説明

レーザ発振装置

【解決手段】 レーザ発振装置1は、内部にレーザガスを収容する筒状の放電管3と、レーザガスを放電管3内と連通路4bとの間で循環させるガス循環通路4と、上記連通路4b内に設けられてレーザガスを循環させるクロスフローファン9とを備えている。上記クロスフローファン9は連通路4b内に斜めに配置されている。これにより連通路4b内はクロスフローファン9によって上流側の流入部4b−iと下流側の流出部4b−oとに区画され、レーザガスはクロスフローファン内を介して流入部から流出部へ流通されるようになる。
【効果】 クロスフローファン9を連通路4b内に斜めに配置することにより、大きなスペースを必要とすることなくクロスフローファン9を循環通路4内に設けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザ発振装置に関し、より詳しくは、放電管内のレーザガスをガス循環通路を介して循環させるようにしたレーザ発振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ発振装置として、内部にレーザガスを収容する筒状の放電管と、この放電管の一方の出口と他方の入口とを連通する連通路を有して、レーザガスを上記放電管内と連通路との間で循環させるガス循環通路と、上記連通路内に設けられてレーザガスを循環させるファンとを備えたものが知られている(特許文献1)。
ところで上記ガス循環通路を流通するレーザガスは、上記放電管内を流通する際にレーザ光を発振させるために励起されるので、それによって加熱されることになる。このため上記放電管の出口に熱交換器を設けて、レーザガスを冷却するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−291391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上記ファンとしては、従来一般にジェットファンやブロワが用いられているが、これらはレーザガスを圧縮して加熱するので、これらファンの下流側に上述の熱交換器とは別に補助熱交換器を設けて、該ファンによって圧縮加熱されたレーザガスを再度冷却するようにしていた。
上記ファンとしてクロスフローファンを用いれば、該クロスフローファンは圧縮率が低いのでレーザガスを加熱することが少なく、上記補助熱交換器を省略することが可能となる。しかしながら、クロスフローファンはその軸方向と直交する方向にレーザガスを流通させるようになっているので、上記循環通路にコンパクトにクロスフローファンを設けることが困難となり、レーザ発振装置全体が大型化するという欠点があった。
本発明はそのような事情に鑑み、上記ファンとしてクロスフローファンを用いても、小型に製造することが可能なレーザ発振装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明は、内部にレーザガスを収容する筒状の放電管と、この放電管の一方の出口と他方の入口とを連通する連通路を有して、レーザガスを上記放電管内と連通路との間で循環させるガス循環通路と、上記連通路内に設けられてレーザガスを循環させるファンとを備えたレーザ発振装置において、
上記ファンをクロスフローファンから構成するとともに、該クロスフローファンを上記連通路内に斜めに配置して該連通路内を該クロスフローファンによって上流側の流入部と下流側の流出部とに区画して、上記レーザガスをクロスフローファン内を介して流入部から流出部へ流通させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、上記ファンをクロスフローファンから構成するとともに、該クロスフローファンを上記連通路内に斜めに配置した構成としているので、従来一般に断面円形に形成される連通路を断面楕円形状とするだけで該連通路内に斜めにクロスフローファンを設けることができる。
したがってレーザ発振装置を大型化することなくクロスフローファンを用いることができ、またこれに伴なって補助熱交換器を省略することが可能なので、一層のレーザ発振装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例を示す水平断面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図。
【図4】図1のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】図1のV−V線に沿う断面図。
