説明

レーザ発振装置およびレーザ加工機

【課題】ガス混合比不良などで生じる高電圧電源の異常電圧の発生を抑制し、過電圧による半導体整流素子の破損を防止して、高信頼性のレーザ発振装置を提供する。
【解決手段】レーザ共振器より出力レーザ光を照射するタイミングを決める照射指令部と、前記照射指令部の出力信号により予め設定された電流値信号を出力する電流値設定部と、前記電流値設定部の出力信号と電流検出部の電流値出力信号を比較する比較制御手段とを備え、前記電流値検出部の出力信号が所定の電流値未満の場合、最大パルス切換手段の出力信号でパルス幅演算手段のパルス幅を短く制限することにより昇圧トランス部で発生する異常電圧の発生を抑制し、半導体整流素子を絶縁破壊より防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ発振用高電圧電源に過電圧保護回路を備えた、レーザ発振装置およびレーザ加工機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザ発振装置の構成を図6に沿って説明する。
【0003】
出力レーザ光の照射するタイミングを決める照射指令部79の出力信号に基づき電流値設定部78より電流値指令が出力される。その電流値指令と電流検出部73の電流値出力信号を比較制御手段77で比較後、パルス幅演算手段76に出力される。
【0004】
パルス幅演算手段76では、比較制御手段77の電圧信号を周波数一定のパルス幅変調したパルス信号に変換し、そのパルス信号によりインバータ部75のパワー半導体などのスイッチング制御素子を駆動して、昇圧トランス部74に高周波の交流電圧を供給する。
【0005】
昇圧トランス部74では、交流電圧を昇圧して高電圧ダイオードなどによる半導体整流素子で直流高電圧に変換し、レーザ共振器71に電流検出部73を経由して供給される。
【0006】
一方、電流検出部73の出力信号は比較制御部77にフィードバックされ、レーザ共振器71に安定した電流が供給されるようにフィードバック制御される。そして、上記照射指令部79の指令時間だけレーザ共振器71から出力レーザ光72が照射される。
【0007】
レーザ発振装置などに用いられるスイッチング方式の高電圧電源は、パルス幅変調によって出力電圧を制御する方式のため、高電圧電源のパルス幅と発生電圧の関係は、図7に示すようにパルス幅が広くなるに従って発生電圧が高くなる構造となっている。
【0008】
ガスレーザ発振装置などの放電負荷の場合、ガス配管継手などの締付け部の緩みによるガス漏れやガス循環経路に経年変化で真空リークが発生した場合、レーザガスの混合比不良が生じて、一時的に放電開始電圧が上昇し、放電が開始できない放電異常状態が発生することがある。その放電異常時の高電圧電源の発生電圧は、放電が正常な場合の電圧に比べ、約2倍から3倍に増加することがあった。
【0009】
また、電流フィードバック制御ループの開放や配線の接続不良による負荷の開放などの異常が発生した場合、高電圧電源の出力電圧を監視していて、過電圧が発生時にスイッチング制御素子の駆動を停止し、昇圧トランス部の半導体整流素子を過電圧破壊より保護する場合がある。
【0010】
このように、レーザガスの混合比不良などの負荷インピーダンス異常や外乱による制御系異常などの負荷側異常によって発生する過電圧から昇圧トランス部やインバータ部の半導体を保護するため過電圧保護機能を持った発明が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0011】
この特許文献1に記載された発明では、入力電圧に反比例させる制御信号をパルス幅変調器に入力し、パルス幅変調器の最大パルス幅を一定値に制御して出力電圧を制御する方式のため、入力電圧の変動に対して出力電圧の過電圧を抑制することは出来るが電流フィードバック制御ループの開放、配線接続不良による負荷の開放などの異常による過電圧の保護には十分ではなった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開昭64−55071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このような従来のレーザ発振装置で、真空リークやガス漏れなどによるレーザガス混合比不良が発生した場合には、一時的に放電開始電圧が上昇するため、放電管で放電が開始できなくなることが有り、昇圧トランス部で発生した異常電圧により高電圧配線の絶縁破壊や昇圧トランス部の交流電圧を整流し、直流電圧に変換する半導体整流素子の絶縁破壊や素子劣化を加速するという問題が有った。
