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レーダ偽像除去処理装置及び方法
説明

レーダ偽像除去処理装置及び方法

【課題】レーダにおいて、離散的にしか帯域を使用できない場合においても、ターゲットの偽像を除去して、連続的な広帯域を使用した場合と等価の効果を得る。
【解決手段】受信信号を出力する一時記録部10と、外連続的な帯域の相関関数を出力する全帯域用全帯域用相関関数生成部11と、前記相関関数と前記受信信号との相関処理を行って第1の処理信号を出力する全帯域用処理部12と、送信信号と同じ離散的な帯域の相関関数を出力する離散帯域用相関関数生成部13と、前記相関関数と前記受信信号との相関処理を行って第2の処理信号を出力する離散帯域用処理部14と、前記第1の処理信号と前記第2の処理信号とを重ね合わせ処理することにより、前記第2の処理信号に包含される前記第1の処理信号の部分信号を、実際のターゲット信号として採用することにより、ターゲット信号の偽像である信号を除去処理する重ね合わせ処理部15とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダにおいて、離散的にしか帯域を使用できない場合においても、ターゲットの偽像を除去して、連続的な広帯域を使用した場合と等価の効果が得られるレーダ偽像除去処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダを用いて目標を探知することが行われている。目標を探知する際、受信するレーダ信号に目標以外の物標に基づくレーダ偽像が含まれる場合があり、このレーダ偽像を除去する技術が開発されている(特許文献1〜5)。
【0003】
図18に示す様に、レーダにおいて、レーダ使用帯域Bの連続した広帯域信号S1を送受信できるとき、分解能が良く、かつ偽像が発生しないターゲット信号T1を得ることができる。
【0004】
日本において低周波レーダを実現する場合、低周波帯において多く存在する無線局の周波数帯を避けて送信する必要があり、送受信信号は離散帯域にならざるを得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−168936号公報
【特許文献2】特開2006−322861号公報
【特許文献3】特開2009−074917号公報
【特許文献4】特開平01−235883号公報
【特許文献5】特開平09−090020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、レーダ使用帯域Bにおいて、離散的な帯域B1、B2,B3,B4,B5のみしか使用できない場合、離散的な帯域B1、B2,B3,B4,B5を使用する信号S2を用いて目標を探知すると、分解能は良いが、図19に示す様に、帯域B1、B2,B3,B4,B5の使用の仕方に応じて、ターゲット信号T1の偽像である信号N1,N2が多数発生する。
離散的な帯域B1、B2,B3,B4,B5のみしか使用できない場合、分解能が悪い若しくは偽像信号N1,N2が多数発生し、レーダとしては致命的な性能となる。従って、離散的な帯域のみしか使用できない場合でも、偽像除去と高分解能の両立が可能な技術が望まれていた。
【0007】
本発明の目的は、レーダにおいて、離散的にしか帯域を使用できない場合においても、ターゲットの偽像を除去して、連続的な広帯域を使用した場合と等価の効果が得られるレーダ偽像除去処理装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明に係るレーダ偽像除去処理装置は、探知目標等での反射波を受信した受信信号に含まれるターゲット信号の偽像を除去するレーダ偽像除去処理装置において、
