝導する必要があることから、厚肉の容器では熱の伝導に時間がかかり、生産性が低下するため、肉厚に制約があり、形状の自由度が低いという問題がある。
【0003】
更にヒートシール部が冷却され、完全に密閉されるまでに所定の時間がかかるため、特に自生圧力を有する内容物を充填する場合や熱間充填する場合などでは、シール熱で熱膨張したヘッドスペースの気体が溶融状態のシール部から逃げることで、シール剥離を発生するおそれもある。
一方、容器及び蓋材等の溶着方法としては、レーザによる溶着も知られており、例えば、下記特許文献1には、容器本体に底蓋及び上蓋をレーザ溶着により溶着して一体化することが提案されている。
このようなレーザ溶着による包装体の部材の溶着においては、ヒートシールバーによりヒートシール性樹脂を溶着させる場合に比して、レーザを照射した後すぐ溶着されるため、溶着に要する時間が短縮されている。また、レーザ溶着による容器及び蓋材の密封方法においては、レーザの照射方向によって、容器側壁部の外面側、内面側、或いはフランジ部等種々の溶着箇所を選択することができ、形状に制約を受けることなく確実に溶着を行うことが可能である。
【0004】
【特許文献1】特開2000−128166号公報
【特許文献2】特公平7−80502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容器及び蓋から成る密封容器をレーザ溶着して密封する場合、レーザを照射面に対して可及的に垂直に入射させることが、レーザの反射或いは屈折を低減させ、溶着すべき箇所に確実且つ効率よくレーザを到達させることができるため、発熱効率を向上できると共に、溶着位置がずれてしまうこともなく、経済性及び生産性等の点から望ましい。
しかしながら、レーザ溶着に際しては、溶着すべき容器及び蓋の界面を充分に密着させる必要があることから、一般に容器の開口部外周にフランジ部を形成し、このフランジ部で蓋を密着すべく、フランジ部及び蓋を加圧装置で密着させている。
この加圧装置は一般に、容器を下方から支持固定する支持台及び蓋を上方から押圧する加圧板等の押圧具から成っており、そのため、下方からレーザ照射する場合には受け台が、上方から照射する場合には押圧具が邪魔になり、何れの場合においてもレーザを容器フランジ部下面又は蓋上面に垂直に入射させることが難しく、レーザの発熱効率の低下或いは溶着位置のずれが生じてしまうのである。
【0006】
従って本発明の目的は、フランジ部付容器及び該フランジ部付容器の開口部を覆う蓋を、レーザの反射或いは屈折によるレーザの発熱効率の低下及び溶着位置のずれを生じることなく、レーザ溶着により効率よく密封可能な密封容器及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、フランジ部付容器及び該フランジ部付容器の開口部を覆う蓋を、フランジ部でレーザ溶着により一体的に密封して成る密封容器において、前記容器のフランジ部下面の外周端又は蓋の上面の外周端の何れか一方に、入射角度が実質的に0度となるようにレーザを受けるレーザ照射面が形成されており、該レーザ照射面が密封容器の水平方向に対して傾斜していることを特徴とするレーザ溶着密封容器が提供される。
本発明のレーザ溶着密封容器においては、レーザ照射面の密封容器の水平方向に対する傾斜角度βが25乃至60度であること、が好適である。
【0008】
本発明によればまた、フランジ部付容器及び該フランジ部付容器の開口部を覆う蓋を、フランジ部でレーザ溶着により一体的に密封して成る密封容器の製造方法において、前記容器のフランジ部下面の外周端又は蓋の上面の外周端の何れか一方に、レーザを受けるレーザ照射面が形成されており、レーザを密封容器の水平方向に対する照射角度αが実質的に(α=90−β)度となるように照射することを特徴とするレーザ溶着密封容器の製造方法が提供される。
本発明のレーザ溶着密封容器の製造方法においては、
1.レーザ照射面の密封容器の水平方向に対する傾斜角度βが25乃至60度であること、
2.フランジ部付容器が側壁部にスタック部を有し、該スタック部で容器を下方から支持する支持台、及び少なくとも容器フランジ部及び蓋のフランジ部に対応する部分を上方から押圧固定する押圧具によって、容器のフランジ部及び蓋が互いに密着するように押圧された状態で、レーザ照射すること、
