説明

レーダースペクトラム計測装置

【課題】本発明は、レーダーシステムのアンテナから放射された電波を受信して、不要輻射を含めた広範囲な周波数帯域のスペクトラムを計測するレーダースペクトラム計測装置である。
【解決手段】本発明の計測側のアンテナは、前記レーダーシステムから放射された不要輻射レーダー電波を受信する。周波数変換手段は、前記アンテナにより受信した所定帯域の電波を異なる複数の周波数帯域にダウンコンバートする。また、前記周波数変換手段は、測定すべき広範囲な周波数をカバーするように複数が並列に備えられている。A/D変換手段は、それぞれの周波数帯域をカバーする複数の周波数変換手段によってデジタル信号に変換する。前記デジタル信号は、複数のDSPによって所定帯域内のデジタル信号を各周波数毎の振幅にトリガー信号に同期して変換される。前記周波数毎の振幅の強さは、全帯域DSP等の合成手段によって合成され、計測時間を大幅に短縮することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダーシステムのアンテナから放射された電波を受信して、不要輻射を含めた広範囲な周波数帯域のスペクトラムを計測するレーダースペクトラム計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レーダーから放射される電波は、広範囲の周波数帯域にわたって、その放射レベルを測定し、不要輻射を含め、どのような周波数およびその強さがどのように分布しているかを解析するためのスペクトラムアナライザを組み合わせた計測システムが知られている。また、国際電気通信連合であるITUは、前記レーダーから放射される不要輻射の規制値と、不要輻射を含めたレーダースペクトラムの測定方法について、周波数帯域に応じた条件等を定めている。前記国際電気通信連合であるITUにおいて、レーダーアンテナは、通常の動作状態(機械的に回転または電子的に電波の放射方向を制御して回転させる)で測定することが定められている。
【0003】
特開平6−21864号公報に記載されている電波環境測定装置は、携帯電話等の間における電波伝播が直接波、構築物から反射される反射波、その他の外来電波等がどのように伝播されているかを測定するものである。
【特許文献1】特開平6−21864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーダーシステムの主にアンテナから放射される電波を前記ITUの勧告した測定方法に従ってレーダースペクトラムを測定する場合、機械的に回転または電子的に電波の放射方向を制御して回転させるというレーダーシステムの諸元により、放射された電波を非同期に、かつ電波の到来するタイミングが不明である条件下では、現在で入手可能な計測装置は、長時間の測定時間が必要である。たとえば、9GHz帯のパルスレーダーの不要輻射を測定する場合、パルス幅が1μsec以下でレーダーアンテナが20rpmで回転しているとすると、30MHzから26GHzまでの周波数帯域の1回の測定に必要な総測定時間は、約22時間になっている。前記長時間の測定は、温度や湿度等の環境変化等により、測定結果の信頼性に問題があった。また、前記レーダーのスペクトラムは、周波数変換手段、A/D変換手段、DSP等からなるスペクトラムアナライザによって計測される。しかし、前記スペクトラムアナライザは、本発明のような広帯域の周波数を計測することを想定していないため、複数回に分け長時間かけて計測している。
【0005】
以上のような課題を解決するために、本発明は、長い測定時間を短縮するものであり、簡単な構成で、高い信頼性を有するレーダースペクトラム計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(第1発明)
第1発明のレーダースペクトラム計測装置は、レーダーシステムのアンテナから放射された電波を受信して、不要輻射を含めた広範囲な周波数帯域のスペクトラムを計測するものであり、不要輻射を含むレーダー電波を受信するアンテナと、前記アンテナにより受信した不要輻射を含むレーダー電波を異なる周波数帯域に変換する複数の周波数変換手段と、前記周波数変換手段の一つから前記不要輻射を含むレーダー電波の中の一つの周波数を検出し、前記周波数をトリガー信号にするトリガー信号作成手段と、前記複数の周波数変換手段によって変換された異なる周波数帯域のアナログ信号をデジタル信号に変換する複数のA/D変換手段と、前記複数のA/D変換手段によって変換されたそれぞれのデジタル信号を周波数毎の振幅に変換するとともに、前記トリガー信号作成手段によって作成されたトリガー信号によって同期が取られている複数のDSPと、前記複数のDSPによって周波数毎の振幅に変換された結果を全周波数帯域に合成する合成手段と、前記合成手段によって合成されたレーダースペクトラムを記憶するレーダースペクトラム記憶手段とから少なくとも構成されていることを特徴とする。