前記受信信号を記録し、その記憶している受信信号を出力する一時記録部と、外部からの必要分解能指示に基づいた連続的な帯域の相関関数を生成し、その相関関数を出力する全帯域用全帯域用相関関数生成部と、前記全帯域用相関関数生成部が出力する相関関数と、前記一時記録部が出力する受信信号との相関処理を行い、その相関処理による第1の処理信号を出力する全帯域用処理部と、送信信号と同じ離散的な帯域の相関関数を生成し、その相関関数を出力する離散帯域用相関関数生成部と、離散帯域用相関関数生成部が生成した相関関数と、前記一時記録部が出力する受信信号との相関処理を行い、その相関処理による第2の処理信号を出力する離散帯域用処理部と、前記全帯域用処理部が相関処理した前記第1の処理信号と、前記離散帯域用処理部が相関処理した前記第2の処理信号とを入力し、それらの処理信号を重ね合わせ処理することにより、前記第2の処理信号に包含される前記第1の処理信号の部分信号を、実際のターゲット信号として採用することにより、ターゲット信号の偽像である信号を除去処理する重ね合わせ処理部とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係るレーダ偽像除去処理方法は、探知目標等での反射波を受信した受信信号に含まれるターゲット信号の偽像を除去するレーダ偽像除去処理方法において、
前記受信信号にレーダ使用帯域の連続的な相関関数を掛け合わせる処理を行った第1の処理信号と、前記受信信号に送信信号と同じ離散的な帯域の相関関数を掛け合わせる処理を行った第2の処理信号との重ね合わせ処理を行い、前記第2の処理信号に包含される前記第1の処理信号の部分信号を実際のターゲット信号として採用することにより、ターゲット信号の偽像である信号を除去処理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、受信信号にレーダ使用帯域の連続的な相関関数を掛け合わせる処理を行った処理信号と、前記受信信号に送信信号と同じ離散的な帯域の相関関数を掛け合わせる処理を行った処理信号との重ね合わせ処理を行うため、レーダにおいて、離散的にしか帯域を使用できない場合においても、ターゲットの偽像を除去して、連続的な広帯域を使用した場合と等価の効果を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るレーダ偽像除去処理方法を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係るレーダ偽像除去処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るレーダ偽像除去処理装置が処理する受信信号を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における全帯域用相関関数生成部が相関関数を生成する場合を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態における全帯域用処理部が相関処理する場合を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態における離散帯域用相関関数生成部が相関関数を生成する場合を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態における離散帯域用処理部が相関処理する場合を説明する図である。
【図8】本発明の実施形態における重ね合わせ処理部が重ね合わせ処理をする場合を説明する図である。
【図9】本発明の実施形態において、重ね合わせ処理を行った場合に処理信号に偽像が含まれる場合を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態における離散帯域用相関関数生成部が再処理を行う際に相関関数を生成する場合を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態における離散帯域用処理部が再処理野際に相関処理する場合を説明する図である。
【図12】本発明の実施形態における重ね合わせ処理部が再処理を行う際に重ね合わせ処理をする場合を説明する図である。
【図13】本発明の実施形態における収束判定部が最終的に判定処理をする場合を説明する図である。
【図14】本発明の実施形態による効果を説明する図である。
【図15】本発明の実施形態の変更例に係る構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の実施形態の変更例における相関処理を説明する図である。
【図17】本発明の実施形態の変更例における重ね合わせ処理を説明する図である。
【図18】レーダ使用帯域の連続した広帯域信号を送受信する場合におけるターゲットの情報を説明する図である。