が好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、容器及び蓋を充分に密着させるべく加圧装置で両者を押圧固定するため、溶着箇所に垂直にレーザを入射できない場合であっても、レーザを可及的に垂直に入射可能なレーザ照射面が形成されていることにより、レーザ照射面でレーザが反射或いは屈折することが有効に防止されており、入射されたレーザが溶着界面に効率よく到達して、レーザ出力に対する発熱効率が向上されており、経済性に優れている。
また溶着界面(容器の水平方向と実質的に同方向)に対するレーザ照射面の傾斜角度を制御することにより、レーザ発振器の位置を自由に変えることもでき、生産性にも優れている。
更に本発明の密封容器の製造方法においては、容器のフランジ部下面の外周端又は蓋の上面の外周端の何れか一方に傾斜面を形成するだけでよいため、密封容器の外観や性能に影響を与えることもない。
更にまた本発明の密封容器は、加圧装置を用いて容器及び蓋を確実に密着固定できることから溶着性に優れている。また容器のフランジ部上面で溶着されていることから、内容物の付着による溶着不良のおそれもなく、レーザ溶着を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の密封容器の一例において、容器フランジ部側からレーザ照射して密封するために加圧装置に設置した状態を示す側断面図である。
【図2】図1に示す密封容器の溶着部の一部拡大断面図である。
【図3】図1に示す密封容器の溶着部の他の態様の一部拡大断面図である。
【図4】本発明の密封容器の他の一例において、蓋側からレーザ照射して密封するために加圧装置に設置した状態を示す側断面図である。
【図5】図4に示す密封容器の溶着部の一部拡大断面図である。
【図6】図4に示す密封容器の溶着部の他の態様の一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面に基づいて本発明を説明する。
図1及び図2において、全体を1で示す容器は、胴部2及び底部3から成り、開口部周縁に容器フランジ部4を有するフランジ部付カップ型容器(以下、単に「カップ型容器」ということがある)であり、胴部2の外面には複数個の同型のカップ型容器1同士をスタッキングするためのスタック部5が胴部外面に形成されており、スタッキングの際、下方に位置する容器フランジ部4の上面内縁が係合してスタッキングされる。
またこの態様においては、容器部側からレーザ照射することから、容器フランジ部4の下面の外周端が、下方に行くに従って外径が減少する傾斜面を形成するように、環状に切り取られており、容器1の水平方向(図2の点線H)と角度βをなす環状の傾斜面(レーザ照射面)6が形成されている。
また、全体を10で示す蓋は、落とし蓋形状の成形蓋であり、底面11の周縁から上方に延びる側壁部12、及び側壁部12の上端から容器フランジ部4を覆う蓋フランジ部13から成っている。また図示していないが、蓋体10の底面11には易開封性蓋によって密封された開口が形成されている。
【0012】
本発明の密封容器をレーザ溶着により密封させるに際して、図1に示すように、容器1及び蓋10を、加圧装置を用いて密着固定する。加圧装置は、カップ型容器1を支持固定する支持台21と上方から蓋を押圧する加圧板(押圧具)22から成っている。支持台21は、カップ型容器1の胴部外面のスタック部5でカップ型容器を下方から支持し、一方、加圧板22は蓋フランジ部13の部分で上方から押圧し、容器フランジ部4の上面及び蓋フランジ部13の下面を密着させる。この態様においては、加圧板22は、蓋の外径をよりも大きな径を有していることから、この加圧装置を用いた場合には、上方(蓋側)から、容器フランジ部4の上面と蓋フランジ部13の下面の界面のレーザ溶着箇所に進入するようにレーザを照射することはできない。一方、下方からレーザ照射する場合でも、支持台21の存在により、レーザ溶着箇所に垂直にレーザを照射することはできない。
【0013】
図1及び図2に示す具体例においては、容器フランジ部4下面外周端に傾斜面6が形成されていることから、この傾斜面6に対して垂直(入射角度が0度)となるように、レーザを照射する。これにより、照射されたレーザは、容器1の傾斜面6に対してほとんど反射することや屈折することなく、容器フランジ部4及び蓋フランジ部13の界面に直進することから、蓋を構成するレーザ照射により発熱する材料に効率的にレーザが到達して、効率的に発熱して、容器フランジ部4上面及び蓋フランジ部13下面の界面を溶着することが可能になる。
