説明

レーザ超音波探傷装置

【課題】検査対象物表面の状態にかかわらず、欠陥部位の誤検出を防止し、欠陥部位に対する検出精度の低下を防ぐ。
【解決手段】干渉計測手段11は、受信用照射ヘッド8からの戻り光L3の周波数の変化を干渉計測すると共に戻り光L3の光量も計測し、その超音波検出信号及び戻り光量検出信号を信号収録部12を介して超音波画像表示制御手段14及び戻り光量分布画像表示制御手段15に出力する。超音波画像表示制御手段14は、超音波検出信号に基づく探傷結果画像をディスプレイ16に表示可能であり、戻り光量分布画像表示制御手段15は戻り光量分布画像をディスプレイ16に表示可能である。検査員は、この戻り光量分布画像を欠陥部位判定支援情報として活用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ超音波探傷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原子力施設等における各種構造物に対しては高い安全性及び信頼性が要求されるため、従来から超音波探傷技術を用いてSCC(応力腐食割れ)等の欠陥部位の検出が行われていた。超音波探傷とは、検査対象物表面に液体媒質を介して接触させた探触子から超音波を発信させ、検査対象物から戻ってきたエコー信号を解析することにより欠陥部位の有無を判別する技術である。
【0003】
このような超音波探傷は、探触子を液体媒質を介して検査対象物表面に接触させなければならないために、検査対象物表面が曲面であったり複雑な形状であったりした場合、あるいは検査対象物が高温であったりした場合には適用が困難になるという短所がある。
【0004】
そのため、近時はレーザ超音波探傷技術が次第に注目されてきている。レーザ超音波探傷とは、検査対象物に向けて高エネルギーのレーザ光(本明細書では「送信レーザ光」と呼ぶ)を照射することにより検査対象物の表面又は内部に超音波を励起させると共に、送信レーザ光照射位置付近にレーザ光(本明細書では「受信レーザ光」と呼ぶ)を照射し、このときの検査対象物からの戻り光量に基づき、励起した超音波を検出するようにした技術である(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このようなレーザ超音波探傷によれば、検査対象物に対して非接触で探傷を行うために、検査対象物表面の形状や温度にかかわらず欠陥部位の検出が可能となり、また、レーザ光のすぐれた集光性に基づき高い空間分解能の探傷結果画像を得ることが可能となる。したがって、この探傷結果画像に基づき欠陥部位の有無を判定する検査員は、判定作業を容易に行うことができる。
【特許文献1】特開2003−185639号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、レーザ超音波探傷では、上述したように、送信レーザ光照射位置付近に受信レーザ光を照射したときの検査対象物からの戻り光量に基づき、励起した超音波を検出するようになっているので、検査対象物の表面の状態によって探傷結果画像の画像状態が大きく左右されることがある。
【0007】
例えば、検査対象物の表面に付着した汚れが、機器や部材等との接触又は擦れ等により部分的に剥離した状態となっている場合、この汚れ剥離部が欠陥部位であるかのように映し出されることがあり、検査員はこの汚れ剥離部を欠陥部位として誤検出し、欠陥部位に対する検出精度の低下を招く虞がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、検査対象物表面の状態にかかわらず、欠陥部位の誤検出を防止し、欠陥部位に対する検出精度の低下を防ぐことが可能なレーザ超音波探傷装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、送信レーザ光源、及びこの送信レーザ光源からの送信レーザ光を検査対象物に対して照射し、その表面及び内部に超音波を励起させるための送信用照射ヘッドを有する送信レーザ光照射手段と、受信レーザ光源、及びこの受信レーザ光源からの受信レーザ光を前記検査対象物に対して照射すると共に、この照射に基づく前記検査対象物からの戻り光量を検出する受信用照射ヘッドを有する受信レーザ光照射手段と、前記受信用照射ヘッドからの戻り光量検出信号を干渉計測することにより、前記検査対象物の表面及び内部に励起された超音波を検出する干渉計測手段と、前記干渉計測手段が検出した超音波検出信号に基づく探傷結果画像を表示する超音波画像表示制御手段と、前記受信用照射ヘッドからの戻り光量検出信号に基づく戻り光量分布画像を表示する戻り光量分布画像表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、検査対象物表面の状態にかかわらず、欠陥部位の誤検出を防止し、欠陥部位に対する検出精度の低下を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るレーザ超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。検査対象物Mの上方に送信レーザ光照射手段1、及び受信レーザ光照射手段2が配設されている。