【図19】レーダ使用帯域のうち離散的な帯域の信号を送受信する場合におけるターゲットの情報を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1に示す様に、レーダ使用帯域Bを離散的に使用することにより目標を探知する場合、その受信信号に、レーダ使用帯域Bの連続的な相関関数F1を掛け合わせる処理を行うと、分解能の良いターゲット信号T1が得られるが、同時にターゲットの偽像である信号N1,N2が多数発生する。これを処理信号P1とする。
【0014】
図1に示す様に、前記受信信号に、送信信号と同じ離散的な帯域B1,B2,B3,B4,B4の相関関数F2を掛け合わせる処理を行うと、ターゲットの偽像は発生しないが、分解能の悪いターゲット信号T2が得られる。これを処理信号P2とする。
【0015】
本発明の実施形態は図1に示す様に、前記処理信号P1と前記処理信号P2との重ね合わせ処理を行い、前記処理信号P2に包含される前記処理信号P1の部分信号(T1)を、実際のターゲット信号Tとして採用することにより、目標の探知を行うものである。
次に、本発明の実施形態をさらに具体的に説明する。
【0016】
上述した本発明の実施形態に係るレーダ偽像除去処理方法を実行する装置としては、前記処理信号P1と前記処理信号P2との重ね合わせ処理を行う構成は共通とするものであるが、その重ね合わせ処理を行う方式に2通りのものがある。その1つの装置は、フィードバックにより偽像除去を収束させていく方式を採用したものであり、もう1つの装置は、あらかじめ必要十分な数量の処理部と相関関数生成部を用意しておき、一度の重ね合わせ処理で偽像を除去する方式を採用したものである。
(実施形態1)
【0017】
フィードバックにより偽像除去を収束させていく方式を採用したレーダ偽像除去処理装置を本発明の実施形態1として説明する。
【0018】
本発明の実施形態1に係るレーダ偽像除去処理装置は図2に示す様に、一時記録部10と、全帯域用全帯域用相関関数生成部11と、全帯域用処理部12と、離散帯域用相関関数生成部13と、離散帯域用処理部14と、重ね合わせ処理部15と、収束判定部16と、切替部17と、帯域選択部18とを有している。
【0019】
前記一時記録部10は、受信部19で受信した目標などによる受信信号を一定時間記録し、収束判定部16からの制御信号に基づいて、その記憶している受信信号を全帯域用処理部12及び離散帯域用処理部14にそれぞれ出力するものである。
【0020】
前記全帯域用相関関数生成部11は、外部からの必要分解能指示Dに基づいた連続的な帯域の相関関数F1を生成し、その相関関数F1を全帯域用処理部12に出力するものである。
【0021】
前記全帯域用処理部12は、前記全帯域用相関関数生成部11が出力する相関関数F1と、前記一時記録部10が出力する受信信号との相関処理を行い、その相関処理による処理信号P1を切替部17を経由して重ね合わせ処理部15に出力するものである。
【0022】
前記離散帯域用相関関数生成部13は、送信信号と同じ離散的な帯域の相関関数F2を生成し、その相関関数F2を離散帯域用処理部14に出力し、また、帯域選択部18からの制御信号に基づいて一部連続的な相関関数F2’を生成し、その相関関数F2’を離散帯域用処理部14に出力するものである。
【0023】
前記離散帯域用処理部14は、前記離散帯域用相関関数生成部13が出力する相関関数F2又はF2’と、前記一時記録部10が出力する受信信号の相関処理を行い、その相関処理による処理信号P2を重ね合わせ処理部15に出力するものである。
【0024】
前記重ね合わせ処理部15は、切替部17を経由して全帯域用処理部12が出力する処理信号P1と、離散帯域用処理部14が出力する処理信号P2との重ね合わせ処理を行い、処理信号P2に包含される処理信号P1の部分信号T1を、実際のターゲット信号Tとして採用し、処理信号P3として収束判定部16に出力し、また、収束判定部16における判定用として処理信号P2も並行して収束判定部16に出力するものである。
【0025】
前記収束判定部16は、前記重ね合わせ処理部15が出力する処理信号P3にターゲットの偽像が含まれていないかを判定し、ターゲットの偽像が含まれていなければ処理信号P3をそのままターゲット信号Tとして出力し、ターゲットの偽像が含まれていれば、再処理のために切替部17に対して処理信号P3を出力するとともに、切替部17,帯域選択部18及び一時記録部10に対して制御信号を出力するものである。