図1及び図2に示した具体例においては、容器フランジ部4の下面に形成された傾斜面6は、容器フランジ部4の外周端から下方に行くに従って外径が減少するように形成されているが、容器フランジ部4の長さ及び厚み、或いは傾斜面の角度、溶着箇所等によっては、図3に示すように、容器フランジ部4外周端にフランジ部の厚みを残して傾斜面を形成することもできる。
【0014】
図4乃至6は、加圧装置として、加圧板22の外径が蓋10の外径よりも小さいものを採用した場合に、蓋フランジ部13外周端に傾斜面14を形成した態様である。
すなわち、図4及び図5に示されるように、加圧板22の外周端よりも外側に位置する蓋フランジ部13の上面の外周端が、上方に行くに従って蓋フランジ部13の外径が減少する傾斜面14を形成するように環状に切り取られており、密封容器の水平方向(図5の点線H)と角度βをなす環状の傾斜面14が形成されている。
また上述した図3と同様に、蓋フランジ部13の長さ及び厚み、傾斜面14の角度、溶着箇所、加圧板の外径等によっては、図6に示すように、蓋フランジ部13外周端にフランジ部の厚みを残して傾斜面14を形成することもできる。
尚、上記傾斜面14(レーザ照射面)の容器1の水平方向に対する傾斜角度βは、容器フランジ部4及び蓋10の厚みや長さ等によって一概に規定できないが、25乃至60度の範囲にあることが好適である。上記範囲よりも傾斜角度が小さい場合には、傾斜面14を設けるメリットが少なく、また上記範囲よりも傾斜面14が大きい場合には、溶着箇所までの距離が長くなり、不要に蓋フランジ部13の長さが長くなるおそれがある。
また図に示した具体例では、容器1にスタック部5が形成されており、このスタック部5で支持台21により支持されているが、このスタック部5がない場合には、容器フランジ部4の下面で支持台21により支持することができる。
【0015】
(容器及び蓋)
本発明の密封容器を構成する容器1及び蓋10は、レーザ照射により発熱して両者を溶着して密封するものであることから、少なくとも溶着部分のレーザの入射側においてレーザを透過可能な透明或いは半透明であることが必要であると共に、レーザを熱に変換するために溶着部分の界面近傍に発熱部が設けられていることが必要である。
すなわち、上述した図1乃至3の態様においては、容器フランジ部4がレーザを透過可能な透明或いは半透明の樹脂から成り、蓋フランジ部13に発熱部が設けられていることが望ましく、同様に図4乃至6の態様においては、蓋フランジ部13がレーザを透過可能な樹脂から成り、容器フランジ部4に発熱部が形成されていることが望ましい。
また、容器1及び蓋10の溶着される部分のそれぞれの樹脂が、同種の樹脂であることが溶着性の点で好適である。
【0016】
レーザを透過可能な透明或いは半透明の層を形成し得る樹脂としては、従来包装容器に用いられていた熱可塑性樹脂を用いることができるが、レーザ透過率が70%以上、特に80%以上の熱可塑性樹脂であることが好適であり、このような熱可塑性樹脂としてはオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。レーザ透過率は、使用するレーザの波長に対応する光について分光光度計を用いて透過率を測定し求めることができる。
尚、レーザ透過率は、同一の熱可塑性樹脂であっても、層の厚みによって異なるものであり、本発明においては、後述する容器或いは蓋が採りうる厚みの範囲内において70%以上の透過率を有することを意味するものである。
【0017】
またレーザ溶着部分は、上述したレーザを透過可能な樹脂の中でも、低−、中−、高−密度のポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン−1共重合体等のオレフィン系樹脂等を用いることが望ましく、特に融点が160℃以下の熱可塑性樹脂を用いることが容易に溶着できるので好適である。
発熱部は、容器1或いは蓋10の何れか一方に形成されていればよいが、容器1及び蓋10の界面付近に形成されていることが溶着効率の点から好ましい。発熱部を構成し得るものとしては、金属箔や金属板等の金属、黒色等の着色塗料から成る塗膜、或いは鉄粉等の酸素吸収剤やカーボンブラック等を含有した樹脂、或いは溶着部自体をレーザ照射により自己発熱可能なポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができるが、生産性等の点から熱可塑性樹脂から成る着色層とすることが好適である。
【0018】