【0014】
また、電流フィードバック制御ループの開放や配線の接続不良による負荷の開放などの異常が発生した場合、高電圧電源の出力電圧を監視していて、過電圧が発生時にスイッチング制御素子の駆動を停止し、昇圧トランス部の半導体整流素子を過電圧破壊より保護する過電圧保護回路は、過渡応答性を早くすると周囲環境変化や外来ノイズなどの影響で誤動作が発生しやすくなり頻繁に停止することがあった。また、過度応答性を遅くすると保護回路が動作するまでに出力電圧が上昇するため、昇圧トランス部の半導体整流素子を破壊から守るためには、耐電圧の高い高価な半導体整流素子が必要になるという問題も有った。
【0015】
そのため、レーザガス混合比不良などで放電開始電圧が上昇して昇圧トランス部の交流電圧を直流電圧に変換する半導体整流素子の絶縁破壊が発生したり、また、高電圧電源の出力電圧監視装置の応答性により高耐圧の整流素子の使用や誤動作の発生を招くという課題を有していた。
【0016】
本発明は、上記課題を解決するもので、電流検出によりインバータ部の最大パルス幅を制限する過電圧保護回路を備え、安定なレーザ出力が可能なレーザ発振装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明にかかる第1の発明のレーザ発振装置は、レーザ共振器より出力レーザ光を照射するタイミングを決める照射指令部と、前記照射指令部の出力信号により予め設定された電流値信号を出力する電流値設定部と、前記電流値設定部の出力信号と電流検出部の電流値出力信号を比較する比較制御手段と、前記比較制御手段の出力信号をパルス幅に変換するパルス幅演算手段と、前記パルス幅演算手段のパルス信号で制御素子をスイッチングするインバータ部と、前記インバータ部の出力信号を直流高電圧に変換し電流検出部を経由してレーザ共振器に電力を供給する昇圧トランス部と、前記電流検出部の検出信号でパルス幅を切換える最大パルス幅切換手段とを備え、前記電流検出部の検出信号が所定の電流値未満の場合に狭いパルス幅、また、所定の電流値を超えた場合に広いパルス幅に切換えることによりインバータ部の制御素子の最大パルス幅を制御する最大パルス幅切換手段を具備するものである。
【0018】
この構成により電流検出部の検出信号が所定の電流値未満の場合に狭いパルス幅に切換えることによりインバータ部の制御素子の最大パルス幅を制限するため、放電管での放電異常や配線の接触不良などの原因による昇圧トランス部で発生する異常電圧を抑制することができ、高電圧配線の絶縁破壊や昇圧トランス部の整流素子の破壊や素子劣化を防止することができる。
【0019】
さらに、本発明のレーザ発振装置は、第1の発明のレーザ発振装置において、前記最大パルス幅切換手段が、前記電流検出部の検出信号と所定の電流値設定信号とを比較する電流値判定部と、複数のパルス幅が予め設定されているパルス幅設定部と、前記電流値判定部の出力信号により前記パルス幅設定部のパルス幅を切換えるパルス幅切換部と、前記パルス幅切換部の出力信号でパルス幅演算手段のパルス幅を制限するように制御するパルス幅制限部とを具備するものである。
【0020】
この構成により上記と同様な効果のほか、電流検出部の検出信号でパルス幅設定部の複数のパルス幅を切換えることによりパルス幅演算手段へのパルス幅を制限する処理が高速化および簡素化され、繰り返し再現性の良い正確な動作が可能となり信頼性が向上する。
【0021】
さらに、本発明のレーザ発振装置は、第1の発明のレーザ発振装置において、前記電流検出部の検出信号と所定の電流値設定信号とを比較する電流値判定部と、前記電流値設定部の電流値指令に応じてパルス幅を演算するパルス幅演算部と、前記電流値判定部の出力信号により前記パルス幅演算部のパルス幅を切換えるパルス幅切換部と、前記パルス幅切換部の出力信号でパルス幅演算手段のパルス幅を制限するように制御するパルス幅制限部とを具備するものである。
【0022】
この構成により上記と同様な効果のほか、電流値設定部の電流値指令に応じてスイッチング制御素子の最大パルス幅を演算するパルス幅演算部を設けたことにより最大パルス幅を電流値指令に対応した最適設定することが可能となり、過電圧に対する保護性能が高まり、さらに信頼性を向上することが出来る。
【0023】