【0026】
前記切替部17は、前記収束判定部16からの制御信号に基づいて、全帯域用処理部12が出力する処理信号P1と前記収束判定部16が出力する処理信号P3のいずれかを前記重ね合わせ処理部15に出力するものである。
【0027】
前記帯域選択部18は、前記収束判定部16からの制御信号に基づいて、前記離散帯域用相関関数生成部13にて相関関数を生成するためのもとになる帯域情報を、帯域制御信号として前記離散帯域用相関関数生成部13に出力するものである。
【0028】
次に、図1に示す本発明の実施形態に係るレーダ偽像除去処理装置を用いてレーダ偽像除去処理方法を実行する場合について具体的に説明する。
【0029】
本発明の実施形態1に係るレーダ偽像除去処理方法を実行するにあたって、図3に示す様に、レーダ使用帯域Bが周波数f1〜周波数f0であって、周波数f0から周波数f1までの帯域内において離散的な占有帯域B1,B2,B3,B4,B5を有する受信信号を想定する。
【0030】
図1において、受信部19が受信信号を出力し、その受信信号が一時記録部10に入力される。前記一時記録部10は、前記受信信号を一定時間記録し、収束判定部16からの制御信号に基づいて、全帯域用処理部12及び離散帯域用処理部14に前記受信信号をそれぞれ出力する。
【0031】
前記全帯域用相関関数生成部11は、外部からの必要分解能指示Dに基づき、受信信号の占有周波数帯に応じて連続的な帯域の相関関数F1を生成する。前記全帯域用相関関数生成部11は、前記相関関数F1を生成する際、対応する受信信号の占有帯域の合計が最大になるような周波数帯を自動で選択する。
具体的に説明すると、前記全帯域用相関関数生成部11は図4(A)に示す様に、例えば、レーダ使用帯域Bに相当する分解能が必要であれば、周波数f0〜周波数f1の範囲の連続的な帯域Bの相関関数F1を生成する。
前記全帯域用相関関数生成部11は図4(B)に示す様に、レーダ使用帯域Bよりも狭い帯域B’に相当する分解能が必要であり、周波数f2〜周波数f0の範囲が前記帯域B’に相当し、かつ離散的な帯域B1+B2+B3+B4が、周波数f0〜周波数f1の範囲内で前記帯域B’を選択する上で最大であれば、周波数f0〜周波数f2の範囲の連続的な帯域B’の相関関数F1を生成する。
そして、前記全帯域用相関関数生成部11は、生成した図4(A)又は図4(B)に示す相関関数F1を全帯域用処理部11に出力する。
【0032】
全帯域用処理部12は、前記全帯域用相関関数生成部11が生成した相関関数F1と前記一時記録部10が出力する受信信号との相関処理を行い、その相関処理による処理信号P1を出力する。前記全帯域用処理部12は、連続的な帯域Bの前記相関関数F1と、離散的な帯域Bの受信信号との相関処理を行うため、図5に示す様に、分解能の良いターゲット信号T1が得られるが、同時にターゲット信号T1の偽像である信号N1,N2が多数発生する。
【0033】
離散帯域用相関関数生成部13は、帯域選択部18からの制御信号に基づいて相関関数F2を生成するが、前記離散帯域用相関関数生成部13は図6に示す様に、第一段階としては、送信信号と同じ離散的な帯域B1,B2,B3,B4,B5の相関関数F2を生成し、その相関関数F2を離散帯域用処理部14に出力する。
【0034】
前記離散帯域用処理部14は図7に示す様に、前記離散帯域用相関関数生成部13が生成した相関関数F2と前記一時記録部10が出力する受信信号との相関処理を行い、その相関処理による処理信号P2を出力する。前記離散帯域用処理部14は、前記受信信号と前記相関関数F2とで同じ信号の相関処理を行うため、図7に示す様に、ターゲット信号T2の偽像である信号は発生しないが、ターゲット信号T2の分解能は、離散的な帯域B1+B2+B3+B4+B5に相当するため、前記処理信号P1と比較して悪くなる。
【0035】
重ね合わせ処理部15は図8に示す様に、切替部17を経由して全帯域用処理部12から出力される処理信号P1と、離散帯域用処理部14から出力される処理信号P2との重ね合わせ処理を行い、処理信号P2に包含される処理信号P1の部分信号P11,P12を、実際のターゲット信号として採用し、これら部分信号P11,P12を処理信号P3として収束判定部16に出力する。また、前記重ね合わせ処理部15は図8に示す様に、収束判定部16における判定用として、処理信号P2を前記処理信号P3と並行して前記収束判定部16に出力する。