上記発熱部を有する材料としては、レーザを透過可能でレーザ溶着可能な熱可塑性樹脂から成る層及び発熱部となる層から成る少なくとも2層を有する積層体が、別途発熱部を形成する必要がないので好適に使用できる。これに限定されないが、例えば、レーザを透過可能でレーザ溶着可能な熱可塑性樹脂から成る外層又は内層、及びポリアミド樹脂、鉄系酸素吸収剤含有樹脂或いはアルミニウム箔等の発熱部となる中間層の3層構成等の多層構造を有していることが特に好適である。勿論、溶着部分に黒色の塗膜を形成する等、溶着部分のみに別途発熱部を形成することもできる。
また容器或いは蓋の何れか一方を樹脂被覆金属板から成形し、組み合わせる他方の部材を、レーザを透過可能な樹脂から成るものとすることもできる。
【0019】
更に、透明性や機械的強度、或いは衛生的特性等に優れていることからポリエステル樹脂から成る容器及び蓋から成ることも好適であるが、一般に容器成形に用いられる結晶性ポリエステル樹脂は溶着性に劣ることから、容器及び蓋が結晶性のポリエステル樹脂から成る場合には、非晶性ポリエステル樹脂及びレーザ吸収剤から成るシール材を、容器及び蓋の界面に設けておくことが望ましい。
このような非晶性ポリエステル樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレートを酸変性或いはジオール変性した非晶性共重合ポリエステルを用いることが好ましく、またレーザ吸収剤としては、レーザを吸収し発熱し得る限り従来公知のレーザ吸収剤を使用でき、これに限定されないが、食用竹炭、食用備長炭、カーボンブラック、鉄粉やアルミニウム粉等の金属粉、或いは顔料等を挙げることができる。
また上記シール材は、非晶性ポリエステル樹脂及びレーザ吸収剤を、溶剤に溶解した溶解液の状態で結晶性ポリエステル樹脂の溶着面に施すことが、非晶性ポリエステル樹脂の非晶性を保持する上で好ましく、また作業性の点でも好ましいことから、生産性を向上することも可能になる。
【0020】
容器フランジ部4、及び該フランジ部4に当接する蓋10の部分(図に示した具体例では蓋フランジ部13)におけるレーザを透過可能な層の厚みは、5乃至500μm、特に20乃至100μmの範囲にあることが好ましく、上記範囲よりも厚みが薄い場合には、確実な溶着を行うことができず、一方上記範囲よりも厚みが厚い場合には、レーザを通常の条件で発熱部に到達させることが困難になり、やはり確実な溶着を行うことができない。
レーザを透過可能な層以外は、容器1及び蓋10の積層構造、形態、或いは用途によって適宜設定することができ、一概に規定することができないが、例えば、容器1がレーザを透過可能なオレフィン系樹脂の単層から成り、蓋10が内面側から順に、オレフィン系樹脂(レーザ透過溶着部)/着色剤含有オレフィン系樹脂(発熱部)/オレフィン系樹脂(外層)の積層体から成り、容器側からレーザ照射するような場合は、容器1の厚みは200乃至1500μmの範囲であり、蓋10の溶着部の厚みは、5乃至500μm、発熱部の厚みは10乃至500μm、外層の厚みは10乃至500μmの範囲あることが好ましい。また容器が内面側から順に、オレフィン系樹脂(レーザ透過溶着部)/着色剤含有オレフィン系樹脂(発熱部)/オレフィン系樹脂(外層)の積層体から成り、蓋10がレーザを透過可能尚レフィン系樹脂から成り、蓋側からレーザ照射するような場合は、容器1の溶着部の厚みは、5乃至500μm、発熱部の厚みは10乃至500μm、外層の厚みは10乃至500μmの範囲であり、蓋10の溶着部の厚みは200乃至1500μmの範囲にあることが好ましい。
【0021】
上述した積層体の製造は、共押出法、熱接着法、接着剤を用いたドライラミネーション法等従来公知の方法により行うことができる。
本発明の密封容器に用いる容器1及び蓋10は、フィルム及びシート状の積層材料から真空成形、圧空成形、プラグアシスト成形等の熱成形によって成形されたカップ或いはトレイ等の形状、或いは押出成形、射出成形、圧縮成形、中空真空成形、二軸延伸ブロー成形等で成形されたものであってもよいが、傾斜面を形成する観点から、フランジ部付の容器であることが重要である。
また蓋10は、容器フランジ部4で溶着し得る限り、上述した蓋フランジ部13を有する成形蓋に限定されるものではなく、平面状のシートであっても勿論よい。
【0022】
(製造方法)
本発明においては、上述したように、容器フランジ部4下面の外周端又は蓋フランジ部13の上面の外周端の何れか一方に、レーザを受けるレーザ照射面が形成されていることが重要な特徴であり、かかる容器1及び蓋10を密封するに際して、レーザ照射面(傾斜面)の密封容器の水平方向に対する傾斜角度がβ度であるとき、レーザの密封容器の水平方向に対する照射角度が、実質的に(α=90−β)度となるように照射することが必要である。