【0012】
検査対象物Mは、本実施形態では鋼材やステンレス材等の金属材料を想定しているが、これに限定されるわけではなく、セラミック材、樹脂材、複合材料など、超音波を励起可能な材料全てが含まれる。
【0013】
送信レーザ光照射手段1は、送信レーザ光源3、及びこれに光ファイバ4を介して接続された送信用照射ヘッド5を含んで構成されている。
【0014】
受信レーザ光照射手段2は、受信レーザ光源6、及びこれに光ファイバ7を介して接続された受信用照射ヘッド8を含んで構成されている。
【0015】
送信用照射ヘッド5及び受信用照射ヘッド8は照射ヘッド機構9を構成しており、両ヘッドは一定の離間距離dを維持しながら検査対象物M表面に対して水平方向及び垂直方向に一体的に移動するようになっている。
【0016】
受信用照射ヘッド8が集光した戻り光は光ファイバ10を介して干渉計測手段11に送られるようになっている。干渉計測手段11は、このときの戻り光量が一定となるように受信レーザ光源6に対してフィードバック制御を行うようになっている。
【0017】
干渉計測手段11は、また、光ファイバ10を介して受信用照射ヘッド8から送られてきた戻り光に対して干渉計測を行うことにより超音波を検出し、この超音波検出信号を信号収録部12に出力するようになっている。このとき、干渉計測手段11は、超音波検出信号だけでなく、戻り光量についての検出信号や、受信レーザ光源6に対するフィードバック制御信号などの各種信号も同時に信号収録部12に出力するようになっている。
【0018】
信号収録部12はA/D変換機能を有しており、干渉計測手段11から入力した各種のアナログ信号をデジタル信号に変換して保存した後、これらデジタル信号を超音波解析装置13に出力するようになっている。
【0019】
超音波解析装置13は、各種の信号処理手段や画像処理手段を有しているが、本実施形態では超音波画像表示制御手段14及び戻り光量分布画像表示制御手段15を有している。超音波画像表示制御手段14は、信号収録部12からの超音波検出信号に基づき探傷結果画像を表示するものであり、従来装置においても具備されていた手段である。一方、戻り光量分布画像表示制御手段15は、信号収録部12からの戻り光量検出信号に基づく戻り光量分布画像を表示する手段である。
【0020】
そして、超音波画像表示制御手段14及び戻り光量分布画像表示制御手段15は、それぞれ探傷結果画像及び戻り光量分布画像をディスプレイ16に表示するようになっている。
【0021】
なお、送信レーザ光源3には、高エネルギーで且つ時間変調されたレーザ光を照射可能なパルスレーザ光源が用いられる。このようなレーザ光源として、例えば、Nd:YAG、YLF、YVO4、YALO3レーザ、CO2レーザ、Er:YAGレーザ、チタンサファイアレーザ、アレキサンドライトレーザ、ルビーレーザ、色素(ダイ)レーザ、エキシマレーザなどを挙げることができるが、勿論これら以外のパルスレーザ光源を用いてもよい。
【0022】
受信レーザ光源6には干渉計測手段11に適用可能なレーザ光源が用いられる。そして、この干渉計測手段11としては、例えば、マイケルソン干渉計、マッハツェンダ干渉計、コンフォーカル・ファブリペロー干渉計、位相共役光学素子を用いた干渉計などを挙げることができるが、勿論これら以外の干渉計を用いてもよい。
【0023】
また、図1に示した照射ヘッド機構9では、送信レーザ光L1と受信レーザ光L2とが一定の離間距離dを維持した状態で互いに平行な状態で検査対象物M表面に照射されているが、送信レーザ光L1と受信レーザ光L2とが検査対象物M表面上の同一地点を照射するように、いずれか一方の照射ヘッドを傾斜させて配設するようにしてもよい。
【0024】
図2は、検査対象物表面と戻り光量との対応関係を示す説明図であり、(a)は表面にき裂が有る場合、(b)は表面汚れの一部が剥離した場合を示している。
【0025】