【図6】図1のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】図1の筒状部18のみを示す断面図。
【図8】図1の筒状部18を展開して示す展開図。
【図9】放電管3内に組み込まれたレーザ共振器31Aを示す斜視図。
【図10】放電管3内に組み込まれたレーザ共振器31Bを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において、レーザ発振装置1は、横長の断面楕円形状(図2参照)のケーシング2と、このケーシング2の中心位置に配置したガラス製の円筒状の放電管3と、さらに上記ケーシング2内において放電管3内にレーザガスを循環供給するガス循環通路4とを備えている。
本実施例では上記放電管3は軸方向に一列に配設した2本の放電管3a、3bから構成してあり、それら2本の放電管3a、3bの各端部はそれぞれケーシング2に固定した支持部材5によって支持してある。
【0009】
上記ガス循環通路4は、上記2本の放電管3a、3bの間に形成した出口通路4aを備えており、各放電管3a、3b内を流通してきたレーザガスは各放電管の出口から出口通路4aに流動し、この出口通路4aによって左右(図1の上下方向)に分流するようになっている。
上記出口通路4aで左右に分流したレーザガスは、上記2本の放電管3a、3bの左右に近接して形成した合計4つの連通路4bを介してケーシング2の両端部側に流通し、さらにケーシング2の両端部に形成した入口通路4cを介して各放電管3a、3bの入口に流入され、各放電管3a、3b内部にレーザガスが収容されるようになっている。
したがって上記ガス循環通路4は、本実施例では出口通路4a、連通路4b、入口通路4cおよび各放電管3a、3bの内部から構成してあり、このガス循環通路4によってレーザガスを循環させることができるようにしてある。
また各放電管3a、3bの入口には、図1、図5に示すように、旋回流を形成するためのガイドフィン6を設けてあり、レーザガスがこのガイドフィン6を流通する際に旋回流を付与して、各放電管3a、3b内を旋回しながら流通するようにしてある。
【0010】
上記出口通路4aには、2本の放電管3a、3bよりも外側となる両側の位置にそれぞれ熱交換器8を設けてあり、各熱交換器8によってレーザガスを冷却することができるようにしてある。
また各連通路4bには、それぞれクロスフローファン(横断流送風機)9とこれを回転駆動する真空モータ10とを設けてあり、各真空モータ10によってクロスフローファン9を回転させることによりレーザガスを上記出口通路4aから入口通路4cへ向けて連通路4b内を流動させることができるようにしてある。
【0011】
上記各連通路4bは、図2〜図5に示すように、その上下方向の幅はクロスフローファン9の直径よりも僅かに大きい程度に設定してあるが、左右方向の幅はクロスフローファン9の直径よりも大きくなるように断面楕円形状に形成してあり、それによって各連通路4b内にクロスフローファン9を斜めに配置することができるようにしてある。
各クロスフローファン9は、それぞれの入口通路4c側の端部が放電管3の入口よりも軸方向に突出するように配置してあり、かつ放電管3の入口側で放電管3から離隔し、放電管3の出口側で該放電管3に近接するように斜めに配置してある。それによって、各連通路4b内のクロスフローファン9の上流側すなわち出口通路4a側に、該クロスフローファン9によって区画された水平断面が三角形状の流入部4b−iを形成してある。
他方、各連通路4b内のクロスフローファン9の下流側すなわち入口通路4c側に、該クロスフローファン9によって区画された水平断面が三角形状の流出部4b−oを形成してあり、それによってレーザガスを、流入部4b−iから流入部4b−oに向けて、クロスフローファン9の一側から他側に向けて軸方向に斜めに流通させることができるようにしてある。
【0012】
上述したように、本実施例においては連通路4bを放電管3と直交する方向ではなく、出口通路4aを介して近接するように平行な方向に形成すると同時に、この連通路4b内にクロスフローファン9を斜めに配置した構成としてあるので、レーザ発振装置1を小型に製造することができる。
またクロスフローファン9はレーザガスの圧力を高めることがないので、その圧縮によりレーザガスを昇温させることが無く、したがってクロスフローファン9の出口側に補助の熱交換器を設ける必要がない。他方、クロスフローファン9は各連通路4b内の長手方向に沿ってその軸方向長さを長くすることが可能なので、レーザガスの充分な送風量を確保することができる。
【0013】