すなわち、レーザの照射面に対する入射角度が垂直に近いほど、レーザの反射や屈折を低減することができ、効率的にレーザを溶着箇所に到達することができ、レーザの発熱効率を上げることができる。また前述した通り、レーザの屈折を低減することによって、レーザ溶着の箇所が所期の場所からずれることも防止することができる。
容器1及び蓋10の密封に際しては、レーザを照射する際、容器フランジ部4上面及び当該部位に当接する蓋フランジ部13下面が密着していることが重要であり、前述した通り、支持台21及び加圧板22のような押圧具から成る加圧装置を用いて容器フランジ部4及び蓋フランジ部13を密着させることが好ましい。
また前述した通り、フランジ部付容器の胴部外面にスタック部5が形成されている場合には、支持台21はこのスタック部5で容器1を下方から支持し、加圧板22のような押圧具によって、少なくとも容器フランジ部4及び当該部位に当接する蓋フランジ部13の部分を上方から押圧固定して、容器フランジ部4上面及び蓋フランジ部13の下面が互いに密着するように押圧された状態で、レーザ照射する。
【0023】
本発明に用いるレーザは、従来レーザ溶着に用いられている、ガスレーザ、固体レーザ、或いは半導体レーザ等を用いることができ、用いる材料の種類に応じて選択すればよい。
レーザ発振器の出力は20乃至150W、特に30乃至100Wの範囲にあることが好ましく、またレーザの波長は200nm乃至20μm、特に400nm乃至9μmの範囲にあることが好ましい。これは商業的には樹脂の透過性とレーザを吸収して発熱する物質の性質、およびレーザ発振器の出力、値段、安全性により決まる。
本発明においては、レーザのスポット径が0.2乃至3mm、特に0.5乃至2mmの範囲にあることが包装体の密閉性の点から好ましい。
またレーザの焦点距離は10乃至200mm、特に50乃至150mmの範囲にあることが、溶着による密閉性を確保しつつ、樹脂の劣化を防止する上で好ましい。
またレーザの掃引速度は、50乃至800mm/秒、特に100乃至750mm/秒の範囲にあることが、溶着による密閉性を確保しつつ、樹脂の劣化を防止する上で好ましい。
【0024】
また溶着についての条件は、溶着部分が融点以上になる発熱量を得られるならば、様々な条件で溶着が可能であり、例えば、溶着時間を短くしようとするならば、レーザ出力を上げて回転スピードを上げれば良く、高出力のレーザが使用できない状況ならば、溶着部分への照射時間を長くすればよく、容器の場合には、容器の回転スピードを落とせば良い。更に、充分に溶融できるレーザ出力が得られているならば、レーザ光径を大きくして、溶着幅を大きくすることもできる。
【実施例】
【0025】
[レーザ溶着条件]
レーザ発振器:イエナオプティック社製
半導体(GaAs)レーザ
波長808±3nm
最大出力140W
レーザ照射条件:出力110W、130W
スポット径1.5mm
照射時間0.3秒
受け台を3.5回転/秒で回転させ、1.05回転分
(1回転+重なり部分)照射した。
照射線速度709mm/秒
加圧条件:336N/容器
【0026】
[評価]
容器及び成形蓋のレーザ溶着後における密封容器(n=3)のそれぞれの密封性を、密封軟包装袋、容器の試験方法であるJIS Z0238に基づき破裂強さ試験で評価した。
尚、加圧は0.2MPaまで行い、破裂しないサンプルの破裂強さは0.2MPa以上とした。
【0027】
(実施例1)
[容器]
ポリプロピレン樹脂(プライムポリプロJ706WB、株式会社プライムポリマー製)を射出成形し、フランジ部外径67mm、開口部径62mm、高さ30mm、底部外径55mm、フランジ部厚み1mm、満注内容量80ml、及びフランジ部下面の外周端に、容器の水平方向に対する傾斜角度(β)が45度のレーザ照射面を形成した図1に示すフランジ部付カップ型容器を成形した。
[成形蓋]
容器と同様のポリプロピレン樹脂にカーボンブラックを1000ppm添加し、射出成形により、厚さ0.3mm、側壁部の高さ5mm、フランジ部の長さ2.5mmの図1に示す落とし蓋形状の成形蓋を成形した。
[試験方法]
前記容器の胴部外面に形成したスタック部を支持台で支え、成形蓋を加圧板で押さえつけ、容器フランジ部下面の斜め方向からレーザ照射角度(α)45度でレーザ照射し、容器と成形蓋の溶着を行った。
尚、この時の前記レーザ照射面に対するレーザ入射角度は0度である。
【0028】
(実施例2)
容器フランジ部下面の外周端に形成するレーザ照射面の傾斜角度(β)を25度、レーザ照射角度(α)を65度とした以外は、実施例1と同様に試験、評価を行った。