図2(a)に示すように、左側から右側に向かって順次レーザ光を走査していくと、平坦な表面では受信用照射ヘッド8が垂直に照射した送信レーザ光L2に対して戻り光L3も垂直に受信用照射ヘッド8に返っていくので、戻り光量のレベルは一定となる。しかし、き裂部の周縁及び内側では、受信用照射ヘッド8が垂直に照射した送信レーザ光L2に対して戻り光L3は拡散してしまうので、受信用照射ヘッド8が受信する戻り光量のレベルは急減する。
【0026】
これに対し、図2(b)に示すように、検査対象物表面に表面汚れが付着し、表面汚れの中に汚れ剥離部が存在している場合、この汚れ剥離部の周縁及び内側では、受信用照射ヘッド8が垂直に照射した送信レーザ光L2に対して戻り光L3は集中するので、受信用照射ヘッド8が受信する戻り光量のレベルは急増する。
【0027】
本発明の実施形態は、このように検査対象物の表面状態によって戻り光量が変化する現象を、検査対象物の欠陥部位の有無についての判断支援情報として有効に利用するものである。
【0028】
次に、図1の動作につき説明する。送信用照射ヘッド5が、送信レーザ光源3から光ファイバ4を介して送られてきた送信レーザ光L1を検査対象物Mに向けて照射すると、検査対象物Mの表面には表面波超音波W1が発生し、また、検査対象物Mの内部には体積波超音波W2が発生する。
【0029】
そして、受信用照射ヘッド8は、受信レーザ光源6から光ファイバ7を介して送られてきた受信レーザ光L2を検査対象物Mに向けて照射すると共に、検査対象物Mの表面から反射して戻ってくる戻り光L3を入射し、これを光ファイバ10を介して干渉計測手段11に送るようにする。
【0030】
このとき、検査対象物Mの表面に照射された受信レーザ光L2は、表面波超音波W1及び体積波超音波W2の影響を受けるため、戻り光L3にはドップラーシフトによる光周波数の変化が現れる。干渉計測手段11は、この光周波数の変化を干渉計測して超音波を検出し、その超音波検出信号を信号収録部12に出力する。信号収録部12は、照射ヘッド機構9の走査位置毎の各超音波検出信号を超音波画像表示制御手段14に出力する。そして、超音波画像表示制御手段14は、これらの超音波検出信号に基づく探傷結果画像をディスプレイ16に表示する。
【0031】
干渉計測手段11は、また、受信用照射ヘッド8からの戻り光L3の光量も計測しており、この計測した戻り光量に基づき受信レーザ光源6のレーザ出力をフィードバック制御する。したがって、受信用照射ヘッド8からは常に一定した光強度の受信レーザ光L2が検査対象物Mに向けて照射される。
【0032】
そして、干渉計測手段11が計測した戻り光量検出信号は信号収録部12に送られる。信号収録部12は、照射ヘッド機構9の走査位置毎の各戻り光量検出信号を戻り光量分布画像表示制御手段15に出力する。そして、戻り光量分布画像表示制御手段15は、これらの戻り光量検出信号に基づく戻り光量分布画像をディスプレイ16に表示する。
【0033】
図3は、本実施形態のディスプレイ16に表示される画像説明図であり、(a)は超音波画像表示制御手段14による探傷結果画像、(b)は戻り光量分布画像表示制御手段15による戻り光量分布画像である。この例では、探傷結果画像としてCスキャン画像が表示され、戻り光量分布画像として戻り光量強度マップが表示されている。
【0034】
図3(a)に示した探傷結果画像としてのCスキャン画像は3次元画像であり、検査対象物Mの表面に曲線状に形成されたき裂部は紙面垂直方向に陥没している。また、図3(b)に示した戻り光量分布画像としての戻り光量強度マップによれば、陥没状態になっているき裂部では戻り光量のレベルが小さなものとなっている。しかし、機材等が検査対象物M表面と擦れ、表面汚れの一部が剥離されることにより形成された汚れ剥離部では、戻り光量のレベルが大きなものとなっている。
【0035】
従来、検査員は図3(a)の探傷結果画像のみを見て検査対象物Mにおける欠陥部位の有無の判定を行っていたが、本実施形態に係るレーザ超音波探傷装置によれば、図3(b)の戻り光量分布画像をこの判定支援情報として活用することができる。
【0036】
例えば、図3(a)の探傷結果画像において、き裂部の右側に不明な有意データ部が出現したような場合、検査員は図3(b)の戻り光量分布画像をディスプレイ16に表示させ、その有意データ部の戻り光量が大きなものであれば、その有意データ部は汚れ剥離部である可能性が大きいと推定することができ、一方、その有意データ部の戻り光量が小さなものであれば、その有意データ部はき裂等の欠陥部位である可能性が大きいと推定することができる。
【0037】