さらに上記クロスフローファン9の入口通路4c側の端部を、上述したように放電管3の入口よりも軸方向に突出させて配置し、かつ出口通路4a側が放電管3に近接するように、入口通路4c側が放電管3から離隔するように斜めに配置してあるので、上記水平断面が三角形状の流出部4b−oをそのまま入口通路4cに連通させることができ、レーザ発振装置1を小型に製造することができる。
つまりクロスフローファン9を上述とは逆の斜めに配置した場合には、その流出部4b−oは入口通路4cとを直接連通させることができないので、クロスフローファン9の端部を越えた位置に流出部4b−oと入口通路4cとを連通させるためのスペースが必要となり、望ましくない。
【0014】
次に、上記放電管3内を流通するレーザガスを励起する励起手段14(図6)について述べる。
上記励起手段14は、図6に示すように、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生器15と、それの高圧電源16と、上記マイクロ波発生器15に接続した導波管17とを備えており、これらは各放電管3a、3b毎に上記ケーシング2内に2組設けられている。
上記各導波管17は銅やアルミによって製造されており、上記2本の放電管3a、3bの外周にそれぞれ嵌装した円筒状の筒状部18と、各筒状部18の外周にそれぞれ同一方向となるように螺旋状に巻回した断面コ字形の螺旋部19と、さらに各螺旋部19と各マイクロ波発生器15とを接続する断面矩形の接続部20とを備えている(図1参照)。
そして上記筒状部18には、螺旋部19の内側となる位置に、その螺旋部19の螺旋方向に沿って所要の間隙で多数のスリット21を形成してあり(図7参照)、上記マイクロ波発生器15によって発生されたマイクロ波を、導波管17を介して各スリット21から放電管3内に放射することができるようにしてある。
【0015】
さらに、上記各筒状部18の外周には、磁界発生手段としての多数の永久磁石24を設けてあり、これら永久磁石24は、各螺旋部19の中間位置でその螺旋方向に沿って配列してある。
図8は各筒状部18の展開図を示したもので、同図から理解されるように螺旋の1条目を構成する複数の永久磁石24は、それぞれのN極が筒状部18の半径方向内方に、S極が半径方向外方となるように配置してある。
また上記螺旋の2条目を構成する複数の永久磁石24は、1条目の永久磁石24とは1つの永久磁石24分のスペース25をあけて、該1条目とは逆に、それぞれのS極が筒状部18の半径方向内方に、N極が半径方向外方となるように配置してある。
このように、各条ごとにS極とN極との極性を逆に配列してあり、それによって各筒状部18内に位置する放電管3の軸方向に沿って、隣接する永久磁石24の極性が交互に逆となるように配置してあるため(図1参照)、各放電管3a、3bの内部にそれぞれ軸方向に沿った磁界が生じ、それによって放電管3a、3b内に電子サイクロトロン共鳴を発生させることができるようにしてある。
【0016】
次に、上記放電管3に組み込まれるレーザ発振器について説明する。このレーザ発振器としては従来既に公知の種々の構成のものを用いることができる。
図9に示すレーザ発振器は、従来公知のMOPA型レーザ発振器31Aであって、フロントミラーとリヤミラーとの間でレーザ光Lを共振して発振させる共振器32と、この共振器32から放射されたレーザ光Lを増幅する増幅器33とを備えたものである。
【0017】
上記共振器32は、上記放電管3の中心軸上に設けられたフロントミラー35およびリヤミラー36と、フロントミラー35とリヤミラー36との間に設けられたQスイッチ37と、上記フロントミラー35から発振されたレーザ光Lを上記増幅部33に導光する第1ベンドミラー38とを備え、上記MOPA型レーザ発振器31AにおけるMO部(発振部)を構成している。
上記フロントミラー35およびリヤミラー36は上記放電管3の内部に形成される励起領域を挟むように配置されており、フロントミラー35は所定の出力を超えたレーザ光Lだけを透過させ、リヤミラー36はレーザ光Lを全反射させるようになっている。
上記第1ベンドミラー38は放電管3におけるフロントミラー35側の端部に設けられるとともに放電管3の中心軸上に設けられており、フロントミラー35を透過したレーザ光Lを放電管3の外周側に向けて反射させるようになっている。
【0018】
上記増幅部33は、上記共振器32の第1ベンドミラー38から出射されたレーザ光Lを軸方向に反射させて該増幅部33に受け入れるための第2ベンドミラー39を備えており、さらに該レーザ光Lを反射させる第1〜第6反射ミラー40A〜40Fと、放電管3の一端に設けられてレーザ光Lを外部に透過させる出力ウィンドウ41とを備え、上記MOPA型レーザ発振器31AにおけるPA部(増幅部)を構成している。