【0036】
収束判定部16は図9に示す様に、前記重ね合わせ処理部15から出力される処理信号P2と処理信号P3とを比較し、同時刻の両者のピーク数に差があれば、まだ偽像を除去しきれていないと判断し、再処理に移行する。前記収束判定部16は図9に示す様に、例えば、処理信号P2が一つのピークに対し、処理信号P3に2つのピーク(ターゲット信号T11,T12)があれば、処理信号P3の2つのピークのうち一つのターゲット信号P11又はP12を偽像として判断する。
【0037】
前記収束判定部16は、再処理に移行する場合、前記切替部17の信号ラインを切替えて、処理信号P3を前記重ね合わせ処理部15に再出力する。また、前記収束判定部16は、再処理に使用する相関関数F2’の帯域を選択するように帯域選択部18を制御する。さらに、前記収束判定部16は、再処理のために、受信信号を再出力するように前記一時記録部10を制御する。
【0038】
帯域選択部18は、前記収束判定部16からの制御に基づいて、処理信号P2の分解能を改善するために、図10に示す様に、相関関数F2の離散帯域を一部つなぎ合わせて合計の帯域を増加するような相関関数F2’の帯域を選択する。前記帯域選択部18は、相関関数F2’の帯域を選択する際、偽像発生とのバランスを考慮し、最適な帯域選択となるよう自動制御する。
図10に示す例では、帯域選択部18は、前記収束判定部16からの制御に基づいて、処理信号P2の分解能を改善するために、相関関数F2の離散帯域B3とB4とを一部つなぎ合わせて合計の帯域B3’を増加するような相関関数F2’の帯域を選択している。
【0039】
前記離散帯域用相関関数生成部13は、前記帯域選択部18からの制御に基づき、相関関数F2’を生成し、その相関関数F2’を前記離散帯域用処理部14に出力する。
【0040】
前記離散帯域用処理部14は図11に示す様に、前記一時記録部10から再出力された記憶済みの受信信号と前記離散帯域用相関関数生成部13が再生した前記相関関数F2’との相関処理を行い、その相関処理による処理信号P2’を出力する。
図11に示す様に、前記離散帯域用処理部14が出力する処理信号P2’には、前記離散帯域用処理部14による相関処理の結果、太線で示す実際のターゲット信号Tとターゲット信号Tの偽像である信号N3,N4とが含まれている。
【0041】
前記重ね合わせ処理部15は図12に示す様に、前記切替部17を経由して前記収束判定部16から出力される処理信号P3と、前記離散帯域用処理部14から出力される処理信号P2’との重ね合わせ処理を行い、処理信号P2’(特にターゲット信号T)に包含される処理信号P3の部分信号T11を、実際のターゲット信号Tとして採用し、処理信号P3’として前記収束判定部16に出力する。また、前記重ね合わせ処理部15は、収束判定部16における判定用として、処理信号P2’も並行して出力する。
図12に示す例では、処理信号P3の部分信号T12は、処理信号P2’に含まれていないため、前記重ね合わせ処理部15は、重ね合わせ処理の結果、処理信号P3の部分信号T12をターゲット信号Tして採用しないものである。
【0042】
前記収束判定部16は図13に示す様に、前記重ね合わせ処理部15から出力される処理信号P3’と処理信号P2’とを比較し、同時刻の両者のピーク数に差がないため、偽像は全て除去されたと判定し、処理信号P3’をターゲット信号Tとして出力する。
【0043】
次に、本発明の実施形態1による効果を図14に基づいて説明する。
図14(A)に示す様に、レーダにおいて、レーダ使用帯域Bの連続した広帯域信号S1を送受信できるとき、分解能が良く、かつ偽像が発生しないターゲット信号T1を得ることができる。これに対して、図14(B)の上段に示す様に、レーダ使用帯域Bにおいて、離散的な帯域B1、B2,B3,B4,B5のみしか使用できない場合、離散的な帯域B1、B2,B3,B4,B5を使用する信号S2を用いて目標を探知すると、分解能は良いが、図17に示す様に、帯域B1、B2,B3,B4,B5の使用の仕方に応じて、ターゲット信号T1の偽像である信号N1,N2が多数発生する。
【0044】