【0029】
(実施例3)
容器フランジ部下面の外周端に形成するレーザ照射面の傾斜角度(β)を60度、レーザ照射角度α)を30度とした以外は、実施例1と同様に試験、評価を行った。
【0030】
(比較例1)
容器フランジ部下面の外周端をフラット形状とし、前記レーザ照射面の傾斜角度(β)を0度とした以外は、実施例1と同様に試験、評価を行った。
尚、この時の前記レーザ照射面に対するレーザ入射角度は45度である。
【0031】
[評価結果]
(1)実施例1乃至3
レーザ出力110W、130Wにおいて、いずれの密封容器も破裂強さ(MPa)は0.2以上であった。
(2)比較例1
レーザ出力110Wにおいて、いずれの密封容器も破裂強さ(MPa)は0.109、また、レーザ出力130Wにおいて、いずれの密封容器も破裂強さ(MPa)0.112であった。
(3)この結果から、レーザを受けるレーザ照射面を密封容器の水平方向に対して傾斜させ、前記レーザ照射面へのレーザ入射角度を0度とすることにより、前記レーザ照射面でレーザが反射或いは屈折することが有効に防止され、入射されたレーザが溶着界面に効率よく到達して、レーザ出力に対する発熱効率が向上することが判る。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の密封容器においては、容器フランジ部上面及び当該部位に対応する蓋の下面を、加圧装置を用いて確実に密着してレーザ溶着することができるため、高い密封性が要求される密封容器として好適に使用できる。
またレーザの反射又は屈折量が少ないため、入射されたレーザが溶着界面に効率よく到達して、レーザ出力に対する発熱効率が向上されており、エネルギー損失が少なく経済性に優れていると共に、溶着界面に対するレーザ照射面の傾斜角度を制御することにより、レーザ発振器の位置を自由に変えることもでき、生産性にも優れている。更に容器フランジ部或いは蓋の外周端に傾斜面を形成するという簡単な構造で高い効果を得ることもできることから、汎用容器に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 カップ型容器、2 胴部、3 底部、4 容器フランジ部、5 スタック部、6 傾斜面(レーザ照射面)、10 落とし蓋、11 底面、12 側壁部、13 蓋フランジ部、21 支持台、22 加圧板、L レーザ照射。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ部付容器及び該フランジ部付容器の開口部を覆う蓋を、フランジ部でレーザ溶着により一体的に密封して成る密封容器において、
前記容器のフランジ部下面の外周端又は蓋の上面の外周端の何れか一方に、入射角度が実質的に0度となるようにレーザを受けるレーザ照射面が形成されており、該レーザ照射面が密封容器の水平方向に対して傾斜していることを特徴とするレーザ溶着密封容器。
【請求項2】
前記レーザ照射面の密封容器の水平方向に対する傾斜角度βが25乃至60度である請求項1記載のレーザ溶着密封容器。
【請求項3】
フランジ部付容器及び該フランジ部付容器の開口部を覆う蓋を、フランジ部でレーザ溶着により一体的に密封して成る密封容器の製造方法において、
前記容器のフランジ部下面の外周端又は蓋の上面の外周端の何れか一方に、レーザを受けるレーザ照射面が形成されており、レーザの密封容器の水平方向に対する照射角度αが実質的に(α=90−β)度となるように照射することを特徴とするレーザ溶着密封容器の製造方法。
【請求項4】
前記レーザ照射面の密封容器の水平方向に対する傾斜角度βが25乃至60度である請求項3記載のレーザ溶着密封容器の製造方法。
【請求項5】
前記フランジ部付容器が側壁部にスタック部を有し、該スタック部で容器を下方から支持する支持台、及び少なくとも容器フランジ部及び蓋フランジ部に対応する部分を上方から押圧固定する押圧具によって、容器フランジ部及び蓋が互いに密着するように押圧された状態で、レーザ照射する請求項3又は4記載のレーザ溶着密封容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−1432(P2013−1432A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135505(P2011−135505)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】