【0007】
(第2発明)
第2発明のレーダースペクトラム計測装置は、レーダーシステムのアンテナから放射された電波を受信して、不要輻射を含めた広範囲な周波数帯域のスペクトラムを計測するものであり、不要輻射含むレーダー電波を受信するアンテナと、前記アンテナにより受信した不要輻射を含むレーダー電波を異なる周波数帯域に変換する複数の周波数変換手段と、前記周波数変換手段の一つから前記不要輻射を含むレーダー電波の中の一つの周波数を検出し、前記周波数をトリガー信号にするトリガー信号作成手段と、前記複数の周波数変換手段のそれぞれの帯域が少しずつ重なるような周波数帯域に設定する周波数帯域設定手段と、前記複数の周波数変換手段によって変換された異なる周波数帯域のアナログ信号をデジタル信号に変換する複数のA/D変換手段と、前記複数のA/D変換手段によって変換されたそれぞれのデジタル信号を周波数毎の振幅に変換するとともに、前記トリガー信号作成手段によって作成されたトリガー信号によって同期が取られている複数のDSPと、前記複数のDSPによって周波数毎の振幅に変換された結果を全周波数帯域に合成する合成手段と、前記合成された周波数の重なる部分の出力レベルを同じ出力に調整する出力レベル調整手段と、前記合成手段によって合成されたレーダースペクトラムを記憶するレーダースペクトラム記憶手段とから少なくとも構成されていることを特徴とする。
【0008】
(第3発明)
第3発明のレーダースペクトラム計測装置において、第1発明または第2発明のレーダースペクトラム記憶手段には、レーダーシステムのアンテナおよび前記レーダー電波を受信するアンテナの計測位置が記憶されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、測定しようとするレーダーシステムにおけるレーダースペクトラムを従来の測定時間より大幅に短縮できるだけでなく、信頼性の高い測定結果を得ることができる。本発明は、周波数変換手段、A/D変換手段、DSPからなるスペクトラムアナライザを複数並列に設け、受信したレーダーの中の一つの周波数によって作成されるトリガー信号によって、前記複数のスペクトラムアナライザの同期を取ることで、正確な計測が可能になった。
【0010】
本発明によれば、計測装置を並列に設けておくことにより、最大放射電力と、それ以外の放射電力の比較が同時刻に行なうことができるため、同時刻における周波数成分を短時間で、かつ、正確に測定することができる。
【0011】
本発明によれば、周波数帯域の境部分で、少しずつ重なるような周波数帯域の信号を合成する際に、その部分における出力レベルを調整して同じ出力となるようにして、周波数帯域の境部分の振幅の強さの精度を向上させている。
【0012】
本発明によれば、レーダーシステムのアンテナおよびレーダー電波を受信するアンテナの測定位置をGPSによって特定でき、前記レーダースペクトラムと関係付けておくことができるため、より正確な解析が可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1発明)
第1発明のレーダースペクトラム計測装置は、計測すべきレーダーシステムのアンテナから放射された電波を受信して、不要輻射を含めた広範囲な周波数帯域のスペクトラムを計測するものである。計測側のアンテナは、前記レーダーシステムから放射された不要輻射含むレーダー電波を受信する。周波数変換手段は、前記アンテナにより受信した所定帯域の電波を異なる複数の周波数帯域にダウンコンバートする。また、前記周波数変換手段は、測定すべき広範囲な周波数をカバーするように複数が並列に備えられている。トリガー信号作成手段は、たとえば、前記周波数変換手段の一つから前記不要輻射を含むレーダー電波の中の一つの周波数を検出し、前記周波数をトリガー信号とする。A/D変換手段は、それぞれの周波数帯域をカバーする複数の周波数変換手段によって前記アンテナによって受信されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0014】
前記複数のA/D変換手段によって変換されたそれぞれのデジタル信号は、複数のDSP(Digital Signal Proccesor−以下単にDSPと記載する)によって所定帯域内のデジタル信号を周波数毎の振幅に変換されるとともに、前記トリガー信号によって複数のDSPの同期が取られる。すなわち、前記DSPは、前記変換されたデジタル信号をそれぞれの帯域における周波数毎の強さに変換するとともに、それぞれの同期が取られている。前記複数のDSPによって前記周波数毎の振幅の強さは、全帯域DSP等の合成手段によって合成される。前記全帯域DSP等の合成手段によって合成されたレーダースペクトラムは、レーダースペクトラム記憶手段によって記憶される。