本発明の実施形態1では、図1に示す様に、レーダ使用帯域Bを離散的に使用することにより目標を探知する場合、その受信信号にレーダ使用帯域Bの連続的な相関関数F1を掛け合わせる処理を行った処理信号P1、前記受信信号に送信信号と同じ離散的な帯域B1,B2,B3,B4,B4の相関関数F2を掛け合わせる処理を行った処理信号P2との重ね合わせ処理を行い、前記処理信号P2に包含される前記処理信号P1の部分信号(T1)を、実際のターゲット信号Tとして採用することにより、ターゲット信号の偽像である信号N1,N2を除去処理することができ、図14(B)の下段に示す様に、レーダにおいて、離散的にしか帯域を使用できない場合においても、ターゲットの偽像を除去することができ、連続的な広帯域を使用した場合と等価の効果を得ることができるものである。
(実施形態2)
【0045】
次に、あらかじめ必要十分な数量の処理部と相関関数生成部を用意しておき、一度の重ね合わせ処理で偽像を除去する方式を採用したレーダ偽像除去処理装置を本発明の実施形態2として説明する。
【0046】
図15に示す本発明の実施形態2に係るレーダ偽像除去処理装置は、図2に示す本発明の実施形態1に係るレーダ偽像除去処理装置と比較すると、全帯域用相関関数生成部と、全帯域用処理部と、離散帯域用相関関数生成部と、離散帯域用処理部と、重ね合わせ処理部とを有している点で本発明の実施形態1に係るレーダ偽像除去処理装置と共通している。図15に示す本発明の実施形態2に係るレーダ偽像除去処理装置は、フィードバックにより偽像除去を収束させていく方式を実現するための収束判定部,切替部,帯域選択部に代えて、あらかじめ必要十分な数量の離散帯域用相関関数生成部と離散帯域用処理部とを用意しておき、一度の重ね合わせ処理で偽像を除去する構成に特徴を有している。
【0047】
具体的に説明すると、図15に示す様に、図2に示す離散帯域用処理部14に加えて、2以上の離散帯域用処理部14〜14を並列に配置し、図2に示す離散帯域用処理部14に対応する離散帯域用相関関数生成部13に加えて、2以上の離散帯域用処理部14〜14に対応する2以上の離散帯域用相関関数生成部13〜13を配置し、2以上の離散帯域用処理部14,14〜14が出力する相関処理による処理信号P2,P2〜P2を並行して重ね合わせ処理部15に入力する構成として構築している。
【0048】
図15に示す例では、離散帯域用処理部14に対応する離散帯域用相関関数生成部13は、図6に示す様に送信信号と同じ離散的な帯域Bの相関関数F2を生成し、その相関関数F2を前記離散帯域用処理部14に出力する。
前記離散帯域用処理部14以外の離散帯域用処理部14〜14に対応する離散帯域用相関関数生成部13〜13は、図10に示す様に相関関数F2の離散帯域を一部つなぎ合わせて合計の帯域が増加するような相関関数F2’〜 F2’を生成し、その相関関数F2’〜 F2’を対応する離散帯域用処理部14〜14にそれぞれ出力する。
この場合、離散帯域用相関関数生成部13,13〜13は、一部繋ぎ合わせる相関関数F2の離散帯域がそれぞれ異なるように選択して、相関関数F2の離散帯域を一部つなぎ合わせて合計の帯域が増加するような相関関数F2’〜 F2’を生成する。
【0049】
重ね合わせ処理部15は、2以上の全帯域用処理部12,離散帯域用処理部14,14〜14が出力する相関処理による処理信号P1,P2,P2〜P2を並行して入力し、図16に示す様に2以上の処理信号P1,P2,P2〜P2を重ね合わせ処理を行い、ターゲット信号Tを取得する。
【0050】
次に、図15に示す構成のレーダ偽像除去処理装置を用いてレーダ偽像除去処理方法を実行する場合について具体的に説明する。この具体例は、3台の全帯域用処理部12,離散帯域用処理部14,14と、これらに対応した全帯域用相関関数生成部11,離散帯域用相関関数生成部13,13とを組み合わせた例に基づいて説明するが、この組合せの例に限られるものではなく、前記離散帯域用処理部及び前記離散帯域用相関関数生成部の台数を増やした場合も同様である。なお、図15に示す例では、離散帯域用相関関数生成部13,13〜13を1台の離散帯域用相関関数生成部として図示しており、その1台の離散帯域用相関関数生成部が、それぞれ異なる相関関数F2,F2’〜 F2’をそれぞれ対応する離散帯域用処理部14,14〜14に出力する構成として図示しているが、説明の都合上、離散帯域用相関関数生成部13,13〜13がそれぞれ独立して構築した例に基づいて説明する。
【0051】