図3に示した例では、探傷結果画像としてCスキャン画像を表示するようにしたが、このような画像に限定されるわけではなく、Aスキャン画像、Bスキャン画像、Dスキャン画像などを表示するようにしてもよく、また、戻り光量分布画像としても、戻り光量強度マップ以外の画像を表示することができる。
【0038】
図4は、本実施形態のディスプレイ16に表示される別の画像説明図であり、(a)は超音波画像表示制御手段14による探傷結果画像、(b)は戻り光量分布画像表示制御手段15による戻り光量分布画像である。この例では、探傷結果画像としてBスキャン画像が表示され、戻り光量分布画像として戻り光量特性図が表示されている。
【0039】
図5は、本発明の別の実施形態に係るレーザ超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。図5が図1と異なる点は、超音波解析装置13Aが重畳画像表示制御手段17を含んで構成されている点である。
【0040】
超音波解析装置13Aには、図示を省略してある重畳画像表示ボタンが設けられており、検査員がこのボタンを押すと、重畳画像表示制御手段17は、超音波画像表示制御手段14からの探傷結果画像と、戻り光量分布画像表示制御手段15からの戻り光量分布画像とを重畳させた画像をディスプレイ16に表示するようになっている。したがって、ディスプレイ16には、探傷結果画像、戻り光量分布画像、及びこれらの重畳画像の3種類の画像が表示可能である。
【0041】
図6は、本実施形態のディスプレイ16に表示される画像説明図であり、(a)は超音波画像表示制御手段14による探傷結果画像、(b)は戻り光量分布画像表示制御手段15による戻り光量分布画像、(c)は重畳画像表示制御手段17による重畳画像である。
【0042】
図6(a)に示すように、き裂部の左側に不明な有意データ部が出現すると、検査員はディスプレイ16の画面を図6(b)の戻り光量分布画像に切り換える。この図6(b)の画像によれば、不明な有意データ部の戻り光量が大きいので、この有意データ部は汚れ剥離部であると推定することができる。しかし、図6(a),(b)では図示を単純化しているが、実際の画像ではこれらの有意データ部や戻り光量が大きな部分は形状や濃淡の度合いが複雑になっているのが通常であり、画面切り換えにより判定するのに少なからず時間を要することがある。
【0043】
本実施形態によれば、このような場合、検査員は重畳画像表示ボタンを押すことにより、図6(c)のような重畳画像を簡単にディスプレイ16の画面に表示させることができる。したがって、検査員は、図6(a)における不明な有意データ部が汚れ剥離部であることを迅速且つ正確に判定することが可能になる。
【0044】
この場合、重畳画像表示制御手段17は、図6(b)の戻り光量分布画像において戻り光量が異なる個所の輪郭を強調して表示(例えば、輪郭部分を太くしたり、異なる色で表示する等)ことも可能である。これにより検査員は、一層容易に判定作業を行うことができる。
【0045】
また、探傷結果画像及び戻り光量分布画像は2次元画像又は1次元画像として表示することが可能であるため、これに対応して重畳画像も2次元画像又は1次元画像として表示することができ、あるいは更に3D表示画面として表示することもできる。
【0046】
なお、上記の説明では、図6(a)に示したような不明な有意データ部について、戻り光量のレベルの大きさに基づいて判定する場合を説明したが、これに限定されるわけではなく、戻り光量から得られるその他の情報を判定材料に加えることもできる。
【0047】
例えば、き裂等の欠陥部位は、曲線形状や枝分かれ形状など複雑なものであるのが通常であるのに対し、機材等による軽微な引っ掻き跡や擦れ跡などは直線的で単純な輪郭となるのが通常である。したがって、このような戻り光量の変化部分の形状の相違を加味して、検査員は判定対象部位が欠陥部位であるのか否かを判断することができる。
【0048】
あるいはまた、溶接個所のビード部分や摩擦撹拌接合部分などは、形状が特有であるばかりでなく、戻り光量の変化状態も特有なものになっている。したがって、検査員は戻り光量の変化部分の形状、及び変化状態を加味して、判定対象部位が欠陥部位であるのか、あるいは溶接個所であるのかを判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザ超音波探傷装置の構成を示すブロック図。
【図2】検査対象物表面と戻り光量との対応関係を示す説明図であり、(a)は表面にき裂が有る場合、(b)は表面汚れの一部が剥離した場合を示している。
【図3】本実施形態のディスプレイ16に表示される画像説明図であり、(a)は超音波画像表示制御手段14による探傷結果画像、(b)は戻り光量分布画像表示制御手段15による戻り光量分布画像である。