【0015】
計測すべきレーダーシステムのアンテナから放射された電波は、全帯域を複数の周波数変換手段、A/D変換手段、DSPで並列的に計測し、全帯域DSP等の合成手段で合成するため、計測時間を大幅に短縮することができる。前記並列に設けられた周波数変換手段、A/D変換手段、およびDSPと、全帯域DSP等の合成手段の処理は、互いにトリガー信号によって同期が取られているため、リアルタイムで行なうことができる。前記並列に接続されている前記周波数変換手段、A/D変換手段、DSPは、リアルタイムスペクトラムアナライザを構成する。
【0016】
前記リアルタイムスペクトラムアナライザは、デジタル信号を高速フーリエ変換(FFT)するが、前記フーリエ変換がフリーランの状態にあるため、パルス波のFFT(First Fourier Transformer ) 変換結果にバラツキが出てしまう。従来、市販のリアルタイムスペクトラムアナライザは、並列に多数接続した場合、レーダーパルス波のスペクトルを分析することができなかった。しかし、本発明は、前記FFT変換を全て同期して行なうために正しい分析が可能になった。
【0017】
また、市販のリアルタイムスペクトラムアナライザは、比較的大型であるため、多数の並列化に向いていなかった。本発明のリアルタイムスペクトラムアナライザは、FFT変換のデータサイズを変えるためにプログラマブルDSPとすることで、小型で分析ステップを可変できるようなゲートアレイとすることが可能になった。さらに、本発明は、前記DSPのトリガー信号をレーダーパルスに同期またはレーダーパルス信号から推定したタイミングで発生させるトリガー信号作成手段を設け、前記トリガー信号により、同期を取ることで、市販の装置で、迅速、かつ、正確な計測が可能になった。
【0018】
(第2発明)
第2発明のレーダースペクトラム計測装置は、周波数帯域設定手段および出力レベル調整手段を備えている点で第1発明と異なっている。前記周波数帯域設定手段は、複数の周波数変換手段の帯域が少しずつ重なるような周波数帯域に設定することができる。前記出力レベル調整手段は、異なる複数の周波数変換手段によって異なる周波数帯域におけるデジタル信号の振幅の強さが異なる場合がある。本願発明は、前記周波数帯域の境部分で、少しずつ重なるような周波数帯域の信号を合成する際に、その部分における出力レベルを調整して同じ出力となるようにして、周波数帯域の境部分の振幅の強さの精度を向上させている。なお、第1発明および第2発明におけるDSPおよび全帯域DSPは、プログラマブルDSPとすることができる。
【0019】
(第3発明)
第3発明のレーダースペクトラム記憶手段は、第1発明または第2発明のレーダーシステムのアンテナおよび前記レーダー電波を受信するアンテナからの計測位置が、たとえば、GPSによって記憶されている。前記レーダースペクトラム計測装置には、レーダーの放射および受信位置がデータとして記憶されているため、不要輻射を含めた広範囲な周波数帯域のスペクトラムを解析する際の精度を向上させることができた。
【実施例1】
【0020】
図1は本発明の第1実施例で、レーダーシステムから放射される電波を計測するレーダースペクトラム計測装置を説明するための図である。なお、図1における記号*は、それぞれ線により接続されている。第1実施例におけるレーダースペクトラム計測装置は、測定すべきレーダーシステム11と、前記レーダーシステム11から放射する不要輻射を含む電波を受信する測定アンテナ12と、少なくとも一つの高周波ダウンコンバータ131と、前記高周波ダウンコンバータ131の周波数をデジタル信号に変換するA/D変換手段141と、前記A/D変換手段141の周波数を振幅に変換(フーリエ変換)するプログラマブルDSP151とを備えている。
【0021】
また、前記レーダースペクトラム計測装置は、前記高周波ダウンコンバータ、A/D変換手段、プログラマブルDSPからなるスペクトラムアナライザ181、182、18nを複数備えている。トリガー信号作成手段13は、前記高周波ダウンコンバータ131のある周波数、たとえば、中心周波数を検出して、この周波数をトリガー信号とする。前記プログラマブルDSP151、152、15nは、前記トリガー信号によって同期をとってそれぞれの変換を開始し、周波数解析を行う。また、前記トリガー信号作成手段13は、レーダーシステム11から無線または有線によって制御することができる。さらに、前記トリガー信号作成手段13は、高周波ダウンコンバータ131および/またはレーダーシステム11によって制御されるようにすることができる。
