説明

レーダ保守用表示装置

【課題】航空管制用レーダシステムの保守作業の効率化及び迅速化を図ること。
【解決手段】本実施形態に係るレーダ保守用表示装置は、複数のレーダ装置により得られたレーダ情報を画面上に表示する表示処理部31と、前記レーダ情報を収集するデータ収集部32と、前記データ収集部32により収集されたレーダ情報をリアルタイムで解析するデータ解析部33とを具備し、前記表示処理部31は、前記データ解析部33の解析結果を前記レーダ情報と共に前記画面上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば航空管制用レーダシステムに用いられるレーダ保守用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
航空管制用レーダシステムには、一般的に、空港監視レーダ(ASR:Airport Surveilance Radar)と、二次監視レーダ(SSR:Secondary Surveilance Radar)とが配備されている。従来システムの保守用表示装置では、各レーダ装置から入力されるビデオ及びターゲットレポート情報にしたがって、適切な位置にターゲットや受信信号のビデオ情報を表示し、保守作業の支援を実現してきた。加えて、保守用表示装置はデータ収集機能を有しており、後段のオフライン解析に用いるためのデータを収集する。このオフライン解析では、ASR/SSRの相関率やターゲット検出状況を解析し詳細を把握することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】社団法人電子情報通信学会,「改訂 レーダ技術」,初版,平成8年10月1日,p.232,233
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の保守用表示装置で実現している表示機能とデータ解析機能は分離されており、相互にデータのやり取りが行われていない。それ故、データ収集後のデータはリアルタイム処理されることなく、オフライン解析を別途行うことでその詳細を把握することとなり、保守作業に時間を要していた。
【0005】
本実施形態の目的は、保守作業の効率化及び迅速化を図ることができるレーダ保守用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係るレーダ保守用表示装置は、複数のレーダ装置により得られたレーダ情報を画面上に表示する表示手段と、前記レーダ情報を収集する収集手段と、前記収集手段により収集されたレーダ情報をリアルタイムで解析する解析手段とを具備し、前記表示手段は、前記解析手段の解析結果を前記レーダ情報と共に前記画面上に表示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態に係る保守用表示装置の構成を示す図。
【図2】表示処理部による画面表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係るレーダ保守用表示装置を説明する。
【0009】
図1は、本実施形態に係る保守用表示装置の構成を示す図である。保守用表示装置3には、例えば、ASR(Airport Surveilance Radar)装置1及び二次監視レーダ(SSR:Secondary Surveilance Radar)装置2が接続される。保守用表示装置3は、表示処理部31と、データ収集部32と、データ解析部33とを備える。
【0010】
保守用表示装置3は、ASR装置1により得られた空港周辺の航空機を示すASR目標を示すターゲットレポート情報(ASR)と、ビデオ信号(ASR)とを受信する。SSR装置2は、ASR装置1から送られてくるターゲットレポート情報に基づいてターゲットを捜索する。保守用表示装置3は、ASR目標と、SSR装置2により得られたSSR目標とを示すターゲットレポート情報(ASR,SSR)と、SSR装置2のビデオ信号(SSR)とを受信する。
【0011】
保守用表示装置3において、表示処理部31は、ASR装置1及びSSR装置2から入力されるターゲットレポート情報及びビデオ信号にしたがって、適切な位置にターゲットやレーダビデオを画面上にリアルタイムで表示する。データ収集部32は、ASR装置1及びSSR装置2から入力されるターゲットレポート情報及びビデオ信号を収集する。データ解析部33は、データ収集部32により収集されたデータをもとにASR/SSRの相関率やターゲット検出状況をリアルタイムに解析し、解析結果を表示処理部31に送る。表示処理部31は、データ解析部33の解析結果を、上記ターゲットやレーダビデオと共に画面上に表示する。
【0012】
図2は、表示処理部31による画面表示例を示す図である。図2中201には、ターゲットやレーダビデオが表示される。さらに、レーダビデオデータ解析部33の解析結果として、例えば、ターゲット相関率202、ターゲット補足履歴203、ターゲットレポートに含まれる各種フラグ情報等がリアルタイムで表示される。
【0013】
以上述べたように、本実施形態は、レーダビデオやターゲットレポートの表示機能に加え、さらにリアルタイムデータ解析機能(ターゲット相関率、ターゲット補足履歴機能、ターゲットレポートに含まれる各種フラグ情報等)を追加するようにしたものである。これらの機能追加により、保守作業の大幅な短縮が期待できる。
【0014】
なお、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0015】
1…ASR装置、2…SSR装置、3…保守用表示装置、31…表示処理部、32…データ収集部、33…データ解析部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレーダ装置により得られたレーダ情報を画面上に表示する表示手段と、
前記レーダ情報を収集する収集手段と、
前記収集手段により収集されたレーダ情報をリアルタイムで解析する解析手段と
を具備し、
前記表示手段は、前記解析手段の解析結果を前記レーダ情報と共に前記画面上に表示することを特徴とするレーダ保守用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−237713(P2012−237713A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108306(P2011−108306)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】