図15において、全帯域用相関関数生成部11は図16(A)の左側に示したように、外部からの必要分解能指示Dに基づいた連続的な帯域の相関関数F1を生成し、その相関関数F1を全帯域用全帯域用処理部12に出力する。
前記全帯域用処理部12は図16(A)の左側に示す様に、前記全帯域用相関関数生成部11が出力する相関関数F1と、前記一時記録部10が出力する受信信号との相関処理を行い、その相関処理による処理信号P1を重ね合わせ処理部15に出力する。前記全帯域用処理部12は、連続的な帯域Bの前記相関関数F1と、離散的な帯域Bの受信信号との相関処理を行うため、図16(B)の右側に示す様に、分解能の良いターゲット信号T1が得られるが、同時にターゲット信号T1の偽像である信号N1,N2が多数発生する。
【0052】
図15において、離散帯域用相関関数生成部13は図16(B)の左側に示す様に、送信信号と同じ離散的な帯域B1,B2,B3,B4,B5の相関関数F2を生成し、その相関関数F2を離散帯域用処理部14に出力する。
離散帯域用処理部14は図16(B)の左側に示す様に、前記離散帯域用相関関数生成部13が生成した相関関数F2と前記一時記録部10が出力する受信信号との相関処理を行い、その相関処理による処理信号P2を出力する。前記離散帯域用処理部14は、前記受信信号と前記相関関数F2とで同じ信号の相関処理を行うため、図16(B)の右側に示す様に、ターゲット信号T2の偽像である信号は発生しないが、ターゲット信号T2の分解能は、離散的な帯域B1+B2+B3+B4+B5に相当するため、前記処理信号P1と比較して悪くなる。
【0053】
離散帯域用相関関数生成部13は図16(C)の右側に示す様に、処理信号P2の分解能を改善するために、相関関数F2の離散帯域を一部つなぎ合わせて合計の帯域を増加するような相関関数F2’を生成し、その相関関数F2’を離散帯域用処理部14に出力する。
前記離散帯域用処理部14は図16(C9の右側に示す様に、前記一時記録部10から出力された受信信号と前記離散帯域用相関関数生成部13が生成した前記相関関数F2’との相関処理を行い、その相関処理による処理信号P2’を出力する。図16(C)の右側に示す様に、前記離散帯域用処理部14が出力する処理信号P2’には、前記離散帯域用処理部14による相関処理の結果、太線で示す実際のターゲット信号T1とターゲット信号T1の偽像である信号N3,N4とが含まれている。
【0054】
重ね合わせ処理部15は図17に示す様に、3台の全帯域用処理部12,離散帯域用処理部14,14が出力する相関処理による処理信号P1,P2,P2を並行して入力し、2以上の処理信号P1,P2,P2を重ね合わせ処理を行い、ターゲット信号Tを取得する。
【0055】
図15に示す例によれば、ターゲット信号の偽像である信号を完全に除去ことは困難であるが、構成を簡素化することができると共に、処理速度を向上させることができるという利点を有している。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、リモートセンシング分野の、低周波帯を利用したレーダに活用できる。特に、高分解能化のために広帯域を必要とする合成開口レーダに活用できる。
【符号の説明】
【0057】
10 一時記憶部
11 全帯域用相関関数生成部
12 全帯域用処理部
13,13〜13 離散帯域用相関関数生成部
14,14〜14 離散帯域用処理部
15 重ね合わせ処理部
16 収束判定部
17 切替部
18 帯域選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
探知目標等での反射波を受信した受信信号に含まれるターゲット信号の偽像を除去するレーダ偽像除去処理装置において、
外部からの必要分解能指示に基づいた連続的な帯域の相関関数を生成し、その相関関数を出力する全帯域用全帯域用相関関数生成部と、
前記全帯域用相関関数生成部が出力する相関関数と、前記受信信号との相関処理を行って第1の処理信号を出力する全帯域用処理部と、
送信信号と同じ離散的な帯域の相関関数を生成し、その相関関数を出力する離散帯域用相関関数生成部と、
離散帯域用相関関数生成部が生成した相関関数と前記受信信号との相関処理を行って第2の処理信号を出力する離散帯域用処理部と、