上記第1、第3、第5反射ミラー40A、40C、40Eおよび出力ウィンドウ41は上記放電管3における上記リヤミラー36側の端部に、該リヤミラー36を囲繞するように設けられ、第2、第4、第6反射ミラー40B、40D、40Fは、上記フロントミラー35側の端部に、該フロントミラー35を囲繞するように設けられている。
上記第1反射ミラー40Aは、上記共振器32の第1ベンドミラー38から第2ベンドミラー39を介して導光されたレーザ光Lをフロントミラー35側の第2反射ミラー40Bへと反射させ、その後第2〜第6反射ミラー40B〜40Fもレーザ光Lを放電管3の反対側の端部に向けて反射させ、これによりレーザ光Lは第1〜第6反射ミラー40A〜40Fの順序で反射しながら導光されてこの間に増幅され、最終的に出力ウィンドウ41を透過するようになっている。
【0019】
図10に示すレーザ発振器は、従来公知のマルチパス型レーザ発振器31Bであって、フロントミラーとリヤミラーと複数の反射ミラーとを備え、これら複数の反射ミラーを介して上記フロントミラーとリヤミラーとの間でレーザ光を発振させるようになっている。
すなわち上記レーザ発振器31Bは、上記放電管3の左方の端部にフロントミラー43とリヤミラー44と3個の反射鏡46A〜46Cとを備えている。これら3個の反射鏡46A〜46Cは、放電管3の内周面に添って円周方向等間隔位置に配置してあり、リヤミラー44はこれら反射鏡46A〜46Cの中央位置すなわち、放電管3の軸心に配置してある。
他方、放電管3の右方の端部には、ベンドミラー47と偏光ミラー48を設けるとともに、3個の反射鏡46D〜46Fを設けている。上記3個の反射鏡46D〜46Fは、前述の3個の反射鏡46A〜46Cおよびフロントミラー43と対向するように配置させて、放電管3の円周方向等間隔位置に配置している。また上記偏光ミラー48は放電管3の軸心の延長線上に45度傾斜させて配置してあり、さらにベンドミラー47は偏光ミラー48から半径方向外方にずれた位置に配置している。
【0020】
このような構成を有するレーザ発振器31Bにおいては、放電管3の内部で励起されたレーザ光線Lは、リヤミラー44によって反射されて、偏光ミラー48を経由してベンドミラー47に向けて反射され、次に左側の反射鏡46Aに向けて反射されてから、右側の反射鏡46Dに向けて反射される。
この後、レーザ光線Lは、左側の反射鏡46B、46Cと、それらの略対向位置に設けた右側の反射鏡46E、46Fとの間を放電管3の内周面に沿って順次、交互に反射されるようになり、フロントミラー43まで反射されたレーザ光線Lは、それまでの光路とは逆方向に反射されるようになる。
したがって、レーザ光線Lは、複数の反射鏡46A〜46F、ベンドミラー47および偏光ミラー48を経由して、フロントミラー43とリヤミラー44との間で複数回反射されて共振されるようになり、これによって出力が上昇されたレーザ光線Lは、フロントミラー43を透過して放電管3の外部に発振されるようになる。
【0021】
以上の構成によれば、上記マイクロ波発生器15によって発生されたマイクロ波は上記導波管17の接続部20を介して螺旋部19内に導波され、筒状部18に設けた多数の円周方向のスリット21を介して放電管3の外周面の略全体から放電管3の半径方向内方に向かってマイクロ波を放射して放電管3内部に収容されるレーザガスを励起させることができるので、該レーザガスを効率的に励起することができる。
そして本実施例では、多数の永久磁石24を各螺旋部19の中間位置でその螺旋方向に沿って配列してあるので、放電管3内で電子サイクロトロン共鳴を発生させることができ、より効率的にレーザガスを励起することができる。
特に、レーザ発振器としてMOPA型レーザ発振器31Aやマルチパス型レーザ発振器31Bを用いる場合には、放電管3の直径が大きくなるのでその内部を流通するレーザガスを均等に効率的に励起することが困難となるが、放電管3の外周面の略全体からレーザガスを励起させることができれば、そして更に電子サイクロトロン共鳴を発生させることができれば、そのようなレーザ発振器31A、31Bにおいてもレーザガスを効率的に励起することができる。
【0022】
なお、上記実施例では導波管17の螺旋部分を筒状部18と断面コ字形の螺旋部19とから構成しているが、上記筒状部18を省略して、断面コ字形の螺旋部19における放電管3側の開口部分を閉鎖した断面方形の螺旋部から構成するようにしても良い。この場合には、その開口部分を閉鎖した部分にスリット21を形成すればよい。