さらに、本発明のレーザ発振装置は、上述全ての発明のレーザ発振装置において、加工物を乗せる加工テーブルと、前記加工テーブルの移動とレーザ光の集光手段の少なくとも一方を移動する駆動手段と、前記駆動手段を制御する数値制御手段と、レーザ光を発生するレーザ発振装置を具備したものである。
【0024】
この構成によ上記と同様な効果のほか、数値制御手段によりレーザ発振装置が統括的に制御され、レーザ加工の信頼性が向上すると共に加工ワークの不良品の混入を防止することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明は、昇圧トランス部よりレーザ共振器への出力電流値が所定の電流値未満の場合にインバータ部のスイッチング制御素子のゲートパルス幅を制限させて、放電管の放電異常時に昇圧トランス部で発生する異常電圧を抑制することにより昇圧トランス部の整流素子の絶縁破壊や素子の劣化を防止することができる。また、電流検出部の配線の断線によるフィードバック信号異常や電流検出部の故障による過電圧の発生を未然に防止し、レーザ出力の安定化と信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のレーザ発振装置の実施の形態1におけるブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における最大パルス幅切換手段の詳細ブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における最大パルス幅切換手段の詳細ブロック図
【図4】本発明の実施の形態における最大パルス幅制限時のパルス幅と発生電圧の関係図
【図5】本発明の実施の形態におけるレーザ加工機の構成図
【図6】従来のレーザ発振装置のブロック図
【図7】高電圧電源のパルス幅と発生電圧の関係図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1から図5を用いて説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は本発明のレーザ発振装置の実施の形態におけるブロック図である。
【0029】
図1に示すように、実施の形態1おけるレーザ発振装置は、レーザ共振器1、出力レーザ光2、電流検出部3、昇圧トランス4、インバータ部5、パルス幅演算手段6、比較制御手段7、電流値設定部8、照射指令部9、および最大パルス切換手段10、を有する。
【0030】
以上のように構成されたレーザ発振装置について、その動作を説明する。
【0031】
このレーザ発振装置は、出力レーザ光を照射するタイミングを決める照射指令部9の出力信号に基づき電流値設定部8より電流値指令が出力される。電流値指令と電流検出部3の電流値出力信号を比較制御手段7で比較後、パルス幅演算手段6に出力される。パルス幅演算手段6では、比較制御手段7の電圧信号を周波数一定のパルス幅変調のパルス信号に変換し、インバータ部5に出力される。インバータ部5では、パワー半導体などの制御素子をスイッチング制御して、昇圧トランス部4に交流電圧を供給する。昇圧トランス部4では、トランスと高電圧整流素子で交流電圧を直流高電圧の出力信号に変換され、レーザ共振器1に電流検出部3を経由して供給される。一方、電流検出部3の出力信号は、比較制御部7にフィードバックされ、レーザ共振器1に安定した電流が供給されるようにフィードバック制御される。
【0032】
また、電流検出部3の出力信号は、最大パルス幅切換手段10に入力され、電流検出部3の出力信号が所定の電流値未満の場合にはパルス幅演算手段6の出力パルス幅を予め設定されていた狭い状態の最大パルス幅を選択するように切換える。また、所定の電流値を超えた場合に広い状態の最大パルス幅に切換える構成となっている。
【0033】
昇圧トランス部4よりレーザ共振器1への出力電流が電流検出部3で検出されない場合、電流フィードバック制御のため、パルス幅演算手段6よりインバータ部5へのパルス幅は最大パルス幅まで拡大され、昇圧トランス部4の出力電圧は最大電圧まで増加する。
【0034】
この電流値検出部の出力信号が所定の電流値未満の場合、最大パルス切換手段10の出力信号でパルス幅演算手段6のパルス幅を短く制限することにより昇圧トランス部で発生する異常電圧を抑制することができ、高電圧配線の絶縁破壊や昇圧トランス部の整流素子の破壊や素子劣化を防止することができる。
【0035】
図2は本発明の実施の形態1における最大パルス幅切換手段の詳細ブロック図を示す。図2を参照しながら最大パルス切換手段の詳細な動作ついて説明する。