前記第1の処理信号と前記第2の処理信号とを重ね合わせ処理することにより、前記第2の処理信号に包含される前記第1の処理信号の部分信号を、実際のターゲット信号として採用することにより、ターゲット信号の偽像である信号を除去処理する重ね合わせ処理部とを有することを特徴とするレーダ偽像除去処理装置。
【請求項2】
さらに、収束判定部と、帯域選択部とを有し、
前記重ね合わせ処理部は、前記実際のターゲット信号として採用した処理信号及び前記離散帯域用処理部が相関処理した前記処理信号を前記収束判定部に出力する機能を有しており、
前記収束判定部は、前記重ね合わせ処理部が出力する処理信号にターゲットの偽像が含まれていないかを判定し、ターゲットの偽像が含まれていなければ前記処理信号をそのままターゲット信号として出力し、ターゲットの偽像が含まれていれば、再処理のために前記重ね合わせ処理部が出力する処理信号を前記重ね合わせ処理部に出力するものであり、
前記帯域選択部は、前記収束判定部からの制御信号に基づいて、前記離散帯域用相関関数生成部にて相関関数を生成するためのもとになる帯域情報を、帯域制御信号として前記離散帯域用相関関数生成部に出力するものであり、
前記離散帯域用相関関数生成部は、前記帯域選択部からの制御信号に基づいて一部連続的な相関関数を生成し、その相関関数を前記離散帯域用処理部に出力する機能を有しており、
前記離散帯域用処理部は、前記離散帯域用相関関数生成部が新たに出力する相関関数と、前記一時記録部が出力する受信信号の相関処理を行い、その相関処理による処理信号を前記重ね合わせ処理部に出力する機能を有しており、
前記重ね合わせ処理部は、前記収束判定部が出力した前記処理信号と、前記離散帯域用処理部が新たに相関処理した前記処理信号とを入力し、それらの処理信号を重ね合わせ処理する機能を有している請求項1に記載のレーダ偽像除去処理装置。
【請求項3】
前記離散帯域用処理部に加えて、2以上の離散帯域用処理部を並列に配置し、
前記離散帯域用処理部に対応させて2以上の前記離散帯域用相関関数生成部を備え、
前記重ね合わせ処理部は、前記全帯域用処理部が相関処理した前記処理信号と、前記離散帯域用処理部がそれぞれ相関処理した前記処理信号とを入力し、それらの処理信号を重ね合わせ処理することにより、ターゲット信号を取得する機能を有する請求項1に記載のレーダ偽像除去処理装置。
【請求項4】
探知目標等での反射波を受信した受信信号に含まれるターゲット信号の偽像を除去するレーダ偽像除去処理方法において、
前記受信信号にレーダ使用帯域の連続的な相関関数を掛け合わせる処理を行った第1の処理信号と、前記受信信号に送信信号と同じ離散的な帯域の相関関数を掛け合わせる処理を行った第2の処理信号との重ね合わせ処理を行い、
前記第2の処理信号に包含される前記第1の処理信号の部分信号を実際のターゲット信号として採用することにより、ターゲット信号の偽像である信号を除去処理することを特徴とするレーダ偽像除去処理方法。
【請求項5】
前記重ね合わせ処理された第3の処理信号と前記第2の処理信号とを比較し、同時刻の両者のピーク数に差があれば、まだ偽像を除去しきれていないと判断し、再処理に移行し、
前記再処理に移行した際、相関関数の離散帯域を一部つなぎ合わせて合計の帯域を増加するような相関関数を生成し、その相関関数と前記受信信号との相関処理を行い、その相関処理による第4の処理信号を出力し、
前記第3の処理信号と前記第4の処理信号との重ね合わせ処理を行い、前記重ね合わせ処理によって出力される第5の処理信号と前記第4の処理信号とを比較し、同時刻の両者のピーク数に差がない場合に偽像が除去されたと判定する請求項4に記載のレーダ偽像除去処理方法。
【請求項6】
前記受信信号にレーダ使用帯域の連続的な相関関数を掛け合わせる処理を行って第1の処理信号を生成し、
前記受信信号に送信信号と同じ離散的な帯域の相関関数を掛け合わせる処理を行って2以上の第2の処理信号を生成し、
前記第1の処理信号と前記2以上の第2の処理信号との重ね合わせ処理を行うことにより、前記第2の処理信号に包含される前記第1の処理信号の部分信号を実際のターゲット信号として採用することにより、ターゲット信号の偽像である信号を除去処理する請求項4に記載のレーダ偽像除去処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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