またこの場合、放電管3は、螺旋部の各条の間で外部に露出してしまい、その露出部分からマイクロ波が外部に漏洩することになるので、この部分を金属板などで被覆することが望ましく、或いは永久磁石24によってその露出部分を被覆しても良い。
【0023】
また、放電管3を銅製やアルミ製とした場合には、この放電管3の一部を上記筒状部18の一部として兼用することができる。この場合には、放電管3の一部を構成する筒状部18のスリット21を介して放電管3内のレーザガスが導波管17内に流出するので、これを防止するためにマイクロ波を通過させるガラスなどの閉鎖部材で該スリット21を閉鎖すればよい。
【0024】
さらに、磁界発生手段としては永久磁石24に限られるものではなく、電磁石であっても良く、また電線を導波管17の螺旋部19に沿って螺旋状に放電管3に巻きつけ、該電線に電流を流すことにより放電管3の軸方向に沿った磁界を発生させるようにしたものであっても良い。
また、上記放電管3に組み込むレーザ発振器の他の例としては、フロントミラー、リヤミラーをアキシコンミラーやパラボリックミラーとした共振器によりマルチパス型レーザ発振器を構成したものであっても良い。
さらに上記実施例ではマイクロ波によってレーザガスを励起するようにしたレーザ発振装置に本発明を適用しているが、電極によってレーザガスを励起するようにしたレーザ発振装置に本発明を適用してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0025】
1 レーザ発振装置 2 ケーシング
3、3a、3b 放電管 4 ガス循環通路
4a 出口通路 4b 連通路
4b−i 流入部 4b−o 流出部
9 クロスフローファン 15 マイクロ波発生器
17 導波管 18 筒状部
19 螺旋部 20 接続部
21 スリット 24 永久磁石(磁界発生手段)
31A、31B レーザ発振器 L レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にレーザガスを収容する筒状の放電管と、この放電管の一方の出口と他方の入口とを連通する連通路を有して、レーザガスを上記放電管内と連通路との間で循環させるガス循環通路と、上記連通路内に設けられてレーザガスを循環させるファンとを備えたレーザ発振装置において、
上記ファンをクロスフローファンから構成するとともに、該クロスフローファンを上記連通路内に斜めに配置して該連通路内を該クロスフローファンによって上流側の流入部と下流側の流出部とに区画して、上記レーザガスをクロスフローファン内を介して流入部から流出部へ流通させることを特徴とするレーザ発振装置。
【請求項2】
上記連通路は上記放電管と平行に形成されており、この平行に形成された連通路内に上記クロスフローファンが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ発振装置。
【請求項3】
上記クロスフローファンの端部は上記放電管の入口よりも軸方向に突出した位置に配置されており、かつ放電管の入口側で放電管から離隔し、放電管の出口側で該放電管に近接するように斜めに配置され、それによって該クロスフローファンによって区画された下流側の流出部が放電管の入口を越えた位置に形成されて、該放電管の入口に連通されていることを特徴とする請求項2に記載のレーザ発振装置。
【請求項4】
上記レーザ発振装置は、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生器と、このマイクロ波発生器によって発生されたマイクロ波を上記放電管に導波する導波管とを備え、上記マイクロ波によって放電管内のレーザガスを励起させて、上記レーザ共振器によりレーザ光を発振させることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載のレーザ発振装置。
【請求項5】
上記導波管は放電管の円周方向に螺旋状に配置されており、この導波管に設けられた複数のスリットが放電管の円周方向に配列されて、上記放電管の円周方向からレーザガスを励起させることを特徴とする請求項4に記載のレーザ発振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−80744(P2013−80744A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218629(P2011−218629)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】