【0022】
前記プログラマブルDSP151、152、15nにおいて得られたデジタル信号の振幅は、全帯域プログラマブルDSP16によって、全帯域にわたった振幅の強さとして合成される。前記全帯域にわたった振幅の強さは、レーダースペクトラム記憶手段17に記憶され、前記レーダーシステムの不要輻射を含む電波の伝播状態を解析することができる。前記レーダースペクトラム記憶手段17に記憶されたデータは、トリガー信号による同期がとれているため、複数のスペクトラムアナライザ181、182、18nによって得られた信号を合成しても、正確な解析が可能である。
【0023】
図2は本発明の実施例で、レーダーシステムから放射される電波をほぼ全方位で計測する状態を説明するための図である。図2において、レーダーシステム11は、たとえば、8箇所において、レーダースペクトラム計測装置が配置され、不要輻射を含む全帯域のレーダースペクトラムを計測することができる。前記レーダースペクトラム計測装置は、全帯域において、比較的短時間に計測ができるようになったため、全方位について計測しても、大きな時間的ずれがなく計測できる。
【実施例2】
【0024】
図3は本発明の第2実施例で、レーダーシステムから放射される電波を計測するレーダースペクトラム計測装置を説明するための図である。なお、図1と同様に、記号*は、それぞれが線で接続されている。第2実施例におけるレーダースペクトラム計測装置は、各高周波ダウンコンバータ131、132、13nのそれぞれに周波数設定手段1311、1312、13n1を備えている点、全帯域プログラマブルDSP16に周波数重なり部出力調整手段161を備えている点、およびレーダースペクトラム記憶手段17に位置設定手段171によって測定した際の位置が設定されるようになっている点で、第1実施例と異なっている。
【0025】
前記周波数設定手段1311、1321、13n1は、高周波ダウンコンバータ131、132、13nにおける周波数帯域を任意に設定できる。前記高周波ダウンコンバータ131、132、13nは、前記設定する周波数の上下端部において、同じ周波数が互いに重なるように設定することができる。また、前記全帯域プログラマブルDSP16は、各プログラマブルDSP151、152、15nを合成する際に、前記周波数の重なり部を重ねた状態にする。前記周波数重なり部出力調整手段161は、前記全帯域プログラマブルDSP16において、重なり部の出力を同じレベルに調整する。前記出力調整は、高周波ダウンコンバータ、A/D変換手段、プログラマブルDSP等におけるそれぞれの誤差を無くすことができ、正確な計測結果を得ることができる。
【0026】
前記レーダースペクトラムは、全方位において計測されるが、障害物により必ずしも計測できない場所がある場合がある。前記場所を避けた場合、前記測定位置は、レーダースペクトラムとともに、レーダースペクトラム記憶手段17に記憶される。前記位置設定手段171は、たとえば、カーナビゲータに使用されるGPS(Global Positioning System )を利用することができる。前記プログラマブルDSP、全帯域プログラマブルDSPは、DSPとすることができる。また、全帯域プログラマブルDSPは、前記各プログラマブルDSPを合成する合成手段であってもよい。さらに、前記合成手段は、通常のパーソナルコンピュータとすることも可能である。
【0027】
図4は本発明の実施例で、DSPを説明するためのブロック構成図である。図4において、DSPは、FFT(First Fourier Transformer ) であり、前記トリガー信号作成手段13によって作成されたトリガーで同期して制御する制御手段411と、演算用のプログラムが記憶されているRAM412と、前記RAM412のプログラムに従って演算する演算手段414とから少なくとも構成されている。ROMまたはRAM413は、前記DSP151、152、15nに前記RAM412の代わりに設けられる。前記DSPは、プログラマブルDSPとすることができる。前記プログラマブルDSPは、たとえば、プログラムを書き替える図示されていないDSP制御手段がそれぞれに設けられる。
【0028】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。図1および図3において示されているブロックは、周知または公知の技術によって構成されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施例で、レーダーシステムから放射される電波を計測するレーダースペクトラム計測装置を説明するための図である。(実施例1)