【0036】
図2に示すように、実施の形態1おける最大パルス幅切換手段は、パルス幅制限部31、パルス幅切換部32、電流値判定部33、およびパルス幅設定部34を有する。
【0037】
インバータ部5には、3相交流電源21の交流電圧を3相整流部22の整流器と平滑部23のコンデンサで構成された整流平滑回路により直流電圧が供給される。昇圧トランス部4とレーザ共振器1の間には、カーレントトランス(CT)などによる電流検出部3が設けられていて、昇圧トランス部4の出力電流に比例した電圧信号を検出している。電流検出部3より出力される昇圧トランス部4の出力電流に比例した電圧信号は、比較制御手段7でフィードバック制御されると同時に電流値判定部33で所定の設定値と比較され、電流検出部3の出力信号が所定の設定値未満の場合にはパルス幅設定部34の狭いパルス幅を選択するようにパルス幅切換部32で切換える。また、電流検出部3の出力信号が所定の電流値を超えた場合に広いパルス幅を選択するように切換える構成となっている。
【0038】
パルス幅制限部31は、パルス幅切換部32の出力信号でパルス幅演算手段6の出力パルス幅を制限するように構成されていて、パルス幅切換部32で選択したパルス幅を最大パルス幅として制御するようになっている。
【0039】
この構成により電流検出部の検出信号でパルス幅設定部の複数のパルス幅を切換えることによりパルス幅演算手段へのパルス幅を制限する処理が高速化および簡素化され、繰り返し再現性の良い正確な動作が可能となり信頼性を向上することが出来る。
【0040】
図3は本発明の実施の形態1における最大パルス幅切換手段の詳細ブロック図を示す。図3を参照しながら最大パルス切換手段の詳細な動作ついて説明する。
【0041】
図3に示すように、実施の形態1おける最大パルス幅切換手段は、パルス幅制限部31、パルス幅切換部32、電流値判定部33、およびパルス幅演算部35を有する。
【0042】
昇圧トランス部4の出力電流に比例した電流検出部3より電圧信号は、比較制御手段7でフィードバック制御されると同時に電流値判定部33で所定の設定値と比較され、電流検出部3の出力信号が所定の設定値未満の場合にはパルス幅演算部35の狭いパルス幅を選択するようにパルス幅切換部32で切換える。また、電流検出部3の出力信号が所定の電流値を超えた場合に広いパルス幅を選択するように切換える構成となっている。
【0043】
パルス幅演算部35は、電流値設定部8の電流値指令の出力信号に比例したパルス幅を演算し、電流値指令が大きくなるに従ってパルス幅を広くすることによりインバータ部5のスイッチング制御素子の最大パルス幅を電流値指令に対応した最適設定するように構成されている。
【0044】
パルス幅制限部31は、パルス幅切換部32の出力信号でパルス幅演算手段6の出力パルス幅を制限するように構成されていて、パルス幅切換部32で選択したパルス幅を最大パルス幅として制御するようになっている。
【0045】
この構成により電流値指令に応じてスイッチング制御素子の最大パルス幅を演算するパルス幅演算部を設けたことにより最大パルス幅を電流値指令に対応した最適設定することが可能となり、過電圧に対する保護性能が高まり、さらに信頼性を向上することができる。
【0046】
図4は本発明の実施の形態1における最大パルス幅制限時のパルス幅と発生電圧の関係図を示す。
【0047】
インバータ部5の制御素子のパルス幅と昇圧トランス部4の発生電圧の関係は、パルス幅が広くなるに従って発生電圧が高くなる比例関係で図4に示すような関係になる。しかし、放電管の放電異常や配線の断線などにより電流検出部3よりの電流フィードバック信号が比較制御手段にフィードバックされない場合、図4の最大パルス幅制限なしに示すように最大のパルス幅でスイッチング制御素子が駆動されるため、発生電圧はV1まで上昇し、過大な電圧による高電圧整流素子の絶縁破壊を招くことある。
【0048】
本発明の最大パルス幅切換手段による最大パルス幅を制限する場合、図4の最大パルス幅制限有りに示すように発生電圧はV2まで制限され、放電異常時の発生電圧を抑制できるため、半導体整流素子の劣化を防止することができる。
【0049】
なお、以上の構成からなるレーザ発振装置では、各構成に制御素子を設けて、各信号処理または各構成において制御するようにしたが、レーザ発振装置に、各構成に接続されるCPUを設け、各処理を統括的に制御するようにしても良い。
【0050】
図5は、本発明の実施の形態におけるレーザ加工機の構成図を示している。