【図4】本実施形態のディスプレイ16に表示される別の画像説明図であり、(a)は超音波画像表示制御手段14による探傷結果画像、(b)は戻り光量分布画像表示制御手段15による戻り光量分布画像である。
【図5】本発明の別の実施形態に係るレーザ超音波探傷装置の構成を示すブロック図。
【図6】本実施形態のディスプレイ16に表示される画像説明図であり、(a)は超音波画像表示制御手段14による探傷結果画像、(b)は戻り光量分布画像表示制御手段15による戻り光量分布画像、(c)は重畳画像表示制御手段17による重畳画像である。
【符号の説明】
【0050】
M:検査対象物
W1:表面波超音波
W2:体積波超音波
L1:送信レーザ光
L2:受信レーザ光
L3:戻り光
d:離間距離
1:送信レーザ光照射手段
2:受信レーザ光照射手段
3:送信レーザ光源
4:光ファイバ
5:送信用照射ヘッド
6:受信レーザ光源
7:光ファイバ
8:受信用照射ヘッド
9:照射ヘッド機構
10:光ファイバ
11:干渉計測手段
12:信号収録部
13,13A:超音波解析装置
14:超音波画像表示制御手段
15:戻り光量分布画像表示制御手段
16:ディスプレイ
17:重畳画像表示制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信レーザ光源、及びこの送信レーザ光源からの送信レーザ光を検査対象物に対して照射し、その表面及び内部に超音波を励起させるための送信用照射ヘッドを有する送信レーザ光照射手段と、
受信レーザ光源、及びこの受信レーザ光源からの受信レーザ光を前記検査対象物に対して照射すると共に、この照射に基づく前記検査対象物からの戻り光量を検出する受信用照射ヘッドを有する受信レーザ光照射手段と、
前記受信用照射ヘッドからの戻り光量検出信号を干渉計測することにより、前記検査対象物の表面及び内部に励起された超音波を検出する干渉計測手段と、
前記干渉計測手段が検出した超音波検出信号に基づく探傷結果画像を表示する超音波画像表示制御手段と、
前記受信用照射ヘッドからの戻り光量検出信号に基づく戻り光量分布画像を表示する戻り光量分布画像表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするレーザ超音波探傷装置。
【請求項2】
前記超音波画像表示制御手段が表示する探傷結果画像と、前記戻り光量分布画像表示制御手段が表示する戻り光量分布画像との重畳画像を表示する重畳画像表示制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波探傷装置。
【請求項3】
前記重畳画像表示制御手段は、前記重畳画像に、前記戻り光量分布画像における光量変化個所を強調表示するものである、
ことを特徴とする請求項2記載のレーザ超音波探傷装置。
【請求項4】
前記重畳画像表示制御手段は、前記重畳画像を2次元画像又は1次元画像として表示するものである、
ことを特徴とする請求項2記載のレーザ超音波探傷装置。
【請求項5】
前記重畳画像表示制御手段は、前記重畳画像を3D表示画面として表示可能なものである、
ことを特徴とする請求項2記載のレーザ超音波探傷装置。
【請求項6】
前記干渉計測手段は、前記受信用照射ヘッドからの戻り光量検出信号のレベルが一定となるように、前記受信レーザ光源の出力をフィードバック制御することが可能なものである、
ことを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波探傷装置。
【請求項7】
前記超音波画像表示制御手段が表示する探傷結果画像には、Aスキャン画像、Bスキャン画像、Cスキャン画像、Dスキャン画像のうちの少なくともいずれか一つが含まれる、
ことを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波探傷装置。
【請求項8】
前記送信用照射ヘッド及び前記受信用照射ヘッドは、前記検査対象物の表面に沿ってx方向又はy方向へ一体的に走査されるものである、
ことを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波探傷装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−19618(P2010−19618A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178766(P2008−178766)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】