【図2】本発明の実施例で、レーダーシステムから放射される電波をほぼ全方位で計測する状態を説明するための図である。
【図3】本発明の第2実施例で、レーダーシステムから放射される電波を計測するレーダースペクトラム計測装置を説明するための図である。(実施例2)
【図4】本発明の実施例で、DSPを説明するためのブロック構成図である。
【符号の説明】
【0030】
11・・・レーダーシステム
12・・・測定アンテナ
13・・・トリガー信号作成手段
131、132、13n・・・高周波ダウンコンバータ
1311、1321、13n1・・・周波数設定手段
141、142、14n・・・A/D変換手段
151、152、15n・・・プログラマブルDSP
16・・・全帯域プログラマブルDSP
161・・・周波数重なり部出力調整手段
17・・・レーダースペクトラム記憶手段
171・・・位置設定手段
181、182、18n、311、312、31n・・・スペクトラムアナライザ
411・・・制御手段
412・・・RAM
413・・・ROMまたはRAM
414・・・演算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダーシステムのアンテナから放射された電波を受信して、不要輻射を含めた広範囲な周波数帯域のスペクトラムを計測するレーダースペクトラム計測装置において、
不要輻射を含むレーダー電波を受信するアンテナと、
前記アンテナにより受信した不要輻射を含むレーダー電波を異なる周波数帯域に変換する複数の周波数変換手段と、
前記周波数変換手段の一つから前記不要輻射を含むレーダー電波の中の一つの周波数を検出し、前記周波数をトリガー信号にするトリガー信号作成手段と、
前記複数の周波数変換手段によって変換された異なる周波数帯域のアナログ信号をデジタル信号に変換する複数のA/D変換手段と、
前記複数のA/D変換手段によって変換されたそれぞれのデジタル信号を周波数毎の振幅に変換するとともに、前記トリガー信号作成手段によって作成されたトリガー信号によって同期が取られている複数のDSPと、
前記複数のDSPによって周波数毎の振幅に変換された結果を全周波数帯域に合成する合成手段と、
前記合成手段によって合成されたレーダースペクトラムを記憶するレーダースペクトラム記憶手段と、
から少なくとも構成されていることを特徴とするレーダースペクトラム計測装置。
【請求項2】
レーダーシステムのアンテナから放射された電波を受信して、不要輻射を含めた広範囲な周波数帯域のスペクトラムを計測するレーダースペクトラム計測装置において、
不要輻射を含むレーダー電波を受信するアンテナと、
前記アンテナにより受信した不要輻射を含むレーダー電波を異なる周波数帯域に変換する複数の周波数変換手段と、
前記周波数変換手段の一つから前記不要輻射を含むレーダー電波の中の一つの周波数を検出し、前記周波数をトリガー信号にするトリガー信号作成手段と、
前記複数の周波数変換手段のそれぞれの帯域が少しずつ重なるような周波数帯域に設定する周波数帯域設定手段と、
前記複数の周波数変換手段によって変換された異なる周波数帯域のアナログ信号をデジタル信号に変換する複数のA/D変換手段と、
前記複数のA/D変換手段によって変換されたそれぞれのデジタル信号を周波数毎の振幅に変換するとともに、前記トリガー信号作成手段によって作成されたトリガー信号によって同期が取られている複数のDSPと、
前記複数のDSPによって周波数毎の振幅に変換された結果を全周波数帯域に合成する合成手段と、
前記合成された周波数の重なる部分の出力レベルを同じ出力に調整する出力レベル調整手段と、
前記合成手段によって合成されたレーダースペクトラムを記憶するレーダースペクトラム記憶手段と、
から少なくとも構成されていることを特徴とするレーダースペクトラム計測装置。
【請求項3】
前記レーダースペクトラム記憶手段には、レーダーシステムのアンテナおよび前記レーダー電波を受信するアンテナの計測位置が記憶されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたレーダースペクトラム計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−309862(P2007−309862A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141063(P2006−141063)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】