【0051】
レーザ加工機は、加工ワーク61を乗せる加工テーブル62と、加工テーブル62の移動またはレーザ光を集光する集光手段67の少なくとも一方を移動する駆動手段63と、前記駆動手段63を制御する数値制御手段64と、レーザ発振装置65と、レーザ光路66とにより構成されている。
【0052】
レーザ発振装置65より出射されたレーザ光は、折返し鏡などで構成されたレーザ光路66で伝送され集光手段67により集光されて、加工ワーク61に照射され、加工が開始される。それと同時に数値制御手段64により駆動手段63に指令が出力され、加工テーブル62または集光手段67の少なくとも一方を動作させて加工ワーク61を加工される。
【0053】
上記レーザ加工機によれば、放電負荷の変動による異常電圧の発生を防止し、高電圧回路の半導体整流素子の絶縁破壊や損傷防止を図り、レーザ光の出力パワーの安定な照射が可能となる。さらに数値制御手段によりレーザ発振装置が統括的に制御されことにより、レーザ加工の信頼性が向上すると共に加工ワークへの不良品の混入を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明のレーザ発振装置は、過電圧による半導体整流素子の破損を防止し、レーザ出力の安定および長期信頼性の向上に有用である。
【符号の説明】
【0055】
1 レーザ共振器
2 出力レーザ光
3 電流検出部
4 昇圧トランス部
5 インバータ部
6 パルス幅演算手段
7 比較制御手段
8 電流値設定部
9 照射指令部
10 最大パルス幅切換手段
21 3相交流電源
22 3相整流部
23 平滑部
31 パルス幅制限部
32 パルス幅切換部
33 電流値判定部
34 パルス幅設定部
35 パルス幅演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ共振器より出力レーザ光を照射するタイミングを決める照射指令部と、前記照射指令部の出力信号により予め設定された電流値信号を出力する電流値設定部と、前記電流値設定部の出力信号と電流検出部の電流値出力信号を比較する比較制御手段と、前記比較制御手段の出力信号をパルス幅に変換するパルス幅演算手段と、前記パルス幅演算手段のパルス信号で制御素子をスイッチングするインバータ部と、前記インバータ部の出力信号を直流高電圧に変換し電流検出部を経由してレーザ共振器に電力を供給する昇圧トランス部と、前記電流検出部の検出信号でパルス幅を切換える最大パルス幅切換手段とを備え、前記電流検出部の検出信号が所定の電流値未満の場合に狭いパルス幅、また、所定の電流値を超えた場合に広いパルス幅に切換えることによりインバータ部の制御素子の最大パルス幅をする制限する最大パルス幅切換手段を有することを特徴とするレーザ発振装置。
【請求項2】
前記最大パルス幅切換手段は、前記電流検出部の検出信号と所定の電流値設定信号とを比較する電流値判定部と、複数のパルス幅が予め設定されているパルス幅設定部と、前記電流値判定部の出力信号により前記パルス幅設定部のパルス幅を切換えるパルス幅切換部と、前記パルス幅切換部の出力信号でパルス幅演算手段のパルス幅を制限するように制御するパルス幅制限部とを有したことを特徴とする請求項1記載のレーザ発振装置。
【請求項3】
前記最大パルス幅切換手段は、前記電流検出部の検出信号と所定の電流値設定信号とを比較する電流値判定部と、前記電流値設定部の電流値指令に応じてパルス幅を演算するパルス幅演算部と、前記電流値判定部の出力信号により前記パルス幅演算部のパルス幅を切換えるパルス幅切換部と、前記パルス幅切換部の出力信号でパルス幅演算手段のパルス幅を制限するように制御するパルス幅制限部とを有したことを特徴とする請求項1記載のレーザ発振装置。
【請求項4】
加工物を乗せる加工テーブルと、前記加工テーブルの移動とレーザ光の集光手段の少なくとも一方を移動する駆動手段と、前記駆動手段を制御する数値制御手段と、レーザ光を発生する請求項1から3のいずれかに記載のレーザ発振装置とを備えたレーザ加工機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−233659(P2011−233659A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101719(P2010−101719)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】